IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-504663チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを有する診断分析器、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-14
(54)【発明の名称】チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを有する診断分析器、および方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
G06F1/16 313A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544675
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-30
(86)【国際出願番号】 US2023060945
(87)【国際公開番号】W WO2023147253
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/267,205
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・チュラ
(57)【要約】
診断分析器のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、ディスプレイスクリーンを備えた携帯デバイスに相互連結可能なチルト式支持部と、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを備える。傾斜スクリーン機構は、軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、チルト式支持部および携帯デバイスのディスプレイスクリーンの傾斜角度を調整するためにマルチアングルアジャスタの調整機能と係合するように構成された軸から垂下する調整部材とを備える。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器と、診断分析器のディスプレイスクリーンの傾斜角度を調整する方法が、他の態様と同様に説明される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリであって:
ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに相互連結可能であるように構成されたチルト式支持部と;
複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと;
チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:
軸と、
該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、
チルト式支持部の傾斜角度を調整するために、該軸から延び、該マルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、前記チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項2】
チルト式支持部は支持ブラケットを含み、軸は該支持ブラケットに枢動可能に取り付けられている、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項3】
支持ブラケットは、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを取り付けるように構成された取付部材に取り付けられている、請求項2に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項4】
チルト式支持部は、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに取り付け可能であるように構成された取付部材を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項5】
取付部材は、携帯デバイスの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックを含む、請求項4に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項6】
取付部材は、携帯デバイスの背面のキャッチ機能で受けられるように構成された掛止部を含む、請求項4に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項7】
チルト式支持部は、支持ブラケットおよび取付部材を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の可動パドルは、軸の第1の端部に取り付けられた第1の可動パドルと、軸の第2の端部に取り付けられた第2の可動パドルとを含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項9】
軸に取り付けられたばねをさらに含み、該ばねは、軸の回転軸からオフセットして取り付けられている、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項10】
ばねは、チルト式支持部の支持ブラケットにさらに取り付けられている、請求項9に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項11】
軸は、チルト式支持部に対する軸の軸方向運動を制限する軸方向拘束機能を有する、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項12】
軸は、支持ブラケットの支承支持部に支持され、半径方向に拘束される、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項13】
軸から延び、チルト式支持部に対する軸の回転を制限するために制限止め具と係合するように構成された端部部分を有する付属止め具を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項14】
マルチアングルアジャスタはベースに連結され、マルチアングルアジャスタは2つ以上の段を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項15】
チルト式支持部は少なくとも15°の傾斜角度にわたって調整可能である、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項16】
チルト式支持部は取付部材を含み、携帯デバイスは該取付部材から取り外し可能である、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項17】
取付部材は、携帯デバイスの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックと、携帯デバイスの背面にあるキャッチ機能に受けられるように構成されたばね式掛止部とを含む、請求項16に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項18】
取付部材は、取付軸を含み、取付部材は、取付軸を中心に傾斜可能である、請求項16に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項19】
診断分析器であって:
ベースと;
該ベースに回転可能に連結され、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスと;
ベースと携帯デバイスとの間に相互連結されたチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリとを含み、該チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは:
携帯デバイスに相互連結され、該携帯デバイスに取り付けるように構成された取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、
ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと;
チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:
軸と、
該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、
該軸から延び、該ベースに対するディスプレイスクリーンの傾斜を調整するためにマルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、前記診断分析器。
【請求項20】
診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法であって:
診断分析器のベースを提供することと;
ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを提供することと;
ベースと携帯デバイスとの間にチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを相互連結することであって、該チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、携帯デバイスに取り付けられる取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:軸と、該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、該軸から延び、複数の調整機能のうちの少なくとも一部と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、ことと;
ベースに対してチルト式支持部を傾斜させ、ディスプレイスクリーンの傾斜角度を調整するために、1つまたはそれ以上の可動パドルを押し下げて、調整部材の端部を複数の調整機能のうちの1つから係合解除することと
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月27日に出願された米国仮出願第63/267,205号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。上記で参照した特許出願の全内容は、参照によって明示的に本明細書に組み入れられている。
【0002】
本開示は、ディスプレイスクリーンの傾斜を提供するアセンブリ、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器、およびその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
簡易迅速医療診断などの一部の医療診断では、生体物質またはその成分を含む試料を診断機器またはデバイス(以下、「診断分析器」)の内部格納部に挿入される。そのような診断分析器としては、分子検査を行うように適用される免疫測定機器、血液学分析器、血液ガス分析器、および試料をその化学組成に関して分析し、かつ/またはその分析物を特定する化学分析器が挙げられるが、これらに限定されない。試料は、全血、血清または血漿、胸膜液、尿、間質液、髄液などの生体物質の生試料、もしくは当該生体物質を含む生試料であってもよく、または同定、特性決定、および/もしくは測定される目的のタンパク質、分析物、もしく構成成分を抽出するように以前に処理されている可能性のある生体試料であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような診断分析器および方法の、その作動方法および利用の改善を可能にする機能性の向上が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリが提供される。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに相互連結可能であるように構成されたチルト式支持部と、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、傾斜スクリーン機構は:軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、チルト式支持部の傾斜角度を調整するために、軸から延び、マルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む。
【0006】
別の実施形態では、診断分析器が提供される。診断分析器は、ベースと、ベースに回転可能に連結され、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスと、ベースと携帯デバイスとの間に相互連結されたチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリとを含む。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、携帯デバイスに相互連結され、携帯デバイスに取り付けるように構成された取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含む。傾斜スクリーン機構は、軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、軸から延び、ベースに対するディスプレイスクリーンの傾斜を調整するためにマルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む。
【0007】
別の実施形態では、診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法が提供される。本方法は、診断分析器のベースを提供することと、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを提供することと、ベースと携帯デバイスとの間にチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを相互連結することであって、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、携帯デバイスに取り付けられる取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、傾斜スクリーン機構は:軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、軸から延び、複数の調整機能のうちの少なくとも一部と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、ことと;ベースに対してチルト式支持部を傾斜させ、ディスプレイスクリーンの傾斜角度(TA)を調整するために、1つまたはそれ以上の可動パドルを押し下げて、調整部材の端部を複数の調整機能のうちの1つから係合解除することとを含む。
【0008】
本開示のさらに他の態様、機能、および利点は、本開示を実施するために企図された最良の態様を含む複数の例示的実施形態の以下の説明および図示から容易に明らかになるであろう。本開示はまた、他の異なる実施形態が可能であり得、そのいくつかの詳細は、すべて本開示の範囲から逸脱することなく、様々な点で変更することができる。本開示は、特許請求の範囲の範囲内にあるすべての変更、均等物、および代替物を網羅することが意図されている。
【0009】
以下に説明する図面は、例示を目的とするものであり、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではない。したがって、図面およびその説明は、本質的に例示的なものとみなされ、限定的なものとはみなされない。図面は、本開示の範囲を限定することを一切意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示によるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリの第1の例示的実施形態の等角図である。
図1B】本開示によるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリの第1の例示的実施形態の別の等角図である。
図1C】傾斜スクリーン機構が本開示による連結構成で示されているチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器の例示的実施形態の部分側面図である。
図1D】傾斜スクリーン機構が本開示による非連結構成で示されているチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器の例示的実施形態の部分側面図であり、本開示に従って傾斜角度を調整できるように、調整部材がマルチアングルアジャスタの調整機能から係合解除されて示されている。
図1E】本開示による取付部材を備えたチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリの等角図である。
図1F】本開示によるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリに取り付けられるように構成されたディスプレイスクリーンを備えた携帯デバイスの正面等角図である。
図1G】本開示によるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリに連結するように構成された取付機能を備えた携帯デバイスの背面等角図である。
図1H】取付部材に取り付けられた携帯デバイスの部分側断面図であり、本開示による取付部材への携帯デバイスの連結を達成するように構成された掛止部およびキャッチ機構をさらに示す。
図1I】本開示による取付部材の下部および連結支持ブラケットの部分等角図である。
図2A】本開示による、持ち上げられた構成で示されているチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器の例示的実施形態の側面図である。
図2B】本開示による、キャビネットおよび/またはキャビネット扉を回避することを可能にするために下げた構成で示されているチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを備えた診断分析器の例示的実施形態の側面図である。
図3】本開示による診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、診断分析器のディスプレイスクリーンなどのディスプレイスクリーンの傾斜を有効にするチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリおよび方法を対象とする。本開示はさらに、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを含む診断分析器を対象とする。本開示の第1の実施形態によれば、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリが提供され、このチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、携帯デバイスに容易に取り付け可能かつ取り外し可能であるように、さらに、そのディスプレイスクリーンを傾斜させて、変更または改善された視野角を提供し、かつ/またはディスプレイスクリーンを収納キャビネットの下に摺動でき、もしくは他の方法でキャビネット扉などの構成要素の動作との干渉を回避することができるようにディスプレイスクリーンの高さを低くするように、携帯デバイスに相互連結されるように構成されている。
【0012】
より詳細には、簡易迅速診断分析器などの診断分析器の機能部材とすることができるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、そのディスプレイスクリーンの傾斜角度の調整を容易にすることができる。特に、医療従事者は、携帯デバイスおよびそのディスプレイスクリーンが相互連結されるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリの傾斜角度を容易に変更することができる。
【0013】
本明細書で使用する場合、「~に連結される」という表現は、任意の適切な取り付け機構(例えば、ねじ、スナップ嵌め、プレス嵌め、または他の機械的な取付デバイス)によって(例えば、固定して、または解放可能に)取り付けられる、一体化されている、その一部として成形される、そこから延びる、またはその副部材として形成されることを意味する。本明細書で使用する場合、「相互連結可能であるように構成されている」とは、言及される要素が、別の物品に直接取り付け可能であるか、または物品に取り付けられる中間部材への取り付けによって相互に連結可能であることを意味する。
【0014】
他の実施形態では、診断分析器のディスプレイスクリーンの傾斜を有効にする操作方法が提供される。したがって、本発明者らは、患者または他の情報の簡易迅速スキャンを達成することができるように、収納キャビネットまたはキャビネット扉などの別の物品との起こり得る干渉を回避するために、かつ/またはそこからディスプレイスクリーンを含む携帯デバイス(例えば、タブレット)を取り外すために、診断分析器のディスプレイスクリーンの容易な傾斜角度調整を有効にする新たな装置および方法を発明した。
【0015】
本開示の一態様では、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリが提供される。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに相互連結可能であるように構成されたチルト式支持部(1つまたはそれ以上の部品から作成される)と、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含む。傾斜スクリーン機構は、軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、チルト式支持部の傾斜角度を調整するために、軸に連結され(例えば、軸に連結され、そこから半径方向に延び)、マルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とをさらに含むことができる。
【0016】
本開示の別の態様では、診断分析器が提供される。血液ガス分析器または他の生体液診断分析器であり得る診断分析器は、ベースと、ベースに回転可能に連結された携帯デバイスとを含む。携帯デバイスはディスプレイスクリーンを含む。診断分析器は、ベースと携帯デバイスとの間に相互連結されたチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリをさらに含む。チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、携帯デバイスに相互連結され、携帯デバイスに取り付けるように構成された取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含む。傾斜スクリーン機構は、軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、軸から垂下し、ベースに対するディスプレイスクリーンの傾斜を調整するためにマルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含むことができる。
【0017】
本開示の別の態様では、診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法が提供される。本方法は、診断分析器のベースを提供することと、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを提供することと、ベースと携帯デバイスとの間に、チルト式支持部を含むチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを相互連結することとを含む。チルト式支持部は、携帯デバイスに取り付けられた取付部材に取り付けられた支持ブラケットと、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含む。傾斜スクリーン機構は、軸と、軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、軸から垂下し、複数の調整機能のうちの少なくとも一部と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む。本方法はさらに、ベースに対してチルト式支持部を傾斜させ、ディスプレイスクリーンの傾斜角度(TA)を調整するために、1つまたはそれ以上のパドルを押し下げて、調整部材の端部を複数の調整機能のうちの1つから係合解除することを含む。
【0018】
本開示に従って、診断分析器のディスプレイスクリーンの傾斜角度調整、および/または診断分析器からのディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスの取り外しを有効にするように構成された装置および方法のいくつかの例示的実施形態が図示され、図1図3Aを参照しながら説明される。
【0019】
図1A図1Eおよび図1H図1Iは、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100の第1の例示的実施形態を示し、このチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、診断分析器80(図1C図1D)の一体部材であり得、その携帯デバイス85(図1F図1G)の傾斜角度(TA)の調整を可能にするように動作可能であり、この携帯デバイス85は、いくつかの実施形態では、診断分析器80の取り外し可能な部材であり得る。例えば、携帯デバイス85は、携帯デバイス85と一体化されたバーコードリーダでスキャンする、あるいは携帯デバイス85を用いて患者情報、投薬情報、および/または他の診断もしくは医学的状態情報を取得するなど、任意の数の簡易迅速機能を達成するために、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100から取り外し可能であり得る。チルト式機能以外の診断分析器80の残りの詳細については、本明細書では説明せず、従来通りである。
【0020】
チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、診断分析器80内に生体試料を導入して検査することが望まれるあらゆるタイプの診断分析器80と共に使用することができる。例えば、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、血液ガス分析器などの簡易迅速診断分析器に非常に有用である。特に、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、診断分析器80の全体の高さを低くすることができるように、ディスプレイスクリーン86の回転を可能にするように使用することができる。診断分析器80は、このように低くすることを通じて、収納キャビネットなどの障害物の下に収まるか、または収納キャビネットのキャビネット扉の操作との干渉を回避するように低くされる。診断分析器80を収納キャビネットの下に移動させることができるため、カウンターの空間を他の目的に使用するために解放することができる。
【0021】
図2Aおよび図2Bに最もよく示されているように、診断分析器80の診断構成要素の一部または全部を含むハウジング構造を構成することができるベース125を有する診断分析器80が示されている。図2Aおよび図2Bは、チルト式支持部102に取り付けられた携帯デバイス85も示す。例えば、図2Aは、直立しているが垂直からの傾斜角度TA1が約10°で、わずかに傾斜した位置で示されているディスプレイスクリーン86を備えた携帯デバイス85を示す。この傾斜角度TA1は、医療従事者によるディスプレイスクリーン86を見やすくすることができる。しかしながら、診断分析器80の全体の高さH1は、場合によっては高すぎて、診断分析器80が載っているカウンタートップ面88の上に位置する収納キャビネット87の下に摺動できないことがある。場合によっては、高さH1も収納キャビネット87のキャビネット扉89が十分に開くのを妨げ、それによって様々な備品にアクセスできなくなる。
【0022】
携帯デバイス85が相互連結されるチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、図2Bに示すように、チルト式支持部102、したがってディスプレイスクリーン86を含む相互連結された携帯デバイス85をより低い高さH2まで傾斜させることができる。一例では、これにより、診断分析器80のベース125を動かすことなく、キャビネット扉89を開いて携帯デバイス85の上部を空けることができる。別の例では、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100により、チルト式支持部102、したがってディスプレイスクリーン86を含む相互連結された携帯デバイス85をより低い高さH2まで傾斜させることができ、それにより、図2Bに示すように、診断分析器80を収納キャビネット87の下に摺動させ、より多くのカウンタートップ空間を空けることができる。
【0023】
より詳細には、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、チルト式支持部102と、マルチアングルアジャスタ104と、傾斜スクリーン機構106とを含む。チルト式支持部102は、ディスプレイスクリーン86を含む携帯デバイス85に相互連結可能であるように構成される。チルト式支持部102(図1Eおよび図1I)は、いくつかの実施形態では、ディスプレイスクリーン86を含む携帯デバイス85に取り付けられるように構成された取付部材114を含むことができる。チルト式支持部102は、いくつかの実施形態では、単一部品であることができるか、または第1の実施形態のように、2つの相互連結された部品から作成される。
【0024】
例えば、チルト式支持部102は、図1A図1Bに示す支持ブラケット103と、図1Eおよび図1Iに示す取付部材114とから作成される。携帯デバイス85は、医療従事者が手で持って取り扱い、コンピュータタブレット、携帯電話などの、プロセッサおよびディスプレイスクリーン86を備える任意のコンピューティング物品またはデバイスであることができる。ディスプレイスクリーン86は、LCD、LED、OLED、および/またはAMOLEDであることができ、例えば、800×600dpi以上のディスプレイ解像度を有することができる。ディスプレイスクリーン86は、携帯デバイス85のボディに固定される。他の適切なスクリーンの種類ならびに他のスクリーン解像度を使用することができる。
【0025】
支持ブラケット103は、図1A図1Bおよび図1Iに最もよく示されているように、例えば射出成形プラスチックから作成された成形体を含む。ボディは側壁103Wを備えることができ、これは垂直方向に配向され、離隔されている。ボディは、本明細書で後述するばね取付タブ103Tをさらに備え得る。支持ブラケット103を取付部材114の裏面に取り付けるための締結具(図1I)を受ける1つまたはそれ以上の連結ボス103Bまたは穴を含むことができる。取付部材114は、ディスプレイスクリーン86を含む携帯デバイス85に取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0026】
取付部材114は、図1C図1D図1E、および図1Gに示すように、携帯デバイス85の裏面85Sに接触するように構成されたデバイス支持面114Sを備えることができる。取付部材114は、取付部材114における携帯デバイス85の横方向(図示されている水平方向)の運動と係合し、かつ/または別の方法で拘束し得る壁または他の適切な位置固定もしくは拘束機能などの側部保持機能116L、116R(図1Eおよび図1Iに示す)を備え得る。いくつかの実施形態では、携帯デバイス85の側部と側部保持機能116L、116Rとの間にわずかな隙間が許容され、限定された横方向の運動のみを許容することができる。取付部材114は、いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の支持フックを含み得る下部支持部118を備え得る。図示された実施形態では、支持フック118L、118Rのうちの複数が、図1Eおよび図1Iに示すように離隔されている。1つまたはそれ以上の支持フック118L、118Rは、携帯デバイス85の下部を受け、これに接触し、これを支持するように構成される。いくつかの実施形態では、下部支持部118は、図1Gに示すように、携帯デバイス85の裏面に取り付けられた、または一体化された、フックなどのアダプタ92と係合し得る。下部支持部118の他の適切な構造配置は、携帯デバイス85を支持するために使用される。
【0027】
いくつかの実施形態では、取付部材114は、掛止部117を備えることができる。掛止部117は、例えば、図1E図1Gおよび図1Hに示すように、例えば、携帯デバイス85の裏面85Sに凹部として形成されたキャッチ機能90に受けられるように構成されたばね式突起であり得る。特に、掛止部117は、携帯デバイス85の裏面85Sに形成された図示されているアンダーカットポケット内など、携帯デバイス85のキャッチ機能90に受けられ捕捉可能であり得る。
【0028】
携帯デバイス85は、取付部材114に取り付けられると、矢印120(図1Eおよび図1H)の方向に携帯デバイス85を引き上げることにより、携帯デバイス85を取付部材114から取り外すことができる。患者のバーコード情報を取得(スキャン)するため、かつ/または他の適切な情報を取得するためなど、携帯デバイス85を使用した後、携帯デバイス85の下部にあるアダプタ92を下部支持部118(例えば、1つまたはそれ以上の支持フック118L、118R)に挿入し、携帯デバイス85の上部を掛止部117に向かって回転させることによって、携帯デバイス85を取付部材114に再度取り付けることができる。掛止部117がキャッチ機能90の縁部90E(図1H)に接触すると、掛止部117は下方(例えば、矢印91で示す反時計回り)に回転することで図1Hに示すようにロックタブ117Lが回転軸117Rを中心に回転してキャッチ機能90の縁部90Eを通過し、キャッチ機能90(例えば、アンダーカットポケット)内に回転(時計回り、矢印91の反対方向)して戻ることができる。
【0029】
したがって、図1Hは、掛止部117が、掛止ばね119の復元力下で回転軸117Rを中心に時計回りに(矢印91の反対側に)回転し、キャッチ機能90(アンダーカットポケット)に係合したことを示す。携帯デバイス85を取付部材114に固定するために、他の適切な掛止部およびキャッチ機構、ならびに他のばねの種類が使用される。
【0030】
図1A図1Dを再び参照すると、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、複数の調整機能105を有するマルチアングルアジャスタ104を含む。マルチアングルアジャスタ104は、診断分析器80のベース125に連結され、複数の調整機能105は、2つ以上の複数の調整機能105を含んでもよい。複数の調整機能105は、チルト式支持部102の傾斜角度(TA)の調整を可能にするために端部128と係合するように構成された段、リブ、または他の適切な係合機能であり得る。ベース125への連結は、機械的締結(例えば、1つまたはそれ以上のねじ)を使用すること、ベース125の部品間に捕捉すること、ベース125にスナップ嵌めするためにスナップ嵌め機能を使用すること、マルチアングルアジャスタ104をベース125と一体化すること、接着剤を使用することによってベース125に接着すること、または他の方法でベースに結合することなどによる、任意の適切な締結手段によるものであり得る。2つ以上の段を含む複数の調整機能105は、2つ以上の傾斜角度(TA)調整増分を提供することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、5つ以上の段を実装することなどによって、5つ以上の傾斜角度調整増分があってもよい。描かれている実施形態では7つの段が示されており、ベース125に対するディスプレイスクリーン86の7つの目立たない傾斜角度(TA)調整を可能にしている。2つの目立たない傾斜角度(TA)調整より多い他の数の目立たない傾斜角度(TA)調整を使用することができる。
【0031】
チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、チルト式支持部102が支持ブラケット103および取付部材114を含む二部品構造を含む場合などに、支持ブラケット103に対してなどチルト式支持部102に対して、動作可能に枢動可能な傾斜スクリーン機構106をさらに含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、取付部材114および支持ブラケット103は、一体部品として成形することができる。いずれの構成においても、チルト式支持部102は取付部材114を含み、携帯デバイス85は取付部材114から容易に取り外し可能であり得る。
【0032】
傾斜スクリーン機構106は、軸108と、1つまたはそれ以上の可動パドル110R、110L(図1A図1B図1E)と、調整部材126とをさらに含むことができる。チルト式支持部102は、軸108が枢動可能に取り付けられる支持ブラケット103を含むことができる。軸108は、その回転軸113(図1A)を中心とする枢動(回転)に対応するように任意の所望の形状を有することができる。特に、軸108は、支持ブラケット103から少なくとも部分的に形成された支承支持部130などの1つまたはそれ以上の支承ジャーナルによって支持され、そこに乗る(回転する)ことができ、この支承ジャーナルは、例えば少なくとも部分的に内壁103Iに形成された、支持ブラケット103の離間された内部形成機能であり得る。支承支持部130は、軸108を支持し、軸108が自由に回転できるようにその半径方向の運動を十分に制限するように動作するが、それでも半径方向に固定された回転軸113を実質的に形成するようにその半径方向の位置を拘束するように支持される。支承支持部130は、軸108のこのような自由回転を可能にするために、支承支持部130において軸108の直径に対してわずかな量の傾斜を備えていてもよい。
【0033】
図1Iに最もよく示されるように、支承支持部130は、傾斜スクリーン機構106の軸108を捕捉する支承ジャーナルを形成するように互いに相互作用する、取付部材114の裏面に形成された機能および支持ブラケット103の内部形成機能から形成される。場合により、支承支持部130は、側壁103Wおよび軸108に形成されるか、または別の方法で任意の適切な手段によって形成される。
【0034】
可動パドル110R、110L(図1A図1B図1E)などの1つまたはそれ以上の可動パドルは、軸108の1つまたはそれ以上の外側端部に連結される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rは、例えば、軸108の第1の端部に取り付けられた1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rのうちの1つ目と、軸108の第2の反対側の端部に取り付けられた1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rのうちの2つ目とを有することができる。さらに、軸108は、チルト式支持部102に対する、特に支持ブラケット103に対する軸108の軸方向運動を制限するように動作する軸方向拘束機能120L、120R(図1A図1B)を備えることができる。いくつかの実施形態では、軸方向拘束機能120L、120Rは、環状形状を有することができ、支持壁130Wの外側に位置することができる。軸方向拘束機能120L、120Rは、例えば、軸108に一体成形される。
【0035】
さらに、付属止め具122は、軸108から垂下してもよく、チルト式支持部102に対する軸108の回転を限度内で制限するために、制限止め具124と係合するように構成された端部部分を有することができる。例えば、図1Aおよび図1Bに示すように、付属止め具122の下面と制限止め具124の上部との接触により、矢印123の方向への回転を制限することができる。回転は、例えば、端部128が複数の調整機能105(例えば、段)を飛び越えるのに十分な回転から約20°までの間に制限される。
【0036】
1つまたはそれ以上の可動パドル110R、110Lは、ディスプレイスクリーン86の表面と概ね平行な1つまたはそれ以上の表面を有する要素であり得る。触感により補助するために、1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rの裏面は、切り欠きまたは窪んだ背部110Bを備えることができ、理想的な構成は、傾斜スクリーン機構106を操作する医療従事者の少なくとも2本の指先を収めるのに十分な大きさであり得る凹部を備える。これにより、医療従事者が親指で携帯デバイスの前部に、また1本またはそれ以上の指で1つまたはそれ以上のパドル110L、110Rの裏面に触れて挟むことにより1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rを押し下げることによって、傾斜スクリーン機構106を連結解除することができる。
【0037】
傾斜スクリーン機構106は、チルト式支持部102の傾斜、ひいては携帯デバイス85およびそのディスプレイスクリーン86の傾斜角度(TA)を調整するために、軸108から垂下し、マルチアングルアジャスタ104の複数の調整機能105のうちの2つ以上と係合するように構成された端部128を有する調整部材126をさらに含むことができる。1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rが図1Dの矢印131の方向に押し下げられると、軸108が回転し、調整部材126の端部128がマルチアングルアジャスタ104の複数の調整機能105のうちの1つから係合解除される。次いで、チルト式支持部102は、取付軸129(図1I)を中心に別の傾斜角度(図2Bに示すTA2など)まで回転(枢動)することができ、次いで、1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rを解放して、端部128を複数の調整機能105のうちの異なるものと再び係合させることができる。
【0038】
取付軸129は、診断分析器80のベース125に対する取付部材114の回転軸であり、例えば、取付部材114の下部およびベース125の前部の一部と連動する軸またはピンなどの任意の適切な構造によって形成することができる。チルト式支持部102は、例えば、少なくとも15°、またはさらには少なくとも20°の傾斜角度(TA)で調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、傾斜角度(TA)は、例えば、約5°~45°、またはさらには約10°~35°で調整可能であり得る。
【0039】
軸108は、その回転軸113からある半径方向距離だけオフセットされたばね115が取り付けられている。例えば、図1Aに示すようなばね115(図1B図1Dでは点線で示す)は、軸108の回転軸113から半径方向にオフセットされた軸108のばね取付タブ108Tに取り付けられている。オフセットは、約0.25インチであってよく、ばね定数は、例えば、1~2ポンド/インチであり得る。他の適切なオフセットおよびばね定数、ならびにコイルばね以外のばねの種類を使用することができる。いくつかの実施形態では、ばね115はさらにチルト式支持部102の支持ブラケット103に取り付けられる。したがって、ばね115は、支持ブラケット103のばね取付タブ103Tと軸108のばね取付タブ108Tとの間に取り付けられ、固定される。このばね115は、通常の係合位置への傾斜スクリーン機構106をばねで付勢し、調整部材126の端部128は、通常、複数の調整機能105(例えば、段など)のうちの1つと係合する。明確さを期して、説明のために、ばね115は図1Aでは取り外された状態で示されているが、使用時には取り付けられている。
【0040】
したがって、いくつかの実施形態では、ベース125と、ベース125に回転可能に(すなわち、枢動可能に)連結されたディスプレイスクリーン86を有する携帯デバイス85と、ベース125と携帯デバイス85との間に相互連結された本明細書に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100とを含む診断分析器80が提供される。上述したように、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は、携帯デバイス85に相互連結されたチルト式支持部102と、マルチアングルアジャスタ104と、傾斜スクリーン機構106とを含むことができる。チルト式支持部102は、携帯デバイス85に取り付けるように構成された取付部材114に取り付けられた支持ブラケット103を含むことができる。マルチアングルアジャスタ104は、診断分析器80のベース125に直接または間接的に連結される。マルチアングルアジャスタ104には、2つ以上の調整機能105のように、複数の調整機能105が形成されている。傾斜スクリーン機構106は、チルト式支持部102に対して枢動可能であり得、軸108と、軸108に連結された1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rと、軸108から垂下し、ベース125に対するディスプレイスクリーン86の傾斜を調整するためにマルチアングルアジャスタ104の複数の調整機能105のうちの2つ以上と係合するように構成された端部128を有する調整部材126とを含むことができる。
【0041】
ここで図3を参照すると、別の態様において、診断分析器80のディスプレイスクリーン86を位置決めする方法300が提供される。方法300は、ブロック302において、診断分析器80のベース125を提供することと、ブロック304において、ディスプレイスクリーン86を含む携帯デバイス85を提供することとを含む。
【0042】
方法300は、ブロック306において、ベース125と携帯デバイス85との間にチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100を相互連結することをさらに含み、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ100は:携帯デバイス85に取り付けられる取付部材114に取り付けられた支持ブラケット103を含むチルト式支持部102と、ベース125に連結され、複数の調整機能105を有するマルチアングルアジャスタ104と、チルト式支持部102に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構106とを含む。傾斜スクリーン機構106は、軸108と、軸108に連結された1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rと、軸108から垂下し、複数の調整機能105のうちの少なくとも一部と係合するように構成された端部128を有する調整部材126とを含む。
【0043】
方法300はさらに、ブロック308において、ベース125に対してチルト式支持部102を傾斜させ、ディスプレイスクリーン86の傾斜角度(TA)を調整するために、1つまたはそれ以上の可動パドル110L、110Rを押し下げて、調整部材126の端部128を複数の調整機能105のうちの1つから係合解除することを含む。
【0044】
認識されるべきであるように、方法300に関わる様々なシーケンスは、任意の所望の順序で行われる。
【0045】
以下は、本明細書に開示された非限定的な例示的実施形態のリストである:
1.第1の例示的実施形態のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリであって:
ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに相互連結可能であるように構成されたチルト式支持部と;
複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと;
チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、傾斜スクリーン機構は:
軸と、
軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、
チルト式支持部の傾斜角度を調整するために、軸から延び、マルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材と
を含む、チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
2.チルト式支持部は支持ブラケットを含み、軸は支持ブラケットに枢動可能に取り付けられている、第1の例示的実施形態に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
3.支持ブラケットは、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを取り付けるように構成された取付部材に取り付けられている、例示的実施形態1または2に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
4.チルト式支持部は、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに取り付け可能であるように構成された取付部材を含む、例示的実施形態1~3のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
5.取付部材は、携帯デバイスの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックを含む、例示的実施形態1~4のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
6.取付部材は、携帯デバイスの背面のキャッチ機能で受けられるように構成された掛止部を含む、例示的実施形態1~5のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
7.チルト式支持部は、支持ブラケットおよび取付部材を含む、例示的実施形態1~6のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
8.1つまたはそれ以上の可動パドルは、軸の第1の端部に取り付けられた第1の可動パドルと、軸の第2の端部に取り付けられた第2の可動パドルとを含む、例示的実施形態1~7のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
9.軸に取り付けられたばねをさらに含み、ばねは、軸の回転軸からオフセットして取り付けられている、例示的実施形態1~8のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
10.ばねは、チルト式支持部の支持ブラケットにさらに取り付けられている、例示的実施形態1~9のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
11.軸は、チルト式支持部に対する軸の軸方向運動を制限する軸方向拘束機能を有する、例示的実施形態1~10のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
12.軸は、支持ブラケットの支承支持部に支持され、半径方向に拘束される、例示的実施形態1~11のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
13.軸から延び、チルト式支持部に対する軸の回転を制限するために制限止め具と係合するように構成された端部部分を有する付属止め具を含む、例示的実施形態1~12のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
14.マルチアングルアジャスタはベースに連結され、マルチアングルアジャスタは2つ以上の段を含む、例示的実施形態1~13のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
15.チルト式支持部は少なくとも15°の傾斜角度にわたって調整可能である、例示的実施形態1~14のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
16.チルト式支持部は取付部材を含み、携帯デバイスは取付部材から取り外し可能である、例示的実施形態1~15のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
17.取付部材は、携帯デバイスの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックと、携帯デバイスの背面にあるキャッチ機能に受けられるように構成されたばね式掛止部とを含む、例示的実施形態1~16のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
18.取付部材は、取付軸を含み、取付部材は、取付軸を中心に傾斜可能である、例示的実施形態1~17のいずれか1つに記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
19.診断分析器であって:
ベースと;
ベースに回転可能に連結された携帯デバイスと;
ベースと携帯デバイスとの間に相互連結され、例示的実施形態1~18のいずれか1つを構成するチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリと
を含む、診断分析器。
20.診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法であって:
診断分析器のベースを提供することと;
ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスを提供することと;
ベースと携帯デバイスとの間に、例示的実施形態1~18のいずれか1つを構成するチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを相互連結することと;
ベースに対してチルト式支持部を傾斜させ、ディスプレイスクリーンの傾斜角度を調整するために、1つまたはそれ以上の可動パドルを押し下げて、調整部材の端部を複数の調整機能のうちの1つから係合解除することと
を含む、方法。
【0046】
本開示は、様々な変更および代替形態が可能であるが、その特定のアセンブリ、装置、診断分析器および方法の実施形態が、図面において例として示され、本明細書において詳細に説明されている。しかしながら、本明細書に開示される特定のアセンブリ、装置、診断分析器および方法は、本開示または特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリであって:
ディスプレイスクリーンに相互連結可能であるように構成されたチルト式支持部と;
複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと;
チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:
軸と、
該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、
チルト式支持部の傾斜角度を調整するために、該軸から延び、該マルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、前記チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項2】
チルト式支持部は支持ブラケットを含み、軸は該支持ブラケットに枢動可能に取り付けられている、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項3】
支持ブラケットは、ディスプレイスクリーンに取り付けるように構成された取付部材に取り付けられている、請求項2に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項4】
チルト式支持部は、ディスプレイスクリーンを含む携帯デバイスに取り付け可能であるように構成された取付部材を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項5】
取付部材は、携帯デバイスの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックを含む、請求項4に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項6】
取付部材は、携帯デバイスの背面のキャッチ機能で受けられるように構成された掛止部を含む、請求項4に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項7】
チルト式支持部は、支持ブラケットおよび取付部材を含む、請求項1に記載のチルト式
ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の可動パドルは、軸の第1の端部に取り付けられた第1の可動パドルと、軸の第2の端部に取り付けられた第2の可動パドルとを含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項9】
軸に取り付けられたばねをさらに含み、該ばねは、軸の回転軸からオフセットして取り付けられている、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項10】
ばねは、チルト式支持部の支持ブラケットにさらに取り付けられている、請求項9に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項11】
軸は、チルト式支持部に対する軸の軸方向運動を制限する軸方向拘束機能を有する、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項12】
軸は、支持ブラケットの支承支持部に支持され、半径方向に拘束される、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項13】
軸から延び、チルト式支持部に対する軸の回転を制限するために制限止め具と係合するように構成された端部部分を有する付属止め具を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項14】
マルチアングルアジャスタはベースに連結され、マルチアングルアジャスタは2つ以上の段を含む、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項15】
チルト式支持部は少なくとも15°の傾斜角度にわたって調整可能である、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項16】
チルト式支持部は取付部材を含み、ディスプレイスクリーンは該取付部材から取り外し可能である、請求項1に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項17】
取付部材は、ディスプレイスクリーンの下部を受けるように構成された1つまたはそれ以上の支持フックと、ディスプレイスクリーンの背面にあるキャッチ機能に受けられるように構成されたばね式掛止部とを含む、請求項16に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項18】
取付部材は、取付軸を含み、取付部材は、取付軸を中心に傾斜可能である、請求項16に記載のチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリ。
【請求項19】
診断分析器であって:
ベースと;
該ベースに回転可能に連結されたディスプレイスクリーンと;
ベースとディスプレイスクリーンとの間に相互連結されたチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリとを含み、該チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは:
ディスプレイスクリーンに相互連結され、該ディスプレイスクリーンに取り付けるように構成された取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、
ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと;
チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:
軸と、
該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、
該軸から延び、該ベースに対するディスプレイスクリーンの傾斜を調整するためにマルチアングルアジャスタの複数の調整機能のうちの2つ以上と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、前記診断分析器。
【請求項20】
診断分析器のディスプレイスクリーンを位置決めする方法であって:
診断分析器のベースを提供することと;
ディスプレイスクリーンを提供することと;
ベースとディスプレイスクリーンとの間にチルト式ディスプレイスクリーンアセンブリを相互連結することであって、該チルト式ディスプレイスクリーンアセンブリは、ディスプレイスクリーンに取り付けられる取付部材に取り付けられた支持ブラケットを含むチルト式支持部と、ベースに連結され、複数の調整機能を有するマルチアングルアジャスタと、チルト式支持部に対して枢動可能な傾斜スクリーン機構とを含み、該傾斜スクリーン機構は:軸と、該軸に連結された1つまたはそれ以上の可動パドルと、該軸から延び、複数の調整機能のうちの少なくとも一部と係合するように構成された端部を有する調整部材とを含む、ことと;
ベースに対してチルト式支持部を傾斜させ、ディスプレイスクリーンの傾斜角度を調整するために、1つまたはそれ以上の可動パドルを押し下げて、調整部材の端部を複数の調整機能のうちの1つから係合解除することと
を含む、前記方法。
【国際調査報告】