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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-14
(54)【発明の名称】コンパクト加力器具
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20250206BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20250206BHJP
   F16H 1/22 20060101ALI20250206BHJP
   B22D 11/04 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
F16H25/20 E
F16H25/20 A
F16H1/16 Z
F16H1/22
B22D11/04 311F
B22D11/04 311D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545821
(86)(22)【出願日】2023-01-30
(85)【翻訳文提出日】2024-09-30
(86)【国際出願番号】 US2023061548
(87)【国際公開番号】W WO2023147536
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】17/649,427
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500185081
【氏名又は名称】ワグスタッフ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ティールマン ブレット
(72)【発明者】
【氏名】コーディル クレイグ
【テーマコード(参考)】
3J009
3J062
4E004
【Fターム(参考)】
3J009DA17
3J009EA06
3J009EA19
3J009EA23
3J009EA35
3J009EA43
3J009FA30
3J062AA60
3J062AB02
3J062AB21
3J062AC07
3J062BA12
3J062CD02
3J062CD23
3J062CD54
3J062CG83
4E004AA04
4E004AA06
(57)【要約】
本発明は、力をコンパクトなフォームファクターで加えるシステムおよび装置に関する。加力装置は、ウォームギヤ、ウォームギヤと係合したウォームホイールギヤ、ウォームギヤと同軸であり、かつウォームホイールギヤに回転可能に結合されたギヤシャフト、ギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第1のねじ山付き穴、第1の端部と反対側のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第2のねじ山付き穴、第1のねじ山付き穴によって受け入れられた第1のねじ山付きシャフト、および第2のねじ山付き穴によって受け入れられた第2のねじ山付きシャフトを有し、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力を加える装置であって、
ウォームギヤと、
前記ウォームギヤと係合したウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤと同軸であり、かつ前記ウォームホイールギヤに回転可能に結合されたギヤシャフトと、
前記ギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第1のねじ山付き穴と、
前記第1の端部と反対側の前記ギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第2のねじ山付き穴と、
前記第1のねじ山付き穴によって受け入れられた第1のねじ山付きシャフトと、
前記第2のねじ山付き穴によって受け入れられた第2のねじ山付きシャフトとを有し、
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、前記ウォームホイールギヤおよびかくして前記ギヤシャフトを前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトに対して回転させる前記ウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されている、装置。
【請求項2】
前記第2のねじ山付きシャフトは、空所を有し、前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づくことに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトの前記空所内に受け入れられる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づき、または遠ざかるのに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第1のねじ山付きシャフトに結合された第1の物体に第1の力を及ぼすとともに、前記第2のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトに結合された第2の物体に第2の力を及ぼし、前記第1の力と前記第2の力は、大きさが等しく、かつ向きが逆である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、同軸である、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、回転可能に固定された状態に保持されている、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記ウォームホイールギヤは、第1のウォームホイールギヤであり、前記ギヤシャフトは、第1のギヤシャフトであり、前記装置は、
前記ウォームギヤと係合した第2のウォームホイールギヤと、
前記第2のウォームホイールギヤと同軸であり、かつ前記第2のウォームホイールギヤに回転可能に結合された第2のギヤシャフトと、
前記第2のギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第3のねじ山付き穴と、
前記第2のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第4のねじ山付き穴と、
前記第3のねじ山付き穴によって受け入れられた第3のねじ山付きシャフトと、
前記第4のねじ山付き穴によって受け入れられた第4のねじ山付きシャフトとを有し、
前記第3のねじ山付きシャフトと前記第4のねじ山付きシャフトは、前記第2のウォームホイールギヤおよびかくして前記第2のギヤシャフトを前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトに対して回転させる前記ウォームギヤの回転に対して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記ウォームギヤ、前記第1のウォームホイールギヤ、前記第1のギヤシャフト、前記第2のウォームホイールギヤ、および前記第2のギヤシャフトを収容したギヤボックスをさらに有し、前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトは、前記ギヤボックスの第1の側に設けられ、前記第2のねじ山付きシャフトおよび前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記ギヤボックスの第2の側に設けられている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記第1のねじ山付きシャフト、前記第2のねじ山付きシャフト、前記第3のねじ山付きシャフト、および前記第4のねじ山付きシャフトは各々、前記ウォームギヤの回転に応答して同一速度で一斉に前記ギヤボックスに近づき、または前記ギヤボックスから遠ざかる、請求項7記載の装置。
【請求項9】
第1の物体が前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトに取り付けられ、第2の物体が前記第2のねじ山付きシャフトおよび前記第3のねじ山付きシャフトに取り付けられ、前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトは、第1の力を前記ウォームギヤの第1の回転に応答して前記第1の物体と前記第2の物体との間に加え、前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトは、第2の力を前記ウォームギヤの第2の回転に応答して前記第1の物体と前記第2の物体との間に加え、前記第1の力は、前記第2の力とは異なっている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記第1のねじ山付き穴は、第1のねじ山ピッチおよび第1の直径を有し、前記第2のねじ山付き穴は、第2のねじ山ピッチおよび第2の直径を有し、前記第1のねじ山ピッチは、前記第2のねじ山ピッチと同一であり、前記第1の直径は、前記第2の直径とは異なっている、請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記第2のねじ山付きシャフトには空所が設けられ、前記空所は、前記第1の直径よりも大きな直径を有する、請求項9記載の装置。
【請求項12】
力を加えるシステムであって、
ギヤシャフトを含み、前記ギヤシャフトは、第1の端部の近くに第1のねじ山付き穴を有するとともに、第2の端部の近くに第2のねじ山付き穴を有し、
前記第1のねじ山付き穴の中に受け入れられた第1のねじ山付きシャフトを含み、前記第1のねじ山付きシャフトは、第1の直径を有し、
前記第2のねじ山付き穴の中に受け入れられた第2のねじ山付きシャフトを含み、前記第1のねじ山付きシャフトは、空所を有し、前記空所は、前記第1の直径よりも大きな空所直径を有し、
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、第1の方向における前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトに対する前記ギヤシャフトの回転に応答して互いに近づき、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが引き続き互いに近づいていくと、前記空所内に受け入れられる、システム。
【請求項13】
前記ギヤシャフトに取り付けられたウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤに係合したウォームギヤとをさらに含み、前記ウォームギヤは、前記ウォームホイールギヤを前記ウォームギヤの回転に応答して回転させるよう構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、同軸であって、第1の軸線に沿って延び、前記第1の軸線は、前記ウォームギヤの回転軸線に垂直である、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
第1の方向における前記ウォームギヤの回転により、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトに近づく、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
半連続鋳造システムであって、
金型フレームと、
前記金型フレーム内に支持されていて、第1の金型側壁を有する第1の金型組立体と、
前記金型フレーム内に支持されていて、前記第1の金型側壁に隣接して位置する第2の金型側壁を有する第2の金型組立体と、
前記第1の金型側壁と前記第2の金型側壁との間に設けられた1つ以上のコンパクトな加力器具とを含み、前記1つ以上のコンパクトな加力器具は各々、
ウォームギヤを有し、
前記ウォームギヤと係合したウォームホイールギヤを有し、
前記ウォームホイールギヤに回転可能に固定されたギヤシャフトを有し、前記ギヤシャフトは、第1のねじ山付き穴を備えた第1の端部および第2のねじ山付き穴を備えた第2の端部を有し、
前記第1のねじ山付き穴に係合するとともに、前記第1の金型側壁に取り付けられた第1のねじ山付きシャフトを有し、
前記第2のねじ山付き穴に係合するとともに、前記第2の金型側壁に取り付けられた第2のねじ山付きシャフトを有し、
前記1つ以上のコンパクトな加力器具は、前記ウォームギヤの回転に応答して前記第1の金型側壁と前記第2の金型側壁を互いに近づけ、または遠ざける、システム。
【請求項17】
前記第2のねじ山付きシャフトは、空所を有し、前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づくことに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトの前記空所内に受け入れられる、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づき、または遠ざかるのに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、第1の力を前記第1の金型側壁に及ぼすとともに、前記第2のねじ山付きシャフトは、第2の力を前記第2の金型側壁に及ぼし、前記第1の力と前記第2の力は、大きさが等しく、かつ向きが逆である、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、同軸である、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のねじ山付きシャフトが前記第2のねじ山付きシャフトに対して動く最長距離として最大ストローク距離が定められ、前記最大ストローク距離は、前記ギヤシャフトの軸線に沿う前記ギヤシャフトの長さよりも長い、請求項16記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクトなフォームファクターで力を加えるシステムおよび装置、特に2つの物体を互いに引き寄せたり2つの物体を押し離したりするよう2角物体相互間に位置づけられるよう構成されているコンパクトなギヤボックス用のシステムおよび装置に関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2022年1月31に出願された米国特許出願第17/649,427号の優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
力を加える(本明細書では、力を加えることを「加力」という場合がある)器具が多様な分野で役立っている。加力器具を利用する用途としては、例えばタイヤ交換のために車両を持ち上げるジャッキ、自動ドア開放装置、および動き(運動)が機械式装置によって伝えられる他の用途が挙げられる。流体力学的に駆動される装置は、ポンプが例えばピストンを駆動するために作動油を1つのチャンバからもう1つのチャンバに移して運動を生じさせるような用途で用いられる場合が多い。作動油の移送は、例えばボトルジャッキの場合には機械的手段によって、または電気的手段、例えばダンプトラック床を持ち上げる際に用いられる油圧シリンダを駆動するために用いられる電気ポンプによって実施できる。電気式加力装置は、シャフトを回転させてギヤを駆動し、例えばラック・ピニオンにより運動を伝えるモータを採用している場合がある。互いに異なる加力器具のフォームファクターは、用途に応じて様々であり、典型的には比較的大型の器具は、比較的大きな力を比較的長い距離にわたって加える能力を有する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、コンパクトなフォームファクターで力を加えるシステムおよび装置、特に2つの物体を互いに引き寄せたり2つの物体を押し離したりするよう2角物体相互間に位置づけられるよう構成されているコンパクトなギヤボックス用のシステムおよび装置に関する。本明細書において提供される実施形態は、力を加える装置であって、ウォームギヤと、ウォームギヤと係合したウォームホイールギヤと、ウォームホイールギヤと同軸であり、かつウォームホイールギヤに回転可能に結合されたギヤシャフトと、ギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第1のねじ山付き穴と、第1の端部と反対側のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第2のねじ山付き穴と、第1のねじ山付き穴によって受け入れられた第1のねじ山付きシャフトと、第2のねじ山付き穴によって受け入れられた第2のねじ山付きシャフトとを有し、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ウォームホイールギヤおよびかくしてギヤシャフトを第1のねじ山付きシャフトおよび第2のねじ山付きシャフトに対して回転させるウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されていることを特徴とする加力装置を含む。
【0005】
例示の実施形態によれば、第2のねじ山付きシャフトは、空所を有し、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトが互いに近づくことに応答して、第1のねじ山付きシャフトは、第2のねじ山付きシャフトの空所内に受け入れられる。第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトが互いに近づき、または遠ざかるのに応答して、例示の実施形態では、第1のねじ山付きシャフトは、第1のねじ山付きシャフトに結合された第1の物体に第1の力を及ぼすとともに、第2のねじ山付きシャフトは、第2のねじ山付きシャフトに結合された第2の物体に第2の力を及ぼし、第1の力と第2の力は、大きさが等しく、かつ向きが逆である。第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ある幾つかの実施形態では、同軸である。第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ある幾つかの実施形態では、回転可能に固定された状態に保持されている。
【0006】
例示の実施形態によれば、ウォームホイールギヤは、第1のウォームホイールギヤであり、ギヤシャフトは、第1のギヤシャフトであり、本装置は、ウォームギヤと係合した第2のウォームホイールギヤと、第2のウォームホイールギヤと同軸であり、かつ第2のウォームホイールギヤに回転可能に結合された第2のギヤシャフトと、第2のギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第3のねじ山付き穴と、第2のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第4のねじ山付き穴と、第3のねじ山付き穴によって受け入れられた第3のねじ山付きシャフトと、第4のねじ山付き穴によって受け入れられた第4のねじ山付きシャフトとを有し、第3のねじ山付きシャフトと第4のねじ山付きシャフトは、第2のウォームホイールギヤおよびかくして第2のギヤシャフトを第3のねじ山付きシャフトおよび第4のねじ山付きシャフトに対して回転させるウォームギヤの回転に対して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されている。
【0007】
例示の実施形態によれば、本装置は、ウォームギヤ、第1のウォームホイールギヤ、第1のギヤシャフト、第2のウォームホイールギヤ、および第2のギヤシャフトを収容したギヤボックスをさらに有し、第1のねじ山付きシャフトおよび第4のねじ山付きシャフトは、ギヤボックスの第1の側に設けられ、第2のねじ山付きシャフトおよび第3のねじ山付きシャフトおよびギヤボックスの第2の側に設けられている。ある幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフト、第2のねじ山付きシャフト、第3のねじ山付きシャフト、および第4のねじ山付きシャフトは各々、ウォームギヤの回転に応答して同一速度で一斉にギヤボックスに近づき、またはギヤボックスから遠ざかる。ある幾つかの実施形態によれば、第1の物体が第1のねじ山付きシャフトおよび第4のねじ山付きシャフトに取り付けられ、第2の物体が第2のねじ山付きシャフトおよび第3のねじ山付きシャフトに取り付けられ、第1のねじ山付きシャフトおよび第2のねじ山付きシャフトは、第1の力をウォームギヤの第1の回転に応答して第1の物体と第2の物体との間に加え、第3のねじ山付きシャフトおよび第4のねじ山付きシャフトは、第2の力をウォームギヤの第2の回転に応答して第1の物体と第2の物体との間に加え、第1の力は、第2の力とは異なっている。幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付き穴は、第1のねじ山ピッチおよび第1の直径を有し、第2のねじ山付き穴は、第2のねじ山ピッチおよび第2の直径を有し、第1のねじ山ピッチは、第2のねじ山ピッチと同一であり、第1の直径は、第2の直径とは異なっている。幾つかの実施形態によれば、第2のねじ山付きシャフトには空所が設けられ、空所は、第1の直径よりも大きな直径を有する。第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ある幾つかの実施形態によれば、同軸であって、第1の軸線に沿って延び、第1の軸線は、ウォームギヤの回転軸線に垂直である。
【0008】
本明細書において提供される実施形態は、力を加えるシステムであって、加力システムは、ギヤシャフトを含み、ギヤシャフトは、第1の端部の近くに第1のねじ山付き穴を有するとともに、第2の端部の近くに第2のねじ山付き穴を有し、加力システムは、第1のねじ山付き穴の中に受け入れられた第1のねじ山付きシャフトをさらに含み、第1のねじ山付きシャフトは、第1の直径を有し、加力システムはさらに、第2のねじ山付き穴の中に受け入れられた第2のねじ山付きシャフトを含み、第1のねじ山付きシャフトは、空所を有し、空所は、第1の直径よりも大きな空所直径を有し、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、第1の方向における第1のねじ山付きシャフトおよび第2のねじ山付きシャフトに対するギヤシャフトの回転に応答して互いに近づき、第1のねじ山付きシャフトは、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトが引き続き互いに近づいていくと、空所内に受け入れられることを特徴とするシステムに関する。
【0009】
幾つかの実施形態によれば、本システムは、ギヤシャフトに取り付けられたウォームホイールギヤと、ウォームホイールギヤに係合したウォームギヤとをさらに含み、ウォームギヤは、ウォームホイールギヤをウォームギヤの回転に応答して回転させるよう構成されている。第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、ある幾つかの実施形態によれば、同軸であって、第1の軸線に沿って延び、第1の軸線は、ウォームギヤの回転軸線に垂直である。第1の方向におけるウォームギヤの回転により、幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフトは、第2のねじ山付きシャフトに近づく。第2の方向におけるウォームギヤの回転により、幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフトは、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、互いに遠ざかる。
【0010】
幾つかの実施形態によれば、本システムは、第1のねじ山付きシャフトに取り付けられた第1の物体および第2のねじ山付きシャフトに取り付けられた第2の物体をさらに含み、第1の方向におけるウォームギヤの回転により、第1の物体は、第2の物体の方へ引き寄せられ、第2の方向におけるウォームギヤの回転により、第1の物体は、第2の物体から押し離される。の方へ引き寄せられ、幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフトによって第1の物体に加えられる力は、第2のねじ山付きシャフトによって第2の物体に加えられる力と大きさが人質、かつ向きが逆である。ある幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフトと第2のねじ山付きシャフトは、幾つかの実施形態では、、同一のねじ山ピッチを有する。ある幾つかの実施形態によれば、第1のねじ山付きシャフトが第2のねじ山付きシャフトに対して動く最長距離として最大ストローク距離が定められ、最大ストローク距離は、ギヤシャフトの軸線に沿うギヤシャフトの長さよりも長い。
【0011】
かくして、本発明を一般的な用語で説明したが、次に、添付の図面を参照するが、添付の図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】先行技術の半連続鋳造用金型の例示の実施形態を示す図である。
図2】先行技術の半連続鋳造法により形成されたインゴット(鋳塊)を示す図である。
図3】本発明の例示の実施形態としての非湾曲状態に曲げ可能な側部を備えた半連続鋳造用金型の平面図である。
図4】本発明の例示の実施形態としての湾曲状態に曲げ可能な側部を備えた半連続鋳造用金型の平面図である。
図5】本発明の例示の実施形態に従って、半連続鋳造作業を可能にするよう位置決めされた1対の半連続鋳造用金型組立体の平面図であり、コンパクトな加力装置がこれら金型組立体相互間に位置決めされた状態を示す図である。
図6】本発明の例示の実施形態に従って半連続鋳造作業を可能にするよう位置決めされた1対の半連続鋳造用金型組立体の平面図であり、コンパクトな加力装置がこれら金型組立体相互間に位置決めされた状態で曲率(曲がり具合)を金型側壁組立体に与えている状態を示す図である。
図7】本発明の例示の実施形態としてのコンパクトな加力装置を示す図である。
図8】本発明の例示の実施形態としてのコンパクトな加力装置の内部コンポーネントの切除図である。
図9】本発明の例示の実施形態としてのコンパクトな加力装置の内部コンポーネントの断面図である。
図10】本発明の例示の実施形態に従ってコンパクトな加力装置の内部コンポーネントを伸長位置で示す断面図である。
図11】本発明の例示の実施形態に従ってコンパクトな加力装置の内部コンポーネントを引っ込み位置で示す断面図である。
図12】本発明の例示の実施形態に従って、図7に示すコンパクトな加力装置を引っ込み位置で示す図である。
図13】本発明の例示の実施形態に従って2つの互いに異なる駆動シャフトによって作動される数個のコンパクトな加力装置を含むシステムを示す図である。
図14】本発明の例示の実施形態に従って1つ以上のコンパクトな加力装置を制御するコントローラの略図である。
図15】本発明の例示の実施形態に従ってコンパクトな加力装置を用いるプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の例示の実施形態につき、本発明の全ての実施形態ではなく、幾つかの実施形態を記載した添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。たしかに、本発明は、多くの異なる形態で具体化できるので、本明細書に記載する実施形態には限定されるものと解されてはならず、そうではなく、これら実施形態は、本開示が該当する法上の要件を満たすよう提供されている。同一の符号は、全体を通じて同一の要素を表す。
【0014】
本発明の実施形態は、一般に、2つの物体を互いに引き寄せたり押し離したりする機構体に関する。かかる機構体は、力を及ぼす種々の手段を用いて、種々のフォームファクターで存在するが、本明細書に記載する実施形態は、2つの物体相互間に加力するコンパクトな器具を含む。本発明の実施形態は、2つの物体相互間に位置する加力器具によって閉められるスペースを最小限に抑えるよう構成されたギヤボックスを採用している。
【0015】
本明細書において説明する実施形態は、当業者によって認識されるように種々の用途で使用するのに適している。本発明の実施形態について多様な用途があるが、本明細書において説明するコンパクトな加力器具を隣り合う物体相互間で利用することができる半連続鋳造法(direct chill casting)に関して例示の実施形態を説明する。理解の徹底のために例示の実施形態について以下に説明する。
【0016】
竪型半連続鋳造法(vertical direct chill casting)は、種々の製造用途で使用可能な大きな断面を有する場合のあるインゴットを作るために用いられるプロセスである。竪型半連続鋳造法のプロセスは、1つ以上の垂直に差し向けられた金型キャビティを有する水平テーブルで始まる。金型キャビティの各々を当初、その底部のところにおいて開始ブロックまたは開始プラグで閉鎖して金型キャビティの底部を封止する。溶融金属(溶湯)を金属分配システムから各金型キャビティに導入して金型キャビティを充填する。開始ブロックに隣接して位置する金型の底部の近くの溶融金属が凝固すると、開始ブロックを直線経路に沿って垂直方向下方に動かす。開始ブロックが取り付けられたプラットホームを流体の作用で下降させることによって開始ブロックを動かすのがよい。開始ブロックが垂直方向下方に動くことにより、凝固金属が金型キャビティから引き出され、他方、追加の溶融金属が金型キャビティ中に導入される。このプロセスは、いったん開始されると、比較的定常状態で進み、半連続鋳造プロセスは、金型キャビティによって定められた輪郭形状およびプラットホームおよび開始ブロックの移動深さによって決まる高さを有する金属インゴットを形成する。
【0017】
半連続鋳造プロセス中、金型自体は、冷却され、それにより、金属が金型キャビティを出るのに先立って開始ブロックを下方に前進させながら金属の凝固を促進し、冷却用流体を金属が鋳造されているときに金型キャビティの出口の近くに位置する金属の表面に導入し、それにより熱を鋳造金属インゴットから引き出すくとともに、インゴットのその時点で凝固した外皮内の溶融金属を凝固させる。開始ブロックを下方に前進させているとき、冷却用流体をインゴットに直接スプレーするのがよく、それにより表面を冷却するとともに、熱をインゴットのコア内から引き出す。
【0018】
半連続鋳造法により、インゴットを様々な輪郭と共に様々な寸法および形状のものとして鋳造することができる。長方形のインゴットが最もありふれているが、他の輪郭形状が可能である。円形のビレットが一様な形状から恩恵を受け、この場合、ビレットの周りの外面からコアまでの距離は、周囲に沿ってぐるりと均等である。しかしながら、長方形インゴットは、表面‐コア深さのこの一様性を欠き、かくして半連続鋳造プロセス中に検討すべき追加の難題を抱える。
【0019】
長方形輪郭を備えたインゴットを作るための半連続鋳造用金型は、インゴットが金型キャビティを出た後に冷えるときのインゴットの変形に起因して、完全に長方形の金型キャビティを備えない。プラットホームおよび開始ブロックが下降しているときに金型キャビティを出ているインゴットの部分は、外皮内に溶融しまたは少なくとも部分的に溶融したコアを保持する。コアが冷えて凝固しているとき、インゴットの外側輪郭が変化し、その結果、金型キャビティ輪郭は、これが最終の冷却済みインゴットの形状を規定するが、最終冷却済みインゴットと同じ形状または輪郭を有することはない。
【0020】
図1は、従来型半連続鋳造用金型100の例示の実施形態を示しており、この半連続鋳造用金型は、半連続鋳造システムのテーブルまたはフレーム組立体内に受け入れられる。図示のように、金型100は、金型キャビティの第1の端壁130と第2の端壁140との間に延びる互いに反対側の第1の側壁110と第2の側壁120を有する。第1および第2の互いに反対側の側壁110,120ならびに第1および第2の端壁130,140は、全体として長方形の輪郭形状を有する金型キャビティ150を形成するよう組み合わさる。第1および第2の互いに反対側の側壁110,120は、弧状の形をしており、または壁の輪郭形状に対して少なくともある程度の曲率を有する。この形状により、鋳造されたインゴットは、半連続鋳造法の定常状態鋳造作業中に実質的に平坦な互いに反対側の側部を有することができる。端壁130,140はまた、指定された形状を取ることができ、かかる指定された形状としては、例えば、曲率(湾曲部)、弧状の形に配列された一連の平坦な側部、複合曲率(湾曲部)、またはまっすぐな側部が挙げられる。本明細書において説明する鋳造プロセスの「定常状態」部分は、初期始動段階または始動鋳造段階後であって鋳造プロセスの終了または最後の鋳造段階前の鋳造プロセスの部分である。定常状態鋳造は、金型キャビティを出るインゴットの部分の温度分布が一定またはほぼ一定のままであるときに起こる。鋳造されている材料の種類に基づいて始動段階から定常状態段階、そして終了段階までの各段階で互いに異なる鋳造制御パラメータが望ましい場合がある。
【0021】
半連続鋳造用金型は、鋳造プロセスの定常状態部分中に作られるインゴット部分のための長方形の輪郭については実質的に平坦な側部を有するインゴットを生じさせるよう設計されるとともに開発されたが、半連続鋳造法の始動プロセスには、始動鋳造段階プロセスおよび始動鋳造段階プロセス中に形成されたインゴットの初期部分を、鋳造プロセスの定常状態段階および定常状態鋳造中に形成されたインゴットの部分から識別するという難題がある。
【0022】
半連続鋳造の始動段階の間、高い熱勾配は、鋳造の定常状態段階中に行われるやり方とは別個のやり方でインゴットの変形を生じさせる熱応力を引き起こす。鋳造の始動段階と定常状態段階との関係において生じる熱勾配および応力の変化に起因して、一定の輪郭形状の金型キャビティの結果として、バット(butt)とも言われる始動段階中に鋳造されるインゴット部分、および定常状態鋳造段階中に鋳造されるインゴットの非一様な輪郭形状が生じる。定常状態鋳造中に生じる部分がインゴットの大部分を形成するので、金型輪郭形状は、インゴットの互いに側部および互いに反対側の端部が実質的に平らであるよう設計される場合がある。この結果、図2の鋳造インゴット断面に示すように、始動段階中に形成された実質的に平坦な側部を欠くインゴットのバットが生じる場合がある。図2の図示の実施形態は、鋳造プロセス中におけるインゴット金型の基本的な断面を示している。図示のように、溶融金属(溶湯)が金型側壁110,120相互間で金型のキャビティ内に受け入れられ、溶融金属は、ここで、破線163で示すサンプの近くで固体金属に移行する。図示の位置の開始ブロック157は、矢印162の方向にプラットホーム159と共にすでに下降しており、鋳造は、現時点においては、定常状態段階にあり、インゴット160の側部165は、実質的に平らである。始動段階中に作られたインゴット160の部分は、定常状態鋳造段階の望ましい平坦な側部175に対して膨れている輪郭形状170を備えた状態で始動ブロック157に隣接したところに示されている。
【0023】
始動段階中に作られたインゴット部分の変形部170は、インゴットの最終使用に応じて使用できない場合があり、したがって、始動期間中に形成されたインゴットの部分は、犠牲になる場合がある(すなわち、インゴットから切断され、そして別の目的に使用され/再鋳造される)。インゴットのこの犠牲バット部分は、特に比較的大きな輪郭形状を有する半連続鋳造用金型においてはサイズが相当大きい場合があり、バットを再鋳造されることができ、したがって材料は失われないが、インゴットの損失部分および一インゴットの最大サイズ利用可能性の低下と関連した時間の損失、再熱/再溶融コストおよび労力の結果として、半連続鋳造法の高温率が低下する。同様な問題は、インゴットまたはビレットの「ヘッド」を形成する際に鋳造の終わりに起こる場合があり、この場合、鋳造は、定常状態ではなくなり、インゴットの使用可能な部分を最大にするとともに無駄を減らすために特定の制御パラメータを必要とする場合がある。
【0024】
上述の問題を解決しまたは改善するため、半連続鋳造用金型は、従来の半連続インゴット鋳造用金型のバット膨潤をなくして無駄を減らすとともに、インゴットの鋳造効率を高めるよう鋳造プロセス中に動的に動かすことができる可撓性の互いに反対側の側壁を採用する場合がある。本明細書において説明する半連続鋳造用金型は、金型がインゴットを鋳造している間、可撓性である金型の側壁上に、側壁が形状を変えることができるようにする互いに反対側の一対の鋳造面を有するのがよい。互いに反対側の側壁の各々は、各々が金型の互いに反対側の側壁を鋳造プロセス中に動的に動かして形状を変化させる力を受けるよう構成されている2つ以上の接触部分または力受け入れ要素を含むのがよい。2つ以上の接触領域に加えられた力は、別個独立であるのがよくしかも以下にさらに説明するように、互いに逆の方向における力を含むのがよい。接触領域は、オプションとして、加えられた力に起因して生じる側壁の形状に対する大幅な制御を可能にするよう互いに反対側の側壁の長さに沿って再位置決め可能であるのがよい。
【0025】
図3は、本発明の例示の実施形態としての半連続鋳造用金型組立体200の平面図である。図示のように、金型組立体200は、第1および第2の互いに反対側の側壁組立体210,220ならびに第1および第2の端壁組立体230,240を含む。互いに反対側の側壁組立体210,220の各々は、金型組立体250の側壁を含み、この側壁は、金型キャビティの周囲の形状である金型キャビティの輪郭形状を形成するよう端壁組立体230,240の端壁と協働する。図4は、図3の半連続鋳造用金型組立体200の平面図であり、曲率が側壁組立体210,220に与えられている。
【0026】
種々の機構体が曲率を半連続鋳造用金型の側壁組立体に与えるよう用いられるのがよい。しかしながら、実際には、半連続鋳造用金型は、多くの場合、鋳造ピットの上方に互いに隣接して位置決めされた1組の半連続鋳造用金型の状態に配置されている。鋳造ピットおよび半連続鋳造用金型を支持した鋳造ピットの上方に位置するフレームのサイズは、単一の鋳造使用中に使用できる半連続鋳造用金型の数を制限する。半連続鋳造用金型を実現可能なほど互いに近接して位置決めすることにより、鋳造ピットおよびシステムの容量が向上し、それにより鋳造作業の全体的効率が高められる。
【0027】
図5は、2つの半連続鋳造用金型組立体200が鋳造ピットの上方で金型フレーム200内に位置決めされたときにどのように互いに隣接して配置するかを示している。金型組立体200は、金型フレームによって種々の仕方で支持でき、金型組立体支持体は、理解を容易にするために図面から省かれている。図示のように、金型側壁210,220は、互いに隔てられている。側壁の運動が行われなければ、金型組立体は、互いに当接することができる。しかしながら、上述した目的で側壁の曲がりを可能にするため、金型組立体は、ある程度隔てられなければならない。さらに、側壁の曲がりを生じさせるよう構成された機構体に順応しなければならない。コンパクトな加力装置300が金型側壁210,220相互間に示されている。金型側壁がもう1つの金型側壁に隣接していないが、これに代えて、金型フレーム205に隣接している場合、コンパクトな加力装置300と実質的に類似しているが、少なくとも一時的に、金型側壁とフレームとの間に位置決めされるよう改造されたコンパクトな加力装置305を採用することができる。これら加力装置は、コンパクトな形態では、金型組立体を比較的互いに近接して位置決めすることができる。大形の加力装置は、金型組立体相互間に相当広い空間を必要とし、それにより離隔距離が増大し、鋳造作業能力が低下し、したがって鋳造作業の能率が低下する。本明細書において説明する実施形態は、従来の利用可能な装置よりも金型組立体相互間に必要な離隔空間を実質的に狭くした状態で金型側壁相互間に位置決めできるコンパクトな加力装置を提供する。本明細書において説明するコンパクトな加力装置の実施形態は、例えば、幅約3インチ(7.6cm)であるのがよく、3インチを超え、例えば4インチ(10.2cm)以上のストローク(以下において説明するねじ山付きシャフトの最小伸長と最大伸長との間の長さ)を有する。本発明の実施形態は、これよりも大きくてもよく、小さくてもよく、上述の近似寸法は、相対的縮尺目的のためである。さらに、本明細書において説明する実施形態のコンパクトな加力装置により生じる力は、1,000ポンド(453.6kg)を超える場合がある。
【0028】
図6は、2つの隣り合う半連続鋳造金型組立体200の例示の実施形態を示しており、2つのコンパクトな加力装置300が2つの金型組立体相互間に配置され、そして力を隣接の側壁組立体(210,220)に加えた状態で示しており、それにより曲率が金型側壁組立体に与えられている。さらに、金型フレーム205と金型側壁(210,220)との間に設けられたコンパクトな加力装置305は、曲げをそれぞれ対応の金型側壁に与える。上述したように、鋳造作業効率を高めるためには、隣り合う金型組立体相互間の空間を最小限に抑えて鋳造ピット利用性を最大にすることが有利である。本明細書において説明する例示の実施形態は、半連続鋳造作業内で用いられるが、本明細書において説明するコンパクトな加力装置の実施形態は、様々な用途、特に、作業空間が設計要因または検討事項である場合に使用できる。例えば、実施形態は、物体を分離する際、例えば比較的タイトな場所での締まり嵌めが行われる物体を分離する際、例えば自動車用途においてボールジョイントを制御アームから分離する際に実施形態を採用することができる。
【0029】
実施形態のコンパクトな加力装置は、大きさが等しく、かつ向きが逆の力を装置のいずれか一方の側に加えるために使用される。上述したように2つの金型組立体相互間に配置されると、装置に加わる力は、バランスが取られ、装置は、実質的に静止状態のままである。コンパクトな加力装置の一方の側が静止状態の物体に取り付けられている形態において実施形態をさらに支持することができ、他方の側に加えられた力は、運動を引き起こす。
【0030】
図7は、例示の実施形態のコンパクトな加力装置300の例示の実施形態を示している。図示の実施形態は、ギヤボックス305を含み、第1のシャフト310および反対側の第2の反対側のシャフト315が第1の対として、第2の対としての第3のシャフト320および反対側の第4のシャフト325と一緒にギヤボックスから延びている。図示の実施形態は、2つの対をなす反対側のシャフトを含むが、実施形態は、これよりも多いまたは少ない対をなすシャフトを有することができる。シャフトの各対は、全体として、本明細書において説明するように力の等しい提供を可能にするよう他方の対のシャフトに平行である。図7の例示の実施形態は、第1の取り付けプレート330および第2の取り付けプレート335をさらに含む。しかしながら、取り付けプレートは、取り付け機構体の単なる例示であり、コンパクトな加力装置300は、力を加えている物体相互間においてこの取り付け機構体を介して固定されるのがよい。
【0031】
取り付けプレートは、ねじ山付きシャフトを回転可能に固定された状態に保持するような仕方でねじ山付きシャフトに係合し、その結果、取り付けプレートは、これらの軸線回りに回転しないようになっている。取り付けプレートは、例示の実施形態のギヤボックスの中心を通る平面に実質的に平行であるよう図示されているが、これは必ずしも必要ではない。例えば、連続鋳造用金型作業を使用した場合、テーパが金型側壁に与えられるのがよく、第1の取り付けプレート330の頂縁は、第1の取り付けプレートと第2の取り付けプレートの底部相互間の距離よりも第2の取り付けプレート335の頂縁の近くに位置している。以下にさらに説明するように、ねじ山付きシャフトのねじ山ピッチの1インチ当たりのねじ山数が等しい場合、第1の取り付けプレート330と第2の取り付けプレート335の相対角度は、これらプレートが移動しているときに維持される。対をなす反対側のシャフトはまた、他の対をなす互いに反対側のシャフトとは異なる力を加えることができる。例えば、テーパが金型側壁に与えられている実施形態では、大きな撓みを金型側壁に与えるシャフト(第1のシャフト310および第2のシャフト315)の対はまた、対をなす互いに反対側のシャフトが一緒に動いている場合であっても、下側で対をなすシャフト(例えば、第3のシャフト320および第4のシャフト325)よりも大きな力を及ぼすことができる。
【0032】
また、駆動ソケット340が図示されており、駆動ソケット340は、互いに反対側の対をなすシャフトが駆動ソケット340の回転方向に依存して伸長したり引っ込んだりするよう回転するよう構成されている。例示の実施形態の駆動ソケット340は、キー溝、例えば六角形キー溝を有し、ただし、キー溝は、確実な回転力をキー溝に係合するキーシャフトによって与えることができる任意の輪郭形状のものであってよい。キー溝は、ウォームギヤを貫通するのがよく、その結果、キーシャフトがキー溝と係合したままであってキーシャフトの回転と一緒に駆動ソケット340を回転させることができる状態で、コンパクトな加力装置300を位置決め可能にキーシャフトに沿って横方向に動かすことができるようになっている。コンパクトな加力装置の実施形態は、オプションとして、貫通穴342をさらに含み、この貫通穴の機能については以下にさらに説明する。対をなすシャフトを引っ込めたり伸長させたりする機構体については以下にさらに詳細に説明する。
【0033】
図8は、ギヤボックス305のハウジングが理解を容易にするために省かれた状態で図7のコンパクトな加力装置を斜視図で示している。図示のように、シャフトの対に属するシャフトの各々は、ベアリング、例えば図8に見える第2のシャフト315のためのベアリング316および第3のシャフト320のためのベアリング321によって支持される。ウォームギヤ345は、駆動ソケット340によって駆動される。ウォームギヤ345は、第1のウォームホイールギヤ350および第2のウォームホイールギヤ355に係合している。ウォームホイールギヤの歯は、適切には図示されていないが、当業者には明らかである。駆動ソケット340の回転により、第1のウォームホイールギヤ350および第2のウォームホイールギヤ355の各々が互いに逆方向に回転する。
【0034】
図9は、ギヤボックス内に位置決めされたときのウォームギヤ345、第1のウォームホイールギヤ350および第2のウォームホイールギヤ355の断面を示している。また、第1のギヤシャフト400および第2のギヤシャフト430が示されている。第1のギヤシャフト400の第1の端部410は、比較的小径のねじ山付き穴410を有する。第1のギヤシャフト第2の端部415は、比較的大径のねじ山付き穴415を有する。同様に、第2のギヤシャフト430の第1の端部420は、比較的小径のねじ山付き穴を有し、第2のギヤシャフトの第2の端部425は、比較的大径のねじ山付き穴を有する。第1のギヤシャフト400は、第1のウォームホイールギヤ350に固定され、第2のギヤシャフト430は、第2のウォームホイールギヤ355に固定されている。ウォームホイールギヤ355が回転すると、第1のウォームホイールギヤ350および第2のウォームホイールギヤ355は、駆動される。すると、ギヤシャフトにそれぞれ固定されたウォームホイールギヤは、ギヤシャフトを駆動する。
【0035】
図10は、シャフト対が含まれてギヤシャフトに係合した状態の図9の断面を示している。シャフト対のシャフトの各々は、雄ねじを有する。第1のシャフト310は、ねじ山付き穴410の直径と同等の比較的小さな直径、およびねじ山付き穴410と相補する雄ねじを有する。図10に示すように、第1のシャフト310は、ねじ山付き穴410と螺合状態にある。同様に、第3のシャフト320は、ねじ山付き穴420の直径と同等の比較的小さな直径、およびねじ山付き穴420と相補した雄ねじを有する。第2のシャフト315は、ねじ山付き穴415の直径と相補した比較的大きな直径、およびねじ山付き穴415と相補した雄ねじを有する。同様に、第4のシャフト325は、ねじ山付き穴425の直径と相補した比較的大きな直径、およびねじ山付き穴425と相補した雄ねじを有する。図10は、ねじ山付き穴410と螺合した第1のシャフト310、ねじ山付き穴415と螺合した第2のシャフト315、ねじ山付き穴420と螺合した第3のシャフト320、およびねじ山付き穴425と螺合した第4のシャフトを示している。
【0036】
ウォームギヤ345が回転して第1のウォームホイールギヤ350と第2のウォームホイールギヤ355を互いに逆の回転方向に駆動すると、シャフトの各々は、回転的に固定状態のままであり、他方、第1のギヤシャフト400および第2のギヤシャフト430は、これらのそれぞれのウォームホイールギヤと一緒に回転する。雄ねじ付きのシャフトが回転的に固定状態に保持されるとともにギヤシャフトが回転している状態で、雄ねじ付きシャフトは、雌ねじ付き穴に沿って移動する。次に、第1のギヤシャフト400を参照すると、第1のギヤシャフトが第1の方向に回転するのに応答して、第1のシャフト310と第2のシャフト315は、ギヤシャフトのねじ山付き穴のねじ山が回転的に固定された第1のシャフトおよび第2のシャフトを中心として回転しているときに、互いに引き付けられる。第1のギヤシャフトが第2の方向に回転するのに応答して、第1のシャフト310と第2のシャフト315は、ギヤシャフトのねじ山付き穴のねじ山が回転的に固定された第1のシャフトおよび第2のシャフトを中心として回転しているときに共に互いに遠ざかるよう駆動される。
【0037】
第2のギヤシャフト430は、図9および図10に示すように、第1のギヤシャフト400に対して回される。これは、第1のギヤシャフト400に対する第2のギヤシャフト430の逆回転の結果として、第1のシャフト310および第2のシャフト315に対する第3のシャフト320および第4のシャフト325の同じ動作が生じる。このように、ウォームギヤ345が回転しているとき、第1のシャフト310は、第3のシャフト320が第4のシャフト325に近づきまたは遠ざかるのと同一の方向で第2のシャフト315に近づきまたはこれから遠ざかる。さらに、シャフトおよびこれらのそれぞれのねじ山付き穴のねじ山ピッチが等しく、その結果、ギヤシャフトの単一の回転により、第1のシャフト310と第2のシャフト315が、同一の距離互いに近づき、または遠ざかるようになる。同じことは、第3のシャフト320および第4のシャフト325ならびにこれらのねじ山について当てはまる。これにより、図8に示す第1の取り付けプレート330および第2の取り付けプレート335が一貫した速度で互いに近づいたり遠ざかったりするよう進み、そしてギヤボックスの同一の側でシャフト(例えば、第1のシャフト310と第4のシャフト325)相互間においてギヤボックス305に対する等しい変位のままである。
【0038】
幾つかの実施形態によれば、第1のシャフト310および第3のシャフト320は、ギヤボックスの同一の側に配置されるのがよい。かかる実施形態では、比較的小径のねじ山付きシャフトが同一の側に位置した状態で、第1のシャフト310および第3のシャフト320は、これらが上述した実施形態において同一であるので、交換可能な部品ではなく、と言うのは、第1のギヤシャフト400と第2のシャフト430は、互いに逆の方向に回るからである。これとは異なり、第1のシャフト310と第3のシャフト320が、ギヤボックスの同一の側に設けられた場合、シャフトのねじ山は、互いに逆向きでなければならず、したがって、第1のシャフトおよび第3のシャフトが移動するギヤシャフトの逆回転が続いて第1のシャフトと第3のシャフトの同一方向に駆動するようになっている。同じことは、ギヤボックスの同一の側に配置されるが、交換可能であるようにはなっていない第2のシャフト315および第4のシャフト325について当てはまる。ギヤシャフトはまた、かかる例示の実施形態のユニークなねじ山付きシャフトに対応するためのねじ山を必要とする。かかる形態が可能であるが、図の実施形態によれば、コンパクトな加力装置のユニークな部品が少なく、と言うのは、第1のシャフト310と第3のシャフト320は、第2のシャフト315および第4のシャフト325の場合と同様に交換可能であるからである。
【0039】
ねじ山付きシャフト(および相補するねじ山付き穴)のねじ山ピッチは、ウォームホイールギヤのねじ山ピッチと共に、特定の度合いの力を与えるよう構成されているのがよい。ねじ山付きピッチが細かいと、大きな力をねじ山付きシャフトに加えることができ、回転が多いと、結果として、運動度が小さくなる。ねじ山付きシャフト、ねじ山付き穴、ウォームギヤ、およびウォームホイールギヤのねじ山ピッチは、ウォームギヤのところの入力としての力および入力としての回転に対して特定の大きさをねじ山付きシャフトのところに加えるよう構成されるのがよい。オプションとして、上述の実施形態は、1インチ当たりのねじ山数が同一の数の場合にねじ山付きのシャフトの各々について同一のねじ山ピッチを含むが、本明細書において説明する実施形態は、互いに異なる運動度を与えるよう互いに異なるねじ山付きシャフト相互間に互いに異なるねじ山ピッチを用いることができる。例えば、上述の連続鋳造用金型操作の場合、第1のシャフト310および第2のシャフト315は、第3のシャフト320および第4のシャフト325よりも少ない1インチ当たりのねじ山数を備えたねじ山ピッチを有する場合がある。かかる実施形態は、コンパクトな加力装置が金型側壁に対して作用しているときに金型側壁のテーパを変更し、第1のシャフトおよび第2のシャフトは、第3のシャフトおよび第4のシャフトよりも大きな1回転数当たりの運動を生じさせる。
【0040】
図11は、図10の断面に類似した断面を示しており、第1のシャフト310、第2のシャフト315、第3のシャフト320、および第4のシャフト325は、一緒に描かれている。図示のように、第2のシャフト315は、空所515を有し、第4のシャフト325もまた、空所525を有する。第1のシャフト310と第2のシャフト315が互いに引き寄せられているとき、第1のシャフト310は、第2のシャフト315の空所515内に受け入れられる。同様に、第3のシャフト320と第4のシャフト325が互いに引き寄せられているとき、第3のシャフト320は、第4のシャフト325の空所525内に受け入れられる。この構成により、第1のシャフト310および第2のシャフト315によって加えられる力は、同軸であることができ、他方、第1のシャフト310および第2のシャフト315のストロークをシャフトが図11に示すように互いに入れ子状態になるよう構成されていない場合よりも大きくすることができる。図12は、ギヤボックス300を有するコンパクトな加力装置305を示しており、第1のシャフト310は、ギヤボックス内に引っ込められるとともに第2のシャフト315内に受け入れられ(図11に示す)、第2のシャフト320は、ギヤボックス内に引っ込められるとともに第4のシャフト325内に受け入れられている。
【0041】
加力装置によって及ぼされる力の大きさが互いに等しくかつこれらの向きが互いに逆であるようにするために、シャフトの対(例えば、第1のシャフト310/第2のシャフト315、および第3のシャフト320/第4のシャフト325)は、同軸である。本明細書において説明するようにコンパクトな加力装置により及ぼされる同軸の力により、かかる力は、大きさが等しくかつ向きが逆であり、しかも例示の実施形態のギヤボックスを横切る方向にバランスが取られている。このバランスにより、本明細書において説明するコンパクトな加力装置を金型側壁相互間に浮かせることができ、この場合、加力装置を定位置に固定するための荷重支持構造体は不要である。これにより、金型組立体の複雑さがさらに減少し、しかも金型組立体を大形の加力装置や加力装置を定位置に維持するための剛性上部構造体を必要とする加力装置に対して比較的互いに近接して配置することができる。
【0042】
図示の実施形態は、2対の互いに反対側のシャフトを含んでいるが、1対、3対または任意の数の対をなすシャフトを含むことができ、このことは、本明細書において説明するコンパクトな加力装置の基本的原理から逸脱しない。さらに、上述の例示の実施形態は、半連続鋳造作業で採用されるが、本明細書において説明するコンパクトな加力装置の実施形態は、多種多様な用途で使用できる。本明細書において説明する例示の使用事例は、例示の使用事例のコンパクトな加力装置の限定ではないと理解されたい。
【0043】
上述の例示の実施形態のコンパクトな加力装置を互いに反対側のシャフトによって大きさが等しく、かつ向きが逆である力を加える物体相互間で使用することができる。しかしながら、図5および図6の例示の実施形態では、実質的に剛性の金型フレーム205と金型側壁との間にはコンパクトな加力装置305が設けられている。かかる例示の実施形態では、コンパクトな加力装置の一方の側のシャフト(例えば、第2のシャフト315および第3のシャフト320)を取り外すことができる。図8に示す第1の取り付けプレート330を取り外し、そして第2のシャフト315および第3のシャフト320をこれらのそれぞれのギヤシャフトから外すことによって取り外しを達成することができる。次に、コンパクトな加力装置を第1のシャフト310および第4のシャフト325が金型側壁に取り付けられた状態で金型フレーム205に固定するのがよい。このようにすると、ストロークは、コンパクトな加力装置が行うことができるストロークの半分であるが、金型フレームは、静止状態のままであり、その結果、完全ストロークは必ずしも必要ではない。
【0044】
コンパクトな加力装置の背後に存在する原動力は、幾つかの実施形態では、ウォームギヤの手動回転、例えば駆動ソケット340の使用であるのがよい。オプションとして、駆動ソケットは、例えばコントローラによって制御された電気モータによって自動的に駆動されるのがよく、コントローラは、コンパクトな加力装置から必要とされる運動および/または力の度合いを決定する。2つ以上のコンパクトな加力装置は、これらの間の運動および力の同程度の付与を提供する状態で同一速度で駆動されるよう機械的に結合されるのがよい。幾つかの実施形態によれば、フィードバックがウォームギヤの駆動を制御するコントローラに提供されるのがよい。フィードバックは、コンパクトな加力装置により与えられる動き、例えば上述の例では金型側壁の運動の程度の形態であるのがよい。オプションとして、フィードバックは、加えられた力、例えば応力/歪ゲージで測定された力の形態をしていてもよい。フィードバックは、ウォームギヤが第1の方向またはこれとは逆の方向に駆動されるべき時期、または特定の位置を保持する時期を指示するために使用されるのがよい。
【0045】
本明細書において説明するコンパクトな加力装置の実施形態は、さらに、運動を2つ以上のコンパクトな加力装置に与える一方で、さらに、コンパクトな加力装置の再位置決めを可能にするための原動力を使用することができるシステムにおいて具体化できる。図13は、3つのコンパクトな加力装置の例示の実施形態を示しており、かかる加力装置は、第1の装置550、第2の装置560、および第3の装置570を含む。図13に示す構成は、上述した例示の具体化例に類似した金型の2つの隣り合う側壁相互間の構成を含むことができる。図示のように、駆動ソケット340は、各コンパクトな加力装置のウォームギヤを貫通したキー溝を含む。第2の装置560は、第1の装置550および第3の装置570に対して180°回転した状態で示されている。第1の駆動シャフト555は、第1の装置の駆動ソケット340および第3の装置の駆動ソケット340を貫通した状態で示されている。しかしながら、第1の駆動シャフト555は、第2の装置560の貫通穴342を貫通している。第1の駆動シャフト555の回転に応答して、第1の装置550のウォームギヤおよび第3の装置570のウォームギヤは、駆動されて運動をそれぞれの装置のシャフトに与える。しかしながら、第1の駆動シャフトが第2の装置560の貫通穴342を貫通するとき、ウォームギヤには係合せず、しかも第2の装置のシャフトは、第1の駆動シャフトの回転に応答して動くことはない。第2の駆動シャフト565が第1の装置550および第3の装置570の貫通穴342を貫通しているが、第2の装置560の駆動ソケット540中に係合した状態で示されている。かくして、第2の駆動シャフト565の回転に応答して、第2の装置560のウォームギヤは、回転し、運動を第2の装置のシャフトに与え、他方、第1の装置550および第3の装置570のウォームギヤは、第2の駆動シャフト565と係合しない。このように、第1の装置550および第3の装置570のシャフトの運動は、協調した状態に保たれており、そして第1の駆動シャフト555によって駆動され、他方、第2の装置560は、第2の駆動シャフト565に基づいて別個独立に動く。この形態により、中心から離れたところよりも、金型側壁の中心の近くでは異なる力の付与が可能になる。さらに、動きを連続鋳造用金型作業中にコントローラによって制御されるモータにより与えることができる。
【0046】
例示の実施形態のコントローラは、例えばユーザまたは別個のコンピューティングデバイスから例示の実施形態のコンパクトな加力装置を用いて与えられるべき運動または力の指示を受け取ることができる。例示の実施形態のコントローラが図14の略図に示されている。図示のように、例示の実施形態では、コントローラ400は、処理回路610を含むのがよく、幾つかの実施形態では、さらにメモリ620を含むのがよい。処理回路は、ユーザインターフェース630および/または通信インターフェース640と通信状態にあってもよく、これらを含んでもよく、または違ったやり方で制御してもよい。したがって、処理回路は、本明細書において説明する操作を実行するよう構成された(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより)回路チップ(例えば、集積回路チップ)として具体化されるのがよい。
【0047】
処理回路610は、多種多様な仕方で具体化できる。例えば、プロセッサは、種々の処理手段、例えばマイクロプロセッサまたは他の処理要素、コプロセッサ、コントローラ、または集積回路、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などを含む他のコンピューティングまたは処理デバイスとして具体化できる。単一のプロセッサとして図示されているが、理解されるように、プロセッサは、複数のプロセッサからなっていてもよい。複数のプロセッサは、互いに動作的連絡状態にあるのがよく、これらプロセッサは、ひとまとめに、本明細書において説明したように各種情報を取り扱い、記憶し、運搬し、または分配するシステムの1つ以上の機能を実行するよう構成されているのがよい。複数のプロセッサは、単一のコンピューティングデバイス上に具体化されてもよく、あるいは複数のコンピューティングデバイスに分布して配置されてもよい。幾つかの例示の実施形態では、プロセッサは、メモリに記憶されまたは違ったやり方でプロセッサにアクセス可能な命令を実行するよう構成されているのがよい。したがって、ハードウェアによって構成されているにせよハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成されているにせよ、いずれにせよ、プロセッサは、本発明の実施形態に従って作業を実行することができる一方で、それに従って構成されたエンティティ(例えば、回路の状態に―処理回路の形態で物理的に具体化された)を表すことができる。かくして、例えば、プロセッサがASIC、FPGAなどとして具体化されている場合、プロセッサは、本明細書において説明した作業を行う特別に構成されたハードウェアであるのがよい。変形例として、もう1つの実施例として、プロセッサがソフトウェア命令のエグゼキュータとして具体化されている場合、命令は、本明細書において説明した1つ以上の作業を実行するようプロセッサを特別に構成してもよい。
【0048】
幾つかの例示の実施では、メモリ620は、1つ以上の非一時的メモリデバイス、例えば固定されているかリムーバブルかであるかいずれであってもよい揮発性および/または不揮発性メモリを含むことができる。この点に関しメモリ620は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体からなるのがよい。理解されるように、メモリ620が単一のメモリとして示されているが、メモリは、複数のメモリを含むことができる。複数のメモリは、単一のコンピューティングデバイス上に具体化されていてもよく、あるいは複数のコンピューティングデバイスに分布して配置されてもよい。メモリは、本発明の実施形態が1つ以上の例示の実施形態に従って種々の機能を実行することができるようにするための情報、データ、アプリケーション、命令および/またはその他を記憶するよう構成されているのがよい。例えば、メモリは、プロセッサによる処理可能に入力データをバッファするよう構成されているのがよい。追加的にまたは代替的に、メモリは、プロセッサによる実行可能な命令を記憶するよう構成されていてもよい。さらにもう1つの代替手段として、メモリは、様々なファイル、コンテンツ、またはデータセットを記憶することができる1つ以上のデータベースを含むことができる。メモリのコンテンツの中で、アプリケーションは、各々対応のアプリケーションと関連した機能を実行するようプロセッサによって実行可能に記憶されるのがよい。
【0049】
例示の実施形態のユーザインターフェース630は、ユーザインターフェースのところでユーザ入力の指示を受け取りかつ/あるいは可聴、視覚的、機械的、または他の出力をユーザに提供するよう処理回路と連絡状態にあるのがよい。したがって、ユーザインターフェースとしては、例えば、ユーザ入力インターフェース630、例えばキーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、マイクロホン、スピーカ、および/または他の入力/出力機構体が挙げられる。したがって、ユーザインターフェースは、幾つかの例示の実施形態では、本発明の実施形態のユーザによる制御を可能にする手段となる。幾つかの例示の実施形態では、ユーザインターフェースの1つ以上の観点をユーザ端末上で実現できる。したがって、実現と無関係に、ユーザインターフェースは、本明細書において説明するようにコンパクトな加力装置の動きを容易にする入力および出力手段となることができる。
【0050】
通信インターフェース640は、他のデバイスおよび/またはネットワークとの通信を可能にするための1つ以上のインターフェース機構体を含むのがよい。幾つかの場合、通信インターフェースは、ハードウェアかハードウェアとソフトウェアの組み合わせのいずれかで具体化されていて、データを処理回路と連絡状態にあるネットワークおよび/または任意他のデバイスまたはモジュールから受け取ったりかつ/あるいはデータをこれらに送ったりするよう構成された任意の手段、例えばデバイスまたは回路であってよい。したがって、通信インターフェースとしては、例えば、通信をケーブル、デジタルサブスクライバライン(DSL),ユニバーサルシリアスバス(USB)、イーサネット(Ethernet)、または他の方法により実行可能にするために支援ハードウェアおよび/またはソフトウェアが挙げられる。
【0051】
例示の実施形態のコントローラ600は、本明細書において説明したようなコンパクトな加力装置の種々の観点を制御するよう構成されているのがよい。半連続鋳造法における上述の具体化例では、コントローラは、特定の曲率を種々の入力に基づいて金型組立体の側壁に与えるようコンパクトな加力装置の運動を制御することができる。例えば、鋳造されている合金、鋳造の速度、鋳造材料の温度などは、鋳造作業中における金型の曲率および曲率の動きを定めるよう入力されるのがよく、この場合、曲率および曲率の動きは、本明細書において説明したコントローラ400によって制御されるようにコンパクトな加力装置によって与えられる。
【0052】
図15は、例示の実施形態のコンパクトな加力装置を用いるプロセスの流れ図である。図示のように、符号710で示すように、コンパクトな加力装置を第1の金型の第1の金型側壁と第2の金型の第2の金型側壁との間に位置づける。符号720で示すように、回転入力をコンパクトな加力装置に提供する。この回転入力は、手動入力(例えば、ホイール、ツール、レベラなどを回転させる)または自動入力(例えば、上述したようにコントローラに接続された電気モータを用いる)であってもよい。符号730で示すように、第1の金型側壁を回転入力に応答して第2の金型側壁に対して動かす。この運動は、金型側壁に与えられるべき入力、例えば所望の曲率を用いるコントローラ600によって制御されるのがよい。この方法の実施形態は、金型側壁相互間に多数のコンパクトな加力装置を含むのがよく、各加力装置は、異なるコンパクトな加力装置のところの変位が互いに異なることが必要である場合のある所望の曲率を確立するよう独立した制御方式を備える。
【0053】
本明細書に記載した本発明の多くの変形例および他の実施形態は、上記説明および関連の図面に提供されている教示の恩恵を受ける当業者に明らかである。したがって、理解されるべきこととして、本発明は、開示した特定の実施形態には限定されず、改造例および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれる。特定の用語を本明細書において用いているが、かかる特定の用語は、一般的かつ記述的な意味でのみ用いられており、本発明を限定することを目的としていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力を加える装置であって、
ギヤボックスハウジングを有し、前記ギヤボックスハウジングは、
ウォームギヤと、
前記ウォームギヤと係合したウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤと同軸であり、かつ前記ウォームホイールギヤに回転可能に結合されたギヤシャフトとを収容し、前記ギヤシャフトは、
前記ギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第1のねじ山付き穴と、
前記第1の端部と反対側の前記ギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第2のねじ山付き穴とを有し、
前記第1のねじ山付き穴によって受け入れられた第1のねじ山付きシャフトを有し、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記ギヤボックスハウジングの外部へ延び、
前記第2のねじ山付き穴によって受け入れられた第2のねじ山付きシャフトを有し、前記第2のねじ山付きシャフトは、前記ギヤボックスハウジングの外部へ延び、
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、前記ウォームホイールギヤおよびかくして前記ギヤシャフトを前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトに対して回転させる前記ウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成され、
前記第1のねじ山付き穴は、第1のねじ山ピッチおよび第1の直径を有し、前記第2のねじ山付き穴は、第2のねじ山ピッチおよび第2の直径を有し、前記第1のねじ山ピッチは、前記第2のねじ山ピッチに等しく、前記第1の直径は、前記第2の直径とは異なっている、装置。
【請求項2】
前記ギヤボックスハウジングは、前記ウォームギヤの軸線に平行な貫通穴を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ウォームギヤのところで受け入れられた回転力は、前記装置によって、前記ギヤボックスハウジングの延びる方向の軸線に沿って加えられる軸方向力に変換される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記軸方向力は、1対の半連続鋳造用金型の隣り合う金型側壁相互間に加えられるよう構成されている、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、回転可能に固定された保持される、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記第2のねじ山付きシャフト内には空所が設けられ、前記空所は、前記第1の直径よりも大きな直径を有する、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、同軸である、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記ギヤボックスハウジングは、前記ウォームギヤの軸線に平行な貫通穴を有する、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記第2のねじ山付きシャフトは、空所を有し、前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づくことに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトの前記空所内に受け入れられる、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づき、または遠ざかるのに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第1のねじ山付きシャフトに結合された第1の物体に第1の力を及ぼすとともに、前記第2のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトに結合された第2の物体に第2の力を及ぼし、前記第1の力と前記第2の力は、大きさが等しく、かつ向きが逆である、請求項9記載の装置。
【請求項11】
力を加える装置であって、
ウォームギヤと、
前記ウォームギヤと係合した第1のウォームホイールギヤと、
前記ウォームギヤと係合した第2のウォームホイールギヤと、
前記第1のウォームホイールギヤと同軸であり、かつ前記第1のウォームホイールギヤに回転可能に結合された第1のギヤシャフトと、
前記第1のギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第1のねじ山付き穴と、
前記第1のギヤシャフトの前記第1の端部と反対側の前記第1のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第2のねじ山付き穴と、
前記第1のねじ山付き穴によって受け入れられた第1のねじ山付きシャフトと、
前記第2のねじ山付き穴によって受け入れられた第2のねじ山付きシャフトと、
前記第2のウォームホイールギヤと同軸であり、かつ前記第2のウォームホイールギヤに回転可能に結合された第2のギヤシャフトと、
前記第2のギヤシャフトの第1の端部の近くに設けられた第3のねじ山付き穴と、
前記第2のギヤシャフトの前記第1の端部と反対側の前記第2のギヤシャフトの第2の端部の近くに設けられた第4のねじ山付き穴と、
前記第3のねじ山付き穴によって受け入れられた第3のねじ山付きシャフトと、
前記第4のねじ山付き穴によって受け入れられた第4のねじ山付きシャフトとを有し、、
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、前記第1のウォームホイールギヤおよびかくして前記第1のギヤシャフトを前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトに対して回転させる前記ウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成され、
前記第3のねじ山付きシャフトと前記第4のねじ山付きシャフトは、前記第2のウォームホイールギヤおよびかくして前記第2のギヤシャフトを前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトに対して回転させる前記ウォームギヤの回転に応答して互いに近づき、または遠ざかるよう構成されている、装置。
【請求項12】
前記第2のねじ山付きシャフトは、空所を有し、前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づくことに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトの前記空所内に受け入れられる、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトが互いに近づき、または遠ざかるのに応答して、前記第1のねじ山付きシャフトは、前記第1のねじ山付きシャフトに結合された第1の物体に第1の力を及ぼすとともに、前記第2のねじ山付きシャフトは、前記第2のねじ山付きシャフトに結合された第2の物体に第2の力を及ぼし、前記第1の力と前記第2の力は、大きさが等しく、かつ向きが逆である、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、同軸である、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記第1のねじ山付きシャフトと前記第2のねじ山付きシャフトは、回転可能に固定された状態に保持されている、請求項11記載の装置。
【請求項16】
前記ウォームギヤ、前記第1のウォームホイールギヤ、前記第1のギヤシャフト、前記第2のウォームホイールギヤ、および前記第2のギヤシャフトを収容したギヤボックスをさらに有し、前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトは、前記ギヤボックスの第1の側に設けられ、前記第2のねじ山付きシャフトおよび前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記ギヤボックスの第2の側に設けられている、請求項11記載の装置。
【請求項17】
前記第1のねじ山付きシャフト、前記第2のねじ山付きシャフト、前記第3のねじ山付きシャフト、および前記第4のねじ山付きシャフトは各々、前記ウォームギヤの回転に応答して同一速度で一斉に前記ギヤボックスに近づき、または前記ギヤボックスから遠ざかる、請求項16記載の装置。
【請求項18】
第1の物体が前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトに取り付けられ、第2の物体が前記第2のねじ山付きシャフトおよび前記第3のねじ山付きシャフトに取り付けられ、前記第1のねじ山付きシャフトおよび前記第2のねじ山付きシャフトは、第1の力を前記ウォームギヤの第1の回転に応答して前記第1の物体と前記第2の物体との間に加え、前記第3のねじ山付きシャフトおよび前記第4のねじ山付きシャフトは、第2の力を前記ウォームギヤの第2の回転に応答して前記第1の物体と前記第2の物体との間に加え、前記第1の力は、前記第2の力とは異なっている、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記第1のねじ山付き穴は、第1のねじ山ピッチおよび第1の直径を有し、前記第2のねじ山付き穴は、第2のねじ山ピッチおよび第2の直径を有し、前記第1のねじ山ピッチは、前記第2のねじ山ピッチに等しく、前記第1の直径は、前記第2の直径とは異なっている、請求項11記載の装置。
【請求項20】
前記第2のねじ山付きシャフトには空所が設けられ、前記空所は、前記第1の直径よりも大きな直径を有する、請求項19記載の装置。
【国際調査報告】