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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-17
(54)【発明の名称】アクセスデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20250207BHJP
   A61M 60/13 20210101ALI20250207BHJP
   A61M 60/38 20210101ALI20250207BHJP
   A61M 60/857 20210101ALI20250207BHJP
   A61M 39/00 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
A61M1/36 149
A61M60/13
A61M60/38
A61M60/857
A61M39/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539541
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 US2023010280
(87)【国際公開番号】W WO2023133246
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/297,506
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/313,791
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/344,300
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィンク,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ジャハーンギル,エミリア
(72)【発明者】
【氏名】デロレンツォ,チャールズ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッジ,グレン
(72)【発明者】
【氏名】シュイナード,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C077
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB02
4C066CC01
4C066DD02
4C077AA03
4C077AA04
4C077BB06
4C077DD10
4C077DD20
4C077DD21
4C077DD26
4C077EE01
4C077FF04
(57)【要約】
本開示は、カニューレを貫通する接合管腔を備えたカニューレと、カニューレの近位端に連結されたハブとを含むアクセスデバイスに関する。ハブは、少なくとも2つのアームを含む。第1のアームは、第1の管腔と第1の止血弁とを有し得、第1の管腔は、接合管腔に動作可能に接続され、第1の管腔及び第1の止血弁は、医療用デバイスの通過用に構成され、第2のアームは、第1のアームに連結され、第2の管腔を有し得、第2の管腔は、接合管腔に動作可能に接続され、第2のアームは、体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスなどの、外部医療用デバイスに動作可能に連結されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスデバイスであって、
近位端と遠位端とカニューレを貫通する接合管腔とを有する前記カニューレの近位端に連結されるように構成されたハブを備え、前記ハブは、
第1の管腔と第1の止血弁とを有する第1のアームであって、前記第1の管腔は前記接合管腔に動作可能に接続され、前記第1の管腔及び前記第1の止血弁は、内部に配置可能な医療用デバイスの通過用に構成される、第1のアームと、
前記第1のアームに連結された第2のアームであって、前記第2のアームは、前記接合管腔に動作可能に接続された第2の管腔を有し、前記第2のアームは、外部医療用デバイスに動作可能に連結されるように構成される、第2のアームと
を備える、アクセスデバイス。
【請求項2】
前記外部医療用デバイスは、体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスを含む、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項3】
前記カニューレは、ねじ接続又はバーブ接続によって前記ハブに連結される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項4】
前記カニューレは接合カニューレであり、前記接合カニューレは、
近位端と遠位端とを有する第1の接合カニューレセクションであって、前記第1の接合カニューレセクションの前記近位端は、前記ハブに連結される、第1の接合カニューレセクションと、
近位端と遠位端とを有する第2の接合カニューレセクションであって、前記第2の接合カニューレセクションの前記近位端は、前記第1の接合カニューレセクションの前記遠位端に連結される、第2の接合カニューレセクションと
を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項5】
前記第1の接合カニューレセクション、前記第2の接合カニューレセクション、又はその両方は、半剛体である、請求項4に記載のアクセスデバイス。
【請求項6】
前記第2のアームは、追加のカニューレを介して外部医療用デバイスに動作可能に連結されるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項7】
前記追加のカニューレは、可撓性のカニューレである、請求項6に記載のアクセスデバイス。
【請求項8】
前記接合管腔は内径IDを有し、3mm≦ID≦36mmである、請求項1~7のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項9】
前記接合管腔は、≦6.5mmである内径IDを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項10】
前記接合管腔は内径IDを有し、5mm≦ID≦6.5mmである、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項11】
前記第1のアームの中心軸線と前記第2のアームの中心軸線との間に形成される第1の角度は、90度未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項12】
前記第1の管腔の中心軸線と前記第2の管腔の中心軸線との間に形成される第2の角度は、90度未満である、請求項1~11のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項13】
前記第1の角度、前記第2の角度、又はその両方は、15度~60度である、請求項11又は12に記載のアクセスデバイス。
【請求項14】
前記第1の管腔及び前記第2の管腔は接続して接合部を形成する、請求項1~13のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項15】
ユーザが前記第2のアームをクランプして遮断することを可能にするように構成されたクランプを更に備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項16】
固定特徴部を更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項17】
前記固定特徴部は、蝶形パッド又は縫合用リングである、請求項16に記載のアクセスデバイス。
【請求項18】
前記固定特徴部は、前記カニューレに対して軸方向に固定される、請求項16に記載のアクセスデバイス。
【請求項19】
前記固定特徴部は、前記カニューレに沿って移動可能に位置決めされる、請求項16~18のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項20】
前記カニューレは、0.2mm~0.4mmの壁厚を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項21】
前記カニューレは、コイル状ワイヤ、編組ワイヤ、又は精密切断されたハイポチューブで補強される、請求項1~20のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項22】
前記カニューレは、前記接合管腔の内面に低摩擦ポリマーコーティングを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項23】
前記低摩擦ポリマーコーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、請求項22に記載のアクセスデバイス。
【請求項24】
前記カニューレは、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項25】
前記カニューレは、X線不透過性材料を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項26】
前記カニューレは、直線状のカニューレを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項27】
前記カニューレは、前記カニューレの遠位部分内に少なくとも1つの管腔を更に備え、前記少なくとも1つの管腔は、前記カニューレの外面から前記カニューレの壁を貫通して前記接合管腔まで延びる、請求項1~26のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項28】
前記カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成される、請求項1~27のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項29】
前記ハブは、前記第1の管腔、前記第2の管腔、又はその両方に動作可能に接続された第3の管腔を更に備える、請求項1~28のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項30】
前記第3の管腔は、流体が前記ハブを通って前記カニューレに対して流入又は流出することを可能にするように構成される、請求項29に記載のアクセスデバイス。
【請求項31】
前記第3の管腔は、外部付属品に接続するように構成される、請求項29又は30に記載のアクセスデバイス。
【請求項32】
前記外部付属品は、遠位脚灌流カニューレ、加圧バッグ、及び/又は注入ポンプである、請求項31に記載のアクセスデバイス。
【請求項33】
前記第3の管腔は、弁に接続される、請求項29~32のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項34】
前記医療用デバイスは、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又はカテーテル式心臓ポンプである、請求項1~33のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項35】
前記第1のアーム内に位置決めされた第2の止血弁を更に備える、請求項1~34のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項36】
前記第1の管腔、前記第2の管腔、又は前記接合管腔内に配置された膨張式弁を更に備える、請求項1~35のいずれか一項に記載のアクセスデバイス。
【請求項37】
単一のアクセスデバイスを使用する方法であって、
請求項1~36のいずれか一項に記載のアクセスデバイスを用意することと、
前記アクセスデバイスの前記ハブを前記カニューレに接続することと、
医療用デバイスを前記単一のアクセスデバイスの前記第1のアームに及び患者に挿入することと、
追加のカニューレを介して外部医療用デバイスを前記単一のアクセスデバイスに連結することと
を含む、方法。
【請求項38】
前記外部医療用デバイスは、前記接合管腔及び前記第2の管腔を通って流れる血液に酸素を供給するように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記アクセスデバイスの前記第1のアームに及び前記患者に挿入することは、前記第1の止血弁、前記第1の管腔、及び前記接合管腔に挿通することを含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
医療用デバイスは、血管内血液ポンプである、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
キットであって、
請求項1~36のいずれか一項に記載のアクセスデバイスと、
前記アクセスデバイスの前記第2のアームに連結されるように構成された外部医療用デバイスと、
前記第1の止血弁、前記第1の管腔、及び前記接合管腔に挿通されるように構成された医療用デバイスと
を備える、キット。
【請求項42】
前記医療用デバイスは、血管内ポンプである、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
前記外部医療用デバイスは、体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスである、請求項41又は42に記載のキット。
【請求項44】
前記ハブに取り付けられたカニューレを更に備える、請求項41~43のいずれか一項に記載のキット。
【請求項45】
1つ以上の針を更に備える、請求項41~44のいずれか一項に記載のキット。
【請求項46】
ガイドワイヤを更に備える、請求項41~45のいずれか一項に記載のキット。
【請求項47】
複数の拡張器を更に備え、各拡張器は異なる大きさを有する、請求項41~46のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2022年1月7日に出願された米国仮特許出願第63/297,506号、2022年2月25日に出願された米国仮特許出願第63/313,791号、及び2022年5月20日に出願された米国仮特許出願第63/344,300号の優先権を主張するものであり、各出願の全体は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、外科用アクセスデバイスに関し、具体的には、患者への医療用デバイスの導入を容易にするために及び体外デバイスを介して血液の循環を促進するために使用可能なアクセスデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 体外式膜型人工肺(ECMO)は、心原性ショック又は他の形態の血行動態の悪化を経験している患者に対する機械的循環デバイスの使用を伴う。心臓(例えば、左心室)への負荷を軽減するために、心室補助デバイス(VAD)及びカテーテル式デバイス(血管内血液ポンプなど)が使用されることがある。
【0004】
[0004] アクセスデバイスは、身体の自然な生体血管、腔などへの医療器具の導入を容易にするために、外科手術で一般的に使用される。これらのアクセスデバイスは、例えば、人体の脈管構造へのガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又は他のカテーテル式医療用デバイスの導入を容易にするデバイスを含む。これらのアクセスデバイスはまた、体外式膜型人工肺(ECMO)デバイス(例えば、静脈-動脈ECMO(VA-ECMO)又は静脈-静脈ECMO(VV-ECMO)デバイスを含む)を利用する際などに、血液の体外循環を促進するために使用することもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005] 本開示の第1の態様によれば、アクセスデバイスは、デバイスを通して2つ以上の医療用デバイスを患者に挿入することを可能にするために提供することができる。アクセスデバイスは、近位端と遠位端とカニューレを貫通する接合管腔とを有するカニューレの近位端に連結されるように構成されたハブを含み得る。アクセスデバイスはまた、ハブが第1のアームと第2のアームを有し得る場合、第1のアームに連結された第2のアームを含み得る。第1のアームは、接合管腔に動作可能に接続された第1の管腔と、医療用デバイスの通過用に構成された第1の止血弁とを有し得る。第2のアームは、接合管腔に動作可能に接続され得、体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスに動作可能に連結されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、ねじ接続又はバーブ接続によってハブに連結され得る。いくつかの実施形態において、医療用デバイスは、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、バルーンカテーテル、又はカテーテル式心臓ポンプであり得る。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、カニューレは、複数のセクションを備え得る接合カニューレであり得る。いくつかの実施形態において、接合カニューレは、ハブに連結された近位端を有する第1の接合カニューレセクションと、第1の接合カニューレセクションの遠位端に連結された近位端を有する第2の接合カニューレセクションとを備え得る。いくつかの実施形態において、第1の接合カニューレセクション、第2の接合カニューレセクション、又はその両方は、半剛体であり得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、第2のアームは、追加のカニューレを介してECMOデバイスに動作可能に連結されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、追加のカニューレは、可撓性のカニューレであり得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、第1のアームの中心軸線と第2のアームの中心軸線との間に形成される第1の角度は、90度未満であり得る。いくつかの実施形態において、第1の管腔の中心軸線と第2の管腔の中心軸線との間に形成される第2の角度は、90度未満であり得る。いくつかの実施形態において、第1の角度、第2の角度、又はその両方は、30度~60度であり得る。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、第1の管腔及び第2の管腔は接続して接合部を形成する。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、アクセスデバイスはまた、ユーザが第2のアームをクランプして遮断することを可能にするように構成されたクランプを備え得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、アクセスデバイスはまた、蝶形パッド又は縫合用リングなどの、固定特徴部を備え得る。いくつかの実施形態において、固定特徴部は、カニューレに対して軸方向に固定されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、固定特徴部は、カニューレに沿って移動可能に位置決めされ得る。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、接合管腔は内径IDを有し得、3mm≦ID≦36mmである。いくつかの実施形態において、接合管腔は、≦6.5mmである内径IDを有し得る。いくつかの実施形態において、接合管腔は内径IDを有し得、5mm≦ID≦6.5mmである。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態において、カニューレは、0.2mm~0.4mmの壁厚を有し得る。いくつかの実施形態において、カニューレの一部又は全ては、コイル状ワイヤ、編組ワイヤ、又は精密切断されたハイポチューブで補強され得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、接合管腔の内面に低摩擦ポリマーコーティング(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、X線不透過性材料を含み得る。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態において、カニューレは、直線状のカニューレを含み得る。理解されるように、他の実施形態において、カニューレの少なくとも一部は、屈曲及び/又は湾曲され得る。いくつかの実施形態において、屈曲部及び/又は湾曲部は、カテーテルの長さに沿って所定の距離に配置され得る。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態において、カニューレは、カニューレの遠位部分内に1つ以上の管腔を有し得、1つ以上の管腔の各々は、カニューレの外面からカニューレの側壁を貫通して接合管腔まで延び得る。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態において、カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、拡張器アセンブリは、(例えば、ECMOサポートを提供するアームを通して又は医療用デバイスの通過のために第1のアーム又は第2のアームに通すことができる。いくつかの実施形態において、ハブは、第1の管腔、第2の管腔、又はその両方に動作可能に接続された第3の管腔を備え得る。いくつかの実施形態において、この第3の管腔は、流体がハブを通ってカニューレに対して流入又は流出することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、この第3の管腔は、遠位脚灌流カニューレ、加圧バッグ、又は注入ポンプなどの、外部付属品に接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、この第3の管腔は、弁に接続され得る。弁は、ハブと外部付属品との間に位置し得る。
【0017】
[0017] 本開示の第2の態様によれば、上記のアクセスデバイスを使用する方法が提供される。本方法は、本開示の第1の態様によるアクセスデバイスの任意の実施形態を用意することと、医療用デバイスをアクセスデバイスの第1のアームに及び患者に挿入することと、次いで、アクセスデバイスの第2のアームに連結された体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスを用いて血液に酸素を供給することとを含み、血液は、アクセスデバイスの接合管腔及び第2の管腔を通って流れる。いくつかの実施形態において、挿入ステップは、医療用デバイスを第1の止血弁、第1の管腔、及び接合管腔に挿通することを含み得る。いくつかの実施形態において、医療用デバイスは、血管内血液ポンプであり得る。
【0018】
[0018] 本開示の第3の態様によれば、キットが提供され得る。キットは、本開示の第1の態様によるアクセスデバイスの任意の実施形態と、単一のアクセスデバイスの第2のアームに連結されるように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスと、アクセスデバイスの第1の止血弁、第1の管腔、及び接合管腔に挿通されるように構成された少なくとも1つの医療用デバイスとを備え得るか、又はこれらからなり得る。いくつかの実施形態において、医療用デバイスは、血管内ポンプであり得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、医師が動脈又は静脈にアクセスできるようにするための針を含み得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、脈管構造内へのカニューレの配置を可能にするためのガイドワイヤを含み得る。キットはまた、上記のデバイスの挿入に先立って血管を順次拡張するための順次の大きさの1つ以上の拡張器を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡単な説明
図1A】[0019]ECMOデバイスに接続されたアクセスデバイスの実施形態の切欠図である。
図1B】[0020]一実施形態によるカニューレの断面図である。
図1C】[0021]いくつかの実施形態によるアクセスデバイスの実施形態の切欠図である。
図2A】[0022]アクセスデバイスのカニューレの実施形態の切欠図である。
図2B】[0022]アクセスデバイスのカニューレの実施形態の切欠図である。
図2C】[0022]アクセスデバイスのカニューレの実施形態の切欠図である。
図3】[0023]2つ以上のセクションを備える接合カニューレの実施形態の切欠図である。
図4A】[0024]ハブの実施形態の切欠図である。
図4B】[0025]ハブの異なる接続選択肢の実施形態の切欠図である。
図4C】[0025]ハブの異なる接続選択肢の実施形態の切欠図である。
図4D】[0026]別の実施形態によるアクセスデバイスの実施形態の切欠図である。
図4E】[0026]別の実施形態によるアクセスデバイスの実施形態の切欠図である。
図4F】[0027]ハブの実施形態の切欠図である。
図4G】[0028]ECMOデバイスに接続されたハブの実施形態の切欠図である。
図5A】[0029]ハブの内部の異なる管腔構成の実施形態の概略図である。
図5B】[0029]ハブの内部の異なる管腔構成の実施形態の概略図である。
図6】[0030]方法の実施形態のフローチャートである。
図7】[0031]患者に挿入されたアクセスデバイスの実施形態の概略図である。
図8】[0032]いくつかの実施形態によるモジュール式アクセスデバイスの切欠図である。
図9A】[0033]モジュール式アクセスデバイスの実施形態を示す。
図9B】[0033]モジュール式アクセスデバイスの実施形態を示す。
図9C】[0033]モジュール式アクセスデバイスの実施形態を示す。
図10】[0034]一実施形態によるアクセスデバイスを示す。
図11】[0035]一実施形態によるモジュール式アクセスデバイスの実施形態を示す。
図12A】[0036]膨張式弁を有するアクセスデバイスを示す。
図12B】[0037]膨張式弁の異なる構成を示す。
図12C】[0037]膨張式弁の異なる構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
[0038] 生存状態で病院に運ばれた急性心筋梗塞(AMI)を患う患者の主な死亡原因は心原性ショックである。心原性ショックは、心機能不全又は心臓障害によって発生し、これによって、心臓が十分な血液を身体に拍出することができなくなる。ある場合には、心臓(例えば、左心室)への負荷を機械的に軽減するために、心室補助デバイス(VADS)又はカテーテル式VADS(血管内血液ポンプなど)が使用され得る。
【0021】
[0039] 体外式膜型人工肺(ECMO)は、肺が適切に機能しない場合に血液のガス交換を可能にし、酸素化の問題を抱える患者に対する機械的循環デバイスの使用を伴い得る。ある場合には、心原性ショックに起因する又は他の形態の血行動態の悪化による酸素化の問題を抱える患者にECMOが使用され得る。ある場合には、そのようなデバイスの使用によって、左心室後負荷が増大し得る。
【0022】
[0040] 本明細書で説明するように、ある場合には、患者は、ECMOサポートとVADの両方を必要とすることがある。ある場合には、そのようなサポートが同時に行われることがあるが、ある場合には、患者は、VADサポートよりも先にECMOサポートを必要とすることがある。従来、これには複数の挿入点が必要となり、複数の挿入点によって、更なる時間、複雑さ、及び/又はリスクが外科手術に加わることがある。したがって、発明者らは、医療用デバイスの導入を容易にするために及び/又は体外デバイスを介して血液の循環を促進するために使用可能なアクセスデバイスの利点が有用であり且つ望ましいことを認識している。
【0023】
[0041] 図1Aを参照すると、本発明の実施形態によるアクセスデバイス1が示されている。この図に示すように、いくつかの実施形態において、アクセスデバイスは、1つ以上の医療用デバイスがデバイスを通して患者に挿入されることを可能にするように構成された第1のアーム210及び第2のアーム220を含む。様々な医療用デバイスが利用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、カテーテル式医療用デバイスが患者に挿入され得る。更に、いくつかの実施形態において、一方のアームは、1つ以上の医療用デバイスを挿入するために使用され得る一方で、他方のアームは、例えばECMOサポートを可能にし得る。理解されるように、いくつかの実施形態において、アクセスデバイスは、複数の医療用デバイスがデバイスを通して患者に挿入されることを可能にし得る。本明細書で説明するように、アクセスデバイスは、同時のECMOサポート及び医療用デバイスの挿入、並びに2段階のECMOサポート及び医療用デバイスの挿入(例えば、ECMOサポートの完了前及び/又は完了後の挿入)を可能にし得る。デバイスはまた、ECMOサポートが中断されている間、医療用デバイス(例えば、VAD)が患者内にアクセスデバイスを通して設置されたままであることを可能にし得る。
【0024】
[0042] いくつかの実施形態において、アクセスデバイスは、近位端101と遠位端102とを有する共有カニューレ100に接続され得る。理解されるように、カニューレは、いくつかの実施形態では、アクセスデバイスに恒久的に取り付けられ得るか、又は他の実施形態では、(例えば、臨床医によって)アクセスデバイスに取り付け可能であり得る。カニューレがアクセスデバイスに取り付け可能である実施形態において、カニューレは、アクセスデバイスに固定して取り付けられるように構成され得る。
【0025】
[0043] いくつかの実施形態において、共有カニューレは、それを貫通する接合管腔105(共有管腔と称されることもある)を含み得る。本明細書の目的のために、接合管腔は、1つ以上の医療用デバイスを共有カニューレに通すとともに(例えば、ECMO回路からの)血液を共有カニューレに通すために使用され得る共有カニューレの長さに沿って延びる単一の管腔を含み得る。他の実施形態において、接合管腔は、共有カニューレの長さに沿って延びる2つ以上の管腔を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、カニューレは、共有カニューレの長さに沿って延びる平行な2つの管腔を含み得る(例えば、共有カニューレの少なくとも一部を貫通する2つの管腔を示す、図1Bにおける共有カニューレの実施形態の断面図を参照)。そのような実施形態において、医療用デバイスは、第1の管腔を貫通して延び得、ECMO回路は、第2の管腔に接続され得る。別の実施形態において、共有カニューレは、単一の管腔を備えた第1の部分と、2つ以上の管腔(例えば、平行な2つの管腔)を備えた第2の部分とを含み得る。そのような実施形態において、単一の管腔は、平行な管腔の各々と連通し得る。
【0026】
[0044] アクセスデバイスは、共有カニューレに取り付けられているものとして示され、説明されているが、他の適切な方式によって患者に取り付けられ得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、アクセスデバイスは、後に患者に取り付けられる、移植片に接続され得る。
【0027】
[0045] また図1Aに示すように、アクセスデバイスは、カニューレの近位端101に連結されるように構成されたハブ200を含み得る。この図に示すように、ハブは、第1のアーム210と第2のアーム220とを含み、第2のアームは第1のアームに連結される。
【0028】
[0046] 第1のアーム210は、カニューレ(例えば、接合管腔105)に動作可能に接続された第1の管腔215を有し得る。第1のアームの近位端は、医療用デバイスの通過用に構成された第1の止血弁216を含み得る。いくつかの実施形態において、止血弁は、第1のアームからの血液漏れを最小限に抑える及び/又は防止するように構成され得る。いくつかの実施形態において、挿入される医療用デバイスは、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、又はカテーテル式心臓ポンプであり得る。いくつかの実施形態において、挿入される医療用デバイスは、血管内心臓ポンプであり得る。理解されるように、他のカテーテル式医療用デバイスも、第1のアームを通して挿入可能であり得る。更に理解されるように、カニューレがカニューレを貫通して延びる2つ以上の管腔を含む実施形態において、第1の管腔215は、カニューレの対応する第1の管腔(例えば、図1Bの第1の管腔125を参照)に接続され得る。
【0029】
[0047] いくつかの実施形態において、複数の医療用デバイスの各々の一部は、アクセスデバイスの第1の管腔及び接合管腔内に同時に存在し得る。いくつかの実施形態において、アクセスデバイス(例えば、第1のアーム)は、医療用デバイスが患者内にあるときにアクセスデバイスに対する医療用デバイスの位置を保持するための1つ以上の特徴部を含み得る。例えば、アクセスデバイスは、医療用デバイスが患者内にあるときに医療用デバイスの配置を係止するための1つ以上の係止特徴部を含み得る。理解されるように、係止特徴部は、医療用デバイスの取り外しを可能にするために係合解除されるように構成され得る。
【0030】
[0048] 第1のアームが単一の止血弁のみを有するものとして示されているが、他の実施形態では、第1のアームは、2つ以上の止血弁を含み得る。例えば、図1Cに示すように、第1のアームは、第1の止血弁245と第2の止血弁246とを含み得る。そのような実施形態において、第2の止血弁246は、(例えば、1つ以上の医療用デバイスが第1のアームに挿通されたときの)第1のアームからの出血を最小限に抑える及び/又は防止する冗長性を提供し得る。
【0031】
[0049] 弁は異なる方向に向きが定められ得るが、いくつかの実施形態では、止血弁は両方とも同じ方向に向きが定められ得る。単一の止血弁のみを有する実施形態では、弁は、図1Aに示す弁のように向きが定められ得るか、又は反転され、反対方向に向きが定められ得る。
【0032】
[0050] 第2のアーム220は、接合管腔105に動作可能に接続され得、(例えば、1つ以上の追加のコネクタ310、カニューレ311などを通して)外部デバイス400(体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスなど)に動作可能に連結されるように構成され得る。上記と同様に、カニューレを貫通して延びる2つ以上の管腔をカニューレが含む実施形態において、第2のアームの管腔205は、カニューレの第2の管腔(例えば、図1Bにおける第2の管腔126を参照)に接続され得る。
【0033】
[0051] いくつかの実施形態において、アクセスデバイス1はまた、ユーザが第2のアームをクランプして遮断することを可能にするように構成されたクランプ320を含み得る。いくつかの実施形態において、クランプ320は、第2のアームと一体であり得る。いくつかの実施形態において、クランプ320は、第2のアームに取り外し可能に取り付けられ得る。他の実施形態では他の適切なクランプが使用され得るが、いくつかの実施形態では、クランプは、Robertsクランプを含み得る。第2のアームが、第2のアームを通る血流を制御するための他の配置を含み得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、アクセスデバイスは、流れを制御するための内蔵弁(例えば、活栓)又はクランプを備え得る。
【0034】
[0052] いくつかの実施形態において、アクセスデバイスはまた、蝶形パッド、縫合用パッド、又は縫合用リングなどの、固定特徴部330を備え得る。いくつかの実施形態において、固定特徴部は、カニューレに対して軸方向に固定されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、固定特徴部は、カニューレを中心に回転可能であり得る。いくつかの実施形態において、固定特徴部は、共有カニューレ100に沿って移動可能に位置決めされ得る。
【0035】
[0053] いくつかの実施形態において、共有カニューレ100は、カニューレの遠位部分に(例えば、近位端101よりもカニューレの遠位端102に近接する)1つ以上の側部開口106を有し得、1つ以上の側部開口106の各々は、カニューレの外面107からカニューレの側壁108を貫通して接合管腔105まで延び得る。いくつかの実施形態において、そのような側部開口は、もしも接合管腔が閉塞される(例えば、カニューレが血管壁に対して押し上げられる)場合などに、カニューレを通る血流のための代替経路を提供し得る。いくつかの実施形態において、側孔は、大きさが2~4mm、例えば3mmであり得る。いくつかの実施形態において、先端の長さに沿って2個、4個、6個、8個、10個、12個、又はそれ以上の側部開口が存在し得る。例えば、例示的な実施形態において、カニューレの遠位部分に沿って6個の開口が存在し得る。
【0036】
[0054] いくつかの実施形態において、カニューレの遠位部分は補強され得る。いくつかの実施形態において、これによって、(例えば、カニューレの直径の変化の可能性を低減するために及び/又は医療用デバイスの挿入を補助するために)先端の遠位部分に安定性が提供され得る。
【0037】
[0055] いくつかの実施形態において、カニューレは、単一の剛性を有し得る一方で、他の実施形態において、カニューレの剛性は、カニューレの長さに沿って変化し得る。例えば、いくつかの実施形態において、カニューレは、近位端の近傍における硬いセクションと、遠位端の近傍における柔らかいセクションとを有し得る。
【0038】
[0056] 図2A図2Cを参照すると、共有カニューレ100が異なる構成を有し得ることを確認することができる。例えば、いくつかの実施形態において、カニューレは、直線状のカニューレ110、120を含み得るか、又は直線状のカニューレ110、120からなり得る。いくつかの実施形態において、直線状のカニューレ110は、近位端111から遠位端112まで接合管腔の中心軸線113に沿った全ての箇所で実質的に一定である内径117を有する接合管腔114を画定する。他の実施形態において、直線状のカニューレ120は、実質的に一定の内径を有しない。例えば、図2Bに見られるように、直線状のカニューレ120は、直線状の側壁を有するが、近位端121における内径117が遠位端122における内径118よりも大きい接合管腔123を画定する、やや台形であり得る。
【0039】
[0057] いくつかの実施形態において、カニューレは、湾曲したカニューレ130を含み得るか、又は湾曲したカニューレ130からなり得(図2を参照)、湾曲したカニューレは、少なくとも1つの所定の曲率半径を有するように形成され得る接合管腔133を形成する。いくつかの実施形態において、カニューレは、屈曲部分を含み得る。理解されるように、カニューレは、他の実施形態では、他の適切な配置を有し得る。
【0040】
[0058] いくつかの実施形態において、接合管腔105、114、123、133は、平均内径IDを有し、3mm≦ID≦36mmである。いくつかの実施形態において、接合管腔は、≦6.5mmである平均内径IDを有し得る。いくつかの実施形態において、接合管腔は、平均内径IDを有し、5mm≦ID≦6.5mmである。いくつかの実施形態において、カニューレは、異なる外径(例えば、16.5Fr、17.5Fr、19Fr、及び/又は21Fr)を有して形成され得る。
【0041】
[0059] いくつかの実施形態において、カニューレは、0.2mm~0.4mmの壁厚119を有し得る。いくつかの実施形態において、壁厚は、実質的に一定であり得る。いくつかの実施形態において、カニューレのある部分における壁厚は、(カニューレの丸みを帯びた端部又は薄肉化された端部を除く)カニューレの異なる部分における壁厚よりも厚肉であり得る。
【0042】
[0060] いくつかの実施形態において、カニューレは、1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、内層116及び外層115(「ジャケット」と称されることもある)を備え得る。いくつかの実施形態において、カニューレの一部又は全ては、コイル状ワイヤ、編組ワイヤ、又は精密切断されたハイポチューブで補強され得る。いくつかの実施形態において、外層115は、コイル状ワイヤ、編組ワイヤ、又は精密切断されたハイポチューブを含み得る。そのような実施形態において、カニューレは、(例えば、ニチノール又はステンレス鋼によって)補強され得る。いくつかの実施形態において、カニューレは、接合管腔の内面に低摩擦ポリマーコーティング(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はHDPEなど)を含み得る。いくつかの実施形態において、内層116は、低摩擦ポリマーコーティング(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)を含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレを形成する層の1つ以上は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、又はポリアミドブロックポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、外層は、親水性コーティングを含み得る。
【0043】
[0061] いくつかの実施形態において、カニューレは、テーパ状の延長部を含み得る。いくつかの実施形態において、延長部は、補強された本体の上に熱成形され得る。いくつかの実施形態において、これは、本明細書で説明するように、バーブコネクタなどへのカニューレのモジュール式接続を可能にし得る。
【0044】
[0062] いくつかの実施形態において、カニューレは、X線不透過性材料を含み得る。いくつかの実施形態において、X線不透過性材料は金属元素である。いくつかの実施形態において、X線不透過性材料は、タングステン、銀、タンタル、又はスズである。いくつかの実施形態において、X線不透過性材料は、タングステン粉末である。いくつかの実施形態において、X線不透過性材料は、ポリマー(ポリウレタンなど)と組み合わされ得る。いくつかの実施形態において、X線不透過性材料は、カニューレの長さの一部又は全てにわたって互いに軸方向にオフセットされた帯状に配置される。
【0045】
[0063] いくつかの実施形態において、カニューレは、拡張器アセンブリを受け入れるように構成され得る。
【0046】
[0064] 図3に見られるように、いくつかの実施形態において、カニューレ150は、複数のセクションを含み得る。いくつかの実施形態において、カニューレ150は、ハブ200に連結された近位端153を有する第1のカニューレセクション151と、第1のカニューレセクション151の遠位端154に連結された近位端155を有する第2のカニューレセクション152とを備え得る。いくつかの実施形態において、第2のカニューレセクション152の遠位端156は、任意の他の接合カニューレセクションに連結されない場合がある。いくつかの実施形態において、第2のカニューレセクション152の遠位端156は、追加のカニューレセクション(図示せず)に連結され得る。いくつかの実施形態において、第1のカニューレセクション151、第2のカニューレセクション152、又はその両方は、半剛体であり得る。理解されるように、カニューレが2つの接続部分を有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、3つ以上の接続部分を含み得ることが理解されるであろう。更に理解されるように、カニューレセクションは、臨床医によってカニューレが使用される前に、互いに固定して接合され得る。他の実施形態において、第1のカニューレ部分及び第2のカニューレ部分は、キットの一部であり得、臨床医によって互いに取り付けられ得る。
【0047】
[0065] いくつかの実施形態において、第1のカニューレセクションは、第2のカニューレセクションの剛性よりも大きい剛性を有するように構成される。
【0048】
[0066] いくつかの実施形態において、第1のカニューレセクションは、直線状のカニューレであるように構成される。いくつかの実施形態において、第2のカニューレセクションは、直線状のカニューレである。いくつかの実施形態において、第2のカニューレセクションは、湾曲したカニューレである。
【0049】
[0067] 図4A図4Cを参照すると、共有カニューレ100は、ハブ200の遠位端201に連結され得る。いくつかの実施形態において、図4Aに示すように、ハブの第1のアーム210の遠位部分219は、カニューレに連結されるように構成され得る。他の実施形態において、ハブの第2のアーム220の近位部分229は、カニューレに連結されるように構成され得る。図4Aに見られるように、第1のアームの遠位部分219又は第2のアームの近位部分229は、実質的に滑らかであり得る。図4Bに見られるように、これらの部分(例えば、遠位部分219及び近位部分229)は、バーブ接続によってカニューレをハブに連結することを可能にするための、1つ以上のバーブ241を有し得る。図4Cに見られるように、これらの部分(遠位部分219及び近位部分229)は、ねじ接続によってカニューレをハブに連結することを可能にするための、1つ以上のねじ山242を有し得る。
【0050】
[0068] 再び図4Aを参照すると、いくつかの実施形態において、第1のアーム及び第1の管腔は同軸であり得、第2のアーム及び第2の管腔は同軸であり得る。そのような実施形態において、(a)第1の管腔215の遠位部分の中心軸線211と(b)第2の管腔225の中心軸線221との間に形成される近位端における角度213は、90度未満である。いくつかの実施形態において、この角度213は、15~30度であり得る。いくつかの実施形態において、この角度213は、30度であり得る。
【0051】
[0069] いくつかの実施形態において、第1の管腔は直線状である。いくつかの実施形態において、第1の管腔は、第1の管腔と第2の管腔との接合部などにおいて、曲がっている。いくつかの実施形態において、(a)第1の管腔の遠位部分の中心軸線290と(b)第1の管腔の近位部分の中心軸線291との間に形成される角度295は、0度よりも大きく且つ90度未満である。例えば、角度295は、いくつかの実施形態では15度であり得る(図4Dを参照)一方で、他の実施形態では、角度295は30度であり得る(図4Eを参照)。
【0052】
[0070] 再び図4Fを参照すると、いくつかの実施形態において、ハブ202は、第1のアーム及び第1の管腔が同軸でなく及び/又は第2のアーム及び第2の管腔が同軸でないように構成され得る。図4Fには、第1のアーム及び第1の管腔が同軸であるが、第2のアーム及び第2の管腔が同軸でないようにハブ202が構成される非限定的な例が示されている。いくつかの実施形態において、第1のアームの中心軸線211と第2のアーム220の中心軸線222との間に形成される第1の角度224は、90度未満であり得る。いくつかの実施形態において、第1の管腔215の中心軸線211と第2の管腔225の中心軸線221との間に形成される第2の角度214は、90度未満であり得る。いくつかの実施形態において、第1の角度224、第2の角度214、又はその両方は、30度~60であり得る。
【0053】
[0071] 図4A及び図4Gに見られるように、いくつかの実施形態において、ハブ203の第2のアーム220は、1つ以上の追加のカニューレ311、312及び1つ以上のコネクタ310を介して外部デバイス400(例えば、ECMOデバイス)に動作可能に連結されるように構成され得る。図4Gに見られるように、いくつかの実施形態において、第2のアーム220の近位端は、追加のカニューレ312の遠位端に接続され得る。追加のカニューレ312の近位端は、コネクタ310に接続され得、このコネクタ310は、外部デバイス400(例えば、ECMOデバイス)との接続前に、1つ以上の追加のカニューレ311に接続され得る。
【0054】
[0072] いくつかの実施形態において、各追加のカニューレ311、312は、別個に、可撓性のカニューレであり得る。いくつかの実施形態において、全ての追加のカニューレ311、312は、可撓性のカニューレであり得る。
【0055】
[0073] 図5A及び図5Bを参照すると、第1の管腔及び第2の管腔は、様々な構成501、502で接続され得る。いくつかの非限定的な実施形態において、管腔は、第1の管腔及び第2の管腔が接続して接合部510を形成するような構成501を有し得、第1の管腔215及び第2の管腔225の近位部分は、接合部から近位方向に延び、第3の管腔520の遠位部分(第1の管腔と第2の管腔との接合部よりも遠位側)は、ハブの遠位端に向かって遠位方向に延びる。そのような実施形態において、第3の管腔(図示せず)の遠位部分の中心軸線は、第1の管腔又は第2の管腔の近位部分のいずれの中心軸線とも同軸でない場合がある。いくつかの非限定的な実施形態において、管腔は、第1の管腔がハブの遠位端に向かって遠位方向に延びる際に第2の管腔225が第1の管腔215と交差するような構成502を有し得る。
【0056】
[0074] 再び図1Aを参照すると、いくつかの実施形態において、ハブ200は、第1の管腔215、第2の管腔225、又はその両方に動作可能に接続された第3の管腔235を備え得る。いくつかの実施形態において、第3の管腔235は、遠位脚灌流カニューレ、加圧バッグ、又は注入ポンプなどの、外部付属品に接続するように構成され得る。
【0057】
[0075] いくつかの実施形態において、第3の管腔は、流体がハブ200を通って共有カニューレ100に対して流入又は流出することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、第3の管腔235は、チューブ340に連結され得る。いくつかの実施形態において、第3の管腔235は、弁350に直接的又は間接的に接続され得る。いくつかの実施形態において、弁350は、ハブ200と外部付属品との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、弁は三方活栓であり得る。
【0058】
[0076] 他の実施形態によれば、上で説明したアクセスデバイスを使用する方法が提供される。図6を参照すると、方法600の実施形態は、まず、本明細書で説明するようなアクセスデバイスの任意の実施形態を用意すること610を含み得る。このアクセスデバイスは、患者に外科的に取り付けられ、カニューレの少なくとも一部は、単一の挿入部位を通して患者に挿入される620。
【0059】
[0077] 次に、本方法は、挿入ステップ630を含み得、この挿入ステップ630において、医療用デバイス(血管内血液ポンプなど)は、アクセスデバイスの第1のアームに、次いでカニューレを通して患者に挿入され得る。いくつかの実施形態において、挿入ステップ630は、医療用デバイスを第1の止血弁、第1の管腔、及び接合管腔に挿通することを含み得る。
【0060】
[0078] 本方法はまた、ECMOデバイスをアクセスデバイスの第2のアームに連結すること640を含み得、その後、本方法は、ECMOデバイスを用いて血液に酸素を供給すること650を含み、血液は、アクセスデバイスの接合管腔及び第2の管腔を通って流れる。理解されるように、挿入ステップ630及び連結すること640は、任意の順序で完了し得る。いくつかの実施形態において、連結すること640及び酸素を供給すること650は、挿入ステップ630が完了する前に完了し得る。
【0061】
[0079] 本開示の方法は、患者に挿入されたアクセスデバイス1を備えるシステム700の実施形態を確認できる、図7で視覚的に確認することができる。そこでは、ハブ200に連結された、共有カニューレ100の少なくとも一部が、挿入部位711における患者の皮膚710の表面に通され、患者内に入れられている。
【0062】
[0080] 医療用デバイス750(ここでは、血管内血液ポンプ)が、アクセスデバイス1の第1のアーム210に、及び共有カニューレ100を通して患者に挿入されている。具体的には、医療用デバイス750は、第1の止血弁216、第1の管腔215、及び接合管腔105に挿通されている。
【0063】
[0081] いくつかの実施形態において、カニューレの一部は、医療用デバイスの挿入後などに取り外し可能である、例えば剥がされるように配置され得る。例えば、例示的な実施形態において、血管内血液ポンプは、患者がECMOサポートを受けた後に(例えば、第1のアームを介して)設置され得る。血液ポンプを設置した後に、カニューレは、血液ポンプのみが患者内に留まっている状態で、患者から取り外され得る。そのような実施形態において、アクセスデバイスは、挿入部位で又はその近傍で患者に取り付け可能であり得る、再配置ユニット(図示せず)に取り付け可能であり得る。
【0064】
[0082] 本開示の別の実施形態によれば、キットが提供され得る。キットは、本開示の第1の態様によるアクセスデバイスの任意の実施形態と、単一のアクセスデバイスの第2のアームに連結されるように構成された体外式膜型人工肺(ECMO)デバイスなどの、外部医療用デバイスと、アクセスデバイスの第1の止血弁、第1の管腔、及び接合管腔に挿通されるように構成された少なくとも1つの医療用デバイスとを備え得るか、又はこれらからなり得る。いくつかの実施形態において、医療用デバイスは、血管内ポンプであり得る。キットはまた、アクセスデバイスに取り付けられたカニューレを含み得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、医師が動脈又は静脈にアクセスできるようにするための針を含み得る。いくつかの実施形態において、キットはまた、脈管構造内へのカニューレの配置を可能にするためのガイドワイヤを含み得る。キットはまた、上記のデバイスの挿入に先立って血管を順次拡張するための順次の大きさの1つ以上の拡張器を含み得る。
【0065】
[0083] そのようなキットの基本的な構成要素は、図7で確認することができ、キットには、アクセスデバイス1と、外部医療用デバイス400(ECMOデバイスなど)と、アクセスデバイスの一部に挿通されるように構成された少なくとも1つの医療用デバイス750がある。いくつかの実施形態において、キットはまた、1つ以上の拡張器アセンブリなどの追加の医療用デバイス及び/又は1つ以上の針を含み得る。
【0066】
[0084] 更に別の実施形態によれば、アクセスデバイスは、モジュール式アクセスシステムとして構成され得る。例えば、そのような実施形態において、臨床医は、患者が必要とするサポートのタイプ(及び順序)に応じてアクセスデバイスを構成し得る。第1の実施形態において、アクセスデバイス8は、一方又は両方のアームがハブに取り外し可能に取り付けられるように構成され得る。例えば、図8に示すように、いくつかの実施形態において、(例えば、ECMO回路に接続された)第2のアームは、ECMOサポートが完了した後などに、ハブから取り外し可能であり得る。そのような実施形態において、第1のアーム810は、患者がVADサポートを受けている間、ハブに取り付けられたままであり得る。同様に、臨床医は、VADサポートが必要であるときに第1のアームのみが取り付けられた状態でハブの使用を開始し、その後、ECMOサポートが必要である場合/ときに第2のアームを取り付け得る。他の実施形態において、臨床医は、まずECMOサポートのみが必要である場合に第2のアームのみをハブに取り付け、その後、VADサポートが必要である場合/ときに第1のアームをハブに取り付け得る。上記を考慮して理解されるように、臨床医は、どのタイプのサポートが患者に必要であるかに関係なく、第1のアームと第2のアームの両方をハブに取り付けられたままにすることを依然として決定し得る。
【0067】
[0085] 図9A図9Cは、患者サポート用の異なる構成のモジュール式アクセスデバイスを取り付けるために管状延長部850を使用できる実施形態を示す。例えば、これらの図に示すように、管状延長部850は、単一の挿入部位(図示せず)において患者に挿入できる、カニューレ800に取り付け可能である。ECMOサポートのみが必要である(又は最初に必要である)実施形態において、臨床医は、コネクタ852のみをECMOサポート用の管状延長部に取り付け得る(図9Aを参照)。ECMOサポートが完了した時点で、コネクタを取り外すことができ、臨床医は、VADサポートが必要である場合/ときに、単一のアーム(例えば、第1のアーム810)のみを備えたハブを取り付け得る(図9Bを参照)。理解されるように、臨床医は、まずECMOサポート用のコネクタ852を管状延長部に取り付ける必要はない。代わりに、VADサポートのみが必要である場合、臨床医は、第1のアームを備えたハブのみを管状延長部850に取り付けることができる(図9Bを参照)。最後に、図9Cに示すように、第1のアーム810と第2のアーム812の両方を備えたアクセスデバイスは、同時又は2段階のサポートが患者に提供される場合、管状コネクタに取り付け可能であり得る。この図に示すように、コネクタ852は、いくつかの実施形態では、第2のアーム812に取り付けられ得る。
【0068】
[0086] 更に他の実施形態において、デバイスは、追加の漏れ防止特徴部を含み得る。例えば、ハブは、いくつかの実施形態では、(例えば、ハブの外側に配置された)外部漏れ防止デバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、図10に示すように、漏れ防止特徴部は、Tuohy Borst弁1080を含み得る。漏れ防止特徴部はまた、環状弁を通過し得る医療用デバイス(図示せず)のカテーテルの周囲にシールを締め付ける機構を備えた環状弁設計を含み得る。漏れ防止特徴部は、概して、そのような医療用デバイスのカテーテルの周囲をシールして漏れを防止するように自動的に又はユーザが作動させる機構を備えたシールを更に含み得る。理解されるように、他の適切な弁及び/又はシールが、外部漏れ防止特徴部を形成するために使用され得る。
【0069】
[0087] いくつかの実施形態において、シール又は弁は、ハブの内外及び/又は共有カニューレ100の内外で動かないように医療用デバイスのカテーテル及び/又は医療用デバイスの他の部分若しくは付属品(例えば、再配置シース)を固定するのに役立つように構成され得る。漏れ防止特徴部はまた、医療用デバイス及び/又は医療用デバイスの他の部分若しくは付属品(例えば、拡張器)を漏れ防止特徴部に係止するための1つ以上の係止特徴部を含み得る。いくつかの実施形態において、係止特徴部及び/又はハブは、滅菌スリーブ用の特徴部を含み得る。いくつかの実施形態において、医療用デバイスは、心臓ポンプなどのカテーテル式ポンプを含み得、漏れ防止特徴部の設計は、使いやすさ、ガイドワイヤ挿入の容易さ、ポンプ挿入の容易さ、他の付属品の挿入の容易さ、シールを確立する容易さ、漏れ防止効果、及びポンプ位置保持効果についての考慮事項を含み得る。
【0070】
[0088] 図10に示すハブは止血弁を1つのみ含むが、2つ(又はそれ以上)の止血弁を有するハブに漏れ防止特徴部が追加され得ることが理解されるであろう。漏れ防止特徴部はまた、図10に示す構成と異なる構成を有するアクセスデバイスに追加され得る。
【0071】
[0089] いくつかの実施形態において、デバイスは、分岐部と弁システムとを備えたカニューレを含み得る。図12Aを参照すると、いくつかの実施形態において、弁システムは、膨張式弁システムを含み得る。弁システムはまた、受動弁システムを含み得る。いくつかの実施形態において、弁システムは、流れの乱れを低減するように構成され得る。図12Aでは、ハブ200の管腔内に配置された膨張式弁1300を確認することができる。図示のように、弁は、第3の管腔520(例えば、接合管腔)内に配置されているが、認識されるように、第1の管腔215又は第2の管腔225を含む、ハブ内の他の位置にも配置され得る。図示のように、医療用デバイス1310は、止血弁216に及び膨張式弁1300に挿通され得る。弁は、任意の既知の方式で膨張させられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、弁は、膨張式弁内の空間の内部容積に連結されたポート1301を通して生理食塩水を提供することによって膨張させられ得る。弁は、複数の構成を有し得る。例えば、図12Bに見られるように、収縮構成では、弁が内部に配置された管腔は、実質的に閉塞されない場合がある。図12Cを参照すると、膨張構成では、弁が内部に配置された管腔は、完全に塞がれ得るか、又は1つ以上の医療用デバイスを適所に保持するように及び/又は適所にある医療用デバイスを通過することを除いて弁を通過する流れを阻止するように構成され得る。理解されるように、ハブは止血弁と膨張式弁とを有するものとして示されているが、他の実施形態では、ハブは、第3の(例えば接合)管腔を塞ぐための及び(例えば、第1の管腔及び第3の管腔を通して)患者内への医療用デバイスの通過を可能にするための膨張式弁のみを含み得る。
【0072】
[0090] 他の実施形態において、デバイスは、内部ブラダを含み得る。そのような実施形態において、ブラダは、(例えば、凝固又は溶血が懸念される場合に)血流が医療用デバイスに干渉しないように、機械的循環デバイス(例えば、シース又はカニューレ)などの、医療用デバイスを順行性血流下で側方に押しやり得るフラップのように機能するように構成され得る。
【0073】
[0091] 図11を参照すると、別のアクセスシステム1100の実施形態を確認することができる。図示のように、ハブ200は、カニューレ100に動作可能に連結され得る。カニューレは、遠位端に補強ケージ1101を含み得る。カニューレはまた、ハブへの接続のための継手1102を近位端に含み得る。固定特徴部330は、アクセスシステムを患者に取り付けるなどのために、カニューレに取り付けられ得る。チューブ340(例えば、高流量側ポート)は、(例えば、第3のアームを介して)ハブと弁350とを連結するために使用され得る。可撓性チューブ1103(例えば、灌流チューブ)は、(例えば、第2のアームを介して)ハブに取り外し可能に連結され得る。コネクタ310(3/8インチのバーブコネクタなど)は、チューブ1103の近位端に連結され得る。チューブキャップ1104は、コネクタに連結され得る。クランプ1130は、例えば、可撓性チューブ1103を通る流れを制御するために使用され得る。
【0074】
[0092] 拡張器ハンドル1122に連結されて取り付けられた管状部材1121を含む、拡張器1120が存在し得る。本明細書に開示するように、いくつかの実施形態において、管状部材は、ハブ200のアーム(例えば、第1のアーム)を通過してカニューレに入り、その一方で、拡張器ハンドルは、ハブ200の近位側に留まる。例えば、いくつかの実施形態において、拡張器の管状部材1121は、ハブ200の近位端に連結されたTouhy Borst弁1080に通され、第1のアーム内に、次いでカニューレ内に入り得る。いくつかの実施形態において、拡張器は、(例えば、第1のアームを介しての)患者への医療用デバイスの挿入を容易にするために使用され得る。
【0075】
[0093] 当業者であれば、日常的な実験のみを用いて、以下で説明する本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を認識する又は確認できるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されるように意図されている。
【0076】
[0094] 本開示の実施形態について、類似の参照番号が同様又は同一の要素を識別する、図を参照して詳細に説明する。開示の実施形態が、様々な形態で具体化され得る、本開示の単なる例に過ぎないことを理解すべきである。不必要な詳細において本開示を曖昧にすることを回避するために、周知の機能又は構造を詳細には説明しない。したがって、本明細書に開示される具体的な構造及び機能的詳細は、限定するものとしてではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、及び事実上いかなる適切に詳述された構造でも本開示を様々に用いるように当業者を教示するための代表的根拠として解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12A
図12B
図12C
【国際調査報告】