(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-17
(54)【発明の名称】DSCPベースのページングポリシー差別化の拡張
(51)【国際特許分類】
H04W 68/00 20090101AFI20250207BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20250207BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20250207BHJP
【FI】
H04W68/00
H04W92/24
H04W28/06 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545212
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(85)【翻訳文提出日】2024-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2023052257
(87)【国際公開番号】W WO2023151982
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/075663
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, チャンシェン
(72)【発明者】
【氏名】チュ, ジンイン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, インジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シャン, リン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD13
5K067DD17
5K067EE16
(57)【要約】
セッション管理機能(SMF)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法が提供される。本方法は、ページングポリシー差別化機能がユーザプレーン機能(UPF)によってサポートされていると判定すること(325)を含む。本方法は、UPF(325)に向けて、差別化サービスコードポイント(DSCP)値(106)に基づいてページングポリシーインジケータ(PPI)値(110)をダウンリンクパケットに挿入するようにUPF(325)に指示するメッセージを送信することを含む。当該メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMF(セッション管理機能)(327)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていると判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を含み、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法であって、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信する前に、前記ページングポリシー差別化機能がPDF(プロトコルデータユニット)セッションに適用可能であると判定することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示す、方法。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【請求項9】
UPF(ユーザプレーン機能)(325)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
ダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、ダウンリンクパケットのためのPPI値を決定することと、
前記ダウンリンクパケットに前記PPI値を挿入することと、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するダウンリンクGTP-UGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に要求する、方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、方法。
【請求項12】
請求項4に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示し、
前記PPI値を前記ダウンリンクパケットに挿入する前に、前記ダウンリンクパケットが前記1つ以上のQFIのうちのQFIと一致すると判定することを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、方法。
【請求項15】
請求項9乃至14のいずれか一項に記載の方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【請求項17】
コンピュータプログラム(943)であって、処理回路(902)によって実行されると前記処理回路(902)に、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令(944)を含む、コンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、前記キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、及びコンピュータ読取可能記憶媒体(942)のうちの1つである、キャリア。
【請求項19】
装置(900)であって、前記装置は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、装置。
【請求項20】
SMF(セッション管理機能)(327)ノードであって、前記ノードは、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていると判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を行うように構成され、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、ノード。
【請求項21】
請求項20に記載のノードであって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、ノード。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のノードであって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、ノード。
【請求項23】
請求項20に記載のノードであって、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信する前に、前記ページングポリシー差別化機能がPDF(プロトコルデータユニット)セッションに適用可能であると判定するように更に構成される、ノード。
【請求項24】
請求項21乃至23のいずれか一項に記載のノードであって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示す、ノード。
【請求項25】
請求項21乃至24のいずれか一項に記載のノードであって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、ノード。
【請求項26】
請求項20乃至25のいずれか一項に記載のノードであって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、ノード。
【請求項27】
請求項26に記載のノードであって、前記PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、ノード。
【請求項28】
UPF(ユーザプレーン機能)(325)ノードであって、前記ノードは、
ダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、ダウンリンクパケットのためのPPI値を決定することと、
前記ダウンリンクパケットに前記PPI値を挿入することと、
を行うように構成される、ノード。
【請求項29】
請求項28に記載のノードであって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するダウンリンクGTP-UGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に要求する、ノード。
【請求項30】
請求項28又は29に記載のノードであって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、ノード。
【請求項31】
請求項23に記載のノードであって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、ノード。
【請求項32】
請求項30又は31に記載のノードであって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示し、
前記ノードは更に、前記PPI値を前記ダウンリンクパケットに挿入する前に、前記ダウンリンクパケットが前記1つ以上のQFIのうちのQFIと一致すると判定するように構成される、ノード。
【請求項33】
請求項30乃至32のいずれか一項に記載のノードであって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、ノード。
【請求項34】
請求項28乃至33のいずれか一項に記載のノードであって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、ノード。
【請求項35】
請求項34に記載のノードであって、前記PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、DSCPベースのページングポリシー差別化を拡張することに関する。
【背景技術】
【0002】
ページングポリシー差別化(PPD:Paging policy differentiation)は、オペレータ設定に基づいて、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)が同じプロトコルデータユニット(PDU)セッション内で提供される異なるトラフィック又はサービスタイプに対して異なるページング戦略を適用することを可能にする機能である。5Gシステム(5GS)がPPD機能をサポートする場合、特定のインターネットプロトコル(IP)パケットに対してどのページングポリシーを適用すべきかを5GSに知らせるために、差別化サービスコードポイント(DSCP:Differentiated Services Code Point)値(IPv4におけるサービスタイプ(ToS)/IPv6におけるトラフィッククラス(TC))が、アプリケーションによって設定される。
【0003】
無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態にあるUEの場合、次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)は、着信(incoming)ダウンリンク(DL)PDUに関連する5Gサービス品質(QoS)識別子(5QI:5G Quality of Service (QoS) Identifier)、割り当て及び保持優先度(ARP:Allocation and Retention Priority)、及びページングポリシーインジケータ(PPI:Paging Policy Indicator)に基づいて、NG-RANページングの場合に特定のページングポリシーを実施しうる。これを可能にするために、セッション管理機能(SMF)は、ユーザプレーン機能(UPF)に、DL PDUのIPヘッダToS(IPv4)/TC(IPv6)値においてDSCPを検出するように(このトラフィックのためのDSCPとともにDLパケット検出ルール(PDR:Packet Detection Rule)を使用することによって)、及びコアネットワーク(CN)トンネルヘッダ内の対応するPPIを転送するように(PPI値とともにQoS実施ルール(QER:QoS Enforcement Rule)を使用することによって)指示する。次いで、NG-RANは、RRC非アクティブ状態にあるときにUEがページングされる必要がある場合に、対応するページングポリシーを適用するために、着信DL PDUのCNトンネルヘッダで受信されたPPIを利用しうる。オペレータは、ページングポリシー差別化機能が特定のホームパブリックランドモバイルネットワーク(HPLMN:Home Public Land Mobile Network)、データネットワーク名(DNN:Data Network Name)、及び5QIにのみ適用されるようにSMFを設定することが可能であるものとする。
【0004】
ホームルーティング型(Home-Routed)ローミングの場合、訪問SMF(V-SMF:Visiting SMF)は、PPIのUPFセットを制御する役割を果たす。中間SMF(I-SMF)を有するPDUセッションの場合、I-SMFは、PPIのUPFセットを制御する役割を果たす。
【0005】
図1に示すように、UPF 102は、汎用パケット無線システム(GPRS)トンネリングプロトコルユーザプレーン(GTP-U)レイヤ104aと、GTP-Uペイロード104bとを含む、着信DL PDU 104を有しうる。GTP-Uペイロード104bのIPヘッダ内に、ユーザデータDSCP値106がある。この値106は、DL PDUセッション情報108内のPPI 110にマッピングされうる。
【0006】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))技術仕様書(TS)23.501 V17.3.0(2021-12)の5.4.3.2章 ページングポリシー差別化、及びTS 38.415 V16.6.0(2021-12)のDL PDUセッション情報の転送の章は、更なる情報を提供する。
【発明の概要】
【0007】
既存のパケット転送制御プロトコル(PFCP:Packet Forwarding Control Protocol)プロトコルに従って、SMFは、QERにおいてPPIをプロビジョニング(provision)しなければならず、それによりUPFは、QERが関連付けられるPDRに一致するDLトラフィックのためのPPIを設定する。PDRは、DSCPコードを検出するようにプロビジョニングされ、即ち、SMFには、DSCPコード対PPIマッピング(DSCP code(s) to PPI)テーブルが設定される。これは、どのDSCPコードがアプリケーションサーバによって設定されるかをSMFが知っているときに機能しうる。例えば、サービスレベル検出が必要とされないI/V-UPFに対して機能しうる。例えば、PDUセッションアンカー(PSA:PDU Session Anchor)UPFがNG-RANに直接接続されている場合、SMFは、特定のサービスデータフロー(SDF)について、どのDSCPコードがアプリケーションサーバによって設定されるかを知らないため、問題がある。したがって、規格に準拠するために、SMFは特に、(1)アプリケーションIDが着信パケットに一致するために使用される、(2)異なるDSCP値(ToS/TC)を有するSDFフィルタのリストが同じPDRに関連付けられる、又は(3)SDFのDSCP値がSMFによって知られていない(例えば、ポリシー制御機能(PCF)によるDLパケットの一致条件として定義されていない)場合に、同じSDFのための全ての可能性のあるDSCPをブラインドでプロビジョニングしなければならないと思われる。したがって、PPI機能をサポートするために、SMFは、着信パケットに一致する全ての可能性のあるDSCP値に対応する異なるDL PDRを作成しなければならない。ただし、以下に示すDSCP値の個数を考慮すると、これは非現実的である:{af11 | af12 | af13 | af21 | af22 | af23 | af31 | af32 | af33 | af41 | af42 | af43 | be | cs1 | cs2 | cs3 | cs4 | cs5 | cs6 | cs7 | ef}。
【0008】
したがって、既存のPFCPプロトコルの下では、SMFは、SDFの各々について可能性のある全てのDSCP値に対処するために追加のSDFフィルタをプロビジョニングする必要がある。これは、SDFごとに最大64個の(64個の可能性のあるDSCP値に対応する)SDFフィルタがプロビジョニングされなければならないことを意味しうる。SMFは、各SDFに対してこれらの追加のPDR/QERをプロビジョニングする必要がある。これは、SDFごとに最大8個の(8つの可能性のあるPPI値に対応する)PDR/QERが、PPIにマッピングされるDSCPを可能にするためのSA2要件に対処するためにプロビジョニングされる必要がありうることを意味しうる。
【0009】
図2は、PDRとQER(PPIを示す)との間のコネクションを示す。
図2に示すように、DSCP値(ToS/TC)は、SDFフィルタにおいて、着信パケット(DL PDR 200等)の一致条件として定義され、QER内のPPIは、着信パケットのCNトンネルヘッダ内の対応するPPIを示すために使用される。
【0010】
別の問題は、PPI値がNG-RANによって使用されて、RRC非アクティブ状態にあるときにUEがページングされる必要がある場合に対応するページングポリシーを適用するので、UEがRRC接続状態にあるときにはPPI値は必要とされないということである。しかしながら、SMF/UPFは、RRC状態を知らず、DL PDU内の全てのDLパックのためのPPI値を設定し、これは、各DL PDUのIPヘッダ内のToS(IPv4)/TC(IPv6)値内のDSCPからのPPI値マッピングを考慮すると、性能に対して多すぎるコストである。
【0011】
SMF内の特定のHPLMN、DNN、及び/又は5QIに対してPPD機能が有効になっている場合、SMFは、UPFに、DL PDUのIPヘッダ内のToS(IPv4)/TC(IPv6)値のDSCPを検出し、CNトンネルヘッダで対応するPPIを転送するように指示する。当該指示は、PFCPセッション又は5QI又はサービスごとでありうる。UPFは、着信パケットのDSCPからのPPIマッピングをマークする。DSCP対PPI(DSCP to PPI)マッピングは、UPFにおいて設定されうる、又はSMFによって指示されうる。SMFは、UEがRRC_Inactive(RRC非アクティブ)状態に入ったと想定される期間である、アップリンク(UL)及びDLペイロードがない場合に閾値を超える期間の後に、最初の数個のDLパケット(例えば、最初の10個のパケット)でのみ、対応するPPIを転送するようにUPFに指示しうる。
【0012】
本明細書に開示される実施形態の利点は、そのような実施形態が、TS23.501 V17.3.0(2021-12)に定義されるPPD機能をオペレータが完全にサポートすることを可能にすることを含む。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、セッション管理機能(SMF:Session Management Function)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法が提供される。本方法は、ページングポリシー差別化機能がユーザプレーン機能(UPF)によってサポートされていること、及びページングポリシー差別化機能がプロトコルデータユニット(PDU)セッションに適用可能であることを判定することを含む。本方法は、UPFに向けて、差別化サービスコードポイント(DSCP)値に基づいてページングポリシーインジケータ(PPI)値を発信(outgoing)パケットに挿入するようにUPFに指示するメッセージを送信することを含む。当該メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン(GTP-U)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダにPPI値を挿入するようにUPFに指示し、DSCP値は、ペイロードパケットのIPヘッダ内にある。いくつかの実施形態では、DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報と、1つ以上のサービス品質(QoS)フロー識別子(QFI)と、タイマーとを更に含む。いくつかの実施形態では、タイマーは、着信又は発信パケットがないときにタイマーによって判定された期間の後にのみ、UPFに、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のQFIは、DSCP対PPI(DSCP-to-PPI)マッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフロー(Qos Flows)に関係するかを、UPFに対して示す。いくつかの実施形態では、DSCP対PPIマッピング情報は、(1)UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルをUPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットのDSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、メッセージは、パケット転送制御プロトコル(PFCP)セッションメッセージである。いくつかの実施形態では、PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求(Session Establishment Request)又はPFCPセッション変更要求(Session Modification Request)のうちの1つである。
【0015】
別の実施形態によれば、ユーザプレーン機能(UPF)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法が提供される。本方法は、セッション管理機能(SMF)から、発信パケットにページングポリシーインジケータ(PPI)値を挿入するようにUPFに要求するDSCP対PPI制御情報を含むメッセージを受信することを含む。本方法は、着信ペイロードパケットのインターネットプロトコル(IP)ヘッダ内の差別化サービスコードポイント(DSCP)値を取り出すことを含む。本方法は、DSCP値及びDSCP対PPIマッピング情報に基づいて、発信パケットのPPI値を決定することを含む。本方法は、PPI値を発信パケットに挿入することを含む。
【0016】
別の態様では、処理回路によって実行されると当該処理回路に、本明細書で開示される方法のいずれかを実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0017】
別の態様では、本明細書に開示されるコンピュータプログラムを含むキャリアが提供される。キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、及びコンピュータ読取可能記憶媒体のうちの1つでありうる。
【0018】
別の態様では、本明細書で開示される方法のいずれかを実行するように構成される装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、DL PDUにおけるDSCP値とPPI値との関係を示す。
【0020】
【0021】
【
図3】
図3は、5G通信システムの参照アーキテクチャを示す。
【0022】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態によるメッセージフローを示すメッセージフロー図である。
【0023】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態によるメッセージフローを示すメッセージフロー図である。
【0024】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態によるメッセージフローを示すメッセージフロー図である。
【0025】
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による処理を示すフローチャートである。
【0026】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による処理を示すフローチャートである。
【0027】
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による物理マシンのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図3は、一実施形態による通信システム300の参照アーキテクチャを示す。図示の例では、システム300は5Gシステムである。より具体的には、
図3が無線アクセスネットワーク(RAN)でありうるアクセスネットワーク(AN)303に接続されるUE 301を示す。AN 303は、N2リファレンスポイントを介してアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)326に接続され、ANは更に、N3リファレンスポイントを介してユーザプレーン機能(UPF)325に接続される。UPF 325は、N4リファレンスポイントを介してセッション管理機能(SMF)327に接続されるように適合され、N6リファレンスポイントを介してデータネットワーク(DN)320に接続されるように適合される。DNは、例えば、オペレータサービス、インターネットアクセス、又は第三者サービスでありうる。UE 301は更に、N1リファレンスポイントを介してAMF 326に接続される。
図3に更に示されるように、システム300は、以下の追加のネットワーク機能、即ち、認証サーバ機能(AUSF)328、ネットワークスライス選択機能(NSSF)329、ネットワーク公開機能(NEF)330、NRF 331、ポリシー制御機能(PCF)332、統合データ管理(UDM)333、及びアプリケーション機能(AF)334を更に含む。ネットワーク機能326~334の各々は、サービスベースのインタフェースを示す。例えば、NSSF 329によって示されるサービスベースのインタフェースは、「Nnssf」と呼ばれる。同様に、AMF 326によって示されるサービスベースのインタフェースは、「Namf」と呼ばれる。
【0029】
UE 301は、ANのアクセスポイント(例えば、基地局)と無線(wireless)チャネル(例えば、無線(radio)チャネル)を介して通信することが可能な、モバイル又は固定の任意の通信装置でありうる。例えば、UE 301は、携帯電話、スマートフォン、センサ、メータ、車両、アプライアンス(家庭、医療等)、メディアプレーヤ、カメラ、マシン・ツー・マシン(M2M)デバイス、又は任意のタイプの消費者向け電子デバイス、例えば、テレビ、ラジオ、照明装置、タブレットコンピュータ、ラップトップ、又はパーソナルコンピュータ(PC)であありうるが、これらに限定されない。UE 301は、ポータブル、ポケット格納可能、ハンドヘルド、コンピュータ搭載型、又は車載型であってもよく、無線アクセスネットワークを介して、別のUE又はサーバ等の別のエンティティと音声及び/又はデータを通信することが可能になりうる。AN 303は、NodeB、eNodeB、gNB、Wi-Fiアクセスポイント、又はUE 301と無線キャリアを介して通信することが可能な任意の他のアクセスポイント等のアクセスポイント(
図1には図示せず)を備えうる。略語AN及びRANは、互換的に使用されうる。ANは、3GPP無線アクセスネットワークと非3GPPアクセスネットワークの両方を含みうる。典型的な非3GPPアクセスネットワークは、Wi-Fiネットワークである。
【0030】
上述のように、PPDの現在の仕様の下では、PFCPプロトコルにおける全ての要件にどのように対処するかは不明であり、そのようにすることは、例えば、PDRの無関係なプロビジョニングにつながりうる。例を考えてみる。PPIを設定するための要件が考慮されない場合、アプリケーション1に対応するSDFについて、SMFは、DLアプリケーショントラフィックを識別するためにPDRをプロビジョニングしうる:
PDR1: パケット検出情報(PDI)は、NG-RANにトラフィックを転送するための転送動作ルール(FAR:Forwarding Action Rule)FAR1、及びQoSのためのQERとともに、App-ID=1、UE IPアドレスで設定される;
【0031】
ここで、SMFがUPFにDSCPコードに従ってPPIを設定するように指示する要件を考える。この例の目的のために、DSCPコード対PPIマッピングは、例えば、以下に示されるように、オペレータのページングポリシーごとに設定される。8個のPPI値がある一方で64個のDSCPコードポイントが存在するので、このようなマッピングがここで必要とされ、このようなマッピングは、DNN/単一ネットワークスライス選択支援識別子(S-NSSAI:Single Network Slice Selection Assistance Identifier)ごとに設定されうる。
DSCP対PPI(DSCP to PPI)マッピング: --インデックスあたり最大8個
ページングポリシーインジケータ(Paging Policy Indicator)=1
DSCP=EF
DSCP=AF42
DSCP対PPI(DSCP to PPI)マッピング:
ページングポリシーインジケータ(Paging Policy Indicator)=1
DSCP=AF11
DSCP=AF12
DSCP=AF13
その他のDSCPコードについては、PPIは3に設定される。
上記のDSCP対PPIマッピングを用いて、SMFは、以下のPDR及びQERを提供する:
PDR1: PDIは、QER 1とともに、App-ID=1及びDSCP EF及びDSCP AF42と設定され、PPI=1に設定される;
PDR1: PDIは、QER 2とともに、App-ID=1及びDSCP AF11及びDSCP AF12及びAF13と設定され、PPI=2に設定される;
PDR1: PDIは、App-ID=1と設定され、QER 3とともに、PPI=3と設定される;
【0032】
このため、SDFごとに、SMFは、(1)同じアプリケーション検出ロジックを有するが(異なるPPIにマッピングされる)異なるDSCPコードを有する追加のPDRと、(2)異なるPPIに対して同じQoS要件を有する追加のQERと、をプロビジョニングする必要がある。
【0033】
加えて、PPIはNG-RANページングの場合にNG-RANによって使用されることのみを意図されているので、全てのDLパケットのためのPPIを設定する必要はなく、それはUPFに余分な処理負荷を加えることになる。
【0034】
したがって、実施形態は、PPIの拡張されたプロビジョニングを提供する。例えば、実施形態において:
1.異なるDNN/S-NSSAIが異なるページングポリシーを有しうるので、そのようなDSCP対PPIマッピングはPFCPセッションごとに設定されるべきであり、したがって、SMFは、そのようなDSCP対PPIマッピングが必要である場合に、UPFに指示しうるとともに、必要な場合に、SMFは、DSCP対PPIマッピングテーブルを提供しうる;
2.そのようなDSCP対PPIマッピングは、UEがRRC非アクティブ状態にある場合にNG-RANページングのためにのみ必要とされるので、SMFは、UPFにタイマーを提供してもよく、それによりUPFは、UEがRRC非アクティブ状態に入りうると想定されうる期間である、UL及びDLペイロードが存在しない期間の後に、最初の数個のDLパケットのためのPPIを挿入する。
3.オプションとして、QoSフロー識別子(QFI)のリストを追加する、即ち、そのようなDSCP対PPIマッピングを、要求されたQoSフローに関係するパケットに対してのみ適用する。
【0035】
例えば、SMFは、DL PDUのIPヘッダ内のToS(IPv4)/TC(IPv6)値内のDSCPを検出し、CNトンネルヘッダ内の対応するPPIを転送するようにUPFに指示する。当該指示は、PFCPセッション又は5QI又はサービスごとに行われうる。UPFは、着信パケットのDSCPからのPPIマッピングをマークし、DSCP対PPIマッピングは、UPFにおいて設定されうるか、又はSMFによって指示されうる。SMFは、UEがRRC非アクティブ(RRC_Inactive)状態に入ると想定されうる、アップリンク及びダウンリンクペイロードがない期間の後に、最初の数個のダウンリンクパケット(例えば、最初の10個のパケット)でのみ、対応するPPIを転送するようにUPFに指示しうる。
【0036】
図4は、一実施形態によるフロー図を示す。図示のように、SMFは、5QIのセッション又はサービス全体の全てのサービスに対して、アプリケーションごとにページングポリシーを有効にする。SMFは、全ての着信パケットに対してPPDを有効にすることを、UPFに対して示す。例えば、PFCPセッション確立(又は変更)要求(Session Establishment (or Modification) Request)410において、SMF 327は、DSCP対PPI制御情報を含めうる。UPF 325は、PFCPセッション確立(又は変更)応答(Session Establishment (or Modification) Response)412を返す際にこれを肯定応答しうる。
【0037】
情報要素(IE)の例示的な詳細が、以下の表1乃至4に示されている。
【0038】
表1: PFCPセッション確立要求(PFCP Session Establishment Request)
【0039】
表2:PFCPセッション確立要求(PFCP Session Establishment Request)内のDSCP対PPI制御情報(DSCP to PPI Control Information)
【0040】
表3: DSCP対PPIマッピング情報(DSCP to PPI Mapping Information)
オクテット5のPPI値は、3GPP TS 38.415の5.5.3.7節に規定されるように、0から7の間の値として符号化される。
【0041】
表4: PFCPセッション変更要求(PFCP Session Modification Request)
【0042】
図5は、一実施形態によるフロー図を示す。図示のように、SMFは、アプリケーションごとにページングポリシーを有効にする。SMFは、全ての着信パケットに対してPPDを有効にすることを、UPFに対して示す。例えば、PFCPセッション確立(又は変更)要求510では、SMF 327が(
図4に示すように)DSCP対PPI制御情報と、作成/更新QER情報(Create/Update QER information)とを含みうる。UPF 325は、PFCPセッション確立(又は変更)応答512を返す際にこれを肯定応答しうる。
【0043】
情報要素(IE)の例示的な詳細は、以下の表5~6に示される。
【0044】
【0045】
【0046】
図6は、一実施形態によるフロー図を示す。図示のように、DSCP対PPIマッピング情報は、UPFにおいて設定されうるか、又は、SMFからプロビジョニングされる場合に、ノードレベルでSMFによって指示されうる。例えば、PFCPセッション確立(又は変更)要求又は応答610において、SMF 327は、DSCP対PPIマッピング情報を含めうる。
【0047】
図7は、いくつかの実施形態による処理700を示すフローチャートを示す。処理700は、ステップs702で開始しうるとともに、SMF 327等のセッション管理機能(SMF)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法である。
【0048】
ステップs702は、ページングポリシー差別化機能がユーザプレーン機能(UPF)(325)によってサポートされていること、及び、ページングポリシー差別化機能がプロトコルデータユニット(PDU)セッションに適用可能であることを判定することを含む。
【0049】
ステップs704は、UPF(325)に向けて、差別化サービスコードポイント(DSCP)値に基づいてページングポリシーインジケータ(PPI)値(110)を発信パケットに挿入するようにUPF(325)に指示するメッセージを送信すること(106)を含む。
【0050】
ステップs706は、メッセージがDSCP対PPI制御情報を含むことを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン(GTP-U)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダにPPI値を挿入するようにUPF(325)に指示し、DSCP値は、ペイロードパケットのIPヘッダ内にある。いくつかの実施形態では、DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報と、1つ以上のサービス品質(QoS)フロー識別子(QFI)と、タイマーとを更に含む。いくつかの実施形態では、タイマーは、着信又は発信パケットがないときにタイマーによって判定された期間の後にのみ、UPFに、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、1つ以上のQFIは、DSCP対PPI(DSCP-to-PPI)マッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフロー(Qos Flows)に関係するかを、UPFに対して示す。いくつかの実施形態では、DSCP対PPIマッピング情報は、(1)UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルをUPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットのDSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、メッセージは、パケット転送制御プロトコル(PFCP)セッションメッセージである。いくつかの実施形態では、PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求(Session Establishment Request)又はPFCPセッション変更要求(Session Modification Request)のうちの1つである。
【0053】
図8は、いくつかの実施形態による処理800を示すフローチャートを示す。処理800は、ステップs802で開始しうるとともに、UPF 325等のユーザプレーン機能(UPF)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法である。
【0054】
ステップs802は、セッション管理機能(SMF)(327)から、発信パケットにページングポリシーインジケータ(PPI)値(110)を挿入するようにUPF(325)に要求するDSCP対PPI制御情報を含むメッセージを受信することを含む。
【0055】
ステップs804は、着信ペイロードパケットのインターネットプロトコル(IP)ヘッダ内の差別化サービスコードポイント(DSCP)値を取り出すことを含む。
【0056】
ステップs806は、DSCP値及びDSCP対PPIマッピング情報に基づいて、発信パケットのPPI値を決定することを含む。
【0057】
ステップs808は、PPI値を発信パケットに挿入することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化する発信GTP-Uパケットの汎用パケット無線システム(GPRS)トンネリングプロトコルユーザプレーン(GTP-U)レイヤ拡張ヘッダにPPI値を挿入するようにUPF(325)に要求する。いくつかの実施形態では、DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報と、1つ以上のサービス品質(QoS)フロー識別子(QFI)と、タイマーとを更に含む。いくつかの実施形態では、タイマーは、着信パケット又は発信パケットがないときに当該タイマーによって判定された期間の後にのみ、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入するように構成され、当該タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットが存在しなかったと判定することと、当該タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットが存在しなかったと判定した結果として、PPI値を固定数の発信パケットに挿入することと、を更に含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上のQFIは、DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、UPFに対して示し、PPI値を発信パケットに挿入する前に、発信パケットが1つ以上のQFIのQFIと一致すると判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、DSCP対PPIマッピング情報は、(1)UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルをUPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットのDSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、メッセージは、パケット転送制御プロトコル(PFCP)セッションメッセージである。いくつかの実施形態では、PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである。
【0060】
種々の実施形態の概要
A1. SMF(セッション管理機能)(327)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていること、及び前記ページングポリシー差別化機能がプロトコルデータユニット(PDU)セッションに適用可能であることを判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいて発信パケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を含み、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、方法。
A2. 実施形態A1の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示し、前記DSCP値は、前記ペイロードパケットのIPヘッダ内にある、方法。
A3. 実施形態A1又はA2の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報、1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)及びタイマーを更に含む、方法。
A4. 実施形態A1乃至A3のいずれか1つの方法であって、
前記タイマーは、前記UPFに、着信パケット又は発信パケットがない場合に前記タイマーによって判定された期間の後にのみ、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成される、方法。
A5. 実施形態A2乃至A4のいずれか1つの方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示す、方法。
A6. 実施形態A2乃至A5のいずれか1つの方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、(1)前記UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルを前記UPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む、方法。
A7. 実施形態A1乃至A6のいずれか1つの方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
A8. 実施形態A7の方法であって、前記PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【0061】
B1. UPF(ユーザプレーン機能)(325)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
発信パケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、発信パケットのためのPPI値を決定することと、
前記発信パケットに前記PPI値を挿入することと、
を含む、方法。
B2. 実施形態B1の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化する発信GTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に要求する、方法。
B3. 実施形態B1又はB2の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報、1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)、及びタイマーを更に含む、方法。
B4. 実施形態B3の方法であって、
前記タイマーは、前記UPFに、着信パケット又は発信パケットがない場合に前記タイマーによって判定された期間の後にのみ、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成され、
前記タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットがないと判定することと、
前記タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットがないと判定した結果として、前記PPI値を前記固定数の発信パケットに挿入することと、
を更に含む、方法。
B5. 実施形態B3又はB4の方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示し、
前記PPI値を前記発信パケットに挿入する前に、前記発信パケットが前記1つ以上のQFIのうちのQFIと一致すると判定することを更に含む、方法。
B6. 実施形態B3乃至B5のいずれか1つの方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、(1)前記UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルを前記UPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む、方法。
B7. 実施形態B1乃至B6のいずれか1つの方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
B8. 実施形態B7の方法であって、前記PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【0062】
C1. コンピュータプログラム(943)であって、処理回路(902)によって実行されると前記処理回路(902)に、実施形態A1乃至A8及びB1乃至B8のいずれか1つの方法を実行させる命令(944)を含む、コンピュータプログラム。
C2. 実施形態C1のコンピュータプログラムを含むキャリアであって、前記キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、及びコンピュータ読取可能記憶媒体(942)のうちの1つである、キャリア。
D1. 装置(900)であって、前記装置は、実施形態A1乃至A8及びB1乃至B8のいずれか1つの方法を実行するように構成される、装置。
【0063】
E1. SMF(セッション管理機能)(327)ノードであって、前記ノードは、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていること、及び前記ページングポリシー差別化機能がプロトコルデータユニット(PDU)セッションに適用可能であることを判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいて発信パケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に指示するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を行うように構成され、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、ノード。
E2. 実施形態E1のノードであって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示し、前記DSCP値は、前記ペイロードパケットのIPヘッダ内にある、方法。
E3. 実施形態E1又はE2のノードであって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報、1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)及びタイマーを更に含む、ノード。
E4. 実施形態E1乃至E3のいずれか1つのノードであって、
前記タイマーは、前記UPFに、着信パケット又は発信パケットがない場合に前記タイマーによって判定された期間の後にのみ、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成される、ノード。
E5. 実施形態E2乃至E4のいずれか1つのノードであって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示す、ノード。
E6. 実施形態E2乃至E5のいずれか1つのノードであって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、(1)前記UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルを前記UPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む、ノード。
E7. 実施形態E1乃至E6のいずれか1つのノードであって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、ノード。
E8. 実施形態E7のノードであって、前記PFCPメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、ノード。
【0064】
F1. UPF(ユーザプレーン機能)(325)であって、前記ノードは、
発信パケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、発信パケットのためのPPI値を決定することと、
前記発信パケットに前記PPI値を挿入することと、
を行うように構成される、ノード。
F2. 実施形態F1のノードであって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化する発信GTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に要求する、ノード。
F3. 実施形態F1又はF2のノードであって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報、1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)、及びタイマーを更に含む、ノード。
F4. 実施形態F3のノードであって、
前記タイマーは、前記UPFに、着信パケット又は発信パケットがない場合に前記タイマーによって判定された期間の後にのみ、対応するPPI値を固定数の発信パケットに挿入させるように構成され、前記ノードは更に、
前記タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットがないと判定することと、
前記タイマーに基づいて、ある期間の間に着信パケット又は発信パケットがないと判定した結果として、前記PPI値を前記固定数の発信パケットに挿入することと、
を行うように構成される、ノード。
F5. 実施形態F3又はF4のノードであって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示し、
前記ノードは更に、前記PPI値を前記発信パケットに挿入する前に、前記発信パケットが前記1つ以上のQFIのうちのQFIと一致すると判定するように構成される、ノード。
F6. 実施形態F3乃至F5のいずれか1つのノードであって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、(1)前記UPFにおいて事前設定されたDSCP対PPIマッピングテーブルを前記UPFが選択することを可能にするためのインデックスと、(2)ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルと、のうちの1つを含む、ノード。
F7. 実施形態F1乃至F6のいずれか1つのノードであって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、ノード。
F8. 実施形態F7のノードであって、前記PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、ノード。
【0065】
G1. 装置(900)であって、前記装置は、上記実施形態A1乃至A8及びB1乃至B8のいずれか1つの方法を実行するように構成される、装置。
【0066】
図9は、UPF 325及びSMF 327のうちのいずれか1つを実行するために使用されうる、いくつかの実施形態による物理マシン(又は「装置」)900のブロック図である。
図9に示すように、装置900は、プロセッサが単一の筐体内又は単一のデータセンタ内に共同配置されうるか、又は地理的に分散されうる(即ち、装置900が分散コンピューティング装置でありうる)、1つ以上のプロセッサ(P)955(例えば、汎用マイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の1つ以上の他のプロセッサ)を含みうる処理回路(PC)902と、ネットワークインタフェース948が(直接的又は間接的に)接続されるネットワーク910(例えば、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク)に接続された他のマシンとデータを送受信することを装置900が可能にするための、送信機(Tx)945及び受信機(Rx)947を備えるネットワークインタフェース948(例えば、ネットワークインタフェース948は、ネットワーク110に無線に接続されてよく、その場合、ネットワークインタフェース948は、アンテナ装置に接続される)と、1つ以上の不揮発性記憶装置及び/又は1つ以上の揮発性記憶装置を含みうる、ローカル記憶ユニット(別名「データ記憶システム」)908とを含む。PC 902がプログラマブルプロセッサを含む実施形態では、コンピュータプログラムプロダクト(CPP)941が提供されうる。CPP 941は、コンピュータ読取可能命令(CRI)944を含むコンピュータプログラム(CP)943を記憶するコンピュータ読取可能媒体(CRM)942を含む。CRM 942は、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光媒体、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)等の非一時的コンピュータ読取可能媒体でありうる。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム943のCRI 944は、PC 902によって実行されると、装置900に、本明細書で説明するステップ(例えば、フローチャートを参照して本明細書で説明するステップ)を実行させるように構成される。他の実施形態では、装置900がコードを必要とせずに、本明細書で説明するステップを実行するように構成されうる。即ち、例えば、PC 902は、1つ以上のASICのみから構成されうる。したがって、本明細書で説明される実施形態の特徴は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実装されうる。
【0067】
様々な実施形態が本明細書に記載されているが、それらは限定ではなく、単なる例として提示されていることを理解されたい。したがって、本開示の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。更に、本明細書に別段の指示がない限り、又はコンテキストによって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組合せが、本開示によって包含される。
【0068】
加えて、上述され、図面に示されたプロセスは一連のステップとして示されているが、これは単に例示のために行われたものである。したがって、いくつかのステップが追加されてよく、いくつかのステップが省略されてよく、ステップの順序が再配置されてよく、いくつかのステップが並行して実行されてよいことが企図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMF(セッション管理機能)(327)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていると判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に命令するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を含み、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、方法。
【請求項3】
請求項
1に記載の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、方法。
【請求項4】
請求項
1に記載の方法であって、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に命令するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信する前に、前記ページングポリシー差別化機能がPDF(プロトコルデータユニット)セッションに適用可能であると判定することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項
3に記載の方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示す、方法。
【請求項6】
請求項
3に記載の方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、方法。
【請求項7】
請求項
1に記載の方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記PFCP
セッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【請求項9】
UPF(ユーザプレーン機能)(325)によって実行される、ページングポリシー差別化を容易にするための方法であって、
ダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、ダウンリンクパケットのためのPPI値を決定することと、
前記ダウンリンクパケットに前記PPI値を挿入することと、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するダウンリンクGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に要求する、方法。
【請求項11】
請求項
9に記載の方法であって、
前記DSCP対PPI制御情報は、1つ以上のDSCP対PPIマッピング情報及び/又は1つ以上のQFI(QoS(サービス品質)フロー識別子)を更に含む、方法。
【請求項12】
請求項
9に記載の方法であって、
前記メッセージは、ペイロードパケットをカプセル化するGTP-U(GPRS(汎用パケット無線システム)トンネリングプロトコルユーザプレーン)パケットのGTP-Uレイヤ拡張ヘッダに前記PPI値を挿入するように前記UPF(325)に指示する、方法。
【請求項13】
請求項
11に記載の方法であって、
前記1つ以上のQFIは、前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいてPPIを挿入するのに適格であるペイロードパケットがどのQoSフローに関係するかを、前記UPFに対して示し、
前記PPI値を前記ダウンリンクパケットに挿入する前に、前記ダウンリンクパケットが前記1つ以上のQFIのうちのQFIと一致すると判定することを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項
11に記載の方法であって、
前記DSCP対PPIマッピング情報は、ペイロードパケットの前記DSCPを、対応するPPIにマッピングするテーブルを含み、前記テーブルは、PPI識別子に対応する1つ以上のDSCP識別子を含む、方法。
【請求項15】
請求項
9に記載の方法であって、
前記メッセージは、PFCP(パケット転送制御プロトコル)セッションメッセージである、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記PFCPセッションメッセージは、PFCPセッション確立要求又はPFCPセッション変更要求のうちの1つである、方法。
【請求項17】
コンピュータプログラム(943)であって、処理回路(902)によって実行されると前記処理回路(902)に、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令(944)を含む、コンピュータプログラム。
【請求項18】
装置(900)であって、前記装置は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、装置。
【請求項19】
SMF(セッション管理機能)(327)ノードであって、前記ノードは、
ページングポリシー差別化機能がUPF(ユーザプレーン機能)(325)によってサポートされていると判定することと、
DSCP(差別化サービスコードポイント)値(106)に基づいてダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に命令するメッセージを、前記UPF(325)に向けて送信することと、を行うように構成され、
前記メッセージは、DSCP対PPI制御情報を含む、ノード。
【請求項20】
請求項
19に記載のノードであって、
前記ノードは、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の方法を実行するように更に構成される、ノード。
【請求項21】
UPF(ユーザプレーン機能)(325)ノードであって、前記ノードは、
ダウンリンクパケットにPPI(ページングポリシーインジケータ)値(110)を挿入するように前記UPF(325)に要求する、DSCP対PPI制御情報を含むメッセージを、SMF(セッション管理機能)(327)から受信することと、
着信ペイロードパケットのIP(インターネットプロトコル)ヘッダ内のDSCP(差別化サービスコードポイント)値を取り出すことと、
前記DSCP値及び前記DSCP対PPIマッピング情報に基づいて、ダウンリンクパケットのためのPPI値を決定することと、
前記ダウンリンクパケットに前記PPI値を挿入することと、
を行うように構成される、ノード。
【請求項22】
請求項
21に記載のノードであって、
前記ノードは、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行するように更に構成される、ノード。
【国際調査報告】