(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】二物質ノズル、スプレーヘッド、及び方法
(51)【国際特許分類】
B05B 7/06 20060101AFI20250212BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20250212BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20250212BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B05B7/06
B05B12/00 A
B05D1/02 Z
B05D3/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2019572850
(86)(22)【出願日】2018-01-09
(85)【翻訳文提出日】2019-08-13
(86)【国際出願番号】 DE2018100010
(87)【国際公開番号】W WO2018130245
(87)【国際公開日】2018-07-19
(31)【優先権主張番号】102017100438.6
(32)【優先日】2017-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516199072
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ロスバッハ,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】カラカス,エルデム
(72)【発明者】
【氏名】コッホ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ゴバー,ノルベルト
【テーマコード(参考)】
4D075
4F033
4F035
【Fターム(参考)】
4D075AA02
4D075AA83
4D075AA90
4D075BB99X
4D075EA05
4F033QA01
4F033QA04
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB18
4F033QD02
4F033QD21
4F033QD23
4F033QE06
4F033QE09
4F033QE11
4F033QE15
4F033QF21X
4F035AA03
4F035BA07
4F035BC02
4F035BC06
(57)【要約】
噴霧媒体と噴霧空気との混合物を霧化する二物質ノズル(30)であって、少なくとも1つの送給チャネル(40)に接続され、少なくとも1つの送給チャネル(40)を通して、混合物または噴霧媒体を二物質ノズル(30)に送給することができ、送給チャネル(40)と二物質ノズル(30)のノズル出口(35)との間に弁(60)が配設された、二物質ノズル(30)を提供するために、及び、対応するスプレーヘッド(10)を提供するために、さらには噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズル(30)によって霧化するための方法を提供するために、二物質ノズル(30)が、一部片で構成され、ノズル出口(35)を備えるノズル本体(32)を有し、弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によってノズル本体に取り付けられ、及び/またはばねデバイス(69)によってノズル本体(32)に押さえ付けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧媒体と噴霧空気との混合物を霧化する二物質ノズル(30)であって、少なくとも1つの送給チャネル(40)に接続され、前記少なくとも1つの送給チャネル(40)を通して、前記混合物または前記噴霧媒体を前記二物質ノズル(30)に送給することができ、前記送給チャネル(40)と前記二物質ノズル(30)のノズル出口(35)との間に弁(60)が配設された、二物質ノズル(30)において、
前記二物質ノズル(30)が、一部片で構成されて前記ノズル出口(35)を備えるノズル本体(32)を有し、前記弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によって前記ノズル本体(61)に取り付けられ、及び/またはばねデバイス(69)によって前記ノズル本体(32)に押さえ付けられることを特徴とする、二物質ノズル(30)。
【請求項3】
噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズル(30)によって霧化するための方法であって、前記混合物または前記噴霧媒体が、送給チャネル(40)及び弁(60)を通して前記二物質ノズル(30)に送られ、前記二物質ノズル(30)のノズル出口(35)から噴出される方法において、
前記弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によって及び/またはばねデバイス(69)によって、前記ノズル本体(32)に対して押圧されることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記ノズル出口(35)の直径が、0.5mm超及び/または20mm未満であることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の二物質ノズル(30)、スプレーヘッド(10)、または方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧媒体と噴霧空気との混合物を霧化する二物質ノズルであって、少なくとも1つの送給チャネルに接続されており、上記少なくとも1つの送給チャネルを通して、混合物または噴霧媒体を二物質ノズルに送給することができ、この送給チャネルと二物質ノズルのノズル出口との間に弁が配設された二物質ノズルに関する。また、本発明は、下側ダイ及び上側ダイを有する成形機、特に型鍛造プレス機の少なくとも1つのダイを冷却潤滑するためのスプレーヘッドであって、2つの作業ストローク間に下側ダイと上側ダイとの間の作業空間内に導入され、少なくとも1つの対応する二物質ノズルを備えるスプレーヘッドに関する。さらに、本発明は、噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズルによって霧化するための方法であって、混合物または噴霧媒体が、送給チャネル及び弁を通して二物質ノズルに送られ、二物質ノズルのノズル出口から噴出される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなスプレーヘッド及び二物質ノズルは、例えば、特許文献1から、または特許文献2からも公知である。これに関連して、スプレーヘッドは、本質的に、多層プレート構成から構成され、多層プレート構成によって、噴霧媒体及び噴霧空気用の個別の送給チャネルならびにまた対応する弁、特に膜弁、ならびに制御流体用の送給チャネルが提供され、制御流体用の送給チャネルによって、膜弁を制御することができる。プレートタイプのスプレーヘッドは、比較的細い構造を有し、したがって、これらのスプレーヘッドはダイ間のより小さい自由空間内に達することもできる。しかし、これらのスプレーヘッドの使用の多様性は、特定の限度内に留まる。
【0003】
特許文献3によって開示されるスプレーヘッドは、ここでは個々の二物質ノズルを個々に及び個別に調節することができるので、高い融通性を可能にする。
【0004】
これに関連して、全く異なる手法が、まだ公開されていない特許文献4によって開示されており、そこでは、個々のノズルは別個に調節されるが、非常に単純な製造方法によって、個別に方向付けられた二物質ノズルを有するスプレーヘッドをそれぞれ迅速にかつ容易に提供することができる。さらに、そこではいくつかの解決策が開示されており、それらの解決策によって、液だれ、または液体の他の望ましくない蓄積を防止することが想定される。解決策には、特に、それぞれの二物質ノズルの直近に配設され、最終的に、可動モジュールを除いてそれぞれの二物質ノズルと一部片で構成される弁が含まれる。このようにして、特に特許文献3の欠点をなくすことができ、関係する弁と関係するノズル出口との間に相当な距離が見出される可能性があり、ここでも、異なるモジュール間の移行を克服する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公告第102006004107号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19511272号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/217212号明細書
【特許文献4】PCT/DE2016/100316号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、二物質ノズルを単純にかつ高い動作信頼性で提供し、液だれに関して高い動作信頼性で動作させることもできる、上記のタイプの二物質ノズル及び対応するスプレーヘッド、ならびに噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズルによって霧化するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、独立請求項の特徴を有する二物質ノズル、スプレーヘッド、及び方法によって達成される。さらなる有利な実施形態、場合によっては独立した実施形態は、従属請求項及び以下の記述において見ることができる。
【0008】
したがって、噴霧媒体と噴霧空気との混合物を霧化する二物質ノズルであって、少なくとも1つの送給チャネルに接続され、少なくとも1つの送給チャネルを通して、混合物または噴霧媒体を二物質ノズルに送給することができ、この送給チャネルと二物質ノズルのノズル出口との間に弁が配設された二物質ノズルは、一部片で構成されてノズル出口を備えるノズル本体を有し、弁の可動モジュールが、取付体によってノズル本体に取り付けられ、及び/またはばねデバイスによってノズル本体に押さえ付けられることを特徴とすることができる。そのような実施形態は、一方では、個々の要件に従って単純にかつ高い動作信頼性でノズルを提供することができることにより、特許文献4による構成で開示されている利点を利用することができ、しかし、別個の取付体によって弁の可動モジュールを取り付けることによって、またはばねデバイスによって弁の可動モジュールをノズル本体に押さえ付けることによって非常に高い密封性が保証され、特に液だれを最小限に低減することができる。
【0009】
下側ダイ及び上側ダイを有する成形機、特に型鍛造プレス機の少なくとも1つのダイを冷却潤滑するためのスプレーヘッドであって、2つの作業ストローク間に下側ダイと上側ダイとの間の作業空間内に導入され、上記のような二物質ノズルを少なくとも1つ備えるスプレーヘッドを、相応に単純にかつ高い動作信頼性で提供することができ、液だれに関して高い動作信頼性で動作させることもできる。
【0010】
また、噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズルによって霧化するための方法であって、混合物または噴霧媒体が、送給チャネル及び弁を通して二物質ノズルに送られ、二物質ノズルのノズル出口から噴出される方法が、弁の可動モジュールが取付体によって及び/またはばねデバイスによってノズル本体に対して押圧されることを特徴とする場合、二物質ノズルは、最も単純にかつ最も高い動作信頼性で提供することができ、液だれに関して高い動作信頼性で動作させることができる。
【0011】
可動モジュールを除いてノズル本体及び弁が一部片であることに本質的に基づいている特許文献4による解決策とは異なり、この例では、可動モジュールは、別個の取付体によってノズル本体に対して押圧される、またはノズル本体に取り付けられる。このようにして、ノズル本体を形成してから可動モジュールの導入を行うことができ、次いで可動モジュールを取付体によってノズル本体に取り付けることができるため、組立てがかなり単純化される。これに関連して、そのような取付けは、好ましくは、それでもモジュールの十分な移動性を可能にし、したがって、このモジュールは、弁の可動モジュールとしてのその所期の目的、例えば十分な開閉をそれでも実現することができることを理解されたい。
【0012】
これに関連して、製造時に、取付体を、別個のモジュールとして、ノズル本体またはスプレーヘッドの残りと同時に容易に形成することができ、したがって、最終的には、製造時に、補完的な方法ステップが必要ない、または最小限の追加の方法ステップのみが必要となる。
【0013】
特に、可動モジュールがノズル本体に接して位置し、部分領域内に封止を形成し、それにより、例えば、弁を通して混合物または噴霧媒体をノズル出口へ送る送給チャネルを、例えば制御流体が存在し得る構造空間から分離するように、取付体による可動モジュールの取付けまたは押圧を行うことができる。他方で、可動モジュールは、取付体によってノズル本体に比較的緩く取り付けられると共に、混合物または噴霧媒体を二物質ノズルに送給する送給チャネルを他のチャネルまたは空間から分離するのに必要となり得る任意の封止手段が別の位置に設けられることが考えられる。
【0014】
可動モジュールが、ばねデバイスによってノズル本体に押さえ付けられるまたは押圧される場合、ばね力及びばねデバイスの具体的な実施形態に応じて、弁の可動モジュールは、全ての動作状況において十分な封止でノズル本体に対して押圧することができ、したがって、生じ得る寸法精度または公差を、限定された形で考慮しさえすればよい。他方で、ばね力またはばねデバイスは、このようにして例えば制御流体による弁制御がサポートされるように、すなわち、この弁が、混合物または噴霧媒体を二物質ノズルに送給する送給チャネル内の圧力に反して独立して開閉することができるように選択することができる。このようにして、具体的な実施形態に応じて、例えば制御ラインのためのより小さい断面を使用することができ、または非常に実用的な制御方法を使用することができるという点で、弁の制御を単純化することができる。
【0015】
特に、ばねデバイスが特に3D印刷法で提供される場合、これらのばねデバイスは、弛緩状態でしか提供することができず、次いで組立てステップにおいてさらに張力をかけなければならないので、取付体によってばねデバイスをノズル本体に取り付けることができる。したがって、ばねデバイスと取付体とを一部片で構成し、ノズル本体への取付体の取付け中に、ばねデバイスもそこに取り付け、このプロセス中にばねデバイスを相応に偏倚することが考えられる。同様に、逆も考えられ、ばねデバイスをノズル本体と一部片で構成し、次いで、ここで可動モジュールがばねデバイスに固定されることにより、ばねデバイスを取付デバイスによって偏倚することも考えられる。
【0016】
これに関連して、取付体がばねデバイスの反力を吸収する場合には有利である。反力は、例えばガス圧ばねが使用される場合にはガス圧でもよい。同様に、反力は、機械的なばねが使用される場合には、直接作用するばね力でもよい。これに関連して、これらの機械的なばねが、別個のモジュールとして構成されるか、取付体と一部片で構成されるかは重要ではない。
【0017】
混合物または噴霧媒体を二物質ノズルに送給する送給チャネルと、二物質ノズルのノズル出口との間に配設された弁は、好ましくは、送給チャネル内の圧力によって開閉することができる。これは、特に、弁蓋または弁膜などの対応する可動モジュールが、対応するばね圧を反対側から印加される場合に実施することができる。このとき、このばね圧は、好ましくは、選択された噴霧圧において、混合物または噴霧媒体が二物質ノズルに送給される送給チャネル内で、選択された限度値を超える十分に高い圧力が存在し、それにより弁が開き、限度圧に満たない場合には弁が閉じるように選択される。このようにして、この送給チャネル内の圧力を制御することによって弁を制御することができ、したがって、開閉のために別個の弁によってさらに相応に制御しなければならない制御流体用の別個の送給チャネルをなくすことができる。必要であれば、例えば、制御流体の特定の圧力を使用して動作されるガス圧ばねをばねデバイスとして使用することもできる。混合物または噴霧媒体が二物質ノズルに送給される送給チャネル内の圧力が制御流体の圧力を超える場合、それに従って弁の可動モジュールが開かれ得る。対応する圧力が再びこの値よりも下がった場合には、弁は閉じる。
【0018】
必要であれば、切換式の制御流体の使用に加えて単に補助としてばねデバイスを使用することもでき、それにより、より低い圧力、したがってまたより少ない体積流のみが制御流体に関して必要となり、これは、ひいては、相応にさらに小さい制御流体用弁をもたらすこともできることを理解されたい。
【0019】
具体的な実装形態に応じて、例えば特に制御流体を使用するとき、気密性が十分高いようにまたは十分な封止で取付体をノズル本体に接続することが望ましい場合があり、これは、例えば3D印刷の場合には表面が比較的粗いため、再加工を要することがある。これに対する代替として、例えば封止リングなどの封止要素、または封止剤もしくは接着剤も、ノズル本体と取付体との間に配置することができ、このようにして十分に密封した封止を製造することができる。多くの具体的な実施形態では、取付体は、組立て後にノズル本体から取り外す必要がないので、これに関連して、破壊せずに再び解放することができない接着接続部を当然使用することができる。
【0020】
なお、取付体は、破壊せずに解放可能であるようにはノズル本体に接続されないことも考えられる。
【0021】
特に、弁及び取付体の可動モジュール、ならびに例えば封止リングなどの任意の接着剤または封止剤を除いて、二物質ノズル及び弁を一部片で構成することができる。これにより、特にまた3D印刷によって、二物質ノズルまたは対応するスプレーヘッドを特に単純に製造できる可能性が得られる。
【0022】
すでに上で説明したように、取付体がノズル本体に密封して接続される場合に有利である。これは、特に、制御流体を使用してまたは制御流体のガス圧に反して弁を切り換えることが想定される場合に当てはまり、したがって、ここで、取付体は、制御流体の漏出に対する封止効果を有することができる。特に、すでに上述したような封止剤または接着剤が、この目的のために働くことができる。
【0023】
好ましくは、可動モジュールは、弁の弁蓋であり、この蓋は、特に膜として構成することもできる。また、可動モジュールは、押下げばねでよく、この押下げばねによって、例えば弁蓋などのさらなる可動モジュールを、例えば、ノズル本体に対して押圧することができる。
【0024】
生じ得る液だれをできる限り効果的に防止する、またはそのような液だれのリスクを最小限に抑えるために、ノズル出口と弁との距離が、ノズル出口の最大直径の10倍以下である場合に有利である。このようにすると、弁が閉じているときには、弁とノズル出口との間に残留する水の量は比較的少ない。次いで、そのような少量の水は、例えば部分真空によって送り出すことができる。この部分真空は、例えば噴霧空気によってまたは二物質ノズルの第2の物質の流れによって二物質ノズル内でさらに提供することができる。次いで、さらなる液だれは、弁によって効果的に防止される、またはその影響が最小限に抑えられる。
【0025】
また、二物質ノズルが、弁とノズル出口との間で混合物または噴霧媒体用の直線経路を有する場合、液だれを防止することができ、または液だれのリスクを最小限に抑えることができ、したがって、弁とノズル出口との間の経路上で、噴霧媒体の生じ得る流体蓄積(望ましくない液だれを引き起こすことがある)のリスクを最小限に抑えることができる。
【0026】
総じて、個々の二物質ノズルができる限り小型に構成される場合に有利であり、それにより、スプレーの輪郭を非常に個別に選択することができる。また、そのような小型の構成は、二物質ノズルの単純な構成により、弁の密封封止における対応する利点を保証する。これに関連して、より大型の構成は、実質的により複雑な境界条件を受ける。したがって、ノズル出口の直径が20mmよりも小さい場合に有利である。これにより、相応して噴霧媒体出口の直径が好ましくは18mmよりも小さくなる。
【0027】
これに対する追加または代替として、ノズル出口の直径が0.5mmよりも大きい場合に有利である。なぜなら、より小型の構成の場合、十分に高い動作信頼性での二物質ノズルによる霧化を保証するために、より複雑なノズル構造が必要と考えられ得るからである。これに関連して、したがって、噴霧媒体出口が0.4mmよりも大きい直径を有する場合に有利である。
【0028】
上述した、または特許請求の範囲で述べる解決策の特徴は、適用可能であれば組み合わせることもでき、それに従って利点を累積的に実現することができることを理解されたい。
【0029】
本発明のさらなる利点、目的、及び特性を、例示的実施形態の以下の記述を使用して説明する。それらの例示的実施形態は、特に添付図面にも示す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】複数の二物質ノズルを備えるスプレーヘッドの斜視図である。
【
図2】
図1によるスプレーヘッドの二物質ノズルのうちの1つを通る概略断面図である。
【
図3】スプレーヘッドがスプレーアームに位置している状態での、型鍛造プレス機として構成された成形機の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すスプレーヘッド10は、上面12及び下面14を有し、このスプレーヘッド10は、一方で、2部品ハウジング70を有し、2部品ハウジング70は、第1の部品において上向きの二物質ノズル30及び対応する送給チャネル40、ならびに第2の部品において下向きの二物質ノズル30及び対応する送給チャネル40を備え、スプレーヘッド10は、他方で、スプレーヘッド脚部50を有し、スプレーヘッド脚部50は、複数の送給コネクタ55を備え、送給コネクタ55は、所要の制御性に従って、スプレーヘッド脚部50内で組み合わされ、ハウジング70から突出する。
【0032】
本発明の具体的な例示的実施形態において、送給チャネル40は、噴霧媒体チャネル45、噴霧空気チャネル46、または制御チャネル47として働き(
図2を参照)、スプレーヘッド脚部50において、制御チャネル47と噴霧空気チャネル46とは、それぞれハウジング70の上部及びハウジング70の下部に関して送給コネクタ55内で組み合わせられ、噴霧媒体チャネル45はそれぞれ、送給コネクタ55として個別に延出され、したがって、これらの噴霧媒体チャネル45は、個別に、別個の弁の制御下で、噴霧媒体圧を印加され得る。
【0033】
ハウジング17の2つの部品はそれぞれ、本質的に半円形の霧化ノズル80を有し、この霧化ノズル80は、過度な高温に晒された場合にスプレーヘッド10を保護する働きをする。
【0034】
個々の二物質ノズル30はそれぞれ、ラバルノズル31として構成され、一部片ノズル本体32を備え、一部片ノズル本体32は、それぞれ、ラバルノズル31の噴霧空気出口33及び噴霧媒体出口34を形成し、一部片で送給チャネル40に移行し、送給チャネル40は、それぞれ噴霧媒体チャネル45、噴霧空気チャネル46、及び制御チャネル47を備える。これに関して、噴霧空気チャネル46と制御チャネル47はそれぞれ、スプレーヘッド10内で組み合わされる。
【0035】
ノズル本体32に、それぞれ1つの弁60が形成され、この弁は、膜タイプの弁蓋65を有し、この弁蓋65は、取付体61及びばねデバイス69によってノズル本体に対して押圧される、またはノズル本体に取り付けられる。
【0036】
取付体61とノズル本体32との間に封止リング62が設けられ、それにより、取付体61は、一方では、制御チャネル47を閉鎖して封止を形成し、結果として、ガスばねのように作用するばねデバイス69を提供し、他方では、弁蓋65を、弁蓋65の外側でノズル本体32に対して密封して押圧する。
【0037】
ここで、噴霧媒体チャネル45内の圧力が制御チャネル47内の圧力を超える場合、弁蓋65は、ばねデバイス69のガス圧に反して開く。この圧力が相応に低下されると、弁60は、制御チャネル47内またはばねデバイス69内のより高い圧力によって閉じる。
【0038】
ガス圧ばねとしてのばねデバイス69の構成の代わりに、例えば、従来のコイルばねまたは板ばねをこの位置で使用することもできることを理解されたい。これに関連して、次いで、対応する機械的なばねは、例えば取付体61によって弁蓋65に対して押圧することができ、このようにしてばね力を提供する。これに関連して、次いで、取付体61と機械的なばねデバイスとを、互いに一部片で構成することもできることを理解されたい。
【0039】
変形形態では、制御チャネル47は、噴霧空気チャネル46から分離することもできる。次いで、好ましくは、噴霧媒体チャネル45を組み合わせて、1つの共通のまたは2つの送給コネクタ55を形成することができ、制御チャネル47をそれぞれ個々に延出させて、狙い通りに制御することができる。
【0040】
図2から分かるように、噴霧空気出口33は、直径36を有するノズル出口35も画定し、ノズル出口35と弁60との距離39は、ノズル出口35の直径36の約3倍である。具体的な実施形態に応じて、距離39は、ノズル出口35の直径36の0.5倍~10倍で選択することができる。
【0041】
スプレーヘッド10を、例えば、
図3に概略的に示す成形機24内で使用することができ、この成形機24は、型鍛造プレス機として構成され、2つのダイ20、すなわち下側ダイ21及び上側ダイ22を備え、これらのダイは、押圧シリンダ25によって互いに向かうように及び互いに離れるように移動させることができる。
【0042】
この目的のために、成形機24は、下側ヨーク26及び上側ヨーク27を備え、これらのヨーク26、27は、テンションロッド28によって互いに離隔され、テンションロッド28は、押圧シリンダ25が印加する押圧力に反して作用することができる。
【0043】
テンションロッド28に可動ヨーク29が案内され、この可動ヨーク29は、押圧のための押圧シリンダ25によって相応に移動させることができ、この可動ヨーク29には上側ダイ22が取り付けられ、それにより、上側ダイ22を、作業ストローク毎に、下側ヨーク26に配置された下側ダイ21に対して、押圧効果を伴って下降させることができる。
【0044】
明らかに分かるように、このとき、2つの作業ストローク間に、上側ダイ22と下側ダイ21との間に作業空間23が生じる。
【0045】
具体的な実施形態に応じて、よく知られているように、特に被加工物が常に繰り返して製造されるとき、ツール、特にダイ20を潤滑及び/または送風して、適切な機能を保証しなければならない。
【0046】
ここで、スプレーアーム18によって作業空間23内に導入することができるスプレーヘッド10が、この目的のために働く。
【符号の説明】
【0047】
10 スプレーヘッド
12 上面
14 下面
18 スプレーアーム
20 ダイ
21 下側ダイ
22 上側ダイ
23 作業空間
24 成形機
25 押圧シリンダ
26 下側ヨーク
27 上側ヨーク
28 テンションロッド
29 可動ヨーク
30 二物質ノズル(例として参照符号を付す)
31 ラバルノズル
32 ノズル本体
33 噴霧空気出口
34 噴霧媒体出口
35 ノズル出口
36 ノズル出口35の直径
39 ノズル出口35と弁60との距離
40 送給チャネル(例として参照符号を付す)
45 噴霧媒体チャネル
46 噴霧空気チャネル
47 制御チャネル
50 スプレーヘッド脚部
55 送給コネクタ
60 弁
61 取付体
62 封止リング
65 弁蓋
69 ばねデバイス
70 ハウジング
80 霧化ノズル
【手続補正書】
【提出日】2019-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧媒体と噴霧空気との混合物を霧化する二物質ノズル(30)であって、少なくとも1つの送給チャネル(40)に接続され、前記少なくとも1つの送給チャネル(40)を通して、前記混合物または前記噴霧媒体を前記二物質ノズル(30)に送給することができ、前記送給チャネル(40)と前記二物質ノズル(30)のノズル出口(35)との間に弁(60)が配設された、二物質ノズル(30)において、
前記二物質ノズル(30)が、一部片で構成されて前記ノズル出口(35)を備えるノズル本体(32)を有し、前記弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によって前記ノズル本体
(32)に取り付けられ、
前記弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によって前記ノズル本体(32)に対して押圧され、及び/またはばねデバイス(69)によって前記ノズル本体(32)に押さえ付けられることを特徴とする、二物質ノズル(30)。
【請求項3】
噴霧媒体と噴霧空気との混合物を二物質ノズル(30)によって霧化するための方法であって、前記混合物または前記噴霧媒体が、送給チャネル(40)及び弁(60)を通して前記二物質ノズル(30)に送られ、前記二物質ノズル(30)のノズル出口(35)から噴出される方法において、
前記弁(60)の可動モジュールが、取付体(61)によって及び/またはばねデバイス(69)によって、前記ノズル本体(32)に対して押圧されることを特徴とする方法。
【請求項2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
特許文献3によって開示されるスプレーヘッドは、ここでは個々の二物質ノズルを個々に及び個別に調節することができるので、高い融通性を可能にする。特許文献5で開示されているスプレーヘッドでも二物質ノズルが備えられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公告第102006004107号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19511272号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/217212号明細書
【特許文献4】PCT/DE2016/100316号
【特許文献5】仏国特許発明第2115663号明細書
【国際調査報告】