(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ネットワークにおけるフェイル・セーフ・ノードを促進するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20250212BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20250212BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W76/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519470
(86)(22)【出願日】2023-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 IB2023050055
(87)【国際公開番号】W WO2023139439
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202241003084
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522130748
【氏名又は名称】ラディシス インディア プライベート リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャリパディ ゴピクリシュナ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、3GPP規定の無線リソース制御(RRC)T310(無線リンク障害タイマ)、N310(無線リンク障害カウンタ)、T311(無線リンク再確立タイマ)、N311(無線リンク再確立カウンタ)タイマおよび関連するカウンタを利用して、L1が、T310およびT311タイマの合計の合計期間内に、例えば、典型的には、L1SW例外イベントに続いて100ミリ秒以内に回復することを可能にすることによって、ネットワークにおけるフェイル・セーフの可能性を促進するための効率的で信頼性の高いシステムおよび方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイル・セーフ・ノードを保証することによって、セル途絶および主要業績評価指標(KPI)劣化を最小限に抑えるシステムであって、前記システムは、
セルを備え、
ネットワークに通信可能に結合された複数のユーザ機器(UE)と、
前記ネットワーク内の1つまたは複数の電子デバイス(gnode)であって、前記複数のユーザ機器に通信可能に結合された通信チャネルを介して、情報の作成、受信、および送信のいずれかまたは組合せを実行するように構成されている、1つまたは複数の電子デバイスと、
前記1つまたは複数のgnodeに通信可能に結合された1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータであって、ネットワークのデータリンク層に関連付けられた層2(L2)モジュールから受信した事前定義された通過時間間隔(TTI)ごとに受信したアップリンクおよびダウンリンク構成命令に従って、通信を介して受信した前記情報を、前記ネットワークの物理(PHY)層に関連付けられた層1(L1)モジュールによって処理するように構成される、前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータと、
を含み、
前記L1モジュールは、メモリに格納された一連の実行可能命令を実行するプロセッサをさらに含み、前記実行可能命令の実行時に、前記プロセッサはL1層に、
前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータによって受信された前記情報の1つまたは複数の不一致を監視することと、
前記1つまたは複数の不一致から、前記L2モジュールから受信した範囲外の属性、または、前記L1モジュールによって前記事前定義されたTTIにおいて前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに渡された予期しない属性に関連する属性のセットであって、前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータが過剰なサイクルを使用して前記情報の処理を完了するか、またはまったく完了しない、属性のセットを抽出することと、
抽出された前記属性のセットに基づいて、前記ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよび前記ハードウェア・アクセラレータのコアのいずれかまたは組合せをリセットすることと、
を実行させ、
前記リセットは、事前定義された途絶時間間隔が、前記ネットワークに結合された無線リンク障害タイマ(T310)タイマに関連付けられた満了時間未満になるように、前記事前定義された途絶時間間隔をとり、
前記ハードウェア・アクセラレータ内の前記1つまたは複数のキューおよび前記ハードウェア・アクセラレータの前記コアのいずれかまたは組合せをリセットすることは、前記L1モジュールによるセル再始動のための要求応答通信を前記L2モジュールと同時に事前定義された時間間隔にわたって実行することと並行して実行され、前記セル再始動のための要求応答通信は、前記L2モジュールにエラー指示メッセージを送信することを含み、
前記L2モジュールは、前記ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューと前記ハードウェア・アクセラレータの前記コアとの前記組合せが再始動されるまで、前記L1モジュールの機能を非アクティブ化し、
前記セル内の前記複数のUEは、前記事前定義された途絶時間間隔が前記T310タイマの満了時間未満であるため、無線リソース接続(RRC)接続状態に留まるように構成されている、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記ネットワークに接続された前記複数のUEは、第2の時間間隔で無線リンク障害を経験し、前記第2の時間間隔の時間は、前記事前定義された途絶時間間隔の時間よりも短い、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワークに接続された複数のUEは、RRC休止状態に移行しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記要求応答通信は、リアルタイム・ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)処理チェーンの停止、およびL1モジュールの実行状態から休止状態への移行をさらに含み、前記L1モジュールは、物理停止応答メッセージで前記L2モジュールに応答する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記要求応答通信は、前記L2モジュールによる前記L1モジュールの非アクティブ化をさらに含み、前記L1モジュールは、システムフレーム番号(SFN)のチックからL2スケジューラを継続し続けるためのSLOT表示を送信することと、前記複数のUEおよび前記複数のUEに関連する複数のデータベースに関連する1つまたは複数のコンテキストをL2モジュールにクリアさせないことと、のいずれかまたは組合せを実行し続ける、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記要求応答通信は、前記L2モジュールによって、1つまたは複数の事前定義されたセル属性を有する新しいセル構成要求を送信することをさらに含み、前記1つまたは複数の事前定義されたセル属性は、前記L1モジュールを最初に構成するために使用される前記属性に関連付けられている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記要求応答通信は、前記L1モジュールの前記DLおよび前記UL処理チェーンを構成して、構成済み状態に移行することを含み、前記L1モジュールは、構成済み状態に移行している前記L2モジュール・ポストにセル構成応答メッセージを送信する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記要求応答通信は、L2モジュールによってPHY開始メッセージを送信して、前記SLOT表示から得られる所定のSFN(システムフレーム番号)で前記セルを再開することを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記要求応答通信は、前記L1モジュールによって、前記複数のデータベースをリセットして、前記リアルタイム・DLおよびUL処理チェーンを再開し、次いで、L1モジュールが実行状態に移行した後に、PHY応答メッセージを前記L2モジュールに送信することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記セル再始動のための要求応答通信の前記事前定義された時間間隔は、前記事前定義された途絶時間間隔以下である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
フェイル・セーフ・ノードを保証することによってセル途絶および主要業績評価指標(KPI)劣化を最小限に抑える方法であって、前記方法は、
1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータによって受信された情報の1つまたは複数の不一致を監視するステップであって、前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータは、1つまたは複数の電子デバイス(gnode)に通信可能に結合されており、前記gnodeは、複数のユーザ機器に通信可能に結合された通信チャネルを介して情報を作成し、受信し、送信する、のいずれかまたは組合せを実行するように構成されており、
前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータは、ネットワークのデータリンク層に関連付けられた層2(L2)モジュールから受信された事前定義された通過時間間隔(TTI)ごとに受信されたアップリンクおよびダウンリンク構成命令に従って、通信を介して受信された前記情報を、前記ネットワークの物理(PHY)層に関連付けられた層1(L1)モジュールによって処理するように構成され、前記L1モジュールは、メモリに格納された実行可能命令のセットを実行するプロセッサをさらに備える、ステップと、
前記1つまたは複数の不一致から、前記L2モジュールから受信した範囲外の属性、または、前記L1モジュールによって前記事前定義されたTTI内の前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに渡された予期しない属性に関連する属性のセットであって、前記1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータが過剰なサイクルを使用して前記情報の処理を完了するか、またはまったく完了しない、属性のセットを抽出するステップと、
前記抽出された属性のセットに基づいて、前記ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよび前記ハードウェア・アクセラレータのコアのいずれかまたは組合せをリセットするステップと、
を含み、
前記リセットは、事前定義された途絶時間間隔が前記ネットワークに結合された無線リンク障害タイマ(T310)タイマに関連付けられた満了時間未満になるように、前記事前定義された途絶時間間隔をとり、
前記ハードウェア・アクセラレータ内の前記1つまたは複数のキューおよび前記ハードウェア・アクセラレータの前記コアの前記いずれかまたは組合せをリセットするステップは、前記L1モジュールによる前記L2モジュールとの要求応答通信を事前定義された時間間隔にわたって同時に実行することと並行して実行され、セル再始動のための前記要求応答通信は、前記L2モジュールにエラー表示メッセージを送信することを含み、
前記L2モジュールは、前記ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューと前記ハードウェア・アクセラレータの前記コアとの前記組合せが再始動されるまで、前記L1モジュールの機能を非アクティブ化し、
前記セル内の前記複数のUEは、前記事前定義された途絶時間間隔が前記T310タイマの前記満了時間未満であるため、無線リソース接続(RRC)接続状態のままであるように構成される、
方法。
【請求項12】
前記ネットワークに接続された前記複数のUEは、第2の時間間隔にわたって無線リンク障害を経験し、前記第2の時間間隔の時間は、前記事前定義された途絶時間間隔の時間よりも短い、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワークに接続された前記複数のUEはRRC休止状態にならない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記要求応答通信は、リアルタイム・ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)処理チェーンの停止、およびL1モジュールの実行状態から休止状態への移行をさらに含み、前記L1モジュールは、物理停止応答メッセージで前記L2モジュールに応答する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記要求応答通信は、前記L2モジュールによる前記L1モジュールの非アクティブ化をさらに含み、前記L1モジュールは、方法フレーム番号(SFN)のチックからL2スケジューラを継続し続けるためのSLOT表示を送信することと、L2モジュールに、前記複数のUEおよび前記複数のUEに関連する複数のデータベースに関連する1つまたは複数のコンテキストをクリアさせないことと、のいずれかまたは組合せを実行し続ける、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記要求応答通信は、前記L2モジュールによって、1つまたは複数の事前定義されたセル属性を有する新しいセル構成要求を送信することを含み、前記1つまたは複数の事前定義されたセル属性は、前記L1モジュールを最初に構成するために使用された前記属性に関連付けられている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記要求応答通信は、前記L1モジュールの前記DLおよび前記UL処理チェーンを構成することと、前記L1モジュールを構成済み状態に移行させることとを含み、前記L1モジュールは、セル構成応答メッセージを、前記構成済み状態に移行する前記L2モジュール・ポストに送信する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記要求応答通信は、前記L2モジュールによって、前記SLOT表示から得られた所定のSFN(Method Frame Number)で前記セルを再始動するためにPHY始動メッセージを送信することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記要求応答通信は、前記L1モジュールによって、前記複数のデータベースをリセットすることをさらに含み、前記リアルタイム・DLおよびUL処理チェーンを再開し、その後、L1モジュールが実行状態に移行するのに続いて、PHY応答メッセージを前記L2モジュールに送信する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記セル再始動のための要求応答通信の前記事前定義された時間間隔は、前記事前定義された途絶時間間隔以下である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、電気通信の展開に関する。より具体的には、本開示は、ネットワークにおけるフェイル・セーフの可能性を促進するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の関連技術の説明は、開示の分野に関する背景情報を提供することを意図している。本節は、本開示のさまざまな特徴に関連し得る当技術分野の特定の態様を含み得る。しかしながら、本節は、本開示に関する読者の理解を深めるためにのみ使用され、先行技術の承認としてではないと理解されるべきである。
【0003】
ワイヤレス通信システムは、少なくとも1つの無線ユニットに結合されたgNodeBデジタル・ユニット(DU:Digital Unit)で構成されており、これを介してgNodeBは、無線ユニットのカバレッジエリア内でユーザ機器(UE:user equipment)との間でワイヤレス無線周波数信号を送受信する。デジタル・ユニットには、5Gワイヤレス標準プロトコル・スタックの層1(L1:Layer1)、層2(L2:Layer2)および層3(L3:Layer3)プロトコルが格納されている。稼働中のネットワークに展開されるこのようなワイヤレス通信システムでは、gNode-B/コアネットワークサブシステムによって2つの主要な基準が満たされる必要がある。基準は、(a)ファイブナインの基準としてよく引用される高可用性、つまり99.999%の可用性、および(b)低いgNodeBダウンタイム、例えば21分/年/gNodeBである。また、3Gパートナーシップ・プロジェクト仕様(3GPP:3G Partnership Project)によって規定されたネットワークの主要業績評価指標(KPI:key performance indicators)、例えば、通話切断率<0.1%;通話成功率>99.5%なども、gNodeBの他の機器製造業者(OEM:Other Equipment Manufacturers)によるネットワークオペレータのサービスレベル合意(SLA:Service Level Agreements)として満たされなければならない。
【0004】
最新技術では、L1ソフトウェア(L1SW)が予期しないソフトウェア・エラーに遭遇した場合、ソフトウェアはアサートされてクラッシュし、その結果、L1SWを駆動する層2ソフトウェア(L2SW)がL1SWから周期的なハートビートを受信しない場合、L2SWは層3ソフトウェア(L3SW)と通信してセル送受信を停止し、最終的にL1SW、L2SWおよびL3SWを格納するDU全体が再起動または再始動する。通常、これには数分程度かかり、この間、稼働中のネットワークでサービスが途絶し、ネットワークはその地理的領域でサービスが停止していると見なされる。最新技術では、予期しないL1SWイベントが発生すると、L1SWがアサート状態になり、L1SWがクラッシュする。連続するTTI(Transmission Time Interval)、例えば15個のTTIに対してL1SWから応答がない場合、L2SWは、何かが異常であると認識し、次いでL3SWに通知する。L3SWは、セルがダウンしていることをコアネットワークに通知し、コアネットワークはセルを削除して、セルを再始動することができる。予期しないL1SWイベントが発生してからセルを再起動するまでの時間は、通常、数秒かかる。その結果、構成された3GPPタイマ、T310およびT311タイマがUEで起動(タイムアウト)し、すべてのUEが休止状態になり、通話が切断され、ネットワークKPIが著しく損なわれる。
【0005】
通常、5GワイヤレスL1プロトコル・スタックの一部は、例えば、DL処理チェーンにおける低密度パリティ検査(LDPC:Low-Density Parity Check)およびレート・マッチング、ならびにUL処理チェーンにおけるLDPCおよびレート・デマッチング動作を実行するハードウェア・アクセラレータにおいて実装される。このアーキテクチャにより、上記の計算集約型操作を、ソフトウェアで行うのではなく、時間効率のためにハードウェア・アクセラレータにオフロードできる。ハードウェア・アクセラレータは、L2SWから0.5ミリ秒TTIごとに受信されるDL構成要求およびUL構成要求メッセージに従って、L1SWによって提供される構成で駆動される。L2SWから受信した範囲外の属性、またはTTIでL1SWからハードウェア・アクセラレータに渡された予期しない属性がある場合、ハードウェア・アクセラレータが完了するまでにかなりのサイクルがかかるか、まったく完了しない場合がある。最新技術のL1SW実装では、これによりL1SWがクラッシュし、L2SWが数TTIの間応答を受信せず、最終的にDUソフトウェアが再起動する可能性がある。gNodeBが再び動作可能になるまで数秒かかるため、ネットワークが途絶し、接続されているすべてのUEで通話が切断される。
【0006】
したがって、既存の先行技術の欠点を克服できるシステムおよび方法を提供することが当技術分野で必要とされている。
【0007】
本明細書の少なくとも1つの実施形態が満足する本開示の目的のいくつかは、本明細書の以下に列挙する通りである。
【0008】
本開示の目的は、ノードがフェイル・セーフであるネットワークを構築することである。
【0009】
本開示の目的は、ネットワークKPIへの影響が可能な限り最小になるように、ネットワークの途絶時間を最小限にすることを容易にするシステムを提供することである。
【0010】
本開示の目的は、L1SWが高可用性を満たすことを可能にし、ライブ展開における予期しないL1SW例外に対するgNodeBの防御となる方法を提供することである。
【発明の概要】
【0011】
本節は、下段の発明を実施するための形態にさらに記述されている単純化された形式で一連の概念を紹介するために提供されている。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または範囲を特定することを意図するものではない。
【0012】
本開示の態様は、フェイル・セーフ・ノードを保証することによって、セル途絶および主要業績評価指標(KPI)劣化を最小限に抑えるシステムを提供する。システムは、セルを含むことができ、ネットワークに通信可能に結合された複数のユーザ機器(UE)と、複数のユーザ機器に通信可能に結合された通信チャネルを介して情報を作成、受信、および送信することのいずれかまたは組合せを実行するように構成されたネットワーク内の1つまたは複数の電子デバイス(gnode)と、1つまたは複数のgnodeに通信可能に結合された1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータとを特徴とする。1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータは、ネットワークに関連する層2(L2)モジュールから受信された事前定義された通過時間間隔(TTI)ごとに受信されたアップリンクおよびダウンリンク構成命令に従って、通信を介して受信された情報を処理するように、層1(L1)モジュールによって構成することができる。L1モジュールはネットワークの物理(PHY)層に関連付けられ、L2モジュールはネットワークのデータリンク層に関連付けられる。L1モジュールは、メモリに記憶された実行可能命令のセットを実行するプロセッサをさらに含むことができ、上記実行可能命令の実行時に、プロセッサは、1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータによって受信された情報の1つまたは複数の不一致をL1層に監視させ、1つまたは複数の不一致から、L2モジュールから受信した範囲外の属性、またはL1モジュールによって事前定義されたTTI内に1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに渡された予期しない属性に関連する属性のセットであって、1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータが過剰なサイクルを使用して情報の処理を完了するか、またはまったく完了しないようにする、属性のセットを抽出する。抽出された属性のセットに基づいて、L1モジュールは、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよびハードウェア・アクセラレータのコアのいずれかまたは組合せをリセットすることができる。リセットは、事前定義された途絶時間間隔が、ネットワークに接続された無線リンク障害タイマ(T310)タイマに関連付けられた有効期限よりも短くなるように、事前定義された途絶時間間隔をとり得る。ハードウェア・アクセラレータおよびハードウェア・アクセラレータのコア内の1つまたは複数のキューのいずれかまたは組合せをリセットすることは、L1モジュールによるL2モジュールとの要求応答通信を事前定義された時間間隔にわたって同時に実行することと並行して実行される。要求応答通信は、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューとハードウェア・アクセラレータのコアとの組合せが再始動されるまで、L2モジュールがL1モジュールの機能を非アクティブ化することができるように、L2モジュールにエラー・メッセージを送信することを含むことができる。さらに、セル内の複数のUEは、事前定義された途絶時間間隔がT310タイマの終了時間よりも短いので、無線リソース接続(RRC:radio resource connect)接続状態にあるように構成され得る。
【0013】
本開示の態様は、フェイル・セーフ・ノードを保証することによって、セル途絶および主要業績評価指標(KPI)劣化を最小限に抑える方法を提供する。本方法は、複数のユーザ機器に通信可能に結合された通信チャネルを介して情報の作成、受信、および送信のいずれかまたは組合せを実行するように構成された1つまたは複数の電子デバイス(gnode)に通信可能に結合された1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータによって受信された情報の1つまたは複数の不一致を監視するステップを含むことができる。1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータは、ネットワークに関連付けられた層2(L2)モジュールから受信された事前定義された通過時間間隔(TTI)ごとに受信されたアップリンクおよびダウンリンク構成命令に従って、通信を介して受信された情報を処理するように、層1(L1)モジュールによって構成される。L1モジュールはネットワークの物理(PHY)層に関連付けられ、L2モジュールはネットワークのデータリンク層に関連付けられる。本方法は、1つまたは複数の不一致から、L2モジュールから受信した範囲外の属性、またはL1モジュールによって事前定義されたTTI内の1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに渡された予期しない属性に関連する属性のセットであって、1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに、過剰なサイクルを使用して情報の処理を完了するか、またはまったく完了させない、属性のセットを抽出するステップをさらに含むことができる。抽出された属性のセットに基づいて、本方法は、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよびハードウェア・アクセラレータのコアのいずれかまたは組合せをリセットするステップを含むことができる。リセットは、事前定義された途絶時間間隔がネットワークに結合された無線リンク障害タイマ(T310)タイマに関連付けられた有効期限時間未満であるように事前定義された途絶時間間隔をとることができ、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューのいずれかまたは組合せおよびハードウェア・アクセラレータのコアをリセットすることは、事前定義された時間間隔の間、L1モジュールによるL2モジュールとの要求応答通信を同時に実行することと並行して実行され得る。要求応答通信は、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューとハードウェア・アクセラレータのコアとの組合せが再始動されるまでL2モジュールがL1モジュールの機能を非アクティブ化するように、L2モジュールにエラー・メッセージを送信することを含むことができ、セル内の複数のUEは、事前定義された途絶時間間隔がT310タイマの満了時間未満であるため、無線リソース接続(RRC)接続状態にあるように構成することができる。
【0014】
本明細書に組み込まれ、本発明の一部を構成する添付の図面は、開示された方法およびシステムの例示的な実施形態を示しており、異なる図面を通して同様の参照番号は同じ部分を指す。図面中の構成要素は、必ずしも原寸に比例するとは限らず、代わりに、本開示の原理を明確に例示することを重視する。一部の図は、ブロック図を使用して構成要素を示している場合があり、各構成要素の内部回路を表していない場合がある。そのような図面の発明が、電気部品、電子部品、またはそのような部品を実装するために一般的に使用される回路の発明を含むことは、当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の実施形態による、本開示の提案されたシステムが実装され得る、または本開示の提案されたシステムを用いて実施され得る例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、提案された方法に関連するフロー図の例示的な表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記は、本発明の以下のより詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0017】
以下の説明では、説明を目的として、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、さまざまな具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。以下に説明するいくつかの特徴は、それぞれ互いに独立して、または他の特徴の任意の組合せで使用することができる。個々の機能は、上記の問題のすべてに対応していない場合や、上記の問題の一部のみに対応している場合がある。上記の問題のいくつかは、本明細書に記載されている機能のいずれによっても完全に対処されない場合がある。
【0018】
以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本開示の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、例示的な実施形態を実施するための有効な説明を当業者に提供する。説明した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置にさまざまな変更を加えることができることを理解されたい。
【0019】
本発明は、3GPP規定の無線リソース制御(RRC)T310(無線リンク障害タイマ)、N310(無線リンク障害カウンタ)、T311(無線リンク再確立タイマ)、N311(無線リンク再確立カウンタ)タイマおよび関連カウンタを利用して、L1が、T310およびT311タイマの合計の合計期間内に、例えば、典型的には、L1SW例外イベントに続いて100ミリ秒以内に回復することを可能にすることによって、ネットワークにおけるフェイル・セーフの可能性を促進するための効率的で信頼性の高いシステムおよび方法を提供する。
【0020】
図1を参照すると、本開示の実施形態にしたがって、本開示のシステム(110)を実装することができる、ワイヤレスネットワーク(100)のための例示的なネットワーク・アーキテクチャ(ネットワーク・アーキテクチャ(100)とも称される)が示されている。図示のように、例示的なネットワーク・アーキテクチャ(100)は、無線リソース制御(RRC)、T310(無線リンク障害タイマ)、N310(無線リンク障害カウンタ)、T311(無線リンク再確立タイマ)、N311(無線リンク再確立カウンタ)を備えることができる。システム(110)は、第2のコンピューティングデバイス(104-1、104-2、…104-N)(交換可能に基地局(104-1、104-2、…104-N)と呼ばれ、個別に基地局(104)と呼ばれ、集合的に基地局(104)と呼ばれる)を介して複数の第1のコンピューティングデバイス(102-1、102-2、102-3…102-N)-交換可能にユーザ機器(102-1、102-2、102-3…102-N)および(個別にユーザ機器(UE)(102)と呼ばれ、集合的にUE(102)と呼ばれる)に通信可能に結合されてもよく、システム(110)は、オープン無線アクセスネットワーク無線ユニット(O-RU)(114)を介して基地局(104)にさらに動作可能に結合されてもよい。システム(110)はさらに、1つまたは複数の第3のコンピューティングデバイス(106)(交換可能にgNB分散ユニット(DU:distributed units)またはgNBDU106と呼ばれる)、および1つまたは複数の第4のコンピューティングデバイス(116)(交換可能にgNB制御ユニット(CU:control units)またはgNBCU116と呼ばれる)に通信可能に結合され得る。1つまたは複数の第4のコンピューティングデバイス(116)は、複数の第5のコンピューティングデバイス(118)(以下、交換可能に第1のノード(118)と呼ぶ)に通信可能に結合され得る。1つまたは複数の第3のコンピューティングデバイス(106)またはgNBDU(106)は、衛星または任意の非地上配備であってもよいが、これらに限定されない。
【0021】
例示的な実装では、無線リンク障害タイマ(T310とも呼ばれる)の事前定義された満了時間は、少なくとも100ミリ秒であり得る。この瞬間的な時間のために、セルに接続され、さまざまなトラフィック・プロファイルでスループットを実行しているUE(102)は、予期しないL1ソフトウェア(SW)イベントが発生した場合、瞬間的な中断を経験する可能性があり、これにより、100ミリ秒以内にUE(102)によってRadio-link-Failure(RLF)が経験される。RLF期間はT310タイマ期間内(通常は100ミリ秒)であるため、UE(102)はRRC接続状態のままで、RRC休止状態にはならない。したがって、アクティブ化されたUEのいずれも接続を切断せず、一時的な(100ミリ秒)の途絶とスループットの損失のみが発生する。
【0022】
システムは、1つまたは複数のgnode(106)に通信可能に結合された1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータをさらに含むことができ、ネットワークに関連する層2(L2)モジュールから受信された事前定義された通過時間間隔(TTI)ごとに受信されたアップリンクおよびダウンリンク構成命令に従って、通信チャネルを介して受信された情報を処理するように層1(L1)モジュールによって構成することができる。L1モジュールはネットワークの物理(PHY)層に関連付けられ、L2モジュールはネットワークのデータリンク層に関連付けられる。L1モジュールは、メモリに格納された実行可能命令のセットを実行するプロセッサをさらに備え、その実行時に、プロセッサは、1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータによって受信された情報の1つまたは複数の不一致をL1層に監視させる。次いで、L1モジュールは、1つまたは複数の不一致から、L2モジュールから受信した範囲外の属性、またはL1モジュールによって1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータに事前定義されたTTIで渡された予期しない属性に関連する属性のセットであって、1つまたは複数のハードウェア・アクセラレータが、過剰なサイクルを使用して情報の処理を完了するか、またはまったく完了しない、属性のセットを抽出することができる。抽出された属性のセットに基づいて、L1モジュールは、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよびハードウェア・アクセラレータ・コアのコアのいずれかまたは組合せをリセットすることができる。リセットは、事前定義された途絶時間間隔がネットワークに結合されたT310タイマに関連する満了時間未満になるように、事前定義された途絶時間間隔を取得することができ、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューおよびハードウェア・アクセラレータのコアのいずれかまたは組合せをリセットすることは、L1モジュールによるL2モジュールとの要求応答通信を事前定義された時間間隔にわたって同時に実行することと並行して実行することができる。要求応答通信は、L2モジュールにエラー・メッセージを送信することを含んでもよく、L2モジュールは、ハードウェア・アクセラレータ内の1つまたは複数のキューとハードウェア・アクセラレータ・コアのコアとの組合せが再始動されるまで、L1モジュールの機能を非アクティブ化することができる。セル内の複数のUEは、事前定義された途絶時間間隔がT310タイマの満了時間未満であるため、無線リソース接続(RRC)接続状態にあるように構成され得る。
【0023】
例示的な実施形態では、ネットワークに接続された複数のUEは、第2の時間間隔にわたって無線リンク障害を経験し、第2の時間間隔の時間は、事前定義された途絶時間間隔の時間よりも短い。
【0024】
例示的な実施形態において、ネットワークに接続された複数のUEは、RRC休止状態に移行しない。
【0025】
例示的実施形態では、要求応答通信は、リアルタイム・ダウンリンク(DL:down-link)、アップリンク(UL:uplink)処理チェーンを停止することと、L1モジュールを実行状態から休止状態に移行することと、をさらに含む。L1モジュールは、物理停止応答メッセージでL2モジュールに応答する場合がある。要求応答はまた、L2モジュールによるL1モジュールの非アクティブ化を含み、L1モジュールは、システムフレーム番号(SFN:system frame number)のチック(ticking)からL2スケジューラを維持するためのSLOT表示を送信すること、L2モジュールに、複数のUEおよび複数のUEに関連する複数のデータベースに関連する1つまたは複数のコンテキストをクリアさせないこと、のいずれかまたは組合せを実行し続ける。次いで、L2モジュールは、1つまたは複数の事前定義されたセル属性を有する新しいセル構成要求を送信することができ、1つまたは複数の事前定義されたセル属性は、L1モジュールを最初に構成するために使用された属性に関連付けられる。次いで、L1モジュールは、L1モジュールのDLおよびUL処理チェーンを構成し、構成済み状態に移行することができ、L1モジュールは、セル構成応答メッセージを構成済み状態に移行するL2モジュール・ポストに送信する。
【0026】
要求応答通信は、SLOT表示から得られた所定のSFN(システムフレーム番号)でセルを再始動するために、L2モジュールによってPHY始動メッセージを送信することを含む。次いで、L1モジュールは、複数のデータベースをリセットすることができ、リアルタイムのDLおよびUL処理チェーンを再開することができ、その後、PHY応答メッセージをL2モジュールに送信することができる。
【0027】
例示的な実施形態では、システム(110)は、事前定義された満了時間T310と第2の所定時間(T311)のタイマのタイムアウト期間とを合わせた時間内に要求応答通信を完了する。要求応答通信の事前定義された時間間隔は、事前定義された途絶時間間隔以下である。
【0028】
例示的な実施形態では、システム(110)は、低速のファイルI/O動作であるためにロードごとに事前定義された数百マイクロ秒を要し、代わりにセルが最初にアップされたときに最初にロードされたルックアップ・テーブルをセキュアメモリに保存し、それらをL1SW動作のためにメモリから検索するファイル入力/出力(ファイルI/O)動作から、5GL1ワイヤレス・プロトコルによって定義されるがこれに限定されない複数の物理信号のための1つまたは複数のルックアップ・テーブルに関連する事前定義されたチャネルを再ロードすることを回避することができる。
【0029】
例示的な実施形態では、通信ネットワーク(108)は、限定ではなく一例として、1つまたは複数のメッセージ、パケット、信号、波、電圧または電流レベル、それらの何らかの組合せなどを、送信、受信、転送、生成、バッファ、格納、ルーティング、スイッチ、処理、またはそれらの組合せなどを行う1つまたは複数のノードを有する1つまたは複数のネットワークの少なくとも一部を含むことができる。ネットワークは、限定ではなく一例として、ワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク、インターネット、イントラネット、公衆ネットワーク、私設ネットワーク、パケット交換ネットワーク、回線交換ネットワーク、アドホックネットワーク、インフラストラクチャネットワーク、公衆交換電話網(PSTN:Public-Switched Telephone Network)、ケーブルネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、光ファイバネットワーク、およびそれらのいくつかの組合せのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0030】
図2は、本開示の一実施形態による、提案された方法に関連するフロー図の例示的な表現を示している。
【0031】
図示のように、提案された方法は、204において、L1SWにおいて予期しない状態に到達すること、または予期しないイベントもしくは状態における予期しない属性に遭遇することを含み得る複数のステップを含み、L1SWからL2SWにエラー表示メッセージが通知され、回復不能なエラー状態が発生したことをL2SWに示すため、L2SWがフェイル・セーフ防御手順を実行して、L1SWセルの送受信を新たに再開するためにセルクローズ処理を開始する必要がある。この処理では、L1SWは現在進行中のすべてのアップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)タスクを終了し、ULおよびDLの保留中のタスクを0.5ミリ秒(5G mu=1トポロジーの場合)通過時間間隔(TTI)にスケジュールしない。
【0032】
206において、本方法は、L2SWがL1SWからエラー表示メッセージを受信したときに、L1SWに停止メッセージを送信することを含むことができる。L1SWは、L2SWにサービスを提供するソフトウェア層であるため、L2SWはL1SWのマスタである。
【0033】
208において、本方法は、L1SWによって提供されるPHY停止サービスを実行することを含むことができ、すべてのアップリンクおよびダウンリンク処理タスクが閉じられ、L1SWは、その0.5ミリ秒TTIシステムフレーム番号以降から、L1ULおよびDL処理を潔く終了する。これに続いて、L1SWはPHY停止応答をL2SWに送信する。
【0034】
210において、本方法は、ステップ1で遭遇した予期しない状態からL1SWが完全にリセットされる可能性が高いように、L1SW、そのすべてのULおよびDL構造、コンテキスト、およびポインタによって再初期化することを含むことができる。そして、L1SWの状態が実行状態から休止状態に変更される。
【0035】
212において、本方法は、ステップ3~4でPHY停止を受信し、そのULおよびDL処理チェーンが停止された後でも、L1SWによって0.5ミリ秒のSLOT表示をL2SWに送信し続けることを含むことができる。これは、L1SWがタイミングマスタであり、L2SWタイミング(実行中または現在のシステムフレーム番号(SFN))およびユーザ機器(UE)タイミングが、ステップ10でセルが最終的に再始動されるときに同期し続けられるように、0.5ミリ秒のSLOT表示をタイミングチックとしてL2SWに提供しなければならないために必要である。
【0036】
212において、本方法は、ステップ1に遭遇したときにシステム内で現在接続されているUEのすべてのUEコンテキストをL2SWによって保持することと、L2SWがそのスケジューラをすべてのSLOT表示チックでチックし続けることと、を含むことができる。L1SWは動作を停止したが、T310タイマとT311タイマの合計が期限切れになるまで、すべてのUEコンテキストがL2SWでアクティブに維持される。一方、L2SWは新しい構成要求メッセージを送信して、最初にセルを構成するために使用されたのと同じセル属性でL1SWを構成する。
【0037】
214において、本方法は、L2SWからセル構成要求メッセージを受信すると、L1SWDLおよびUL処理チェーンを再度構成すること、ならびにL1SWによってそのソフトウェア状態を休止状態から構成済み状態に変更することを含むことができる。
【0038】
216において、本方法は、セルの構成が成功すると、L1SWによって、セル構成応答メッセージと呼ばれる応答メッセージをL2SWに送信することを含むことができる。
【0039】
218において、本方法は、成功したセル構成応答メッセージを受信すると、L2SWによって現在実行中のSFNでL1SWを開始することを、L1にPHY開始メッセージを送信することによって含むことができる。
【0040】
220において、本方法は、DLおよびUL処理チェーンとそれに関連するタスクコンテキストおよびポインタをリセットし、PHY開始メッセージを受信すると、L1SWによって0.5ミリ秒のTTIごとにDL送信パケットとUL受信パケットを処理する準備をすることを含むことができる。
【0041】
222において、本方法は、L1SWによって、L1SWが現在実行状態にあり、L2SWからそれぞれ受信されたDL構成要求およびUL構成要求の構成メッセージに従って、0.5ミリ秒のTTIごとにDL送信パケットおよびUL受信パケットの処理を開始することを示すPHY応答メッセージを送信することをさらに含むことができる。
【0042】
例示的な実施形態では、属性はL1SWによってチェックすることができ、それがエラーであるか、またはHWアクセラレータが完了するのに非常に多くのサイクルを必要とする他の予期しないケースに遭遇した場合、ハードウェア・アクセラレータとハードウェア・アクセラレータ・コアのキューをリセットし、再始動する202のステップがL1SWによってトリガされる。ステップ0のこのリセットは通常、ステップ202~220が並行して実行されている100ミリ秒以内に完了する。したがって、セルは100ミリ秒(T310タイマとT311タイマの合計)の途絶時間内に回復されるため、上記の方法で説明したように、セル途絶とKPIの低下に関する影響を最小限に抑えることができる。
【0043】
したがって、本開示は、ネットワーク内のフェイル・セーフ法を容易にし、セル途絶およびKPI劣化に関して最小の影響を保証する独自の効率的なシステムを提供する。
【0044】
本明細書では好ましい実施形態にかなりの重点が置かれているが、本発明の原理から逸脱することなく、多くの実施形態を行うことができ、好ましい実施形態において多くの変更を行うことができることを理解されたい。本発明の好ましい実施形態におけるこれらおよび他の変更は、本明細書の開示から当業者には明らかであり、前述の説明事項は、本発明を限定するものではなく、単に例示するものとして実施されるべきであることが明確に理解されるべきである。
【0045】
本開示は、ノードがフェイル・セーフであるネットワークを構築するための手法を提供する。
【0046】
本開示は、ネットワークKPIが可能な限り最小限の影響を受けるように、最小限のネットワーク途絶時間を容易にするシステムを提供する。
【0047】
本開示は、L1SWが高可用性を満たすことを可能にし、ライブ配置における予期しないL1SW例外に対するgNodeBの防御である方法を提供する。
【国際調査報告】