(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】スマートリピータのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20250212BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20250212BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20250212BHJP
H04B 17/24 20150101ALI20250212BHJP
H04B 17/318 20150101ALI20250212BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W16/28
H04W24/10
H04B17/24
H04B17/318
H04B7/06 956
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540712
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 FI2022050005
(87)【国際公開番号】W WO2023131738
(87)【国際公開日】2023-07-13
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】カリミデフコルディ アリ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ロム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェンセン シモン
(72)【発明者】
【氏名】オレセン ポウル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
方法であって、リピータによって、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、リピータによって、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを含む、方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのトランシーバとを備える装置であって、前記少なくとも1つのトランシーバは、
バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信するように構成されており、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、前記バックホールリンクおよび前記アクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
同じ空間フィルタを用いて前記バックホールリンクを介して前記アクセスポイントから第1の参照信号セットを受信し、
第2の参照信号セットを、異なる空間フィルタを用いて前記アクセスリンクを介して少なくとも1つの端末デバイスに送信するようにさらに構成されており、前記第2の参照信号セットは、前記第1の参照信号セットに対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクセスリンク情報は、前記第2の参照信号セットの受信電力、または、前記アクセスリンクのための前記空間フィルタの指示を含み、
前記少なくとも1つの空間フィルタ対は、前記アクセスリンク情報および前記第1の参照信号セットに少なくとも部分的に基づいて取得される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記アクセスリンクを介して前記第2の参照信号セットを送信するとき、前記第2の参照信号セットを等しい量で増幅するようにさらに構成されている、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の参照信号セットに対応する前記第2の参照信号セットは、
前記第1の参照信号セットの、前記アクセスリンクを介して前記第2の参照信号セットを送信するために使用される空間フィルタのセットへのマッピングを含み、
前記少なくとも1つの空間フィルタ対は、前記マッピングに少なくとも部分的に基づいて取得される、請求項2~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の参照信号セットの受信電力を示す第1の測定結果セットを取得し、
前記アクセスリンク情報から、前記第2の参照信号セットの受信電力を示す第2の測定結果セットを取得し、
前記第1の測定結果セットに基づいて前記第2の測定結果セットを補償するようにさらに構成されており、
前記少なくとも1つの空間フィルタ対は、前記補償された第2の測定結果セットに少なくとも部分的に基づいて取得される、請求項2~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介して前記アクセスポイントにレポートを送信するようにさらに構成されており、前記レポートは、前記第1の参照信号セットの受信電力を示す、請求項2~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介してバックホールリソース構成を受信するようにさらに構成されており、前記バックホールリソース構成は、前記第1の参照信号セットに使用される1つまたは複数の時間-周波数リソースを示す、請求項2~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介して前記アクセスポイントに機能情報を送信するようにさらに構成されており、前記機能情報は、バックホール・アクセス統合空間フィルタ改良の機能指示を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記取得された少なくとも1つの空間フィルタ対を介して、前記少なくとも1つの端末デバイスと通信するようにさらに構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記アクセスリンクのための前記空間フィルタの前記指示は、前記アクセスリンクにわたって使用される1つまたは複数の空間フィルタ、または、前記バックホールリンクと前記アクセスリンクとの間の空間フィルタの対を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数の参照信号は、チャネル状態情報参照信号CSI-RS、一次同期信号、二次同期信号、またはトラッキング参照信号TRSのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのトランシーバとを備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
リピータのアクセスリンク情報を取得するように構成されており、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含み、
前記少なくとも1つのトランシーバは、
バックホールリンクを介して前記リピータに前記アクセスリンク情報を送信するように構成されている、装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介して前記リピータに第1の参照信号セットを送信することであって、前記第1の参照信号セットは、同じ空間フィルタを用いて送信される、送信することと、
前記バックホールリンクを介して送信される前記第1の参照信号セットの受信電力を示す第1の測定結果セットを受信することと、
前記アクセスリンクを介して前記リピータによって中継される第2の参照信号セットの受信電力を示す第2の測定結果セットを受信することであって、前記第2の参照信号セットは、前記第1の参照信号セットに対応する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記アクセスリンク情報は、前記第1の測定結果セットおよび前記第2の測定結果セットに少なくとも部分的に基づいて取得される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の測定結果セットに基づいて前記第2の測定結果セットを補償するようにさらに構成されている、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介して前記リピータにバックホールリソース構成を送信するようにさらに構成されており、前記バックホールリソース構成は、前記第1の参照信号セットに使用される1つまたは複数の時間-周波数リソースを示す、請求項14~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのトランシーバは、
前記バックホールリンクを介して前記リピータから機能情報を受信するようにさらに構成されており、前記機能情報は、バックホール・アクセス統合空間フィルタ改良の機能指示を含む、請求項13~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記1つまたは複数の参照信号は、チャネル状態情報参照信号CSI-RS、一次同期信号、二次同期信号、またはトラッキング参照信号TRSのうちの少なくとも1つを含む、請求項13~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
リピータによって、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、
前記リピータによって、前記アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、前記バックホールリンクおよび前記アクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することと
を含む、方法。
【請求項21】
アクセスポイントによって、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、
前記アクセスポイントによって、バックホールリンクを介して前記リピータに前記アクセスリンク情報を送信することと
を含む、方法。
【請求項22】
装置に、少なくとも、
バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、
前記アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、前記バックホールリンクおよび前記アクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することと
を実施させるための命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項23】
装置に、少なくとも、
リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、前記アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、
バックホールリンクを介して前記リピータに前記アクセスリンク情報を送信することと
を実施させるための命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の例示的な実施形態は、ワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークにおいて、ワイヤレス信号の送信および受信は、信号品質を向上させ、近隣のノードにわたる干渉を低減し、より高いキャリア周波数の使用に起因する追加の伝播経路損失を補償するために、方向性空間フィルタ(ビーム)を介して実施される場合がある。端末デバイスとワイヤレス通信ネットワークのアクセスポイントとの間の信号を増幅および転送するために使用され得るリピータのための最適な空間フィルタ(ビーム)をどのように取得するかについて、課題がある。
【発明の概要】
【0003】
様々な例示的実施形態に求められる保護の範囲は、特許請求の範囲によって提示される。特許請求の範囲に入らない、本明細書に記載されている例示的な実施形態および特徴は、存在する場合、様々な例示的実施形態の理解に有用な例として解釈されるべきである。
【0004】
少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのトランシーバとを備える装置であって、少なくとも1つのトランシーバは、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信するように構成されており、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含み、少なくとも1つのプロセッサは、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得するように構成されている、装置。
【0005】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、装置に、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを行わせるように構成されている、装置が提供される。
【0006】
別の態様によれば、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを行うための手段を備える装置が提供される。
【0007】
別の態様によれば、リピータによって、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、リピータによって、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを含む方法が提供される。
【0008】
別の態様によれば、プログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令は、コンピューティング装置上で作動されると、コンピューティング装置に、少なくとも、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを実施させる、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0009】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを実施させるための命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0010】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを実施させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0011】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを実施させるためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0012】
少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのトランシーバとを備える装置であって、少なくとも1つのプロセッサは、リピータのアクセスリンク情報を取得するように構成されており、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含み、少なくとも1つのトランシーバは、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信するように構成されている、装置。
【0013】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、装置に、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを行わせるように構成されている、装置が提供される。
【0014】
別の態様によれば、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを行うための手段を備える装置が提供される。
【0015】
別の態様によれば、アクセスポイントによって、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、アクセスポイントによって、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを含む方法が提供される。
【0016】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを実施させるための命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0017】
別の態様によれば、プログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令は、コンピューティング装置上で作動されると、コンピューティング装置に、少なくとも、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを実施させる、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0018】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを実施させるためのプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0019】
別の態様によれば、装置に、少なくとも、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを実施させるためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0020】
別の態様によれば、少なくとも、リピータと、ワイヤレス通信ネットワークのアクセスポイントとを備えるシステムが提供される。アクセスポイントは、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを行うように構成されている。リピータは、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信し、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得するように構成されている。
【0021】
別の態様によれば、少なくとも、リピータと、ワイヤレス通信ネットワークのアクセスポイントとを備えるシステムが提供される。アクセスポイントは、リピータのアクセスリンク情報を取得することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、取得することと、バックホールリンクを介してリピータにアクセスリンク情報を送信することとを行うための手段を備える。リピータは、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信し、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得するための手段を備える。
【0022】
以下において、添付の図面を参照して様々な例示的実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】セルラ通信ネットワークの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】スマートリピータアーキテクチャの高レベル概略図である。
【
図5】アクセスポイントビーム改良の一例を示す図である。
【
図6】スマートリピータバックホールビーム改良の一例を示す図である。
【
図7】スマートリピータアクセスビーム選択の一例を示す図である。
【
図8】例示的な一実施形態による、単一の参照信号セットに対する同時ビーム改良手順を示す図である。
【
図9】いくつの例示的な実施形態によるシグナリングダイアグラムを示す図である。
【
図10】いくつの例示的な実施形態によるシグナリングダイアグラムを示す図である。
【
図11】いくつの例示的な実施形態によるフローチャートである。
【
図12】いくつの例示的な実施形態によるフローチャートである。
【
図13】いくつの例示的な実施形態による装置を示す図である。
【
図14】いくつの例示的な実施形態による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施形態は例示である。本明細書は、本文のいくつかの箇所において「一(an)」、「1つの(one)」、または「いくつかの(some)」実施形態を参照する場合があるが、これは必ずしも、各参照が同じ実施形態に対して行われること、または、特定の特徴が単一の実施形態のみに適用されることを意味するものではない。複数の異なる実施形態の単一の特徴が、他の実施形態を提供するために組み合わされる場合もある。
【0025】
以下において、例示的な実施形態が適用され得るアクセスアーキテクチャの一例として、例示的な実施形態をそのようなアーキテクチャに制約することなく、ロングタームエボリューションアドバンスド(LTEアドバンスド、LTE-A)、新無線(NR、5G)、またはビヨンド5Gに基づく無線アクセスアーキテクチャを使用して、複数の異なる例示的な実施形態を説明する。
【0026】
しかしながら、例示的な実施形態は、パラメータおよび手順を適切に調整することによって、適切な手段を有する他の種類の通信ネットワークにも適用され得ることが、当業者には明らかである。適切なシステムに対する他の選択肢のいくつかの例は、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)無線アクセスネットワーク(UTRANまたはE-UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE、実質的にE-UTRAと同じ)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLANまたはWi-Fi)、世界規模相互運用マイクロ波アクセス(WiMAX)、Bluetooth(登録商標)、パーソナル通信サービス(PCS)、ZigBee(登録商標)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、超広帯域(UWB)技術を使用したシステム、センサネットワーク、モバイルアドホックネットワーク(MANET)およびインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)またはそれらの組み合わせであり得る。
【0027】
図1は、いくつかの要素および機能的エンティティを示す単純化されたシステムアーキテクチャの例を示し、これらはすべて論理ユニットであり、その実施態様は図示されているものと異なってもよい。
図1に示す接続は論理接続であり、実際の物理接続は異なってもよい。システムが、
図1に示すもの以外の機能および構造も含んでもよいことが、当業者には明らかである。
【0028】
しかしながら、例示的な実施形態は、例として与えられるシステムに限定されず、当業者は、このソリューションを、必要な特性を与えられた他の通信システムに適用することができる。
【0029】
図1の例は、例示的な無線アクセスネットワークの一部を示す。
【0030】
図1は、セル内の1つまたは複数の通信チャネル上でワイヤレス接続されるように構成されているユーザデバイス100および102を示し、アクセスノード((e/g)NodeBなど)104がセルを提供する。ユーザデバイスから(e/g)NodeBへの物理リンクは、アップリンクまたは逆方向リンクと呼ばれる場合があり、(e/g)NodeBからユーザデバイスへの物理リンクは、ダウンリンクまたは順方向リンクと呼ばれる場合がある。(e/g)NodeBまたはそれらの機能は、そのような使用に適した任意のノード、ホスト、サーバまたはアクセスポイントなどのエンティティによって実施されてもよい。
【0031】
通信システムは、2つ以上の(e/g)NodeBを含んでもよく、その場合、(e/g)NodeBはまた、その目的向けに設計された有線またはワイヤレスのリンクを介して互いに通信するように構成することもできる。これらのリンクは、シグナリング目的に使用され得る。(e/g)NodeBは、それが接続されている通信システムの無線リソースを制御するように構成されているコンピューティングデバイスであってもよい。
【0032】
(e/g)NodeBはまた、基地局、アクセスポイント、または、ワイヤレス環境において動作することが可能な中継局を含む任意の他のタイプのインターフェースデバイスとして参照されてもよい。(e/g)NodeBは、トランシーバを含んでもよく、または、トランシーバに結合されてもよい。(e/g)NodeBのトランシーバから、ユーザデバイスへの双方向無線リンクを確立するアンテナユニットへの接続が提供され得る。
【0033】
アンテナユニットは、複数のアンテナまたはアンテナ素子を含んでもよい。(e/g)NodeBは、コアネットワーク110(CNまたは次世代コアNGC)にさらに接続され得る。システムに応じて、CN側の相手方は、サービングゲートウェイ(S-GW、ユーザデータパケットをルーティングおよび転送する)、ユーザデバイス(UE)の外部パケットデータネットワークへの接続を提供するためのパケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、モビリティ管理エンティティ(MME)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)またはロケーション管理機能(LMF)などであってもよい。
【0034】
ユーザデバイス(UE、ユーザ機器、ユーザ端末、端末デバイスなどとも呼ばれる)は、エアインターフェース上のリソースが配分および割り当てされ得る1つのタイプの装置を例示し、したがって、ユーザデバイスとともに本明細書に記載されている任意の特徴は、リレーノードなどの対応する装置とともに実施されてもよい。
【0035】
そのようなリレーノードの一例は、基地局に向けたレイヤ3リレー(自己バックホーリングリレー)であり得る。自己バックホーリングリレーノードはまた、アクセス・バックホール統合(IAB)ノードと呼ばれる場合もある。IABノードは、2つの論理部分、すなわち、バックホールリンク(すなわち、IABノードと、親ノードとしての知られるドナーノードとの間のリンク)に対処する移動端末(MT)部分と、アクセスリンク、すなわち、IABノードとUEとの間および/またはIABノードと他のIABノード(マルチホップシナリオ)との間の子リンクに対処する分散ユニット(DU)部分とを含み得る。
【0036】
そのようなリレーノードの一例は、リピータと呼ばれるレイヤ1リレーであり得る。リピータは、基地局またはユーザデバイスからユーザデバイスまたは基地局へと受信される信号を増幅することができる。
【0037】
ユーザデバイスは、限定ではないが、以下のタイプのデバイス、すなわち、移動局(携帯電話)、スマートフォン、個人情報端末(PDA)、ハンドセット、ワイヤレスモデム(警告または測定デバイスなど)を使用するデバイス、ラップトップおよび/またはタッチスクリーンコンピュータ、タブレット、ゲームコンソール、ノートブック、ならびにマルチメディアデバイスを含む、加入者識別モジュール(SIM)を伴ってまたは伴わずに動作するワイヤレスモバイル通信デバイスを含むポータブルコンピューティングデバイスを指し得る。ユーザデバイスはまた、ユーザ機器(UE)または端末デバイスと呼ばれる場合もある。
【0038】
ユーザデバイスはまた、ほぼ排他的にアップリンクのみのデバイスであってもよく、その一例は、画像またはビデオクリップをネットワークにロードするカメラまたはビデオカメラであり得る。
【0039】
ユーザデバイスはまた、対象が人間対人間または人間対コンピュータの対話を必要とせずにネットワークを介してデータを転送する能力を与えられ得るシナリオであるモノのインターネット(IoT)ネットワークにおいて動作する能力を有するデバイスであってもよい。ユーザデバイスはまた、クラウドを利用してもよい。
【0040】
いくつかの適用形態において、ユーザデバイスは、無線部分を有する小型ポータブルデバイス(腕時計、イヤホンまたは眼鏡など)を含んでもよく、計算はクラウド内で実行されてもよい。ユーザデバイス(またはいくつかの例示的な実施形態においてはレイヤ3リレーノード)は、ユーザ機器機能のうちの1つまたは複数を実施するように構成されてもよい。ユーザデバイスはまた、少ない名前または装置を挙げるだけでも、加入者ユニット、移動局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末デバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ばれる場合もある。
【0041】
本明細書に記載されている様々な技法はまた、サイバーフィジカルシステム(CPS)(物理エンティティを制御する、協働する計算要素から成るシステム)にも適用することができる。CPSは、種々のロケーションにある物理対象物に組み込まれている相互接続された膨大な量のICTデバイス(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラなど)の実施および利用を可能にし得る。問題の物理システムが固有のモビリティを有し得るモバイルサイバーフィジカルシステムは、サイバーフィジカルシステムの下位範疇である。モバイルフィジカルシステムの例は、人間または動物によって搬送される移動ロボティクスおよび電子機器を含む。
【0042】
付加的に、装置は単一のエンティティとして描写されているが、異なるユニット、プロセッサおよび/またはメモリユニット(すべて
図1には示されていない)が実施されてもよい。
【0043】
無線ネットワーク、例えば、第五世代のセルラネットワーク(5G)は、多入力多出力(MIMO)アンテナ、より小規模の局と協働するマクロサイトを含む、LTEよりもはるかに多くの基地局またはノード(いわゆるスモールセル概念)を使用し、サービス需要、使用事例および/または利用可能なスペクトルに応じて様々な無線技術を利用することを可能にする。
【0044】
移動体通信、例えば、5Gシステム(5GS)は、ビデオストリーミング、拡張現実、車両セーフティ、種々のセンサおよびリアルタイム制御を含む、種々の様式のデータ共有および様々な形態のマシンタイプ適用形態((大規模)マシンタイプ通信(mMTC)などを含む、多種多様な使用事例および関連適用形態をサポートすることができる。
【0045】
5Gは、複数の無線インターフェース、すなわち、below 6GHz、センチメートル波およびミリ波を有し、また、LTEなどの既存のレガシ無線アクセス技術とも統合可能であると期待され得る。LTEとの統合は、少なくとも早期段階においては、マクロカバレッジがLTEによって提供され得、5G無線インターフェースアクセスがLTEへの集約によってスモールセルに由来し得るシステムとして実施され得る。言い換えれば、5Gは、RAT間運用(LTE-5Gなど)とRI間運用(below 6GHz-センチメートル波、below 6GHz-センチメートル波-ミリ波などの無線インターフェース間運用)の両方をサポートすることができる。
【0046】
5Gネットワークにおいて使用されると考えられる概念の1つは、レイテンシ、信頼性、スループットおよびモビリティに対する異なる要件を有するサービスを実行するために複数の独立したおよび専用の仮想サブネットワーク(ネットワークインスタンス)が実質的に同じインフラストラクチャ内で作成され得るネットワークスライシングであり得る。
【0047】
LTEネットワーク内のアーキテクチャは、無線においては完全に分散され得、コアネットワークにおいては完全に集中させられ得る。5Gにおける低レイテンシアプリケーションおよびサービスは、コンテンツを無線の近くに運ぶ必要があり得、これによって、ローカルブレークアウトおよびマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)がもたらされる。
【0048】
5Gは、アナリティクスおよび知識生成がデータのソースにおいて行われることを可能にすることができる。この手法は、ラップトップ、スマートフォン、タブレットおよびセンサなどの、ネットワークに絶えず接続され得ないリソースを活用することを必要とし得る。MECは、アプリケーションおよびサービスホスティングための分散コンピューティング環境を提供することができる。これはまた、応答時間をより高速にするために、セルラ加入者に近接近するコンテンツを格納および処理する能力も有し得る。
【0049】
エッジコンピューティングは、ワイヤレスセンサネットワーク、モバイルデータ取得、モバイルシグニチャ分析、協調分散ピアツーピアアドホックネットワーキング、ならびに、ローカルクラウド/フォグコンピューティングおよびグリッド/メッシュコンピューティングとしても分類可能な処理、デューコンピューティング、モバイルエッジコンピューティング、クラウドレット、分散データ記憶および取り出し、自動自己修復ネットワーク、リモートクラウドサービス、拡張および仮想現実、データキャッシング、モノのインターネット(大規模接続および/またはレイテンシクリティカル)、クリティカル通信(自律車両、交通安全、リアルタイム分析、タイムクリティカル制御、医療アプリケーション)などの、多種多様な技術をカバーすることができる。
【0050】
通信システムはまた、公衆交換電話網もしくはインターネット112などの他のネットワークと通信するか、または、それらによって提供されるサービスを利用することも可能であり得る。通信ネットワークはまた、クラウドサービスの使用をサポートすることも可能であり得、例えば、コアネットワーク動作の少なくとも一部は、クラウドサービスとして実行されてもよい(これは、
図1において「クラウド」114によって描写されている)。通信システムはまた、異なるオペレータのネットワークが、例えば、スペクトル共有において協調するための設備を提供する、中央制御エンティティなども含んでもよい。
【0051】
エッジクラウドは、ネットワーク機能仮想化(NFV)およびソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)を利用することによって、無線アクセスネットワーク(RAN)に参加することができる。エッジクラウドを使用することは、アクセスノード動作が、少なくとも部分的に、リモート無線ヘッド(RRH)もしくは無線ユニット(RU)または無線部分を含む基地局に動作可能に結合されているサーバ、ホストまたはノード内で実行されることを意味し得る。ノード動作が複数のサーバ、ノードまたはホストの間で分散されることも可能であり得る。RANリアルタイム機能をRAN側で(分散ユニットDU104内で)実行し、非リアルタイム機能を集中的な様式で(中央ユニットCU108内で)実行することは、例えば、クラウドRANアーキテクチャを適用することによって可能にされ得る。
【0052】
コアネットワーク動作と基地局動作との間での作業の分散は、LTEのそれとは異なり得るか、または、さらには存在しない場合があることも理解されたい。使用され得るいくつかの他の技術進歩は、ビッグデータおよびオールIPであり得、これらは、ネットワークが構築および管理される様式を変化させ得る。5G(または新無線、NR)ネットワークは、複数の階層をサポートするように設計され得、ここで、MECサーバは、コアと基地局またはnodeB(gNB)との間に配置され得る。MECは、4Gネットワークにも適用され得ることは諒解されたい。
【0053】
5Gはまた、例えば、バックホーリングを提供することによって、5Gサービスのカバレッジを増強または補完するために、例えば、衛星通信などの地球外通信も利用し得る。可能な使用事例は、マシン間(M2M)またはモノのインターネット(IoT)デバイスまたは車両に乗っている乗客のサービス継続性を提供すること、または、クリティカル通信、および、将来の鉄道/海上/航空通信に対するサービス可用性を保証することであり得る。衛星通信は、静止地球軌道(GEO)衛星システムを利用し得るが、低地球軌道(LEO)衛星システム、特に、メガコンステレーション(数百の(ナノ)サテライトが配備されるシステム)も利用し得る。メガコンステレーション内の少なくとも1つの衛星106は、地上セルを作成するいくつかの衛星対応ネットワークエンティティをカバーし得る。地上セルは、地上リレーノード104を通じて、または、地上もしくは衛星内に位置するgNBによって作成され得る。
【0054】
描写されているシステムは、無線アクセスシステムの一部の一例に過ぎず、実際には、システムは、複数の(e/g)NodeBを含んでもよく、ユーザデバイスは、複数の無線セルにアクセスしてもよく、システムはまた、物理レイヤリレーノードまたは他のネットワーク要素などのような他の装置も含んでもよいことが、当業者には明らかである。(e/g)NodeBのうちの少なくとも1つは、ホーム(e/g)nodeBであってもよい。
【0055】
さらに、(e/g)nodeBまたは基地局はまた、無線トランシーバ(TRX)、すなわち、トランスミッタ(Tx)およびレシーバ(Rx)を含む無線ユニット(RU)と、いわゆるレイヤ1(L1)処理およびリアルタイムレイヤ2(L2)処理に使用することができる1つまたは複数の分散ユニット(DU)と、非リアルタイムL2およびレイヤ3(L3)処理に使用することができる中央ユニット(CU)(集中型ユニットとしても知られる)とに分割することもできる。CUは、例えば、F1インターフェースを使用することによって1つまたは複数のDUに接続され得る。そのような分割は、セルサイトおよびDUに対するCUの集中化を可能にし得、一方、DUは、より分散され得、さらにはセルサイトに留まり得る。CUおよびDUはともに、ベースバンドまたはベースバンドユニット(BBU)として参照される場合もある。CUおよびDUはまた、無線アクセスポイント(RAP)に含まれてもよい。
【0056】
CUは、(e/g)nodeBまたは基地局の、無線リソース制御(RRC)、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)および/またはパケットデータ統合プロトコル(PDCP)などの上位層のプロトコルをホストする論理ノードとして定義することができる。DUは、(e/g)nodeBまたは基地局の無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)および/または物理(PHY)レイヤをホストする論理ノードとして定義することができる。
【0057】
DUの動作は、少なくとも部分的に、CUによって制御され得る。CUは、(e/g)nodeBまたは基地局のCUのRRCおよびPDCPプロトコルの制御プレーン部分をホストする論理ノードとして定義され得る制御プレーン(CU-CP)を含むことができる。CUは、(e/g)nodeBまたは基地局のCUのPDCPプロトコルおよびSDAPプロトコルのユーザプレーン部分をホストする論理ノードとして定義され得るユーザプレーン(CU-UP)をさらに含むことができる。
【0058】
クラウドコンピューティングプラットフォームもまた、CUおよび/またはDUを作動させるために使用されてもよい。CUは、クラウドコンピューティングプラットフォーム内で作動してもよく、これは仮想化CU(vCU)として参照され得る。vCUに加えて、クラウドコンピューティングプラットフォーム内で作動する仮想化DU(vDU)も存在してもよい。
【0059】
さらに、組み合わせも存在してもよく、ここで、DUは、いわゆるベアメタルソリューション、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)または特定顧客向け標準製品(CSSP)システムオンチップ(SoC)ソリューションを使用してもよい。上記で言及した基地局ユニット、または異なるコアネットワーク動作および基地局動作の間での作業の分散は、異なり得ることも理解されたい。
【0060】
付加的に、無線通信システムの地理的領域において、複数の異なる種類の無線セルおよび複数の無線セルが提供されてもよい。無線セルは、最大数十キロメートルの直径を有する大きいセルであってもよいマクロセル(またはアンブレラセル)、または、マイクロ、フェムトもしくはピコセルなどのより小さいセルであってもよい。
図1の(e/g)NodeBは、任意の種類のこれらのセルを提供することができる。セルラ無線システムは、数種類のセルを含む多層ネットワークとして実施されてもよい。多層ネットワークにおいて、1つのアクセスノードが、1種類の1つまたは複数のセルを提供し得、したがって、複数の(e/g)NodeBが、そのようなネットワーク構造を提供するために必要とされ得る。
【0061】
通信システムの配備および性能を改善する必要性を満たすために、「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBの概念が導入され得る。「プラグアンドプレイ」(e/g)NodeBを使用することが可能であり得るネットワークは、ホーム(e/g)NodeB(H(e/g)nodeB)に加えて、ホームノードBゲートウェイ、またはHNB-GW(
図1には示さず)を含み得る。オペレータのネットワーク内にインストールされ得るHNBゲートウェイ(HNB-GW)は、多数のHNBからのトラフィックを集約してコアネットワークに戻すことができる。
【0062】
カバレッジは、セルラネットワーク配備の基本態様である。しかしながら、フルスタックセルの確立(すなわち、密な配備)は、常には可能ではない(例えば、バックホールが利用可能でない)、または、実行可能ではない場合がある。そのような課題を克服するために、それらのネットワーク配備に関するモバイルオペレータの柔軟性を増大させるために、新規のタイプのネットワークノードが考察されている。
【0063】
5G新無線(NR)Rel-16は、アクセス・バックホール統合(IAB)として参照される、柔軟なRAN拡張のための1つのそのような選択肢を提供する。IABは、ネットワーク配備に対するマルチホップ手法であり、ワイヤレスバックホールトランスポートを有する基地局の配備を可能にする。これは、ファイバ/有線接続を使用して、一定割合の配備された基地局に、IABドナーとして作用させることによって機能する。有線接続を有しない残りの基地局は、IABノードと呼ばれ、これは、ワイヤレスバックホールリンクを介してIABドナーおよび/または別のIABノードにワイヤレス接続され得る。
【0064】
IABノードは、それがサービスするUEにとって通常のセルに見えることを可能にする分散ユニット(DU)構成要素と、その親ノードに接続する、通常のUEの多くの特性を継承するモバイル端末(MT)構成要素とを備えるリレーノードである。IABノードとIABドナーの両方が、均等なセルラカバレッジエリアを生成し、それらのカバレッジエリア内のUEと同一に見え得る。したがって、IABの利点は、転送ネットワークの密度を比例的に高くすることなく、NRセルの柔軟で密な配備を可能にすることである。屋外スモールセル配備、屋内、またはさらにモバイルリレー(例えば、バスまたは列車上の)のサポートを含む、多様な配備シナリオを、IABについて想定することができる。
【0065】
別のタイプのネットワークノードは、無線周波数(RF)リピータである。RFリピータは、様々な送信電力特性を有する通常のフルスタックセルによって提供されるカバレッジを補完するために、2G、3Gおよび4G配備において使用されている。RFリピータの主な利点は、それらが配備しやすいこと、および、それらがレイテンシを増大させないという事実である。主な欠点は、それらが信号およびノイズを増幅し、したがって、システム内の干渉(汚染)の増大に寄与する可能性があることである。
【0066】
RFリピータ内には、電力特性、および、それらが増幅するように構成されているスペクトルの量(例えば、シングルバンド、マルチバンドなど)に応じて、異なるカテゴリが存在する。RFリピータは、非再生タイプのリレーノードであり、それらが受信するあらゆるものを増幅および転送し得る。RFリピータは、送信または受信の観点からアップリンク(UL)とダウンリンク(DL)とを区別しない全二重ノードであり得る。
【0067】
5G NRがより高い周波数(周波数範囲1、FR1の配備については約6GHz、周波数範囲2、FR2については24GHz超)に移行するにつれて、伝播条件はより低い周波数と比較して劣化し、したがって、カバレッジ課題を悪化させる。結果として、セルをさらに密にすることが必要であり得る。FR1のための大規模MIMOおよびFR2のためのアナログビームフォーミングから成るマルチアンテナ技法は、これらのより高い周波数のより困難な伝播条件の対処を支援する。この高周波レジームにおいて定義される周波数帯域は、時分割二重(TDD)を使用し得る。
【0068】
NRシステムの別の一般的な特性は、FR2における関連付けられるビーム管理を伴うマルチビーム動作の使用である。RFリピータは、NRデバイスに対するビーム管理を提供することが可能でない場合があるため、NRがスマートリピータ(SR)と呼ばれる新規クラスのリレーをサポートすることが想定される。スマートリピータは、先進的なビーム管理技法をサポートし、先進的な時間、周波数、ならびに方向性(アップリンクおよび/またはダウンリンク)リソース増幅および転送を実施することができる。
【0069】
図2は、gNBからSRへの専用リンクおよびgNB201からUE203へのアナログパススルー信号を有するスマートリピータ(SR)アーキテクチャの高レベル概略図を示す。スマートリピータ202は、gNB201とスマートリピータ202との間のバックホールリンク211のための1つのアクティブなバックホールビーム、および、スマートリピータ202とUE203との間のアクセスリンク212のための1つのアクティブなアクセスビームを選択する。
【0070】
図2に示すように、スマートリピータは、gNBと通信するために専用制御チャネル221の恩恵を受ける。制御チャネル221は、レガシ3GPP 5G NR gNB-UEインターフェースまたは新規のgNB-SRインターフェースとして配備することができる。
【0071】
さらに、スマートリピータ202とUE203との間にレガシ5G NR gNB-UEインターフェース222が存在し得る。ユーザ信号(データ)は、受信され、増幅され、復号またはいかなるデジタル修正もなしに、適切なSRアクセスビームを通じてUE203に向けて送信され得る。したがって、ユーザ信号は、UE203にとってトランスペアレントであり、結果、UE203は、それがgNB201に直接的に接続されていると仮定し、データがスマートリピータ202を通じて入来していることは知らない。
【0072】
スマートリピータの時間/周波数事前構成ビーム形成送信の能力は、近隣のノードにわたる生成される干渉を大幅に減少させ、送信エネルギー空間損失を低減する。したがって、これは、全方向性アンテナによって受信信号(干渉を含む)を増幅し得るRFリピータと比較して有利である。IABノードと比較して、スマートリピータは、より低いハードウェアおよびソフトウェア複雑度およびレイテンシの減少の恩恵を受ける。
【0073】
ビームベースの通信は、ネットワーク容量、スループット、および信頼性を増強するための、5G NRの主要な成功要因の1つである。高次元フェーズドアレイによって生成される方向性狭ビームを通じた送信/受信は、所望のUEにおける信号品質を向上させ、近隣のノードにわたる干渉を低減し、より高いキャリア周波数(例えば、FR2)の使用に起因する追加の伝播経路損失を補償する。本明細書において、ビームはまた、空間フィルタとしても参照される場合がある。
【0074】
ビームフォーミングは、全方向性ベースラインと比較したときに、空間的サポートに対する送信エネルギーおよび/または受信エネルギーの制御された集束を可能にする任意の技法として定義することができる。空間的サポートの例は、方向/立体角、空間体積、および、空間内の他の(少なくとも部分的に)直交する場である。制御されたビームフォーミングとは、部分的に重複し得る異なる空間的サポートに対する/からのエネルギーを集束させることが可能であることを意味する。
【0075】
本出願におけるビームは、空間リソースを定義する。ビームはまた、空間フィルタとしても定義される。ビームは、ある空間方向へと/から送信または受信され、ビームは、コントローラ(例えば、ベースバンドコントローラ)によって制御されるアンテナのセットを使用することによって形成される。
【0076】
ビームの形状および方向は、いずれの種類の機能が使用されるかによって決定され得る。この種類の特別機能は、ビームフォーミング機能またはマッピング機能または空間フィルタと呼ばれる場合がある。UEまたはgNBが同じ空間フィルタを適用するとき、これは、それが同じビームを形成する、すなわち、アンテナの放射パターンがビームの同じ方向、同じ形状、および/または同じ電力を有することを意味する。
【0077】
基地局とUEとの間で指向性の高いビーム形成送信および受信を得るために、NRにおいて基地局およびUEによって多数のアンテナが利用され得る。ハイブリッドビームフォーミングは、各アンテナパネルに異なる位相調整器および/または増幅重みを適用するアナログビームフォーミングと、パネルにわたって異なるデジタルプレコーダを適用するデジタルビームフォーミングとの組み合わせである。ビームフォーミング利得を完全に勝ち取るために、低レイテンシビーム管理技法が、初期アクセス、ビームトラッキング、ビーム/無線リンク障害回復のために、および、ハンドオーバ手順中に使用され得る。NRにおいて、ビーム管理は、ダウンリンクにおける同期信号ブロック(SSB)およびチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、ならびにアップリンクにおける測定用参照信号(SRS)などの、参照信号の測定に主に依拠する、レイヤ1(PHY)および/またはレイヤ2(MAC)手順のセットである。
【0078】
図3は、gNBとスマートリピータとの間の初期ビーム対確立のための5G NRビーム改良手順を示す。UEがSR増幅および転送(SRはUEにとってトランスペアレントであることに留意されたい)を通じてgNBに接続されているシナリオについて、gNB、SR、およびUEの間の5G NRビーム対選択が、以下の段階、すなわち、
図3のブロック301に示すような初期gNBビーム取得(SSBを介した)のためのgNB-SR-P1と呼ばれる第1の段階、
図3のブロック302に示すようなgNBビーム改良(例えば、CSI-RSを介した)のためのgNB-SR-P2と呼ばれる第2の段階、および、
図3のブロック303に示すようなSRビーム改良のためのgNB-SR-P3と呼ばれる第3の段階を含むことが想定される。
【0079】
図4は、サービングgNB401とスマートリピータ402との間のビーム対確立のためのgNB-SR-P1段階の一例を示す。gNB-SR-P1は、初期接続確立のためのgNB401からの方向性SSBビーム送信を含む。
【0080】
アイドルモードスマートリピータ402またはUEがgNB401への接続を確立することを所望するとき、それは、フレーム同期情報を取得し、ランダムアクセス(RA)手順を実施する。この目的のために、
図4に提示されているように、gNBは、各々が一次同期信号(PSS)、二次同期信号(SSS)、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、復調参照信号(DMRS)などのような専用情報を搬送する、広SSBビームのセット(いわゆるSSBバースト)を複数の異なる方向にブロードキャストする。例えば、所与のSSBバーストは、5msの長さを有し、最大64個のSSBを(FR2内に)含み得る。ネットワーク構成に応じて、SSBバーストは、5~160msの周期性を有し得る。
【0081】
第1のステップにおいて、スマートリピータ402は、gNB-SR制御チャネルを初期化するためにgNB401との接続を確立する。SRは、このステップのために5G NR Uuインターフェースを使用し得る。スマートリピータ402は、静的広バックホール(BH)受信ビームを通じてSSBバースト内のビームの基準信号受信電力(RSRP)を測定し、測定に基づいて最良のSSBビームを選択し、セル特有の情報を復号し、gNB401に向けた初期接続確立手順を開始する。
【0082】
gNB401からSR関連構成を受信した後、スマートリピータ402は、SSBを増幅し、その広アクセスビームを使用してSSB(のセット)をUEに向けて送信する。スマートリピータ402はまた、例えば、対応するULランダムアクセスチャネル(RACH)送信機会をUEからgNBへと中継し、結果、UEは、初期アクセス手順をトリガし、gNB401との初期接続を確立することができる。
【0083】
図5は、gNB-SR-P2段階の一例を示し、gNB501が、gNB501とスマートリピータ502との間のバックホールビーム対確立のための狭CSI-RSビーム送信を実施する。
【0084】
初期アクセス接続(gNB-SR-P1)に成功した後、gNB501は、より狭いビームを介してスマートリピータ502と通信することによって、バックホールリンクのスループットのさらなるブーストを試行することができる。この目的のために、より精細な(より狭い)CSI-RSビーム(例えば、
図5のCSI-RS#0.0、CSI-RS#1.0、CSI-RS#2.0およびCSI-RS#3.0)のセットが構成され、対応する親SSBビームの空間プロファイル内で送信され得る。スマートリピータ502は、CSI-RSビームを測定し、測定に基づいて1つまたは複数の最良のCSI-RSビームをgNB501に報告する。
【0085】
例えば、スマートリピータ502は、CSI-RSビーム#2.0を、最良のCSI-RSビームとして報告してもよい。gNB501は、最良のCSI-RSビーム(最高のRSRP値に対応する)をサービングビームとして選択し、スマートリピータ502に他のビームのビーム障害回復(BFR)構成を提供し得る。
【0086】
図6は、SRバックホール受信ビーム改良のためのgNB-SR-P3段階の一例を示す。スマートリピータ602は、そのバックホール狭受信ビーム(SR_BH)を整合させることができ、一方、gNB601は固定CSI-RSを維持し、反復する。例えば、CSI-RSビーム#2.0がgNB-SR-P2段階においてスマートリピータによって報告された最良のCSI-RSビームであった場合、gNB601は、CSI-RS#2.0のCSI-RS反復を送信してもよく、一方、スマートリピータ602は、そのバックホール受信ビーム(例えば、
図6のSR_BH#0、SR_BH#1、SR_BH#2、およびSR_BH#3)を掃引する。
【0087】
スマートリピータ602は、その狭ビームアラインメント手順を実施するために、gNB601からの同じビーム識別子(ID)を有する、上位層パラメータ「反復(repetition)」が「オン」に設定されて構成されている非ゼロ電力チャネル状態情報参照信号(NZP-CSI-RS)リソースセットと関連付けられる参照信号に依拠し得る。
【0088】
例えば、gNB601は、「nzp-CSI-RS-Resources」情報要素において、その送信が反復されることになるCSI-RSリソースセットのインデックスをスマートリピータ602に対して示し、「反復」情報要素を「オン」に設定することができる。反復パラメータは、NZP-CSI-RSリソースセットが同じダウンリンク空間フィルタを用いて送信されることをスマートリピータ601に対して示す。さらに、特定のNZP-CSI-RSリソースセットに属するNZP-CSI-RSリソースを識別するために、「NZP-CSI-RS-ResourceId」情報要素が使用され得る。そのような参照信号のスケジューリングは、gNB601によって完全に制御することができる。この段階において、スマートリピータ602は、測定値をgNB601に報告しなくてもよい。
【0089】
図7は、SRアクセスビーム選択の一例を示す。UE703を対象とするSRアクセスビーム管理は、
図7に提示するようなSR-UE-P2と呼ばれる段階を介して行うことができる。gNB701は、同じ放射パターン(例えば、空間フィルタ/サポートまたは角度方向)を共有するが、異なるビームID(例えば、
図7のCSI-RS#2.0、#2.1、#2.2、および#2.3)を有するCSI-RS信号のバーストをgNBからSRに連続的に送信する。
【0090】
スマートリピータ702は、同じSRバックホールビーム(例えば、SR_BH#1)を用いてCSI-RS信号を受信し、各gNB CSI-RS信号をSRアクセスビームにマッピングすることによって、アクセスビーム掃引を実施する。スマートリピータ702は、受信CSI-RSをUE703に向けて送信する。
【0091】
例えば、スマートリピータ702は、第1のCSI-RS(CSI-RS#2.0)を第1のSRアクセスビーム(SR_AC#0)にマッピングし、第2のCSI-RS(CSI-RS#2.1)を第2のSRアクセスビーム(SR_AC#1)にマッピングし、第3のCSI-RS(CSI-RS#2.2)を第3のSRアクセスビーム(SR_AC#2)にマッピングし、第4のCSI-RS(CSI-RS#2.3)を第4のSRアクセスビーム(SR_AC#3)にマッピングすることができる。言い換えれば、CSI-RS信号は、スマートリピータ702によって、異なる空間フィルタ(角度方向)を用いてSR-UEアクセス(SR_AC)リンク上で反復される。
【0092】
UE703は、SRアクセスビームを測定し、1つまたは複数の最良のCSI-RSビームID(および対応するRSRP値)を、SRアップリンク経路を介してgNB701に報告する。次いで、gNB701は、最良のUE測定CSI-RSビームID(例えば、CSI-RS#2.2)に関してSR702に通知する。
【0093】
スマートリピータ702とUE703との間に直接の通信リンクは存在しないことに留意されたい。CSI-RSビームIDとSRアクセスビームとの間の適用されているマッピングに基づいて、スマートリピータ702は、UEに向けた最良のSRアクセスビーム(例えば、SR_AC#2)を決定する。
【0094】
カバレッジを増強し、スループットを最大化し、干渉を減少させるために、スマートリピータは、いくつかのビーム構成を呈するバックホール側とアクセス側の両方において複数のアンテナおよび大きいビームフォーミング能力を与えられ得る。例えば、スマートリピータは、NRフレームワークにおいて暴露されている各側において8つ以上の異なるビーム構成を呈し得、または、基地局ハードウェアが使用される場合には、さらにより多くなり得る。例えば、FR2について、アクセス側において32個または64個の改良ビームが存在し得、バックホール側に同様の数が存在し得る。
【0095】
上述したように、本ソリューションによれば、最適なSRバックホールビーム(gNB-SR-P3段階)およびSRアクセスビーム(SR-UE-P2段階)を求めるには、gNBが2つの別個のCSI-RSセットを送信する必要があり得る。そのような多数のgNB CSI-RS送信は、リソースを消費するタイムリーな手順であり、これは、例えば、セルが負荷を受けるシナリオにおいて問題になり得る。
【0096】
その上、モバイルスマートリピータ(例えば、バス、列車もしくは自動車の屋根に設置されているスマートリピータ、または、モバイルSR-モバイルSR通信を有する事例)について、および/または、UEモビリティおよび回転に起因して、SRビームを再整合させることが頻繁に必要になり、これによって、CSI-RS送信の必要な周期性およびリソース使用が大幅に増大する。
【0097】
より視覚的な例として、屋根の上にスマートリピータがある列車が想起され得る。ここで、SR-UE改良ビームは、UEが回転および移動しているとき、持続的なトラッキング/測定を必要とする。同時に、gNB-SR改良ビームは、列車が移動するとき、持続的なトラッキング/測定を必要とする。同じことが、例えば、スマートリピータとしての役割を果たす、列車、または無人航空車両(UAV)もしくはドローンの外側のUEなどの、静止しているが、モバイルスマートリピータによってサービスされるUEにも当てはまる。
【0098】
このオーバーヘッドを減少させるための1つのソリューションは、1つのCSI-RSリソースセットを使用してgNB-SR-P3とSR-UE-P2とを同時に実施することである。このソリューションは、以下のことを含む。すなわち、リピータが、バックホールリンクを介してアクセスポイントからアクセスリンク情報を受信することであって、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、アクセスリンクのための空間フィルタの指示を含む、受信することと、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対を取得することとを行う。アクセスポイントは、gNBまたは無線アクセス機能をサポートする任意のネットワークノードであってもよい。
【0099】
本出願におけるCSI-RSは一例であり、任意の他の参照信号(RS)が、代替的に、ビーム改良を目的として使用されてもよいことに留意されたい。
【0100】
図8は、例示的な一実施形態による、同じCSI-RSリソースセットに対する同時gNB-SR-P3およびSR-UE-P2ビーム改良手順を示す。
【0101】
図8において、gNB801は、同じ角度方向を有するが、異なるCSI-RSビームID(例えば、CSI-RS#2.0、#2.1、#2.2、および#2.3)を有するCSI-RS信号のセットを送信する。スマートリピータ802は、個々のSRバックホールビームとSRアクセスビームとの間のマッピングを作成する。
【0102】
例えば、スマートリピータ802は、第1のCSI-RS(CSI-RS#2.0)を第1のバックホールビーム(SR_BH#0)および第1のアクセスビーム(SR_AC#0)にマッピングし、第2のCSI-RS(CSI-RS#2.1)を第2のバックホールビーム(SR_BH#1)および第2のアクセスビーム(SR_AC#1)にマッピングし、第3のCSI-RS(CSI-RS#2.2)を第3のバックホールビーム(SR_BH#2)および第3のアクセスビーム(SR_AC#2)にマッピングし、第4のCSI-RS(CSI-RS#2.3)を第4のバックホールビーム(SR_BH#3)および第4のアクセスビーム(SR_AC#3)にマッピングすることができる。
【0103】
新たなCSI-RS送信があるとき、スマートリピータ802は、バックホールビーム掃引を実施し、SRバックホールビーム(例えば、SR_BH#0、#1、#2、および#3)のRSRPを測定する。同時に、スマートリピータ802は、受信信号を固定の所定レベルで増幅し、マッピングに従って対応するSRアクセスビーム(例えば、SR_AC#0、#1、#2、および#3)を介してそれらを送信し、結果、UE803は、ビームも測定することができる。
【0104】
図8の例において、単純にするために、gNB CSI-RS送信の数はSRバックホールビームの数およびSRアクセスビームの数に等しく、SRバックホールビームの数はSRアクセスビームの数に等しい。しかしながら、バックホールビームの数とアクセスビームの数とが異なるシナリオについて、CSI-RS送信の数は、アクセスまたはバックホールビームの最大数に等しくなり得、スマートリピータは、それらのビームのうちのいくつかを介して再送信することができる。
【0105】
しかしながら、
図8の上記ソリューションを適用することの主な課題の1つは、異なる電力レベルを有する非正規化アクセスビームの送信に起因する準最適なアクセスビーム選択およびUEによる報告である。これは、スマートリピータが受信信号を同じ電力増幅(PA)利得(例えば、70dB)で増幅するときに発生し、したがって、バックホールビームの特性(例えば、RSRP)がアクセスビームの送信電力、ひいてはUEによるアクセスビーム掃引評価に影響を及ぼす。バックホールビーム測定および増幅は実質的に同時(例えば、数ナノ秒のレイテンシがある)であるため、スマートリピータは、各SRアクセスビームについて個々の増幅利得を迅速に測定し、適用して、異なるSRバックホールビーム受信RSRPオフセット値を補償することが可能でない場合がある。
【0106】
下記の表1は、スマートリピータ802がすべてのCSI-RS信号を同じPA利得で増幅するときの、
図8の設定を適用した最良のSRアクセスビームのUE誤検出の一例を示し、ここで、バックホールビーム品質は、アクセスビームのUE測定RSRPに影響を及ぼす。言い換えれば、SRバックホールビームの受信信号品質は、SRアクセスビームの送信電力、ひいてはUE測定RSRP値に影響を及ぼす。
【0107】
結果として、表1の例において、UEは、SR_AC#1に対応するCSI-RS#2.1を最良の測定ビーム(最高のUE測定RSRPを有する)として報告する。しかしながら、この例において、実際にはSR_AC#2が最良のSRアクセスビームであり(SR_AC#2は、-55dBの経路利得を提供し、これは、-60dBの経路利得を有するSR_AC#1のものよりも5dB高い)、SR_BH#1が最良のSRバックホールビーム(最高のSR_BH測定RSRP)である。言い換えれば、この例において、SR_BH#1およびSR_AC#2が、バックホールリンクおよびアクセスリンクの最適なSRビーム対である。
【0108】
【0109】
いくつかの例示的な実施形態は、gNBによって送信される同じCSI-RSリソースセットに対するgNB-SR-P3およびSR-UE-P2ビーム探索段階をともに実施することによって、SRビーム改良手順を増強する。言い換えれば、いくつかの例示的な実施形態は、同じCSI-RSリソースセットを使用することによって、スマートリピータの最良のバックホールビームおよび所与のUEの最良のアクセスビームをともに決定することを可能にする。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態において、スマートリピータは、SR-UE-P2のために送信される1つのCSI-RSリソースセットを使用することによって、そのバックホールおよびアクセスビームを同時に微調整し、したがって、gNB-SR-P3のためのCSI-RS反復の専用送信の必要性を回避することができる。したがって、スマートリピータは、その最良のビームをより高速に探索することができ、これによって、ネットワークリソース消費が減少し、ビーム探索レイテンシが減少する。
【0111】
いくつかの例示的な実施形態は、UE測定アクセスビームに対するバックホールビームの影響を補償し、アクセスリンクを介してUEと通信するための最適なSRアクセスビームを適切に決定するために、1つのエンティティ(gNBまたはスマートリピータ)内にバックホールビームのSR測定RSRPとアクセスビームのUE測定RSRPの両方の情報を有することを可能にする。
【0112】
この目標を達成するために、スマートリピータは、選択されるSRバックホールビームとは無関係に、入来するgNBバックホール信号を等しい量だけ増幅することができる。同時に、スマートリピータは、同じ空間的サポートに対して送信されるgNB CSI-RSの電力を測定する。この知識およびUEからの報告を使用して、gNBまたはスマートリピータのいずれかが、UE測定値を補償して、UEに向けて通信するための最良のCSI-RSビームIDおよびSRアクセスビームを求めることができる。
【0113】
下記の表2は、例示的な実施形態による最適なSRアクセスビームの取得の一例を示す。この例は、
図8の設定を適用し、gNB801またはスマートリピータ802は、SRバックホールおよびアクセスビームの測定知識に基づいて、適切なSRアクセスビームのCSI-RS IDを決定することができる。
【0114】
この例において、gNB801とスマートリピータ802との間のチャネルが一定ではなく、したがって、測定値は直接的に比較可能でないため、UE803は、最良のSRアクセスビームを確実に求めることが可能でない場合がある。したがって、SRアクセスビームから送信される非正規化CSI-RS信号は、SRバックホールビームを通じて受信される不均衡な信号品質によって引き起こされる異なる送信電力レベルを有するため、UE803は、準最適なCSI-RSビームID(SR_AC#1に対応するCSI-RS#2.1)をネットワークに報告する。
【0115】
この例においては、SR_AC#2がアクセスリンクの最適な正規化SRビームである(SR_AC#2は、-55dBの経路利得を提供し、これは、-60dBの経路利得を有するSR_AC#1のものよりも5dB高い)。SRアクセスビームとバックホールビームの両方の測定値を有することによって、gNBまたはスマートリピータが、UE測定SRアクセスビームからSRバックホールビームのデルタオフセットRSRP値(最低測定SRバックホールビームと比較して算出される)を減算することによって、各SRアクセスビームについて経路利得の実際の正規化値(表2の「補償済みUE報告RSRP」列に提示されている)を決定することができるため、UE測定結果を補償し、上記問題を回避することが可能になる。これを行うことによって、表2から分かるように、「補償済みUE報告RSRP」列内の最高値(SR_AC#2に対応するCSI-RS#2.2)が、最適な正規化SRアクセスビームを表す。
【0116】
【0117】
図9は、例示的な実施形態によるシグナリングダイアグラムを示し、最良のSRアクセスビーム(空間フィルタ)に対応する参照信号識別子(例えば、CSI-RSビームID)が、アクセスポイント(例えば、gNB)によって、スマートリピータとUEの両方によって報告されるRSRP測定値に基づいて取得される。
【0118】
図9を参照すると、ステップ901において、スマートリピータ(SR)および少なくとも1つのUEが、広SR空間フィルタ(ビーム)を使用してアクセスポイント(例えば、gNB)への初期接続を確立する。スマートリピータはまた、アクセスポイントに、スマートリピータのバックホールビームおよびアクセスビームの数に関して通知し得る。
【0119】
ステップ902において、スマートリピータは、スマートリピータとアクセスポイントとの間のバックホールリンクを介してアクセスポイントに機能情報を送信することができ、機能情報は、スマートリピータにおけるバックホール・アクセス統合空間フィルタ(ビーム)改良手順の実施の機能指示を含む。例えば、機能情報は、アップリンクにおける媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、または、無線リソース制御(RRC)において送信することができる。
【0120】
機能情報は、アクセスポイントが、特にgNB-SR-P3のために専用参照信号反復をスケジューリングせず、SR/gNB-UE-P2のために少なくとも1つのUEが利用可能になるまで待つのを助ける。妥当な時間窓(例えば、L1/RSRP CSI-RS周期の半分)内に、UEが利用可能でないか、または、スケジューリングすることができない場合、アクセスポイントは、専用gNB-SR-P3に戻ることができる。
【0121】
ステップ903において、アクセスポイントは、バックホールリンクを介してスマートリピータにバックホールリソース構成を送信することができ、バックホールリソース構成は、第1の参照信号セットに使用される1つまたは複数の時間-周波数リソースを示す。
【0122】
バックホールリソース構成によって、アクセスポイントは、アクセスビーム掃引のためにスマートリピータを構成する。例えば、アクセスポイントは、アクセスポイントの各アクティブな参照信号ビームに使用される時分割二重(TDD)時間スロットおよび参照信号リソース構造を示すために、バックホールリソース構成を、スマートリピータに半静的にまたは周期的に送信することができる。バックホールリソース構成によって、アクセスポイントはまた、SRバックホール空間フィルタ(バックホールビーム)のRSRP測定値を報告するように、スマートリピータを構成することもできる。
【0123】
ステップ904において、アクセスポイントは、参照信号ビーム測定値および報告のために少なくとも1つのUEを構成することができる。
【0124】
ステップ905において、アクセスポイントは、掃引をシミュレートするために、同じ空間フィルタ(角度方向)を用いて、ただし、異なる識別子(例えば、ビームID)を用いて、スマートリピータに第1の参照信号(RS)セットを送信することができる。アクセスポイントが反復のような挙動を呈するにもかかわらず、UE RSリソースRRM構成において反復フラグは設定され得ない。第1の参照信号セットは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、一次同期信号(PSS)、二次同期信号(SSS)、またはトラッキング参照信号(TRS)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0125】
ステップ906において、スマートリピータは、第2の参照信号セットを増幅し、異なる空間フィルタを用いてアクセスリンクを介して少なくとも1つのUEに送信することができ、第2の参照信号セットは、第1の参照信号セットに対応する。言い換えれば、スマートリピータは、受信した第1の参照信号セットを増幅し、転送することができる(すなわち、第2の参照信号セットは、第1の参照信号セットと同じであり得る)。スマートリピータは、アクセスリンクを介して第2の参照信号セットを送信するとき、第2の参照信号セットのうちの各参照信号を等しい量で(すなわち、同じ増幅利得で)増幅することができる。
【0126】
ステップ907において、スマートリピータは、そのバックホール(BH)空間フィルタ(バックホールビーム)を掃引し、バックホール空間フィルタ上の第1の参照信号セットの各参照信号(リソース)の受信電力(例えば、RSRP)を測定して、第1の参照信号セットの受信電力を示す第1の測定結果セットを取得することができる。
【0127】
ステップ908において、スマートリピータは、第1の参照信号セットを、アクセスリンクを介して第2の参照信号セットを送信するために使用される空間フィルタのセットにマッピングすることができる。言い換えれば、スマートリピータは、受信された第1の参照信号セットの各参照信号をアクセス(AC)リンクの空間フィルタ(ビーム)にマッピングすることができる。
【0128】
ステップ909において、スマートリピータは、ステップ907において取得された第1の測定結果セットに基づいて、バックホールリンクの空間フィルタ(ビーム)を取得または選択することができる。例えば、スマートリピータは、最高の測定RSRPを有する空間フィルタを選択してもよい。
【0129】
ステップ910において、少なくとも1つのUEは、アクセスリンクを介して異なる空間フィルタを通じて受信される第2の参照信号セットの受信電力(例えば、RSRP)を測定して、第2の参照信号セットの受信電力を示す第2の測定結果セットを取得することができる。
【0130】
ステップ911において、スマートリピータは、バックホールリンクを介してアクセスポイントにレポートを送信することができ、レポートは、第1の参照信号セットの受信電力を示す第1の測定結果セットを含む。
【0131】
言い換えれば、スマートリピータは、RS識別子(例えば、構成されているRSリソースセットの各RSリソースのインデックス)および対応する測定電力(例えば、L1/RSRP)値をアクセスポイントに報告する。1つの例において、各測定RSRPの実際の値が報告されてもよい。別の例において、最高または最低測定空間フィルタ(ビーム)に対するオフセット値が報告され得る。
【0132】
ステップ912において、少なくとも1つのUEは、ステップ910において取得された第2の測定結果セットを報告するために、アクセスポイントにレポートを送信することができる。言い換えれば、UEは、スマートリピータによって増幅されるアップリンク経路を通じて、測定空間フィルタおよび対応する測定RSRP値(または最良のビームに対するオフセット)をアクセスポイントに報告する。
【0133】
ステップ913において、アクセスポイントは、第1の測定結果セットに基づいて第2の測定結果セットを補償することができる。言い換えれば、第1の測定結果セットおよび第2の測定結果セットに基づいて、アクセスポイントは、ステップ910においてUEによって実施されたアクセスリンク空間フィルタ(ビーム)の測定に対する、ステップ907のバックホール空間フィルタ掃引(ビーム掃引)の影響を補償する。
【0134】
例えば、バックホールリンク空間フィルタiを通じてスマートリピータによって受信され、アクセスリンク空間フィルタjを通じて送信される各参照信号nについて、アクセスポイントは、以下のように、第1の測定結果セット内の最低測定値に対するデルタオフセットを算出することができる。
【0135】
【0136】
式中、
【数2】
は、バックホールリンク空間フィルタiの測定RSRPであり、
【数3】
は、アクセスリンク空間フィルタjの測定RSRPである。
【0137】
アクセスポイントは、以下のように、算出されたデルタオフセットによって第2の測定結果セットのRSRP値を補償することができる。
【0138】
【0139】
ステップ914において、アクセスポイントは、補償された第2の測定結果セットに少なくとも部分的に基づいてスマートリピータのアクセスリンク情報を取得または決定し、アクセスリンク情報は、アクセスリンクの空間フィルタの指示を含む。
【0140】
アクセスリンクの空間フィルタの指示は、アクセスリンクにわたって使用される1つまたは複数の空間フィルタ、または、バックホールリンクとアクセスリンクとの間の空間フィルタの対を含むことができる。指示は、例えば、(SR観点から)第2の参照信号セットが正規化送信電力によって送信されていた場合に最高のRSRPを提供していたことになる、第1の参照信号セットからの参照信号の識別子を含んでもよい。例えば、参照信号の識別子n*(ステップ908からのマッピングによればアクセスリンク空間フィルタj*に対応する)は、以下のように取得することができる。
【0141】
【0142】
ステップ915において、アクセスポイントは、アクセスリンク情報をスマートリピータに送信する。
【0143】
ステップ916において、アクセスリンク情報およびステップ908の適用されるマッピングに基づいて、スマートリピータは、アクセスリンクを介して少なくとも1つのUEと通信するための空間フィルタ(ビーム)を取得または決定する。したがって、スマートリピータは、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対(ビーム対)を取得する。
【0144】
ステップ917において、スマートリピータは、取得された少なくとも1つの空間フィルタ対を介して、少なくとも1つのUEおよびアクセスポイントと通信することができる。例えば、スマートリピータは、ステップ909においてバックホールリンクのために取得された空間フィルタを介して、アクセスポイントから1つまたは複数の信号を受信し、1つまたは複数の信号を増幅し、ステップ916においてアクセスリンクのために取得された空間フィルタを介して少なくとも1つのUEに送信することができる。
【0145】
代替的にまたは付加的に、スマートリピータは、ステップ916においてアクセスリンクのために取得された空間フィルタを介して、少なくとも1つのUEから1つまたは複数の信号を受信し、1つまたは複数の信号を増幅し、ステップ909においてバックホールリンクのために取得された空間フィルタを介してアクセスポイントに送信することができる。
【0146】
図10は、別の例示的な実施形態によるシグナリングダイアグラムを示し、ここで、最良のアクセスビームがスマートリピータによって取得される。この例示的な実施形態において、アクセスポイントは、UE測定値をスマートリピータに提供する。この情報およびスマートリピータ自体のSRバックホールビームのRSRP測定値に基づいて、スマートリピータは、その特定のUEに向けた送信のための最適なアクセスビームを決定する。
【0147】
図10を参照すると、ステップ1001において、スマートリピータ(SR)および少なくとも1つのUEが、広SR空間フィルタ(ビーム)を使用してアクセスポイント(例えば、gNB)への初期接続を確立することができる。スマートリピータはまた、アクセスポイントに、スマートリピータのバックホールビームおよびアクセスビームの数に関して通知し得る。
【0148】
ステップ1002において、スマートリピータは、スマートリピータとアクセスポイントとの間のバックホールリンクを介してアクセスポイントに機能情報を送信することができ、機能情報は、スマートリピータにおけるバックホール・アクセス統合空間フィルタ(ビーム)改良手順の実施の機能指示を含む。例えば、機能情報は、アップリンクにおける媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)、またはRRCにおいて送信することができる。
【0149】
機能情報は、アクセスポイントが、特にgNB-SR-P3のために専用参照信号反復をスケジューリングせず、SR/gNB-UE-P2のために少なくとも1つのUEが利用可能になるまで待つのを助ける。妥当な時間窓(例えば、L1/RSRP CSI-RS周期の半分)内に、UEが利用可能でないか、または、スケジューリングすることができない場合、アクセスポイントは、専用gNB-SR-P3に戻ることができる。
【0150】
ステップ1003において、アクセスポイントは、バックホールリンクを介してスマートリピータにバックホールリソース構成を送信することができ、バックホールリソース構成は、第1の参照信号セットに使用される1つまたは複数の時間-周波数リソースを示す。バックホールリソース構成によって、アクセスポイントは、アクセスビーム掃引のためにスマートリピータを構成する。
【0151】
例えば、アクセスポイントは、アクセスポイントの各アクティブな参照信号に使用される時分割二重(TDD)時間スロットおよび参照信号リソース構造を示すために、バックホールリソース構成を、スマートリピータに半静的にまたは周期的に送信することができる。
【0152】
ステップ1004において、アクセスポイントは、参照信号ビーム測定値および報告のために少なくとも1つのUEを構成することができる。
【0153】
ステップ1005において、アクセスポイントは、掃引をシミュレートするために、同じ空間フィルタ(角度方向)を用いて、ただし、異なる識別子(例えば、ビームID)を用いて、スマートリピータに第1の参照信号(RS)セットを送信することができる。アクセスポイントが反復のような挙動を呈するにもかかわらず、UE RSリソースRRM構成において反復フラグは設定され得ない。
【0154】
第1の参照信号セットは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、一次同期信号(PSS)、二次同期信号(SSS)、またはトラッキング参照信号(TRS)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0155】
ステップ1006において、スマートリピータは、第2の参照信号セットを増幅し、異なる空間フィルタを用いてアクセスリンクを介して少なくとも1つのUEに送信することができ、第2の参照信号セットは、第1の参照信号セットに対応する。言い換えれば、スマートリピータは、受信した第1の参照信号セットを増幅し、転送することができる(すなわち、第2の参照信号セットは、第1の参照信号セットと同じであり得る)。スマートリピータは、アクセスリンクを介して第2の参照信号セットを送信するとき、第2の参照信号セットのうちの各参照信号を等しい量で(すなわち、同じ増幅利得で)増幅することができる。
【0156】
ステップ1007において、スマートリピータは、そのバックホール(BH)空間フィルタ(バックホールビーム)を掃引し、バックホール空間フィルタ上の第1の参照信号セットの各参照信号(リソース)の受信電力(例えば、RSRP)を測定して、第1の参照信号セットの受信電力を示す第1の測定結果セットを取得することができる。
【0157】
ステップ1008において、スマートリピータは、第1の参照信号セットを、アクセスリンクを介して第2の参照信号セットを送信するために使用される空間フィルタのセットにマッピングすることができる。言い換えれば、スマートリピータは、受信された第1の参照信号セットの各参照信号をアクセス(AC)リンクの空間フィルタ(ビーム)にマッピングすることができる。
【0158】
ステップ1009において、スマートリピータは、ステップ1007において取得された第1の測定結果セットに基づいて、バックホールリンクの空間フィルタ(ビーム)を取得または選択することができる。例えば、スマートリピータは、最高の測定RSRPを有する空間フィルタを選択してもよい。
【0159】
ステップ1010において、少なくとも1つのUEは、アクセスリンクを介して異なる空間フィルタを通じて受信される第2の参照信号セットの受信電力(例えば、RSRP)を測定して、第2の参照信号セットの受信電力を示す第2の測定結果セットを取得することができる。
【0160】
ステップ1011において、少なくとも1つのUEは、ステップ1010において取得された第2の測定結果セットを報告するために、アクセスポイントにレポートを送信することができる。言い換えれば、UEは、スマートリピータによって増幅されるアップリンク経路を通じて、測定空間フィルタおよび対応する測定RSRP値(または最良のビームに対するオフセット)をアクセスポイントに報告することができる。
【0161】
ステップ1012において、アクセスポイントは、アクセスリンク情報をスマートリピータに送信し、アクセスリンク情報は、第2の参照信号セットの受信電力を示す第2の測定結果セットを含む。この間接的な報告は、UEおよびスマートリピータが直接的な通信リンクを有しないため、必要とされる。
【0162】
ステップ1013において、スマートリピータは、第1の測定結果セットに基づいて、アクセスリンク情報から取得される第2の測定結果セットを補償することができる。言い換えれば、第1の測定結果セット、第2の測定結果セットおよびステップ1008の適用されるマッピングに基づいて、スマートリピータは、アクセスリンクの空間フィルタ対するバックホール空間フィルタの影響を補償する。
【0163】
例えば、バックホールリンク空間フィルタiを通じてスマートリピータによって受信され、アクセスリンク空間フィルタjを通じて送信される各参照信号nについて、アクセスポイントは、以下のように、第1の測定結果セット内の最低測定値に対するデルタオフセットを算出することができる。
【0164】
【0165】
式中、
【数7】
は、バックホールリンク空間フィルタiの測定RSRPであり、
【数8】
は、アクセスリンク空間フィルタjの測定RSRPである。
【0166】
スマートリピータは、以下のように、算出されたデルタオフセットによって第2の測定結果セットのRSRP値を補償することができる。
【0167】
【0168】
ステップ1014において、補償された第2の測定結果セットおよびステップ1008の適用されるマッピングに少なくとも部分的に基づいて、スマートリピータは、アクセスリンクを介して少なくとも1つのUEと通信するための空間フィルタ(ビーム)を取得または決定する。
【0169】
したがって、スマートリピータは、アクセスリンク情報および第1の参照信号セットの第1の測定結果セットに少なくとも部分的に基づいて、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対(ビーム対)を取得する。
【0170】
アクセスリンクのための取得される空間フィルタは、(SR観点から)第2の参照信号セットが正規化送信電力によって送信されていた場合に最高のRSRPを提供していたことになる空間フィルタであってもよい。例えば、空間フィルタj*は、以下のように、参照信号の識別子n*(ステップ1008からのマッピングによればアクセスリンク空間フィルタj*に対応する)を決定することによって取得することができる。
【0171】
【0172】
ステップ1015において、スマートリピータは、取得された少なくとも1つの空間フィルタ対を介して、少なくとも1つのUEおよびアクセスポイントと通信することができる。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態はまた、複数のUEに適用可能であり得ることに留意されたい。この場合、アクセスリンクのためのSR空間フィルタを決定するエンティティ(アクセスポイントまたはスマートリピータ)は、各UEについて算出/補償を反復し得るが、バックホール空間フィルタの測定値は、各UEについて変化しないものとすることができる。
【0174】
図11は、1つまたは複数の例示的な実施形態によるフローチャートを示す。
図11に示すステップは、(スマート)リピータのような、または、(スマート)リピータに含まれる装置によって実施されてもよい。
【0175】
図11を参照すると、ステップ1101において、アクセスリンク情報が、バックホールリンクを介してアクセスポイントからを受信され、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、(スマート)リピータと少なくとも1つのUEとの間のアクセスリンクのための空間フィルタの指示を含むかまたは示す。少なくとも1つのUEはまた、本明細書においては、ユーザ機器、ユーザデバイス、または端末デバイスとして参照される場合もある。
【0176】
ステップ1102において、バックホールリンクおよびアクセスリンクのための少なくとも1つの空間フィルタ対が、アクセスリンク情報に少なくとも部分的に基づいて取得される。
【0177】
図12は、例示的な実施形態によるフローチャートを示す。
図12に示すステップは、アクセスポイント(例えば、gNB)のような、または、アクセスポイントに含まれる装置によって実施されてもよい。
【0178】
図12を参照すると、ステップ1201において、(スマート)リピータのアクセスリンク情報が取得され、アクセスリンク情報は、1つもしくは複数の参照信号の受信電力、または、(スマートリピータ)と少なくとも1つのUEとの間のアクセスリンクのための空間フィルタの指示を含むかまたは示す。少なくとも1つのUEはまた、本明細書においては、ユーザ機器、ユーザデバイス、または端末デバイスとして参照される場合もある。
【0179】
ステップ1202において、アクセスリンク情報が、バックホールリンクを介して(スマート)リピータに送信される。
【0180】
図9~
図12を用いて上述したステップおよび/またはブロックは、絶対的な時系列順になってはおらず、それらのいくつかは、同時に、または、記載されているものとは異なる順序において実施されてもよい。他のステップおよび/またはブロックも、それらの間にまたはそれらの中で実行されてもよい。例えば、
図9のステップ905~910は、ロックステップにおいて(すなわち、実質的に同時に)実施されてもよい。
【0181】
いくつかの例示的な実施形態によって提供される技術的利点は、それらが、電力正規化を伴わずにgNB-SR-P3およびSR-UE-P2ビーム改良手順を同時に実施し、SRアクセスビーム(アクセスリンクのための空間フィルタ)の準最適な選択を回避することによって、RS送信の数を減少させることである。言い換えれば、いくつかの例示的な実施形態は、SRバックホールビームの不平衡なRSRPによって引き起こされる異なるSRアクセスビームRSRP値を補償することによって、スマートリピータにおいて電力正規化を伴わずに1つの参照信号セットにわたってSRバックホール・アクセス統合ビーム改良を可能にする。
【0182】
いくつかの例示的な実施形態は、2つのRSビームセットに対する必要性を1つのセットに減少させることによって、リソースを節約することができる。加えて、いくつかの例示的な実施形態は、SRにおいて電力正規化が必要とされないため、SR複雑度を減少させることができる。いくつかの例示的な実施形態はまた、そのバックホールおよびアクセスビームをより頻繁に、かつ、より低いレイテンシで調整することを可能にすることによって、SR性能も改善することができる。
【0183】
図13は、例示的な実施形態による、端末デバイスのような、または、端末デバイスに含まれる装置であってもよい装置1300を示す。端末デバイスはまた、本明細書においてはUEまたはユーザ機器としても参照される場合もある。装置1300は、プロセッサ1310を備える。プロセッサ1310は、コンピュータプログラム命令を解釈し、データを処理する。プロセッサ1310は、1つまたは複数のプログラム可能プロセッサを含んでもよい。プロセッサ1310は、ファームウェアを組み込まれたプログラム可能ハードウェアを含んでもよく、代替的にまたは付加的に、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。
【0184】
プロセッサ1310は、メモリ1320に結合されている。プロセッサは、メモリ1320に対しておよびメモリ1320からデータを読み出し、書き込むように構成されている。メモリ1320は、1つまたは複数のメモリユニットを含んでもよい。メモリユニットは、揮発性または不揮発性であってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、不揮発性メモリの1つまたは複数のユニットおよび揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよく、または、代替的に、不揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよく、または、揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよいことに留意されたい。揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)または同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)であってもよい。不揮発性メモリは、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、光学ストレージまたは磁気ストレージであってもよい。概して、メモリは、非一時的コンピュータ可読媒体として参照され得る。メモリ1320は、プロセッサ1310によって実行されるコンピュータ可読命令を格納する。例えば、不揮発性メモリは、コンピュータ可読命令を格納し、プロセッサ1310は、データおよび/または命令を一時的に格納するための揮発性メモリを使用して命令を実行する。
【0185】
コンピュータ可読命令は、メモリ1320に予め格納しておいてもよく、または、代替的にまたは付加的に、それらは、装置によって、電磁キャリア信号を介して受信されてもよく、および/または、コンピュータプログラム製品などの物理エンティティからコピーされてもよい。コンピュータ可読命令を実行することによって、装置1300は、上述した機能のうちの1つまたは複数を実施させられる。
【0186】
本明細書の文脈において、「メモリ」または「コンピュータ可読媒体」(“computer-readable media”または“computer-readable medium”)は、コンピュータなどの、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するための、またはそれと協働する命令を包含、格納、通信、伝搬、または輸送することができる任意の非一時的媒体または手段であってもよい。
【0187】
装置1300は、入力ユニット1330をさらに備えてもよく、または入力ユニット1330に接続されてもよい。入力ユニット1330は、入力を受信するための1つまたは複数のインターフェースを含んでもよい。1つまたは複数のインターフェースは、例えば、1つまたは複数の温度、運動および/または方向センサ、1つまたは複数のカメラ、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のマイクロフォン、1つまたは複数のボタンおよび/または1つまたは複数の接触検出ユニットを含んでもよい。さらに、入力ユニット1330は、外部デバイスが接続され得るインターフェースを含んでもよい。
【0188】
装置1300はまた、出力ユニット1340も備えてもよい。出力ユニットは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)および/またはシリコン上液晶(LCoS)ディスプレイなどの、視覚コンテンツをレンダリングすることが可能な1つまたは複数のディスプレイを含んでもよく、または、それに接続されてもよい。出力ユニット1340は、1つまたは複数の音響出力をさらに含んでもよい。1つまたは複数の音響出力は、例えば、スピーカであってもよい。
【0189】
装置1300は、接続ユニット1350をさらに備える。接続ユニット1350は、1つまたは複数の外部デバイスへのワイヤレス接続を可能にする。接続ユニット1350は、装置1300に統合されてもよい、または、装置1300がそれに接続されてもよい、少なくとも1つのトランスミッタおよび少なくとも1つのレシーバを備える。少なくとも1つのトランスミッタは、少なくとも1つの送信アンテナを備え、少なくとも1つのレシーバは、少なくとも1つの受信アンテナを備える。接続ユニット1350は、装置1300のワイヤレス通信機能を提供する集積回路または集積回路セットを備えてもよい。代替的に、ワイヤレス接続は、ハードワイヤード特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよい。接続ユニット1350は、対応する制御ユニットによって制御される、電力増幅器、デジタルフロントエンド(DFE)、アナログ-デジタル変換器(ADC)、デジタル-アナログ変換器(DAC)、周波数変換器、変調器(復調器)、および/またはエンコーダ/デコーダ回路などの1つまたは複数の構成要素を備えてもよい。
【0190】
装置1300は、
図13に示されていない様々な構成要素をさらに備えてもよいことに留意されたい。様々な構成要素は、ハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素であってもよい。
【0191】
図14の装置1400は、ワイヤレス通信ネットワークのネットワーク要素のような、または、それに含まれる装置の例示的な実施形態を示す。ネットワーク要素はまた、例えば、リピータ、スマートリピータ、ネットワークノード、RANノード、アクセス・バックホール統合(IAB)ノード、IABドナーノード、NodeB、LTE発展型NodeB(eNB)、gNB、基地局、NR基地局、5G基地局、アクセスノード、アクセスポイント(AP)、分散ユニット(DU)、中央ユニット(CU)、ベースバンドユニット(BBU)、無線ユニット(RU)、無線ヘッド、リモート無線ヘッド(RRH)、または送受信点(TRP)として参照される場合もある。装置1400は、例えば、記載されている例示的な実施形態のいくつかを実現するために適用可能な回路またはチップセットを備えることができる。装置1400は、1つまたは複数の電子回路を備える電子デバイスであってもよい。装置1400は、少なくとも1つのプロセッサなどの通信制御回路1410と、コンピュータプログラムコード(ソフトウェア)1422を含む少なくとも1つのメモリ1420とを備えることができ、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコード(ソフトウェア)1422は、少なくとも1つのプロセッサによって、装置1400に上述した例示的な実施形態のいくつかを実行させるように構成されている。
【0192】
プロセッサは、メモリ1420に結合されている。プロセッサは、メモリ1420に対しておよびメモリ1420からデータを読み出し、書き込むように構成されている。メモリ1420は、1つまたは複数のメモリユニットを含んでもよい。メモリユニットは、揮発性または不揮発性であってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、不揮発性メモリの1つまたは複数のユニットおよび揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよく、または、代替的に、不揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよく、または、代替的に、揮発性メモリの1つまたは複数のユニットがあってもよいことに留意されたい。揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)または同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)であってもよい。不揮発性メモリは、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、光学ストレージまたは磁気ストレージであってもよい。概して、メモリは、非一時的コンピュータ可読媒体として参照され得る。メモリ1420は、プロセッサによって実行されるコンピュータ可読命令を格納する。例えば、不揮発性メモリは、コンピュータ可読命令を格納し、プロセッサは、データおよび/または命令を一時的に格納するための揮発性メモリを使用して命令を実行する。
【0193】
コンピュータ可読命令は、メモリ1420に予め格納しておいてもよく、または、代替的にまたは付加的に、それらは、装置によって、電磁キャリア信号を介して受信されてもよく、および/または、コンピュータプログラム製品などの物理エンティティからコピーされてもよい。コンピュータ可読命令を実行することによって、装置1400は、上述した機能のうちの1つまたは複数を実施させられる。
【0194】
メモリ1420は、半導体ベースのメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよび/または取り外し可能メモリのような、任意の適切なデータストレージ技術を使用して実施されてもよい。メモリは、構成データを格納するための構成データベースを含んでもよい。例えば、構成データベースは、現在の近隣のセルのリスト、および、いくつかの例示的な実施形態においては、検出された近隣のセルにおいて使用されているフレームの構造を格納してもよい。
【0195】
装置1400は、1つまたは複数の通信プロトコルによる通信接続を実現するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む通信インターフェース1430をさらに備えることができる。通信インターフェース1430は、装置1400に統合されてもよい、または、装置1400がそれに接続されてもよい、少なくとも1つのトランシーバ(TRX)を備える。通信インターフェース1430は、装置に、セルラ通信システム内で通信するための無線通信機能を提供する。通信インターフェースは、例えば、端末デバイスへの無線インターフェースを提供してもよい。装置1400は、ネットワークコーディネータ装置などのコアネットワークおよび/またはセルラ通信システムのアクセスノードに対する別のインターフェースをさらに備えてもよい。装置1400は、リソースを配分するように構成されているスケジューラ1440をさらに備えることができる。スケジューラ1440は、通信制御回路1410とともに構成されてもよく、または、別個に構成されてもよい。
【0196】
本出願において使用される「回路」という用語は、a)ハードウェアのみの回路実施態様(アナログおよび/またはデジタル回路のみにおける実施態様など)、ならびにb)(適用可能な場合)i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、および、ii)協働して携帯電話などの装置に様々な機能を実施させるソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、およびメモリを有するハードウェアプロセッサの任意の部分などの、ハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせ、ならびにc)動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするが、ソフトウェアは動作に必要ないときは存在しなくてもよい、マイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部分などのハードウェア回路および/またはプロセッサのうちの1つまたは複数またはすべてを指し得る。
【0197】
この回路の定義は、あらゆる特許請求項を含む、本出願におけるこの用語のすべての使用に適用される。さらなる例として、本出願において使用される場合、回路という用語はまた、ハードウェア回路もしくはプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはハードウェア回路もしくはプロセッサの一部分、ならびにその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアのみの実施態様もカバーする。回路という用語はまた、例えば、特定の請求項要素に適用可能な場合、モバイルデバイスのためのベースバンド集積回路もしくはプロセッサ集積回路、または、サーバ、セルラネットワークデバイス、もしくは他のコンピューティングもしくはネットワークデバイス内の同様の集積回路もカバーする。
【0198】
本明細書に記載されている技法および方法は、様々な手段によって実施することができる。例えば、これらの技法は、ハードウェア(1つまたは複数のデバイス)、ファームウェア(1つまたは複数のデバイス)、ソフトウェア(1つまたは複数のモジュール)、またはそれらの組み合わせにおいて実施されてもよい。ハードウェア実施態様について、例示的な実施形態の装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載されている機能を実施するように設計されている他の電子ユニット、または、それらの組み合わせの中で実施されてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアについて、実施は、本明細書に記載されている機能を実施する少なくとも1つのチップセットのモジュール(例えば、手順、関数など)を通じて実行することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって実行されてもよい。メモリユニットは、プロセッサ内にまたはプロセッサの外部に実施されてもよい。後者の場合において、これは、当該技術分野において知られているように、様々な手段を介してプロセッサに通信可能に結合することができる。付加的に、当業者には諒解されるように、本明細書に記載されているシステムの構成要素は、それに関連して記載されている様々な態様の達成などを容易にするために、追加の構成要素によって再構成および/または補完されてもよく、それらは、所与の図面に記載されている正確な構成に限定されない。
【0199】
技術が進歩するにつれて、本発明の概念は様々な様式で実施され得ることが、当業者には明らかとなろう。実施形態は、上述した例示的な実施形態に限定されず、特許請求項の範囲内で変化し得る。したがって、すべての単語および表現は、広義に解釈されるべきであり、それらは、例示的な実施形態を限定するのではなく、例示するように意図されている。
【国際調査報告】