(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】変性生コークス材料、およびその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
H01M 4/587 20100101AFI20250212BHJP
C01B 32/205 20170101ALI20250212BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20250212BHJP
【FI】
H01M4/587
C01B32/205
C01B32/05
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541735
(86)(22)【出願日】2023-04-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2023086126
(87)【国際公開番号】W WO2024093127
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211378795.0
(32)【優先日】2022-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524160637
【氏名又は名称】湖南中科星城石墨有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】胡孔明
(72)【発明者】
【氏名】王志勇
(72)【発明者】
【氏名】▲シャ▼英奇
(72)【発明者】
【氏名】張▲ミョウ▼
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA02
4G146AB01
4G146AD23
4G146AD25
4G146BA27
4G146BA43
4G146BA46
4G146BB03
4G146BB06
4G146BB17
4G146BC04
4G146BC35A
4G146BC36A
4G146BC36B
5H050AA01
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA01
5H050CB08
5H050GA02
5H050GA05
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA05
5H050HA08
5H050HA14
5H050HA20
(57)【要約】
【要約】
【課題】本願は、変性生コークス材料およびその調製方法と使用を開示する。
【手段】前記変性生コークス材料の偏光構造において、長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり、前記変性コークス材料のうち、1%≦揮発分<5%である。本願に係る変性生コークス材料は、変性された生コークスにおける長細繊維構造および広域構造が多くなり、揮発分が効果的に低減され、軽質成分がさらに排除され、原料の自己粘結性を無くすことで、後続に黒鉛を調製する熱処理過程でさらに凝集することがなく、変性された生コークス材料で調製して黒鉛負極材料を得て、人造黒鉛負極の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を効果的に向上させ、黒鉛負極材料の性能の綜合的な向上を実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性生コークス材料であって、
前記変性生コークス材料の偏光構造において、長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり、前記変性生コークス材料のうち、1%≦揮発分<5%である、
変性生コークス材料。
【請求項2】
前記変性生コークス材料の真密度は、1.4~2g/cm
3であり、好ましくは、1.4~1.5g/cm
3である、
請求項1に記載の変性生コークス材料。
【請求項3】
前記変性生コークス材料のハードグローブ粉砕性指数は、20~100である、
請求項1または2に記載の変性生コークス材料。
【請求項4】
前記変性生コークス材料のうち、2%≦揮発分<5%である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の変性生コークス材料。
【請求項5】
原始生コークス材料を処理して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、低温熱処理して、変性生コークス材料を得るステップを含む、
変性生コークス材料の調製方法。
【請求項6】
前記原始生コークス材料は、石油コークス生コークス、ニードルコークス生コークス、ピッチコークス生コークスまたは中間相コークスのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む、
請求項5に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項7】
前記処理の方法は、篩分けおよび/または破砕を行うことを含む、
請求項5~6のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項8】
前記生コークス粒子のD50は、0.3~3.0mmである、
請求項5~7のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項9】
前記低温熱処理の温度は、500~900℃であり、前記低温熱処理の時間は、2~6hである、
請求項5~8のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項10】
前記低温熱処理の過程では、酸素ガスの含有量は、500ppm以下である、
請求項5~9のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項11】
原始生コークス材料を破砕して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、酸素ガスの含有量≦500ppmの環境下で、500~900℃の温度で2~6h低温熱処理して、変性生コークス材料を得るステップを含む、
変性生コークス材料の調製方法。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか一項に記載の変性生コークス材料により黒鉛化処理して得られる、
黒鉛負極材料。
【請求項13】
請求項12に記載の黒鉛負極材料を含む、
リチウムイオン電池。
【請求項14】
請求項1~4のいずれか一項に記載の変性生コークス材料を用いて黒鉛負極材料を調製する方法であって、
前記変性生コークス材料を粉砕し、粉砕後のD50が8~20μmであるステップ(1)と、
粉砕後の前記変性生コークス材料を黒鉛化処理し、黒鉛化温度が2500~3500℃であるステップ(2)と、を含む、
方法。
【請求項15】
原始生コークス材料を処理して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、低温熱処理して、変性生コークス材料を得るステップ(1)と、
前記変性生コークス材料を粉砕し、粉砕後のD50が8~20μmであるステップ(2)と、
粉砕後の前記変性生コークス材料を黒鉛化処理し、黒鉛化温度が2500~3500℃であるステップ(3)と、を含む、
黒鉛負極材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、黒鉛調製原料の技術分野に関し、例えば、変性生コークス材料、およびその調製方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
負極材料は、電池の核心部材の一つとして、電池の綜合性能に対して重要な役割を果たしている。関連する負極材料の種類には、黒鉛類材料は、充放電プラトーが低く、理論的なリチウム挿入容量が高く、導電性能が良いなどの利点を有するため、商業化リチウムイオン電池負極材料となっている。天然黒鉛は、比容量が高く、安価であり、資源が豊かであるなどの利点を有するため、商用負極材料の分野において広く適用されているが、電解液との相溶性が悪く、初回不可逆容量が大きく、充放電倍率性能が悪いなどの欠陥は、長サイクル寿命や高倍率性能のリチウムイオン電池における使用に直接影響を与えている。人造黒鉛は、電解液との相溶性がよく、サイクルおよび倍率性能が比較的に良好であり、長サイクル寿命や高倍率性能の動力電池の好適な負極材料である。
【0003】
一般的な人造黒鉛は、常に生コークス材料を原料として使用しているが、一般的な生コークス構造が十分に発達しておらず、残留した軽質成分が多く、易黒鉛化性への悪影響が生じ、黒鉛化製品の黒鉛化度、比容量およびプレス密度が低いため、高エネルギー密度の黒鉛負極材料のニーズを満たすことができない。一般的な生コークスの揮発分が高く、通常4%~15%であり、一部の揮発分の高い生コークス原料は、熱処理過程で凝集、さらには固結現象が起りやすいため、次のプロセスにおいて凝集を崩して分散させるコストが増加されてしまう。
【0004】
例えば、CN109748274Aでは、コストの低い複合粒子黒鉛負極材料の調製方法が開示されている。コークス材料とアスファルト粉末とを100:1~100:20の質量比で混合して混合材料を得る。上記混合材料を黒鉛化炉に入れて黒鉛化処理して、複合粒子黒鉛化材料を得る。上記複合粒子黒鉛化材料を分級して分級材料を得る。上記分級材料を篩分けし消磁して、複合粒子黒鉛負極材料を得る。該文献におけるコークス状材料は、ニードルコークス焼成前コークス(生コークス)である。
【0005】
また、例えば、CN111354927Aでは、複合黒鉛負極材料、リチウムイオン電池およびその製造方法と使用が開示されている。該製造方法は、以下のステップを含む。S1:焼成前生コークス粉末、鱗片黒鉛粉末および黒鉛化触媒と黒鉛化可能なバインダーの混練物を調製する。ただし、焼成前生コークス粉末と鱗片黒鉛粉末との質量比が1:1.5~1:4であり、黒鉛化触媒の用量が焼成前生コークス粉末と鱗片黒鉛粉末との質量和の0.1~0.8%であり、黒鉛化可能なバインダーの用量が焼成前生コークス粉末と鱗片黒鉛粉末との質量和の1~9%である。S2:炭化処理である。S3:触媒黒鉛化高温処理である。
【0006】
上記文献における黒鉛原料は、いずれも生コークス原料を使用し、ある程度で、高エネルギー密度の黒鉛負極材料のニーズを満たすことができず、綜合的な電気化学性能が良好な黒鉛材料を得ることができない情況が発生してきた。
【0007】
従って、如何に黒鉛材料のコークス状原料を変性して、後続に調製された黒鉛負極材料の比容量、初回効率およびプレス密度などの性能を向上させるかは、早急な解決の待たれる技術的問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下は、本明細書において詳しく説明する主題の概説である。本概説は、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0009】
本願の実施例は、変性生コークス材料および調製方法と使用を提供する。本願に係る変性生コークス材料は、変性された生コークスにおける長細繊維構造および広域構造が多くなり、揮発分が効果的に低減され、軽質成分がさらに排除され、原料の自己粘結性を無くしたことで、後続に黒鉛を調製する熱処理過程でさらに凝集することがなく、変性生コークス材料で調製して黒鉛負極材料を得て、人造黒鉛負極の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を効果的に向上させ、黒鉛負極材料の性能の綜合的な向上を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1態様として、本願の実施例は、変性生コークス材料であって、前記変性生コークス材料の偏光構造において、長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり、前記変性生コークス材料のうち、1%≦揮発分<5%である変性生コークス材料を提供する。
【0011】
本願に係る変性生コークス材料、変性された生コークスにおける長細繊維構造および広域構造が多くなり、且つ変性生コークスの揮発分が効果的に低減され、軽質成分がさらに排除され、原料の自己粘結性を無くすことで、後続に黒鉛を調製する熱処理過程でさらに凝集することがなく、変性生コークス材料で調製して黒鉛負極材料を得て、人造黒鉛負極の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を効果的に向上させると同時に、生コークスの低膨張性と強充電性能の良好な特性を維持し、黒鉛負極材料の性能の綜合的な向上を実現することができる。変性生コークスの揮発分が低過ぎ、1%を下回ると、過度熱処理を意味し、熱処理された生コークスには焼成後コークスに類似する特性(例えば、黒鉛化後の層の間隔が小さくなる)が発生することで、後続に調製される黒鉛が充放電過程で膨張しやすく、その強充電性能や、サイクル寿命が悪い。揮発分が高すぎ、5%以上であると、熱処理不十分を意味し、生コークス材料の結晶体成長が不完全となることで、後続に調製される黒鉛負極材料のグラム容量およびプレス密度の向上効果に限界がある。
【0012】
例えば、前記変性生コークス材料の揮発分は、1%、1.3%、1.5%、1.8%、2%、2.3%、2.5%、2.8%、3%、3.3%、3.5%、3.8%、4%、4.3%、4.5%、4.8%、4.9%または4.95%などであってもよい。前記長細繊維組織と広域構造の割合の和は、55%、58%、60%、63%、65%、68%、70%、73%、75%、78%、80%、83%、85%、88%、90%、93%、95%、98%または99%などであってもよい。
【0013】
好ましくは、前記変性生コークス材料のハードグローブ粉砕性指数は、20~100であり、例えば20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100などであってもよい。
【0014】
好ましくは、前記変性生コークス材料のうち、揮発分は、2%≦揮発分<5%であり、例えば2%、2.3%、2.5%、2.8%、3%、3.3%、3.5%、3.8%、4%、4.3%、4.5%、4.8%、4.9%または4.95%などである。
【0015】
本願において、変性生コークス材料は、2%≦揮発分<5%である場合、生コークス材料の長細繊維構造および広域構造の発達に一層有利である。これにより、変性生コークス材料を黒鉛化した後、そのグラム容量およびプレス密度を効果的に向上させると同時に、生コークスの低膨張性と強充電性能の良好な特性を維持する。
【0016】
好ましくは、前記変性生コークス材料の真密度は、1.4~2g/cm3、例えば1.4g/cm3、1.41g/cm3、1.42g/cm3、1.43g/cm3、1.44g/cm3、1.45g/cm3、1.46g/cm3、1.47g/cm3、1.48g/cm3、1.49g/cm3、1.5g/cm3、1.6g/cm3、1.7g/cm3、1.8g/cm3、1.9g/cm3または2g/cm3などであり、1.4~1.5g/cm3であることが好ましい。
【0017】
本願において、変性生コークス材料は、真密度が1.4~1.5g/cm3の範囲である場合に、生コークス結晶体の発達をより良く実現することができ、真密度が1.5g/cm3を超える場合に、後続に調製される黒鉛が充放電過程で膨張しやすくなり、その強充電性能やサイクル寿命が悪い。真密度が小さすぎる場合に、また、生コークス結晶体の発達に不利であることで、黒鉛化後にグラム容量およびプレス密度が低い。
【0018】
第2態様として、本願の実施例は、
原始生コークス材料を処理して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、低温熱処理して、前記変性生コークス材料を得るステップを含む、変性生コークス材料の調製方法を提供する。
【0019】
本願は、原始生コークス材料を変性処理し、D50が0.1~5mmの生コークス粒子に対する低温熱処理を厳しく制限し、低温熱処理した後、生コークスにおける中短繊維構造がさらに長細繊維構造に発達でき、長細繊維構造と広域構造の偏光構造における割合を向上させると同時に、揮発分を効果的に低減し、軽質成分をさらに排除し、原料の自己粘結性、および粒子が熱処理過程で発生する凝集現象を無くすことにより、変性生コークス材料を原料として調製して得られた人造黒鉛負極材料の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を向上させることができる。
【0020】
本願において、生コークス粒子のD50が5mmを超えると、低温熱処理の過程で、揮発分の排出が不十分であり、結晶体の発達が不完全であり、長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり且つ1%≦揮発分<5%である変性生コークス材料を得にくい。同様には、D50が0.1mm未満であると、低温熱処理の過程で、サイズが小さすぎるため、熱処理過程における結晶体の発達過程を妨害し、依然として上記変性生コークス材料を得にくい。
【0021】
例えば、前記生コークス粒子は、0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.3mm、1.5mm、1.8mm、2mm、2.3mm、2.5mm、2.8mm、3mm、3.5mm、3.8mm、4mm、4.3mm、4.5mm、4.8mmまたは5mmなどであってもよい。
【0022】
好ましくは、前記原始生コークス材料は、石油コークス生コークス、ニードルコークス生コークス、ピッチコークス生コークスまたは中間相コークスのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む。
【0023】
好ましくは、前記処理の方法は、篩分けおよび/または破砕を行うことを含む。
【0024】
好ましくは、前記生コークス粒子のD50は、0.3~3.0mm、例えば0.3、0.5mm、0.8mm、1mm、1.2mm、1.3mm、1.5mm、1.6mm、1.8mm、2mm、2.2mm、2.3mm、2.5mm、2.6mm、2.8mmまたは3mmなどである。
【0025】
本願において、生コークス粒子は、D50がさらに0.3~3.0mmの範囲である場合、変性生コークスの黒鉛化後のグラム容量およびプレス密度をより効果的に向上させると同時に、生コークスの低膨張性と強充電性能の良好な特性を維持することができる。
【0026】
好ましくは、前記低温熱処理の温度は、500~900℃、例えば500℃、530℃、550℃、580℃、600℃、630℃、650℃、680℃、700℃、730℃、750℃、780℃、800℃、830℃、850℃、880℃または900℃などである。
【0027】
好ましくは、前記低温熱処理の時間は、2~6h、例えば2h、3h、4h、5hまたは6hなどである。
【0028】
本願において、低温熱処理の温度が低すぎ、時間が短すぎると、結晶体の発達および揮発分の排出を良く実現することができず、黒鉛化後の材料のグラム容量およびプレス密度を効果的に向上させることができない。一方、温度が高すぎ、時間が長すぎると、後続に調製する黒鉛が充放電過程で膨張しやすくなり、黒鉛化後の強充電性能や、サイクル寿命が悪くなる。
【0029】
つまり、本願は、低温熱処理の温度および時間とともに、生コークス粒子のD50を調節・制御することにより、共に調製して長細繊維組織および広域構造の割合の和が55~99%であり且つ1%≦揮発分<5%である変性生コークス材料を得る。該材料は、黒鉛化後、生コークスの低膨張性と強充電性能の良好な特性を維持し、且つその黒鉛化度、グラム容量およびプレス密度を明らかに向上させることができる。
【0030】
好ましくは、前記低温熱処理の過程では、酸素ガスの含有量は、500ppm以下であり、例えば500ppm、450ppm、400ppm、350ppm、300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm、50ppmまたは0ppmなどである。
【0031】
本願は、低温熱処理の過程で、酸素ガスの含有量が高すぎると、材料の焼損が大きくなり、さらには安全リスクが発生し、変性生コークスの更なる黒鉛化に不利である。
【0032】
好適な技術方案として、前記調製方法は、
原始生コークス材料を破砕して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得て、500~900℃の温度で2~6h低温熱処理して、前記変性生コークス材料を得るステップを含む。
【0033】
第3態様として、本願の実施例は、第1態様に記載の変性生コークス材料により黒鉛化処理して得られる黒鉛負極材料を提供する。
【0034】
本願に係る人造黒鉛負極材料の調製方法は、いずれも一般的な技術手段であり、即ち、関連技術において実現可能であり、且つコークス状材料を原料の1つとして用いる方法は、いずれも本願に適用される。つまり、本願に係る生コークス変性材料は、人造黒鉛負極材料の原料のすべてとして用いられてもよく、人造黒鉛負極材料の原料の1つとして用いられてもよい。
【0035】
例示的には、本願は、本願に係る変性生コークス材料を用いて黒鉛負極材料を調製する調製過程を提供する。
1)変性後の生コークスを粉砕し、粉砕後のD50が8~20μmである。
2)上記粉砕の後の変性生コークスを黒鉛化処理し、黒鉛化温度が2500~3500℃である。
【0036】
前記ステップ2)では、黒鉛化の前/後、さらに、分級、変性、被覆または造粒などの方式を用いて処理してもよい。
【0037】
第4態様として、本願の実施例は、第3態様に記載の黒鉛負極材料を含むリチウムイオン電池をさらに提供する。
【発明の効果】
【0038】
従来技術に対して、本願の実施例は、以下の有益な効果を有する。
【0039】
(1)本願の実施例に係る変性生コークス材料は、変性後の生コークスにおける長細繊維構造および広域構造が多くなり、且つ揮発分が効果的に低減され、軽質成分がさらに排除され、原料の自己粘結性を無くすことで、後続に黒鉛を調製する熱処理過程でさらに凝集することがなく、変性後の生コークス材料で調製して黒鉛負極材料を得て、人造黒鉛負極の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を効果的に向上させ、黒鉛負極材料の性能の綜合的な向上を実現することができる。本願において、調製過程における生コークス粒子のD50、および低温熱処理の温度と時間を調節・制御して得られた変性生コークス材料の揮発分が1%≦揮発分<5%であり、且つ真密度の範囲が1.4~2g/cm3である場合、変性生コークス材料により得られた黒鉛材料を負極としての電池は、その1C下でのグラム容量が352.1mAh/g以上に達し、且つ異なる倍率で(倍率が1C、2C、3C、4C、5C、6Cであり)電池を100%SOCに充電する負極のリチウム析出の情況を観察し、その充電ウィンドウが1~5C以上である。
【0040】
(2)本願の実施例に係る調製方法は、変性過程における生コークス粒子のD50、熱処理の温度および時間を厳しく制御するからこそ、性能に優れた変性生コークス材料を得ることができ、調製方法は、操作がシンプルであり、複雑な処理過程を行う必要がなく、大規模生産に適用される。
【0041】
図面および詳細な説明を閲読し理解してから、他の態様も理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図面は、本明細書の技術方案に対する理解を提供するためのものであり、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術方案を解釈するためのものであり、本願の技術方案を限定するものではない。
【0043】
【
図1】実施例1に係る変性石油コークスの偏光写真である。
【
図2】比較例1に係る原始石油コークス(未変性)の偏光写真である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、具体的な実施形態によって本願の技術方案をさらに説明する。当業者であれば、前記実施例は、本願を理解することに役に立つためのものに過ぎず、本願を具体的に限定するためのものと見なすべきではないことを理解すべきである。
【0045】
1つの具体的な実施形態において、本願は、以下のステップを含む、変性生コークス材料の調製方法を提供する。
【0046】
原始生コークス材料を破砕して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、酸素ガスの含有量≦500ppmの環境下で、500~900℃の温度で2~6h低温熱処理して、前記変性生コークス材料を得る。
【0047】
ただし、原始生コークス材料は、石油コークス生コークス、ニードルコークス生コークス、ピッチコークス生コークスまたは中間相コークスのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む。
【0048】
実施例1~4
実施例1~4は、変性石油コークス材料を提供する。前記変性石油コークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度、および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を、表1に示す。
【0049】
実施例1~4は、変性石油コークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始石油コークス原料の揮発分が10%であり、他のパラメータを表1に示す。
【0050】
比較例1
本比較例において、石油コークス材料に対していずれの処理を行わない。
【0051】
比較例2~6
比較例2~6は、変性石油コークス材料を提供する。変性石油コークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度、および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表1に示す。
【0052】
比較例2~6は、変性石油コークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始石油コークス原料の揮発分が10%であり、他のパラメータを表1に示す。
【0053】
図1は、実施例1に係る変性石油コークスの偏光写真を示し、
図2は、比較例1に係る原始石油コークス(未変性)の偏光写真を示す。
図1と
図2との比較から分かるように、低温熱処理された生コークスにおける長細繊維組織および広域構造が明らかに向上した。長細繊維組織および広域構造の偏光写真における割合により、変性された生コークスの長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であることが分かった。
【0054】
【0055】
実施例1~4および比較例1~6に係る変性または未変性(比較例1)の石油コークス材料を人造黒鉛負極材料の原料として、調製して人造黒鉛負極材料を得た。調製過程は以下の通りである。
【0056】
1)変性された生コークスを粉砕し、粉砕後のD50が15μmである。
【0057】
2)上記粉砕の後の変性生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【0058】
実施例1~4および比較例1~6に係る変性または未変性(比較例1)の石油コークス材料に対して、順次に粉砕、分級、黒鉛化を行って、人造黒鉛負極材料を得た。
【0059】
実施例1~4および比較例1~6に係る人造黒鉛負極材料で製造してボタン式電池を得た。グラム容量の試験条件は、常温、1C定電流充放電、充放電カットオフ電圧0.005V~2Vである。充電ウィンドウは、異なる倍率で(倍率が1C、2C、3C、4C、5C、6Cである)上記電池を100%SOCに充電して負極シートにリチウム析出が発生しない倍率区間である。その結果は表2に示す。
【0060】
【0061】
実施例1および実施例4のデータ結果から分かるように、真密度が大き過ぎ、1.5を超え、且つ揮発分が2%を下回ると、黒鉛化後の材料の強充電性能の向上に不利になった。
【0062】
実施例1および比較例2~4のデータ結果から分かるように、変性生コークス材料を調製する過程で、低温熱処理前の生コークス粒子が小さすぎる(0.1mm未満)あるいは大きすぎる(5mm超)と、いずれも調製して長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり且つ1%≦揮発分<5%である変性生コークス材料を得ることができないことで、黒鉛化後の材料のグラム容量および強充電性能を同時に向上させることができない。
【0063】
実施例1、比較例5および比較例6のデータ結果から分かるように、変性生コークス材料を調製する過程で、生コークス粒子の粒径が0.1~5mmの範囲であっても、温度が低すぎると、黒鉛化後の材料のグラム容量の向上が顕著ではなく、温度が高すぎると、また黒鉛化後の材料の強充電性能に影響を与えている。
【0064】
綜合的に、実施例1および比較例2~6のデータ結果から分かるように、変性生コークス材料を調製する過程で、生コークスの粒径、温度および時間の範囲を同時に満足しなければならなく、且つ相乗的に作用するからこそ、本願で期待している変性生コークス材料を得ることができ、後続の人造黒鉛負極材料の比容量を向上させることができる。
【0065】
実施例5~9
実施例5~9は、変性ピッチコークス材料を提供する。前記変性ピッチコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度、および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表3に示す。
【0066】
実施例5~9は、変性ピッチコークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始ピッチコークス原料の揮発分が6%であり、他のパラメータを表3に示す。
【0067】
比較例7
本比較例において、ピッチコークス材料に対していずれの処理を行わない。
【0068】
比較例8~10
比較例8~10は、変性ピッチコークス材料を提供する。変性ピッチコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表1に示す。
【0069】
比較例8~10は、変性ピッチコークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始ピッチコークス原料の揮発分が10%であり、他のパラメータを表3に示す。
【0070】
【0071】
実施例5~9および比較例7~10に係る変性または未変性(比較例1)のピッチコークス材料を人造黒鉛負極材料の原料として、調製して人造黒鉛負極材料を得た。調製過程は以下の通りである。
【0072】
1)変性された生コークスを破砕し、破砕後のD50が15μmである。
【0073】
2)上記粉砕の後の変性生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【0074】
実施例5~9および比較例7~10に係る変性または未変性(比較例1)のピッチコークス材料に対して、順次に粉砕、分級、黒鉛化を行って、人造黒鉛負極材料を得た。
【0075】
実施例5~9および比較例7~10に係る人造黒鉛負極材料で製造してボタン式電池を得た。試験条件については、グラム容量の試験条件は、常温、1C定電流充放電、充放電カットオフ電圧0.005V~2Vである。充電ウィンドウは、異なる倍率で(倍率が1C、2C、3C、4C、5C、6Cである)上記電池を100%SOCに充電して負極シートにリチウム析出が発生しない倍率区間である。その結果は表4に示す。
【0076】
【0077】
実施例5、実施例7および実施例8のデータ結果から分かるように、真密度が大き過ぎ、1.5を超え、且つ揮発分が2%を下回ると、黒鉛化後の材料の強充電性能の向上に不利になった。
【0078】
実施例5および比較例7のデータ結果から分かるように、生コークス材料に対していずれの変性処理を行わないと、生コークス材料における短繊維がさらに長繊維に発達することができないことで、黒鉛化後のグラム容量の向上を実現することができない。
【0079】
実施例1および比較例8~10のデータ結果から分かるように、変性生コークス材料を調製する過程で、低温熱処理の温度、時間および生コークス粒子のD50の三者を同時に満たしなけらばならず、且つ相乗的に作用するからこそ、生コークス材料に対する変性を実現でき、さらに人造黒鉛負極材料の比容量を向上させて、両者のうちの1つのみを満たせば、生コークス結晶体の発達に影響を与えることで、黒鉛化後のグラム容量を向上させる目的を達成できない。
【0080】
実施例10~13
実施例10~13は、変性ニードルコークス材料を提供する。前記変性ニードルコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表3に示す。
【0081】
実施例10~13は、変性ニードルコークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始ニードルコークス原料の揮発分が6%であり、他のパラメータを表5に示す。
【0082】
比較例11
本比較例において、ニードルコークス材料に対していずれの処理を行わない。
【0083】
比較例12~13
比較例12~13は、変性ニードルコークス材料を提供する。変性ニードルコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表1に示す。
【0084】
比較例12~13は、変性ニードルコークス材料の調製方法をさらに提供する。具体的な実施形態に基づいて提供される調製方法は、低温熱処理の過程における酸素含有量が500ppm未満であり、原始ニードルコークス原料の揮発分が10%であり、他のパラメータを表5に示す。
【0085】
【0086】
実施例10~13および比較例11~12に係る変性または未変性(比較例1)のニードルコークス材料を人造黒鉛負極材料の原料として、調製して人造黒鉛負極材料を得た。調製過程は、以下の通りである。
【0087】
1)変性された生コークスを破砕し、破砕後のD50が15μmである。
【0088】
2)上記粉砕後の変性生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【0089】
実施例10~13および比較例11~13に係る変性または未変性(比較例1)のニードルコークス材料に対して、順次に粉砕、分級、黒鉛化を行って人造黒鉛負極材料を得た。
【0090】
実施例10~13および比較例11~12に係る人造黒鉛負極材料で製造してボタン式電池を得た。試験条件については、グラム容量の試験条件は、常温、1C定電流充放電、充放電カットオフ電圧0.005V~2Vである。充電ウィンドウは、異なる倍率で(倍率が1C、2C、3C、4C、5C、6Cである)上記電池を100%SOCに充電して負極シートにリチウム析出が発生しない倍率区間である。その結果は表6に示す。
【0091】
【0092】
実施例10、実施例12および実施例13のデータ結果から分かるように、真密度が大き過ぎ、1.5を超え、且つ揮発分が2%を下回ると、変性生コークスの黒鉛化後の強充電性能の向上に不利になった。
【0093】
実施例10と比較例11のデータ結果から分かるように、生コークス材料に対していずれの変性処理を行わないと、生コークス材料における短繊維がさらに長繊維に発達することができず、且つ生コークスにおける揮発分を排出することができないことで、変性生コークスの黒鉛化後の比容量の向上を実現することができない。
【0094】
表1~表6から分かるように、本願に係る変性生コークス材料は、調製過程で、生コークス粒子のD50、および低温熱処理の温度、時間の三者を同時に満たしなければならないからこそ、本願で所要する変性生コークス材料を得ることができる。それと同時に、変性生コークス材料の揮発分が2%≦揮発分<5%であり、且つ真密度の範囲が1.4~1.5g/cm3である場合、後続に人造黒鉛負極材料を調製する際にさらに凝集しにくく、得られた黒鉛負極材料の性能がより良くなり、比容量がより高くなった。
【0095】
要するに、本願に係る変性生コークス材料は、揮発分が効果的に低減され、軽質成分がさらに排除され、原料の自己粘結性を無くすことで、後続に黒鉛を調製する熱処理過程でさらに凝集することがなく、変性された生コークスにおける長細繊維構造および広域構造が多くなり、変性された生コークス材料で調製して黒鉛負極材料を得て、人造黒鉛負極の黒鉛化度、比容量およびプレス密度を効果的に向上させ、黒鉛負極材料の性能の綜合的な向上を実現することができる。本願において、調製過程における生コークス粒子のD50、および低温熱処理の温度と時間を調節・制御して得られた変性生コークス材料の揮発分が1%≦揮発分<5%であり、且つ真密度の範囲が1.4~2g/cm3である場合、変性生コークス材料により得られた黒鉛材料を負極としての電池は、その1C下でのグラム容量が352.1mAh/g以上に達し、且つ異なる倍率で(倍率が1C、2C、3C、4C、5C、6Cである)電池を100%SOCに充電する負極のリチウム析出の情況を観察し、その充電ウィンドウが1~5C以上である。
【0096】
以上の内容は、本願の具体的な実施形態に過ぎないが、本願の保護範囲はこれに限定されるものではないことを出願人より声明する。当業者であれば、本願に開示された技術範囲内において容易に想到できるいかなる変更または置換は、全て本願の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性生コークス材料であって、
前記変性生コークス材料の偏光構造において、長細繊維組織と広域構造の割合の和が55~99%であり、前記変性生コークス材料のうち、1%≦揮発分<5%である、
変性生コークス材料。
【請求項2】
前記変性生コークス材料の真密度は、1.4~2g/cm
3であり、好ましくは、1.4~1.5g/cm
3である、
請求項1に記載の変性生コークス材料。
【請求項3】
前記変性生コークス材料のハードグローブ粉砕性指数は、20~100である、
請求項
1に記載の変性生コークス材料。
【請求項4】
前記変性生コークス材料のうち、2%≦揮発分<5%である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の変性生コークス材料。
【請求項5】
原始生コークス材料を処理して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、低温熱処理して、変性生コークス材料を得るステップを含む、
変性生コークス材料の調製方法。
【請求項6】
前記原始生コークス材料は、石油コークス生コークス、ニードルコークス生コークス、ピッチコークス生コークスまたは中間相コークスのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む、
請求項5に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項7】
前記処理の方法は、篩分けおよび/または破砕を行うことを含む、
請求項
6に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項8】
前記生コークス粒子のD50は、0.3~3.0mmである、
請求項
7に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項9】
前記低温熱処理の温度は、500~900℃であり、前記低温熱処理の時間は、2~6hである、
請求項5~8のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項10】
前記低温熱処理の過程では、酸素ガスの含有量は、500ppm以下である、
請求項5~
8のいずれか一項に記載の変性生コークス材料の調製方法。
【請求項11】
原始生コークス材料を破砕して、D50が0.1~5mmの生コークス粒子を得た後、酸素ガスの含有量≦500ppmの環境下で、500~900℃の温度で2~6h低温熱処理して、変性生コークス材料を得るステップを含む、
変性生コークス材料の調製方法。
【請求項12】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の変性生コークス材料により黒鉛化処理して得られる、
黒鉛負極材料。
【請求項13】
請求項12に記載の黒鉛負極材料を含む、
リチウムイオン電池。
【請求項14】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の変性生コークス材料を用いて黒鉛負極材料を調製する方法であって、
前記変性生コークス材料を粉砕し、粉砕後のD50が8~20μmであるステップ(1)と、
粉砕後の前記変性生コークス材料を黒鉛化処理し、黒鉛化温度が2500~3500℃であるステップ(2)と、を含む、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
1)生コークスを粉砕し、粉砕後のD50が15μmである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
2)上記粉砕の後の生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
比較例8~10
比較例8~10は、変性ピッチコークス材料を提供する。変性ピッチコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表3に示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
実施例5~9および比較例7~10に係る変性または未変性(比較例7)のピッチコークス材料を人造黒鉛負極材料の原料として、調製して人造黒鉛負極材料を得た。調製過程は以下の通りである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
1)生コークスを破砕し、破砕後のD50が15μmである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
2)上記粉砕の後の生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
実施例5~9および比較例7~10に係る変性または未変性(比較例7)のピッチコークス材料に対して、順次に粉砕、分級、黒鉛化を行って、人造黒鉛負極材料を得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
実施例5および比較例8~10のデータ結果から分かるように、変性生コークス材料を調製する過程で、低温熱処理の温度、時間および生コークス粒子のD50の三者を同時に満たしなけらばならず、且つ相乗的に作用するからこそ、生コークス材料に対する変性を実現でき、さらに人造黒鉛負極材料の比容量を向上させて、両者のうちの1つのみを満たせば、生コークス結晶体の発達に影響を与えることで、黒鉛化後のグラム容量を向上させる目的を達成できない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
実施例10~13
実施例10~13は、変性ニードルコークス材料を提供する。前記変性ニードルコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表5に示す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
比較例12~13
比較例12~13は、変性ニードルコークス材料を提供する。変性ニードルコークス材料の揮発分、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)、真密度および偏光構造における長細繊維と広域構造の割合の和を表5に示す。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
実施例10~13および比較例11~13に係る変性または未変性(比較例11)のニードルコークス材料を人造黒鉛負極材料の原料として、調製して人造黒鉛負極材料を得た。調製過程は、以下の通りである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
1)生コークスを破砕し、破砕後のD50が15μmである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
2)上記粉砕後の生コークスを分級処理した後、黒鉛化処理し、黒鉛化温度が3000℃である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
実施例10~13および比較例11~13に係る変性または未変性(比較例11)のニードルコークス材料に対して、順次に粉砕、分級、黒鉛化を行って人造黒鉛負極材料を得た。
【国際調査報告】