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特表2025-504836医療機器用の千鳥状包装トレイ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】医療機器用の千鳥状包装トレイ組立体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/04 20060101AFI20250212BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20250212BHJP
   B65D 81/30 20060101ALI20250212BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B65D85/04
B65D77/04 A
B65D81/30 A
A61M25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542327
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2023051227
(87)【国際公開番号】W WO2023151918
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】22155835.6
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512238276
【氏名又は名称】バイオトロニック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボドメ、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ピストル、ルシアン
(72)【発明者】
【氏名】ジアノッティ、マルク
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ウルフ
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
4C267
【Fターム(参考)】
3E067AA14
3E067AA16
3E067AB99
3E067BA05C
3E067BA10B
3E067BB01C
3E067BB12B
3E067BB15B
3E067BB16B
3E067BC02B
3E067CA04
3E067CA12
3E067ED14
3E067FA04
3E067FC01
3E068AA40
3E068AC02
3E068BB02
3E068BB09
3E068BB11
3E068CC04
3E068CC15
3E068CC22
3E068CD01
3E068CD03
3E068CE02
3E068CE03
3E068CE04
3E068DD07
3E068DD18
3E068DD20
3E068DE08
3E068EE01
3E068EE21
3E068EE32
3E068EE40
4C267AA04
4C267AA06
4C267AA14
4C267BB19
4C267BB31
4C267BB32
4C267BB33
4C267BB34
4C267BB40
4C267HH07
4C267HH11
(57)【要約】
本発明は、医療機器150、160、170、180、185、190用の包装100であって、外側包装110の内部空間を画定する外側包装110と、外側包装110の内部空間に配置されるように構成された、少なくとも第1のトレイ130及び第2のトレイ140であって、第2のトレイ140は、第2のトレイ140の下側140bに少なくとも1つの突起141を備え、第1のトレイ130は、第1のトレイ130の上側130aに少なくとも1つの凹部131を備え、少なくとも1つの凹部131は少なくとも1つの突起141に位置合わせされ、第2のトレイ140は、突起141が凹部131と係合するように、第1のトレイ130上に配置されるように構成されている、第1のトレイ130と第2のトレイ140とを備える包装100に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器(150、160、170、180、185、190)用の包装(100)であって、
外側包装(110)の内部空間を画定する外側包装(110)と、
前記外側包装(110)の前記内部空間に配置されるように構成された、少なくとも第1のトレイ(130)及び第2のトレイ(140)であって、前記第2のトレイ(140)は、前記第2のトレイ(140)の下側(140b)に少なくとも1つの突起(141)を備え、前記第1のトレイ(130)は、前記第1のトレイ(130)の上側(130a)に少なくとも1つの凹部(131)を備え、前記少なくとも1つの凹部(131)は前記少なくとも1つの突起(141)に位置合わせされ、前記第2のトレイ(140)は、前記突起(141)が前記凹部(131)と係合するように、前記第1のトレイ(130)上に配置されるように構成されている、第1のトレイ(130)及び第2のトレイ(140)と
を備える包装(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの突起(141)は、スペーサを形成する基部(142)と、前記基部(142)から突出する係合部(143)とを備え、前記係合部(143)は、前記基部(142)の正面側(142a)が前記第1のトレイ(130)の前記上側(130a)に乗るように、前記少なくとも1つの凹部(131)内に挿入されるように構成された、請求項1に記載の包装。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突起(141)及び前記少なくとも1つの凹部(131)は前記各トレイ(130、140)中に深絞り加工で形成された、請求項1又は2に記載の包装。
【請求項4】
前記少なくとも1つの突起(141)及び前記少なくとも1つの凹部(130)は、前記少なくとも1つの突起(141)が前記各凹部(130)に挿入されると圧入をもたらすようにテーパ化され、且つ/又は前記少なくとも1つの突起(141)及び前記少なくとも1つの凹部(130)は、前記少なくとも1つの突起(141)が前記少なくとも1つの凹部(130)に挿入されたときスナップ・フィットをもたらすように構成された、請求項1から3までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項5】
前記第2のトレイ(140)は、前記第2のトレイ(140)の前記下側(140b)に複数の突起(141)を備え、前記第1のトレイ(130)は、前記第1のトレイ(130)の上側(130a)に複数の対応する凹部(131)を備え、前記各凹部(130)は前記突起(141)のうちの1つに位置合わせされ、前記第2のトレイ(140)は、前記各突起(141)が対応する前記凹部(131)と係合するように、前記第1のトレイ(130)上に配置されるように構成された、請求項1から4までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項6】
前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、前記医療機器の構成部品を受け入れるための少なくとも1つの窪み(135、145)を備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項7】
前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、前記各構成部品が関連する前記少なくとも1つの窪み(134、145)に収容される場合に、前記各構成部品を適所に保持するように構成された少なくとも1つの保持要素を備える、請求項6に記載の包装。
【請求項8】
前記包装(100)は滅菌パウチの形態の内側包装(120)を備え、前記滅菌パウチは、前記トレイ(130、140)が前記外側包装(110)の前記内部空間に配置されている場合に、前記トレイ(130、140)を密閉封入するように構成されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項9】
前記外側包装(110)はボール紙の箱であり得る、請求項1から8までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項10】
前記第1のトレイ(130)は少なくとも第1の素材を含み、前記第2のトレイ(140)は少なくとも第2の素材を含み、前記第1の素材と前記第2の素材とは互いに異なり、詳細には、前記第1の素材と前記第2の素材は、光に関する吸収係数、弾性係数、曲げ係数、密度、色からなる群より選択される少なくとも1つの特性について異なる、請求項1から9までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項11】
前記第1のトレイ(130)は、衝撃耐性を付与するために前記第2のトレイ(140)用の緩衝部を形成するように、前記第2のトレイ(140)より柔軟である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項12】
前記第2のトレイ(140)は吸光染料を含み、且つ/又は遮光素材を含むことで、前記第1のトレイ(130)に配置された前記医療機器の感光性の構成部品が紫外線放射への過剰な曝露から保護可能となっている、請求項1から11までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項13】
前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、断熱構成部品及び/又は断熱素材を含むことで、前記第1のトレイ(130)と前記第2のトレイ(140)との間に形成された空間に存在する前記医療機器の感熱性の構成部品が熱への過剰な曝露から保護可能であり、又は外部温度に対して内部温度を安定して維持可能となっている、請求項1から12までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項14】
前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、浸透制御構成部品及び/又は浸透制御素材を含むことで、前記第1のトレイ(130)と前記第2のトレイ(140)との間に形成された空間に存在する医療機器の、浸透に感受性がある構成部品が気体及び/又は液体から保護可能となっており、或いは前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、気体、特にエチレンオキシドの蒸気を、前記第1のトレイ(130)及び前記第2のトレイ(140)をまたいでより迅速に移動させる半浸透性の素材を含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の包装。
【請求項15】
前記第1のトレイ(130)及び/又は前記第2のトレイ(140)は、深絞り加工工程により形成されている、請求項1から14までのいずれか一項に記載の包装。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器用の包装に関する。
【背景技術】
【0002】
このような包装に関する一般的な課題は、使用者、特に医師/臨床家が包装を簡便に扱えることを保証しながら、外寸、体積及び重量を小さくすることである。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上述の特性に関して改善した、特に医療機器用の包装を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1に記載の包装によって解決される。好ましい実施例は、従属請求項に記載し、以下に記述する。
【0005】
請求項1によれば、医療機器用の包装であって、
- 外側包装の内部空間を画定する外側包装と、
- 外側包装の内部空間に配置されるように構成された、少なくとも第1のトレイ及び第2のトレイであって、第2のトレイは、第2のトレイの下側に少なくとも1つの突起を備え、第1のトレイは、第1のトレイの上側に少なくとも1つの凹部を備え、凹部は少なくとも1つの突起に位置合わせされ、第2のトレイは、突起が凹部と係合するように第1のトレイ上に配置されるように構成されている、第1のトレイ及び第2のトレイと
を備える包装を開示する。
【0006】
詳細には、この包装は滅菌することと両立する。トレイが積み重なっているため、従来のトレイ包装の方式が呈する、一般に見られる問題が解決される。詳細には、千鳥状トレイ組立体では、外寸、体積及び重量が小さくなる。それにより、千鳥状トレイ組立体は、輸送及び保管が容易になる。従って、製造所、配送所及び病院における棚のスペースがそれほど必要でなくなり、いかなる時も在庫をより多く収納することが可能になる。
【0007】
包装の好ましい一実施例によると、少なくとも1つの突起は、スペーサを形成する基部と、基部から突出する係合部とを備え、係合部は、基部の正面側が第1のトレイの上側に乗るように、少なくとも1つの凹部内に(詳細には形状嵌めの形で)挿入されるように構成されている。詳細には、少なくとも1つの突起及び少なくとも1つの凹部は各トレイ中に深絞り加工で形成されている。
【0008】
更に、一実施例では、少なくとも1つの突起及び少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの突起が各凹部に挿入されると圧入をもたらすようにテーパ化され、且つ/又は少なくとも1つの突起及び少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの突起が少なくとも1つの凹部に挿入されたときスナップ・フィットをもたらすように構成されている。
【0009】
更に、包装の一実施例によると、第2のトレイは、第2のトレイの下側に複数の突起を備え、第1のトレイは、第1のトレイの上側に複数の対応する凹部を備え、各凹部は突起のうちの1つに位置合わせされ、第2のトレイは、各突起が対応する凹部と係合するように、第1のトレイ上に配置されるように構成されている。詳細には、各部及び各凹部は、少なくとも1つの突起及び対応づけられる凹部について上述のように設計することができる。詳細には、2つのトレイについて上述のように一方が他方の上に積み重なる場合、トレイは、互いに斜向かいに配置された2対の突起及び対応づけられる凹部を備える。
【0010】
更に別の一実施例によると、第1のトレイ及び/又は第2のトレイはそれぞれ、医療機器の少なくとも1つの構成部品を各々受け入れるための少なくとも1つの窪みを備える。
【0011】
本発明の更なる一実施例によると、第1のトレイ及び/又は第2のトレイは、各構成部品が関連する窪みに収容される場合に、各構成部品を適所に保持するように構成された少なくとも1つの保持要素を備える。
【0012】
更に、一実施例では、包装は滅菌パウチの形態の内側包装を備え、滅菌パウチは、トレイが外側包装の内部空間に配置され、医療機器の構成部品を載せている場合に、トレイを密閉封入するように構成されている。詳細には、外部包装はボール紙の箱であり得る。
【0013】
更に、包装の一実施例によると、第1のトレイは少なくとも第1の素材を含み、第2のトレイは少なくとも第2の素材を含み、第1の素材と第2の素材とは互いに異なり、詳細には、第1の素材と第2の素材とは、光に関する吸収係数(吸収係数は、特定波長の光が吸収されるまでに物質中をどこまで透過するかを定める)、弾性係数、曲げ係数、密度、色からなる群より選択される少なくとも1つの特性について異なる。
【0014】
更に、一実施例では、第1のトレイは、衝撃耐性のために第2のトレイ用の緩衝部を形成するように、第2のトレイより柔軟である。
【0015】
更に、一実施例によると、第2のトレイは吸光染料を含み、且つ/又は(アルミホイル等の)遮光素材を含むことで、第1のトレイに配置された医療機器の感光性の構成部品が紫外線放射への過剰な曝露から保護可能となっている。
【0016】
更に、包装の一実施例では、第1のトレイ及び/又は第2のトレイは、断熱構成部品及び/又は(熱反射ホイル等の)断熱素材を含むことで、第1のトレイと第2のトレイとの間に形成された空間に存在する医療機器の感熱性の構成部品が熱への過剰な曝露から保護可能であり、又は外部温度に対して内部温度を(例えば、収納及び輸送中に熱さ又は冷たさが蓄積するのを防ぐように)安定して維持可能となっている。
【0017】
更に、包装の更に別の一実施例によると、第1のトレイ及び/又は第2のトレイは、浸透制御構成部品及び/又は浸透制御素材(例えば、気体及び/又は液体に対して非浸透性の素材)を含むことで、第1のトレイと第2のトレイとの間に形成された空間に存在する医療機器の、浸透に感受性がある構成部品が(例えば水及び/又は酸素等の)気体及び/又は液体から保護可能となっている。或いは、第1のトレイ及び/又は第2のトレイは、気体、特にエチレンオキシドの蒸気を、第1のトレイ及び第2のトレイをまたいでより迅速に移動させる半浸透性の素材を含みうる。
【0018】
更に、好ましくは、トレイは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及び上記素材の共重合体等のプラスチック素材を含み、又はそれらから形成されている。
【0019】
更に、好適な一実施例によると、第1のトレイ及び/又は第2のトレイは、プラスチック素材から深絞り加工工程により形成されている。
【0020】
以下では、図を参照して、本発明の実施例並びに本発明の更なる特徴及び利点を記述する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】特にカテーテル装置の形態の、医療機器用である本発明の包装の一実施例の分解図である。
図2図1に示す包装の実施例の第1のトレイの上面図である。
図3図1に示す包装の実施例の第2のトレイの上面図である。
図4】一方の上に他方が積み重なった、図1~3に示す第1のトレイ及び第2のトレイの上面図である。
【0022】
本発明は、一方の上に他方が積み重なった少なくとも第1のトレイ130及び第2のトレイ140(又は2つより多いそのようなトレイ)を備える包装100に関する。このような包装は、カテーテル装置等の細長い構成部品を備える医療機器を包装するように特に適合している。図1に示すように、トレイ130、140に加えて、包装100は、詳細にはボール紙の箱として形成された外側包装110と、第1のトレイ130及び第2のトレイ140を封入するための、例えば滅菌パウチとして形成される内側包装120とを備えうる。包装100は、例示的な実施例として、トレイ130、140に配置された種々取り揃えた医療機器170、180、185、190を保護するための多数の給送コイル150、160と、コンプライアンス・カード200と、使用指示書(IFU:Instructions For Use)210とを更に備えうる。
【0023】
詳細には、一実施例では、医療機器はカテーテル装置であり得、カテーテル装置は、支持カテーテル185と、止血弁を備えるハンドル180と、拡張カテーテル170と、バルーン・カテーテル190とを備える。更に、保護のために、支持カテーテル185及び拡張カテーテル170は、後者の構成部品170、185を少なくとも部分的に包囲する給送コイル150によって保護することができ、他方バルーン・カテーテル190は、バルーン・カテーテル190を少なくとも部分的に包囲する給送コイル160により保護することができる。
【0024】
少なくとも2つのトレイ130、140の各々は、窪み135、145を備える場合があり、バルーン・カテーテル190及び包囲する給送コイル160は第1のトレイ130の窪み135に挿入され、他方支持カテーテル180、185及び拡張カテーテル170並びに包囲する給送コイル150は、第2のトレイ140の窪み145に挿入されている。
【0025】
更に、図2及び3に示すように、各トレイ130、140には位置、形状及び高さ/深さについて互いに対応する1つ又は複数の圧入凹部131及び圧入突起141が好ましくは組み込まれており、それにより2つ以上のトレイ130、140をそのまま上に配置し互いの中に部分的に沈み込ませることができる。深さ方向に重なり合っているために、トレイ130、140の素材又は壁の強度を減らし、従って包装の総重量を減らすことができる。詳細には、各突起141は、スペーサを形成する基部142と、基部/スペーサ142から突出する係合部143とを備えることがあり、係合部143は、基部142の正面側142aが第1のトレイ130の上側130aに乗るように、対応づけられる凹部131内と、詳細には形状嵌めの形で、係合するように構成されている。
【0026】
各トレイ120、130は、医療機器の前記構成部品を対応して形成された窪み135、145内に一時的に係止する、保持要素、誘導差込物又は固定エンボス部等の要素を更に含むことがあり、窪み135、145は各構成部品用の容器としての役割を果たし、各構成部品は各トレイ130、140内に配置及び係止可能である。各トレイ130、130は、その下部に収まる構成部品/医療機器の幾何形状の必要に応じて形成することができ、それにより各トレイ130、140の形状は互いに異なり、包装の要求に合わせて個別に適合できる。
【0027】
突起141及び凹部131、又は一般に2つ以上のトレイ130、140に存在する対応するエンボス部は楔形に形成するかややテーパ化することができ、或いは、互いに接触した際に圧入又はスナップ・フィットによる組立てをもたらすような、水平方向の突起及び対応する空洞部を含むことがある。係合したトレイ130、140(図4参照)を分離させるために、使用者は所望の時に、触ることのできる隆起/引っ掛かりを解除して係合していたトレイ130、140を互いから解放し、それにより各トレイ130、140の内容物にアクセスすることができる。
【0028】
突起/凹部141、131(例えばエンボス部)の高さ/深さ比によって、係合した際のトレイ130、140間の残余の高さを調整して、エチレンオキシド(ETO:ethylene oxide)滅菌中のトレイ間で通気を容易に適切なものとすることができる。
【0029】
千鳥状の配置によって、トレイ130、140の包装安定性、圧壊耐性及び/又は曲げ耐性が向上し、輸送の際にトレイ130、140が互いに対して予期せぬ形で動くことが回避される。2つ以上のトレイ130、140は、ともに滅菌パウチ120中に単独の組立体として包装することができ、それにより各トレイ130、140に対してブリスター・ホイル等の包装用品を追加せずに済む。更に、千鳥状の組立体は、単に2つのトレイを互いの上に積み重ねた場合と比べて必要となる高さが小さくなるので、包装の全占有面積を大幅に小さくすることができる。
【0030】
トレイ130、140は、様々な特性を有する異種の素材を組み合わせて製造することができるため、とりわけ吸光係数、弾性係数、曲げ係数、重量/密度、色等のいくつかの特性は、有利に変更することができる。従って、同種又は異種のトレイ素材を組み合わせることで、同種の素材から製造される単一種のトレイでは享受できない別の所望の特性を得ることができる。
【0031】
相当に可撓性、柔軟性、発泡性又は一般に緩衝性を有する素材から形成された第1のトレイ130を比較的剛性、脆性及び/又は不可撓性を有する素材から形成された第2のトレイ140に追加し、第1のトレイ130を第2のトレイ140の下に配置することにより、衝撃耐性が改善する。このことにより、過酷な輸送を経た際に本発明以外の場合ではしばしば破壊されかねなかった脆弱な素材をより安全に保護することができる。
【0032】
更に、吸光染料又はアルミホイル等の遮光素材を第2のトレイ140に設け、第2のトレイ140を第1のトレイの上に配置することにより、光減衰/吸収を向上することができ、詳細には、第1のトレイ130に存在する感光性素材が太陽又は紫外線放射等の自然作用への過剰な曝露から保護可能となる。
【0033】
更に、断熱構成部品及び/又は熱反射ホイル等の断熱素材を第1のトレイ及び第2のトレイに設け、第2のトレイ140を第1のトレイ130の上に配置することにより、断熱特性を改善することができ、詳細には、第1のトレイ130と第2のトレイ140との間に形成された空間に存在する感熱性の構成部品が熱への過剰な曝露から保護可能となる。或いは、このトレイの構成を採用することにより、内部温度を外部温度に対して安定して維持して、収納及び輸送中に熱さ又は冷たさが蓄積するのを防ぐことができる。
【0034】
更に、浸透制御構成部品及び/又は気体遮断バリア等の浸透制御素材を第1のトレイ130及び/又は第2のトレイ140に設け、第2のトレイ140を第1のトレイ130の上に配置することにより、気体又は液体の浸透性及び/又はバリア性を改善することができ、それにより、第1のトレイ130と第2のトレイ140との間に形成された空間に存在する、浸透に感受性がある構成部品が水及び/又は酸素から保護可能となる。或いは、半浸透性の素材を設けて、エチレンオキシドの蒸気を、第1のトレイ130及び第2のトレイ140から形成される包装バリアをまたいでより迅速に移動させることができる。
【0035】
好ましくは、包装100のトレイ130、140は、好ましくは従来の深絞り工程により形成される。本発明による千鳥状包装組立体100は、一般に医療機器を含む任意の製品に対して適用することができる。本発明の技術は、特に深絞り等の従来の製造工程を活用しているため、根本的な技術課題は存在しない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】