IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マジック リープ, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-504866高屈折率レジストを用いた表面レリーフ導波路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】高屈折率レジストを用いた表面レリーフ導波路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20250212BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20250212BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20250212BHJP
   G02B 1/111 20150101ALI20250212BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
G02B3/00 Z
G02B5/18
G02B1/111
B29C59/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543153
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-09-12
(86)【国際出願番号】 US2023061015
(87)【国際公開番号】W WO2023141583
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/301,318
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トラブ, マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ, インナン
(72)【発明者】
【氏名】シン, ビクラムジト
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フランク ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】テコルステ, ロバート ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シュエ, チージェン
(72)【発明者】
【氏名】バーガバ, サマース
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ビクター カイ
(72)【発明者】
【氏名】ボーン, ブランドン マイケル-ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】メッサー, ケビン
【テーマコード(参考)】
2H249
2K009
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
2H249AA03
2H249AA39
2H249AA45
2H249AA48
2H249AA60
2H249AA62
2H249AA63
2K009AA02
2K009BB02
2K009BB04
2K009CC09
2K009CC21
2K009DD02
2K009DD09
2K009FF02
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC05
4F209PJ11
4F209PQ11
5F146AA31
5F146CC01
5F146JA01
(57)【要約】
本開示は、拡張現実システムおよび/または複合現実システムなどの光学用途での使用に適したパターン化された光学デバイスを作製するためにその後にインプリントされるレジストを基板上に分注するための改善されたドロップ・オン・デマンドの体積制御技術を説明する。この技術は、異なる総レジスト体積と関連付けられた異なるゾーンを有するインプリントテンプレートに対応する精密に制御された滴体積での、基板上の精密な箇所におけるレジストの滴の分注を可能にする。制御された滴サイズおよび配置はまた、以前から利用可能な技術と比較して、インプリント後の基板の表面全体にわたる残膜厚の実質的により少ないばらつきを提供する。この技術は、基板の屈折率に近い屈折率を有するレジストを用い、デバイスにおける光学アーチファクトを低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学デバイスを製造するためのシステムであって、前記システムは、
レジストを貯蔵するように構成されたリザーバと、
前記レジストの滴を基板上に分注するように構成された分注機構を含む流体ディスペンサと、
第1のチャネルを介して前記リザーバから前記流体ディスペンサに前記レジストを移動させるように構成されたメニスカスポンプと、
第2のチャネルを介して前記流体ディスペンサから前記リザーバに分注されなかったレジストを移動させるように構成された流体ポンプと、
前記流体ポンプおよび前記メニスカスポンプに通信可能に結合された流体制御デバイスであって、前記流体制御デバイスは、前記リザーバと前記流体ディスペンサとの間の前記レジストの連続的な流れを維持するように前記流体ポンプおよび前記メニスカスポンプの動作を制御するように構成される、流体制御デバイスと、
前記基板上に分注された前記レジストにインプリントテンプレートを適用することによって前記光学デバイスを作製するように動作するインプリント機構であって、前記インプリントテンプレートを適用することは、前記レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、前記パターンは、前記インプリントテンプレートに対応する、インプリント機構と
を備える、システム。
【請求項2】
前記流体制御デバイス、前記流体ディスペンサ、および前記インプリント機構に通信可能に結合された制御モジュールであって、前記制御モジュールは、前記流体制御デバイス、前記流体ディスペンサ、および前記インプリント機構の動作を制御する信号を送信するようにプログラムされている、制御モジュール
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体ディスペンサは、2ピコリットル未満の体積を有する前記レジストの滴を分注するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体ディスペンサは、4ピコリットル未満の体積を有する前記レジストの滴を分注するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流体ディスペンサは、6ピコリットル未満の体積を有する前記レジストの滴を分注するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記レジストは、532ナノメートルの波長を有する光に対して1.6より大きい屈折率を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記基板は、1.5~2.7の範囲の屈折率を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記インプリントテンプレートは、異なる高さの構造体を有する少なくとも2つのゾーンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
光学デバイスを製造するための方法であって、前記方法は、
基板上にレジストの滴を分注するために分注機構を含む流体ディスペンサを動作させることと、
第1のチャネルを介してリザーバから前記流体ディスペンサに前記レジストを移動させるためにメニスカスポンプを動作させることと、
第2のチャネルを介して前記流体ディスペンサから前記リザーバに分注されなかったレジストを移動させるために流体ポンプを動作させることであって、前記流体ポンプおよび前記メニスカスポンプは、前記リザーバと前記流体ディスペンサとの間の前記レジストの連続的な流れを維持するように動作する、ことと、
前記基板上に分注された前記レジストにインプリントテンプレートを適用することによって前記光学デバイスを作製するためにインプリント機構を動作させることであって、前記インプリントテンプレートを適用することは、前記レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、前記パターンは、前記インプリントテンプレートに対応する、ことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記基板上の前記レジストの残膜厚(RLT)を低減するために前記光学デバイスの少なくとも一部分をエッチングすることであって、前記エッチングは、加熱または大気圧エッチングの適用のうちの1つ以上を含む、こと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチングは、前記インプリントテンプレートを適用することによって作製された前記パターンの少なくとも1つの構造体の寸法をさらに低減する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
導波路であって、前記導波路は、
基板と、
前記基板上に分注された体積のレジストにインプリントされた複数の構造体であって、前記レジストは、ポリマーから構成されており、前記レジストは、1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの残膜厚(RLT)は、0nm~50nmの範囲にある、複数の構造体と
を備える、導波路。
【請求項13】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、0nm~10nm、10nm~20nm、20nm~30nm、30nm~40nm、または40nm~50nmの範囲にある、請求項12に記載の導波路。
【請求項14】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、0nm~40nm、0nm~30nm、0nm~20nm、または0nm~10nmの範囲にある、請求項12に記載の導波路。
【請求項15】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、10nm~40nmまたは10nm~30nmの範囲にある、請求項12に記載の導波路。
【請求項16】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、20~40nmの範囲にある、請求項12に記載の導波路。
【請求項17】
前記複数の構造体は、入力カプラ、組合せ瞳エキスパンダ、射出瞳エキスパンダ、直交瞳エキスパンダ、リサイクラ、または反射防止機構のうちの1つ以上を含む1つ以上の光学活性ゾーンを提供する、請求項12に記載の導波路。
【請求項18】
前記複数の構造体は、バイナリ形状、傾斜形状、ブレーズド形状、鋸歯形状、多段形状、メタフィーチャ形状、一次元形状、二次元形状、または三次元形状のうちの1つ以上を含むナノジオメトリを用いてインプリントされている、請求項12に記載の導波路。
【請求項19】
前記基板は、1.5~2.7の範囲の屈折率を有する、請求項12に記載の導波路。
【請求項20】
前記複数の構造体は、前記基板の片面にインプリントされている、請求項12に記載の導波路。
【請求項21】
前記複数の構造体は、前記基板の両面にインプリントされている、請求項12に記載の導波路。
【請求項22】
インプリントリソグラフィ方法であって、
基板上にレジストの滴を分注することと、
前記レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを得るために前記レジストをインプリントテンプレートと接触させることであって、前記パターンは、前記インプリントテンプレートに対応する、ことと、
インプリントナノ構造体を得るために前記レジストを重合させることと、
前記インプリントテンプレートを前記インプリントナノ構造体から分離することと
を含み、
前記レジストは、1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの残膜厚(RLT)は、0nm~50nmの範囲にあり、
前記基板は、無機材料から構成される、インプリントリソグラフィ方法。
【請求項23】
前記レジストの各滴の体積は、6ピコリットル未満、5ピコリットル未満、4ピコリットル未満、3ピコリットル未満、または2ピコリットル未満である、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項24】
前記レジストの各滴の体積は、1ピコリットル未満である、請求項23に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項25】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、0~10nm、10~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項26】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、0~40nm、0~30nm、0~20nm、または0~10nmの範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項27】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、10~40nmまたは10~30nmの範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項28】
前記基板の少なくとも一部分における前記レジストの前記RLTは、20~40nmの範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項29】
前記基板は、ガラス、LiTaO、LiNbO、SiC、またはそれらの組合せを含む、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項30】
前記レジストは、無機ナノ粒子を含まない、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項31】
前記レジストは、1.5~1.8の範囲の屈折率を有する、請求項30に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項32】
前記レジストは、無機ナノ粒子を含む、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項33】
前記無機ナノ粒子は、TiO、ZrO、またはその両方を含む、請求項32に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項34】
前記無機ナノ粒子の平均直径は、5nm~15nmの範囲にある、請求項32に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項35】
前記無機ナノ粒子は、前記レジストの10vol%~60vol%を構成する、請求項32に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項36】
前記レジストは、1.5~2.1の範囲の屈折率を有する、請求項32に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項37】
前記レジストの粘度は、25°Cで5~25センチポアズ(cP)の範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項38】
前記レジストの表面張力は、25°Cで1メートル(m)あたり20~60ミリニュートン(mN)の範囲にある、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項39】
前記レジストの前記滴を分注することは、前記レジストをリザーバから第1のチャネルを介して流体ディスペンサに圧送することを含む、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項40】
前記リザーバと前記流体ディスペンサとの間の前記レジストの連続的な流れを維持することをさらに含む、請求項39に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項41】
前記リザーバと前記流体ディスペンサとの間の前記レジストの前記連続的な流れを維持することは、分注されなかったレジストを前記流体ディスペンサから第2のチャネルを介して前記リザーバに圧送することを含む、請求項40に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項42】
前記滴を分注することは、前記レジストを圧送することなく行われる、請求項22に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【請求項43】
前記滴を分注することは、メニスカスポンプ、流体ポンプ、またはその両方を用いて前記レジストを圧送することなく行われる、請求項43に記載のインプリントリソグラフィ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月20日に出願された「SURFACE RELIEF WAVEGUIDES WITH HIGH REFRACTIVE INDEX RESIST」という名称の米国特許出願第63/301,318号の利益を主張し、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明される実装形態は、一般に、高屈折率を有する流体を使用した接眼レンズ用の表面レリーフ導波路の製作のためのシステムおよび方法と、それらによって作製された光学デバイスとに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
従来、導波路または他の光学素子のナノインプリント複製のためのレジストの塗布は、基板上に溶媒希釈材料をスピンコートすることによるものであり、これは、基板全体にわたって平坦で均一な層をもたらす。光学用途に対するこの手法の1つの利点は、材料の局所的な均一性であり、これは、局所的な粗さまたは高さのばらつきに起因する入射光の散乱または位相変化を低減することができる。しかしながら、スピンコーティングを使用した製造における複製はまた、様々な残膜厚をもたらす可能性もある。特に、あるフィーチャセットから別のフィーチャセットへの残膜厚の段差は、望ましくない光学アーチファクトを導入する可能性があり、小さいフィーチャの下の大きな残膜厚は、例えば、光学素子が拡張現実システムおよび/または複合現実システムにおける接眼レンズで使用するためのものである場合、画像均一性の低下をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、接眼レンズ用の高品質表面レリーフ導波路の信頼性の高い製作のための方法およびシステムを説明する。表面レリーフ導波路内の光学的フィーチャは、レジスト体積に対する異なる要件を有し得るエリアにおいて、高いナノフィーチャ忠実度および残膜厚の高い均一性を有する。本開示で説明される革新的な態様は、i)レジストの体積制御分注を可能にする室温粘度および表面張力を有する高屈折率ナノインプリント可能レジストの使用、ii)狭い流体チャネルおよびノズルを介したレジストの確実な分注を維持するための分注装置内の高屈折率ナノインプリント可能流体の連続的な再循環、ならびにiii)基板表面上の異なる総レジスト体積と関連付けられた異なるゾーンを有するインプリントテンプレートにより厳密に一致されることができる厚さを有する薄く均一な層を提供するための、高屈折率ナノインプリント可能レジストの2ピコリットル(pL)未満のドロップ・オン・デマンド分注、を含む。いくつかの実装形態では、基板は、無機アモルファス材料(例えば、重タンタルフリントガラスTADF55、石英など)、結晶質材料(例えば、LiNbO、LiTaO、SiCなど)、高屈折率ポリマー(例えば、硫黄、芳香族基などを含有する)、および/またはポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの他のポリマー材料で構成されることができる。
【0005】
実装形態は、光学デバイスを製造するためのシステムであって、レジストを貯蔵するように構成されたリザーバと、レジストの滴を基板上に分注するように構成された分注機構を含む流体ディスペンサと、第1のチャネルを介してリザーバから流体ディスペンサにレジストを移動させるように構成されたメニスカスポンプと、第2のチャネルを介して流体ディスペンサからリザーバに分注されなかったレジストを移動させるように構成された流体ポンプと、流体ポンプおよびメニスカスポンプに通信可能に結合された流体制御デバイスであって、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持するように流体ポンプおよびメニスカスポンプの動作を制御するように構成された、流体制御デバイスと、基板上に分注されたレジストにインプリントテンプレートを適用することによって光学デバイスを作製するように動作するインプリント機構であって、インプリントテンプレートを適用することが、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、インプリント機構と、を含む、システムを含む。
【0006】
いくつかの実装形態では、システムは、流体制御デバイス、流体ディスペンサ、およびインプリント機構に通信可能に結合された制御モジュールをさらに含む。制御モジュールは、流体制御デバイス、流体ディスペンサ、およびインプリント機構の動作を制御する信号を送信するようにプログラムされることができる。
【0007】
いくつかの実装形態では、レジストの滴は、6ピコリットル未満、4ピコリットル未満、または2ピコリットル未満の体積を有する。
【0008】
いくつかの実装形態では、レジストは、532ナノメートルの波長を有する光に対して1.5または1.6より大きい屈折率を有する。いくつかの実装形態では、基板は、1.5~2.7の範囲の屈折率を有する。
【0009】
いくつかの実装形態では、インプリントテンプレートは、異なる高さの構造体を有する少なくとも2つのゾーンを含む。
【0010】
実装形態はまた、光学デバイスを製造するための方法であって、基板上にレジストの滴を分注するために分注機構を含む流体ディスペンサを動作させることと、第1のチャネルを介してリザーバから流体ディスペンサにレジストを移動させるためにメニスカスポンプを動作させることと、第2のチャネルを介して流体ディスペンサからリザーバに分注されなかったレジストを移動させるために流体ポンプを動作させることであって、流体ポンプおよびメニスカスポンプが、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持するように動作する、ことと、基板上に分注されたレジストにインプリントテンプレートを適用することによって光学デバイスを作製するためにインプリント機構を動作させることであって、インプリントテンプレートを適用することが、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、ことと、を含む、方法も含む。
【0011】
いくつかの実装形態では、方法は、基板上のレジストの残膜厚(RLT)を低減するために光学デバイスの少なくとも一部分をエッチングすることであって、エッチングが、加熱または大気圧エッチングのうちの1つ以上を含む、ことをさらに含む。
【0012】
いくつかの実装形態では、エッチングは、インプリントテンプレートを適用することによって作製されたパターンの少なくとも1つの構造体の寸法をさらに低減する。
【0013】
実装形態はまた、基板と、基板上に分注された体積のレジストにインプリントされた複数の構造体であって、レジストがポリマーから構成されており、レジストが1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、0nm~50nmの範囲にある、複数の構造体と、を備える導波路も含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0nm~10nm、40nm~50nm、30nm~40nm、20nm~30nm、または10nm~20nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0nm~40nm、0nm~30nm、0nm~20nm、または0nm~10の範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、10nm~40nmまたは10nm~30nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、20nm~40nmの範囲にある。
【0015】
いくつかの実装形態では、複数の構造体は、入力カプラ、組合せ瞳エキスパンダ、射出瞳エキスパンダ、直交瞳エキスパンダ、リサイクラ、または反射防止機構のうちの1つ以上を含む1つ以上の光学活性ゾーンを提供する。
【0016】
いくつかの実装形態では、複数の構造体は、バイナリ形状、傾斜形状、ブレーズド形状、鋸歯形状、多段形状、メタフィーチャ形状、一次元形状、二次元形状、または三次元形状のうちの1つ以上を含むナノジオメトリを用いてインプリントされる。
【0017】
いくつかの実装形態では、基板は、1.5~2.7の範囲の屈折率を有する。
【0018】
いくつかの実装形態では、複数の構造体は、基板の片面にインプリントされる。いくつかの実装形態では、複数の構造体は、基板の両面にインプリントされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、2pL未満の分注は、ポンプを使用せずに(例えば、メニスカスポンプ、流体ポンプ、またはその両方なしで)重力によって達成されることができる。一実施形態は、基板上にレジストの滴を分注することと、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを得るためにレジストをインプリントテンプレートと接触させることであって、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、ことと、インプリントナノ構造体を得るためにレジストを重合させることと、インプリントテンプレートをインプリントナノ構造体から分離することと、を含む。レジストは、1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、基板の少なくとも一部分におけるレジストの残膜厚(RLT)は、0nm~50nmの範囲にあり、基板は、無機材料から構成される。
【0020】
この実施形態の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。
【0021】
いくつかの実装形態では、レジストの各滴の体積は、6ピコリットル未満、5ピコリットル未満、4ピコリットル未満、3ピコリットル未満、または2ピコリットル未満である。いくつかの実装形態では、レジストの各滴の体積は、1ピコリットル未満である。
【0022】
いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0~10nm、10~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0~40nm、0~30nm、0~20nm、または0~10nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、10~40nmまたは10~30nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、20~40nmの範囲にある。
【0023】
いくつかの実装形態では、基板は、ガラス、LiTaO、LiNbO、SiC、またはそれらの組合せを含む。
【0024】
いくつかの実装形態では、レジストは、無機ナノ粒子を含まない。この場合、レジストは、典型的には1.5~1.8の範囲の屈折率を有する。
【0025】
いくつかの実装形態では、レジストは、無機ナノ粒子(例えば、TiO、ZrO、またはその両方)を含む。無機ナノ粒子の平均直径は、典型的には5nm~15nmの範囲にある。無機ナノ粒子は、レジストの約10vol%~約60vol%を構成することができる。レジストは、典型的には、1.5~2.1の範囲の屈折率を有する。
【0026】
いくつかの実装形態では、レジストの粘度は、25°Cで5~25センチポアズ(cP)の範囲にある。
【0027】
いくつかの実装形態では、レジストの表面張力は、25°Cで1メートル(m)あたり20~60ミリニュートン(mN)の範囲にある。
【0028】
いくつかの実装形態では、レジストの滴を分注することは、レジストをリザーバから第1のチャネルを介して流体ディスペンサに圧送することを含む。いくつかの実装形態は、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することを含む。いくつかの実装形態では、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することは、分注されなかったレジストを流体ディスペンサから第2のチャネルを介してリザーバに圧送することを含む。
【0029】
いくつかの実装形態では、滴を分注することは、レジストを圧送することなく(例えば、メニスカスポンプ、流体ポンプ、またはその両方を用いてレジストを圧送することなく)行われる。
【0030】
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本開示の実装形態による、流体分注およびインプリントのための例示的なシステムを図示している。
【0032】
図2図2は、本開示の実装形態による、例示的な製作プロセスのフロー図を図示している。
【0033】
図3図3は、異なるインプリントプロセスの例示的な結果を図示している。
【0034】
図4図4A図4Cは、本開示の実装形態による、例示的なインプリントナノ構造体を図示している。
【0035】
図5-1】図5A図5Nは、本開示の実装形態による、様々な例示的なナノ構造体形状の画像を示している。
図5-2】図5A図5Nは、本開示の実装形態による、様々な例示的なナノ構造体形状の画像を示している。
【0036】
図6A図6Aおよび図6Bは、本開示の実装形態による、例示的な接眼レンズ設計を図示している。
図6B図6Aおよび図6Bは、本開示の実装形態による、例示的な接眼レンズ設計を図示している。
【0037】
図7図7A図7Eは、様々な技術を使用して製造された導波路に対するシミュレーション試験結果の画像を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
本明細書で説明される実装形態は、分注される液滴の体積、および液滴が分注される基板上の箇所の精密な制御を伴う、基板上に流体を分注するためのドロップ・オン・デマンドの体積制御分注技術を提供する。次いで、分注された流体は、拡張現実(AR)システムおよび/または複合現実(MR)システム、および/または他の適切な光学用途での使用に適したパターン化された光学デバイスを作製するためにインプリントされることができる。本明細書で説明される革新的な技術は、以前から利用可能なドロップ・オン・デマンド・インクジェット技術で使用される滴サイズよりも小さいサイズのものである分注流体(レジスト、フォトレジスト、または樹脂として説明される場合もある)の滴の分注を可能にする。特に、実装形態は、2ピコリットル(pL)未満の滴サイズを用い、これは、テンプレートを充填するのに適した異なる総レジスト体積と関連付けられた異なるゾーンを有するインプリントテンプレートに一致されることができる目標体積を有する薄い均一なレジスト層の分注を提供する。より小さい滴サイズの使用はまた、より大きい滴サイズを用いる以前から利用可能な技術と比較して、基板の表面全体にわたる相互接続する残膜厚(RLT)の実質的により少ないばらつきを提供する。さらに、本明細書で説明される技術は、基板の屈折率により厳密に一致し得る高屈折率を有する分注されたレジストを用い、よって、製造された光学デバイスにおける光学アーチファクトを低減する。高屈折率を有するレジストはまた、以前から利用可能な技術で使用されるものよりも高い粘度を有し得る。したがって、より小さい滴サイズでのより高粘度のレジストの確実な分注を保証するために、実装形態は、レジスト流体の実質的に連続的な再循環を提供するレジスト分注システムを用いる。そのような再循環は、狭い流体チャネルおよびノズルを介した確実な分注を維持しながら、システムが室温粘度および表面張力の流体で動作することを可能にし、よって、高品質光学デバイスの高スループット製造を容易にする。
【0039】
高屈折率材料は、典型的には、ARシステムおよび/またはMRシステムにおける表面レリーフベースの回折導波路のための基板材料として使用される。高屈折率基板の使用は、虚像の広い視野をサポートするのに役立ち、虚像は、(1つ以上の)導波路に結合し、ユーザの目に向かって(1つ以上の)導波路を出ることができる。しかしながら、表面レリーフ回折フィーチャは、典型的には、基板よりも低い屈折率(例えば、1.6未満の屈折率)を有する材料から構成される。AR/MRシステムにおいて光学コンバイナとして使用される場合、この屈折率の不一致は、望ましくない光学アーチファクトにつながり、画像輝度のユーザ対世界比を含む、画像輝度および全体的な均一性を制限する可能性がある。一例では、基板の片面に表面フィーチャを有する片面設計の場合、ユーザ対世界比は、1.53から1.65へのレジスト屈折率の増加に対して1:1から1.25:1に増加する可能性がある。本明細書で説明される実装形態によって提供されるようなより高屈折率のレジストの使用は、同じナノジオメトリを有する同様の格子と比較してより高い回折効率を有する格子の使用を可能にし、よって、所望のアイボックス位置または範囲にわたるより高い値の画像輝度および均一性を可能にする。
【0040】
従来の技術を使用して製造されたものなどのより大きなRLTおよび/またはRLT均一性のばらつきもまた、光学アーチファクトにつながる可能性がある。したがって、本明細書で説明される実装形態はまた、レジストの分注時のより小さいレジスト滴サイズの使用を可能にすることによってより高品質の光学デバイスを提供し、全体的なRLT均一性のより少ないばらつき、および異なるフィーチャ高さを有するゾーン間の(必要に応じた)より少ないばらつきにつながる。本明細書で説明される実装形態は、高品質の光学デバイスを製造するシステムおよび方法を提供し、レジストと基板との屈折率の差を最小限に抑える高屈折率レジスト材料の使用を可能にし、よって、屈折率の差から生じる望ましくない影響を低減する。実装形態はまた、光学デバイスの大量製造のためのコストおよびスループットの考慮事項を満足させる薄いかつ/または均一なRLTを有するデバイスの製作を提供する。
【0041】
本明細書で使用される場合、光学的に透明とは、一般に、光が散乱または吸収されることなく材料を通過することを可能にする物理的特性を指す。本明細書で使用される場合、高屈折率とは、一般に、1.5より大きいか、または1.6もしくは1.7より大きい(例えば、インプリント・ポリマー・レジストの)屈折率(n)を指す。一例では、高屈折率は、1.6または1.7より大きく1.9未満のnを指す。一例では、高屈折率は、1.5~1.8の範囲のnを指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、平坦度(total thickness variation(TTV))とは、基板の寸法全体にわたる一連の点測定値における基板の厚さの最大値と最小値との差を指す。パターン化された表面を有する基板の場合、TTVは、厚さに対するパターンフィーチャの寄与を無視することによって評価された近似値を指す。例えば、パターン化基板上の典型的なフィーチャの厚さ(または高さ)は、およそ10ナノメートル(nm)~150nmの範囲内であってもよい。その厚さは、テンプレートのトレンチ深さによって少なくとも部分的に左右され、これは10%(例えば、1nm~15nm)だけ変化し得る。パターン化されていない基板のTTVは、典型的には100nmを超え、ミクロン単位の場合もある。よって、パターンフィーチャによって導入されるパターン化基板の厚さの追加のばらつきは無視できるほど小さく、近似値として無視されることができる。したがって、突出部を含む箇所で評価されたパターン化基板の厚さは、評価された厚さから所与のフィーチャ厚さを減算して調整された厚さを得ることによって近似されることができ、一方、突出部のない箇所で評価されたパターン化基板の厚さは変化しない。すなわち、フィーチャエリアの調整された(例えば、低減された)厚さおよびパターン化されていないエリアの固有の厚さは、パターン化された表面を有する基板のTTVを計算するために使用されることができる。本明細書で説明される低いTTV値は、所望の平坦度を満たすように研磨された平坦な光学グレードガラス基板、ならびに硬化中の不均一な材料収縮を最小化または低減するための本明細書で説明される方法から少なくとも部分的に生じる。低いTTVはまた、押し出しによって無機材料基板に対して付与されることもできる。低いTTVはまた、高屈折率ポリマー(例えば、硫黄、芳香族基などを含有する)およびポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの他のポリマー材料からなる基材から基板を成形(例えば、射出成形、紫外線(UV)または熱成形、押し出しなど)している間に、ポリマー基板材料に対して付与され、金型表面から達成されることもできる。
【0043】
図1は、基板上にパターンを作製するために基板上に流体(例えば、高屈折率ナノインプリントレジスト)を分注し、分注された流体をインプリントするための例示的なシステム100を示すシステム図である。
【0044】
図1に示されるように、システム100は、ステージ104によって支持された基板102を含むことができる。基板102は、ガラスやポリマーなどの任意の適切な材料から構成され得る。ステージ104は、基板102を支持し、流体分注、インプリント、硬化、エッチング、および/または他の製造作業中に基板102を安定させるように構成され得る。流体ディスペンサ106は、レジストなどの流体120の滴(または液滴)を基板102上に分注するように構成される。流体ディスペンサ106はまた、1つ以上のプリントヘッドとして説明されてもよい。流体120は、リザーバ108内に保持され、リザーバ108は、適切なタイプ、材料、および寸法の1つ以上のチャネル(例えば、管、導管など)によって流体ディスペンサ106に接続される。流体ポンプ110は、リザーバ108と流体ディスペンサ106との間で流体120を循環させるように動作する。メニスカスポンプ112は、リザーバ108から流体120の液滴を抽出するように動作し、リザーバ108から流体120が流体ディスペンサ106に流れる。
【0045】
流体制御部114は、ポンプ110およびポンプ112に通信可能に結合され、ポンプ110およびポンプ112に信号を送信して、それらの動作を制御し、システム内の流体120の連続的な循環流を維持する。本明細書で論じられるように、流体120の連続的な循環流は、従来の技術と比較してサイズがより小さい液滴での高屈折率、高粘度流体の確実な分注を可能にする。システム100は、流体120がシステム内を循環するときの流体の圧力を測定する1つ以上の圧力センサ116を含むことができる。図1は、2つの圧力センサ116(1)、116(2)を使用する例を図示しているが、システムは、システム内の任意の適切な(1つ以上の)箇所に、任意の適切な数およびタイプの圧力センサ116を含むことができる。流体制御部114は、(1つ以上の)圧力センサ116に通信可能に結合され、(1つ以上の)圧力センサ116から、システム内の1つ以上の箇所における流体120の圧力を記述する圧力データを受信することができる。流体制御部114は、圧力データを使用して、システム内の流体120の循環流を制御し、実質的に連続的な循環(例えば、再循環)流を保証することができる。
【0046】
システム100において、流体再循環は、正圧でプリントヘッドの入口に流体を供給するダイヤフラムベースの流体ポンプと、(1つ以上の)プリントヘッドの出口に負圧を印加するメニスカス真空ポンプとの組合せによって、(1つ以上の)プリントヘッドを介して維持されることができる。あるいは、出口に負圧を印可するために第2のダイヤフラムベースの流体ポンプが使用されることもできる。適切な入口圧力および出口圧力を印加することによって、プリントヘッドノズルにおけるメニスカス圧力とヘッドを介した差圧とが独立して制御される。メニスカス圧力設定値は、(1つ以上の)プリントヘッドのノズルからの流体の滴下とノズルを介した(1つ以上の)プリントヘッドへの空気の吸い込みの両方を防止するように選択される。圧力は、-10~-40mbarの範囲の値に設定されることができる。差圧は、プリントヘッドを通るレジストの流量に比例し、およそ50~150ミリリットル(mL)/分の流量を送達するように設定される。
【0047】
システムの信頼性を保証するために、システムの様々なハードウェア要素は、システム内を循環することになる特定のレジストの組成を考慮して設計されることができる。一部のより弱いポリマー成分は、時間の経過とともに、レジスト流体との化学的溶解および混合を開始する可能性があるので、レジストと相互作用するシステム構成要素の組成は重要であり得る。よって、流体再循環に関与する構成要素を含むプリントヘッドシステムが確実に機能することを保証するために、(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロンなどで作られた)化学的耐性のより高い部品が使用されることができる。
【0048】
制御モジュール118は、流体制御部114および流体ディスペンサ106の動作を制御するためにそれらに通信可能に結合される。いくつかの実装形態では、制御モジュール118は、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを含むコンピューティングデバイスである。メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、流体制御部114、流体ディスペンサ106、および/またはシステムの他の構成要素を制御するための動作を(1つ以上の)プロセッサに行わせる命令を含むコンピュータプログラムを記憶することができる。制御モジュール118は、パーソナルコンピュータなどの任意の適切なタイプのコンピューティングデバイスであってもよく、命令を受信する、データを提供するなどのために他のコンピューティングデバイスと通信してもよい。
【0049】
いくつかの実装形態では、システム100は、光学デバイスを製造するためのプロセスの複数の段階の間でステージ進行方向122に沿ってステージ104および基板102を移動させる機構(図示せず)を含む。この機構はまた、制御モジュール118によって制御されてもよい。ステージ104(および基板102)は、製造プロセスの第1段階中に流体120が基板102上に分注される第1の位置から第2の位置に移動されることができる。第2の位置において、基板102は、第2段階中に、流体120を所望のパターンに形成して光学デバイスを作製するインプリントテンプレート124を使用してインプリントされる。インプリントテンプレート124は、制御モジュール118によって制御可能なインプリント機構126によって操作されることができる。段階の1つの間、または別の段階に、流体120はまた、光(例えば、UV光)、熱、および/または光と熱の組合せを使用して硬化されてもよい。あるいは、システムは、流体120の分注、インプリント、および/または硬化がステージ104の同じ位置で行われるように構成されることもできる。
【0050】
図1は、単一の流体ディスペンサ106を含むシステム100の一例を示しているが、他の実装形態も可能である。システムは、より効率的でより高容量の製造を可能にするために、異なる基板および/または基板の異なる部分に並列にレジストを分注するための複数の流体ディスペンサを含む単一の流体循環システムであってもよい。さらに、システムは、異なる(例えば、異なる屈折率を有する)レジスト流体を循環させ、基板の異なる領域に異なるプリントヘッドを介して異なるレジストを分注するための複数の流体循環システムを含んでもよい。例えば、第1の屈折率を有する第1のレジストは、基板の組合せ瞳エキスパンダ(CPE)領域に分注されてもよく、第2の屈折率を有する第2のレジストは、インカップリング格子(in-coupling grating(ICG))やリサイクラなどの異なる領域に(例えば、第1のレジストと並列に)分注されてもよい。したがって、製造は、異なる領域に複数のレジストを分注およびインプリントする単一の分注およびインプリント工程を含んでもよい。あるいは、複数のシステムは、製造プロセスにおいてより高いスループットを達成するために同じ流体を循環および分注してもよい。
【0051】
従来のシステムは、基板にレジストを塗布するためにスピンコーティング技術を用いる。そのようなシステムでは、導波路または他の光学素子のナノインプリント複製のためのレジストの塗布は、基板上に溶媒希釈材料をスピンコートすることによって遂行され、基板全体にわたって均一で平坦な層をもたらす。この従来の手法は、工業的に成熟したプロセスであり、分注された材料の優れた局所均一性を提供するという利点を提供する。そのような均一性は、局所的な粗さまたは高さのばらつきに起因する入射光の散乱または位相変化を最小限に抑える。しかしながら、従来のスピンコーティング技術を使用した製造における複製には欠点もある。目標が不均一な(例えば、様々な高さおよび/またはデューティサイクルの)ターゲットフィーチャを作製することである場合、ナノインプリントプロセス中にテンプレートフィーチャを充填するのに必要とされるレジストの量は様々である。下にある塗布膜は実質的に均一に分布して始まるため、スピンコーティングは、図3に示されるように、様々なRLTを有する(例えば、テンプレートインプリント後の)最終膜につながる可能性がある。あるフィーチャセットから別のフィーチャセットに移動するときのRLTの大きな段差は、望ましくない光学アーチファクトを導入する。小さいフィーチャの下の大きなRLTは、特にテンプル側で画像均一性の低下をもたらす。スピンコーティングの別の製造上の欠点は、レジスト溶液の95%超が無駄にされ、よって、製造コストを著しく増加させることである。
【0052】
実装形態は、スピンコーティングではなく、ドロップ・オン・デマンドのジェット・アンド・フラッシュ・インプリント・リソグラフィ(J-FIL)プロセスの修正バージョンを用いて、ナノインプリント用のレジストを塗布する。J-FILプロセスは、流体の量を、フィーチャを充填するのに適切な量に合わせて局所的に適合させ、よって、スピンコーティングの結果生じる段差変化と比較して、あるフィーチャゾーンから別のフィーチャゾーンへのRLTの大きな段差を低減する。従来のJ-FILプロセスは、1.6を超える屈折率を有する分注材料の大きな滴(例えば、>3pL)を使用し、標準的な産業用プリントヘッドによって製造される。しかしながら、従来のJ-FILプロセスはまた欠点も有する。このプロセスを使用すると、レジストの滴が均一な局所膜を形成するように広がらず、そのため、滴が合流する場所にインプリント流体厚さにある程度の局所不均一性が導入される。さらに、従来のJ-FILの分注プロセスのデジタル特性により、すべてのターゲットの厚さまたは境界が完全に一致されることができるわけではない。
【0053】
本明細書で説明される実装形態は、従来のJ-FIL技術の修正例であり、従来のJ-FIL技術の問題に対処するシステムおよびプロセスを提供する。実装形態は、局所平坦性を改善し、(フィーチャ、構造体、またはナノ構造体としても説明される)同様のナノフィーチャのゾーン内のRLT、ならびにインプリントされたパターン内の2つ以上のフィーチャゾーン間の遷移にわたる段差高さをさらに低減するために、より高い分解能を有する高屈折率レジストのより小さい(例えば、<2pLの)滴を用いる。言い換えれば、実装形態は、局所的な表面平坦性(RLTu)を改善し、境界および/またはゾーン遷移領域におけるRLT段差の大きさを低減するために、高屈折率レジストのより小さい滴を用いる。
【0054】
高屈折率レジストによる2pL未満のナノインプリントを達成するために、本明細書で説明される技術は、以下の組合せを用いる。1)体積制御分注プロセスと適合するレオロジー特性を有する高屈折率(例えば、n>1.6)流体、2)レジストを分注する流体ディスペンサ106(例えば、プリントヘッド)のプリントヘッドにおける確実な噴射を維持するための流体再循環、および3)2pL未満のレジスト滴を生成し、それらを基板に十分な精度で送達して、最小限の欠陥を有するナノインプリント光学系を提供することができるマルチノズル流体ディスペンサ106。
【0055】
インクジェットタイプの分注プロセスによって分注可能であるためには、材料は、典型的には、5~25センチポアズ(cP)の範囲の粘度および20~60(例えば、20~40)ミリニュートン(mN)/メートル(m)の範囲の表面張力を有しなければならない。有機または無機の多くの高屈折率成分は、その範囲外の特性を有する。従来のインクジェット用途では、より粘性の高い材料の粘度を噴射可能な粘度範囲まで低下させるために加熱が使用される。しかしながら、加熱は、酸化とゲル化の両方のリスクをもたらし、UV硬化されるように設計された反応性材料においては一般に望ましくない。したがって、実装形態は、室温でインクジェットタイプの分注を可能にするレオロジー特性を有しながら、競合する市販材料よりも高い屈折率を提供する、高屈折率レジストを用いる。
【0056】
実装形態は、様々な適切なタイプの高屈折率レジストの使用をサポートする。いくつかの実装形態では、レジスト(例えば、流体120)は、高屈折率材料のナノ粒子(NP)が組み込まれたポリマーベースの樹脂である。あるいは、レジストは、NPが組み込まれていないポリマーベースの樹脂とすることもできる。NPの組み込みは、材料の全体的な屈折率を増加させる場合があり、これは、本明細書で説明されるように基板の屈折率をより厳密に一致させるに際して利点を提供する。しかしながら、NPの組み込みはまた、レジストにおける光のレイリー散乱を引き起こし得る。したがって、NPを含むレジストを使用するか、またはNPを省いたレジストを使用するかの選択は、考慮事項、例えば、より高い屈折率かより多い散乱かのバランスに基づくものであり得る。例えば、屈折率1.6または1.7を有し、NPを含まないレジストは、NPの存在によって引き起こされる散乱を回避しながら、(例えば、基板の屈折率により近い)より高い屈折率を提供する最適な性能を提供する場合もある。
【0057】
有機(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマーは、典型的には、532nmの波長でおよそ1.5の屈折率を有する。硫黄原子および芳香族基は、どちらも高い分極率を有し、これらのアクリレート成分に組み込まれて、配合物の屈折率を増加させることができる。この効果は、インクジェットプロセスのための20~25cP未満の流体粘度制限に起因して、かつ硫黄含有分子の屈折率上限によって制限される可能性がある。この手法は、532nmの光の波長で1.72ほどの屈折率を有する噴射可能かつインプリント可能なレジストをもたらす。
【0058】
ZrOおよびTiOなどの無機ナノ粒子(NP)を組み込むことは、屈折率を著しくさらに増加させることができる。純粋なZrOおよびTiO結晶は、532nmで、それぞれ、2.2および2.4~2.6の屈折率に達することができる。アクリレートモノマーおよび無機ナノ粒子の光学ナノコンポジットの調製では、過剰なレイリー散乱を回避するために、粒径は10nm未満である。その高い比表面積、高い極性、および架橋ポリマーマトリックスとの不適合性のために、ZrO NPはポリマーマトリックス中で凝集する傾向を有する。この問題を克服するために、NPの表面修飾が使用されることができる。この技術では、ZrOの親水性表面は、有機物と相溶するように修飾され、よって、NPがポリマーと均一に混合されることを可能にする。そのような修飾は、シランおよびカルボン酸含有キャッピング剤を用いて行われることができる。キャッピング剤の一端はZrO表面に結合され、キャッピング剤の他端は、アクリレート架橋結合に関与することができる官能基または非官能性有機部分のいずれかを含有する。表面修飾された10nm未満のZrO粒子の例は、Pixelligent Technologies(商標)およびCerion Advanced Materials(商標)によって供給されるものである。これらの官能化ナノ粒子は、典型的には、均一な配合物として溶媒中に均一に懸濁されて販売されており、他の基材と組み合わされて、噴射可能な粘度および増大した屈折率を有するレジスト配合物を得ることができる。
【0059】
一部の高屈折率成分のより高い表面張力は、インクジェットベースのナノインプリントリソグラフィ(NIL)プロセスの実装上の課題を提起する可能性がある。高い表面張力は、流体中の気泡の形成を助長する傾向がある。気泡の形成およびその後のノズルおよび流体チャネルの空気遮断は、インクジェットプロセスにとっての一般的な信頼性の問題である。本明細書で説明される技術で使用されるようなより小さい滴の形成を助長するためにチャネルおよびノズルサイズが縮小するにつれて、この問題はより深刻になる。したがって、本明細書で説明される実装形態は、レジスト流体の連続的な循環を含むシステムおよび方法を提供する。システム100内のチャネルを介した流体の連続的な流れは、狭いチャネルから気泡を洗い流し、流体の安定した供給を維持する。
【0060】
この手法はまた、溶媒中に分散された高屈折率無機ナノ粒子などのより高い蒸気圧の溶媒を含有するレジスト溶液のレジスト配合物への組み込みとも適合する。再循環がなければ、流体ディスペンサ106の面板での溶媒蒸発は、粘度の増大およびノズルの故障を引き起こす可能性がある。これは、さらには、インプリント、RLTu、およびナノフィーチャ忠実度の質に悪影響を及ぼし、画像の鮮明さ、コントラスト、均一性、および効率の点で、製造された接眼レンズの導波路の画質に深刻な影響を及ぼす。
【0061】
小さい滴の形成および正確な配置は、高粘度および高表面張力の流体の分注にとって特に重要である。高粘度および高表面張力は、それぞれ、フィーチャ充填および滴の事前拡散を遅くすることによって、NILプロセスに悪影響を及ぼす。低屈折率材料は、典型的には、より容易に広がって充填し、RLTばらつきを生成する可能性が低い。さらに、高屈折率のインプリント層(例えば、n>1.6)は、より低屈折率のレジスト(例えば、n=1.53)のインプリントと比較して、RLTばらつきに対してより光学的に敏感である。ナノ粒子を含有するレジスト配合物の場合、滴が合流する前の長時間の遅延は、材料相分離および塗布されたレジスト全体にわたる屈折率の望ましくないばらつきを可能にし得る。より小さい滴間隙間隔を有するより小さい滴は、高屈折率材料を使用する場合により大きな利益を提供し、というのは、より小さい滴が、基板上により正確かつより密に配置されることができ、よって、高粘度および高表面張力を呈する高屈折率流体を使用する場合にそうでなければ存在し得る遅い滴事前拡散および遅いフィーチャ充填の問題を軽減するからである。したがって、高屈折率材料の使用、より小さい滴サイズ、および流体再循環による確実な動作を通じて従来のJ-FILプロセスを修正することによって、実装形態は高性能光学部品の製造を可能にする。本明細書で説明される実装形態によって提供される利点は、図3を参照してさらに説明される。
【0062】
図2は、本明細書で説明される実装形態による、光学デバイスの製作のための例示的なプロセス200を示すフローチャートである。202において、流体ディスペンサは、基板上にレジストの滴を分注するために使用される。本明細書で論じられるように、流体ディスペンサ(プリントヘッドとも呼ばれる)は、図1の体積制御分注機構を使用して滴を分注するように構成され得る。204において、メニスカスポンプは、レジストをリザーバから第1のチャネルを介して流体ディスペンサに移動させるために使用される。206において、流体ポンプは、レジスト(例えば、分注されなかった余分なレジスト)を流体ディスペンサから第2のチャネル介してリザーバに戻すように操作される。208において、インプリント機構は、光学デバイス(例えば、導波路として使用されるべきインプリント基板)を生成するために、基板上のレジストにインプリントテンプレートを適用するように操作される。プロセスはまた、本明細書で説明されるように、UV光および/または熱を使用してレジストを硬化させるための工程も含み得る。
【0063】
いくつかの実装形態では、RLTをさらに低減して、極薄RLTを有する光学デバイス(例えば、導波路)を作製するために、210において1つ以上の追加の工程が行われ得る。例えば、RLTをさらに低減するために適切なエッチングプロセスが行われてもよい。例えば、レジストの分注およびテンプレートの適用(および、いくつかの実装形態では、硬化)の後、エッチングは、RLTを50nm以下の初期レベルからおよそ0~10nmの範囲のRLTまで低減してもよい。そのようなRLTの低減は、基板の表面全体にわたって、または導波路の瞳エキスパンダ(EPE)領域の少なくとも一部分などの特定の領域において行われることができる。いくつかの例では、エッチングは、RLTを低減するためにどのエリアがエッチングされるかを制御するために、ステンシルまたは他のタイプのマスクを用いてもよい。
【0064】
いくつかの実装形態では、RLTは、加熱によって基板の1つ以上の領域において低減され得る。例えば、摂氏120~200°(C)の範囲の加熱が、RLTを低減するために基板および/またはインプリントされたパターンに加えられ得る。そのような加熱はまた、インプリントされたナノフィーチャのサイズも低減し得る。加えられた熱は、架橋ポリマー鎖の熱収縮を引き起こすことによってRLTおよび/またはナノフィーチャを低減し得る。例えば、所望のナノジオメトリが(例えば、RLTに対して)高さ20nmのフィーチャを含む場合、分注およびインプリントは、より高いフィーチャを作製するように構成されることができ、次いで、フィーチャは、加熱によって所望の高さまで低減される。同様に、所望の最終RLTが10nmを下回る場合、20nmの初期RLTは、加熱によって所望のRLTまで低減されることができる。同様に、30nmのインプリントから開始し、後熱処理で10nm未満の、場合によっては約0nmに近いインプリントで終了することもできる。
【0065】
いくつかの実装形態では、(例えば、アルゴンとOの混合物であるプラズマを使用した)大気圧プラズマエッチングは、RLTを必要に応じて0nmまで低減して、基板上に実質的に自立したナノ構造体を提供することができる。そのような解決策は、テンプレートが、RLTを除去する際のフィーチャ幅の等方性エッチング損失を考慮する所定のバイアスされたインプリントジオメトリを有し得る場合に用いられることができる。ナノジオメトリのフィーチャはまた、60°Cを下回る温度などの比較的低い温度で大気圧プラズマを使用して滑らかに低減されることもできる。プラズマ残光中のArイオンおよびOラジカルの存在は、有機材料を等方的に物理的および/または化学的に除去することができる。いくつかの実装形態では、大気圧で、50°Cを下回る温度でのUV O処理もまた、そのような基板上のインプリントのナノジオメトリおよびRLTを低減することができる。この例では、UV光の存在下でのOからの酸素ラジカルの生成は、等方的に反応して有機材料を除去する傾向がある。いくつかの実装形態では、大気圧よりも低い圧力での反応性イオンエッチングもまた、Ar、O、N、He、およびCFのうちの1つ以上の混合物の存在下でより異方性のエッチングを達成するために使用されることができる。
【0066】
場合によっては、プロセス200における動作のうちの1つ以上が、別の動作と置き換えられるか、または組み合わされ、動作のうちの1つ以上の順序が入れ替えられ、2つ以上の動作が同時に、または連続的に行われ、あるいはそれらの任意の組合せが行われる。特定の場合には、プロセス200は、本明細書で説明されるような1つ以上の追加の動作を含み得る。
【0067】
図3は、3つの異なるインプリントプロセスの例示的な結果を示す図300を提供している。上述されたように、基板102上にレジストが分注された後、基板102上にパターンをインプリントするために、レジスト(例えば、流体120)にインプリントテンプレート124が適用される。この特定の例では、テンプレート124は、それぞれ、90nm、60nm、および30nmの異なる高さのフィーチャを含む3つのゾーン302(1)、302(2)、および302(3)を含む。図3に示される特定の寸法および他の値は例であり、実装形態はこれらの例に限定されないことが留意されるべきである。インプリントプロセスの目標は、テンプレート124を使用して、テンプレート124を最も正確に反映するパターンを基板102上にインプリントすることである。この例では、目標は、対応する高さの差を有し、最小のRLTばらつきを有する3つの対応するゾーン304(1)、304(2)、および304(3)を含むパターンを基板102上に作製することである。図3に示される特定のテンプレート124は一例であり、実装形態はそのように限定されない。
【0068】
実装形態は、基板102上に任意の適切なパターンをインプリントする任意の適切なテンプレートを用いることができる。さらに、この例は、2.0の屈折率を有する350μmガラスである基板102を図示しているが、実装形態は、任意の適切な寸法および材料の基板を用いることができる。例えば、基板102は、ガラスの代わりにポリマー材料から構成されてもよい。
【0069】
図3は、3つの異なるインプリント技術から得られた3つの例示的な結果306、308、および310を示している。第1の例306では、スピンコート法が使用されている。この例では、均一な100nmスピンコートレジストが、3つの異なるフィーチャ高さゾーンを有する例示的なテンプレートと対にされており、これは回折光学素子に見られ得る。上述されたようなスピンコーティング技術の欠点に起因して、このプロセスは、フィーチャゾーン304間のRLT高さに15nmの段差をもたらす。第2の例308は、従来のJ-FIL技術を使用した結果を示している。このプロセスを使用すると、流体の量は、フィーチャ要件を一致させるように局所的に変えられることができ、よって、ゾーン間のRLT段差を低減するが排除するわけではない。上述されたように、従来のJ-FILで使用される大きな滴サイズは、依然として局所的な厚さの不一致につながり、よって、ゾーン間のRLTのばらつきにつながる可能性がある。
【0070】
第3の例310は、本明細書で説明される実装形態による、修正されたJ-FIL技術を使用した結果を示している。実装形態は、より狭いピッチでより小さい滴の使用を可能にするので、局所的な流体密度および境界は、さらに一層効果的に制御されることができ、よって、ゾーン間のRLTのばらつきを大幅に緩和または排除し、また、図示のように、全体的により小さいRLTも可能にする。より狭いピッチは、滴間の間隙ギャップのサイズ縮小に対応する。より小さい滴サイズの使用は、分注されるレジストの所望の総体積を依然として維持しながら、滴の充填密度が増加されることができるという利点を提供する。より小さく、より高密度に充填された滴は、ナノフィーチャゾーンにおいてもフィーチャのない空白エリアにおいても、より良好なRLT均一性を提供する。
【0071】
本明細書で説明される技術は、基板上の高屈折率レジストの分注およびインプリントを可能にし、以前から利用可能な解決策と比較して非常に低いRLTを提供する。例えば、本明細書で説明される実装形態は、30nm未満、さらには15nm未満でさえものRLTを提供することができる。これが達成され得るのは、分注機構が、インプリントを行うために使用されているテンプレートに従って、レジストが必要とされる基板上の箇所にレジストの液滴が分注されることを可能にするからである。別の言い方をすれば、機構は、例えば、インプリント中にテンプレートをより最適に充填するために、より大きな体積のレジストを必要とし得るより大きな構造体をテンプレートが作製している箇所により多くのレジストが配置されるように、基板上のレジストの配置のより精密な空間的および体積的制御を可能にする。本明細書で説明される技術はまた、以前から利用可能な方法を使用して作製されることができるものと比較してより複雑な、またはより入り組んだ構造体のインプリントも可能にし、というのは、分注機構が、基板のエリア全体にわたって実質的に均一な流体層を塗布する従来の(例えば、スピンコーティング)技術と比較して、テンプレートによって作製されるべき構造体に対応する箇所に精密に液滴を配置することができるからである。この分注機構は、導波路において所望の光学効果を達成するためにより複雑なフィーチャをインプリントするための柔軟性を提供するとともに、基板の異なる領域に付与され得る特定のRLTに対するより多くの制御も提供する。
【0072】
いくつかの例では、回折性表面レリーフインプリントは、0nm~50nmの範囲にある極薄RLTを有する高屈折率レジストポリマーからなる基板上に製作される。AR/MRデバイスなどの光学デバイスで使用するための導波路を製造するためにインプリントが行われるいくつかの実装形態では、10~20nmのRLTが、入力カップリングゾーン、組合せ瞳エキスパンダ、射出瞳、直交瞳エキスパンダ、リサイクラ、反射防止機構などといった導波路の様々な部分で使用され得る。導波路基板上の高屈折率極薄RLTインプリントは、導波路接眼レンズ内のあらゆる階調ゾーンにおいて、デューティサイクルおよび/またはフィーチャ高さにおいて所望の階調のナノフィーチャを提供することができる。
【0073】
高屈折率極薄インプリントは、様々な構成のナノジオメトリを作製するために基板上で行われることができる。例えば、ナノジオメトリは、バイナリ(例えば、矩形)、傾斜、ブレーズド、鋸歯、多段、および/またはより複雑なメタフィーチャなどであるフィーチャを含むことができる。フィーチャは、一次元のラインおよびスペース、二次元フィーチャ(例えば、非対称なピラーやホール)、異なるピッチの同じでの交互の格子もしくは二次元フィーチャ、ならびに/または三次元フィーチャ(例えば、非対称なピラーやホール)を含むことができる。
【0074】
図4A図4Cは、それぞれ、三角形または鋸歯状の構造体410、台形の構造体420、および菱形の構造体430などの、本開示の実装形態による、例示的なインプリントナノ構造体を示している。他の適切なタイプのナノ構造体も作製され得る。図5A図5Nは、本明細書で説明される技術を使用して作製された様々な形状の取り込み画像を示している。図5A図5Fでは、スケールバーは100nmである。図5A図5Eは、様々なサイズおよび間隔の矩形格子を示している。図5Fは、鋸歯状格子を示している。図5Gは、多段格子を示している。図5Hは、鋸歯状格子を示している。図5Iは、傾斜格子を示している。図5Jは、マルチレベル埋め込みフィーチャを示している。図5Kは、二次元構造体を示している。図5Lは、2組の格子のスタックを有する三次元構造体を示している。図5Mは、ラインおよびホールを有する三次元構造体を示している。図5Nは、三次元ブレーズド格子アレイを示している。
【0075】
いくつかの例では、屈折率レジストは、およそ1.5~2.1の屈折率を有し、表面レリーフ回折導波路を作製するために、およそ1.5~2.7の屈折率を有する基板上にインプリントされる。高屈折率レジストのドロップ・オン・デマンド分注は、異なるゾーンに(例えば、5nm~1000nmの範囲の)制御されたRLTでインプリントするために、かつ/または光が接眼レンズを通って伝播する伝播のし方を変更するために導波路表面上のRLT調節を提供するために使用される。一例では、CPE光路内の第1の格子高さの下の第1のRLTゾーン(例えば、RLT<30nm)、第2の格子高さの下の第2のRLTゾーン(例えば、RLT>40nm)、および第2のゾーンが第1のゾーンと第3のゾーンとの間にあるような、CPE格子高さゾーンの残り部分の上の第3のRLTゾーン(例えば、RLT<30nm)など、異なるRLTを有する異なるゾーンが作製され得る。インプリントは、基板の片面または両面にあってもよく、ウェハ、フィルム、シートなどといった任意の適切な基板フォーマット上にあってもよい。
【0076】
本明細書で論じられるように、本明細書で説明されるインプリント技術は、AR/MRデバイス用、または他の適切な光学装置用の接眼レンズに使用される導波路を製造するために使用されることができる。図6Aおよび図6Bは、本開示の実装形態による、例示的な寸法を有する例示的な接眼レンズ設計を図示している。図6Aは、例示的な接眼レンズ設計の世界側(例えば、外向きの側面)の概略図600である。図6Bは、例示的な接眼レンズ設計の目側(例えば、内向きの側面)の概略図650である。水平軸および垂直軸の目盛りは、ミリメートル(mm)単位である。
【0077】
図6Aを参照すると、例示的な接眼レンズ設計の底部分602は、光学的瞳エキスパンダ(OPE)とEPEの機能を組み合わせたCPE領域である。設計の上部分604は、そうでなければ接眼レンズから漏れたかまたは接眼レンズの縁部で吸収されたはずの光を接眼レンズに戻す格子を含むリサイクラ領域である。接眼レンズの直径は、この例では36.3mmである。接眼レンズの左側606では、格子深さは90nmである。接眼レンズの右側608では、格子深さは15nmである。中央の領域610は、左側の90nmから右側の15nmまで減少する格子深さを有する複数のゾーンを含む。ゾーンの各々は、数千の格子線を含んでもよく、各格子線は、およそ200nmの幅であり得る。各ゾーンは、そのゾーン全体にわたって実質的に均一な格子深さを有し得る。いくつかの例では、格子深さは、フィーチャの高さに対応し、フィーチャの上部からフィーチャの基部まで測定され、様々なゾーンおよび/または領域全体にわたって実質的に均一なRLTを有する。あるいは、RLTは、異なるゾーンまたは領域で異なっていてもよい。ゾーンは、1mmの幅を有し、垂直に対して-30度の角度で傾斜している。これらのゾーン内の格子は、垂直に対して-60度傾斜した正方形リッジ断面である。領域612は、図示のように複数のパイスライス形状領域を含む。これらの領域は反射防止構造体である。これらの領域のうちの1つは、図示の例のように、CPEの中心からおよそ33mmのICG614を含むことができる。
【0078】
図6Bに示される眼の側面図については、図6Aを参照して説明されたのと同じ寸法が適用され得る。格子溝方向は+60度であり、深さ階調方向は垂直に対して+30度の傾斜である。
【0079】
いくつかの実装形態では、異なる領域で異なる格子パターンが使用され得る。例えば、ICG領域は、その格子パターンに三角形形状のフィーチャを含む場合もあり、CPE領域は、その格子パターンにバイナリ(例えば、矩形)形状のフィーチャを含む場合もある。異なるパターンは、所望に応じて異なる光学効果を提供するために使用され得る。
【0080】
この例示的な接眼レンズの構成では、接眼レンズにグラフィックスを入力するプロジェクタは、ICGの箇所に対応して、図の右側にあってもよい。したがって、プロジェクタによって入力された光は、導波路を通って左方に伝播し、CPE領域内の様々な点でユーザの目に出力され得る。格子深さは、プロジェクタからの距離が増加するにつれてより大きなアウトカップリングパワーを提供するために、プロジェクタからの距離が増加するにつれて増加し得る。伝播された光が導波路を通って進むにつれて幾分減衰し得ることを考慮すると、プロジェクタからのより大きな距離におけるより大きな格子深さは、全体として、接眼レンズの表面全体にわたる光のより均一なアウトカップリングにつながり得る。
【0081】
図7A図7Eは、様々な技術を使用して製造された導波路に対するシミュレートされた試験結果の画像を示している。行われているシミュレーションは、異なるタイプの導波路が、表示されている視野全体にわたって均一な入力画像をどれだけ良好に伝播するかを示している。シミュレーションは、5つの結果すべてに使用されている同じ格子パターンをモデル化し、変化する変数はRLTである。図7Aの画像710は、導波路のエリア全体にわたって一定かつ小さいRLTを提供するために本明細書で説明される革新的な技術に従って製造された導波路のシミュレートされた試験結果を示している。ここに示されるように、一定かつ小さい(例えば、約20nm)RLTの結果は、得られた画像が光学システムのユーザの目に最もよく伝えられるというものであり、例えば、視野全体にわたって均一な入力画像が与えられると、ここでの結果は、均一な入力テスト画像を実質的に再現するものになる。シミュレーションは、アイ・ボックス・エネルギー(EBE)スコアを生成することができ、EBEスコアは、入力画像のエネルギーの何パーセントがアイボックス(目によって占められる領域)に運ばれることになるかを説明する。710のEBEスコアは7.91%である。シミュレーションはまた、低周波80/20(LF8020)スコアも生成することができ、LF8020スコアは、80パーセンタイル輝度から20パーセンタイル輝度を引いて、50パーセンタイル輝度で除算されたものである。理想的には、このスコアは0になる。710のLF8020スコアは1.32である。
【0082】
図7B図7Eは、基板の表面全体にわたって一定体積のレジストを塗布することしかできず、したがって、テンプレートが完全に充填されることを確実にするためにより大きな体積のレジストを分注する必要がある、以前から利用可能な方法(例えば、スピンオン分注法)に対するシミュレーション結果を示している。したがって、これらの従来の方法は、本明細書で説明される革新的な技術と比較してより厚く、かつ/またはより均一でないRLTを有する製品を生成する。図7Bの画像720は、20nmの最小RLTで一定体積のレジストを塗布した結果を示している。このシミュレーションは、7.39%のEBEスコアおよび1.70のLF8020スコアを有する。図7Cの画像730は、30nmの最小RLTで一定体積のレジストを塗布した結果を示している。このシミュレーションは、7.2%のEBEスコアおよび1.77のLF8020スコアを有する。図7Dの画像740は、40nmの最小RLTで一定体積のレジストを塗布した結果を示している。このシミュレーションは、6.87%のEBEスコアおよび1.956のLF8020スコアを有する。図7Eの画像750は、200nmのRLTでレジストを塗布した結果を示している。出力画像に示されるように、本明細書で説明される革新的な技術を使用した結果は、他のより従来型の方法と比較してはるかに均一な出力である。ここでのシミュレーションは、20、30、および40nmのRLTを想定した従来の方法と比較して行われたことも注目に値する。これは、100~200nmのRLTを生成する傾向がある、現在使用されている業界標準技術に典型的なものよりもはるかに低い。
【0083】
いくつかの実施形態では、2pL未満の分注は、ポンプを使用せずに重力によって達成されることができる。一実施形態は、基板上にレジストの滴を分注することと、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを得るためにレジストをインプリントテンプレートと接触させることであって、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、ことと、インプリントナノ構造体を得るためにレジストを重合させることと、インプリントテンプレートをインプリントナノ構造体から分離することと、を含む。レジストは、1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、基板の少なくとも一部分におけるレジストの残膜厚(RLT)は、0nm~50nmの範囲にあり、基板は、無機材料から構成される。
【0084】
この実施形態の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。
【0085】
いくつかの実装形態では、レジストの各滴の体積は、6ピコリットル未満、5ピコリットル未満、4ピコリットル未満、3ピコリットル未満、または2ピコリットル未満である。いくつかの実装形態では、レジストの各滴の体積は、1ピコリットル未満である。
【0086】
いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0~10nm、10~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、0~40nm、0~30nm、0~20nm、または0~10nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、10~40nmまたは10~30nmの範囲にある。いくつかの実装形態では、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTは、20~40nmの範囲にある。
【0087】
いくつかの実装形態では、基板は、ガラス、LiTaO、LiNbO、SiC、またはそれらの組合せを含む。
【0088】
いくつかの実装形態では、レジストは、無機ナノ粒子を含まない。この場合、レジストは、典型的には1.5~1.8の範囲の屈折率を有する。
【0089】
いくつかの実装形態では、レジストは、無機ナノ粒子(例えば、TiO、ZrO、またはその両方)を含む。無機ナノ粒子の平均直径は、典型的には5nm~15nmの範囲にある。無機ナノ粒子は、レジストの約10vol%~約60vol%を構成することができる。レジストは、典型的には、1.5~2.1の範囲の屈折率を有する。
【0090】
いくつかの実装形態では、レジストの粘度は、25°Cで5~25センチポアズ(cP)の範囲にある。
【0091】
いくつかの実装形態では、レジストの表面張力は、25°Cで1メートル(m)あたり20~60ミリニュートン(mN)の範囲にある。
【0092】
いくつかの実装形態では、レジストの滴を分注することは、レジストをリザーバから第1のチャネルを介して流体ディスペンサに圧送することを含む。いくつかの実装形態は、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することを含む。いくつかの実装形態では、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することは、分注されなかったレジストを流体ディスペンサから第2のチャネルを介してリザーバに圧送することを含む。
【0093】
本開示の実施形態
実施形態1は、光学デバイスを製造するためのシステムであって、
レジストを貯蔵するように構成されたリザーバと、
レジストの滴を基板上に分注するように構成された分注機構を含む流体ディスペンサと、
第1のチャネルを介してリザーバから流体ディスペンサにレジストを移動させるように構成されたメニスカスポンプと、
第2のチャネルを介して流体ディスペンサからリザーバに分注されなかったレジストを移動させるように構成された流体ポンプと、
流体ポンプおよびメニスカスポンプに通信可能に結合された流体制御デバイスであって、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持するように流体ポンプおよびメニスカスポンプの動作を制御するように構成された、流体制御デバイスと、
基板上に分注されたレジストにインプリントテンプレートを適用することによって光学デバイスを作製するように動作するインプリント機構であって、インプリントテンプレートを適用することが、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、インプリント機構と
を備える、システムである。
【0094】
実施形態2は、
流体制御デバイス、流体ディスペンサ、およびインプリント機構に通信可能に結合された制御モジュールであって、流体制御デバイス、流体ディスペンサ、およびインプリント機構の動作を制御する信号を送信するようにプログラムされた、制御モジュール
をさらに含む、実施形態1のシステムである。
【0095】
実施形態3は、流体ディスペンサが、6ピコリットル未満の体積を有するレジストの滴を分注するように構成された、実施形態1または2のシステムである。
【0096】
実施形態4は、流体ディスペンサが、4ピコリットル未満の体積を有するレジストの滴を分注するように構成された、実施形態3のシステムである。
【0097】
実施形態5は、流体ディスペンサが、2ピコリットル未満の体積を有するレジストの滴を分注するように構成された、実施形態4のシステムである。
【0098】
実施形態6は、レジストが、532ナノメートルの波長を有する光に対して1.6より大きい屈折率を有する、実施形態1~5のいずれか1つのシステムである。
【0099】
実施形態7は、基板が、1.5~2.7の範囲の屈折率を有する、実施形態1~6のいずれか1つのシステムである。
【0100】
実施形態8は、インプリントテンプレートが、異なる高さの構造体を有する少なくとも2つのゾーンを含む、実施形態1~7のいずれか1つのシステムである。
【0101】
実施形態9は、光学デバイスを製造するための方法であって、
基板上にレジストの滴を分注するために分注機構を含む流体ディスペンサを動作させることと、
第1のチャネルを介してリザーバから流体ディスペンサにレジストを移動させるためにメニスカスポンプを動作させることと、
第2のチャネルを介して流体ディスペンサからリザーバに分注されなかったレジストを移動させるために流体ポンプを動作させることであって、流体ポンプおよびメニスカスポンプが、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持するように動作する、ことと、
基板上に分注されたレジストにインプリントテンプレートを適用することによって光学デバイスを作製するためにインプリント機構を動作させることであって、インプリントテンプレートを適用することが、レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを作製し、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、ことと
を含む、方法である。
【0102】
実施形態10は、
基板上のレジストの残膜厚(RLT)を低減するために光学デバイスの少なくとも一部分をエッチングすることであって、エッチングが、加熱または大気圧エッチングのうちの1つ以上を含む、こと
をさらに含む、実施形態9の方法である。
【0103】
実施形態11は、エッチングが、インプリントテンプレートを適用することによって作製されたパターンの少なくとも1つの構造体の寸法をさらに低減する、実施形態10の方法である。
【0104】
実施形態12は、
基板と、
基板上に分注された体積のレジストにインプリントされた複数の構造体であって、レジストがポリマーから構成されており、レジストが1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、基板の少なくとも一部分におけるレジストの残膜厚(RLT)が、0nm~50nmの範囲にある、複数の構造体と
を備える導波路である。
【0105】
実施形態13は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、10~20nmの範囲にある、実施形態12の導波路である。
【0106】
実施形態14は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、20~30nmの範囲にある、実施形態12の導波路である。
【0107】
実施形態15は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、30~40nmの範囲にある、実施形態12の導波路である。
【0108】
実施形態16は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、40~50nmの範囲にある、実施形態12の導波路である。
【0109】
実施形態17は、複数の構造体が、入力カプラ、組合せ瞳エキスパンダ、射出瞳エキスパンダ、直交瞳エキスパンダ、リサイクラ、または反射防止機構のうちの1つ以上を含む1つ以上の光学活性ゾーンを提供する、実施形態12~16のいずれか1つの導波路である。
【0110】
実施形態18は、複数の構造体が、バイナリ形状、傾斜形状、ブレーズド形状、鋸歯形状、多段形状、メタフィーチャ形状、一次元形状、二次元形状、または三次元形状のうちの1つ以上を含むナノジオメトリを用いてインプリントされた、実施形態12~17のいずれか1つの導波路である。
【0111】
実施形態19は、基板屈折率が、1.5~2.7の範囲にある、実施形態12~18のいずれか1つの導波路である。
【0112】
実施形態20は、複数の構造体が、基板の片面にインプリントされた、実施形態12~19のいずれか1つの導波路である。
【0113】
実施形態21は、複数の構造体が、基板の両面にインプリントされた、実施形態12~19のいずれか1つの導波路である。
【0114】
実施形態22は、インプリントリソグラフィ方法であって、
基板上にレジストの滴を分注することと、
レジスト内に1つ以上の構造体のパターンを得るためにレジストをインプリントテンプレートと接触させることであって、パターンが、インプリントテンプレートに対応する、ことと、
インプリントナノ構造体を得るためにレジストを重合させることと、
インプリントテンプレートをインプリントナノ構造体から分離することと
を含み、
レジストが、1.5~2.1の範囲の屈折率を有し、
基板の少なくとも一部分におけるレジストの残膜厚(RLT)が、0nm~50nmの範囲にあり、
基板が、無機材料から構成される、インプリントリソグラフィ方法である。
【0115】
実施形態23は、レジストの各滴の体積が、6ピコリットル未満、5ピコリットル未満、4ピコリットル未満、3ピコリットル未満、または2ピコリットル未満である、実施形態22のインプリントリソグラフィ方法である。
【0116】
実施形態24は、レジストの各滴の体積が、1ピコリットル未満である、実施形態23のインプリントリソグラフィ方法である。
【0117】
実施形態25は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、0~10nm、10~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にある、実施形態22~24のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0118】
実施形態26は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、0~40nm、0~30nm、0~20nm、または0~10nmの範囲にある、実施形態22~24のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0119】
実施形態27は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、10~40nmまたは10~30nmの範囲にある、実施形態22~24のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0120】
実施形態28は、基板の少なくとも一部分におけるレジストのRLTが、20~40nmの範囲にある、実施形態22~24のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0121】
実施形態29は、基板が、ガラス、LiTaO、LiNbO、SiC、またはそれらの組合せを含む、実施形態22~28のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0122】
実施形態30は、レジストが、無機ナノ粒子を含まない、実施形態22~29のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0123】
実施形態31は、レジストが、1.5~1.8の範囲の屈折率を有する、実施形態30のインプリントリソグラフィ方法である。
【0124】
実施形態32は、レジストが、無機ナノ粒子を含む、実施形態22~29のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0125】
実施形態33は、無機ナノ粒子が、TiO、ZrO、またはその両方を含む、実施形態32のインプリントリソグラフィ方法である。
【0126】
実施形態34は、無機ナノ粒子の平均直径が、5nm~15nmの範囲にある、実施形態32または33のインプリントリソグラフィ方法である。
【0127】
実施形態35は、無機ナノ粒子が、レジストの10vol%~60vol%を構成する、実施形態32~34のいずれか1つに記載のインプリントリソグラフィ方法である。
【0128】
実施形態36は、レジストが、1.5~2.1の範囲の屈折率を有する、実施形態32~35のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0129】
実施形態37は、レジストの粘度が、25°Cで5~25センチポアズ(cP)の範囲にある、実施形態22~36のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0130】
実施形態38は、レジストの表面張力が、25°Cで1メートル(m)あたり20~60ミリニュートン(mN)の範囲にある、実施形態22~37のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0131】
実施形態39は、レジストの滴を分注することが、レジストをリザーバから第1のチャネルを介して流体ディスペンサに圧送することを含む、実施形態22~38のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0132】
実施形態40は、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することをさらに含む、実施形態22~39のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0133】
実施形態41は、リザーバと流体ディスペンサとの間のレジストの連続的な流れを維持することが、分注されなかったレジストを流体ディスペンサから第2のチャネルを介してリザーバに圧送することを含む、実施形態40のインプリントリソグラフィ方法である。
【0134】
実施形態42は、滴を分注することが、レジストを圧送することなく行われる、実施形態22~38のいずれか1つのインプリントリソグラフィ方法である。
【0135】
実施形態43は、滴を分注することが、メニスカスポンプ、流体ポンプ、またはその両方を用いてレジストを圧送することなく行われる、実施形態42のインプリントリソグラフィ方法である。
【0136】
本開示は多くの具体的な実施形態の詳細を含むが、これらは、主題の範囲に対する、または特許請求され得るものの範囲に対する限定としてではなく、むしろ、特定の実施形態に特有な場合がある特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本開示に説明されている特定の特徴はまた、組み合わせて、単一の実施形態で実装されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、複数の実施形態において、別々に、または任意の適切な部分組合せとして実装されることができる。さらに、前述の特徴は、特定の組合せで働くものとして説明され、最初にそのように特許請求される場合もあるが、特許請求される組合せからの1つ以上の特徴は、場合によっては、その組合せから削除されることもでき、特許請求される組合せは、部分的な組合せまたは部分的な組合せの変形を対象としてもよい。
【0137】
主題の特定の実施形態が説明されている。説明された実施形態の他の実施形態、変更例、および置換例は、当業者には明らかであるように、添付の特許請求の範囲内にある。動作は、図面または特許請求の範囲において特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序で、もしくは順次に行われること、またはすべての例示された動作が行われることを必要とするものとして理解されるべきではない(いくつかの動作は任意選択的とみなされ得る)。
【0138】
したがって、前述の例示的な実施形態は、本開示を定義または制限するものではない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、および変更も可能である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図5M
図5N
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
【国際調査報告】