(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】バッテリー製造方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H01M 4/139 20100101AFI20250212BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543249
(86)(22)【出願日】2023-09-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2023013149
(87)【国際公開番号】W WO2024053958
(87)【国際公開日】2024-03-14
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・スン・アン
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA01
5H050BA08
5H050BA17
5H050DA09
5H050FA15
5H050GA02
5H050GA22
5H050GA28
5H050HA01
5H050HA03
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
バッテリー、特に二次バッテリーを製造する方法が開示される。活物質は基板上に塗布される。絶縁体材料は、例えば、活物質と基板との間の境界の上に延伸するように基板上に塗布される。絶縁体材料は、絶縁体成分および液体成分を含む。絶縁体材料の指標的湿潤厚さ(indicative wet thickness)は、境界から特性測定距離ほどオフセットされた基板上の位置で決定される。絶縁体材料の塗布は、指標的湿潤厚さの関数として適応される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー、特に二次バッテリーを製造する方法であって、
基板上に活物質を塗布する段階と、
前記活物質と前記基板との間の境界の上に延伸するように前記基板上に絶縁体材料を塗布する段階であって、前記絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含む、段階と、
前記境界から特性測定距離ほどオフセットされた前記基板上の位置における前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階と、
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記絶縁体材料は、前記絶縁体材料を塗布するときにおける前記絶縁体成分の含有量に対する前記液体成分の含有量の割合が1~100、特に2~50、または4~25、さらに特に5~20となるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上に塗布された前記絶縁体材料の厚さは、10μm~1000μmの間、特に20μm~500μmの間、さらに特に50μm~250μmの間である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記液体成分を蒸発させるために、前記絶縁体材料をエネルギーにさらす段階をさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁体材料をエネルギーにさらす段階の後に、残っている絶縁体材料の厚さは、0.1μm~40μmの間、特に1μm~20μmの間、さらに特に2μm~10μmの間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階は、塗布された前記絶縁体材料の重量を基準として前記絶縁体材料の前記液体成分がX%だけ蒸発する前に行われ、Xは0.1~10である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記絶縁体材料を塗布する段階は、前記基板上に位置された放出器を使用して行われ、
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記放出器を再配置する段階を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記絶縁体材料の塗布速度を増加および/または減少させる段階を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記活物質を塗布する段階の後に、前記活物質は前記基板上にエッジ部分を形成し、前記エッジ部分は前記境界まで延伸し、前記基板の反対側に凹んだ上面を有し、
前記絶縁体材料を塗布する段階の後に、前記絶縁体材料は、前記活物質の前記エッジ部分を少なくとも部分的にカバーし、前記エッジ部分を越えて前記基板上に延伸する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基板は、厚さ方向に垂直な平面に配列され、
前記活物質は、前記境界が前記厚さ方向に垂直なプロセス方向に沿って形成されるように塗布され、
前記絶縁体材料は、前記境界の上にストライプ形状に塗布され、前記ストライプ形状は、前記プロセス方向に沿って細長い形状である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記特性測定距離は、0.1mm~10mm、特に0.1mm~6mm、さらに特に0.5mm~3mmである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記活物質を塗布する段階、前記絶縁体材料を塗布する段階、前記指標的湿潤厚さを決定する段階、および前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記基板が厚さ方向に垂直なプロセス方向に移動される間に連続的な方式で行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
バッテリー、特に二次バッテリーの製造システムであって、
基板上に活物質を塗布するように構成された活物質塗布ユニットと、
前記基板上に、かつ、前記基板上に塗布された前記活物質上に絶縁体材料を塗布するように構成された絶縁体材料塗布ユニットと、
特性測定位置で前記基板上に塗布された前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定するように構成された測定ユニットと、
前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料塗布ユニットを制御するように構成された制御ユニットと、を含む製造システム。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された請求項13に記載の製造システム。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の方法によっておよび/または請求項13または14に記載の製造システムによって製造されるバッテリー、特に二次バッテリーであって、
前記バッテリーは、基板、前記基板上に塗布された活物質、および前記基板と前記活物質との間の境界をカバーする絶縁コーティングを含み、
前記絶縁コーティングは、0.1μm~40μm、特に1μm~20μmの間、さらに特に2μm~10μmの厚さを有する、バッテリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー製造方法およびバッテリー製造システムに関するものである。具体的には、本発明は、バッテリーの電極を形成するために行われ得る方法、およびバッテリーの電極を形成するように動作可能なシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリーの電極は、一般的に、電気伝導性プレートであり得る(導電性)基板上に塗布(deposit)された活物質を含む。一部の製造プロセスまたはシステムでは、基板上に塗布された活物質の境界(エッジ、エッジ部分、周辺部、または類似の名称でも称され得る)に沿って導電性基板の一部分をカバーする絶縁コーティングが提供され得る。このような絶縁コーティングは、例えば、バッテリーの電極の電流集電体(collector)として使用され得る導電性基板の十分な電気的絶縁を保障し得る。
【0003】
これを考慮すると、基板上の塗布される絶縁コーティングの厚さに関して絶縁コーティングの塗布を精密に制御することが有利であり得る。また、基板上に存在する材料、特に、バッテリーの電極の活物質に対して塗布される絶縁コーティングの一部分に関して絶縁コーティングの塗布を精密に制御することが有利であり得る。したがって、技術的課題は、基板上に塗布される絶縁コーティングの厚さと位置を最適化することに関することであり得る。
【0004】
本明細書において、「システム」、「バッテリー製造システム」、および「バッテリーを製造するためのシステム」という用語は相互交換的に使用され得る。また、「方法」、「バッテリー製造方法」、および「バッテリーを製造する方法」という用語は、本明細書において相互交換的に使用され得る。本明細書に開示される方法は自動方式で行われ得る。このような目的のために、方法は、例えば、プロセッサーによって行われる機械可読媒体上の/内の命令語のシーケンスとして提供され得る。
【0005】
本明細書に開示されるようなバッテリー製造システムは、特徴および方法段階のうち任意のものを選択的に含む、本明細書に開示されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。したがって、バッテリー製造方法の任意の特徴が説明される場合に、このような特徴はまた、対応するバッテリー製造システムに適用され得るか、および/または対応するバッテリー製造システムの特徴と組み合わせられ得る。同様に、バッテリー製造システムの1つの特徴が説明される場合に、このような特徴はまた、対応するバッテリー製造方法に適用され得るか、および/または対応するバッテリー製造方法の特徴と組み合わせられ得る。特に、バッテリー製造方法の特徴およびバッテリー製造システムの特徴は、別段の明示があるかまたは技術的に不適切でない限り、互いを制限しない。このような理解に従うと、バッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、説明の簡潔さのために組み合わせで説明され得る。
【0006】
本明細書に言及されるようなバッテリーは、エネルギー貯蔵のための一般的な電気化学電池であり得るか、またはそれを含み得る。より具体的には、本明細書に言及されるようなバッテリーは、二次バッテリーおよび/または一次バッテリーであり得るか、またはそれを含み得る。本明細書において、二次バッテリーは再充電可能バッテリーを指すことができるか、またはそれを含み得る。特に、バッテリーは、特定の方式で積層された(例えば、巻かれた(wound up))電極の1つ以上の層およびセパレータの1つ以上の層を含み得る。バッテリーは、コイン型、円筒型、角型、またはパウチ型バッテリーであり得るか、またはそれを含み得る。特定の例において、バッテリーは、電気自動車、モバイルデバイス、または類似したものなどの電力グリッドから離れている機械またはデバイスに電力を供給するように構成され得る。
【0007】
また、本明細書において括弧で表示された用語および表現は、説明の繰り返しを避けるために使用される。このような括弧内の用語および表現は、それぞれの節で代案的にまたは追加的に使用され得る選択的用語または選択的表現を示すことができる。
【0008】
一般的に、本明細書に言及されるようなバッテリー製造はまた、バッテリーのプロトタイプの製造を考慮する。それにもかかわらず、以下では「一」バッテリーについて言及され得、したがってこれは、本主題を一般的に任意の1つの特定の具体的なバッテリーの製造に限定せずに、複数の同じバッテリーのうち1つの製造を指すものである。特に、請求されるような主題は、バッテリーの自動化された(大量)生産を構想し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既知の従来技術から解決しようとする課題は、独立請求項に定められたような主題によって解決され得る。特定の実施形態は、従属請求項の特徴によって与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
バッテリー、特に二次バッテリーを製造する方法が提供される。方法は、以下の順序で行われ得るが、その特定の順序に拘束されない以下の段階を含み得る:
【0011】
基板上に活物質を塗布する段階;
例えば、活物質と基板との間の境界の上に延在するように基板上におよび/または活物質上に絶縁体材料を塗布する段階であって、絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含む、絶縁体材料を塗布する段階;
境界から特性測定距離ほどオフセットされた基板上の位置における絶縁体材料の指標的湿潤厚さ(indicative wet thickness)を決定する段階;
指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階。
【0012】
絶縁体材料の塗布後に、絶縁体材料の液体成分はバッテリーの製造過程で蒸発し、絶縁体材料の絶縁体成分は塗布された状態で残る。通常的な方法およびシステムのうち一部において、残っている絶縁体成分の厚さおよび位置は、絶縁体材料の液体成分が蒸発した後に検査され得る。結果が満足のいくものでない場合に、絶縁体材料の塗布が修正(適応)され得、塗布および蒸発を含む準備プロセス全体が繰り返され得て、残っている絶縁体成分の厚さおよび位置が再び検査され得る。このような手順は多くの時間、エネルギー、および材料を必要とする。
【0013】
これを考慮すると、本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、絶縁体材料の指標的湿潤厚さがリアルタイムで決定されることを可能にする。請求された主題は、絶縁体材料の残っている絶縁体成分の厚さと絶縁体材料の指標的湿潤厚さとの間に相関関係があるという事実を活用する。したがって、絶縁体材料の液体成分の蒸発後に基板上に残る絶縁体材料の絶縁体成分の厚さは、決定された指標的湿潤厚さから推定され得る。このような方式で、本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、基板上の固体絶縁コーティングの厚さのリアルタイム推定を可能にする。これはまた、活物質と基板との間の境界のみならず、基板上に塗布される活物質上の固体絶縁コーティングの塗布にも適用され得る。
【0014】
また、本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびシステムは、絶縁体材料の塗布が決定された指標的湿潤厚さの関数として適応されることを可能にし、基板上の固体絶縁コーティングの塗布の正確なリアルタイム制御を可能にする。これはまた、活物質と基板との間の境界のみならず、基板上に塗布される活物質上の固体絶縁コーティングの塗布にも適用され得る。その結果として、本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびシステムは、材料、コスト、時間およびエネルギーを節約する方式で絶縁体材料の塗布の精密な制御を可能にし得る。
【0015】
言及されたように、バッテリーは、正極または負極であり得る電極を含み得る。電極は、基板および基板上に塗布された活物質を含み得る。活物質は、電極のそれぞれの類型に対して特別に準備され得る。例えば、活物質は、正極に対してリチウムを含み得る。一般的に、本明細書に使用される「塗布」という表現は、特に具体的に表示されない限り、任意の好適な方式で1つの材料を他の材料上に提供することを表現する。例えば、塗布は、例えばダイを介して圧迫すること、または押出セットアップを使用する押出によって放出器から材料を放出することであり得るか、またはそれを含み得る。他の例において、塗布は、材料を目標の表面上にスプレーすることであり得るか、またはそれを含み得、これにより、放出器はノズルまたはノズル配列を含むものとみなされ得る。特に、塗布は、基板上の活物質の供給および基板上の(そして、適用可能な場合は活物質上の)絶縁体材料の供給を指すことができる。
【0016】
塗布後に、活物質は、その上に活物質が塗布される基板の表面の部分的領域を占有し得る。したがって、塗布された活物質は境界まで延伸する。境界は、基板上の平面から見たときに、活物質と表面との間の材料境界を示すことができる。活物質は流動性材料混合物であり得、したがって、塗布された活物質は境界まで拡散し得る。境界は、基板上に塗布された活物質のエッジに対応し得、「境界」および「エッジ」という表現は、別段の明示があるかまたは技術的に不適切でない限り、本明細書では相互交換可能な方式で使用され得る。追加として、本明細書において、エッジ部分は、境界またはエッジに沿って、そして、その付近の活物質の一部を示すことができる。以下に説明されるように、エッジ部分はスライディング、またはスライディング部分によって定義され得る。本明細書において、「境界」という表現は、別段の明示がない限り、基板と塗布された活物質との間の境界を具体的に示すために使用される。
【0017】
本明細書において、基板上に塗布される活物質は塗布された活物質と称され得る。塗布された活物質と基板との間の境界は、特定の方向に沿って、特にプロセス方向に沿って実質的に線形であり得る。しかしながら、塗布された活物質は流動性材料混合物であり得、したがって、当然に完璧な線形ではないが、実質的にまたは全般的にまたは平均的に直線ラインに対して整列された、特にプロセス方向に対して平行な境界を形成し得る。本明細書において、プロセス方向は、活物質および/または絶縁体材料が基板上に塗布されている間に基板が移動される方向であり得る。
【0018】
塗布された活物質のエッジ部分は、塗布された活物質の厚さが外側に滑らかに減少するいわゆるスライディングを示すことができるか、および/またはスライディング部分を形成し得る。また、スライディングに応じておよび/またはスライディング部分において、基板の反対側の上面は凹状に湾曲し得る(上方に突出し得る)。スライディングまたはスライディング部分は、流動性、粘度、表面張力、および/または基板の表面に対する摩擦などの活物質の特性によって発生し得る。
【0019】
本明細書に開示される方法およびシステムは、それぞれ、電極を含むバッテリー、特に二次バッテリーを製造するために行われて動作可能であり得る。このような文脈において、基板はバッテリーの電極に対する電流集電体としての役割を果たし得る。基板は、電気伝導性基板であり得る。基板は、例えば、アルミニウム、その合金、銅またはその合金などの導電性金属、または導電性金属合金などの導電性材料であり得るか、またはそれを含み得る。基板は、プレート、シート、ホイル、フィルム、層、または類似したものの形状を有し得る。基板は、その上に活物質および/または絶縁体材料が塗布される実質的に平らな上面を有し得る。説明の単純性のために、上面、上端側面、上方(方向)、上、および類似したものなどの表現は、その上に活物質および/または絶縁体材料が塗布される基板の主要表面の法線方向を示すために使用される。
【0020】
バッテリーの活物質は、スラリー(slurry)とも称され得る粘性混合物として提供され得る。その後、電極基板上に塗布された活物質は乾燥され、選択的に活性化されてバッテリーに対する電極を得ることができる。以下では、「バッテリー」という用語は二次バッテリーであり得るか、またはそれを含み得る。説明の単純性のために、「活物質」という表現はまた以下に、別段の明示があるかまたは技術的に不適切でない限り、粘性および/または流動性混合物内に活物質および追加的な成分を含むスラリーを指すこともできる。
【0021】
活物質は、例えば、リチウムコバルト酸化物(lithium-cobalt-oxide、LCO)、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(lithium nickel cobalt manganese oxide、NCM)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(lithium nickel cobalt aluminum oxide、NCA)、リチウムマンガン酸化物(lithium manganese oxide、LMO)、リチウムニッケルマンガンスピネル(lithium nickel manganese spinel、LNMO)、リン酸鉄リチウム(lithium iron phosphate、LFP)を含み得る。活物質はまた、黒鉛、リチウム、またはシリコンを含み得る。活物質は追加的に、固体成分、特に固体導電性粒子、例えば、カーボンブラック(carbon black)またはカーボンナノチューブを含み得る。活物質は追加的に分散剤を含み得る。
【0022】
活物質は、固体材料が混合される結合剤を含み得る。結合剤はポリマー性結合剤であり得る。活物質の(ポリマー性)結合剤は、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride、PVDF)、ポリメチルアクリレート(polymethyl acrylate、PMMA)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)、ポリアクリレート、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、またはスチレンブタジエンを含み得る。活物質は液体成分をさらに含み得る。活物質の液体成分は、水または有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、またはN-メチル-2-ピロリドン(N-Methyl-2-pyrrolidon、NMP)を含み得る。
【0023】
上記のように、絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含み得る。特に、絶縁体材料は、液体成分と絶縁体成分の流動性または粘性混合物として準備された絶縁体成分と液体成分の混合物であり得るか、またはそれを含み得る。特定の例において、絶縁体材料は、絶縁体成分を液体成分と混合することによって準備され得る。
【0024】
液体成分は、絶縁体成分と混合され得る任意の好適な液体材料であり得る。特に、液体成分は、例えば、絶縁体成分との均質な(または異種の)混合物を提供するように選択されるかおよび/または準備され得る。絶縁体材料の液体成分は、水または水性液体、または有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、またはN-メチル-2-ピロリドン(N-Methyl-2-pyrrolidon、NMP)であり得るかまたはそれを含み得る。
【0025】
絶縁体材料の液体成分の沸点は、(同一圧力で、そして、同一の他の環境的条件下で)絶縁体材料の絶縁体成分の沸点よりさらに低いことがあり得る。このように、液体成分は上昇した温度にさらされるときに蒸発し得、一方、絶縁体成分は残る。残っている絶縁体成分は、絶縁コーティングを得るために追加で処理され得る。代案的にまたは追加的に、絶縁体成分の処理は、絶縁体材料に熱、(UV)放射、または他の形態のエネルギーを印加する段階であって、このような段階の間に液体成分が蒸発する、印加する段階を含み得る。
【0026】
塗布された絶縁体材料から、特にその絶縁体成分から絶縁コーティングを形成するプロセスは本明細書において、絶縁体材料に依存して、硬化プロセスおよび/または乾燥プロセスと称され得る。絶縁体成分およびそれから得られた絶縁コーティングは、例えば、関心電圧範囲内の(および/または関心電界範囲内の)電流を防止することによって、電気的絶縁を提供する物質および/または構造体を指すことができる。例えば、絶縁体成分は、10-8S・cm-1以下の電気伝導率および/または108Ω・cm以上の電気抵抗率を有し得る。
【0027】
絶縁体成分は、結合剤、特にポリマー性結合剤であり得るか、またはそれを含み得る。硬化および/または乾燥プロセスは、基板上の絶縁体材料の塗布後に行われ得、ここで(ポリマー性)結合剤は、熱、(赤外線および/または紫外線(UV))放射または任意の好適な形態のエネルギー入力に対する露出下で硬化(または重合)されて絶縁コーティングを形成し得る。絶縁体材料の(ポリマー性)結合剤は、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride、PVDF)、ポリメチルアクリレート(polymethyl acrylate、PMMA)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)、ポリアクリレート、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、またはスチレンブタジエンであり得るか、またはそれを含み得る。
【0028】
代案的にまたは追加的に、絶縁体成分はセラミック材料であり得るか、またはそれを含み得る。硬化および/または乾燥プロセスは、基板上の絶縁体材料の塗布後に行われ得、ここでセラミック材料は熱、(UV)放射または任意の好適な形態のエネルギー入力に対する露出下でか焼(calcinate)されるか、または焼結されるか、またはそうでなければ、他にプロセッシングされて固体絶縁コーティングを形成し得る。セラミック材料の例は、酸化物ベースのセラミック、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al2O3)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BTO)、チタン酸アルミニウム(チアライト、Al2TiO5)、酸化ベリリウム(ベリリア、BeO)を含み得る。絶縁体成分の追加的な例は、ケイ酸塩ベースの材料、カオリナイト、炭化ホウ素(B4C)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、炭化タングステン(WC)、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、および窒化アルミニウム(AlN)を含む。
【0029】
特定の非包括的な例において、絶縁体成分は以下のうち1つまたはこれらの組み合わせを含み得る:PVDF、水酸化酸化アルミニウム(AlO(OH)、例えばベーマイトまたはダイアスポア)、SBRベースのセラミック材料(スチレンブタジエンゴム)およびアルミナ(Al2O3)。また、絶縁体成分は、以下のうち1つまたはこれらの組み合わせを含み得る固体添加剤を含み得る:染料、タンニン酸、および分散剤。絶縁体成分の成分含有量の割合は経験的に決定され得、進行中の開発および最適化プロセスを経ることができる。
【0030】
特定の非包括的な例の一部は以下の通りであり得る。特定の例において、絶縁体成分の90%~99.9%はPVDF(例えば、KF9700)で作られ得る。他の特定の例において、絶縁体成分の40%~70%、好ましくは50%~60%、またはより好ましくは55%~60%、または57.5%±1%は水酸化酸化アルミニウムで作られ得、一方、絶縁体成分の25%~60%、好ましくは30%~50%、またはより好ましくは35%~45%、または40%はSBRで作られ得る。このような特定の例において、タンニン酸は、絶縁体成分の0.5%~5%、好ましくは1%~4%、より好ましくは2%~3%、または2.5%±0.2%の相対含有量で添加剤として添加され得る。別の例において、絶縁体成分の40%~90%、好ましくは50%~80%、より好ましくは60%~70%、または65%±0.5%はアルミナ(例えば、AES11)で作られ得、一方、絶縁体成分の20%~45%、好ましくは25%~35%、より好ましくは30%~35%、または32.5%±0.5%はPVDF(例えば、KF9700)で作られ得る。このような特定の例において、分散剤は、絶縁体成分の1%~6%、好ましくは1.5%~5.5%、より好ましくは1.8%~3.5%、または2.5%±0.5%の相対含有量で添加剤として添加され得る。追加的な特定の例において、絶縁体成分の70%~99%、好ましくは75%~95%、より好ましくは80%~90%、または87%±2%は水酸化酸化アルミニウムで作られ得、一方、絶縁体成分の1%~20%、好ましくは5%~15%、より好ましくは7%~13%、または10%±1.5%はPVDF(例えば、KF9700)で作られ得る。このような特定の例において、タンニン酸は、絶縁体成分の1%~6%、好ましくは1.5%~5%、より好ましくは2.5%~4.5%、または3.5%±0.5%の相対含有量で添加剤として添加され得る。
【0031】
バッテリー製造方法は、基板上の活物質を塗布する段階を含み得る。活物質は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。基板は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。本明細書において、塗布するプロセスは塗布と称され得る。塗布は、以上に定義された通りであり得、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、活物質の塗布は、例えばダイを介して圧迫することによって、押出によって、または基板上に活物質をスプレーすることによって放出器から活物質を放出することであり得るか、またはそれを含み得る。
【0032】
言及されたように、活物質は、例えば、基板の表面の部分的領域を占有するために基板上に塗布され得る。したがって、塗布された活物質は幅方向に境界まで延伸し得る。幅方向は、以上に言及されたプロセス方向に垂直であり、本明細書に言及されるような任意の厚さが測定される厚さ方向に垂直であり得る。幅方向およびプロセス方向の両方は、その上に活物質および絶縁体材料が塗布される基板の上面と称され得る主要表面に平行であり得る。したがって、厚さ方向は基板の上面に垂直であり得る。
【0033】
境界は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。境界は、以上に言及されたように実質的に線形であり、プロセス方向に平行であり得る。特に、塗布された活物質と基板との間の境界は、幅方向に向かう塗布された活物質の端部面によって形成され得る。より具体的には、塗布された活物質と基板との間の境界は、基板を完全にカバーしないことにより、すなわち、基板の一部分をカバーされない状態で残すことによって形成され得る。基板のカバーされない部分と塗布された活物質との間の材料境界は境界と称され得る。
【0034】
言及されたように、塗布された活物質のエッジは境界に沿って形成され得る。このように、エッジと境界は、別段の明示があるかまたは技術的に不適切でない限り、相互交換可能な方式で使用され得る。しかしながら、塗布された活物質のエッジは活物質の最大の物理的範囲を示すことができ、一方、境界は塗布された活物質と基板との間の材料境界である。また、活物質のエッジ部分は言及された通りであり得、境界またはエッジに沿って、そして、それに隣接する塗布された活物質の三次元部分を指すことができる。
【0035】
塗布された活物質と基板との間の境界は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。塗布された活物質のエッジは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。塗布された活物質のエッジ部分は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0036】
バッテリー製造方法は、例えば、活物質と基板との間の境界の上に延伸するように基板上に絶縁体材料を塗布する段階を含み得る。絶縁体材料は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。境界は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。絶縁体成分は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。液体成分は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。また、絶縁体材料の塗布は、原則的に、本明細書に説明される活物質の塗布と同一であるかまたは類似し得る。特に、絶縁体材料の塗布は、例えばダイを介して圧迫することによって、押出によって、または基板上にスプレーすることによって放出器から絶縁体材料を放出することであり得るか、またはそれを含み得る。
【0037】
絶縁体材料は、例えば、塗布された活物質と基板との間の境界の上に延伸するように基板上に塗布され得る。したがって、塗布された絶縁体材料はまた、塗布された活物質上に延伸し得る。言い換えれば、絶縁体材料は、基板と基板上に塗布された活物質の両方の上に塗布され得る。また言い換えれば、塗布された絶縁体材料は、基板上から境界を介して基板上に塗布された活物質上に延伸し得る。
【0038】
上記のように、絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含み得る。絶縁体成分は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。液体成分は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。したがって、絶縁コーティングは、絶縁体材料の絶縁体成分および液体成分の構成に従って絶縁体材料を処理することによって形成され得る。
【0039】
バッテリー製造方法は、基板上の位置で絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階を含み得る。指標的湿潤位置が決定されるこのような位置は、基板と塗布された活物質との間の境界から特性測定距離だけオフセットされ得る。
【0040】
ここで、任意の厚さを決定する段階は、推定、シミュレーション、または計算ではなく、物理的に決定する段階を指すことができる。特に、任意の厚さを決定する段階は、このような厚さを測定する段階を含み得る。厚さを測定する段階は、任意の既知で好適な測定方法を使用して、例えば光学測定セットアップを使用して、特に反射率分光計を使用して行われ得る。このような反射率分光計は、例えば、(近)赤外線近接範囲および/または可視範囲内の、または400nm~1100nmの波長範囲内のスペクトルを有する光源を用いることができる。反射率分光計は、例えば2mmのスポットサイズで、特に1mm~1.5mmのスポットサイズで測定領域を照射し得る。このような目的のために、反射率分光計は、光源からの光を視準するコリメーターを用いることができる。また、反射率分光計は電動化されたシャッターを用いることができる。一例において、光源からの光の一部分は、目標材料(すなわち、塗布された絶縁体材料、残りの塗布された材料および/または活物質)の入射表面で反射され、一方、光の他の部分は、目標材料と基板の界面(また、本明細書に言及された通り)で反射される。したがって、光の異なる反射された部分間の位相シフトが検出され得、そこから厚さが導出され得る。
【0041】
塗布された絶縁体材料および/または塗布された活物質を貫通する固体測定プローブを使用することは他のオプションであり得るが、しかしながら、それが絶縁コーティングおよび/または活物質に対する構造的損傷を引き起こし得るので好ましくない。決定された厚さの絶対値は測定セットアップに応じて変わり得るが(または、変わらないことがあり得るが)、請求された主題は、厚さの絶対値ではなく、塗布された絶縁体材料の厚さが決定される特性測定位置に関するものである。言い換えれば、同じ測定セットアップが塗布された絶縁体材料および残っている絶縁体材料の厚さを決定するために使用される限り、請求された主題は、使用される測定セットアップの特定の類型による影響を受けない。
【0042】
指標的湿潤厚さは、その位置での絶縁体材料の厚さを示すことができ、このような位置は、基板と塗布された活物質との間の境界からの特性測定距離によって定義される。このような位置は、特性測定位置とも称され得る。したがって、特性測定位置は、境界からの特性測定距離によって決定/定義され得る。指標的湿潤厚さは、特性測定位置で基板上に塗布された絶縁体材料の厚さであり得る。このように、特性測定距離、特性測定位置および指標的湿潤厚さは相互連結され得る。
【0043】
本発明者は、以上に言及されたような方式で絶縁体材料を塗布し、処理することによって得られた絶縁コーティングの厚さ(本明細書では乾燥厚さと称され得る)と、特定の位置での基板上に塗布された絶縁体材料の厚さ(すなわち、指標的湿潤厚さ)との間に予測可能であり、それにより再現可能な関係があることを発見した。このような特定の位置は、境界から特性測定距離ほどオフセットされた上述の特性測定位置であり得るか、またはそれに対応し得る。
【0044】
特に、絶縁体成分の含有量(例えば、パーセント、wt.%)は、液体成分と絶縁体成分(および存在する場合は任意の他の成分)とを含む(総)絶縁体材料の重量(または体積)によって決定され得る。言及されたように、絶縁体材料の液体成分は、絶縁コーティングを得るための(例えば、硬化、重合、UV放射、焼結、か焼、または絶縁体材料をエネルギー入力にさらす任意の他の好適な措置による)硬化および/または乾燥プロセッシングの間に蒸発し得る。したがって、残っている絶縁体材料(本明細書に説明されるように、残っている絶縁体材料、または絶縁コーティング)の厚さ(すなわち、乾燥厚さ)は、実質的に絶縁体成分の含有量に対応し得る。ここで、硬化および/または乾燥プロセスによって発生し得る絶縁体成分の体積の変化、例えば、圧縮または膨張は考慮され得るか、または無視され得る。
【0045】
したがって、絶縁体成分の含有量が知られていれば、絶縁コーティングの乾燥厚さは、絶縁体材料の指標的湿潤厚さから導出され得る。しかしながら、その上に絶縁体材料が塗布されるランディング表面(landing)のトポロジー(topology)および材料に依存して、硬化および/または乾燥プロセスの結果としての絶縁コーティングの形成は空間的に均一ではないことがあり得、すなわち、絶縁コーティングの乾燥厚さは局部的に変わり得る。これは、例えば、絶縁体材料が液体成分と絶縁体成分の混合物であり、これは結果として、硬化および/または乾燥プロセスを経る前には流動性および/または粘性であり得るという事実によるものであり得る。また、基板と基板上に塗布された活物質は、共に絶縁体材料が塗布される非平面ランディング表面を提供し得る。したがって、絶縁体成分は、塗布後に特定の程度まで移動するかまたは流れることができ、したがって、塗布された活物質と基板上に均一に分布されないことがあり得る。したがって、従来技術では、塗布された絶縁体材料の厚さと絶縁コーティングの乾燥厚さとの間に信頼し得る関係を確立することは困難であるとみなされてきた。
【0046】
本発明者は、塗布された絶縁体材料の厚さが信頼し得る方式で、結果的な絶縁コーティングの乾燥厚さと相関する特定の位置があることを発見した。このような特定の位置は、本明細書において上述のように、特性測定位置と称される。特性測定位置における塗布された絶縁体材料の厚さは、本明細書において上述のように、指標的湿潤厚さと称される。特性測定位置は、以下を含む、以下のパラメーターおよび特性のうち少なくとも1つに依存して変わり得る(または、変わらないことがあり得る):塗布された活物質の厚さ、塗布された活物質のトポロジー、塗布された活物質のエッジ部分の形状、基板上に塗布された絶縁体材料、および適用可能な場合に、塗布された活物質のトポロジー、絶縁体材料の塗布量、塗布された絶縁体材料の幅(すなわち、幅方向への物理的範囲)。代案的にまたは追加的に、特性測定位置は、以下のうち少なくとも1つに依存して変わり得る:絶縁体材料の組成、活物質の組成、および基板の組成。代案的にまたは追加的に、特性測定距離は、以下のパラメーターおよび特性のうち少なくとも1つに依存して変わり得る:絶縁体材料の組成、絶縁体成分の含有量、硬化および/または乾燥プロセス、および周辺パラメーター、例えば温度、湿度、および圧力。説明の簡潔さのために、以上に言及されたパラメーターおよび特性のうち任意のものは、本明細書では集合的に「位置決定(positioning)因子」と称され得る。
【0047】
特性測定位置は、境界(および塗布された活物質のエッジ)から特性測定距離ほどオフセットされる。具体的には、特性測定位置は基板上にあり得るか、および/または特性測定位置は塗布された活物質からオフセットされ得る。代案的に、特性測定位置は、基板上の塗布された活物質の上にあり得る。これは、以上に言及された位置決定因子のうち1つ以上に依存し得る。
【0048】
特性測定距離およびそれによる特性測定位置がそれぞれ位置決定因子のうち1つ以上に依存し得るので、特性測定距離および特性測定位置は最初に経験的方式で決定され、その後に推定(外挿)され得る。例えば、与えられた絶縁体材料に含まれた絶縁体成分の含有量と物質は、絶縁体材料の準備から決定されるかまたは知られ得る。次いで、基板上に塗布された絶縁体材料の厚さは、境界に対して異なる位置で決定され得る。ここで、「境界からのオフセット」または「境界に対して」などの表現は、位置または厚さが境界からの距離の関数として、すなわち、幅方向に沿った異なる複数の位置で決定されることを示すことができる。選択的に、塗布された絶縁体材料の厚さはまた、プロセス方向に沿って異なる位置で決定されることもできる。したがって、塗布された絶縁体材料の厚さは、塗布された活物質のエッジ部分、境界、および絶縁体材料でカバーされた基板の部分的領域に及んでいる位置のアレイで決定され得る。その後、特に硬化および/または乾燥プロセスの後におよび/または絶縁体材料の液体成分の蒸発後に、残っている絶縁体材料の乾燥厚さは、塗布された絶縁体材料の厚さが測定されたのと同じ位置で決定され得る。残っている絶縁体材料の決定された乾燥厚さは、異なる位置のそれぞれで塗布された絶縁体材料の決定された厚さと相関する(またはそれと比較されるか、またはそれにマッピングされる)。このようなアプローチは、塗布された絶縁体材料の決定された厚さと残っている絶縁体材料の乾燥厚さとの間の相関関係が再現可能で予測可能な測定距離の特定の範囲を明らかにし得る。
【0049】
上記のように、活物質は、例えば、プロセス方向に実質的に平行なエッジを形成するために基板上に塗布され得る。したがって、境界からの距離の関数として塗布された絶縁体材料の厚さを決定することは、厚さがプロセス方向に垂直な幅方向に沿って異なる位置で測定されること(そして、プロセス方向および幅方向はそれぞれ、本明細書に言及される任意の厚さが決定される厚さ方向に垂直であり得ること)を意味し得る。特に、その上に塗布された活物質と絶縁体材料を有する基板は、塗布された絶縁体材料の厚さを決定する段階を行う間にプロセス方向に移送され得る。
【0050】
特定の例において、バッテリー製造方法は、(追加的にまたは代案的に)以下を含み得る:活物質および絶縁体材料を塗布した後に、そして、重量でX%(Xは0.1~10)分の絶縁体材料の液体成分の蒸発前に、プロセス方向および幅方向に沿って分布した異なる位置で基板上の絶縁体材料の厚さを測定する段階。Xは0.1~10、または0.1~5、または0.1~2であり得る。単純性のために、液体成分の蒸発がX重量%以下である状態(すなわち、液体成分のXwt.%以下が蒸発した後の状態)を、本明細書では湿潤状態と称し得る。本明細書において、塗布された絶縁体材料は、別段の明示がない限り、絶縁体材料の蒸発がXwt.%以下である間に基板上に塗布された絶縁体材料を指すことができる。
【0051】
特定の例において、バッテリー製造方法は、(追加的にまたは代案的に)以下を含み得る:重量で少なくともY%(Yは30~99)ほどの絶縁体材料の液体成分の蒸発後に、上記異なる位置に残っている絶縁体材料の厚さを決定する段階。Yは、30~99、または50~99、または75~99、または90~99であり得る。単純性のために、液体成分の蒸発がY重量%を超える状態(すなわち、液体成分の少なくともYwt.%が蒸発した後の状態)を、本明細書では乾燥状態と称し得る。Ywt.%ほどの絶縁体材料の蒸発後に残っている絶縁体材料がまた、本明細書に説明されたように、残っている絶縁体材料または絶縁コーティングと称されることもできる。
【0052】
特定の例において、バッテリー製造方法は、(追加的にまたは代案的に)以下を含み得る:異なる位置のそれぞれにおいて、個別的に重量でX%分の液体成分の蒸発前の絶縁体材料の厚さと残っている絶縁体材料の乾燥厚さとの相関関係が再現可能である、境界からの距離に関する異なる位置のサブセットを識別(または検出)する段階。上記の方式で識別された異なる位置のサブセット内の任意の位置は、本明細書では特性測定位置と称され得て、境界からの個別的な距離は、本明細書では特性測定距離と称され得る。
【0053】
本明細書において、「再現可能」という表現は、変動が30%未満、または25%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または1%未満であり得ることを示すことができる。相関関係は、塗布された絶縁体材料の厚さ(すなわち、重量でX%ほどの液体成分の蒸発前)と残っている絶縁体材料の乾燥厚さ(すなわち、少なくともYwt.%ほどの液体成分の蒸発後)との間に再現可能な数値的関係および/または再現可能な数学的関係があることを意味し得る。
【0054】
このような再現可能な数値的関係は、塗布された絶縁体材料の厚さの値、および残っている絶縁体材料(絶縁コーティング)の乾燥厚さのそれぞれの対応する値が互いに関連する、データ保存部に保存されるテーブルにまとめられたデータベース、データアレイまたはルックアップテーブルなどのテーブルを生成するために使用され得る。このように、塗布された絶縁体材料の特定の厚さがこのようなテーブルに入力され得、残っている絶縁体材料の対応する乾燥厚さを得ることができる。
【0055】
選択的に、再現可能な数値的関係の外挿および/または内挿などのフィッティング(fitting)が行われて、数値的関係を物理的に決定されない値の範囲まで拡張し得る。
【0056】
代案的にまたは追加的に、回帰分析は、塗布された絶縁体材料の厚さと残っている絶縁体材料の厚さとの間の連続的な(そして、普遍的な)数学的関係を見つけるために行われ得る。このように、数学的関係は、変数として塗布された絶縁体材料の厚さおよび変数における関数値として残っている絶縁コーティングの乾燥厚さを有する分析方程式を含み得る。1つのこのような数学的関係は線形関数であり得る。代案的にまたは追加的に、数学的関係は、対数、指数、多項式または三角関数を含む数学的関数のうち1つ以上であり得るか、またはそれを含み得る。このような数学的関係は、塗布された絶縁体材料の決定された厚さから信頼し得る方式で(結果的な)絶縁コーティングの乾燥厚さを自動で計算することを可能にし得る。
【0057】
一部の例において、塗布された絶縁体材料の指標的湿潤厚さと残っている絶縁コーティングの乾燥厚さとの間に数学的関係があり得る。数学的関係は、以下のように線形方程式によって与えられ得る:
【0058】
t=S・d+C
【0059】
以上の方程式において、tは(すなわち、乾燥状態の)絶縁コーティングの厚さであり、Sは特性傾きであり、dは指標的湿潤厚さであり、Cはオフセットである。パラメーターSおよびCは、上述のように、フィッティングからおよび/または回帰分析から、本明細書に説明されたような較正プロセスによって経験的に決定され得る。本明細書において、較正プロセスは、境界からの特性測定距離によって特性測定位置およびそれに応じて塗布された絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定するための位置を見つけるプロセスを指すことができる。
【0060】
以上の方程式は、内挿および/または外挿の方式で残っている絶縁コーティングの厚さtを推定することを可能にし得る。指標的湿潤厚さdおよび乾燥厚さtは、同じ単位、例えばμmまたはmmを有し得る。
【0061】
例えば、傾きSは、0.01~0.6、または0.02~0.5、または0.03~0.4、または0.04~0.35であり得る。例えば、オフセットCは、-100μm~+100μm、または-90μm~+50μm、または-80μm~+30μm、または-50μm~+10μmであり得る。一部の特定の例において、傾きSおよび/またはオフセットCは、絶縁体材料内の絶縁体成分の含有量(例えば、重量または体積パーセント)に依存し得る。代案的にまたは追加的に、傾きSおよび/またはオフセットCは、絶縁体材料内の絶縁体成分の組成(化学物質)とは無関係であり得る。
【0062】
以上に言及されたような特定の例はまた、絶縁コーティングの乾燥厚さのリアルタイム決定の較正プロセスとみなされる(称される)こともできる。例えば、上述の方式の較正後に、塗布された絶縁体材料の厚さはリアルタイムでモニタリングされ得る。
【0063】
したがって、本明細書に開示されるようなバッテリー製造方法およびシステムは、塗布された絶縁体材料の指標的湿潤厚さのリアルタイム決定から信頼し得る方式で絶縁コーティングの乾燥厚さを予測することを可能にし得る。したがって、絶縁コーティングの精密な位置決定および塗布に関して、バッテリー製品の品質が増加され得る。同時に、材料、コスト、時間、およびエネルギー要件が低減され得る。
【0064】
バッテリー製造方法は、指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階を含み得る。上述のように、塗布された絶縁体材料の指標的湿潤厚さは、結果的な絶縁コーティング(残っている絶縁体材料)の乾燥厚さを予測するために使用され得る。したがって、指標的湿潤厚さは、絶縁体材料の塗布を最適化および/または制御するために活用され得る。
【0065】
例えば、与えられたバッテリー製品に対して絶縁コーティングの目標乾燥厚さがあり得る。このような目標厚さは、上述のような数値的または数学的関係に応じて、指標的湿潤厚さの目標範囲に対応し得る。指標的湿潤厚さを決定するときに、指標的湿潤厚さは、上述の方式で絶縁コーティングの乾燥厚さを予測するために使用され得る。指標的湿潤厚さが目標範囲の外部にある場合に、絶縁材料の塗布は、例えば、指標的湿潤厚さを目標範囲に向かってシフトするために、塗布位置または塗布速度に関して適応され得る。言及されたように、目標範囲内にある指標的湿潤厚さは、蒸発および適用可能な場合に硬化および/または乾燥プロセスの後に、目標乾燥厚さであるか、またはそれに十分近い絶縁コーティングの乾燥厚さをもたらし得る。
【0066】
例えば、塗布位置は、幅方向、プロセス方向、および厚さ方向のうち任意の方向に絶縁体材料の上述の放出器を移動させることによって適応され得る。ここで、放出器を移動させることは、幅方向、プロセス方向、および厚さ方向のポジティブ方向およびネガティブ方向のうち1つの方向に移動させることであり得る。単純性のために、幅方向への移動方向は、(例えば、見る方向に依存して平面から見たとき)左側方向および右側方向と称され得、プロセス方向への移動方向は、前方方向および後方方向(ここで、前方方向はプロセス方向に関してポジティブ方向であり、後方方向はその反対方向である)と称され得、厚さ方向への移動方向は、上方向(基板により近い)および下方向(基板から遠ざかる)と称され得る。
【0067】
絶縁体材料は、流動性/粘性絶縁体成分および液体成分の混合物であり得る。また、その上に絶縁体材料が塗布されるランディング表面は平らでないことがあり得る。したがって、絶縁体材料の塗布、特に放出器を介した絶縁体材料の塗布は、塗布された絶縁体材料の厚さの空間的に非均一な分布を引き起こし得る。特に、塗布された絶縁体材料の厚さは局部的最大値を示すことができる。したがって、塗布、特に塗布位置は、例えば、このような効果も考慮するために適応され得る。例えば、塗布された絶縁体材料は、絶縁体材料の放出器の中心に対して整列された位置で局部的最大値を示すことができる。指標的湿潤厚さが目標範囲未満である場合に、塗布位置、すなわち放出器は、上記局部的最大値が特性測定位置により近づくように移動され得る。同様に、指標的湿潤厚さが目標範囲を超える場合には、塗布位置、すなわち放出器は、上記局部的最大値が特性測定位置から遠ざかるように移動され得る。
【0068】
絶縁材料の塗布を適応させるために、塗布速度が増加されるかまたは減少され得る。例えば、指標的湿潤厚さが目標範囲未満である場合に、塗布速度は増加され得る。指標的湿潤厚さが目標範囲を超える場合に、塗布速度は減少され得る。
【0069】
塗布、特に塗布速度および/または塗布位置を適応させることは、入力として指標的湿潤厚さを使用し、絶縁体材料の塗布速度および/または塗布位置を出力するフィードバックループを介して行われ得る。このようなフィードバックループを後でサポートする回路部およびアルゴリズムは当業界で知られている可能性がある。
【0070】
一部の例において、絶縁体材料は、絶縁体材料を塗布するときに、絶縁体成分の含有量に対する液体成分の含有量の割合が1~100、特に2~50、さらに特に4~25、または5~20になるように構成され得る。含有量の割合がこれらの範囲のうち1つ内にある場合に、バッテリー製造方法およびシステムのコスト、エネルギー消費、および時間に関する要件と十分な絶縁との間のバランスが与えられ得る。
【0071】
一部の例において、基板上に塗布された絶縁体材料(および/またはその液体成分)の厚さは、10μm~1000μm、特に20μm~500μm、さらに特に50μm~250μmであり得る。バッテリー製造方法およびシステムの増加されたスループットおよび効率のみならず、減少された材料、時間およびエネルギー要件を考慮する最適化された値は、これらの範囲のうち1つ内にあり得る。
【0072】
一部の例において、バッテリー製造方法は、以下をさらに含み得る:例えば、絶縁体材料の液体成分を蒸発させるために(塗布された)絶縁体材料をエネルギー入力にさらす段階。特に、エネルギー入力は熱および/または放射、特に紫外線(UV)放射であり得るか、またはそれを含み得る。追加的にまたは代案的に、エネルギー入力にさらす段階は、絶縁体成分が残っている間、例えば、絶縁体材料の液体成分を蒸発させるために、絶縁体材料を環境(例えば、温度、圧力および/または湿度が液体成分を蒸発させるように適応される)にさらす段階を含み得る。このような方法段階は、上述のような硬化および/または乾燥プロセスと称され得る。硬化および/または乾燥プロセスの間、塗布された絶縁体材料内の液体成分の含有量は、重量でY%ほど減少され得、ここでYは、以上に議論されたように、30~99、または50~99、または75~99、または90~99であり得る。その結果、絶縁コーティングを得ることができる。
【0073】
一部の例において、絶縁体材料をエネルギー入力にさらす段階の後に、残っている絶縁体材料(および/または絶縁体成分)の厚さは、0.1μm~40μm、特に1μm~20μm、さらに特に2μm~の10μmである。このような厚さは、上述のように乾燥厚さと称され得る。
【0074】
一部の例において、絶縁体材料の厚さを決定する段階は、塗布された絶縁体材料の質量を基準として絶縁体材料の液体成分がX%ほど蒸発する前に行われ得る。Xは、上述の通りであり得る。特に、Xは0.1~10、または0.1~5、または0.1~2であり得る。これらの範囲のそれぞれに対して、Xに対する下限は0.1の代わりに0.01、0.05、0.2、0.5または1であり得る。
【0075】
一部の例において、絶縁体材料を塗布する段階は、基板上に位置された放出器を使用して行われ得る。指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、放出器を再配置する段階を含み得る。放出器は、上述の通りであり得、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。例えば、厚さ方向、幅方向、およびプロセス方向のうち少なくとも1つの方向に放出器を再配置する段階は、上述の通りであり得る。
【0076】
一部の例において、指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、絶縁体材料の塗布速度を増加させるかおよび/または減少させる段階を含み得る。塗布速度は、上述のような方式で制御され得る。塗布速度を適応させる段階、特に塗布速度を増加させるかおよび/または減少させる段階は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0077】
一部の例において、活物質を塗布する段階の後に、活物質は基板上にエッジ部分を形成し得る。エッジ部分は境界まで延伸し、基板の反対側に凹んだ上面を有する。塗布後に、活物質は、その上に活物質が塗布される基板の上面に実質的に平行な上面を有するバルク部分を有し得る。活物質は、上述のように、基板(の上面)を完全にカバーしないことによって形成されるエッジ部分をさらに有し得る。このように、エッジ部分は、上述のように境界に沿って(すなわち、それに平行に、そしてその付近で)形成され得る。言及されたように、エッジ部分は、活物質の厚さが基板に対して鋭い垂直表面を形成するのではなく、丸い上面で滑らかに減少するいわゆるスライディングを形成し得る。活物質のエッジ部分の形成および形状は、活物質の粘性および/または流動性属性によるものであり得る。追加的にまたは代案的に、活物質のエッジ部分の形成および形状は、個別的な塗布プロセスによるものであり得る。
【0078】
一部の例において、絶縁体材料を塗布する段階の後に、絶縁体材料は、活物質のエッジ部分の少なくとも一部分をカバーし得、エッジ部分を越えて基板上に延伸し得る。このように、絶縁材料は、例えば、活物質のエッジ部分の少なくとも一部分、境界および境界での基板の一部分上に延伸するように塗布され得る。
【0079】
一部の例において、基板、特にその上に活物質が塗布される基板の上面は、厚さ方向に垂直な平面に配列され得る。活物質は、境界が上述のように厚さ方向に垂直なプロセス方向に沿って形成されるように塗布され得る。
【0080】
一部の例において、絶縁体材料は境界上にストライプ状に塗布され得、ストライプ形状はプロセス方向に沿って細長型である。ストライプ形状は、すなわち、厚さ方向に平行な(すなわち、基板の上面に平行な、幅方向とプロセス方向に平行な)平面図(plan view)を指すことができる。特に、ストライプ形状は、(幅方向に)実質的に一定の幅を有するプロセス方向に延伸している形状であり得る。このように、境界は絶縁コーティングによって均一な方式でカバーされ得る。
【0081】
一部の例において、特性測定距離は、0.1mm~10mm、特に0.1mm~6mm、さらに特に0.5mm~3mmであり得る。追加的な例において、特性測定距離は少なくとも0.1mmであり、最大2.5mm、または最大2mm、または最大1.8mm、または最大1.6mmであり得る。特性測定距離は、上述の方式で決定され得る。言及されたように、境界から特性測定距離ほど離れた位置は特性測定位置と称され得る。特性測定位置で決定された絶縁体材料の厚さは、指標的湿潤厚さと称され得る。言及されたように、特性測定距離および特性測定位置は、与えられた絶縁体材料に対して一度決定され得る。
【0082】
一部の例において、特性測定位置は、例えば、絶縁体材料内の成分の含有量、特に絶縁体成分の含有量を変えることによって、異なる絶縁体材料が使用される場合にも変わらない状態で維持され得る。したがって、絶縁体材料の成分の含有量が変わる場合にも、同じ特性測定位置が指標的湿潤厚さを決定するために使用され得る。また、以上に議論されたような(例えば、線形回帰による、内挿および/または外挿による、などによる)同じ数値的および/または数学的関係は、絶縁コーティングの乾燥厚さを推定するために使用され得る。
【0083】
同様に、絶縁体材料の組成、特に絶縁体成分の物質が変わる場合にも、特性測定位置は変わらない状態で維持され得る。したがって、異なる材料が絶縁体成分として使用される場合にも、同じ特性測定位置が指標的湿潤厚さを決定するために使用され得る。また、以上に議論されたような(例えば、線形回帰による、内挿および/または外挿による、などによる)同じ数値的および/または数学的関係は、絶縁コーティングの乾燥厚さを推定するために使用され得る。
【0084】
一部の例において、活物質を塗布する段階、絶縁体材料を塗布する段階、指標的湿潤厚さを決定する段階、および絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階の方法段階は、基板がプロセス方向に移動される間に連続的な方式で行われ得る。このように、バッテリー製造方法およびシステムは生産ラインで使用され得る。バッテリー製造のスループットおよび効率がこのような方式で増加され得る。
【0085】
プロセス方向および厚さ方向は、本明細書に定義された通りであり得る。特に、プロセス方向、厚さ方向および幅方向は互いに垂直であり得る。
【0086】
一側面によると、バッテリー製造システム(すなわち、バッテリーの製造システム)が提供される。言及されたように、バッテリー製造システムは、バッテリー、特に二次バッテリーを製造するように構成され得る。バッテリー製造システムは、活物質塗布ユニット、絶縁体材料塗布ユニット、測定ユニット、および制御ユニットを含み得る。
【0087】
上記のように、本明細書に開示されるバッテリー製造システムとバッテリー製造方法は組み合わせられ得る。特に、バッテリー製造システムは、本明細書に開示されるようなバッテリー製造方法を行うように構成され得る。また、バッテリー製造システムおよびバッテリー製造方法は相互依存的であり得るので、バッテリー製造システムは、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の特定の1つまたは組み合わせを行うように構成され得る。
【0088】
活物質塗布ユニットは、活物質を塗布するように構成され得る。活物質塗布ユニットは、上述のように、放出器を含み得る。活物質塗布ユニットは、それぞれ同じ活物質または少なくとも2つの異なる活物質を塗布するように構成された複数の放出器を含み得る。
【0089】
絶縁体材料塗布ユニットは、絶縁体材料を塗布するように構成され得る。絶縁体材料塗布ユニットは、上述のような放出器を含み得る。絶縁体材料塗布ユニットは、それぞれ絶縁体材料を塗布するように構成された複数の放出器を含み得る。特に、絶縁体材料塗布ユニット、またはその一部分は、例えば、基板に対するまたは基板上に塗布された活物質に対する絶縁体材料の塗布位置を変更するように移動可能であり得る(上述の通りに)。追加的にまたは代案的に、絶縁体材料塗布ユニットは、例えば、絶縁体材料の塗布速度を変更するように制御可能であり得る(上述の通りに)。塗布位置および/または塗布速度の変更プロセスは、本明細書に説明されたようなバッテリー製造方法の絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階に対応し得る。
【0090】
測定ユニットは、特性測定位置における絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定するように構成され得る。測定ユニットは、バッテリー製造方法について本明細書に説明されるような指標的湿潤厚さを決定する段階を行うように構成され得る。指標的湿潤厚さは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0091】
特に、測定ユニットは、指標的湿潤厚さを物理的に決定(すなわち、測定)し得る。測定ユニットは、光学測定セットアップ、特に上述のような反射率分光計を含み得る。反射率分光計は、例えば、(近)赤外線近接範囲および/または可視範囲内の、または400nm~1100nmの波長範囲内のスペクトルを有する光源を用いることができる。反射率分光計は、例えば2mmのスポットサイズで、特に1mm~1.5mmのスポットサイズで測定領域を照射し得る。一例において、光源からの光の一部分は、目標材料(すなわち、塗布された絶縁体材料、残りの塗布された材料および/または活物質)の入射表面で反射され、一方、光の他の部分は、目標材料と基板の界面(また、本明細書に言及された通り)で反射される。したがって、光の異なる反射された部分間の位相シフトが検出され得、そこから厚さ、特に指標的湿潤厚さが導出され得る。
【0092】
制御ユニットは、絶縁体材料の指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料塗布ユニットを制御するように構成され得る。制御ユニットは、上述の方式で指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料の塗布を適応させるように構成され得る。制御ユニットは1つの物理的ユニットとして提供され得る。追加的にまたは代案的に、制御ユニットは分散型システムとして提供され得る。
【0093】
制御ユニットは、機械可読命令語を実行するためのプロセッサーを含み得る。制御ユニットは、命令語およびデータを(一時的に)保存するためのメモリを含み得る。特に、本明細書に開示されるような段階、プロセス、パラメーターおよび変数は、機械可読命令語およびデータとして提供され得る。制御ユニットのメモリは、このような命令語およびデータの少なくとも一部分を(一時的に)保存し得る。制御ユニットのプロセッサーは、このような命令語およびデータを処理、実行、および/または生成するように構成され得る。
【0094】
また、制御ユニットのメモリは、絶縁コーティングの乾燥厚さと指標的湿潤厚さとの間の特定の関係を保存するように構成され得る。特に、メモリは、絶縁コーティングの乾燥厚さと指標的湿潤厚さとの間の数値的および/または数学的関係を保存するように構成され得る。数値的および/または数学的関係は、上述の通りであり得る。
【0095】
制御ユニットは、測定ユニットから指標的湿潤厚さを受信するように構成され得る。特定の例において、制御ユニットは、時間の関数として指標的湿潤厚さを含む機械可読データセットを生成するように構成され得る。このような目的のために、測定ユニットおよび/または制御ユニットは、指標的湿潤厚さのそれぞれの測定結果にタイムスタンプを提供し得る。制御ユニットは、指標的湿潤厚さをメモリに保存する命令語を実行するように構成され得る。
【0096】
制御ユニットは、上述の方式で指標的湿潤厚さの関数として塗布、特に塗布速度および/または塗布位置を適応させるように構成され得る。特に、制御ユニットは、指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料の塗布位置を維持するかまたは変更するように構成され得る。代案的にまたは追加的に、制御ユニットは、絶縁体材料の塗布速度を維持するか、増加させるか、または減少させるように構成され得る。このような点で、フィードバックループが上述の方式で使用され得る。
【0097】
追加的にまたは代案的に、制御ユニットは、本明細書に開示される方法段階のうち任意のものを実行するようにさらに構成され得る。制御ユニットは、本明細書に開示されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意のものを具現するようにさらに構成され得る。
【0098】
追加的な側面によると、バッテリーが提供される。バッテリーは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る本明細書に開示されるようなバッテリー製造方法によって製造され得る。追加的にまたは代案的に、バッテリーは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る本明細書に開示されるようなバッテリー製造システムによって製造され得る。バッテリーは、二次バッテリーであり得るか、またはそれを含み得る。しかしながら、請求された主題は二次バッテリーに限定されず、一次バッテリーまたは任意の他の類型のエネルギー貯蔵ユニットであり得るか、またはそれを含み得る。特定の例において、バッテリーは、スマートフォンまたはモバイルコンピュータなどのモバイルデバイスで使用されるように構成される。他の特定の例において、バッテリーは、電気自動車に電力を供給するように構成され得る。
【0099】
一部の例において、バッテリーは、基板と基板上に塗布された活物質およびその間の境界をカバーする絶縁コーティングを含み得る。絶縁コーティングは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、絶縁コーティングは、0.1μm~40μm、特に1μm~20μm、さらに特に2μm~10μmの厚さを有し得る。
【0100】
本明細書に開示されるバッテリー製造方法によっておよび/または本明細書に開示されるバッテリー製造システムを使用して生産されるこのようなバッテリーは、基板と基板上に塗布された活物質との間の境界上に正確に形成される絶縁コーティングを統合し得る。したがって、バッテリーの安全性が増加され得る。また、本明細書に開示されるバッテリー製造方法に従って、および/またはバッテリー製造システムを使用してバッテリーを生産するときのエネルギー、時間および材料への必要性が減少され得るので、このようなバッテリーを製造するための全体コストは減少され得る。
【発明の効果】
【0101】
本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、絶縁体材料の指標的湿潤厚さがリアルタイムで決定されることを可能にする。請求された主題は、絶縁体材料の残っている絶縁体成分の厚さと絶縁体材料の指標的湿潤厚さとの間に相関関係があるという事実を活用する。したがって、絶縁体材料の液体成分の蒸発後に基板上に残る絶縁体材料の絶縁体成分の厚さは、決定された指標的湿潤厚さから推定され得る。このような方式で、本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、基板上の固体絶縁コーティングの厚さのリアルタイム推定を可能にする。これはまた、活物質と基板との間の境界のみならず、基板上に塗布される活物質上の固体絶縁コーティングの塗布にも適用され得る。
【0102】
本明細書に開示されるバッテリー製造方法およびバッテリー製造システムは、絶縁体材料添付の図面は一部の特定の例を例示し、本発明の理解を助けることを目的とする。本明細書および図面において、同一の参照符号または一連の参照符号は、同じ、類似、または類似の要素を示すために、異なる例で使用され得る。
図面に示された特徴が実際の縮尺どおりではない場合があることに留意されたい。特に、一部の特徴は、バッテリー製造システムを構成するためのレイアウトまたはテンプレートを提供するのではなく、請求された主題の技術的概念および作動原理を強調するために拡大またはサイズが減少された方式で例示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【
図1】一例に係るバッテリー製造方法のフローチャートを示す。
【
図2】一例に係るバッテリー製造システムの概略的な図面を示す。
【
図3】一例に係るバッテリー製造プロセスの概略的な平面図を示す。
【
図4】一例に係るバッテリー製造システムの概略的な平面図を示す。
【
図5】一例に係るバッテリー製造システムの一部分の概略的な断面図を示す。
【
図6】一例に係るバッテリー製造システムの概略的な分解図を示す。
【
図7a】一例に係る測定ユニットの概略的な側面図を示す。
【
図7b】一例に係る測定ユニットの概略的な正面図を示す。
【
図8a】一例に係る較正プロセスの概略的な平面図を示す。
【
図8b】一例に係る較正プロセスの概略的な側面断面図を示す。
【
図9】一例に係るバッテリー製造システムの一部分の概略的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0104】
バッテリー、特に二次バッテリーを製造する方法が提供される。方法は、以下の順序で行われ得るが、その特定の順序に拘束されない以下の段階を含み得る:
【0105】
基板上に活物質を塗布する段階;
例えば、活物質と基板との間の境界の上に延伸するように基板上におよび/または活物質上に絶縁体材料を塗布する段階であって、絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含む、絶縁体材料を塗布する段階;
境界から特性測定距離ほどオフセットされた基板上の位置における絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階;
指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階。
【0106】
一側面によると、バッテリー製造システム(すなわち、バッテリーの製造システム)が提供される。言及されたように、バッテリー製造システムは、バッテリー、特に二次バッテリーを製造するように構成され得る。バッテリー製造システムは、活物質塗布ユニット、絶縁体材料塗布ユニット、測定ユニット、および制御ユニットを含み得る。
【0107】
図1は、バッテリー製造方法10のフローチャートを示す。バッテリー製造方法は、本明細書ではバッテリーを製造する方法とも称され、ここでバッテリーは、言及されたように二次バッテリーであり得るか、またはそれを含み得る。
図1に示されたようなバッテリー製造方法10は、独立製品請求項によるバッテリーを製造するために使用され得る。また、
図1に示されたようなバッテリー製造方法10は、本明細書に説明されたバッテリー製造システムまたはその例によって行われ得る。
【0108】
バッテリー製造方法10は、
図1にそれぞれブロックで示された方法段階12、14、16および18を含む。バッテリー製造方法10は、ブロック12において、基板上の活物質を塗布する段階を含む。ブロック14において、方法10は、例えば活物質と基板との間の境界上に延伸するように基板上に絶縁体材料を塗布する段階であって、絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含む、塗布する段階を含む。ブロック16において、バッテリー製造方法10は、境界から特性測定距離ほどオフセットされた基板上の位置における絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階を含む。ブロック18において、バッテリー製造方法10は、指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階を含む。
【0109】
このように、バッテリー製造方法10は、上述の通りであり得る。また、
図1に示されたようなバッテリー製造方法10は、本明細書に開示されたようなバッテリー製造システムの特徴のうち任意のものを追加で含み得る。
【0110】
図2は、一例に係るバッテリー製造システム20を概略的に示す。バッテリー製造システム20は、活物質塗布ユニット22、絶縁体材料塗布ユニット24、測定ユニット26、および制御ユニット28を含む。バッテリー製造システム20は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、バッテリー製造システム20は、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の1つまたはサブセットを選択的に含む、本明細書に説明されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。
【0111】
活物質塗布ユニット22は、基板上に活物質を塗布するように構成され得る。活物質塗布ユニット22は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、活物質塗布ユニット22は、本明細書に開示されるような基板上の活物質の塗布に関する特徴のうち任意のものを具現するように構成され得る。活物質は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、活物質は、電極、例えば、二次バッテリーの正極を形成するために準備され得る。
【0112】
絶縁体材料塗布ユニット24は、基板上に、そして、基板上に塗布された活物質上に絶縁体材料を塗布するように構成され得る。絶縁体材料塗布ユニット24は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、絶縁体材料塗布ユニット24は、本明細書に開示されるような基板上の絶縁体材料の塗布に関する特徴のうち任意のものを具現するように構成され得る。絶縁体材料塗布ユニット24は、基板上に、基板上に塗布された活物質上に、そして、その間の境界上に絶縁体材料を塗布するように構成され得る。
【0113】
絶縁体材料は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、絶縁体材料は液体成分および絶縁体成分を含み得る。全般的に、絶縁体成分は、上述の通りであり得る。特に、絶縁体材料の絶縁体成分は、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride、PVDF)などのポリマーベースの絶縁体成分および/またはアルミナ(Al2O3)などのセラミックベースの絶縁体成分であり得るかまたはそれを含み得る。
【0114】
測定ユニット26は、特性測定位置で基板上に塗布された絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定するように構成され得る。測定ユニット26は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。指標的湿潤厚さおよび特性測定位置は、上述の通りであり得る。
【0115】
制御ユニット28は、絶縁体材料の指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料塗布ユニット24を制御するように構成され得る。制御ユニット28は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。指標的湿潤厚さの関数としての絶縁体材料の塗布は、上述のように行われ得る。特に、制御ユニット28は、決定された指標的湿潤厚さを受信するために信号伝送に関して測定ユニット26に結合され得る。制御ユニット28は、特に上述の方式で塗布位置および/または塗布速度を維持するかまたは変更することによって、指標的湿潤厚さの関数として絶縁体材料塗布ユニット24を制御するために、信号伝送に関して絶縁体材料塗布ユニット24に追加で結合され得る。
【0116】
図3は、バッテリー製造プロセスの平面図を概略的に示す。
図3に示された描写は、本明細書に開示されるバッテリー製造方法の実行の間の中間状態および/または本明細書に開示されるバッテリー製造システムの動作の間の中間状態であり得る。図面内の描写が実際の縮尺ではないことに留意されたい。
【0117】
基板Sは、プロセス方向Pに連続的にまたは間欠的に移動される。基板は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、基板は、二次バッテリーの正極に対する電流集電体を提供するためにアルミニウム金属であり得るか、またはそれを含み得る。
【0118】
活物質Aは、活物質塗布位置22Aで基板S上に塗布される。活物質Aは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、活物質Aは、二次バッテリーの正極を形成するための、例えば、リチウムを含む活物質であり得る。活物質Aは絶縁体成分および液体成分を含み得、ここで、これらはそれぞれ、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。言及されたように、その上に活物質Aが塗布される基板Sの(主な)表面は、基板Sの上面と称され得る。
【0119】
図3に示されたように、活物質Aは、例えば、プロセス方向Pに垂直な幅方向Wに関して基板の部分的な幅(部分的領域)をカバーするために基板(基板の上面)上に塗布される。言い換えれば、活物質Aは、例えば、基板Sの全体幅にわたって延伸しないように塗布され、基板Sの一部分をカバーされない状態で残す。
図3において、基板Sの右側面部分は活物質Aでカバーされない。
【0120】
したがって、境界Bは、塗布された活物質Aのエッジに沿って形成される。言い換えれば、塗布された活物質Aは幅方向Wにエッジまで延伸し、このようなエッジは塗布された活物質Aと基板Sとの間に境界Bを形成する。境界Bは、上述のように提供され得、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0121】
絶縁体材料Nは、プロセス方向Pに対して活物質塗布位置22Aの下流の絶縁体材料塗布位置24Nで基板S(その上面)上に、そして境界B上に塗布される。絶縁体材料Nはまた、境界Bに沿って塗布された活物質Aの一部分上に塗布される。言い換えれば、塗布された絶縁体材料Nはまた、塗布された活物質A上に延伸する。絶縁体材料Nおよびその塗布は、それぞれ本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0122】
基板Sは、基板S上の活物質Aおよび/または絶縁体材料Nの塗布の間に所定位置に停止され得る。代案的に、基板Sはプロセス方向Pに連続的に移動され得、その間に活物質Aおよび絶縁体材料Nの塗布も連続的な方式で実行される。
【0123】
図3に示されたように、幅w1は、幅方向Wに塗布された絶縁体材料Nの寸法(およびそれにより絶縁コーティングの幅w1)を示す。例えば、幅w1は、1mm~20mm、または1.5mm~15mm、または1.8mm~10mm、または2mm~8mm、または2.5mm~7mm、またはより具体的には3mm~6mmであり得る。
【0124】
図3に追加で示されたように、幅w2は、塗布された活物質Aおよび絶縁体材料Nの幅方向Wへの重なり領域(幅方向Wおよびプロセス方向Pに垂直な平面から見たときに、オーバーレイ(overlay)とも称される)の寸法を示す。例えば、幅w2は、0.01mm~5mm、または0.02~4mm、または0.03~3mm、または0.04~2mm、またはより具体的には0.05~1.5mmであり得る。
【0125】
図3に追加で示されたように、幅w3は、基板Sを直接的にカバーする(すなわち、その間に塗布された活物質がない)絶縁体材料Nの寸法を示す。例えば、幅w3は、0.5mm~20mm、または1.5mm~15mm、または1.8mm~10mm、または2mm~8mm、または2.2mm~7mm、またはより具体的には2.5mm~6mmであり得る。
【0126】
図3に追加で示されたように、塗布された絶縁体材料の厚さは特性測定位置CPで決定される。特性測定位置CPは、境界Bから特性測定距離CDほどオフセットされる。特性測定位置CPおよび特性測定距離CDのそれぞれは、上述のように決定され得、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0127】
特に、特性測定位置CPにおける塗布された絶縁体材料Nの厚さは、上述のように指標的湿潤厚さと称され得る。決定された指標的湿潤厚さから、結果的な絶縁コーティングの乾燥厚さが、上述の方式で推定され得る。指標的湿潤厚さは、上述のように提供され得、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0128】
図4は、
図2に示された例に対応するか、またはその一部分であり得る一例に係るバッテリー製造システムの平面図を概略的に示す。
図4に示されたバッテリー製造システムは、バッテリー製造システムについて本明細書に説明された特徴のうち任意のものを含み得る。特に、
図4のバッテリー製造システムは、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の1つまたはサブセットを選択的に含む、本明細書に説明されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。また、
図4のバッテリー製造システムは、
図3に示されたバッテリー製造プロセスに対応し得る。
【0129】
図4のバッテリー製造システムは、上述の活物質塗布位置22Aに整列された活物質塗布ユニット22を含む。また、
図4のバッテリー製造システムは、上述の絶縁体材料塗布位置24Nに整列された絶縁体材料塗布ユニット24を含む。活物質塗布ユニット22および絶縁体材料塗布ユニット24のそれぞれは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、絶縁体材料塗布ユニット24は、プロセス方向に(例えば、上述のように、前方方向および後方方向に)および/または幅方向に(例えば、
図4に示されたような配向から左側方向に、そして右側方向に)移動可能であり得る。このような方式で、絶縁体の塗布位置は、上述のように、指標的湿潤厚さの関数として変更され得る。
【0130】
図4のバッテリー製造システムは、測定ユニット26をさらに含む。測定ユニット26は特性測定位置CPに整列される。測定ユニット26は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。特に、測定ユニット26は、例えば、上述のように較正プロセスのために幅方向に調整可能であり得る。
【0131】
図5は、
図2と
図4に示された例のうち任意のものに対応するか、またはその一部分であり得る一例に係るバッテリー製造システムの断面図を概略的に示す。
図5に示されたバッテリー製造システムは、バッテリー製造システムについて本明細書に説明された特徴のうち任意のものを含み得る。特に、
図5のバッテリー製造システムは、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の1つまたはサブセットを選択的に含む、本明細書に説明されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。また、
図5のバッテリー製造システムは、
図3に示されたバッテリー製造プロセスに対応し得る。
【0132】
図5のバッテリー製造システムは、第1コーティングユニット30、第1乾燥ユニット32、第2コーティングユニット34、および第2乾燥ユニット36を含む。基板(
図5には明示的に示されない)は、第1コーティングユニット30に供給される。第1コーティングユニット30において、活物質と絶縁体材料は、本明細書に説明された方式でその順序で基板上に塗布される。第1コーティングユニット30は、上述の活物質塗布ユニット、絶縁体材料塗布ユニット、および測定ユニットを含み得る。バッテリー製造システムは、上述の方式で活物質塗布ユニット、絶縁体材料塗布ユニット、および測定ユニットを制御するための上述のような制御ユニットを含み得る。
【0133】
次いで、塗布された活物質および塗布された絶縁体材料を有する基板は、プロセス方向Pに第1乾燥ユニット32を介して移送され、上述のような硬化および/または乾燥プロセスにさらされる。特に、塗布された活物質および塗布された絶縁体材料を有する基板は、第1乾燥ユニット32でエネルギー入力にさらされ得る。
【0134】
第1乾燥ユニット32を通過した後に、選択的に、基板は回転されて(反転されて)第2コーティングユニット34に供給され得る。第2コーティングユニット34において、基板の後方表面が他の活物質とは異なる絶縁体材料でその順序でコーティングされ得る。後方表面は、基板の上面と反対側の基板の表面であり得る。他の活物質は、上述の活物質と同じであり得るか、または異なる活物質であり得るか、またはそれを含み得る。他の絶縁体材料は、上述の絶縁体材料と同じであり得るか、または異なる絶縁体材料であり得るか、またはそれを含み得る。他の活物質は、上述のように、そして、活物質と対応する方式で基板(基板の後方表面)上に塗布され得る。他の絶縁体材料は、上述のように、そして、絶縁体材料と対応する方式で基板(基板の後方表面)および塗布された他の活物質上に塗布され得る。
【0135】
その後、上面と後方表面の両方がコーティングされた基板は、基板の後方表面上に塗布された他の活物質および他の絶縁体材料が、上述のような硬化および/または乾燥プロセスにさらされる第2乾燥ユニット36を介して移送され得る。特に、後方表面上に他の活物質とは異なる絶縁体材料を有する基板は、上述の方式でエネルギー入力にさらされ得る。
【0136】
明示的に示されないバッテリー製造システムの代案的な例において、バッテリー製造システムは、1つのコーティングユニット、例えば第1コーティングユニット30、および1つの乾燥ユニット、例えば乾燥ユニット32を含み得る。
【0137】
図6は、一例に係るバッテリー製造システムの概略的な分解図を示す。特に、
図6に示されたバッテリー製造システムは、
図2、
図4、および
図5に示された例のうち任意のものに対応するか、またはその一部分であり得る。
図6に示されたバッテリー製造システムは、バッテリー製造システムについて本明細書に説明された特徴のうち任意のものを含み得る。特に、
図6のバッテリー製造システムは、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の1つまたはサブセットを選択的に含む、本明細書に説明されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。また、
図6のバッテリー製造システムは、
図5を参照して上述した第1コーティングユニット30および第2コーティングユニット34のうち1つまたは2つの両方に具現され得る。
【0138】
図6において、基板S(塗布された活物質Aおよび塗布された絶縁体材料Nを有し得る)は、コンベアローラー38のセットを使用してプロセス方向Pに移動される。
図6に示されたように、測定ユニット26は、プロセス方向Pに対して絶縁体材料塗布ユニット24のすぐ下流に配列されている。具体的には、測定ユニット26は、
図6において特性測定位置CPに整列される。また、絶縁体材料塗布ユニット24および測定ユニット26は、例えば、信号伝送を可能にするために制御ユニット28に結合される。絶縁体材料塗布ユニット24、測定ユニット26、および制御ユニット28のそれぞれは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0139】
図7aおよび
図7bは、一例に係る測定ユニット26の側面図および正面図を概略的にそれぞれ示す。
図7aおよび
図7bに示された測定ユニット26は、本明細書に開示されるようなバッテリー製造システム、特に
図2、
図4、
図5および
図6を参照して上述したバッテリー製造システムの例のうち任意のものに具現され得る。また、
図7aおよび
図7bに示された測定ユニットは、本明細書に開示されるバッテリー製造方法(その対応する部分)を行うために使用され得る。
図7aおよび
図7bに示された測定ユニット26は、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0140】
図7aおよび
図7bの測定ユニット26は、光プロジェクター40、高さ調整ねじ42、幅位置調整ねじ44、および固定プレート46を含む。光プロジェクター40は、光源(図示せず)を含み得るか、または(導波管または光ファイバーを介して)それに連結され得る。選択的に、光プロジェクター40は、光源からの光を目標平面上にフォーカシングするためのコリメーターまたはレンズシステムを含み得る。測定ユニットは、上述のような反射率分光計の方式として機能し得る。選択的に、測定ユニットは、反射率分光計に対する電気駆動型シャッターをさらに含み得る。
【0141】
固定プレート46は、個別のねじ42、44を介した高さおよび幅方向調整を除いて、測定ユニット26を移動不可能な方式で固定するために使用され得る。特に、固定プレート46は、測定ユニット26をバッテリー製造システムの絶縁体材料塗布ユニットに固定し得る。このような方式で、測定ユニット26と絶縁体材料塗布ユニットの相対的位置が固定され得る。
【0142】
高さ調整ねじ42は高さ、すなわち、光プロジェクター40の厚さ方向Tへの位置を調整するために操作され得る。特に、高さ調整ねじ42は、基板Sと光プロジェクター40との間の距離を調整するために操作され得る。特に、高さ調整ねじ42は、光プロジェクター40からの光を、上述の方式で、塗布された活物質および塗布された絶縁体材料の曲率により異なる高さレベルにあり得る好適な目標平面上にフォーカシングするために使用され得る。
【0143】
幅方向調整ねじ44は、幅方向Wへの光プロジェクター40の位置を調整するために操作され得る。したがって、幅方向調整ねじは、上述のような境界Bに対する絶縁体材料の塗布位置を調整するために使用され得る。特に、幅方向調整ねじ44は、上述の較正プロセスのために使用され得る。
【0144】
図8aおよび
図8bは、一例に係る較正プロセスの概略的な平面図および概略的な側面断面図をそれぞれ示す。較正プロセスは、上述の方式で行われ得る。較正プロセスは、本明細書に説明される対応する特徴のうち任意のものを含み得る。
【0145】
図8aおよび
図8bに示されたように、塗布された絶縁体材料の厚さは、幅方向Wへの異なる位置で決定され得る。
図8aおよび
図8bにおいて、異なる位置は測定地点MPでラベリングされる。単純性のために、測定地点MPのうち1つのみが
図8aおよび
図8bで参照符号でラベリングされる。
【0146】
厚さの測定は、基板Sが間欠的にプロセス方向に移動され、測定のために停止されるストップアンドゴー(stop-and-go)方式で行われ得る。代案的に、厚さの測定は、幅方向Wに沿った測定位置MPのそれぞれにおける一連の測定によって連続的な方式で行われ、幅方向Wへの位置の関数として厚さデータセットを得ることができる。したがって、
図8aおよび
図8bの測定地点MPのアレイの描写は、塗布された絶縁体材料の厚さが塗布された領域内の任意の地点で測定され得ることを立証するためのものである。測定地点MPにおける厚さ測定は、絶縁体材料が少なくともXwt.%だけ蒸発する前に行われ得、ここでXは、上述の通りであり得ることに留意されたい。
【0147】
上述のように、特性測定位置と特性測定距離、およびそれによる指標的湿潤厚さを決定するための位置は、塗布された絶縁体材料の厚さが異なる測定地点MPで決定され、結果的な絶縁コーティングの乾燥厚さとの相関性に対して検査される較正プロセスから導出可能であり得る。そこから、指標的湿潤厚さと乾燥厚さとの間の再現可能な数値的および/または数学的関係を得ることができる。これに基づいて、上述のような技術的効果が達成され得る。
【0148】
図9は、一例に係るバッテリー製造システムの一部分の概略的な断面図を示す。
図9に示されたバッテリー製造システムは、
図2、
図4、および
図5に示された例のうち任意のものに対応するか、またはその一部分であり得る。
図9に示されたバッテリー製造システムは、バッテリー製造システムについて本明細書に説明された特徴のうち任意のものを含み得る。特に、
図9のバッテリー製造システムは、本明細書に説明されるバッテリー製造方法の特徴のうち任意の1つまたはサブセットを選択的に含む、本明細書に説明されるバッテリー製造方法を行うように構成され得る。また、
図9のバッテリー製造システムは、
図5を参照して上述した第1コーティングユニット30および第2コーティングユニット34のうち1つまたは2つの両方に具現され得る。
【0149】
図9は、絶縁体材料塗布位置24Nに整列された絶縁体材料塗布ユニット24を具体的に示す。絶縁体材料塗布ユニット24は、追加で絶縁体材料供給部48と流体的に連結される。絶縁体材料塗布ユニット24は、指標的湿潤厚さの関数として幅方向Wに移動可能であり得るので、基板S上の絶縁体材料Nの塗布位置24Nを変更し得る。絶縁体材料塗布ユニット24は、上述のような制御ユニットによって再配置され得る。
【0150】
絶縁体材料塗布ユニット24は、追加で厚さ方向Tに移動可能であり得る。絶縁体材料塗布ユニット24の高さを変更すると、基板S上および塗布された活物質A上での絶縁体材料Nの異なる形状および/または異なる拡散が生じ得る。これは、例えば、制御ユニットによって絶縁体材料Nの塗布を調整するために使用され得る。
【0151】
また、絶縁体材料Nの塗布速度は、相応に絶縁体材料供給部48を動作させることによって維持されるか、増加されるか、または減少され得る。絶縁体材料供給部48はまた、制御ユニットによって制御され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ
ーを製造する方法であって、
基板上に活物質を塗布する段階と、
前記活物質と前記基板との間の境界の上に延伸するように前記基板上に絶縁体材料を塗布する段階であって、前記絶縁体材料は絶縁体成分および液体成分を含む、段階と、
前記境界から特性測定距離ほどオフセットされた前記基板上の位置における前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階と、
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記絶縁体材料は、前記絶縁体材料を塗布するときにおける前記絶縁体成分の含有量に対する前記液体成分の含有量の割合が1~10
0となるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上に塗布された前記絶縁体材料の厚さは、10μm~1000μmの
間である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記液体成分を蒸発させるために、前記絶縁体材料をエネルギーにさらす段階をさらに含む請求項1
または2に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁体材料をエネルギーにさらす段階の後に残っている絶縁体材料の厚さは、0.1μm~40μmの
間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定する段階は、塗布された前記絶縁体材料の重量を基準として前記絶縁体材料の前記液体成分がX%だけ蒸発する前に行われ、Xは0.1~10である、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項7】
前記絶縁体材料を塗布する段階は、前記基板上に位置された放出器を使用して行われ、
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記放出器を再配置する段階を含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項8】
前記指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記絶縁体材料の塗布速度を増加および/または減少させる段階を含む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項9】
前記活物質を塗布する段階の後に、前記活物質は前記基板上にエッジ部分を形成し、前記エッジ部分は前記境界まで延伸し、前記基板の反対側に凹んだ上面を有し、
前記絶縁体材料を塗布する段階の後に、前記絶縁体材料は、前記活物質の前記エッジ部分を少なくとも部分的にカバーし、前記エッジ部分を越えて前記基板上に延伸する、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項10】
前記基板は、厚さ方向に垂直な平面に配列され、
前記活物質は、前記境界が前記厚さ方向に垂直なプロセス方向に沿って形成されるように塗布され、
前記絶縁体材料は、前記境界の上にストライプ形状に塗布され、前記ストライプ形状は、前記プロセス方向に沿って細長い形状である、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項11】
前記特性測定距離は、0.1mm~10m
mである、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項12】
前記活物質を塗布する段階、前記絶縁体材料を塗布する段階、前記指標的湿潤厚さを決定する段階、および前記絶縁体材料を塗布する段階を適応させる段階は、前記基板が厚さ方向に垂直なプロセス方向に移動される間に連続的な方式で行われる、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項13】
バッテリ
ーの製造システムであって、
基板上に活物質を塗布するように構成された活物質塗布ユニットと、
前記基板上に、かつ、前記基板上に塗布された前記活物質上に絶縁体材料を塗布するように構成された絶縁体材料塗布ユニットと、
特性測定位置で前記基板上に塗布された前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さを決定するように構成された測定ユニットと、
前記絶縁体材料の指標的湿潤厚さの関数として前記絶縁体材料塗布ユニットを制御するように構成された制御ユニットと、を含む製造システム。
【請求項14】
請求項1
または2に記載の方法を行うように構成された請求項13に記載の製造システム。
【請求項15】
請求項1
または2に記載の方法によっておよび/または請求項
13に記載の製造システムによって製造されるバッテリ
ーであって、
前記バッテリーは、基板、前記基板上に塗布された活物質、および前記基板と前記活物質との間の境界をカバーする絶縁コーティングを含み、
前記絶縁コーティングは、0.1μm~40μ
mの厚さを有する、バッテリー。
【国際調査報告】