(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ゼリーロール型電極組立体、二次電池、電池パック、および自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20250212BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20250212BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20250212BHJP
H01M 50/457 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/451 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/434 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/443 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20250212BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20250212BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M10/052
H01M50/457
H01M50/451
H01M50/434
H01M50/443 M
H01M50/559
H01M50/567
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/184 D
H01M50/179
H01M50/186
H01M50/152
H01M50/107
H01M50/342 101
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/566
H01M50/55 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544991
(86)(22)【出願日】2023-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 KR2023018468
(87)【国際公開番号】W WO2024143897
(87)【国際公開日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0184186
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビョング・イ
(72)【発明者】
【氏名】サンジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヨン・ウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンピル・ジェガル
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H021
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011DD13
5H011EE02
5H011EE04
5H011FF02
5H012AA01
5H012BB01
5H012FF01
5H012GG01
5H021AA06
5H021CC04
5H021EE22
5H021HH03
5H021HH10
5H028AA07
5H028BB05
5H028CC12
5H028HH06
5H029AJ05
5H029AJ12
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5H029AK11
5H029AL02
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5H029AL11
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5H029DJ05
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5H043AA04
5H043AA13
5H043BA19
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5H043CB02
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5H043GA22
5H043GA26
5H043HA16E
5H043HA17E
5H043KA13E
5H043KA19E
5H043KA45E
5H043LA02
5H043LA02E
(57)【要約】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体、二次電池、電池パック、および自動車に関し、具体的には、セパレータ重畳部を含むゼリーロール型電極組立体、円筒型二次電池、電池パックおよび自動車に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極;セパレータ;および正極が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、
前記正極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを含み、
前記電極組立体のコア部において、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間にセパレータ重畳部を含み、
前記電極組立体のコア部は、直径が5mm以上7.5mm以下の中空を含む、ゼリーロール型電極組立体。
【請求項2】
前記セパレータ重畳部は、セパレータが3重に重なって配置される、請求項1に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項3】
前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さは、
前記電極組立体の内周面の周長100%を基準として100%以上300%以下である、請求項1または2に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項4】
前記セパレータは、両面上に設けられたコーティング層を含み、
前記コーティング層は、無機成分、バインダー成分、およびリチウム塩を含む、請求項1または2に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項5】
前記正極は、正極集電体;および前記正極集電体の少なくとも片面上に設けられ、前記正極集電体と同一の位置に長さ方向端部を有する正極活物質層を含む、請求項1または2に記載のゼリーロール型電極組立体。
【請求項6】
請求項1または2に記載の電極組立体;リベット構造を有する正極端子;および密封体を含む二次電池であって、
前記電極組立体が電池ケースの内部に収納され、前記負極と前記電池ケースが電気的に連結され、前記正極と前記正極端子が電気的に連結され、
前記密封体が前記電池ケースから絶縁可能に前記電池ケースの開放部を密封する、二次電池。
【請求項7】
前記リベット構造は、
一側が開放された電池ケース;
前記電池ケースの底部に形成された貫通孔を介してリベッティングされた正極端子;および
前記正極端子と前記貫通孔の外径との間に設けられた端子ガスケット
を含む、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記正極端子は、
前記貫通孔に挿入された胴体部;
前記底部の外部面を介して露出した前記胴体部の一方の周縁から前記外部面に沿って延びた外部フランジ部;および
前記底部の内部面を介して露出した前記胴体部の他方の周縁から前記内部面に向かって延びた内部フランジ部
を含む、請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記正極端子は、前記底部の内部面を介して露出した前記胴体部の端部に設けられた平坦部をさらに含む、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記内部フランジ部と前記平坦部との間に凹部が設けられる、請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記凹部は、非対称溝の断面構造を有する、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記端子ガスケットは、前記外部フランジ部と前記底部の外部面との間に介在する外部ガスケット部;および前記内部フランジ部と前記底部の内部面との間に介在する内部ガスケット部を含み、
前記内部ガスケット部は、前記内部フランジ部よりも長く延びる、請求項8に記載の二次電池。
【請求項13】
前記密封体は、無極性のキャッププレート、および前記キャッププレートのエッジと前記電池ケースの開放端部との間に介在するシールガスケットを含み、
前記電池ケースは、開放端部に隣接する領域に前記電池ケースの内側に圧入されたビーディング部;および前記電池ケースの内側に延長および折り曲げられ、前記シールガスケットとともに前記キャッププレートのエッジを囲んで固定するクリンピング部を含む、請求項6に記載の二次電池。
【請求項14】
前記キャッププレートは、前記電池ケースの内部圧力が閾値を超えたときに破裂するベント部を含む、請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
負極集電板をさらに含み、
前記負極集電板は、前記負極の無地部と溶接される中心部;前記中心部から延び、前記電極組立体に設けられる負極タブと結合するタブ結合部;および
前記中心部から延び、互いに隣接する前記タブ結合部の間に位置する電池ケース結合部を含み、
前記電池ケース結合部が前記ビーディング部と前記シールガスケットとの間に介在し、前記クリンピング部により固定される、請求項13に記載の二次電池。
【請求項16】
前記負極集電板の電池ケース結合部は、前記クリンピング部と隣接する前記ビーディング部の内周面に溶接により固定される接触部;および
延長方向が転換される曲げ部を少なくとも一つ設け、前記中心部と前記接触部との間を連結する連結部
を含む、請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記負極集電板は、前記電極組立体のコア部中空に対応する位置に形成される負極集電板孔を含み、
前記負極集電板孔の直径と前記電極組立体のコア部中空の直径との差は0.1mm以上1mm以下である、請求項15に記載の二次電池。
【請求項18】
正極集電板をさらに含み、
前記正極集電板は、正極の無地部と溶接され、
前記正極集電板の少なくとも一部は、前記正極端子の平坦部と溶接される、請求項13に記載の二次電池。
【請求項19】
前記正極集電板と前記電池ケースの底部の内部面との間;および前記電池ケースの内周面と前記電極組立体との間に介在するインシュレータをさらに含み、
前記インシュレータは、前記正極端子の平坦部を前記正極集電板側に露出させる溶接孔を含み、前記正極集電板の表面と前記電極組立体の一方のエッジをカバーする、請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
請求項6に記載の二次電池を少なくとも一つ含む電池パック。
【請求項21】
請求項20に記載の電池パックを少なくとも一つ含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体、二次電池、電池パック、および自動車に関し、具体的には、セパレータ重畳部を含むゼリーロール型電極組立体、円筒型二次電池、電池パック、および自動車に関する。本出願は、2022年12月26日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0184186号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群に応じた適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源により駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。
【0003】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少可能であるという一次的な利点だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く発生しないという利点も有するため、環境に優しく、エネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在広く用いられる二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などが挙げられる。このような単位二次電池セルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数の二次電池セルを直列に連結して電池パックを構成したりもする。また、電池パックに求められる充放電容量に応じて、複数の二次電池セルを並列連結して電池パックを構成したりもする。したがって、前記電池パックに含まれる二次電池セルの数および電気的連結形態は、求められる出力電圧および/または充放電容量に応じて多様に設定されることができる。
【0005】
一方、円筒型二次電池セルを電気自動車に適用するためにフォームファクタを増加させる場合、急速充電過程で多くの熱が発生し、円筒型二次電池セルが発火する問題が発生し得る。例えば、充放電時の電極組立体の収縮/膨張によりコア部に位置する電極組立体の変形可能性が増加し、負極と正極との間に位置するセパレータが破損した場合、負極と正極が直接接触し、内部ショートにより発熱および発火が発生するという問題がある。
【0006】
内部ショートによる二次電池セル内部の発熱速度が二次電池セル外部への熱放出速度を超えると、二次電池セルの温度が上昇し始め、発熱および発火が発生した二次電池セルは、外部熱源として作用し、隣接する二次電池セルの温度上昇につながり得る。二次電池セルは、臨界温度に達すると、構成要素の発熱分解が発生し、熱暴走(Thermal runaway)と知られている負極材の急速な分解および電解質と負極材との間の急速な発熱反応などは、反応物が完全に枯渇するまで続く。
【0007】
熱暴走が発生した二次電池セル内部の急激な圧力上昇により二次電池のキャップが分離される場合、可燃性および毒性ガスが放出され得、初期段階で排気される場合、空気中の酸素および水分により熱暴走が加速化され得、発熱反応が完了する前の未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出される場合、隣接セルまで伝播して二次発火および爆発が発生し得る。
【0008】
特に、未燃焼電極組立体が吐出される場合、電気伝導性に優れた金属が互いに異なるセルに当接して外部短絡回路を形成することができるため、複数の二次電池セルを含む電池モジュールまたは電池パックは、これに含まれる一部の二次電池セルに同一現象が発生する場合、二次発火および爆発の危険性が大幅に増加するという問題がある。
【0009】
したがって、内部ショートによる発熱および発火を抑制し、熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接セルまで伝播する問題を防止できる技術の開発が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ゼリーロール型電極組立体の設計を変更したゼリーロール型電極組立体、二次電池、電池パック、および自動車を提供することを目的とする。
【0011】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、言及していない他の課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施態様は、負極;セパレータ;および正極が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、前記正極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを含み、前記電極組立体のコア部において、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間にセパレータ重畳部を含み、前記電極組立体のコア部は、直径が5mm以上7.5mm以下の中空を含む、ゼリーロール型電極組立体を提供する。
【0013】
本発明の他の実施態様は、前記電極組立体;リベット構造を有する正極端子;および密封体を含む二次電池であって、前記電極組立体が電池ケースの内部に収納され、前記負極と前記電池ケースが電気的に連結され、前記正極と前記正極端子が電気的に連結され、前記密封体が前記電池ケースから絶縁可能に前記電池ケースの開放端部を密封する、二次電池を提供する。
【0014】
本発明のまた他の実施態様は、前記二次電池を少なくとも一つ含む電池パック、および前記電池パックを少なくとも一つ含む自動車を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体は、コア部セパレータの折り曲げ構造を変更したセパレータ重畳部を含むことで、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から負極およびセパレータの損傷を防止し、セパレータの損傷が発生した場合にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止し、電池の安定性および寿命特性が改善されることができる。
【0016】
また、本発明の一実施態様による二次電池は、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止することで、電池の安定性および寿命特性が改善されることができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0017】
本発明の一実施態様による電池パックおよび自動車は、二次電池セルの内部ショートによる発熱および発火を抑制し、各二次電池セルの熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止し、安定性が改善されることができる。
【0018】
本発明の効果は、前述した効果に限定されず、言及していない効果は、本願明細書および添付図面から当業者に明らかに理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体を示す図である。
【
図2】本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体の横断面およびコア部を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体のセパレータ重畳部を含むコア部を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施態様による二次電池を示す図である。
【
図6】本発明の一実施態様による二次電池の概略的な構成を示す縦断面図である。
【
図7】本発明の一実施態様による二次電池の概略的な構成を示す縦断面図である。
【
図8】本発明の一実施態様による二次電池の概略的な構成を示す縦断面図である。
【
図9】本発明の一実施態様による負極集電板の例示的な形態を示す図である。
【
図10】本発明の一実施態様による電池パックを示す図である。
【
図11】本発明の一実施態様による自動車を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願明細書の全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0021】
本願明細書の全体にわたって、ある部材が他の部材の「上に」位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0022】
本発明の一実施態様は、負極;セパレータ;および正極が順次積層されて巻き取られたゼリーロール型電極組立体であって、前記正極は、前記ゼリーロール型電極組立体の巻取軸方向である第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを含み、
前記電極組立体のコア部において、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間にセパレータ重畳部を含み、前記電極組立体のコア部は、直径が5mm以上7.5mm以下の中空を含む、ゼリーロール型電極組立体を提供する。
【0023】
ここで、前記「コア部」とは、電極組立体の巻取軸に位置する中空;および巻き取られた正極/セパレータ/負極の積層構造の一部を含む領域であって、前記電極組立体の最内側に位置する前記積層構造のうち、前記正極の長さ方向一端部から前記正極の2ターン(Turn)以内の領域を意味し得る。
【0024】
本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体は、コア部セパレータの折り曲げ構造を変更したセパレータ重畳部を含むことで、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形から負極およびセパレータの損傷を防止し、セパレータの損傷が発生した場合にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止し、電池の安定性および寿命特性が改善されることができる。
【0025】
また、本発明の一実施態様による二次電池は、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止することで、電池の安定性および寿命特性が改善されることができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0026】
図1および
図2は、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体を示す図である。具体的に、
図1は、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体を示す図であり、
図2は、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体の横断面およびコア部を模式的に示す図である。より具体的に、
図2の(a)は、
図1のゼリーロール型電極組立体を切断した横断面図であり、
図2の(b)は、前記電極組立体の段差部を含むコア部を模式的に示す図である。
【0027】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記負極およびセパレータが前記正極の長さ方向端部よりも長く延びてさらに巻き取られてもよい。具体的に、
図1~
図2を参照すれば、前記負極110’およびセパレータ200’は、前記正極の長さ方向端部310eよりも長く延びてさらに巻き取られてもよい。すなわち、前記負極110’およびセパレータ200’の巻き取りが所定の長さだけ行われた後、前記正極310とともに巻き取りが行われてもよい。例えば、前記負極110’およびセパレータ200’が巻芯の周りを1ターン(turn)以上ともに巻き取られた後、前記正極310とともに巻き取りが行われてもよい。
【0028】
すなわち、前記ゼリーロール型電極組立体のコア部(C)において、前記負極110およびセパレータ200の長さ方向端部は、前記正極の長さ方向端部310eよりも内側に位置してもよい。換言すれば、前記負極の長さおよび幅は前記正極よりも大きくてもよく、前記負極の片面および反対面に位置する前記セパレータの長さおよび幅も前記正極よりも大きくてもよい。
【0029】
前記負極およびセパレータが前記正極の長さ方向端部よりも長く延びてさらに巻き取られる場合、リチウムイオン電池の化学反応における正極のリチウムイオンの負極への伝達をさらに容易にすることができる。負極の長さや幅がさらに広く形成される場合、リチウムイオンを受ける負極の面積が増加して充/放電効率の減少を防止することができ、電池の安定性および寿命特性に優れることができる。
【0030】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部は、前記負極が前記正極の長さ方向端部を覆っている領域である段差部を含んでもよい。具体的に、
図2の(b)を参照すれば、前記段差部400とは、前記コア部(C)の負極110が前記正極の巻き取りが始まる長さ方向端部310eを覆っている領域、すなわち、正極の長さ方向端部の厚さ(T)により段差が形成される領域を意味し得る。前記段差部400は、負極110が正極の長さ方向端部310eを覆っており、正極の長さ方向端部側方の空間(H3)が正極の厚さ(T)により空いていてもよい。この際、正極の厚さによる段差は、対面する負極に応力を形成することになり、このような応力は、充放電時に正極に対向する面の反対面に集中し、負極のクラックを引き起こし得る。
【0031】
換言すれば、前記電極組立体1000のコア部(C)は、正極310の長さが残りの層よりも短くてもよく、前記負極110/正極の長さ方向端部310e/負極110’で囲まれた空きスペース(H3)が形成されてもよい。すなわち、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体のコア部は、前記正極の長さ方向端部310eを中心に、巻き取られた状態で負極110’/セパレータ(図示せず)/正極310/セパレータ(図示せず)/負極110の積層構造を形成する領域と、負極110’/セパレータ(図示せず)/空きスペース(H3)/セパレータ(図示せず)/負極110の積層構造を形成する領域とを含む段差部400を含んでもよい。
【0032】
本発明の一実施態様によれば、前記段差部400は、前記正極の長さ方向端部310eを中心に、前記正極の長さ方向端部310eから前記負極110、110’が互いに直接接する地点までの領域、すなわち、正極の厚さ(T)により所定の長さ方向の長さ(L1)を有する空きスペース(H3)を含む領域と、前記正極の長さ方向端部310eから反対方向に前記空きスペースと同一の長さ方向の長さ(L1’)を有し、正極310を含む領域を意味し得る。すなわち、前記段差部400は、前記正極の長さ方向端部310eを中心に、L1+L1’=L1+L1=2L1の長さを有する領域を意味し、前記段差部400の長さ方向端部、すなわち、前記負極110、110’が互いに直接接する地点から前記正極の長さ方向端部310方向に2L1の長さ方向の長さを有する領域を意味し得る。
【0033】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間にセパレータ重畳部を含んでもよい。前記正極と前記正極の第1面または第2面に対向する前記負極との間に前記セパレータ重畳部をさらに含む場合、正極のフリーエッジおよび段差緩和部の段差により発生し得る負極およびセパレータの損傷を防止し、セパレータの損傷が発生した場合にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止し、電池の安定性および寿命特性が改善されることができる。また、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0034】
図3は、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体のセパレータ重畳部を含む段差部を模式的に示す図である。具体的に、
図3の(a)は、正極310と前記正極の第1面に対向する負極110’との間に設けられるセパレータ重畳部(S)を含む段差部400を模式的に示す図であり、
図3の(b)は、正極310と前記正極の第2面に対向する負極110との間に設けられるセパレータ重畳部(S)を模式的に示す図である。
【0035】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部において、前記セパレータが前記負極の長さ方向端部よりも長く延びてさらに巻き取られてもよい。具体的に、
図3を参照すれば、前記負極110’の長さ方向端部から延びてさらに巻き取られたセパレータ200’を前記正極の長さ方向端部310e方向に折り返すことで、別の追加セパレータがなくても、簡単な折り曲げ構造によりセパレータ重畳部(S)の形成が可能である。すなわち、前記セパレータ重畳部(S)は、セパレータ200、および延びてさらに巻き取されて折り曲げられたセパレータ200’を含んでもよい。
【0036】
ここで、前記「セパレータ重畳部」とは、前記正極の長さ方向端部310eから前記セパレータ重畳部(S)に含まれる追加重畳セパレータ200’の長さ方向一端部までの領域であって、前記セパレータ重畳部の長さ方向端部と前記正極の長さ方向端部310eとの隔離距離をL2とするとき、長さ方向の長さL2を有する領域を意味し得る。
【0037】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータ重畳部は、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間に設けられてもよい。前記正極の長さ方向端部を中心に、前記セパレータ重畳部が前記正極の第1面方向に設けられる場合、前記正極の第1面に対向する負極およびセパレータの損傷をさらに効果的に防止することができる。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータ重畳部は、前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間に設けられてもよい。前記正極の長さ方向端部を中心に、前記セパレータ重畳部が前記正極の第2面方向に設けられる場合、前記正極の第2面に対向する負極およびセパレータの損傷をさらに効果的に防止することができる。
【0039】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体のコア部は、直径が5mm以上7.5mm以下の中空を含んでもよい。具体的に、
図1を参照すれば、前記電極組立体1000のコア部(C)は、直径が5mm以上7mm以下、5mm以上6.5mm以下、5mm以上6mm以下、5.5mm以上7mm以下、6mm以上7mm以下、または5.5mm以上6.5mm以下の中空(H1)を含んでもよい。例えば、前記コア部中空(H1)の直径(Φ1)が6mmであってもよい。
【0040】
本発明の一実施態様によれば、前記コア部中空の直径は、巻取軸に垂直な電極組立体の断面直径100%を基準として10%以上17%以下であってもよい。具体的に、
図2の(a)を参照すれば、前記コア部中空(H1)の直径(Φ1)は、巻取軸に垂直な電極組立体1000の断面直径(Φ2)100%を基準として10%以上、10.5%以上、11%以上、11.5%以上、12%以上、または12.5%以上であってもよく、17%以下、16.5%以下、16%以下、15%以下、または14.5%以下であってもよい。例えば、前記コア部中空(H1)の直径(Φ1)は、巻取軸に垂直な電極組立体1000の断面直径(Φ2)100%を基準として約13%であってもよい。
【0041】
ここで、前記「コア部中空の直径」とは、前記電極組立体の巻取軸を中心に、前記電極組立体の中空に接する最内側層までの距離のうち最も大きい値を半径とする仮想の円の直径を意味し得る。また、前記「巻取軸に垂直な電極組立体の断面直径」とは、前記電極組立体の巻取軸を中心に、前記電極組立体の最外側層までの距離のうち最も小さい値を半径とする仮想の円の直径を意味し得る。
【0042】
電極組立体の巻き取りのために巻芯の直径を適したレベルに減少させる場合、ゼリーロール型電極組立体のコア部(C)における曲率が増加し、電極組立体の巻き取られた形状による弾性、すなわち、電極とセパレータの積層体が曲がった状態から再び伸びようとする弾性がさらに増加することができる。
【0043】
このような弾性の増加は、電極組立体のコア部から電極組立体の外周面に向かう方向、すなわち、前記電極組立体を収納する電池ケース方向に加えられる力の増加をもたらし、これは、巻き取られた電極組立体の互いに異なる巻き取りターンごとに設けられる負極/セパレータ/正極積層体間の摩擦力の増加につながる。
【0044】
前記積層体間の摩擦力が増加する場合、コア部から電極組立体が解けようとする現象が減少し、熱暴走時に電極組立体が電池ケースの開放端部を介して吐出される現象、すなわち、電池ケースの開放部を密封する密封体の少なくとも一部が除去される場合、内部圧力により電極組立体のコア部から吐出が始まる現象が抑制され得る。
【0045】
また、前記積層体間の摩擦力は、前記電極組立体のコア部において、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間にセパレータ重畳部を含むことでさらに増加することができ、これにより、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0046】
これに対し、前記弾性は、製造される二次電池を自動車などに適用するためにフォームファクタを増加させる場合にさらに減少することができる。具体的に、フォームファクタが増加した二次電池の場合、増加する電極組立体の重量を支持するために巻芯の剛性確保が必要であり、巻芯の剛性を確保するために巻芯の直径を増加させる場合、前記コア部中空(H1)の直径も増加し得る。前記コア部中空(H1)の直径が増加するにつれ、コア部(C)の張力が減少するため、前記電極組立体を電池ケースの内部に収納し、前記電池ケースの開放部を密封体により密封する場合、コア部電極組立体の跳ね上がり現象が発生し得る。
【0047】
さらに、前記コア部電極組立体の跳ね上がり現象が発生した状態で熱暴走(Thermal runaway)の発生時、電極組立体が電池ケースから吐出される時間、すなわち、火炎維持時間(Burn duration time)が短縮され、未燃焼電極組立体が吐出される問題が発生し得る。これにより、隣接二次電池セルにおける二次発火および爆発の危険性が大幅に増加し得る。
【0048】
ここで、前記「火炎維持時間(Burn duration time)」とは、熱暴走の発生時、すなわち、前記電池ケースの開放部を密封する密封体の少なくとも一部が除去される場合、内部圧力により爆発(Premature Lid Pop)が発生した後、電極組立体の吐出または仕上げまでの時間を意味し得、約100ms超過である場合、passと判定することができる。
【0049】
そこで、前記電極組立体のコア部中空の直径を前述した範囲に調節することで、増加したフォームファクタを有する二次電池においても、前記巻芯の剛性および前記積層体間の摩擦力を適した範囲に調節することができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時、未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0050】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータ重畳部は、セパレータが3重に重なって配置されてもよい。前記セパレータ重畳が3重未満である場合、負極およびセパレータの損傷防止効果に劣り、3重超過である場合、追加の段差形成により当該領域に応力が集中して追加のセパレータの損傷が発生し得、電解液不足によるリチウム析出などの局部的な問題が発生し得る。前記重なって配置されるセパレータが3重である場合、別の設備改造なしに従来のワインディング設備を用いた製造工程が可能であり、セパレータ重畳部の具備をさらに容易にすることができる。
【0051】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周長100%を基準として100%以上300%以下であってもよい。具体的に、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さは、前記電極組立体の内周面の周長100%を基準として100%以上、150%以上、または200%以上であってもよく、300%以下、250%以下、または200%以下であってもよく、前記電極組立体のコア部内周面の1ターン(turn)以上3ターン以下であってもよい。すなわち、前記セパレータ重畳部は、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間に、1ターン(turn)以上3ターン以下配置されてもよい。
【0052】
ここで、前記「内周面」とは、前記電極組立体の巻取軸を中心に、前記電極組立体の中空に接する最内側層までの距離のうち最も大きい値を半径とする仮想の円を意味し、前記「内周面の周長」とは、前記仮想の円の周長を意味し得る。また、
図3を参照すれば、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さ(L2)とは、前記セパレータ重畳部の長さ方向端部と正極の長さ方向端部310eとの隔離距離を意味し得る。
【0053】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータ重畳部の長さ方向端部と正極の長さ方向端部との隔離距離は20mm以上50mm以下であってもよい。具体的に、
図3を参照すれば、前記セパレータ重畳部(S)の長さ方向端部と正極の長さ方向端部310eとの隔離距離(L2)は20mm以上、28mm以上、または32mm以上であってもよく、50mm以下、44mm以下、または38mm以下であってもよい。すなわち、前記セパレータ重畳部は、前記正極と前記正極の第1面に対向する前記負極との間;または前記正極と前記正極の第2面に対向する前記負極との間に、前記正極の長さ方向端部310eから20mm以上50mm以下配置されてもよい。
【0054】
前述した前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さまたはセパレータ重畳部の長さ方向端部と正極の長さ方向端部との隔離距離の範囲を満たす場合、前記セパレータ重畳部による摩擦力が、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止するのに十分である。前述した前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さ範囲を超える場合、増加したセパレータ重畳部の面積によりリチウムイオン伝達が過度に阻害され、製造される二次電池の電気化学的特性に劣り、前述した前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さ範囲に満たない場合、熱暴走の発生時に未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題が発生するなど、製造される二次電池の安定性に劣り得る。
【0055】
本発明の一実施態様によれば、前記ゼリーロール型電極組立体は、複数のセパレータを含んでもよい。例えば、前記ゼリーロール型電極組立体は、第1セパレータ/負極/第2セパレータ/正極を順次積層した構造であってもよい。前記セパレータ200は、負極110と正極310を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであり、通常、二次電池においてセパレータとして用いられるものであれば特に限定なく使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、かつ、電解質含湿能力に優れることが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子から製造された多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が用いられてもよい。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が用いられてもよい。また、前記セパレータは、通常、10μm以上20μm以下の厚さを有してもよく、前述したセパレータ材料を基材層とし、耐熱性または機械的強度を確保するために、セラミック成分または高分子物質が含まれたスラリーを基材層上にコーティングしたセパレータが用いられてもよく、選択的に単層または多層構造として用いられてもよい。
【0056】
本発明の一実施態様によれば、前記セパレータは、両面上に設けられたコーティング層を含んでもよい。具体的に、前記セパレータは、基材層の両面上に設けられたコーティング層を含み、前記コーティング層の成分、含量、および粒度調節により摩擦係数が調節されてもよい。
【0057】
本発明の一実施態様によれば、前記コーティング層は、無機成分、バインダー成分、およびリチウム塩を含んでもよい。前記セパレータが前述した成分を含むことで、電極との接着力の向上のためのバインダーおよびセパレータの機械的強度の向上のための無機成分などが含まれているにもかかわらず、コーティング層に含まれているリチウム塩の溶出により内部抵抗の増加がもたらされないため、セルの安定性に優れることができる。
【0058】
具体的に、前記リチウム塩は、実質的にリチウム二次電池の電解液に含まれているものと同様であってもよく、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、および四フェニルホウ酸リチウムからなる群より選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
【0059】
前記無機成分は、電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準に0~5V)で正極または負極集電体と酸化および/または還元反応、すなわち、電気化学的反応を起こさず、通電性を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、BaTiO3、Pb(Zr、Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、hafnia(HfO2)、SrTiO3、SnO2、CeO2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、およびTiO2からなる群より選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
【0060】
前記バインダーは、セパレータに積層される電極との結合力と、混合コーティング層中の無機成分およびリチウム塩相互間の結合力を発揮し、かつ、電解液により容易に溶解しない成分であれば特に限定されない。例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-cohexafluoropropylene)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-cotrichloroethylene)、ポリビニリデンフルオライド-クロロトリフルオロエチレン(PVdF-CTFE)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethyl cellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体(acrylonitrile-styrene-butadiene copolymer)、およびポリイミド(polyimide)からなる群より選択された一つまたは二つ以上の混合物であってもよく、好ましくは、PVdFまたはPVdF-CTFEであってもよい。
【0061】
本発明の一実施態様によれば、前記正極は、正極集電体、および前記正極集電体上に設けられた正極活物質層を含んでもよい。具体的に、
図3を参照すれば、前記正極310は、正極集電体301、および前記正極集電体301の片面または両面に形成され、正極活物質を含む正極活物質層302、303を含んでもよい。換言すれば、前記正極活物質層302、303は、前記正極集電体301の正極活物質塗布部310bに形成され、前記正極活物質層が設けられていない面を正極無地部310aと称することができる。
【0062】
本発明の一実施態様によれば、前記正極集電体は、正極活物質が塗布される正極活物質塗布部、および正極活物質が塗布されない正極無地部を含んでもよく、正極無地部上にタブを含んでもよい。具体的に、前記正極310は、正極無地部310aを含んでもよく、前記正極無地部310aに形成された正極タブを含んでもよい。
【0063】
本発明の一実施態様によれば、前記正極310は、巻取軸方向(Z軸に平行な方向)の一側端部に正極無地部310aが存在してもよい。前記正極無地部310aの少なくとも一部は、それ自体が電極タブとして用いられてもよい。すなわち、前記正極無地部310aは、正極310に設けられた正極タブとして機能してもよい。例えば、前記正極無地部310aは、電池ケース600内に収容された電極組立体1000の幅方向(Z軸に平行な方向)の上部に設けられてもよい。前記正極無地部310aと正極活物質塗布部310bの境界には絶縁層がさらに設けられてもよい。前記絶縁層は、セパレータが収縮しても電極の短絡を防止することができる。
【0064】
本発明の一実施態様によれば、前記電極組立体は、正極、セパレータ、および負極が積層されて巻き取られ、前記正極は、正極集電体;および前記正極集電体の少なくとも片面上に設けられ、前記正極集電体と同一の位置に長さ方向端部を有する正極活物質層を含んでもよい。具体的に、
図3を参照すれば、前記電極組立体は、正極310、セパレータ200、および負極110が積層されて巻き取られ、前記正極310は、正極集電体301;および前記正極集電体301の少なくとも片面上に設けられ、前記正極集電体301と同一の位置に長さ方向端部310eを有する正極活物質層302、303を含んでもよい。換言すれば、前記正極の長さ方向一端部310eは、フリーエッジ(Free-edge)形態であってもよい。
【0065】
これにより、不要な正極集電体の無地部の面積を減少させて経済性を確保することができ、電極上に活物質層を形成した後にスリット工程が行われることができるため、スリット工程およびワインディング工程を含むロールツーロール工程がさらに効率的に行われることができる。ここで、「同一の位置」とは、長さ方向端部が同一であることを意味し、スリット工程などで発生し得る工程上の誤差により実質的に同一の位置に端部を形成する場合を含んでもよい。
【0066】
本発明の一実施態様によれば、前記正極集電体は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、かつ、導電性を有するものであれば特に限定されず、具体的に、前記正極集電体としては、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものが用いられてもよい。すなわち、正極集電体は、表面処理されたステンレススチール、アルミニウム箔などの形態で提供されてもよい。
【0067】
また、前記正極集電体は、通常、3~50μmの厚さを有してもよく、前記集電体の表面上に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めてもよい。例えば、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態で用いられてもよい。
【0068】
本発明の一実施態様によれば、前記正極活物質は、通常用いられる正極活物質であってもよい。具体的に、前記正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFe3O4などのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+xMn2-xO4(0≦x≦0.33)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-yMyO2(ここで、MはCo、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B、およびGaからなる群より選択された少なくともいずれか一つであり、0.01≦y≦0.3を満たす)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-zMzO2(ここで、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、およびTaからなる群より選択された少なくともいずれか一つであり、0.01≦z≦0.1を満たす)、またはLi2Mn3MO8(ここで、MはFe、Co、Ni、Cu、およびZnからなる群より選択された少なくともいずれか一つである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4などが挙げられるが、これに限定されない。前記正極は、Li-metalであってもよい。
【0069】
本発明の一実施態様によれば、前記正極活物質層は、正極導電材および正極バインダーをさらに含んでもよい。前記正極導電材は、電極に導電性を付与するために用いられるものであり、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性を有するものであれば特に限定なく使用可能である。具体的に、前記正極導電材としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;またはポリフェニレン誘導体などの導電性高分子などが用いられてもよく、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてもよい。
【0070】
また、前記正極バインダーは、正極活物質粒子間の付着および正極活物質と正極集電体との接着力を向上させる役割をする。具体例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、またはこれらの様々な共重合体などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてもよい。
【0071】
本発明の一実施態様によれば、前記負極は、負極集電体、および前記負極集電体上に設けられた負極活物質層を含んでもよい。具体的に、
図3を参照すれば、前記負極110は、負極集電体101、および前記負極集電体101の片面または両面に形成され、負極活物質を含む負極活物質層102、103を含んでもよい。換言すれば、前記負極活物質層102、103は、前記負極集電体101の負極活物質塗布部110bに形成され、前記負極活物質層が設けられていない面を負極無地部110aと称することができる。
【0072】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電体は、負極活物質層が形成される負極活物質塗布部、および負極活物質層が形成されない負極無地部を含んでもよく、負極無地部上にタブを含んでもよい。具体的に、前記負極集電体101は、負極無地部110aを含んでもよく、前記負極無地部110aに形成された負極タブを含んでもよい。これにより、製造される電極組立体は、負極タブを1つ以上含むことができる。
【0073】
本発明の一実施態様によれば、前記負極110は、幅方向(Z軸に平行な方向)の一側端部には、負極活物質が塗布されていない負極無地部110aが存在してもよい。前記負極無地部110aの少なくとも一部は、それ自体が電極タブとして用いられてもよい。すなわち、前記負極無地部110aは、負極110に設けられた負極タブとして機能してもよい。例えば、前記負極無地部110aは、電池ケース600内に収容された電極組立体1000の幅方向(Z軸に平行な方向)の下部に設けられてもよい。
【0074】
本発明の一実施態様によれば、前記正極無地部310aと前記負極無地部110aは、互いに反対方向に突出した形態であってもよい。例えば、
図1および
図5~
図8を参照すれば、前記正極無地部310aは、電極組立体1000の幅方向(Z軸に平行な方向)の上部に向かって突出し、前記負極無地部110aは、電極組立体1000の幅方向(Z軸に平行な方向)の下部に向かって突出してもよい。これにより、前記正極310に設けられた正極無地部310aと負極110に設けられた負極無地部110aは、電極組立体1000の幅方向、すなわち、二次電池2000の高さ方向(Z軸に平行な方向)に沿って互いに反対方向に延長突出した形態であってもよい。
【0075】
本発明の一実施態様によれば、前記負極活物質層は、シリコン系物質および炭素系物質からなる群より選択される1以上を含む負極活物質を含んでもよい。また、前記負極活物質層は、負極導電材および負極バインダーをさらに含んでもよく、前記負極活物質;負極導電材;および負極バインダーは、当業界で用いられる物質であれば限定なく使用可能である。
【0076】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電体は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、かつ、導電性を有するものであればよく、特に限定されない。例えば、前記負極集電体としては、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものが用いられてもよい。具体的には、銅、ニッケルのような炭素をよく吸着する遷移金属が負極集電体として用いられてもよい。前記負極集電体の厚さは6μm以上80μm以下であってもよいが、前記負極集電体の厚さはこれに限定されない。
【0077】
本発明の一実施態様によれば、前記負極バインダーは、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(poly acrylic acid)、およびこれらの水素がLi、Na、またはCaなどで置換された物質からなる群より選択される少なくともいずれか一つを含んでもよく、また、これらの様々な共重合体を含んでもよい。
【0078】
本発明の一実施態様によれば、前記負極導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、かつ、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;カーボンナノチューブなどの導電性チューブ;フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性材料などが用いられてもよい。
【0079】
本発明の他の実施態様は、前記電極組立体;リベット構造を有する正極端子;および密封体を含む二次電池であって、前記電極組立体が電池ケースの内部に収納され、前記負極と前記電池ケースが電気的に連結され、前記正極と前記正極端子が電気的に連結され、前記密封体が前記電池ケースから絶縁可能に前記電池ケースの開放部を密封する、二次電池を提供する。
【0080】
本発明の一実施態様による二次電池は、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止することで、電池の安定性および寿命特性が改善されることができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止することができる。
【0081】
図4は、本発明の一実施態様による二次電池を示す図であり、
図5は、
図4の二次電池の縦断面図であり、
図6~
図8は、本発明の一実施態様による二次電池の概略的な構成を示す縦断面図である。
【0082】
本発明の一実施態様によれば、前記正極端子は、リベット構造を有してもよい。具体的に、
図4~
図6を参照すれば、前記リベット構造は、一側が開放された電池ケース600;前記電池ケースの底部610に形成された貫通孔(H5)を介してリベッティングされた正極端子330;および前記正極端子330と前記貫通孔(H5)の外径との間に設けられた端子ガスケット340を含んでもよい。
【0083】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケース600は、一側が開放された円筒状の収容体であり、例えば、金属のような導電性を有する材料からなってもよい。前記電池ケース600の材料は、例えば、アルミニウムであってもよい。一側が開放された前記電池ケース600の開放部は、開放端(opened end)と定義することができる。前記電池ケース600の側面(外周面)と上面は、一体に形成されてもよい。前記電池ケース600の他側は、フラット(flat)な形状を有する面(X-Y平面に平行な面)、すなわち、底部610であってもよい。前記開放端の反対側に位置する底部は、閉鎖端(closed end)と定義することができる。前記電池ケース600は、一側に形成された開放部を介して電極組立体1000を収納し、電解液をともに収容してもよい。
【0084】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケース600は、電極組立体1000と電気的に連結されてもよい。例えば、前記電池ケース600は、電極組立体1000の負極110と電気的に連結されてもよい。この場合、前記電池ケース600は、負極110と同一の極性を有してもよい。
【0085】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケース600は、開放端部に隣接する領域に前記電池ケース600の内側に圧入されたビーディング部620;および前記電池ケース600の内側に延長および折り曲げられ、シールガスケット140とともに前記キャッププレート641のエッジを囲んで固定するクリンピング部630を含んでもよい。
【0086】
具体的に、
図7および
図8を参照すれば、前記ビーディング部620は、電池ケース600の外周を圧入して形成されてもよく、電池ケース600の幅と対応するサイズを有することができる電極組立体1000が電池ケース600の一端に形成された開放部を介して抜け出さないようにし、密封体640が載置される支持部として機能してもよい。
【0087】
前記クリンピング部630は、前記ビーディング部620に隣接して形成されてもよい。具体的に、前記クリンピング部630は、前記ビーディング部620に隣接して配置される密封体640の外周面、そして後述する負極集電板120の一部を囲むように延長および折り曲げられた形状を有してもよい。
【0088】
本発明の一実施態様によれば、前記密封体640は、無極性のキャッププレート641、および前記キャッププレート641のエッジと前記電池ケース600の開放端部との間に介在するシールガスケット140を含んでもよい。具体的に、前記密封体640は、電池ケース600に形成されたビーディング部620上に載置されてもよい。また、前記密封体640は、クリンピング部630により固定されてもよい。前記密封体640と電池ケース600のクリンピング部630との間には、電池ケース600の気密性を確保するためにシールガスケット140が介在してもよい。
【0089】
本発明の一実施態様によれば、前記密封体640は、剛性を確保するために金属材料からなってもよい。また、前記密封体640は、電池ケース600の開放端をカバーしてもよい。換言すれば、前記密封体640は、二次電池2000の片面、すなわち、前記底部610の他面を形成してもよい。
【0090】
本発明の一実施態様によれば、前記密封体640は、前記電池ケース600から絶縁可能に前記電池ケース600の開放端部を密封してもよい。具体的に、前記密封体640は、導電性を有する金属材料である場合にも、極性を有しなくてもよい。換言すれば、前記密封体640は、負極端子130として機能する電池ケース600および正極端子330と電気的に絶縁されていてもよい。
【0091】
したがって、前記密封体640は、正極端子330または負極端子130として機能しなくてもよい。したがって、前記密封体640は、電極組立体1000および電池ケース600と電気的に連結される必要はなく、その材料が必ずしも導電性金属である必要もない。
【0092】
本発明の一実施態様によれば、前記キャッププレート641は、前記電池ケース600の内部圧力が閾値を超えたときに破裂するベント部641aを含んでもよい。
【0093】
本発明の一実施態様によれば、前記正極端子330は、前記正極310と電気的に連結されてもよい。すなわち、前記正極端子330は、前記正極310と電気的に連結され、前記負極110と電気的に連結される電池ケース600とは逆の極性を有してもよい。例えば、前記正極端子330は、表面が外部に露出してもよい。
【0094】
本発明の一実施態様によれば、前記正極端子330は、導電性を有する金属材料からなってもよい。前記正極端子330は、例えば、電池ケース600の一端に形成された閉鎖端、すなわち、底部610の中心部を貫通してもよい。前記正極端子330の一部は、電池ケース600の外部に露出し、残りの一部は、電池ケース600の内部に位置してもよい。前記正極端子330は、例えば、リベッティング(riveting)により電池ケース600の閉鎖端の内側面上に固定されてもよい。前記正極端子330は、インシュレータ500を貫通し、正極集電板320または正極310に設けられた正極無地部310aと結合してもよい。この場合、前記正極端子330は、正極を有してもよく、負極端子130として機能する電池ケース600とは電気的に絶縁されてもよい。
【0095】
前記正極端子330と電池ケース600との間の電気的絶縁は、様々な方式で実現されてもよい。例えば、前記正極端子330と電池ケース600との間に端子ガスケット340を介在させることで絶縁を実現することができる。一方、前記正極端子330の一部に絶縁性コーティング層を形成させることで絶縁を実現することもできる。または、前記正極端子330と電池ケース600の接触ができないように正極端子330を構造的に堅固に固定させる方式を適用するか、または前述した方式のうち複数の方式をともに適用してもよい。
【0096】
本発明の一実施態様によれば、前記正極端子330は、前記貫通孔(H5)に挿入された胴体部331;前記底部610の外部面610aを介して露出した前記胴体部331の一方の周縁から前記外部面610aに沿って延びた外部フランジ部332;および前記底部610の内部面610bを介して露出した前記胴体部331の他方の周縁から前記内部面610bに向かって延びた内部フランジ部333を含んでもよい。
【0097】
本発明の一実施態様によれば、前記正極端子330は、前記底部610の内部面610bを介して露出した前記胴体部331の端部に設けられた平坦部331aをさらに含んでもよい。具体的に、前記平坦部331aと電池ケース600の底部610の内部面610bは互いに平行であってもよい。ここで、「平行」とは、肉眼で観察したときに実質的に平行であることを意味する。
【0098】
本発明の一実施態様によれば、前記内部フランジ部333と電池ケース600の底部610の内部面610bとの間の角度(θ)は0°以上60°以下であってもよい。前記角度の大きさは、コーキング工法で正極端子330が電池ケース600の貫通孔(H5)に設けられるときのコーキング強度により決められてもよく、例えば、コーキング強度が増加するほど、角度(θ)が0°まで減少することができ、角度が60°を超えると、端子ガスケット340のシール効果が低下し得る。
【0099】
本発明の一実施態様によれば、前記内部フランジ部333と前記平坦部331aとの間に凹部が設けられてもよい。前記凹部は、コーキング工法で正極端子330が電池ケース600の貫通孔(H5)に設けられるとき、コーキング治具の形状により作られてもよい。
【0100】
本発明の一実施態様によれば、前記凹部は、非対称溝の断面構造を有してもよい。例えば、前記非対称溝は、V字状であってもよい。前記非対称溝は、平坦部331aの側壁、および前記側壁の端部と連結された内部フランジ部333の傾斜面を含んでもよく、前記側壁は、電池ケース600の底部610の内部面610bと実質的に垂直であってもよい。ここで、「垂直」とは、肉眼で観察したときに実質的に垂直であることを意味する。
【0101】
本発明の一実施態様によれば、前記端子ガスケット340は、電池ケース600と正極端子330との間に介在し、互いに逆の極性を有する電池ケース600と正極端子330が互いに接触するのを防止することができる。すなわち、前記端子ガスケット340は、電池ケース600と正極端子330の電気的連結を遮断することができる。これにより、フラットな形状を有する電池ケース600の閉鎖端、すなわち、底部610が二次電池2000の負極端子130として機能することができる。
【0102】
本発明の一実施態様によれば、前記端子ガスケット340は、前記外部フランジ部332と前記底部610の外部面610aとの間に介在する外部ガスケット部342;および前記内部フランジ部333と前記底部610の内部面610bとの間に介在する内部ガスケット部341を含み、前記内部ガスケット部341は、前記内部フランジ部333よりも長く延びてもよい。具体的に、前記内部ガスケット部341は、電池ケース600の底部610の内部面610bと0°~60°の角度をなし、前記内部フランジ部333よりも長く延びてもよい。
【0103】
本発明の一実施態様によれば、前記内部ガスケット部341と前記外部ガスケット部342は、位置に応じて厚さが異なってもよい。例えば、前記内部ガスケット部341の領域のうち、電池ケース600の底部610の内部面610bと連結された貫通孔(H5)の内側と内部フランジ部333との間に介在する領域の厚さが相対的に小さくてもよい。具体的に、貫通孔(H5)の内側と内部フランジ部333との間に介在する端子ガスケット340領域に最小厚さ地点が存在してもよい。
【0104】
本発明の一実施態様によれば、前記貫通孔(H5)の内側は、内部フランジ部333と対向する対向面を含んでもよい。一方、前記電池ケース600の底部610と垂直をなす貫通孔(H5)の内壁の上端と下端は、正極端子330に向かってテーパー面を形成するように面取り(corner cutting)されていてもよく、貫通孔(H5)の内壁の上端および/または下端は、曲率を有する緩やかな曲面に変形されてもよい。この場合、貫通孔(H5)の内壁の上端および/または下端付近で端子ガスケット340に加えられるストレスをさらに緩和することができる。
【0105】
本発明の一実施態様によれば、前記二次電池は、負極集電板をさらに含んでもよい。具体的に、前記負極集電板120は、電極組立体1000の幅方向他端部に結合されてもよい。前記負極集電板120は、導電性を有する金属材料からなってもよい。前記負極集電板120は、負極110に設けられた負極無地部110aと連結されてもよい。また、前記負極集電板120は、電池ケース600と電気的に連結されてもよい。前記負極集電板120は、電池ケース600の内側面とシールガスケット140との間に介在して固定されてもよい。一方、前記負極集電板120は、電池ケース600の内壁面に溶接されてもよい。
【0106】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電板120は、片面上に放射状に形成された複数の凹凸を設けてもよい。前記凹凸が形成された場合、負極集電板120を押して凹凸を負極無地部110aに圧入させてもよい。
【0107】
前記負極集電板120は、負極無地部110aの幅方向一端部に結合されてもよい。前記負極無地部110aと負極集電板120との間の結合は、例えば、レーザ溶接により行われてもよい。前記レーザ溶接は、負極集電板120の母材を部分的に溶融させる方式で行われてもよく、負極集電板120と負極無地部110aとの間に溶接のためのはんだを介在させた状態で行われてもよい。この場合、前記はんだは、負極集電板120および負極無地部110aと比較して、より低い融点を有することが好ましい。一方、レーザ溶接の他に、抵抗溶接、超音波溶接などが可能であるが、溶接方法はこれに限定されない。
【0108】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電板120は、負極無地部110aの幅方向一端部が負極集電板120と平行な方向に折り曲げられて形成された結合面上に結合されてもよい。前記負極無地部110aの折り曲げ方向は、例えば、電極組立体1000のコア部(C)に向かう方向であってもよい。前記負極無地部110aが折り曲げられた形状を有する場合、前記負極無地部110aが占める空間が縮小され、エネルギー密度の向上をもたらすことができる。また、前記負極無地部110aと負極集電板120との結合面積の増加により結合力の向上および抵抗減少の効果をもたらすことができる。
【0109】
図9は、本発明の一実施態様による負極集電板の例示的な形態を示す図である。
【0110】
図9を参照すれば、前記負極集電板120は、前記負極110の無地部110aと溶接される中心部121;前記中心部121から延び、前記電極組立体1000に設けられる負極タブと結合するタブ結合部122;および前記中心部121から延び、互いに隣接する前記タブ結合部122の間に位置する電池ケース結合部123を含んでもよい。
【0111】
本発明の一実施態様によれば、前記電池ケース結合部123が前記ビーディング部620と前記シールガスケット140との間に介在し、前記クリンピング部630により固定されてもよい。
【0112】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電板120の電池ケース結合部123は、前記クリンピング部630と隣接する前記ビーディング部620の内周面に溶接により固定される接触部123a;および延長方向が転換される曲げ部を少なくとも一つ設け、前記中心部121と前記接触部123aとの間を連結する連結部123bを含んでもよい。
【0113】
本発明の一実施態様によれば、前記負極集電板120は、前記電極組立体1000のコア部中空(H1)に対応する位置に形成される負極集電板孔(H2)を含み、前記負極集電板孔(H2)の直径と前記電極組立体のコア部中空(H1)の直径との差は0.1mm以上1mm以下であってもよい。具体的に、前記負極集電板孔(H2)の直径と前記電極組立体のコア部中空(H1)の直径との差は0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、または0.5mm以上であってもよく、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、または0.6mm以下であってもよい。より具体的に、コア部中空(H1)の直径が前記負極集電板孔(H2)の直径よりも大きく形成されることが好ましく、例えば、コア部中空(H1)の直径を5mm以上7.5mm以下に形成し、前記負極集電板孔(H2)の直径をこれより0.5mm以上1mm以下小さく形成してもよい。
【0114】
前述した直径差を満たす場合、熱暴走時の電極組立体の吐出を防止し、かつ、工程性を確保することができる。具体的に、前記コア部中空(H1)の直径を減少させる場合、二次電池の熱暴走時の電極組立体の吐出防止に有利である。ただし、前述したように、フォームファクタが増加した二次電池の場合、これにより増加する電極組立体の重量を支持するために巻芯の剛性確保が必要であり、巻芯の剛性を確保するために巻芯の直径を増加させる場合、前記コア部中空(H1)の直径も増加し得る。一方、前記負極集電板孔(H2)の直径が過度に小さい場合、負極集電板孔(H2)を通した電解液の注入またはレーザ溶接機(CRW)を用いた溶接が不可能であるため工程性が低下し、前記負極集電板孔(H2)の直径が過度に大きい場合、熱暴走時の電極組立体の吐出防止に不利であり、前記負極無地部110aと負極集電板120との結合面積の減少により結合力の減少および抵抗増加の効果をもたらし得る。一方、前記負極集電板孔(H2)の直径と前記電極組立体のコア部中空(H1)の直径との差が一定範囲から外れる場合、前記電極組立体と前記負極集電板の整列が容易でないため工程性が低下し得る。
【0115】
本発明の一実施態様によれば、前記二次電池は、正極集電板をさらに含んでもよい。具体的に、前記正極集電板320は、正極310の無地部310aと溶接され、前記正極集電板320の少なくとも一部は、前記正極端子330の平坦部331aと溶接されてもよい。
【0116】
本発明の一実施態様によれば、前記正極集電板320は、電極組立体1000の幅方向一端部に結合されてもよい。具体的に、前記正極集電板320は、前記電極組立体1000の幅方向一端部において、正極310に設けられた正極無地部310aに結合されてもよい。前記正極集電板320は、導電性を有する金属材料からなってもよい。
【0117】
本発明の一実施態様によれば、前記正極集電板320は、片面に放射状に形成された複数の凹凸を設けてもよい。前記凹凸が形成された場合、正極集電板320を押して凹凸を正極310に設けられた無地部310aに圧入させてもよい。
【0118】
本発明の一実施態様によれば、前記正極無地部310aと正極集電板320との間の結合は、例えば、レーザ溶接により行われてもよい。前記レーザ溶接は、正極集電板320の母材を部分的に溶融させる方式で行われてもよく、正極集電板320と正極無地部310aとの間に溶接のためのはんだを介在させた状態で行われてもよい。この場合、前記はんだは、正極集電板320および正極無地部310aと比較して、より低い融点を有することが好ましい。一方、レーザ溶接の他に、抵抗溶接、超音波溶接などが可能であるが、溶接方法はこれに限定されない。
【0119】
本発明の一実施態様によれば、前記二次電池は、インシュレータをさらに含んでもよい。具体的に、前記インシュレータ500は、正極無地部310aと電池ケース600との接触、および/または正極集電板320と電池ケース600との接触を防止することができる。すなわち、前記インシュレータ500は、前記電池ケース600の内部に収容され、前記正極無地部310aと前記電池ケース600との間の電気的連結を遮断するように構成されてもよい。したがって、前記インシュレータ500は、絶縁性を有する材料からなってもよく、例えば、ポリマー材料を含んでもよい。
【0120】
本発明の一実施態様によれば、前記インシュレータ500は、前記正極集電板320と前記電池ケース600の底部610の内部面610bとの間;および前記電池ケース600の内周面と前記電極組立体1000との間に介在してもよい。具体的に、前記インシュレータ500は、電極組立体1000の幅方向一端部と電池ケース600の底部610の内部面610bとの間、または電極組立体1000の幅方向一端部に結合された正極集電板320と電池ケース600の内周面との間に設けられてもよい。
【0121】
本発明の一実施態様によれば、前記インシュレータ500は、前記正極端子330の平坦部331aを前記正極集電板320側に露出させる溶接孔(H4)を含み、前記正極集電板320の表面と前記電極組立体1000の一方のエッジをカバーしてもよい。
【0122】
本発明の一実施態様によれば、前記二次電池は、円筒型二次電池であってもよい。換言すれば、前記ゼリーロール型電極組立体が収容される電池ケースが円筒状であってもよい。前記電池ケースの大きさは、幅方向両端部の円形の直径が30mm~55mmであり、高さが60mm~120mmであってもよい。例えば、円筒型電池ケースの円形の直径×高さは40mm×60mm、40mm×80mm、40mm×90mm、または40mm×120mmであってもよい。前記二次電池は、二次電池セルであってもよい。
【0123】
好ましくは、円筒型二次電池セルは、例えば、フォームファクタの比(円筒型二次電池セルの直径を高さで割った値、すなわち、高さ(H)に対する直径(Φ)の比と定義)が約0.4よりも大きい値を有する円筒型二次電池セルであってもよい。
【0124】
ここで、フォームファクタとは、円筒型電池セルの直径および高さを示す値を意味し得る。本発明の一実施態様による円筒型二次電池セルは、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セル、および46900セルであってもよい。フォームファクタを示す数値において、前の2個の数字はセルの直径を示し、その次の2個の数字はセルの高さを示し、最後の数字0はセルの断面が円形であることを示す。
【0125】
本発明の一実施態様による二次電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約46mmであり、その高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.418である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0126】
他の実施態様による二次電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約48mmであり、その高さが約75mmであり、フォームファクタの比が0.640である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0127】
また他の実施態様による二次電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約48mmであり、その高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.418である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0128】
さらに他の実施態様による二次電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約48mmであり、その高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.600である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0129】
さらに他の実施態様による二次電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約46mmであり、その高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.575である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0130】
さらに他の実施態様による電池セルは、円柱形状のセルとして、その直径が約46mmであり、その高さが約90mmであり、フォームファクタの比が0.511である円筒型二次電池セルであってもよい。
【0131】
従来は、フォームファクタの比が約0.4以下の電池セルが用いられた。すなわち、従来は、例えば、18650セル、21700セルなどが用いられた。18650セルの場合、その直径が約18mmであり、その高さが約65mmであり、フォームファクタの比が0.277である。また、21700セルの場合、その直径が約21mmであり、その高さが約70mmであり、フォームファクタの比が0.300である。
【0132】
本発明の一実施態様は、前述した実施態様による二次電池を少なくとも一つ含む電池パック、および前記電池パックを少なくとも一つ含む自動車を提供する。
【0133】
本発明の一実施態様による電池パックおよび自動車は、二次電池セルの内部ショートによる発熱および発火を抑制し、各二次電池セルの熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止し、安定性が改善されることができる。
【0134】
前述した実施態様による二次電池は、前記電池パックを製造する際に用いられてもよい。
【0135】
図10は、本発明の一実施態様による電池パックを示す図である。具体的に、
図10は、
図4の二次電池を含む電池パックの概略的な構成を示す図である。
【0136】
図10を参照すれば、本発明の一実施態様による電池パック3000は、二次電池2000が電気的に連結された集合体、およびこれを収容するパックハウジング700を含んでもよい。二次電池2000は、前述した実施態様による二次電池セルであってもよい。
【0137】
本発明の一実施態様によれば、前記電池パックは、二次電池2000の電気的連結のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品をさらに含んでもよい。
【0138】
本発明の一実施態様によれば、前記電池パック3000は、自動車4000に搭載されてもよい。具体的に、前記自動車は、電気自動車、ハイブリッド自動車、またはプラグインハイブリッド自動車であってもよい。前記自動車は、4輪自動車または2輪自動車を含んでもよい。
【0139】
図11は、本発明の一実施態様による自動車を示す図である。具体的に、
図11は、
図10の電池パックを含む自動車の概略的な構成を示す図である。
【0140】
図11を参照すれば、本発明の一実施態様による自動車4000は、本発明の一実施態様による電池パック3000を含んでもよい。前記自動車4000は、本発明の一実施態様による電池パック3000から電力の供給を受けて動作してもよい。
【実施例】
【0141】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳しく説明する。ただし、本発明による実施例は種々の異なる形態に変形されてもよく、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものと解釈してはならない。本明細書の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0142】
<実施例1>
(電極組立体の製造)
負極(負極集電体:Cu箔、負極活物質:黒鉛)、SRSコーティング層が形成されたポリエチレン材料のセパレータ、および正極(正極集電体:Al箔、活物質:NCM)を準備した。
【0143】
ゼリーロール型電極組立体の巻き取り前に、2枚のセパレータを重ね合わせ、巻取方向の逆方向に巻芯の2ターン(turn)に対応する長さだけセパレータ延長部を設けた。
【0144】
その後、前記第1セパレータおよび第2セパレータの長さ方向端部から巻芯の2ターン(turn)に対応する地点を巻取方向に折り返して巻き取りを開始し、前記負極および正極を順に投入してゼリーロール型電極組立体を製造した。
【0145】
具体的に、ゼリーロール型電極組立体のコア部は、前記正極の巻取軸方向の片面と前記負極の片面上に位置するセパレータとの間に、前記正極の長さ方向端部から1ターンに対応する長さのセパレータ延長部を介在することでセパレータ重畳部を設け、
図3(a)による構造を有するようにした。
【0146】
この際、前記電極組立体のコア部中空の直径は6mm、前記電極組立体の巻取軸に垂直な一端部の直径は45mm、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さは20mmに調節した。
【0147】
(二次電池の製造)
製造された電極組立体を一側に開放部を有する円筒型電池ケース(直径:45mm~47mm、材料:スチール)に挿入した後、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)を30:70の体積比で混合し、LiPF6が1.0Mになるように溶解した電解液を注額し、密封体により円筒型電池ケースを密封して二次電池を製造した。
【0148】
この際、前記電池ケースの底部に形成された貫通孔を介して正極端子をリベッティングし、前記正極端子と前記貫通孔の外径との間に端子ガスケットを設けるように正極端子のリベット構造を製造することで、これを含む二次電池において、前記電極組立体の負極と電池ケースが電気的に連結され、正極と正極端子が電気的に連結され、密封体が電池ケースから絶縁されるようにした。
【0149】
<実施例2>
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部に、前記正極の巻取軸方向の片面と前記負極の片面上に位置するセパレータとの間に、前記正極の長さ方向端部から1.6ターンに対応する長さのセパレータ延長部を介在することでセパレータ重畳部を設けたことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール型電極組立体および二次電池を製造した。この際、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さを約40mmに調節した。
【0150】
<実施例3>
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部に、前記正極の巻取軸方向の片面と前記負極の片面上に位置するセパレータとの間に、前記正極の長さ方向端部から2.0ターンに対応する長さのセパレータ延長部を介在することでセパレータ重畳部を設けたことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール型電極組立体および二次電池を製造した。この際、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さを約50mmに調節した。
【0151】
<参考例1>
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部に、前記正極の巻取軸方向の片面と前記負極の片面上に位置するセパレータとの間に、前記正極の長さ方向端部から0.4ターンに対応する長さのセパレータ延長部を介在することでセパレータ重畳部を設けたことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール型電極組立体および二次電池を製造した。この際、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さを約10mmに調節した。
【0152】
<参考例2>
前記ゼリーロール型電極組立体のコア部に、前記正極の巻取軸方向の片面と前記負極の片面上に位置するセパレータとの間に、前記正極の長さ方向端部から0.6ターンに対応する長さのセパレータ延長部を介在することでセパレータ重畳部を設けたことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール型電極組立体および二次電池を製造した。この際、前記セパレータ重畳部の長さ方向の長さを約15mmに調節した。
【0153】
<比較例1>
前記電極組立体のコア部中空の直径を8mmに調節したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール型電極組立体および二次電池を製造した。
【0154】
<実験例>
(実験例1-外観評価)
前記実施例1および比較例1で製造された二次電池をそれぞれ準備し、前記電極組立体を電池ケースの内部に収納し、前記電池ケースの開放部を密封体により密封(Venting)した直後、コア部電極組立体の跳ね上がり現象の発生を外観イメージおよびコンピュータ断層撮影(Computed tomography、CT)イメージを用いて評価し、その結果を下記表1に示す。具体的に、コア部の跳ね上がりが7mm以上発生して二次電池セルの外観から肉眼でコア部が観察される場合は「○」、コア部の跳ね上がりが肉眼で観察されない場合は「X」で示した。
【0155】
下記表1を参照すれば、比較例1の二次電池は、コア部の跳ね上がりが約10~20mm発生したことを確認したが、本発明の一実施態様による二次電池は、コア部電極組立体の跳ね上がり現象が発生しないことを確認した。
【0156】
これにより、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体および二次電池は、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止することで、電池の安定性および寿命特性が改善されることができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止できることが分かる。
【0157】
(実験例2-二次電池の安全性の評価)
前記実施例1~実施例3、参考例1、参考例2、および比較例1で製造された二次電池を準備し、熱暴走(Thermal runaway)条件で火炎維持時間(Burn duration time)を測定して二次電池の安全性を評価し、その結果を下記表1に示す。この際、前記火炎維持時間は、電池ケースの開放部を密封する密封体の少なくとも一部が除去される場合、内部圧力により爆発(Premature Lid Pop)が発生した後、電極組立体の吐出または仕上げまでの時間を測定したものであり、前記火炎維持時間が1000ms未満である場合、未燃焼電極組立体が吐出される可能性が高いため、前記火炎維持時間が1000ms以上であるか否かを確認した。
【0158】
【0159】
前記表1を参照すれば、コア部中空の直径が6mmである実施例1~実施例3の二次電池は、火炎維持時間(Burn Duration time)が1000ms以上であって、熱暴走の発生時に電極組立体の吐出が発生せず、十分な火炎維持時間を有することを確認した。
【0160】
これに対し、コア部中空の直径が8mmである比較例1の二次電池は、火炎維持時間が1000ms未満である場合が発生することを確認した。具体的に、火炎維持時間がそれぞれ82msおよび97msである比較例1-5および比較例1-6の二次電池セルは、熱暴走の発生時に未燃焼電極組立体の吐出が発生することを確認した。また、比較例1-8の二次電池セルは、250msの短い火炎維持時間を有するため、熱暴走が発生した電極組立体が燃焼するのに十分な火炎維持時間を有しないことを確認した。
【0161】
これにより、本発明の一実施態様による二次電池は、電極組立体のコア部の直径を特定の範囲に調節することで、増加したフォームファクタを有する二次電池においても、内部ショートなどによる熱暴走の発生時、未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止できることが分かる。
【0162】
一方、コア部中空の直径が6mmである参考例1および参考例2の二次電池は、セパレータ重畳部の長さ方向の長さがそれぞれ0.4ターン、0.6ターンに調節される場合、火炎維持時間がそれぞれ310msおよび501msである参考例1-5および参考例2-2の二次電池セルと同様に、熱暴走が発生した電極組立体が燃焼するのに十分な火炎維持時間を有しない場合が発生することを確認した。
【0163】
これにより、本発明の一実施態様による二次電池は、セパレータ重畳部の長さ方向の長さを特定の範囲に調節することで、前記セパレータ重畳部による摩擦力が、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止する効果にさらに優れることが分かる。
【0164】
すなわち、本発明の一実施態様によるゼリーロール型電極組立体および二次電池は、電池の充放電時の電極の収縮/膨張による電極組立体の変形時にも前記セパレータ重畳部により正極および負極間の内部ショートを防止することで、電池の安定性および寿命特性が改善されることができ、内部ショートなどによる熱暴走の発生時にも未燃焼電極組立体が電池ケースから吐出されて隣接二次電池セルまで伝播する問題を防止できることが分かる。
【0165】
以上の詳細な説明は、本発明を例示して説明するものである。また、前述した内容は、本発明の好ましい実施態様を示して説明するものにすぎず、前述したように、本発明は、様々な他の組み合わせ、変更、および環境で使用可能であり、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、および/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施態様に本発明を限定する意図ではない。また、添付の特許請求の範囲は、他の実施態様も含むものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0166】
1000 ・・・電極組立体
C ・・・コア部
H1 ・・・コア部中空
Φ1 ・・・コア部中空の直径
Φ2 ・・・巻取軸に垂直な電極組立体の断面直径
110、110’ ・・・負極
101 ・・・負極集電体
102、103 ・・・負極活物質層
110a ・・・負極無地部
110b ・・・負極活物質塗布部
120 ・・・負極集電板
121 ・・・中心部
122 ・・・タブ結合部
123 ・・・電池ケース結合部
123a ・・・接触部
123b ・・・連結部
H2 ・・・負極集電板孔
130 ・・・負極端子
140 ・・・シールガスケット
200、200’ ・・・セパレータ
S ・・・セパレータ重畳部
310 ・・・正極
301 ・・・正極集電体
302、303 ・・・正極活物質層
310a ・・・正極無地部
310b ・・・正極活物質塗布部
310e ・・・正極の長さ方向端部
320 ・・・正極集電板
321 ・・・中心部
330 ・・・正極端子
331 ・・・胴体部
331A ・・・平坦部
332 ・・・外部フランジ部
333 ・・・内部フランジ部
340 ・・・端子ガスケット
341 ・・・内部ガスケット部
342 ・・・外部ガスケット部
400 ・・・段差部
H3 ・・・段差部の空きスペース
L1 ・・・段差部の長さ方向端部と正極の長さ方向端部との隔離距離
T ・・・正極の厚さ
L2 ・・・セパレータ重畳部の長さ方向端部と正極の長さ方向端部との隔離距離
500 ・・・インシュレータ
H4 ・・・溶接孔
600 ・・・電池ケース
610 ・・・底部
620 ・・・ビーディング部
630 ・・・クリンピング部
640 ・・・密封体
641 ・・・キャッププレート
641a ・・・ベント部
H5 ・・・貫通孔
700 ・・・パックハウジング
2000 ・・・二次電池
3000 ・・・電池パック
4000 ・・・自動車
【国際調査報告】