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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】オーディオヘッドセット
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20250212BHJP
【FI】
H04R1/10 103
H04R1/10 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545020
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 AU2022051560
(87)【国際公開番号】W WO2023147622
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】17/592,722
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513025819
【氏名又は名称】フリードマン エレクトロニクス プロプライアタリー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】シルベークス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ウィンクラー、ステファニー ガートルード
(72)【発明者】
【氏名】トレワルタ,サミュエル ディーン
(72)【発明者】
【氏名】スンウ,スン ギョン
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BD02
5D005BD07
5D005BD11
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、一般にオーディオヘッドセットに関し、より詳細には、改良された快適性および機能性を含むヘッドセットに関する。上記ヘッドセットは、例えば周囲の騒音を排除するために、快適で適切な密閉性を提供する形状であっても良い。さらに、上記ヘッドセットは、様々な交換可能なコンポーネントを含むように構成されても良く、複数の入力ポートをさらに含んでも良い。有利なことに、上記ヘッドセットは、モジュール式であっても良く、オーディオソースやマイクロホンなどの1つ以上のインタフェースとの結合を容易にしても良い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤーカップアセンブリと、
ブラケットを含むヘッドバンドアセンブリと、
前記ブラケットに形成された1つ以上のスロットと、
を備え、
各スロットは、ロック機構を受けるように構成され、
前記ロック機構は、前記ヘッドバンドアセンブリと前記イヤーカップアセンブリとの間の距離を調節するように動作可能であり、
前記イヤーカップアセンブリを前記ロック機構に枢動可能に結合するポストを備え、
前記ポストは、前記ヘッドバンドアセンブリに対する前記イヤーカップアセンブリの枢動運動を容易にするように構成される、
ヘッドセット。
【請求項2】
前記ヘッドバンドアセンブリは、前記ブラケットに取り外し可能に結合されたクッションアセンブリをさらに備える、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項3】
前記クッションアセンブリは、面ファスナーを介して底部に取り外し可能に結合される上部を備える、
請求項2に記載のヘッドセット。
【請求項4】
前記クッションアセンブリは、前記ヘッドバンドアセンブリの1つ以上のストッパに接続されるように構成されている、
請求項2に記載のヘッドセット。
【請求項5】
前記上部は、平らなワイヤを案内するチャネルを含む、
請求項3に記載のヘッドセット。
【請求項6】
前記ロック機構は、カムおよびロックパッドを含むハウジングを有するカムアセンブリであり、
前記ロック機構は、前記ブラケットの周囲を圧縮するように構成される、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項7】
前記カムアセンブリは、
前記1つ以上のスロットを通って延び、前記ハウジングと結合されたピンを含む親指パッドと、
前記カムに回転可能に連結されるロッドと、
を有する、
請求項6に記載のヘッドセット。
【請求項8】
前記ピンは、前記カムをロック位置とロック解除位置との間で回転させるように動作可能である、
請求項7に記載のヘッドセット。
【請求項9】
前記カムは、1つ以上の窪みと1つ以上の突起とを有する前面を備え、
前記窪みは、前記ロック解除位置に対応し、
前記突起は、前記ロック位置に対応する、
請求項8に記載のヘッドセット。
【請求項10】
前記ポストは、前記イヤーカップアセンブリの形状に適合するように湾曲している、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項11】
前記イヤーカップアセンブリは、D字型である、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項12】
前記イヤーカップアセンブリは、フレーム、ドライバアセンブリ、およびイヤーパッドを備える、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項13】
前記ドライバアセンブリは、前記フレームに取り外し可能に接続される、
請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項14】
前記イヤーパッドは、前記ドライバアセンブリに取り外し可能に接続される、
請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項15】
前記イヤーパッドは、1つ以上の層で形成される、
請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項16】
少なくとも1つの層は、アルカンターラで形成される、
請求項15に記載のヘッドセット。
【請求項17】
前記1つ以上の層は、メモリフォーム層および冷却ゲル層のうちの少なくとも1つを含む、
請求項15に記載のヘッドセット。
【請求項18】
前記イヤーカップアセンブリは、対応するバヨネットファスナーに接続するように構成されたバヨネットマウントを含む、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項19】
第1の入力ポートおよび第2の入力ポートをさらに含む、
請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項20】
前記第1の入力ポートは、オーディオソースと結合するように構成され、
前記第2の入力ポートは、マイクロホンと結合するように構成される、
請求項19に記載のヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオヘッドセットの分野に関し、より詳細には、改良された快適性および機能性を含むヘッドセットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドホンは、一対のイヤーカップを介してユーザに音声を出力するために使用されることが多い。ヘッドホンと同様に、ヘッドセットも通常、ユーザに音声を出力し、また、例えば、他者とのコミュニケーションを容易にするためにマイクロホンを含む。
【0003】
ヘッドセットは、ビデオゲームなどさまざまな用途に使用される。ビデオゲームはますます複雑化し、インターネットを介して個人と対戦できるようになっている。ビデオゲームの視覚的側面に加えて、オーディオはゲーム体験を提供する上で重要な役割を果たす。通常、ゲーマーはヘッドセットを装着し、ゲーム音声をユーザの耳に届けると同時に、ゲーマー同士のコミュニケーションを可能にするマイクロホンも搭載している。
【0004】
ゲームオーディオとは、通常、ゲームプレイ中にビデオゲームによって生成されるオーディオを指すことが多い。このようなオーディオには、音楽サウンドトラック、効果音、その他のオーディオが含まれる。ゲームオーディオの重要性は、ビデオゲームの種類やインタラクションの種類によって異なる。例えば、パズルゲームでは、オーディオはゲームプレイを向上させる役割を果たすが、ビデオゲームとの適切なインタラクションには重要でない場合がある。一方、ゲームオーディオは、特定のビデオゲームにおいて好ましい結果を得るために重要な役割を果たすか、あるいは極めて重要な役割を果たすことさえある。例えば、一人称視点のシューティングゲームでは、周囲のゲーム環境の音を聞き取る能力が重要な場合がある。ゲーマーが頼りにする音声の例としては、敵が近づいてくる足音、ドアが開く音、乗り物などのゲーム音声がある。ゲーマーは、受信した音声に基づいて、例えば、チームメイトとコミュニケーションをとったり、次の行動を予測したり、次の反応を決定したり、特定のアクションを実行したりすることができる。
【0005】
ビデオゲームの奥深さと複雑さが増すにつれて、ユーザはヘッドセットを長時間または長時間装着することがある。しかし、従来のヘッドホンを長時間装着しているユーザは、疲れや不快感を覚えることがある。主な不快感の1つは、一定時間使用した後にゲーマーの耳周辺の温度が上昇することに起因する。この不快感は、連続使用時間が長くなるにつれて大きくなる。さらに、ほとんどのヘッドホンは周囲の騒音を十分に排除できないことが多い。
【0006】
また、従来のヘッドセットは固定された構造を含むことが多く、個々のコンポーネントを簡単にアップグレードしたり交換したりする機会はほとんどない。その結果、従来のヘッドセットは修理が難しく、限られた使用回数で交換が必要になることがある。
【0007】
そのため、改良されたヘッドセットが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一般にオーディオヘッドセットの分野に関するものであり、より詳細には、改良された快適性および機能性を含むヘッドセットに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、ヘッドセットは、1つ以上のイヤーカップアセンブリと、ヘッドバンドアセンブリを含んでも良い。ヘッドバンドアセンブリは、1つ以上のスロットを有するブラケットを含んでも良い。ブラケットの各スロットは、ロック機構を受けるように構成されても良い。ロック機構は、ヘッドバンドアセンブリと1つ以上のイヤーカップアセンブリとの間の距離を調整するために動作可能であっても良い。さらに、ヘッドセットは、ヘッドバンドアセンブリに対するイヤーカップアセンブリの枢動運動を容易にするために、イヤーカップアセンブリおよびロック機構に枢動可能に取り付けられるポストを含んでも良い。
【0010】
ヘッドバンドアセンブリは、ブラケットに取り外し可能に結合されたクッションアセンブリをさらに含んでも良い。さらに、クッションアセンブリは、ヘッドバンドアセンブリの1つ以上のストッパに接続するように構成されていても良い。クッションアセンブリは、例えば面ファスナーを介して底部に取り外し可能に結合される上部を含んでも良い。上部は、平らなワイヤを案内するチャネルを含んでも良い。
【0011】
ヘッドセットのロック機構は、ハウジングおよび親指パッドを含むカムアセンブリであっても良い。ハウジングは、カムおよびロックパッドを含んでも良い。親指パッドは、カムとインタフェース(相互作用)するように構成されたピンを有するロッドを含んでも良い。作動中、親指パッドが回転されると、ロック機構が圧縮してブラケットに固定されるように構成されても良い。ロックが解除されると、ユーザは、ヘッドバンドアセンブリとイヤーカップアセンブリとの間の距離を調整しても良い。
【0012】
ヘッドセットのイヤーカップアセンブリは、フレーム、ドライバアセンブリ、およびイヤーパッドを含んでも良い。ドライバアセンブリは、フレームに取り外し可能に接続されても良い。イヤーパッドは、ドライバアセンブリに取り外し可能に接続されても良い。その結果、ユーザは、各イヤーカップアセンブリの様々な部品を容易に交換しても良い。
【0013】
また、イヤーパッドが1つ以上の層で形成されることも考えられる。1つの層は、残りの層を覆うように構成され、アルカンターラなどの音響吸収性材料で形成されても良い。別の層は、ユーザにさらなる快適さを提供するメモリフォーム層であっても良い。さらに別の層は、例えば耳の疲労や不快感を軽減する冷却ゲルなどの冷却層であっても良い。
【0014】
イヤーカップアセンブリは、対応するバヨネットファスナーに接続するように構成されたバヨネットマウントをさらに含んでも良い。さらに、イヤーカップアセンブリは、入力ポートを含んでも良い。例えば、一方のイヤーカップアセンブリは、オーディオソースと結合するように構成された第1の入力ポートを含み、他方のイヤーカップアセンブリは、マイクロホンと結合するように構成された第2の入力ポートを含んでも良い。
【0015】
本発明は、様々な修正および代替形態に影響を受け得るが、その特定の例示的な実施形態が、図面において例示的に示され、本明細書において詳細に説明されている。しかしながら、本発明を開示された特定の実施形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るすべての変更、等価物、および代替物を対象とする意図があることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
実施形態は、添付の図面の図に例示されており、限定するものではない。図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0017】
図1】ヘッドセットの透視図である。
【0018】
図2A図1のヘッドセットの正面図である。
【0019】
図2B図1のヘッドセットの例示的なヘッドバンドアセンブリの断面図である。
【0020】
図3図1のヘッドセットの側面図である。
【0021】
図4図1のヘッドセットの底面図である。
【0022】
図5】例示的なロック機構の分解図である。
【0023】
図6図5のロック機構を示す図である。
【0024】
図7図5のロック機構を含む例示的なヘッドバンドアセンブリを示す図である。
【0025】
図8】例示的なロック機構のロックパッドおよびカムを示す図である。
【0026】
図9A】ロック解除位置にあるロック機構の透視図である。
【0027】
図9B】ロック位置にあるロック機構の透視図である。
【0028】
図10A】ロック解除位置にあるロック機構の断面図である。
【0029】
図10B】ロック解除位置にあるロック機構の背面図である。
【0030】
図10C】ロック位置にあるロック機構の断面図である。
【0031】
図10D】ロック位置にあるロック機構の底面図である。
【0032】
図11】イヤーカップアセンブリの分解図である。
【0033】
図12A図11のイヤーカップアセンブリのフレームを示す図である。
【0034】
図12B】ブラケットへのイヤーカップフレームの例示的な接続を示す断面図である。
【0035】
図13A】フレームとドライバアセンブリとの例示的な接続を示す図である。
【0036】
図13B図13Aのドライバアセンブリへのフレームの例示的な接続を示す断面図である。
【0037】
図14A】イヤーパッドアセンブリとドライバアセンブリとの例示的な接続を示す図である。
【0038】
図14B図14Aのイヤーパッドの背面図である。
【0039】
図14C図14Aのイヤーパッドへのドライバアセンブリの例示的な接続を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、一般にオーディオヘッドセットに関し、より詳細には、改良された快適性および機能性を含むヘッドセットに関する。ヘッドセットは、例えば周囲の騒音を低減するために、快適で適切な密閉性を提供する形状であっても良い。さらに、ヘッドセットは、様々な交換可能なコンポーネントを含むように構成されても良く、複数の入力ポートをさらに含んでも良い。有利なことに、ヘッドセットは、モジュール式であっても良く、また、オーディオソースやマイクロホンなどの1つ以上のインタフェースとの結合を容易にしても良い。
【0041】
ここで、同様の数字が同様の構成要素を表す図面に目を向けると、図1~4は、ユーザの頭頂部に快適にフィットする形状の例示的なヘッドセット100を示す。図示されるように、ヘッドセット100は、ヘッドバンドアセンブリ102とイヤーカップアセンブリ104とを含むことができる。ロック機構110は、以下に詳述するように、ヘッドバンドアセンブリ102とイヤーカップアセンブリ104との間の距離を調整するように構成されても良い。
【0042】
図示されるように、ヘッドセット100はまた、イヤーカップアセンブリ104をロック機構110に枢動可能に結合するブラケット140(ポスト)を含むことができる。ブラケット140(ポスト)は、イヤーカップアセンブリ104の形状に適合するように湾曲していても良い。ブラケット140(ポスト)は、ヘッドバンドアセンブリ102に対するイヤーカップアセンブリ104の枢動運動を容易にするように構成され、ユーザの頭部にかかる力が耳の周りに均等に分散されるようにすることができる。
【0043】
例示的なヘッドバンドアセンブリ102
【0044】
図1~4に示されるように、ヘッドバンドアセンブリ102は、1つ以上の好ましくは長手方向のスロット108を有するヘッドバンド106を含むことができる。スロット108は、ヘッドバンド106の何れかの端部に形成され、ロック機構110を受けるように構成されても良い。ヘッドバンド106は、プラスチック、金属、または他の軽量材料などの適切な材料で作られても良い。
【0045】
図2Aに示すように、クッションアセンブリ112は、ヘッドバンド106に取り外し可能に取り付けられても良い。クッションアセンブリ112は、上部116および底部118を含むことができる。底部118は、ブレース119上に形成されたパッド120を含むことができる。パッド120は、例えば、ゲル、発泡体または他の適切な材料であっても良い。
【0046】
図2Bに示すように、クッションアセンブリ112の各セグメント116,118は、1つ以上のストッパ114を介してヘッドバンド106に取り外し可能に取り付けることができる。ストッパ114は、ヘッドバンド106と摺動可能に係合することができる。ヘッドバンド106の膨出部107は、クッションアセンブリ112をヘッドバンド106に固定するために、ストッパ114のリム115に対して押し付けられるように構成されている。
【0047】
クッションアセンブリ112の上部116は、ストッパ114を介したヘッドバンド106への結合に加えて、ヘッドバンド106の開口160(図6)に挿入されるように構成されたノブ(図示せず)を含むことができる。さらに、上部116の余分な布地は、ヘッドバンド106の周囲に巻き付いて囲むことができる。
【0048】
クッションアセンブリ112の底部セグメント118は、面ファスナータイプのファスナーによって上部セグメント116に取り外し可能に結合されても良い。さらに、パッド120のセグメント116,118は、例えば、ボタン、ホック、留め具、ピン、または他の公知の留め具を介して互いに取り外し可能に結合され得ることが想定される。
【0049】
図1および図2Aに示すように、導電性ケーブルまたはワイヤ122は、各イヤーカップアセンブリ104を相互接続し、オーディオ信号を伝送するように構成することができる。ワイヤ122は、実質的に平坦で可撓性であってもよく、ロック機構110、クッションアセンブリ112、およびストッパ114を通ってヘッドバンド106に沿って伸びても良い。具体的には、ロック機構110は、ワイヤ122を受けるように構成されたケーブルスリット150(図5)を含むことができる。同様に、クッションアセンブリ112の上部セグメント116は、ワイヤ122がヘッドバンド106へのクッションアセンブリ112の結合を妨げないように、ワイヤ122が上部セグメント116の表面と実質的に同一平面に配置されるチャネル121(図2B)を含むことができる。
【0050】
例示的なロック機構110
【0051】
図5~10Dは、ヘッドバンドアセンブリ102とイヤーカップアセンブリ104との間の距離を調節するように動作可能な例示的なロック機構110を示す。図示されるように、ロック機構110は、ハウジング138を含むことができる。ハウジング138は、1つ以上の作動部品を含むように構成される。様々な作動部品が考えられるが、図5に示されるように、ハウジング138は、例えば、ロックパッド142、カム144、およびリテーナ146を含むカムアセンブリを含むことができる。
【0052】
図5~7に示されるように、ハウジング138はまた、親指パッド136を受けるための実質的に円形の開口部147、親指パッド136の回転を制限するための実質的に半円形のリップ149、ヘッドバンド106を受けるためのブラケットスリット148、および上述されたように、ワイヤ122を受けるためのケーブルスリット150を含むことができる。親指パッド136は、以下に詳述するように、ユーザによってロック機構110が容易に操作されるように、記号または単語などのインジケータ158を含むことができる。
【0053】
図8は、ロック機構110の例示的なロックパッド142およびカム144を示す。図示のように、ロックパッド142は、前面170と、対向する背面171とを含むことができる。前面170は、実質的に平坦であっても良いし、ヘッドバンド106の曲率および半径に対応する大きな半径を有するわずかな曲線を含んでも良い。背面171は、突起172および窪み173を含むことができる。ロックパッド142は、両端に付属物176を有するコア部174をさらに含むことができる。コア部174は、開口178を含むことができる。
図示のように、コア部174の背面171は、ロックパッド142の開口178がカム144の丸みを帯びた空洞180と一列に並ぶように、カム144を受けるように適合させることができる。
【0054】
カム144は、実質的に円形であって良く、前面162と、実質的に平坦な背面164とを含んで良い。図示されるように、カム144の前面162はまた、突起166および窪み168を含むことができ、これらの各々は、以下に詳述されるように、ロックパッド142の突起172および/または窪み173と整列するように構成される。
【0055】
図9A~9Bおよび図10A~10Dは、ピン139を有するロッド137を介した、親指パッド136のハウジング138への例示的な接続を示す。ロッド137は、ヘッドバンド106のスロット108およびブラケット140(図6)の延長部材154の開口155を通過するように構成されても良い。ピン139は、ロックパッド142の開口178を通過するように構成されても良い。ピン139はまた、カム144を回転させるために、丸みを帯びた空洞180とインタフェース(相互作用)する形状であっても良い。図示されるように、ピン139は、対応するファスナー156を受けるように構成されたねじ山付き内部を含み、それによってロック機構110をヘッドバンド106およびブラケット140に固定することができる。
【0056】
例示的な動作において、親指パッド136の回転は、カム144の対応する回転をもたらす。親指パッド136は、約90度回転するように示されているが、例えば180度および360度を含む他の回転も考えられる。
【0057】
図示のように、親指パッド136の回転は、ロック機構110のロック解除位置182またはロック位置184に対応する。より具体的には、親指パッド136がロック解除位置182に回転されると、ピン139は、ロックパッド142の突起172がカム144の窪み168と整列するようにカム144を回転させるために、空洞180とインタフェース(相互作用)することができる。親指パッド136がロック位置184に回転されると、ピン139は空洞180と連動してカム144を回転させ、ロックパッド142の突起172がカム144の突起166と一直線に並ぶようにすることができる。言い換えると、親指パッド136を回転させると、カム144の窪み168がロック解除位置182に対応し、カム144の突起166がロック位置184に対応する。
【0058】
図10A~10Dに示されるように、ロック機構110がロック位置184にあるとき、ロックパッド142の前面170は、ハウジング138と親指パッド136との間でヘッドバンド106を圧縮するように構成される。ロック機構110がロック解除位置182にあるとき、ロックパッド142の前面170は、ヘッドバンド106を減圧するように構成され、それにより、ヘッドバンドアセンブリ102と対応するイヤーカップアセンブリ104との間の距離の調節を容易にする。
【0059】
例示的なイヤーカップアセンブリ104
【0060】
図1~4に示すように、ヘッドセット100は、以下に詳述するように、交換可能な構成要素からなる1つ以上のイヤーカップアセンブリ104をさらに含むことができる。イヤーカップアセンブリ104は、ユーザの耳および頭部の構造に類似するようにD字型であっても良い。イヤーカップアセンブリ104の他の形状としては、例えば、カップ、円錐、またはユーザの頭部に快適に接触し、場合によっては密封し得る他の形状を含む。
【0061】
イヤーカップアセンブリ104の高さは、約80mmから約120mmの間、好ましくは約90mmから約100mmの間である。一実施形態では、イヤーカップアセンブリ104は、約95mmのおおよその高さを有する。
【0062】
イヤーカップアセンブリ104の幅は、約60mmから約90mmの間、好ましくは約70mmから80mmの間である。一実施形態では、イヤーカップアセンブリ104は、約75mmのおおよその高さを有する。
【0063】
図1~4,11に示すように、イヤーカップアセンブリ104は、フレーム124およびイヤーパッド126を含むことができる。フレーム124とイヤーパッド126との間に、イヤーカップアセンブリ104は、ドライバアセンブリ186およびシール188を含むことができる。
【0064】
フレーム124は、所望の形状およびサイズに(成形などによって)湾曲させることができるプラスチック材料などで形成することができる。図示のように、フレーム124は、内面123および外面125を含むことができる。内面123は、リブ196およびコネクタ198を含むことができる。リブ196は、フレーム124の構造を補強するように構成されても良い。フレーム124のコネクタ198は、例えば、対応するコネクタ204(図13A~13B)を有するドライバアセンブリ186への取り付けを容易にすることができる。
【0065】
図11に示すように、フレーム124の外面125は、文字、記号、点字などのインジケータ194を含んでも良い。さらに、外面125は、シール188のための空間を形成するように構成された延長部分128を含むことができる。
【0066】
フレーム124はまた、ワイヤ開口129、インタフェース開口130、およびポスト開口131などのいくつかの開口を含むことができる。ワイヤ開口129は、ワイヤ122を受け入れるように構成される。図12に示すように、ワイヤ122は、ワイヤ開口129を塞ぐように構成された塊152を含むことができる。インタフェース開口130は、ドライバアセンブリ186の入力ポート132と結合し得るインタフェースを受け入れるように構成される。
【0067】
図4に戻ると、シール188は、インタフェース開口130に接することがある。シール188は、イヤーカップアセンブリ104のコネクタまたはバヨネットマウント134と連動して動作する。例えば、バヨネットマウント134は、1つ以上の放射状ピンを含むことができる。各放射状ピンは、L字型スロットを有し、対応する雌型受容器を受け入れるように適合させることができる。操作において、雌型スロットは、バヨネットマウント134に挿入され、放射状ピンが当該スロットに係合するように回転させられる。
【0068】
図12A~12Bは、ブラケット140へのフレーム124の例示的な取付けを示す。特に、フレーム124の内面123は、ポスト開口131の両端にそれぞれある長枝193および短枝191を介して支持プレート190を挟むように構成されても良い。ポスト開口131は、ブラケット140のインサート200を受け入れることができる。インサート200は、支持プレート190を貫通して配置される、対応するファスナー202を受けるように構成されたねじ内部を含むことができる。ファスナー202は、支持プレート190を通して挿入されても良い。このように、ブラケット140は、ヘッドバンドアセンブリ102に対する枢動運動を容易にするために、イヤーカップアセンブリ104に枢動可能に取り付けられる。特に、ブラケット140は、ヘッドバンドアセンブリ102に対して少なくとも2つの軸でイヤーカップアセンブリ104の回転を容易にすることができる。
【0069】
図13A~13Bに示すように、ドライバアセンブリ186は、フレーム124に取り外し可能に取り付けられる。ドライバアセンブリ186は、前面185および後面187を含むことができる。上述したように、後面187は、フレーム124のコネクタ198に対応するコネクタ204を含むことができる。ドライバアセンブリ186をフレーム124に固定するために、例えばクリップ、留め具、スナップ、ボタン、面ファスナーなどを含む様々なコネクタが考えられる。
【0070】
ドライバアセンブリ186は、電気信号を音波に変換し、変換された音波をユーザに出力することを容易にすることができる。ドライバアセンブリ186は、例えば、チップスリーブ(TS)インタフェース、チップ-リング-スリーブ(TSR)インタフェース、チップ-リング-リング-スリーブ(TRRS)インタフェース、RCAインタフェース、XLRインタフェースなどを受け取るように構成された入力ポート132(図11)を含むことができる。ある態様では、ヘッドセット100の1つのイヤーカップアセンブリ104は、第1のインタフェースを含み、別のイヤーカップアセンブリ104は、第2のインタフェースを含む。複数の入力ポートを有することで、ヘッドセット100は、様々なデバイスとの結合を容易にすることができる。例えば、第1の入力ポートは、オーディオソースと結合するように構成され、第2の入力ポートは、マイクロホンと結合するように構成される。
【0071】
図14A~14Cに示されるように、イヤーパッド126は、ドライバアセンブリ186に取り外し可能に取り付けられる。図示されるように、イヤーパッド126は、前面203および後面205を含むことができる。前面203は、例えば、ヘッドセット100をどのように頭に置くかをユーザに示すためのインジケータを含む。後面205は、ドライバアセンブリ186の前面185のコネクタ207に対応するコネクタ206を含むことができる。上記のように、イヤーパッド126をドライバアセンブリ186に固定するために、例えばクリップ、留め具、スナップ、ボタン、面ファスナーなどを含む様々なコネクタが考えられる。
【0072】
さらに、イヤーパッド126は、例えば、ユーザの耳の疲労および不快感を軽減するために、1つ以上の層を含む。図14Cに示すように、イヤーパッド126は、第1の層208、第2の層209および第3の層210を含むことができる。第1の層208は、JIS K 6400に従って測定される特性を有する可撓性ポリウレタンフォーム、例えば、メモリフォーム(メモリフォーム層)で形成されても良い。第1の層208の厚さは、約10mmと約20mmとの間、好ましくは約12mmと約16mmとの間であって良い。一実施形態では、第1の層208の厚さは、約14mmであって良い。
【0073】
第2の層209は、ゲル層であって良く、冷却ゲル(冷却ゲル層)の被包によって画定されて良い。第2の層209は、低温を吸収して保持し、着用者の頭部によって与えられる熱を吸収しにくいように適合させることができる。また、第2の層209は、イヤーパッド126の慣用的な使用から生じる衝撃から追加のクッションを提供するように構成されることも考えられる。第2の層209の厚さは、約4mmと約8mmとの間、好ましくは約5mmと約7mmとの間である。一実施形態では、第2の層209の厚さは、約6mmであって良い。
【0074】
第3の層210は、音響吸収性材料、および/または、アルカンターラなどの穴あき革から形成された膜であっても良い。第3の層210は、第1の層208や第2の層209などの他の層を包み込んだり覆ったりすることができる。第3の層210の厚さは、約1/4mmと約3/4mmとの間、好ましくは約1/3mmと約1/2mmとの間であって良い。一実施形態では、第3の層210の厚さは、約4/10mmであって良い。
【0075】
まとめると、ヘッドセット100は、ユーザに快適で適切な密閉を提供する形状であっても良い。加えて、ヘッドセット100は、様々な交換可能な部品を含むように構成されても良く、複数の入力ポートをさらに含んでも良い。有利なことに、ヘッドセット100は、モジュール式であっても良く、オーディオソースやマイクロホンなどの1つ以上のインタフェースとの結合を容易にしても良い。
【0076】
本発明の様々な態様のさらなる変更および代替的な実施形態は、本明細書から見て当業者には明らかである。従って、本明細書は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な態様を当業者に教示するためのものである。本願明細書に示され記載された本発明の形態は、実施形態の例としてとらえられることを理解されたい。構成要素は、本出願に図示され記載されたものと置き換えてもよく、部品および工程は逆にしてもよく、本発明の特定の特徴は独立して利用してもよく、これらはすべて、本発明の本明細書の利益を得た後に当業者に明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本願明細書に記載された要素に変更を加えることができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
【国際調査報告】