(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ロボットアームのアーム部分、ロボットアームのアーム部、及びロボットアーム
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20250212BHJP
B25J 18/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B25J17/00 E
B25J18/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545758
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(85)【翻訳文提出日】2024-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2023052306
(87)【国際公開番号】W WO2023148159
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】102022102347.8
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522224955
【氏名又は名称】ニューラ ロボティクス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NEURA ROBOTICS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エゼキアス、ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ゲーツ、ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】レーガー、ダーヴィト
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707CU05
3C707CX01
3C707CX03
3C707CX05
3C707CY03
3C707CY06
3C707CY12
3C707CY13
3C707CY29
3C707CY36
3C707HS27
3C707HT24
3C707HT25
3C707HT40
3C707KV01
(57)【要約】
本発明は、ロボットアームのアーム部分であって、部分長手軸と、少なくとも1つのアーム部分を作動させるための少なくとも1つのギヤードモータとを備え、ギヤードモータがモータと伝動装置とギヤードモータハウジングとを有し、アーム部分の支持構造が、部分長手軸に沿ったギヤードモータハウジングの領域において、少なくとも部分的にギヤードモータハウジングのみによって形成されているアーム部分に関する。また、本発明は、ロボットアームであって、第1の部分長手軸及び第1のギヤードモータを有する第1のアーム部分と、第1のアーム部分に隣接し、第2の部分長手軸及び第2のギヤードモータを有する第2のアーム部分と、を備え、第2のアーム部分が、第1の部分長手軸及び第2の部分長手軸に対して角度を付けてオフセットして配置された屈曲軸を中心として、第1のアーム部分に対して回転可能に支承されている、ロボットアームに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム(10)のアーム部分(11)であって、部分長手軸(14)と、前記少なくとも1つのアーム部分(11)を作動させるための少なくとも1つのギヤードモータ(16)とを備え、前記ギヤードモータ(16)がモータ(18)と伝動装置(20)とギヤードモータハウジング(22)とを有する、アーム部分において、
前記アーム部分の支持構造が、前記部分長手軸(14)に沿った前記ギヤードモータハウジング(22)の領域において、少なくとも部分的に前記ギヤードモータハウジング(22)のみによって形成されている
ことを特徴とする、アーム部分。
【請求項2】
前記アーム部分(11)が直線的に設計されている
ことを特徴とする、
請求項1に記載のアーム部分(11)。
【請求項3】
前記ギヤードモータ(16)の出力シャフト(30)が前記部分長手軸(14)に対して平行に配置されている
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のアーム部分(11)。
【請求項4】
前記ギヤードモータ(16)が中空シャフトとして設計されたモータシャフト(34)を有する
ことを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載のアーム部分(11)。
【請求項5】
前記伝動装置(20)が3軸伝動装置として設計されている
ことを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のアーム部分(11)。
【請求項6】
別のギヤードモータ(16)、及び/又は前記アーム部分(11)を延長するための延長部品(36)、及び/又は更なる機能モジュールを、前記部分長手軸(14)に沿って前記アーム部分(11)に配置可能である
ことを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載のアーム部分(11)。
【請求項7】
ロボットアーム(10)であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアーム部分(11)を備えたロボットアーム。
【請求項8】
ロボットアーム(10)のアーム部(15)であって、
第2の部分長手軸(14b)と、
第2のギヤードモータ(16b)と、
第3のギヤードモータ(16c)と、
を含む第2のアーム部分(11b)と、
第4のギヤードモータ(16d)を含む、前記第2のアーム部分(11b)に隣接する第3のアーム部分(11c)と、
を有し、
前記第3のギヤードモータ(16c)によって、前記第3のアーム部分(11c)を、前記第2の部分長手軸(14b)を中心として前記第2のアーム部分に対して作動可能である、アーム部。
【請求項9】
前記第2のアーム部分(11b)及び/又は前記第3のアーム部分(11c)はそれぞれ、請求項1~6のいずれか一項に記載のアーム部分(11)によって形成されている
ことを特徴とする、
請求項8に記載のアーム部(15)。
【請求項10】
ロボットアーム(10)であって、第1の部分長手軸(14a)及び第1のギヤードモータ(16a)を有する第1のアーム部分(11a)と、
前記第1のアーム部分(11a)に隣接し、第2の部分長手軸(14b)及び第2のギヤードモータ(16b)を有する第2のアーム部分(11b)、
又は
前記第2のアーム部分(11b)により前記第1のアーム部分(11a)に隣接する、請求項8または9に記載のアーム部(15)
と、を備え、
前記第2のアーム部分(11b)が、前記第1の部分長手軸(14a)及び前記第2の部分長手軸(14b)に対して角度を付けてオフセットして配置された屈曲軸(38)を中心として、前記第1のアーム部分(11a)に対して回転可能に支承されている、ロボットアームにおいて、
前記第1のアーム部分(11a)と前記第2のアーム部分(11b)がそれぞれ、請求項1~6のいずれか一項に記載のアーム部分(11)によって形成されていることを特徴とする、ロボットアーム。
【請求項11】
前記屈曲軸(38)を中心に作用するトルクを、前記第2のアーム部分(11b)に配置された駆動要素と前記第1の部分(11a)に配置された従動要素とを有するアングル伝動装置によって、前記第2のアーム部分(11b)と前記第1のアーム部分(11a)との間で伝達可能である
ことを特徴とする、
請求項10の前提部又は請求項10に記載のロボットアーム(10)。
【請求項12】
前記駆動要素が前記第2のギヤードモータ(16b)に配置され、前記従動要素が前記第1のアーム部分(11a)に配置されている
ことを特徴とする、
請求項11に記載のロボットアーム(10)。
【請求項13】
前記アングル伝動装置は、前記駆動要素を起点として減速比を有する
ことを特徴とする、
請求項11~12のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項14】
前記アングル伝動装置がかさ歯車伝動装置(40)として形成されており、前記駆動要素が駆動かさ歯車(42)によって形成され、前記従動要素が従動かさ歯車(12)によって形成される
ことを特徴とする、
請求項11~13のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項15】
前記第2のアーム部分(11b)は、前記第1のアーム部分(11a)が第1のフォーク突起(48)及び第2のフォーク突起(50)を含むフォーク状の第1の接続要素(46)を有し、前記第2のアーム部分(11b)の第2の接続要素(52)が前記第1のフォーク突起(48)と前記第2のフォーク突起(50)との間に配置されるように、前記屈曲軸(38)を中心として第1のアーム部分(11a)に対して支承されている
ことを特徴とする、
請求項10の前提部又は請求項10に記載のロボットアーム(10)。
【請求項16】
前記第2の接続要素(52)は、第3のフォーク突起(54)及び第4のフォーク突起(56)を含むフォーク状に形成されており、前記第3のフォーク突起(54)が前記第1のフォーク突起(48)に対して支承され、前記第4のフォーク突起(56)が前記第2のフォーク突起(50)に対して支承されている
ことを特徴とする、
請求項15に記載のロボットアーム(10)。
【請求項17】
前記第1の接続要素(46)は、前記屈曲軸(38)と前記第1の部分長手軸(14a)とによって形成される仮想の第1平面に、及び/又は、前記第2の接続要素(52)は、前記屈曲軸(38)と前記第2の部分長手軸(14b)とによって形成される仮想の第2平面に、それぞれU字形の断面を有する
ことを特徴とする、
請求項15または16に記載のロボットアーム(10)。
【請求項18】
前記アングル伝動装置の前記従動要素は、前記第1の接続要素(46)の前記第1のフォーク突起(48)及び/又は前記第2のフォーク突起(50)に一体回転可能に接続されている
ことを特徴とする、
請求項11~14のいずれか一項及び請求項15~17のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項19】
前記第2の接続要素(52)は、前記アングル伝動装置のためのハウジングを有する
ことを特徴とする、
請求項11~14のいずれか一項及び請求項15~18のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項20】
前記第2の接続要素(52)は、前記従動要素の位置を検知するための角度センサ(60)を有する
ことを特徴とする、
請求項11~14のいずれか一項及び請求項15~19のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項21】
前記ロボットアーム(10)が第4のアーム部分(11d)を有し、前記第3のアーム部分(11c)は、前記第2の部分長手軸(14b)に対して角度を付けてオフセットして配置された第2の屈曲軸(38b)を中心として、前記第4のアーム部分(11d)に対して回転可能に支承されており、前記第4のアーム部分(11d)に対する前記第3のアーム部分(11c)の配置は、前記第1のアーム部分(11a)に対する前記第2のアーム部分(11b)の配置に相当するように形成されている
ことを特徴とする、
前記第2のアーム部分(11b)により前記第1のアーム部分(11a)に隣接する、請求項8または9に記載の前記アーム部(15)を有する、請求項10の前提部又は請求項10に記載の、
又は前記第2のアーム部分(11b)により前記第1のアーム部分(11a)に隣接する請求項8または9に記載の前記アーム部(15)を有する、請求項11~20のいずれか一項に記載の、
ロボットアーム(10)。
【請求項22】
前記第1のアーム部分(11a)がベース(62)に隣接し、前記第1のギヤードモータ(16a)によって前記第1のアーム部分(11a)を前記ベース(62)に対して作動可能であり、前記第2のギヤードモータ(16b)によって前記第2のアーム部分(11b)を前記第1のアーム部分(11a)に対して作動可能であり、前記第2のアーム部分(11b)が第3のギヤードモータ(16c)を有し、前記第3のギヤードモータによって、前記第2のアーム部分(11b)に隣接する第3のアーム部分(11c)を前記第2のアーム部分(11b)に対して作動可能である
ことを特徴とする、
請求項10の前提部、請求項10、又は請求項11~21のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項23】
前記第1のアーム部分(11a)は、前記第1の部分長手軸(14a)を中心として、前記ベース(62)に対して回転可能に支承され、前記第3のアーム部分(11c)は、前記第2の部分長手軸(14b)を中心として、前記第2のアーム部分(11b)に対して回転可能に支承されている
ことを特徴とする、
請求項22に記載のロボットアーム(10)。
【請求項24】
前記アーム部分(11、11a、11b)のうちの少なくとも1つに、可撓性のエネルギー放散カバー(66)が配置されており、前記カバーは、前記ロボットアームを少なくとも部分的に覆う
ことを特徴とする、
請求項1~23のいずれか一項に記載のロボットアーム(10)。
【請求項25】
前記カバー(66)は、前記ロボットアーム(10)にばね弾性的に支承されている
ことを特徴とする、
請求項24に記載のロボットアーム(10)。
【請求項26】
前記カバー(66)は、前記ロボットアーム(10)の衝突を検出するための少なくとも1つのセンサを有する
ことを特徴とする、
請求項24または25に記載のロボットアーム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームのアーム部分、ロボットアームのアーム部及びロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット、特に協働ロボットや認知ロボットについては、組立、キッチン、マッサージ、選別、ホテル、介護施設、家庭、サービスなどの産業において幅広い適用範囲が持続的に調査され開拓されている。
【0003】
協働及び認知ロボットは、通常、例えば柵などの保護装置なしで人間と共に作業し、協調する。したがって、このようなロボットには、人間の負傷のリスクを排除するために、安全に関して特に高い要求が課せられる。このようなロボットは、1つのロボットアームを有する単腕ロボットとして設計されることが多い。
【0004】
現在の技術水準では、そのようなロボットアームは角張り、角が多く(Winkelig)、異なったアーム部分が互いに対して支承されている回転軸の領域が非常に幅広に作られている。それによって設置空間が大きくなり、それにより必然的に人間と接触する可能性のある邪魔になる作用面が増え、したがって負傷の危険も高くなる。
【0005】
このようなロボットアームは、例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第3572192号明細書
【特許文献2】欧州特許第1433576号明細書
【特許文献3】欧州特許第1854590号明細書
【発明の概要】
【0007】
協働及び認知ロボットに限らず、全く一般に、ロボットアームは細くて軽く、作業空間に対する自身の設置空間が占める割合が少なく、可能な限り直線的な構造を有することが望ましい。
【0008】
したがって、本発明は、作業空間に対して占める自身の設置空間が可能な限り少なくなるようにロボットアームを設計することを可能にするアーム部分を提供するという課題に基づいている。
【0009】
上記課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するロボットアームのアーム部分によって解決される。
本発明は更に、作業空間に対して占める自身の設置空間が可能な限り少ないロボットアームの一部を提供するという課題に基づいている。
【0010】
この課題は、本発明によれば、請求項8の特徴を有するロボットアームのアーム部によって解決される。
本発明は更に、作業空間に対して占める自身の設置空間が可能な限り少なく、更に簡単かつ安価に製造可能であるロボットアームを提供するという課題に基づいている。
【0011】
この課題は、本発明によれば、請求項7の特徴を有するロボットアームによって解決される。同様に、この課題は、請求項10、11、15、21又は22に記載のロボットアームによって解決される。
【0012】
本発明の有利な実施形態及び発展形態は、従属請求項に記載されている。
本発明によるロボットアームのアーム部分は、部分長手軸と、少なくとも1つのアーム部分を作動させるための少なくとも1つのギヤードモータとを有する。ギヤードモータは、モータと伝動装置とギヤードモータハウジングとを有し、アーム部分の支持構造は、部分長手軸に沿ったギヤードモータハウジングの領域において、少なくとも部分的にギヤードモータハウジングのみによって形成されている。これにより、ギヤードモータハウジングの領域において、追加の支持要素を完全に省略することができる。したがって、本発明によるアーム部分は、従来技術に比べて小さい設置空間を有することができる。
【0013】
アーム部分は、3つの空間方向のうちの1つに、他の方向よりも長く延びることが好ましい。部分長手軸は、好ましくは、この空間方向に沿って向きが合わせられる。好ましくは、部分長手軸は直線として設計されている。特に好ましくは、アーム部分は、少なくとも部分的に実質的に円筒形である。ここで、及び以下において、作動という用語は、好ましくは駆動と制動の両方を含む。したがって、ギヤードモータはブレーキユニットも含むこともできる。更に、ギヤードモータは、特にギヤードモータの位置を決定するためのエンコーダユニットを有することができる。少なくとも1つのアーム部分を別のアーム部分又は周囲環境に対して作動させることができる。その場合、好ましくは、ロボットアームの別の部分に対して運動可能なロボットアームの部分が、アーム部分と称される。通常、アーム部分は、特に別のアーム部分又は周囲環境に対して2つの接続箇所で支承されている。アーム部分の支持構造は、好ましくは2つの接続箇所を互いに接続し、接続箇所間で力とトルクを伝達する役割を担う。
【0014】
アーム部分の支持構造は、部分長手軸に沿ったギヤードモータの領域において、少なくとも部分的にギヤードモータハウジングのみによって形成される。それによって、この領域において、「アーム部分の接続箇所間で力及びトルクを伝達する」機能をギヤードモータハウジングに組み込むことができる。したがって、アーム部分を、少なくともギヤードモータハウジングの領域に追加の支持要素がないように設計することができる。
【0015】
アーム部分は直線的に設計されていることが好ましい。その場合、部分長手軸は、アーム部分の接続箇所を直線で互いに接続することができる。したがって、アーム部分は特に湾曲を有さないことができる。それによって、ロボットアームの省スペース的な構造を達成することができる。また、アーム部分の製造を簡略化することができる。したがって、特に、ロボットアームのモジュール構造形式をより容易に実現することができる。
【0016】
好ましくは、ギヤードモータの出力シャフトは、部分長手軸に対して平行に配置される。このような構成により、小さい設置空間を達成することができる。それによって、特に、ロボットアームが接続箇所の領域において幅広に作られ、多くの空間を占めることを回避できる。更に、従来のアーム部分の角の多い(winklig)、多くの場合、角張った構造形式から逸脱でき、それによって特に負傷のリスクを軽減することができる。その場合、「平行」という用語は、好ましくは、出力シャフトと部分長手軸とが一致する、又は隣接して配置されることを含む。ギヤードモータのハウジングを円筒形に形成することができ、出力シャフトが一方の端面でギヤードモータのハウジングから出ることができる。
【0017】
本発明の一発展形態では、ギヤードモータは中空シャフトとして設計されたモータシャフトを有する。したがって、モータシャフトを、特にラインを挿通するために用いることができる。これによって、アーム部分をよりコンパクトな構造にすることができ、設置空間に関して更に最適化することができる。モータシャフトに通されるラインは、例えば電線、又は圧縮空気管路などの媒体を通すラインであることができる。
【0018】
伝動装置は3軸伝動装置として設計されることが好ましい。このような伝動装置は、小さな設置空間で大きな伝達比を実現できる。3軸伝動装置を、例えば遊星伝動装置、サイクロイド伝動装置、又は波動伝動装置として設計することができる。
【0019】
別のギヤードモータ及び/又はアーム部分を延長するための延長部品及び/又は更なる機能モジュールを、部分長手軸に沿ってアーム部分に配置することができる。別のギヤードモータ、延長部品、及び更なる機能モジュールは、アーム部分の構成要素をなすことが好ましい。別のギヤードモータを、ギヤードモータの各々がアーム部分を接続箇所のうちの1つに関して作動させ得るように配置することができる。延長部品を配置することによって、部分長手軸に沿ったアーム部分の長さをそれぞれの境界条件に適合させることができる。延長部品は、様々な長さで利用可能であることが好ましい。更なる機能モジュールの1つを、例えばギヤードモータ又はアーム部分の動作状態に関する情報を示すステータス表示モジュールによって形成することができる。更に、更なる機能モジュールのうちの1つを入力モジュールとして設計することができる。好ましくは、別のギヤードモータ、延長部品、及び更なる機能モジュールはそれぞれ、少なくとも部分的に部分長手軸に沿ってアーム部分の単独支持構造を形成する。
【0020】
本発明によるロボットアームは、少なくとも1つの上述のアーム部分を備えている。
ロボットアームのアーム部は、第2の部分長手軸と第2のギヤードモータと第3のギヤードモータとを含む、第2のアーム部分を備えている。アーム部はまた、第2のアーム部分に隣接する第3のアーム部分を備え、第3のアーム部分は第4のギヤードモータを有する。その場合、第3のギヤードモータによって、第3のアーム部分を、第2のアーム部分に対して第2の部分長手軸を中心として作動させることができる。このような配置は、多数の機能、特に駆動装置をアーム部に組み込むことを可能にする。したがって、アーム部には、特に駆動コンポーネントが高密度で存在することができる。駆動コンポーネントを、特に省スペース的にロボットアームに収容することができる。好ましくは、第2のギヤードモータ、第3のギヤードモータ、及び第4のギヤードモータは、第2の部分長手軸に沿って配置される。これらのギヤードモータの各々は、特に好ましくは第2の部分長手軸上に配置されるモータシャフトを有することができる。したがって、第2のギヤードモータ、第3のギヤードモータ、及び第4のギヤードモータを第2の部分長手軸に沿って一列に配置することができる。好ましくは、第3のモータは、第2のギヤードモータに隣接して、及び/又は第4のギヤードモータに隣接して配置される。
【0021】
第2のアーム部分及び/又は第3のアーム部分はそれぞれ前述したアーム部分によって形成され得る。
本発明によるロボットアームは、第1の部分長手軸及び第1のギヤードモータを有する第1のアーム部分を備えることができる。更に、ロボットアームは、第2の部分長手軸及び第2のギヤードモータを有し、第1のアーム部分に隣接する第2のアーム部分を有する。代替的に、ロボットアームは、第2のアーム部分により第1のアーム部分に隣接する、前述したアーム部を有する。どちらの代替例でも、第2のアーム部分は第1のアーム部分に対して、第1の部分長手軸及び第2の部分長手軸に対して角度を付けて(winklig)オフセットして配置された屈曲軸を中心として回転可能に支承されている。その場合、第1のアーム部分及び第2のアーム部分はそれぞれ前述したアーム部分によって形成されている。好ましくは、屈曲軸は、第1の部分長手軸に対して、及び/又は第2の部分長手軸に対して直角のオフセットを有する。屈曲軸は、第1及び第2のアーム部分の外側に配置されることが好ましい。
【0022】
ロボットアームは、屈曲軸を中心に作用するトルクを、第2のアーム部分に配置された駆動要素と第1の部分に配置された従動要素とを有するアングル伝動装置(Winkelgetriebe)によって、第2のアーム部分と第1のアーム部分との間で伝達可能に設計され得る。それによって、少ない所要空間でトルクを第2のアーム部分から第1のアーム部分へ、及びその逆に伝達することができる。したがって、ロボットアームを、特に、屈曲軸の領域において場所をとり、角の多い構造がないように実現することができる。好ましくは、アングル伝動装置の駆動要素は、第2のギヤードモータの第2の出力シャフトに一体回転可能に接続されているか、又はこの第2の出力シャフトによって形成される。特に好ましい実施形態では、第2の出力シャフトを屈曲軸に対して角度を付けて、特に直角にオフセットして配置することができる。
【0023】
本発明の一実施形態では、駆動要素が第2のギヤードモータに配置され、従動要素は第1のアーム部分に配置される。したがって、第2のアーム部分を、第1のアーム部分に対して第2のアーム部分から作動させることができる。第1のアーム部分は、トルク伝達を実現できるようにするために、好ましくは従動要素のみを有していればよいため、ロボットアームを、特に第1のアーム部分に関して、それほど場所をとらない構造にすることができる。
【0024】
アングル伝動装置は、駆動要素を起点として減速比を有することができる。このようにして、屈曲軸に必要な高トルクを屈曲軸に直接生成することができ、それに対応して、第2のギヤードモータから見てその前に配置されるドライブトレインも、軽量で省スペース的に寸法設定することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、アングル伝動装置がかさ歯車伝動装置(Kegelradgetriebe)として設計され、駆動要素は駆動かさ歯車伝動装置によって形成され、従動要素は従動かさ歯車によって形成される。かさ歯車伝動装置は、アングル伝動装置の容易で安価な実現である。
【0026】
本発明によるロボットアームでは、第1のアーム部分が、第1のフォーク突起及び第2のフォーク突起を含むフォーク状の第1の接続要素を有し、第2のアーム部分の第2の接続要素が第1のフォーク突起と第2のフォーク突起との間に配置されるように、第2のアーム部分を、屈曲軸を中心として第1のアーム部分に対して支承することができる。これによって、剛性の支承部と同時に小さい重量を実現することができる。好ましくは、第1のフォーク突起及び第2のフォーク突起はU字の2つの脚を形成する。
【0027】
第2の接続要素は、好ましくは、第3のフォーク突起及び第4のフォーク突起を含むフォーク状に形成されており、第3のフォーク突起を第1のフォーク突起に対して、及び第4のフォーク突起を第2のフォーク突起に対して、支承することができる。これにより、支承部を重量と剛性の点で更に向上させることができる。
【0028】
第1の接続要素は、屈曲軸と第1の部分長手軸とによって形成される仮想の第1平面に、及び/又は第2の接続要素は、屈曲軸と第2の部分長手軸とによって形成される仮想の第2平面に、それぞれU字形の断面を有することができる。したがって、第1の接続要素及び/又は第2の接続要素は、好ましくはボウル状の断面を有する。これによって、接続要素の剛性を高めることができる。U字形を、一定の半径を有するように設計することができる。それにより、それぞれの接続要素の断面を球形に形成することができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、アングル伝動装置の従動要素は、第1の接続要素の第1のフォーク突起及び/又は第2のフォーク突起に一体回転可能に接続されている。このようにして、屈曲軸を中心としたトルクの伝達を設計上簡単に、かつ省スペース的に実現することができる。
【0030】
第2の接続要素がアングル伝動装置のためのハウジングを有することが特に好ましい。ハウジングを第2の接続要素に組み込むことができる。これによって、ロボットアームを、特に人との共同作業に関して、特に安全に設計することができる。
【0031】
本発明の一実施形態では、第2の接続要素は、従動要素の位置を検知するための角度センサを有することができる。それにより、特に第2のギヤードモータに配置されたエンコーダユニットと併せて、冗長であるため信頼できる位置測定を行うことができる。
【0032】
本発明の一発展形態では、ロボットアームは第4のアーム部分を有し、第3のアーム部分は、第2の部分長手軸に対して角度を付けてオフセットして配置された第2の屈曲軸を中心として、第4のアーム部分に対して回転可能に支承されており、第4のアーム部分に対する第3のアーム部分の配置は、第1のアーム部分に対する前記第2のアーム部分の配置に相当するように形成されている。この配置は、支承部と、互いに隣接するアーム部分間の作用接続のために必要なすべての要素を含むことができる。
【0033】
したがって、第2の屈曲軸を中心に作用するトルクが、第3のアーム部分に配置された駆動要素と第4のアーム部分に配置された従動要素とを有する第2のアングル伝動装置によって、第3のアーム部分と第4のアーム部分との間で伝達可能であるように、ロボットアームを形成することができる。好ましくは、第2のアングル伝動装置の駆動要素は、第4のギヤードモータの第4の出力シャフトに一体回転可能に接続されるか、又はこれによって形成される。特に好ましい実施形態では、第4の出力シャフトは、第2の屈曲軸に対して角度を付けて、特に直角にオフセットして配置することができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、第2のアングル伝動装置の駆動要素は、第4のギヤードモータに配置され、第2のアングル伝動装置の従動要素は第4のアーム部分に配置されている。したがって、第4のアーム部分を、第3のアーム部分に対して第3のアーム部分から作動させることができる。第2のアングル伝動装置は、駆動要素を起点として減速比を有することができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、第2のアングル伝動装置はかさ歯車伝動装置として形成することができ、駆動要素を駆動かさ歯車によって、従動要素を従動かさ歯車によって形成される。
【0036】
本発明によるロボットアームでは、第4のアーム部分が、好ましくは第1の接続要素に相当する、第1のフォーク突起及び第2のフォーク突起を含むフォーク状の第4の接続要素を有するように、第3のアーム部分を、第2の屈曲軸を中心として第4のアーム部分に対して支承することができる。好ましくは、第4の接続要素の第1のフォーク突起と第2のフォーク突起との間に、好ましくは第2の接続要素に相当する第3のアーム部分の第3の接続要素が配置されている。好ましくは、第4の接続要素の第1のフォーク突起及び第2のフォーク突起はU字の2つの脚を形成する。
【0037】
第3の接続要素は、好ましくは第3のフォーク突起及び第4のフォーク突起を含むフォーク状に形成され、第3のフォーク突起を第4の接続要素の第1のフォーク突起に対して支承することができ、第4のフォーク突起を第2のフォークに対して支承することができる。
【0038】
第4の接続要素は、第2の屈曲軸と第4の部分長手軸とによって形成される仮想の第4平面に、及び/又は第3の接続要素は、第2の屈曲軸と第2の部分長手軸とによって形成される仮想の第3平面に、それぞれU字形の断面を有する。したがって、第3の接続要素及び/又は第4の接続要素は、ボウル状の断面を有することが好ましい。U字形を、一定の半径を有するように設計することができる。それにより、それぞれの接続要素の断面を球形に形成することができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、第2のアングル伝動装置の駆動要素は、第4の接続要素の第1のフォーク突起及び/又は第2のフォーク突起に一体回転可能に接続されている。第3の接続要素が第2のアングル伝動装置のためのハウジングを有することが特に好ましい。ハウジングを第3の接続要素に組み込むことができる。
【0040】
本発明の一実施形態では、第3の接続要素は、従動要素の位置を検知するための角度センサを有することができる。特に、第3のギヤードモータに配置されたエンコーダユニットと併せて、冗長であるため信頼できる位置計測を行うことができる。
【0041】
第1のアーム部分がベースに隣接し、第1のギヤードモータによって第1のアーム部分をベースに対して作動させることができ、第2のギヤードモータによって第2のアーム部分を第1のアーム部分に対して作動させることができ、第2のアーム部分が第3のギヤードモータを有し、第3のギヤードモータによって、第2のアーム部分に隣接する第3のアーム部分を第2のアーム部分に対して作動させることができるように、ロボットアームを形成することができる。その場合、ベースは、ロボットアームと周囲環境との間のインターフェースを形成することが好ましい。第1のアーム部分が好ましくは第1のギヤードモータのみを有することによって、第1のアーム部分を第1の部分長手軸に沿って非常に短く形成することができる。これによって、比較的小さな動きとわずかな労力で、ベースから遠いロボットアームの端により、ベース付近の点に到達できる。したがって、全体として、ロボットアームの設置空間と比べてその作業空間を更に拡大することができる。その場合、作業空間という用語は、ベースから遠いロボットアームの端によって到達できるすべてのポイントの全体を表す。
【0042】
本発明の一発展形態では、第1のアーム部分はベースに対して第1の部分長手軸を中心として回転可能に支承されており、第3のアーム部分は、第2のアーム部分に対して部分長手軸を中心として回転可能に支承されている。このような配置によって、ロボットアームの大きい作業空間を、同時に小さい設置空間で実現することができる。
【0043】
本発明の一発展形態では、ロボットアームのアーム部分のうちの少なくとも1つに、ロボットアームを少なくとも部分的に覆う可撓性のエネルギー放散カバーが配置されている。それによって、カバーの領域でロボットアームと周辺環境に位置する人又は物体との衝突が発生した場合、接触箇所に作用するエネルギーをロボットアームの側から迅速かつ効果的に放出すること、及び衝突する人又は物体へのエネルギーの作用、及びこれに伴う人若しくは物体の変形を最小化することができる。これによって、特にロボットアームを協働ロボットと共に使用する場合に、負傷の危険を軽減することができる。
【0044】
カバーがロボットアームにばね弾性的に支承されていることにより、この効果を増大することができる。特に、カバーを少なくとも1つの畳み折り部(Falz)によってばね弾性的にロボットアームに支承することができる。
【0045】
カバーは、ロボットアームの衝突を検出するための少なくとも1つのセンサを有することができる。センサを、特に、接触センサ及び/又は近接センサ及び/又は変形センサとして設計され得る。接触センサは接触を検出し、それにより人又は物体との衝突を検出することができる。近接センサは、人又は物体への接近を、すでに衝突の前段階で検知することができる。変形センサは、衝突の結果としてのカバーの変形を検出することができる。前述した検出のうちの1つ又は複数の結果として、衝突又はその結末を回避及び/又は軽減するための措置を講じることができる。特に、ロボットアームの動きを即時中断させることができる。これによって、特にロボットアームを協働作業で使用する場合の安全性を更に向上させることができる。
【0046】
以下の図をもとにして本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】第1の姿勢における複数のアーム部分を有するロボットアームの第1の例示的実施形態の斜視図である。
【
図1a】
図1の図示に参照番号を追加した図である。
【
図2a】アーム部分の一部及び従動かさ歯車の分解図である。
【
図2b】
図4aに示されるアセンブリの斜視断面図である。
【
図3】
図1に示される例示的実施形態の第2のアーム部分及び隣接するアーム部分のフォーク状の接続要素の斜視図である。
【
図4】第2の姿勢における
図1に示すロボットアームの斜視断面図である。
【
図4a】
図4の図示に参照符号を追加した図である。
【
図5】ロボットアームの第2の例示的実施形態の斜視図である。
【
図6a】第3の姿勢における
図1に示すロボットアームの図である。
【
図6b】
図6aに示すロボットアームと同じ姿勢における従来技術のロボットアームの図である。
【
図7a】部分Aに印が付けられた、
図6bに示すロボットアームの断面図である。
【
図7b】
図7aに示す断面の、
図7aにおいて印が付けられた部分Aの図である。
【
図8a】カバーを有するロボットアームの第3の例示的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1~
図8bは、様々な例示的実施形態を示す。同じ及び機能的に同じ部品には、同じ参照符号が使用される。
図1は、複数のアーム部分11を備えたロボットアーム10の第1の例示的実施形態を示す。
図2aには、アーム部分11のうちの1つの一部が従動かさ歯車12と共に示されている。アーム部分11は、部分長手軸14と、アーム部分11を作動させるためのギヤードモータ16とを有する。
図2bに示すように、ギヤードモータ16は、モータ18と伝動装置20とギヤードモータハウジング22とを有し、アーム部分11の支持構造は、部分長手軸14に沿ったギヤードモータハウジング22の領域において、少なくとも部分的にギヤードモータハウジング22のみによって形成されている。
【0049】
特に
図3からわかるように、アーム部分11は、3つの空間方向のうちの1つに、他の空間方向よりも長く延びることができる。部分長手軸14は、好ましくはこの空間方向に沿って向きが合わせられ、直線として設計されている。特に好ましくは、アーム部分11は、少なくとも部分的に実質的に円筒形に形成されている。
【0050】
ギヤードモータ16はブレーキユニット24を含むことができる(
図2b)。更に、ギヤードモータ16は、特にギヤードモータ16の位置を決定するためのエンコーダユニット26を有することができ、
図2bにはギヤードモータハウジング22の空の部分のみが示されている。
【0051】
アーム部分11を別のアーム部分11又は周囲環境に対して作動させることができる。通常、アーム部分11は、2つの接続箇所28で、特に別のアーム部分11に対して、又は周囲環境に対して支承されている。アーム部分11の支持構造は、好ましくは2つの接続箇所28を互いに接続し、接続箇所28間で力とトルクを伝達する役割を担う。
【0052】
部分長手軸14に沿ったギヤードモータハウジング22の領域において、アーム部分11の支持構造は、少なくとも部分的にギヤードモータハウジング22のみによって形成される。それによって、「アーム部分11の接続箇所28間で力とトルクを伝達する」機能を、この領域においてギヤードモータハウジング22に組み込むことができる。したがって、アーム部分11を、少なくともギヤードモータハウジング22のこの領域において追加の支持要素がないように設計することができる。
【0053】
このような追加の支持要素は、例えば、
図6bに示すような追加のロボットハウジング219であり得る。
図6aがロボットアーム10を示すのに対して、
図6bには従来技術のロボットアーム210が示されている。ロボットアーム210は、アーム部分211を有する。従来のロボットアーム210では、そこで使用されるギヤードモータ216が、それぞれのアーム部分211の支持構造を形成するロボットハウジング219にそれぞれ配置されている。
図7aは、従来のロボットアーム210の断面図を示す。特に、
図7bに拡大して示される細部Aは、従来のロボットアーム210では、ギヤードモータ216がギヤードモータハウジング222を有することを示す。ギヤードモータハウジング222は、ギヤードモータハウジング222を完全に取り囲むロボットハウジング219に対して支持されている。2つの接続箇所を互いに接続し、アーム部分の接続箇所228間で力とトルクを伝達する支持構造は、ギヤードモータハウジング222の領域においてロボットハウジング219によって形成される。したがって、ギヤードモータ216の領域において、支持構造は、ロボットハウジング219によって形成される。
【0054】
特に
図3に示すように、アーム部分11は直線的に形成されることが好ましい。その場合、部分長手軸14は、アーム部分11の接続箇所28を直線で互いに接続することができる。したがって、アーム部分11を、特に湾曲がないようにすることができる。それによって、
図6aと
図6bに示されるロボットアーム10、210の比較が示すように、ロボットアーム10は、格段に場所をとらないように設計できるが、これに対して従来技術のロボットアーム210は、とりわけ湾曲した設計のアーム部分211によって格段に幅広に作られている。
【0055】
図2bの断面図は、ギヤードモータ16の出力シャフト30が、好ましくは部分長手軸14と平行に配置されていることを示す。このような配置により、特に、ロボットアーム10が接続箇所28の領域において幅広に作られ、多くの空間を占めることを回避できる。説明のために、
図6bを参照されたい。そこに示されるロボットアーム210は、特に接続箇所228の領域において、ロボットアーム10と比べて特に場所をとる構造となっている。ギヤードモータハウジング22は円筒形に形成でき、出力シャフト30は端面32でギヤードモータハウジング22から出ることができる。
【0056】
ギヤードモータ16は、中空シャフトとして設計されたモータシャフト34を有することができる。したがって、モータシャフト34を特にラインを挿通するために用いることができる。モータシャフト34に通されるラインは、例えば、電線、又は圧縮空気ラインなどの媒体を通すラインであることができる。伝動装置20は、好ましくは3軸伝動装置として、特に好ましくは遊星伝動装置として設計されている。
【0057】
アーム部分11には、アーム部分11を延長するための延長部品36を部分長手軸14に沿って配置することができる。延長部品36は様々な長さで利用可能であることが好ましい。延長部品36は、アーム部分11の構成要素をなすことが好ましい。
【0058】
延長部品36は、部分長手軸14に沿って、特にギヤードモータハウジング22に隣接し、少なくとも部分的にアーム部分11の単独支持構造を形成することができる。
図1、
図4、
図6aに示されるロボットアーム10は、第1の部分長手軸14aと第1のギヤードモータ16aとを有する、第1のアーム部分11aを有することができる。更に、ロボットアーム10は、第2の部分長手軸14bと第2のギヤードモータ16bとを有する、第1のアーム部分11aに隣接する第2のアーム部分11bを有することができる。第2のアーム部分11bは、更に、第3のギヤードモータ16cを有することができる。第2のアーム部分11bは、アーム部15の構成要素であることができ、このアーム部は、第2のアーム部分11bの他に、第2のアーム部分11bに隣接する第3のアーム部分11cを含み、第3のアーム部分は第4のギヤードモータ16dを有している。その場合、第3のアーム部分11cは、第3のギヤードモータ16cによって、第2の部分長手軸14bを中心として、第2のアーム部分11bに対して作動可能である(特に
図4bを参照)。
【0059】
好ましくは、第2のギヤードモータ16b、第3のギヤードモータ16c、及び第4のギヤードモータ16dは、第2の部分長手軸14bに沿って配置されている。ギヤードモータ16b、16c、16dの各々のモータシャフト34は、第2の部分長手軸14b上に配置されることが特に好ましい。したがって、第2のギヤードモータ16b、第3のギヤードモータ16c、及び第4のギヤードモータ16dを第2の部分長手軸14bに沿って一列に配置することができる。好ましくは、第3のギヤードモータ16cは、第2のギヤードモータ16bに隣接して、及び第4のギヤードモータ16dに隣接して、配置される。
【0060】
第2のアーム部分11bを、第1の部分長手軸14a及び第2の部分長手軸14bに対して直角にオフセットして配置された屈曲軸38を中心として回転可能に、第1のアーム部分11aに対して支承することができる。その場合、第1のアーム部分11a、第2のアーム部分11b及び第3のアーム部分11cはそれぞれ、前述したアーム部分11によって形成されている。屈曲軸38は、第1のアーム部分11a及び第2のアーム部分11bの外側に配置されることが好ましい。
【0061】
ロボットアーム10を、屈曲軸38を中心に作用するトルクが、第2のアーム部分11bに配置された駆動かさ歯車42と第1の部分11aに配置された従動かさ歯車12とを有するかさ歯車伝動装置40として設計されたアングル伝動装置によって、第2のアーム部分11bと第1のアーム部分11aとの間で伝達可能であるように、設計することができる(特に
図4参照)。かさ歯車伝動装置40は、
図2a及び
図2bに特に良好に見えるように示されている。したがって、ロボットアーム10を、特に屈曲軸38の領域において、場所をとる角の多い構造のないように実現することができる。駆動かさ歯車42は、好ましくは、第2のギヤードモータ16bの第2の出力シャフト30bを形成する。第2の出力シャフト30bは、屈曲軸38に対して角度を付けて、特に直角にオフセットして配置することができる。
【0062】
このような配置の、特に必要な設置空間に対する効果は、この場合も
図6aに示すロボットアーム10と
図6bに示す従来技術のロボットアーム210とを比較すると明らかである。ロボットアーム210は、屈曲軸238の領域においてかなり幅広に作られている。
図7aと
図7bの断面図は設計上の背景を示す。かさ歯車伝動装置40のようなアングル伝動装置は存在しない。これに対して、ギヤードモータ216は、ギヤードモータ216の出力シャフト230が屈曲軸238と平行に配置されるように、屈曲軸238上に配置されている。
【0063】
好ましくは、駆動かさ歯車42は第2のギヤードモータ16bに配置され、従動かさ歯車12は第1のアーム部分11aに配置されている。これにより、第2のアーム部分11bを、第1のアーム部11aに対して第2のアーム部分11bから作動させることができる。
【0064】
特に、駆動かさ歯車42と従動かさ歯車12の直径比をもとにして明らかになるように、かさ歯車伝動装置40は、駆動かさ歯車12を起点として減速比を有することができる。このようにして、屈曲軸38に必要な高トルクを屈曲軸38に直接発生させることができ、それに対応して、第2のギヤードモータ16bから見てその前に配置されたドライブトレイン、特に伝動装置20を軽量かつ省スペース的に寸法設定することができる。
【0065】
図1に示すように、第1のアーム部分11aが、第1のフォーク突起48及び第2のフォーク突起50を含む第1の接続要素46を有し、第1のフォーク突起48と第2のフォーク突起50との間に第2のアーム部分11bの第2の接続要素52が配置されるように、第2のアーム部分11bを、屈曲軸38を中心として第1のアーム部分11aに対して支承することができる。好ましくは、第1のフォーク突起48と第2のフォーク突起50は、U字の2つの脚を形成する。従動かさ歯車12は、好ましくは第1のフォーク突起48に一体回転可能に接続される。
【0066】
第2の接続要素52は、好ましくは、第3のフォーク突起54及び第4のフォーク突起56を含むフォーク状に形成されており、第3のフォーク突起54を第1のフォーク突起48に対して、及び第4のフォーク突起56を第2のフォーク突起50に対して、支承することができる。
【0067】
第2の接続要素52がかさ歯車伝動装置40のためのハウジングを有することが特に好ましい。
図2a及び
図2bからわかるように、かさ歯車伝動装置40のためのハウジングを第2の接続要素52に組み込むことができる。第2の接続要素52は、従動かさ歯車12の位置を検知するための角度センサ60を有することができる。
【0068】
第1の接続要素46は、屈曲軸38と第1の部分長手軸14aとによって形成される仮想の第1平面にU字形の断面を有することができる。したがって、第1の接続要素は、好ましくはボウル状の断面を有する。
【0069】
図5に示すように、ロボットアームを、屈曲軸38を中心に駆動又は制動するトルクが屈曲軸38上に配置された駆動ユニットによって提供されるように、設計することができる。その場合、駆動ユニット58を第1のフォーク突起48と第2のフォーク突起50との間に配置することができ、これら自体も第3のフォーク突起54と第4のフォーク突起56との間に配置することができる。更に、
図5の配置は、第1の接続要素46の他に、第2の接続要素52もU字形断面を、好ましくは屈曲軸38と第2の部分長手軸14bとによって形成される仮想の第2平面上に有することができる。U字形状を、これが一定の半径を有するように設計することができる。それにより、第1の接続要素46及び第2の接続要素52の断面をそれぞれ球形に形成することができる。
【0070】
特に
図1及び
図4からも、
図1a及び
図4aの対応する参照符号により分かるように、ロボットアームは第4のアーム部分11dを有することができ、第3のアーム部分11cは、第2の部分長手軸14bを中心として角度を付けて、特に直角にオフセットして配置された第2の屈曲軸38を中心として、第4のアーム部分11dに対して回転可能に支承されている。好ましくは、その場合、第4のアーム部分11dに対する第3のアーム部分11cの配置は、第1のアーム部分11aに対する第2のアーム部分11bの配置に相当するように設計されている。この配置は、支承部と、互いに隣接するアーム部分間の作用接続のために必要なすべての要素を含むことができる。
【0071】
したがって、ロボットアーム10を、第2の屈曲軸38bを中心に作用するトルクが、第2のかさ歯車伝動装置40bを介して第3のアーム部分11cと第4のアーム部分11dとの間で伝達可能であるように、設計することができる。第2のかさ歯車伝動装置40bは、好ましくはかさ歯車伝動装置40に相当し、したがって同様に駆動かさ歯車42と従動かさ歯車12とを有することができる。第2のかさ歯車伝動装置40bの駆動かさ歯車42は第3のアーム部分11cに配置され、第2かさ歯車伝動装置40bの従動かさ歯車12は第4のアーム部分11dに配置されることが好ましい。
【0072】
図2bの図示によれば、第2のかさ歯車伝動装置40bの駆動かさ歯車42を第4のギヤードモータ16cに配置することができ、第2のアングル伝動装置40bの従動かさ歯車12を第4のアーム部分11dに配置することができる。これにより、
図4に示すように、第3のアーム部分11cに対して、第4のアーム部分11dを第3のアーム部分11cから作動させることができる。
【0073】
図1及び
図4に示すように、ロボットアーム10では、第3のアーム部分11cを、第4のアーム部分11dがフォーク状の第4の接続要素46bを有するように、第2の屈曲軸38bを中心として第4のアーム部分11dに対して支承することができる。対応する参照番号は
図1a及び
図4aに記されている。第4の接続要素46bは、好ましくは、第1の接続要素46に相当する。したがって、第4の接続要素も、U字の2つの脚を形成する、第1のフォーク突起48と第2のフォーク突起50とを有することができる。第3のアーム部分11cの第3の接続要素52bを、第4の接続要素46bの第1のフォーク突起48と第2のフォーク突起50との間に配置することができる。好ましくは、第4の接続要素の第1のフォーク突起及び第2のフォーク突起はU字の2つの脚を形成する。
【0074】
第3の接続要素52bは、第2の接続要素52に相当するように設計されていることが好ましい。したがって、特にフォーク状に設計することができる。したがって、第3の接続要素52bも、第3のフォーク突起54と第4のフォーク突起56とを有することができる。その場合、第3のフォーク突起54を第4の接続要素46bの第1のフォーク突起48に対して、及び第4のフォーク突起56を第4の接続要素46bの第2のフォーク突起50に対して、支承することができる。
【0075】
第4の接続要素46bは、第2の屈曲軸38bと第4の部分長手軸14dとによって形成される仮想の第4平面に、及び第3の接続要素52bは、第2の屈曲軸38bと第2の部分長手軸14bとによって形成される仮想の第3平面に、それぞれU字形の断面を有することができる。したがって、第3の接続要素52bと第4の接続要素46bがボウル状の断面を有することが好ましい。
【0076】
図1、
図4、
図6に示されるロボットアーム10を、第1のアーム部分11aがベース62に隣接し、第1のギヤードモータ16aによって第1のアーム部分11aをベース62に対して作動可能であるように、設計することができる。その場合、第2のアーム部分11bは、第2のギヤードモータ16bによって、第1のアーム部分11aに対して作動させることができる。更に、第2のアーム部分11bが第3のギヤードモータ16cを有することができ、この第3のギヤードモータによって、第2のアーム部分11bに隣接する第3のアーム部分11cを、第2のアーム部分11bに対して作動させることができる。その場合、ベース62は、ロボットアーム10と周囲環境との間のインターフェースを形成することが好ましい。第1のアーム部分11aが、好ましくは第1のギヤードモータ16aのみを有することによって、第1のアーム部分を、第1の部分長手軸14aに沿って非常に短く形成することができる。それによって、比較的小さな動きとわずかな労力で、ベース62から遠いロボットアーム10の端64により、ベース62付近の点に到達できる。
【0077】
第1のアーム部分11aは、好ましくは、第1の部分長手軸14aを中心として、ベース62に対して回転可能に支承されている。第3のアーム部分11cは、好ましくは、第2の部分長手軸14bを中心として、第2のアーム部分11bに対して回転可能に支承されている。
【0078】
図8aに示すように、ロボットアーム10を少なくとも部分的に覆う可撓性のエネルギー放散カバー66を、ロボットアーム10のアーム部分11、11a、11bの少なくとも1つに配置することができる。これによって、特にロボットアーム10を協働ロボットと共に使用する場合に、負傷の危険を軽減することができる。
【0079】
カバー66がロボットアーム10にばね弾性的に支承されていることにより、この効果を増大させることができる。特に、カバー66は、少なくとも1つの畳み折り部68によってロボットアーム10にばね弾性的に支承することができる。
図8bにカバー66のみが示されている。
【0080】
カバー66は、ロボットアームの衝突を検出するための、
図8a及び
図8bに図示されない少なくとも1つのセンサを有することができる。それによって、特にロボットアーム10を共同作業で使用する場合の安全性を更に向上させることができる。
【符号の説明】
【0081】
10 ロボットアーム
11 アーム部分
11a 第1のアーム部分
11b 第2のアーム部分
11c 第3のアーム部分
11d 第4のアーム部分
12 従動かさ歯車
14 部分長手軸
14a 第1の部分長手軸
14b 第2の部分長手軸
14d 第4の部分長手軸
15 アーム部
16 ギヤードモータ
16a 第1のギヤードモータ
16b 第2のギヤードモータ
16c 第3のギヤードモータ
16d 第4のギヤードモータ
18 モータ
20 伝動装置
22 ギヤードモータハウジング
24 ブレーキユニット
26 エンコーダユニット
28 接続箇所
30 出力シャフト
30b 第2の出力シャフト
32 端面
34 モータシャフト
36 延長部品
38 屈曲軸
38b 第2の屈曲軸
40 かさ歯車伝動装置
40b 第2のかさ歯車伝動装置
42 駆動かさ歯車
46 第1の接続要素
46 第4の接続要素
48 第1のフォーク突起
50 第2のフォーク突起
52 第2の接続要素
52b 第3の接続要素
54 第3のフォーク突起
56 第4のフォーク突起
58 駆動ユニット
60 角度センサ
62 ベース
64 遠い端
66 カバー
68 畳み折り部
210 ロボットアーム(従来技術)
211 アーム部分(従来技術)
216 ギヤードモータ(従来技術)
219 ロボットハウジング
222 ギヤードモータハウジング
228 接続箇所
230 出力シャフト
238 屈曲軸
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム(10)のアーム部分(11)であって、部分長手軸(14)と、前記少なくとも1つのアーム部分(11)を作動させるための少なくとも1つのギヤードモータ(16)とを備え、前記ギヤードモータ(16)がモータ(18)と伝動装置(20)とギヤードモータハウジング(22)とを有する、アーム部分において、
前記アーム部分の支持構造が、前記部分長手軸(14)に沿った前記ギヤードモータハウジング(22)の領域において、少なくとも部分的に前記ギヤードモータハウジング(22)のみによって形成されている
ことを特徴とする、アーム部分。
【請求項2】
前記アーム部分(11)が直線的に設計されている
ことを特徴とする、
請求項1に記載のアーム部分(11)。
【請求項3】
前記ギヤードモータ(16)の出力シャフト(30)が前記部分長手軸(14)に対して平行に配置されている
ことを特徴とする、
請求項
1に記載のアーム部分(11)。
【請求項4】
前記ギヤードモータ(16)が中空シャフトとして設計されたモータシャフト(34)を有する
ことを特徴とする、
請求項
1に記載のアーム部分(11)。
【請求項5】
前記伝動装置(20)が3軸伝動装置として設計されている
ことを特徴とする、
請求項
1に記載のアーム部分(11)。
【請求項6】
別のギヤードモータ(16)、及び/又は前記アーム部分(11)を延長するための延長部品(36)、及び/又は更なる機能モジュールを、前記部分長手軸(14)に沿って前記アーム部分(11)に配置可能である
ことを特徴とする、
請求項
1に記載のアーム部分(11)。
【請求項7】
ロボットアーム(10)であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアーム部分(11)を備えたロボットアーム。
【請求項8】
ロボットアーム(10)のアーム部(15)であって、
第2の部分長手軸(14b)と、
第2のギヤードモータ(16b)と、
第3のギヤードモータ(16c)と、
を含む第2のアーム部分(11b)と、
第4のギヤードモータ(16d)を含む、前記第2のアーム部分(11b)に隣接する第3のアーム部分(11c)と、
を有し、
前記第3のギヤードモータ(16c)によって、前記第3のアーム部分(11c)を、前記第2の部分長手軸(14b)を中心として前記第2のアーム部分に対して作動可能である、アーム部。
【請求項9】
前記第2のアーム部分(11b)及び/又は前記第3のアーム部分(11c)はそれぞれ、請求項1~6のいずれか一項に記載のアーム部分(11)によって形成されている
ことを特徴とする、
請求項8に記載のアーム部(15)。
【請求項10】
ロボットアーム(10)であって、第1の部分長手軸(14a)及び第1のギヤードモータ(16a)を有する第1のアーム部分(11a)と、
前記第1のアーム部分(11a)に隣接し、第2の部分長手軸(14b)及び第2のギヤードモータ(16b)を有する第2のアーム部分(11b)、
又は
前記第2のアーム部分(11b)により前記第1のアーム部分(11a)に隣接する、請求項
8に記載のアーム部(15)
と、を備え、
前記第2のアーム部分(11b)が、前記第1の部分長手軸(14a)及び前記第2の部分長手軸(14b)に対して角度を付けてオフセットして配置された屈曲軸(38)を中心として、前記第1のアーム部分(11a)に対して回転可能に支承されている、ロボットアームにおいて、
前記第1のアーム部分(11a)と前記第2のアーム部分(11b)がそれぞれ、請求項1~6のいずれか一項に記載のアーム部分(11)によって形成されていることを特徴とする、ロボットアーム。
【請求項11】
前記屈曲軸(38)を中心に作用するトルクを、前記第2のアーム部分(11b)に配置された駆動要素と前記第1の部分(11a)に配置された従動要素とを有するアングル伝動装置によって、前記第2のアーム部分(11b)と前記第1のアーム部分(11a)との間で伝達可能である
ことを特徴とする、
請求項10に記載のロボットアーム(10)。
【請求項12】
前記駆動要素が前記第2のギヤードモータ(16b)に配置され、前記従動要素が前記第1のアーム部分(11a)に配置されている
ことを特徴とする、
請求項11に記載のロボットアーム(10)。
【請求項13】
前記アングル伝動装置は、前記駆動要素を起点として減速比を有する
ことを特徴とする、
請求項1
1に記載のロボットアーム(10)。
【請求項14】
前記アングル伝動装置がかさ歯車伝動装置(40)として形成されており、前記駆動要素が駆動かさ歯車(42)によって形成され、前記従動要素が従動かさ歯車(12)によって形成される
ことを特徴とする、
請求項1
1に記載のロボットアーム(10)。
【請求項15】
前記第2のアーム部分(11b)は、前記第1のアーム部分(11a)が第1のフォーク突起(48)及び第2のフォーク突起(50)を含むフォーク状の第1の接続要素(46)を有し、前記第2のアーム部分(11b)の第2の接続要素(52)が前記第1のフォーク突起(48)と前記第2のフォーク突起(50)との間に配置されるように、前記屈曲軸(38)を中心として第1のアーム部分(11a)に対して支承されている
ことを特徴とする、
請求項10に記載のロボットアーム(10)。
【請求項16】
前記第2の接続要素(52)は、第3のフォーク突起(54)及び第4のフォーク突起(56)を含むフォーク状に形成されており、前記第3のフォーク突起(54)が前記第1のフォーク突起(48)に対して支承され、前記第4のフォーク突起(56)が前記第2のフォーク突起(50)に対して支承されている
ことを特徴とする、
請求項15に記載のロボットアーム(10)。
【請求項17】
前記第1の接続要素(46)は、前記屈曲軸(38)と前記第1の部分長手軸(14a)とによって形成される仮想の第1平面に、及び/又は、前記第2の接続要素(52)は、前記屈曲軸(38)と前記第2の部分長手軸(14b)とによって形成される仮想の第2平面に、それぞれU字形の断面を有する
ことを特徴とする、
請求項1
5に記載のロボットアーム(10)。
【請求項18】
前記第2のアーム部分(11b)は、前記第1のアーム部分(11a)が第1のフォーク突起(48)及び第2のフォーク突起(50)を含むフォーク状の第1の接続要素(46)を有し、前記第2のアーム部分(11b)の第2の接続要素(52)が前記第1のフォーク突起(48)と前記第2のフォーク突起(50)との間に配置されるように、前記屈曲軸(38)を中心として第1のアーム部分(11a)に対して支承されており、
前記アングル伝動装置の前記従動要素は、前記第1の接続要素(46)の前記第1のフォーク突起(48)及び/又は前記第2のフォーク突起(50)に一体回転可能に接続されている
ことを特徴とする、
請求項1
1に記載のロボットアーム(10)。
【請求項19】
前記屈曲軸(38)を中心に作用するトルクを、前記第2のアーム部分(11b)に配置された駆動要素と前記第1の部分(11a)に配置された従動要素とを有するアングル伝動装置によって、前記第2のアーム部分(11b)と前記第1のアーム部分(11a)との間で伝達可能であり、
前記第2の接続要素(52)は、前記アングル伝動装置のためのハウジングを有する
ことを特徴とする、
請求項1
5に記載のロボットアーム(10)。
【請求項20】
前記屈曲軸(38)を中心に作用するトルクを、前記第2のアーム部分(11b)に配置された駆動要素と前記第1の部分(11a)に配置された従動要素とを有するアングル伝動装置によって、前記第2のアーム部分(11b)と前記第1のアーム部分(11a)との間で伝達可能であり、
前記第2の接続要素(52)は、前記従動要素の位置を検知するための角度センサ(60)を有する
ことを特徴とする、
請求項1
5に記載のロボットアーム(10)。
【請求項21】
前記ロボットアーム(10)が第4のアーム部分(11d)を有し、前記第3のアーム部分(11c)は、前記第2の部分長手軸(14b)に対して角度を付けてオフセットして配置された第2の屈曲軸(38b)を中心として、前記第4のアーム部分(11d)に対して回転可能に支承されており、前記第4のアーム部分(11d)に対する前記第3のアーム部分(11c)の配置は、前記第1のアーム部分(11a)に対する前記第2のアーム部分(11b)の配置に相当するように形成されている
ことを特徴とする、
前記第2のアーム部分(11b)により前記第1のアーム部分(11a)に隣接する、請求項
8に記載の前記アーム部(15)を有する
、請求項10に記載
のロボットアーム(10)。
【請求項22】
前記第1のアーム部分(11a)がベース(62)に隣接し、前記第1のギヤードモータ(16a)によって前記第1のアーム部分(11a)を前記ベース(62)に対して作動可能であり、前記第2のギヤードモータ(16b)によって前記第2のアーム部分(11b)を前記第1のアーム部分(11a)に対して作動可能であり、前記第2のアーム部分(11b)が第3のギヤードモータ(16c)を有し、前記第3のギヤードモータによって、前記第2のアーム部分(11b)に隣接する第3のアーム部分(11c)を前記第2のアーム部分(11b)に対して作動可能である
ことを特徴とする、
請求項1
0に記載のロボットアーム(10)。
【請求項23】
前記第1のアーム部分(11a)は、前記第1の部分長手軸(14a)を中心として、前記ベース(62)に対して回転可能に支承され、前記第3のアーム部分(11c)は、前記第2の部分長手軸(14b)を中心として、前記第2のアーム部分(11b)に対して回転可能に支承されている
ことを特徴とする、
請求項22に記載のロボットアーム(10)。
【請求項24】
前記アーム部分(11、11a、11b)のうちの少なくとも1つに、可撓性のエネルギー放散カバー(66)が配置されており、前記カバーは、前記ロボットアームを少なくとも部分的に覆う
ことを特徴とする、
請求項
1に記載のロボットアーム(10)。
【請求項25】
前記カバー(66)は、前記ロボットアーム(10)にばね弾性的に支承されている
ことを特徴とする、
請求項24に記載のロボットアーム(10)。
【請求項26】
前記カバー(66)は、前記ロボットアーム(10)の衝突を検出するための少なくとも1つのセンサを有する
ことを特徴とする、
請求項24または25に記載のロボットアーム(10)。
【国際調査報告】