(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】液体医薬製品の容器のための外観検査システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
G01N21/90 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545155
(86)(22)【出願日】2023-02-07
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 US2023012458
(87)【国際公開番号】W WO2023154256
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン,トーマス・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ミルン,グラハム・エフ
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA14
2G051AA15
2G051AA18
2G051AA28
2G051AB07
2G051AB15
2G051BA01
2G051BA11
2G051CA03
2G051CA04
2G051CB02
2G051CC07
(57)【要約】
自動外観検査(AVI)システムが、検査対象を通る光軸を有する少なくとも1つの側方視撮像装置と、光軸に軸方向にアライメントされた近位偏光フィルムと、光軸に軸方向にアライメントされた液晶デバイスと、光軸に軸方向にアライメントされた遠位偏光フィルムと、遠位偏光フィルムに向けて照明を放出するように向けられた少なくとも1つの光源とを備え得る。代替的又は追加的に、AVIシステムは、容器の側壁を通って容器に入る光軸を有する側方視撮像装置と、容器の中心軸に同軸にアライメントされ、容器の下方にあり、容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライトとを備え得る。AVIシステムはまた、中心軸に同軸にアライメントされ、容器の底部を見るように向けられた底部撮像装置を備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に半透明である検査対象を通る光軸を有する側方視撮像装置であって、前記検査対象が前記側方視撮像装置から第1の距離に配置される、側方視撮像装置と、
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第2の距離に配置され、前記光軸に垂直に向けられた近位偏光フィルムであって、前記第2の距離が前記第1の距離よりも短い、近位偏光フィルムと、
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第3の距離に配置され、前記近位偏光フィルムに平行に向けられた液晶デバイスであって、前記第3の距離が、前記第2の距離よりも長く、前記第1の距離よりも短い、液晶デバイスと、
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第4の距離に配置され、前記近位偏光フィルム及び前記液晶デバイスに平行に向けられた遠位偏光フィルムであって、前記第4の距離が前記第1の距離よりも長い、遠位偏光フィルムと、
前記遠位偏光フィルムに向けて照明を放出するように向けられた光源と
を備える、自動外観検査システム。
【請求項2】
前記検査対象が容器である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器が、バイアル、シリンジ、又はカートリッジを含む群から選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器の中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の下方にあり、前記容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライトを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の前記底部を見るように向けられた底部撮像装置を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
容器回転装置、又はそれぞれの光軸が検査対象のそれぞれの側面の少なくとも一部を見るように向けられた1つ以上の追加の側方視撮像装置の少なくとも一方を更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の追加の側方視撮像装置が、4つの側方視撮像装置から構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも部分的に半透明である検査対象を撮像する方法であって、前記方法が、
光源から照明を放出することと、
遠位偏光フィルムを使用して、前記光源から放出された前記照明を偏光させることと、
前記偏光された照明を、前記検査対象の少なくとも一部、次に液晶デバイス、次に近位偏光フィルムに通すことと、
側方視撮像装置によって前記検査対象の1つ以上の画像を取り込むことであって、前記側方視撮像装置が前記検査対象の側壁と交差する光軸を有する、ことと
を含む、方法。
【請求項9】
前記検査対象が容器である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記容器が、バイアル、シリンジ、又はカートリッジを含む群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する少なくとも1つの欠陥を検出するために、前記容器の前記1つ以上の画像を分析することを更に含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの欠陥が、前記容器内の粒子又は繊維を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
容器の側壁を通って前記容器に入る光軸を有する側方視撮像装置であって、前記容器が少なくとも部分的に半透明であり、前記側方視撮像装置から第1の距離に配置される、側方視撮像装置と、
前記容器の中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の下方にあり、前記容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライトと、
前記容器を支持及び/又は固定する保持手段と
を備える、自動外観検査システム。
【請求項14】
容器回転装置、又はそれぞれの光軸が前記容器のそれぞれの側面の少なくとも一部を見るように向けられた1つ以上の追加の側方視撮像装置の少なくとも一方を更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上の追加の側方視撮像装置が、4つの側方視撮像装置から構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の前記底部を見るように向けられた底部撮像装置を更に備える、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第2の距離に配置され、前記光軸に垂直に向けられた近位偏光フィルムであって、前記第2の距離が前記第1の距離よりも短い、近位偏光フィルムと、
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第3の距離に配置され、前記近位偏光フィルムに平行に向けられた液晶デバイスであって、前記第3の距離が、前記第2の距離よりも長く、前記第1の距離よりも短い、液晶デバイスと、
前記光軸に軸方向にアライメントされ、前記側方視撮像装置から第4の距離に配置され、前記近位偏光フィルム及び前記液晶デバイスに平行に向けられた遠位偏光フィルムであって、前記第4の距離が前記第1の距離よりも長い、遠位偏光フィルムと、
前記遠位偏光フィルムに向けて照明を放出するように向けられた光源と
を更に備える、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
容器回転装置を更に備える、請求項13~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも部分的に半透明であり、液体サンプルを保持する容器を撮像する方法であって、前記方法が、
リングライトによって前記容器を照明することであって、前記リングライトが、前記容器の中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の下方にあり、前記容器の底部に向けて光を放出するように向けられる、照明することと、
側方視撮像装置によって1つ以上の側方視画像を取り込むことであって、前記側方視撮像装置が、前記容器の側壁を通って前記容器に入る光軸を有する、取り込むことと、
前記中心軸に同軸にアライメントされ、前記容器の前記底部を見るように向けられた底部撮像装置によって1つ以上の底部画像を取り込むことと
を含む、方法。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する少なくとも1つの欠陥を検出するために、前記容器の前記1つ以上の側方視画像を分析することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの欠陥が、前記容器内の粒子又は繊維を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの欠陥が、傷のある容器シールを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する少なくとも1つの欠陥を検出するために、前記容器の前記1つ以上の底部画像を分析することを更に含む、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの欠陥が、前記容器内の粒子又は繊維を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する少なくとも1つの欠陥を分類するために、前記容器の前記1つ以上の側方視画像を分析することを更に含む、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する前記少なくとも1つの欠陥が、前記容器内の粒子、前記容器内の繊維、又は傷のある容器シールのうちの1つに分類される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する少なくとも1つの欠陥を分類するために、前記容器の前記1つ以上の底部画像を分析することを更に含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記容器及び/又は前記容器の内容物に関連する前記少なくとも1つの欠陥が、前記容器内の粒子又は前記容器内の繊維に分類される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器を合格又は不合格のいずれかに分類するために、前記容器の前記1つ以上の側方視画像を分析することを更に含む、請求項19~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
1つ以上のプロセッサによって、前記容器を合格又は不合格のいずれかに分類するために、前記容器の前記1つ以上の底部画像を分析することを更に含む、請求項19~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記容器がバイアルである、請求項19~30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、液体医薬製品の容器の検査のための外観検査システムに関し、より詳細には、液体の意図的な攪拌なしに、液体医薬製品の容器(container)/器(vessel)を撮像する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造された製剤の品質管理手順等の特定の状況では、サンプル(例えば、流体サンプル)を、様々な粒子(例えば、タンパク質凝集物又はデブリ)の有無に関して調べる必要がある。適用される品質基準の下で、所与のサンプルの合否は、サンプル内に含まれる望ましくない粒子の数及び/又はサイズ等のメトリックに依存し得る。サンプルに許容できないメトリックがある場合、サンプルは、不合格とされて破棄され得る。
【0003】
同様に、関連する容器(例えば、バイアル、カートリッジ、シリンジ、器、シール等)を、様々な欠陥(例えば、バイアルシールの傷、容器の亀裂等)の有無に関して検査する必要がある。しばしば、様々な欠陥(例えば、粒子の有無、容器の底部に沈殿している粒子の有無、容器内の製品の表面に浮遊している粒子の有無、容器の欠陥、製品の欠陥等)を検出するために、様々な検査システム(例えば、手動又は自動外観検査システム等)が利用される。
【0004】
医薬品の商業生産に通常関連する量を処理するために、粒子及び容器の検査タスクは、ますます自動化されている。しかしながら、自動検査システムは、システムを複雑にすることなく、良好な粒子測定及び容器忠実度を実現するための様々な障壁を克服するのに苦労してきた。例えば、液体医薬製品はガラスバイアルに入れられて流通することが多い。これらのガラスバイアルを、異物及びバイアルシールクリンプの欠陥に関して検査することは、関連する自動外観検査(AVI)プロセスにおいて最も難しい課題の1つである。公知のAVIシステムでは困難である理由の1つは、粒子を確実に検出するためには液体の攪拌が必要であることである。攪拌を必要とするAVIシステムは、とりわけ、関連する液体の流体の特性及び充填レベルに大きく依存する。
【0005】
例えば、液体で満たされたバイアル内で粒子を検出する既知の方法の1つは、バイアルを高速で回転させ(例えば、1000~3000RPM)、バイアルが回転する際の一連の画像を取り込むことを含む。重い粒子は、遠心力によってバイアルの側壁の内面に向かって投げ飛ばされ得る。バイアルをバックライトで照らしながら、撮像装置から取得した一連の画像から粒子のシルエットが検出され得る。バイアルを回転させながら、少なくとも1つの静止した撮像装置から取得された一連の画像に基づいてバイアルの全周が検査され得る。
【0006】
別の例として、液体で満たされたバイアル内で粒子を検出する別の方法は、バイアルを回転させ、回転するバイアルを突然停止させることを含む(すなわち、「スピンストップ」法)。そして、液体が動いている間に、バイアルの複数の画像が取り込まれる。スピンストップ法では、例えば、バイアルの後続画像に関連する画像データを、バイアルの先行画像に関連するそれぞれの画像データと比較して、粒子の有無、及び任意選択で粒子の時系列軌跡を推測することができる。
【0007】
液体で満たされたバイアル内で粒子を検出するこれらの既知の技法は、関連する液体が意図的に攪拌されれば、欠陥を検出するのに適し得る。しかしながら、各方法は、バイアルの回転速度、バイアルの回転減速度、バイアル内の液体の流体粘度、バイアル内の製品の充填レベル、バイアル内の液体の流体表面張力等の幾つかのパラメータに大きく依存する。加えて、関連するバイアルの偽の不合格が、回転速度、減速度、流体粘度、充填レベル、流体の表面張力、気泡、ガラス上の表面欠陥、バイアルのネック領域に形成される液体の液滴等のパラメータによって、関連するAVIシステム内の他の撮像装置ステーションから反射された光から生じ得る。
【0008】
バイアル中で液体を攪拌することにより、一部の粒子の検出が改善され得るが、液体を攪拌しすぎると、バイアル内での気泡の形成、バイアルのネック部での亀裂に見える液滴の形成等の攪拌現象が発生し得る。新しい製品の回転及び検査パラメータを最適化するのに必要な時間に少なくとも部分的に起因して、液体で満たされたバイアル内で粒子を検出するための既知の技法は、多品種少量(HMLV)生産環境(例えば、臨床業務、小数バッチの製品等)には理想的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で説明される実施形態は、液体製品の容器(例えば、医薬品容器、バイアル、器等)の従来の外観検査技法を改善するシステム及び方法に関する。特に、本発明を実施するシステムは、容器内の液体の攪拌に意図的に依拠しない自動外観検査(AVI)システムを使用して二次元(2D)画像を取り込むことにより、液体を収容する器の撮像を提供する。
【0010】
本明細書で説明されるように、AVIシステムが、少なくとも部分的に半透明である検査対象(例えば、容器、器、バイアル、シリンジ、カートリッジ等)を通る光軸を有する側方視撮像装置を備え得る。検査対象は側方視撮像装置から第1の距離に配置される。AVIシステムはまた、光軸に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置から第2の距離に配置され、光軸に垂直に向けられた近位偏光フィルムを備え得る。第2の距離は第1の距離よりも短い。AVIシステムは、光軸に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置から第3の距離に配置され、近位偏光フィルムに平行に向けられた液晶デバイスを更に備え得る。第3の距離は、第2の距離よりも長く、第1の距離よりも短い。AVIシステムは、光軸に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置から第4の距離に配置され、近位偏光フィルム及び液晶デバイスに平行に向けられた遠位偏光フィルムをまた更に備え得る。第4の距離は第1の距離よりも長い。AVIシステムはまた、遠位偏光フィルムに向けて照明を放出するように向けられた光源を備え得る。
【0011】
検査対象を撮像するコンピュータ実施方法が、光源から照明を放出することを含み得る。本方法はまた、遠位偏光フィルムを使用して、光源から放出された照明を偏光させることを含み得る。本方法は、検査対象に向けて、液晶デバイスを通して、近位偏光フィルムを通して、偏光された照明を透過させることを更に含み得る。本方法は、側方視撮像装置によって検査対象の側壁の画像を取り込むことであって、側方視撮像装置が検査対象の側壁と交差する光軸を有する、ことをまた更に含み得る。
【0012】
代替的又は追加的に、自動外観検査(AVI)システムが、容器の側壁を通って容器に入る光軸を有する側方視撮像装置を備え得る。容器は、少なくとも部分的に半透明であり得る。AVIシステムはまた、容器の中心軸に同軸にアライメントされ、容器の下方にあり、容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライトを備え得る。
【0013】
AVIシステムは、容器を支持及び/又は固定する保持手段を更に備え得る。本明細書で説明されるように、AVIシステムはまた、中心軸に同軸にアライメントされ、容器の底部を見るように向けられた底部撮像装置を備え得る。代替的又は追加的に、AVIシステムは、容器の中心軸及び/又は関連する光源に対して撮像装置の光軸を再配向する光軸再配向機構を備え得る。
【0014】
液体サンプルを保持する容器を撮像するコンピュータ実施方法が、リングライトによって容器を照明することであって、リングライトが、容器の中心軸に同軸にアライメントされ、容器の下方にあり、容器の底部に向けて光を放出するように向けられる、ことを含み得る。本方法はまた、側方視撮像装置によって側方視画像を取り込むことであって、側方視撮像装置が容器の側壁と交差して容器に入る光軸を有すし、容器が少なくとも部分的に半透明である、ことを含み得る。
【0015】
多品種少量又は他の製造環境で、取り込まれた画像に基づいて、容器(例えば、バイアル、シリンジ、カートリッジ等)を、異物若しくは繊維、及び/又は他の欠陥(例えば、損傷したクリンプ、傷のあるシール等)に関して検査する新規な方法が提供される。
【0016】
本明細書で説明される図面は、説明のために含められたものであり、本開示を限定するものではないことが当業者には理解されよう。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本開示の原理を示すことに重点が置かれている。幾つかの場合、記載される実施態様の様々な態様は、記載される実施態様の理解を促進するために誇張又は拡大して示される場合があることを理解されたい。図面では、種々の図面の全体を通した同様の参照符号は、全般的に、機能的に類似し、且つ/又は構造的に類似する構成要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】検査対象の両側且つ撮像装置と光源との間に偏光光学要素を有する例示的な自動外観検査システムの様々な図を示す。
【
図1B】検査対象の両側且つ撮像装置と光源との間に偏光光学要素を有する例示的な自動外観検査システムの様々な図を示す。
【
図1C】典型的な液晶デバイスの様々な状態を示す。
【
図2】容器の側壁を通って容器に入る光軸を有する撮像装置と共に、容器の中心軸に同軸に配置され、容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライトを有する別の例示的な自動外観検査システムを示す。
【
図3】
図1A、
図1B、及び
図2のシステムを、中心軸と同軸であり、容器の底部を見るように向けられた光軸を有する底部撮像装置と共に組み合わせた更なる例示的な自動外観検査システムを示す。
【
図4】は、
図3のシステムと共に、
図1A及び
図1Bの複数のシステムを組み合わせた、また更なる例示的な自動外観検査システムを示す。
【
図5A】
図1~
図4の外観検査システムのいずれか等の外観検査システムを使用して検査され得る、様々な例示的な容器タイプを示す。
【
図5B】
図1~
図4の外観検査システムのいずれか等の外観検査システムを使用して検査され得る、様々な例示的な容器タイプを示す。
【
図5C】
図1~
図4の外観検査システムのいずれか等の外観検査システムを使用して検査され得る、様々な例示的な容器タイプを示す。
【
図6】自動外観検査(AVI)のための1つ以上のニューラルネットワークの訓練及び/又は使用に関連する、本明細書で説明される様々な技法を実装し得る例示的なシステムの簡略化したブロック図である。
【
図7】
図1A及び
図1B又は
図2のAVIシステムと同様であり得るAVIシステムを提供する例示的な方法を示す。
【
図8】
図2、
図3、又は
図4のAVIシステムと同様であり得るAVIシステムを提供する例示的な方法を示す。
【
図9A】
図3又は
図4のシステムを使用して検査され得る例示的な容器の底面図を示す。
【
図9B】
図3又は
図4のシステムを使用して検査され得る例示的な容器の底面図を示す。
【
図10A】
図3又は
図4のシステムを使用して検査され得る別の例示的な容器の底面図を示す。
【
図10B】
図3又は
図4のシステムを使用して検査され得る別の例示的な容器の底面図を示す。
【
図11A】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図11B】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図12A】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図12B】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図13A】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図13B】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図14A】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図14B】
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器の側面図を示す。
【
図15】
図1~
図4及び
図6のシステムを使用して容器における欠陥を検出する例示的な自動外観検査方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上で導入され、以下でより詳細に論じる様々な概念は、多くの仕方のいずれかにより実施されてよく、説明される概念はどの特定の実施態様にも限定されない。複数の実施態様の例を説明目的で提供する。
【0019】
本開示の自動外観検査(AVI)システムは、容器の内部に液体製品を含む容器(例えば、
図5Cのバイアル505c、
図5Bのカートリッジ505b、
図5Aのシリンジ505a等)の検査に関連する複雑さを軽減する。例えば、本開示のAVIシステムは、容器の回転速度、容器の減速度、容器内の製品の流体粘度、容器内の製品の充填レベル、容器内の製品の流体表面張力、容器内の気泡、容器のガラス(又はプラスチック等)の表面欠陥、容器のネック領域に形成される液体の液滴、関連するAVIシステム内の他の撮像装置ステーションから反射される光等の変数を排除しないまでも減らすことができる。本明細書では主にAVIシステムを参照して実施形態を説明するが、様々な態様が手動外観検査システムにおいても適用され得ることを理解されたい。
【0020】
本開示のAVIシステムは、既知のシステムと比較して、関連する検査プロセスのスループット速度の向上に対応し得る。追加的又は代替的に、AVIシステムは、新しい製品の自動検査レシピのセットアップに必要な時間を短縮して、AVIシステムを多品種少量生産シナリオ(例えば、臨床業務、小数バッチの製品等)に特に有用なものにすることができる。本明細書の特定の実施形態について説明するように、容器内の液体製品を意図的に攪拌することなくバイアル又は他の容器の画像を取り込むことにより、関連する検査レシピを最適化する際に様々な流体特性がもたらす複雑さを実質的に排除することができる。
【0021】
図1A及び
図1Bは、検査対象105の両側且つ撮像装置110と光源130との間に偏光光学要素115、125を有する例示的な自動外観検査(AVI)システム100の様々な図を示す。「撮像装置」は、カメラ(例えば、CCDカメラ)単独でも、1つ以上の外部光学コンポーネント(例えば、レンズ、ミラー等)を含み得る。本明細書で使用される場合、撮像装置の「光軸」とは、光軸が検査される対象(例えば、容器)を通る領域における撮像装置の光路の軸を指す。よって、例えば、ミラーを使用した結果、撮像装置自体が中心軸に平行に走る方向を向いていても、撮像装置の「光軸」が容器の中心軸に直交することになり得る。多数のミラーが容器の周囲に配置されて、容器を様々な視点から見たものを、単一の撮像装置110の結果として得られる視野内に組み合わせることができる。
【0022】
AVIシステム100は、少なくとも部分的に半透明である検査対象105を通る光軸111を有する側方視撮像装置110を備え得る。
図1A及び
図1Bは、検査対象105がバイアルであることを示しているが、検査対象105は、代わりに、異なるタイプの半透明又は部分的に半透明である容器(例えば、シリンジ505a、カートリッジ505b等)、又は容器以外の対象であってもよい。検査対象105は、側方視撮像装置110から第1の距離に配置される。AVIシステム100はまた、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第2の距離に配置され、光軸111に垂直に向けられた近位偏光フィルム115を備え得る。第2の距離は第1の距離よりも短い。AVIシステム100は、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第3の距離に配置され、近位偏光フィルム115に平行に向けられた液晶デバイス120を更に備え得る。第3の距離は、第2の距離よりも長く、第1の距離よりも短い。AVIシステム100は、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第4の距離に配置され、近位偏光フィルム115及び液晶デバイス120に平行に向けられた遠位偏光フィルム125をまた更に備え得る。第4の距離は第1の距離よりも長い。AVIシステム100はまた、遠位偏光フィルム125に向けて照明を放出するように向けられた光源130を備え得る。光源130は、少なくとも1つのバックライト、角度付き照明等を含み得る。本明細書で使用される場合、「近位」及び「遠位」という相対的な用語は、撮像装置(例えば、側方視撮像装置110)に対する相対的な配置を示す。
【0023】
本明細書で使用される場合、物体が特定の基準軸に「軸方向にアライメントされる」とは、基準軸が物体と交差する、又は物体を通るように物体が配置されることを意味する。AVIシステム100に特に関連して、近位偏光フィルム115、液晶デバイス120、検査対象105、及び遠位偏光フィルム125は、側方視撮像装置110の光軸111に軸方向にアライメントされるため、光源130から放出された光は、側方視撮像装置110が受ける前に、遠位偏光フィルム125、検査対象105、液晶デバイス120、及び近位偏光フィルム115を通る。幾つかの実施形態では、撮像装置110は「側方視」撮像装置ではない。例えば、要素110、115、及び120は、サンプルを収容するウェルの下方に配置され得、要素125及び130はウェルの上方に配置され得る(又はその逆も同様である)。
【0024】
しかしながら、AVIシステム100は、
図1A及び
図1Bに示す構成を使用する場合、バイアル又は他の容器における粒子検査に特に有用であり得る。側方視撮像装置110は水平に向けられるように示されているが、撮像装置110は、代わりに、側方視撮像装置110の光軸111が撮像される容器105の中心軸106に垂直ではないように、上又は下に傾けられてもよい。例えば、側方視撮像装置110と同様の複数の撮像装置が、関連する光軸111が
図1A及び
図1Bに示す光軸111に対してわずかに上又はわずかに下に向けられるように、異なる「仰角」に向けられてもよい。これは、例えば、複数の二次元画像から、容器105及びその内容物の合成三次元画像を生成するのに特に有用であり得る。
【0025】
(
図13A及び
図13Bに対して)
図14A及び
図14Bに示すように、繊維1409の検出は、偏光フィルム115及び125から利益を得ることができる。撮像装置110は、光源130が通電され、液晶デバイス120が通電されていないとき、
図14A及び
図14Bの画像1400a、bを取得し得る。撮像装置110は、光源130及び液晶デバイス120の両方が通電されるとき、
図13A及び
図13Bの画像1300a、bを取得し得る。
【0026】
図1Bは、入射側の偏光フィルム125を取り除き、光源130の前に遠位偏光フィルム125を配置して、遠位偏光フィルム125と液晶デバイス120との間にバイアル105があるようにすることによるAVIシステム100の修正形態を示しており、(それぞれ液晶デバイス120を非通電又は通電することによって)偏光効果をオン又はオフに切り替えて、フィルタされた画像及びフィルタされていない画像の両方を取り込むことができる。したがって、AVIシステム100は、機械的な部品を使用することなしに、電子的に偏光のオン/オフを切り替えることができる。
【0027】
クリンプ上の欠陥及び容器ガラスの亀裂の検査等の他のタイプの検査は、偏光フィルタが設置されていると悪影響を受け得る。よって、液晶デバイス120が、関連する検査を最小限の数の撮像装置で高速に実行し得るように、偏光フィルタのオン/オフを迅速に切り替えることができる(すなわち、ある画像が、液晶デバイス120に通電した状態で取得され得、別の画像が、液晶デバイス120が非通電の状態で取得され得る)。
【0028】
図1Cは、典型的に構築された偏光デバイス100cを示し、機能図を示している。デバイス100cは、液晶セル120cの両側に2枚の偏光フィルム115c、125cを有し、遠位偏光フィルム125cは近位偏光フィルム115cと90°位相がずれている。電荷156cは、液晶を整列させ、デバイス100cに入射したのと同じ光の偏光を維持させる。非通電時、結晶は遠位偏光フィルム125cからの光を近位偏光フィルム115cと同位相になるように回転させる。換言すれば、偏光デバイス100cが通電されていないとき、デバイスは光を90度回転させる。一方、偏光デバイス100cが通電されると、結晶は整列し、光を回転させない。典型的な偏光デバイス100cは、デバイス100cがセル120cの両側に偏光フィルム115c、125cを備えるため、「電子シャッタ」として使用され得る。これにより、非通電時には光を通し、通電時には光を遮ることができる。注目すべきことに、
図1A及び
図1BのAVIシステム100は、フィルム125が取り外され、
図1A及び
図1Bに示すように遠位偏光フィルム125により再配置された液晶デバイス120の実施形態を表し得る。偏光デバイス100cはねじれネマティックデバイスとして示されているが、デバイス100cは、任意の適切なセル120c(例えば、スメクチックセル、コレステリックセル等)を含み得る。
【0029】
AVIシステム100は、偏光が繊維(例えば、
図14A及び
図14Bの繊維1409)等の特定のタイプの欠陥の検出を改善する用途に特に有用である。一方、液晶デバイス120が通電されていない場合、他のタイプの欠陥(例えば、シールクリンプの欠陥、バイアルガラスの亀裂等)は、背景ノイズ(例えば、気泡、液滴等)に対してコントラストが低くなり得る。光源から放出している光と撮像装置110に入射する光との間の偏光角度は、液晶デバイス120を使用して0度~90度の偏光で切り替えられ得る。
【0030】
図2は、リングライト240の中心軸241が、容器205の中心軸206に同軸にアライメントされ、容器205の底部に向けて光を放出するように向けられた、別の例示的なAVIシステム200を示している。
図2(並びに
図3及び
図4)は、容器205がバイアルであることを示しているが、容器205は、代わりに、異なるタイプの半透明又は部分的に半透明である容器(例えば、シリンジ505a、カートリッジ505b、バイアル505c等)であってもよい。側方視撮像装置210が、容器205の側壁212を通って容器205に入る光軸211を有する。AVIシステム200は、容器205を支持及び/又は固定する保持手段(
図2に示さず)を更に備え得る。可能な保持手段については、後で詳しく論じる。
【0031】
本明細書で使用される場合、物体が特定の基準軸に「同軸にアライメントされる」とは、物体の軸(例えば、物体の中心軸206)が基準軸に実質的にアライメントされる(基準軸と実質的に同じである)ように物体が配置されることを意味する。AVIシステム200に特に関連して、リングライト240の中心軸241を容器205の中心軸206に同軸にアライメントすることにより、リングライト240から放出された光は、容器205の底部全体及び周囲部の周りに均一に投射され得る。
【0032】
AVIシステム200は、バイアルクリンプの傷欠陥の検出に特に適する。実際、一般に底部撮像装置(例えば、
図3の底部撮像装置335)のためにセットアップされたリングライト240は、画像(例えば、
図12A及び
図12Bの画像1200a、b)がリングライト240を通電した状態で側方視撮像装置210から取得された場合に、クリンプの検査に特に有用である。注目すべきは、従来のAVIセットアップを使用した場合、傷欠陥1109は、クリンプ1208で検出するのが最も困難な欠陥のうちの1つである。例えば、従来の外観検査システムは、容器シールの濃淡の違いに起因して、容器を誤って不合格にすることがある(つまり、シールの濃淡の違いが、従来のAVIシステムには、傷欠陥に見えることがある)。AVIシステム200は、この種の誤った不合格を減らすことができる。
【0033】
クリンプ検出と同じ利点(例えば、検査速度、欠陥の明確さ等)の幾つかが、粒子検査にも当てはまる。例えば、容器内の液体を意図的に攪拌しないAVIシステムは、新しい容器タイプ及び/又は新しい製品のためのAVIシステムセットアップを簡素化し得る。加えて、容器内の液体を意図的に攪拌しないAVIシステムは、粒子検出において粒子の動きに依存しない。このことは、容器が、容器の底部を通してだけでなく、側面において複数の角度から検査される場合に特に有利である(例えば、
図3のAVIシステム300)。光及び影の分散が少ない等、AVIシステム200の他の利点は、静止粒子の識別を改善し得る。
【0034】
図3は、
図1A及び
図2のシステムを組み合わせ、容器305の中心軸に同軸にアライメントされ、容器305の底部を見るように向けられた光軸336を有する底部撮像装置335を更に加えた、更なる例示的なAVIシステム300を示している。攪拌なしでは、ほとんどの粒子はバイアルの底部に沈殿し、底部撮像装置335から得られた画像において良好なコントラストで示される傾向がある。側方視撮像装置310は、繊維及び浮遊粒子、並びに亀裂、ガラスの他の欠陥、及びクリンプ領域の検査に使用され得る。
【0035】
AVIシステム300は、AVIプロセスのボトルネックとなり得るバイアル305を回転させる必要がない(すなわち、ランプアップ、写真撮影、ランプダウンがない)ため、回転ベースの検査よりも速いものであり得る。AVIシステム300は、ボトルネックの課題を軽減し得、よりリアルタイムに近いAVIを可能にし得る。AVIシステム300はまた、様々なタイプの流体/容器に対してどの攪拌速度が過剰であるかを決定するための実験が不要であるため、結果として、セットアップ/プログラミングをより迅速にすることができる。AVIシステム300の精度は、回転ベースの技法を含む方法にかなり匹敵し得る。AVIシステム300は、例えば液体製品を収容するバイアル内で、繊維だけでなく、ガラス粒子及び金属粒子を検出し得る。
【0036】
AVIシステム300は、容器305を支持及び/又は固定する保持手段345(例えば、容器をゆっくり回転させ得るガラス板、カルーセル、スターホイール、又はロボットアーム等)を備え得る。保持手段345はまた、本明細書でより詳細に説明される光軸再配向機構としても機能し得る。2つの撮像装置310、335を異なる照明構成(例えば、バックライト330及びリングライト340)と組み合わせることにより、自動外観検査システム300に求められる検査のほとんどを実行することができる。撮像装置の数を減らし、攪拌及び流体運動の必要性をなくすことは、一般にHMLV業務に必要とされる新しい製品のセットアップ及び特性評価にかかる時間を短縮するのを助ける。AVIシステム300のこのような構成を使用する物体検出は、すべての粒子及びクリンプ欠陥を優れて成功裏に検出することが判明した。その結果、300μmの金属粒子では94%、1000μmの金属粒子では100%、ガラス粒子では85%、繊維では92%と、手作業による検査を上回る検出率を示し、いずれにも誤った不合格(すなわち、良サンプルが欠陥ありと分類されること)はなかった。比較として、従来のAVI機器では、検査を行うためには、10種類を超える撮像装置と組み合わせた攪拌を必要とし得る。
【0037】
図4は、AVIシステム300と類似しているが、追加の側方視撮像装置を使用する、また更なる例示的なAVIシステム400を示している。AVIシステム200又はAVIシステム300では、バイアルクリンプの傷の検査等の幾つかの検査プロセスは、容器の周囲部の周りの画像をすべての側面の視点から取得し得るように、バイアルをゆっくりと回転させることを必要とする。このことは、検査プロセスを著しく遅くし得る。しかしながら、
図4のように5つの側方視撮像装置410を配置することにより、容器405を回転させる必要なしに、容器405全体を検査することができる。したがって、複数の側方視撮像装置410によって、各撮像装置410が容器に対して異なる光軸を有する状態で、一連の画像が取得され得る。
【0038】
図4は、容器405の周囲部の周りに5つの撮像装置410を配置することにより、容器405を回転させる必要性を緩和した特定の実施形態を示している。容器405を粒子及び容器側壁412の亀裂又は欠けに関して完全に検査するには、容器405の周囲部の周りで5枚の画像、すなわち72度ごとの画像を撮影すれば十分である。しかしながら、他の実施形態は、より多い(例えば、6つ)又はより少ない(例えば、4つ)の側方視撮像装置410を備えてもよい。多数のミラーが容器405の周囲に配置されて、容器405を様々な視点から見たものを、単一の撮像装置410の結果として得られる視野内に組み合わせることができる。
【0039】
図4から分かるように、AVIシステム400はまた、容器405及びリングライト440の中心軸に同軸にアライメントされ、容器405の底部を見るように向けられた底部撮像装置435を備え得る。
【0040】
システム400は、側壁412に対して光軸の向きを変える光軸再配向機構(それぞれが独自に向いた光軸を有する複数の撮像装置410)を備え得る。光軸再配向機構(それぞれが独自に向いた光軸を有する複数の撮像装置410)は、容器回転装置を備え得る。代替的又は追加的に、光軸再配向機構は、それぞれが容器の側壁を通るそれぞれの光軸を有する複数の側方視撮像装置410を容器の周囲部405の周囲に備え得る。
【0041】
図5A~
図5Cは、特定の医薬の背景において、
図1A及び
図1Bの外観検査システム100、
図2の外観検査システム200、
図3の外観検査システム300、又は
図4の外観検査システム400によって撮像されるサンプルとして使用され得る、様々な例示的な容器タイプを示している。最初に
図5Aを参照すると、例示的なシリンジ505aは、中空バレル502と、フランジ504と、バレル502の内部に可動流体シールを提供するプランジャ506と、シリンジ針(
図5Aには示さず)を覆う針シールド508とを備える。例えば、バレル502及びフランジ504は、ガラス及び/又はプラスチックから形成されてもよく、プランジャ506は、ゴム及び/又はプラスチックから形成されてもよい。針シールド508は、シリンジ505aの肩部510によって間隙512だけ隔てられる。シリンジ505aは、バレル502内及びプランジャ506の上方に液体(例えば、医薬品)514を収容する。典型的には、液体514の上部はメニスカス516を形成し、その上に空隙518がある。
【0042】
次に
図5Bを参照すると、例示的なカートリッジ505bは、中空バレル522と、フランジ524と、バレル522の内部に可動流体シールを提供するピストン526と、ルアーロック528とを備える。例えば、バレル522、フランジ524、及び/又はルアーロック528は、ガラス及び/又はプラスチックから形成されてもよく、ピストン526は、ゴム及び/又はプラスチックか形成されてもよい。カートリッジ505bは、バレル522内及びピストン526の上方に液体(例えば、医薬品)530を収容する。典型的には、液体530の上部はメニスカス532を形成し、その上に空隙534がある。
【0043】
次に
図5Cを参照すると、例示的なバイアル505cは、中空本体542及びネック部544を備え、2つの間の移行部が肩部546を形成する。バイアル505cの底部において、本体542はヒール548に移行する。クリンプ550は、バイアル505cの上部に流体シールを提供するストッパ(
図5Cでは見えていない)を含み、フリップキャップ552が、クリンプ550を覆う。例えば、本体542、ネック部544、肩部546、及びヒール548は、ガラス及び/又はプラスチックから形成されてもよく、クリンプ550は、金属から形成されてもよく、フリップキャップ552は、プラスチックから形成されてもよい。バイアル505cは、本体542内部に液体(例えば、医薬品)554を含み得る。典型的には、液体554の上部は、メニスカス556(例えば、本体542が比較的大きい直径を有する場合、極めてわずかに湾曲するメニスカス)を形成し、その上に空隙558がある。他の実施形態では、液体554は、代わりに、バイアル505c内で固体材料である。
【0044】
図6は、1つ以上のニューラルネットワーク又は他の機械学習(ML)システムの訓練(また場合により検証及び/又は認定)及び/又は使用に関連する、本明細書で説明される様々な技法を実装し得る例示的なシステム600の簡略化したブロック図である。システム600はまた、非MLのAVIシステムを試験/認定するために使用されてもよい。MLシステムに加えて、又はMLシステムの代替として、システム600は、MLを使用せず、代わりに決められたルール(例えば、空バイアル、低充填、高充填等)を使用する「コンピュータビジョン」アルゴリズムを含み得る。
【0045】
図6は、システム600が1つ以上のニューラルネットワークを実施する実施形態を示している。訓練され、認定されると、ニューラルネットワークは、容器及び/又はそれらの容器の内容物に関連する欠陥(例えば、
図9A~
図14Bに示す欠陥)を検出するために生産において使用され得る。医薬品の文脈において、例えば、ニューラルネットワークは、シリンジ、カートリッジ、バイアル、又は他の容器タイプに関連する欠陥(例えば、容器の傷のあるクリンプ/シール、亀裂、傷、汚れ、構成部品の欠落等)を検出し、及び/又は容器内の液体若しくは凍結乾燥医薬品に関連する欠陥(例えば、繊維、金属粒子、及び/又は他の異物粒子の有無、製品の色の変化等)を検出するために使用され得る。本明細書で使用される場合、「欠陥検出」とは、実施形態に応じて、欠陥(又は特定の欠陥カテゴリ)を示す、若しくは示さないものとしての容器画像の分類を指し得る、並びに/又は、容器及び/又はその内容物が欠陥ありと見なされるか否かに関係する特定の対象又は特徴(例えば、粒子又は亀裂)の検出を指し得る。
【0046】
システム600は、コンピュータシステム604に通信可能に結合された外観検査システム(VIS)602を備える。VIS602は、サンプル(例えば、流体又は凍結乾燥物質を保持する容器)のデジタル画像を取り込むように構成されたハードウェア(例えば、搬送機構、光源、撮像装置等)、並びにファームウェア及び/又はソフトウェアを含む。VIS602は、例えば、
図1~
図4を参照して本明細書でそれぞれ説明したAVIシステム100、200、300、400のいずれかを含んでもよいし、何らかの他の適切なシステムであってもよい。
【0047】
説明を容易にするために、本明細書では、システム600は、VIS602からの容器画像を使用して1つ以上のAVIニューラルネットワークを訓練及び検証して、次いで、訓練/検証されたニューラルネットワークを使用してAVI/欠陥検出を実行するものとして説明される。ただし、このことは必ずしも当てはまる必要はないことを理解されたい。例えば、システム600は、VIS602の代わりに、又はVIS602に加えて、幾つかの異なる外観検査システムによって生成された容器画像を使用して訓練及び/又は検証を実行し得る。更に、訓練/検証は、別のシステムによって実行されてもよく、システム600は、その後、訓練されたニューラルネットワークを(例えば、商業生産中に)使用し得る。幾つかの実施形態において、訓練及び/又は検証のために使用される容器画像のうちの一部又は全部は、商業ライン機器ステーションの重要な態様(例えば、光学、照明等)を密接に再現する1つ以上のオフライン(例えば、実験室ベースの)「模倣ステーション」を使用して生成され、それによって、商業ライン機器の過剰なダウンタイムを引き起こすことなく、訓練及び/又は検証ライブラリを拡張する。
【0048】
VIS602は、幾つかの容器のそれぞれを順次撮像してもよい。この目的を達成するために、VIS602は、各容器を撮像のための適切な位置に連続的に移動させることができ、次いで、容器の撮像が完了すると、容器を他所に移動させる、直角座標ロボット、カルーセル、スターホイール、及び/又は任意の他の保持手段等の保持手段を備えるか、又はそれと併せて動作してもよい。
図6には示していないが、VIS602は、コンピュータシステム604との通信を可能にする通信インターフェース及びプロセッサを備え得る。他の実施形態(例えば、実験室ベースのセットアップ)では、VIS602は、より簡素な保持手段(例えば、ガラス板で覆われた孔を有するステージ)を備える。
【0049】
コンピュータシステム604は、一般に、以下で詳述するように、VIS602の動作を制御/自動化し、且つ、VIS602によって取り込まれた/生成された画像を受信及び処理するよう構成され得る。コンピュータシステム604は、本明細書で論じる動作を実行するよう特にプログラムされた汎用コンピュータであってもよいし、専用コンピューティングデバイスであってもよい。
図6から分かるように、コンピュータシステム604は、ユーザインターフェース606と、処理ユニット610と、メモリユニット614とを備える。しかしながら、幾つかの実施形態では、コンピュータシステム604は、互いに同じ場所に配置されているか、又は互いに離れている2つ以上のコンピュータを含む。これらの分散型の実施形態において、処理ユニット610及びメモリユニット614に関連する本明細書で説明される動作は、複数の処理ユニット及び/又はメモリユニットにそれぞれ分割されてもよい。
【0050】
処理ユニット610は1つ以上のプロセッサを備え、1つ以上のプロセッサのそれぞれが、メモリユニット614に格納されたソフトウェア命令を実行して、本明細書で説明されるコンピュータシステム604の機能の一部又は全部を実行するプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。処理ユニット610は、例えば、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)、及び/又は1つ以上の中央処理ユニット(CPU)を含み得る。代替的又は追加的に、処理ユニット610内のプロセッサの幾つかは、他のタイプのプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等)であってもよく、本明細書で説明されるコンピュータシステム604の機能の幾つかは、代わりにハードウェアで実装されてもよい。
【0051】
メモリユニット614は、1つ以上の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。メモリユニット614には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)等、1つ以上の任意の適切なメモリのタイプを含み得る。まとめて、メモリユニット614は、1つ以上のソフトウェアアプリケーション、それらのアプリケーションによって受信/使用されるデータ、及びそれらのアプリケーションによって出力/生成されるデータを格納してもよい。
【0052】
メモリユニット614は、処理ユニット610によって実行されると、1つ以上のAVIニューラルネットワークを訓練、検証、及び/又は認定する目的で様々な機能を実行する様々なモジュールのソフトウェア命令を格納する。具体的には、
図6の例示的な実施形態では、メモリユニット614は、AVIニューラルネットワークモジュール616と、外観検査システム(VIS)制御モジュール620とを含む。他の実施形態では、メモリユニット614は、モジュール616、620のうちの1つ以上を省略してもよく、及び/又は1つ以上の追加モジュールを含んでもよい。追加的又は代替的に、モジュール616、620のうちの1つ、幾つか、又はすべては、異なるコンピュータシステム(例えば、1つ以上の有線及び/又は無線通信ネットワークを介してコンピュータシステム604に結合されたリモートサーバ)によって実装されてもよい。更に、モジュール616及び620のいずれか1つの機能は、異なるソフトウェアアプリケーション及び/又はコンピュータシステムの間で分割されてもよい。単なる一例として、コンピュータシステム604がウェブサービスにアクセスして1つ以上のAVIニューラルネットワークを訓練及び使用する実施形態では、AVIニューラルネットワークモジュール616のソフトウェア命令はリモートサーバに格納され得る。
【0053】
AVIニューラルネットワークモジュール616は、画像ライブラリ640に格納された画像を使用して1つ以上のAVIニューラルネットワークを訓練するソフトウェアを含む。画像ライブラリ640は、メモリユニット614に、又は別のローカル若しくはリモートメモリ(例えば、リモートライブラリサーバに結合されたメモリ等)に格納されてもよい。訓練に加えて、モジュール616は、例えば、VIS602(又は別の外観検査システム)によって新たに取得される画像を、場合によっては後述のように画像に対して特定の前処理が実行された後に、ニューラルネットワークに適用することによって、訓練されたAVIニューラルネットワークを実装/実行してもよい。様々な実施形態において、モジュール616によって訓練及び/又は実行されるAVIニューラルネットワークは、画像全体を分類するか(例えば、欠陥か欠陥でないか、又はクリンプの傷若しくはクリンプの欠陥一般等の特定のタイプの欠陥の有無等)、画像内の物体を検出するか(例えば、容器画像内の気泡ではない異物の位置を検出するか)、又はそれらの幾つかの組み合わせ(例えば、1つのニューラルネットワークが画像を分類し、別のものが物体検出を実行する)を行ってもよい。本明細書で使用される場合、文脈がより具体的な使用を明確に示さない限り、「物体検出」とは、画像内の物体(例えば、粒子、繊維等)の特定の場所を識別するか、及び/若しくはより大きい物体の特徴(例えば、シリンジ又はカートリッジバレル上の傷のあるクリンプ若しくはシール、亀裂、又は欠け等)の特定の場所を識別する技法を広義に指し、例えば、容器画像又は画像部分のセグメント化(例えば、ピクセルごとの分類)を行う技法、又は物体を識別し、それらの物体の周囲に境界ボックス(又は他の境界形状)を配置する技法を含むことができる。
【0054】
AVIニューラルネットワークが容器の欠陥を検出する実施形態では、欠陥は任意の適切な容器の特徴に関連し得る。例えば、
図5A~
図5Cの例示的な容器を参照すると、AVIニューラルネットワークモジュール616によって実施される特定のAVIニューラルネットワークは、バレル502、バレル522、又は本体542に亀裂又は汚れがあるか否か、フランジ504又は524が変形しているか否か、針シールド508が適切に配置されていないか否か、プランジャ506又はピストン526に欠陥があるか否か、ルアーロック528に欠陥があるか否か、クリンプ550が適切に配置されているか否か、及び/又は欠陥があるか否か(例えば、傷)、フリップキャップ552が適切に配置されているか、及び/又は欠陥があるか否か等を検出し得る。
【0055】
モジュール616は、商業生産中の検証、認定、及び/又は検査の目的のために、訓練されたAVIニューラルネットワークを実行してもよい。一実施形態において、例えば、モジュール616は、AVIニューラルネットワークを訓練及び検証するためだけに使用され、次いで、訓練されたニューラルネットワークは、(例えば、モジュール616と同様の別のモジュールを使用して)商業生産中の認定及び検査のために別のコンピュータシステムに移される。AVIニューラルネットワークモジュール616が複数のニューラルネットワークを訓練/実行する幾つかの実施形態では、モジュール616は、ニューラルネットワークごとに別個のソフトウェアを含む。
【0056】
図3及び
図4に関連して上述したように、底部撮像装置345、435のためのリングライト340、440は、バイアルシールクリンプの欠陥(例えば、
図12A及び
図12Bのバイアルシールクリンプの欠陥1209)を検査するのに特に有用である。例えば、13個の容器に対して、容器ごとに合計100枚の画像を取り込むと、合計1300枚の画像を得ることができる。AVIニューラルネットワークの訓練は、輝度の調整、垂直ミラーリング、ノイズの追加、及び画像のスキュー、並びに境界ボックスのスキューによって関連する訓練画像を増強した後(すなわち、訓練セットが5倍にされ得る)、例えば6つのバイアルからの画像で実行され得る。一般に、画像において欠陥を検出するために、深層学習が使われ得る。以前に訓練されたAVIニューラルネットワークを使用することにより、新しい製品のための自動検査レシピのセットアップに必要な時間が更に短縮される。本開示のAVIニューラルネットワークは、臨床業務又は小数バッチの製品等の多品種少量生産シナリオのために、そして、最新の深層学習技法(例えば、
図6のAVIニューラルネットワークモジュール616)を使用して実施され得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、VIS制御モジュール620は、人間の介入をほとんど又は全く伴わずに容器画像を生成し得るように、VIS602の動作を制御/自動化する。VIS制御モジュール620は、(例えば、制御ライン上でパルスを生成すること等)コマンド又は他の電子信号を所定の撮像装置に送信することによって、その撮像装置に容器画像を取り込ませ得る。VIS602は、取り込まれた容器画像を、ローカル処理のために画像をメモリユニット614に格納し得るコンピュータシステム604に送信し得る。代替的な実施形態では、VIS602は、ローカルに制御されてもよく、その場合、VIS制御モジュール620は、本明細書で説明されるものより少ない機能(例えば、VIS602からの画像の読み出しのみを扱う)を有していてもよく、又はメモリユニット614から完全に省略されてもよい。
【0058】
図7は、AVIシステムを動作させる例示的な方法700である。AVIシステムは、例えば、
図1A及び
図1BのAVIシステム100と同様であり得る。本方法は、少なくとも部分的に半透明である検査対象(例えば、バイアル105)を通る光軸111を有する側方視撮像装置110を提供することであって、検査対象が側方視撮像装置から第1の距離に配置される、こと(ブロック702)を含み得る。側方視撮像装置110の視野は、例えば、検査対象全体又はその一部だけを含む、検査対象の所望の画像(例えば、画像1100a、画像1200a、画像1300a、画像1400a等)を取得するように構成され得る。方法700はまた、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第2の距離に配置され、光軸111に垂直に向けられた近位偏光フィルム115を提供することであって、第2の距離が第1の距離よりも短い、こと(ブロック704)を含み得る。方法700は、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第3の距離に配置され、近位偏光フィルム115に平行に向けられた液晶デバイス120を提供することであって、第3の距離が、第2の距離よりも長く、第1の距離よりも短い、こと(ブロック708)を更に含み得る。方法700は、光軸111に軸方向にアライメントされ、側方視撮像装置110から第4の距離に配置され、近位偏光フィルム115及び液晶デバイス120に平行に向けられた遠位偏光フィルム125を提供することであって、第4の距離が第1の距離よりも長い、こと(ブロック710)をまた更に含み得る。方法700は、遠位偏光フィルムに向けて照明を放出するように向けられた光源130を提供すること(ブロック712)を含み得る。
【0059】
図8は、AVIシステムを動作させる例示的な方法800である。AVIシステムは、例えば、
図2のAVIシステム200と同様であり得る。方法800は、容器205の側壁を通って容器(例えば、バイアル205)に入る光軸211を有する側方視撮像装置210を提供することであって、容器が少なくとも部分的に半透明である、こと(ブロック802)を含み得る。側方視撮像装置210の視野は、例えば、検査対象全体又はその一部だけを含む、検査対象の所望の画像(例えば、画像1100a、画像1200a、画像1300a、画像1400a等)を取得するように構成され得る。方法800はまた、容器205の中心軸206に同軸にアライメントされ、容器の下方にあり、容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライト240を提供すること(ブロック804)を含み得る。方法800は、本明細書の他の箇所で説明したように、容器を支持及び/又は固定する保持手段245を提供すること(ブロック806)を更に含み得る。
【0060】
図9A及び
図9Bは、
図3のシステム(又は
図4に加え、撮像装置335、445等と同様の仕方で向けられた底部撮像装置を含むもの)を使用して検査され得る例示的な容器906の底面視の画像900a、b(後者は拡大図である)を示している。底部画像900a、bは、容器(ここではバイアル)の底部を通して撮像された1000μmの金属粒子907を示している。
【0061】
図10A及び
図10Bは、
図3のシステム(又は
図4に加え、撮像装置335等と同様の仕方で向けられた底部撮像装置を含むもの)を使用して検査され得る別の例示的な容器1006の底面視の画像1000a、b(後者は拡大図である)を示している。底部画像1000a、bは、容器(バイアル)の底部を通して撮像された300μmの金属粒子1007を示している。
【0062】
図11A及び
図11Bは、
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る例示的な容器1108の側方視の画像1100a、b(後者は拡大図である)を示している。側方視画像1100a、bは、容器(バイアル)の側壁を通して撮像された繊維1109を示している。繊維のコントラストは、偏光フィルム(例えば、
図1Aに構成されているような偏光フィルム115、125)を使用することによって改善される。
【0063】
図12A及び
図12Bは、
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る別の例示的な容器1208の側方視の画像1200a、b(後者は拡大図である)を示している。側方視画像1200a、bは傷のあるクリンプ1209を示しており、
図12Bのボックスは、側方視撮像装置110及びスイッチをオフにした液晶デバイス120からの画像1200a、bに対して(例えば、AVIニューラルネットワークモジュール616によって)実行された物体検出の出力/結果を表す。
【0064】
図13A及び
図13Bは、偏光効果なしで(例えば、液晶デバイス120のスイッチをオンにした状態で)、
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る更なる例示的な容器1308の側方視の画像1300a、b(後者は拡大図である)を示している。画像が、バイアルのネック部に形成された液滴(例えば、
図13Aの画像)を含む場合、関連するAVIシステムは、液滴の縁部を、例えば、関連する容器の亀裂と誤って判断し得る。
【0065】
図14A及び
図14Bは、
図1~
図4のシステムのいずれかを使用して検査され得る、
図13A及び
図13Bと同じ例示的な容器1408の同じ側方視の画像1400a、b(後者は拡大図である)を示している。偏光フィルタを使用すると、周囲に対する繊維1409のコントラスト比は、周囲に対する繊維1309のコントラスト比よりも高くなる。ニューラルネットワーク又はAVIシステムの他の画像処理は、
図13A及び
図13Bの画像1300a、bを使用して繊維1309を検出するよりも、
図14A及び
図14Bの画像1400a、bを使用して繊維1409を検出する可能性が高い。
【0066】
図15は、容器(例えば、シリンジ505a、カートリッジ505b、バイアル505c等)の欠陥(例えば、粒子907、粒子1007、傷のあるクリンプ1209、繊維1309、繊維1409等)を検出する例示的な自動外観検査方法1500を示している。方法1500の少なくとも一部が、例えば、
図1~
図4及び
図6のシステムのいずれか1つを使用して実施され得る。方法1500は、容器の下方に配置され、容器の中心軸に同軸にアライメントされ、容器の底部に向けて光を放出するように向けられたリングライト(例えば、要素240、340、又は440)で容器を照明すること(ブロック1502)を含み得る。方法1500はまた、容器の側壁を通って容器に入る光軸を有する側方視撮像装置(例えば、撮像装置110、210、310、又は410)を使用して、容器の側面の1つ以上の側方視画像を取り込むこと(ブロック1504)を含み得る。側方視撮像装置の視野は、検査対象の所望の画像(例えば、画像1100a、画像1200a、画像1300a、画像1400a等)を取得するように構成され得る。
【0067】
方法1500は、容器の中心軸に同軸にアライメントされた底部撮像装置(例えば、撮像装置335又は435)を使用して、容器の底部の1つ以上の底部画像を取り込むこと(ブロック1508)を更に含み得る。底部撮像装置の視野は、容器の所望の画像(例えば、画像900a、画像1000a等)を取得するように構成され得る。
【0068】
方法1500はまた、欠陥を検出するために、1つ以上のプロセッサ(例えば、AVIニューラルネットワークモジュール616を実行する場合の
図6の処理ユニット610)を使用して、容器の1つ以上の側方視画像(例えば、画像1100a、画像1200a、画像1300a、画像1400a等)及び/又は1つ以上の底部画像(例えば、画像900a、画像1000a等)を分析すること(ブロック1510)を含み得る。プロセッサは、欠陥を検出するために、1つ以上の機械学習モデル(例えば、分類及び/又は対象検出モデル)を実施し得る。例えば、プロセッサは、容器を「合格」又は「不合格」に分類する分類モデルを実施し得る。追加的又は代替的に、プロセッサは、特定のタイプの欠陥を分類する複数の機械学習モデル(例えば、欠陥を容器内の繊維として分類する第1の機械学習モデル、欠陥を容器内の非繊維粒子として分類する第2の機械学習モデル、欠陥をクリンプの傷として分類する第3の機械学習モデル等)を実施し得る。
【0069】
システム、方法、デバイス、及びそれらの構成要素を例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは、これらの例示的な実施形態に限定されるものではない。詳細な説明は、例としてのみ解釈されるものとし、本発明の可能な実施形態のすべてを説明することは、不可能ではないにしても非現実的であることから、本発明のすべての可能な実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを用いて、多くの代替的な実施形態を実施することができ、それは、本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0070】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変形形態、及び組み合わせをなすことができ、そうした修正形態、変形形態、及び組み合わせが本発明の概念の範囲内であると解釈されるべきであることを理解するはずである。
【国際調査報告】