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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】浮体式河川
(51)【国際特許分類】
   E02B 8/08 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
E02B8/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545865
(86)(22)【出願日】2023-02-02
(85)【翻訳文提出日】2024-09-17
(86)【国際出願番号】 FI2023050065
(87)【国際公開番号】W WO2023148429
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】20220008
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(31)【優先権主張番号】20220051
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(31)【優先権主張番号】17/993,540
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518380838
【氏名又は名称】カラシダン オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【弁理士】
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】アイッタニエミ,タルモ
(57)【要約】
本発明は、モジュール(M)、(M’)の他の部分(1)、(2)も浮遊させるための少なくとも1つのブイ(3)、(3’)、(3i)を有する浮体式河川モジュール(M)、(M’)に関し、他の部分(1)、(2)は、水中に沈められた垂直壁要素(2)であって、ブイ(3)、(3’)、(3i)に堅固に取り付けられた少なくとも部分的に水中に沈められた垂直壁要素(2)を備え、上記垂直壁要素(2)は、水平キール要素(1)を備える。本発明はさらに、魚を誘導するためのそのようなモジュールから形成された浮体式河川システムに関する。
【選択図】図2



【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)であって、前記モジュール(M)、(M’)、(MC)は、前記モジュール(M)、(M’)、(MC)の他の部分(1)、(2)を浮遊させるための少なくとも1つのブイ(3)、(3’)、(3i)を有し、前記他の部分(1)、(2)は、前記ブイ(3)、(3’)、(3i)に堅固に取り付けられた少なくとも部分的に水中に沈められた垂直壁要素(2)を備え、前記垂直壁要素(2)は、水平キール要素(1)を備えることを特徴とする、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項2】
前記モジュール(M)、(M’)、(MC)は、前記モジュール(M)、(M’)、(MC)の前記他の部分(1)、(2)を浮遊させるための2つの区別されたブイ(3)、(3’)、(3i)を有することを特徴とする、請求項1に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項3】
前記モジュール(M)、(M’)、(MC)において、前記垂直壁要素(2)は、連続位置で別の同様のモジュール(M)、(M’)、(MC)に取り付けるための縁部構造(5)を備え、前記縁部構造を介してモジュール(M)、(M’)を次のモジュール(M)、(M’)、(MC)に直接に、または2つの連続するモジュール(M)、(M’)、(MC)間の中間接続部材(5)によって取り付けることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)。
【請求項4】
前記水平キール要素(1)は、連続位置で別の同様のモジュール(M)、(M’)に取り付けるための縁部構造(8)を備え、前記縁部構造を介してモジュール(M)、(M’)、(MC)を次のモジュール(M)、(M’)、(MC)に直接に、または2つの連続するモジュール(M)、(M’)、(MC)間の中間接続部材(8)によって取り付けることを特徴とする、請求項1または請求項2または請求項3に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項5】
前記水平キール要素(1)は、鏡像位置で別の同様のモジュール(M)、(M’)、(MC)に取り付けるための縁部構造(10)を備え、前記縁部構造を介してモジュール(M)、(M’)、(MC)を鏡像位置のモジュール(M)、(M’)、(MC)に直接に、または2つの鏡像位置のモジュール(M)、(M’)、(MC)間の中間接続部材(10)によって取り付けることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項6】
前記モジュールが浮遊して使用される場合、前記浮体式河川が浮遊する周りの水と、前記モジュール(M)、(M’)、(MC)および/または浮体式河川システムとしての前記モジュール(M)、(M’)、(MC)の集合体(100)、(200)が水面(w)と共に画定する前記浮体式河川チャネル体積内の水とが連通するように、前記垂直壁要素(2)および/または前記水平キール要素(1)を水が通過するための構造を備える、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のモジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項7】
前記モジュール(M)、(M’)、(MC)は、前記浮体式河川チャネルの半断面要素であることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項8】
前記モジュール(M)、(M’)、(MC)は、前記河川流路の方向に湾曲した形態の前記垂直壁要素(2)を有する、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項9】
前記垂直壁要素(2)および前記水平キール要素(1)は、互いにクイックロックするためのクイックロック部を有する、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)。
【請求項10】
浮体式河川システム(100)、(200)、(Col)のような浮体式河川のシステムであって、前記浮体式河川システムの浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)の集合体を備え、前記浮体式河川モジュールは、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のモジュールである、浮体式河川システム。
【請求項11】
前記浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)が浮遊する水中へとつながる、前記接続されたモジュール(M)、(M’)、(MC)の垂直壁要素(2)によって囲まれている水中流路を形成するように相互に接続された浮体式河川モジュールによって形成される、請求項10に記載の浮体式河川システム(200)。
【請求項12】
ブイ(3)、(3’)、(3i)および/または前記水中垂直壁要素(2)は、他の垂直壁要素(2)および/またはブイにクイックロックするためのクイックロック部(4)、(4a)、(4b)、(4c)を有する、請求項10または請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記垂直壁要素(2)内の前記モジュール接続部は、前記モジュールを前記河川流路の方向に特定の曲率を有する湾曲形態に接続する、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)によって形成される請求項10~請求項12のいずれか一項に記載の浮体式河川システム。
【請求項14】
前記浮体式河川システム(100)、(200)によって形成された前記浮体式河川内の魚を計数し、サイズを推定し、および/または認識するための計数手段(L)、(Ld)、(Camera)、(Pr)を備える、請求項10~請求項13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、前記システムの観察体積内で魚をマッピングするための光学計数手段を備える、請求項10~請求項14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記システム内の前記計数手段は、LIDAR(L)、(Ld)、カメラ(Camera)などの撮像手段および/または写真測量器(Pr)を備える、請求項10~請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システム(100)、(200)は、発信された無線テレメトリシステムのチャレンジによって、PIT TAGなどのタグ付けされた魚に取り付けられたタグを読み取り、受信した応答によってタグを識別し、そのようにタグを装着している魚を識別するために、送受信機に接続された無線テレメトリシステムアンテナを有するような浮体式河川モジュールを備える、請求項10~請求項16のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非常に一般的な水準では、本発明の実施形態の本開示は、水系構築に関し、より具体的には、河川の非撹乱を伴う河川システムの水路を作り、特に回遊魚が増水した水中でも自身の産卵経路に誘導されることを可能にする水系構築に関する。しかしながら、さらにより具体的には、本発明の実施形態は、独立請求項の前提部分に係る浮体式河川モジュールに関し、請求項は、そのような浮体式河川モジュールを対象とする。本発明はさらに、そのような具現化された浮体式河川モジュールから作られた浮体式河川システムを実現するために浮体式河川モジュールを使用する浮体式河川システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー生産の増大する需要のためではあるが、再生可能エネルギー源の利用の観点から、人類が発電所を建設する必要性は、結果として、自然自体に対して、加えて、自然にとって有益な生活の供給源に対して、直接的な損害をもたらす可能性もある。
【0003】
上流に移動して生まれた川に戻り、産卵する回遊魚(例えば、サケ目、ウナギ目など)は、発電産業または他の発電所で利用されるようなダムで川床が建造されている川では、防壁に遭遇する。
【0004】
通過水路が建造されていない場合、発電所の上の通路は遮断される。通過水路があったとしても、特に魚がタービントンネルを通過しなければならない場合、回遊稚魚が下流に戻る経路は困難であり得る。魚は、傷を負うことがあり、その結果病気にさらされることがある。その一方で、タービントンネルを通る魚道による通路は、魚梯が顕著に水を消費する(そのため建造するのに非常にコストもかかる)ように、水を消費するが、また、景観に痕跡(河川の岸の景色の価値を高めるものであると考えられることは極めて稀である)を残す。さらに、浅いプールでは、魚が飛び移る際に傷つき、病気にさらされる危険性が高い。
【0005】
さらに、サケ目の魚は、例えば、深水へ進入することができず、その深水の部分において、稚魚がタービントンネルに戻る、または深いトンネルを通過することが困難になる。
【0006】
しかしながら、ダムおよび同様のタイプの閉塞物の上を通過することに関連する上述の問題は、関連するシステムを有する回遊魚通路ユニットを使用して、水力工学構成である回遊魚通路を提供することによって解決されてきた。
【0007】
魚の本能とエネルギー生産の需要に反する魚の性質との間の利害の衝突は、極めて経済的な方法で解決可能であり、そのような回遊魚通路ユニットおよびそれを利用するシステムを使用することによって、景観を保護することができ、さらに機能性または発電に対して本質的な損失をもたらさないが、魚が進むべき経路をすぐに決定することができないという状況がある。特に、産卵経路として河川に分岐が多い場合、または河川のコースをシフトするなど、本来の河床に人工的に河床改修を行ったような場合には、魚は、誤った分岐へと迷い込んでしまったら、迷って最終的にはタービントンネルに到達してしまうことがある。場合によっては、例えば、稚魚は、川の下流にたどり着かない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態の開示の目的は、上述の問題を軽減することである。本発明の本開示による解決策は、本発明の本開示の実施形態に係る浮体式河川モジュールの集合体による浮体式河川を提供することであり、これは、浮体式河川モジュールを対象とする独立請求項の特徴部分において特徴が付けられている。
【0009】
また、本開示の相乗的な目的は、そのような具現化された浮体式河川モジュールから、その水域での魚の泳ぎを誘導する、浮体式河川を形成する浮体式河川システムなどの具現化された集合体を形成することであり、浮体式河川は、システムの水中で泳ぐ魚を誘導し、魚の自然な本能に従って、様々な水域から安全な経路に(例えば、発電所プールの上を越えて)魚を誘導し、その結果、発電所のオペレータが、魚が本能に従って下流域に向かう安全な戻り経路を辿っているときに魚を確認することができ、その結果、魚だけでなく動物や自然界で活動する人も、河川岸の他の使用者と同様に満足することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、浮体式河川のモジュール、すなわち浮体式河川モジュールは、請求項1に記載されている内容を特徴とする。
【0011】
本開示に従うモジュールは、モジュールを、ひいてはさらに上記モジュールの一部を浮遊させるための少なくとも1つのブイを有し、その部分は、少なくとも部分的に水中に沈められた垂直壁要素を備える。この実施形態によれば、垂直壁要素は、上記ブイに堅固に取り付けられる。さらに、上記垂直壁要素は、水平キール要素として、あるいは、別個であるが取り付けられた水平キール要素(上記壁要素に一体化される)として、安定器を取り付けるための取付手段を備えている。
【0012】
一実施形態変形例によれば、そのような水平キール要素は、垂直壁要素に、それらの間の縁部で取り付けられ得、または代替形態では、一体化された垂直壁要素と水平キール要素とは、同じ本体の一体部品(水平および垂直)であるので、角度を形成している。垂直壁要素は、浮体式河川に側壁を形成する際に使用される。水平キール要素は、いくつかの実施形態では、浮体式河川に対して適切な部分の底部側を形成する際に使用され、ここで、底部は、魚の誘導を強化するために使用される。このような実施形態では、垂直壁要素と水平キール要素との間の角度は、垂直壁要素を水平位置に向かって枢動させる傾向がある流水の流れに対する抵抗が存在するように、水平キール要素を垂直壁要素に対して水平方向に設置するのを助ける。これは、浮体式河川の誘導機能が誘導される種に応じて魚を自然な泳ぎの深さに誘導する形態を維持することに関して、浮体式河川にとって重要である。一実施形態変形例によれば、同じ垂直壁要素に取り付けられたいくつかの水平キール要素が存在し、そのことにより、異なる深さを泳ぐ種(すなわち、例えば、サケ目、ウナギ目)のための誘導通路を提供し得る。
【0013】
本開示の一実施形態によれば、水平キール要素は、本開示において、浮体式河川の中央方向に向くように具現化されているが、さらなる変形例によれば、追加の水平キール要素は、垂直壁要素からアウトボード方向を向くように追加で設けられ得るが、潜在的に、その深さでそのような外向きの水平キール要素の距離における浮体式河川の近い水域の使用を制限し得る。
【0014】
本開示の一実施形態に係る浮体式河川のモジュール(すなわち、浮体式河川モジュール)は、モジュールおよび上記同じモジュールの上記部分を浮遊させるための2つの区別されたブイを有する。その変形例によれば、少なくとも1つのブイは、支持体によってモジュールに接続され、そのことにより、支持体は、他のブイから離間されて、水平キール要素の助けを借りてその平均位置を保持するために、垂直壁要素をさらに支持する。
【0015】
一実施形態によれば、ブイは、インボード双胴船本体のように、支持体によって、離れた状態で、浮体式河川チャネルの内側に位置決めされ得る。他のブイのこのような位置の代わりに、またはこれに加えて、他のブイは、アウトボード双胴船本体のように、上記支持体と同様の支持体によって、離れた状態で、浮体式河川チャネルの外側に取り付けられ得る。このようにして、垂直壁要素の位置は、特に、インボードおよびアウトボードに位置決めされたブイを使用することによって、種々の条件において、垂直位置に十分に固定されるように強化され得るが、浮体式河川のために確保されるより多くの幅をとり得る。
【0016】
本開示の実施形態に係る浮体式河川の浮体式河川モジュールは、垂直壁要素を有し、垂直壁要素は、別の同様の浮体式河川モジュールに対して連続位置に直接にまたは中間接続部材によって取り付けるための縁部構造を備える。縁部は、後続の浮体式河川モジュールに直接に、または代替として、上記浮体式河川モジュールによって接合される両方の浮体式河川モジュールに適合する構造を有する接続部材を介して、適合するように形成され得る。接続部材をコネクタとして使用することにより、この実施形態は、接続形成部が何らかの形で破損した場合に、必ずしもモジュール全体を交換する必要がないという利点を有する。さらに、垂直壁要素は、縁部に対して対称であり得、これは、製造を潜在的により単純かつより経済的にする。
【0017】
本開示の一実施形態に係る浮体式河川のモジュールは、上記水平キール要素内に、水平キール要素間の中間接続部材によって鏡像位置で別の同様のモジュールに取り付けるための縁部構造を有する。代替として、水平キール要素は、浮体式河川システム内の隣接する浮体式河川モジュールの隣接する水平キール要素に直接取り付けるために、縁部に一体化された取付構造を有する。垂直壁要素を次の垂直壁要素に取り付けるのと同様の方法で、水平キール要素も、水平キール要素を次の水平キール要素に取り付けるための同様の実施形態を有し得る。
【0018】
一代替形態では、本開示の一実施形態に係る浮体式河川のモジュールは、上記垂直壁要素および/または上記水平キール要素を通る水のための通路と、使用時にモジュールおよびその上のブイによって浮体式河川が浮くように意図されたインボードの水とアウトボードの水とが連通状態にある水のための通路とを有する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、上記浮体式河川モジュールは、上記浮体式河川チャネルの断面要素を形成する半断面形状モジュールである。しかしながら、当業者は、実施形態から、鏡像位置取り付けモジュールは、水平キール要素に関して必ずしも同じ寸法を有する必要がないことが分かっている。しかしながら、具現化された浮体式河川の幅の変化を調整する際に、テーパ状の特殊なモジュールを使用することができる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、浮体式河川モジュールは、浮体式河川チャネルの方向に湾曲した上記垂直壁要素を有する。
【0021】
一実施形態変形例によれば、浮体式河川モジュールは、上流側端部および/または下流側端部に、浮体式河川を湾曲させるための取付構造を有し、湾曲部は、そのようなモジュール(必ずしもそれ自体が湾曲していない)の集合体の接続部によって形成される。一実施形態変形例によれば、浮体式河川モジュールは、具現化された浮体式河川モジュールから形成されたシステムを湾曲させるために、ある種のヒンジを有し得る。さらなる実施形態によれば、ヒンジは、ロック手段によって特定の位置にロック可能であり得る。一実施形態によれば、そのようなロック手段は、適切なサイズの農業用コッタによって具現化され得る。
【0022】
本発明によれば、互いに接続された浮体式河川モジュールの集合体からなる浮体式河川システムのような浮体式河川が提供される。一実施形態変形例によれば、接続は、接続部材(すなわち、コネクタ)によって行われ、その結果、接続されたときに、浮体式河川モジュールは、水中にフェンスで囲まれた水中流路を形成し、浮体式河川(モジュール)システムとして浮体式河川を形成するために、浮体式河川モジュールは水面上に浮かぶ。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、浮体式河川システムのブイおよび/または上記水中垂直壁要素は、それらを互いに堅固にではあるが、保守点検のために取り外し可能にクイックロックするためのクイックロック部を有する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、上記浮体式河川システムにおいて、上記壁要素及び上記水平キール要素は、互いにクイックロックするためのクイックロック部を有する。代替として、壁要素および水平キール要素は、製造時に、プレートを、水平部分/側部および垂直部分/側部を形成するように角度を成した2つの部分にねじることによって形成される。接合部には、鋭い縁部が形成されないような場合には、一実施形態変形例において、丸みを帯びた構造が存在し得る。さらなる変形例において、壁要素と水平キール要素との一体化は、溶接、接着によって、および/またはねじとボルトとによって行われている。
【0025】
一実施形態によれば、システムのオペレータが浮体式河川内を泳ぐ魚を数えることができるように、浮体式河川システムは、計数手段を設けることができる。一実施形態によれば、そのような計数手段は、少なくとも特定の浮体式河川モジュールにおける計数センサを有し得る。この実施形態の一変形例によれば、そのような計数手段は、魚を計数するためのカメラまたは写真および/またはビデオを撮影するように構成されたカメラの集合体を備え得る。写真および/またはビデオは、現場のカメラで記録され得るが、さらなる処理のために、カメラが機能的接続を介してアクセスする情報ネットワークを介して、特別な遠隔現場に送信され得る。
【0026】
さらなる実施形態変形例によれば、カウンタとして動作する計数手段は、浮体式河川内の魚を認識するためのセンサ(すなわち、カメラ)を有し得る。このようなセンサは、物体のサイズおよび/または種類を認識することができるように、近距離写真測量に適した適切なカメラまたはそのようなカメラの集合体を含み得る。これは、魚集団および/またはその発育を研究する場合に、魚をそのサイズおよび/または種に従って分類する際に重要である。
【0027】
代替として、または追加として、浮体式河川内の物体の視覚的分析のためのデータを提供する適切なカメラ/センサ(これらの手段が浮体式河川内の特殊な浮体式河川モジュールに取り付けられる場合)によるマシンビジョンおよび/または写真測量を使用することができる。特に、近距離写真測量は、従来の空中(または軌道)写真測量よりも短い距離からの写真の収集に使用され得る。一実施形態によれば、写真測量解析は、特殊な浮体式河川モジュール内のカメラによる高速撮影によって撮影された写真の集合に適用されて、写真撮影/ビデオ撮影されている魚の推定精度を改善することができる。一実施形態によれば、画像解析は、現場に配置されたコンピュータ上で行われ得るが、一実施形態変形例によれば、例えばインターネットなどの情報ネットワークの到達範囲のどこかにあり得る遠隔現場で行われ得る。
【0028】
一実施形態変形例によれば、物体認識は、適切な部分におけるデータ取得のために、浮体式河川モジュールの1つに組み付けられるようなLIDARシステム(光の検出および測距、すなわちLIDAR)によって行われる。したがって、例えばオイル排出は、LIDARシステムを備えたそのような特殊な浮体式河川モジュールによって検出され得る。
【0029】
さらなる実施形態によれば、カメラなどの写真測量手段は、特定の浮体式河川モジュールのトランシーバに接続され、その結果、外部の遠隔オペレータは、接続において、セルラーネットワーク、IOTネットワーク、Wi-Fiおよび/またはインターネットなどの情報ネットワークを使用して、浮体式河川の水中を泳ぐ魚に関する写真および/またはビデオを取得することができる。一実施形態によれば、浮体式河川システムは、浮体式河川システム(特定の浮体式河川モジュール)から遠隔オペレータへの通信のためのマイクロプロセッサ/コンピュータを備えるが、一実施形態変形例によれば、当該浮体式河川モジュールのカメラおよび/または計数手段を制御するための双方向通信をさらに備える。
【0030】
したがって、カウンタとしての計数手段は、泳いでいる魚のサイズおよび種類の決定に関して制御可能であり、したがって、サイズおよび種の推定に従って魚を分類するスマートカウンタである。
【0031】
カウンタは、ハードウェアの必須の部分が防水性であれば、実施形態から当業者が理解するように、適切なハードウェアおよびソフトウェアによって適切な部分内に実装され得る。カウンタは、一実施形態に適用されるような光電気機械式の単純なオンサイトカウンタであり得るが、カメラを有する特定の浮体式河川モジュールを介して、具現化された浮体式河川システムを有する情報ネットワークに接続された遠隔現場において、効果的な計数を遠隔で行うことも可能である。したがって、このように接続された遠隔現場は、使用されている情報ネットワークを介したアクセスによって、事実上どこにでも存在し得る。
【0032】
一実施形態によれば、浮体式河川システムは、その1つまたはいくつかのモジュール内に、タグ付けされた魚が装着しているタグ(例えば、PIT TAG)による魚認識において使用される無線テレメトリアンテナを有する。このようなタグ付けは、魚の回遊を追跡するために特定の魚をマークする際に使用され得る。無線テレメトリの読み取り値は、浮体式河川システムのモジュールで使用され得る。また、通過するタグ(魚に取り付けられた)が応答する質問信号を提供するように適合されるので、その結果、リーダは、読み取られたときにタグIDとタグに含まれるデータとを浮体式河川システムに、ネットワーク接続を介して、遠隔現場にも提供することができ、そこでIDがデータベースに関連付けられ得る。通過する魚に関する撮像データ(LIDAR、写真、ビデオ、写真測量)に従って、サイズおよび種がカメラによって識別され、その結果、読み取られたPIT TAGに関連付けられ、データベースが更新され得る。
【0033】
一実施形態変形例によれば、浮体式河川システムは、計数手段(カウンタ)の制御において制御可能なポートを有し得、そのことにより、一実施形態変形例では、カウンタに関連付けられた/取り付けられた写真測量手段および/またはLIDAR手段は、ポートの開閉を制御して、魚を別個の経路に誘導するか、または様々な経路から浮体式河川の主チャネルに誘導することができる。
【0034】
一実施形態変形例では、浮体式河川は、主チャネルとして浮体式河川チャネルに向かって魚を集める収集分岐を有し得る。主浮体式河川チャネルへの接合部には、魚を主浮体式河川に誘導することができるポートが存在し得る。一実施形態によれば、そのようなポートは、特定の種および/またはサイズの魚の通過を阻止するように配置されたポートの集合体のうちの1つのポートであり得る。
【0035】
「含む」という表現は、オープンな表現として使用されている。
【0036】
次に、本発明の本開示に従う実施形態を、本開示の例示的な実施形態を示す添付図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、ここで、「例示的」という単語は、本明細書では、「一例、事例、または実例としての役割を果たすこと」を意味するために使用されている。本明細書に例示として記載されている実施形態のいずれも、必ずしも他の実施形態よりも好適である、または有利であると解釈すべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る一実施形態の一例を示しており、具現化された浮体式河川要素ならびにそのような浮体式河川の側部要素部品として浮体式河川システムを形成する浮体式河川要素の集合体を示す図である。
図1A】浮体式河川モジュールおよび水位に対するブイの代替位置を有する鏡像配置で浮体式河川モジュールを用いた浮体式河川システムのプロファイルの一例を示す図である。
図1B】本開示に係る一実施形態の例を示しており、具現化された浮体式河川モジュールを、浮体式河川システムの片側で、接続手段によって、互いに対して具現化された角度で、連続位置に接続する例を示す図である。
図1C】具現化された浮体式河川モジュールを互いに取り付ける一例を示す図である。
図1D】本開示の一実施形態に係る、ブイを有する接続浮体式河川モジュールの一例を示す図である。
図1E】浮体式河川システムの閉鎖底部を形成するための浮体式河川モジュールの鏡像配置の一例を示す図である。
図2】具現化された浮体式河川モジュールから構成される具現化された浮体式河川システムのような浮体式河川の一部の一例を示す図であり、図1Eにおける閉鎖底部の代替形態としての開放底部の実施形態に従って浮体式河川の底部を開放したままの状態の浮体式河川モジュールを示す図である。
図3】具現化された浮体式河川モジュールから構成される浮体式河川システムとして具現化された浮体式河川の一部の一例を示す図であり、組み合わされてテーパ状流路を形成する具現化された浮体式河川モジュールであって、図1Eにおける閉鎖底部の代替形態としての開放底部の実施形態に従って浮体式河川の一部において浮体式河川の底部を開放したままの状態であるが、浮体式河川のテーパ状部において閉鎖底部を有する浮体式河川モジュール示す図である。
図4】ダムを通る/迂回するさらなる誘導のために、魚を浮体式河川システムに誘導するための収集フォーク状部を有する、使用中のダムプール上に浮かぶ浮体式河川の一例を示す図である。
図5】特殊な浮体式河川モジュールの実施形態の一部品としての計数手段の一例を示す図である。
図6】流れが制御されている河川における浮体式河川の実証試験の一例を示す図である。
図7】収集分岐の集合体を有する浮体式河川の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
上記の説明は、例示のためであり、限定することを意味するものではない。多くの他の実施例、構成、プロセスなどが存在し得、それらのうちのいくつかについて以下でより詳細に説明する。例示的な実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【0039】
以下の説明および図面は、当業者が実施することができるように特定の実施形態を十分に示すものである。他の実施形態は、構造的変更、論理的変更、電気的変更、プロセスの変更、および他の変更を組み込むことができる。いくつかの実施形態の一部分および特徴は、他の実施形態の一部分および特徴に含まれてもよく、またはそれらと置き換えられてもよい。
【0040】
以下では、特に明示的に示されていない限り、異なる図において同じ参照番号が使用される。しかしながら、同じ参照番号を有する物体は、当業者が自身の知識により当該開示部分の文脈から分かるように、形状、サイズ、および/または組成が正確に同じである必要はない。
【0041】
図1は、一実施形態の図示されている例の浮体式河川モジュール(M)から構成される円弧100の形態の浮体式河川システム部分の集合体の一部材としてのモジュールMを示す。円弧100は、浮体式河川システムの一部として浮体式河川の1つのボードまたは側部を形成する際に使用され得る。当業者は、凹状形態が示されているが、類似しているが凸状の円弧が、同じ数またはほぼ同じ数の同様のモジュールM(図1Bの例)(モジュールMは、必ずしも、形態、形状、または寸法が正確に同じである必要はない)を用いて適宜に形成され得ることを理解する。この例における湾曲部の数は、使用現場における川岸および川床の構造に合わせて、4~8個とすることができる。当業者は、浮体式河川の図示されている側から、浮体式河川において魚を誘導する際に、図示された部分の形状に沿った反対側が存在することを理解することができるので、浮体式河川の他方の側は図示されていない。
【0042】
しかしながら、自然河川の自然の構造の特殊なケースでは、浮体式河川の他方の側は、図1の実施例に従う浮体式河川モジュールの一方の側の浮体式河川システムによって形成されるその種の半部の浮体式河川のような実施形態によって適宜に誘導するのに適用可能な場合、河川の水中の自然の岸構造によって形成され得る。
【0043】
一実施形態によれば、モジュールは円弧状として示されており、そのような形態により、誘導フェンス(すなわち、モジュールの垂直壁2および水平キール1)は、そのような浮体式河川モジュール全体を単に直線的ではなく、より剛性のある構造にする。このことはまた、個々のモジュールを傾斜させて、より良好な制御下に維持する効果を有する。ブイ3は、河川の流水域における浮体式河川に応じて、形態変化し得る。ブイ3は、図1の一実施形態に従って示されており、ブイ3は、モジュール自体にほぼ沿った長さを有する。しかしながら、一代替形態によれば、ブイ3の長さは、浮体式河川またはその一部の任意の妥当な長さであり得る。
【0044】
図1において、モジュールMは、浮体式河川の片側を形成するモジュールとして示されている。一実施形態例では、浮体式河川のボードの一部として垂直壁2に接続された、または一体化された水平キール1が示されている。
【0045】
モジュールMの垂直壁2の部分は、魚の誘導のための所望の形態を浮体式河川の対応する部分に設けるために、湾曲していても直線状であってもよい。
【0046】
水平キール1は、この実施形態において、魚の移動方向を強化するための底部フェンスを形成し、垂直壁2の下から逃げるのを防止するために使用され得る。したがって、魚は、例えば、図4に示すように、浮体式河川の所望の方向に、および/または、例えば、ダムの下流に魚を導くための漏斗状部のような収集点(図3参照)へ移送され得る。一実施形態変形例によれば、魚を浮体式河川の構造に追従させることができるように、浮体式河川は、適切な部分において完全な形で作られ得る。特定の深さで泳ごうとする種特異的な魚の本能は、水深(h)での垂直壁2における水平キール1の位置によって考慮され得る。
【0047】
一実施形態によれば、モジュールは、例えば、適用可能な適切な部分において浮体式河川の平行な分岐または他の構造を作るときに、適切な形態を形成するために、適切な部分において互いの背面に取り付けられてもよい(図1B参照)。
【0048】
図1の例では、モジュールMは、一実施形態変形例では、対応するモジュールMの側部を、浮体式河川システム内および/またはモジュールMの集合体の中の他の同様のモジュールに接続するために使用され得るコネクタ5、8、10をさらに備え得る。図1において、参照番号5、8、10は、モジュールMの接続縁部、ならびに対応するそれぞれのコネクタ/ガスケットを指すために使用される。一実施形態変形例によれば、コネクタ5、8、10は、河川の水中への連絡通路を形成するように、透水性であり得る。垂直壁2および水平キール1の水密性の代替形態として、垂直壁2および水平キール1は、代替の浮体式河川(モジュール)変形例のために透水性であり得、この変形例では、水は浮体式河川チャネルのインボードの水とアウトボードの水との間で混合が可能であるが、垂直壁の下から魚が逃げる可能性がない魚の誘導が必要とされる。一実施形態変形例によれば、コネクタは、一実施形態変形例では、モジュールの1つまたは複数の縁部の一部に設けられ得るが、さらなる実施形態では、通路は、コネクタによって、たとえ一部の小さな魚が通過することができたとしても、ある種の選択されたサイズの魚が通過することができないように狭く形成されている。
【0049】
代替として、コネクタ5、8、10は、意図されたモジュールの縁部に適合して緊密に結合するように、適切な部分においてガスケット(例えば、ゴムまたは他の同様の弾性材料製)として水密に作製され得る。一実施形態変形例によれば、いくつかの縁部は、浮体式河川の内部と、浮体式河川が浮遊するように意図された外部の外部河川との間の水の連絡通路を形成するように意図される。内部は、具現化された浮体式河川システムにおいて、垂直壁2の高さhおよび/または水平キール1の幅によってチャネルを画定することによって、チャネルを縁取ることで形成される。陸地上での高さhが、水中で浮遊しているとして使用されるときの深さhに対応する。
【0050】
図1に示すように、例示されている浮体式河川システムを形成する浮体式河川モジュールの形成および集合体100として、浮体式河川の半部のみが例示されている。この実施形態から、河川の水中部分の自然の構造が魚の誘導に対して満足のいく形で具現化されていない場合に(すなわち、例えば岩の急勾配構造など)、接続部5、8、10が、対向するモジュールの非対称的に形成され接続された浮体式河川システムのためのチャネル構造を形成するという条件で、浮体式河川部分の反対側は、対を成す形で同様のモジュールMから(図1E)、または代替としてモジュールMの集合体を形成する対を成さない対向壁によって、形成され得ることは、当業者には明らかである。
【0051】
図1の実施形態の例では、モジュールは、ブイ3によって浮かされ、一方のブイ3は垂直壁2の位置に、別のブイ3は、支持体7によって水面上の垂直壁2からさらに離れた位置で一列になって、または水平キール1の位置の近く、もしくはその縁部に示されている。ブイ3は、ブイ取付手段3b(図1では、リング状の付属品で例示されるように)によって取り付けられ得るが、図示された取付方法のみに限定されない。
【0052】
図1Aに示すように、当業者は、実施形態から、ブイ3の位置が、一実施形態代替例の支持体7を用いて、図示されている数ならびに正確な位置に関して代替の選択可能な位置(破線円による代替位置)に取り付けられ得ることを理解することができる。表示2×Mは、モジュールの縁部を他のモジュールに接続するためにモジュールの縁部で使用されるコネクタの一例としてのコネクタ10によって接続される鏡像位置で、断面図において2つのモジュールMが共に位置決めされることを示している。図1Aの1つの上端位置のブイは、例えば、水の波状運動および水の形状を形成する傾向に対する抵抗を生じさせるために、円弧状の位置にあり得る。
【0053】
図1Aの代替形態のいくつかは、図1Aの断面において、河川の水面レベルw(浮体式河川内部と同じレベルであり得るが、例えば自然の風または波のために、必ずしも常に同じであるとは限らない)から偏向方向に描かれた支持体7を有する。そのような実施形態では、代替として(水面下に魚を誘導する代わりに)、少なくとも部分的に水面上に浮くいくつかの物品を移送するために、浮体式河川が使用され得る。しかしながら、偏向支持体7は、ここでは上端の1つのブイ3に接続されるように描かれているが、一体化されてもよい。支持体7は、適用可能な部分において中空構造として軽量で強いパイプによって作製され得るが、支持体7はまた、河川または洪水などにおける様々な確率的変動を吸収して、特に波の激しいうねりにおいて、「曲がるが、断裂しない」ことで弾性に従うために、浮体式河川にばね要素(支持体7によって)を提供することができる。これに従えば、その部分は、チャネルの形態を形成するのに十分な剛性を有するが、材料は、(図1Bにも示すように)適宜に動作するために、ある程度の弾性および/または曲げ自由度も提供する。
【0054】
ブイ3のいくつかは垂直壁2上の異なるレベルに対して具現化されるので、これは、屈曲部においても浮体式河川を具現化するためにモジュールMによって具現化されるように、河川に応じた取付現場により良好に適合する傾斜を形成するために、河川屈曲部のいくつかの位置において有用であり得る。図1Aにも示すように、ブイが水平キール1により近い場合、魚に垂直壁を飛び越えさせないように、より高い垂直壁2(すなわち、水中にあるときには深さhまで延びるが、水位部分よりも上にある)が具現化されてもよい。図1Aのいくつかのブイ3は、アウトボード位置に描かれており、水中位置で垂直壁2に取り付けられているが、当業者は、実施形態から、アウトボード取付ブイが、水面w上に垂直壁2から離間して使用されてもよいことをすぐに理解するだろう。
【0055】
図1の挿入図Aには、この例では、例えばチェーン4によって、および/または、垂直壁2を取り付けるためのモジュールMのシャーシを形成するパイプ6内のケーブルによって具現化されたクイックロックによって、垂直壁2の縁部でモジュールMを互いに取り付けるための一実施形態の一例も示されている。シャーシはさらに、垂直壁2に沿って垂直支持体を有し得る。ブイ3は、例示されているように、ブイの端部が垂直壁縁部において浮体式河川モジュールに取り付けられ得るが、代替として、または追加として、ブイコネクタ3bによって他の部分(すなわち、支持体)にも接続され得る。しかしながら、支持体7の接続位置はメンテナンスにとって役立ち得る。それは、その接続部およびモジュールMの他の部分を、表面における浮遊および他のモジュールへの接続に関して同じ検査で検査することができるからである。また、ケーブルの長さおよび/または張り具合により、組み立てた浮体式河川システムの形態を調整することができる。代替として、ケーブルは、適切な部分において、その形態を形成するために適切な部分で曲げることができるバーで具現化されてもよい。また、バーとケーブルの組み合わせも、適切な部分のそのような形態として具現化することが可能である。この例では円弧形態が具現化されているが、この形態は、適用可能な場合には、適切な部分においてS字形状および/または円形であってもよい。
【0056】
また、収集フォーク状部(図4「Col」参照)は、図4に示すように、図1に示す部分100と同様の2つの分岐(分岐が浮体式河川開口端に向かう漏斗状部として分岐部間にテーパ状の表面積/水量を形成するように取り付けられる)を有するように、浮体式河川モジュールによって形成された浮体式河川システムによって具現化され得る。ケーブルは、弾性材料によって具現化される場合、水による構造の変化に対する所望の/調整可能な応答/抵抗の枠内で流れに応じて変化し得るような浮体式河川の形態を形成し得る。浮体式河川の一部は、自然のまたは人工的な、意図的に作られた/調整された構造によって、適切な部分において、河川の底部および/または岸の構造に固定され得るが、これは、当業者が実施形態からそのように理解できる。
【0057】
このようなケーブルは、図1の挿入図に示すように水面において具現化され得るが、追加としておよび/または代替として、垂直壁2の他の部分に取り付けられるように具現化され得る。一実施形態変形例によれば、そのようなケーブルは、浮体式河川の川側に、および/または浮体式河川の内側に位置し得る。
【0058】
一実施形態変形例によれば、魚の誘導には、河川の特定の流れ条件において、互いにすぐ後に続く浮体式河川モジュールの垂直壁2の縁部を覆う(5)必要がある場合があるが、同様に、いくつかの実施形態では、水平キール1の縁部を覆う必要がある場合もある。
【0059】
図1Cでは、これは、一体部分5、10(一実施形態では一体部分であり得るが、代替形態では、互いに分離されてもよい)を有するカバーを使用することによって具現化される。図1Cには、ブイ3とアタッチメント3bも示されている。同様の形態および形状の物体は、当業者が同様の形態および形状の物体(3、3b)に対してそのように認識するように存在する。
【0060】
一実施形態変形例によれば、縁部の継ぎ目において、垂直壁2および水平キール1のそれぞれ隣接するモジュール部分の一方または両方に、弾性/曲げカバー部分(すなわち、それぞれアイテム5、10)を設けることができ、そのことにより、非水密の継ぎ目の実施形態において継ぎ目が水密に具現化されていなくても、特に魚が継ぎ目において浮体式河川から出ることを防止する。
【0061】
図1Bは、河川の水に沿って移動することができる魚誘導フェンスモジュール部品のための図1および図1Aと同様のモジュールを示しているが、ヒンジ構造を形成するために枢動部材対4a、4bに取り付けられるプラグ4cまたはねじ4cによる代替の接続機構を有するモジュールを示している。一実施形態変形例によれば、プラグ4cは、下側端部で、例えば、河川の波によってプラグ4cが確実に落下しないようにするために、垂直なロックピン(プラグ4cの端部に具現化された穴に取り付けられる、すなわち、農業用コッタと同様のロックピン)によって取り付けられ得る。
【0062】
図1Bは、屈曲の可能性のある例も示すが、いくつかの例として、屈曲は、モジュールの互いに対する運動振幅において浮体式河川を破壊することはなく、167度および171度のような例示的な屈曲の円錐角は、例示的なものであり、示された例および値のみに実施形態を限定するように意図されていない。
【0063】
一実施形態によれば、図1Dでは、集合体100としての浮体式河川モジュールMがブイ3と共に示されており、ブイは、浮遊を安定させるために、ならびに水の流れにおいて傾かないように、垂直壁に取り付けられ、コネクタ7によって追加のブイ3aに接続され、そのことにより、魚を制御しながら所望の方向に誘導するように垂直壁2をその位置に維持する。一実施形態変形例によれば、支持体7は、例えば、図5にさらに詳細に示すような光学的魚認識手段を使用する実施形態において、適切な部分に電子機器を取り付ける際に使用され得る。
【0064】
図1Dのようなモジュールの集合体100は、図4の例のような収集フォーク状部Colの形成に使用され得る。水中の魚を観察するために、一実施形態によれば、カウンタセンサ光学系は、具現化された特定のモジュールにおいて水中位置に位置決めされる。他の部品は、適切な部分において支持体を使用することによって、水面の上におよび/または遠隔に取り付けられ得る。
【0065】
図1Eは、閉鎖底部の実施形態において、前側に2つの対向するモジュールが示されているように鏡像配置のモジュールM(例えば図1)を示している。
【0066】
図2では、浮体式河川システム200の一部が示されており、この浮体式河川システム200は、浮体式河川チャネルの直線部分の両側にそれぞれ10個のモジュールMを備え、この例では、開放底部を有する。側部のモジュールは、連続位置で(すなわち、順々に)示されている。チャネルは、2×10×Mの表示で示されている。深さは、川底まで、または、誘導される魚がその自然の本能に従って主に泳ぐ深さを超えた下方までの深さであり得る。ブイ3は、図1と同様に例示されている。この例では、モジュールMは、対を成して鏡面対称に組み立てられており、魚を水中で正確に方向付けることができるように、所望の長さで深さhを有する浮体式河川を形成するために浮体式河川モジュールMからなるシステムのような浮体式河川が示されている。深さhは、平均的な局所的水面レベルから、垂直壁と水平キールとが互いに交わるレベルまでの深さ方向を示している。特定の深さで泳ぐ魚もあるので、浮体式河川の特定の数の浮体式河川モジュールの長さ方向に対して、底部が出口への誘導が求められるような位置に出口位置があれば、魚が浮体式河川から出るために集められる場合を除いて、そのような魚が不必要に誘導されるために底部を境界付けることは、必ずしも必要ではない。
【0067】
図3に示すように、底部は、魚の誘導を強化するために、浮体式河川の特定の部分で使用され得る。
【0068】
図3には、浮体式河川システムの変形例200の細部についての具現化された例が示されている。右上の端部において、浮体式河川システム200は、ネットで作られた誘導構造によって魚を漏斗状部Fuに誘導するためのテーパ状部を形成するために特別に形成されたモジュールM’によって形成されたテーパ状部の構造を有しており、魚を所望の位置に(この場合、漏斗状入口開口端部およびこの例ではそこから下流側に続くチャネルに向かって)さらに誘導する。このような位置は、ダム上流現場(図4参照)、サイフォン(図4、Sip参照)への入口、または、進入する魚がダムを通過するためのそのような同様の通路を形成するために使用される回遊魚通路ユニット変形例への入口であり得、したがって、河川の下流方向への途中でタービントンネルを回避する。
【0069】
テーパ状部(2×2×M’)は、垂直壁に取り付けられたブイ3’のさらなる実施形態も示している。ブイ3’は、ブイ3と同様に具現化され得るが、浮体式河川のテーパ状形態に適合され得る。表示2×2×M’は、図中の2つのそのような対によって対を成して具現化された例において、テーパ状部が、特別に形成されたモジュールM’によって形成されることを示しており、数またはテーパ状部について、詳細な構成および鏡面対称を有するこの例のみに限定するものではない。このテーパ状部は、特定の曲げ角度を有するヒンジ構造と、テーパ状部の開始部分で垂直壁を接続するコネクタとによって実現され得る。
【0070】
この例では、浮体式河川システム部分200は、図1に具現化されているような水平キール1およびコネクタ10を備えた底部Boを一部に有し、モジュールMおよびモジュールM’は底部Boを形成するように接続されて、魚の経路をさらに定めるために漏斗状部への誘導および漏斗状構造端部での排出を強化する。モジュールM’の他のモジュールMおよび/またはモジュールM’への接続は、当業者が図示されている実施形態に基づいて理解するように、図1に示すように具現化され得る。水平キールは、配置に応じて浮体式河川の他の部分を接続するために、指定されたコネクタを用いて、指定されたテーパ状部に応じて具現化され得る。
【0071】
図4は、浮体式河川システム200の具現化された一例を示す。システム200は、この例では、収集フォーク状部Colを備え、これは、上流のプール部分から浮体式河川システム200のフォーク状部Colへの魚の誘導に使用される。この例では2つの分岐が示されているが、参照符号Colは一方の分岐に付けられている。それは、他方の分岐が同様の構造を有し、Colで示された収集フォーク状部分としてモジュールMの構成を有することを当業者はすぐに理解することができるからである。図3に示すように、浮体式河川システム200は、この例では、浮体式河川システム200のダム(Dam)側に、上流プールからダム(Dam)の下流へのサイフォン(Sip)または同様の水路として動作する管またはパイプへとつながる漏斗状部Fuを備え、そのことにより、水および水中を泳ぐ魚をダムの下を通してまたはダムを通過させて、より低い高さの下流側の水域へと導く。
【0072】
図7を参照すると、魚を集めて浮体式河川へ誘導するための代替的な実施形態変形例において、魚を収集分岐から浮体式河川チャネル200へと導くことができるような分岐の実施形態の分岐(Col、100)を使用することができる。
【0073】
図5に示す一実施形態変形例によれば、浮体式河川を泳ぐ魚は、浮遊するための機械的部品およびフェンス内の図1および図1Aと同様のモジュールであるが、魚観察手段L、Ldおよび/またはカメラを備える、具現化された特定のモジュールMCによって、計数され、サイズ決定され、種が認識される。魚観察手段は、カウンタとも考えられる。
【0074】
右手側MCにおける右側の観察手段Lは、LIDARとして、すなわちレーザ光放射に基づく光レーダとして具現化される。代替として、または追加として、そのような特定のモジュールMCは、モジュールMCにおける浮体式河川断面内の魚を測定し分類するために、写真測量プロセッサPrを有する写真測量システムに接続されたカメラ(またはカメラの集合体)を有し得る。写真測量プロセッサPrは、マイクロプロセッサならびに揮発性および/または永久タイプのメモリを有し得、そのことにより、結果を提供する認識において使用されるプログラムアルゴリズム、結果ならびに動作パラメータおよびデータを、さらなる処理のために、ならびに接続されたトランシーバユニット3iを介して送信するために、保存および復元することができる。しかしながら、プロセッサPrは、水中にある必要はなく、またはそれ自体はモジュールMCの位置にある必要はないが、そのような実施形態では、機能的通信がデータ転送のために必要とされる。この例におけるトランシーバユニットは、ブイまたはブイを支持する支持体に接続され、さらに、遠隔現場への通信のために、無線通信用のアンテナAntに接続される。
【0075】
図において、ブイ3iは、ブイに一体化されたまたは取り付けられたトランシーバを有し、これは、通常のブイ部分を有するが、L、Ldおよび/またはPrからの魚関連データを、インターネット(To Internet)で例示されるように、情報ネットワークに通信するために、遠隔ステーションとモジュールにおけるトランシーバとの間の通信接続を提供するためのアンテナAntをさらに有することが概略的に示されている。この接続は、追加として、または代替として、適切な部分においてセルラおよび/またはWi-Fiを組み合わせて使用することができる。また、適用可能な場合には、モノのインターネット(IOT)を使用することができる。しかしながら、この接続は、代替として、適切な部分においてケーブルによって具現化され得る。図5の左側において、ボックスLdは、情報を取得するためにメンテナンス時に任意に交換され、および/または読み取られる永久メモリ(すなわち、メモリカード)を有する、そのような具現化された代替LIDARユニットLdも示している。
【0076】
LIDARユニットL、Ldは、水中に沈められた状態で、写真測量プロセッサPrおよびその中の周辺機器と共に描かれているが、この全ての指定された部分を水中に沈める必要はなく、代替として、適切な部分において、水面wの上方に配置されてもよい。
【0077】
図6は、直線状の浮体式河川システム部分(左)として、および湾曲した(右)実施形態で具現化された浮体式河川システム200の実証試験の図である。このシステムは、浮遊しており、川底の重り、ならびに/または、陸地に取り付けられたケーブル/バーなど、ならびに/または、適切な部分に自然におよび/もしくは人工的に作られた、川で利用可能な適切な構造体によって、特定の位置および/もしくは形態に位置決めされ得る。この形態は、取り付け、ならびにケーブルの張り具合および/または浮体式河川部分に向けられる流れ条件を制御することによって制御され得る。
【0078】
図7は、そのような実施形態変形例を示しており、それによれば、浮体式河川モジュールM(および/または特殊な浮体式河川モジュールM’および/またはMC)から構成される浮体式河川200は、分岐構造の集合体を有し、分岐100は、上述した浮体式河川モジュールから成る具現化された浮体式河川システム100を有する。参照番号Colは、浮体式河川200の主チャネルへ誘導される魚の収集を指す。
実施例
【0079】
以下では、いくつかの例示的な実施形態は、適切な部分において、とりわけ、「can」、「could」、「might」、または「may」などの条件付き言語で説明されているが、別段に明記されていない限り、または使用される文脈内で異なる意味で理解される場合を除き、概して、特定の実装形態が、特定の特徴、要素、および/または動作を含むことができるが、他の実装形態は特定の特徴、要素、および/または動作を含まないことを伝えることが意図される。
実施例1
【0080】
本開示に係る具現化された浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)は、垂直壁要素(2)および少なくとも1つの水平キール要素(1)などのモジュール(M)、(M’)、(MC)の他の部分(1)、(2)を浮遊させるための少なくとも1つのブイ(3)、(3’)、(3i)を有するように製造されている。垂直壁要素(2)は、垂直壁要素(2)が水中で機能を果たす際に少なくとも部分的に水中に沈められるように、ブイアタッチメントを有する。垂直壁要素および水平キール要素はブイ(複数含)によって浮くので、ブイ(3)、(3’)、(3i)は、好ましくは、垂直壁要素(2)に堅固に取り付けられる。
【0081】
一実施形態によれば、垂直壁要素(2)は、同じ本体で作られた一体部分として水平キール要素(1)を備え得る。しかしながら、一実施形態変形例によれば、水平キール要素は垂直壁要素を垂直位置に維持するための安定器として機能するので、水平キール要素は、溶接によって、または水平面内の位置にロックするためのクイックロック取り付けによって、垂直壁要素に取り付けられ得る。ところが、荒れた状況、特に水面に波を発生させる嵐の状態では、ブイの往復運動および風荷重は、垂直壁要素を介して水平キール要素に力を及ぼし、その結果、垂直壁要素への取付点にトルクを加えることもある。一実施形態変形例によれば、水平キール要素は、このような水中でもメンテナンスを行うために交換可能に作られるが、単一のモジュールの荷重は、浮体式河川構造に対して、隣接するモジュール間で分割され得る。
【0082】
一実施形態によれば、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)は、上記モジュール(M)、(M’)、(MC)の他の水平部分(1)および垂直部分(2)を浮遊させるための2つの区別されたブイ(3)、(3’)、(3i)を有し得る。垂直壁要素は、一実施形態では、垂直壁要素の上縁においてブイに取り付けられているが、別のブイが、支持体(7)によって、形成された浮体式河川のインボード位置に取り付けられ、その結果、垂直位置における垂直壁要素の安定した浮遊を促進することができる。さらなる変形例によれば、代替として、または追加として、具現化された浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)の水平キール要素と協働して、垂直壁要素の位置を垂直方向にさらに安定させるために、ブイ(3)、(3’)、(3i)をアウトボード位置に設けることができる。
実施例2
【0083】
実施例1に従う、本開示の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)の一実施形態によれば、連続位置において別の同様のモジュール(M)、(M’)、(MC)に取り付けるための縁部構造(5)を備える垂直壁要素(2)を備え得る。この取り付けは、2つの隣接するモジュール間の直接の縁部対縁部の取り付けのための縁部構造によって、または連続する隣接モジュール(M)、(M’)、(MC)間の中間接続部材(5)によって行われ得る。モジュール(MC)および(M’)は、先に述べたようなさらなる特徴を有するいくつかの変更を有する特殊な種類のモジュールであるが、全体に適用可能な適切な方法で使用するために他のモジュール(M)に適合する。したがって、浮体式河川システムを形成するための他のモジュールへの取り付けは、このようなシステムの一部としての特殊なモジュール(M’)、(MC)に対しても、適宜に行われ得る。
実施例3
【0084】
実施例1および/または実施例2の浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)の一実施形態によれば、水平キール要素(1)は、2つの隣接するモジュール間の直接の縁部対縁部の取り付けを可能にする縁部構造(8)、または、水平キール要素における連続位置の連続する隣接モジュール(M)、(M’)、(MC)間の中間接続部材(8)を備え得る。
【0085】
浮体式河川のいくつかの部分では、魚は、特に入口位置/出口位置(ポートおよび/またはポートに向かって先細りする漏斗状構造など)において、底部によって実施され得る、さらに強化された誘導を必要とする場合があり、その結果、魚は、どこに行けばよいかが分かるが、垂直壁の下に潜り込む(これは、開放底部がある場合に、そのようなことになる)ことはない。鏡像位置(すなわち、対向位置)にある浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)では、水平キール要素(1)は、鏡像位置で別の同様のモジュール(M)、(M’)、(MC)に取り付けるための縁部構造(10)をそれぞれ備え、代替として、縁部構造を介して鏡像位置のモジュール(M)、(M’)を鏡像位置のモジュール(M)、(M’)に直接に、または底部を形成するために(浮体式河川に必要であると推定される場合に)、水平キール要素内にも2つの鏡像位置のモジュール(M)、(M’)間の中間接続部材(10)によって取り付けることができる。
実施例4
【0086】
実施例1、実施例2および/または実施例3によれば、具現化されたモジュール(M)、(M’)、(MC)は、必ずしも水密性である必要はないが、特に案内されることが意図される種の場合、魚を通さないものが有利である。
【0087】
したがって、垂直壁要素(2)および/または上記水平キール要素(1)は、その面の水通過、および/または縁部および接続部材における水通過のための構造を備え得る。すなわち、垂直壁要素(2)および/または上記水平キール(1)は、浮体式河川が浮遊する周りの水と、上記モジュール(M)、(M’)および/または上記モジュール(M)の集合体(100)、(200)が水面(w)と共に画定する浮体式河川チャネル体積内の水とが連通状態であり得る。
【0088】
図示されている実施例から明らかなように、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)は、上記浮体式河川チャネル断面の半分を形成する。
実施例5
【0089】
前述の実施例によれば、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)は、河川流路の方向に湾曲した形態の垂直壁要素(2)を有し得る。これは、このような実施形態によって、モジュール部分によって浮体式河川システムに流れ抵抗を付与するためであり、流れ抵抗は、垂直壁要素を水平位置に向かって非垂直位置に枢動させる傾向がある力に対抗するものである。
実施例6
【0090】
浮体式河川チャネルおよびその壁(100)、ならびに/または誘導構造(Col、100)を形成するための浮体式河川システム(100)、(200)であって、浮体式河川システム(100)、(200)、(Col)は、浮体式河川システムの浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)の集合体を備える。これらの浮体式河川モジュールは、適用可能な部分において、(実施例1~実施例5を含む)前述の実施例のいずれか1つの浮体式河川モジュールであり得る。
【0091】
したがって、主チャネルを有する浮体式河川としての浮体式河川システム(200)は、浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)が浮遊する水中へとつながる、垂直壁要素(2)によって囲まれた水中流路として形成され、浮体式河川モジュールは、浮体式河川のためのチャネル壁を形成するために、垂直壁要素(2)において互いにクイックロックするためにクイックロック部品(4)、(4a)、(4b)、(4c)によって接続され得る。
【0092】
浮体式河川モジュールを河川流路の方向に特定の曲率を有する階段状の湾曲形態に接続するために垂直壁要素(2)内にモジュール接続部を有する、すなわち、直線状の垂直壁要素(2)でも湾曲形態を形成することができる浮体式河川モジュール(M)、(M’)、(MC)を使用する浮体式河川モジュールシステムによって、浮体式河川チャネル壁に対する湾曲形態が形成され得、そのことにより、直線状の垂直要素を有するそのようなモジュールを用いて階段状に形成された円弧形態によって旋回流に対する抵抗を有する。しかしながら、そのような曲率は限定的ではなく、浮体式河川が浮くことを意図される水プールまたは通路、ならびにある場所から別の場所への魚の誘導、および浮体式河川の主チャネル(200)(例えば、図7参照)への魚の収集の必要性によって決まる。
実施例7
【0093】
上記の実施例1~実施例6のいずれか1つの浮体式河川システムであって、このような具現化されたシステムは、浮体式河川(100)、(200)によって形成された浮体式河川内の魚を計数し、サイズを推定し、および/またはその魚を認識するための計数手段(L)、(Ld)、(Camera)、(Pr)を有し得る。このような計数手段は、システムの浮体式河川モジュールに位置し得るが、浮体式河川チャネルからの入口位置および出口位置における分岐および収集点に計数手段を設けることができ、そのことにより、魚を検出することができ、浮体式河川を泳ぐ魚から種特異的統計情報を取得することができる。
【0094】
適用可能な部分において、システムは、適切な部分に、計数手段のための光を供給するための光源を有し得る。また、光源は、光を好む魚を誘導する/引きつけるために使用されてもよい。しかし、このような光源は、光を避ける魚の誘導に使用されるような浮体式河川またはその一部から除外され得る。
【0095】
例示されているシステムの一実施形態変形例によれば、計数手段は、システム内の計数手段の観察体積内で魚をマッピングするための光学計数手段である。計数手段は、水中LIDAR(L)、(Ld)、カメラ(Camera)、および/または写真測量器(Pr)を備え得る。
実施例8
【0096】
上記の実施例のいずれか1つの浮体式河川システムは、タグ付けされた魚のタグを読み取るRFIDリーダに基づいて、RFIDリーダの動作範囲の距離で、チャレンジを送信し、応答信号を読み取る識別システムとして、浮体式河川内を通過する魚を識別するための魚識別システムセンサを有する、浮体式河川モジュールを備え得る。一実施形態変形例によれば、浮体式河川(200)(浮体式河川システム(100、200)でもある)の浮体式河川モジュールの1つまたは複数は、無線テレメトリシステムアンテナを有し、魚が無線テレメトリを通過するときに、適切なタグに基づいて魚を識別する。一実施形態変形例によれば、モジュールは、PIT TAGタグ(パッシブ統合トランスポンダタグ:Passive Integrated Transponder tag)を読み取ることができる無線テレメトリリーダを有し、そのような埋め込み型タグ内の情報を用いてそのようなタグを装着している魚を識別する。
【0097】
このような浮体式河川モジュールは、例えば、無線テレメトリシステムアンテナを有する出口モジュールに位置し得、このアンテナは、発信された無線テレメトリシステムのチャレンジによって、PIT TAGなどのタグ付けされた魚に取り付けられたタグを読み取り、受信した応答によってタグを識別し、そのようにタグを装着している魚を識別するために、送受信機に接続される。
【0098】
本明細書に記載した本開示の多くの修正形態および他の実装形態は、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利点を有することが明らかであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実装形態に限定されるものではなく、修正形態および他の実装形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味で使用されており、制限することを意図するものではない。
【0099】
当業者は、明示的に開示された実施形態が単に例示のために構築されたことを再び認識し、その範囲は、本発明の本開示の各々の特定の使用事例により良く適合するさらなる実施形態、実施形態の組み合わせ、および均等物を網羅する。
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】