(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】包装材料及び包装材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 38/04 20060101AFI20250214BHJP
B65D 5/74 20060101ALI20250214BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20250214BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20250214BHJP
B29C 65/02 20060101ALI20250214BHJP
B32B 5/22 20060101ALI20250214BHJP
B32B 29/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B32B38/04
B65D5/74 020
B65B9/213
B29C45/00
B29C65/02
B32B5/22
B32B29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546218
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2023052438
(87)【国際公開番号】W WO2023148216
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】スピネッリ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】スカンセ、ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン、ダン
(72)【発明者】
【氏名】ベンコ、ガボール
【テーマコード(参考)】
3E050
3E060
4F100
4F206
4F211
【Fターム(参考)】
3E050AA02
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3E050CA01
3E050CB03
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3E060EA03
4F100AB10C
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(57)【要約】
ラミネート包装材料(10)が提供される。このラミネート包装材料(10)は、バルク層(12)を貫通して延びる複数の長手方向に分布する孔を含む紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(12)と、バルク層(12)に積層された1つ又は複数の外側層(14)と、バルク層(12)に積層された1つ又は複数の内側層(16、18、19)とを備え、前記内外側層(14、16、18、19)が、前記バルク層上の前記孔を覆うことにより、長手方向に分散する複数のラミネート孔(30)と、関連するラミネート孔の厚さ全体を通って延びる長手方向に分散する複数の一次孔(31)を形成し、各一次孔(31)がラミネート孔(30)の縁部によって取り囲まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート包装材料の製造方法であって、
紙、板紙又はその他のセルロース系材料のバルク層を提供すること、
前記バルク層に長手方向に分布する複数の孔を設けること、
前記バルク層に1つ以上の外側層を積層すること、前記外側層は包装材料によって形成された包装容器の外側に面するように意図され、
前記バルク層に1つ又は複数の内側層を積層すること、前記内側層は、前記包装材料によって形成される前記包装容器の内部に面するように意図され、前記内側層及び前記外側層は、前記バルク層上の前記孔を覆い、前記長手方向に分布する複数のラミネート孔を形成し、
前記長手方向に分布する前記複数のラミネート孔の実際の位置に対応する、前記長手方向に分布する前記複数の孔の所望の位置を決定すること、
前記長手方向に分布する前記複数の孔を所望の位置に設け、各孔は、関連する前記ラミネート孔の厚さ全体を貫通して延び、関連する前記ラミネート孔の縁で囲まれる、
ラミネート包装材料の製造方法。
【請求項2】
前記ラミネート包装材料に開封装置を設けることをさらに含み、各開封装置は1つの孔を覆う、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各開封装置は、前記ラミネート包装材料に直接射出成形することにより提供される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の内側層及び/又は前記外側層を前記バルク層に積層する前に、複数の折り目線及び/又は基準マークを前記バルク層に提供することをさらに含み、
前記長手方向に分布する前記複数の孔の所望の位置が、前記折り目線の位置に基づいて、又は前記提供された基準マークの位置に基づいて決定される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記長手方向に分布する前記複数の孔の所望の位置を決定することは、前記1つ又は複数の内側層及び/又は前記外側層の積層中に前記バルク層の収縮を決定すること、前記決定された収縮に基づいて所望の位置を補正すること、をさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記長手方向に分布する前記複数のラミネート孔が所定の位置に設けられ、前記孔の所望の位置が前記ラミネート孔の所定の位置とは異なる、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記孔が、前記ラミネート包装材料の長手方向及び横方向の両方に分布しており、前記方法が、前記ラミネート包装材料を長手方向に切断して、前記ラミネート包装材料の別個のウェブを形成することをさらに含み、前記ラミネート包装材料の各別個のウェブが、前記長手方向にのみ分布する前記複数の孔を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ラミネート包装材料(10)であって、紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(12)と、前記バルク層(12)は、貫通して延びる長手方向に分布する複数の孔を含み、前記バルク層(12)に積層される1つ以上の外側層(14)と、前記バルク層(12)に積層される1つ以上の内側層(16、18、19)と、を備え、
前記内側層(16、18、19)及び前記外側層(14)が前記バルク層上の前記孔を覆うことにより、前記長手方向に分布する複数のラミネート孔(30)と、関連する前記ラミネート孔(30)の厚さ全体を通って延びる長手方向に分布する複数の一次孔(31)とを形成し、各一次孔(31)が関連するラミネート孔(30)の縁部によって取り囲まれている、
ラミネート包装材料。
【請求項9】
各一次孔(31)が、円形、楕円形、長方形、正方形、ドロップ形状、又は少なくとも1つのスリットを有する、
請求項8に記載のラミネート包装材料。
【請求項10】
前記長手方向に分布する二次孔(32)をさらに含み、各二次孔(32)は、関連する前記一次孔(31)に隣接して、又は関連する前記一次孔(31)の延長線上に配置される、
請求項8又は9に記載のラミネート包装材料。
【請求項11】
長手方向に分布する複数の基準マーク(44、46)をさらに含み、好ましくは、前記基準マーク(46)が読み取り可能な情報を含む、
請求項8~10のいずれか一項に記載のラミネート包装材料。
【請求項12】
前記1つ以上の内側層(16、18、19)が、非アルミニウム箔ガスバリア層及び/又は光バリア層(16)を含む、
請求項8~11のいずれか一項に記載のラミネート包装材料。
【請求項13】
前記各一次孔(31)が、前記ラミネート包装材料(10)に直接射出成形される開封装置(4)によって覆われている、
請求項8~12のいずれか一項に記載のラミネート包装材料。
【請求項14】
連続する一連の連続セグメント(40)を含む連続ウェブロールとして提供され、各セグメント(40)は、単一の包装容器(2)を形成するように設計され、寸法設定され、前記各セグメント(40)は、前記一次孔(31)のうちの1つを有する、
請求項8~13のいずれか一項に記載のラミネート包装材料。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか一項に記載のラミネート包装材料によって形成された包装容器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食品用の個別包装容器を製造するためのラミネート包装材料に関する。本発明はまた、このようなラミネート包装材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品用の使い捨てタイプの包装容器は、多くの場合、板紙又はカートンをベースとする包装用ラミネートから製造され、今日では、このような包装容器の多種多様な種類が市場に出回っている。一般的に使用されている包装容器の1つは、Tetra Brik Aseptic(登録商標)という商標で販売されており、主に、長期常温保存用に販売される、牛乳、フルーツジュース等の液体食品の無菌包装に使用されている。この公知の包装容器の包装材料は、典型的には、紙、板紙、その他のセルロース系材料のバルク層又はコア層と、熱可塑性プラスチックの外側の液密層とを含むラミネートである。包装容器をガス気密、特に酸素ガス気密にするため、例えば、無菌包装及び牛乳又はフルーツジュースの包装の目的で、これらの包装容器のラミネートは通常、少なくとも1つの追加バリア層、最も一般的にはアルミニウム箔を備える。
【0003】
ラミネートの内側、すなわちラミネートから製造された容器に充填された食品内容物に面することを意図した側には、アルミニウム箔上に塗布された最内層があり、この最内層は、接着性ポリマー及び/又はポリオレフィン等のヒートシール可能な熱可塑性ポリマーを含む1層又は複数の部分層を備え得る。また、バルク層の外側には、最外層のヒートシール可能なポリマー層がある。
【0004】
包装容器は、一般に、ウェブから、又は包装材料のプレハブ状ブランクから、パッケージを形成し、充填し、密封するタイプの最新の高速包装機によって製造される。従って、包装容器は、ラミネート包装材料のウェブを、ウェブの長手方向の両縁を、最内と最外のヒートシール可能な熱可塑性ポリマー層を一緒に溶着することによって、オーバーラップ接合で互いに結合させることによって、チューブ状に改質することによって製造され得る。チューブは、目的とする液体食品で充填され、その後、チューブ内の内容物の高さより下方で、互いに所定の距離をおいてチューブの横方向シールが繰り返されることにより、個々のパッケージに分割される。包装材料は、横方向のシールに沿って切り込みを入れることによりチューブから分離され、包装材料に設けられた折り目線に沿って折り目をつけることにより、所望の幾何学的形状、通常は平行六面体が与えられる。
【0005】
この連続的なチューブ成形、充填及びシールする包装方法の概念の主な利点は、チューブ成形の直前にウェブを連続的に滅菌することができることであり、したがって無菌包装方法、すなわち充填される液体内容物及び包装材料自体が細菌から低減され、充填された包装容器が清潔な条件下で製造され、充填された製品に微生物が増殖する危険性がなく、周囲温度でも長期間保存することができる方法の可能性を提供する。Tetra Brik(登録商標)タイプの包装方法のもう一つの重要な利点は、上述のように、連続高速包装が可能なことであり、これはコスト効率にかなりの影響を与える。
【0006】
例えば牛乳やジュース等の敏感な液体食品の包装容器は、本発明のラミネート包装材料のシート状ブランク又はプレハブ状ブランクから製造できる。平らに折り畳まれた包装用ラミネートのチューブ状ブランクから、まずブランクを組み立てて開いたチューブ状容器カプセルを形成し、その開放端の一方を一体型エンドパネルの折り畳みとヒートシールによって閉鎖することにより、包装容器が製造される。こうして閉鎖された容器カプセルは、その開放端から食品、例えばジュースが充填され、その後、対応する一体型エンドパネルのさらなる折り畳みとヒートシールによって閉鎖される。シート状及びチューブ状ブランクから製造される包装容器の例としては、従来のいわゆるゲーブルトップ・パッケージがある。この種のパッケージには、プラスチック製の成形された上部を持つものもある。
【0007】
包装容器を改良するために、包装容器に開封装置を設ける技術が開発されてきた。これは、消費者が包装容器を操作しやすくし、液体食品を注ぐ際にこぼれる危険性を減らすだけでなく、開封装置が適切に製造され包装容器に取り付けられることにより、包装容器全体の完全性も向上する。開封装置は、再封可能なものであっても、再封不可能なものであってもよく、スクリューキャップのように再封可能な場合もある。
【0008】
既存の開封装置付き包装容器は、あらかじめ製造された開封装置をラミネート包装材料に取り付けることによって製造される。ラミネート包装材料には、開封装置を取り付ける部分にあらかじめ製造された孔が設けられる。この孔は、ラミネート前にバルク層又はコア層に孔を開け、バリア材を含む追加のラミネート層(これらの層は膜を形成する)によって内側と外側の孔を覆うことによって設けられる。こうして、包装材料は開封装置の部分でも無傷であり、使用者が開封装置を初めて操作して包装容器を開封する際には、膜が貫通し、それによって包装容器内の内容物へのアクセスが可能になる。
【0009】
他の選択肢の一つとして、射出成形による開封装置が考えられる。これらの開封装置は、先に説明したように、包装材料の片面又は場合によっては両面にポリマー材料を注入し、ポリマーを開封装置の形状に成形することによって、膜で覆われた予め製造された孔の上に形成し得る。また、消費者が消費直前に引き裂く引き裂き部を設けてもよい。射出成形された開封装置の別の代替案として、開封装置の注ぎ口に結びつけられたキャップを備えてもよい。
【0010】
消費者の満足のためには、貫通力や引き裂く力は可能な限り小さいことが望ましいが、意図しない貫通や引き裂きを防ぐために、開口部の構造にある程度の抵抗が必要である。したがって、これらの要求を満たすためには、慎重な設計が必要となる。
【0011】
以上のことから、包装容器の必要な完全性が確保されると同時に、必要な開封力又は引裂力が明確に定義された許容レベル内に収まるような方法で開封装置を使用することができるラミネート包装材料の改良が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、本発明の目的は、ラミネート包装材に直接射出成形される開封装置を可能にする、すぐに使用できるラミネート包装材を提供することである。
【0013】
「すぐに使用できる」という用語は、実質的な変更を必要とせず、包装成形・充填機に供給できる包装材料を意味すると解釈すべきである。
【0014】
第1の態様によれば、ラミネート包装材料を製造する方法が提供される。この方法は、i)紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層を提供すること、ii)バルク層上に長手方向に分布する複数の孔を提供すること、iii)バルク層に1つ以上の外側層を積層すること、当該外側層は、包装材料によって形成される包装容器の外側に面することを意図しており、iv)バルク層に1つ以上の内側層を積層すること、当該内側層は、包装材料によって形成される包装容器の内側に面することを意図し、内側層及び外側層は、バルク層上の前記孔を覆い、その結果、長手方向に分布する複数のラミネート孔を形成し、v)長手方向に分布する複数のラミネート孔の実際の位置に対応する長手方向に分布する複数の孔の所望の位置を決定すること、及びvi)所望の位置に長手方向に分布する複数の孔を設けること、各孔は、関連するラミネート孔の厚さ全体を通って延び、関連するラミネート孔の縁によって囲まれる、を備える。ラミネート包装材料は、好ましくは保管又は輸送され、包装材料を包装成形充填機に供給することにより、すぐに使用できる状態になる。このような方法により、ラミネート包装材料は、開封装置を追加する準備が整う。この開封装置の追加は、射出成形によって達成されてもよく、射出成形プロセスは、包装材料の両面の間のポリマーの硬化又は流動を回避する可能性のあるラミネート孔の膜上での成形と比較して容易になる可能性がある。また、開封装置を開封するために必要な開封力及び/又は引裂力は、包装材料の層の構成及び強度とは無関係に、開封装置の設計によって完全に決定される。この文脈では、「ラミネート孔の縁」とは、バルク層上の孔を画定するバルク層の縁を意味する。可能性の高い実施形態では、ラミネート孔は、孔を画定しているバルク層の積層縁部によって囲まれ、最外側層によって積層されてもよい。別の可能性の高い実施形態では、ラミネート孔は、最内側層によって積層された孔を画定しているバルク層の積層端部によって囲まれてもよい。
【0015】
長手方向に配置された孔は、変換プロセス中に提供され、好ましくは、折り目線及び/又は基準マークを基準にして提供されることにより、包装成形・充填機における包装材料の望ましくない動きが長手方向に配置された孔の位置決めに影響しないので、大きな利点が得られる。
【0016】
本方法は、ラミネート包装材料に、好ましくは再密封可能な開封装置を設ける工程をさらに備えてもよく、各開封装置は1つの孔を覆っている。各開封装置は、ラミネート包装材に直接射出成形することによって設けられてもよい。射出成形を充填機に組み込むことにより、非常に高いスループットを達成することができ、なおかつラミネート包装材料の製造に使用される装置の改造を必要としない。
【0017】
本方法は、1つ以上の内側層及び/又は外側層をバルク層にラミネートする前に、複数の折り目線及び/又は基準マークをバルク層に設けることをさらに含んでもよく、複数の長手方向に分布する孔の所望の位置は、設けられた折り目線の位置及び/又は基準マークの位置に基づいて決定されてもよい。これにより、その形状は、折り目線の位置によって、及び/又は、好ましくは公知の印刷技術を用いて基準マークを印刷することによって提供される基準マークの位置に基づいて決定されるので、最終的な包装容器上の開封装置の正しい位置決めが保証される。
【0018】
長手方向に分布する複数の孔の所望の位置を決定するステップは、1つ以上の内側層及び/又は外側層の積層中にバルク層の収縮を決定すること、決定された収縮に基づいて所望の位置を補正すること、をさらに備えてもよい。これにより、開封装置の位置精度がさらに向上し、開封装置と孔との間の正しい位置合わせも改善される。
【0019】
長手方向に分布する複数のラミネート孔は、所定の位置に設けられてもよく、孔の所望の位置は、ラミネート孔の所定の位置とは異なってもよい。このような状況において、本明細書で提示される解決策は、収縮が補償されるため、ラミネート孔に関して孔の正しい位置決めを達成する。
【0020】
長手方向に分布する複数の孔は、打ち抜き加工によって設けられてもよく、これにより、既存の変換装置に取り付けることができる簡単で堅牢な製造プロセスが可能になる。変換装置によって複数の長手方向に分散した孔を設けることにより、位置決め制御が著しく改善される。
【0021】
孔は、ラミネート包装材料の長手方向及び横方向の両方に分布されてもよく、本方法は、ラミネート包装材料を長手方向に切断して、ラミネート包装材料の別個のウェブを形成することをさらに含んでもよく、ラミネート包装材料の各別個のウェブは、長手方向にのみ分布する孔を備える。このように、孔は、製造プロセスをより効率的にする包装材料の多層ウェブに設けることができる。
【0022】
第2の態様によれば、すぐに使用できるラミネート包装材料が提供され、このラミネート包装材料は、紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層を備え、このバルク層を貫通して延びる長手方向に分布する複数の孔を含む。ラミネート包装材料は、バルク層に積層される1つ以上の外側層と、バルク層に積層される1つ以上の内側層とをさらに含み、内側層及び外側層は、バルク層上の孔を覆い、その結果、長手方向に分布する複数のラミネート孔を形成し、関連するラミネート孔の厚さ全体を通って延びる長手方向に分布する複数の一次孔を有する。各一次孔はラミネート孔の縁に囲まれている。このようにして、ラミネートされた包装材料は、包装成形充填機に供給する準備ができており、開封装置用の孔を準備するための追加の装置を必要としない。
【0023】
各一次孔は、円形、楕円形、長方形、正方形、ドロップ形、又は少なくとも1つのスリットを有してもよい。これにより、一次孔を異なるタイプの開封装置に適合させることができる。ラミネート孔もまた、円形、楕円形、長方形、正方形、又はドロップ形状を有してもよい。しかし、一次孔がラミネート孔の縁によって囲まれている限り、両孔は同じ形状を有していなくてもよい。各一次孔は、少なくとも1つのスリット、特に、ミシン目のような複数のスリットによって形成される形状、より詳細には、異なる方向の単一の線(-)、共通の中心点を有する複数の線(すなわち、電話のキーパッドの星形キーの形状)、円弧形状、X、Y、V、C又はO形状を有してもよく、これらはすべて、ミシン目等の複数のスリットによって描かれる。
【0024】
ラミネート包装材は、長手方向に分布する二次孔をさらに備えてもよく、各二次孔は、関連する一次孔に隣接して、又は関連する一次孔の延長線上に配置される。このような二次孔により、最終的な包装容器に機能性を付加することが可能であり、例えば、二次孔がテザーキャップ用のキャップホルダーの支持部を形成することを可能にする。
【0025】
ラミネート包装材料は、長手方向に分布する複数の基準マークをさらに含んでもよく、好ましくは、前記基準マークは読み取り可能な情報を備える。これらの基準マークは、一次孔を正しく位置決めするための見当マークとして機能し得るが、これらがラミネート包装材料に追加されたときに、開封装置を正しく位置決めするための基準マーク又は見当マークを形成してもよい。
【0026】
1つ以上の内側層は、バリア層が従来技術のように完全にアルミニウムではないことを意味する、アルミニウム箔ではないガスバリア層及び/又は光バリア層を備えてもよい。このようなバリア層は、最終的な包装容器を開封する際、及び/又は射出成形によって開封装置を形成する際に、使用者が貫通することが非常に困難である可能性があるため、本明細書に記載の解決策がさらに改善される。バリアフィルムが透過を回避するガスは、酸素や、保存期間を短くするなど食品に悪影響を及ぼすことが知られている他のガスであり得る。
【0027】
ある特定の例では、バリア層は繊維ベースのバリア層(例えば紙ベースのバリア層)であってもよい。繊維ベースのバリア層は、紙ベース層と、紙ベース層に設けられ、バリア特性を有するコーティング層を備える。紙ベース層は、酸素ガス、水蒸気及び/又は他の移行性物質に対するバリア性を提供することができる組成物の分散液又は溶液を用いて、水性分散コーティング法でコーティングしてもよい。このような組成物の例としては、ビニルアルコールポリマー又はデンプン又は他の多糖類を含み、任意に、タルク又はベントナイト又は他の粘土鉱物等の充填剤又は層状鉱物化合物をさらに含む水性組成物である。あるいはまた、紙ベース層は、化学気相成長法及び/又は物理気相成長法等の気相成長法によってコーティングされてもよく、好ましい実施形態では、金属化、すなわちアルミニウム等の金属のわずかナノメートル厚のコーティングで蒸着コーティングされてもよい。このような繊維ベースのバリア層は、その厚みや機械的特性によっては、打ち抜いたり、切断したり、貫通させたりすることが困難な場合があり、そのため特殊で強力な装置が必要となる。しかし、変換プロセスにより、比較的大きな設置スペースと接続を必要とする場合であっても、このような装置を設置することができる。
【0028】
他の特定の一例では、バリア層はポリマーベースのバリア層であってもよい。ポリマーベースのバリア層は、固有のガスバリア特性を有する単一のポリマー層、又は、ポリマーベース層を有し、バリア特性を有し、ポリマーベース層上にコーティングされたコーティング層を有する層を備えてもよい。ポリマーベース層は、単層又は多層構造を有する予め製造されたフィルムであってもよく、このフィルムは、繊維ベースのバリア基材に関して上述したのと同様の方法で、化学蒸着及び/又は物理蒸着等の蒸着法によってさらにコーティングされ、例えば、このようなポリマーバリア基材は、金属酸化物等の無機酸化物で金属化及び/又は蒸着コーティングされてもよい。このようなポリマーベースのバリア層は、打ち抜いたり貫通させたりするのが困難であるため、特殊で強力な装置が必要となる。
【0029】
このような繊維ベース又はポリマーベースのバリア層は、特に、特許請求の範囲に記載の包装材料で形成されたパッケージのリサイクルサイクルにおいて有益であると考えられる。
【0030】
各一次孔は、ラミネート包装材料に直接射出成形された、好ましくは、再密封可能な開封装置によって覆われてもよい。
【0031】
ラミネート包装材料は、連続する一連の連続セグメントを含む連続ウェブロールとして提供されてもよく、各セグメントは、単一の包装容器を形成するように設計され、寸法設定され、一次孔の1つを有する。したがって、包装材料は、包装容器に形成される連続ウェブとして食品充填機に容易に供給され得る。
【0032】
第3の態様によれば、包装容器が提供される。包装容器は、第2の態様にかかるラミネート包装材料によって形成される。
【0033】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】ラミネート包装材料のウェブから包装容器を製造する充填機の概略図である。
【
図2】実施形態に係るラミネート包装材料の製造プロセスを示す概略図である。
【
図3a】実施形態に係る半完成ラミネート包装材料の断面図である。
【
図3b】実施形態に係るラミネート包装材料の断面図である。
【
図4】様々な実施形態に係るラミネート包装材料の上面図である。
【
図5】実施形態に係るラミネート包装材料の一部断面図である。
【
図7】実施形態に係るラミネート包装材料のウェブの上面図である。
【
図8】実施形態に係るラミネート包装材料の製造方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1において、ラミネート包装材料10から包装容器2を製造する機械1の一例が示されている。ラミネート包装材料10は、ラミネート包装材料10の厚さ全体を通して延びる長手方向に分布する孔を備える。ラミネート孔30はラミネート包装材料10の一部であり、したがって、特許請求の範囲に記載された長手方向に分布する孔は、ラミネート包装材料10の厚さ全体を貫通して延びていると定義することができる。機械1に入ると、射出成形ステーション3が、射出成形された再密封可能な開封装置4をラミネート包装材料10に提供するように構成されている。射出成形ステーション3の下流には滅菌ステーション5が配置され、機械1にロール供給されるラミネート包装材料10を通常殺菌するように構成されている。滅菌ステーション5の下流には、ラミネート包装材料10の長手方向両端を互いにシールするチューブ成形部6がある。充填部7は、長手方向のチューブに所望の内容物を充填するように構成され、横シール部8は、包装容器2をラミネート包装材料10の上流側のチューブから分離するための横シール及び切断を提供する。
【0037】
ラミネート包装材料10は、
図2に例示するように、様々なプロセスや設備に従って製造することができる。
【0038】
ラミネート包装材料10は、紙、板紙又はセルロース系材料の層から製造され、バルク層12を形成する。
図2に示すプロセスに入る前に、バルク層12に印刷された装飾を施してもよい。
【0039】
この実施形態では、バルク層12は、折り目付けニップ20を通して供給され、これによりバルク層12に複数の折り目線が形成される。折り目線は、形成される最終の包装容器の所望の形状に応じて設計され、典型的には、これらの折り目線は、バルク層12に押し付けられる折り目ローラーによって形成される。次に、バルク層12は、パンチローラー27によって孔30、すなわちバルク層12を完全に貫通して延びる孔が設けられる。これらの孔30は、好ましくは、ラミネート包装材料10に後で追加される開封装置4の所望の位置に対応する所定の位置に配置される。一方、2つのローラー20、27の機能を組み合わせることもでき、折り目付けローラーにパンチツールを設けることもできる。
【0040】
次に、バルク層12に1つ以上の外側層14を設ける。これは、バルク層12上に均一なフィルムを提供するために、押出装置21、続いて冷却ニップ22によって達成することができる。外側層14は、他の実施形態では、互いに配置された複数の共押出しポリマー層として提供され得るだけでなく、湿式ラミネーション、分散コーティング等の他の技術によっても提供され得る。外側層14は、孔30を覆う。
【0041】
内側層はバリア層16を備え、バリア層16は、ポリマー又は紙ベースの基材上に配置され得る。バリア層16は、例えば、押し出し装置23と冷却ニップ24によって、最内層18で片面コーティングされる。次いで、バリアフィルム16は、接着層19を提供する追加の押出装置25によってバルク層12の内側に積層され、次いで冷却ニップ26が行われる。外側層に関しては、他の実施形態において、内側層16、18、19は、互いに配置された複数の共押出しポリマー層として、また湿式ラミネーション、分散コーティング等の他の技術によって提供され得ることに留意すべきである。また、内側層16、18、19は、孔30を覆う。
【0042】
バリア層はアルミニウム箔でもよい。しかし、他の材料も可能である。このような有用な材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンビニルアルコール共重合体(PVOH)、ナノ結晶セルロース(NCC)、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)等が挙げられる。
【0043】
酸素及び/又は水蒸気の透過を防止するための適切な材料は、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、特にプラズマエンハンスト化学蒸着法(PECVD)等の蒸着コーティングによって適用されてもよい。このようなナノメートル厚さの蒸着バリアコーティングの例としては、金属化アルミニウム等の金属化コーティング、AlOxやSiOxのような金属酸化物コーティング、又は非晶質炭素のコーティング、すなわち非晶質ダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)が挙げられる。
【0044】
酸素及び/又は水蒸気の透過を防止するための他の適切な材料は、バリアポリマーの水性分散液又は溶液コーティング、又はポリマーバインダーと無機粒子又は充填剤のバリア組成物によって適用されてもよい。
【0045】
ラミネート包装材料10がバルク層12と外側層14及び内側層16、18、19を用いて形成される場合、ラミネート包装材料10のウェブには、複数の孔31が設けられる。パンチローラー28によって形成され得るこれらの孔は、ラミネート包装材料10のウェブから得られるすべての包装容器が少なくとも1つの孔を有するように、少なくとも長手方向に分布している。孔31は、ラミネート孔30の位置に設けられるが、孔31の直径、すなわち寸法、すなわち面積がラミネート孔30の直径、すなわち面積よりも小さくなるように構成される。
【0046】
ラミネート包装材料10のウェブは、マルチレーンウェブとして製造され、このウェブはその後切断されて、個別の単一レーンウェブを形成してもよい。1つのレーンは、一連の包装容器を形成するために使用され、今日のほとんどの充填機1は、このような単一レーンのラミネート包装材料10のウェブを受け取ることによって動作する。このようなマルチレーンウェブの実施形態では、同じ目的で、孔はラミネート包装材料10を横方向/横断方向に分配される。したがって、ラミネート包装材料10のウェブから得られるすべての包装容器は、少なくとも1つの孔を有する。
【0047】
孔の適切な位置決めを確実にするために、本発明者らは、実際に孔を形成する前に孔の所望の位置を決定することの重要性に気付いた。これらの孔は、通常、バルク層12上で明確に定義され、適切な方向にある折り目線に対して位置合わせされる。しかし、外側層14と内側層16、18、19を積層する間に、バルク層12は、特に横方向に収縮する可能性がある。従って、ラミネート包装材料10の特徴を監視し、それに応じて孔形成装置を調整することが重要である。この監視は、例えば、カメラ又は他の情報読取装置によってインラインで行ってもよく、一方、調整は、例えばパンチローラー28を別のわずかに異なるパンチローラーに交換することによって、又はパンチローラー28の寸法を変更することによって、例えばパンチローラー28のパンチ特徴の横方向位置をずらすことによって、孔成形手段の設定を変更することによって行ってもよい。孔の位置決めに影響を及ぼす可能性のある他のパラメータは、例えば湿度、温度、バルク層及び/又は内側層又は外部層の材料の変化等である。
【0048】
次に
図3aを参照すると、半完成ラミネート包装材料10の一例が断面で示されている。この構成は、
図2の「
図3a」と記された位置、すなわち外側層14及び内側層16、18、19の積層後、孔31を開ける前の位置に対応する。ラミネート包装材料10は、バルク層10、最終の包装容器2の外面を形成するように配置された1つ以上の外側層14、及び最内ポリマー層18、ガス及び/又は光バリア層16、及び結合層19の形態の1つ以上の内側層を備える。
【0049】
図3aから分かるように、円形のラミネート孔30は、直径D1を有し、外側層14及び内側層16、18、19は、ラミネート孔30を横切って延びている。したがって、ラミネート孔30におけるバルク層12の端部は、外側層14及び内側層16、18、19によって覆われている。
【0050】
完成したラミネート包装材料10を
図3bに示す。ここで、ラミネート包装材料10は、ラミネート包装材料10の厚さを完全に貫通して延び、ラミネート孔30の直径D1よりも小さい実質的に一定の直径D2を有する長手方向に分布する円形孔31(実施例では1つの孔31のみを示す)を備える。
【0051】
孔31は、外側層14及び内側層16、18、19を打ち抜くことによって形成され、それによってバルク層12はそのまま残される。さらに、直径D2が直径D1よりも小さいので、外側層14及び内側層16、18、19は、孔31の領域において、好ましくは全周にわたってバルク層12の縁部を依然として保護する。
図3a~bはいずれも真の縮尺を表しておらず、ラミネート包装材料10の厚さは実際には孔31の直径又は寸法よりもかなり小さいことに留意すべきである。
【0052】
図4には、孔31の異なる形状が示されている。左上の例では、孔31及びラミネート孔30の両方とも円形を有する。円形の場合、孔31の直径は15~50mm、例えば30mm程度であり得る。他の形状の場合、孔31の面積が上記で例示した円形の孔31の面積と同様になるように、又はラミネート包装材に実装される開封装置4の種類に応じて、寸法を選択できる。
【0053】
さらに、この実施形態では、一次孔31に隣接して、一次孔31よりかなり小さい二次孔32が設けられている。典型的には、二次孔の直径は1~5mm、例えば3mmである。
図5を参照して説明されるように、二次孔32は、開封装置4のキャップ用のキャップホルダーの射出成形を補助してもよい。一次孔31と同様に、二次孔32も同様の方法で、すなわち、二次孔32の領域におけるバルク層12の周囲の縁部が外側層14及び内側層16、18、19によって保護され覆われるように、わずかに大きなラミネート孔によって取り囲まれるように形成されてもよい。
【0054】
図4の右上の例では、ラミネート孔30は楕円形を有し、一次孔31は長方形を有する。他の可能な形状も
図4に示されており、例えば、ドロップ形状のラミネート孔30と円形の一次孔31(
図4の中央の例)、正方形形状のラミネート孔30と円形の一次孔31(
図4の左下の例)、長方形形状のラミネート孔30とドロップ形状の一次孔31(
図4の右下の例)等が挙げられる。他の形状や組み合わせも可能であり、どのような形状であっても、一次孔31に隣接して配置されるか、ドロップ形状の一次孔31のように一次孔31にある程度合体した二次孔32によって補完することができることに留意すべきである。一次孔31と同様に、二次孔32もラミネート包装材料10の厚さを全体的に貫通して延び、一定の寸法を有する。
【0055】
次に
図5を参照すると、ラミネート包装材料10の詳細が断面で示されている。
図5に示すように、ラミネート包装材料10には、ラミネート包装材料10に直接射出成形された再封可能な開封装置4が設けられている。
【0056】
ラミネート包装材料10は、ラミネート包装材料10の厚さを全体的に貫通して延び、一定の寸法を有する一次孔31と、ラミネート包装材料10の厚さを全体的に貫通して延び、一定の寸法を有する二次孔32とを備えるが、二次孔32の寸法は一次孔31よりもはるかに小さい。一次孔31と二次孔32の両方は、ラミネート孔30を覆う外側層14と内側層16、18、19を貫通して打ち抜かれる。
【0057】
再密封可能な開封装置4は、好ましくは一回の操作で射出成形され、平面状の縁部4-2から上方に延びる注ぎ口4-1を備える。
図5に見られるように、縁部4-2は一次孔31を取り囲んでおり、孔31の縁部がスパウト4-1の縁部4-2によって完全に覆われるように、ラミネート包装材料10の両側に延びている。可撓部4-3は、スパウト4-1とキャップ4-4とを接続している。従って、キャップ4-4を開けても、キャップ4-4はスパウト4-1と接続されたままであり、包装容器2から分離されない。そのため、包装容器2をポイ捨てすることなく、キャップ4-4とともにリサイクル処理することができる。スパウト4-1又はキャップ4-4に膜(図示せず)を設けてもよいが、ここでは、キャップ4-4自体が、消費者が消費前に初めて注ぎ口から分離できる膜のように作用する。キャップ4-4は、例えば、使用者がキャップ4-4を容易に保持し、操作できるようにするためのプルタブ4-5を備えてもよい。
【0058】
縁部4-2はまた、開封装置4の射出成形材料で充填された二次孔32を覆っている。この材料は、二次孔32と位置合わせされたキャップホルダー4-6の支持体を形成する。キャップホルダー4-6は、注ぎ込みを補助するために、開封時にキャップ4-4を保持するために使用される。
【0059】
図6には、再密封可能な開封装置4を有する包装容器2の例が示されている。包装容器2は、この例では、所望の平行六面体形状を得るために折り畳まれ密封されたラミネート包装材料10によって全体が形成されている。包装容器2の上部には、孔31の上に射出成形された開封装置4が設けられており、オプションとして二次孔32の上にも射出成形されている。開封装置4の縁部4-2は、孔31、32の縁にあるラミネート包装材料10を完全に覆い、包装容器2に封入された製品からも、外部環境からも保護することを保証する。
【0060】
再び
図1を参照すると、ラミネート包装材料10は、リールに装填された連続ウェブの形態で充填機1(すなわち、個々の包装を形成し、充填し、密封するように構成された機械)に入ってもよい。このようなラミネート包装材料10のウェブを
図7に概略的に示す。ラミネート包装材料10は、連続する一連のセグメント40を備え、各セグメント40は、パッケージ2になるように折り畳まれ、成形され、密封された後、単一の包装容器2を形成するように設計され、寸法決めされている。
【0061】
ラミネート包装材料10の特定の横方向シール領域TSAは、最終的な包装容器2を製造する際に形成される横シールの一部となり、ラミネート包装材料10の全幅にわたって延びる。包装容器2が製造されると縦シールを形成する縦方向シール領域LSAは、ラミネート包装材料10の一方の側縁に延びる。各セグメント40には、包装容器2を形成するためにラミネート包装材料10を折り曲げる位置を示す折り目線42が設けられている。
【0062】
各セグメント40には、さらに孔31が設けられ、オプションとして二次孔32(図示せず)が設けられる。一次孔31/二次孔31,32は、上記の説明に従って、すなわちそれぞれのラミネート孔30の境界内に設けられる。
図7では、孔32の位置は
図6に示した開封装置4の位置に対応しているが、異なる位置も可能である。開封装置4を正しく位置決めするためには、孔31を所望の位置に設けることが重要であり、特に折り目線42が配置される位置とラミネート孔30の位置との関係が重要である。
【0063】
上記で説明したように、折り目線42を外側層14及び内側層16、18、19の積層前に設けると、積層中にバルク層12が収縮する可能性があり、折り目線42及びラミネート孔30が積層前の初期位置とはわずかに異なる位置に配置される可能性がある。
【0064】
孔31の正しい位置を確保するために、ラミネート包装材料10上の基準位置を利用することが可能である。そのような基準位置は、基準マーク44としての折り目線42の特定の基準特徴、例えば2つ以上の折り目線が交差する角であってもよい。別の選択肢は、別個の基準マーク46を利用することである。このような基準マーク46は、積層前にラミネート包装材料に、好ましくはバルク層に印刷され、塗布されてもよく、情報データを備えてもよい。例えば、基準マーク46は、磁化可能な粒子、溶媒及びバインダーを含む磁化可能なインクによって作られる印刷スポットとして提供されてもよい。これらは、好ましくは包装材料に折り目をつけながら磁化される。このような技術は、同じ出願人による欧州特許出願公開第2435321号明細書に記載されており、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0065】
基準マーク44、46の使用は、孔31を開ける場合と、開封装置4を射出成形する場合の両方において有利である。ラミネート包装材料10は、縦軸と横軸を有する座標系を定義する。基準マーク44、46に対する孔31の所望の位置を知ることにより、孔31を所望の位置に設けるように打ち抜き作業を調整することができる。
【0066】
さらに、開封装置4をラミネート包装材料に射出成形する際に、基準マーク44、46を利用することも可能である。孔31の実際の位置が機械で予め設定された位置からわずかにずれていると判断された場合、後続の孔31の位置が修正されるように調整を行うことができる。開封装置4の位置についても同様である。
【0067】
次に
図8を参照すると、ラミネート包装材料10を製造するための方法100が概略的に示されている。方法100は、紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層12を提供するステップ102と、バルク層12に複数の折り目線42を提供するステップ104とを備える。その後、バルク層12に長手方向に分散する複数の孔30を設けるステップ106が実行される。その後、バルク層12に1つ以上の外側層14を積層するステップ106が実行され、外側層14は、包装材料10によって形成される包装容器2の外側に面することを意図しており、バルク層12に1つ以上の内側層16、18、19を積層するステップ108が実行され、内側層16、18、19は、包装材料10によって形成される包装容器2の内側に面することを意図している。ステップ106と108から、孔30は外側層14及び内側層16、18、19によって覆われる。
【0068】
本方法はさらに、ラミネート孔30の実際の位置に対応する長手方向に分布する複数の孔31、32の所望の位置を決定するステップ110と、所望の位置に長手方向に分布する複数の孔31、32を設けるステップ112とを含み、各孔31、32はラミネート包装材料10の厚さ全体を貫通して延び、ラミネート孔30の縁によって囲まれる。
【0069】
ステップ104と106は同時に、好ましくは同じツールで実行されてもよい。したがって、ステップ110は、ステップ104及び106とともに同時に実行されてもよい。
【0070】
方法100はさらに、ラミネート包装材料10に再密封可能な開封装置4を設けるステップ114を含んでもよく、各開封装置4は1つの孔31、32を覆っている。このステップ114は、ラミネート包装材料10に直接射出成形することによって実行されてもよい。
【0071】
先に説明した方法とラミネート包装材料は互いに補完的である。ラミネート包装材料の特徴として明示的に言及されていないが、方法の任意のステップの任意の製品/特徴は、ラミネート包装材料の特徴として想定できる。ラミネート包装材料の任意の特徴を製造する方法として明示的又は暗黙的に言及された任意の方法ステップは、方法のステップとして明示的に言及されていなくても、方法のステップとして想定できる。
【0072】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【0073】
参考番号リスト
1 包装容器を製造する機械
2 包装容器
3 射出成形ステーション
4 再密封可能な開封装置
4-1 スパウト
4-2 スパウトの縁部
4-3 スパウトの可撓部
4-4 キャップ
4-5 プルタブ
4-6 キャップホルダー
5 滅菌ステーション
6 チューブ成形部
7 充填部
8 横シール部
10 ラミネート包装材料
12 バルク層
14 外側層
16 バリア層
18 最内層
19 結合層
20 折り目付けニップ
21 押出装置
22 冷却ニップ
23 押出装置
24 冷却ニップ
25 押出装置
26 冷却ニップ
27 パンチローラー
28 パンチローラー
30 ラミネート孔
31 孔
32 二次孔
40 ラミネート包装材のセグメント
42 折り目線
44 基準折り目線の特徴
46 基準マーク
100 方法
102 方法ステップ
104 方法ステップ
106 方法ステップ
108 方法ステップ
110 方法ステップ
112 方法ステップ
114 方法ステップ
D1 ラミネート孔の直径
D2 孔の直径
LSA 縦方向シール領域
TSA 横方向シール領域
【国際調査報告】