特表 2025-505188 ノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2025-02-21

(54)【発明の名称】ノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器

(51)【国際特許分類】

   A45D 34/02 20060101AFI20250214BHJP

   B05B 11/00 20230101ALI20250214BHJP

   B05B 11/10 20230101ALI20250214BHJP

   B65D 47/34 20060101ALI20250214BHJP

【ＦＩ】

A45D34/02 510C

B05B11/00 101B

B05B11/00 101G

B05B11/10 101B

B05B11/10 101G

B65D47/34 110

B65D47/34 BRG

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024546306

(86)(22)【出願日】2023-01-18

(85)【翻訳文提出日】2024-08-05

(86)【国際出願番号】 KR2023000849

(87)【国際公開番号】W WO2023153665

(87)【国際公開日】2023-08-17

(31)【優先権主張番号】10-2022-0016956

(32)【優先日】2022-02-09

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】517230666

【氏名又は名称】パムテク コリア カンパニー リミテッド

【氏名又は名称原語表記】ＰＵＭ－ＴＥＣＨ ＫＯＲＥＡ ＣＯ．， ＬＴＤ

【住所又は居所原語表記】４６， Ｂｕｐｙｅｏｎｇ－ｄａｅｒｏ ３２９ｂｅｏｎ－ｇｉｌ， Ｂｕｐｙｅｏｎｇ－ｇｕ， Ｉｎｃｈｅｏｎ ２１３１５， Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｋｏｒｅａ

(74)【代理人】

【識別番号】100121382

【弁理士】

【氏名又は名称】山下 託嗣

(72)【発明者】

【氏名】イ，ド フン

【テーマコード（参考）】

3E084

【Ｆターム（参考）】

3E084AA06

3E084AA12

3E084AB09

3E084BA02

3E084CA01

3E084CC03

3E084DA01

3E084DB11

3E084LD22

3E084LD25

3E084LF01

(57)【要約】

本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器は、内部に液状内容物が貯蔵される容器本体と、前記容器本体と連結されて液状内容物を吐出する吐出手段と、前記吐出手段と連結されて吐出手段を作動させ、内部に吐出流路が形成された押しボタンと、前記押しボタンの一側に結合されて吐出口が形成されたノズルと、前記ノズルの内側に形成されて弾性変形する弾性体及び前記弾性体によって往復移動しながら吐出口を開閉するノズルバルブで構成されたノズル遮断手段と、を含み、前記弾性体が前記ノズルの内側から外側に伸びながら前記ノズルバルブが前記吐出口と離隔されて前記吐出口を開放し、前記弾性体が復元されながら前記ノズルバルブが前記吐出口を外側から覆って前記吐出口を閉鎖することを特徴とする。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

内部に液状内容物が貯蔵される容器本体と、
前記容器本体と連結されて液状内容物を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段と連結されて前記吐出手段を作動させ、内部に吐出流路が形成された押しボタンと、
前記押しボタンの一側に結合されて吐出口が形成されたノズルと、
前記ノズルの内側に形成されて弾性変形する弾性体と、前記弾性体によって往復移動しながら前記吐出口を開閉するノズルバルブで構成されたノズル遮断手段と、を含み、
前記弾性体が前記ノズルの内側から外側に伸びながら前記ノズルバルブが前記吐出口と離隔されて前記吐出口を開放し、前記弾性体が復元されながら前記ノズルバルブが前記吐出口を外側から覆って前記吐出口を閉鎖することを特徴とする、ノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項2】

前記容器本体は、内部に液状内容物が収容される内部容器と、前記内部容器の外側を取り囲む外部容器で構成されることを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項3】

前記容器本体の一側にはショルダーがさらに結合され、前記ショルダーに前記押しボタンが直線移動可能に結合されることを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項4】

前記吐出手段は、前記容器本体に貯蔵された液状内容物をポンピングするポンプであることを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項5】

前記ノズルの内周縁には係止爪が突出形成されており、前記係止爪に前記ノズルバルブの少なくとも一部分が係止されることによって、前記ノズルバルブが前記ノズルの前記吐出口を外側から開閉することを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項6】

前記弾性体は、係止部、前記係止部から延びて弾力的に変形する弾性部、及び前記弾性部の端部に形成されて前記ノズルバルブが結合される結合部からなることを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項7】

前記係止部は、リング形態に形成され、前記ノズルの一側端部に係止されて固定されることを特徴とする、請求項６に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項8】

前記弾性部は、前記係止部と前記結合部を貫通する仮想の軸を中心に少なくとも１つ以上の線が一定の角度で傾斜して並んで巻かれた円筒状スクリュー形状であることを特徴とする、請求項６に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項9】

前記結合部は、中央に穴が形成されて前記ノズルバルブが結合される結合リング、及び前記結合リングと前記弾性部を一定の間隔で離隔させながら連結する少なくとも１つ以上の連結リブからなることを特徴とする、請求項６に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【請求項10】

前記ノズルバルブは、前記ノズルの内側空間に挿入されて前記弾性体と結合される中心軸と、前記中心軸から外側に拡張されて前記ノズルの前記吐出口を開閉するバルブ板からなることを特徴とする、請求項１に記載のノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、液状内容物吐出容器に関し、さらに詳細には、液状内容物の吐出圧力によって弾性体が変形されながら前記弾性体と結合されたノズルバルブがノズルの吐出口を開閉することによって、ノズル内部の密閉及び弾性体の復元力が安定的に維持されるノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器に関する。

【背景技術】

【0002】

今日、現代社会は急速に多角化が進む時代の流れによって、老若男女にかかわらず必要に応じて化粧品を愛用していることが実情である。特に、女性の場合は多様な種類の化粧品と多様な色彩を有する化粧用品及び道具などを使用しており、化粧品関連業者の研究開発によって多様な良質の化粧用品及び道具が日々市場で販売されている。

【0003】

上記化粧品を使用目的に応じて分類してみると、皮膚表面の皮脂、老廃物及び汚染物質を除去するために用いられる洗顔化粧品と、皮膚に水分と油分を適切に供給するために用いられる基礎化粧品と、美しい色感を表現するために用いられる色調化粧品と、毛髪または頭皮の異物を除去すると同時に、毛髪を保護して栄養を供給するために用いられる毛髪化粧品、及び香料をアルコールなどに溶かして他人に香りを漂わすために用いられる香水などに分類される。

【0004】

一方、上記化粧品は、生活水準の向上によって、化粧品の組成物に対する安定性及び皮膚美容に対する関心が高まるにつれ天然の原料から多く製造されている。このような化粧品は、皮膚に及ぼす刺激を最小化するために防腐剤などを添加しないことで化学原料から製造された化粧品に比べて相対的に変質の危険性が高い短所を有する。例えば、上記化粧品は、使用時に外部の空気との接触によって細菌が浸透したり、空気との接触で組成物が酸化したりすることで汚染または変質することがある。

【0005】

また、上記化粧品のうち、ローション、クリーム、ジェル、シャンプー、リンスなどのように液状またはゲル状の形態を有している化粧料を保管して使用するために、一般的に単純な開閉機能を有する容器を使用することで上記容器から化粧品をヘラまたは指で取り出して皮膚または毛髪に塗布して使用してきた。このような従来の容器は、吐出される化粧品の量を常に一定に調節することができず、化粧品が浪費される問題点があった。

【0006】

よって、化粧品と外部空気の接触を最小化し、使用が便利で化粧品の吐出量を一定に調節することができるポンプ型化粧品容器が開発された。

【0007】

上記ポンプ型化粧品容器は、内容物が収容される容器本体と、容器本体の開口部に備えられて押し操作される押圧式ポンプ、及び前記押圧式ポンプと連結された状態で容器本体の上部に結合されるノズルヘッドを含んで構成され、外部に露出した状態のノズルヘッドを下側に押すと前記押圧式ポンプのポンピング作動によって容器本体内に収容された内容物が一定量ずつ外部に排出される。

【0008】

上記のようなポンプ型化粧品容器は、容器本体に収容された内容物が外部空気と接触されず、内容物がノズルの吐出口を通じて過度に排出されないため経済的であり、容器本体を床に下ろした状態でも作動して使用が便利な長所がある。

【0009】

しかし、上記ポンプ型化粧品容器は、内容物を外部に排出するための吐出口が常に開放された状態にあって、吐出される内容物がきれいに出し切れずノズルの下部に流れ出て汚れる問題点があった。また、吐出口と吐出流路内に残留する内容物が長時間外部に露出しながら硬化して吐出口を塞いだり、汚染または成分が変質したりして非衛生的な問題点があった。

【0010】

このような問題を解消するために、韓国公開特許第１０－２０１２－００１７６２８号でディスペンサーポンプボタンのノズル構造が開示されている。前記従来技術は、ディスペンサーポンプボタンの排出部に結合されて内容物を外部に排出するノズル構造において、内容物が移動する通路を形成するように所定の長さからなり、前記排出部を通じて内容物が流入するように一側は開放形成され、他側は流入した内容物が排出されるように排出穴が形成される外ノズルと、前記外ノズルの内部に収容されて前、後進移動によって外ノズルを開閉し、前記排出穴を開閉させる遮断棒と、前記遮断棒の末端に結合されて遮断棒を前、後進移動させる弾性体と、前記弾性体の末端に結合されて弾性体を支持し、内容物流入穴が形成される弾性体支持部で構成される内ノズルとを含む。

【0011】

しかし、上記従来技術は、蛇腹タイプの弾性体が内容物の吐出圧力によって反復的に圧縮されながら長期間使用すると自己復元力が劣る問題点があった。また、上記従来技術は、内容物の吐出圧力による弾性体の収縮及び復元によって遮断棒が後方に移動した後に前方に移動する瞬間、外ノズルの排出穴の内側に残っている内容物が前記遮断棒によって外に押し出されて吐出口の周辺が汚れる非衛生的な問題点があった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0012】

【特許文献1】韓国公開特許第１０－２０１２－００１７６２８号（２０１２．０２．２９．公開）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0013】

上記のような問題点を解決するために、本発明は、液状内容物の吐出圧力によって弾性体が伸びて復元されながら前記弾性体と結合されたノズルバルブがノズルの吐出口を外側から開閉し、これを通じて前記ノズル内部の密閉が安定的に維持されることはもちろん、弾性体の反復的な圧縮作動による復元力の低下現象を防止するノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器を提供することに目的がある。

【課題を解決するための手段】

【0014】

上記のような目的を達成するために、本発明は、内部に液状内容物が貯蔵される容器本体と、前記容器本体と連結されて液状内容物を吐出する吐出手段と、前記吐出手段と連結されて前記吐出手段を作動させ、内部に吐出流路が形成された押しボタンと、前記押しボタンの一側に結合されて吐出口が形成されたノズルと、前記ノズルの内側に形成されて弾性変形する弾性体と、前記弾性体によって往復移動しながら吐出口を開閉するノズルバルブで構成されたノズル遮断手段と、を含み、前記弾性体がノズルの内側から外側に伸びながら前記ノズルバルブが前記吐出口と離隔されて前記吐出口を開放し、前記弾性体が復元されながら前記ノズルバルブが前記吐出口を外側から覆って前記吐出口を閉鎖することを特徴とする、ノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器を提供する。

【0015】

また、前記容器本体は、内部に液状内容物が収容される内部容器と、前記内部容器の外側を取り囲む外部容器で構成されることを特徴とする。

【0016】

また、前記容器本体の一側にはショルダーがさらに結合され、前記ショルダーに前記押しボタンが直線移動可能に結合されることを特徴とする。

【0017】

また、前記吐出手段は、前記容器本体に貯蔵された液状内容物をポンピングするポンプであることを特徴とする。

【0018】

また、前記ノズルの内周縁には係止爪が突出形成されており、前記係止爪に前記ノズルバルブの少なくとも一部分が係止されることによって、前記ノズルバルブが前記ノズルの前記吐出口を外側から開閉することを特徴とする。

【0019】

また、前記弾性体は、係止部、前記係止部から延びて弾力的に変形する弾性部、及び前記弾性部の端部に形成されて前記ノズルバルブが結合される結合部からなることを特徴とする。

【0020】

また、前記係止部は、リング形態に形成され、前記ノズルの一側端部に係止されて固定されることを特徴とする。

【0021】

また、前記弾性部は、前記係止部と前記結合部を貫通する仮想の軸を中心に少なくとも１つ以上の線が一定の角度で傾斜して並んで巻かれた円筒状スクリュー形状であることを特徴とする。

【0022】

また、前記結合部は、中央に穴が形成されて前記ノズルバルブが結合される結合リング、及び前記結合リングと前記弾性部を一定の間隔で離隔させながら連結する少なくとも１つ以上の連結リブからなることを特徴とする。

【0023】

また、前記ノズルバルブは、前記ノズルの内側空間に挿入されて前記弾性体と結合される中心軸と、前記中心軸から外側に拡張されて前記ノズルの前記吐出口を開閉するバルブ板からなることを特徴とする。

【発明の効果】

【0024】

本発明の実施例によると、液状内容物の吐出圧力によって弾性体が伸びて復元されながら前記弾性体と結合されたノズルバルブがノズルの吐出口を開閉することによって、前記ノズル内部の密閉が安定的に維持されることはもちろん、弾性体の反復的な圧縮作動によって復元力が低下することを防止する効果がある。

【0025】

本発明の実施例によると、弾性体とともに往復移動するノズルバルブがノズルの吐出口を外側から開閉することによって、液状内容物と外部空気の接触を安定的に遮断して液状内容物の汚染及び変質を防止し、作動過程で一部の液状内容物がノズルの外に流れ出ずに衛生的に使用することができる。

【0026】

本発明の実施例によると、ノズルの内側空間に設けられる弾性体が係止部と弾性部、及び結合部からなり、ノズルバルブがノズルの吐出口に挿入されながら前記結合部と容易に嵌合されるようにすることで、液状内容物吐出容器の組立工程を簡素化しながら、製造コストが節減されて生産性が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【0027】

【図1】本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の斜視図。

【図2】本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の分解斜視図。

【図3】本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の断面図。

【図4】本発明の実施例による押しボタンを押圧する様態を示した断面図。

【図5】本発明の実施例による押しボタンの押圧を解除する様態を示した断面図。

【発明を実施するための形態】

【0028】

以下の本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施され得る実施例であり、当該実施例の例示として図示された添付の図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を十分に実施することができるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないことを理解されたい。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施例に関連して本発明の思想及び範囲を逸脱せずに他の実施例で具現され得る。また、各々の記載された実施例内の個別の構成要素の位置または配置は、本発明の思想及び範囲を逸脱せずに変更され得ることを理解されたい。

【0029】

したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味で採用しようとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるならその請求項が主張することと均等なすべての範囲と、併せて添付の請求項によってのみ限定される。図面で類似する参照符号は、様々な側面において同一または類似する機能を示す。

【0030】

本発明で用いられる用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な現在広く用いられる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによって変わる場合がある。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は該当する発明の説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で用いられる用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容を基に定義されなければならない。

【0031】

本発明において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。

【0032】

以下、添付された図面を参考して、本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器を詳しく説明する。

【0033】

図１は本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の斜視図であり、図２は本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の分解斜視図であり、図３は本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の断面図である。

【0034】

図示された通り、本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器は、容器本体１０と、吐出手段２０と、押しボタン３０と、ノズル４０、及びノズル遮断手段５０を含んで構成されてもよい。

【0035】

本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器を各構成別に分けて説明すると次の通りである。

【0036】

前記容器本体１０は、内部空間に液状内容物が収容される内部容器１２と、前記内部容器１２が挿入される外部容器１４で構成されてもよい。

【0037】

前記内部容器１２は、内部に液状内容物が貯蔵される貯蔵容器として、内部が真空状態に維持されて液状内容物が安全に保管される。前記液状内容物は、化粧品、シャンプーまたは石鹸のような液体またはゲル（ｇｅｌ）状態の内容物をすべて含むことができる。前記内部容器１２は、酸素遮断材質またはアルミニウム材質で形成される。特に、酸素透過率が低いポリケトン(Ｐｏｌｙｋｅｔｏｎｅ、高性能の熱可塑性重合体の１つとして、一酸化炭素とエチレン、プロピレンを共重合させてつくる新素材)またはＰｏｋａｌ（ポリケトンとＥＶＯＨを一定の割合で混合して湿度抵抗性と柔軟性を向上させた新素材）材質で形成されることが好ましい。

【0038】

図２に示すように、前記内部容器１２は、内部に液状内容物が収容される軟質の収容部１２ａと、前記収容部１２ａと接合される硬質の結合部１２ｂからなってもよい。前記結合部１２ｂの一側には液状内容物が注入される入口部１２ｃが形成され、前記入口部１２ｃには吐出手段２０の少なくとも一部分が挿入、設置される。ここで、前記内部容器１２は、内部に収容された液状内容物が消尽されることによってその形状が変化するパウチ容器で形成されてもよく、それ以外にも一般の真空容器、ディップチューブ用短容器、ブロー及びガラス容器など多様なタイプで形成されてもよい。

【0039】

前記外部容器１４は、内部容器１２の外側を取り囲みながら前記内部容器１２を保護する。前記外部容器１４は、一側が開放された硬質の円筒形態として、液状内容物吐出容器の外観を構成する。もちろん、前記外部容器１４が円筒形態に限定されるものではなく、内部に貯蔵される内容物の種類または使用性またはデザイン的な要素などを勘案して多様な形態または材質で形成されることができる。但し、前記外部容器１４は、使用者が手で容易に把持することはもちろん、床に容易に立てておくことができるように幅が狭く、相対的に長さが長くて底が緩やかに形成されることが好ましい。

【0040】

一方、前記容器本体１０の外部容器１４の一側にはショルダー６０がさらに結合されてもよい。前記ショルダー６０は、外部容器１４の開放された部分を塞ぐと同時に、前記容器本体１０に設けられた吐出手段２０を保護し、前記ショルダー６０には押しボタン３０が直線移動可能に結合されてもよい。前記ショルダー６０には中心から外側に拡張される閉鎖板６２と、前記閉鎖板６２から上側に延長形成される第１上部延長突輪６４、及び前記第１上部延長突輪６４から外側に一定の間隔で離隔されて上側に延長形成される第２上部延長突輪６６からなる。前記閉鎖板６２は、外部容器１４の一側を覆いながら結合され、前記第１上部延長突輪６４と第２上部延長突輪６６は、押しボタン３０の内周縁と接しながら前記押しボタン３０の直線往復移動を案内する。

【0041】

前記吐出手段２０は、ショルダー６０の内側に設けられて容器本体１０の内部容器１２と連結され、押しボタン３０の押圧によって作動しながら内部容器１２に収容された液状内容物を吐出する。前記吐出手段２０は、内部容器１２とショルダー６０との間に嵌められて固定結合されるが、少なくとも一部分が内部容器１２の入口部に挿入されて前記内部容器１２と連結され、残りの部分がショルダー６０の中央を貫通して押しボタン３０と連結される。ここで、前記吐出手段２０は、ポンピングによって液状内容物を定量で吐出させるポンプであることが好ましい。

【0042】

図３に示すように、前記吐出手段２０は、内部容器１２の入口部に挿入されて下部に内容物吸入口２１ａが形成されたシリンダー２１と、内容物吸入口２１ａから延びて内部容器１２の内側に挿入される内容物吸入管２２と、前記シリンダー２１の内容物吸入口２１ａを開閉する吸入バルブ板２３と、前記シリンダー２１の上部を取り囲んで結合される密閉キャップ２４と、前記密閉キャップ２４を貫通した状態でポンピング作動方向に往復移動するステム２５と、前記ステム２５を弾力支持する弾性スプリング２６と、前記ステム２５に結合されてともに往復移動する作動吐出管２７、及び前記作動吐出管２７の外側に嵌められてシリンダー２１の内周縁に密着する作動吐出リング２８からなってもよい。

【0043】

一方、前記吐出手段２０のシリンダー２１と内部容器１２との間には密閉リング２９がさらに形成されて内部容器１２の密閉力を増大することができる。ここで、前記密閉リング２９は、内部容器１２の密閉力をより向上させるために弾性材質で形成され、ウレタンゴム（ｕｒｅｔｈａｎｅ ｒｕｂｂｅｒ）、天然ゴム（ｎａｔｕｒａｌ ｒｕｂｂｅｒ）、エラストマー（ｅｌａｓｔｏｍｅｒ）、ＮＢＲ（ｎｉｔｒｉｌｅ－ｂｕｔａｄｉｅｎｅ ｒｕｂｂｅｒ）、シリコーン（ｓｉｌｉｃｏｎｅ）のうち１つ以上の材質または弾性を有するポリプロピレン（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）、ポリエチレン（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ Ｓｔｙｒｅｎｅ）材質で形成されることが好ましい。特に、柔らかく耐久性に優れたゴムとプラスチック中間形態の材質であるＴＰＥ（Ｔｈｅｒｍｏ Ｐｌａｓｔｉｃ Ｅｌａｓｔｏｍｅｒ）材質で形成されることが最も好ましい。

【0044】

前記押しボタン３０は、吐出手段２０の一側に連結されて、使用者の押圧によって垂直に往復移動しながら前記吐出手段２０を作動させ、ショルダー６０の第１上部延長突輪６４と第２上部延長突輪６６の外周縁に接した状態で一定の区間で往復移動することができる。

【0045】

前記押しボタン３０の内側には吐出流路３２が形成される。前記吐出流路３２の一側端部は吐出手段２０と連結され、他側端部はノズル４０と連結される。前記吐出流路３２は、吐出手段２０によって吐出された液状内容物が通過する通路であると同時に、ノズル４０及びノズル遮断手段５０が挿入、設置される空間として、押しボタン３０の中央下端から一定の区間で垂直に延び、ある一地点で押しボタン３０の内側空間を横切って水平に延長形成されてもよい。一方、前記押しボタン３０は、内ボタン３４と外ボタン３６の二重構造で形成され、前記内ボタン３４に吐出流路３２が形成されてもよい。

【0046】

前記ノズル４０は、押しボタン３０の一側に結合されて前記押しボタン３０の外側に突出形成される。図２に示すように、前記ノズル４０は、内部が中空の管形状であり、少なくとも一部分が押しボタン３０の内側に挿入されて吐出流路３２と連結され、反対側に吐出口４２が形成されて吐出流路３２を通過した液状内容物を外部に吐出する。

【0047】

前記ノズル４０は、液状内容物の円滑な吐出及び使用性のために吐出流路３２と同一の方向に延長形成され、その内部空間にノズル遮断手段５０が挿入されてもよい。すなわち、前記ノズル４０が吐出流路３２の一側端部に固定結合され、一部分は押しボタン３０の吐出流路３２に挿入され、残りの部分は押しボタン３０の外側に突出される。

【0048】

一方、前記ノズル４０の内周縁には係止爪４４が突出形成されて前記係止爪４４にノズルバルブ５４の少なくとも一部分が係止される。前記係止爪４４は、ノズル４０の内周縁の周囲に沿って延長されたリング形状であり、前記ノズル４０の内径を部分的に縮小させ、吐出口４２と隣接する位置に形成されてもよい。言い換えれば、前記係止爪４４は、ノズル４０の内側に突出形成されてノズルバルブ５４が弾性体５２によって引っ張られながら外側からノズル４０の内側空間に完全に挿入されることを制限し、これによって前記ノズルバルブ５４がノズル４０の吐出口４２を外側から開放または閉鎖する。

【0049】

前記ノズル遮断手段５０は、ノズル４０の内側に形成されて液状内容物の吐出圧力によって弾性変形しながら、前記ノズル４０の吐出口４２を開放または閉鎖する。

【0050】

前記ノズル遮断手段５０は、弾性体５２と前記弾性体５２に結合されて往復移動しながら吐出口４２を開閉するノズルバルブ５４で構成されてもよい。前記弾性体５２がノズル４０の内側から吐出口４２方向に伸びながらノズルバルブ５４が吐出口４２と離隔されて前記吐出口４２を開放し、前記弾性体５２が復元されながらノズルバルブ５４が吐出口４２を外側から覆って前記吐出口４２を閉鎖する。

【0051】

図３に示すように、前記弾性体５２は、係止部５２ａ、前記係止部５２ａから延びて弾力的に変形する弾性部５２ｂ、及び前記弾性部５２ｂの端部に形成されてノズルバルブ５４が結合される結合部５２ｃからなってもよい。

【0052】

前記係止部５２ａは、弾性体５２の一側端部に形成されてノズル４０内側で弾性変形する弾性体５２の固定軸となり得る。前記係止部５２ａは、中央に液状内容物が通過するようにリング形態に形成され、その直径がノズル４０の内径よりも相対的に大きく形成されて前記ノズル４０の一側端部、すなわち、吐出流路３２に挿入されたノズル４０部分の端部に係止されて固定され、液状内容物の吐出圧力発生時、前記弾性体５２が係止部５２ａを基準にノズル４０の吐出口４２に向かって弾力的に伸びる。

【0053】

前記弾性部５２ｂは、液状内容物の吐出圧力によって引張（一定の力が物体の中心軸に平行に外方向に作用する時に物体が伸びる現象）または自己弾性力によって復元される部分として、係止部５２ａと結合部５２ｃを連結して、その内側空間に液状内容物が移動する。前記弾性部５２ｂは、係止部５２ａと結合部５２ｃを貫通する仮想の軸を中心に、少なくとも１つ以上の線が一定の角度で傾斜して並んで巻かれた円筒状スクリュー形状であることが好ましい。

【0054】

前記結合部５２ｃは、結合リング５２ｃ－１、及び前記結合リング５２ｃ－１と弾性部５２ｂを一定の間隔で離隔させながら連結する少なくとも１つ以上の連結リブ５２ｃ－２からなってもよい。前記結合リング５２ｃ－１は、中央に穴が形成されてノズルバルブ５４が嵌合され、液状内容物が係止部５２ａの中央と弾性部５２ｂの内側空間に沿って移動した後、連結リブ５２ｃ－２の間の空間を通過する。この時、前記結合部５２ｃの外径は、ノズル４０の内径よりも相対的に小さく形成されて前記ノズル４０と結合部５２ｃとの間の隙間を液状内容物が移動する。

【0055】

一方、前記弾性体５２は、合成樹脂材質で射出成形された射出スプリングであり、ノズル４０の内側空間に設けられることが好ましい。

【0056】

図２に示すように、前記ノズルバルブ５４は、少なくとも一部分がノズル４０の係止爪４４に係止されてノズル４０外部に露出すると同時に、前記ノズル４０の吐出口４２を外側から開閉する。前記ノズルバルブ５４は、ノズル４０の内側空間に挿入されて弾性体５２と結合される中心軸５４ａと、前記中心軸５４ａから外側に拡張されてノズル４０の吐出口４２を塞いだり、吐出口４２から離隔されながら前記吐出口４２を開閉するバルブ板５４ｂからなってもよい。前記中心軸５４ａは、弾性体５２の結合リング５２ｃ－１中央に形成された穴を貫通しながら前記結合リング５２ｃ－１に嵌合され、前記バルブ板５４ｂは、円板形状で形成されてノズル４０の係止爪４４のいずれか一面に接する。この時、前記吐出口４２の円滑な開閉作動のために、バルブ板５４ｂの外径は、ノズル４０の内径よりも相対的に小さく形成され、係止爪４４の内径よりも相対的に大きく形成されることが好ましい。

【0057】

上で考察したように、本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器は、液状内容物の吐出圧力によって弾性体５２が伸びて復元されると同時に、前記弾性体５２と結合されたノズルバルブ５４がノズル４０の吐出口４２を外側から開放または閉鎖し、これによって前記ノズル４０内部の密閉が安定的に維持されることはもちろん、弾性体５２の反復的な圧縮作動による復元力の低下現象を防止することができる。

【0058】

図４と図５は本発明の実施例に係る液状内容物吐出容器の作動を例示した図面として、これを参照して本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器の作動過程を説明する。

【0059】

図４は本発明の実施例による押しボタンを押圧する様態を示した断面図であり、図５は本発明の実施例による押しボタンの押圧を解除する様態を示した断面図である。

【0060】

本発明の実施例に係るノズル遮断構造を有する液状内容物吐出容器を使用するために、図４に示すように、押しボタン３０を押して吐出手段２０を作動させる。前記押しボタン３０が押されると、押しボタン３０に結合された吐出手段２０のステム２５と作動吐出管２７がともに下側に移動する。この時、作動吐出リング２８は、シリンダー２１内面に密着しているため、前記作動吐出管２７のみ下側に移動しながら作動吐出管２７と作動吐出リング２８との間に隙間ができて内容物の移動通路が生ずる。押しボタン３０を押し続けると、前記押しボタン３０によって下側に移動していたステム２５の下端が作動吐出リング２８を押して前記作動吐出リング２８が作動吐出管２７とともに下側に移動しながらシリンダー２１内部の体積が減り、これによってシリンダー２１内の吐出圧力によって吸入バルブ板２３が内容物吸入口２１ａを閉鎖させると同時に、シリンダー２１内に貯蔵されていた液状内容物が作動吐出管２７と作動吐出リング２８との間に出て作動吐出管２７とステム２５の内部通路に移動する。

【0061】

続いて、図４の部分拡大図に示すように、吐出手段２０から吐出された液状内容物が押しボタン３０の吐出流路３２を経て弾性体５２の内側空間に流入し、前記弾性体５２の内側空間に流入した液状内容物の吐出圧力によって前記弾性体５２の弾性部５２ｂが係止部５２ａを中心に外側に向かって伸びると同時に、前記弾性体５２と結合されたノズルバルブ５４がノズル４０の係止爪４４から離隔されながら吐出口４２が開放されて液状内容物が前記吐出口４２を通じて外部に吐出される。

【0062】

その後、図５に示すように、前記押しボタン３０の押圧を解除すると、吐出手段２０のステム２５を弾力支持する弾性スプリング２６が元の形態に復元されながら前記ステム２５が上側に移動し、前記ステム２５の下側に結合されている作動吐出管２７も上側に移動する。この時、前記作動吐出管２７の下部が作動吐出リング２８を上に引き上げて作動吐出管２７と作動吐出リング２８との間の隙間が塞がれながら前記作動吐出管２７と作動吐出リング２８がともに上側に移動し、これによってシリンダー２１内部の体積が大きくなって真空圧が発生する。これと同時に、前記シリンダー２１内部に発生された真空圧によって吸入バルブ板２３が持ち上がりながらシリンダー２１の底面に形成された内容物吸入口２１ａが開放されて内部容器１２に収容されていた液状内容物が内容物吸入管２２、及び内容物吸入口２１ａを通じてシリンダー２１の内部に流入し、前記内部容器１２が吐出された液状内容物の量分だけ潰れる。

【0063】

この時、図５の部分拡大図に示すように、液状内容物の吐出圧力がなくなりながら前記弾性体５２の弾性部５２ｂが自己弾性力によって復元されると同時に、前記弾性体５２と結合されたノズルバルブ５４がノズル４０の係止爪４４に係止されながら吐出口４２を閉鎖する。

【0064】

以上のように、本説明では具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例及び図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の思想は、説明された実施例に局限して定められてはならず、後述する請求の範囲だけでなく、本請求の範囲と均等あるいは等価的な変形を伴うすべてのものは本発明の思想の範疇に属するといえる。

【符号の説明】

【0065】

１０：容器本体
１２：内部容器
１４：外部容器
２０：吐出手段
３０：押しボタン
３２：吐出流路
３４：内ボタン
３６：外ボタン
４０：ノズル
４２：吐出口
４４：係止爪
５０：ノズル遮断手段
５２：弾性体
５２ａ：係止部
５２ｂ：弾性部
５２ｃ：結合部
５４：ノズルバルブ
５４ａ：中心軸
５４ｂ：バルブ板
６０：ショルダー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【国際調査報告】