(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ポンプ装置、腹膜透析装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/28 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A61M1/28 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546999
(86)(22)【出願日】2023-02-05
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 IB2023051015
(87)【国際公開番号】W WO2023148688
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(32)【優先日】2022-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524293681
【氏名又は名称】リベルディ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】ツォーリ,ヘズキア
(72)【発明者】
【氏名】ザカリン,ディミトリー
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA06
4C077BB01
4C077CC02
4C077DD25
4C077KK25
(57)【要約】
実施形態は、コントローラと、耐久性ユニットと、ハウジングを備え、耐久性ユニットと取り外し可能に結合可能である使い捨てユニットとを備える腹膜透析システムに関し、使い捨てユニットは、チャネルを有するチューブを受け入れるように構成され、チューブは、チャネル内に流体の流れを生じさせるようにポンプのホイールによって圧縮可能である。使い捨てユニットおよび/またはチューブは、チューブを通る流体の流体を遮断するように構成された少なくとも1つのフローブレーカを備える。耐久性ユニットは、少なくとも1つの付勢要素を受け入れるためのスライダプラットフォームと、コントローラによって制御可能な少なくとも1つのアクチュエータとをさらに備える。スライダプラットフォームは、少なくとも1つのフローブレーカに対して、フローブレーカ形態を変更するために、後退位置から前進位置まで制御可能に摺動するように作動され得る。
【選択図】
図8D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析システムであって、前記腹膜透析システムは、
コントローラと、
耐久性ユニットと、
ハウジングを備え、前記耐久性ユニットと取り外し可能に結合可能である使い捨てユニットであり、チャネルを有するチューブを受け入れるように構成され、前記チューブが前記チャネル内に流体の流れを生じさせるようにポンプのホイールによって圧縮可能である使い捨てユニットと
を備え、
前記使い捨てユニットおよび/または前記チューブは、前記チューブを通る流体の流れを遮断するように構成された少なくとも1つのフローブレーカを備え、
前記耐久性ユニットは、少なくとも1つの付勢要素を受け入れるためのスライダプラットフォームをさらに備え、さらに
前記腹膜透析システムは、前記コントローラによって制御可能な少なくとも1つのアクチュエータを備え、
前記スライダプラットフォームは、前記少なくとも1つのアクチュエータによって作動されて、前記少なくとも1つのフローブレーカに対して、前記チューブによって画定される流体流路によって画定されるチューブ面にほぼ平行な摺動面SP内にある摺動方向SDに後退位置から前進位置まで制御可能に摺動することができ、
前記後退位置から前記前進位置への前記スライダプラットフォームの摺動は、前記少なくとも1つの付勢要素に、前記少なくとも1つのフローブレーカのフローブレーカ形態を閉形態から開形態に変化させ、前記チューブを通る流体の流れを可能にする、腹膜透析システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記閉形態から前記開形態に可逆的または不可逆的に構成可能である、請求項1に記載の透析システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記開形態から前記閉形態に可逆的または不可逆的に構成可能である、請求項1に記載の透析システム。
【請求項4】
前記フローブレーカは、前記チューブに組み込まれた隔壁および/または弁である、請求項1~請求項3のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素である、請求項1~請求項4のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項6】
前記機械的エネルギー蓄積要素は、前記チューブを圧縮するように構成されたばねである、請求項5に記載の透析システム。
【請求項7】
前記ばねは、前記ばねの一部がチューブを押圧する閉じた状態を有する常時閉である、請求項6に記載の透析システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記閉位置から前記開位置に回転可能であり、前記チューブを通る流体の実質的に妨げられない流れを可能にする回転可能な遮断要素である、請求項1~請求項7のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項9】
前記使い捨てユニットは、Yコネクタ端部とカテーテル端部とを備え、前記Yネクタ端部と前記カテーテル端部とはともに同じ方向に開いており、
前記システムは、前記スライダプラットフォームと前記少なくとも1つのフローブレーカとの間の相対変位を生じさせ、前記少なくとも1つのフローブレーカと前記付勢要素との間の相対変位を作動させて、前記少なくとも1つのフローブレーカを閉形態から開形態に変化させて、前記チューブを通る流体の流れを可能にするように構成される、請求項1~請求項8のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項10】
前記スライダプラットフォームは、Yセットチューブ端を前記使い捨てユニットによって収容される前記チューブの前記Yコネクタと接続するためにYセットチューブを収容するように成形および寸法決めされる、ベース部に対する隆起を含む、請求項9に記載の透析システム。
【請求項11】
前記チューブは、消毒材料を含む少なくとも1つの消毒部分を含む、請求項1~請求項10のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項12】
消毒部分は、圧縮されたチューブ壁と隔壁膜との間に閉じ込められる、請求項11に記載の透析システム。
【請求項13】
穿孔装置を備え、前記スライダプラットフォームと前記フローブレーカとの間の相対変位が、前記穿孔装置による前記隔壁膜の穿孔を生じさせる、請求項12に記載の透析システム。
【請求項14】
前記ポンプドライブは、前記耐久性ユニットの一部である、請求項1~請求項13のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項15】
透析治療プロセスを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1~請求項14のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項16】
ポンプロータをさらに備え、
前記ポンプロータは、前記ポンプの前記ポンプドライブと動作可能に結合可能であり、前記ポンプロータは、前記ポンプロータの回転面に垂直なロータ回転軸Zを有し、
前記ポンプロータは、前記ポンプロータに回転可能に結合され、前記ロータ回転軸Zに対して垂直なホイール回転軸Wを有する少なくとも1つのホイールを備え、
前記回転軸Zを中心とした前記ポンプロータの回転は、前記少なくとも1つのホイールが前記回転軸Zを中心とした円形経路を横行し、前記ポンプロータ軸の方向である方向に前記圧縮性チューブの対応する部分を圧縮するように、前記ホイール回転軸Wを中心として前記少なくとも1つのホイールを回転させる、請求項1~請求項15のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項17】
前記回転軸Zを中心とする前記ポンプロータの回転は、前記ホイール回転軸Wを前記ロータ回転面内で前記ロータ回転軸Zを中心として円運動させる、請求項16に記載の透析システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのホイールは、前記ロータ回転軸Zを中心として円運動するときに角速度の差を相殺するように構成されたリム面を有する、請求項16および/または請求項17に記載の透析システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのホイールは、前記ロータ回転軸Zに向かってテーパ状になるリム面を有する、請求項16~請求項18のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項20】
前記リム面は、錐台のリム面である、請求項19に記載の透析システム。
【請求項21】
前記ポンプロータは、前記ロータ回転軸Zの方向に、ピックアンドプレース組立ステップにおいて前記ポンプのシャフトによって動作可能に受容可能であるように構成される、請求項16~請求項20のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項22】
前記使い捨てユニットの上部は、前記ポンプチューブがない円形セクションを横行する前記少なくとも1つのホイールを支持するための支持構造体を含む、請求項16~請求項21のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項23】
腹膜透析システムであって、前記腹膜透析システムは、
コントローラと、
少なくとも1つの付勢要素を受け入れるように構成された耐性ユニットと、
ハウジングを備え、前記耐久性ユニットと取り外し可能に結合可能である使い捨てユニットであって、チャネルを有するチューブを受け入れるように構成され、前記チューブが前記チャネル内に流体の流れを生じさせるようにポンプのホイールによって圧縮可能である使い捨てユニットと
を備え、
前記チューブおよび/または前記使い捨てユニットは、前記チューブを通る流体の流れを遮断するように構成された少なくとも1つのフローブレーカを備え、さらに
前記腹膜透析システムは、前記コントローラによって制御可能な少なくとも1つのアクチュエータを備え、
前記少なくとも1つのフローブレーカおよび/または前記少なくとも1つの付勢要素は、前記少なくとも1つのアクチュエータによって作動されて、前記少なくとも1つのフローブレーカおよび/または前記少なくとも1つの付勢要素を互いに対して制御可能に摺動させ、前記少なくとも1つのフローブレーカを閉形態から開形態に変化させて、前記チューブを通る流体の流れを可能にすることができる、腹膜透析システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記閉形態から前記開形態に可逆的または不可逆的に構成可能である、請求項23記載の透析システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記開形態から前記閉形態に可逆的または不可逆的に構成可能である、請求項23および/または請求項24に記載の透析システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素である、請求項23~請求項25のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項27】
前記機械的エネルギー蓄積要素は、前記チューブを圧縮するように構成されたばねである、請求項26に記載の透析システム。
【請求項28】
前記ばねは、前記ばねの一部がチューブを押圧する閉じた状態を有する常時閉である、請求項27に記載の透析システム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのフローブレーカは、前記閉位置から前記開位置に回転可能であり、前記チューブを通る流体の実質的に妨げられない流れを可能にする回転可能な遮断要素である、請求項23~請求項28のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項30】
前記使い捨てユニットは、Yコネクタ端部とカテーテル端部とを備え、前記Yネクタ端部と前記カテーテル端部とはともに同じ方向に開いており、
前記システムは、前記少なくとも1つの付勢要素と前記少なくとも1つのフローブレーカとの間の相対変位を生じさせ、前記少なくとも1つのフローブレーカを閉形態から開形態に変化させて、前記チューブを通る流体の流れを可能にするように構成される、請求項23~請求項29のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項31】
前記摺動プラットフォームは、Yセットチューブ端を前記使い捨てユニットによって収容される前記チューブの前記Yコネクタと接続するためにYセットチューブを収容するように成形および寸法決めされる、ベース部に対する隆起を含む、請求項30に記載の透析システム。
【請求項32】
前記チューブは、消毒材料を含む少なくとも1つの消毒部分を含む、請求項23~請求項31のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項33】
消毒部分は、圧縮されたチューブ壁と隔壁膜との間に閉じ込められる、請求項32に記載の透析システム。
【請求項34】
穿孔装置を備え、前記スライダプラットフォームと前記フローブレーカとの間の相対変位が、前記穿孔装置による前記隔壁膜の穿孔を生じさせる、請求項33に記載の透析システム。
【請求項35】
前記ポンプドライブは、前記耐久性ユニットの一部である、請求項23~請求項34のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項36】
透析治療プロセスを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項23~請求項35のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項37】
ポンプロータをさらに備え、
前記ポンプロータは、前記ポンプの前記ポンプドライブと動作可能に結合可能であり、前記ポンプロータは、前記ポンプロータの回転面に垂直なロータ回転軸Zを有し、
前記ポンプロータは、前記ポンプロータに回転可能に結合され、前記ロータ回転軸Zに対して垂直なホイール回転軸Wを有する少なくとも1つのホイールを備え、
前記回転軸Zを中心とした前記ポンプロータの回転は、前記少なくとも1つのホイールが前記回転軸Zを中心とした円形経路を横行し、前記ポンプロータ軸の方向である方向に前記圧縮性チューブの対応する部分を圧縮するように、前記ホイール回転軸Wを中心として前記少なくとも1つのホイールを回転させる、請求項23~請求項36のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【請求項38】
前記回転軸Zを中心とする前記ポンプロータの回転は、前記ホイール回転軸Wを前記ロータ回転面内で前記ロータ回転軸Zを中心として円運動させる、請求項37に記載の透析システム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのホイールは、前記ロータ回転軸Zを中心として円運動するときに角速度の差を相殺するように構成されたリム面を有する、請求項37および/または請求項38に記載の透析システム。
【請求項40】
前記少なくとも1つのホイールは、前記ロータ回転軸Zに向かってテーパ状になるリム面を有する、請求項38~請求項39のいずれか1つまたは複数の請求項に記載の透析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年2月6日に出願された「PUMP DEVICE,AND PERITONEAL DIALYSIS DEVICE,SYSTEM AND METHOD」と題するイスラエル特許出願第290396号、および2022年11月13日に出願された「PUMP DEVICE,AND PERITONEAL DIALYSIS DEVICE,SYSTEM AND METHOD」と題するイスラエル特許出願第298182号の優先権を主張するものである。上記出願の内容は、その内容全体が本明細書内に完全に記載されているかのように、全て参照により援用される。
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、透析治療のためのシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腹膜透析は、血液から老廃物および過剰水を除去するための救命処置である。これは、主に、腎不全を経験した患者の健康を維持するために使用される。
【発明の概要】
【0004】
腹膜透析は、腹膜を生体半透膜として用いて、体内の血液から老廃物および過剰水を除去する。老廃物および過剰水は、血液から、腹膜を越えて、腹腔(より具体的には、腹膜腔)内の特殊な透析溶液(透析液と呼ばれる)へと移動する。除去される老廃物は、尿毒症の老廃物、過剰水、および過剰なミネラルを含む。
【0005】
図面は、全般的に、限定するものではなく例として、本文書で説明される種々の実施形態を図示するものである。
【0006】
簡単かつ明確に図示するために、図に示されている要素は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、いくつかの要素の寸法は、表示を明確にするために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、対応するまたは類似の要素を示すために、参照番号が図面間で繰り返されている場合がある。先に提示された要素は、それらが示されている図面または説明を必ずしもさらに引用しなくても暗に含まれるものとする。図を以下に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】いくつかの実施形態に係る、透析システムの概略ブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態に係る、透析システムの概略図である。
【
図3】いくつかの実施形態に係る、透析患者、新鮮な透析液バッグ、および使用済み透析液バッグと流体結合された透析装置の概略図である。
【
図4】いくつかの実施形態に係る、透析システムの概略配管計装図である。
【
図5A】いくつかの実施形態に係る、蓋が開かれた状態の透析装置の概略図である。
【
図5B】いくつかの実施形態に係る、蓋が閉じられた状態の透析装置の概略図である。
【
図5C】いくつかの実施形態に係る、透析装置の使い捨てカートリッジの概略底面図である。
【
図5D】いくつかの実施形態に係る、透析装置の使い捨てカートリッジの概略側面図である。
【
図5E】いくつかの実施形態に係る、使い捨てカートリッジの概略分解図である。
【
図5F】いくつかの実施形態に係る、透析システムの使い捨てカートリッジの一部およびチューブと係合するポンプの一部の概略図である。
【
図5G】いくつかの実施形態に係る、透析システムの使い捨てカートリッジの一部およびポンプの一部の概略図である。
【
図5H】いくつかの実施形態に係る、使い捨てカートリッジの上部の概略図である。
【
図5I】いくつかの実施形態に係る、使い捨てカートリッジの概略断面図である。
【
図6A】いくつかの実施形態に係る、蓋が開かれた状態の透析装置の概略図である。
【
図6B】いくつかの実施形態に係る、蓋が閉じられた状態の透析装置の概略図である。
【
図6C】いくつかの他の実施形態に係る、透析装置の概略図である。
【
図7A】いくつかの実施形態に係る、ポンプロータの概略分解図である。
【
図7】
図7B~
図7E。いくつかの実施形態に係る、ポンプロータの異なる概略図である。
【
図8A】いくつかの実施形態に係る、チューブと動作可能に係合する、閉形態にあるフローブレーカの概略図である。
【
図8B】いくつかの実施形態に係る、閉形態にある
図8Aのフローブレーカの概略図である。
【
図8C】いくつかの実施形態に係る、開位置にあるフローブレーカの概略図である。
【
図8D】いくつかの実施形態に係る、使い捨て部品およびフローブレーカを閉形態にする後退位置におけるアクチュエータの概略図である。
【
図8E】いくつかの実施形態に係る、使い捨て部品およびフローブレーカを開形態にする前進位置におけるアクチュエータの概略図である。
【
図8F】いくつかの他の実施形態に係る、遮断形態にあるフローブレーカの概略図である。
【
図8G】いくつかの他の実施形態に係る、開形態または非遮断形態にある
図8Iのフローブレーカの概略図である。
【
図8H】いくつかの他の実施形態に係る、開形態または非遮断形態にある
図8Iのフローブレーカの概略図である。
【
図8I】いくつかの他の代替の実施形態に係る、遮断形態にあるフローブレーカの概略図である。
【
図8J】いくつかの他の実施形態に係る、開形態または非遮断形態にある
図8Iのフローブレーカの概略図である。
【
図8K】いくつかの他の実施形態に係る、開形態または非遮断形態にある
図8Iのフローブレーカの概略図である。
【
図8L】代替の実施形態に係る、使い捨てカートリッジおよび閉形態にある
図8Iのフローブレーカの概略部分図である。
【
図8M】代替の実施形態に係る、使い捨てカートリッジおよび開形態にある
図8Iのフローブレーカの概略部分図である。
【
図9】
図9A~
図9C。いくつかの実施形態に係る、患者カテーテルと外部カテーテルとの接続部の異なる組立概略図である。
【
図10】いくつかの実施形態に係る、膜穿刺装置の概略図である。
【
図11】
図11A~
図11C。いくつかの他の実施形態に係る、患者カテーテルと外部カテーテルとの接続部の異なる組立概略図である。
【
図12】
図12Aおよび
図12B。いくつかの実施形態に係る、ポンプチューブと係合する様々なポンプロータ要素の概略図である。
【
図13】
図13Aおよび
図13B。いくつかの実施形態に係る、腹膜透析を行うための方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る改良型腹膜透析装置の原理および動作は、図面および付随する説明を参照することによってよりよく理解できる。
【0009】
ここで図面を参照すると、
図1は、いくつかの実施形態に係る、腹膜透析治療のためのシステムまたは装置を示す。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、透析システム100は、透析装置102と、透析液バッグ124または排液バッグと、患者130に接続可能な患者カテーテルとを備える。いくつかの実施形態では、透析装置102は、透析液バッグ124および/または排液バッグに接続可能であり、随意に、チューブの中に貯蔵された消毒材料の放出によって、バッグと患者130との間に消毒流路を形成する。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、コントローラ104と、ポンプを備える流体取扱モジュール112とを備える。いくつかの実施形態では、コントローラ104は、例えば、流体取扱モジュールが、透析液を腹膜腔の中に注入するように作動されるときに、または流体取扱モジュールが、腹膜腔の排液を行うように作動されるときに、流体取扱モジュールの動作を制御する。
【0012】
いくつかの実施形態では、コントローラ104は、透析装置102への透析液バッグ124および/または排液バッグの接続を制御する。さらに、いくつかの例では、コントローラ104は、患者カテーテルの透析装置102への接続を制御する。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ104は、流路に接続された異なる構成部材の自動接続および消毒を監視し、制御する。
【0014】
いくつかの実施形態では、コントローラは、構成部材が流路に接続されたときに、および/または流路が消毒されたときに、指示(例えば、人間が検出可能な指示)を送信する。代替として、または追加として、コントローラは、メモリに指示を記憶する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ104は、透析装置102の異なるセンサ(例えば、流体力学センサ116)によって流路内の流れを監視する。いくつかの実施形態では、流体力学センサは、例えば、流路を通過する流体の体積を監視するための少なくとも1つの体積センサ140を備える。さらに、流体力学センサは、例えば、流路を通過する流体の温度を監視し、制御するための少なくとも1つの温度制御センサ142を備える。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、例えば臨床パラメータの変化を感知するための少なくとも1つの臨床センサ114を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの臨床センサは、例えばクレアチニンセンサ136、および/または尿素センサ134、および/またはグルコースセンサ132を使用して、排出された透析液の化学的および/または生物学的含有量を感知する。随意に、1つまたは複数のバイオセンサ138が、細菌およびウイルスなどの関連する臨床病原体の検出のために、いくつかの生体分子を感知することができる。随意に、デキストロース/グルコースセンサ132が、注入された透析液中のデキストロース/グルコースレベルを感知する。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、排出された透析液中のグルコース/デキストロースレベルを測定するように構成された少なくとも1つのグルコース/デキストロースセンサ132を備える。いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、尿素レベルを検出するための少なくとも1つのセンサ(例えば、尿素センサ134)を備える。いくつかの実施形態では、透析装置102は、透析液中のクレアチニンレベルを検出するための少なくとも1つのセンサ(例えば、クレアチニンセンサ136)を備える。いくつかの実施形態では、排出された透析液中のクレアチニンのレベルは、随意に、新鮮な透析液中のクレアチニンレベルと比較して、対象者の臨床状態を示す。いくつかの実施形態では、臨床センサ114は、治療セッション中、例えば、透析液の注入および/または排出中に作動される。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、指示および/または警告を、患者に、または透析装置102の近傍の介護者に送信する。代替として、または追加として、コントローラは、指示および警告を遠隔コンピュータ(例えば、医師のコンピュータ)に伝送する。いくつかの実施形態では、医師は、例えば、少なくとも1つの治療パラメータを修正するために、または異なる治療計画を選択するために、情報を透析装置102に伝送する。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、患者に対して時間リマインダを、および/または治療ステップを実行するための指示を送信する。いくつかの実施形態では、装置のユーザ(例えば、患者または介護者)は、ユーザインターフェースを通してユーザ入力を提供し、ユーザインターフェースは、随意に、少なくとも1つのボタン(例えば、作動または治療終了ボタン)を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、ユーザから受信された入力および追加のユーザデータは、透析装置102に記憶される。いくつかの実施形態では、記憶されたユーザデータは、例えば、治療プロセス全体を通してユーザ状態の遠隔監視を可能にするように、医師に伝送される。いくつかの例では、透析装置102の作動ログファイルも記憶され、随意に、治療セッション後に患者コンプライアンスレポートを生成するために使用される。いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、例えば、コントローラ104および/または流体取扱モジュール112に随意に接続された電動ポンプの作動を可能にするために、透析装置の様々な構成部材に電力供給するための電源ユニット(例えば、バッテリ、外部電源への接続)106をさらに備える。いくつかの例では、バッテリは、流体取扱モジュール112に随意に接続された電動モータに電気的に接続される。
【0021】
いくつかの実施形態では、透析装置102は、例えば、外部電源によるバッテリの充電を可能にするために、バッテリに電気的に接続された充電ソケットまたはプラグを備える。代替として、バッテリは交換可能なバッテリである。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、バッテリ内の電力レベルに従ってモータの作動を制御する。
【0022】
いくつかの実施形態では、耐久性ユニットは、制御回路に接続され、少なくとも1つの人間が検出可能な指示(例えば、光指示および/または音指示による警告信号)を提供するように構成されたインターフェースを備える。耐久性ユニットはケースを備え得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、バッテリ内の電力レベルが低閾値よりも低いときに、制御回路は、警告信号(例えば、バッテリを充電すること、またはバッテリを交換することを示す信号)を生成するように、インターフェースに信号伝達する。代替として、または追加として、バッテリの電力レベルが低閾値よりも低いときに、制御回路はモータの動作を停止させる。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、制御回路は、例えば、バッテリ内の電力レベルが電力閾値よりも低いときに、モータを省電力モードで作動させる。閾値は、動的閾値、適応閾値、または所定の閾値であり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御回路は、随意に、モータを省電力モードで作動されるときに、モータの少なくとも1つの作動パラメータ値(例えば、回転速度および/または回転持続時間)を修正する。いくつかの実施形態では、制御回路は、バッテリ電力レベルが低閾値よりも低いときに、モータの作動を防止する。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、バッテリが完全に充電されたときのバッテリの電力レベルは、少なくとも1つの透析治療セッション(例えば、2つの治療セッション、3つの治療セッション、4つの治療セッション、または任意のより少ない、中間の、もしくはより多い数の治療セッション)に十分なレベルである。
【0027】
いくつかの実施形態では、治療セッションは、腹膜腔から透析液を少なくとも部分的に排出することと、腹膜腔内へ新鮮な透析液を少なくとも部分的に注入することとを含む。いくつかの例では、治療セッションは、腹膜腔から透析液を少なくとも部分的に排出すること、腹膜腔の中に新鮮な透析液を少なくとも部分的に注入すること、および腹膜腔内での透析液の滞留時間を含む。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、コンピュータサーバ(例えば、サーバ105)に接続される。いくつかの実施形態では、サーバ105は、治療プロトコルおよび/または装置作動ログファイルを記憶する。いくつかの実施形態では、コントローラ104は、装置動作に関連するパラメータおよび/または患者の臨床状態に関連するパラメータの測定値をサーバ105に書き込む。随意に、医師は、例えば、装置のログファイルを受信するために、および/または治療指示もしくは修正を送信するために、サーバ105と通信する。いくつかの実施形態では、サーバ105は、例えば、新しい透析液バッグを供給するために、介護者(例えば、看護師)または倉庫に情報を伝送する。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、例えば、患者の臨床情報および/または治療に関連する他の情報を介護者に提供するために、介護者103と通信する。いくつかの実施形態では、透析装置102は医師109と通信する。いくつかの実施形態では、実際の治療が所定の治療と異なる場合、透析装置102は医師109に警告を送信する。代替として、または追加として、治療の所望の結果に達しない場合、透析装置102は医師109に警告を送信する。いくつかの実施形態では、医師109は、例えば、命令を送信するために、および/または患者からさらなる情報を受信するために、透析装置102を介して患者と通信する。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、バッグ切換装置107に接続されるか、またはバッグ切換装置107を備える。いくつかの実施形態では、透析装置102(随意に、着脱可能および/または携帯型装置)は、腹膜透析治療(例えば、交換プロセス)中にバッグ切換装置107に取り付けられる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの透析液バッグ(例えばバッグ124)がバッグ切換装置107に接続される。いくつかの実施形態では、バッグ切換装置107は、随意にバッグのバーコードまたは異なるIDを使用して、正しいバッグが接続されていることを認証する。いくつかの実施形態では、バッグ切換装置107は、バッグの温度を監視し、随意に、加熱機構を使用して、バッグを加熱する。いくつかの実施形態では、交換セッションが終了すると、着脱可能装置はバッグ切換装置107から切断される。いくつかの実施形態によれば、装置は、加温器(例えば、加温器111)を備える。代替として、加温器は、透析装置100の一部であり、および/またはバッグ切換装置107の一部である。いくつかの実施形態では、加温器は、透析液バッグの温度を監視および/または制御するために使用される。いくつかの実施形態では、コントローラ104は、加温器111から、または透析液の温度に関する温度センサから信号を受信する。いくつかの実施形態では、コントローラ104は、例えば透析液バッグを加熱することによって透析液流体を加熱するように、加温器111に信号伝達する。代替として、コントローラ104は、透析液バッグを所望の透析液温度を有するバッグに切り換えるようにバッグ切換装置107に信号伝達する。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、ハンドヘルド装置123(例えば、携帯電話)と通信する。いくつかの実施形態では、透析装置102は、警告および/または指示および/または情報をハンドヘルド装置123に伝送する。随意に、透析装置102は、装置にインストールされたアプリケーションプログラムを使用してハンドヘルド装置123と通信する。いくつかの実施形態では、透析装置102は、治療の開始前の時間警告、または任意の時間警告をハンドヘルド装置123に送信する。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド装置は、随意にアプリケーションプログラムを使用して、透析装置102の作動を少なくとも部分的に制御する。いくつかの実施形態では、透析装置102は、ハンドヘルド装置123に接続された装置(例えば、スマートウォッチまたは任意の他のウェアラブルセンサ)から情報を受信する。
【0032】
例示的な装置の相互作用および機能
【0033】
ここで、いくつかの実施形態に係る腹膜透析装置の相互作用および機能を示す
図2を参照する。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、携帯型腹膜(PP)透析装置202は、PP透析機械、例えば、耐久性/再使用可能ユニット204およびPP使い捨てユニット206を備える。いくつかの実施形態では、耐久性ユニット204は、ケースと、電源ユニット(例えば、バッテリ)と、ポンプモータ(例えば、電動ポンプモータ)と、ポンプロータとを備える。いくつかの実施形態では、耐久性ユニットは、少なくとも1つのセンサと、通信モジュールと、例えば、コントローラ(例えば、透析治療プロセスおよびモータを制御するため、および/または摺動プラットフォームの動作を制御するため)とをさらに備える。いくつかの実施形態では、異なるコントローラまたは同じコントローラが、摺動プラットフォームおよび/または透析プロセスを制御するために採用され得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、耐久性ユニットの外部に設けられ得る。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、使い捨てユニット206は、キャリア、接続モジュール、随意に、自動接続モジュールを備える。いくつかの実施形態では、接続モジュールはまた、消毒モジュールでもある。いくつかの実施形態では、使い捨てユニット206は、少なくとも1つのセンサ(例えば、治療の臨床パラメータおよび/または透析装置202に接続された患者の臨床パラメータを測定するための臨床センサ)を備える。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、透析装置202を備える透析システム300は、患者の臨床パラメータ(例えば、体重208、血圧210および/または心拍数212)を測定する。いくつかの実施形態では、透析システム300は、測定パラメータ値および他の情報をシステムのメモリまたは遠隔メモリ214に書き込む。いくつかの実施形態では、透析システム300は、遠隔メモリ214から治療計画および治療パラメータを読み取る。さらに、装置は、記憶された情報を医師216および/または患者218に伝送する。いくつかの実施形態では、医師216は、情報(例えば、提案された治療プロトコルまたは提案されたプロトコル修正を遠隔メモリ214に、または直接透析システム300のメモリに伝送する。
【0037】
いくつかの実施形態に係る、腹膜透析治療の送信のためのシステムを示す
図3を参照する。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、携帯型腹膜(PP)透析システム(例えば、透析システム300)は、システム300のコネクタに接続された少なくとも1つのバッグ(例えば、新鮮な透析液バッグ370および排出透析液バッグ380)を備える。いくつかの実施形態では、患者カテーテルチューブ352は、システム300の異なるコネクタに接続される。
【0039】
いくつかの実施形態に係る、腹膜透析治療を監視および/または制御するためのシステム400を示す
図4を参照する。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、新しい透析溶液貯蔵コンパートメント470は、フローブレーカ474を介してコネクタ406(例えばYコネクタ)に接続される。いくつかの実施形態では、使用済み透析液貯蔵コンパートメント480は、フローブレーカ484を介してコネクタ406に接続される。いくつかの実施形態では、フローブレーカ474、484は、貯蔵コンパートメントとコネクタ406との間の流路を閉鎖するために使用される。いくつかの実施形態では、コネクタ406は、自動的に、半自動的に、または手動操作下で、コンパートメントのそれぞれに向かう流路を消毒する。
【0041】
本明細書でより詳細に述べるように、フローブレーカは、いくつかの実施形態では、弁、ダイヤフラム、機械的エネルギー蓄積装置などとして実現されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、コネクタ406は、蠕動ポンプ410のロータに関連付けられたポンプチューブの遠位端に位置決めされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧力センサ(例えば、圧力センサ412)は、ポンプチューブ内の流体の圧力を感知する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフローセンサ(例えば、フローセンサ414)は、ポンプチューブ内の流速および/または流体体積を感知する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの腹膜炎センサ(例えば、腹膜炎センサ416)は、上述したように、腹膜腔内の腹膜炎の形成を感知する。いくつかの実施形態では、ポンプチューブ内の流体は、加熱ユニット418を通過する。いくつかの実施形態では、加熱ユニット418は、ポンプチューブ内の新鮮な透析液流体を、患者のカテーテルに注入される前に所望の温度まで加熱する。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、患者カテーテル452は、コネクタ404を介して患者の腹膜腔424に接続する。いくつかの実施形態では、コネクタ404は、ポンプチューブ402の近位端に接続される。いくつかの実施形態では、コネクタ404は、患者カテーテルをポンプチューブの近位端に自動的にまたは半自動的に接続される。追加として、または随意に、コネクタ404は、患者のカテーテルとポンプチューブとの間の流路の消毒を自動的または半自動的に生じさせる、または容易にする。
【0044】
図5A~
図5Eをさらに参照する。使い捨てユニット500は、ベース部602と、ベース部602を選択的に開閉するための蓋610とを有する耐久性ユニット600と取り外し可能に結合可能な一種のカートリッジであり得る。
【0045】
いくつかの例では、ベース部602は、ポンプロータ700を含むポンプを備え得る。いくつかの例では、カートリッジ500は、ポンプロータ700の一部を備え得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、使い捨てユニット500は、耐久性ユニットのカートリッジ収納ラックと取り外し可能に連結されてもよい。
【0047】
例えば、蓋610は、カートリッジ収納ラックとして構成され、またはカートリッジ収納ラックを備え得、使い捨てユニット500は、耐久性ユニット600の蓋セクション610と取り外し可能に結合され得る(例えば、その中に挿入され得る)。蓋610を閉じることにより、使い捨てユニット500をポンプと動作可能に係合させることができる。
【0048】
いくつかの他の実施形態では、使い捨てユニット500は、ポンプ上に配置されてもよく、または別の形でポンプと動作可能に係合されてもよい。例えば、使い捨てユニット500は、ポンプ上に配置されてもよく、または別の形でポンプと動作可能に係合されてもよい(例えば、使い捨てユニット500を格納式引き出し(図示せず)内に配置することによって)。
【0049】
いくつかの実施形態では、ポンプチューブは、ポンプと相互作用し、またはポンプと動作可能に係合し、ポンプが、所望の速度で所望の方向に、例えば、蠕動的に、チューブ内の流体を変位させることを可能にする。
【0050】
使い捨てユニットのチューブは、一端で患者カテーテルと、他端で透析液バッグと(例えば、取り外し可能に)結合されるように適合される。ポンプは、チューブを通して、(例えば、蠕動的に)圧送される流体の方向および速度を制御する。
【0051】
いくつかの実施形態では、チューブはまた、カテーテル(チューブおよびコネクタ)ならびに/またはYコネクタならびに/または透析液バッグにつながるチューブを少なくとも部分的にまたは完全に滅菌する滅菌流体を含む。
【0052】
使い捨てユニット500は、1回の使用後に廃棄されるように適合される。カートリッジまたは使い捨てユニット500は、
図2および
図3に示される使い捨てユニット206の実装形態の一例であり、耐久性ユニット600は、
図2および
図3に示される耐久性ユニット204の実装形態の一例である。
【0053】
図4に戻ると、コネクタ406とコネクタ404との間のいくつかまたは全ての構成部材は、使い捨てユニット500および耐久性ユニット600内に実装され得る。非限定的な例では、コネクタ404、406は、チューブ402と共に使い捨てユニット内に設けられもよく、一方、ポンプ410、センサ412、414、416、ならびに加熱要素418は、耐久性ユニット内に配置されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、使い捨てユニット500は、カテーテルコネクタ504を有するポンプチューブ502と、(新鮮なおよび/または排出された)透析液Yセットチューブコネクタ506とを備える。
【0055】
いくつかの実施形態では、フローブレーカ(例えば、機械的エネルギー蓄積要素(例えば、ばね)または遮断要素)が、例えば、フローブレーカ508A、508Bとして、例えば、コネクタの隣でチューブ502上に位置決めされる。
【0056】
フローブレーカは、アクチュエータと、随意に、例えば本明細書に記載するように、フローブレーカを閉(または、遮断)形態から開(または、非遮断)形態に設定するように構成されたコントローラとを備え得る、またはそれらと動作可能に結合され得る。フローブレーカは、自動的、半自動的、または手動で作動可能であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、フローブレーカは、例えば、機械的蓄積要素(例えば、ねじりばね)によって、閉(遮断ともいう)形態になるように付勢され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、フローブレーカは、例えば、機械的蓄積要素(例えば、ねじりばね)によって、開(非遮断ともいう)形態になるように付勢され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、フローブレーカは、開形態および閉形態に対してアイドル状態である。
【0060】
図5Fおよび
図5Gをさらに参照する。使い捨てユニット500は、下部開口部520を有する下部ケーシングまたはベース部512と、ポンプロータ700を動作可能に受容するように構成された、上部開口部またはカバー開口部522を有する上部ケーシングまたはカバー部514とを備え得る。使い捨てユニット500が耐久性ユニット600と組み立てられると、ポンプロータ700のホイールまたはローラ710は、ポンプチューブ502と動作可能に係合し、チューブ502内に流体の流れを蠕動的に生じさせる。
【0061】
図5E~
図5Gはまた、チューブ502を圧縮する、閉形態の複数のフローブレーカ(例えば、ばね式フローブレーカ508A、508B)を示す。フローブレーカ508Bは、カテーテルコネクタ504の隣に位置決めされて、流体がチューブ502に流入するかまたはチューブ502から流出することを防止するように示されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、フローブレーカが閉形態に設定されると、流体は、ポンプチューブに流入せず、ポンプチューブから流出しない。いくつかの実施形態では、流体は、フローブレーカが少なくとも部分的に開いているときにのみ、ポンプチューブに流入し、ポンプチューブから流出することができる。フローブレーカ508A、508Bの各々は、閉状態および開状態を有する。閉状態では、フローブレーカ(例えば、特殊設計されたばね)は、チューブ内の流れを制限する。開状態では、チューブ内の流れは制限されない。
【0063】
いくつかの例では、フローブレーカは、「常時開」であるように構成され得、例えば、チューブを閉塞させるためにフローブレーカにエネルギーを印加しなければならないように構成され得る。いくつかの他の例では、フローブレーカは、例えば、デフォルトでは、チューブに遮断圧力を加えるように構成された「常時閉」であるように構成され得、その結果、ブレーカを開形態に保持するためにエネルギーを印加しなければならない。
【0064】
いくつかの実施形態では、フローブレーカは、ばね800である(
図8A~
図8Eの以下のさらなる詳細を参照)。ばねは、静止位置と付勢位置とを有する。ばねは、静止位置(例えば、
図8Aおよび
図8Bに示される)では、チューブへの流れを制限する(例えば、
図5Dに示すように)。ばねは、付勢位置(例えば、
図8Cに示される)では、チューブ内の流れを少なくとも部分的に可能にする。より正確には、ばねは、付勢状態(1つの付勢位置ではなく、複数位置の範囲)を有し、そのことにより、ばねは、少なくとも部分的に、流体がチューブ内を流れることを可能にする。ばねは、部分的にまたは完全に付勢されて、流体が異なる速度でチューブ内を流れることを可能にし得る。
【0065】
いくつかの例では、静止位置がデフォルト位置であり、したがって、閉状態がデフォルト状態である。したがって、フローブレーカがばね800として実現される実施形態では、フローブレーカは、常時閉と考えられる。
【0066】
いくつかの例では、ばねは、ばねを静止位置/状態から付勢位置/状態へと付勢することによって、閉状態から開状態になる。いくつかの実施形態では、開状態は、ばねの2つの角度を成すセクションを互いに圧迫する付勢要素を側方に移動させ、ばねを開形態へと付勢することによって達成される。付勢要素を初期位置に戻すことにより、2つの角度を成すセクションが解放され、そのことにより、ばねの付勢が解除され、ばねがその静止状態に戻ることが可能になり、その状態では、チューブは、例えば、
図8Aに概略的に示すように、2つのワイヤばねセクション間で圧縮される。
【0067】
他の実施形態によれば、フローブレーカは、閉状態と開状態とを有する。閉状態は初期状態である。開状態は、フローブレーカを遮断することによって達成される。そのような実施形態では、フローブレーカを閉状態に戻すことができない。さらに、このようなフローブレーカは、フローブレーカを閉状態から開状態に移動させ、永久的に開状態に維持する双安定非可逆スイッチを有する。
【0068】
フローブレーカが適切なタイミングで滅菌流体を放出する主要な機能を有する実施形態では、滅菌流体がチューブから出た後にフローブレーカが閉状態に戻る必要はない。一方、フローブレーカが透析液バッグの1つを交換する前にチューブを封止するなどの1つまたは複数の追加の機能を果たす実施形態では、閉状態に戻ることができることが必要である場合がある。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフローブレーカは、例えば、患者のカテーテルへの、および/または患者のカテーテルから排液バッグへの新鮮な透析液の流れを制御することを可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、携帯型腹膜(PP)透析システムは、例えば耐久性ユニットを含む携帯型腹膜(PP)透析機械と、使い捨てPP透析器(例えば、使い捨てユニット)とを備える。随意に、PP透析システムは、PP患者管理システムを備える。
【0071】
いくつかの実施形態では、耐久性ユニットは、モータ(随意に、電動モータ)、ならびにコントローラを実装するための電気配線および/または制御回路を備える。いくつかの例では、PP透析機械は、少なくとも1つのローラ(ホイールとも呼ばれる)を有するロータを含む。ロータは、電動モータのドライブシャフトと動作可能に結合される。モータ、ドライブシャフト、および電気配線の少なくとも一部は、ポンプの一部である。
【0072】
いくつかの実施形態では、使い捨てユニットは、少なくとも1つのコネクタを有するチューブを備える。いくつかの実施形態では、使い捨てユニットは、使い捨て要素の少なくとも大部分(例えば、チューブおよび少なくとも1つのコネクタ)を耐久性ユニットとは別個のハウジング内に封入したままにする単一のユニットとして成形および寸法決めされる。いくつかの実施形態では、別個のハウジングは、例えば、システムの使い捨て要素を保護しながら、使い捨てユニットと耐久性ユニットとの容易な組立(「ピックアンドプレース」)を可能にする。さらに、別個のハウジングは、ユーザによる使い捨て要素のさらなる組立を必要とせずに、使い捨てユニットを即時使用可能な製品として販売することを可能にする。
【0073】
図5Hおよび
図5Iをさらに参照する。
図Hは、フランジまたはフィン529によって定位置に保持されるときのチューブ502を示すためにカバーの片方が取り外された状態の使い捨てユニット500を示している。
図5Iは、いくつかの実施形態に係る、チューブ502を有するチューブガイド517の断面図である。いくつかの例では、チューブ502は、カテーテルコネクタ504および/またはYセットチューブとの流体結合に適したYコネクタ506で終端し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、チューブガイド517は、ポンプが動いている間にチューブの摺動および/または軸回転を防止するためにチューブガイド517内の定位置にチューブを確実に(例えば、摩擦により)保持するためのフランジまたはフィン529などのチューブ保持または保定要素を含む。その結果、圧力感知は、フィンがなければ起こり得る軸方向のチューブの動きによってほとんどまたは全く影響を受けないので、一貫した状態のままである。チューブは、直線状フィン529と斜めフィン532との間に押し込まれて、定位置に固定され得る。この組立は、製造場所で、またはユーザによって行われ得る。直線フィン529は、チューブ502の長手方向軸Qに対してほぼ直交し、斜めフィン532は、チューブ502の長手方向軸Qに対して角度が付けられる。
【0075】
ばね508A、508Bは、
図5Hでは、閉形態にあるように概略的に示されており、流体の流れを遮断するように、圧力をチューブ502に印加する。
【0076】
図6Aは、耐久性ユニット600が開形態にあり、使い捨てユニット500がその中に部分的に挿入された状態のPP透析装置102を示す。
図6Bは、耐久性ユニットが閉形態にあり、延長された挿入トレイ620に外部カテーテルコネクタが取り付けられた状態のPP透析装置102を示す。
【0077】
いくつかの実施形態では、使い捨てユニット500は、PP透析機械、例えば、耐久性ユニット600の内側に配置される。いくつかの実施形態では、耐久性ユニット600は、少なくとも1つのセンサを備え、使い捨てユニット500が耐久性ユニット600の内側に位置決めされると、センサ(図示せず)は近位にあり、随意に、チューブ502を視認することができるベース部512内の窓528と位置合わせされるように位置決めされる。いくつかの実施形態では、センサは、随意に特定の波長の光の吸光度を測定する。いくつかの実施形態では、センサは分光光度計である。
【0078】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、500~650nmの波長範囲、例えば、500~600nmの波長範囲、550~620nmの波長範囲、530~630nmの波長範囲、または任意の中間の波長範囲、より小さい波長範囲、もしくはより大きい波長範囲でチューブを通過する光の吸収および/または散乱を測定する。追加として、または代替として、センサまたは少なくとも1つの追加のセンサは、150~350nmの波長範囲、例えば150~250nm、200~300nm、250~350nm、または任意の中間の波長範囲、より小さい波長範囲、もしくはより大きい波長範囲でチューブを通過する光の吸収および/または散乱を測定する。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのセンサまたは試験要素が、例えば、ポンプチューブ内を流れる流体の化学的および/または生物学的特性を測定するために、チューブに接続される。
【0080】
携帯型腹膜透析装置の使い捨てユニットの例示的な構成
【0081】
図6Cは、上部カバーケーシングが開放された状態のPP透析システムの等角図である。いくつかの実施形態によれば、PP透析システムの使い捨てユニット(例えば、使い捨てユニット500)は、チューブ502と、少なくとも1つのコネクタ506(例えばYセットチューブ506と結合するため)と、チューブ502の2つのそれぞれの端部に位置するカテーテルコネクタ504とを備える。随意に、チューブ502には滅菌流体が予め充填される。フローブレーカ508A、508Bはそれぞれ、カテーテル端部および透析液端部においてのチューブ502を封止する。いくつかの実施形態では、外部コネクタ550をカテーテルコネクタ504に接続することにより、フローブレーカ508が自動的に開状態になる。他の実施形態では、フローブレーカ508は、手動で、半自動的に、または自動的に、開状態または開位置へ操作され得る。開状態になると、滅菌流体が、外部カテーテルコネクタ550に流入し、コネクタ550およびカテーテルチューブ551を滅菌する。
【0082】
いくつかの実施形態では、透析液バッグからYセットチューブ506の透析液チューブへのYセットチューブ506の接続が、自動的にフローブレーカ508を開状態にする。他の実施形態では、フローブレーカは、手動で、半自動的に、または自動的に、開状態または開位置へ操作され得る。開状態になると、滅菌流体が、Yセットチューブ506の透析液チューブを介してチューブ502からYセットチューブ506およびチューブ562へ流入し、コネクタおよびチューブを滅菌する。
【0083】
いくつかの実施形態では、Yコネクタは、いずれかの配向で位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のマーカは、どれが排液であり、どれが新鮮な透析液流体であるかを示す。
【0084】
いくつかの例では、Yコネクタが2つのチューブに分割される場合、サイクルの段階に応じて、対応するチューブを圧迫/圧迫解除することができる2つのラッチが存在する。これらのラッチは、本明細書ではフローブレーカと呼ばれる。いくつかの実施形態では、排出透析液チューブ部分から新鮮透析液チューブ部分への移送中の望ましくない交差流を防止するために、バルブブレーカが設けられる。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、ハウジングのカバー部514は、接続部材(例えば、少なくとも2つのねじ山付き締結具、ねじ、圧入コネクタ、ラッチコネクタなど)を介してハウジングのベース部512に機械的に接続される。いくつかの実施形態では、ねじ山付き締結具は、ねじおよび/またはボルトを備える。いくつかの実施形態では、2つの接続部材はピンを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの接続部材のそれぞれは、カバー部の開口部(例えば、開口部524)を貫通し、ベース部の開口部(例えば、ベース部開口部526)に入る。随意に、ベース部開口部は、接続部材上の雄ねじ部に相補的な雌ねじ部を備える。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、例えば
図5E~
図5Gに示すように、使い捨てユニット500は、ハウジング内に少なくとも2つの開口部、すなわち開口部530、540を有する。いくつかの実施形態では、一方の開口部540は、外部カテーテルコネクタ550をカテーテルコネクタ504に接続するように成形および寸法決めされ、随意に、Yセットチューブ506を接続するための第2の開口部530を有する。いくつかの実施形態では、ハウジングの外面上の少なくとも1つのマークは、例えば、使い捨てユニットの耐久性ユニットへの組立方向および/または配向を示す。
【0087】
この実施形態に概略的に示されるように、使い捨てユニット500は、可動蓋部品内の耐久性ユニット600に挿入される。使い捨てユニットおよびYセットチューブの挿入後、蓋が閉じられ、ポンプチューブがホイールとケーシングとの間に挟まれる。ポンプ動作の開始前でさえ、少なくとも1つのホイールのリム面は、チューブを圧縮して、圧縮領域の2つの側部間の流れを少なくとも部分的に、場合によっては完全に制限する。このチューブの圧縮は、滅菌流体を2つのコンパートメント、つまり、カテーテルコネクタに隣接するフローブレーカからロータホイールまでの1つのコンパートメントと、ホイールの他方の側からYセットコネクタに隣接するフローブレーカまでの第2のコンパートメントとに分割するのに役立つ。このように圧縮されると、流体は、他方のコンパートメントから滅菌流体を空にすることなく、フローブレーカのいずれかを通して放出され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、使い捨て要素は、使い捨てユニットハウジング(例えば、2部品ハウジング)の内面に作製された成形溝またはくぼみ内に配置される。いくつかの実施形態では、溝またはくぼみは、2部品ハウジングの少なくとも一方の部品の内面(例えば、ベース部512)内に作られる。いくつかの実施形態では、2部品ハウジングは、ベース部512に適合するように成形および寸法決めされた相補的なカバー部514を備える。いくつかの実施形態では、カバー部514は、ベース部512内の使い捨て要素の3次元形状または外形輪郭の少なくとも一部に適合する溝またはくぼみを備える。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、例えば
図5Eおよび
図5Fに示すように、ベース部512およびカバー部514は、使い捨てユニット500のハウジング515へと組み立てられる。いくつかの実施形態では、ハウジング515の軸方向長さ516は、少なくとも10cm、例えば、12cm、15cm、19cm、20cm、25cm、または任意の中間の値、より小さい値、もしくはより大きい値である。いくつかの実施形態では、ハウジング515の幅518は、少なくとも1cm、例えば、1.5cm、2cm、2.5cm、または任意の中間の値、より小さい値、もしくはより大きい値である。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、ハウジングは、耐久性ユニットへの容易な組み立て、および/または使い捨てユニットの少なくとも1つのコネクタへの外部チューブの容易な組立を可能にするように成形される。いくつかの実施形態では、カバー部514は、耐久ユニットの蓋と一体的に形成され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、カバー部514は、ロータの上方の開口部(例えば、上部開口部522)を備える。いくつかの実施形態では、上部開口部522は、例えば、ロータの回転方向を可視化することを可能にする。上部開口部522の周囲のカバー部514は、ポンプチューブ502の湾曲部分を保持するように適合され得る。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、例えば
図5Eおよび
図5Eに示すように、ベース部512は、カバー開口部522よりも大きくてもよいベース開口部520を備え、ロータ700の少なくとも1つのホイール710のリム面720が圧縮性チューブ502を圧縮することを可能にするように成形および寸法決めされる。
【0093】
組み立てられると、使い捨てユニットは、耐久性ユニットの対向面上に配置された少なくとも1つのセンサとインターフェースをとる。少なくとも1つのセンサは、本明細書の他の箇所で詳述されたセンサの例のいずれかを含む。さらに、いくつかの実施形態では、チューブの切断またはアンバランスがあるかどうかを監視するために、ホイール上にセンサがある。
【0094】
いくつかの実施形態では、システムは光源を備える。少なくとも1つのセンサは、光源によって放射された光の光吸収および/もしくは光散乱を測定して、透析液流体中の気泡を検出し、随意に計数し、ならびに/または、例えば、気泡の検出に基づいて、流体量および/もしくは流速を決定するように構成される。
【0095】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、流体流路からの気泡の放出を可能にするために、傾動機構を備える。いくつかの実施形態では、装置をプライミングするときに、空気除去を確実にするために予防措置が取られる。さらに、気泡(およびそれらの除去)の監視は、処置全体を通して継続される。
【0096】
例えば、気泡の直径が閾値よりも大きい場合、流れを反転させて排出することによって気泡が除去される。
【0097】
流体の流れは、当該技術分野で公知の技術を用いて測定され得る。この点に関して、検出されたが閾値未満であると判定された気泡は、チューブ内に残ることが可能であるが、気泡の体積を差し引くことによって説明されなければならない。
【0098】
ここで、いくつかの実施形態に係る、使い捨てユニット500の耐久性ユニット600への組立を示す
図6A~
図6Cを参照する。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、耐久性ユニット(例えば、耐久性ユニット600)は、ベース602と、ドアまたはカバー610とを備える。
【0100】
耐久性ユニット600は、カートリッジ500がポンプロータ700と位置合わせして収容可能であるように構成され得、その結果、組み立てられると、カートリッジ500に含まれるチューブは、ポンプロータ700と動作可能に係合される。いくつかの例では、耐久性ユニット600は、ポンプロータ700と位置合わせされたカートリッジ500を収容するように構成された位置合わせスロット612を含み得る。いくつかの例では、ドア610は、位置合わせスロット612を含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、ドア610の少なくとも一部は、例えば、耐久性ユニットまたは耐久性ユニットのロータの内側に配置される使い捨てユニットの可視化を可能にするように、透明である。いくつかの実施形態では、使い捨てユニット(例えば、使い捨てユニット500)は、例えば
図6Aに示すように、位置合わせスロット612に挿入されるように成形および寸法決めされる。いくつかの実施形態では、使い捨てユニット500は、使い捨てユニット500のハウジング上の少なくとも1つのマークで示される方向および/または配向で、位置合わせスロットの中に挿入される。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、使い捨てユニット500を位置合わせスロット612に挿入した後、ドア610が閉じられる。
【0103】
いくつかの実施形態では、外部Yセットコネクタ560は、ドア610が閉じられる前に、または使い捨てユニット500の位置合わせスロット612の中への挿入の前に、開口部530を通してYセットチューブ506に接続される。いくつかの実施形態では、Y字セットチューブ506は、例えば、開口部530を通して、外部Yセットコネクタ560に接続される。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、例えば
図6Bに示すように、ドア610が閉じられると、耐久性ユニット600の引き出し(例えば、引き出し620)が耐久性ユニットハウジングから延出される。随意に、引き出し620は、ドア610が閉じられると自動的に延出される。いくつかの実施形態では、引き出し620は、カテーテル端部550を配置するための、上部開口部および側部開口部622、随意にU字型の側部開口部を備える。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、引き出し620が閉じられると、カテーテル端部550はカテーテルコネクタ504内に押し込まれる。いくつかの実施形態では、カテーテルがカテーテルコネクタ504を通して接続されると、消毒プロセスが開始される。消毒プロセスは、本明細書の他の箇所で説明されている。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、モータ(例えば、電動モータ)を作動させて、消毒材料を使い捨てユニットのチューブを通して移動させ、透析液をシステムに接続されたカテーテルを通して患者の腹膜に出入りさせる。いくつかの実施形態では、透析装置は、少なくとも1つのバッテリ、随意に充電式バッテリを備える。いくつかの実施形態では、透析装置102は、例えば、バッテリの充電を可能にするために、外部電源を充電式バッテリに接続するための充電プラグ(図示せず)を備える。代替として、外部電源を透析装置に接続することにより、バッテリの代わりに、またはバッテリに加えて外部電源を使用して透析装置を作動させることができる。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102のハウジングは、例えばベルトまたはハーネスを透析装置に接続するための少なくとも1つのアダプタを備える。いくつかの実施形態では、ベルトまたはハーネスは、患者の身体部分(例えば、患者の手、脚、肩、大腿部および/または臀部に透析装置を固定するために使用される。
【0108】
いくつかの実施形態によれば、透析装置102は、携帯型であり、ベルト、ハーネス、または任意のアダプタによって患者の身体部分に固定されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、透析装置は、モータ(例えば、電動モータ)と、バッテリ(随意に、ロータに電気的に接続された充電式バッテリ)とを備える耐久性ユニットを備える。いくつかの実施形態では、耐久性ユニットは、モータおよびバッテリに電気的に接続された制御回路を備える。
【0109】
図7Aは、ポンプロータ700の分解図である。
図7Bは、ロータ700の上面図である。
図7Cは、ポンプロータ700の側面図である。
図7Dは、ロータ700の底面図である。
図7Eは、ポンプロータ700の2次元の3D表現である。
【0110】
いくつかの実施形態では、耐久性ユニット600は、完全なポンプ組立体を備え、使い捨てユニットまたはカートリッジ500は、ピックアンドプレースステップにおいて、完全なポンプ組立体と動作可能に係合可能である。
【0111】
ポンプ組立体は、ポンプロータ700を含み、ポンプロータ700は、回転させるためのシャフトを含むポンプドライブ(図示せず)と動作可能に結合可能である。
【0112】
ポンプロータ700は、ポンプロータの回転面に垂直なロータ回転軸Zを有する。ロータ700は、ポンプロータ700と(例えば、軸受によって)回転可能に結合された少なくとも1つのホイール710を有する。少なくとも1つのホイール710の各ホイールは、ロータ回転軸Zに垂直なホイール回転軸Wを有する。作動されると、回転軸Zを中心としたポンプロータの回転は、少なくとも1つのホイール710が回転軸Zを中心とした円形経路を横行し、ポンプロータ回転軸Zの方向である方向に圧縮性チューブであるチューブ502の対応する部分を圧縮するように、ホイール回転軸Wを中心とした少なくとも1つのホイール710の回転を生じさせる。回転軸Zを中心とするポンプロータの回転は、ホイール回転軸Wをロータ回転面内でロータ回転軸Zを中心として円運動させる。ポンプモータは双方向性であり、したがって、ロータの回転方向は反転可能である。
【0113】
いくつかの例では、ロータ方向がカテーテルコネクタ側から透析液コネクタ側への方向、すなわち、図示されている実施形態によれば時計回りの方向である場合、ポンプは、流体をカテーテルから透析液バッグへ押し出す。この方向では、流体は、腹膜腔から透析液排液バッグへと排出される。
【0114】
例えば、ロータ方向が透析液コネクタ側からカテーテルコネクタ側への方向、すなわち、図示されている実施形態によれば反時計回りの方向である場合、ポンプは、流体を透析液バッグからカテーテルへ、そして腹膜腔内へと押し出す。この方向では、新しい透析液流体が透析液バッグから腹膜腔内へ圧送される。
【0115】
ポンプロータ700は、少なくとも1つのホイール710(例えば、ホイール710A~710C)を収容する主ハウジング702を含む。少なくとも1つのホイール710は、ロータ回転軸Zを中心として円運動するときに角速度の起こり得る差を相殺するように構成されたリム面を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのホイール710は、ロータ回転軸Zに向かってテーパ状になるリム面720を有する。実施形態では、リム面は、錐台のリム面である。図示されている実施形態では、ハウジングは3つのホイール710を収容する。
【0116】
いくつかの例では、ハウジング702の上部は、例えば、ハウジングの中央に位置するドームセクション704と、中央ドームセクションを囲むプラトーセクション706とを含み得る。いくつかの例では、頂部は、プラトーセクション706のみを備え得る。いくつかの実施形態では、開口部520は、ハウジング702のドームセクション704が通り抜けることができるように成形および寸法決めされる。
【0117】
プラトーセクション706は、少なくとも1つのホイール710をそれぞれ回転可能に受容するように構成された少なくとも1つの開口部708を含む。図示されている例のポンプロータでは、プラトーセクション706の周囲にほぼ等間隔に配置された3つのホイール710A、710B、710Cがある。
【0118】
ハウジングの底部は、ドームセクションの下に中央開口部を有し、プラトーセクションの下に3つの追加の開口部を有する。追加の開口部は、頂部の開口部に対応して配置される。
【0119】
少なくとも1つのロータホイール710は、組み立てられたときに、ロータホイールの下に位置するチューブ部分に対して、底部から上向きに、または、例えば、ロータ軸Zに対してほぼ平行な方向に力を加えて、チューブ部分を圧迫して弾性変形させ、そのことにより、チューブ内の流体をロータの回転方向に沿って移動させる。ロータは、耐久性ユニットの一部であり得る。
【0120】
ポンプホイールと接合する(例えば、回転可能に受容する)チューブの上方のカバー部は、ホイールの角度に対応する形で角度付けされ得る。角度付けされた「ルーフ」は、例えば、各回転の終わりにポンプが「スキップ」するのを防止するために、ホイールとホイール接合ルーフ部分との間の接触領域を増加させる、または最大化する。
【0121】
ホイール上のセンサは、チューブの切断またはアンバランスがあるかどうかを検出する。センサは、例えば、ポンプ、使い捨てユニット、および/またはルーフ内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、ロータは、機械的蓄積要素(例えば、ばね)によって支持される(および、浮揚される)。
【0122】
いくつかの実施形態では、各ホイールは、機械的蓄積要素によって支持される。ロータおよびホイールは、ポンプ作用のためにチューブに十分な力を付与するが、同時に、チューブの引き裂きまたは他の損傷を防止するように注意するように設計される。いくつかの例では、ロータによってチューブに加えられる過剰な圧力が検出され得、対応する出力がシステムによって生成され得る。
【0123】
いくつかの例示的な構成では、スプロケットまたはハブ730は、例えば
図7Dに示すように、ハウジング702の底部の中央開口部内に着座される。中央ハブは、ポンプモータに結合するカラー732を含む。モータ結合部のシャフトは、カラー732の内側の開口734内へ延びる。開口734は、ハブ730の下側の中央に配置される。Oリング736がカラーの終端を取り囲み、モータとの水密接続を形成する。
【0124】
図に示されている実施形態では、ハブ730は、(例えば、3つの)半径方向に延びる突起738(ホイール710の各々に対して1つ)を有する。各突起は、ロッド712を受け入れるためのピン穴740を有する。ロッド712は、ホイールをハウジング702に結合させる。ロッド712は、ハブから開口部707を通って延び、(例えば、ねじ)穴709で終端する。ロッド712は、雌ねじ部を有し得る。
【0125】
少なくとも1つのホイール710の各々は、中央開口部714内に配置されたボールベアリング716を有する。2つのスペーサ718は、ホイールの両側に当接する。スペーサは、ホイールをハウジングのホイール開口部708内の中央に位置決めする。ロータの組立時に、ロッド712は、ねじ穴709および第1のスペーサ718を介して挿入され、ボールベアリング716を有するホイール710および第2のスペーサ718は、ロッド712に装着される。ハブ730は、ドームの下のハウジングの底部の開口部に設置される。次に、ロッド712を開口部707に押し通してピン穴740に入れる。この組立体は、ねじ穴709を通して挿入され、ロッド712にねじ込まれる固定要素(例えば、ねじまたはボルト)750によって固定される。例えば、固定要素750がねじとして実現される場合、ロッド712は、ねじの雄ねじ部と相補的な雌ねじ部を有する。
【0126】
ポンプ組立体またはポンプは、ポンプモータから延び、ポンプロータに動作可能に結合するシャフトを含む。シャフトは、ポンプロータを動作可能に受容するように構成される。例えば、シャフトは、ロータ回転軸Z方向にピックアンドプレース組立ステップでロータを受容するように構成され得る。
【0127】
使い捨てユニット500の上部ケーシングまたはカバー部514の円形セクションは、ポンプ組立体を完成させる。ポンプチューブ502は、流体流のためのチャネルまたは内部容積を有する圧縮性チューブである。圧縮性チューブは、ポンプロータと動作可能に組み立てられると、少なくとも1つのホイール710のリム面720と使い捨てユニット500の上部ケーシングの円形セクションとの間に挟まれる。
【0128】
本明細書において上記で簡単に述べたように、
図8Aおよび
図8Bは、閉形態にあるばね部材800を備える、またはばね部材800によって実現されるフローブレーカを示す。
図8Cは、開形態にあるばね部材800を示す。ばね800は、チューブ502内の流体の流れを選択的に制限する、または流れを可能にする役割を果たす。
【0129】
ばね800は、弾性特性を有する単一の金属ワイヤから形成され、変形された後でも初期形状に戻ることができる。ワイヤ800は、いくつかのセクションを有する。各セクションは、後続の当接セクションから離れるように角度付けされ得る。
【0130】
ワイヤの第1のセクション802は、システムのベース部の床部にほぼ平行な仮想基準面VPに対して実質的に平行である。ワイヤは、第1のセクションから離して、基準面から離れるように角度付けされた第2の連続セクション804を有し得る。第1のセクションと第2のセクションとは、角度α1を成す。いくつかの例では、角度α1は、約45°(45度)の角度である。他の実施形態では、角度α1は、約35度~約65度の任意の角度であり得る。
【0131】
ワイヤは、第2のセクションから離して角度付けされた第3の連続セクション806を有し得る。第2のセクションと第3のセクションとは、角度βを成す。いくつかの例では、角度βは、約90°(90度)の角度すなわち直角である。第3のセクション806は、第1のセクション802から持ち上げられ、第1のセクション802に対して垂直であり、基準面に対してほぼ平行である。
【0132】
ワイヤは、第3のセクション806から離して角度付けされた第4の連続セクション808を有する。第3のセクションと第4のセクションとは、角度β2を成す。いくつかの例では、角度β2は、約90°(90度)の角度すなわち直角である。第4のセクションは、第3のセクションに対してほぼ垂直であり、第2のセクション804に対して平行であり得る。第4のセクション808は、第3のセクション806から基準面に向かって下方に、随意に第2のセクション804に対してほぼ平行に延在し得る。
【0133】
ワイヤの第5のセクション810は、第4のセクション808に連続して続き、仮想基準面に対して実質的に平行である。第5の連続セクション810は、第4のセクションから離して角度付けされる。第4のセクションと第5のセクションとは、角度α2を成す。いくつかの例では、角度α2は、約45°(45度)の角度である。他の実施形態では、角度α2は、約35度~約65度の任意の角度であり得る。第5のセクション810は、第1のセクション802に平行である。第1のセクション802および第5のセクション810は、基準面を画定し得る。
【0134】
ワイヤの第6のセクション812は、第5のセクション810に連続して続き、実質的に垂直であり、基準面から離れて上方に延び、第5のセクション810と約90°(90度)の角度または直角β3を成す。
【0135】
ワイヤの第7のセクション814は、第6のセクション812に連続して続き、基準面に対してほぼ平行であり、第6のセクションと90°(90度)の角度すなわち直角を成す。第7のセクションおよび第3のセクションは、互いにほぼ平行に延び、2つのセクション間にクランプ領域を画定し、そこで、2つのセクションは、定位置で互いに隣接し、さらには接触する。
【0136】
第8のセクション816は、第7のセクション814に連続して続く。第8のセクションは、ばねの最後の終端セクションであり、使い捨てユニット500のベース部512内の対応する溝または孔にばねを固定するように成形された複雑な形状を有する。
【0137】
使用時に、
図8Bに示すように、第2のセクション804または第4のセクション808のいずれかを第1のセクション802または第5のセクション810に向かって付勢して、ばねを静止位置(閉状態)から付勢状態/位置(開状態)へと移動させることができる。使用時に、
図5Dに示すように、セクション806およびセクション814は、チューブ502をクランプする。いくつかの例では、付勢部材は、平坦な中間セクションと2つの垂直な側部セクションとを有するC字型要素であり得る。付勢部材は、矢印818の方向に移動し、一方の側部セクションは第1のセクション802の下を移動し、他方の側部セクションは第2セクション804の上を移動し、
図8Bに示すように、第2のセクションを第1のセクションに近づけて、第3のセクション806と第7のセクション814との間のクランプ領域を広げる。
【0138】
随意に、付勢部材は、ベース部512またはカバー部514の一部であってもよく、またはベース部512とカバー部514との間に保持されてもよい。ばねは、付勢部材を逆方向(すなわち、矢印818の方向と反対方向)に移動させることによって、閉状態に戻され得る。
【0139】
図8Dよび
図8Eをさらに参照する。透析システム100は、流体がチューブを通って流れることを可能にする開形態、またはチューブを通る流体の流れを低減もしくは防止する閉形態にフローブレーカを選択的に設定するために、フローブレーカと係合するように制御可能に作動可能なアクチュエータを含む。このようなアクチュエータは、例えば、耐久性ユニット600内に含まれ得る。
【0140】
例えば、アクチュエータは、付勢要素654を備えるスライダプラットフォーム650を含み得、付勢要素654は、スライダプラットフォーム650と固定連結される。いくつかの例では、スライダプラットフォーム650は、耐久ユニット600の一部であり得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ(スライダドライブとも呼ばれる)(図示せず)が、スライダプラットフォームの作動を制御可能に生じさせるために、スライダプラットフォーム650と動作可能に結合され得る。いずれの場合も、スライダプラットフォームは、フローブレーカの作動(すなわち、状態を制御可能に変更する)ために、摺動方向Sに制御可能に摺動可能である。摺動方向SDは、例えば、チューブ502によって画定される流体流路によって画定されるチューブ面にほぼ平行である摺動面内に位置し得る。以下の説明を簡単にするために、スライダプレート652は、摺動面SP上に位置する、または摺動面SPを画定するものと見なされる。図示されている例示的な構成では、付勢要素654は、プレート652または摺動面SPから垂直に延在する。
【0142】
スライダプレート652が後退した第1の位置(
図8D)にあるとき、第3の連続セクション806は、非付勢状態に設定され、フローブレーカ508は、常時閉形態に設定され、この形態では、チューブ502は、2つのばねワイヤセクション(例えば、第3のワイヤセクション806と第7のワイヤセクション814との間)に挟まれるか、または押圧される。
【0143】
付勢要素654は、ワイヤ800の第2の連続セクション804を摺動可能に受容するように構成された溝656を有し得る。スライダプレート652が、後退位置から前進した第2の位置(
図8E)まで、摺動方向SDに距離Dだけ横行することによって摺動するときに、付勢要素654は、それに対応して第1の位置から第2の位置まで前進し、溝656に第2のワイヤセクション804に対して力を印加させ、第2のワイヤセクション804を第1のワイヤセクション802に向かって屈曲させ、そのことにより、第3のワイヤセクション806を第7のワイヤセクション814から離れるように移動させる。
【0144】
第3のワイヤセクション806を第7のワイヤセクション814から離れるように移動させる(矢印Kで概略的に示されるように)ことは、第3のワイヤセクション806と第7のワイヤセクション814との間の間隙820の形成または増加を生じさせ、その結果、第3のワイヤセクション806および第7のワイヤセクション814によってチューブ502上に以前に印加された圧力の減圧を生じさせる。減圧および間隙820の形成は、チューブ502を通る新鮮な透析液、使用済み透析液、および/または消毒材料などの流体の流れを増加させることができる。
【0145】
さらに
図8E~
図8Gを参照する。いくつかの実施形態では、フローブレーカ570は、チューブ502を通る流体の流れを防止または低減する第1の(閉形態)からチューブ502を通る流体の実質的に妨げられない流れを可能にする第2の(開)位置まで回転可能である回転可能遮断要素572を採用することによって実現され得る。
【0146】
回転可能な遮断要素572は、例えば、前縁573と、前縁573の反対側の後縁574とを有するプレートを含み得る。単に本明細書における説明のために、前縁573は、チューブ502によって画定される流体流路に対して、使い捨てユニット500のYセットコネクタ560よりもカテーテルコネクタ504に近いプレート縁部を指す場合もある。
【0147】
いくつかの実施形態では、回転可能な遮断要素572は、例えば、機械的蓄積要素(例えば、ねじりばね)によって、閉形態になるように付勢される。
【0148】
いくつかの実施形態では、回転可能な遮断要素572は、例えば、機械的蓄積要素(例えば、ねじりばね)によって、開形態になるように付勢される。
【0149】
いくつかの実施形態では、回転可能な遮断要素572は、開形態および閉形態に対してアイドル状態である。
【0150】
図8F~
図8Hに関して本明細書で説明する例では、遮断要素572は、
図8Fに示す「常時開」位置にある。
【0151】
図8Fは、前縁573がチューブ502を押圧して流体の流れを妨害するように、閉形態にある回転可能な遮断要素572を示している。遮断要素572は、アクチュエータホイール576A、576B間に配置され、それらと固定連結され得る。ホイール576A、576Bは、それぞれの係合要素(例えば、突起)577A、577Bを備える。
【0152】
図示されている例では、アクチュエータは、1つまたは複数のプッシャ要素578A、578Bを含み得、プッシャ要素は、閉形態で遮断要素572を保持するために、アクチュエータホイール576A、576Bの対応する突起577A、577Bと係合する。
【0153】
プッシャ要素の長手方向軸Tに沿って矢印Pで概略的に示すようにプッシャ要素578A、578Bを後退させることが、矢印Mで概略的に示すように、回転軸Rを中心として遮断要素572を回転させる。その結果、
図8Gおよび
図8Hに概略的に示すように、前縁573は、チューブ502を押圧せず、チューブ502を通る流体の実質的に妨げられない流れを可能にする。
【0154】
図8I~
図8Kをさらに参照する。いくつかの実施形態では、回転可能な遮断要素580は、前縁583および後縁584を有する半円形本体582として実現され得る、またはそれを備え得る。
【0155】
図8F~
図8Hに関して説明した内容と同様に、遮断要素580が閉形態(
図8I)にあるとき、前縁583は、チューブ502に対して圧力を加え、チューブを通る流れを妨げる。逆に、遮断要素580が開形態(
図8Jおよび
図8K)にあるとき、流体は、実質的に妨げられずにチューブ502を通って流れ得る。
【0156】
図8Lおよび
図8Mをさらに参照する。
図8Lは、遮断要素580が閉形態にある使い捨てカートリッジ500の概略部分切り取り図である。
図8Mは、遮断要素580が開形態にある使い捨てカートリッジ500の概略部分切り取り図である。
【0157】
図9A~
図9Cをさらに参照する。例えば、2017年2月1日に出願され、Liberdi社の「DIALYSIS SYSTEM PUMP WITH CONNECTOR」と題するPCT出願の国際公開第2017/134657号パンフレット、および2018年2月1日に出願され、Liberdi社の「SMART PERITONAL DIALYSIS DEVICE」と題するPCT出願の国際公開第2018/142406号パンフレットに記載されているように(これらの両方の特許の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)、チューブは、消毒材料が充填された1つまたは複数の消毒ルーメンまたはチャンバ513を含み得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、カテーテル側消毒チャンバは、例えば、近位カテーテル隔壁および遠位カテーテル隔壁によって囲まれ、Yコネクタ消毒チャンバは、例えば、近位Yコネクタ隔壁および遠位Yコネクタ隔壁によって囲まれ得る。隔壁は、例えば、箔または膜によって実現され得る。
【0159】
近位カテーテル隔壁は、患者カテーテルチューブ352に対して近位の隔壁であり、遠位カテーテル隔壁は、患者カテーテルチューブ352に対して遠位の隔壁である。近位Yコネクタ隔壁は、Yコネクタセット560の近位にある隔壁を含み得る、またはその隔壁であり、遠位Yコネクタ隔壁は、Yコネクタセット560の遠位にある隔壁である。
【0160】
限定的に解釈されることなく、以下の説明を単に簡略化するために、以下の説明は、カテーテル側消毒チャンバについて言及する。
【0161】
いくつかの実施形態では、カテーテルコネクタ504は、近位カテーテル隔壁534と、近位開口部および遠位開口部を有するディフューザまたは穿孔装置507の穿孔要素505とを含み得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、スライダプラットフォームは、カテーテルチューブ551および関連する外部カテーテルコネクタ550、ならびに/またはYチューブ562および関連する外部Yコネクタ560などの外部カテーテル要素を確実に(形状嵌合的におよび/または摩擦嵌合的に)受容するように構成される。さらに、使い捨て部品500は、ポンプチューブを確実に(形状嵌合的におよび/摩擦嵌合的に)受容するように構成される。外部カテーテル要素およびポンプチューブが、例えば、スライダプラットフォーム、ならびに蓋610および/またはベース部602のそれらの個別の受容要素によってしっかりと取り付けられるまたは受容されると、チューブ軸と外部カテーテル要素軸とは、チューブの軸方向の一定距離にわたるポンプチューブ502に対する外部カテーテル要素の変位が外部カテーテル要素とポンプチューブとの流体結合を生じさせるように、互いに実質的に位置合わせされ得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、十分な距離にわたって横行するポンプチューブ500に対する同一摺動運動のスライダプラットフォームでは、フローブレーカの形態は、カテーテルチューブ551、外部Yチューブ562、およびポンプチューブ502を互いに流体連通させるように変更される。
【0164】
例えば、矢印Dで概略的に示すように、患者コネクタ504を外部コネクタ550に対して押し付けることによって、外部コネクタ550および患者コネクタ504の互いに対する直線変位を生じさせ、初期または閉位置(
図9Aおよび
図9B)から第2のまたは開位置(
図9C)への相対変位が得られると、外部コネクタ550の前縁または前縁部分554は、近位カテーテル隔壁534と係合して、近位カテーテル隔壁534の変形(例えば、伸張)を生じさせる。2つのコネクタのさらなる相対変位は、さらにコネクタの穿孔要素505に対して(例えば、伸張された)隔壁を係合させ、最終的に、外部コネクタ550と患者チューブコネクタ504とが互いに流体結合されるように、穿孔要素505による近位隔壁の穿孔および/または引裂をもたらす。このことにより、消毒流体が消毒チャンバから患者カテーテルチューブへと流れることができる。穿孔要素505は、穿孔装置(ディフューザともいう)の一部であり得る。
【0165】
いくつかの例では、圧縮されたチューブ壁(例えば、
図8Aに関して本明細書で概説されている)によって実現され得る遠位隔壁は、例えば方向Dへの変位によって、減圧され得、ばね要素806、814によるチューブのアンクランプ状態を生じさせ、消毒流体が消毒チャンバの外側(例えば、ポンプチューブの追加の部分)内に流れることを可能にする。いくつかの他の実施形態では、遠位隔壁は、コネクタ(例えば、カテーテルチューブコネクタ504)に組み込まれる第2の隔壁であり得る。
【0166】
図10に示すように、穿孔要素505は、近位膜の穿孔後に、例えば、消毒チャンバから患者コネクタチューブ内へまたは患者コネクタチューブから消毒チャンバへ、開口部553(例えば、穿孔装置の)を通って流体が流れるのを可能にするように構成され得る。例えば、穿孔要素505は、複数のブレード552(例えば、ブレード552A~552C)によって形成されたブロードヘッド形状を有し得る。いくつかの実施形態では、穿孔装置は、外部カテーテルコネクタ550の前縁または前縁部分554による開口部553の封止を防止するために、1つまたは複数のスペーサ要素555を含み得る。
【0167】
図11A~
図11Cを参照すると、例えばカテーテルコネクタおよび/またはYコネクタなどの一方もしくは両方のコネクタが、近位隔壁および/または遠位隔壁を含み得る。このようにして、消毒材料は、消毒材料がポンプチューブおよび/または患者カテーテルおよび/またはYチューブの中に放出されるまで、コネクタ内にだけ貯蔵され得る。コネクタ内に収容されるそのような遠位隔壁(例えば、弁要素)を設けることにより、ポンプチューブをクランプまたは圧縮して遠位隔壁を形成するために、
図8A~
図8Cに示すような機械的エネルギー蓄積要素を採用する必要性が排除され得る。
【0168】
いくつかの例示的な実装形態では、2つのコネクタのそれぞれは、1つの隔壁のみを含み得、消毒流体は、2つの隔壁間のチューブ502内に貯蔵され得る。いくつかの例では、隔壁は、フローブレーカであると考えられ得る。
【0169】
いくつかの例示的な実装形態では、一方または両方のコネクタは、近位隔壁および遠位隔壁を含み得、消毒流体は、コネクタ内のそれぞれの2つの隔壁間に貯蔵され得る。この場合も、各隔壁は、フローブレーカであると考えられ得る。
【0170】
いくつかの例示的な実装形態では、一方または両方のコネクタは、例えば、以下でさらに概説するように構成された近位隔壁および/または遠位弁を含み得る。消毒流体は、近位隔壁および遠位弁内に貯蔵され得る。隔壁および対応する遠位弁はそれぞれ、フローブレーカであると考えられ得る。
【0171】
文脈に応じて、「近位隔壁」という用語は、対応するコネクタ端部の開口部により近い隔壁またはフローブレーカ位置を指す。
【0172】
ポンプチューブをクランプする機械的蓄積要素の代わりに弁を有する遠位隔壁を実現することによって、カートリッジ内のチューブの組立を容易にし得る。
【0173】
遠位隔壁は、本明細書では弁によって実現されるものとして示されているが、これは決して限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。したがって、いくつかの代替の実施形態では、消毒流体は外部コネクタ内に貯蔵され得、例えば、近位隔壁は弁によって実現され得、遠位隔壁は弁によって実現され得、例えば、箔穿刺動作は、
図9A~
図9Cに示す方向Dと反対の方向に生じ得る。コネクタのみに消毒流体を貯蔵することにより、チューブ材料の気孔率と比較してコネクタ材料の気孔率が低いことから、貯蔵寿命を延長することができる。
【0174】
いくつかの実施例では、付勢要素は、Yセットチューブ506の近位端(ポンプロータ700の近位)および/またはカテーテルの近位端によって具現化され得、それぞれの近位隔壁(Yコネクタ隔壁および/またはカテーテル隔壁)に対する相対変位により、対応する隔壁の破裂を生じさせる。
【0175】
添付図面に概略的に示され、本明細書で説明されているのは、使い捨て部品が耐久性ユニットに対して静止した状態のままであり、摺動プラットフォームおよび/または付勢要素が耐久性部品に対して、ひいては使い捨て部品に対して制御可能に変位される実施形態に関する例であるが、これは決して限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。したがって、いくつかの実施形態では、システムは、使い捨て部品が付勢要素(例えば、Yチューブコネクタの近位端および/もしくはテーテルチューブコネクタの近位端および/もしくはばね付勢要素)に対して摺動可能であるように構成され得る、または使い捨て部品および/もしくは摺動プラットフォームおよび/もしくは付勢要素の両方が、耐久性ユニットに対して移動可能であり得る。いくつかの実施形態または全ての実施形態において、付勢要素は、フローブレーカの開放(例えば、対応する隔壁の破裂および/または弁の開放および/またはフローブレーカばねなどの機械的エネルギー蓄積装置の開位置への付勢)に寄与する要素であると考えられ得る。
【0176】
いくつかの例では、一方または両方のコネクタは、複数の拡散開口部を有するディフューザ(例えば、中隔壁)を含み得る。閉形態では、弁要素の脚部は、拡散開口部を通って流体が流れるのを防止するために、拡散開口部を塞ぐことができる。開形態では、脚部は、流体が拡散開口部を通って流れることができるように後退される。
図11Aは、カテーテルコネクタ1504および外部コネクタ組立体550の概略断面図であり、近位隔壁1510が引き裂かれ、遠位隔壁または弁要素1511が当接し、または穿孔装置507の遠位開口部に対して機械的エネルギー蓄積装置(例えば、ばね1512)によって押圧され、そのことにより穿孔装置の遠位開口部を封止する。したがって、その空洞がカテーテル本体および近位隔壁および遠位隔壁によって画定される消毒チャンバは、(引き裂かれた)近位隔壁の側で開放し、遠位(弁ベースの)隔壁1511によって閉鎖される。
【0177】
図11Bは、カテーテルコネクタ1504および外部コネクタ組立体550の概略断面図であり、近位隔壁1510が引き裂かれ、遠位隔壁または弁要素1511が外部コネクタ組立体550の前縁554によって穿孔装置507の遠位開口部から突き離され、そのことにより穿孔装置の遠位開口部を開放する。このように構成されたカテーテルコネクタ1504の入口および出口の両方は、外部コネクタおよびポンプチューブと流体連通し、カテーテルおよびチューブを通る消毒材料の流れを可能にする。
【0178】
図11Cに概略的に示すように、コネクタ1504のハウジングは、シール1514およびアダプタ1515を含み得る。シール1514は、アダプタ1515と近位膜1510との間に配置され得る。さらに、膜1510は、封止要素1514とディフューザ/穿孔装置507の近位開口部との間に配置され得る。遠位隔壁(弁隔壁)1511は、機械的エネルギー蓄積要素1511とディフューザ507の遠位開口部との間に配置され得る。Yチューブコネクタは、同様のまたは類似の方法で設計されてもよいことに留意されたい。
【0179】
さらに、いくつかの実施形態では、
図11Cに示す要素のいくつかは、例えば、遠位隔壁がポンプチューブのクランプによって実現されるコネクタ実施形態で採用されてもよい。
【0180】
ここで
図12Aおよび
図12Bを参照すると、カートリッジの上部514は、ポンプチューブ502を備えていない円形セクションを横行するローラ710を支持するための支持構造体590を含み得る。例えば、カートリッジの円形セクションは、回転中にホイールが係脱する第1のポンプチューブ部分と、ホイールがその後に再係合する第2のポンプチューブ部分とによって画定されるカートリッジ内の領域であり得る。支持構造体またはプラットフォームは、例えば、カートリッジに対するロータ回転軸Zの傾斜を低減または防止するように構成され得る。いくつかの例では、支持構造体590のホイール係合面は、ホイール710A~710Cのテーパ状のリム面の角度に一致する傾きを有する。
【0181】
使い捨てカートリッジの上部に含まれるように概略的に示されている少なくとも1つまたは全ての要素は、いくつかの実施形態では、その代わりに、蓋610内に配置されてもよい、または含まれてもよいことに留意されたい。例えば、少なくとも1つのフィン(例えば、少なくとも1つの直線状フィン529および/もしくは少なくとも1つの斜めフィン532)ならびに/または支持構造体590は、使い捨てカートリッジの上部に含まれる代わりに、蓋610の一部に含まれてもよい。
【0182】
ここで
図13Aを参照する。いくつかの実施形態に係る腹膜透析を行うための方法は、本明細書に記載されるように実施され得る。いくつかの実施形態によれば、910において、ツインバッグ908のキャップが取り外される。
【0183】
いくつかの実施形態では、例えばツインバッグへの流れおよびツインバッグからの流れを制御するために、手動クランプ902がツインバッグに追加される。随意に、2つのクランプ(ツインバッグの各バッグに1つずつ)が追加される。いくつかの実施形態では、使い捨てポンプチューブ904がツインバッグに接続される。いくつかの実施形態では、ツインバッグは、装置/システム(例えば、システム300、透析装置102、または透析装置202)に接続される。いくつかの実施形態では、ツインバッグが装置に接続されると、例えば、ツインバッグとポンプチューブとの間の流路を消毒するために、消毒プロセスが開始される。
【0184】
いくつかの実施形態によれば、214においてカテーテルキャップが取り外され、916においてカテーテル(例えば、患者のカテーテル)が装置に接続される。いくつかの実施形態では、カテーテルの接続中に、例えば、カテーテルとポンプチューブとの間の流路を消毒するために、消毒プロセスが開始される。いくつかの実施形態では、918において、ツインバッグの排出側がクランプされる。いくつかの実施形態では、920において、消毒ユニットが停止される。いくつかの実施形態では、922において、カテーテルフローバルブが開かれる。いくつかの実施形態では、924において、例えば、排出された透析液が排液バッグに入ることができるように、排出側クレームが開かれる。
【0185】
いくつかの実施形態によれば、926において、ポンプが作動される。いくつかの実施形態では、ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)は、排液バッグに向かう方向にロータを回転させる。いくつかの実施形態では、排出された透析液が排液バッグに流入する場合、ポンプは作動状態のままである。いくつかの実施形態では、排出された透析液が排液バッグに流入しない場合、930において、ポンプは停止される。
【0186】
いくつかの実施形態によれば、932において、カテーテルがクランプされる。いくつかの実施形態では、934において、シールがブレーキをかける。いくつかの実施形態では、シールは、例えば、ポンプチューブからの排出透析液の洗浄を可能にするように、ブレーキをかける。いくつかの実施形態では、936において、ポンプが作動される。いくつかの実施形態では、ポンプは、ポンプチューブを洗浄するために、所望の期間にわたって作動される。いくつかの実施形態では、所望の期間が終了すると、940においてポンプが停止される。いくつかの実施形態では、942において、排出側がクランプされる。いくつかの実施形態では、944において、例えば、新鮮透析液バッグとカテーテルとの間の流路を可能にするために、カテーテルフローバルブが開かれる。
【0187】
いくつかの実施形態によれば、946において、ポンプが作動される。いくつかの実施形態では、ポンプは、透析液がカテーテルに流入する限り作動状態のままである。いくつかの実施形態では、透析液が排液バッグに流入しない場合、950において、ポンプは停止される。いくつかの実施形態では、952において、例えば、カテーテルをポンプチューブから隔離するために、カテーテルがクランプされる。いくつかの実施形態では、954において、透析液がクランプされる。いくつかの実施形態では、956において、例えば、カテーテルに出入りする流れを防止するために、カテーテルフローバルブが閉じられる。
【0188】
いくつかの実施形態によれば、958において、カテーテルが非減衰状態にされる。いくつかの実施形態では、960において、カテーテルが解除または切断される。いくつかの実施形態では、962において、カテーテル開口部にキャップが取り付けられる。いくつかの実施形態では、964において、消毒ユニットが停止される。
【0189】
いくつかの実施形態によれば、966において、排出側がクランプされる。いくつかの実施形態では、968において、ツインバッグが取り外される。いくつかの実施形態では、970において、排液バッグから排液される。いくつかの実施形態では、972において、排液バッグが廃棄される。
【0190】
いくつかの例示的な実施形態によれば、使い捨てポンプチューブ904も装置から切り離される。いくつかの実施形態では、注入プロセスと排出プロセスとの間に、新しい使い捨てポンプチューブが装置に追加される。
【0191】
さらに
図13Bを参照する。いくつかの実施形態によれば、901において、携帯型腹膜透析ディスポーザブル(PPDD)が包装から取り出される。いくつかの実施形態では、903において、PPDD包装の無菌性が検査および/または判定される。いくつかの実施形態では、903において、包装の無菌性は、包装の完全性を検査することによって判定される。いくつかの実施形態では、包装が無菌である場合、905において、PPDDが包装から取り外される。
【0192】
いくつかの実施形態によれば、907において、PPDDが携帯型腹膜透析機械(PPDM)に装着される。いくつかの実施形態では、PPDMは装置の耐久性部分であり、PPDDは装置の使い捨て可能部分である。いくつかの実施形態では、909において、チューブは、包装(随意に、使い捨て包装)から取り出される。いくつかの実施形態では、911において、チューブが検査される。いくつかの実施形態では、913において、「プルリング」が無菌包装から取り外される。いくつかの実施形態では、チューブは、PP透析ディスポーザブルの中に装着される。随意に、チューブはPP透析ディスポーザブルのポンプロータと関連して配置される。
【0193】
いくつかの実施形態によれば、915において、チューブがPP透析ディスポーザブルに装着される。
【0194】
いくつかの実施形態では、917において、カテーテルキャップ(例えば、患者カテーテルキャップ)が取り外される。いくつかの実施形態では、919において、カテーテルがPP透析ディスポーザブルの中に装着される。随意に、カテーテルの装着中に、カテーテルはPPDDの消毒コネクタによって消毒される。
【0195】
いくつかの実施形態によれば、921において、PP透析機械の蓋が閉じられる。随意に、蓋を閉じることにより、カテーテルの消毒プロセスが開始される。いくつかの実施形態では、923において、カテーテルフローバルブが開かれる。いくつかの実施形態では、925において、シール(例えば「グリーン」シール)が破壊される。随意に、シールの破壊は、消毒溶液をカテーテル内に放出する。他の実施形態では、消毒プロセスは、上述の方法または上述の方法のうちの1つで行われる。
【0196】
いくつかの実施形態によれば、927において、消毒タイマが開始される。いくつかの実施形態では、929において、消毒タイマが停止される。いくつかの実施形態では、消毒タイマは、チューブとカテーテルとの間の流路を消毒するのに十分な所望の期間を設定する。いくつかの実施形態では、931において、排出側クランプが開かれる。いくつかの実施形態では、ポンプは、933において、例えば、腹膜腔から透析液を排出するように作動される。いくつかの実施形態では、935において流体が排出される場合、ポンプは作動状態のままである。いくつかの実施形態では、排出する流体がない場合、937においてポンプは停止される。
【0197】
いくつかの実施形態によれば、939において、カテーテルがクランプされる。いくつかの実施形態では、941において、例えば、チューブから残留排出透析液を除去するために、ポンプが作動される。いくつかの実施形態では、943において、ポンプは、少なくとも2秒間(例えば、2秒間、3秒間、4秒間、5秒間、6秒間、7秒間、または中間もしくはそれより長い期間、随意にタイマによって、作動される。あるいは、ポンプは、チューブ内に残留流体がなくなるまで作動される。いくつかの実施形態では、945において、ポンプが停止される。いくつかの実施形態では、947において、排出側がクランプされる。
【0198】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルクランプは解除される。いくつかの実施形態では、透析液クランプが解除される。いくつかの実施形態では、949において、例えば、透析液のカテーテル内への注入を可能にするために、ポンプが作動される。いくつかの実施形態では、951において、透析液がカテーテルに流入する。いくつかの実施形態では、ポンプは、透析液がカテーテルに流入する限り、ポンプは作動状態のままである。いくつかの実施形態では、953において、透析液がカテーテル内に流入しないときには、ポンプが停止される。随意に、ポンプは、治療プロトコルの作動パラメータに従って停止される。いくつかの実施形態では、955において、カテーテルがクランプされる。いくつかの実施形態では、957において、透析液がクランプされる。いくつかの実施形態では、959において、カテーテルフローバルブが閉じられる。
【0199】
いくつかの実施形態によれば、961において、PP透析機械の蓋が開かれる。いくつかの実施形態では、963において、全てのクランプが開かれる。いくつかの実施形態では、965において、カテーテルがPP透析ディスポーザブルから解除される。いくつかの実施形態では、キャップがカテーテル開口部に取り付けられる。
【0200】
いくつかの実施形態によると、969において、PP透析ディスポーザブルがPP透析機械から取り外される。いくつかの実施形態では、971において、ロータがPPDDから取り外される。いくつかの実施形態では、973において、排液バッグから排液する。いくつかの実施形態では、975において、排液バッグが廃棄される。随意に、975において、PP透析ディスポーザブルまたはチューブのみが廃棄される。
【0201】
追加の実施例
【0202】
実施例1は、ポンプのポンプロータに関し、ポンプロータは、ポンプのポンプドライブと動作可能に結合可能であり、ポンプロータは、ポンプロータの回転面に垂直なロータ回転軸Zを有し、ポンプロータは、ポンプロータと回転可能に結合され、ロータ回転軸Zに垂直なホイール回転軸Wを有する少なくとも1つのホイールを備え、回転軸Zを中心としたポンプロータの回転は、少なくとも1つのホイールが回転軸Zを中心とした円形経路を横行し、ポンプロータ軸の方向である方向に圧縮性チューブの対応する部分を圧縮するように、ホイール回転軸Wを中心として少なくとも1つのホイールを回転させる。
【0203】
実施例2は、実施例1の対象を含み、随意に、回転軸Zを中心としたポンプロータの回転は、ホイール回転軸Wをロータ回転面内でロータ回転軸Zを中心として円運動させる。
【0204】
実施例3は、実施例1~実施例2のいずれか1つの実施例の対象を含み、随意に、少なくとも1つのホイールは、ロータ回転軸Zを中心として円運動するときに角速度の差を相殺するように構成されたリム面を有する。
【0205】
実施例4は、実施例1~実施例3のいずれか1つの実施例の対象を含み、随意に、少なくとも1つのホイールは、ロータ回転軸Zに向かってテーパ状になるリム面を有する。
【0206】
実施例5は、実施例4の対象を含み、随意に、リム面は、錐台のリム面である。
【0207】
実施例6は、実施例1~実施例5のいずれか1または複数の実施例の対象を含み、随意に、シャフトは、ロータ回転軸Zの方向にピックアンドプレース組立ステップにおいてポンプロータを動作可能に受容するように構成される。
【0208】
実施例7は、流体流のためのチャネルを有する圧縮性チューブを備える使い捨て部品に関し、ポンプロータと動作可能に組み立てられたときに、圧縮性チューブは、リム面とロータハウジングとの間に挟まれる。
【0209】
実施例8は、実施例7の対象を含み、随意に、消毒材料を含む消毒部分を形成するためにチューブを圧縮するように構成された作動可能な機械的エネルギー蓄積要素を含む。
【0210】
実施例9は、実施例8の対象を含み、随意に、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素は、閉形態から開形態に可逆的または不可逆的に構成可能である。
【0211】
実施例10は、実施例8および/または実施例9の対象を含み、随意に、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素は、開形態から閉形態に可逆的または不可逆的に構成可能である。
【0212】
実施例11は、実施例8~実施例10のいずれか1つまたは複数の実施例の対象を含み、随意に、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素は、消毒材料を含む消毒部分を形成するためにチューブを圧縮するばねである。
【0213】
実施例12は、実施例7~実施例11のいずれか1つまたは複数の実施例の対象を含み、随意に、相対運動は、ばねと、ばねによってチューブに加えられる圧力を解放させる付勢要素との間で制御可能に開始可能であり、そのことにより、消毒材料のチューブへの流れを可能にする。
【0214】
実施例13は、実施例11および/または実施例12の対象を含み、随意に、ばねは、ばねの一部が使い捨て部品のチューブを押圧する閉状態を有する常時閉である。
【0215】
実施例14は、実施例7~実施例13のいずれか1つまたは複数の実施例の対象を含み、使い捨て部品は、例えば本明細書に開示されるような腹膜透析装置のポンプロータと動作可能に係合可能である。
【0216】
実施例15は、実施例14の対象を含み、随意に、ポンプロータは、腹膜透析装置の耐久性ユニットの一部である。いくつかの実施例では、ポンプロータは、耐久性ポンプロータであり得る。
【0217】
いくつかの実施例では、作動可能な機械的エネルギー蓄積要素および/またはアクチュエータは、耐久性ユニットの一部であり得る。
【0218】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の多くの変形、修正、および他の応用がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、以下の特許請求の範囲に記載されるような請求項に係る発明は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0219】
本明細書に記載され、添付図面に示される方法は、限定的に解釈されるべきではないことに留意することが重要である。例えば、本明細書に記載されている方法は、本明細書に記載されている内容および/または図に示されているものと比較して、追加のまたはより少ないプロセスまたは動作を含み得る。加えて、方法ステップは、本明細書に図示および説明されているような時系列に必ずしも限定されない。
【0220】
本明細書に例示される任意のデジタルコンピュータシステム、ユニット、デバイス、モジュール、および/またはエンジンは、本明細書に開示される方法を実装するように構成されるか、または別様にプログラムされ得、そのシステム、モジュール、および/またはエンジンがそのような方法を実装するように構成される限り、本開示の範囲および趣旨の範囲内にある。システム、モジュール、および/またはエンジンは、本明細書に開示される方法を実装するプログラムソフトウェアからのコンピュータ可読かつ実行可能命令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされると、事実上、本明細書に開示される方法の実施形態に特有の専用コンピュータになる。本明細書に開示される方法および/またはプロセスは、例えば、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶装置および/または非一時的な有形の機械可読記憶装置を含む、情報担体内に有形に具現化され得る、コンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム製品は、本明細書に開示される方法および/またはプロセスを実行するためのソフトウェアコード部分を含む、デジタルコンピュータの内部メモリに直接ロード可能であり得る。
【0221】
本明細書に開示される方法および/またはプロセスは、コンピュータ可読信号媒体によって無形に具現化され得るコンピュータプログラムとして実装され得る。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含み得る。このような伝搬信号は、これらに限定されないが、電磁信号、光信号、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含む様々な形態のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、非一時的コンピュータまたは機械可読記憶装置ではなく、本明細書で説明される装置、システム、プラットフォーム、方法、動作、および/またはプロセスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、または移植することができる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0222】
「非一時的コンピュータ可読記憶装置」および「非一時的機械可読記憶装置」という用語は、配布媒体、中間記憶媒体、コンピュータの実行メモリ、および本明細書に開示される方法の実施形態を実装するコンピュータプログラムによって後で読み取るために記憶することができる任意の他の媒体または装置を包含する。コンピュータプログラム製品は、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトにあるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、1つまたは複数の通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0223】
これらのコンピュータ可読かつ実行可能命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され、そのことにより、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(1つまたは複数)内で指定された機能/動作を実装するための手段を作成することができる。これらのコンピュータ可読かつ実行可能プログラム命令はさらに、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、そのことにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(1つまたは複数)で指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を備える。
【0224】
コンピュータ可読かつ実行可能命令はさらに、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスにロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(1つまたは複数)で指定された機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し得る。
【0225】
「エンジン」という用語は、1つまたは複数のコンピュータモジュールを含み得、モジュールは、より大型のシステムとインターフェースをとる内蔵型ハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントであり得る。モジュールは、1つまたは複数の機械実行可能命令を含み得る。モジュールは、回路もしくは回路構成、または本明細書に開示される方法、プロセス、および/もしくは動作をシステムに実施させるようにプログラムされたコントローラによって具現化され得る。例えば、モジュールは、例えばカスタムVLSI回路またはゲートアレイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、既製の半導体(論理チップ、トランジスタ、および/または他のディスクリート部品など)を含むハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイス内に実装されてもよい。
【0226】
用語「ランダム」は、用語「実質的にランダムに」または「擬似ランダムに」の意味も包含する。
【0227】
本明細書で使用される「リアルタイム」という表現は、一般に、例えば、ユーザが気付くほどのジャダ、待ち時間、またはラグなしに、データが受信されるのと本質的に同じ速度で、受信データに基づいて情報を更新することを指す。
【0228】
説明において、特に明記しない限り、本発明の一実施形態の1つまたは複数の特徴の条件または関係特性を修正する「実質的に」および「約」などの形容詞は、その条件または特性が、意図される用途のための実施形態の動作に関して受け入れ可能な許容範囲内で定義されることを意味すると理解されるべきである。
【0229】
特に明記しない限り、大きさまたは数値に関する「実質的に」、「約」、および/または「近い」という用語は、それぞれの大きさまたは値の-10%~+10%の包含範囲内にあることを意味し得る。
【0230】
「結合される」は、間接的または直接的に「結合される」を意味し得る。
【0231】
方法は、それらの図または対応する説明に限定されないことを含み得ることに留意することが重要である。例えば、方法は、図に示されているものと比較して、追加のまたはさらに少ないプロセスまたは動作を含み得る。さらに、方法の実施形態は、本明細書に図示および説明されているような時系列に必ずしも限定されない。
【0232】
例えば、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」、「推定する」、「導出する」、「選択する」、「推論する」などの用語を利用する本明細書における説明は、コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ、あるいは動作および/またはプロセスを実行するための命令を記憶し得る他の情報記憶媒体内の物理量として同様に表される他のデータに操作および/または変換する、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、または他の電子コンピューティングデバイスの動作(複数可)および/またはプロセス(複数可)を指す場合がある。「決定する」という用語は、適用可能な場合、「ヒューリスティックに決定すること」を指す場合もある。
【0233】
実施形態が「閾値を上回る」という条件を指す場合、これは、「閾値以上」という条件を指す実施形態を除外するものと解釈してはならないことに留意されたい。同様に、実施形態が「閾値未満」の条件を指す場合、これは、「閾値以下」の条件を指す実施形態を除外するものとして解釈してはならない。所与のパラメータの値が閾値を上回る場合に条件が満たされていると解釈されるべきであり、所与のパラメータの値が所与の閾値以下である場合に同じ条件が満たされていないと考えられることは明らかである。逆に、所与のパラメータの値が閾値以上である場合に条件が満たされていると解釈される場合、所与のパラメータの値が所与の閾値未満(および所与の閾値未満でしかない)である場合に同じ条件が満たされていないと考えられる。
【0234】
特許請求の範囲または明細書が1つの(「a」または「an」)の要素および/または特徴に言及する場合、そのような言及は、その要素が1つだけ存在すると解釈してはならないことを理解されたい。したがって、例えば「1つの要素」または「少なくとも1つの要素」の言及は、「1つまたは複数の要素」を包含する場合もある。
【0235】
単数形で使用される用語は、明示的に別段の定めがある場合、または文脈が別段の定めを必要とする場合を除き、複数形も含むものとする。
【0236】
本願の明細書および特許請求の範囲において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、および「有する(have)」、ならびにそれらの活用形の各々は、その動詞の1つまたは複数のデータ部分が、必ずしもその動詞の1つまたは複数の主語のコンポーネント、要素、または部分を完全に列挙したものであるとは限らないことを示すために使用されている。
【0237】
特に明記しない限り、選択のためのオプションのリストの最後の2つの要素間の「および/または」という表現の使用は、列挙されたオプションのうちの1つまたは複数の選択が適切であり、行われ得ることを示す。さらに、「および/または」という表現の使用は、「以下のうちの少なくとも1つ」、「以下のうちのいずれか1つ」、または「以下のうち1つまたは複数」という表現と区別なしに使用され得、様々なオプションの列挙が続く。
【0238】
本明細書で使用される場合、「A、B、C、または前述のものの任意の組み合わせ」という句は、(i)AもしくはBもしくはCまたはA、B、Cの任意の組み合わせ、(ii)A、B、Cの少なくとも1つ、(iii)Aおよび/またはBおよび/またはC、ならびに(iv)A、B、および/またはCの全てを意味するものとして解釈されるべきである。必要に応じて、句「A、Bおよび/またはC」は、A、BまたはCを意味すると解釈され得る。句「A、BまたはC」は、「A、B、Cから成る群から選択される」を意味すると解釈され得る。この概念は、3つの要素(すなわち、A、B、C)について示されているが、より少ない数およびより多い数の要素(たとえば、A、B、C、Dなど)に拡大される。
【0239】
明確にするために別々の実施形態または実施例の文脈において説明される本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態、実施例、および/またはオプションの文脈で説明される本発明の種々の特徴はまた、別々にもしくは任意の好適な部分的組み合わせで、または本発明の任意の他の説明される実施形態、実施例、もしくはオプションにおいて好適なように提供されてもよい。様々な実施形態、実施例、および/または随意の実装形態の文脈で説明されるいくつかの特徴は、実施形態、実施例、および/または随意の実装形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0240】
「いくつかの実施形態において」、「いくつかの実施形態によれば」、「例えば(for example)、(e.g.,)、(for instance)」、および「随意に」という用語は、本明細書において区別なしに使用され得ることに留意されたい。
【0241】
図に示される要素の数は、決して限定するものとして解釈されるべきではなく、単に例示目的のために示されている。
【0242】
本明細書で使用される「リアルタイム」は、一般に、データが受信されるのと本質的に同じ速度における情報の更新を指す。より具体的には、本発明の文脈において、「リアルタイム」は、データが表示されるときに、可視化において提示および/または表示されるデータ部分が、ユーザが気付くほどのジャダ、待ち時間、またはラグなしに滑らかに移動するように、画像データが十分に高いデータレートおよび十分に低い時間遅延で取得され、処理され、センサから送信されることを意味することが意図される。
【0243】
「~するように動作可能な」という用語は、「~するように修正されたまたは構成された」という用語の意味を包含することができることに留意されたい。言い換えれば、タスクを実行する「ように動作可能な」機械は、いくつかの実施形態では、機能を実行する(例えば、「ように修正された」)単なる能力を包含することができ、いくつかの他の実施形態では、機能を実行するように実際に作られた(例えば、「構成された」)機械を包含することができる。
【0244】
本明細書で使用され得る「上」、「下」、「右」、「左」、「底部」、「下方」、「下降」、「低」、「上部」、「上方」、「上昇」、「高」、「垂直」、および「水平」などの位置に関する用語、ならびにその文法的変形は、例えば、「底部」構成部材が「上部」構成部材の下にあること、または「下に」ある構成部材が別の構成部材の「実際に下に」あること、または「上に」ある構成部材が別の構成部材の「実際に上に」あることを必ずしも示しておらず、そのため、方向、構成部材またはその両方が、空間において逆転され、回転され、移動され、対角配向もしくは位置に配置され、水平方向または垂直方向に配置され、または同様に修正され得る。したがって、「底部」、「下方」、「上部」、および「上方」という用語は、本明細書では、単に例示目的のために、ある構成部材の相対的な位置決めまたは配置を示すために、第1および第2の構成部材を示すために、またはその両方を示すために使用され得ることが理解されよう。
【0245】
「結合される」は、間接的または直接的に「結合される」ことを意味する。
【0246】
本明細書で使用される用語「光」は、本明細書で開示される用途の目的に適した任意の波長の電磁放射線を指す場合があることに留意されたい。したがって、「光」という用語は、可視光に限定されるものと解釈されるべきではなく、追加としてまたは代替として、例えば、赤外域のレーザ光およびUV光などの不可視放射線を含み得る。
【0247】
したがって、「光」という用語は、可視光に限定されるものと解釈されるべきではなく、追加としてまたは代替として、例えば、赤外域の光、短波長赤外域の光、紫外域の光などの不可視放射線を含み得る。光は、コヒーレント、非コヒーレント、または部分的にコヒーレントであり得る。光は、偏光、非偏光、または部分的に偏光され得る。光は、広いスペクトル幅(例えば、黒体から生じるような数百ナノメートルの範囲)を有し得る、光は、中間スペクトル幅(例えば、LEDから生じるような数十ナノメートルの範囲)を有し得る、または光は、狭いスペクトル幅(例えば、レーザから生じるような数ナノメートルの範囲)を有し得る。さらに、「光」および「EM放射線」という用語は、本明細書では区別なしに使用され得る。
【0248】
本願を通して、様々な実施形態が範囲形式で提示され、および/または範囲形式に関連し得る。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔さのためであり、実施形態の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、その範囲内の全ての可能な部分範囲および個々の数値を具体的に開示していると考えられるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、6を具体的に開示していると考えられるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用される。
【0249】
第1の指示数と第2の指示数との間の「範囲」および第1の指示数から第2の指示数までの「範囲」という句は、本明細書では区別なしに使用され、第1の指示数および第2の指示数ならびにその間の全ての分数および整数を含むことを意味する。
【0250】
本発明を、限られた数の実施形態に関して説明してきたが、これらは、本発明の範囲に対する限定としてではなく、むしろ、実施形態のうちのいくつかの例示として解釈されるべきである。
【国際調査報告】