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特表2025-505220地面係合ツールの製造性を向上させるための幾何学的プロファイル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】地面係合ツールの製造性を向上させるための幾何学的プロファイル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20250214BHJP
   E02F 3/40 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
E02F9/28 A
E02F3/40 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547135
(86)(22)【出願日】2023-02-06
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 US2023062025
(87)【国際公開番号】W WO2023158940
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】17/671,867
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マカフリー、ブランドン ハミング
【テーマコード(参考)】
2D012
2D015
【Fターム(参考)】
2D012GB01
2D015JA03
(57)【要約】
地面係合ツールの製造性を向上させるための幾何学的プロファイルを提供する。摩耗部材(200)は、第1脚部(202)、第2脚部(204)、および第1脚部(202)を第2脚部(204)に接続するスロート部(206)を含む。第1脚部(202)は第1脚部厚さ(T202)を定義し、スロート部(206)は第1脚部厚さ(T202)に隣接して配置されるスロート部厚さ(T206)を定義する。スロート部厚さ(T206)と第1脚部厚さ(T202)との比は1.1~1.2である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業器具(102)に取り付けられるように構成された摩耗部材(200)であって、前記摩耗部材(200)は、
第1脚部(202)、
第2脚部(204)、および
前記第1脚部(202)を前記第2脚部(204)に接続するスロート部(206)を含み、
前記第1脚部(202)は第1脚部厚さ(T202)を定義し、前記スロート部(206)は第1脚部厚さ(T202)に隣接して配置されたスロート部厚さ(T206)を定義し、前記スロート部厚さ(T206)と前記第1脚部厚さ(T202)との比は1.1~1.2の範囲である、摩耗部材(200)。
【請求項2】
前記第1脚部(202)は、後部ゲート欠陥(210)を有する後面(208)を画定し、前記第2脚部(204)は、底部ゲート欠陥(214)を有する底面(212)を画定する、請求項1に記載の摩耗部材(200)。
【請求項3】
前記第1脚部(202)は頂部脚部であり、前記第2脚部(204)よりも長い、請求項2に記載の摩耗部材(200)。
【請求項4】
前記第2脚部(204)は底部脚部であり、前記第1脚部(202)よりも短い、請求項2に記載の摩耗部材(200)。
【請求項5】
前記摩耗部材(200)はシュラウド(200)であり、前記第1脚部(202)、前記第2脚部(204)、および前記スロート部(206)は前記第1側面(216)および前記第2側面(218)を定義し、前記スロート部(206)は前記第1側面(216)および前記第2側面(218)から離間したリブ(220)を含み、第1ノッチ(222)および第2ノッチ(224)を形成し、前記リブ(220)はスロート部厚さ(T206)を少なくとも部分的に定義する、請求項1に記載の摩耗部材(200)。
【請求項6】
作業器具(102)の縁部(114)に取り付けられるように構成されたシュラウド(200)であって、前記シュラウド(200)は、
後部ゲート欠陥(210)を有する後面(208)を含む頂部脚部(202)、および
底部ゲート欠陥(214)を有する底面(212)を含む底部脚部(204)を含み、
前記スロート部(206)は、前記頂部脚部(202)から延びる第1斜面部(226)と、前記第1斜面部(226)から前記底部脚部(204)まで延びる第2斜面部(228)と、を含み、
前記頂部脚部(202)は第1頂部脚部厚さ(T202)を定義し、前記第1斜面部(226)は、前記頂部脚部厚さ(T202)よりも大きい第1斜面部厚さ(T206)を定義する、シュラウド(200)。
【請求項7】
前記第2斜面部(228)は、前記第1斜面部厚さ(T206)よりも大きい第2斜面部厚さ(T228)を定義する、請求項6に記載のシュラウド(200)。
【請求項8】
前記スロート部(206)は、第1側面(216)および第2側面(218)を定義し、前記第1側面(216)および前記第2側面(218)から横方向に離間して第1側面凹部(222)および第2側面凹部(224)を形成する突起(220)を含み、前記突起(220)は、第1斜面部厚さ(T206)および第2斜面部厚さ(T228)を少なくとも部分的に定義する、請求項7に記載のシュラウド(200)。
【請求項9】
前記シュラウド(200)はセンターシュラウドである、請求項6に記載のシュラウド(200)。
【請求項10】
前記第1側面(216)および前記第2側面にはゲート欠陥がなく(218)、前記突起(220)は突起横幅(W220)を定義し、前記スロート部(206)はスロート部横幅(W206)を定義し、前記突起横幅(W220)と前記スロート部横幅(W206)の比は0.5~0.9の範囲であり、前記後部ゲート欠陥(210)は後部ゲート欠陥横幅(W210)を定義し、前記後部ゲート欠陥横幅(W210)と前記スロート部横幅(W206)の比は0.25より大きい、請求項8に記載のシュラウド(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、地面係合ツールを製造する製造プロセスに関する。より具体的には、本開示は、地面係合ツールの製造性を向上させるための改良された幾何学的プロファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
地面係合ツール、エッジプロテクター、シュラウドなど(総称して摩耗部材と呼ぶこともある)は、土木、鉱業、農業、建設業などの機械で日常的に使用されている。これらの部品は、通常、図1に示すように、鋳造プロセスを使用して鉄から製造される。より具体的には、図1に示されているシュラウド50は、サイドライザー(収縮を補うためにキャビティに材料を供給するため、フィーダーとも呼ばれる)を使用して製造されている。サイドライザーを使用すると、金型内のキャビティの数が制限され、製造プロセスの生産性が低下する。
【0003】
図2は、製造プロセスの生産性を向上させるためにサイドライザーをなくした場合に何が起こるかを示している。特に、空隙率のリスクが望ましくないレベルまで増加し、使用中にシュラウドが割れ得るなどの問題が生じる。また、現在の製造プロセスでは、サイドライザーの使用もあって、歩留まりが約50%、再加工率が28%、スクラップが22%しかない。
【0004】
米国特許第10,294,638B2号は、作業器具に取り付けられるように構成されたシュラウドを開示している。シュラウドは、閉端、開端、第1側面、および第2側面を定義する本体を含んでもよい。第1側面および第2側面は、閉端から開端まで広がっている。作業部は、閉端の近くに配置され、第1脚部は作業部から後方に開端まで延び、第2脚部は作業部から後方に開端まで延びている。側面は脚部の側面も形成する。スロート部は脚部と作業部を接続する。第1脚部と第2脚部はスロットを定義し、スロットは作業器具への組み立て方向を定義し、本体は、X軸が組み立て方向と平行である直交座標系を定義する。作業部は、閉端に地面係合面を画定し、地面係合面は、X軸と交差する凸状円弧部、凸状円弧部から第1側面に向かって延びる第1凹状円弧部、および、地面係合面がZ軸に沿ってX-Y平面に投影されたときに凸状円弧部から第2側面に向かって延びる第2凹状円弧部を含んでもよい。
【0005】
しかし、特許638では、シュラウドの製造プロセスについては触れられていない。したがって、生産性と歩留まり率を向上させる製造プロセスが必要である。
【開示の概要】
【0006】
本開示の実施形態に従って作業器具に取り付けられるように構成された摩耗部材は、第1脚部、第2脚部、および第1脚部を第2脚部に接続するスロート部を含んでもよい。第1脚部は第1脚部厚さを定義し、スロート部は第1脚部厚さに隣接して配置されたスロート部厚さを定義してもよい。スロート部厚さと第1脚部厚さの比は1.1~1.2の範囲であってもよい。
【0007】
本開示の実施形態に従って作業器具の縁部に取り付けられるように構成されたシュラウドは、後部ゲート欠陥を有する後面を含む頂部脚部と、底部ゲート欠陥部を有する底面を含む底部脚部と、頂部脚部から延びる第1斜面部と、第1斜面部から底部脚部まで延びる第2斜面部とを含むスロート部とを含んでもよい。頂部脚部は第1頂部脚部厚さを定義し、第1斜面部は頂部脚部厚さよりも大きい第1斜面部厚さを定義してもよい。
【0008】
本開示の実施形態によるシュラウドを鋳造するための金型は、複数のキャビティ、スプルー、およびスプルーを複数のキャビティに接続するフィーダシステムを含んでもよい。フィーダシステムは、複数のキャビティおよびスプルーと流体連通している複数の後部ゲートを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来技術の例に従って、トップライザーとサイドライザーを使用してシュラウド(地面係合ツールの一種)を製造する鋳造プロセスを示す。サイドライザーと側面ゲートにより、シュラウドを製造するキャビティの数が制限される。
図2】FEA(有限要素解析)を使用して作成されたプロットであり、図1で使用されているサイドライザーがなくなると、シュラウドに空隙率が生じるリスクが増大することを示している。
図3】本開示の実施形態に従って構成されたシュラウド付きバケットを使用する掘削機などの機械の斜視図である。
図4図3のバケットおよびシュラウドを機械から分離して示す正面斜視図である。
図5図4のバケットおよびシュラウドを側面から見た斜視図である。
図6図4と同様のシュラウドを分離して示す斜視図である。
図7図6のシュラウドをその中央平面(線7-7で示す)に沿って切断した断面図である。シュラウドの頂部脚部と底部脚部の間の移行部分またはスロートの厚さが増加し、流れの抵抗が減少する。
図8図7のシュラウドを製造するためにトップライザーと単一の後部ゲートのみを使用し、金型のキャビティの数を増やすことができる鋳造プロセスを示す図である。
図9】FEAを使用して作成されたプロットであり、サイドライザー/サイドゲートを削除しても、図6のシュラウドの空隙率のリスクが増加しないことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、添付の図面に例示されている本開示の実施形態について詳細に言及する。可能な限り、図面全体で同じ参照番号を使用して、同じまたは類似のパーツを参照する。場合によっては、この仕様書に参照番号が示され、図面には参照番号の後に文字(例えば、100a、100b)またはプライム記号(例えば、100’、100’’)が表示される。参照番号の直後に英文字又はプライムを使用することは、幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらのフィーチャが同様の形状及び同様の機能を有することを示すことが理解されるべきである。本明細書では説明を容易にするために、文字やプライム記号は本明細書には含まれないことが多いが、本明細書内で説明されている特徴の重複を示すために図面内に示される場合がある。
【0011】
摩耗部材またはシュラウドの強度に悪影響を与えることなく、製造プロセスを改善し、歩留まり率を高めることができる摩耗部材またはシュラウドのさまざまな実施形態が開示されている。より具体的には、摩耗部材またはシュラウドのプロファイル形状により、製造プロセスにおけるこのような改善が可能になる可能性がある。
【0012】
図3は、土や岩などを移動するためにバケット102を使用し、トラックシステム104によって推進され、エンジンによって駆動される掘削機の形態の機械100を示している。スティックとブームのシステム108を介してバケットの動きを制御するオペレータ(図示せず)を収容するためのキャブ106も設けられている。バケットおよび機械は、以下の段落で説明するように、本開示のさまざまな実施形態において異なる形態をとってもよい。
【0013】
図4および図5は、シュラウド200、チップ110、およびアダプタ112がバケットの前部リップ114に取り付けられる可能性があることを示している。シュラウド、チップ、およびアダプタなどは、本明細書ではより一般的に「摩耗部材」として特徴付けられる場合がある。また、バケット以外の他の作業器具、例えば、鋏、グラップル、リッパー等も、本開示の様々な実施形態に従って構成された摩耗部材を採用できることも理解される。
【0014】
図5および図6を見ると、このような摩耗部材(例えば、シュラウド200)は、第1脚部202、第2脚部204、および第1脚部202を第2脚部204に接続するスロート部206を含んでもよい。第1脚部202は第1脚部厚さT202を定義し、一方、スロート部206は第1脚部厚さT202に隣接して(例えば、第2脚部よりも第1脚部に近い)配置されたスロート部厚さT206を定義してもよい。本開示のいくつかの実施形態では、スロート部厚さT206と第1脚部厚さT202との比は1.1~1.2の範囲である。スロート部厚さがわずかに増加することにより、鋳造プロセス中の流れの停滞が緩和され、スロート部に空隙率が形成されるリスクを増大させることなく、モールド300(図8も参照)に後部ゲート302を使用してもよい。
【0015】
その結果、図6および7に示すように、第1脚部202は、後部ゲート欠陥210を含む後面208を画定してもよい第1脚部202は、第2脚部204よりも長い頂部脚部の形をとってもよいし、第2脚部204は、頂部脚部よりも短い底部脚部の形をとってもよい。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない場合がある。第2脚部204は、図8に示すトップライザー304から生じる底部ゲート欠陥214を有する底面212を有してもよい。
【0016】
この場合も、摩耗部材はシュラウド200であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。図6に最もよく示されているように、第1脚部202、第2脚部204、およびスロート部206は、第1側面216および第2側面218を定義してもよい。スロート部206には、第1側面216および第2側面218から離間して配置され、第1ノッチ222および第2ノッチ224を形成するリブ220が含まれてもよい。図7に最もよく示されているように、リブ220は、スロート部厚さT206を少なくとも部分的に定義する。他の実施形態では、リブまたは追加材料は、切り欠きなどが存在しないように、両側面まで完全に延びている。
【0017】
図6および図7を参照すると、シュラウドの実施形態は、後部ゲート欠陥210を有する後面208を含む頂部脚部(例えば、第1脚部202を参照)と、底部ゲート欠陥210を有する底面212を含む底部脚部(例えば、第2脚部204を参照)とを含むものとしてより具体的に説明されてもよい。スロート部206には、頂部脚部から延びる第1斜面部226と、第1斜面部226から斜めの角度230(図7参照)で底部脚部まで延びる第2斜面部228とが含まれてもよい。頂部脚部は第1頂部脚部厚さ(例えば、T202を参照)を定義し、第1斜面部は、頂部脚部厚さよりも大きい第1斜面部厚さ(スロート部厚さT206を参照)を定義する。さらに、第2斜面部は、第1斜面部厚さよりも大きい第2斜面部厚さT228を定義する。図示のように、頂部脚部厚さと第1斜面部厚さは実質的に一定であるが、第2斜面部厚さは変化する。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない場合がある。
【0018】
図6を参照して前述したように、スロート部は、第1側面と、サイドゲートが除去されるのでゲート欠陥がない可能性がある第2側面とを定義してもよい。突起(たとえば、リブ220を参照)は、第1側面および第2側面から横方向に間隔をあけて配置され、第1側面凹部(たとえば、第1ノッチ222を参照)および第2側面凹部(たとえば、第2ノッチ224を参照)を形成する。図7を参照すると最もよく理解されるように、突起は、第1斜面部厚さ(例えば、T206を参照)と第2斜面部厚さ(例えば、T228を参照)を少なくとも部分的に定義する。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない可能性がある。
【0019】
図6に最もよく示されているように、頂部脚部は、少なくとも第1保持機構受容開口部232を定義する。また、吊り上げアイ234は、第1斜面部から頂部脚部まで延びている。他の位置またはリフティングアイも可能であり、これらの特徴は、本開示の他の実施形態などでは省略されてもよい。
【0020】
示されているシュラウドは、横方向の中央平面(または図7の断面)を中心とする対称性によって証明されるように、中央シュラウドである。しかし、本発明者らは、シュラウドが横方向の中間面に関して非対称な左シュラウドまたは右シュラウドである可能性もあることもシミュレーションした(米国特許第10,724,212 B2号の図19および図21、または本願の図1図4および図5に示されているものと同様)。
【0021】
図6を参照すると、突起は突起横幅W220を定義し、スロート部はスロート部横幅W206を定義する。本開示のいくつかの実施形態では、突出横幅とスロート部横幅との比は、0.5~0.9の範囲であってもよい。同様に、後部ゲート欠陥は、後部ゲート欠陥横幅W210を定義し、後部ゲート欠陥横幅とスロート部横幅W206との比は、0.25より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、この比は、0.35より大きくてもよい(例えば、いくつかの実施形態では、約0.4であってもよい)。
【0022】
本明細書で説明した実施形態のいずれかの特徴の構成、比率、および寸法範囲は、用途に応じて、明示的に説明または示されたものとは異なるように変更される場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0023】
実際には、本明細書に記載のいずれかの実施形態による摩耗部材またはシュラウドは、アフターマーケットまたはOEM(オリジナル機器製造会社)の状況において、必要に応じて、または希望に応じて、提供、販売、製造、購入などされる可能性がある。たとえば、摩耗部材またはシュラウドは、すでに現場にある作業器具を改造するために使用したり、機器の最初の販売時点でその作業器具を使用する機器(たとえば、掘削機、ホイールローダーなどの機械)と一緒に販売したりしてもよい。
【0024】
摩耗部材またはシュラウドは、鉄、鋳鉄、鋼、ねずみ鋳鉄、または耐久性があり鋳造プロセスで使用できるその他の適切な材料から製造できる。摩耗部材またはシュラウドの形状は鋳造中に形成され、その後必要に応じて粗加工および/または仕上げ加工される。適切な加工プロセスには、フライス加工、旋削加工、放電加工などがある。摩耗部材は、トップライザーおよび後部ゲートから分離され、摩耗部材またはシュラウドの外面に対して突出、凹み、または突出と凹みの組み合わせであるゲート欠陥を形成してもよい。ゲート欠陥は機械加工などによって除去できる。
【0025】
図8および9は、スロート部厚さを変更することで、サイドゲートをなくし、単一の後部ゲートを採用できるようになり、より多くのキャビティを使用できるため、空隙率のリスクを増やすことなく歩留まりが向上することを示している。
【0026】
より具体的には、図8は、シュラウド(またはその他の摩耗部材)を鋳造するための金型300を示している。金型300は、複数のキャビティ306、スプルー308、およびスプルーを複数のキャビティに接続するフィーダシステム310(スパイダーシステムまたはランナーシステムとも呼ばれる)を含んでもよい。複数のキャビティと流体連通している複数の後部ゲート302、およびスプルーとトップライザー304も示されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数のキャビティのそれぞれは、複数の後部ゲートのうちの1つの後部ゲートによってフィーダシステムに接続され、複数のキャビティのそれぞれはトップライザーと流体連通している。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない場合がある。
【0028】
金型は、実際には、図8に示されている鋳造部品のネガ画像(「ショット」とも呼ばれる)であることを理解されたい。
【0029】
前述の説明は、開示されたアセンブリおよび技術の例を提供することを理解されたい。しかしながら、本開示の他の実施態様は、細部で前述の例と異なり得ることが予想される。本開示またはその例へのすべての参照は、その点で説明されている特定の例を参照することを意図しており、本開示の範囲のより一般的ないかなる制限を示唆することを意図していない。ある特定のフィーチャに関する区別および非難のすべての言語は、これらのフィーチャに対する選好の欠如を示すことを意図しているが、別段の記載がない限り、本開示の範囲から完全に除外されるものではない。
【0030】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で特に明記しない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照するための簡略な方法としてのみ意図されており、各個別の値は、本明細書で個別に記載されたかのように仕様に組み込まれる。
【0031】
本明細書で使用される「一(a)」および「1つ(an)」という冠詞は、1つ以上の項目を含むことを意図しており、「1つまたは複数」と互換的に使用できる。1つの項目のみを意図している場合は、「1つ」という用語または同様の用語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「有する(with)」などの用語は、無制限の用語であることを意図している。さらに、「に基づく」という語句は、明示的に別段の定めがない限り、「少なくとも一部に基づく」という意味を意図している。
【0032】
当業者には、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で説明した装置および組み立て方法の実施形態にさまざまな修正および変更を加えることができることは明らかである。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮すると、本開示の他の実施形態は当業者にとって自明であろう。例えば、いくつかの装置は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有していてもよく、任意の方法のいくつかのステップは省略されてもよく、具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたは段階的に実行されてもよい。さらに、さらなる実施形態を提供するために、様々な実施形態の特定の態様または特徴に対する変更または修正を行って、さらなる実施形態および特徴を作成することができ、様々な実施形態の特徴および態様を、他の実施形態の他の特徴または態様に追加または置換することができる。
【0033】
したがって、本開示は、適用法によって許容される場合には、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正および均など物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変更における上記の要素の任意の組み合わせは、本開示に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】