(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】電気自動車充電ステーションのネットワーク最適化
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20250214BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024547334
(86)(22)【出願日】2023-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 FI2023050044
(87)【国際公開番号】W WO2023152423
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524297726
【氏名又は名称】リイケネビルタ オサケ ユキチュア / ビルタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アティカリ、ユッシ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC06
(57)【要約】
様々な例示的実施例は、電気自動車充電ステーション・ネットワークの最適化に関する。相異なる当事者によって運営される複数の電気自動車充電ステーションを備えるネットワークに適用可能な、コンピュータで実施される方法を提供することができる。一実施例では、充電ステーションに関連する一般情報を含む公開データを使用して、様々な位置におけるネットワークの利用率を推定する。各当事者からの詳細なデータを必要とせずに、推定値に基づいて充電ステーションに適した新しい位置を判断できるので有利である。コンピューティング・デバイス、方法、及びコンピュータ・プログラムについて開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公に使用可能なデータ源(100、101、102、200)に基いて、複数の電気自動車充電ステーションの属性を取得するステップであって、前記属性には、前記複数の電気充電ステーションのそれぞれの位置情報、及び電気自動車の充電に関連する状態変化が含まれる、属性を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのセットの充電電力を含む、複数の利用率指標の正確な値、を含む、基準データ(202)を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する複数の推定利用率指標(303)を含む推定充電詳細記録(201、203)を、前記属性及び前記基準データに基づいて判断するステップ(302、400)であって、前記推定利用率指標(303)には、連続する状態変化及び前記状態変化のタイムスタンプに基づく前記充電の継続時間と、前記継続時間及び基準データに基づく、使用されるエネルギーとが含まれる、推定充電詳細記録(201、203)を判断するステップ、
新しい電気自動車充電ステーションの設置判定基準を取得するステップ(501、1200)、並びに
前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するための最適位置を判断するステップ(505、600、701、801、802、1000、1101、1201、1202、1301)であって、前記推定充電詳細記録及び前記判定基準に基づく、位置による電気自動車充電ステーションの利用率を示すデータを出力する、最適位置を判断するステップ
を含む、コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記属性が最大電力を含み、前記複数の電気自動車充電ステーションが、前記複数の電気自動車充電ステーションの最大電力に基づいてカテゴリ分けされ、
前記基準データ(202)には、カテゴリごとの平均充電電力が含まれ、
前記使用されるエネルギーが、前記それぞれの電気自動車充電ステーションの前記カテゴリの前記平均電力に基づいて判断される、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項3】
前記推定利用率指標には、前記使用されるエネルギー、前記継続時間、セッション料金、1分当たりの価格、及び1キロワット時当たりの価格に基づいて判断されるユーザ需要を示す収益が含まれる、請求項1又は2に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項4】
前記基準データの前記複数の推定利用率指標(303)には、前記電気自動車充電ステーションのセットの充電に関する、使用されるエネルギー、継続時間、又は収益のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記方法が、前記基準データ及び前記推定充電詳細記録に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションのセットの前記使用されるエネルギー、前記継続時間、又は前記収益のうちの少なくとも1つに関する組合せ値を判断するステップ(304)、
前記推定充電詳細記録に基づいて判断された前記組合せ値と、前記基準データに基づいて判断された前記組合せ値との差異に基づいて、少なくとも1つの前記推定利用率指標に対する調整係数を判断するステップ(305)、並びに
前記少なくとも1つの調整係数に基づいて、前記推定充電詳細記録のそれぞれを更新するステップ(306)
をさらに含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項5】
前記複数の推定利用率指標には、前記連続する状態変化の数に基づく充電数が含まれる、請求項1から4までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項6】
前記複数の推定利用率指標には、1日の充電の合計継続時間をその日の分で割った値に基づく利用割合が含まれる、請求項1から5までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項7】
それぞれの充電ステーションの位置情報に基づいて、前記推定充電詳細記録のそれぞれについて、1つ又は複数の位置タイプを判断するステップを含み、前記判定基準には、新しい電気自動車充電ステーションの設置が検討される少なくとも1つの位置タイプが含まれる、請求項1から6までのいずれか項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項8】
各推定充電詳細記録にはタイムスタンプが含まれ、
前記判定基準には、少なくとも1つの時間間隔が含まれ、前記出力されるデータには、前記判定基準及び前記推定充電詳細記録の前記タイムスタンプに基づく、前記推定利用率指標の少なくとも1つに関する増加係数(1000)が含まれる、請求項1から7までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項9】
前記属性には、前記電気自動車充電ステーションのモデル情報が含まれ、前記出力データには、前記推定利用率指標に基づく充電ステーションの好ましいタイプが含まれる、請求項1から8までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項10】
前記判定基準には、前記推定利用率指標又は前記増加係数のうちの少なくとも一方に対する1つ又は複数の閾値が含まれ、前記出力データには、前記1つ又は複数の閾値に基づく、新しい充電ステーションを設置する位置の推奨案(1202)が含まれる、請求項1から9までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項11】
前記判定基準には、地理的位置、地理的位置のグループ、1つ若しくは複数の位置タイプ、最適位置に対する1つ若しくは複数の閾値、又は1つ若しくは複数の推定利用率指標のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1から10までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項12】
前記方法が、
特定の位置の位置スコアを、前記判定基準、及び前記位置に関連する前記推定充電詳細記録に基づいて判断するステップ
を含み、前記出力データには、前記位置スコアが含まれる、請求項1から11までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサ(1401)と、
コンピュータ・プログラム・コード(1403)を有する少なくとも1つのメモリ(1402)と
を備える、コンピューティング・デバイス(1400)であって、前記少なくとも1つのメモリ(1402)及び前記コンピュータ・コード(1403)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(1401)と共に、前記コンピューティング・デバイス(1400)に請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法を実行させるよう構成される、コンピューティング・デバイス(1400)。
【請求項14】
プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ・プログラム製品(1403)。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概ね、電気自動車充電ステーションに関する。詳細には、本出願のいくつかの例示的実施例は、電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の人気が高まるにつれて、電気自動車の充電ステーション・ネットワークが拡大している。ユーザへ広範な充電ネットワークを提供するために、適切な位置の推測に基づいて、まだ充電ステーションがない場所に新しい充電ステーションを据えることができる。しかし、電気自動車のユーザのニーズに応えていない場所に充電ステーションを配置することは、効率的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
この概要は、下記の詳細な説明の中でさらに説明する、簡略化された形の概念の選択を紹介するために提示している。この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を限定するために使用することを意図するものでもない。
【0004】
例示的な実施例は、ネットワークの各充電ステーションからの正確な充電データが使用できない場合に、電気自動車充電ステーションのネットワークの利用率に関する、より正確で広範な情報を提供できる可能性がある。ネットワークは、様々な特性を有し、事業者が自身の充電ステーションの使用量の詳細データを他の人と共有しない可能性がある、複数の電気自動車充電ステーションで構成される場合がある。したがって、充電ステーションの新しい位置に関する判断を、ネットワーク全体の利用率の推定値に基づいて行うことができると、ネットワークの最適化が改善される。この利点及び他の利点は、独立請求項の特徴によって実現することができる。さらなる実施態様の形態が、従属請求項、説明、及び図面で提供される。
【0005】
第1の態様によれば、コンピュータで実施される方法が提供される。この方法は、複数の電気自動車充電ステーションの属性を取得するステップであって、属性には、複数の電気充電ステーションのそれぞれの電気自動車の充電に関連する位置情報、及び状態変化が含まれる、属性を取得するステップ、複数の電気自動車充電ステーションのセットの充電電力を含む、複数の利用率指標の正確な値を含む基準データを取得するステップ、複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する複数の推定利用率指標を含む推定充電詳細記録を、属性及び基準データに基づいて判断するステップであって、推定利用率指標には、連続する状態変化及び状態変化のタイムスタンプに基づく充電の継続時間と、継続時間及び基準データに基づく使用されるエネルギーとが含まれる、推定充電詳細記録を判断するステップ、新しい電気自動車充電ステーションの設置判定基準を取得するステップ、並びに推定充電詳細記録及び判定基準に基づく、位置による電気自動車充電ステーションの利用率を示すデータを出力するステップを含む。
【0006】
一実施例では、属性には最大電力が含まれ、複数の電気自動車充電ステーションは、電気自動車充電ステーションの最大電力に基づいてカテゴリ分けされ、基準データには、カテゴリごとの平均充電電力が含まれ、使用されるエネルギーは、それぞれの電気自動車充電ステーションのカテゴリの平均電力に基づいて判断される。
【0007】
一実施例では、追加的又は代替的に、推定利用率指標には、使用されるエネルギー、継続時間、セッション料金、1分当たりの価格、及び1キロワット時当たりの価格に基づいて判断される、ユーザ需要を示す収益が含まれる。
【0008】
一実施例では、追加的又は代替的に、基準データの複数の推定利用率指標には、電気自動車充電ステーションのセットの充電に関する、使用されるエネルギー、継続時間、又は収益のうちの少なくとも1つが含まれ、この方法は、基準データ及び推定充電詳細記録に基づいて、複数の電気自動車充電ステーションのセットの使用されるエネルギー、継続時間、又は収益のうちの少なくとも1つに関する組合せ値を判断するステップ、推定充電詳細記録に基づいて判断された組合せ値と、基準データに基づいて判断された組合せ値との差異に基づいて、少なくとも1つの推定利用率指標に対する調整係数を判断するステップ、並びに少なくとも1つの調整係数に基づいて、推定充電詳細記録のそれぞれを更新するステップをさらに含む。
【0009】
一実施例では、追加的又は代替的に、複数の推定利用率指標には、連続する状態変化の数に基づく充電数が含まれる。
【0010】
一実施例では、追加的又は代替的に、複数の推定利用率指標には、1日の充電の合計継続時間をその日の分で割った値に基づく利用割合が含まれる。
【0011】
一実施例では、追加的又は代替的に、この方法が、それぞれの充電ステーションの位置情報に基づいて、推定充電詳細記録のそれぞれについて、1つ又は複数の位置タイプを判断するステップを含み、判定基準には、新しい電気自動車充電ステーションの設置が検討される少なくとも1つの位置タイプが含まれる。
【0012】
一実施例では、追加的又は代替的に、各推定充電詳細記録にはタイムスタンプが含まれ、判定基準には、少なくとも1つの時間間隔が含まれ、出力されるデータには、判定基準及び推定充電詳細記録のタイムスタンプに基づく、推定利用率指標の少なくとも1つに関する増加係数が含まれる。
【0013】
一実施例では、追加的又は代替的に、属性には、電気自動車充電ステーションのモデル情報が含まれ、出力データには、推定利用率指標に基づく充電ステーションの好ましいタイプが含まれる。
【0014】
一実施例では、追加的又は代替的に、判定基準には、推定利用率指標又は増加係数のうちの少なくとも一方に対する1つ又は複数の閾値が含まれ、出力データには、1つ又は複数の閾値に基づく、新しい充電ステーションを設置する位置の推奨案が含まれる。
【0015】
一実施例では、追加的又は代替的に、判定基準には、地理的位置、地理的位置のグループ、1つ若しくは複数の位置タイプ、最適位置に対する1つ若しくは複数の閾値、又は1つ若しくは複数の推定利用率指標のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0016】
一実施例では、追加的又は代替的に、この方法が、特定の位置の位置スコアを、判定基準、及びその位置に関連する推定充電詳細記録に基づいて判断するステップを含み、出力データには、位置スコアが含まれる。
【0017】
第2の態様によれば、コンピューティング・デバイスが提供され、コンピューティング・デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ・プログラム・コードを有する少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータ・コードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、コンピューティング・デバイスに第1の態様の方法を実行させるよう構成される。
【0018】
第3の態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに第1の態様の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0019】
第4の態様によれば、コンピュータによって実行されると、コンピュータに第1の態様の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0020】
付随する特徴の多くは、検討される以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照することでより適切に理解されるようになるため、より容易に理解されよう。
【0021】
例示的実施例のさらなる理解を可能にするために組み入れられ、この明細書の一部を構成する添付図面は、例示的実施例を示し、説明と共に、例示的実施例の原理を説明する一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一例示的実施例による、電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化するために電気自動車充電ステーションの利用率の改善された推定値を生成する方法の、例示的な流れ図である。
【
図2】一例示的実施例による、新しい電気自動車充電ステーションを位置決めするための、現在のネットワークの利用率を示すデータに基づいて、電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化する方法の一実例を示す図である。
【
図3】一例示的実施例による、電気自動車充電ステーションの取得された属性及び作成された推定充電詳細記録の一実例を示す図である。
【
図4】一例示的実施例による、基準充電詳細記録に基づいて更新された推定充電詳細記録の一実例を示す図である。
【
図5】一例示的実施例による、調整係数に基づいて推定充電詳細記録を更新する方法の一実例を示す図である。
【
図6】一例示的実施例による、複数の電気自動車充電ステーションの利用率を示す出力データの一実例を示す図である。
【
図7】一例示的実施例による、設定された判定基準に基づいて、複数の電気自動車充電ステーションの利用率を示すデータを出力するよう構成された、ユーザ・インタフェースの一実例を示す図である。
【
図8】一例示的実施例による、設定された判定基準に基づいて、複数の電気自動車充電ステーションの利用率を示すデータを出力するよう構成された、ユーザ・インタフェースの別の一実例を示す図である。
【
図9】一例示的実施例による、位置に基づく、電気自動車充電ステーションの利用率の増加率の一実例を示す図である。
【
図10】一例示的実施例による、電気自動車充電ステーションのセットの増加率の例示的な計算を示す図である。
【
図11】一例示的実施例による、設定された判定基準に基づく、電気自動車充電ステーションの利用率の増加率を含む出力データの一実例を示す図である。
【
図12】一例示的実施例による、取得された属性、生成されたデータ、及び設定された判定基準に基づく、電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化するための、ユーザ・インタフェース及び出力データの一実例を示す図である。
【
図13】一例示的実施例による、位置スコアに基づいて新しい充電ステーションの位置を推定する、提示されるデータの一実例を示す図である。
【
図14】一例示的実施例による、1つ又は複数の例示的実施例を実行するよう構成されたコンピューティング・デバイスの一実例を示す図である。
【
図15】一例示的実施例による、複数のデータ源からデータを取得して電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化するよう構成された、コンピューティング・デバイスの一実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、その実例を添付図面に示す、例示的実施例を詳細に参照することにする。添付図面と共に下記で提示する詳細な説明は、本実例を説明することを意図しており、本実例を構築又は利用できる唯一の形態を表すことを意図するものではない。この説明は、実例の機能、及び実例を構築し動作させる、可能性のある動作のシーケンスを示している。ただし、同じ又は同等の機能及びシーケンスが、相異なる実例で実現される場合がある。
【0024】
充電ステーション(CS:Charging station)は、電気自動車(EV:electric vehicle)を充電するために使用される。様々な場所で様々な充電ステーションを所有及び運営する、様々な充電ステーション事業者(CPO:charging station operator)の企業が多数存在する。
【0025】
充電ステーションは、公に入手可能な様々な関心地点(POI:Point of Interest)データを有している可能性がある。POIは、一般に、誰かが有用又は興味深いと思う可能性のある特定の地理的地点の位置を指してもよい。POIデータには、位置情報、及び名前、時間情報、又は関係者にとって有用と思われる可能性のある他のデータなどの追加データが含まれてもよい。
【0026】
POIデータは、静的属性と動的属性との両方を有してもよい。静的POI属性には、例えば、位置(座標)、コネクタ(タイプ2、CCS、CHaDeMoなど)、最大充電電力(kW)、住所(市、ストリート名、番号など)、国などが含まれてもよい。静的POIデータには、一般に、通常は変更され得ない充電ステーションの様々な属性が含まれる。
【0027】
動的POIデータは、充電ステーションの現在の状態を表してもよい。動的状態には、例えば、使用可能、故障中、充電中、使用不可、オフライン、及び/又は予約済みが含まれてもよい。ただし、動的POIデータ又は状態に関して、1つの標準があるわけではなく、CPO及びPOIデータによって異なる場合がある。さらに、動的POIデータに充電料金が含まれる場合がある。
【0028】
静的POIデータと動的POIデータとの両方が、様々な相異なる公開POIデータ源から入手可能であり得る。POIデータは、例えば、様々な充電ステーションの事業者から取得することができる。EV充電に取り組んでいる多くの企業は、企業の充電ネットワークの構造を最適化するために、様々なデータを必要としている。関心のあるデータには、例えば、特定の位置にいくつ充電数があるか、どれほどの利用割合か、様々なステーションでどれだけのエネルギーが充電されるかが含まれる可能性がある。ただし、必要なデータが公開情報ではない場合がある。それどころか、多くの企業は、この情報を秘密にしておくことを望んでおり、企業のデータを公に共用していない。
【0029】
一例示的実施例により、電気自動車充電ステーションの配置に関する最適な判断を下すことが可能となる。新しい充電ステーションの効率的利用を可能にする、新しい充電ステーションの設置位置を判断するための改善されたデータを得る簡単な方法が提供されるので、有利である。最適化は、公に使用可能なデータを使って実行でき、これにより、充電ステーションの所有者からの詳細なデータが不要となる可能性がある。これは、CSのネットワークの利用率指標が、利用率指標の実際の測定値にアクセスすることなく、正確に推定できることを意味する。さらに、ネットワークが、様々な製造業者及び様々な事業者の充電ステーションで構成され、世界中のどんな位置にある場合でも、公開データに基づいて、ネットワーク全体について推定を実行することができる。
【0030】
データは単一の事業者又は地理的エリアの充電ステーションに基づくものではなく、より適切な判断を下すために複数の情報源からのデータが集められることで、最適化が改善され得る。位置決めの判断は、例えば、既に多数の利用割合が低い充電ステーションが存在する可能性がある、充電ステーションにとって最悪の位置、及び利用割合が高い最適な位置に関する、生成された情報に基づいて行うことができる。データは、さらに、接続のタイプ、最大電力、又は価格設定のタイプなどの、充電ステーションに関連する様々な属性が、充電ステーションの利用割合にどのように影響するかについての洞察を提供し得る。
【0031】
一例示的実施例では、少なくとも1つの動的な動作状態を使用して、充電セッションの数を計算する。さらに、POIデータを使用して、例えば、特定の充電ステーションでの充電の継続時間、充電に使用されるエネルギー、及び充電ステーションの利用割合の、推定評価を作成することができる。推定値は、様々な種類の位置にある充電ステーションに対するユーザの需要を示すことができる。様々な位置にある様々な充電ステーションのタイプの魅力は、POIデータに基づいて推定することができる。
【0032】
図1は、一例示的実施例による、電気自動車充電ステーションの取得された属性及び作成された推定充電詳細記録の一実例を示している。
【0033】
図1では、最初に取得されたPOIデータセット100、及び2番目に取得されたPOIデータセット101の一実例を示している。POIデータセット100、101には、1つ又は複数の充電ステーションに関連する様々なタイプの情報が含まれてもよい。POIデータには、充電ステーションの識別情報、住所、ステータス、モデル、最大電力などの、充電ステーションの複数の属性が含まれてもよい。
【0034】
2番目のPOIデータセット101では、充電ステーションのうちの1つで、ステータスが、使用可能(100において)から使用中に変更されている可能性がある。ステータスの変更は、変更されたデータを含む連続した動的な動作状態によって示される場合がある。したがって、それぞれのステーション(VRT_0001)での充電が開始されている可能性がある。
【0035】
ステータスの変更に応答して、新しいCDR記録103_1を作成し得る。CDR記録103_1には、例えば、ステーションの識別情報及び充電イベントの開始時刻、すなわちステータスの変更に関連するデータ更新のタイムスタンプが含まれてもよい。その後、別のPOIデータセット102が、充電ステーションのステータス変更を再度示す場合がある。ステータスは、この時点で使用中から使用可能に変わっており、充電が停止したことを示す場合がある。それに応答して、CDR記録103_2が、充電の停止時刻を示す新しいステータス変更のタイムスタンプで更新され得る。追加的又は代替的に、タイムスタンプに基づいて、CDRに、充電の合計継続期間(開始から停止まで)が更新されてもよい。
【0036】
図2は、一例示的実施例による、基準データに基づいて更新された推定充電詳細記録203の一実例を示している。充電詳細記録には、一般に、状態変更、状態変更のタイムスタンプ、充電回数、各充電の継続時間、充電ごとに使用されるエネルギー、及び/又は充電ステーションの利用割合など、CSの複数の利用率指標が含まれてもよい。充電詳細記録には、CSのID、モデル情報、コネクタのタイプ、地理的位置、最大電力、及び/又は事業者などの、CSに関連する属性がさらに含まれてもよい。
【0037】
POIデータ200からの属性に基づいて、充電ステーションの最大電力は10kWであることがわかっている。推定評価CDR201には、充電ステーションの識別情報、及び充電ステーションでの充電の開始時刻、終了時刻、及び継続時間が含まれてもよい。基準データ202には、充電ステーションの最大電力に基づいて選択されたカテゴリの平均充電電力値が含まれてもよい。
【0038】
電気自動車は、開始から停止までにフル・パワーに充電されない可能性があるので、基準データ202に基づいて、最大電力に関連する平均電力を判断することができる。基準データセットには、少なくとも1つの利用率指標の既知の値を含む、詳細データが含まれてもよい。基準データ202は、電気自動車充電ステーションのセットから取得することができる。
【0039】
使用されるエネルギーに関して、単にE=Pmax×tを計算するだけでは、誤った結果が生成されることになる。基準データ202の平均電力は、基準データのすべての充電、及び充電ごとの電力
【数1】
を列挙することによって計算でき、ここでEは使用されるエネルギー、tは時間、すなわち充電の継続時間を示す。充電は、個々の充電が行われた充電ステーションの最大電力に基づいて、カテゴリにグループ分けすることができる。充電ステーションの最大電力は、例えば、1kW~3.6kW、3.7kW~11kW、11.1kW~22kW、22.1kW~50kW、50.1kW~150kW、150kW超など、複数のカテゴリに分けることができる。カテゴリは、典型的な充電ステーションのモデルに基づいていてもよい。各カテゴリの平均電力は、次式の通り、充電の合計電力をカテゴリ内の充電の合計数で割ることにより、計算することができる。
【数2】
ここでChargeCount
categoryは、カテゴリ内の充電ステーションの合計充電数を表す。
【0040】
一例示的実施例では、充電の継続時間及び充電に使用される充電ステーションの最大電力は、
図1に示したPOIデータなどの公開データから取得することができる。次いで、誤った結果をもたらすことになるE=Pmax×tを使用するのではなく、次式の通り、充電に使用されるエネルギーを計算することができる。
E=P
category_avg×t
したがって、推定されるCDRに関して、使用されるエネルギーのより正確な値を取得することができる。
【0041】
図3は、一例示的実施例による、電気自動車充電ステーションのネットワークを最適化するために電気自動車充電ステーションの利用率の改善された推定値を生成する方法300の、例示的な流れ図を示している。
【0042】
301において、基準データセットから、充電詳細記録(CDR:charge detail record)のセットが選択される。基準データセットには、充電ステーションのセットから取得された関心のあるパラメータの既知の値を含む、詳細データが含まれてもよい。
【0043】
302において、POIデータなどの公開データに基づいて、推定評価CDRデータセットを作成することができる。推定評価CDRデータセットには、基準データセットからCDRのセットが選択された、同じ充電ステーションについて作成されたCDRが含まれてもよい。
【0044】
303において、推定評価CDRに基づいて、複数の推定評価利用率指標を判断することができる。利用率指標には、例えば、充電の継続時間、エネルギー使用量、及び利用割合のうちの少なくとも1つについての推定評価が含まれてもよい。基準セットが選択された同じ充電ステーションのセットについて判断された複数の利用率指標のそれぞれは、推定利用率指標の組合せ値に集約し得る。
【0045】
エネルギー使用量、継続時間、及び利用割合に加えて、充電ネットワークの最適化に役立つ他の指標も計算することができる。指標のうちの1つは、充電セッションの収益であってもよい。収益は、ユーザの、充電位置についての需要及び魅力の尺度として使用することができる。したがって、収益は、充電ネットワークの開発ニーズを推定するために使用することができる。充電ステーションの充電価格は、POIデータセットから知ることができる。充電は、例えば、固定セッション料金(session fee)、時間ベースの料金(time-based fee)、又はエネルギーベースの料金(energy-based fee)を使用して、価格設定することができる。1回の充電の総収益は、次式の通り計算することができる。
Revenue=(1×session fee)+(time×time-based fee)+(energy×energy-based fee)
この式では、timeは充電の継続時間であり、energyは、充電の継続時間及び基準セットからの平均電力に基づいて計算される、使用されるエネルギーである。
【0046】
304において、基準データセットに基づいて、複数の利用率指標を計算することができる。充電ステーションのセットに関連するそれぞれの基準利用率指標は、それぞれの基準利用率指標の組合せ値に集約し得る。
【0047】
305において、複数の利用率指標のそれぞれについて、調整係数を計算することができる。調整係数には、推定された利用率指標をどの程度調整する必要があるかを示す、百分率値が含まれてもよい。
【0048】
推定された利用率指標と基準ベースの利用率指標との差異を計算して、調整係数を判断することができる。例えば、実際には継続時間が推定より3.2%短く、使用されるエネルギーが4.1%多く、収益が2.5%多いという結果になる場合がある。調整係数と共に、基準データベースから取得した実際の値を含む詳細で正確なデータを使用して、任意の充電ステーションの推定された利用率指標を更新することができる。
【0049】
306において、調整係数及び推定されたCDRに基づいて、最終的な推定利用率指標を判断することができる。例えば、通常の推定評価方法では、充電の継続時間が100分であると示される場合、継続時間の数値として100×1.032=103.2分を使用することができる。307において、推定値の補正が定期的に繰り返され、次いで、CDRの推定評価に最新の数値を使用することができる。
【0050】
図4は、一例示的実施例による、調整係数を使用して改善されたCDRを判断する一実例を示している。
【0051】
400において、公開POIデータ及び基準データに基づいて、CDRデータセットを作成することができる。CDRデータセットには、例えば、充電ステーションの識別子を含む検出された充電のリスト、並びに単一の充電に関する継続時間、エネルギー使用量、及び収益などの、推定される利用率指標及び基準利用率指標が含まれてもよい。CDRの推定評価利用率指標は、
図1から
図3の説明で前述したアルゴリズムを使って計算することができる。
【0052】
401において、推定された利用率指標と基準利用率指標との差異を、単一の充電の合計値に基づいて計算することができる。402において、データセットのCDRは、調整係数を使って、単一の充電それぞれの推定された利用率指標にそれぞれの調整係数を乗算することにより、更新することができる。これにより、推定される値の精度を向上させることができる。
【0053】
充電ステーションの利用率の改善されたデータを使用して、充電ネットワークを開発することができる。一実施例では、更新されたCDRに基づいて、新しい充電ステーションの最適な位置を判断することができる。加えて、充電ステーションの好ましいタイプを判断することができる。例えば、同じ位置に複数のCPOの充電ステーションがあるが、そのうちの1台が他の充電ステーションよりもかなり高い利用割合である場合、ある特定の技術的な又はユーザ体験に関係する設計上の特徴を有する、より多くの充電ステーションが求められているかどうかを判断することができる。
【0054】
図5は、一例示的実施例による、生成されたCDRに基づいて電気自動車充電ステーションの最適位置を判断するための流れ
図500の一実例を示している。最適位置の判定基準には、例えば、利用割合の高い充電ステーションがほとんどないこと、及び/又は充電ステーションの需要が高いことが含まれてもよい。需要は、例えば、使用されるエネルギーが多いこと、又は充電ステーションからの収益が多いことに基づいて推定することができる。充電ステーションの位置は、充電ステーション・ネットワークの開発ニーズに関するより広範な洞察を取得するために、位置のタイプに基づいて分類することができる。
【0055】
501において、電気自動車充電ステーションを設置するために、1つ又は複数の目標とする位置タイプを選択することができる。位置タイプには、例えば、座標、市、ストリート、ストリート・タイプ、ガソリンスタンド、ショッピング・センタ、オフィスビル、特定の位置又はビルへの近さなどが含まれてもよい。位置タイプは、必要に応じて新しい位置タイプを追加できるように、動的な属性にすることができる。単一の充電ステーションは、CDRの複数の位置タイプに関連づけることができる。
【0056】
502において、選択された位置タイプに関連づけられた既存の充電ステーションの各CDRを取り出すことができる。
【0057】
503において、位置タイプのそれぞれに関連づけられた充電ステーションのCRDから、主要属性の総計を計算することができる。主要属性は、ユーザが判断しても良よく、又は事前に設定されてもよい。主要属性には、例えば、充電セッションの数、利用割合、総使用エネルギー、又は複数の推定利用率指標のいずれかが含まれてもよい。
【0058】
504において、主要属性は、位置タイプに基づいて並べ替えることができる。
【0059】
505において、位置タイプによって並べ替えられたデータのレポートを表示することができる。データは、一実施例では、ユーザが設定した任意の判定基準に基づいて提示することができる。判定基準には、例えば、位置タイプ若しくは地理的位置のグループ、充電ステーションのタイプ、推定利用率指標の閾値、又はこれらの組合せが含まれてもよい。
【0060】
充電ステーションの最適位置は、集められた位置タイプのデータに基づいて、地図上に表示することができる。最適位置には、既にステーションが存在する場合があり、又はまったく新しい位置の場合もある。
【0061】
一実施例では、ショッピング・センタにある充電ステーションから収集されたデータが、平均40%の利用率、1日のエネルギー239kWh、1日の収益235ユーロなどの、推定される良好な利用率指標を明らかすることができる。このデータに基づいて、まだ充電ステーションがないショッピング・センタを検索し、そこに新しいステーションの設置を提案することができる。同じ論理を使用して、不適切な位置タイプ、例えば利用割合が低い公道を検索することができる。したがって、まだ充電ステーションが設置されていない公道に充電ステーションを設置することは回避できるが、例えば、公道に近いショッピング・センタを検索し、そこに充電ステーションを設置することはできる。
【0062】
充電ステーションを、以前に充電ステーションがない小都市など、まったく新しい位置に建てる必要がある場合、その都市の基準データがないので、地理的な計画立案を使用することができない。しかし、
図6及び
図7に示すように、位置タイプ及び生成されたCDRを使用して、使用量を推定することができる。
【0063】
出力データ600には、充電ステーションのリスト、関連する位置タイプ、及び充電ステーションのそれぞれについての、複数の推定される利用率指標が含まれてもよい。データ600は、例えば、位置タイプが「小都市」である充電ステーションが合計3290台あり、それらのステーションでは、1か月に平均38回の充電セッションがあることを示すことができる。ユーザは、ユーザ・インタフェース700を使用して、出力データの設定された判定基準を変更し、例えば位置タイプが「小都市」である充電ステーションの位置タイプの組合せをチェックすることができる。データ701は、「小都市、駐車場、オフィス」の組合せでは1か月当たり20回のセッションが行われるのに対し、「小都市、ガソリンスタンド」では1か月当たり39回のセッションが行われることを示すことができる。ユーザは、提示されたデータに基づいて、充電ステーションのネットワークを開発するときに、より適切な判断を下すことができる。ユーザは、上記に基づいて、この場合の小都市での新しい充電ステーションに適した位置は、市内のガソリンスタンドであると結論づけることができる。
【0064】
一例示的実施例では、新しい充電ステーションをガソリンスタンドに設置するか、又はショッピング・センタに設置するかを検討することができる。この場合も、位置タイプに基づいて、位置タイプが「ガソリンスタンド」である充電ステーションでは1か月当たり平均32回のセッションが行われるのに対し、位置タイプが「ショッピング・センタ」である充電ステーションでは1か月当たり平均42回のセッションが行われると計算することができる。この場合、まず、まだ充電ステーションがないショッピング・センタを探し、そこに新しいステーションを設置するという判断が下されることになる。この判断は、単なる推測、又は僅か1つの事業者の充電ステーションからのデータに基づくネットワークの小さいサンプルではなく、公に使用可能なデータに基づく、充電ステーションの広域ネットワークの推定される利用率指標に基づくことができる。
【0065】
一例示的実施例では、POIデータの地理的属性は、例えば、以下のように階層的に構築することができる。
大陸(ヨーロッパ、アジアなど)
国(ドイツ、フランスなど)
地域(バイエルン、ヘッセンなど)
市(ミュンヘン、ニュルンベルクなど)
地区(アルトシュタット、レーヘルなど)
ストリート(エトシュトラーセ、レーヴェングルーベなど)
【0066】
POIデータにこれらの属性が含まれ、属性が階層を形成する場合、
図8に示しているように、レポートを作成し、データを区分するために、分析にPOIデータを使用することができる。例えば、ヨーロッパの企業が、ヨーロッパのどこかに新しい充電ステーションを設置することに関心をもつ場合がある。企業は、上記で提示した方法を使って、充電ステーションの位置を最適化することができる。この方法により、ヨーロッパのすべての国を比較するための要約レポート801、802を作成し、出力することが可能となり得る。ユーザは、800に示すインタフェースによって、レポートのための様々な判定基準を設定し、例えば、国を選択してその国の様々な都市の統計を見ることができる。判定基準には、例えば、その国の様々な地区の統計を見るために、1つ又は複数の都市が含まれてもよい。加えて、判定基準には、例えば、その地区の様々なストリートの統計を見るために、1つ又は複数の地区が含まれてもよい。ユーザは、したがって、現在の充電ステーションのネットワークについて作成された推定CDRに基づいて、様々な選択肢を絞り込んで試すことにより、最適な新しい位置を探すことができる。
【0067】
提供される方法により、新しい充電ステーションを設置するのに適した位置を簡単に検索し、その位置の充電ステーションの使用量の推定値を早期に作成することが可能となり得る。一例示的実施例では、地理的データは、位置タイプの分析と組み合わせることができる。例えば、ユーザはまず、地理的データに基づいて市を探し、次いで位置タイプのデータに切り替えて、その市の様々な位置(ガソリンスタンド、ショッピング・センタなど)の統計を見ることができる。
【0068】
以前の実例では、ユーザが設定した様々な判定基準に基づく、現在の状況のスナップショットを示した。しかし、新しい充電ステーションのための位置を計画する場合、単に現在の状況ではなく、傾向を理解することが重要な場合がありる。
【0069】
単に今日の状況のスナップショットだけを見ると、ベルリンでは1か月当たり合計5500回の充電があるが、ミュンヘンでは1か月当たり4300回の充電しかないことがわかるかもしれない。したがって、ベルリンの方が新しい充電ステーションにより適した位置であるという結論を導き出す可能性がある。しかし、時系列データは、
図9に示すようなものになる場合がある。時系列データ900から、今日ベルリンにはより多くの充電セッションがあるにもかかわらず、ミュンヘンでの充電セッション数がはるかに速く増加していることがわかり、これがミュンヘンをより魅力的な位置にしている。
【0070】
各CDRは、そのCDRがいつ作成されたかを示す、タイムスタンプを有することができる。タイムスタンプに基づいて、特定のタイムスパン(例えば、2019~2021年)にわたる増加係数を、百分率(%)で計算することができる。追加的又は代替的に、
図10の生成されたデータ1000の一実例で示しているように、地理又は位置タイプによってグループ分けされた、特定の時間間隔にわたる増加係数を計算することができる(例えば、月1回程度)。
【0071】
一例示的実施例では、ユーザは、タイムスパンの最初の期間(例えば、2021年1月)を選択することができる。そのタイムスパンの、主要な測定値(充電セッション数、利用率%、エネルギーなど、1つ又は複数の利用率指標)を計算することができる。ユーザは、次に、2番目の期間(例えば、2021年2月)を選択することができる。次の期間の、同じ測定値を計算することができる。2番目の期間の測定値(measurement)を前の期間と比較して、期間ごとの増加(growth)の百分率値を次式で計算することができる。
Growth=Measurementcurrent/Measurementprevious
【0072】
新しい充電ステーションの位置は、推定された利用率指標及び増加係数に基づいて判断することができる。適切な位置のための判定基準には、例えば、その位置に充電ステーションが少なすぎる可能性があることを意味することができる、充電セッションの大きい増加率及びかなり高い利用割合が含まれてもよい。適切な位置又は不適切な位置を示す増加率及び推定される利用率指標に対して、1つ又は複数の閾値を判断することができる。
【0073】
図11は、ユーザ・インタフェース1100、及びユーザ・インタフェースからユーザが行った選択に基づいて提示されるデータ1101の、一実例を示している。ユーザが設定した判定基準に基づいて、例えば、増加率及び選択された利用率指標に基づいて、データが表示されるよう構成することができる。
図11における例示的なデータは、フランクフルトでは充電セッションが最も多いものの、ステーションの利用率はかなり低く、増加傾向は下向きであることを示している。同時に、ベルリンでは充電セッションが最も少ないものの、ステーションの利用率は非常に高く、急速に増加しており、これは、すぐにベルリンでより多くの充電ステーションが必要になる可能性があることを意味している。このため、ベルリンは新しいステーションにとって魅力的な位置である。ユーザは、最適な位置に関して、(設定された地理又は位置タイプに基づいて)位置を判断することができる。
【0074】
図12は、ユーザ・インタフェース、及びユーザの選択に基づいて提示されるデータの別の実例を示しており、データは、位置タイプに基づいて表示される。データは、1200でユーザが選択した位置タイプの分析に基づいて、1201において、ガソリンスタンドの利用割合がかなり低いが、そこで大量のエネルギーが充電されており、充電されたエネルギーの量が増加していることを示している。同時に、オフィスビルで充電されるエネルギーは、利用率が高いにもかかわらず、かなり少ない。ユーザは、このデータに基づいて、ガソリンスタンドの利用率がかなり低いにもかかわらず、そこでは大量のエネルギーが充電されているので、ガソリンスタンドが新しい充電ステーションに適した位置であるという結論を導き出すことができる。
【0075】
ただし、この種のデータを読み取るのは少し難しい場合があり、理解するにはある程度のデータ分析の専門知識が必要である。一実施例では、データには、専門家でない人にも理解しやすい、新しい位置の推奨案1202が含まれてもよい。重要なのは、ネットワークの構築について、より正確で迅速な判断が可能になることである。推奨案は、位置スコアに基づくことができる。位置スコアは、推定される充電詳細記録からのいくつかの統計と、設定された判定基準とを組み合わせることにより、計算することができる。位置スコアはさらに、増加係数に基づくことができる。
【0076】
位置スコアは、あるエリア(例えば、ヨーロッパ、ドイツなど)及び/又はある位置タイプに限定することができる。
図13に示しているように、判断されたデータ1301を使用して、特定の位置がどの程度適切であると評価されるかをテストすることができる。その位置に既存の充電ステーションがある必要はなく、推奨案又は位置スコアは、推定されたCDR及び位置タイプに基づいて、その位置が新しい充電ステーションを設置するのに最適かどうかに関する情報を提示することができる。
【0077】
一例示的実施例では、ユーザは、ミュンヘンの市内中心部のショッピング・センタに新しい充電ステーションを設置することを計画している。位置スコアは、設定された判定基準に基づいて、現在の充電セッション数、現在の利用率、現在のエネルギー、及び現在の指標のそれぞれに関する12か月の増加係数などの、複数の推定される利用率指標を使用して計算することができる。
【0078】
位置スコアは、選択された地理的位置及び/又は位置タイプ(例えば、ドイツの特定の市及びガソリンスタンド)にリンクされた推定CDRに基づいて、推定された利用率指標の平均値及び増加係数を判断することにより、計算することができる。推定された利用率指標及び増加係数の中の最適な値は、参考に、エリア(例えば、ドイツ及びすべての位置タイプ)のすべてのCDRに基づいて判断することができる。選択された位置の平均値は、エリアの最適な値で除算し、推定された利用率指標及び増加係数に設定された最大ポイントで乗算することができる。
【0079】
例えば、ベルリンのオフィス位置での平均的なステーションでは、充電が1か月当たり18回あり得、ドイツで最適な充電ステーションでは、充電が1か月当たり54回ある。充電セッション数の最大ポイントは、15に選択することができる。したがって、充電セッション数の位置スコアは、(18/54)×15=5ポイントとすることができる。位置スコアは、同様に、推定された利用率指標及び増加係数ごとに計算することができる。位置スコアを集約して、設定された位置/位置タイプの合計位置スコアを取得することができる。合計位置スコアは、
図13の実例では、選択された位置判定基準の最大合計スコア100のうちの73である。ユーザは、様々な判定基準でスコアがどのように変化するかを試して、複数の可能性のある位置から最適な位置を判断することができる。
【0080】
図14は、一例示的実施例による、1つ又は複数の例示的実施例を実行するよう構成されたコンピューティング・デバイス1400の一実例を示している。コンピューティング・デバイス1400は、本明細書で説明している方法の任意の態様を実行するよう構成することができる。
【0081】
コンピューティング・デバイス1400は、少なくとも1つのプロセッサ1401を備えることができる。少なくとも1つのプロセッサ1401には、例えばコプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、付随するDSPの有無とは無関係の処理回路など、例えば1つ又は複数の様々な処理デバイス、又は例えば特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、マイクロコントローラ・ユニット(MCU:microcontroller unit)、ハードウェア・アクセラレータ、専用コンピュータ・チップなどの集積回路を含む、他の様々な処理デバイスなどが含まれてもよい。
【0082】
コンピューティング・デバイス1400は、少なくとも1つのメモリ1402をさらに備えることができる。メモリ1402は、例えばコンピュータ・プログラム・コード1403など、例えばオペレーティング・システム・ソフトウェア及びアプリケーション・ソフトウェアを、記憶するよう構成することができる。メモリ1402は、一実施例では、例えば公開POIデータに基づいて取得されたEV充電ステーション・データを有することができる。メモリ1402には、1つ若しくは複数の揮発性メモリ・デバイス、1つ若しくは複数の不揮発性メモリ・デバイス、及び/又はこれらの組合せが含まれてよい。メモリは、例えば、磁気記憶デバイス(ハード・ディスク・ドライブ、磁気テープなど)、光磁気記憶デバイス、又は半導体メモリ(マスクROM、PROM(プログラマブルROM:programmable ROM)、EPROM(消去可能PROM:erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダム・アクセス・メモリ:random access memory)など)として具現化することができる。
【0083】
コンピューティング・デバイス1400は、コンピューティング・デバイス1400の他のデバイスとの間での情報送信及び/又は受信を可能にするよう構成された、通信インタフェース1405をさらに備えることができる。通信インタフェース1405は、少なくとも1つの高周波無線接続、例えば3GPP(登録商標)モバイル・ブロードバンド接続(例えば3G、4G、5G)などを可能にするよう構成することができる。しかし通信インタフェース1405は、1つ又は複数の他のタイプの接続、例えばIEEE802.11シリーズ若しくはWi-Fiアライアンスによって標準化されたような、例えば無線構内ネットワーク(WLAN:wireless local area network)接続、例えばブルートゥース(登録商標)、NFC(近距離無線通信:near-field communication)、若しくはRFID接続などの短距離無線ネットワーク接続、例えば構内ネットワーク(LAN:local area network)接続、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)接続、若しくは光ネットワーク接続などの有線接続、又は有線インターネット接続を可能にするよう構成されていてもよい。通信インタフェース1405は、無線周波数信号を送信及び/又は受信するための少なくとも1つのアンテナを備えるか、又は少なくとも1つのアンテナに結合されるよう構成することができる。様々なタイプの接続のうちの1つ又は複数は、複数のアンテナに結合されるか又は結合されるよう構成され得る、個別の通信インタフェースとして実現されてもよい。
【0084】
コンピューティング・デバイス1400は、
図15に示しているように、複数のデータ源からデータを取得するよう構成することができる。コンピューティング・デバイス1400は、複数の電気自動車充電ステーション1500に関連するデータを、例えば1つ又は複数のPOIデータ源1501から取得するよう構成することができる。POIデータは、例えばプル方式又はプッシュ方式に基づいて取得することができる。プル方式では、データは、データベースから定期的にフェッチすることができる。データは、1分ごと、5分ごと、又は15分ごとなどの設定可能な間隔で取り出すことができ、取り出したデータは、同じデータの以前のバージョンと比較して、データの差異を表にすることができる。プッシュ方式では、データは、それぞれの充電ステーションのCPOなど、データの提供者から取得することができる。データは、例えば、データに変更がある度に、更新情報として取得ですることができる。コンピューティング・デバイス1400は、公開データに加えて、他の充電ステーション1500からの公開データ、及び充電ステーション1502のセットにおける充電セッションからの正確な情報を有する追加データに対応するデータが含まれる、充電ステーション1502のセットからのデータを取得するよう構成することができる。追加データには、例えば、充電当たりの使用されるエネルギー、充電継続時間、充電での収益、及び/又は充電ステーションの利用割合が含まれてもよい。
【0085】
コンピューティング・デバイス1400は、入力デバイス及び/又は出力デバイスを含むユーザ・インタフェース1404をさらに備えることができる。入力デバイスは、キーボード、タッチ・スクリーン、又は1つ若しくは複数の組込みコントロール・ボタンのような、様々な形態を成すものであってもよい。出力デバイスには、例えば、ディスプレイなどが含まれてもよい。
【0086】
コンピューティング・デバイス1400が、何らかの機能を実現するよう構成されている場合、例えば少なくとも1つのプロセッサ1401及び/又はメモリ1402などの、コンピューティング・デバイス1400の何らかの構成要素及び/又は複数の構成要素が、この機能を実現するよう構成することができる。さらに、少なくとも1つのプロセッサ1401が何らかの機能を実現するよう構成されている場合、この機能は、例えばメモリ1402が有するプログラム・コード1403を使用して実現することができる。
【0087】
本明細書で説明している機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェア構成要素などの1つ又は複数のコンピュータ・プログラム製品の構成要素によって実行することができる。コンピューティング・デバイス1400は、一実施例によれば、例えば、実行時にプログラム・コード1403によって設定され、説明されている動作及び機能の実施例を実行する、マイクロコントローラなどのプロセッサ1401又はプロセッサ回路を備える。代替的に又は追加で、本明細書で説明している機能は、少なくとも部分的に、1つ又は複数のハードウェア・ロジック構成要素によって実行することができる。例えば、使用できる例示的なタイプのハードウェア・ロジック構成要素には、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP:application-specific Standard Product)、システムオンチップ・システム(SOC:System-on-a-chip system)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
コンピューティング・デバイス1400は、本明細書で説明している少なくとも1つの方法を実行する手段を備える。手段は、一実例では、少なくとも1つのプロセッサ1401と、少なくとも1つのプロセッサ1401によって実行されると、コンピューティング・デバイス1400にこの方法を実行させるよう構成されたプログラム・コード1403を有する、少なくとも1つのメモリ1402とを備える。
【0089】
コンピューティング・デバイス1400には、例えば、サーバ・デバイス、クライアント・デバイス、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ラップトップなどが含まれてもよい。コンピューティング・デバイス1400は、単一のデバイスとして示されているが、適用可能な場合はいつでも、コンピューティング・デバイス1400の機能が複数のデバイスに分散されてもよいことを理解されたい。
【0090】
当業者には、技術の進歩に伴い、基本的なアイディアが様々な手法で実現できることは明らかである。したがって、本態様及びその実施例は、上記で説明した実例に限定されるものではなく、それどころか特許請求の範囲内で変更することができる。
【0091】
本明細書で示されるどの範囲又はデバイス値も、求められる効果を失うことなく、拡張又は変更することができる。また、明示的に禁止されていない限り、どの実施例が別の実施例と組み合わされてもよい。
【0092】
主題は、構造的特徴及び/又は作用に固有の言語で説明しているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記で説明した固有の特徴又は作用に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、上記で説明した固有の特徴及び作用は、特許請求の範囲を実現する実例として開示されており、他の同等の特徴及び作用は、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0093】
上記で説明した利益及び利点は、1つの実施例に関係する場合もあれば、いくつかの実施例に関係する場合もあることが理解されよう。実施例は、記載された問題の一部若しくはすべてを解決するもの、又は記載された利益及び利点の一部又はすべてを有するものに、限定されるものではない。さらに、「1つの」項目、「少なくとも1つの」項目、及び「1つ又は複数」項目への言及は、これらの項目のうちの1つ若しくは複数、又は複数のこれらの項目を指す場合があることが理解されよう。
【0094】
本明細書で説明している方法の動作は、任意の好適な順序で実行されてもよく、又は適切な場合には、同時に実行されてもよい。さらに、本明細書で説明している主題の範囲から逸脱することなく、個々のブロックが、方法のいずれかから削除されてもよい。上記で説明した実施例のいずれかの態様が、説明した他の実施例のいずれかの態様と組み合わされ、求められる効果を失うことなしに、さらなる実施例を形成してもよい。
【0095】
本明細書で使用される「含む」という用語は、特定された方法、ブロック、又は要素を含むことを意味するが、かかるブロック又は要素は、排他的なリストを構成するものではなく、方法又は装置は、追加のブロック又は要素を含んでもよい。
【0096】
対象が、「第1の」対象又は「第2の」対象と呼ばれる場合があるが、これは必ずしも対象の順序又は重要性を示すものではない。かかる連体語は、そうではなくて、対象間の違いを生じさせる目的でのみ使用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公に使用可能なデータ源(100、101、102、200)
から、相異なる事業者の複数の電気自動車充電ステーションの属性を取得するステップであって、前記属性には、前記複数の電気
自動車充電ステーションのそれぞれの位置情報、
最大電力、及び電気自動車の充電に関連する状態変化が含まれる、属性を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのセット
から取得された複数の利用率指標の
既知の値、
及び前記複数の充電ステーションの最大電力に基づいて選択された前記複数の充電ステーションのカテゴリごとの、前記複数の利用率指標に基づいて計算された平均充電電力値を含む、
基準データ(202)を取得するステップであって、前記複数の利用率指標には、前記電気自動車充電ステーションのセットの、使用されたエネルギー及び充電の継続時間が含まれる、基準データ(202)を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する複数の推定利用率指標(303)を含む推定充電詳細記録(201、203)を、
前記複数の電気自動車充電ステーションの前記属性及び前記基準データに基づいて判断するステップ(302、400)であって、前記推定利用率指標(303)には、連続する状態変化及び前記状態変化のタイムスタンプに基づく前記充電の継続時間と、
前記充電の前記継続時間及び
前記それぞれの電気自動車充電ステーションの前記カテゴリの前記平均充電電力値に基づく、使用されるエネルギーとが含まれる、推定充電詳細記録(201、203)を判断するステップ、
前記基準データ及び前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記推定充電詳細記録に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記使用されるエネルギー又は前記継続時間の少なくとも一方に関する組合せ値を判断するステップ(304)、
前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記推定充電詳細記録に基づいて判断された前記組合せ値と、前記基準データに基づいて判断された前記組合せ値との差異に基づいて、少なくとも1つの推定利用率指標に対する調整係数を判断するステップ(305)、
前記少なくとも1つの調整係数に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションの前記推定充電詳細記録のそれぞれを更新するステップ(306)、
前記それぞれの充電ステーションの位置情報に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録のそれぞれについて、1つ又は複数の位置タイプを判断するステップ、
ユーザから新しい電気自動車充電ステーション
を設置
するための判定基準を取得するステップ(501、1200)
であって、前記判定基準には、新しい電気自動車充電ステーションの設置が検討される少なくとも1つの位置タイプが含まれる、判定基準を取得するステップ(501、1200)、
前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録及び前記判定基準に基づいて、前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するための最適位置を判断するステップ(505、600、701、801、802、1000、1101、1201、1202、1301)、
前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するために前記ユーザが使用すべき、前記判断された最適位置を表示するためのデータ(505、600、701、801、802、1000、1101、1201、1202、1301)を出力するステップであって、前記データが、前記電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録及び前記判定基準に基づいて、位置タイプによる電気自動車充電ステーションの利用率を示す、データを出力するステップ、並びに
前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するステップ
を含む、コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記属性が最大電力を含み、前記複数の電気自動車充電ステーションが、前記複数の電気自動車充電ステーションの最大電力に基づいてカテゴリ分けされ、
前記基準データ(202)には、カテゴリごとの平均充電電力が含まれ、
前記推定充電詳細記録の前記使用されるエネルギーが、前記それぞれの電気自動車充電ステーションの前記カテゴリの前記平均電力に基づいて判断される、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項3】
前記推定利用率指標には、前記使用されるエネルギー、前記継続時間、セッション料金、1分当たりの価格、及び1キロワット時当たりの価格に基づいて判断されるユーザ需要を示す収益が含まれる、請求項1又は2に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項4】
前記複数の推定利用率指標には、
前記連続する状態変化の数に基づく充電数が含まれる、請求項1から3までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項5】
前記複数の推定利用率指標には、1日の充電の合計継続時間をその日の分で割った値に基づく利用割合が含まれる、請求項1から
4までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項6】
各推定充電詳細記録にはタイムスタンプが含まれ、
前記判定基準には、少なくとも1つの時間間隔が含まれ、前記出力されるデータには、前記判定基準及び前記推定充電詳細記録の前記タイムスタンプに基づく、前記推定利用率指標の少なくとも1つに関する増加係数(1000)が含まれる、請求項1から
5までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項7】
前記属性には、前記電気自動車充電ステーションのモデル情報が含まれ、前記出力データには、前記推定利用率指標に基づく充電ステーションの好ましいタイプが含まれる、請求項1から
6までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項8】
前記判定基準には、前記推定利用率指標又は前記増加係数のうちの少なくとも一方に対する1つ又は複数の閾値が含まれ、前記出力データには、前記1つ又は複数の閾値に基づく、新しい充電ステーションを設置する位置の推奨案(1202)が含まれる、請求項1から
7までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項9】
前記判定基準には、地理的位置、地理的位置のグループ、1つ若しくは複数の位置タイプ、最適位置に対する1つ若しくは複数の閾値、又は1つ若しくは複数の推定利用率指標のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1から
8までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項10】
前記方法が、
特定の位置の位置スコアを、前記判定基準、及び前記位置に関連する前記推定充電詳細記録に基づいて判断するステップ
を含み、前記出力データには、前記位置スコアが含まれる、請求項1から
9までのいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサ(1401)と、
コンピュータ・プログラム・コード(1403)を有する少なくとも1つのメモリ(1402)と
を備える、コンピューティング・デバイス(1400)であって、前記少なくとも1つのメモリ(1402)及び前記コンピュータ・コード(1403)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(1401)と共に、前記コンピューティング・デバイス(1400)に請求項1から
10までのいずれか一項に記載の方法を実行させるよう構成される、コンピューティング・デバイス(1400)。
【請求項12】
プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から
10までのいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ・プログラム製品(1403)。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から
10までのいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公に使用可能なデータ源(100、101、102、200)から、相異なる事業者の複数の電気自動車充電ステーションの属性を取得するステップであって、前記属性には、前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれの位置情報、最大電力、及び電気自動車の充電に関連する状態変化が含まれる、属性を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのセットから取得された複数の利用率指標の既知の値、及び前記複数の充電ステーションの最大電力に基づいて選択された前記複数の充電ステーションのカテゴリごとの、前記複数の利用率指標に基づいて計算された平均充電電力値を含む、基準データ(202)を取得するステップであって、前記複数の利用率指標には、前記電気自動車充電ステーションのセットの、使用されたエネルギー及び充電の継続時間が含まれる、基準データ(202)を取得するステップ、
前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する複数の推定利用率指標(303)を含む推定充電詳細記録(201、203)を、前記複数の電気自動車充電ステーションの前記属性及び前記基準データに基づいて判断するステップ(302、400)であって、前記推定利用率指標(303)には、連続する状態変化及び前記状態変化のタイムスタンプに基づく前記充電の継続時間と、前記充電の前記継続時間及び前記それぞれの電気自動車充電ステーションの前記カテゴリの前記平均充電電力値に基づく、使用されるエネルギーとが含まれる、推定充電詳細記録(201、203)を判断するステップ、
前記基準データ及び前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記推定充電詳細記録に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記使用されるエネルギー又は前記継続時間の少なくとも一方に関する組合せ値を判断するステップ(304)、
前記複数の電気自動車充電ステーションの前記セットの前記推定充電詳細記録に基づいて判断された前記組合せ値と、前記基準データに基づいて判断された前記組合せ値との差異に基づいて、少なくとも1つの推定利用率指標に対する調整係数を判断するステップ(305)、
前記少なくとも1つの調整係数に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションの前記推定充電詳細記録のそれぞれを更新するステップ(306)、
前記それぞれの充電ステーションの位置情報に基づいて、前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録のそれぞれについて、1つ又は複数の位置タイプを判断するステップ、
ユーザから新しい電気自動車充電ステーションを設置するための判定基準を取得するステップ(501、1200)であって、前記判定基準には、新しい電気自動車充電ステーションの設置が検討される少なくとも1つの位置タイプが含まれる、判定基準を取得するステップ(501、1200)、
前記複数の電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録及び前記判定基準に基づいて、前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するための最適位置を判断するステップ(505、600、701、801、802、1000、1101、1201、1202、1301)、
前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するために前記ユーザが使用すべき、前記判断された最適位置を表示するためのデータ(505、600、701、801、802、1000、1101、1201、1202、1301)を出力するステップであって、前記データが、前記電気自動車充電ステーションのそれぞれに関する前記推定充電詳細記録及び前記判定基準に基づいて、位置タイプによる電気自動車充電ステーションの利用率を示す、データを出力するステップ、並びに
前記新しい電気自動車充電ステーションを設置するステップ
を含む、コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記属性が最大電力を含み、前記複数の電気自動車充電ステーションが、前記複数の電気自動車充電ステーションの最大電力に基づいてカテゴリ分けされ、
前記基準データ(202)には、カテゴリごとの平均充電電力が含まれ、
前記推定充電詳細記録の前記使用されるエネルギーが、前記それぞれの電気自動車充電ステーションの前記カテゴリの前記平均電力に基づいて判断される、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項3】
前記推定利用率指標には、前記使用されるエネルギー、前記継続時間、セッション料金、1分当たりの価格、及び1キロワット時当たりの価格に基づいて判断されるユーザ需要を示す収益が含まれる、請求項1又は2に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項4】
前記複数の推定利用率指標には、前記連続する状態変化の数に基づく充電数が含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項5】
前記複数の推定利用率指標には、1日の充電の合計継続時間をその日の分で割った値に基づく利用割合が含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項6】
各推定充電詳細記録にはタイムスタンプが含まれ、
前記判定基準には、少なくとも1つの時間間隔が含まれ、前記出力されるデータには、前記判定基準及び前記推定充電詳細記録の前記タイムスタンプに基づく、前記推定利用率指標の少なくとも1つに関する増加係数(1000)が含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項7】
前記属性には、前記電気自動車充電ステーションのモデル情報が含まれ、前記出力データには、前記推定利用率指標に基づく充電ステーションの好ましいタイプが含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項8】
前記判定基準には、前記推定利用率指標又は前記増加係数のうちの少なくとも一方に対する1つ又は複数の閾値が含まれ、前記出力データには、前記1つ又は複数の閾値に基づく、新しい充電ステーションを設置する位置の推奨案(1202)が含まれる、請求項
6に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項9】
前記判定基準には、地理的位置、地理的位置のグループ、1つ若しくは複数の位置タイプ、最適位置に対する1つ若しくは複数の閾値、又は1つ若しくは複数の推定利用率指標のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項10】
前記方法が、
特定の位置の位置スコアを、前記判定基準、及び前記位置に関連する前記推定充電詳細記録に基づいて判断するステップ
を含み、前記出力データには、前記位置スコアが含まれる、請求項
1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサ(1401)と、
コンピュータ・プログラム・コード(1403)を有する少なくとも1つのメモリ(1402)と
を備える、コンピューティング・デバイス(1400)であって、前記少なくとも1つのメモリ(1402)及び前記コンピュータ・コード(1403)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(1401)と共に、前記コンピューティング・デバイス(1400)に請求項
1に記載の方法を実行させるよう構成される、コンピューティング・デバイス(1400)。
【請求項12】
プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項
1に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ・プログラム製品(1403)。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項
1に記載の方法を実行させる命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】