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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】薬液注入型排尿カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A61M25/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547473
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 KR2022006752
(87)【国際公開番号】W WO2023158021
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0019841
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524299007
【氏名又は名称】イジュロテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン,ヒャンナム
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB09
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267CC26
4C267HH08
(57)【要約】
本発明は薬液注入型排尿カテーテルに関するものであり、フレキシブルで中空のパイプ形状からなるカテーテル本体、前記カテーテル本体の一端付近に位置し、前記一端から離間して設けられる膨張チューブ、前記カテーテル本体の他端に連結され、尿を体外に排出するための排尿ポート、前記カテーテル本体の他端に連結され、前記膨張チューブに空気を注入するための空気注入ポート、前記カテーテル本体の他端に連結され、前記薬液を注入するための薬液注入ポートを含み、前記中空を横断面から見たとき、前記排尿ポートと連通する排尿孔、空気注入ポートと連通する空気注入孔及び前記薬液注入ポートと連通する薬液注入孔が互いに分離された状態で配置され、前記カテーテル本体の周面には、前記薬液注入孔と連通し、前記カテーテル本体が延びる方向に沿って離間するように配置される複数の薬液排出口が形成されることを特徴とするため、前記薬液注入ポートと薬液注入孔を通過した薬液を前記薬液排出口を介して膀胱や尿道に適用することにより、尿道の長手方向に均一に局所麻酔や膀胱洗浄などの所定の機能を果たすようにすることができ、尿道に容易に挿入され、痛みの発生を大幅に低減できるという利点がある。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液注入型排尿カテーテルにおいて、
フレキシブルで中空のパイプ形状からなるカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の一端付近に位置し、前記一端から離間して設けられる膨張チューブと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、尿を体外に排出するための排尿ポートと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、前記膨張チューブに空気を注入するための空気注入ポートと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、前記薬液を注入するための薬液注入ポートと
を含み、
前記中空を横断面から見たとき、前記排尿ポートと連通する排尿孔、空気注入ポートと連通する空気注入孔及び前記薬液注入ポートと連通する薬液注入孔が互いに分離された状態で配置され、
前記カテーテル本体の周面には、前記薬液注入孔と連通し、前記カテーテル本体が延びる方向に沿って離間するように配置される複数の薬液排出口が形成されることを特徴とする薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテル本体の周方向に延びるリング状の薬液分散溝は、前記カテーテル本体が延びる方向に互いに離間するように複数形成され、前記薬液排出口は、それぞれの前記リング状の薬液分散溝にそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項3】
前記カテーテル本体の周方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状の薬液分散溝が、前記カテーテル本体が延びる方向に形成され、前記薬液排出口は、前記螺旋状の薬液分散溝にそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項4】
前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の断面中心線と並んだ周面上の仮想線の上に離間して形成され、前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の半径方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする、請求項2または3に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項5】
複数の前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の長手方向に沿って前記カテーテル本体の半径方向を中心に両方向に交互に傾斜して形成されることを特徴とする、請求項4に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項6】
複数の前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の周面に沿った仮想の螺旋上に配置されることを特徴とする、請求項2または3に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【請求項7】
前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記カテーテル本体は、
円形の内周面と外周面を有する第1管と、
前記第1管の内周面に円弧状に隆起して空気注入孔を形成する第2管と、
前記第1管の内周面に円弧状に隆起して薬液注入孔を形成し、前記第2管に対して周方向に離間する第3管と
を含み、
前記第2管と第3管の外部に形成される第1管の内部は排尿孔を形成することを特徴とする、請求項2または3に記載の薬液注入型排尿カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入型排尿カテーテルに関し、より具体的には、薬液を尿道と膀胱に供給できるように構成され、尿道に容易に挿入されて痛みの誘発を防ぐことができる薬液注入型排尿カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、腎臓から排出された尿は尿管を介して膀胱まで運ばれ、尿道を介して体外に排出される。
一方、患者が自発的に尿を排出することが難しい場合には、カテーテルのような柔軟な管を尿道を介して膀胱まで挿入し、尿を排出するようになる。
このとき、前記カテーテルによる細菌汚染の防止や局所麻酔などが必要な場合には、外部から前記カテーテルを介して抗生剤や局所麻酔薬などを注入して膀胱や尿道に供給するようになっている。
【0003】
このようなカテーテルの代表的な構成が[先行技術文献1]に開示されており、図2a及び図2bを参照して概略的に説明すると以下の通りである。
図示のように、[先行技術文献1]のカテーテルは、遠位端部402と近位端部403とを有する細長いチューブ状カテーテル本体401を含み、排出ルーメン404は前記カテーテル本体401内のチューブ414を介して遠位端部402から近位端部403に延びる。
前記排出ルーメン404は、カテーテル本体401の遠位端部402においてカテーテル本体401内の開口またはアイレット(eyelet)405と連通して患者の膀胱から尿を排出するために使用される際、尿はアイレット405を介して排出ルーメン404の内部に流れることができる。
また、半透過性メンブレンからなるスリーブ部分406は、カテーテル本体401上に形成される。
【0004】
注入ルーメン(instillation lumen)410は、近位端部403においてカテーテル本体401から延びる。
前記注入ルーメン410は、カテーテル本体401の長手方向に沿って延びるチューブ413を用いてスリーブ部分406に連結される。
前記チューブ413を介してスリーブ部分406の内部に注入された薬液は、尿道周囲の空間を連続的に洗浄し、生体膜の形成とそれに続く細菌感染を防ぐ。
すなわち、半透過性メンブレンからなるスリーブ部分406を介して尿道の内周面に供給され、薬効を発揮することになる。
【0005】
前記流体は、カテーテル本体に接触する尿道の細菌感染を防ぐために防腐剤、抗生剤または抗菌剤及び/またはそれらの組み合わせを含むことができる。
膨張流体は、チューブ部408を膨張させるために、膨張ルーメン409とカテーテル本体401内のチューブ412を通過する。
【0006】
しかし、このような[先行技術文献1]によれば、カテーテル本体401に別途設けられたスリーブ部分406が結合されるため、材質及び形状面において不連続性が存在するしかなく、これにより、カテーテルを尿道に挿入することが難しいだけでなく、挿入する過程で摩擦による痛みが発生し、患者の不快感が大きくなるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】公開特許公報第10-2019-0112010号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は尿道に容易に挿入され、痛みの発生を大幅に低減できる薬液注入型排尿カテーテルを提供することにある。
また、本発明の目的は、供給される薬液の薬効を最大化することができる薬液注入型排尿カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルは、
フレキシブルで中空のパイプ形状からなるカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の一端付近に位置し、前記一端から離間して設けられる膨張チューブと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、尿を体外に排出するための排尿ポートと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、前記膨張チューブに空気を注入するための空気注入ポートと、
前記カテーテル本体の他端に連結され、前記薬液を注入するための薬液注入ポートとを含み、
前記中空を横断面から見たとき、前記排尿ポートと連通する排尿孔、空気注入ポートと連通する空気注入孔及び前記薬液注入ポートと連通する薬液注入孔が互いに分離された状態で配置され、
前記カテーテル本体の周面には、前記薬液注入孔と連通し、前記カテーテル本体が延びる方向に沿って離間するように配置される複数の薬液排出口が形成されることを特徴とする。
【0010】
前記カテーテル本体の周方向に延びるリング状の薬液分散溝は、前記カテーテル本体が延びる方向に互いに離間するように複数形成され、前記薬液排出口は、それぞれの前記リング状の薬液分散溝にそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0011】
または、前記カテーテル本体の周方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状の薬液分散溝が、前記カテーテル本体が延びる方向に形成され、前記薬液排出口は、前記螺旋状の薬液分散溝にそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0012】
前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の断面中心線と並んだ周面上の仮想線の上に離間して形成され、前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の半径方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする。
複数の前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の長手方向に沿って前記カテーテル本体の半径方向を中心に両方向に交互に傾斜して形成されることを特徴とする。
複数の前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の周面に沿った仮想の螺旋上に配置されることを特徴とする。
前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記カテーテル本体は、
円形の内周面と外周面を有する第1管と、
前記第1管の内周面に円弧状に隆起して空気注入孔を形成する第2管と、
前記第1管の内周面に円弧状に隆起して薬液注入孔を形成し、前記第2管に対して周方向に離間する第3管と
を含み、
前記第2管と第3管の外部に形成される第1管の内部は排尿孔を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前述したような構成の本発明によれば、フレキシブルで中空のパイプ形状からなるカテーテル本体、前記カテーテル本体の一端付近に位置し、前記一端から離間して設けられる膨張チューブ、前記カテーテル本体の他端に連結され、尿を体外に排出するための排尿ポート、前記カテーテル本体の他端に連結され、前記膨張チューブに空気を注入するための空気注入ポート、前記カテーテル本体の他端に連結され、前記薬液を注入するための薬液注入ポートを含み、前記中空を横断面から見たとき、前記排尿ポートと連通する排尿孔、空気注入ポートと連通する空気注入孔及び前記薬液注入ポートと連通する薬液注入孔が互いに分離された状態で配置され、前記カテーテル本体の周面には、前記薬液注入孔と連通し、前記カテーテル本体が延びる方向に沿って離間するように配置される複数の薬液排出口が形成されることを特徴とするため、前記薬液注入ポートと薬液注入孔を通過した薬液を前記薬液排出口を介して膀胱や尿道に適用することにより、尿道の長手方向に均一に局所麻酔や膀胱洗浄などの所定の機能を果たすようにすることができ、尿道に容易に挿入され、痛みの発生を大幅に低減できるという利点がある。
【0014】
また、本発明によれば、前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記カテーテル本体は、円形の内周面と外周面とを有する第1管、前記第1管の内周面に円弧状に隆起して空気注入孔を形成する第2管及び前記第1管の内周面に円弧状に隆起して薬液注入孔を形成し、前記第2管に対して周方向に離間する第3管を含むため、前記カテーテル本体を任意に曲げるとしても前記カテーテル本体の不連続的な折り曲げによる中空の閉塞及び局所的な痛みを防ぎ、耐久性を高めることができる。
【0015】
また、本発明によれば、前記カテーテル本体の周方向に延びるリング状の薬液分散溝が、前記カテーテル本体が延びる方向に互いに離間するように複数形成され、前記薬液排出口は、それぞれの前記リング状の薬液分散溝にそれぞれ形成され、前記薬液排出口を介して排出される薬液が前記リング状の薬液分散溝に沿って、すなわち、カテーテル本体の周方向に沿って移動して尿道の内周面に均一に適用されるため、薬効が均一かつ迅速に現れるようにすることができる。
【0016】
また、本発明によれば、前記カテーテル本体の周方向に沿って螺旋形に延びる螺旋状の薬液分散溝が、前記カテーテル本体が延びる方向に形成され、前記薬液排出口は、前記螺旋状の薬液分散溝にそれぞれ形成され、前記薬液排出口を介して排出される薬液が前記螺旋状の薬液分散溝に沿って、すなわち、カテーテル本体の周方向に沿って移動して尿道の内周面に均一に適用されるため、薬効が均一かつ迅速に現れるようにすることができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の断面中心線と並んだ周面上の仮想線の上に離間して形成され、前記カテーテル本体を横断面から見たとき、前記薬液排出口は前記カテーテル本体の半径方向に対して傾斜して形成され、前記薬液排出口を介して排出された薬液がさらに速い速度で薬液分散溝に沿って移動するようになるため、薬効が速やかに尿道に伝達されることが可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、複数の前記薬液排出口は、前記カテーテル本体の長手方向に沿って前記カテーテル本体の半径方向を中心として両方向に交互に傾斜して形成され、尿道内部の特異状況によって薬液が片周方向にうまく移動できない場合でも、正常に薬液の適用を可能にすることができる。
【0019】
また、本発明によれば、複数の前記薬液排出口は前記カテーテル本体の周面に沿った仮想の螺旋上に配置されるため、前記カテーテル本体の横断面から見たとき、薬液が強く排出される前記薬液排出口の位置がカテーテル本体の周方向に分散されるため、前記カテーテル本体の周方向に一層均一な薬液の適用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、身体の排尿構造を示す図である。
図2図2a及び図2bは、従来技術による排尿用カテーテルの構造を示す図である。
図3図3は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第1実施形態を示す斜視図である。
図4図4は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第1実施形態を示す平面図である。
図5図5は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第1実施形態を示す正面図である。
図6図6は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第1実施形態におけるカテーテル本体の一実施形態を示す横断面図である。
図7図7は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第1実施形態におけるカテーテル本体の他の実施形態を示す横断面図である。
図8図8は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第2実施形態を示す斜視図である。
図9図9は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第3実施形態を示す斜視図である。
図10図10は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの第4実施形態を示す斜視図である。
図11図11は、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテルの使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図3図5に示すように、本発明に係る薬液注入型排尿カテーテル1000は、患者の尿道を通過して膀胱まで至らせて非自発的排尿機能を果たすためのものであり、フレキシブルで中空110のパイプ形状からなるカテーテル本体100、前記カテーテル本体100の一端付近に位置し、前記一端から離間して設けられる膨張チューブ200、前記カテーテル本体100の他端に連結され、尿を体外に排出するための排尿ポート300、前記カテーテル本体100の他端に連結され、前記膨張チューブ200に空気を注入するための空気注入ポート400及び前記カテーテル本体100の他端に連結され、前記薬液を注入するための薬液注入ポート500を含む。
これにより、薬液注入型排尿カテーテル1000を尿道に容易に挿入することができ、挿入時の痛みの発生を大幅に低減できる効果がある。
【0022】
前記排尿ポート300は膀胱から尿を排出するための構成要素であり、空気注入ポート400は前記膨張チューブ200に空気を注入して膨張させることによって排尿カテーテル1000が簡単に抜け落ちることを防ぐための構成要素であり、前記薬液注入ポート500は膀胱及び/または尿道に局所麻酔薬や膀胱洗浄剤などの薬液を注入するための構成要素である。
【0023】
図6に示すように、前記中空110を横断面から見たとき、前記中空110は前記排尿ポート300と連通する排尿孔111、空気注入ポート400と連通する空気注入孔112及び前記薬液注入ポート500と連通する薬液注入孔113で構成され、前記排尿孔111、前記空気注入孔112及び薬液注入孔113は互いに分離された状態で配置される。
そうするために、前記カテーテル本体100を横断面から見たとき、前記カテーテル本体100は、円形の内周面と外周面を有する第1管114、前記第1管114の内周面に円弧状に隆起して前記空気注入孔112を形成する第2管115、前記第1管114の内周面に円弧状に隆起して前記薬液注入孔113を形成し、前記第2管115に対して周方向に離間する第3管116を含み、前記第2管115と第3管116の外部に形成される第1管114の内部は前記排尿孔111を形成させることができる。
このような構成により、前記カテーテル本体100を任意に曲げるとしても、前記排尿孔111、空気注入孔112及び薬液注入孔113を介して流体が分離されて流動することができるとともに、前記第2管115と第3管116が補強リブとして機能し、構造的強度及び耐久性を維持することができる。
すなわち、前記カテーテル本体100の不連続的な折り曲げによる中空110の閉塞及び局所的な痛みを防ぎ、耐久性を高めることができる。
【0024】
前記カテーテル本体100の周面には、前記薬液注入孔113と連通して前記カテーテル本体100が延びる方向に沿って離間するように配置される複数の薬液排出口120が形成されており、前記薬液注入ポート500と薬液注入孔113を通過した薬液を前記薬液排出口120を介して膀胱や尿道に適用することにより、局所麻酔や膀胱洗浄などの所定の機能を果たすようにすることができる。
【0025】
図においては、前記薬液注入孔113が局所麻酔薬が流入する第1薬液注入孔113aと膀胱洗浄剤が流入する第2薬液注入孔113bとを含む構成となっている。
また、前記第3管116は、第1薬液注入孔113aを形成する第3_1管116aと第3_2管116bとで構成される。
【0026】
これに関連し、図3図5に示すように、前記薬液注入ポート500は、局所麻酔薬が供給される第1薬液注入ポート500aと膀胱洗浄剤が供給される第2薬液注入ポート500bとを含む。
しかし、前記薬液注入孔113と薬液注入ポート500の数は、1つまたは3つ以上形成されることも可能である。
一方、前記カテーテル本体100の周方向に延びるリング状の薬液分散溝130が前記カテーテル本体100が延びる方向に互いに離間するように複数形成され、前記薬液排出口120はそれぞれの前記リング状の薬液分散溝130にそれぞれ形成されることができる。
この場合、1つのリング状の薬液分散溝130に対して前記薬液排出口120は1つのみ配置されるようにし、流速を高めることによって排出される薬液の迅速な拡散を誘導することが好ましい。
これにより、前記薬液排出口120を介して排出される薬液が前記リング状の薬液分散溝130に沿って、すなわち、カテーテル本体100の周方向に沿って移動して尿道の内周面に均一に適用されるため、薬効が均一かつ迅速に現れるようにすることができる。
【0027】
図11に示すように、前記薬液排出口120は、前記膨張チューブ200を挟んで両側にそれぞれ配置され、尿道だけでなく膀胱まで薬液を供給できるようになっている。
前記薬液排出口120は、薬液分散溝130に形成されているが、直径の相対的な大きさを確認できるように別途示されている。
構成符号900は、前記薬液注入ポート500に薬液を供給するための薬液供給タンクである。
【0028】
他の実施形態として、図9及び図10に示すように、前記カテーテル本体100の周方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状の薬液分散溝140が前記カテーテル本体100が延びる方向に形成され、前記薬液排出口120は、前記螺旋状の薬液分散溝140にそれぞれ形成されることができる。
この場合、1回転の螺旋状の薬液分散溝140に対して前記薬液排出口120は1つのみ配置されるようにし、排出される薬液の迅速な拡散を誘導することが好ましい。
これにより、前記薬液排出口120を介して排出される薬液が前記螺旋状の薬液分散溝130に沿って、すなわち、カテーテル本体100の周方向に沿って移動して尿道の内周面に均一に適用されるため、薬効が均一かつ迅速に現れるようにすることができる。
また、図3及び図9に示すように、前記薬液排出口120は前記カテーテル本体100の断面中心線と並んだ周面上の仮想線の上に離間して形成され、前記カテーテル本体100を横断面から見たとき、前記薬液排出口120は前記カテーテル本体100の半径方向に対して傾斜して形成されることができる。
このような構成により、前記薬液排出口120を介して排出された薬液がさらに速い速度で薬液分散溝130、140に沿って移動するようになるため、薬効が速やかに尿道に伝達されることが可能となる。
【0029】
さらに、図7に示すように、複数の前記薬液排出口120は、前記カテーテル本体100の長手方向に沿って前記カテーテル本体100の半径方向を中心として両方向に交互に傾斜して形成され、尿道内部の特異状況によって薬液が片側周方向にうまく移動できない場合、逆方向に移動することで正常な薬液の適用を可能にすることができる。
【0030】
一方、図8及び図10に示すように、複数の前記薬液排出口120は、前記カテーテル本体100の周面に沿った仮想の螺旋上に配置されることもできる。
これにより、前記カテーテル本体100の横断面から見たとき、薬液が強く排出される前記薬液排出口120の位置がカテーテル本体100の周方向に分散されるため、前記カテーテル本体100の周方向に一層均一な薬液の適用が可能になる。
この場合、図10に示すように、前記カテーテル本体100の周方向に沿って螺旋状に延びる螺旋状の薬液分散溝140が形成される場合、前記薬液排出口120は前記螺旋上に配置されることができる。
【0031】
一方、図11に示すように、前記薬液排出口120の断面積または直径は、前記カテーテル本体100の他端から膨張チューブ200に向かって徐々に大きくなるように構成し、薬液の流動時の圧力損失による噴射量の低下を防ぐことが好ましい。
例えば、前記薬液排出口120の直径は、0.01mmから0.1mmまで連続的に増加するように設定することができ、2つ以上が同じ直径を有することが許容される。
膀胱側に面した薬液排出口120の直径は、尿道側で膨張チューブ200に最も近い薬液排出口120の直径をそのまま維持することができる。
【0032】
図5において、説明されていない構成符号181は前記カテーテル本体100に形成され、排尿孔111と連通する第1通孔であり、182はカテーテル本体100に形成され、空気注入孔112と連通する第2通孔であり、183はカテーテル本体100に形成され、第2薬液注入孔113bと連通する第3通孔である。
前記第1通孔181を介して膀胱内の尿を外部に排出し、第2通孔182を介して前記膨張チューブ200に空気を供給し、第3通孔183を介して膀胱洗浄剤などの薬液を膀胱内に供給することになる。
【0033】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者において明らかであろう。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】