(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】集積型ポイントオブケア少量血液採取装置を有する血管アクセス採血装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/155 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A61B5/155
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547826
(86)(22)【出願日】2023-02-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 US2023062476
(87)【国際公開番号】W WO2023154917
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム.ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】メーガン エス.シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】エリカ イー.ニューマン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA05
4C038UH03
4C038UH07
(57)【要約】
遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジングの遠位端に挿入された血液サンプル採取管とを含む器具前進装置であって、前進要素は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、器具がハウジングの遠位端まで遠位方向に前進するように構成されており、血液サンプル採取管は少量の血液サンプルを受容するように構成されている、器具前進装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端および近位端を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された器具と、
前進要素と、
ハウジングの遠位端に挿入可能な血液サンプル採取管と
を含む器具前進装置であって、
前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成され、
前記血液サンプル採取管は0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを受容するように構成されている、
ことを特徴とする器具前進装置。
【請求項2】
少量の血液サンプルが0.3~100マイクロリットルであることを特徴とする、請求項1に記載の器具前進装置。
【請求項3】
器具は、器具の近位端に設けられたセプタムを含み、血液サンプル採取管はセプタムを貫いて器具に挿入され、少量の血液サンプルを受容することを特徴とする、請求項1に記載の器具前進装置。
【請求項4】
血液サンプル採取管は、少量の血液サンプルが血液サンプル採取管に受容された後に、ハウジングから取り外されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の器具前進装置。
【請求項5】
血液サンプル採取管は、ポイントオブケアシステムに作動的に接続されて、少量の血液サンプルを検査するように構成されている、請求項4に記載の器具前進装置。
【請求項6】
血液サンプル採取管は、血液サンプル採取管の近位端に、少量の血液サンプルを血液サンプル採取管内に引き込むための吸引力を生じさせるための可撓性部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の器具前進装置。
【請求項7】
遠位端および近位端を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された器具と、
前進要素と、
ハウジングの遠位端に集積された血液サンプル採取装置と
を含む器具前進装置であって、
前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている
ことを特徴とする器具前進装置。
【請求項8】
血液サンプル採取装置の開口部が、器具によって画定された流体経路と流体連通していることを特徴とする、請求項7に記載の器具前進装置。
【請求項9】
血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア検査のために少量の血液サンプルを血液サンプル採取装置に受容した際に、ハウジングから取り外されるように構成されており、
少量の血液サンプルが0.3~500マイクロリットルである
ことを特徴とする、請求項7に記載の器具前進装置。
【請求項10】
ハウジングの遠位端に画定された、血液サンプル採取装置を受容するための流体チャンバーアクセスポートをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の器具前進装置。
【請求項11】
流体チャンバーアクセスポートは、血液サンプル採取装置がハウジングから取り外された後に血液がハウジングから流出するのを防ぐシールを含むことを特徴とする、請求項8に記載の器具前進装置。
【請求項12】
血液サンプル採取装置は、流体チャンバーアクセスポートに予め取り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載の器具前進装置。
【請求項13】
流体チャンバーアクセスポートはバルブ部材を含み、バルブ部材は、血液が血液サンプル採取装置に自由に流入する開位置と、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを阻止する閉位置との間を移動することを特徴とする、請求項7に記載の器具前進装置。
【請求項14】
遠位端および近位端を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された器具と、
前進要素と、
ハウジング内に画定された血液サンプルアクセスポートと、
ハウジングに対して回転可能な内筒と
を含む器具前進装置であって、
前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている
ことを特徴とする器具前進装置。
【請求項15】
内筒は開口部を画定し、開口部は、血液サンプルアクセスポートとの整列状態、および血液サンプルアクセスポートとの非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、血液が器具前進装置に作動的に接続された血液サンプル採取装置に流入することを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入することを防止することを特徴とする、請求項14に記載の器具前進装置。
【請求項16】
ハウジングは、ハウジングに対して内筒を回転させるために、内筒に操作可能に連結されたハンドルをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の器具前進装置。
【請求項17】
内筒は開口部を画定し、血液サンプルアクセスポートは、開口部との整列状態、ならびに開口部との非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、器具前進装置に作動的に連結された血液サンプル採取装置に血液が流入するのを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを防止することを特徴とする、請求項14に記載の器具前進装置。
【請求項18】
遠位端および近位端を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された器具と、
前進要素と、
血液サンプル採取装置と
を含む器具前進装置であって、
前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されており、
前記血液サンプル採取装置は、器具前進装置と作動的に接続されて、0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを採取する
ことを特徴とする器具前進装置。
【請求項19】
血液サンプル採取装置は、前進要素の近位端に作動的に接続されていることを特徴とする、請求項18に記載の器具前進装置。
【請求項20】
前進要素は、血液サンプル採取装置を器具によって画定された流体経路に流体接続するための流体経路を画定することを特徴とする、請求項18に記載の器具前進装置。
【請求項21】
血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア装置による分析のために少量の血液サンプルが血液サンプル採取装置に受容された後に、前進要素から取り外されるように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載の器具前進装置。
【請求項22】
少量の血液サンプルが0.3~100マイクロリットルであることを特徴とする、請求項18に記載の器具前進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管アクセス採血装置、特に、集積型ポイントオブケア少量血液採取装置を有する血管アクセス採血装置を指向する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、参照により全体が本明細書の一部をなすものとする、2022年2月14日に出願された「Vascular Access Blood Draw Device with Integrated Point-Of-Care Small Volume Blood Collection Device」の名称を有する米国特許仮出願第63/309,904号の優先権を主張する。
【0003】
カテーテルは、種々の輸液療法に一般的に使用される。たとえば、カテーテルを用いて、生理食塩水、種々の医薬品、および全身非経口栄養剤などの輸液を患者に注入することができる。また、カテーテルは、患者からの採血にも使用される。
【0004】
一般的なタイプのカテーテル装置は、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルを含む。その名称が示唆するように、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルは、鋭利な遠位端を有するイントロデューサニードルの上に装着することができる。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから遠位側に延在するカテーテルと、カテーテルを貫通して延在するイントロデューサニードルとを含んでもよい。カテーテルおよびイントロデューサニードルは、イントロデューサニードルの遠位端がカテーテルの遠位端を越えて延在し、針のベベルが皮膚への挿入直前に患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てることができる。一般的に、カテーテルおよびイントロデューサニードルは、浅い角度で皮膚から患者の血管系へと挿入される。
【0005】
イントロデューサニードルおよび/またはカテーテルの血管内への適切な配置を確認するために、一般的に、臨床医はカテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバーに血液の「フラッシュバック」があることを確認する。ニードルの配置が確認されたならば、臨床医は、血管系の流れを一時的に閉塞させてニードルを抜去し、将来の採血または輸液のためにカテーテルを所定の位置に残すことができる。
【0006】
末梢静脈カテーテル(PIVC)分野における最近の発展は、採血および留置PIVCを容易にするために設計された技術の出現につながった。これらの装置は、高品質の血液サンプルを確実に採取し、溶血を減少させる能力に焦点を当てている。これらの装置が機能する主な方法は、カテーテルの内腔を貫いて、ガイドワイヤ、プローブ、チューブ、またはその他の器具を挿入することである。この配置は、カテーテル先端を閉塞する可能性のある血栓またはフィブリンを貫通する流体経路を形成する。その後、患者をさらなる穿刺にさらす必要なしに、注射器またはバキュテイナーを使用して血液サンプルを採取することができる。
【0007】
ポイントオブケア(POC)検査は、グルコース検査など、少量の血液サンプルを用いて迅速に結果を得ることができるポータブル検査システムの使用を含む。典型的には、血液サンプルは、指刺しまたは既存の血管アクセスによって採取される。しかし、大部分の血管アクセス装置は、少量の血液サンプルの採取に最適化されていない。現在の分野は、1滴の血液で迅速な診断結果が得られるPOC検査を目標に、小型化および個別化されたヘルスケアに向かっている。現在、POC診断検査の増加を見越して、PIVCからPOC血液サンプルを採取するオプションを提供する必要性がある。
【0008】
いくつかの理由により、特にカテーテルの留置時間が長くなった際に、カテーテルを用いた輸液または採血が困難になるおそれがある。カテーテルアセンブリの内表面、カテーテルアセンブリの外表面、またはカテーテル遠位端の近傍の血管系内に、フィブリンシースまたは血栓が形成されるおそれがある。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルを通る流体経路の閉塞または狭窄をもたらすおそれがあり、これにより輸液および/または高品質の血液サンプルの採取が損なわれるおそれがある。
【0009】
本願で特許請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態、あるいは、前述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態を実施してもよい一例の技術分野を説明するために提供されるに過ぎない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1つの非限定的な実施形態または態様において、遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジングの遠位端に挿入された血液サンプル採取管とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成され、前記血液サンプル採取管は0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを受容するように構成されている、器具前進装置を提供する。
【0011】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態または態様において、少量の血液サンプルは0.3~100マイクロリットルである。器具は、器具の近位端に設けられたセプタムを含んでもよく、血液サンプル採取管はセプタムを貫いて器具に挿入され、少量の血液サンプルを受容する。血液サンプル採取管は、少量の血液サンプルが血液サンプル採取管に受容された後にハウジングから取り外されるように構成される。血液サンプル採取管は、ポイントオブケアシステムに作動的に接続されて、少量の血液サンプルを検査するように構成される。血液サンプル採取管は、血液サンプル採取管の近位端に可撓性部材を含み、少量の血液サンプルを血液サンプル採取管内に引き込むための吸引力を生じさせる。
【0012】
1つの非限定的な実施形態または態様において、遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジングの遠位端に集積(一体化)された血液サンプル採取装置とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている、器具前進装置を提供する。
【0013】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態または態様において、血液サンプル採取装置の開口部は、器具によって画定された流体経路と流体連通している。血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア検査のために少量の血液サンプルを血液サンプル採取装置に受容した際にハウジングから取り外されるように構成される。少量の血液サンプルは、0.3~500マイクロリットルまたは0.3~100マイクロリットルであってもよい。ハウジングの遠位端に流体チャンバーアクセスポートを画定して、血液サンプル採取装置を受容する。流体チャンバーアクセスポートは、血液サンプル採取装置がハウジングから取り外された後に血液がハウジングから流出するのを防ぐシールを含む。血液サンプル採取装置は、流体チャンバーアクセスポートに予め取り付けられている。流体チャンバーアクセスポートは、血液が血液サンプル採取装置に自由に流入する開位置と、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを阻止する閉位置との間を移動するバルブ部材を含む。
【0014】
1つの非限定的な実施形態または態様において、遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジング内に画定された血液サンプルアクセスポートと、ハウジングに対して回転可能な内筒とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている、器具前進装置を提供する。
【0015】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態または態様において、内筒は開口部を画定し、この開口部は、血液サンプルアクセスポートとの整列状態、および血液サンプルアクセスポートとの非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、血液が器具前進装置に作動的に接続された血液サンプル採取装置に流入することを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入することを防止する。ハウジングは、内筒に操作可能に連結されたハンドルをさらに含み、ハンドルは、ハウジングに対して内筒を回転させる。内筒は開口部を画定し、血液サンプル採取装置は、開口部との整列状態、ならびに開口部との非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、器具前進装置に作動的に連結された血液サンプル採取装置に血液が流入するのを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを防止する。
【0016】
本開示の1つの非限定的な実施形態または態様において、遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、血液サンプル採取装置とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されており、前記血液サンプル採取装置は、器具前進装置と作動的に接続されて、0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを採取する、器具前進装置を提供する。
【0017】
本開示のいくつかの非限定的な実施形態または態様において、血液サンプル採取装置は、前進要素の近位端に作動的に接続される。前進要素は、血液サンプル採取装置を器具によって画定された流体経路に流体接続するための流体経路を画定する。血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア装置による分析のために少量の血液サンプルが血液サンプル採取装置に受容された後に前進要素から取り外されるように構成されている。少量の血液サンプルは、0.3~100マイクロリットルであってもよい。
【0018】
また、本開示は、以下の項目を指向する。
【0019】
第1項: 遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジングの遠位端に挿入された血液サンプル採取管とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成され、前記血液サンプル採取管は0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを受容するように構成されている、器具前進装置。
【0020】
第2項: 器具は、器具の近位端に設けられたセプタムを含み、血液サンプル採取管はセプタムを貫いて器具に挿入され、少量の血液サンプルを受容する、第1項に記載の器具前進装置。
【0021】
第3項: 血液サンプル採取管は、少量の血液サンプルが血液サンプル採取管に受容された後に、ハウジングから取り外されるように構成されている、第1項または第2項に記載の器具前進装置。
【0022】
第4項: 血液サンプル採取管は、ポイントオブケアシステムに作動的に接続されて、少量の血液サンプルを検査するように構成されている、第3項に記載の器具前進装置。
【0023】
第5項: 血液サンプル採取管は、血液サンプル採取管の近位端に可撓性部材を含み、少量の血液サンプルを血液サンプル採取管内に引き込むための吸引力を生じさせる、第1項から第4項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0024】
第6項: 遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジングの遠位端に集積された血液サンプル採取装置とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている、器具前進装置。
【0025】
第7項: 血液サンプル採取装置の開口部は、器具によって画定された流体経路と流体連通している、第6項に記載の器具前進装置。
【0026】
第8項: 血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア検査のために少量の血液サンプルを血液サンプル採取装置に受容した際に、ハウジングから取り外されるように構成されている、第6項または第7項に記載の器具前進装置。
【0027】
第9項: ハウジングの遠位端に画定された、血液サンプル採取装置を受容するための流体チャンバーアクセスポートをさらに含む、第6項から第8項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0028】
第10項: 流体チャンバーアクセスポートは、血液サンプル採取装置がハウジングから取り外された後に血液がハウジングから流出するのを防ぐシールを含む、第7項から第9項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0029】
第11項: 血液サンプル採取装置は、流体チャンバーアクセスポートに予め取り付けられている、第6項から第10項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0030】
第12項: 流体チャンバーアクセスポートは、血液が血液サンプル採取装置に自由に流入する開位置と、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを阻止する閉位置との間を移動するバルブ部材を含む、第6項から第11項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0031】
第13項: 遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、ハウジング内に画定された血液サンプルアクセスポートと、ハウジングに対して回転可能な内筒とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されている、器具前進装置。
【0032】
第14項: 内筒は開口部を画定し、この開口部は、血液サンプルアクセスポートとの整列状態、および血液サンプルアクセスポートとの非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、血液が器具前進装置に作動的に接続された血液サンプル採取装置に流入することを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入することを防止する、第13項に記載の器具前進装置。
【0033】
第15項: ハウジングは、ハウジングに対して内筒を回転させるために、内筒に操作可能に連結されたハンドルをさらに含む、第13項または第14項に記載の器具前進装置。
【0034】
第16項: 内筒は開口部を画定し、血液サンプル採取装置は、開口部との整列状態、ならびに開口部との非整列状態へと回転可能であり、整列状態において、器具前進装置に作動的に連結された血液サンプル採取装置に血液が流入するのを許容し、非整列状態において、血液が血液サンプル採取装置に流入するのを防止する、第13項から第15項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0035】
第17項: 遠位端および近位端を含むハウジングと、ハウジング内に配置された器具と、前進要素と、血液サンプル採取装置とを含む器具前進装置であって、前記器具は、ハウジングに対する前進要素の移動に応答して、ハウジングの遠位端に向かって遠位方向に前進するように構成されており、前記血液サンプル採取装置は、器具前進装置と作動的に接続されて、0.3~500マイクロリットルの少量の血液サンプルを採取する、器具前進装置。
【0036】
第18項: 血液サンプル採取装置は、前進要素の近位端に作動的に接続されている、第17項に記載の器具前進装置。
【0037】
第19項: 前進要素は、血液サンプル採取装置を器具によって画定された流体経路に流体接続するための流体経路を画定する、第17項または第18項に記載の器具前進装置。
【0038】
第20項: 血液サンプル採取装置は、ポイントオブケア装置による分析のために少量の血液サンプルが血液サンプル採取装置に受容された後に、前進要素から取り外されるように構成されている、第17項から第19項のいずれかに記載の器具前進装置。
【0039】
添付図面を用いて、例示的な実施形態をさらに具体的かつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】いくつかの実施形態にしたがい、例示的な初期すなわち後退位置にある例示的な前進要素を示す、例示的な器具前進装置の上部透視図である。
【
図1C】いくつかの実施形態にしたがい、初期すなわち後退位置にある前進要素を示す、
図1Aの器具前進装置の縦断面図である。
【
図1D】いくつかの実施形態にしたがう、
図1Aの切断線1D-1Dに沿った
図1Aの器具前進装置の断面図である。
【
図1E】いくつかの実施形態にしたがう、
図1Dの一部の拡大図である。
【
図1F】いくつかの実施形態にしたがう、
図1Aの切断線1F-1Fに沿った
図1Aの器具前進装置の断面図である、
【
図2】いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である。
【
図3】いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である。
【
図4】いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である。
【
図5】閉状態のサンプルアクセスポートを有する、いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である。
【
図6】開状態のサンプルアクセスポートを有する、いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である。
【
図7】いくつかの実施形態にしたがう器具前進装置の側面図である
【発明を実施するための形態】
【0041】
当業者が本発明を実施するために企図された記載された態様を製造および使用できるようにするために、以下の説明を提供する。しかしながら、種々の修正、等価物、変形、および代替物は、依然として当業者は容易に理解するであろう。それら修正、変形、等価物、および代替物の全ては、本発明の真意および範囲に含まれることが意図される。
【0042】
別段の明示的指示がない限り、本出願で指定された種々の範囲における数値の使用は、記載された範囲内の最小値および最大値の両方を、「約」という言葉が先行するかのように、近似値として記載している。このようにして、記載された範囲の上下のわずかな変化を使用して、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。また、別段の指示がない限り、これらの範囲の開示は、最小値および最大値の間のあらゆる値を含む連続的な範囲であることを意図する。本明細書で提供される定義について、それらの定義は、それらの語句の語形、同義語、および文法上の変形を指示する。
【0043】
本出願に添付された図は、本質的に代表的なものであり、特段の指示がない限り、特定の縮尺または方向性を意味するものと解釈されるべきではない。以下の説明において、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「縦」、「横」、「上」、「下」、「横」、「縦」およびその派生語は、図面の図における方向付けとして、本発明に関するものとする。しかしながら、反対の事象が明示的に規定されている場合を除いて、本発明は、種々の代替的変形および工程順序を想定し得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的なものと見なされない。
【0044】
本開示は、POC検査用の集積型少量血液サンプル採取装置を用いる採血のために、患者の血管系にプローブまたはチューブの無針送達を提供する、血管アクセス器具送達装置を指向する。POCシステム用カートリッジまたはグルコースモニター用のような検査ストリップを含む、種々のPOCシステムおよび器具に血液を分注するように、これらの血液サンプル採取容器を最適化してもよい。1つの態様または実施形態において、本明細書で議論される少量の血液サンプルは、0.3~500マイクロリットルである。さらなる態様または実施形態では、本明細書で議論される少量の血液サンプルは、0.3~100マイクロリットルである。
【0045】
図1A~
図1Fを参照して、いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリのカテーテルを通して、器具102を送達するように、器具前進装置100を構成してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルを通して器具102を前進させて、カテーテルまたは血管系中の過去のあらゆる閉塞(たとえば、カテーテル先端の血栓またはフィブリンシース、静脈の陥没、弁など)を押しのけて、流体の流れのための明確な経路を形成することができる。いくつかの実施形態では、器具102は閉塞を低減または除去し、カテーテルの滞留時間中において、血液採取ならびに薬物および流体の送達のためのカテーテルの開通性を改善することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、器具102は、ガイドワイヤ、プローブ、1つまたは複数のセンサを有するガイドワイヤまたはプローブ、または別の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサを患者または装置の監視に使用してもよく、圧力、温度、pH、血液化学、酸素飽和度、流量、または別の生理学的特性を測定するセンサを含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、それを通して器具102を送達することができるカテーテルを、予め患者の血管系に挿入していてもよく、カテーテルを通して器具102を前進させる際に血管系内に留置されていてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、器具102は、ハウジング104内に配置されていてもよい。ハウジング104は、周囲の外部環境からの損傷および/または汚染から器具102を保護するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング104は、剛性または半剛性であってもよい。いくつかの実施形態において、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリカーボネート、金属、セラミック、プラスチック、および他の適切な材料の1種または複数種を用いて、ハウジング104を作製してもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング104は、近位端106、遠位端108、およびスロット120を含んでもよい。いくつかの実施形態において、スロット120は、ハウジング104の長手方向軸に平行に延在してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、器具前進装置100は、前進要素122を含んでもよい。前進要素122は、スロット120を貫いて延在してもよい。たとえば
図1Aに示す後退位置と、前進位置との間でスロット120に沿って直線的に移動するように、前進要素122を構成してもよい。いくつかの実施形態において、使用者は前進要素122を挟持または把持して、後退位置と前進位置との間で前進要素122を移動させてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、ハウジング104の遠位端108は、遠位コネクタ124を含んでもよい。いくつかの実施形態において、遠位コネクタ124は、対向するレバーアーム126a、126bを含んでもよい。いくつかの実施形態において、対向するレバーアーム126a、126bの遠位端を、対向するレバーアーム126a、126bの近位端に加えられる圧力に応じて、互いから離れるように移動するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、対向するレバーアーム126a,126bの近位端に加えられる圧力の除去に応じて、遠位端を互いに接近するように移動させて、たとえば、無針コネクタ、別のコネクタ、またはカテーテルアダプタの近位端などのカテーテルアセンブリの一部を挟持させてもよい。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ124は、カテーテルアセンブリの一部に挿入するように構成された鈍端カニューレ127またはオス型ルアーを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、遠位コネクタ124は、任意の適切なコネクタを含んでもよい。たとえば、遠位コネクタ124は、螺合式(threaded)オス型ルアー、滑合式(slip)オス型ルアー、スピンロックを有する螺合式オス型ルアー、取り外し可能な鈍端カニューレとのスナップ接続を有する螺合式オス型ルアー、取り外し可能な鈍端カニューレとのスナップ接続を有する滑合式オス型ルアー、または他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ124は、1つまたは複数のボンドポケットを含んでもよく、ボンドポケットのそれぞれは延長チューブを受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、遠位コネクタ124を、スロット120を含むハウジング104の本体と一体的に形成してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、器具102は、第1端128および第2端130を含んでもよい。いくつかの実施形態において、後退位置から前進位置への前進要素122の移動は、器具102の第2端130をハウジング104の遠位端108を超えて前進させてもよい。いくつかの実施形態において、前進要素122を前進位置に移動させることによって、器具102をカテーテルアセンブリ内へと、および/またはカテーテルを貫いて導入することができる。いくつかの実施形態において、器具102をカテーテルアセンブリ内へと、および/またはカテーテルを貫いて導入することに応じて、器具102は、カテーテルアセンブリの流体経路および/または患者の血管系にアクセスすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態においては、血管系内での留置時間が長いカテーテルアセンブリのカテーテルは、狭窄、陥没、キンク、破片(たとえば、フィブリンまたは血小板のクロット)による閉塞、カテーテルの先端が血管系に付着するなどの影響を受けるおそれがある。したがって、カテーテルを用いる採血が困難な場合がある。いくつかの実施形態において、器具102はカテーテルアセンブリのカテーテルの直径よりも小さい直径を有して、追加の穿刺を必要とせずに、患者の血管系へのアクセスを提供することができる。いくつかの実施形態において、器具102は、血液サンプルを採取するための経路を確保することができる。したがって、いくつかの実施形態においては、器具前進装置100は、無針の採血および/または輸液に使用することができる。
【0054】
一部の実施形態において、器具前進装置100に延長チューブを結合してもよく、延長チューブを採血および/または輸液に使用してもよい。いくつかの実施形態において、延長チューブはハウジング104のポートから延在してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング104内にセプタム136を有して、閉じた流体経路を維持しながら器具102を前進および/または後退させることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、器具102を、セプタム136を通って延びるように構成してもよい。いくつかの実施形態において、前進位置において、セプタム136を、ポートの近位かつ前進要素122の遠位に配置してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム136は、シリコーン、ゴム、エラストマー、または他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、セプタム136は、器具102を通すための開口部、スリットなどを含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、ハウジング104の内面142は、1つまたは複数の溝を含んでもよい。たとえば、内面142は、第1溝144および/または第2溝146を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1溝144および/または第2溝146を、近位端106と遠位端108との間のハウジング104内に配置してよい。いくつかの実施形態において、器具102を、第1溝144および/または第2溝146内に配置してもよい。いくつかの実施形態において、第1溝144および/または第2溝146は、支持壁148と、支持壁に対向する別の支持壁150と、支持壁148と別の支持壁150との間に延在する底部152とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1溝144および/または第2溝146は、底部152の反対側に開口していてもよい。いくつかの実施形態において、第1溝144および/または第2溝146を直線状および/または構成して、器具102が遠位方向に前進および/または近位方向に後退する際に、器具102を案内してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、前進要素122は、U字型であってもよい円弧状チャネル154を含んでもよい。いくつかの実施形態において、器具102は、円弧状チャネル154を貫いて延在および移動してもよい。いくつかの実施形態において、器具102の第1端128は固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、器具の第1端128は、ハウジング104内に固定されていてもよい。いくつかの実施形態において、前進要素122の第1の距離の移動に応じ、器具102の第2端を、第2の距離だけ遠位側に前進するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、第2の距離は、第1の距離の2倍であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の距離は、第1の距離の2倍より大きくてもよい。これらの実施形態および他の実施形態において、器具102は、複数のU字形状または他の円弧形状を貫いて延在してもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング104の遠位端108は、血液を保持するように構成されたチャンバ158に近接する圧縮可能部分156を含んでもよい。一部の実施形態において、圧縮可能部分156を可撓性材料で構成してもよく、この可撓性材料は圧縮可能部分156を囲むハウジング104の部分よりも低いデュロメータを有してもよい。いくつかの実施形態では、採血経路159が、チャンバ158内および/または延長チューブ132を貫いて延在してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1溝144および/または第2溝146は底部152の反対側に開口しているため、たとえば
図1Bに示されているように、前進要素122が遠位方向に前進するのに応じて、器具102が座屈する傾向がある。したがって、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の支持特徴部を使用してもよい。支持特徴部は、参照によりその全体が本明細書の一部をなすものとする、2021年3月23日に出願された米国特許仮出願第63/164,976号(名称:VASCULAR ACCESS DEVICE TO REDUCE BUCKLING OF AN INSTRUMENT)にさらに記載されていてもよい。
【0058】
図2を参照して、本開示の非限定的な1つの実施形態または態様によれば、器具前進装置100は、患者の血液経路から血液を採取するための付加的な特徴部を含んでもよい。この実施形態において、血液サンプル採取管200をハウジング104内に配置してもよい。1つの例において、血液サンプル採取管200は毛細管であってもよい。血液サンプル採取管200の先端202がセプタム136に近接するように、血液サンプル採取管200を配置してもよい。器具前進装置100を使用して、血液が流体経路を流れた際に、血液サンプル採取管200はセプタム136を貫いて流体経路へと押し込まれ、流体経路から血液サンプルを採取することができる。血液サンプルを採取した後に、血液サンプルを検査および分析のためにポイントオブケア(POC)機器または装置に分注するために、血液サンプル採取管200を取り外してもよい。1つの実施形態において、血液サンプル採取管200を通気させて、血液サンプル採取管200の内部キャビティから空気を逃がしてもよい。血液サンプル採取管200のハンドル204は、バルブのような可撓性部材206を含んでもよく、可撓性部材206を圧迫または圧搾して血液サンプル採取管200内に吸引力を発生させ、流体経路から血液サンプル採取管200内に血液サンプルを引き込んでもよい。
【0059】
図3を参照して、本開示の非限定的な1つの実施形態または態様によれば、器具前進装置100は、患者の血液経路から血液を採取するための追加の特徴部を含んでもよい。器具前進装置100は、器具前進装置100の遠位端の近傍に、器具前進装置100のハウジング104に集積(一体化)された血液サンプル採取バイアル300を含んでもよい。血液サンプル採取バイアル300の開口部302は、器具前進装置100の流体経路に入っていてもよい。器具前進装置100を通して血液を採取した後に、毛細管現象によって、または血液サンプル採取バイアル300上のバルブを圧縮して真空を作り出すことによって、血液サンプルを血液サンプル採取バイアル300に吸引してもよい。その後、血液サンプル採取バイアル300を器具前進装置100から取り外して、検査および分析のために血液サンプルをPOC装置または機器に分注してもよい。バイアル300のバルブを圧迫して血液を絞り出すことによって、血液を分注してもよい。
【0060】
図4を参照して、本開示の非限定的な1つの実施形態または態様によれば、器具前進装置100は、患者の血液経路から血液を採取するための追加の特徴部を含んでもよい。器具前進装置100は、流体チャンバーアクセスポート400を含んでもよい。血液サンプル採取装置402を、流体チャンバーアクセスポート400に予め取り付けていてもよい。使用者が血液サンプルを採取した後に、血液サンプル採取装置402を取り外してもよい。流体チャンバーアクセスポート400内にシールを画定して、POC血液サンプル採取装置402の取り外し時に血液が器具前進装置100から流出するのを防止してもよい。
【0061】
以下の手段によって血液サンプルを血液サンプル採取装置402に導入してもよい:静脈圧による空気ベント;使用者による圧搾および充填工程(使用者による活性化)の適用;あるいは、真空チューブを除去する際の充填前に非通気の可撓性取得装置を陥没させる真空チューブ圧。また、血液サンプル採取装置402を使用して血液サンプルを採取するための他の適切な手段を、本開示とともに使用してもよいことを意図する。1つの例において、最初の時点で血液サンプル採取装置402を流体経路に接続せずに、器具前進装置100または血液サンプル採取装置402への空気の引き込みを回避してもよい。大体積の血液サンプルの真空チューブ採取を完了した後に、血液サンプル採取装置402を作動させて器具前進装置100との流体連通を確立し、静脈圧によって血液サンプル採取装置402に血液サンプルを充填させてもよい。別の例において、血液サンプル採取装置402は、大体積の血液サンプルの真空チューブ採取中に閉止状態を維持するバルブ特徴部を含んでもよい。大体積の血液サンプルの採取後に、使用者がバルブ特徴部を解除または開放して、器具前進装置100との流体連通を確立してもよい。血液サンプルが血液サンプル採取装置402に分注された後に、バルブ特徴部を閉止して、器具前進装置100からの血液の漏出なしの血液サンプル採取装置402の取り外しを可能にしてもよい。
【0062】
図5および
図6を参照して、非限定的な1つの実施形態または態様によれば、器具前進装置100は、患者の血液経路から血液を採取するための追加の特徴部を含んでもよい。器具前進装置100は、ハウジング104内に2つの同心円筒を含んでもよい。この2つの同心円筒を互いに対して相対的に回転させて、ハウジング104内に画定されたサンプルアクセスポート500を開閉してもよい。内筒は、閉位置にあるときに上方を向く開口部502を画定し、流体がハウジング104を通る大体積サンプル流体経路を通ってのみ流れるようにする。使用者が少量の血液サンプルを採取する準備ができた際に、ハンドル504を回転させてサンプルアクセスポート流体経路を開き、内筒の開口部502をサンプルアクセスポート500に整列させ、少量のサンプル流体経路との流体連通を確立する。別の実施形態において、サンプルアクセスポート500を、器具前進装置100の主要流体経路に対して回転するように構成して、少量のサンプル流体経路を開閉してもよい。
【0063】
図7を参照して、非限定的な1つの実施形態または態様によれば、器具前進装置100は、患者の血液経路から血液を採取するための追加の特徴部を含んでもよい。血液サンプル採取装置600を前進要素122の近位に配置してもよい。前進要素122を介して、器具前進装置100の大体積の流体経路と血液サンプル採取装置600との間の流体経路602を確立してもよい。器具前進装置100を通して血液サンプルを採取した後に、血液サンプル採取装置600を作動させて、流体経路602を通して少量の血液サンプルを採取してもよい。その後、血液サンプル採取装置600を取り外して、血液サンプルを検査および分析のためのPOC機器または装置に血液サンプルを分注するために使用してもよい。
【0064】
図3~
図6に示す器具前進装置100の実施形態のいくつかにおいて、血液サンプル採取装置を通気させて、静脈圧が血液サンプルを血液サンプル採取装置内に押 し込む際に空気を逃がしてもよい。血液サンプル採取装置を圧縮可能として、血液サンプル採取装置が圧迫または圧搾されたときに血液サンプルを分注してもよい。
【0065】
前述の器具前進装置100の種々の例は、POC検査および分析のために、器具前進装置100から少量の血液を分注する能力を使用者に提供する。また、これらの種々の器具前進装置100は、血液サンプル検査および分析のための別個の採取および移送装置の必要性を排除する。また、これらの種々の器具前進装置100は、POC採血に一般的に関連する穿刺の必要性および指刺しを排除する。
【0066】
上記の詳細な説明によって本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の真意の範囲内で変更が可能であることを理解するであろう。
【国際調査報告】