(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】インバータ及び太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20250214BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547869
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2023075867
(87)【国際公開番号】W WO2023155771
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202220304849.8
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】マー,ジュヨン
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA24
5H770CA05
5H770QA01
5H770QA33
(57)【要約】
本願は、インバータ及び太陽光発電システムを提供する。インバータは、ハウジング及び第1のコネクタを含み、回路基板がハウジングの内側に配置され、インバータ回路が回路基板内に配置される。第1のコネクタは、第1のハウジング及び第1の導電性コアを含み、第1のハウジングはハウジングに固定され、第1の導電性コアは、第1のハウジング内に配置され、且つハウジングの内側に延びており、第1の導電性コアはハウジングの内側に位置する第1の接続プレートを含み、第1の接続プレートは平坦な構造であり、第1の接続プレートは、回路基板に固定され、且つインバータ回路に電気的に接続される。第1の接続プレートは平坦な構造として配置され、第1の接続プレートはケーブルなしで回路基板に接続できるため、第1のコネクタと回路基板との間の接続がより簡便になり、接触抵抗がより小さくなり、インバータの設置効率、スペース利用率、及び安全性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータであって、当該インバータは、
ハウジングであって、回路基板が前記ハウジングの内側に配置され、インバータ回路が前記回路基板内に配置される、前記ハウジングと、
第1のハウジング及び第1の導電性コアを含む第1のコネクタと、を含み、
前記第1のハウジングは前記ハウジングに固定され、前記第1の導電性コアは、前記第1のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの前記内側に延びており、前記第1の導電性コアは前記ハウジングの前記内側に位置する第1の接続プレートを含み、該第1の接続プレートは平坦な構造であり、前記第1の接続プレートは、前記回路基板に固定され、且つ前記インバータ回路に電気的に接続され、前記第1の導電性コアの端部であって前記第1の接続プレートから離れる側の端部が、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、前記第1の導電性コアは、前記第1の接続プレートを用いて前記太陽光発電モジュールによって生成した直流を前記インバータ回路に伝送するように構成され、前記インバータ回路は前記直流を交流に変換し、前記平坦な構造は、前記第1の接続プレートを回路基板に固定するときの接続安定性及び電流伝送安定性を向上させるように構成される、
インバータ。
【請求項2】
前記第1の接続プレート及び前記回路基板は第1の方向に積み重ねられ、前記第1の接続プレートの前記第1の方向における前記回路基板上の投影の少なくとも一部が前記回路基板上に位置しており、前記第1の接続プレート及び前記回路基板は、第2の方向に部分的な交差を有しており、前記第2の方向における前記第1の接続プレートと前記回路基板との間の距離を短縮し、前記第1の方向は前記第2の方向に直交している、請求項1に記載のインバータ。
【請求項3】
開口部が前記第1の接続プレートに配置され、当該インバータは固定部材をさらに含み、該固定部材は、前記開口部を通過して前記回路基板に固定され、前記第1の接続プレートを前記回路基板に固定する、請求項1に記載のインバータ。
【請求項4】
接続端子が前記回路基板に配置され、前記第1の接続プレート、前記接続端子、及び前記回路基板は第1の方向に順に積み重ねられ、該第1の方向は前記回路基板に対して直交しており、前記接続端子は、前記回路基板に固定され、且つ該回路基板に電気的に接続され、細孔チャネルが前記接続端子に配置され、開口部が前記第1の接続プレートに配置され、当該インバータは固定部材をさらに含み、該固定部材は、前記第1の方向に前記開口部を通過し且つ前記細孔チャネル内に延びており、前記第1の接続プレートを前記接続端子に固定する、請求項1に記載のインバータ。
【請求項5】
前記第1の導電性コアは第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートを含み、前記第1の導電性コア本体は前記ハウジングの外側及び前記内側を通過し、前記第1の接続プレートは前記第1の導電性コア本体の端部に位置しており、前記第1の接続プレートの延長方向が、前記第1の導電性コア本体の延長方向と同じであり、前記第1の導電性コアの加工を容易にする、請求項1に記載のインバータ。
【請求項6】
前記第1の導電性コアは第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートを含み、前記第1の導電性コア本体はハウジングの外側及び前記内側を通過し、前記第1の接続プレートは前記第1の導電性コア本体の端部に位置しており、前記第1の接続プレートの延長方向が前記第1の導電性コア本体の延長方向と交差し、それによって前記第1の導電性コアは複数の設置環境に適応可能である、請求項1に記載のインバータ。
【請求項7】
前記第1の導電性コアは第1の接続セクションをさらに含み、該第1の接続セクションは前記第1の導電性コア本体と前記第1の接続プレートとの間に位置しており、前記第1の接続セクションの延長方向は、前記第1の導電性コア本体の前記延長方向と前記第1の接続プレートの前記延長方向との両方と交差し、それによって前記第1の導電性コアは複数の設置環境に適応可能である、請求項5又は6に記載のインバータ。
【請求項8】
前記第1のコネクタは絶縁部をさらに含み、該絶縁部は、前記第1の接続セクションの外面を覆っており、前記第1の接続セクションを外部環境から絶縁分離し、前記第1の接続セクションで短絡が発生するリスクを低減する、請求項7に記載のインバータ。
【請求項9】
前記第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートは一体構造であり、これにより前記第1の導電性コア本体と前記第1の接続プレートとの間の接続強度が向上し、前記第1のコネクタの耐用年数が延長される、請求項5又は6に記載のインバータ。
【請求項10】
当該インバータは温度センサをさらに含み、該温度センサは、前記回路基板に位置しており、且つ前記第1の接続プレートの周辺側に位置しており、前記温度センサは前記第1の接続プレートの温度を監視するように構成される、請求項1に記載のインバータ。
【請求項11】
当該インバータは第2のコネクタをさらに含み、該第2のコネクタは第2のハウジング及び第2の導電性コアを含み、前記第2のハウジングは前記ハウジングの外側に固定され、前記第2の導電性コアは、前記第2のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの前記内側内に延びており、前記第2の導電性コアは前記ハウジングの前記内側に位置する第2の接続プレートを含み、該第2の接続プレートは平坦な構造であり、前記第2の接続プレートは、前記回路基板に固定され、且つ前記インバータ回路の負極端に電気的に接続され、前記第2の接続プレートの前記回路基板上の正投影の少なくとも一部が前記回路基板上に位置しており、前記第1の接続プレートは前記インバータ回路の正極端に電気的に接続される、請求項1に記載のインバータ。
【請求項12】
前記第1の接続プレートの前記回路基板上の正投影が、前記第2の接続プレートの前記回路基板上の正投影と重ならず、前記第1の接続プレート及び前記第2の接続プレートは互い違いに配置される、請求項11に記載のインバータ。
【請求項13】
前記インバータは固定ベースをさらに含み、該固定ベースは前記回路基板に位置しており、固定溝が前記固定ベースに配置され、接続ピースが前記固定溝に配置され、前記接続ピースの一端が前記回路基板に接続され、前記接続ピースの他端が前記第2の接続プレートに固定されて電気的に接続され、前記固定ベースは、複数の第1のコネクタ及び複数の第2のコネクタと前記回路基板との間の接続の安定性を向上させ、前記インバータの設置及び配線接続を容易にするように構成される、請求項11に記載のインバータ。
【請求項14】
当該インバータは第3のコネクタをさらに含み、該第3のコネクタは、前記第1のコネクタの端部であって当該インバータから離れる側の端部に位置しており、前記第3のコネクタは、第3のハウジング及び第3の導電性コアを含み、前記第3のハウジングは前記第1のハウジングに固定され、前記第3の導電性コアは前記第1の導電性コアに電気的に接続され、前記第3のコネクタは、前記第1のコネクタに着脱可能に接続され、当該インバータの組立及び分解を容易にする、請求項1に記載のインバータ。
【請求項15】
インバータであって、当該インバータは、
ハウジングであって、回路基板が前記ハウジングの内側に配置され、インバータ回路が前記回路基板内に配置される、前記ハウジングと、
第1のハウジング及び第1の導電性コアを含む第1のコネクタであって、前記第1のハウジングは前記ハウジングに固定され、前記第1の導電性コアは、前記第1のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの内側に延びる、前記第1のコネクタと、
前記回路基板に位置しており、且つ該回路基板に電気的に接続されたソケットであって、前記第1の導電性コアの端部であって前記ハウジングの前記内側に位置する端部が、前記ソケットに挿入されて該ソケットに固定され、前記ソケットは、前記第1の導電性コアを前記回路基板に接続して、前記第1の導電性コアと前記回路基板との間の距離を短縮する、前記ソケットと、
前記第1の導電性コアの端部であって第1の接続プレートから離れる側の端部であって、該端部は、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、前記第1の導電性コアは、前記第1の接続プレートを用いて前記太陽光発電モジュールによって生成した直流を前記インバータ回路に伝送するように構成され、前記インバータ回路は前記直流を交流に変換する、前記端部と、を含む、
インバータ。
【請求項16】
太陽光発電モジュールと、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のインバータとを含む太陽光発電システムであって、前記太陽光発電モジュールは、前記第1のコネクタの端部であって前記回路基板から離れる側の端部に電気的に接続され、前記太陽光発電モジュールによって生成した直流電流は、前記第1の接続プレートを用いて前記インバータ回路に伝送される、太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年2月15日に中国国家知識産権局に出願した、“INVERTER AND PHOTOVOLTAIC SYSTEM”という表題の中国特許出願第202220304849.8号に対する優先権を主張するものであり、この出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、太陽光発電(photovoltaic:光起電力)技術の分野、特にインバータ及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
太陽光発電システムでは、太陽光発電モジュールの電気エネルギをインバータに伝送して電流反転を実施する必要があり、それによって電気エネルギがエンドユーザに入力されるか、又はグリッド(grid:電力網)に供給される。雄型コネクタが太陽光発電モジュール側に設置され得、雌型コネクタがインバータ端部に設置され得る。雄型コネクタを雌型コネクタに接続した後に、太陽光発電モジュールとインバータとの間の電気的接続を実施することができる。実際の適用では、インバータ端部で、コネクタの導電性コアがケーブルのセクションを介してインバータ内の回路基板に電気的に接続される。ケーブルは、導電性コアと回路基板との両方に電気的に接続する必要がある。従って、設置手順が複雑であり、接続信頼性の問題が発生する可能性がある。既存の方法では、接続端子が導電性コアの端部に配置され、接続端子が回路基板に挿入されて、ケーブルなしで電気的接続が実施される。しかしながら、回路基板に挿入された接続端子の接続安定性は悪く、導電性コア及び回路基板を接続するために追加の接続機構が必要となり、構造が複雑になる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、ケーブルを必要とせず、コネクタと回路基板との間の接続の安定性を向上させることができるインバータを提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本願の実施態様はインバータを提供する。インバータは、ハウジング及び第1のコネクタを含み、回路基板がハウジングの内側に配置され、インバータ回路が回路基板に配置される。第1のコネクタは、第1のハウジング及び第1の導電性コアを含み、第1のハウジングはハウジングに固定され、第1の導電性コアは、第1のハウジング内に位置しており且つハウジングの内側に延びており、第1の導電性コアはハウジングの内側に位置する第1の接続プレートを含み、第1の接続プレートは平坦な構造であり、第1の接続プレートは、回路基板に固定され且つインバータ回路に電気的に接続され、第1の導電性コアの端部であって第1の接続プレートから離れる側の端部が、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、第1の導電性コアは、第1の接続プレートを用いて太陽光発電モジュールによって生成した直流をインバータ回路に伝送するように構成され、インバータ回路は直流を交流に変換し、平坦な構造は、第1の接続プレートを回路基板に固定するときの接続安定性及び電流伝送安定性を向上させるように構成される。
【0006】
第1のコネクタの第1のハウジングは、第1の導電性コアを保護するように構成され、且つ第1の導電性コアをハウジングに固定するように構成される。第1のコネクタの第1の導電性コアは、電気を伝送し、且つ太陽光発電モジュールの直流を回路基板のインバータ回路に伝送し、インバータは直流を交流に変換するように構成される。
【0007】
一実施態様では、第1の導電性コアは直線ストリップ形状であり、第1の導電性コアの部分であって第1の接続プレートから離れる側の部分が中空の円筒形状である。第1の接続プレートは平坦な構造であり、これにより、第1の接続プレートと回路基板との接触面積が増加し、第1の接続プレートを回路基板に固定し易くし、第1の接続プレートと回路基板との間の良好な電気的接続を確保し、接続安定性及び電気伝送安定性を向上させることができる。一実施態様では、第1の接続プレートは回路基板に溶接される。第1の接続プレートが平坦な構造であるため、第1の接続プレート及び回路基板はそれぞれ溶接面積が大きくなり、それにより溶接安定性が得られる。一実施態様では、第1の接続プレートが位置する平面は、回路基板の基板面と平行であり、これにより、第1の接続プレートと回路基板との間の接続の安定性及び信頼性が向上する。
【0008】
可能な実施態様では、第1の接続プレート及び回路基板は第1の方向に積み重ねられ、第1の接続プレートの第1の方向の回路基板上の投影の少なくとも一部が回路基板上に位置しており、第1の接続プレート及び回路基板は第2の方向に部分的な交差を有しており、第2の方向における第1の接続プレートと回路基板との間の距離を短縮し、第1の方向は第2の方向に直交している。第1の接続プレートは、第2の方向における回路基板と第1の接続プレートとの間にケーブルを配置することなく、第2の方向で回路基板に直接接続することができる。また、第1の接続プレートと回路基板との間の距離が短縮されるので、第1の接続プレートから出力される電流を回路基板に直接入力することができ、それによりインバータの電流入力経路の長さを効果的に短縮し、インバータの電流入力に対して環境によって引き起こされる干渉を低減することができる。
【0009】
一実施態様では、第1の方向はインバータの厚さ方向であり、第2の方向はインバータの幅方向である。
【0010】
一実施態様では、第1の接続プレートの回路基板上の正投影が回路基板の外側に位置してもよく、接続部品を用いて第1の接続プレートを回路基板に接続してもよい。
【0011】
一実施態様では、第1の接続プレートは第1の導電性コアの端部を引き伸ばすことによって形成され、これにより準備コストを節約することができる。一実施態様では、第1の導電性コアは、一体加工又は一体射出成形によって形成される。
【0012】
第1のハウジングは、ネジを用いて、溶接等によってハウジングに固定される。一実施態様では、第1のハウジングはハウジングの内側まで延びており、第1のハウジングはネジナットを用いてハウジングに固定される。第1のハウジングは、第1の導電性コアの部分であってハウジングの外側に位置する部分を包み、第1の導電性コアは、第1のハウジングに固定されることによってハウジングに固定される。
【0013】
市場にある既存のMC4コネクタ又は模倣MC4コネクタは、着脱可能に接続された雄型接続部品及び雌型接続部品を含む。雄型接続部品の端部であって雌型接続部品から離れる側の端部が回路基板に接続され、雌型接続部品の端部であって雄型接続部品から離れる側の端部が太陽光発電モジュールに接続される。あるいはまた、雌型接続部品の端部であって雄型接続部品から離れる側の端部が回路基板に接続され、雄型接続部品の端部であって雌型接続部品から離れる側の端部が太陽光発電モジュールに接続される。一実施態様では、市場にある既存の雄型接続部品又は雌型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにし、第1のコネクタを製造する。
【0014】
従来技術では、MC4コネクタ又は模倣MC4コネクタは、ケーブルを介して回路基板に直接接続される。インバータの内部スペースが限られているため、ケーブルの曲げ半径が規格を満たさず、インバータの内部ケーブルが乱雑になり、インバータの設置が困難になり、設置効率が低下し、不適切な接続の問題が発生する。インバータが複数の太陽光発電モジュールの複数のMC4又は模倣MC4コネクタに接続される場合に、MC4又は模倣MC4コネクタを回路基板に接続するためにインバータ内部でより多くのケーブルが必要になるため、インバータ内部のケーブルが乱雑になり、インバータの設置がより困難になる。また、ケーブルの両端は、回路基板及びMC4コネクタにそれぞれ接続するためのOT端子を必要とするため、ループ全体の接触抵抗及び発熱が高くなり、インバータ全体の効率が低下する。
【0015】
しかしながら、本願では、第1のコネクタの第1の接続プレートは平坦な構造として配置され、第1の接続プレートは回路基板に直接接続することができる。一態様では、第1のコネクタと回路基板との間の接続がより簡便になり、インバータの設置がより簡素でより効率的になる。別の態様では、第1のコネクタはケーブルなしで回路基板に接続されるため、第1のコネクタと回路基板との間の接触抵抗及び発熱が低減され、インバータの作業効率が向上する。さらに、加工、輸送、及び組立工程において第1のコネクタと回路基板との間の接触不良の影響を低減することができ、第1のコネクタと回路基板との間の長期接続によって引き起こされる過度の発熱又はさらに火災のリスクが低減される。さらに別の態様では、第1の接続プレートと回路基板との間の距離が短縮されるため、第1の接続プレートと回路基板との間の接続ジョイントのスペースが節約され、インバータのスペース利用率及び電力密度が向上し、太陽光発電入力経路の長さが効果的に短縮され、太陽光発電入力に対して環境によって引き起こされる干渉が低減される。
【0016】
可能な実施態様では、開口部が第1の接続プレートに配置され、インバータは固定部材をさらに含み、固定部材は、開口部を通過して回路基板に固定され、第1の接続プレートを回路基板に固定する。開口部は、第1の接続プレートと回路基板との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。
【0017】
一実施態様では、開口部の形状は、丸孔、楕円孔、四角孔、U字型ノッチ、又は他の任意の適切な形状であってもよい。一実施態様では、固定部材は、ネジ、スナップフィット等であってもよい。一実施態様では、開口部の形状は丸孔であり、固定部材は対応するネジボルト及びネジナットであり、回路基板を貫通する孔が回路基板に配置される。ネジボルトは、開口部、孔、及びネジナットを順に通過して、第1の接続プレートを回路基板に固定する。
【0018】
可能な実施態様では、接続端子が回路基板に配置され、第1の接続プレート、接続端子、及び回路基板は、第1の方向に順に積み重ねられ、第1の方向は回路基板に対して直交しており、接続端子は、回路基板に固定され且つ回路基板に電気的に接続され、細孔チャネルが接続端子に配置され、開口部が第1の接続プレートに配置される。インバータは固定部材をさらに含み、固定部材は、第1の方向に開口部を通過し且つ細孔チャネル内に延びており、第1の接続プレートを接続端子に固定する。接続端子は、第1の接続プレートと回路基板との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。一実施態様では、ネジ山が細孔チャネルに配置され、固定部材はネジであり、ネジ及びネジ山が互いに協働することで、第1の接続プレートを接続端子にさらに確実に固定することができる。
【0019】
一実施態様では、ソケットが回路基板に配置され、ソケットは回路基板に電気的に接続され、第1の接続プレートは、ソケットに挿入され且つソケットに電気的に接続され、さらに、第1の接続プレートは回路基板に電気的に接続される。ソケットの内部構造は限定しないが、第1の接続プレートをソケットに挿入される限り、第1の接続プレートは、ソケットに固定され且つソケットに電気的に接続することができる。
【0020】
可能な実施態様では、第1の導電性コアは、第1の導電性コア本体及び第1の接続プレートを含み、第1の導電性コア本体はハウジングの外側及び内側を通過し、第1の接続プレートは第1の導電性コア本体の端部に位置しており、第1の接続プレートの延長方向は第1の導電性コア本体の延長方向と同じであり、第1の導電性コアの加工を容易にする。
【0021】
可能な実施態様では、第1の導電性コアは、第1の導電性コア本体及び第1の接続プレートを含み、第1の導電性コア本体はハウジングの外側及び内側を通過し、第1の接続プレートは第1の導電性コア本体の端部に位置しており、第1の接続プレートの延長方向が第1の導電性コア本体の延長方向と交差し、それによって第1の導電性コアは、複数の設置環境に適応することができる。一実施態様では、第1の接続プレートは直線状であり、第1の接続プレートと第1の導電性コア本体との間の挟角が、0°より大きく180°より小さい。一実施態様では、第1の接続プレートは円弧状である。
【0022】
可能な実施態様では、第1の導電性コアは、第1の接続セクションをさらに含み、第1の接続セクションは、第1の導電性コア本体と第1の接続プレートとの間に位置しており、第1の接続セクションの延長方向が、第1の導電性コア本体の延長方向と第1の接続プレートの延長方向との両方と交差し、それによって第1の導電性コアは、複数の設置環境に適応することができる。一実施態様では、第1の接続セクションと第1の導電性コア本体との間の挟角が、0°より大きく180°より小さく、第1の接続セクションと第1の接続プレートとの間の挟角が、0°より大きく180°より小さく、第1の導電性コアは「Z」字型である。
【0023】
一実施態様では、インバータは2つの第1のコネクタを含む。一方の第1のコネクタの第1の導電性コアは「Z」字型であり、他方の第1のコネクタの第1の導電性コアは直線形であり、2つの第1のコネクタの第1の導電性コアは互い違いに配置されており、これにより、インバータのスペースを節約することができる。
【0024】
可能な実施態様では、第1のコネクタは絶縁部をさらに含み、絶縁部は、第1の接続セクションの外面を覆い、第1の接続セクションを外部環境から絶縁及び隔離し、それにより第1の接続セクションで発生する短絡のリスクを低減する。
【0025】
可能な実施態様では、第1の導電性コア本体及び第1の接続プレートは一体構造であり、これにより第1の導電性コア本体と第1の接続プレートとの間の接続強度が向上し、第1のコネクタの耐用年数が長くなる。
【0026】
可能な実施態様では、インバータは温度センサをさらに含み、温度センサは、回路基板上に位置しており且つ第1の接続プレートの周辺側に位置しており、温度センサは第1の接続プレートの温度を監視するように構成される。温度センサは、サーミスタ、又は熱電対等であってもよく、第1の接続プレートの温度を監視するように構成され、不適切な設置によって引き起こされる接触不良によりインバータが加熱したり、さらには発火したりするのを防止する。一実施態様では、温度センサは、第1の接続プレートが接続端子に接続される位置の周辺側に位置している。
【0027】
可能な実施態様では、インバータは第2のコネクタをさらに含む。第2のコネクタは第2のハウジング及び第2の導電性コアを含み、第2のハウジングはハウジングの外側に固定され、第2の導電性コアは、第2のハウジング内に位置しており且つハウジングの内側に延びており、第2の導電性コアはハウジングの内側に位置する第2の接続プレートを含み、第2の接続プレートは平坦な構造であり、第2の接続プレートは、回路基板に固定され且つインバータ回路の負極端に電気的に接続され、第2の接続プレートの回路基板上の正投影の少なくとも一部が回路基板上に位置しており、第1の接続プレートはインバータ回路の正極端に電気的に接続される。
【0028】
インバータ回路の負極端は、インバータ回路の端部であって太陽光発電モジュールの負極端に接続される端部であり、インバータ回路の正極端は、インバータ回路の端部であって太陽光発電モジュールの正極端に接続される端部であり、インバータ回路及び太陽光発電モジュールはループを形成する。電流が太陽光発電モジュールの正極端からインバータ回路の正極端に流れ、第1のコネクタは太陽光発電モジュールの正極端と回路基板のインバータ回路の正極端との間に位置しており、第2のコネクタは、太陽光発電モジュールの負極端と回路基板のインバータ回路の負極端との間に位置する。
【0029】
一実施態様では、市場にある既存の雄型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにして、第1のコネクタを製造する。市場にある既存の雌型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにして、第2のコネクタを製造する。一実施態様では、市場にある既存の雌型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにして、第1のコネクタを製造する。市場にある既存の雄型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにして、第2のコネクタを製造する。市場にある既存の雄型接続部品及び雌型接続部品に基づいて、第1のコネクタ及び第2のコネクタを直接且つ簡素な加工によって得られるため、第1のコネクタ及び第2のコネクタの製造工程がより簡素になり、製造コストが節約される。
【0030】
一実施態様では、開口部が第2の接続プレートに配置され、インバータは固定部材をさらに含み、固定部材は、開口部を通過して回路基板に固定され、第2の接続プレートを回路基板に固定する。開口部は、第2の接続プレートと回路基板との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。
【0031】
可能な実施態様では、第1の接続プレートの回路基板上の正投影が、第2の接続プレートの回路基板上の正投影と重ならないようにし、第1の接続プレート及び第2の接続プレートが互い違いに配置されており、これにより、第1のコネクタ及び第2のコネクタを回路基板上に設置し易くなり、回路基板上の設置スペースを節約し、複数のコネクタを可能な限り密集して配置することができる。
【0032】
一実施態様では、第1の接続プレート及び第2の接続プレートは、第1の方向において回路基板の同じ側に位置する。一実施態様では、第1の接続プレート及び第2の接続プレートは、それぞれ第1の方向における回路基板の両面に位置する。一実施態様では、第1の接続プレート及び第2の接続プレートは、第1の方向における回路基板の両面に位置しており、第1の接続プレートの回路基板上の正投影は、第2の接続プレートの回路基板上の正投影と少なくとも部分的に重なり合う。
【0033】
可能な実施態様では、インバータは固定ベースをさらに含む。固定ベースは回路基板に位置しており、固定溝が固定ベースに配置され、接続ピースが固定溝に配置され、接続ピースの一端が回路基板に接続され、接続ピースの他端が、第2の接続プレートに固定され且つ電気的に接続され、固定ベースは、複数の第1のコネクタ及び複数の第2のコネクタと回路基板との間の接続の安定性を向上させ、インバータの設置及び配線接続を容易にするように構成される。
【0034】
一実施態様では、第1の方向における固定ベースの高さが、第1の方向における接続端子の高さよりも高い。一実施態様では、第2のコネクタは、固定ベースに直接電気的に接続され、第1のコネクタは、接続ピースを用いて固定ベースに電気的に接続される。第1の方向における固定ベースの高さが、第1の方向における接続端子の高さよりも高く、それによって第1のコネクタ及び第2のコネクタが第1の方向において互い違いに配置される。これは、回路基板上の設置スペースを節約するのに役立つ。
【0035】
一実施態様では、第1のコネクタの一部が固定ベースに直接電気的に接続され、第1のコネクタの他の部分が接続ピースを用いて固定ベースに電気的に接続される。第2のコネクタの一部が固定ベースに直接電気的に接続され、第2のコネクタの他の部分が接続ピースを用いて固定ベースに電気的に接続される。
【0036】
可能な実施態様では、インバータは第3のコネクタをさらに含む。第3のコネクタは、第1のコネクタの端部であってインバータから離れる側の端部に位置しており、第3のコネクタは第3のハウジング及び第3の導電性コアを含み、第3のハウジングは第1のハウジングに固定され、第3の導電性コアは第1の導電性コアに電気的に接続され、第3のコネクタは、第1のコネクタに着脱可能に接続され、インバータの組立及び分解を容易にする。第3の導電性コアは、第3のハウジング内に位置しており、第3のハウジングの外側に第1のコネクタから離れる方向に延びており、第3の導電性コア及び第1の導電性コアは、第3のハウジングに電気的に接続されるか、又は第1のハウジングの内側に電気的に接続され、第3の導電性コアの部分であって第3のハウジングの外側に位置する部分が、ケーブルを介して太陽光発電モジュールに接続される。
【0037】
可能な実施態様では、インバータは第4のコネクタをさらに含む。第4のコネクタは、第2のコネクタの端部であってインバータから離れる側の端部に位置しており、第4のコネクタは、第4のハウジング及び第4の導電性コアを含み、第4のハウジングは第2のハウジングに固定され、第4の導電性コアは第2の導電性コアに電気的に接続される。第4の導電性コアは、第4のハウジング内に位置しており、且つ第4のハウジングの外側に第2のコネクタから離れる方向に延びており、第4の導電性コア及び第2の導電性コアは、第4のハウジングに電気的に接続されるか、又は第2のハウジングの内側に電気的に接続され、第4の導電性コアの部分であって第4のハウジングの外側に位置する部分は、ケーブルを介して太陽光発電モジュールに接続される。第4のコネクタ及び第2のコネクタが着脱可能に接続される設計は、太陽光発電システムの組立及び分解を容易にする。
【0038】
本願の一実施態様はインバータをさらに提供する。インバータは、ハウジング、第1のコネクタ、及びソケットを含み、回路基板はハウジングの内側に配置され、インバータ回路は回路基板に配置される。第1のコネクタは、第1のハウジング及び第1の導電性コアを含み、第1のハウジングはハウジングに固定され、第1の導電性コアは、第1のハウジング内に位置しており且つハウジングの内側に延びており、ソケットは、回路基板に位置しており且つ回路基板に電気的に接続され、第1の導電性コアの端部であってハウジングの内側に位置する端部が、ソケットに挿入され且つソケットに固定され、ソケットは、第1の導電性コアを回路基板に接続して、第1の導電性コアと回路基板との間の距離を短縮する。
【0039】
第1の導電性コアの端部であって第1の接続プレートから離れる側の端部が、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、第1の導電性コアは、第1の接続プレートを用いて、太陽光発電モジュールによって生成した直流をインバータ回路に伝送するように構成され、インバータ回路は直流を交流に変換する。
【0040】
一実施態様では、第1の導電性コアの端部であってソケットに接続された端部の形状が、ソケットに適合する。第1の導電性コアの端部であってソケットに接続された端部は、平坦な構造である。別の実施態様では、第1の導電性コアの端部であってソケットに接続された端部は、円筒形、円形、又は3次元の柱状等であり、ソケットの内部構造が、第1の導電性コアの形状に適合し、それによって第1の導電性コアがソケットに電気的に接続される。
【0041】
第2の態様によれば、本願の実施形態は太陽光発電システムを提供する。太陽光発電システムは、太陽光発電モジュールと、上記のいずれか1つに記載のインバータとを含み、太陽光発電モジュールは、第1のコネクタの端部であって回路基板から離れる側の端部に電気的に接続され、太陽光発電モジュールで発生した直流電流は、第1の接続プレートを用いてインバータ回路に伝送される。
【0042】
フィルタ回路及び測定回路を回路基板にさらに配置してもよい。フィルタ回路及び測定回路により、太陽光発電モジュールの直流電流に対してフィルタリング及び測定処理を行った後に、インバータ回路を用いて、太陽光発電モジュールの直流電流が交流電流として出力される。太陽光発電モジュールは正極端及び負極端を含む。太陽光発電モジュールの内部では、電流が太陽光発電モジュールの負極端から太陽光発電モジュールの正極端に流れ、太陽光発電モジュールの正極端と負極端との両方は回路基板に接続される。一実施態様では、第1のコネクタは、太陽光発電モジュールの正極端と回路基板との間に配置される。一実施態様では、インバータは第2のコネクタをさらに含み、第2のコネクタは、太陽光発電モジュールの負極端と回路基板との間に接続される。太陽光発電モジュールは少なくとも1つの太陽光発電パネルを含み、太陽光発電パネルは回路基板に接続される。一実施態様では、太陽光発電モジュールは、直列に接続された複数の太陽光発電パネルを含み、複数の太陽光発電パネルの直流電流が、直列接続方式で収束され(converge:集められ)、その後、第1のコネクタを用いて回路基板内のインバータ回路に接続される。
【0043】
一実施態様では、第1のコネクタは、代わりに、太陽光発電モジュールの負極端と回路基板との間に配置してもよい。一実施態様では、インバータは2つの第1のコネクタを含む。一方の第1のコネクタが、回路基板の正極端に接続されるように構成され、他方の第1のコネクタが、回路基板の負極端に接続されるように構成される。換言すれば、第1のコネクタは、太陽光発電モジュールの正極端と回路基板との間、及び太陽光発電モジュールの負極端と回路基板との間に配置され、太陽光発電モジュール及び第1のコネクタはケーブルを介して電気的に接続される。
【0044】
この応用では、第1のコネクタの第1の接続プレートが平坦な構造として配置され、第1の接続プレートは回路基板に直接接続される。一態様では、第1のコネクタと回路基板との間の接続がより簡便になり、インバータの設置がより簡素でより効率的になる。別の態様では、第1のコネクタはケーブルなしで回路基板に接続されるため、第1のコネクタと回路基板との間の接触抵抗及び発熱が低減され、インバータの作業効率が向上する。さらに、加工、輸送、及び組立工程において第1のコネクタと回路基板との間の接触不良の影響を低減することができ、第1のコネクタと回路基板との間の長期接続によって引き起こされる過度の発熱又はさらに火災のリスクも低減される。さらに別の態様では、第1の接続プレートと回路基板との間の距離が短縮されるため、第1の接続プレートと回路基板との間の接続ジョイントのスペースが節約され、インバータのスペース利用率及び電力密度が向上し、太陽光発電入力経路の長さが効果的に短縮され、太陽光発電入力に対して環境によって引き起こされる干渉が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、本願の実施形態の説明に使用する添付図面について説明する。
【
図1】本願の一実施態様による太陽光発電システムの構造の概略図である。
【
図2】本願の一実施態様によるインバータの構造の概略図である。
【
図3】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図4】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図5】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図6】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図7】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図8】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図9】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図10】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図11】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図12】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図13】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図14】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図15】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図16】本願の一実施態様による第1の導電性コアの構造の概略図である。
【
図17】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図18】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図19】本願の一実施態様によるインバータの部分構造の概略図である。
【
図20】本願の一実施態様によるインバータの構造の概略図である。
【
図21】本願の一実施態様によるインバータの分解図である。
【
図22】本願の一実施態様による第1のコネクタ及び第3のコネクタの構造の概略図である。
【
図23】本願の一実施態様による第2のコネクタ及び第4のコネクタの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本願の実施形態における添付図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決策について説明する。説明する実施形態は、本願の実施形態の全てではなく、単に一部であることは明らかである。
【0047】
本明細書において、「第1」、及び「第2」等の用語は、単に説明の目的で使用され、相対的な重要性の指標又は含意、或いは示した技術的特徴の量の暗黙的な指標として理解すべきではない。従って、「第1」又は「第2」によって限定される特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含み得る。本願の説明において、特に明記しない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0048】
さらに、本明細書において、「上部」及び「下部」等の位置を示す用語は、添付図面における構造の位置に対して規定される。これらの位置を示す用語は、相対的な説明及び明確化のために使用される相対的な概念であり、構造の位置の変化に従ってそれに応じて変化する可能性があることを理解されたい。
【0049】
理解を容易にするために、以下では、まず、本願の実施形態における英語の略語及び関連する技術用語について説明及び記載する。
【0050】
インバータ:インバータは、直流電流を定周波数定電圧交流電流又は周波数変調電圧調整交流電流に変換するコンバータである。この実施態様では、インバータの機能は、太陽電池パネル(太陽光発電(photovoltaic:光起電力)パネルとも呼ばれる)によって生成した直流電流を交流電流に変換することである。
【0051】
MC4コネクタ:MCはMulti-Contactの略であり、4は金属コアの直径を示す。Multi-Contactはスイスの会社である。MC4コネクタは、太陽光発電モジュール、コンバイナボックス、及びインバータ等の太陽光発電の重要なコンポーネントを接続するように構成される。
【0052】
図1は、本願の一実施態様による太陽光発電システム1の概略図である。太陽光発電システム1は、インバータ10及び太陽光発電モジュール20を含む。インバータ10は、ハウジング100及び第1のコネクタ200を含み、回路基板110がハウジング100の内側に配置され、インバータ回路(
図1には図示せず)が回路基板110に配置され、太陽光発電モジュール20は、第1のコネクタ200の端部であって回路基板110から離れる側の端部に電気的に接続される。回路基板110は、回路ブロック全体であってもよく、又は複数の回路サブ基板を含んでもよい。複数の回路サブ基板は、回路基板110に接合される。各回路サブ基板の機能は、必要に応じて設定され得、第1のコネクタ200は、回路サブ基板のうちの1つに接続され得る。
【0053】
インバータ回路は、太陽光発電モジュール20の直流電流を反転処理して直流電流を交流電流として出力するように構成される。フィルタ回路及び測定回路を回路基板110にさらに配置してもよい。フィルタ回路及び測定回路によって太陽光発電モジュール20の直流電流に対してフィルタリング及び測定処理を行った後に、太陽光発電モジュール20の直流電流はインバータ回路を用いて交流電流として出力される。太陽光発電モジュール20は、正極端及び負極端を含む。太陽光発電モジュール20の内部では、電流は太陽光発電モジュール20の負極端から太陽光発電モジュール20の正極端に流れ、太陽光発電モジュール20の正極端と負極端との両方が回路基板110に接続される。一実施態様では、第1のコネクタ200は、太陽光発電モジュール20の正極端と回路基板110との間に配置される。一実施態様では、インバータ10は第2のコネクタ400をさらに含み、第2のコネクタ400は、太陽光発電モジュール20の負極端と回路基板110との間に接続される。
【0054】
一実施態様では、第1のコネクタ200は、代わりに、太陽光発電モジュール20の負極端と回路基板110との間に配置してもよい。一実施態様では、インバータ10は2つの第1のコネクタ200を含む。一方の第1のコネクタ200が回路基板110の正極端に接続されるように構成され、他方の第1のコネクタ200が回路基板110の負極端に接続されるように構成される。換言すれば、第1のコネクタ200は、太陽光発電モジュール20の正極端と回路基板110との間、及び太陽光発電モジュール20の負極端と回路基板110との間に配置される。太陽光発電モジュール20は、ケーブルを介して第1のコネクタ200に電気的に接続してもよい。
【0055】
太陽光発電モジュール20は少なくとも1つの太陽光発電パネル21を含み、太陽光発電パネル21は回路基板110に接続される。一実施態様では、太陽光発電モジュール20は、直列に接続された複数の太陽光発電パネル21を含み、複数の太陽光発電パネル21の直流電流は、直列接続方式で収束され、その後、第1のコネクタ200を用いて回路基板110内のインバータ回路に接続される。
【0056】
図2及び
図3を参照されたい。
図2は、本願の一実施態様によるインバータ10の概略図である。
図3は、
図2のインバータ10の断面図である。インバータ10はハウジング100及び第1のコネクタ200を含み、回路基板110がハウジング100の内側に配置され、インバータ回路(図示せず)が回路基板110に配置される。第1のコネクタ200は、第1のハウジング210及び第1の導電性コア220を含み、第1のハウジング210はハウジング100に固定され、第1の導電性コア220は、第1のハウジング210内に位置しており且つハウジング100の内側に延びる。第1の導電性コア220は、ハウジング100の内側に位置する第1の接続プレート221を含み、第1の接続プレート221は平坦な構造であり、第1の接続プレート221は、回路基板110に固定され且つインバータ回路に電気的に接続される。第1の導電性コア220の端部であって第1の接続プレート221から離れる側の端部が、太陽光発電モジュール20に接続されるように構成され、第1の導電性コア220は、第1の接続プレート221を用いて、太陽光発電モジュール20によって生成した直流電流をインバータ回路に伝送するように構成され、インバータ回路は直流電流を交流電流に変換し、第1の接続プレート221の平坦な構造は、第1の接続プレート221を回路基板110に固定したときに、接続安定性及び電流伝送安定性を向上させるように構成される。
【0057】
第1のコネクタ200の第1のハウジング210は、第1の導電性コア220を保護するように構成され、且つ第1の導電性コア220をハウジング100に固定するように構成される。第1のコネクタ200の第1の導電性コア220は、電気を伝送し、太陽光発電モジュール20の直流電流を回路基板100のインバータ回路に伝送するように構成され、インバータ回路は、直流電流を交流電流に変換する。
【0058】
図4及び
図5を参照されたい。
図4は第1の導電性コア220の上面図であり、
図5は第1の導電性コア220の側面図である。この実施態様では、第1の導電性コア220は直線ストリップ形状であり、第1の導電性コア220の部分であって第1の接続プレート221から離れた部分が中空の円筒形状である。第1の接続プレート221は平坦な構造であり、これにより第1の接続プレート221と回路基板との接触面積が増大し、第1の接続プレート221を回路基板110に固定し易くなり、第1の接続プレート221と回路基板110との間の良好な電気的接続性が確保され、接続安定性及び電気伝送安定性を向上させることができる。一実施態様では、第1の接続プレート221は回路基板110に溶接される。第1の接続プレート221が平坦な構造であるため、第1の接続プレート221及び回路基板110のそれぞれの溶接面積が広くなり、それにより溶接の安定性が得られる。一実施態様では、第1の接続プレート221が位置する平面は、回路基板110の基板面と平行であり、それにより第1の接続プレート221と回路基板110との間の接続の安定性及び信頼性が向上する。
【0059】
可能な実施態様では、第1の接続プレート221及び回路基板110は、第1の方向Xに積み重ねられ、第1の接続プレート221の第1の方向Xにおける回路基板110上の正投影の少なくとも一部が、回路基板110上に位置する。この実施態様では、第1の接続プレート221及び回路基板110は、第1の方向Xに積み重ねられ、第1の接続プレート221の回路基板110上の正投影の少なくとも一部が、回路基板110上に位置する。この配置により、第1の接続プレート221及び回路基板110は、第2の方向Yにおいて部分的に交差して、第1の接続プレート221と回路基板110との間の距離を短縮することができ、第2の方向Yにおいて第1の接続プレート221を回路基板110に直接接続することができ、第2の方向Yにおいて回路基板110と第1の接続プレート221との間にケーブルを配置する必要がない。また、第1の接続プレート221と回路基板110との間の距離が短縮されるので、第1の接続プレート221から出力される電流を回路基板110に直接入力することができ、それによりインバータ10の電流入力経路の長さを効果的に短縮し、インバータ10の電流入力に対して環境によって引き起こされる干渉を低減することができる。
【0060】
第1の方向Xは第2の方向Yと交差する。この実施態様では、第1の方向Xはインバータ10の厚さ方向であり、第2の方向Yはインバータ10の幅方向であり、第1の方向Xは第2の方向Yに直交している。
【0061】
一実施態様では、第1の接続プレート221の回路基板110上の正投影は、回路基板110の外側に位置しており、第1の接続プレート221は、接続部品を用いて回路基板110に接続してもよい。
【0062】
一実施態様では、第1の接続プレート221は第1の導電性コア220の端部を引き伸ばすことによって形成され、これにより準備コストを節約することができる。一実施態様では、第1の導電性コア220は、一体加工又は一体射出成形によって形成される。
【0063】
第1のハウジング210は、ネジを用いて、又は溶接等によってハウジング100に固定される。
図10は、インバータ10における第1のコネクタ200及びこの第1のコネクタ200の周辺部分の拡大配置図である。この実施態様では、第1のハウジング210はハウジング100の内側まで延びており、第1のハウジング210は、ネジナット120を用いてハウジング100に固定される。第1のハウジング210は、第1の導電性コア220の部分であってハウジング100の外側に位置する部分を包み込んでおり、第1の導電性コア220は、第1のハウジング210に固定されることによりハウジング100に固定される。
【0064】
市場にある既存のMC4コネクタ又は模倣MC4コネクタは、着脱可能に接続される雄型接続部品及び雌型接続部品を含む。雄型接続部品の端部であって雌型接続部品から離れる側の端部が回路基板110に接続され、雌型接続部品の端部であって雄型接続部品から離れる側の端部が太陽光発電モジュール20に接続される。あるいはまた、雌型接続部品の端部であって雄型接続部品から離れる側の端部が回路基板110に接続され、雄型接続部品の端部であって雌型接続部品から離れる側の端部が太陽光発電モジュール20に接続される。一実施態様では、市場にある既存の雄型接続部品又は雌型接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにし、第1のコネクタ200を製造する。
【0065】
従来技術では、MC4コネクタ又は模倣MC4コネクタは、ケーブルを介して回路基板110に直接接続される。インバータ10の内部スペースが限られているため、ケーブルの曲げ半径が規格を満たさず、インバータ10の内部ケーブルが乱雑になり、これによりインバータ10の設置が困難となり、設置効率が低下し、接続不良の問題が生じる。特に、太陽光発電システム1が複数の太陽光発電モジュール20を有しており、インバータ10が複数の太陽光発電モジュール20の複数のMC4コネクタ又は模倣MC4コネクタに接続される場合に、インバータ10の内部でMC4コネクタ又は模倣MC4コネクタを回路基板110に接続するためにより多くのケーブルが必要となり、それによってインバータ10の内部のケーブルが乱雑になり、インバータ10の設置がより困難になる。また、ケーブルの両端が、回路基板及びMC4コネクタにそれぞれ接続するためのOT端子を必要とするため、ループ全体の接触抵抗及び発熱が高くなり、インバータ全体の効率が低下する。
【0066】
この応用では、第1のコネクタ200の第1の接続プレート221は平坦な構造として配置され、第1の接続プレート221は回路基板110に直接接続してもよい。一態様では、第1のコネクタ200と回路基板110との間の接続がより簡便になり、インバータ10の設置がより簡素でより効率的になる。別の態様では、第1のコネクタ200がケーブルなしで回路基板110に接続されるため、第1のコネクタ200と回路基板110との間の接触抵抗及び発熱が低減され、インバータ10の作業効率が向上する。さらに、加工、輸送、及び組立工程において第1のコネクタ200と回路基板110との間の接触不良の影響を低減することができ、第1のコネクタ200と回路基板110との間の長期接続によって引き起こされる過度の発熱又はさらに火災のリスクが低減される。さらに別の態様では、第1の接続プレート221と回路基板110との間の距離が短縮されるので、第1の接続プレート221と回路基板110との間の接続ジョイントにおけるスペースが節約され、インバータ10のスペース利用率及び電力密度が向上し、太陽光発電入力経路の長さが効果的に短縮され、太陽光発電入力に対して環境によって引き起こされる干渉が低減される。
【0067】
図4及び
図10を参照すると、可能な実施態様では、開口部222(
図4に示される)が第1の接続プレート221に配置され、インバータ10は、固定部材111(
図10に示される)をさらに含み、固定部材111は、開口部222を通過して回路基板110に固定され、第1の接続プレート221を回路基板110に固定する。開口部222は、第1の接続プレート221と回路基板110との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。
【0068】
一実施態様では、開口部222の形状は、丸孔(
図4に示される)、楕円孔(
図6に示される)、四角孔(
図7に示される)、U字型ノッチ(
図8及び
図9に示される)、又は他の任意の適切な形状であってもよい。一実施態様では、固定部材111は、ネジ、又はスナップフィット等であってもよい。
【0069】
図11を参照されたい。一実施態様では、開口部222の形状は丸孔であり、固定部材111は、対応するネジボルト1111及びネジナット1112であり、回路基板110を貫通する孔112が回路基板110に配置される。ネジボルト1111は、開口部222、孔112、及びネジナット1112を順に通過して、第1の接続プレート221を回路基板110に固定する。
【0070】
可能な実施態様では、接続端子113(
図10に示される)が回路基板110に配置され、第1の接続プレート221、接続端子113、及び回路基板110が順に積み重ねられ、接続端子113は第1の接続プレート221及び回路基板110に接続される。第1の接続プレート221、接続端子113、及び回路基板110は、第1の方向Xに順に積み重ねられ、第1の方向Xは回路基板110に対して直交しており、接続端子113は、回路基板110に固定され且つ回路基板110に電気的に接続され、細孔チャネル1131が接続端子113に配置され、開口部222が第1の接続プレート221に配置される。インバータ10は固定部材111をさらに含み、固定部材111は、第1の方向Xに開口部222を通過し且つ細孔チャネル1131内に延びており、第1の接続プレート221を接続端子113に固定する。接続端子113は、第1の接続プレート221と回路基板110との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。一実施態様では、ネジ山が細孔チャネル1131に配置され、固定部材111はネジであり、ネジ及びネジ山が互いに協働することにより、第1の接続プレート221を接続端子113にさらに確実に固定することができる。
【0071】
一実施態様では、ソケット114(
図12に示される)が回路基板110に配置され、ソケット114は回路基板110に電気的に接続され、第1の接続プレート221は、ソケット114に挿入され且つソケット114に電気的に接続され、さらに、第1の接続プレート221は回路基板110に電気的に接続される。ソケット114の内部構造は、
図12に示される構造に限定されず、第1の接続プレート221がソケット114に挿入される限り、第1の接続プレート221は、ソケット114に固定され且つソケット114に電気的に接続される。
【0072】
さらに
図4を参照されたい。可能な実施態様では、第1の導電性コア220は、第1の導電性コア本体223及び第1の接続プレート221を含み、第1の導電性コア本体223はハウジング100の外側及び内側を通過し、第1の接続プレート221は第1の導電性コア本体223の端部に位置しており、第1の接続プレート221の延長方向が第1の導電性コア本体223の延長方向と同じである。第1の導電性コア本体223の延長方向は第2の方向Yであり、第2の方向Yは第1の方向Xと交差する。この実施態様では、第2の方向Yは第1の方向Xと直交して交差する。第1の導電性コア220は直線状であり、加工し易い。
【0073】
さらに
図13を参照されたい。可能な実施態様では、第1の導電性コア220は、第1の導電性コア本体223及び第1の接続プレート221を含み、第1の導電性コア本体223はハウジング100の外側及び内側を通過し、第1の接続プレート221は第1の導電性コア本体223の端部に位置しており、第1の接続プレート221の延長方向は第1の導電性コア本体223の延長方向と交差する。一実施態様では、第1の接続プレート221は直線状であり、第1の接続プレート221と第1の導電性コア本体223との間の挟角が0°より大きく180°より小さいため、第1のコネクタ200は、異なる設置環境に適応することができる。一実施態様では、第1の接続プレート221は円弧状である。
【0074】
図14及び
図15を参照されたい。可能な実施態様では、第1の導電性コア220は第1の接続セクション224をさらに含み、第1の接続セクション224は、第1の導電性コア本体223と第1の接続プレート221との間に位置しており、第1の接続セクション224の延長方向が、第1の導電性コア本体223の延長方向と第1の接続プレート221の延長方向との両方と交差する。第1の接続セクション224と第1の導電性コア本体223との間の挟角が、0°より大きく180°より小さく、第1の接続セクション224と第1の接続プレート221との間の挟角が、0°より大きく180°より小さい。第1の導電性コア220は、「Z」字型であり、それによって第1のコネクタ200は、異なる設置環境に適応することができる。
【0075】
一実施態様では、第1の導電性コア220(a)は「Z」字型(
図16に示される)であり、第1の導電性コア220(b)は直線状であり、第1の導電性コア220(a)及び第1の導電性コア220(b)は互い違いに配置されており、これによりインバータ10のスペースを節約している。
【0076】
図14を参照されたい。可能な実施態様では、第1のコネクタ200は絶縁部230をさらに含み、絶縁部230は第1の接続セクション224の外面を覆う。第1の接続セクション224は第1の導電性コア220の設置柔軟性を向上させることができるが、第1の接続セクション224は、第1の導電性コア220の長さも増加させ、場合によっては、導電性部が第1の接続セクション224に落下すると、短絡が発生する可能性がある。第1の接続セクション224は、絶縁部230によって外部環境から絶縁及び隔離されるため、第1の接続セクション224で短絡が発生するリスクが低減され、第1のコネクタ200の安全性が向上する。
【0077】
可能な実施態様では、第1の導電性コア本体223及び第1の接続プレート221は、一体構造である。一体構造は、強度が高く、第1の導電性コア本体223と第1の接続プレート221との間の接続強度を高め、第1のコネクタ200の耐用年数を延ばす。
【0078】
可能な実施態様では、インバータ10は温度センサ300(
図10に示される)をさらに含み、温度センサ300は、回路基板110に位置しており且つ第1の接続プレート221の周辺側に位置している。温度センサは、サーミスタ、又は熱電対等であってもよく、第1の接続プレート221の温度を監視するように構成され、不適切な設置によって引き起こされる接触不良によりインバータ10が加熱したり、さらには発火したりするのを防ぐ。一実施態様では、温度センサ300は、第1の接続プレート221が接続端子113に接続される位置の周辺側に位置する。
【0079】
図2及び
図17を参照されたい。
図17は、第2のコネクタ400がハウジング100に設置された構造の概略図である。可能な実施態様では、インバータ10は第2のコネクタ400をさらに含む。第2のコネクタ400は、第2のハウジング410及び第2の導電性コア420を含み、第2のハウジング410はハウジング100の外側に固定され、第2の導電性コア420は、第2のハウジング410内に位置しており且つハウジング100の内側に延びており、第2の導電性コア420は、ハウジング100の内側に位置する第2の接続プレート421を含み、第2の接続プレート421は平坦な構造であり、第2の接続プレート421は、回路基板110に固定され且つインバータ回路の負極端に電気的に接続され、第2の接続プレート421の回路基板110上の正投影の少なくとも一部が、回路基板110に位置しており、第1の接続プレート221はインバータ回路の正極端に電気的に接続される。
【0080】
図1を参照すると、インバータ回路の負極端は、インバータ回路の端部であって太陽光発電モジュール20の負極端に接続された端部であり、インバータ回路の正極端は、インバータ回路の端部であって太陽光発電モジュール20の正極端に接続された端部であり、インバータ回路及び太陽光発電モジュール20はループを形成する。電流が、太陽光発電モジュール20の正極端からインバータ回路の正極端に流れ、第1のコネクタ200は、太陽光発電モジュール20の正極端と回路基板110のインバータ回路の正極端との間に位置しており、第2のコネクタ400は、太陽光発電モジュール20の負極端と回路基板110のインバータ回路の負極端との間に位置する。一実施態様では、市場にある既存の雄接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにし、第1のコネクタ200を製造する。市場にある既存の雌接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにし、第2のコネクタ400を製造する。一実施態様では、市場にある既存の雌接続部品の導電性コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電性コアの端部が平坦な構造になるようにし、第1のコネクタ200を製造する。市場にある既存の雌型接続部品の導電コアの端部に打ち抜き加工及び圧延加工等の加工を行って、導電コアの端部が平坦な構造になるようにし、第2のコネクタ400を製造する。市場にある既存の雄型接続部品及び雌型接続部品に基づいて、第1のコネクタ200及び第2のコネクタ400を直接且つ簡素に加工して得られるため、第1のコネクタ200及び第2のコネクタ400の製造工程がより簡素になり、製造コストが節約される。
【0081】
一実施態様では、開口部422が第2の接続プレート421に配置され、インバータ10は固定部材111(
図18に示される)をさらに含み、固定部材111は、開口部422を通過して回路基板110に固定され、第2の接続プレート421を回路基板110に固定する。開口部422は、第2の接続プレート421と回路基板110との間の接続がより簡素でより簡便になるように配置される。
【0082】
一実施態様では、第1の接続プレート221の回路基板110上の正投影は、第2の接続プレート421の回路基板110上の正投影(
図2に示される)と重ならない。第1の接続プレート221及び第2の接続プレート421は互い違いに配置されており、これにより、第1のコネクタ及び第2のコネクタを回路基板110に設置し易くなり、回路基板110上の設置スペースを節約し、複数のコネクタを可能な限り密集して配置することができる。
【0083】
一実施態様では、第1の接続プレート221及び第2の接続プレート421は、第1の方向Xにおける回路基板110の同じ側に位置する(
図2に示される)。
【0084】
一実施態様では、第1の接続プレート221及び第2の接続プレート421は、第1の方向Xにおける回路基板110の両側にそれぞれ配置される(
図19に示される)。一実施態様では、第1の接続プレート221及び第2の接続プレート421は、第1の方向Xにおける回路基板110の両側に位置しており、第1の接続プレート221の回路基板110上の正投影は、第2の接続プレート421の回路基板110上の正投影と少なくとも部分的に重なり合う。
【0085】
図20及び
図21を参照されたい。
図20は、本願の別の実施態様によるインバータの概略図である。
図21は、
図20のインバータの分解図である。可能な実施態様では、インバータ10は固定ベース500(
図21に示される)をさらに含む。固定ベース500は回路基板110に位置しており、固定溝510が固定ベース500内に配置され、接続ピース511は固定溝510内に配置され、接続ピース511の一端が回路基板110に接続され、接続ピース511の他端が、第2の接続プレート421に固定され且つ電気的に接続される。固定ベース500はハウジング100の内側に位置しており、固定ベース500は、回路基板110の側であって第1のコネクタ200に近い側に位置する。この実施態様では、第1のコネクタ200は固定ベース500に直接電気的に接続され、第2のコネクタ400は、接続ピース511を用いて固定ベース500に電気的に接続される。固定ベース500は、一態様では、複数の第1のコネクタ200及び複数の第2のコネクタ400が互いに固定されるように配置され、それにより複数の第1のコネクタ200と回路基板110との間、及び複数の第2のコネクタ400と回路基板110との間の接続安定性が向上し、別の態様では、配線が、固定ベース500を用いて合理的に計画及び配置され、これによりインバータ10の設置及び配線接続がより容易になる。接続ピース511は、第1のコネクタ200と比較して、第2のコネクタ400が第1の方向Xにおいて回路基板110から離れる方向に配置される、ように配置され、第2のコネクタ400及び第1のコネクタ200は互い違いの位置になる。これにより、回路基板110上の設置スペースを節約し、複数の第2のコネクタ400と第1のコネクタ200とを可能な限り密集して配置するのに役立つ。
【0086】
一実施態様では、第1の方向Xにおける固定ベース500の高さが、第1の方向Xにおける接続端子113の高さよりも大きい。一実施態様では、第2のコネクタ400は固定ベース500に直接電気的に接続され、第1のコネクタ200は、接続ピース511を用いて固定ベース500に電気的に接続される。第1の方向Xにおける固定ベース500の高さは、第1の方向Xにおける接続端子113の高さよりも大きいため、第1のコネクタ200及び第2のコネクタ400は、第1の方向Xに互い違いに配置される。これは、回路基板110上の設置スペースを節約するのに役立つ。
【0087】
一実施態様では、第1のコネクタ200の一部が固定ベース500に直接電気的に接続され、第1のコネクタ200の他の部分が、接続ピース511を用いて固定ベース500に電気的に接続される。第2のコネクタ400の一部が固定ベース500に直接電気的に接続され、第2のコネクタ400の他の部分が、接続ピース511を用いて固定ベース500に電気的に接続される。
【0088】
可能な実施態様では、インバータ10は、第3のコネクタ600(
図22に示される)をさらに含む。第3のコネクタ600は、第1のコネクタ200の端部であってインバータ10から離れる側の端部に位置しており、第3のコネクタ600は、第3のハウジング610及び第3の導電性コア620を含み、第3のハウジング610は第1のハウジング210に固定され、第3の導電性コア620は第1の導電性コア220に電気的に接続される。第3の導電性コア620は、第3のハウジング610内に位置しており、且つ第3のハウジング610の外側に第1のコネクタ200から離れる方向に延びており、第3の導電性コア620及び第1の導電性コア220は、第3のハウジング610に電気的に接続されるか、又は第1のハウジング210の内側に電気的に接続され、第3の導電性コア620の部分であって第3のハウジング610の外側に位置する部分が、ケーブルを介して太陽光発電モジュール20に接続される。第3のコネクタ600及び第1のコネクタ200が着脱可能に接続される設計により、太陽光発電モジュール20とインバータ10との間の組立及び分解が容易になる。
【0089】
可能な実施態様では、インバータ10は、第4のコネクタ700(
図23に示される)をさらに含む。第4のコネクタ700は、第2のコネクタ400の端部であってインバータ10から離れる側の端部に位置しており、第4のコネクタ700は、第4のハウジング710及び第4の導電性コア720を含み、第4のハウジング710は第2のハウジング410に固定され、第4の導電性コア720は第2の導電性コア420に電気的に接続される。第4の導電性コア720は、第4のハウジング710内に位置しており、且つ第4のハウジング710の外側に第2のコネクタ400から離れる方向に延びており、第4の導電性コア720及び第2の導電性コア420は、第4のハウジング710に電気的に接続されるか、又は第2のハウジング410の内側に電気的に接続され、第4の導電性コア720の部分であって第4のハウジング710の外側に位置する部分が、ケーブルを介して太陽光発電モジュール20に接続される。第4のコネクタ700及び第2のコネクタ400が着脱可能に接続される設計により、太陽光発電システム1の組立及び分解が容易になる。
【0090】
さらに
図12を参照されたい。本願はインバータ10をさらに提供する。インバータ10は、ハウジング100、第1のコネクタ200、及びソケット114を含み、回路基板110はハウジング100の内側に配置され、インバータ回路は回路基板110内に配置される。第1のコネクタ200は、第1のハウジング210及び第1の導電性コア220を含み、第1のハウジング210はハウジング100に固定され、第1の導電性コア220は、第1のハウジング210内に位置しており且つハウジング100の内側に延びており、ソケット114は、回路基板110に位置しており且つ回路基板110に電気的に接続され、第1の導電性コア220の端部であってハウジング100の内側に位置する端部が、ソケット114に挿入され且つソケット114に固定され、第1の導電性コア220と回路基板110との間の距離を短縮する。第1の導電性コア220の端部であって第1の接続プレート221から離れる側の端部が、太陽光発電モジュール20に接続されるように構成され、第1の導電性コア220は、第1の接続プレート221を用いて、太陽光発電モジュール20によって生成した直流電流をインバータ回路に伝送するように構成され、インバータ回路は、直流電流を交流電流に変換する。
【0091】
一実施態様では、第1の導電性コア220の端部であってソケット114に接続される端部の形状は、ソケット114に適合する。
図12では、第1の導電性コア220の端部であってソケット114に接続される端部が、平坦な構造である。別の実施態様では、第1の導電性コア220の端部であってソケット114に接続される端部は、円筒形、円形、又は3次元柱状等であり、ソケット114の内部構造は第1の導電性コア220の形状に適合し、それによって第1の導電性コア220はソケット114に電気的に接続される。
【0092】
本願の実施形態で提供するインバータ及び太陽光発電システムは、上記で詳細に説明した。本願の原理及び実施形態は、本明細書において具体的な例を通して説明した。実施形態に関する説明は、本願の方法及び核心的なアイデアを理解するのに役立つためにのみ提供される。さらに、当業者は、本願のアイデアに基づいて、特定の実施形態及び適用範囲に関して本願に変形及び修正を加えることができる。従って、本明細書の内容は、本願に対する制限として解釈してはならない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータであって、当該インバータは、
ハウジングであって、回路基板が前記ハウジングの内側に配置され、インバータ回路が前記回路基板内に配置される、前記ハウジングと、
第1のハウジング及び第1の導電性コアを含む第1のコネクタと、を含み、
前記第1のハウジングは前記ハウジングに固定され、前記第1の導電性コアは、前記第1のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの前記内側に延びており、前記第1の導電性コアは前記ハウジングの前記内側に位置する第1の接続プレート
及び第1の導電性コア本体を含み、該
第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートは一体構造であり、前記第1の接続プレートは平坦な構造であり、
前記第1の接続プレート及び前記回路基板は積み重ねられ、
前記第1の接続プレートは、前記回路基板に固定され、且つ前記インバータ回路に電気的に接続され、前記第1の導電性コアの端部であって前記第1の接続プレートから離れる側の端部が、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、前記第1の導電性コアは、前記第1の接続プレートを用いて前記太陽光発電モジュールによって生成した直流を前記インバータ回路に伝送するように構成され、前記インバータ回路は前記直流を交流に変換
する、
インバータ。
【請求項2】
前記第1の接続プレートが位置する面が、前記回路基板の基板面に平行である、請求項1に記載のインバータ。
【請求項3】
開口部が前記第1の接続プレートに配置され、当該インバータは固定部材をさらに含み、該固定部材は、前記開口部を通過して前記回路基板に固定され、前記第1の接続プレートを前記回路基板に固定する、請求項1に記載のインバータ。
【請求項4】
接続端子が前記回路基板に配置され、前記第1の接続プレート、前記接続端子、及び前記回路基板は第1の方向に順に積み重ねられ、該第1の方向は前記回路基板に対して直交しており、前記接続端子は、前記回路基板に固定され、且つ該回路基板に電気的に接続され、細孔チャネルが前記接続端子に配置され、開口部が前記第1の接続プレートに配置され、当該インバータは固定部材をさらに含み、該固定部材は、前記第1の方向に前記開口部を通過し且つ前記細孔チャネル内に延びており、前記第1の接続プレートを前記接続端子に固定する、請求項1に記載のインバータ。
【請求項5】
前記第1の導電性コア本体は前記ハウジングの外側及び前記内側を通過し、前記第1の接続プレートは前記第1の導電性コア本体の端部に位置しており、前記第1の接続プレートの延長方向が、前記第1の導電性コア本体の延長方向と同じで
ある、請求項1に記載のインバータ。
【請求項6】
前記第1の導電性コアは第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートを含み、前記第1の導電性コア本体はハウジングの外側及び前記内側を通過し、前記第1の接続プレートは前記第1の導電性コア本体の端部に位置しており、前記第1の接続プレートの延長方向が前記第1の導電性コア本体の延長方向と交差
する、請求項1に記載のインバータ。
【請求項7】
前記第1の導電性コアは第1の接続セクションをさらに含み、該第1の接続セクションは前記第1の導電性コア本体と前記第1の接続プレートとの間に位置しており、前記第1の接続セクションの延長方向は、前記第1の導電性コア本体の前記延長方向と前記第1の接続プレートの前記延長方向との両方と交差
する、請求項5又は6に記載のインバータ。
【請求項8】
前記第1のコネクタは絶縁部をさらに含み、該絶縁部は、前記第1の接続セクションの外面を覆って
いる、請求項7に記載のインバータ。
【請求項9】
当該インバータは温度センサをさらに含み、該温度センサは、前記回路基板に位置しており、且つ前記第1の接続プレートの周辺側に位置しており、前記温度センサは前記第1の接続プレートの温度を監視するように構成される、請求項1に記載のインバータ。
【請求項10】
当該インバータは、固定ベースをさらに含み、該固定ベースは前記ハウジングの前記内側に位置しており、前記第1の接続プレートは前記固定ベースに接続される、請求項1に記載のインバータ。
【請求項11】
当該インバータは第2のコネクタをさらに含み、該第2のコネクタは第2のハウジング及び第2の導電性コアを含み、前記第2のハウジングは前記ハウジングの外側に固定され、前記第2の導電性コアは、前記第2のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの前記内側内に延びており、前記第2の導電性コアは前記ハウジングの前記内側に位置する第2の接続プレートを含み、該第2の接続プレートは平坦な構造であり、前記第2の接続プレートは、前記回路基板に固定され、且つ前記インバータ回路の負極端に電気的に接続され
、前記第1の接続プレートは前記インバータ回路の正極端に電気的に接続される、請求項1に記載のインバータ。
【請求項12】
前記第1の接続プレートの前記回路基板上の正投影が、前記第2の接続プレートの前記回路基板上の正投影と重ならず、前記第1の接続プレート及び前記第2の接続プレートは互い違いに配置される、請求項11に記載のインバータ。
【請求項13】
前記インバータは固定ベースをさらに含み、該固定ベースは前記
ハウジングの前記内側に位置しており、固定溝が前記固定ベースに配置され、接続ピースが前記固定溝に配置され、前記接続ピースの一端が前記回路基板に接続され、前記接続ピースの他端が前記第2の接続プレートに固定されて電気的に接続さ
れる、請求項11に記載のインバータ。
【請求項14】
当該インバータは第3のコネクタをさらに含み、該第3のコネクタは、前記第1のコネクタの端部であって当該インバータから離れる側の端部に位置しており、前記第3のコネクタは、第3のハウジング及び第3の導電性コアを含み、前記第3のハウジングは前記第1のハウジングに固定され、前記第3の導電性コアは前記第1の導電性コアに電気的に接続され、前記第3のコネクタは、前記第1のコネクタに着脱可能に接続さ
れる、請求項1に記載のインバータ。
【請求項15】
インバータであって、当該インバータは、
ハウジングであって、回路基板が前記ハウジングの内側に配置され、インバータ回路が前記回路基板内に配置される、前記ハウジングと、
第1のハウジング及び第1の導電性コアを含む第1のコネクタであって、前記第1のハウジングは前記ハウジングに固定され、前記第1の導電性コアは、前記第1のハウジング内に位置しており、且つ前記ハウジングの内側に延び
ており、前記第1の導電性コアは、前記ハウジングの前記内側に第1の導電性コア本体及び第1の接続プレートを含み、該第1の接続プレートは平坦な構造であり、前記第1の導電性コア本体及び前記第1の接続プレートは一体構造である、前記第1のコネクタと、
前記回路基板に位置しており、且つ該回路基板に電気的に接続されたソケットであって、前記第1の導電性コアの端部であって前記ハウジングの前記内側に位置する端部が、前記ソケットに挿入されて該ソケットに固定され、前記ソケットは、前記第1の導電性コアを前記回路基板に接続して、前記第1の導電性コアと前記回路基板との間の距離を短縮する、前記ソケットと、
前記第1の導電性コアの端部であって第1の接続プレートから離れる側の端部であって、該端部は、太陽光発電モジュールに接続するように構成され、前記第1の導電性コアは、前記第1の接続プレートを用いて前記太陽光発電モジュールによって生成した直流を前記インバータ回路に伝送するように構成され、前記インバータ回路は前記直流を交流に変換する、前記端部と、を含む、
インバータ。
【国際調査報告】