(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるシリンダ、磁石要素をシリンダに組み付けるかつ/または位置決めするシステムおよび光学的可変の画像要素を生成する機械
(51)【国際特許分類】
B41F 13/193 20060101AFI20250214BHJP
B41F 15/12 20060101ALI20250214BHJP
B41F 23/04 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B41F13/193
B41F15/12 B
B41F23/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024547886
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-02-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2022087514
(87)【国際公開番号】W WO2023198300
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】102022109035.3
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022109034.5
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390014188
【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Koenig-Str. 4, 97080 Wuerzburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ディーム
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル トニー
【テーマコード(参考)】
2C020
2C035
【Fターム(参考)】
2C020CB00
2C035AA11
(57)【要約】
基材(02)上のコーティング剤(06)中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるシリンダ(26)は、シリンダ(26)の外周の領域にマトリクス状にn×m(言葉でいうと、nかけるm;ここで、式(I))の数の磁界を提供する要素(24)、略して磁石要素(24)を備え、磁石要素(24)は、軸線平行に延びるn個の行内に、かつ周方向で延びるm個の列内に配置されており、有利な構成において、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素(24)は、互いに異なる、周方向でシリンダ(26)において互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体(37)上にまたは磁石要素保持体(37)内に配置されている。それぞれの磁石要素保持体(37)に相前後して配置される少なくとも2つの磁石要素(24)は、磁石要素(24)を担持する磁石要素保持体(37)に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。本発明は、さらに、磁石要素(24)を組み付けるかつ/または位置決めするシステム、および基材(02)上に光学的可変の画像要素(03)を生成する機械(01)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(02)上のコーティング剤(06)中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるシリンダ(26)であって、
前記シリンダ(26)の外周の領域にマトリクス状にn×m(言葉でいうと、nかけるm;ここで
【数1】
)の数の磁界を提供する要素(24)、略して磁石要素(24)を備え、前記磁石要素(24)は、軸線平行に延びるn個の行内に、かつ周方向で延びるm個の列内に配置されており、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素(24)は、互いに異なる、周方向で前記シリンダ(26)において互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体(37)上にまたは磁石要素保持体(37)内に配置されている、
シリンダ(26)において、
それぞれの前記磁石要素保持体(37)に相前後して配置される少なくとも2つの前記磁石要素(24)は、前記磁石要素(24)を担持する前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、
シリンダ(26)。
【請求項2】
複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素(24)は、それぞれの磁石要素保持体(37)上において、前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項3】
それぞれの前記磁石要素保持体(37)上で、周方向で調節可能な前記磁石要素(24)は、機械式の調節手段(91,92,94)を介して可動であり、かつ/または回転運動を直線運動に変換する伝動機構を有する調節手段(91,92,94)を介して周方向で調節可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシリンダ。
【請求項4】
前記磁石要素保持体(37)に周方向で可動に配置される前記磁石要素(24)の複数またはすべては、前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に軸方向でも調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のシリンダ。
【請求項5】
それぞれの前記磁石要素保持体(37)上で、軸方向で調節可能な前記磁石要素(24)は、機械式の調節手段(86,87,89)を介して可動であり、かつ/または回転運動を直線運動に変換する伝動機構を有する調節手段(86,87,89)を介して周方向で調節可能であることを特徴とする、請求項4に記載のシリンダ。
【請求項6】
回転運動を直線運動に変換する伝動機構として、偏心駆動部が含まれ、前記偏心駆動部は、偏心体(91;86)の回動運動を、前記偏心体(91;86)の偏心体外套側の作用面の、キャリッジ(92;87)であって、間接的または直接的に相互作用させられ、かつ直線可動に前記磁石要素保持体(37)内にまたは前記磁石要素保持体(37)に接して支持され、かつ前記磁石要素(24)を間接的または直接的に担持するキャリッジ(92;87)とのコンタクトを介して、周方向の直線運動に変換することを特徴とする、請求項3または5に記載のシリンダ。
【請求項7】
前記偏心体(91)の回動軸線が、前記シリンダ(26)に対して半径方向で延び、かつ/または前記偏心体(91)は、間接的または直接的に、外方に向いたシリンダ側からかつ/または工具により操作可能であることを特徴とする、請求項6に記載のシリンダ。
【請求項8】
周方向で可動に配置される磁石要素(24)を有する前記磁石要素保持体(37)の複数に、少なくとも1つの吸い込み要素(34)が割り当てられており、前記吸い込み要素(34)は、前記磁石要素保持体(37)および該当する前記磁石要素(24)とともに、1つの構成ユニット(36)にまとめられており、前記構成ユニット(36)自体は、すべての他のこの種の構成ユニット(36)とは独立して前記シリンダ(26)において周方向で位置決め可能かつ/または前記シリンダ(26)から解離可能であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のシリンダ。
【請求項9】
前記構成ユニット(36)が、シリンダ内部を向いた下側に、少なくとも1つの管路インタフェース(43)を有し、そして前記シリンダ(26)に含まれ、かつ前記構成ユニット(36)をその周上で間接的または直接的に担持するシリンダ内体(32)が、前記シリンダ内体(32)の外側に、複数の(46)を、吸い込み空気を導通するために有することを特徴とする、請求項8に記載のシリンダ。
【請求項10】
複数の構成ユニット(36)をその周上に受け、かつ前記シリンダ内体(32)により担持される担持要素(31)が、前記担持要素(31)の、前記シリンダ内部を向いた側に、前記シリンダ内体(32)上の管路インタフェース(46)と吸い込み空気を導通するために相互作用する複数の管路インタフェース(49)を有するとともに、外側に、構成ユニット(36)の管路インタフェース(43)と吸い込み空気を導通するために相互作用する複数の管路インタフェース(51)を有することを特徴とする、請求項9に記載のシリンダ。
【請求項11】
複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素保持体(37)、または磁石要素保持体(37)を有する構成群(36)は、それぞれ周方向で相前後して群として、前記シリンダ(26)内のまたは前記シリンダ(26)に接する軸方向の位置に関して変更可能な1つの共通の担持要素(31)上に配置されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のシリンダ。
【請求項12】
前記磁石要素保持体(37)、または前記磁石要素保持体(37)を有する前記構成ユニット(36)は、前記シリンダ(26)の軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素(72;73)を有し、前記クランプ要素(72;73)の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面(74;77)であって、リング状の前記担持要素(31)の両端面上に周方向で延び、かつ前記シリンダ(26)の内部に向けられ、かつ/または前記磁石要素保持体(37)の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在する前記クランプ要素(72;73)との相互作用により対抗作用するストッパ面(74;77)のそれぞれ1つに下方から係合することを特徴とする、請求項11に記載のシリンダ。
【請求項13】
基材(02)上のコーティング剤(06)中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるシリンダであって、
前記シリンダの外周の領域に、軸方向で見て、相並んでm個の、周方向で相前後して配置されるそれぞれn個の磁界を提供する要素(24)、略して磁石要素(24)を有する群を備え、1つの群の前記磁石要素(24)の少なくとも2つまたはすべては、直接的に、または前記磁石要素(24)を受けるホルダ(28)もしくは前記磁石要素(24)を担持する磁石要素保持体(37)を介して、シリンダ内体(32)上に配置される1つの共通のリング状の担持要素(31)に接してまたは担持要素(31)上に支持されており、前記担持要素(31)上で、周方向で位置決め可能である、
シリンダにおいて、
それぞれの前記磁石要素(24)に、前記磁石要素(24)のホルダ(28)もしくは磁石要素保持体(37)に、または前記磁石要素保持体(37)を有する構成ユニット(36)に、前記シリンダ(26)の軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素(72;73)が設けられており、前記クランプ要素(72;73)の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面(74;77)であって、リング状の前記担持要素(31)の両端面上に周方向で延び、かつ前記シリンダ(26)の内部に向けられ、かつ/または前記磁石要素(24)、前記ホルダ(27)もしくは前記磁石要素保持体(37)または前記構成ユニット(36)の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するそれぞれの前記クランプ要素(72;73)との相互作用により対抗作用するストッパ面(74;77)のそれぞれ1つに下方から係合することを特徴とする、
シリンダ。
【請求項14】
複数のまたはすべての群の、複数のまたはすべての磁石要素(24)は、それぞれの磁石要素保持体(37)を介して、該当する前記担持要素(31)上に配置され、それぞれの前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に軸方向および/または周方向で調節可能に前記磁石要素保持体(37)上に支持されていることを特徴とする、請求項10、11、12または13に記載のシリンダ。
【請求項15】
前記ストッパ面(74;77)は、前記担持要素(31)内に端面において周方向で延びる溝(76;78)の、前記シリンダ(26)の内部に向けられた面により形成されており、前記溝(76;78)内には、1アームもしくは2アームのかつ/またはばね付勢されたレバー(72;73)の形態で形成される前記クランプ要素(72;73)が、レバーアームの、クランプに関して作用する端部でもって係合することを特徴とする、請求項12、13または14に記載のシリンダ。
【請求項16】
前記クランプ要素(72;73)は、前記磁石要素(24)に、前記磁石要素(24)を担持するホルダ(28)にまたは前記磁石要素(24)を有する構成ユニット(36)に支持される軸線(81)回りに旋回可能な2アームのレバー(72;73)の形態で構成されており、前記2アームのレバー(72;73)の、シリンダ中心に対してより近くに位置するレバーアームは、前記ストッパ面(74;77)とクランプを形成するために相互作用する部分を有し、前記2アームのレバー(72;73)の、より外側に位置するレバーアームは、前記レバー(72;73)の操作に用いられることを特徴とする、請求項12、13、14または15に記載のシリンダ。
【請求項17】
前記クランプ要素(72;73)は、ばね要素(79)により、静止状態では、すなわち操作がなければ、クランプ位置に存在するように、前記担持要素(31)に対してばね付勢されていることを特徴とする、請求項12、13、14、15または16に記載のシリンダ。
【請求項18】
担持要素(31)に接してまたは担持要素(31)上に支持される磁石要素(24)の複数のまたはすべての群の、少なくとも2つのまたはすべての前記磁石要素(24)に、それぞれ、少なくとも1つの吸い込み要素(34)が割り当てられており、前記吸い込み要素(34)は、該当する前記磁石要素(24)とともに、1つの構成ユニット(36)にまとめられており、前記構成ユニット(36)自体は、すべての他のこの種の構成ユニット(36)とは独立して前記担持要素(31)において周方向で位置決め可能かつ/または前記シリンダ(26)から解離可能であることを特徴とする、請求項12、13、14、15、16または17に記載のシリンダ。
【請求項19】
前記構成ユニット(36)は、前記シリンダ内部を向いた下側に、少なくとも1つの管路インタフェース(43)を有し、かつ前記担持要素(31)は、前記担持要素(31)の外側に、構成ユニット(36)の管路インタフェース(43)と吸い込み空気を導通するために相互作用する複数の管路インタフェース(51)を有することを特徴とする、請求項9または18に記載のシリンダ。
【請求項20】
前記担持要素(31)の外周において、連続する2つの構成ユニット(36)間に位置し、前記構成ユニット(36)によりカバーされない管路インタフェース(51)内に、選択的に取り出し可能であるか、または閉塞位置から開通位置へもたらすことが可能な閉塞手段(58)が設けられていることを特徴とする、請求項19に記載のシリンダ。
【請求項21】
磁石要素(24)を有する、請求項1から20までのいずれか1項に記載のシリンダ(26)と、磁石要素(24)を前記シリンダ(26)に組み付けるかつ/または位置決めする装置(97)と、からなるシステムであって、
前記装置(97)は、組み付け補助手段(97)として、前記磁石要素(24)、または前記磁石要素(24)を担持する磁石要素保持体(37)上に載設可能であり、操作アーム(98)を有し、前記操作アーム(98)は、前記磁石要素(24)または前記磁石要素保持体(37)上に載設された状態で、該当する前記磁石要素(24)の両側に設けられたクランプ要素(72;73)と相互作用関係にもたらされることができ、前記操作アーム(98)を介して、両側の前記クランプ要素(72;73)と前記担持要素(31)との間に存在しているクランプ結合を、前記組み付け補助手段(97)に含まれ、前記操作アーム(98)に作用する駆動手段(102)の操作により解除することができる、
システム。
【請求項22】
前記操作アーム(98)は、前記駆動手段(102)により連続的に調節ストロークを介して、前記クランプ要素(72;73)が最高のクランプ力を前記担持要素(31)において発揮させるクランプ位置と、前記磁石要素(24)、または前記磁石要素(24)を担持する前記磁石要素保持体(37)が、前記担持要素(31)から取り外し可能である程に、クランプが解除されている位置と、の間で位置決め可能であることを特徴とする、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記駆動手段(102)は、セルフロック式の伝動機構および/またはねじ山式ドライブを有し、かつ/またはマニュアル式の操作インタフェース(103)を介して操作可能であることを特徴とする、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
前記操作アーム(98)は、前記駆動手段(102)により互いに近付くようにも、互いに離れるようにも可動であり、かつ/またはアクティブな状態では、間接的または直接的に、2アームのレバー(72,73)として形成される前記クランプ要素(72,73)の、半径方向でより外側に位置する前記レバーアームに作用するように配置されていることを特徴とする、請求項21、22または23に記載のシステム。
【請求項25】
基材(02)上に光学的可変の画像要素(03)を生成する機械(01)であって、
基材供給部(13)と、
少なくとも1つの印刷装置(04)であって、前記印刷装置(04)により、前記機械(01)を通した運搬路上を案内される基材(02)に、少なくとも第1の側で、マトリクス状にm個の列およびn個の行の割り付け面(09)を印刷するかつ/または印刷し得る印刷装置(04)と、
加工した基材(02)をまとめて束にすることが可能な製品受け部(22)と、
基材路内で印刷装置(04)と製品受け部(22)との間に設けられた、シリンダ(26)を有する磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付ける方向付け装置(07)と、
を備える、
機械(01)において、
前記シリンダ(26)は、請求項1から20までのいずれか1項に記載のシリンダ(26)にしたがい構成されていることを特徴とする、
機械(01)。
【請求項26】
前記印刷装置(04)および前記方向付け装置(07)、または印刷箇所(11)を前記印刷装置(04)の印刷装置シリンダ(14)とともに形成する少なくとも1つのインプレッションシリンダ(17)および前記磁石要素(24)を担持する前記シリンダ(26)は、構造上、光学的可変の画像要素(03)を生成する装置(16)にまとめられており、かつ/または一緒にモジュールの形態で形成されており、かつ/または1つの同じ架構に支持されていることを特徴とする、請求項25に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、13、21または25に記載の、基材上のコーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるシリンダ、磁石要素をシリンダに組み付けるかつ/または位置決めする装置を備えるシステム、および光学的可変の画像要素を生成する機械に関する。
【0002】
欧州特許第2114678号明細書により、スクリーン印刷ユニットと、印刷インキまたはニス中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付ける装置と、を備え、装置は、磁界を生じさせる要素を周に複数有するシリンダを有し、要素は、軸方向で調整可能な複数のサポートリング内に配置されている、印刷機械が公知である。サポートリングは、サポートリングの内周に複数の開口を有し、開口は、支持リングを担持する軸上の複数の開口と吸い込み空気を導通するために相互作用する。一実施例では、軸上の開口は、プラグ、例えば螺合可能な要素を介して選択的に閉塞可能である。サポートリングは、軸上に軸方向で位置決め可能であり、軸上に、周方向で作用する引っ張り力によりクランプ可能である。
【0003】
米国特許出願公開第2011/0168088号明細書は、磁性のフレークの配向用の装置に関し、一実施形態では、磁石がディスクの周上に配置されており、ディスクは、一軸線上に配置されており、別の分布を有するディスクと交換可能である。
【0004】
中国特許出願公開第103192591号明細書により、コーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付ける装置であって、シリンダを備え、シリンダは、シリンダの外周の領域にマトリクス状に配置される磁石要素を有する、装置が開示されている。この場合、軸方向で相並んで配置される磁石要素の、周方向で相前後して配置される群は、それぞれ、軸方向で延びる担持要素上に配置されており、かつ担持要素上において軸方向で可動である。軸方向の位置決め後、担持要素内の磁石要素は、該当する担持要素内の周方向で作用するねじによりクランプ可能である。担持要素は、周方向で位置決め可能である。軸方向で延びる担持要素は、端部側で、端面の、周方向で環囲する支持リングによりクランプされている。
【0005】
国際公開第2014/037221号は、複数のシリンダセクションを備える磁石シリンダであって、シリンダセクションは、シリンダセクションの周上に相前後して複数の磁石要素を有し、かつ磁石要素の両側に、吸い込み空気開口を有する環囲する領域を有する、磁石シリンダを開示している。この種のシリンダセクション間には、円柱状の周面を有する支持要素が設けられている。
【0006】
独国特許発明第112012006348号明細書は、離間した複数の担持リングを備える磁石シリンダであって、担持リングは、担持リングの軸方向の位置に関してシリンダ体上で調整可能である、磁石シリンダを開示している。これらの担持リングは、外周にリング溝を有し、リング溝には、周方向で相前後して磁石装置が装着可能であり、調節ねじの解除後、該当する担持リング上で、周方向で調整可能である。リング溝の底部内、およびその間に位置する肩部内には、吸い込み空気管路システムの開口が開いており、これらの開口を介して、シリンダ外套を形成する覆い金属薄板の吸い込み開口から吸い込み空気を吸引することができる。
【0007】
本発明の根底にある課題は、基材上のコーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるシリンダ、磁石要素をシリンダに組み付けるかつ/または位置決めする装置を備えるシステム、および光学的可変の画像要素を生成する機械を提供することである。
【0008】
上記課題は、本発明において請求項1、13、21または25の特徴により解決される。
【0009】
本発明の特徴により達成可能な利点は、特に、光学的可変の画像要素を作成する際の高い精度、および/または光学的可変の画像要素を提供するための適用範囲またはプロセス範囲内の高いフレキシビリティが、可能とされ得るまたは向上され得ることにある。
【0010】
基材上のコーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるシリンダの好適な一実施形態において、シリンダは、シリンダの外周の領域にマトリクス状にn×m(言葉でいうと、nかけるm;ここで
【数1】
)の数の磁界を提供する要素、略して磁石要素を備え、磁石要素は、軸線平行に延びるn個の行内に、かつ周方向で延びるm個の列内に配置されており、シリンダの特に有利な実施形態において、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素は、互いに異なる、周方向でシリンダにおいて互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体上にまたは磁石要素保持体内に配置されており、それぞれの磁石要素保持体に相前後して配置される少なくとも2つの磁石要素は、磁石要素を担持する磁石要素保持体に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。好ましくは、複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素は、それぞれの磁石要素保持体上において、磁石要素保持体に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。
【0011】
それに加えて、またはその代わりに、有利な実施形態において、1つの列または群の磁石要素の2つまたはすべては、直接的に、または磁石要素を受けるホルダもしくは磁石要素を担持する磁石要素保持体を介して、シリンダ内体上に配置される1つの共通のリング状の担持要素に接してまたは担持要素上に支持されており、担持要素上で、周方向で位置決め可能であり、それぞれの磁石要素に、磁石要素のホルダもしくは磁石要素保持体に、または磁石要素保持体を有する構成ユニットに、シリンダの軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素が設けられており、クランプ要素の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面であって、リング状の担持要素の両端面上に周方向で延び、かつシリンダの内部に向けられ、かつ/または磁石要素、ホルダもしくは磁石要素保持体または構成ユニットの半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するそれぞれのクランプ要素との相互作用により対抗作用するストッパ面のそれぞれ1つに下方から係合する。
【0012】
前述の両実施形態は、それぞれ単独で、しかし、特に組み合わせでも、周方向での個々の磁石要素の個別の調節を可能にし、1番目に挙げた解決手段の場合は、特に精密な、2番目に挙げた解決手段の場合は、特に簡単な、調整または場合によっては前調整が実施され得る。
【0013】
特に有利な一発展形態において、磁石要素の列の複数のそれぞれにおいて、相前後して配置される磁石要素の複数のそれぞれが、割り当てられた少なくとも1つの吸い込み要素とともに、作用ユニットとしてそれぞれの構成ユニットにおいてまとめられており、構成ユニット自体は全体として、かつそれぞれ、すべての他のこのような作用ユニットとは独立して周方向で位置決め可能かつ/またはシリンダから解離可能である。
【0014】
それに対して代替的または付加的な有利な一発展形態において、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つのまたはすべての磁石要素は、群として、1つの共通の担持要素に接してまたは担持要素上に支持されており、担持要素と一緒に、かつ隣接する列の磁石要素とは独立して、シリンダ内またはシリンダに接するその軸方向の位置に関して変更可能であり、特に有利な実施形態では、同じ列の少なくとも2つのまたはすべての磁石要素は、それぞれの磁石要素保持体に配置されており、磁石要素保持体自体は、互いに独立的に周方向で共通の担持要素において位置決め可能かつ/または担持要素から解離可能であり、同じ列の少なくとも2つのまたはすべての磁石要素は、それぞれの磁石要素保持体上において、磁石要素保持体に対して相対的に軸方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。
【0015】
特に有利なシステムは、磁石要素を備えるシリンダ、特に上述のシリンダと、磁石要素をシリンダに組み付けるかつ/または位置決めする装置と、からなり、装置は、組み付け補助手段として、磁石要素、または磁石要素を担持する磁石要素保持体上に載設可能であり、操作アームを有し、操作アームは、磁石要素または磁石要素保持体上に載設された状態で、該当する磁石要素の両側に設けられたクランプ要素と相互作用関係にもたらされることができ、操作アームを介して、両側のクランプ要素と担持要素との間の、存在しているクランプ結合を、組み付け補助手段に含まれ、操作アームに作用する駆動手段の操作により解除可能である。
【0016】
基材上に光学的可変の画像要素を生成する機械の特に有利な一実施形態は、基材供給部と、少なくとも1つの印刷装置であって、印刷装置により、機械を通した運搬路上を案内される基材に、少なくとも第1の側で、マトリクス状にm個の列およびn個の行の割り付け面を印刷するかつ/または印刷し得る印刷装置と、加工した基材をまとめて束にすることが可能な製品受け部と、基材路内で印刷装置と製品受け部との間に設けられた、シリンダを有する磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付ける方向付け装置と、を備え、シリンダは、好ましくは、上述のシリンダのうちの1つのシリンダの一実施形態または組み合わされた実施形態にしたがい形成されている。
【0017】
リング要素を固定するクランプ装置に関する複数の実施形態の組み合わせにおいても、かつ/または構成ユニットとしての一実施形態においても、かつ/または軸方向および/もしくは周方向での個々のもしくはすべての磁石要素の可動性によっても、かつ/または磁石要素もしくは構成ユニットをクランプするクランプ装置によっても、光学的可変の画像要素を扱う際の高い精度、および/または光学的可変の画像要素を提供するための適用範囲もしくはプロセス範囲内の高いフレキシビリティが、可能とされ得るまたは向上され得る。
【0018】
有利な一実施形態において、吸い込み空気を導通するそれぞれ少なくとも1つの管路インタフェースを下側に有する複数の構成ユニットが、シリンダ内体上に、またはシリンダ内体上に配置される共通の担持要素上に設けられており、シリンダ内体および/またはそれぞれの担持要素は、外方に向けられた側に、選択的に閉塞可能なフィードスルー、特に孔を有する多数の管路インタフェースを、吸い込み空気を導通するために有する。
【0019】
上述のシリンダの特に有利な一実施形態は、シリンダの外周の領域に、軸方向で見て、相並んで例えば4~8個の、周方向で相前後して配置されるそれぞれ例えば2~12個、特に5~10個の磁界を提供する要素、略して磁石要素を有する列または群を有する。
【0020】
軸方向は、ここでは、かつ以下では、特にこれと異なることを記載しない限り、シリンダ回動軸線に対して平行に延びる方向を指す。
【0021】
基本的には、上述の作用ユニットを有する実施形態によらないが、特に、これとの関連で有利なのは、方向付ける装置の有利な発展形態のうち、1つの同じ列内に相前後して設けられた磁石要素の少なくとも2つ、好ましくはすべてが、群として、1つの共通の担持要素に接してまたは担持要素上に支持されており、担持要素と一緒に、かつ隣接する列の磁石要素とは独立して、シリンダ内またはシリンダに接するその軸方向の位置に関して変更可能であり、該当する群の少なくとも2つのまたはすべての磁石要素は、互いに独立的に周方向で共通の担持要素において位置決め可能かつ/または担持要素から解離可能なそれぞれの磁石要素保持体に配置され、該当する磁石要素保持体上に軸方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている発展形態である。好ましくは、このことは、複数の、特にすべての列に当てはまる。
【0022】
基本的には、上述の作用ユニットを有する実施形態、および/または軸方向で位置決め可能な磁石要素を有する上述の実施形態によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、基材上のコーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付ける装置の有利な一発展形態は、シリンダを備え、シリンダは、シリンダの外周の領域にマトリクス状に例えばn×m、ここで
【数2】
の数の磁石要素を備え、磁石要素は、軸線平行に延びる行内に、かつ周方向で延びる列内に配置されており、1つの同じ列内に相前後して設けられた磁石要素の少なくとも2つ、好ましくはすべてが、互いに異なる、周方向でシリンダにおいて互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体上にまたは磁石要素保持体内に配置されており、それぞれの磁石要素保持体に配置される少なくとも2つのまたはすべての磁石要素は、それぞれの磁石要素を担持する磁石要素保持体に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。
【0023】
基本的には、上述の作用ユニットを備えるシリンダの実施形態、および/または軸方向で位置決め可能な磁石要素を備えるシリンダの上述の実施形態、および/または周方向で位置決め可能な磁石要素を備えるシリンダの上述の実施形態によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、シリンダの特に有利な一発展形態は、シリンダの外周の領域に、軸方向で見て、相並んでm個の、周方向で相前後して配置されるそれぞれ複数の磁石要素を有する群を備え、1つの群の、特に複数のまたはすべての群の、複数のまたはすべての磁石要素は、シリンダ内体上に配置される1つの共通のリング状の担持要素に接してまたは担持要素上に支持されており、担持要素上で、周方向で位置決め可能であり、磁石要素、磁石要素を受けるホルダ、または磁石要素を担持する磁石要素保持体は、シリンダの軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素を有し、クランプ要素の作用端部は、ストッパ面であって、組み付けられた状態でリング状の担持要素のそれぞれの端面上に周方向で延び、内方に向けられた、すなわちその面法線がシリンダ内部を向いた、かつ/または磁石要素もしくは磁石要素保持体の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するクランプ要素との相互作用により対抗作用するストッパ面に下方から係合する。
【0024】
特に被印刷物セクション上に光学的可変の画像要素を生成する機械、例えば有価証券印刷機械であって、特にシートフィーダとして構成される被印刷物供給部と、少なくとも1つの印刷装置、特にスクリーン印刷装置であって、印刷装置により、機械を通した運搬路上を案内される基材に、少なくとも第1の側で、マトリクス状に複数の列および複数の行の割り付け面を印刷するかつ/または印刷し得る印刷装置と、加工した基材をまとめて束にすることが可能な、特にパイルデリバリとして構成される製品受け部と、を備える機械は、好ましくは、被印刷物セクションの運搬路内で、印刷装置と製品受け部との間に、上述の実施形態または組み合わされた実施形態のシリンダを有する磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付ける装置を備えている。
【0025】
さらなる詳細および実施変化態様は、実施例に看取可能である。
【0026】
本発明の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】基材上に光学的可変の画像要素を生成する機械の一実施例を示す図である。
【
図2】印刷要素内で光学的可変のコーティング剤により印刷された基材の概略図であって、a)は、磁性のまたは磁化可能な粒子がまだ配向されていない状態、b)は、画像を付与する部分をここでは例示的に数字の「1」の形態に方向付けした後の状態を示す図である。
【
図3】印刷プロセスと、下流の方向付けプロセスと、の概略図であって、画像を付与する印刷装置シリンダと、磁石要素を備えるシリンダと、例示的に示す、追従端に向かって台形状に広がる基材シートとを含む図である。
【
図5】周方向で相前後して例示的に複数の磁石要素を装着した担持要素の単独図である。
【
図6】磁石要素を装着した、しかし、
図5のものと比べてスリムな構成の担持要素の断面図である。
【
図7】
図4に示すシリンダの縦断面図の抜粋図である。
【
図8】吸い込み空気開口を選択的に開けたり閉じたりする弁の一実施例を示す図である。
【
図9】磁石要素と吸い込み要素とを有する作用ユニットの、より簡素化された一実施例を示す図である。
【
図10】
図9に示す作用ユニットを上から見た、ただし、磁石およびハウジングなしに示す図である。
【
図11】磁石要素の軸方向の調節用の調節機構が看取可能な、磁石要素と吸い込み要素とを有する作用ユニットの一実施例の断面図である。
【
図12】周方向での磁石要素の調節用の調節機構が看取可能な、磁石要素と吸い込み要素とを有する作用ユニットの一実施例の断面図である。
【
図13】作用ユニットの取着もしくは取り外しおよび/または位置決め用の組み付け補助手段の斜視図である。
【
図14】
図13に示す組み付け補助手段が載設された、リング要素上に配置される作用ユニットの斜視図である。
【
図15】6つのリング要素を装着したシリンダ内体の斜視図である。
【
図16】シリンダ内体と、シリンダ内体上に配置されるリングセグメント状の担持要素と、担持要素上に配置される例示的に10個の作用ユニットと、を備えるシリンダの横断面図である。
【
図17】担持要素用の取り付け装置の拡大抜粋図である。
【
図18】担持要素用の取り付け装置の要部を示す抜粋図である。
【0028】
光学的可変の画像要素03を基材02、例えばウェブ状またはシート状の被印刷物02上に生成する機械01、例えば印刷機械01、特に有価証券印刷機械01は、光学的可変のコーティング剤06、例えば光学的可変の印刷インキ06またはニス06を基材02、例えば被印刷物02の少なくとも一方の第1の側の少なくとも1つの塗工箇所、例えば印刷箇所11に全面的にまたは部分領域において印刷画像要素08の形態で被着可能である塗工装置04、例えば印刷装置04と、基材02上に被着された光学的可変のコーティング剤06中に含まれていて光学的可変性を担う粒子Pを方向付ける装置07と、を備えている(例えば
図1参照)。この装置07は、以下では略して方向付け装置07とも称呼し、またはこの装置07が、粒子Pの規定された方向付けにより、光学的可変のパターンまたはモチーフのための画像付与を引き起こすため、画像を付与する方向付け装置07とも称呼する。被印刷物02上における粒子Pを含むコーティング剤06の塗工と、以前にランダムに配向された粒子Pの、続いての画像を付与する方向付けにより獲得された画像要素03とは、例えば
図2に概略的に数字の「1」の描写を基に示してある。
図2において、a)は、コーティング剤06が被着され、例えばまだランダムに配向されて存在している状態を示し、b)は、画像を付与する方向付けがなされた状態を示している。
【0029】
方向付け装置07により扱われる前に、塗工装置04により基材02上に被着される、可変のコーティング剤06からなる印刷画像要素08は、大きさおよび位置に関して、生成したい光学的可変の画像要素03に相当するか、または場合によっては、それよりも大きくてもよく、場合によってはそれどころか、複数の割り付け面09の面にまたがって延在していてもよい。より大きな印刷画像要素08の場合、例えば光学的可変のコーティング剤06がコーティングされた面全体で、方向付けにより、光学的可変の画像要素03が生成されるわけではない。
【0030】
光学的可変性を担う粒子Pとして、ここでは、コーティング剤06、例えば印刷インキ06またはニス06中に、磁性のまたは磁化可能な非球状の粒子P、例えば顔料粒子P(以下では略して磁性のフレークとも称呼する)が含まれている。
【0031】
機械01は、好ましくは、割り付け面09、例えば有価証券09、特に銀行券09の製造用に構成されている。この製造の下には、特に有価証券中間製品の製造、例えば複数の有価証券09の印刷画像を有する被印刷物02、特にウェブ状またはシート状の被印刷物セクション02、特に被印刷物シート02の形態の被印刷物02の製造も包摂されているものとする。基材02は、例えばセルロース繊維もしくは好ましくは木綿繊維をベースとするまたは少なくとも含む紙、プラスチックポリマーまたはこれらのハイブリッド製品により形成されていてもよい。基材02は、上述の塗工装置04内でのコーティング前にコーティングされずに存在していても、または既にコーティングされていても、印刷されていなくても、または既に1つもしくは複数の前置きされたプロセスで1回もしくは複数回印刷されていても、または別の方法で機械的に加工されていてもよい。ウェブ状の基材02の長手方向セクションにより形成されるか、またはシート状の基材02の1つのシートにより形成される1つの被印刷物セクション02上には、好ましくは、マトリクス状に複数の割り付け面09、例えば製造すべき銀行券09またはその印刷画像が、運搬方向Tに対して横方向で延びる複数の行内に相並んで配置され、かつ運搬方向Tで延びる複数の列内に相前後して配置されており、または基材02の加工経過内に配置されることが可能である(例えば
図2および
図3に略示)。
【0032】
印刷機械01として構成される機械01は、基本的には、任意の印刷法の1つまたは複数の印刷装置04を備えていることができる。ここに示す実施形態において、機械01は、しかし、簡明性のために1つの印刷装置04、特にフレキソ印刷法または好ましくはスクリーン印刷法によって作業する1つの印刷装置04を備え、印刷装置04により、光学的可変のコーティング剤06は、被印刷物02の第1の側に塗工される、または塗工され得る。上述の印刷法、特にスクリーン印刷法により、例えば、他の印刷法と比較して大きな層厚さのものが被着可能である。基材02または被印刷物02の「第1の側」なる表現は、ここでは恣意的に選択されており、ここでは被印刷物02の、下流で方向付け装置07により扱うべき光学的可変のコーティング剤06が塗工されている側もしくは塗工された側または塗工され得る側を称呼するものである。
【0033】
図示の好ましい実施形態において、印刷機械01は、基材供給部13、好ましくはシートフィーダ13として形成される基材供給部13を備え、基材供給部13により、例えばシート状の被印刷物02として形成される基材02は、場合によってはさらなる印刷ユニットまたは加工ユニットを介して、光学的可変のコーティング剤06を塗工する少なくとも1つの印刷装置04、例えばフレキソ印刷装置または好ましくはスクリーン印刷装置04に供給され、または供給されることができ、印刷装置04は、1つの印刷装置シリンダ14、特に版シリンダ14、例えばスクリーン印刷シリンダ14と、1つの共通のインプレッションシリンダ17と、の間で、被印刷物02の例えば第1の側を印刷する1つの印刷箇所11を形成している(例えば
図1参照)。
【0034】
好ましくは、印刷装置04は、画像を付与するシリンダとして版シリンダ14を有し、版シリンダ14は、画像を付与する多数の印刷要素18、特に同種のかつ/または同じ印刷要素18(以下では、印刷主体18とも称呼する)、または画像を付与する印刷要素18もしくは印刷主体18の群、特に同種のかつ/または同じ群を周に有し、印刷要素18もしくは印刷主体18は、印刷画像長さに相当する周長上に、運搬方向Tに対して横方向で互いに間隔を置いた複数の、例えば若干数の、例えば4~8つの、特に5~7つの、例えば6つの列をなして配置され、かつ印刷画像幅に相当するシリンダ幅上に、運搬方向Tで互いに間隔を置いた複数の行をなして配置されている。これらの印刷主体18は、フレキソ印刷によって作業する印刷装置04の場合であれば、凸版印刷レリーフの形態で形成され、好ましくはスクリーン印刷によって作業する印刷装置04の場合であれば、孔版印刷版の形態で形成されている。
【0035】
光学的可変のコーティング剤06を塗工する印刷装置04から、被印刷物02は、方向付け装置07に搬送手段、例えば運搬シリンダ12として形成される1つまたは複数の搬送装置12を介して供給可能である。ウェブ状の被印刷物02の場合、搬送手段は、強制駆動されるかつ/または駆動されない1つまたは複数の胴により形成されていることができる。
【0036】
下で詳細に説明する方向付け装置07の通走後、被印刷物02は、直接、またはさらなる搬送手段、例えばさらなる運搬シリンダを介して、さらなる、例えば第2の搬送装置21に供給可能であり、これにより、機械01内で処理および/または加工された被印刷物02を受ける製品受け部22に、シート状の被印刷物02の場合であればパイルデリバリ22に供給可能である。好ましくはシート状の被印刷物02の場合、ここでは、搬送手段として、シートを搬送する手段、例えば1つまたは複数のトランスファシリンダもしくはトランスファドラムが設けられているか、またはここで図示したように、例えばグリッパ循環コンベヤ21として形成される搬送装置21、特にチェーングリッパシステム21が設けられており、搬送装置21により、被印刷物シート02は、方向付け装置07の運搬路セクションから、場合によっては1つまたは複数のさらなる運搬シリンダを介して受け取られ、例えばパイルデリバリ22に供給される。
【0037】
方向付け装置07から出る運搬路には、被印刷物02の第1の側に向けられた1つまたは複数の乾燥機23、例えば放射乾燥機23を有する少なくとも1つの乾燥装置と、場合によっては、図示しない冷却装置、例えば冷却胴と、が設けられていてもよい。図示しない一発展形態では、方向付け装置07とパイルデリバリ22との間の運搬路上に、図示しない検査装置、例えばエリアカメラまたはラインカメラが設けられていてもよい。
【0038】
有利な一発展形態において、印刷装置04と、方向付け装置07とは、例えばモジュールの形態で、構造上、1つの、光学的可変の画像要素を生成する装置16にまとめられていてもよい。このような装置16は、例えば一発展形態では、複数相前後して機械01内に設けられていてもよい。モジュールの形態での有利な構成において、装置16は、入力側および出力側のインタフェースでもって、上流および下流に継続する搬送システムの対応するインタフェースに対して、着装したい機械01の運搬路内に挿入されている、または挿入可能である。
【0039】
以下に詳しく説明する方向付け装置07は、その実施形態、実施変化態様または設定に関して、確かに基本的には任意であるが、好ましくは、上述の機械01もしくは印刷機械01内に設けられている、または設けられ得る。
【0040】
光学的可変の画像要素03を形成する方向付け装置07、例えば、予め基材02、特に被印刷物02上に例えば印刷画像要素08の形態で被着された光学的可変のコーティング剤06内に光学的可変の効果を形成する方向付け装置07は、規定された運搬路を備え、この規定された運搬路に沿って、方向付け装置07を通して搬送すべき基材02は、その第1の側に光学的可変のコーティング剤06を有する扱うべき基材02が供給されるまたは供給可能である入口領域から、規定通りに、作用要素24として磁界を提供する要素24、略して磁石要素24を有する方向付け機構26と相互作用させられ、または相互作用させられることができ、この相互作用は、好ましくは、方向付け機構26の、画像を付与する方向付けに用いられる磁石要素24と、粒子Pを含む印刷インキ06が印刷された被印刷物02とが、少なくとも運搬路の一部セクション上で互いに同期的に動くようにして行われる。方向付け機構26は、ここでは、磁気的作用を奏するシリンダ26、略して磁石シリンダ26として形成されており、磁石シリンダ26は、周に磁石要素24のアッセンブリを有し、磁石シリンダ26を介して、被印刷物02は、方向付け装置07の入口領域から出口領域に向かって案内または搬送される。
【0041】
磁石要素24は、直接、1つもしくは複数のパーツからなる磁石27自体により形成されていてもよいし、または好ましくは、ホルダ28内にもしくはホルダ28に接して、例えば台座28上にもしくは台座28内に、好ましくは解離可能に配置されている1つもしくは複数の磁石27を有していてもよい。磁石27とは、ここでは一般に、持続的にまたは切り換え可能に少なくとも運搬路の上述の側に向けて(特に、ここで説明するように、その上を案内される基材02上にあるコーティング剤06中に含まれる粒子Pを方向付けるのに十分な強さの)磁界を生じさせる、磁気的作用を奏する装置と解すべきである。磁石27は、この場合、彫り込みありまたはなしの1つまたは複数の永久磁石により、電磁石により、または1つまたは複数の永久磁石および/もしくは1つまたは複数の電磁石の組み合わせにより形成されていてもよい。磁石27が、個々の磁石、例えば永久磁石および/もしくは電磁石であるか、または複数の磁石、例えば永久磁石および/もしくは電磁石からなる組み合わせであるかにかかわらず、以下では、磁石27なる表現の下、特に断りのない限り、1つの同じ磁石要素24に割り当てられ、その全体で1つの磁性のユニットを形成する複数の磁石27とも解すべきである。磁石要素24の下、磁石要素24に含まれ、互いに離間した1つまたは複数のパーツからなる複数の磁石27を有する構成も包摂されているものとし、このような磁石要素24は、例えば1つの同じ割り付け面09が、2つのそれぞれ異なる箇所でそれぞれの磁界にさらされるべき場合に使用可能である。その際、1つの同じ磁石要素24の、1つのこのような磁石27または複数の磁石27のアッセンブリは、磁石要素24のハウジング38内に収容されていることができ、ハウジング38は、例えばホルダ28から解離可能にホルダ28内にまたはホルダ28上に配置されている。
【0042】
運搬路内に、基本的には、2つのこの種の磁石シリンダ26が設けられていてもよく、2つの磁石シリンダ26は、運搬路に沿って搬送すべき基材02の同じ側に、またはしかし、それぞれ異なる側に配置されている。
【0043】
有利な実施形態において、方向付け装置07には、乾燥装置および/または硬化装置19、例えば放射乾燥機19、特にUV放射乾燥機19、略してUV乾燥機19が割り当てられており、乾燥装置および/または硬化装置19は、好ましくは、UV-LED-乾燥機19として構成されており、かつ/または運搬路内の、基材02が磁石シリンダ26と相互作用する箇所に向けられている。
【0044】
磁石シリンダ26は、搬送すべき基材02の運搬路内に、好ましくは、基材02の第2の側に配置されており、その結果、基材02は、基材02の第1の、特に上流においてインラインで光学的可変のコーティング剤06がコーティングされた側を、磁石シリンダ26を通過するとき、特に磁石シリンダ26を介して運搬するとき、外に向けている。
【0045】
磁石シリンダ26は、1つまたは好ましくは複数のパーツからなるシリンダ体29を備え、シリンダ体29に接してまたはシリンダ体29上には、磁石要素24が好ましくは解離可能に配置されている。1つまたは好ましくは複数のパーツからなるシリンダ体29は、回転可能に架構内に支持可能である、または支持されている。この場合、シリンダ体29なる概念は、閉じた構造、すなわち、程度の差こそあれ閉じたシリンダ外套面を有する構造も、開いた構造、すなわち、例えば
図4で説明する例のような骨組み状またはフレーム状の構造体も包含するものである。
【0046】
磁石シリンダ26は、基材路に面した側の領域、例えば外周の領域、特にシリンダ体29の外側の円柱状の包絡面の領域に、複数の磁石要素24を有し、磁石要素24は、通過する被印刷物02上に被着されたコーティング剤06の磁性のまたは磁化可能な粒子Pの少なくとも一部を配向させるために用いられる。
【0047】
特に、ここで好ましい、かつ説明する、基材セクション毎、例えば被印刷物シートまたは基材シート02毎に複数の割り付け面09がある場合、シリンダ体29には、軸方向で見て複数の、特に被印刷物セクション02上の列数に相当する数m
【数3】
の列または群が、それぞれ複数の、特に、扱うべき被印刷物セクション02上の割り付け面09の行数に相当する数n
【数4】
の、軸線平行に延びる行もしくは基材02の運搬方向Tおよび/またはシリンダ26の周方向で見て1つの列もしくは群内に相前後して配置される磁石要素24を含んで、設けられており、またはマトリクス状に配置されており、すなわち、外周にマトリクス状に、n×m、言葉でいうと、nかけるm;ここで
【数5】
(言葉でいうと、nおよびmは、1より大きい自然数の集合から選択される)の数の磁石要素24が設けられている。磁石要素24は、好ましくは、列または群毎に同じ数nの磁石要素24が周に設けられ、かつ軸線平行に延びる複数の行をなして配置されているように、かつ/または特に、磁石要素24が、基材02上に展開したときに、運搬方向Tでの基材位置とシリンダ角度位置との間の正しい見当を前提として、基材02上における磁界を印加すべき画像要素03のパターンに対応するように配置されている。行状または列状の配置には、磁石要素24が、場合によっては一部において、修正のためにまたは調整目的で、軸線平行な方向で僅かに互いにずらされている場合の、相応のグリッド状またはマトリクス状の配置も含まれると解すべきである。これらの列または群の、相前後して配置されるn個の磁石要素24は、周方向で、この場合、例えば少なくとも、円形の周線に沿って転がしたとき、仮に、場合によっては一部において、修正のためにまたは調整目的で、相互に僅かにずらされていても、少なくとも重畳し、かつ/または扱うべき基材02の1つの同じ列の割り付け面09内に位置することになるように、相前後して配置されている。軸線平行な配置に関し、相応のことが、場合によっては存在する周方向での僅かな相互の偏差について当てはまる。
【0048】
このように構成される磁石シリンダ26を介して基材02を案内し、このとき、例えば第1の基材側が、第1のシリンダ26を介した運搬時、外を向いていることにより、磁石要素24を用いた、割り付け面09上に設けられた画像要素03の領域内での粒子Pの方向付けまたは配向は、ここではつまり、例えば基材02を透過して引き起こされ得る。
【0049】
この場合、列もしくは群の数mは、例えば4~8、特に5~7、例えば6であり、かつ/または1つの列もしくは群の磁石要素24の数nは、例えば2~12、有利には5~10である。磁石シリンダ26、または磁石シリンダ26のシリンダ体29は、好ましくは、列もしくは群の数mおよび/または行の数もしくは1つの列もしくは群内に相前後して配置される磁石要素24の数nが、例えば上述の限度内で、磁石シリンダ26またはシリンダ体29を互いに異なる要求に適合させるために、変更可能であるように形成されている。
【0050】
好ましくは、磁石要素24は、好ましくは相応のホルダ28内にまたはホルダ28に接して、ホルダ28とともに、組み付けられた状態でシリンダ26の周の規定された場所に配置可能であり、かつ好ましくは完全にシリンダ26から除去可能であり、かつ/またはシリンダ26の周において軸方向および/または周方向で位置決め可能であるように、解離可能にシリンダ26に配置されている、または配置可能である。
【0051】
上述のマトリクス状の配置のために、磁石要素24は、シリンダ体29に接してまたはシリンダ体29内に、磁石要素24が、少なくとも磁石要素24の同じ列または群の他の磁石要素24に対して相対的に、1つまたは複数のパーツからなるシリンダ体29に対して相対的なその軸方向の位置に関して変更可能に、シリンダ体29に接してまたはシリンダ体29内に支持されているように、配置され、かつ支持されていることができる。このことは、例えばシリンダ体29の周に設けられた軸方向で延びるガイドを介して実現されていることができ、ガイド内でまたはガイド上で、該当する磁石要素24は、間接的または直接的に支持されており、様々な軸方向の位置へもたらされることができる。このようなガイドは、基本的には、1つの行の個々の磁石要素24のために個別に(例えば
図11に示す実施形態を参照)設けられていることができるが、場合によっては、1つの同じ行の複数のまたはすべての磁石要素24のために貫通して設けられていてもよい。この場合、ガイドは、同じ行のすべての磁石要素24を担持する上述の軸方向で延びる担持要素上に設けられていることができる。
【0052】
有利な一実施形態において、それぞれの行または好ましくはそれぞれの列の磁石要素24は、場合によっては、この行または列の、個々のまたはすべての磁石要素24の、下で詳しく説明する独立的な軸方向のかつ/または周方向で延びる位置決め可能性に対して付加的に、全体として、かつ隣接する行または列とは独立して、行の場合は、その周方向での位置に関して、かつここで説明する列の場合は、その軸方向の位置に関して、群として、磁石シリンダ26またはシリンダ体29において変更可能である。ここでは図示しない群としてまとめられた1つの行の場合、特に複数の磁石要素24、好ましくは、すべての行の磁石要素24は、それぞれ、例えば軸方向で延びる担持要素上に行状に、周方向で一緒に位置決め可能な群としてまとめられている。群としてまとめられた列の好ましい場合、特に複数の列、有利には、少なくとも、少なくとも3つの列のうちの端面に最も近い2つの列、有利には、すべての列は、群として、こうして軸方向で可動に磁石要素保持体29、特にシリンダ体29内に、または磁石要素保持体29、特にシリンダ体29に接して支持されている。
【0053】
群にまとめられた列の好ましい場合、磁石要素24は、間接的または直接的に、複数の、例えばm個(mは、例えば4~8、特に5~7、例えば6である)の、軸方向で互いに間隔を置いた、かつ好ましくは、上述の一部または好ましくはすべてが軸方向でシリンダ内体32、特に、軸方向で延びる軸32上で位置決め可能な、好ましくは、リング状の担持要素31、例えばここではリング要素31内に、またはそれに接して、配置されており、または配置可能であり、これらのリング要素31内には、またはこれらのリング要素31に接して、他方、それぞれ複数の、例えば2~12個、有利には5~10個の磁石要素24が、周方向で相前後して、かつ好ましくは、少なくとも一部またはすべてが周方向で位置決め可能に配置されている、または配置可能である(例えば
図4および
図5参照)。
【0054】
磁石シリンダ26は、ウェブ状の基材02の場合、基材02に作用するあらゆる保持手段なしに、例えば周方向で閉じたリング要素31を備えて構成されていてよい。ここで好ましいシート状の基材02の場合、シリンダ26の周に好ましくは保持手段33、例えばいわゆるグリッパバーのグリッパ33が設けられており、保持手段33により、シリンダ26を介して搬送すべき基材シート02の先行端がくわえられ、シリンダ26の回転中、角度範囲、特に回転角度範囲にわたって保持され得る、または保持される。このように構成される磁石シリンダ26は、同時に基材02の運搬に用いられる。リング要素31は、この場合、例えば
図4および
図5に看取可能であるように保持手段33を収容するために周方向で中断されている。それゆえ、ここでは、「リング状」の担持要素または「リング要素」なる概念の下には、特に区別しなければ、閉じていない、すなわちリングセグメント状の要素も包摂されているものとする。
図5には、例えば図面の
図15ないし
図18に示す実施例との関連で説明し、かつ図面の
図1ないし
図14からの実施形態にも適用可能であるような、場合によっては取り付けに用いられる取り付け手段は、それ以上図示していない。
【0055】
磁石シリンダ26の特に有利な構成において、複数のまたはすべての磁石要素24のために個々の、シリンダ体29に接してまたはシリンダ体29内に上記の意味で列および行内にマトリクス状に位置決めされるまたは位置決め可能な構成ユニット36が設けられており、構成ユニット36は、以下に作用ユニット36、特に磁石ユニット36とも称呼し、それぞれ少なくとも1つの磁石要素24と、それぞれ少なくとも1つの吸い込み要素34と、を有している。
【0056】
磁性のまたは磁化可能な粒子Pを方向付ける装置07の特に好ましい一実施形態において、磁石要素24のm個の列の複数、好ましくはすべてにおいて、相前後して配置される磁石要素24のそれぞれ複数、特にすべてが、割り当てられた少なくとも1つの吸い込み要素34とともに、作用ユニット36としてそれぞれの構成ユニット36においてまとめられており、作用ユニット36自体は全体として、かつそれぞれ、すべての他のこのような作用ユニット36とは独立して周方向で位置決め可能かつ/またはシリンダ26から解離可能である。
【0057】
作用ユニット36は、それぞれ1つの磁石要素保持体37を有し、磁石要素保持体37に接してまたは磁石要素保持体37内には、その外方に向けられた側に、磁石要素24が配置されている。少なくとも1つの吸い込み要素34は、磁石要素保持体37の部分として磁石要素保持体37内に組み込まれていてもよいし、分離された部分として磁石要素保持体37に配置されていてもよい。好ましくは、作用ユニット36は、シリンダ26の軸方向で見て、磁石要素24の両側にそれぞれ少なくとも1つの吸い込み要素34を有している。それぞれの吸い込み要素34は、外方に、すなわちシリンダ26の外側に向けられたかつ/またはシリンダを包絡するレベルに位置する表面内に、複数の吸い込み開口42を有し、吸い込み開口42は、例えば、吸い込み要素34内に設けられた吸い込み空気通路39(例えば
図11参照)を覆う、好ましくは、解離可能に吸い込み通路39上に取り付けられる覆い要素41内に設けられている。図面には看取不能な通路構成は、それぞれの吸い込み空気通路39から作用ユニット36を通して底部側の管路インタフェース43へと通じ、管路インタフェース43は、例えば、作用ユニット36の、シリンダ内部に面した底部内に設けられ、シリンダ内部に向かって開いた少なくとも1つの切欠き43(例えば
図11参照)により形成されている。この少なくとも1つの切欠き43を通して、またはここで切欠き43により形成され、作用ユニット36に割り当てられた管路インタフェース43を通して、空気が通路構成と吸い込み空気通路39とを介して接続される吸い込み開口42から吸引され得る。
【0058】
作用ユニット36は、基本的には、図示しない一実施形態では、マトリクス状に間接的または直接的に、軸方向で延びるシリンダ内体32、特に軸32の、例えば円柱状の外套面44上に配置されていてもよい、または配置可能であってもよい。シリンダ内体32または軸32は、例えば、磁石要素24を間接的または直接的に担持する長手方向セクション上に、吸い込み空気を案内する管路インタフェース46として、半径方向外方に向けられた吸い込み空気開口46を有し、吸い込み空気開口46は、例えば、半径方向で延びるフィードスルー47、例えば孔47を介して、例えば軸方向で軸32内を延び、少なくとも1つのシリンダ端部から吸い込み空気を供給すべき通路48、例えば吸い込み空気通路48に、管路接続されている。
【0059】
作用ユニット36がマトリクス状にダイレクトに、すなわち直接的に、軸方向で延びるシリンダ内体32または軸32の上述の外套面44上に配置されている、または配置すべき場合、作用ユニット36は、作用ユニット36の底部に設けられた管路インタフェース43、ここでは、例えば、それぞれの作用ユニット36の底部内に設けられた上述の切欠き43の空いた横断面が、例えば吸い込み空気開口46により軸32内に形成される管路インタフェース43の少なくとも1つにオーバラップするように、外套面44上に位置決めされている、または位置決めされる。上述の切欠き43は、ここでは、例えば、底部側で外套面44により画定されるチャンバ43を形成し、作用ユニット36のベース領域内の、切欠き43を全周で包囲する内壁は、軸32の外套面44の対向する領域とともに、チャンバ43を環状に取り巻くように封止するシール面を形成する。本実施形態では、空気が、該当する吸い込み要素34内に設けられた吸い込み開口42から、吸い込み空気通路39および通路構成を介して、作用ユニット36の、例えば切欠き43により形成される管路インタフェース43、およびシリンダ内体32の少なくとも1つの吸い込み空気開口46、ならびに吸い込み空気通路48を介して吸引される。このような実施形態のために、例えば好適な取り付け手段、例えばクランプ結合またはねじ結合の形態の取り付け手段が設けられているべきであり、取り付け手段により、それぞれの作用ユニット36は、外套面44上に固定可能である。
【0060】
ここに示す特に有利な実施形態において、作用ユニット36は、しかし、直接的には、シリンダ内体32または軸32の、吸い込み空気開口46を有するセクション上に配置されておらず、または配置可能でなく、それぞれの列のために設けられた作用ユニット36の複数、または好ましくはすべてが、群として、既に上で言及した特にリング状の担持要素31、例えばリング要素31に接して、または担持要素31、例えばリング要素31上に配置されており、または配置可能であり、有利には、作用ユニット36のそれぞれの群または列を担持する、少なくとも両外の、好ましくは、しかし、すべての担持要素31は、シリンダ内体32または軸32上でその軸方向の位置に関して変更可能である。
【0061】
好ましくはリング状の担持要素31またはリング要素31は、内方に、すなわち組み付けられた状態でシリンダ内体32または軸32に向いた側と、外方に向けられた側とに、それぞれ、該当する担持要素31に割り当てられた管路インタフェース49;51と、内側の管路インタフェース49の1つまたは複数を、外側の管路インタフェース51の1つまたは複数に、吸い込み空気を導通すべく接続する通路構成と、を有している。その際、内側には、管路インタフェース49として、例えば切欠き49が、シリンダ内部を向いた壁52内に設けられており、管路インタフェース49は、それぞれ、リング要素31内を延びる1つまたは複数の通路53を介して、担持要素31を通して外側の管路インタフェース51へと通じ、例えば半径方向で延びるフィードスルー54、例えば孔54に、管路接続している。個々の孔54の開口が、同時に、外向きに作用する管路インタフェース51をなしていても構わないが、好ましくは、孔54の1つ、または特に複数が、外側でも、担持要素31の、外方を向いた壁56内に設けられた、例えば外側の管路インタフェース51を形成する切欠き51内に通じている。
【0062】
リング要素31は、例えば外套面44上に、特に、リング要素31の内側に設けられたそれぞれの管路インタフェース49、ここでは、例えば上述の切欠き49の空いた横断面が、軸32またはシリンダ内体32内に設けられた吸い込み空気開口46の少なくとも1つにオーバラップするように位置決めされている、または位置決めされる。上述の切欠き49は、この場合、例えば、底部側で外套面44により画定されるチャンバ49を形成し、リング要素31の内方に向いた壁52の、切欠き49の外側に位置する面は、リング要素31の内方に向いた側で、外套面44の対向する領域とともに、チャンバ49を封止するシール面を形成する。類似の形式で、例えば作用ユニット36は、特に、作用ユニット36の底部に設けられた管路インタフェース43、ここでは、例えば、該当する作用ユニット36の底部内に設けられた上述の切欠き43の空いた横断面が、リング要素31の外方に向いた側に設けられた外側の管路インタフェース51の少なくとも1つにオーバラップするように、リング要素31の外方に向けられた側で位置決めされている、または位置決めされる。切欠き43は、この場合、例えば、底部側で外側の壁56により画定されるチャンバ43を形成し、作用ユニット36のベース領域内の、切欠き43を全周で包囲する内壁は、担持要素31の壁56の対向する領域とともに、チャンバ43を封止するシール面を形成する。本実施形態では、空気が、該当する吸い込み要素34内に設けられた吸い込み開口42から、吸い込み空気通路39および通路構成を介して、例えばオーバラップする切欠き43および51により形成される管路インタフェース43;51、リング要素31の通路構成、リング内側の、例えば切欠き49により形成される管路インタフェース49、および少なくとも1つの吸い込み空気開口46、ならびに吸い込み空気通路48を介して、そして、例えばロータリフィードスルーを介して、シリンダ26の外側に位置する吸い込み空気源より、吸引される。
【0063】
第1の上述の変化態様(担持要素31なし)との関連において、シリンダ内体32に設けられた吸い込み空気開口46または管路インタフェース46のそれぞれのパターンと、作用ユニット36の底部領域内に設けられた、相互作用する1つまたは複数の管路インタフェース43または切欠き43の位置および形状とは、好ましくは、周方向で、作用ユニット36の連続的な位置決めが、軸32に設けられた、周方向で互いに離間した2つの吸い込み空気開口46の少なくとも1つの調節範囲にわたって可能とされているように、互いに調整されており、上記連続的な位置決めは、この第1の変化態様では、該当する調節範囲内に位置するあらゆるポジションで、吸い込み空気開口46または管路インタフェース46の少なくとも1つが、完全に作用ユニット36の下側にカバーされる一方、同時に、少なくとも1つの吸い込み空気開口46または管路インタフェース46の開口横断面が、少なくとも部分的に作用ユニット36の底部側の管路インタフェース43または切欠き43にオーバラップすることにより、可能とされている。
【0064】
第2の変化態様(担持要素31あり)との関連において、シリンダ内体32に設けられた吸い込み空気開口46または管路インタフェース46のそれぞれのパターンと、担持要素31の内側に設けられた、相互作用する1つまたは複数の管路インタフェース49または切欠き49の位置および形状とは、ならびに一方では、担持要素31の外側に設けられ、他方では、作用ユニット36の底部領域内に設けられた、相互作用する管路インタフェース51;43または切欠き51;43の位置および形状は、好ましくは、周方向で、作用ユニット36の連続的な位置決めが、第2の変化態様では、担持要素31の外側に設けられた少なくとも2つの管路インタフェース51または切欠き51の調節範囲にわたって可能とされているように、互いに調整されており、上記連続的な位置決めは、担持要素31の外側に設けられた少なくとも1つの管路インタフェース51または切欠き51が、完全に作用ユニット36の下側にカバーされる一方、同時に、担持要素31の外側に設けられた少なくとも1つの管路インタフェース51または切欠き51の開口横断面が、少なくとも部分的に作用ユニット36の底部側の管路インタフェース43または切欠き43にオーバラップすることにより、可能とされている。
【0065】
可変の位置決めとの関係において、特に有利な一発展形態では、シリンダ内体32の軸方向で、かつ/または担持要素31上の周方向で、個別的な特定の運転設定のために必要であるよりも多くの箇所に、管路インタフェース46;51が設けられている。しかし、作用ユニット36またはリング要素31によってはカバーされないこれらの管路インタフェース46;51を通して、誤った空気を吸引してしまわないように、閉塞手段57;58が設けられており、閉塞手段57;58により、作用ユニット36または担持要素31によってカバーされない管路インタフェース46;51への供給を担う、シリンダ内体32および/または担持要素31の外周に設けられたフィードスルー47;54は、選択的に閉塞可能である。閉塞手段57;58は、最も単純な場合、一種の栓体であることができ、栓体は、閉塞のために、該当するフィードスルー47;54内に装入され、必要なときに、再びフィードスルー47;54から取り出される。
【0066】
好ましくは、しかし、選択的に閉鎖すべきフィードスルー47または54内に、例えば弁57;58として形成される閉塞手段57;58が設けられており、これらの閉塞手段57;58は、ダイレクトに作用ユニット36または担持要素31により覆われないまたは部分的にしか覆われないフィードスルー47または54のフィードスルー47または54内で閉塞位置にもたらされている、またはもたらされ得る一方、完全に作用ユニット36または担持要素31により覆われた管路インタフェース46;51のフィードスルー47または54の少なくとも幾つかは、開通位置にもたらされている、またはもたらされ得る。
【0067】
このような閉塞手段57;58の好ましい一実施形態は、弁57;58の形態で構成されており、弁57;58は、選択的に開通位置と閉塞位置とにもたらされることができ、このことは、取り出しまたは装入を必要としない。有利な一実施形態において、特に孔47;54として形成されるフィードスルー47;54は、内法の横断面の一方の側でのみ、シリンダ内体32または担持要素31の、吸い込み側に接続する通路48または53と管路接続されている。弁57;58は、例えば、特に有利な実施形態では、スリーブ57;58により形成されており、スリーブ57;58は、片側に空所61を側方の内壁62内に有し、空所61は、開通位置に相当する回動位置において、シリンダ内体32または担持要素31内の吸い込み側に接続する通路48;53内への経路を解放する一方、スリーブ57;58は、他の回動位置では、スリーブ内壁により、該当する通路47;54への接続を遮断する。有利な実施形態において、スリーブ状の弁57;58は、例えば少なくとも、組み付けられた状態でより外側に位置するセクション内に、工具59と係合可能な操作インタフェース63を有し、操作インタフェース63を介して、弁57;58は、特に取り出される必要なく、対応する工具59により開通位置と閉塞位置との間で回動可能である。対応する工具-インタフェースペア59,63として、ここでは、例えば多角形レンチ59と、スリーブ57;58内に設けられた、多角形穴63として形成される内周セクション63と、が使用される。
【0068】
シリンダ26の一発展形態において、構成ユニットまたは作用ユニット36の各2つの列または群の間に、各1つの支持要素66が設けられており、支持要素66は、シリンダを包絡するレベルに、シリンダ26を介して搬送される基材02を支持する支持面67;68を有している。支持面67は、その際、円環形の支持ディスク64の、外方に向けられた円柱状の面67であってもよく、またはしかし、支持ディスク69上に配置される例えばプラスチックまたは金属からなる支持プレート71の、外方に方向付けられた面68であってもよい。その際、「円環形」なる概念の下には、周において完全には閉じていない、すなわち円環セグメント状の支持ディスク69も包摂されているものとする。
【0069】
シリンダ26上への磁石要素24の取り付けに関する特に有利な一実施形態であって、1つの群の複数のまたはすべての磁石要素24が、1つの共通のリング状の担持要素31に接してまたは担持要素31上に支持されており、担持要素31上に周方向で位置決め可能である実施形態において、磁石要素24、または磁石要素24を担持する磁石要素保持体37は、軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素72;73、例えばクランプレバー72;73を有し、クランプ要素72;73の、クランプのために作用する端部は、それぞれ1つのストッパ面74;77であって、組み付けられた状態でリング状の担持要素31のそれぞれの端面上に周方向で延び、内方に向けられた、すなわちその面法線がシリンダ内部を向いた、かつ/または磁石要素24もしくは磁石要素保持体37の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するクランプ要素72;73との相互作用により対抗作用するストッパ面74;77に下方から係合する。その際、このストッパ面74;77は、特に有利な実施形態では、担持要素31内に端面において周方向で延びる溝76;78の、内方に向けられた面であってもよく、溝76;78内に、クランプ要素72;73は、クランプ要素72;73の、例えばつめ状またはかすがい状の作用端部でもって係合する。その際、周方向で延びるストッパ面74;77または溝76;78とは、好ましくは、角度範囲もしくは周全体にわたって、または図示のように、関連する円弧セクションにわたって連続するストッパ面74;77または溝76;78の他に、場合によっては中断され、複数の円弧セクションをなして継続するストッパ面74;77または溝76;78も包摂しているものとする。後者は、しかし、周方向での位置決めの可変性を制限してしまう可能性がある。「内方」に向けられた面には、ここでは、厳密に半径方向内方に向いた面の他に、これに対して傾いた面であって、その面ベクトルが、シリンダ内部に、しかし、好ましくは、環囲する面として、端面毎にシリンダ軸線上の1つの同じ箇所に集束されるように、向けられており、クランプ要素72;73に、これにより、半径方向の取り出しに対抗する向きのストッパを提供する傾いた面も含まれると解すべきである。特に装着の安定性を向上させるために、有利な一実施変化態様では、各側に、周方向で互いに離間した2つのクランプ要素72;73が、または互いに離間した、担持要素31と相互作用する2つのつめを有する1つのクランプ要素72;73が、設けられている。
【0070】
クランプ要素72;73は、基本的には、1アームのレバー72;73として形成されていても構わないが、好ましくは、2アームの、磁石要素24もしくはそのホルダ28または磁石要素24を有する構成ユニット36に支持される軸線81、例えば旋回軸線81回りに旋回可能なレバー72;73の形態で構成されており、2アームのレバー72;73の、シリンダ中心に対してより近くに位置するレバーアームは、ストッパ面74;77と相互作用する例えばつめ状またはかすがい状の部分を有し、そして、より外側に位置するレバーアームは、操作に用いられる。好ましくは、クランプ要素72;73は、セルフロックするように、例えば、レバー72;73、特に、より外側に位置するレバーアームと、磁石要素24もしくはホルダ28または構成ユニット36と、の間で作用するばね要素79、特に圧縮ばね79により、静止状態では、すなわち操作がなければ、クランプ位置に存在し、磁石要素24もしくはホルダ38または構成ユニット36を担持要素31に保持するようにばね付勢されている。説明した取り付け機構は、下で詳しく説明する組み付け補助手段97とともに特別な利点を提供する。
【0071】
説明した取り付け手段72;73,74,77を用いた取り付けの上述の形態は、確かに、基本的には、上述の構成ユニット36、特に作用ユニット36の実施形態、および/または吸い込み空気案内もしくは吸い込み空気供給の特別な形態、および/または個々の磁石要素24の、下で詳しく説明する軸方向での可動性、および/または個々の磁石要素24の、下で詳しく説明する周方向での可動性によらないが、有利には、それらと関連している。クランプ要素72;73により、結合の解除は、このために、該当する磁石要素24を取り出す必要なく、外部から可能である。連続的な調節可能性により、解除は、まさに、該当する磁石要素24が周方向で、場合によってはまだ存在している摩擦力に抗して、しかし、例えば傾倒、滑動または脱落の危険なく位置決めされ得る程に、行われ得る。
【0072】
図面の一部、例えば
図11、12および14には、任意選択的に設けられたライン84を図示または略示してあり、ライン84は、磁石27が磁石要素24内でモータにより回転可能に形成されている場合、モータに信号および/または電気的なエネルギを供給する。
【0073】
上で既に
図2および
図3との関連で説明したように、画像を付与する印刷主体18の、版シリンダ14の周方向で延びるそれぞれの列は、基材02上に相前後して設けられたまたは設けるべき割り付け面09の1つの同じ列に該当する。これらの割り付け面09は、理想的には互いに運搬方向Tに沿って一直線に整列し、かつ統一的な幅を有している。これとは異なる場合、例えば、前置きされたプロセスにおいて、または別の原因の機械的または物理的な負荷により、場合によっては既に以前に割り付け面09のパターン内に印刷された基材02が台形状に変形されているとき、このように変化した幾何学形状に対しては、版シリンダ14上における印刷主体18の配置を相応に変更することで対処され得る。この場合、個々の列の印刷主体18は、例えば互いに厳密に周方向で一直線に整列しているわけではなく、例えば一部、周線に対して僅かに傾いたつるまき線上に位置している(例えば
図3にはより良好な認知のために誇張して示してある)。基材02上における割り付け面09の幅は、この場合、例えば基材セクションまたは基材シート02の先行端から追従端にかけて増加するか、または例えば印刷機械01の入口で相応に反対に供給したときは、場合によってはその逆もまた然りである。しかし、場合によっては個々の磁石要素24の軸方向の位置と、基材02上におけるその作用のための目標ポジションと、の間の相対位置における偏差には、別の理由があることもあり、理由の例は、シリンダ26における磁石要素24の僅かにエラーを伴った軸方向の位置決め等である。
【0074】
基本的には、上述の構成ユニット36内での磁石要素24の配置、および/または上述の取り付け機構の実施形態、および/または周方向での調節可能性によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、それゆえ、特に有利な一実施形態では、磁石要素24の周方向で延びる列または群の、少なくとも複数の、好ましくはすべての中で、それぞれ、磁石要素24の少なくとも1つが、同じ列または群の少なくとも1つの別の磁石要素24とは独立して、少なくとも軸方向で調節可能または可動に間接的または直接的に磁石シリンダ26のシリンダ体29に支持されている。好ましくは、1つの同じ群の複数の、有利には少なくとも、1つを除きすべての、特に有利にはしかし、すべての磁石要素24が、この群の他の磁石要素24とは独立して、軸方向で可動に、かつ/または少なくとも3つの列または群のうちの、少なくとも端面に最も近い2つの、特にすべての列または群の、複数の、有利には1つを除きすべての、またはしかし、すべての磁石要素24が、このそれぞれの列または群の他の磁石要素24とは独立して、軸方向で可動にシリンダ体29内にまたはシリンダ体29に接して支持されている。これにより、軸方向の位置における個々の磁石要素24の上述のランダムなまたはシステマチックな相対偏差は、後調整または修正され得る。特に、直接的にまたは上述の担持要素31を介して間接的にシリンダ体29上に設けられている磁石要素保持体37を介した、磁石要素24の上述の間接的な支持との関連で、このような軸方向で調節可能な磁石要素24は、好ましくは、該当する磁石要素保持体37において、磁石要素保持体37に対して相対的に軸方向で調節可能である。その代わりに、または好ましくは、付加的に、磁石要素24の複数またはすべては、シリンダ体29上で、または特に磁石要素保持体37上で、個別に周方向で調節可能であってもよい。
【0075】
n×mのマトリクス状に配置される磁石要素24を有するシリンダ26の特に有利な実施形態において、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つのまたはすべての磁石要素24は、上述の1つの共通の担持要素31に接してまたは担持要素31上に支持されており、担持要素31と一緒に、かつ隣接する群とは独立して、シリンダ26内のまたはシリンダ26に接するその軸方向の位置に関して変更可能であり、これに加えて、この列の、または好ましくは、各列の、少なくとも2つの、または好ましくはすべての磁石要素24は、互いに独立的に周方向で共通の担持要素31において位置決め可能かつ/または担持要素31から解離可能なそれぞれの磁石要素保持体37に配置されており、該当する磁石要素保持体37上において軸方向で例えば全体として少なくとも1mm、好ましくは、少なくとも2mmの調節範囲内で調節可能に支持されている。
【0076】
本実施形態において、軸方向で可動の磁石27またはホルダ28は、つまり間接的に、割り当てられた磁石要素保持体37を介して担持されており、磁石要素保持体37は、それぞれの、少なくとも軸方向可動の磁石要素24を担持し、好ましくは、それ自体、周方向で可変にリング要素31上で位置決め可能である。
【0077】
単純な、より簡素化された一実施形態(例えば
図10参照)において、それぞれの磁石要素24またはホルダ28は、磁石要素保持体37もしくはそのホルダ28内にまたは磁石要素保持体37もしくはそのホルダ28上に、取り付け手段83、例えばねじ83により、例えば相応の工具を用いたこのねじ83の少なくとも部分的な解除による取り付けの少なくとも部分的な解除後には、磁石要素24またはホルダ28が、少なくとも関連する調節範囲内で、磁石要素保持体37上で、軸方向で可動である程に解放されているように、取り付けられている。例えばねじ83として形成される取り付け手段83には、例えば、磁石要素24を受けるホルダ28の底部領域内に長穴82として形成される切欠きを通して、磁石要素24の取り出し後、アプローチ可能である。
【0078】
磁石要素24の、または磁石要素24に含まれるホルダ28の、軸方向での運動または調節は、好ましくは、しかし、例えば純粋に手によるかつ/または工具なしの運動とは異なり、機械式の、特に伝動機構を有する調節手段86,87,89を介して実施される。
【0079】
軸方向運動を生じさせる調節手段86,87,89は、任意の好適なメカニズムまたは伝動機構により実現されていてもよいが、図示の特に有利な場合、回転運動、特に入力側の回転運動を、直線運動、特に磁石要素24の、または磁石要素24を担持するホルダ28の直線運動に、例えば間接的または直接的に変換する伝動機構、特に偏心駆動部を有し、偏心駆動部は、偏心体86、例えば偏心的に支持される軸セクション86により形成される偏心体86の回動運動を、偏心体外套側の作用面とのコンタクトを介して間接的または直接的に相互作用させられ、かつ直線可動に磁石要素保持体37内にまたは磁石要素保持体37に接して支持されるキャリッジ87、例えば、磁石要素24またはそのホルダ28を間接的または直接的に担持する担持要素87の直線運動、ここでは軸方向で延びる直線運動に変換する。その際、偏心体86は、その回動軸線でもって、好ましくは、シリンダ26に対して半径方向で延び、かつ/または間接的もしくは直接的に、外方に向いたシリンダ側から操作可能である。このために、例えば偏心体86を有するまたは外方に継続する軸89が、外方に向いたその端部の領域内に、操作インタフェース88、例えば多角形穴88を有し、操作インタフェース88は、対応する工具、ここでは例えば多角形レンチにより操作可能、特に旋回可能である。回動軸線でもって半径方向で位置する偏心体86に代えて、接線方向のまたは接線に対して平行な位置も、想定可能であり、この場合、例えば周方向を向いた一方の側から、またはアングル伝動機構を介して外側から操作可能である。
【0080】
軸方向での調節範囲は、中央位置から見て、例えば少なくとも±1.0mm(すなわち全体として少なくとも2mmの調節ストローク)、好ましくは、少なくとも±1.2mm、例えば±1.5mmである。
【0081】
少なくとも1つの吸い込み要素34を有する作用ユニット36としての上記の実施形態において、一実施変化態様では、少なくとも1つの吸い込み要素34が、磁石要素24とともに磁石要素保持体37上で、軸方向で可動であってもよい。この場合は、相応の吸い込み空気フィードスルーが、例えば相対可動のシール面を介して、またはフレキシブルな管路が、設けられているべきである。
【0082】
シリンダ26の周方向での個々の磁石要素24の位置と、運搬方向Tでの基材02上におけるその作用のための目標ポジションと、の間の相対位置における偏差も、存在していることがあり、この偏差は、様々な理由を有していることがあり、理由の例は、シリンダ体29における、または特に、場合によっては設けられた担持要素31における、大まかなかつ/または手による前位置決めの限定的な手段である。
【0083】
基本的には、上述の構成ユニット36内での磁石要素24の配置、および/または上述の取り付け機構の実施形態、および/または軸方向での上述の調節可能性によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、それゆえ、特に有利な一実施形態では、磁石要素24の、軸方向で延びる少なくとも複数の、好ましくはすべての行内で、それぞれ、磁石要素24の少なくとも1つが、同じ行の少なくとも1つの別の磁石要素24とは独立して、少なくとも周方向で調節可能または可動に間接的または直接的に磁石シリンダ26のシリンダ体29に支持されている。好ましくは、複数の、特にすべての行内で、同じ行の複数の、有利には少なくとも、1つを除きすべての、特に有利にはしかし、すべての磁石要素24が、この行の他の磁石要素24とは独立して、軸方向で可動に支持されている。
【0084】
その代わりに、またはそれに加えて、マトリクス状に配置される磁石要素24を備えるシリンダ26の特に有利な実施形態では、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素24が、互いに異なる、周方向でシリンダ26において互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体37上にまたは磁石要素保持体37内に配置されており、それぞれの磁石要素保持体37に配置される少なくとも2つの、特にすべての磁石要素24は、磁石要素24を担持する磁石要素保持体37に対して相対的に周方向で例えば全体として少なくとも1mm、好ましくは、少なくとも2mmの調節範囲内で調節可能に支持されている。このことは、好ましくは、すべての列の少なくとも2つのまたはすべての磁石要素24に当てはまる。
【0085】
磁石要素24の、または磁石要素24に含まれるホルダ28の、周方向での運動または調節は、ここでは、例えば純粋に手によるかつ/または工具なしの運動とは異なり、好ましくは、機械式の、特に伝動機構を有する調節手段91,92,94を介して実施される。
【0086】
周方向での調節または調節運動の下には、ここでの意味で、円弧状の軌道上の運動の他、周において、該当する調節範囲にわたって、接線方向で、または接線に対して平行に延びる直線状の運動軌道に沿った運動も包摂されているものと明示しておく。ここでは、シリンダ直径に比して、通例、関連する調節範囲が極めて小さいことにより、線形の調節ストロークは、通例、許容できないほど大きなマッピングエラーには至らない。
【0087】
周方向での運動を生じさせる調節手段91,92,94は、任意の好適なメカニズムまたは伝動機構により実現されていてもよいが、図示の特に有利な場合、回転運動、特に入力側の回転運動を、直線運動、特に磁石要素24の、または磁石要素24を担持するホルダ28の直線運動に、例えば間接的または直接的に変換する伝動機構、特に偏心駆動部を有し、偏心駆動部は、偏心体91、例えば偏心的に支持される軸セクション91により形成される偏心体91の回動運動を、偏心体外套側の作用面とのコンタクトを介して間接的または直接的に相互作用させられ、かつ直線可動に磁石要素保持体37内にまたは磁石要素保持体37に接して支持されるキャリッジ92、例えば、磁石要素24またはそのホルダ28を間接的または直接的に担持する担持要素92の直線運動に変換する。直線運動は、上記の意味で、簡素化の観点から好ましい直線状の運動であることもあるが、場合によっては円弧上の運動であることもある。偏心体91は、その回動軸線でもって、好ましくは、シリンダ26に対して半径方向で延び、かつ/または外方に向いたシリンダ側から操作可能である。このために、例えば偏心体91を有するまたは外方に継続する軸94が、外方に向いたその端部の領域内に、操作インタフェース93、例えば多角形穴93を有し、操作インタフェース93は、対応する工具、ここでは例えば多角形レンチにより操作可能、特に旋回可能である。回動軸線でもって半径方向で位置する偏心体91に代えて、接線方向のまたは接線に対して平行な位置も、想定可能であり、この場合、例えば周方向を向いた一方の側から、またはアングル伝動機構を介して外側から操作可能である。
【0088】
周方向での調節範囲は、中央位置から見て、例えば少なくとも±1.0mm(すなわち全体として少なくとも2mmの調節ストローク)、好ましくは、少なくとも±1.2mm、例えば±1.5mmである。
【0089】
少なくとも1つの吸い込み要素34を有する作用ユニット36としての上記の実施形態において、一実施変化態様では、少なくとも1つの吸い込み要素34が、磁石要素24とともに磁石要素保持体37上で、周方向で可動であってもよい。この場合は、相応の吸い込み空気フィードスルーが、例えば相対可動のシール面を介して、またはフレキシブルな管路が、設けられているべきである。
【0090】
それぞれの磁石要素保持体37上の磁石要素24の軸方向の調節可能性も、周方向での調節可能性も、想定されている場合、両キャリッジ87;92は、クロスガイドの形態で間接的または直接的に上下にかつ/または重なり合わせに配置されていてもよい。
【0091】
軸方向および/または周方向での該当する磁石要素24の調節は、上述の一実施変化態様では、発展形態において、各1つの遠隔操作可能な駆動手段、例えば、偏心体86;91を例えば減速伝動機構を介して駆動する電気モータにより実施され得る。
【0092】
基本的には、上述の構成ユニット36内での磁石要素24の配置、および/または軸方向での上述の調節可能性、および/または周方向での上述の調節可能性によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施の形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、上で既に言及した組み付け補助手段97が設けられており、組み付け補助手段97は、磁石要素24、もしくは磁石要素24を担持する磁石要素保持体37、または磁石要素24を有する構成ユニット36上に載設可能であり、組み付け補助手段97により、両側のクランプ要素72;73と担持要素31との間のクランプ装着またはクランプ結合が、解除可能である。好ましくは、クランプは、組み付け補助手段97、または組み付け手段97に含まれる特にマニュアル操作可能な駆動手段102により、磁石要素24が、または磁石要素24を有する構成ユニット36が、担持要素31から取り外し可能であるように、解除可能かつ開放可能であるだけでなく、クランプの強さまたは開放度における中間状態でも、磁石要素24または構成ユニット36が、まだ完全にはフリーではないが、全体として周方向で担持要素31において位置決め可能である程に、解除可能である。その際、開放度は、まさに、確かにまだクランプ要素72;73間の接触が存在しているが、場合によってはまだ存在している僅かな摩擦力を克服すれば、位置決めが可能であるように、調整可能であってもよい。このために、操作アーム98は、駆動手段102により、好ましくは、連続的に調節ストロークを介して、クランプ要素72;73が最高のクランプ力を担持要素31において発揮させるクランプ位置と、磁石要素24、または磁石要素24を担持する磁石要素保持体37が担持要素31から取り外し可能である程に、クランプが解除されている位置と、の間で位置決め可能である。
【0093】
シリンダ外側からの簡単な操作を、かつ/または特に、この種の規定された開放も、行うことができるように、組み付け補助手段97は、該当する磁石要素24上または該当する構成ユニット36上に載設可能であるベース104の他に、両端面に対して操作アーム98を有し、操作アーム98は、磁石要素24または構成ユニット36の両端面に対して半径方向で延び、1つまたは複数のそれぞれの端面のクランプ要素72;73と、クランプ要素72;73の操作のために相互作用関係にもたらされることができる、またはもたらされる。さらに、組み付け補助手段97は、上述の駆動手段102、特に調節駆動部102を有し、駆動手段102または調節駆動部102により、操作アーム98は、第1の位置であって、操作アーム98が、例えば上述のばね力に抗して、クランプ要素72;73を、磁石要素24または構成ユニット36が担持要素31に取着可能または担持要素31から完全に解離可能である程に開放させる、第1の位置にもたらされることができ、第2の位置であって、クランプ要素72;73が、最高のクランプ力を担持要素31において発揮させ、操作アーム98がまだ、クランプ力とは反対に向けられた力を加えない、第2の位置までもたらされることができる。好ましくは、駆動部により、その間に位置するすべての位置に調整可能である。
【0094】
2アームのレバー72;73としてのクランプ要素72;73の上述の形成において、操作アーム98は、それぞれ、間接的または直接的に、より外側に位置するレバーアームに作用し、クランプ結合を開放させるべく、駆動手段102により互いに近付くように、すなわち、それぞれ担持要素31に向かって可動であり、かつクランプ結合を閉鎖させるべく、再び互いに離れるように可動である。それぞれ2つの相並んで配置されるクランプ要素72;73の上述の場合、クランプ要素72;73は、例えば、より外側に位置する両レバーアームを互いに結合する連結部材96、例えば、両方の外側のレバーアーム内に支持される結合軸96を介して、互いに連結されており、連結部材96は、それぞれの操作アーム98に、例えば同時に作用点として用いられる。単独のクランプ要素72;73の場合、それぞれの操作アーム98は、間接的または直接的に、該当するクランプ要素72;73のより外側に位置するレバーアームに作用し得る。
【0095】
駆動手段102として、基本的には、互いに対向する両操作アーム98が、上記の意味で互いに近付き、かつ互いに離れるように可動であるようにする、あらゆる駆動機構が可能である。好ましいのは、ここでは、しかし、セルフロック式の伝動機構を有する駆動機構であり、セルフロック式の伝動機構は、例えばねじ山式ドライブにより提供されている。駆動手段102は、これにより例えば、一方の側の操作アーム98を担持する第1の部分99、例えば第1のブシュ99と、第1の部分99に対して相対回動不能に、しかし、軸方向では可動に支持される、他方の側の操作アーム98を担持する第2の駆動部分99、例えば第2のブシュ101と、を有し、さらに、内部に形成されるねじ山式ドライブを有し、ねじ山式ドライブにより、一方では、図示しない、例えばマニュアル式の操作インタフェース103、例えばツイストグリップ103を介して回動可能なねじ山付きスピンドルを介して、そして、駆動手段102の両部分99;101のうちの他方に設けられた雌ねじ山を介して、操作アーム98を担持する部分は、互いに離れるようにも、互いに近付くようにも、可動である。
【0096】
その軸方向の位置に関して変更可能な、特にリング状の担持要素31を備える磁石シリンダ26の実施形態において、これらの軸方向位置決め可能な担持要素またはリング要素31は、基本的には、それぞれの担持要素31とシリンダ内体32との間の解除可能な結合および軸方向の相対運動を可能にするあらゆる方法で取り付け可能であり得る。結合で特に有利なのは、特に、軸32上の管路インタフェース46と、リング要素31の内方に向いた壁52上の、相互作用する管路インタフェース49と、からなる、吸い込み空気を導通する管路インタフェース対の領域で、これらの管路インタフェース46;49を包囲する面が、上記結合により、互いに、吸い込み空気が漏れないように十分に閉鎖されたシール面を形成するように押し合わされる結合である。
【0097】
基本的には、上述の構成ユニット36内での磁石要素24の配置、および/または軸方向での上述の調節可能性、および/または周方向での上述の調節可能性、および/または磁石要素24もしくはホルダ29もしくは構成ユニット36をクランプする上述のクランプ機構によらないが、好ましくは、挙げた有利な実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態との関連で、リング要素31の取り付けに関する好ましい一実施形態では、取り付けのために、締め付け機構が設けられており、締め付け機構により、担持要素またはリング要素31は、上述のシール面が形成され得るように、特に軸32として形成されるシリンダ内体32上に張設可能である。有益なのは、この場合、ここでは実際に円環セグメント状に形成されるリング要素31を、リング要素31の、セグメント角度範囲内における内側直径が、軸32として形成されるシリンダ内体32の、相互作用する角度範囲内における外側直径より僅かに、例えば2~50μm、特に5~20μm大きくなるようにした実施形態である。
【0098】
列中に配置される磁石要素24を備えるとりわけ既に説明したシリンダ26の場合、複数のまたはすべての列の磁石要素24は、それぞれの群として、それぞれの担持要素31に接してまたは担持要素31上に設けられている。それぞれの担持要素31は、ここではリングセグメント状の、すなわち角度範囲にわたって中断されるリング状の担持要素31として構成されており、生産回動方向Dに関して先行端および追従端106;107を有していることを明示しておく。その際、生産回動方向Dは、例えば、上で既に言及したグリッパバーの配置により規定されており、グリッパバーは、セグメント状のリング要素31の先行端106に、運転中、基材シート02をくわえるために開閉するグリッパ33を有している。それぞれの担持要素31は、シリンダ26に含まれるシリンダ内体32上に解離可能に、かつ解離された状態では、その軸方向の位置が変更可能に配置されている。担持要素31を而るに所望の位置でシリンダ内体32上に取り付けるべく、担持要素31がシリンダ内体32上に組み付けられているとき、シリンダ内体32上のリングセグメント状の担持要素31の先行端および追従端106;107間の領域内に、締め付け装置108が設けられており、または設けられ、締め付け装置108により、周方向で互いに離間した両端部106;107には、締め付け装置108に含まれる調節手段109を介して、周方向で互いに近付くように向けられた力が印加可能である。これにより、セグメント状のリング要素31は、場合によっては僅かな弾性的な変形をもって軸32の外套面に密に押し付けられ、その結果、上述のシール面が提供されている。
【0099】
締め付け装置108は、その際、特に担持要素31の両端部106;107に作用し、締め付け装置108に含まれる調節手段109を介して、両側での作用に有効なその周方向での長さを変更することができる。
【0100】
好ましくは、締め付け装置108は、締め付けバー111を有し、締め付けバー111は、担持要素31の先行端および追従端106;107間の領域においてシリンダ内体32の周に配置され、少なくとも一方の側に向かって、シリンダ内体32に対して相対運動しないように周方向で止められている。好ましくは、締め付けバー111とシリンダ内体32とは、しかし、両回動方向で有効なストッパペアにより、回動しないように周方向で止められている。このような拘束は、例えば、リング要素31の内周線と、シリンダ内体32の外周線との、ストッパペアとして有効な対応する偏差により実現されていてもよい。有利なかつここに示す一実施形態において、このような相対的な回り止めは、しかし、よく嵌合キー112とも称呼するいわゆる嵌合要素112によりなされており、嵌合要素112は、例えばシリンダ内体32の外套面内に据えられ、かつ締め付けバー111内に設けられた空所、特に溝と、ちょうど嵌まるように相互作用し、その逆もまた然りである。その際、嵌合要素112は、対応するように相互作用する空所とともに、シリンダ内体32に締め付けバー111を半径方向で簡単に装着することを可能にするのに有利である。回り止めに加えて、図示しない取り付け手段、例えばねじが設けられていてもよく、取り付け手段により、締め付けバー111は、半径方向でシリンダ内体32上に取り付けられ得る。
【0101】
好ましくは、この場合、締め付けバー111は、締め付け装置108の緩められた、すなわち力がかかっていない状態で、直接的に、または上述の取り付け手段を解除した後、担持要素31がまだシリンダ内体32に残っているとき、シリンダ内体32から取り外し可能であり、またはリング要素31が既にシリンダ内体32に位置決めされているとき、シリンダ内体32上に中断の領域で装入可能である。
【0102】
有利な実施形態において、締め付け装置108は、端部107;106の一方、好ましくは追従端107に静的に、すなわち、締め付けバー111と、該当する端部107;106と、の間の固定的な周方向相対位置で作用し、他方の端部、好ましくは先行端106に調節手段109を介して間隔可変に、すなわち、締め付けバー111と、該当する他方の端部106;107と、の間の変更可能な周方向相対位置で作用する。このことは、例えば、調節により、作用点、ひいては該当する端部106;107が、締め付けバー111に近付くように変位可能であり、または例えばリング要素31内の弾性的な復元力により、再び初期位置に復帰可能であることを意味する。
【0103】
静的な作用のために、例えば、該当する端部107;106と締め付けバー111との間で有効なストッパペアを介した、周方向で有効な形状結合が設けられている。ストッパペア106,107は、例えば、締め付けバー111に設けられたフック状の突出部と、この突出部内に逆さに係合する、リング要素31の端部107に設けられたフック状の突出部117、例えば掛入エッジ117と、の対向する面により形成されている。
【0104】
好ましい一実施形態において、該当する端部106;107における調節手段109を介した作用の場所は、周方向で見て、シリンダ内体32の周に接している接線が調節手段109の調節方向に対して平行に延びる箇所にちょうど、または少なくとも5°以下の偏差で位置している。このことは、ここに存在している小さな調節範囲内では、調節手段109により引き寄せられる端部106;107に実質的に接線方向で力が印加され、これにより、場合によっては接線から逸れた力方向により生じることがあるような半径方向の変形が起こらないことを可能にする。
【0105】
基本的には、別の形式でも実現可能であるが、調節手段109は、好ましくは、締め付けバー111に支持されていて例えばマニュアル操作され得るねじ山式ドライブ113,114、例えば、締め付けバー111内に回動可能に支持されるねじ山付きロッド113、特にねじ113と、対応するねじ山114、例えばねじ山付きブシュ114であって、ダイレクトにリング要素31の端部領域内に、または好ましくは、リング要素31に作用し、ねじ山式ドライブ113,114を介してねじ山式ドライブ113,114の調節方向で位置可変の締め付け手段116内に設けられたねじ山114と、により形成されており、締め付け手段116は、周方向で有効なストッパペアを介して、該当する端部106と相互作用するように構成され、配置されている。ストッパペアは、例えば引っ張りバー116として形成される締め付け手段116と、この引っ張りバー116を受ける、リング要素31に設けられたフック状の突出部118、例えば掛入エッジ118と、の対向する面により形成されている。
【0106】
有利な一発展形態において、引っ張りバー116は、シリンダ軸線に対して垂直に延びる横断面内で見て、引っ張りバー116の少なくとも一部でもって、締め付けバー111内に設けられた、形状および横断面が対応する切欠き122または空所122内に、締め付けバー116の、空所122により案内される調節方向に沿った運動が保証されているように進入する。
【0107】
基本的には、取り付けるべきリング要素31毎に1つのそれぞれの締め付けバー111および/または1つのそれぞれの割り当てられた締め付け手段116が設けられていてもよい。好ましい実施形態において、しかし、シリンダ26の軸方向で見て、シリンダ内体32上に配置される複数のまたはすべての担持要素31にわたって延在する締め付けバー111、および/またはシリンダ26の軸方向で見て、シリンダ内体32上に配置される複数のまたはすべての担持要素31にわたって延在する締め付け手段116が設けられている。この場合、リング要素31に割り当てるべき調節手段109またはねじ山式ドライブ113,114の、固定的な数的または空間的な割り当ては、もはや不要である。取り付け装置は、その際、維持され、具体的には、連続的な、または場合によっては分割された締め付け装置108がそのクランプのために相互作用するリング要素31の数および位置によらず、維持され得る。特に引っ張りバー116なしの、すなわち、ダイレクトにリング要素31内に係合する調節手段109を有する上述の締め付け装置108も、可能なポジションが、ねじ山付きロッド113のための穴間隔に依存してしまうため、連続的な位置決め作業のためにはそれほど好適ではないであろう。
【0108】
締め付けバー111は、同時に、1つまたは複数のパーツからなるグリッパバーのベース保持体を形成するように配置され、形成されていてもよい。この場合、例えばグリッパ軸119を担持する軸受121が、ベース保持体を形成する締め付けバー111上に配置されている。
【0109】
好ましい実施形態において、このようなシリンダ26は、上述の機械01の構成部分であり、かつ/または軸方向および/もしくは周方向でのそれぞれの磁石要素保持体37上の個々の磁石要素24の調整可能性、ならびに/またはそれぞれの磁石要素24および吸い込み要素34を有する上述の作用ユニット36の形成、ならびに/またはリング要素31における個々の磁石要素24もしくは磁石要素24のホルダ28もしくは磁石要素保持体37のクランプに関する1つまたは複数の観点との関連で特に有利である。
【符号の説明】
【0110】
01 光学的可変の画像要素を生成する機械、印刷機械、有価証券印刷機械
02 基材、被印刷物、被印刷物セクション、被印刷物シート、基材シート
03 画像要素
04 塗工装置、印刷装置、フレキソ印刷装置、スクリーン印刷装置
05 -
06 コーティング剤、印刷インキ、ニス
07 画像要素内の磁性の粒子を方向付ける装置、方向付け装置
08 印刷画像要素
09 割り付け面、有価証券、銀行券
10 -
11 印刷箇所
12 搬送装置、運搬シリンダ
13 基材供給部、シートフィーダ
14 印刷装置シリンダ、版シリンダ、スクリーン印刷シリンダ
15 -
16 光学的可変の画像要素を生成する装置
17 インプレッションシリンダ
18 印刷要素、印刷主体
19 乾燥装置および/または硬化装置、放射乾燥機、UV放射乾燥機、UV乾燥機、UV-LED-乾燥機
20 -
21 搬送装置、グリッパ循環コンベヤ、チェーングリッパシステム
22 製品受け部、パイルデリバリ
23 乾燥機、放射乾燥機
24 作用要素、要素、磁石要素
25 -
26 方向付け機構、シリンダ、磁石シリンダ
27 磁石
28 ホルダ、台座
29 シリンダ体
30 -
31 担持要素、リング要素
32 シリンダ内体、軸
33 保持手段、グリッパ
34 吸い込み要素
35 -
36 構成ユニット、作用ユニット、磁石ユニット
37 磁石要素保持体
38 ハウジング
39 吸い込み空気通路
40 -
41 覆い要素
42 吸い込み開口
43 管路インタフェース、切欠き、チャンバ
44 外套面(32)
45 -
46 管路インタフェース、吸い込み空気開口(32)
47 フィードスルー、孔
48 通路、吸い込み空気通路
49 管路インタフェース、切欠き
50 -
51 管路インタフェース、切欠き
52 壁
53 通路
54 フィードスルー、孔
55 -
56 壁
57 閉塞手段、弁、スリーブ
58 閉塞手段、弁、スリーブ
59 工具、多角形レンチ
60 -
61 空所
62 内壁
63 操作インタフェース、多角形穴、内周セクション
64 支持ディスク
65 -
66 支持要素
67 支持面、面
68 支持面
69 支持ディスク
70 -
71 支持プレート
72 クランプ要素、クランプレバー、レバー
73 クランプ要素、クランプレバー、レバー
74 ストッパ面
75 -
76 溝
77 ストッパ面
78 溝
79 ばね要素、圧縮ばね
80 -
81 軸線、旋回軸線
82 長穴
83 取り付け手段、ねじ
84 ライン
85 -
86 偏心体、軸セクション
87 キャリッジ、担持要素
88 操作インタフェース、多角形穴
89 軸
90 -
91 偏心体、軸セクション
92 キャリッジ、担持要素
93 操作インタフェース、多角形穴
94 軸
95 -
96 連結部材、結合軸
97 組み付け補助手段
98 操作アーム
99 第1の部分、第1のブシュ
100 -
101 第2の部分、第2のブシュ
102 駆動手段、調節駆動部
103 操作インタフェース、ツイストグリップ
104 ベース
105 -
106 端部、先行端(31)
107 端部、追従端(31)
108 締め付け装置
109 調節手段
110 -
111 締め付けバー
112 嵌合要素、嵌合キー
113 ねじ山付きロッド、ねじ
114 ねじ山、ねじ山付きブシュ
115 -
116 締め付け手段、引っ張りバー
117 突出部、掛入エッジ
118 突出部、掛入エッジ
119 グリッパ軸
120 -
121 軸受
122 切欠き、空所
D 生産回動方向
P 粒子、顔料粒子
T 運搬方向
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
独国特許発明第112012006348号明細書は、離間した複数の担持リングを備える磁石シリンダであって、担持リングは、担持リングの軸方向の位置に関してシリンダ体上で調整可能である、磁石シリンダを開示している。これらの担持リングは、外周にリング溝を有し、リング溝には、周方向で相前後して磁石装置が装着可能であり、調節ねじの解除後、該当する担持リング上で、周方向で調整可能である。リング溝の底部内、およびその間に位置する肩部内には、吸い込み空気管路システムの開口が開いており、これらの開口を介して、シリンダ外套を形成する覆い金属薄板の吸い込み開口から吸い込み空気を吸引することができる。
国際公開第2020/094291号は、軸方向可動のリング要素を備える磁石シリンダであって、リング要素に磁石装置が周方向で位置決め可能であり、リング要素の縁領域に吸い込み空気開口が設けられており、この吸い込み空気開口を介して、その上方に配置された覆い金属薄板の吸い込み開口から吸い込み空気を吸い込むことができる、磁石シリンダを開示している。リング要素毎に、開口を有する覆い金属薄板が設けられている。
欧州特許出願公開第2433798号明細書にも同じく、軸方向可動のリング要素を備える磁石シリンダであって、リング要素に磁石装置が環状の固定溝内において周方向で位置決め可能である、磁石シリンダが開示されている。磁石装置は、クランプ要素を介して環状の溝内にクランプ可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
基材上のコーティング剤中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるシリンダの
本願による一実施形態において、シリンダは、シリンダの外周の領域にマトリクス状にn×m(言葉でいうと、nかけるm;ここで
【数1】
)の数の磁界を提供する要素、略して磁石要素を備え、磁石要素は、軸線平行に延びるn個の行内に、かつ周方向で延びるm個の列内に配置されており、シリンダの特に有利な実施形態において、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素は、互いに異なる、周方向でシリンダにおいて互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体上にまたは磁石要素保持体内に配置されており、それぞれの磁石要素保持体に相前後して配置される少なくとも2つの磁石要素は、磁石要素を担持する磁石要素保持体に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。好ましくは、複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素は、それぞれの磁石要素保持体上において、磁石要素保持体に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
それに加えて、またはその代わりに、本願による実施形態において、1つの列または群の磁石要素の2つまたはすべては、直接的に、または磁石要素を受けるホルダもしくは磁石要素を担持する磁石要素保持体を介して、シリンダ内体上に配置される1つの共通のリング状の担持要素に接してまたは担持要素上に支持されており、担持要素上で、周方向で位置決め可能であり、それぞれの磁石要素に、磁石要素のホルダもしくは磁石要素保持体に、または磁石要素保持体を有する構成ユニットに、シリンダの軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素が設けられており、クランプ要素の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面であって、リング状の担持要素の両端面上に周方向で延び、かつシリンダの内部に向けられ、かつ/または磁石要素、ホルダもしくは磁石要素保持体または構成ユニットの半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するそれぞれのクランプ要素との相互作用により対抗作用するストッパ面のそれぞれ1つに下方から係合する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(02)上のコーティング剤(06)中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるシリンダ(26)であって、
前記シリンダ(26)の外周の領域にマトリクス状にn×m(言葉でいうと、nかけるm;ここで
【数1】
)の数の磁界を提供する要素(24)、略して磁石要素(24)を備え、前記磁石要素(24)は、軸線平行に延びるn個の行内に、かつ周方向で延びるm個の列内に配置されており、1つの同じ列内に相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素(24)は、互いに異なる、周方向で前記シリンダ(26)において互いに独立的に位置決め可能な磁石要素保持体(37)上にまたは磁石要素保持体(37)内に配置されている、
シリンダ(26)において、
それぞれの前記磁石要素保持体(37)に相前後して配置される少なくとも2つの前記磁石要素(24)は、前記磁石要素(24)を担持する前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、
シリンダ(26)。
【請求項2】
複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素(24)は、それぞれの磁石要素保持体(37)上において、前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に周方向で、調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項3】
それぞれの前記磁石要素保持体(37)上で、周方向で調節可能な前記磁石要素(24)は、機械式の調節手段(91,92,94)を介して可動であり、かつ/または回転運動を直線運動に変換する伝動機構を有する調節手段(91,92,94)を介して周方向で調節可能であることを特徴とする、請求項
1に記載のシリンダ。
【請求項4】
前記磁石要素保持体(37)に周方向で可動に配置される前記磁石要素(24)の複数またはすべては、前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に軸方向でも調節範囲内で調節可能に支持されていることを特徴とする、請求項
1に記載のシリンダ。
【請求項5】
それぞれの前記磁石要素保持体(37)上で、軸方向で調節可能な前記磁石要素(24)は、機械式の調節手段(86,87,89)を介して可動であり、かつ/または回転運動を直線運動に変換する伝動機構を有する調節手段(86,87,89)を介して周方向で調節可能であることを特徴とする、請求項4に記載のシリンダ。
【請求項6】
回転運動を直線運動に変換する伝動機構として、偏心駆動部が含まれ、前記偏心駆動部は、偏心体(91;86)の回動運動を、前記偏心体(91;86)の偏心体外套側の作用面の、キャリッジ(92;87)であって、間接的または直接的に相互作用させられ、かつ直線可動に前記磁石要素保持体(37)内にまたは前記磁石要素保持体(37)に接して支持され、かつ前記磁石要素(24)を間接的または直接的に担持するキャリッジ(92;87)とのコンタクトを介して、周方向の直線運動に変換することを特徴とする、請求項3または5に記載のシリンダ。
【請求項7】
周方向で可動に配置される磁石要素(24)を有する前記磁石要素保持体(37)の複数に、少なくとも1つの吸い込み要素(34)が割り当てられており、前記吸い込み要素(34)は、前記磁石要素保持体(37)および該当する前記磁石要素(24)とともに、1つの構成ユニット(36)にまとめられており、前記構成ユニット(36)自体は、すべての他のこの種の構成ユニット(36)とは独立して前記シリンダ(26)において周方向で位置決め可能かつ/または前記シリンダ(26)から解離可能であることを特徴とする、請求項
1に記載のシリンダ。
【請求項8】
複数のまたはすべての列の、複数のまたはすべての磁石要素保持体(37)、または磁石要素保持体(37)を有する構成
ユニット(36)は、それぞれ周方向で相前後して群として、前記シリンダ(26)内のまたは前記シリンダ(26)に接する軸方向の位置に関して変更可能な1つの共通の担持要素(31)上に配置されていることを特徴とする、請求項
7に記載のシリンダ。
【請求項9】
前記磁石要素保持体(37)、または前記磁石要素保持体(37)を有する前記構成ユニット(36)は、前記シリンダ(26)の軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素(72;73)を有し、前記クランプ要素(72;73)の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面(74;77)であって、リング状の前記担持要素(31)の両端面上に周方向で延び、かつ前記シリンダ(26)の内部に向けられ、かつ/または前記磁石要素保持体(37)の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在する前記クランプ要素(72;73)との相互作用により対抗作用するストッパ面(74;77)のそれぞれ1つに下方から係合することを特徴とする、請求項
8に記載のシリンダ。
【請求項10】
基材(02)上のコーティング剤(06)中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるシリンダであって、
前記シリンダの外周の領域に、軸方向で見て、相並んでm個の、周方向で相前後して配置されるそれぞれn個の磁界を提供する要素(24)、略して磁石要素(24)を有する群を備え、1つの群の前記磁石要素(24)の少なくとも2つまたはすべては、直接的に、または前記磁石要素(24)を受けるホルダ(28)もしくは前記磁石要素(24)を担持する磁石要素保持体(37)を介して、シリンダ内体(32)上に配置される1つの共通のリング状の担持要素(31)に接してまたは担持要素(31)上に支持されており、前記担持要素(31)上で、周方向で位置決め可能である、
シリンダにおいて、
それぞれの前記磁石要素(24)に、前記磁石要素(24)のホルダ(28)もしくは磁石要素保持体(37)に、または前記磁石要素保持体(37)を有する構成ユニット(36)に、前記シリンダ(26)の軸方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素(72;73)が設けられており、前記クランプ要素(72;73)の作用端部は、組み付けられた状態で、ストッパ面(74;77)であって、リング状の前記担持要素(31)の両端面上に周方向で延び、かつ前記シリンダ(26)の内部に向けられ、かつ/または前記磁石要素(24)、前記ホルダ(27)もしくは前記磁石要素保持体(37)または前記構成ユニット(36)の半径方向の取り出しに対して、クランプポジションに存在するそれぞれの前記クランプ要素(72;73)との相互作用により対抗作用するストッパ面(74;77)のそれぞれ1つに下方から係合する
ことを特徴とする、
シリンダ。
【請求項11】
複数のまたはすべての群の、複数のまたはすべての磁石要素(24)は、それぞれの磁石要素保持体(37)を介して、該当する前記担持要素(31)上に配置され、それぞれの前記磁石要素保持体(37)に対して相対的に軸方向および/または周方向で調節可能に前記磁石要素保持体(37)上に支持されていることを特徴とする、請求項
8、9または1
0に記載のシリンダ。
【請求項12】
前記ストッパ面(74;77)は、前記担持要素(31)内に端面において周方向で延びる溝(76;78)の、前記シリンダ(26)の内部に向けられた面により形成されており、前記溝(76;78)内には、1アームもしくは2アームのかつ/またはばね付勢されたレバー(72;73)の形態で形成される前記クランプ要素(72;73)が、レバーアームの、前記クランプに関して作用端部でもって係合することを特徴とする、請求項
9または
10に記載のシリンダ。
【請求項13】
前記クランプ要素(72;73)は、前記磁石要素(24)に、前記磁石要素(24)を担持するホルダ(28)にまたは前記磁石要素(24)を有する構成ユニット(36)に支持される軸線(81)回りに旋回可能な2アームのレバー(72;73)の形態で構成されており、前記2アームのレバー(72;73)の、シリンダ中心に対してより近くに位置するレバーアームは、前記ストッパ面(74;77)とクランプを形成するために相互作用する部分を有し、前記2アームのレバー(72;73)の、より外側に位置するレバーアームは、前記レバー(72;73)の操作に用いられ
、かつ/または前記クランプ要素(72;73)は、ばね要素(79)により、静止状態では、すなわち操作がなければ、クランプ位置に存在するように、前記担持要素(31)に対してばね付勢されていることを特徴とする、請求項
9または
10に記載のシリンダ。
【請求項14】
担持要素(31)に接してまたは担持要素(31)上に支持される磁石要素(24)の複数のまたはすべての群の、少なくとも2つのまたはすべての前記磁石要素(24)に、それぞれ、少なくとも1つの吸い込み要素(34)が割り当てられており、前記吸い込み要素(34)は、該当する前記磁石要素(24)とともに、1つの構成ユニット(36)にまとめられており、前記構成ユニット(36)自体は、すべての他のこの種の構成ユニット(36)とは独立して前記担持要素(31)において周方向で位置決め可能かつ/または前記シリンダ(26)から解離可能であることを特徴とする、請求項
9または10に記載のシリンダ。
【請求項15】
磁石要素(24)を有する、請求項1
または10に記載のシリンダ(26)と、磁石要素(24)を前記シリンダ(26)に組み付けるかつ/または位置決めする装置(97)と、からなるシステムであって、
前記装置(97)は、組み付け補助手段(97)として、前記磁石要素(24)、または前記磁石要素(24)を担持する磁石要素保持体(37)上に載設可能であり、操作アーム(98)を有し、前記操作アーム(98)は、前記磁石要素(24)または前記磁石要素保持体(37)上に載設された状態で、該当する前記磁石要素(24)の両側に設けられたクランプ要素(72;73)と相互作用関係にもたらされることができ、前記操作アーム(98)を介して、両側の前記クランプ要素(72;73)と前記担持要素(31)との間に存在しているクランプ結合を、前記組み付け補助手段(97)に含まれ、前記操作アーム(98)に作用する駆動手段(102)の操作により解除することができる、
システム。
【請求項16】
前記操作アーム(98)は、前記駆動手段(102)により連続的に調節ストロークを介して、前記クランプ要素(72;73)が最高のクランプ力を前記担持要素(31)において発揮させるクランプ位置と、前記磁石要素(24)、または前記磁石要素(24)を担持する前記磁石要素保持体(37)が、前記担持要素(31)から取り外し可能である程に、クランプが解除されている位置と、の間で位置決め可能であることを特徴とする、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記駆動手段(102)は、セルフロック式の伝動機構および/またはねじ山式ドライブを有し、かつ/またはマニュアル式の操作インタフェース(103)を介して操作可能であることを特徴とする、請求項
15に記載のシステム。
【請求項18】
基材(02)上に光学的可変の画像要素(03)を生成する機械(01)であって、
基材供給部(13)と、
少なくとも1つの印刷装置(04)であって、前記印刷装置(04)により、前記機械(01)を通した運搬路上を案内される基材(02)に、少なくとも第1の側で、マトリクス状にm個の列およびn個の行の割り付け面(09)を印刷するかつ/または印刷し得る印刷装置(04)と、
加工した基材(02)をまとめて束にすることが可能な製品受け部(22)と、
基材路内で印刷装置(04)と製品受け部(22)との間に設けられた、シリンダ(26)を有する磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付ける方向付け装置(07)と、
を備える、
機械(01)において、
前記シリンダ(26)は、請求項1
または10に記載のシリンダ(26)にしたがい構成されていることを特徴とする、
機械(01)。
【国際調査報告】