(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】オブジェクトクラス分類を実施するための方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/06 20060101AFI20250214BHJP
G01S 7/539 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
G01S15/06
G01S7/539
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548552
(86)(22)【出願日】2023-02-27
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 DE2023200042
(87)【国際公開番号】W WO2023174495
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】102022202524.5
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】スレイマン・ワッシム
(72)【発明者】
【氏名】グラッツ・ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】ケクド・アビシェーク
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AA02
5J083AB12
5J083AC29
5J083AD01
5J083AD17
5J083BE19
5J083BE25
(57)【要約】
本発明は、車両の少なくとも一つの超音波センサの情報に基づいて、オブジェクトをオブジェクトクラスへ分類するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するための方法であって、以下のステップを包含している:
a) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す(S10);
b) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している(S11);
c) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ(S12);
d) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ(S13)。
【請求項2】
位置情報が、少なくとも一つの第一及び一つの第二座標を包含している、但し、該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列を基にした情報を包含していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値を包含していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値の比を包含していることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の分散を包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、フィルタ機能によってフィルタリングされた方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
該分類が、少なくとも、第一及び第二閾値(s1,s2)を基にして実施されるが、第一閾値(s1)は、位置情報の統計的分布に関する情報用の閾値であり、第二閾値(s2)は、検出の方向情報の統計的分布に関する情報用の閾値であることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
該第一及び第二閾値(s1,s2)が、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによって割り出されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該分類が、決定木(E)、或いは、無作為決定森を用いて実施されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
該分類のために、ニューラルネットワークが用いられる、但し、該ニューラルネットワークが、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによってトレーニングされたことを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
オブジェクトクラス「車両」及び「非車両」への分類が実施されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
オブジェクト(O)の分類結果に応じて、オブジェクト(O)の高さ推定が、実施される、或いは、実施されないことを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するためのシステムであって、以下のステップを実施できる様に構成された計算ユニット(3)を有していることを特徴とするシステム:
e) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す;
f) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している;
g) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ;
h) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムを包含する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクトをオブジェクトクラスに分類するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサによって捕捉された情報に基づいて幾何学的方法を用いてオブジェクトの高さ推定を実施することは、既知である。高さ推定により、例えば、縁石を示す線状のオブジェクトと壁の形状をした線状のオブジェクトとを区別することが可能になる。
【0003】
高さ推定における問題点は、高さを推定するための既知の方法が、車両の形状をしたオブジェクトに対して用いられた場合、誤った結果が得られることにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを起点とした本発明の課題は、オブジェクトを予め定められているオブジェクトクラスに信頼性高く分類することを可能にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を持つ方法によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。一台の車両の少なくとも一つの超音波センサの情報を基にしたオブジェクトをオブジェクトクラスに分類するためのシステムは、並列請求項14、並びに、この様なシステムを装備した車両は、並列請求項15の対象である。
【0006】
第一アスペクトによれば、少なくとも一つの超音波センサの情報に基づいてオブジェクトをオブジェクトクラスに分類するための方法が、開示される。本方法は、以下のステップを包含している:
【0007】
先ず、車両の少なくとも一つの超音波センサの複数の検出が、受信される。尚、該検出は、複数の超音波センサの連携によって得られても良いことは、言うまでも無い。各々の検出には、位置情報と方向情報が割り当てられている。この際、位置情報は、少なくとも一つの超音波センサの超音波シグナルが反射された反射位置を示す。該位置情報は、特に好ましくは、反射位置を示す座標を包含している。該方向情報は、超音波シグナルが、反射位置と少なくとも一つの超音波センサ間においてそれに沿って伝播した方向を示している。方向情報は、例えば、角度、特に好ましくは、方位角を与えることができる。
【0008】
続いて、受信された検出が、クラスタに割り当てられるが、一つのクラスタは、複数の検出を包含している。よって、該クラスタは、複数の検出のグループを構成している。一つ乃至複数のクラスタは、一つのオブジェクトに関する、即ち、一つのオブジェクトに由来する検出は、一つの或いは複数のクラスタに割り当てられることができる。
【0009】
クラスタの形成後、各々のクラスタ用に、位置情報の統計的分布に関する情報、並びに、方向情報の統計的分布に関する情報が算出されるが、この際、各々のクラスタに割り当てられた検出の位置情報と方向情報が基にされる。
【0010】
最後に、クラスタの位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクトのオブジェクトクラスへの分類が実施される。
【0011】
開示されている方法の技術的長所は、クラスタの位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を、該クラスタを、要するに、該クラスタに割り当てられているオブジェクトを、どのオブジェクトクラスへ帰属させるのかの判断支援として用いることが可能であるところにある。これにより、正確且つ効率良い、特に、オブジェクトクラス「車両」に割り当てられたクラスタ内の検出を高さ推定から除外することを目的としたオブジェクトクラス分類を達成できる。
【0012】
ある実施例によれば、位置情報は、少なくとも第一及び第二座標を包含している。該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列を基にした情報を包含している。該位置情報の第一及び第二座標の共分散行列を考慮することにより、特に、長手方向及びそれに対して直行して推移する横手方向における検出の分布をオブジェクトクラスへの分類のために用いることができる。特に、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の行列式は、判断条件として用いることができる。この行列式は、二次元に形成されたオブジェクト(特に、丸み及び/或いは角を有するオブジェクト)、例えば、車両などでは、線状のオブジェクト(例えば、縁石や壁オブジェクト)の場合よりも大きくなる。
【0013】
ある実施例によれば、該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値を包含している。この位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値によって、クラスタの主軸と副軸に沿った該クラスタの広がり度合いが提供されるため、該固有値から、オブジェクトの形状を推定できる。
【0014】
ある実施例によれば、該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値の比を包含している。該固有値の比は、線状オブジェクトと二次元に形成されたオブジェクトにおいて非常に異なっているため、頻繁に判断基準として採用されることができる。
【0015】
ある実施例によれば、検出の方向情報の統計的分布に関する情報は、方向情報の分散を包含している。該方向情報の分散は、線状オブジェクトでは、非常に僅かであるが、支柱など丸く膨らんだオブジェクトでは、非常に高い。車両では、車両輪郭が、平らな面と丸く膨らんだ面を有しているため、方向情報の分散は、線状オブジェクトと丸く膨らんだオブジェクトの分散の間にある。
【0016】
ある実施例によれば、検出の方向情報の統計的分布に関する情報は、方向情報の時間的な導関数を包含している。これにより、方向情報の経時的な変化を、オブジェクトクラス分類用の判断基準として用いることができる。
【0017】
ある実施例によれば、検出の方向情報の統計的分布に関する情報は、フィルタ機能によってフィルタリングされた方向情報の時間的な導関数を包含している。該フィルタ機能は、特に好ましくは、統計的異常値をフィルタリングするためのフィルタであることができる。これにより、フィルタリングされた方向情報の経時的な変化を、オブジェクトクラス分類用の判断基準として用いることができる。
【0018】
ある実施例によれば、該分類は、少なくとも、第一及び第二閾値を基にして実施されるが、第一閾値は、位置情報の統計的分布に関する情報用の閾値であり、第二閾値は、検出の方向情報の統計的分布に関する情報用の閾値である。ここでは、これら閾値を基にした二つ以上の判断ルールが、オブジェクトクラス分類用の判断基準として使用されることは明らかである。
【0019】
ある実施例によれば、第一及び第二閾値は、トレーニングデータによって割り出される。該トレーニングデータは、オブジェクト情報とそのオブジェクト情報に割り当てられているラベル情報を有している。ラベル情報は、各々のオブジェクトが帰属されているオブジェクトクラスを示している。このトレーニングデータを用いれば、どの位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報の閾値から各々のオブジェクトクラスへの分類が実施されるのかに関する判断ルールを作成することができる。
【0020】
ある実施例によれば、分類は、決定木、或いは、無作為決定森(英語:Random Forest)を用いて実施される。これにより、オブジェクトクラス分類を僅かな計算負荷で実施可能である。
【0021】
ある他の実施形態によれば、分類のためにニューラルネットワークを用いるが、該ニューラルネットワークは、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによって予めトレーニングされる。
【0022】
ある他の実施形態によれば、オブジェクトクラス「車両」及び「非車両」への分類が実施される。これにより、車両であるオブジェクトを、他の、例えば、オブジェクトクラス「壁」又は「縁石」のオブジェクトから区別することができる。
【0023】
ある他の実施形態によれば、オブジェクトの分類結果に応じて、オブジェクトの高さ推定が、実施される、或いは、実施されない。特に、オブジェクトクラス「車両」に係る検出に対しては、高さ推定は、実施されない。これにより、高さ推定時の計算負荷とエラー率を最小化できる。
【0024】
ある更なるアスペクトによれば、車両の少なくとも一つの超音波センサの情報に基づいてオブジェクトをオブジェクトクラスに分類するためのシステムが、開示される。該システムは、以下のステップを実施できる様に構成された計算ユニットを有している:
・ 車両の少なくとも一つの超音波センサの複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサの超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す;
・ 受信した検出に基づいて検出のクラスタを形成するステップ、但し、一つのクラスタは、複数の検出を包含している;
・ 各々のクラスタに割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ;
・ クラスタの位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクトのオブジェクトクラスへ分類するステップ。
【0025】
ある他の更なるアスペクトによれば、オブジェクトをオブジェクトクラスに分類するためのシステムを備えた車両が開示されている。
【0026】
本発明における「近似的に」、「実質的に」、或いは、「略」と言う様な表現は、正確な値から、それぞれ+/-10%、好ましくは、+/-5%以内の誤差、及び/或いは、機能に対して有意性のない誤差であると解釈される。
【0027】
本発明の発展形態、長所、及び、応用範囲は、実施例と図面に関する以下の説明によって示される。その際、全ての記述されている、及び/或いは、図示されている特徴は、それぞれにおいて、並びに、任意な組合せにおいて、各請求項、或いは、その参照元との組合せからは独立して、本発明の対象である。尚、請求項の内容も明細書の構成要素とする。
【0028】
以下本発明を、図面と実施例に基づいて詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、複数の車両の周囲に分散して配置された超音波センサ、並びに、超音波センサから提供される情報を評価するための演算ユニットを包含する超音波センサ類を装備した車両を模式的に例示している;
【
図2】
図2は、二台の車両間への長手方向駐車シチュエーションにおける検出の位置情報を示すグラフを例示している;
【
図3】
図3は、
図2に係る長手方向駐車シチュエーションにおける検出の位置情報、並びに、部分的に方向情報を示すグラフを例示している;
【
図4】
図4は、
図2及び
図3に示した検出に基づいて割り出された複数のクラスタを例示している;
【
図5】
図5は、オブジェクトをオブジェクトクラスに分類するための決定木の例を示している;そして、
【
図6】
図6は、オブジェクトをオブジェクトクラスに分類するための方法のステップを明示したブロック図を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、車両1を非常に概略的に例示している。該車両1は、それらを用いて周辺捕捉が実施される複数の超音波センサ2を装備している。
【0031】
該超音波センサ2は、それを用いて以下に記述するオブジェクトOをオブジェクトクラスに分類するための方法が実施される少なくとも一つの演算ユニット3と接続されている。
【0032】
図2は、車両1の複数の超音波センサ2によって捕捉され、複数のオブジェクトOが割り当てられている多数の検出が記入されたグラフが例示されている。該検出は、例えば、二台の車両間に長手方向駐車スペースが形成されている長手方向駐車シチュエーションに関する。二台の車両間に線状に配置された検出は、例えば、駐車スペースの側方を区切っている縁石に関している。
【0033】
その際、一つの検出は、一つの点で表されている。周辺オブジェクトにおける反射によってそこに検出が形成される反射位置は、位置情報によって示される。該位置情報は、それらによって水平なレベル面において該反射位置が定義される二つの座標を包含していることができる。これらは、特に好ましくは、
図2のグラフ内において、それぞれのグラフ軸にプロットされるx-とy-座標である。言い換えれば、該位置情報は、デカルト座標系内に示される。代案的には、該位置情報を円筒座標系、或いは、球座標系に示すことも可能である。
【0034】
該位置情報の統計的分布は、オブジェクトを分類するために用いられる。
【0035】
使用可能な場合、該位置情報は、反射が形成されたオブジェクト領域の高さに関する情報も包含していることができる。言い換えれば、該位置情報は、反射位置を三次元空間内において示すことができる。第三次元(即ち、高さ)に関する情報も、オブジェクトを分類するために用いられることができる。
【0036】
各検出に対しては、各々方向情報も割り出される。該方向情報は、どの方向から検出が受信されたのかを示す。該方向情報は、例えば、反射位置と反射した超音波シグナルが照射された及び/或いは反射した超音波シグナルが受診された超音波センサのセンサ位置をつなぐ接続ラインの方向を示す水平のレベル面上に広がる角度であることができる。該角度は、例えば、座標軸、例えば、x-軸に対して相対的に測定されることができる。よって、該方向情報は、例えば、反射位置と超音波センサのセンサ位置をつなぐ接続ラインとx-軸とがなす角度を包含していることができる。
【0037】
図3は、
図2と似通ったグラフを例示しているが、左側の車両に割り当てられた各々の検出に、付加的にそれぞれ方向情報も割り当てられている。該方向情報は、それぞれ、ラインを用いて示唆されている。これらのラインは、検出が割り出された方向を示している。言い換えれば、ラインは、超音波シグナルの送信及び/或いは受信の際に超音波センサ2があった方向を示している。留意すべきは、伝播速度の高さと、それに伴う送信と受信間の超音波シグナルのランタイムの短さから、超音波センサ2は、超音波シグナルを送信した時点と、超音波シグナルの反射された部分を受信した時点において、同じ地点にあったと近似的に仮定することが可能であると言うことである。
【0038】
複数の検出を一つのオブジェクトに割り当てるために、少なくとも一つのクラスタCは、捕捉された複数の検出から形成される。クラスタを形成するためには、例えば、密度に基づいたクラスタ形成法、パーティション化クラスタ形成法などの既知のクラスタ・アルゴリズムを用いる事が可能であるが、特に好ましくは、k平均・クラスタリング・アルゴリズム、或いは、DBSCANアルゴリズムをクラスタの形成に使用することが可能である。
【0039】
図4は、
図2及び
図3に示した検出に基づいて割り出された複数のクラスタCを描いている。
図4に示された楕円は、各々のクラスタCに割り当てられた各検出のx-y-座標の共分散マトリックスをそれぞれ描写している。クラスタCは、位置的に関連している検出のグループに関し、好ましくは、検出の各々のグループが、水平なレベル面(要するに、x-y-面)内にどの様に配置されているのかを示すものである。
【0040】
尚、検出の個数用の閾値が予め定められていることが好ましい。一つのクラスタを形成する検出の個数は、この閾値を超えていなければならない。これにより、少ない個数の検出からクラスタが形成されることを回避することができる。
【0041】
クラスタ形成後、各々のクラスタに対して、検出の位置情報の統計的分布に関する情報及び方向情報の統計的分布に関する情報を割り出すことが可能である。
【0042】
尚、各々のクラスタC用に、位置情報の平均値が算出されることが特に好ましい。該平均値は、クラスタの中央を示している。これは、例えば、一つのクラスタの検出のx-とy-座標を平均化することによって割り出されることができる。加えて、各クラスタに割り当てられた検出のx-とy-座標の共分散も算出できる。言い換えれば、検出のx-とy-座標の二次元のガウス分布が、算出される。
【0043】
一つのクラスタの検出の方向情報の統計的分布に関する情報は、一つのクラスタの検出の方向情報の平均値と分散を包含していることができる。この際、平均値と分散は、直接的に算出されることができる、或いは、方向情報に対して、平均値と分散の算出前に、例えば、平滑化フィルタを用いたフィルタリング、或いは、統計的異常値を除外するフィルタリングを実施することも可能である。
【0044】
位置情報の統計的分布に関する情報、及び、方向情報の統計的分布に関する情報からは、オブジェクトの分類に用いることができる更なる情報、乃至、値を算出することができる。
【0045】
例としては、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の行列式を、算出することができる。これは、多次元に形成されたオブジェクトにおいて、線状のオブジェクトの場合よりも大きい。即ち、共分散マトリックスの行列式は、多次元に形成されたオブジェクトと線状オブジェクトの区別に役立てることができる。
【0046】
更には、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値を、算出することもできる。特に、第一及び第二固有値を得ることができる。これらの固有値は、クラスタCの主軸、及び、それに対して直行して推移する副軸に沿った広がりを示している。尚、これらの固有値は、それによって、クラスタCの位置と向きを再現できる楕円の主軸と副軸の長さを与えるものであることが特に好ましい。このクラスタCに割り当てられた楕円は、
図4に描かれている。
【0047】
更には、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の第一及び第二固有値から商を、算出することもできる。固有値の比は、それが線状のオブジェクトであるか否かの間接的証拠を提供するが、その理由は、線状のオブジェクトの固有値の比が、二次元に形成されたオブジェクトのそれとは著しく異なっているからである。
【0048】
一つのクラスタの複数の検出の方向情報の分散も、それが線状のオブジェクトなのか、或いは、二次元に形成されたオブジェクトなのかに関する間接的証拠を提供する。即ち、例えば、方向情報の分散は、線状オブジェクトでは、非常に僅かであるが、支柱など丸く膨らんだオブジェクトでは、非常に高い。車両が、直線的な車両領域と、例えば、バックミラーやドアノブなど散乱的に反射する領域の双方を有しているため、方向情報の分散は、車両の場合、線状と丸いオブジェクトの方向情報の分散との間にある。
【0049】
加えて、検出の方向情報の統計的特徴の、或いは、検出のフィルタリングされた方向情報の時間的導関数、要するに、例えば、平均値、分散などの変化を割り出すことができる。
【0050】
尚、位置情報の統計的分布に関する情報、並びに、方向情報の統計的分布に関する情報は、回帰的に、要するに、クラスタCの形成が、一つの、或いは、複数の検出が受信される毎に更新されることによって割り出されることが好ましい。これにより、更新されたクラスタが得られる。一つのクラスタに割り当てられた検出の位置情報の統計的分布に関する情報及び方向情報の統計的分布に関する情報も、クラスタの更新後に更新される、即ち、新しく該クラスタに加えられた検出に基づいて改めて算出される。
【0051】
該検出の位置情報の統計的分布に関する情報及び方向情報の統計的分布に関する情報は、続いて、判断ルールを作成するために用いる事ができるが、該判断ルールに基づいて、オブジェクトのオブジェクトクラスへの分類が実施される。
【0052】
判断ルールを作成するためには、トレーニングデータを用いる事が可能である。これらのトレーニングデータは、オブジェクトの情報と該オブジェクトに割り当てられたラベル情報を有している。該ラベル情報は、各々のオブジェクトがどのオブジェクトクラスに割り当てられるべきかを定めている。判断ルールは、特に好ましくは、閾値である。
閾値の大きさは、トレーニングデータに基づいて定められることができる。
【0053】
該閾値は、位置情報の統計的分布に関する特定の情報、或いは、方向情報の統計的分布に関する特定の情報に割り当てられていることが可能である。該閾値は、特に、該閾値以下の情報は、第一オブジェクトクラスへ分類され、閾値以上の情報は、第二オブジェクトクラスへ分類されると言うことを示すことができる。
【0054】
オブジェクトを分類するためには、決定木、或いは、無作為決定森(英語:Random Forest)を用いる事ができる。
【0055】
決定木、或いは、無作為決定森の構造や判断ルールは、トレーニングデータによって定められることができる。
【0056】
図5は、決定木を例示している。この決定木は、オブジェクトのクラス「縁石」、「壁」、及び、「車両」へ分類を実施するための手法として例示されている。特に好ましくは、この決定木は、オブジェクトクラス「車両」と「非車両」への分類に用いられる。
【0057】
決定木の判断ルールは、位置情報の統計的分布に関する情報及び方向情報の統計的分布に関する情報に基づいている。位置情報の統計的分布に関する情報としては、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の第一及び第二固有値の商、即ち、共分散マトリックスの双方の固有値の比が、用いられる。方向情報の統計的分布に関する情報としては、方向情報の分散が用いられる。位置情報の統計的分布に関する情報、方向情報の統計的分布に関する情報、及び、これらの情報に割り当てられた閾値を基にして、検出を、各々一つのオブジェクトクラスのクラスタCへと割り当てることが可能である。これにより、特に、認識されたクラスタCの検出が、オブジェクトクラス「車両」に関するか否かを、決定できる。
【0058】
図5の決定木によれば、方向情報の分散が、0.00665よりも大きく、且つ、固有値の比が、0.0012よりも大きい場合は、99%の確からしさを持って該クラスタの検出が、車両であると仮定することができる。
【0059】
オブジェクト乃至該オブジェクトが割り当てられているクラスタをオブジェクトクラスへ分類した後、選択的に、超音波センサ類の情報を基にして高さ推定アルゴリズムを実施することが可能である。特に、オブジェクトクラス「車両」のクラスタに割り当てられている検出は、高さ推定から、誤った推定を回避するために、除外される。
【0060】
図6は、その概略的な表現において、車両の超音波センサ手段を用いてオブジェクトをオブジェクトクラスへ分類する本発明に係る方法のステップを示している。
【0061】
先ず、車両の少なくとも一つの超音波センサの複数の検出が、受信される(S10)。各々の検出には、位置情報と方向情報が帰属されている。該位置情報は、少なくとも一つの超音波センサの超音波シグナルが反射された反射位置を示す。該方向情報は、超音波シグナルが、反射位置と少なくとも一つの超音波センサ間においてそれに沿って伝播した方向を示している。
【0062】
続いて、検出のクラスタが、受信された検出を基にして形成される。その際、一つのクラスタは、複数の検出を包含している(S11)。
【0063】
該クラスタに対しては、続いて、各々のクラスタに割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報及び方向情報の統計的分布に関する情報が算出される(S12)。
【0064】
最後に、一つのオブジェクトに割り当てられたクラスタのオブジェクトクラスへの分類が実施されるが、これは、位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいて実施される(S13)。
【0065】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やバリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
【符号の説明】
【0066】
1 車両
2 超音波センサ
3 演算ユニット
C クラスタ
E 決定木
O オブジェクト
s1 第一閾値
s2 第二閾値
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やバリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するための方法であって、以下のステップを包含している:
a) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す(S10);
b) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している(S11);
c) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ(S12);
d) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ(S13)。
2.
位置情報が、少なくとも一つの第一及び一つの第二座標を包含している、但し、該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列を基にした情報を包含していることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値を包含していることを特徴とする上記2に記載の方法。
4.
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値の比を包含していることを特徴とする上記3に記載の方法。
5.
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の分散を包含していることを特徴とする上記のうち何れか一項に記載の方法。
6.
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
7.
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、フィルタ機能によってフィルタリングされた方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
8.
該分類が、少なくとも、第一及び第二閾値(s1,s2)を基にして実施されるが、第一閾値(s1)は、位置情報の統計的分布に関する情報用の閾値であり、第二閾値(s2)は、検出の方向情報の統計的分布に関する情報用の閾値であることを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
9.
該第一及び第二閾値(s1,s2)が、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによって割り出されることを特徴とする上記8に記載の方法。
10.
該分類が、決定木(E)、或いは、無作為決定森を用いて実施されることを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
11.
該分類のために、ニューラルネットワークが用いられる、但し、該ニューラルネットワークが、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによってトレーニングされたことを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
12.
オブジェクトクラス「車両」及び「非車両」への分類が実施されることを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
13.
オブジェクト(O)の分類結果に応じて、オブジェクト(O)の高さ推定が、実施される、或いは、実施されないことを特徴とする上記のうち何れか一つに記載の方法。
14.
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するためのシステムであって、以下のステップを実施できる様に構成された計算ユニット(3)を有していることを特徴とするシステム:
e) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す;
f) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している;
g) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ;
h) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ。
15.
上記14に記載のシステムを包含する車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するための方法であって、以下のステップを包含している:
a) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す(S10);
b) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している(S11);
c) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ(S12);
d) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ(S13)。
【請求項2】
位置情報が、少なくとも一つの第一及び一つの第二座標を包含している、但し、該位置情報の統計的分布に関する情報は、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列を基にした情報を包含していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値を包含していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該位置情報の統計的分布に関する情報が、位置情報の第一及び第二座標の共分散行列の固有値の比を包含していることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の分散を包含していることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項6】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項7】
検出の方向情報の統計的分布に関する情報が、フィルタ機能によってフィルタリングされた方向情報の時間的な導関数を包含していることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項8】
該分類が、少なくとも、第一及び第二閾値(s1,s2)を基にして実施されるが、第一閾値(s1)は、位置情報の統計的分布に関する情報用の閾値であり、第二閾値(s2)は、検出の方向情報の統計的分布に関する情報用の閾値であることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項9】
該第一及び第二閾値(s1,s2)が、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによって割り出されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該分類が、決定木(E)、或いは、無作為決定森を用いて実施されることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項11】
該分類のために、ニューラルネットワークが用いられる、但し、該ニューラルネットワークが、各々のオブジェクトクラスに関するラベル情報を有するトレーニングデータによってトレーニングされたことを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項12】
オブジェクトクラス「車両」及び「非車両」への分類が実施されることを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項13】
オブジェクト(O)の分類結果に応じて、オブジェクト(O)の高さ推定が、実施される、或いは、実施されないことを特徴とす
る請求項
1~4のうち何れか一つに記載の方法。
【請求項14】
車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の情報に基づいて、オブジェクト(O)をオブジェクトクラスへ分類するためのシステムであって、以下のステップを実施できる様に構成された計算ユニット(3)を有していることを特徴とするシステム:
e) 車両(1)の少なくとも一つの超音波センサ(2)の複数の検出を受信するステップ、但し、各々の検出には、位置情報と方向情報が、割り当てられており、該位置情報は、該少なくとも一つの超音波センサ(2)の超音波シグナルが反射された反射地点を示し、該方向情報は、反射地点と少なくとも一つの超音波センサ(2)間において超音波シグナルが、それに沿って伝播した方向を示す;
f) 受信した検出に基づいて検出のクラスタ(C)を形成するステップ、但し、一つのクラスタ(C)は、複数の検出を包含している;
g) 各々のクラスタ(C)に割り当てられている検出の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報を算出するステップ;
h) クラスタ(C)の位置情報の統計的分布に関する情報と方向情報の統計的分布に関する情報に基づいてオブジェクト(O)のオブジェクトクラスへ分類するステップ。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムを包含する車両。
【国際調査報告】