(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】炭素析出防止触媒、調製方法及び応用
(51)【国際特許分類】
B01J 23/89 20060101AFI20250214BHJP
C07C 17/23 20060101ALI20250214BHJP
C07C 21/18 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
B01J23/89 Z
C07C17/23
C07C21/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548666
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2023079588
(87)【国際公開番号】W WO2023165606
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202210207172.0
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513016127
【氏名又は名称】中化藍天集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】SINOCHEM LANTIAN CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.96, Jiangnan Avenue, Binjiang District, Hangzhou 310051, Zhejiang, China
(71)【出願人】
【識別番号】520217618
【氏名又は名称】浙江▲藍▼天▲環▼保高科技股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520217629
【氏名又は名称】浙江省化工研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 武燦
(72)【発明者】
【氏名】李 玲
(72)【発明者】
【氏名】馬 超峰
(72)【発明者】
【氏名】盧 春山
(72)【発明者】
【氏名】張 建君
(72)【発明者】
【氏名】李 小年
(72)【発明者】
【氏名】金 佳敏
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BB02A
4G169BB02B
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC35A
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC70A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CB02
4G169DA06
4G169EA01Y
4G169ED05
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB14
4G169FB27
4H006AA02
4H006AC13
4H006BA85
(57)【要約】
本発明は、炭素析出防止触媒、調製方法及び応用を開示し、前記炭素析出防止触媒は、炭素担体、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIで構成され、金属活性成分が白金又はパラジウムであり、金属助剤Iが亜鉛又は銅又はコバルトであり、金属助剤IIがルテニウム又はニッケルであり、各種類の金属成分には1種類の金属のみがあり、担体中の金属活性成分の質量含有量が0.2~2.0%であり、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIの質量比が1:(1~10):(0.01~0.001)である。本発明の炭素析出防止触媒中の3種類の金属は、多機能触媒活性センターを形成することができ、高い脱塩素触媒性能を維持しながらその場での炭素析出の水素化除去を達成し、炭素析出の発生を効果的に抑制し、触媒の安定性と寿命を向上させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素析出防止触媒であって、前記触媒は、炭素担体、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIで構成され、金属活性成分が白金又はパラジウムであり、金属助剤Iが亜鉛又は銅又はコバルトであり、金属助剤IIがルテニウム又はニッケルであり、各種類の金属成分には1種類の金属のみがあり、担体中の金属活性成分の質量含有量が0.2~2.0%であり、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIの質量比が1:(1~10):(0.01~0.001)であることを特徴とする、炭素析出防止触媒。
【請求項2】
担体中の金属活性成分の質量含有量が0.2~1.5%であることを特徴とする、請求項1に記載の炭素析出防止触媒。
【請求項3】
金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIの質量比が1:(1~8):(0.01~0.003)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の炭素析出防止触媒。
【請求項4】
炭素析出防止触媒の調製方法であって、前記調製方法は、
A1.活性炭処理を行うステップであって、
モル濃度1~5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を使用し、活性炭を50~90℃で2~6時間浸漬洗浄し、中性になるまで水で洗浄し、モル濃度0.5~3mol/Lの塩酸を使用し、活性炭を20~60℃で2~6時間浸漬洗浄し、中性になるまで水で洗浄し、活性炭と水酸化ナトリウム溶液/塩酸の比が1:1.5~5.0(g/mL)であるステップと、
A2.浸漬溶液を調製するステップであって、
金属活性成分塩、金属助剤I塩及び金属助剤II塩を秤量し、それらをクエン酸アンモニウム及びグリコール酸の水溶液中で均一に混合し、浸漬溶液を形成するステップと、
A3.活性炭浸漬を行うステップであって、
ステップA1で処理された活性炭をステップA2の前記浸漬溶液に加え、20~50℃で2~5時間撹拌し、その後、5~12時間静置して熟成させた後、活性炭を取り出して乾燥させ、浸漬溶液の体積が活性炭の細孔容積の1.5~2倍であるステップと、
A4.触媒合成を行うステップであって、
金属成分を担持した活性炭を不活性雰囲気中で焙焼し、室温から200~600℃まで1~5℃/分の速度で昇温し、2~5時間定温を保ち、炭素析出防止触媒を得るステップとを含むことを特徴とする、炭素析出防止触媒の調製方法。
【請求項5】
クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1~3、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1~3、前記不活性ガスが窒素又はアルゴンであり、流速が1~10mL/分であることを特徴とする、請求項4に記載の炭素析出防止触媒の調製方法。
【請求項6】
水素化脱塩素反応での請求項1~3のいずれか一項に記載の炭素析出防止触媒の応用であって、前記炭素析出防止触媒は、トリフルオロトリクロロエタンの水素化脱塩素化によるクロロトリフルオロエチレンの調製、1,1,2-トリクロロエチレンの水素化脱塩素化によるエチレンの調製、ペンタフルオロクロロエタンの水素化脱塩素化によるペンタフルオロエタンの調製、1,1-ジクロロテトラフルオロエタンの水素化脱塩素化による1-クロロ-テトラフルオロエタンとテトラフルオロエタンの調製、2,3-ジクロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの水素化脱塩素による1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの調製のために使用されることを特徴とする、応用。
【請求項7】
原料ガスを供給して水素化脱塩素反応を行う前に、炭素析出防止触媒を還元して活性化し、前記還元活性化ステップは、
炭素析出防止触媒を反応器に入れ、水素を供給することによって還元して活性化することであって、水素の体積空間速度が2~8分
-1、昇温プログラムが1~3℃/分であり、室温から300~400℃まで昇温し、1~3時間定温を保つことを含むことを特徴とする、請求項6に記載の水素化脱塩素反応での炭素析出防止触媒の応用。
【請求項8】
触媒粒度と反応器内径との比が1:(6~10)であることを特徴とする、請求項7に記載の水素化脱塩素反応での炭素析出防止触媒の応用。
【請求項9】
アンモニアガスと原料ガスを同時に反応器に供給し、水素化脱塩素反応を行い、アンモニアガスの含有量と生成する塩化水素が一致し、両者のモル比を1:1に設定することを特徴とする、請求項8に記載の水素化脱塩素反応での炭素析出防止触媒の応用。
【請求項10】
トリフルオロトリクロロエタンの水素化脱塩素化によるクロロトリフルオロエチレンの調製方法であって、アンモニアガス、トリフルオロトリクロロエタン及び水素を同時に管型反応器に供給し、水素化脱塩素反応を行い、反応温度が250~350℃であり、トリフルオロトリクロロエタンの空間速度が40~100時間
-1であり、トリフルオロトリクロロエタンと水素とのモル比が1:(1~3)であり、アンモニアガス含有量と生成する塩化水素を1:1に設定することを特徴とする、調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の分野に関し、特に、炭素析出防止触媒、調製方法及び応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クロロトリフルオロエチレンは、わずかにエーテル臭のある無色の気体で、反応性に優れ、重要な含フッ素重合モノマーであり、また、重要な化学中間体であり、農薬、医療、高分子材料などの分野で幅広く使用されている。
【0003】
中国特許出願CN1110103604Aは、接触水素化脱塩素用の触媒、その調製方法及び応用を開示し、該方法では、合金触媒は、元素Ruを主体とし、指定された合金元素Re、Ti、Cr、Ni、Al、Co、Cu、Nb、Ta、Ru、Pt又はAgのいずれか1つ以上を選択してRuと合金を形成し、助剤がアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、担体が活性炭担体である。それをクロロトリフルオロエチレンの調製に使用する場合、クロロトリフルオロエチレンの転化率が約95.7%、選択性が95.6%である。
【0004】
しかし、接触水素化によるCTFEの合成には、炭素析出をいかに抑制するかという重要な中核問題がある。炭素析出の存在は、反応初期の原料転化率や生成物の選択性に影響を与えないが、触媒の安定性や寿命に大きな影響を与える。既存の文献では、炭素析出は主に触媒活性部位の酸性度と反応温度の影響を受けると報告されている。したがって、活性部位の酸性度を下げるか、触媒活性を高める(反応温度を下げる)と、炭素析出を効果的に抑制し、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0005】
中国特許出願CN1589970Aは、アルキル芳香族炭化水素の脱水素によってアルケニル芳香族を生産する触媒の再生方法を開示し、該方法では、水蒸気と空気を使用し、水熱法で触媒を再生するが、触媒に付着した炭素を完全に焼き切るには、より高い再生温度が必要である。
【0006】
中国特許出願CN107497420Aは、炭素含有貴金属触媒の再生方法を開示し、該方法では、燃焼プロセスでは、再生ガス中の酸素含有量を段階的に制御し、段階的な燃焼によって触媒に析出した炭素を除去し、塩素化と還元によって触媒の活性を回復する。貴金属触媒の再生プロセスでは、塩素化操作中に水分含有量が多すぎると、触媒の活性が低下し、したがって、該方法では、再生効率を確保するために、プロセスガス中の水分と最高動作温度を厳密に制御する必要がある。
【0007】
中国特許出願CN107999057Aは、担持貴金属触媒の再生方法を開示し、該方法では、失活させた担持貴金属触媒をCO2とO2の混合ガスで酸化し、酸化後、テトラヒドロフラン溶媒中で還元剤で還元して再生触媒を得る。
【0008】
要するに、従来の触媒及びその接触水素化プロセスでは、炭素析出の発生を完全に抑制することはできず、炭素析出は、発生後に炭素析出を再生することによってのみ除去することができ、つまり、空気、CO2、H2O及びその他のガスを使用して炭素析出と化学反応させて炭素析出を除去する。しかし、炭素析出を除去するプロセスでは、担体炭素にダメージを与え、触媒粒子の構造を破壊し、回復不能な触媒の失活を引き起こすことが避けられない。したがって、炭素析出の除去プロセスを制御することは困難である。
【0009】
これまでのところ、接触水素化脱塩素触媒における炭素析出の問題を効果的に解決する関連報告はない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、炭素析出を効果的に防止できるフルオロクロロアルカン水素化脱塩素触媒、その調製方法及び応用を提供することである。
【0011】
本発明の一態様によれば、本発明は、以下の技術的解決手段を使用する。
【0012】
炭素析出防止触媒であって、上記触媒は、炭素担体、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIで構成され、金属活性成分が白金又はパラジウムであり、金属助剤Iが亜鉛又は銅又はコバルトであり、金属助剤IIがルテニウム又はニッケルであり、各種類の金属成分には1種類の金属のみがある。
【0013】
担体中の金属活性成分の質量含有量が0.2~2.0%であり、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIの質量比が1:(1~10):(0.01~0.001)である。
【0014】
好ましくは、担体中の金属活性成分の質量含有量が0.2~1.5%である。
【0015】
好ましくは、金属活性成分、金属助剤I及び金属助剤IIの質量比が1:(1~8):(0.01~0.003)である。
【0016】
上記炭素担体が活性炭であり、好ましくは粒子状であり、灰分が2重量%以下である。
【0017】
本発明の第2態様によれば、本発明は、炭素析出防止触媒の調製方法をさらに提供し、具体的には、以下のステップを含む。
【0018】
A1.活性炭処理のステップ
モル濃度1~5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を使用し、活性炭を50~90℃で2~6時間浸漬洗浄し、中性になるまで水で洗浄し、モル濃度0.5~3mol/Lの塩酸を使用し、活性炭を20~60℃で2~6時間浸漬洗浄し、中性になるまで水で洗浄する。活性炭と水酸化ナトリウム溶液/塩酸との比が1:1.5~3.0(g/mL)であり、g/mLは、1mLの水酸化ナトリウム溶液/塩酸で1gの活性炭を浸漬洗浄することを表す。
【0019】
このステップの目的は、活性炭中の金属灰を除去し、個々の金属成分の含有量が0.01重量%以下になるようにすることである。
【0020】
A2.浸漬溶液の調製
金属活性成分塩、金属助剤I塩及び金属助剤II塩を秤量し、それらをクエン酸アンモニウム及びグリコール酸の水溶液中で均一に混合し、浸漬溶液を形成し、
【0021】
上記金属活性成分塩、金属助剤I塩及び金属助剤II塩はいずれも可溶性塩である。具体的には、金属活性成分塩は、白金又はパラジウムの塩化物塩又は硝酸塩、例えば、二塩化白金、四塩化白金及び二塩化パラジウムであり得、金属助剤I塩は、例えば、塩化亜鉛、塩化銅、塩化コバルト、硝酸銅、硝酸コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸コバルトなどの、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩又は有機塩から選択された、亜鉛、銅又はコバルトの可溶性塩であり得る。金属助剤II塩は、水和三塩化ルテニウム、酢酸ルテニウム、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケルなどのルテニウム又はニッケルの可溶性塩であり得る。
【0022】
A3.活性炭浸漬
ステップA1で処理された活性炭をステップA2の前記浸漬溶液に加え、20~50℃で2~5時間撹拌し、その後、5~12時間静置して熟成させた後、活性炭を取り出して乾燥させ、上記乾燥が空気乾燥又はオーブン乾燥であり得、浸漬溶液の体積が活性炭の細孔容積の1.5~2倍で、等体積浸漬であり、活性炭の細孔容積がBET法によって測定され、
【0023】
A4.触媒合成のステップ
金属成分を担持した活性炭を不活性雰囲気中で焙焼し、室温から200~600℃まで1~5℃/分の速度で昇温し、2~5時間定温を保ち、炭素析出防止触媒を得る。具体的には、不活性ガスが窒素又はアルゴンガスであり、流速が1~10mL/分である。
【0024】
焙焼することにより、金属塩を焙焼して酸化物を形成するだけでなく、各金属成分間、及び各金属成分と活性炭担体との結合力を強化し、触媒の安定性を向上させることができる。
【0025】
さらに、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1~3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1~3である。好ましくは、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1.5~2.5であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1.5~2.5である。
【0026】
本発明の第3態様によれば、本発明は、上記のように調製された炭素析出防止触媒の応用をさらに提供し、具体的には、上記炭素析出防止触媒は、水素化脱塩素反応のために使用され、より具体的には、上記炭素析出防止触媒は、トリフルオロトリクロロエタンの水素化脱塩素化によるクロロトリフルオロエチレンの調製、1,1,2-トリクロロエチレンの水素化脱塩素化によるエチレンの調製、ペンタフルオロクロロエタンの水素化脱塩素化によるペンタフルオロエタンの調製、1,1-ジクロロテトラフルオロエタンの水素化脱塩素化による1-クロロ-テトラフルオロエタンとテトラフルオロエタンの調製、2,3-ジクロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの水素化脱塩素による1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの調製のために使用される。
【0027】
本発明に記載の炭素析出防止触媒が水素化脱塩素反応のために使用される場合、原料ガスを供給して水素化脱塩素反応を行う前に、炭素析出防止触媒を還元して活性化し、上記還元活性化ステップは、
【0028】
炭素析出防止触媒を反応器に入れ、水素を供給することによって還元して活性化することであって、水素の体積空間速度が2~8分-1、昇温プログラムが1~3℃/分であり、室温から300~400℃まで昇温し、1~3時間定温を保つことを含む。
【0029】
さらに、触媒粒度と反応器内径との比が1:(6~10)である。
【0030】
さらに、本出願では、アンモニアガスと原料ガスを同時に反応器に供給し、水素化脱塩素反応を行い、アンモニアガスの含有量と生成する塩化水素が一致し、両者のモル比を1:1に設定する。
【0031】
本発明は、トリフルオロトリクロロエタンの水素化脱塩素化によるクロロトリフルオロエチレンの調製方法をさらに提供し、具体的には、以下を含む。
【0032】
アンモニアガス、トリフルオロトリクロロエタン(R113)及び水素を同時に管型反応器に供給し、水素化脱塩素反応を行い、反応温度が250~350℃であり、トリフルオロトリクロロエタンの空間速度が40~100時間-1であり、R113と水素とのモル比が1:(1~3)、好ましくは、1:(1.5~2.5)であり、アンモニアガス含有量と生成する塩化水素を1:1に設定する。
【0033】
実際の反応では、最初にR113と水素の反応によって得られる理論上の塩化水素含有量によってアンモニアガス流量を設定し、反応プロセス中に生成物流中の塩化水素含有量を監視してアンモニアガス流量を調整する。
【0034】
従来技術に比べて、本発明の利点は、主に以下の点に反映される。
【0035】
1)本発明の炭素析出防止触媒中の3種類の金属助剤は、多機能触媒活性センターを形成することができ、高い脱塩素触媒性能を維持しながらその場での炭素析出の水素化除去を達成し、巨視的な炭素析出を引き起こさず、炭素析出の発生を効果的に抑制し、触媒の安定性と寿命を向上させる。
【0036】
2)本発明の炭素析出防止触媒を水素化脱塩素反応に使用する場合、原料ガスと同時にアルカリ性アンモニアガスを供給することにより、活性センターの酸性度を低下させ、触媒表面への酸性塩化水素や吸着塩素の吸着を抑制し、炭素析出の発生を低減する。同時に、適切な量のアンモニアガスも塩化水素と反応して、脱塩素化反応を右に促進し、転化率を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に列挙される実施形態を特定の実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明の保護範囲は以下の実施例に限定されない。
【0038】
実施例で使用した金属活性成分塩、金属助剤I塩、金属助剤II塩、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸アンモニウム及びグリコール酸はいずれもSinopharm Chemical Reagent Co.,Ltdから入手したものであり、活性炭はアラジン化学品購買管理プラットフォームからのものである。活性炭の比表面積が1100m2/g、細孔容積が0.7648cc/g、灰分が1.5重量%である。
【0039】
(実施例1)
(1)8.0mgのPtCl2、8.0mgのCu(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2であり、次に、脱イオン水を加えて全容積5.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0040】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で2時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で2時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0041】
(3)処理済みの活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速1mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から220℃まで1℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0042】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:6であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の体積空間速度が2分-1であり、次に、室温から300℃まで1℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0043】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の体積空間速度を2分-1に維持し、ガス化したトリフルオロトリクロロエタン(R113)を供給し、R113の体積空間速度が40時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が1.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が250℃である。
【0044】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.45%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.78%である。
【0045】
(実施例2)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、20℃で2時間撹拌する。
【0046】
(2)3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、70℃で4時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、1mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、40℃で4時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0047】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速3mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から200℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0048】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から400℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0049】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を8分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が100時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が350℃である。
【0050】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.95%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.89%である。
【0051】
(実施例3)
(1)8.0mgのPtCl2、40.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:3であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.5mLの浸漬溶液を調製し、30℃で3時間撹拌する。
【0052】
(2)5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液8mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、90℃で6時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、3mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、60℃で6時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0053】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速5mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から200℃まで5℃/分の速度で昇温し、4時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0054】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:8であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が6分-1であり、次に、室温から350℃まで2℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保つ。
【0055】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を6分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が60時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.1分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が280℃である。
【0056】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.23%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が97.18%である。
【0057】
(実施例4)
(1)12.0mgのPtCl2、80.0mgのCo(NO3)2及び0.012mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2であり、次に、脱イオン水を加えて全容積7.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で2時間撹拌する。
【0058】
(2)4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、80℃で5時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、1mol/Lの塩酸8mLの入ったビーカーに活性炭を加え、50℃で3時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0059】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速7mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで5℃/分の速度で昇温し、5時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0060】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:9であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から320℃まで2℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保つ。
【0061】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を8分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が80時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.7分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が300℃である。
【0062】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.65%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が97.09%である。
【0063】
(実施例5)
(1)16.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.012mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:3であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、20℃で5時間撹拌する。
【0064】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液9mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で2時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸9mLの入ったビーカーに活性炭を加え、30℃で3時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0065】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで5℃/分の速度で昇温し、5時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0066】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:7であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が4分-1であり、次に、室温から400℃まで1℃/分の速度で昇温し、1時間定温を保つ。
【0067】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を4分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が70時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が350℃である。
【0068】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が95.22%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が97.82%である。
【0069】
(実施例6)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1であり、次に、脱イオン水を加えて全容積7.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で3時間撹拌する。
【0070】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液9mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で4時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、50℃で4時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0071】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から220℃まで3℃/分の速度で昇温し、5時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0072】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が5分-1であり、次に、室温から400℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0073】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を5分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が100時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が330℃である。
【0074】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.65%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.21%である。
【0075】
(実施例7)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1であり、次に、脱イオン水を加えて全容積5.5mLの浸漬溶液を調製し、30℃で2時間撹拌する。
【0076】
(2)3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、80℃で6時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、3mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、50℃で4時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0077】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速1mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から200℃まで1℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0078】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:9であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から300℃まで3℃/分の速度で昇温し、1時間定温を保つ。
【0079】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を8分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が90時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.1分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が330℃である。
【0080】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.45%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が97.34%である。
【0081】
(実施例8)
(1)8.0mgのPdCl2、80.0mgのCu(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:1であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、30℃で5時間撹拌する。
【0082】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液10mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で2時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸10mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で2時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0083】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで1℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0084】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:8であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から380℃まで1℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0085】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を8分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が60時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.1分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が350℃である。
【0086】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が98.75%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が95.87%である。
【0087】
(実施例9)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2であり、次に、脱イオン水を加えて全容積7.0mLの浸漬溶液を調製し、30℃で3時間撹拌する。
【0088】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液12mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、60℃で4時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸6mLの入ったビーカーに活性炭を加え、30℃で4時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0089】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで1℃/分の速度で昇温し、5時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0090】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から400℃まで2℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0091】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を8分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が100時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が340℃である。
【0092】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.35%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.77%である。
【0093】
(実施例10)
(1)8.0mgのPtCl2、80.0mgのCu(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2.5であり、次に、脱イオン水を加えて全容積5.5mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0094】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液12mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、90℃で6時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、3mol/Lの塩酸12mLの入ったビーカーに活性炭を加え、60℃で6時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0095】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速8mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで4℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0096】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が5分-1であり、次に、室温から370℃まで3℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保つ。
【0097】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を5分-1に維持し、ガス化したトリフルオロトリクロロエタン(R113)を供給し、R113の体積空間速度が80時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.7分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が270℃である。
【0098】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.85%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が95.86%である。
【0099】
(実施例11)
(1)8.0mgのPdCl2、80.0mgのZn(NO3)2及び0.08mgの塩化ルテニウムを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1.5であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:3であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0100】
(2)5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液10mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、80℃で3時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、2mol/Lの塩酸12mLの入ったビーカーに活性炭を加え、50℃で2時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0101】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速5mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0102】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:7であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が4分-1であり、次に、室温から340℃まで2℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保つ。
【0103】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を4分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が90時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.1分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が260℃である。
【0104】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.15%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.45%である。
【0105】
(実施例12)
(1)8.0mgのPdCl2、80.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2.5であり、次に、脱イオン水を加えて全容積5.5mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0106】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液10mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で5時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸12mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で6時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0107】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から230℃まで5℃/分の速度で昇温し、4時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0108】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:7であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が6分-1であり、次に、室温から330℃まで3℃/分の速度で昇温し、1時間定温を保つ。
【0109】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を6分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が100時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が3.4分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が300℃である。
【0110】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.05%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が97.09%である。
【0111】
(実施例13)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0112】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液9mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、90℃で2時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸9mLの入ったビーカーに活性炭を加え、60℃で2時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0113】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速10mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで1℃/分の速度で昇温し、5時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0114】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:7であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が5分-1であり、次に、室温から400℃まで1℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0115】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を5分-1に維持し、ガス化したR113を供給し、R113の空間速度が60時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.1分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が320℃である。
【0116】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が97.93%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.59%である。
【0117】
(実施例14)
(1)8.0mgのPtCl2、80.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:3であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2.5であり、次に、脱イオン水を加えて全容積5.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0118】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液7mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で5時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、0.5mol/Lの塩酸8mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で5時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0119】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速8mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで5℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0120】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が6分-1であり、次に、室温から320℃まで1℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。
【0121】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を6分-1に維持し、ガス化した原料ガスを供給し、原料ガスの空間速度が50時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が1.7分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が260℃である。
【0122】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.90%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.69%である。
【0123】
(実施例15)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:1であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:2であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.5mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0124】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で2時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、3mol/Lの塩酸9mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で5時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0125】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速1mL/分の窒素雰囲気中で乾燥した後、室温から250℃まで1℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0126】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が3分-1であり、次に、室温から380℃まで1℃/分の速度で昇温し、1時間定温を保つ。
【0127】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を3分-1に維持し、ガス化した原料ガスを供給し、原料ガスの空間速度が50時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.7分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が310℃である。
【0128】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.65%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.45%である。
【0129】
(実施例16)
(1)8.0mgのPtCl2、16.0mgのCo(NO3)2及び0.08mgの硝酸ニッケルを秤量し、クエン酸アンモニウムとグリコール酸の入ったビーカーに入れ、クエン酸アンモニウムとグリコール酸とのモル比が1:2であり、クエン酸アンモニウムとグリコール酸との合計と金属全体とのモル比が1:3であり、次に、脱イオン水を加えて全容積6.0mLの浸漬溶液を調製し、50℃で5時間撹拌する。
【0130】
(2)1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液6mLの入ったビーカーに10~20メッシュの粒状活性炭4gを加え、50℃で6時間撹拌し、次に、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、その後、3mol/Lの塩酸9mLの入ったビーカーに活性炭を加え、20℃で5時間撹拌した後、活性炭が中性になるまで脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させて処理済みの活性炭担体を得る。
【0131】
(3)ステップ(2)で処理された活性炭粒状担体をステップ(1)で調製した浸漬溶液に入れ、浸漬溶液を軽く撹拌し、浸漬が完了した後、一晩静置する。窒素流速1mL/分の窒素雰囲気中で浸漬した後、室温から250℃まで5℃/分の速度で昇温し、4時間定温を保って炭素析出触媒を得る。
【0132】
(4)調製した触媒を管型反応器に入れ、触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素を供給し、還元して活性化し、水素の空間速度が6分-1であり、次に、室温から400℃まで2℃/分の速度で昇温し、2時間定温を保つ。
【0133】
(5)還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を6分-1に維持し、ガス化した原料ガスを供給し、原料ガスの空間速度が80時間-1であり、同時にアンモニアガスを供給し、流量が2.7分-1であり、それが生成する塩化水素の流量と一致し、反応温度が330℃である。
【0134】
10時間の安定した操作後のクロマトグラフィー試験では、面積正規化結果が以下のとおりである。R113の転化率が96.85%、クロロトリフルオロエチレンの選択性が96.08%である。
【0135】
(実施例17)
本実施例の操作が実施例2と同じであり、実施例2の反応温度と原料ガスR113の空間速度のみを変更し、異なる反応条件下での触媒性能を比較し、その結果が表1に示される。
【0136】
【表1】
注釈:触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素の体積空間速度が8分
-1であり、次に、室温から400℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。還元と活性化が終了した後、水素の空間速度を維持し、ガス化したR113を供給し、アンモニアガスの流量は、生成する塩化水素の流量と一致するように設定される。
【0137】
(実施例18)
本実施例は、実施例2の寿命実験を試験し、すなわち、実施例2の異なる安定した操作時間下の反応物に対して検出分析を行い、その結果が表2に示される。
【0138】
【0139】
試験方法は、以下のとおりである。触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から400℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。還元と活性化が終了した後、水素の空間速度8分-1を維持し、ガス化したR113を供給し、R113の体積空間速度が100時間-1であり、アンモニアガスの流量が3.4分-1である。反応温度が350℃である。
【0140】
(比較例1)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対する金属活性成分の重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、金属助剤II-ニッケルが加えられないことである。
【0141】
【0142】
試験方法は、以下のとおりである。触媒粒度と反応器内径との比が1:10であり、水素の空間速度が8分-1であり、次に、室温から400℃まで3℃/分の速度で昇温し、3時間定温を保つ。還元と活性化が終了した後、水素の空間速度8分-1を維持し、ガス化したR113を供給し、R113の体積空間速度が100時間-1であり、アンモニアガスの流量が3.4分-1である。反応温度が350℃である。
【0143】
(比較例2)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対する金属活性成分の担持形態の重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、浸漬溶液の調製であり、クエン酸アンモニウム及びグリコール酸が加えられない。
【0144】
【0145】
(比較例3)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対するアンモニアガスの重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、性能試験時にアンモニアガスを供給しないことである。
【0146】
【0147】
(比較例4)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対する金属助剤II及びアンモニアガスの重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、金属助剤II-ニッケルが加えられず、アンモニアガスが供給されないことである。
【0148】
【0149】
(比較例5)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対する金属活性成分の担持形態の重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、浸漬溶液の調製であり、クエン酸アンモニウムのみが加えられ、グリコール酸が加えられない。
【0150】
【0151】
(比較例6)
該比較例を実施例2と比較して、触媒性能に対する金属活性成分の担持形態の重要性を実証する。調製方法は実施例2と同じであるが、唯一の違いは、浸漬溶液の調製であり、グリコール酸のみが加えられ、クエン酸アンモニウムが加えられない。
【0152】
【国際調査報告】