(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】化合物の使用、医薬製剤、喘息及び/又はCOPDを治療する方法、並びに化合物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/37 20060101AFI20250214BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250214BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250214BHJP
C07D 493/04 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
A61K31/37
A61P11/06
A61P11/00
C07D493/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569662
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2024-10-02
(86)【国際出願番号】 BR2022050047
(87)【国際公開番号】W WO2023150843
(87)【国際公開日】2023-08-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304194
【氏名又は名称】フンダシオ オズワルド クルーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソアレス ミレナ ボテーリョ ペレイラ
(72)【発明者】
【氏名】サント レナン フェルナンデス ド エスピリト
(72)【発明者】
【氏名】ビジャレアル クリスティアン フローラ
(72)【発明者】
【氏名】レモス パウロ ヴィトール フランカ
(72)【発明者】
【氏名】コスタ ラファエル ドス サントス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA19
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA56
4C086NA14
4C086ZA59
(57)【要約】
本発明は、薬理学及び医学の分野に属し、喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するためのクマリン誘導体化合物の使用に関する。本発明者らは、吸入ブレイリンが喘息及びCOPDの治療において高い治療効力を有し、その効力は全身性デキサメタゾンに匹敵し、それ自体が従来の治療に代わる前例のないものとなることを明らかにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(I)
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の活性化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体の使用であって、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療剤の製造のためであることを特徴とする、使用。
【請求項2】
前記活性化合物は、式II:
【化2】
(II)
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記活性化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記治療剤は、吸入を介した投与に適した形態で製剤化されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記治療剤は、1mg~1000mgの前記活性化合物を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記治療剤は、粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記治療剤は、カプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤による投与に適した形態で製剤化されることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
式I:
【化3】
(I)
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の活性化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な添加剤とを含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項9】
前記活性化合物は、式II:
【化4】
(II)
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記活性化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
吸入を介した投与に適した形態であることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
喘息及び/又はCOPDの治療用であることを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態であることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
カプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤の形態であることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
1mg~1000mgの前記式Iの化合物を含むことを特徴とする、請求項8~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
喘息及び/又はCOPDを治療する方法であって、治療的有効量の式I:
【化5】
(I)
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体をそれを必要とする患者に投与することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記化合物は、式II:
【化6】
(II)
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物を、1mg/kg~100mg/kgの用量で投与することを特徴とする、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物を、50mg/kgの用量で投与することを特徴とする、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物を、吸入を介して投与することを特徴とする、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物を、粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態で投与することを特徴とする、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物を、カプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤によって投与することを特徴とする、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
喘息及び/又はCOPDの治療において使用される、式I:
【化7】
(I)
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体であることを特徴とする、化合物。
【請求項25】
式II:
【化8】
(II)
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体であることを特徴とする、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項24又は25に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬理学及び医学の分野に属し、喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するためのクマリン誘導化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
社会において最も一般的な疾患は、直接的又は間接的に呼吸器系に関連付けられた疾患である。これらの病気の症状発現は非常に幅広く、様々な原因があり、これらは遺伝的要因、汚染、及び悪習(喫煙)と関係している可能性がある。これらの呼吸器疾患のうち、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)が世界人口において最も一般的な疾患である(WHO、2021年)。
【0003】
この高い発生率のため、医学は呼吸器疾患用の新しい治療方法とともに進歩している。したがって、療法の有効性を改善するのに、天然組成物及び合成組成物を含む新しい薬物製剤が人々に提供される。
【0004】
呼吸器疾患の治療における生物工学の進歩にもかかわらず、克服すべき障壁は依然として存在する。この意味で、薬物ベースの療法において、体重増加から心臓障害に至る様々な副作用を呈することが一般的である。
【0005】
1990年代初頭、喘息は、様々な刺激に対する応答の異常な増加を伴う、可変的かつ可逆的な気道の閉塞を特徴とする症候群として定義された。しかしながら、定義が存在しているにもかかわらず、原因、機構、及び療法に対する奏効が様々であるため、この疾患についての合意に基づく定義は依然として存在しなかった(非特許文献1)。現在、米国国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)によると、喘息は気道に炎症及び狭窄を引き起こす慢性肺疾患である。喘息患者においては、喘鳴、胸の圧迫感、息切れ、及び咳を繰り返す期間が見られることが一般的である(NIH、2007年)。ブラジル肺臓・結核学会(Brazilian Society of Pulmonology and Tisiology)からの喘息管理用ガイドラインでは、喘息の慢性化及び組織炎症に加えて、多くの細胞及び細胞要素の関与が見られることがそれらの定義に追加されている(SBPT、2012年)。
【0006】
喘息は、他の慢性呼吸器疾患の中でも、人口に大きな悪影響を及ぼす重要な公衆衛生上の問題である(非特許文献2)。世界中の喘息の有病率に関する数字は印象的であり、グローバル喘息ネットワーク(Global Asthma Network)(2014年)によると、喘息には3億3400万人が罹患しており、引き起こされた障害の程度及び期間の点で、小児及び高齢者においてコントロールするのが最も難しいことに加え、世界中で14番目に重要な疾患である。
【0007】
また、喘息患者による医療サービス及び薬品の使用に対する支出は、コントロール不能な喘息を伴う患者では、コントロールされた喘息を伴う患者よりも2倍高く、喘息のコントロールの欠如が医療サービスの使用に最も大きな影響を与える要因であり、疾患の重症度に比例して支出が増加することも知られている(SBPT、2012年)。喘息が世帯収入に及ぼす影響に関して、現在、低所得者層の患者において支出は25%に達しており、これはこれらの費用が20%を超えるべきではないという世界保健機関の推奨よりも20%高い。
【0008】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺の通気道に閉塞を引き起こす慢性炎症性肺疾患である。COPDは通常、粒子状物質又は刺激性ガス、多くの場合タバコの煙に長時間さらされることによって引き起こされる。肺気腫及び慢性気管支炎はCOPDに最も大きく関わる2つの臨床的症状発現であり、通常は同時に発生する。COPDを伴う人々は、心臓疾患、肺癌、及び様々な病態を発症するリスクが高くなる(メイヨークリニック、2020年)。
【0009】
喘息とCOPDとは異なる疾患であるが、これらは、薬物療法戦略の共有を含む重要な病態生理学的な類似点を有する。両者とも気道の慢性炎症性疾患であり、過剰な粘液産生、気道過敏症、及び気管支収縮を特徴とする気流制限を引き起こす(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。気道における杯細胞過形成及び粘液過剰分泌による粘液の産生増加は、両者の疾患において気道狭窄の過程を引き起こす(非特許文献6)。喘息とCOPDとの間で共通する免疫組織病理学的特徴としては、一般的な炎症細胞の活性化及び浸潤、並びに炎症性メディエータの制御不全が挙げられる。例えば、喘息の発症における中心的なエフェクタ細胞である好酸球は、COPDの病態生理学に関与しており、その過程に積極的に携わることから、COPDの増悪の決定要因である。COPD患者のおよそ25%~40%は好酸球性エンドタイプを有する(非特許文献7)。
【0010】
喘息及びCOPDは、好酸球増加症、肥満細胞症、及びアレルゲンによって惹起されるIgEレベルの上昇を伴うTh2型免疫応答と密接に関連している(非特許文献8)。アレルゲンが抗原提示細胞と接触すると、アレルゲンは捕捉されてプロセシングされ、MHCIIを介してCD4+Tリンパ球への提示が可能となり、その活性化及びTh2リンパ球への分化が引き起こされる(非特許文献9)。
【0011】
炎症は喘息及びCOPDに関連した状況であるが、これらの疾患に特徴的な慢性炎症過程は非常に複雑であり、区別される。急性炎症応答において観察されるものとは異なり、通常は炎症能を有しない上皮細胞及び血管内皮細胞などの構成細胞を含む、呼吸器系の全ての細胞が喘息の典型的な変化に関与している。
【0012】
組織損傷又は化学的因子によって誘発されるような急性炎症応答には、組織レベルでの血管応答及び細胞応答が関与しており、そこでは、IL1β、TNFα、及びIL-6などの一次サイトカインが炎症細胞によって産生され、疼痛、発赤、熱感、浮腫、及び機能喪失などの典型的な炎症の徴候の発生に関与する。
【0013】
一方、喘息において見られる肺の炎症には、肺の炎症細胞及び構造細胞の活性化が関与している。典型的な喘息炎症に関与するこれらの細胞の産物としては、インターロイキンであるIL-4、IL-5、及びIL-13などのTh2プロファイルのサイトカインが挙げられる。肺の炎症で観察される特徴及び喘息で観察される生理学的制御不全は全て、感作、Th2細胞の発生、Th2サイトカインの生成、及びこれらのサイトカインのエフェクタ機構の活性化に関与する分子事象及び細胞事象の最終的な結果であり、これらは喘息における病態生理学的過程の開始及び維持を担っている。
【0014】
この病態生理学に基づいて、喘息において潜在的な治療作用を有する薬物は、抗炎症効果を発揮するだけでなく、これらの事象及び特定の病態生理学的経路を阻害することができるべきである。この明言は、多くの疾患及び炎症過程において高い効力を有する世界で最も使用されている部類の抗炎症薬である非ステロイド性抗炎症薬が、喘息及びCOPDの治療において臨床的用途を有しないという事実によって主として検証されている。
【0015】
この意味で、抗炎症特性及び抗喘息特性が異なり、独立しており、かつ予測不可能であることを考慮すると、例えば局所炎症モデルにおいて抗炎症特性が実証されている化合物は、恐らく喘息及びCOPDの治療には役に立たないと考えられる。
【0016】
喘息又はCOPDを伴う患者の治療を考えるとき、目的は患者の生活の質を改善することであり、これは症状をコントロールし、肺機能を改善又は安定化させることによって達成され得ることを考慮しなければならない。現在、治療は薬物療法を伴う非薬物措置を必ず含まなければならない(ブラジル保健省、2013年)。
【0017】
喘息及びCOPDの薬理学的治療はここ数年で大きく進化し、主にコルチコステロイド及び気管支拡張薬と並ぶ選択肢の一覧に免疫療法が含まれるようになった。
【0018】
主要な気管支拡張薬の中で、細気管支平滑筋に存在するβ2受容体との選択的相互作用を介して作用し、細胞内cAMPの増加を引き起こし、それにより平滑筋の弛緩、線毛運動の頻度の増加、及び粘液の粘度の低下がもたらされるβ2アドレナリン作動性アゴニストのクラスを指摘することができる(非特許文献10)。したがって、β2アゴニストは気管支拡張を促進し、細気管支収縮に起因する症状を緩和し、かつ呼吸中の空気の入りに対する抵抗を減少させる(非特許文献11)。しかしながら、β2アゴニストの使用は、振戦、神経緊張、頭痛、頻脈、及び筋痙攣を引き起こす場合がある(NHS、2019年)。
【0019】
40年間、コルチコステロイドは呼吸路疾患の治療に使用されてきたが、今日ではその優位性には議論の余地はなく、その使用によって達成された成果に科学的に異議を唱えることは困難である(非特許文献12)。気管支の反応性を低下させ、かつ気道の完全性を回復する能力を有するため、コルチコステロイドに基づく治療が最も有効であり、これらはサイトカイン及びケモカインの産生の阻害、炎症性タンパク質及び転写因子の産生の抑制などの様々な作用機序を通じて作用する(非特許文献13、非特許文献14)。
【0020】
しかしながら、全身投与した場合のそれらの高い作用にもかかわらず、全身性コルチコステロイドの短期使用及び長期使用に伴う毒性は広範囲に及び、これまで十分に説明されている。毒性は用量の蓄積及び療法の期間に関連しているように思われる。全身性コルチコステロイドで治療された患者は、耐糖能障害、高血圧、白内障の発症、骨粗鬆症、及び副腎機能不全のリスクが高くなる(非特許文献15、非特許文献16)。さらに、呼吸筋及び末梢筋の衰弱の程度は、慢性治療における全身性ステロイドの使用の用量及び期間と相関している。COPDの増悪に対する全身性ステロイドの経過は、高血糖、体重増加、不眠症、不安症、及び鬱病と関連している(非特許文献17)。
【0021】
したがって、吸入コルチコステロイドを使用する妥当性には、標的器官への直接的な薬物の送達を可能にし、コルチコステロイドのより低い累積用量を使用して全身吸収を減らすことができるため、様々な要素が関係している。吸入コルチコステロイドの全身吸収が全くないことが理想的であるが、そうとはならない。しかしながら、肝臓での初回通過代謝により、プロピオン酸フルチカゾン及びブデソニドなどの一般的に使用されるコルチコステロイドは、消化管路を通過した後には事実上吸収されない。したがって、吸入コルチコステロイドの全身吸収の殆どは肺を通じて起こる。より低い全身コルチコステロイドレベルの理論的利点にもかかわらず、副腎抑制、骨量密度の減少、並びに骨折、緑内障、及び皮膚挫傷のリスク増加を含む吸入コルチコステロイド使用の全身性副作用が文書により報告されている(非特許文献18、非特許文献19)。
【0022】
喘息及びCOPDにおける吸入コルチコステロイドによる治療の別の不利点は、治療を中止するとその薬理学的効果が急速に消失するという事実である(非特許文献20)。さらに、コルチコステロイドの継続使用は、体液貯留、浮腫、血圧上昇、気分障害、消化管路障害、及び体重増加を引き起こす場合がある。吸入コルチコステロイドの使用は、口腔真菌感染症及び嗄声の発生を増加させる可能性もある。
【0023】
しかしながら、吸入を介して有効であることは、喘息及びCOPDの治療を意図した新薬候補にとって極めて望ましい特性である。
【0024】
薬物の吸入投与は、それにより有効成分の肺内での高い局所濃度を達成することが可能となり、吸収が減少し、その結果副作用がより少なくなることから、良好な治療戦略であることが証明されている(非特許文献21)。実際、吸入グルココルチコイドの開発は1950年代以降、喘息の薬物療法に革命をもたらした。そして1956年には、定量吸入器のおかげで、この投与方法が喘息患者の管理に取り入れられ、今日ではこの疾患の治療の主要な部分とみなされている(非特許文献22)。
【0025】
しかしながら、全身(腹腔内経路など)で活性な化合物のごく一部しか吸入を介して有効であるにすぎない。それというのも、これは、化合物の特定の物理化学的特性に依存するためである。吸入による薬品の投与は比較的複雑である。まず、呼吸路は、吸入された物質が肺に入らないようにすることだけでなく、これらの物質が付着した場合にはこれらを除去又は不活化することも目的とした防御機構を発達させてきた。
【0026】
さらに、適切な吸入投与のためには、化合物の他の特質を観察しなければならない。例えば、化合物は、細胞膜を横断して肺組織内に分布することができるが、限られた全身吸収速度を伴うイオン化定数(pKa)及びLogPを有さなければならない。化合物は、分解されたり、又は組織から除去されて循環する血流中に入ったりせずに、その局所的な治療効果を発揮するのに十分長く肺組織内に留まるように、化学的安定性及びP糖タンパク質に対する低い結合親和性を有さなければならない(非特許文献23、非特許文献24、非特許文献25)。したがって、全身投与される化合物の薬理学的特性を実証しても、吸入を介したその効果を予測することはできない。
【0027】
例として、グルココルチコイド受容体を活性化する化合物のうち、その大部分は吸入経由では活性ではない。これは、臨床用に利用可能な吸入グルココルチコイド(ベクロメタゾン、フルチカゾン、ブデソニド、シクレソニド、及びモメタゾン)が殆どないのに対し、全身用のグルココルチコイドが数十種類あるという事実からも分かる。吸入を介した活性を有することはクラスではなく化合物の特性であり、これは、この経路を介して投与された後の肺組織におけるこの薬物の生物学的利用能に依存する。
【0028】
喘息患者及びCOPD患者の治療及び生活の質の改善には様々な戦略があるにもかかわらず、これらの疾患の発症をもたらし得る性質が多因子性であることにより、これらは研究者にとってますます困難なものとなっている。結果として、新しい活性分子、新しい生物学的戦略、又は更には新しい薬物送達システムの発見のいずれにおいても、それを制御する新たな取り組みが継続的になされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】BOUSQUET, J.; CHANEZ, P.; LACOSTE, J. Y.; BARNEON, G. et al. 「Eosinophilic inflammation in asthma.」 N Engl J Med, 323, n. 15, p. 1033-1039, Oct 11, 1990.
【非特許文献2】BOUSQUET, J.; BOUSQUET, P.J.; GODARD, P.; DAURES, J.-P. 「The public health implications of asthma.」 Bulletin of the World Health Organization, 83, 2005.
【非特許文献3】Jeffery PK. 「Comparison of the structural and inflammatory characteristics of COPD and asthma.」 Giles F. Filley Lecture. Chest. 2000 May;117(5 Suppl 1):251S-60S. doi: 10.1378/chest.117.5_suppl_1.251s. PMID: 10843939.
【非特許文献4】BUIST AS. 「Similarities and differences between asthma and chronic obstructive pulmonary disease: treatment and early outcomes.」 Eur Respir J Suppl. 2003 Jan; 39:30s-35s. doi: 10.1183/09031936.03.00404903. PMID: 12572699.
【非特許文献5】WIDDICOMBE JG (2003) 「Overview of neural pathways in allergy and asthma.」 Pulm Pharmacol Ther 16(23):30. https:// doi. org/ 10. 1016/s1094- 5539(02) 00178-5
【非特許文献6】Athanazio R. 「Airway disease: similarities and differences between asthma, COPD and bronchiectasis.」 Clinics (Sao Paulo). 2012;67(11):1335-1343. doi:10.6061/clinics/2012(11)19.
【非特許文献7】Li A, Chan HP, Gan PXL, Liew MF, Wong WSF, Lim HF. 「Eosinophilic endotype of chronic obstructive pulmonary disease: similarities and differences from asthma.」 Korean J Intern Med. 2021 Nov;36(6):1305-1319. doi: 10.3904/kjim.2021.180. Epub 2021 Oct 12. PMID: 34634855; PMCID: PMC8588979.
【非特許文献8】SILVEIRA, M. R.; NUNES, K. P.; CARA, D.C.; SOUZA, D. G. et al. 「Infection with Strongyloides venezuelensis induces transient airway eosinophilic inflammation, an increase in immunoglobulin E, and hyperresponsiveness in rats.」 Infect Immun, 70, n. 11, p. 6263-6272, Nov 2002.
【非特許文献9】SILVA & VARGAFTIG, 2005
【非特許文献10】CARDOSO, 2005
【非特許文献11】FIREMAN, P. 「B2 Agonists and Their Safety in the Treatment of Asthma.」 Allergy Proceedings, 16, no. 5, 1995.
【非特許文献12】SUISSA, S.; ERNST, P.; BENAYOUN, S.; BALTZAN, M. et al. 「Low-dose inhaled corticosteroids and the prevention of death from asthma.」 N Engl J Med, 343, n. 5, p. 332-336, Aug 3 2000.
【非特許文献13】BARNES, P. J. 「Th2 cytokines and asthma: an introduction.」 Respir Res, 2, n. 2, p. 64-65, 2001.
【非特許文献14】BOYTON, R. J.; ALTMANN, D. M. 「Asthma: new developments in cytokine regulation.」 Clin Exp Immunol, 136, n. 1, p. 13-14, Apr 2004.
【非特許文献15】SAYIN, 2017
【非特許文献16】CHEAH J. T. L. et al. 「The patient's perspective of the adverse effects of glucocorticoid use: A systematic review of quantitative and qualitative studies.」 From an OMERACT working group, Seminars in Arthritis and Rheumatism, v. 50, no. 5, p. 996-1005, October 2020
【非特許文献17】MIRAVITLLES, M. et al. 「Systematic review on long-term adverse effects of inhaled corticosteroids in the treatment of COPD」, European Respiratory Review, 30: 210075, 2021
【非特許文献18】HEFFLER, E. et al. 「Inhaled Corticosteroids Safety and Adverse Effects in Patients with Asthma」, The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice, vol. 6, no. 3, p. 776 - 781, February 02, 2018.
【非特許文献19】ALLEN, D. B. 「Inhaled Corticosteroids and Endocrine Effects in Childhood」, Endocrinology and Metabolism Clinics of North America, v. 49, n. 4, p. 651-665, December 2020
【非特許文献20】GUILBERT, T. W.; MORGAN, W.J.; ZEIGER, R. S.; MAUGER, D. T. et al. 「Long-term inhaled corticosteroids in preschool children at high risk for asthma.」N Engl J Med, 354, n. 19, p. 1985-1997, May 11, 2006.
【非特許文献21】LIPWORTH, B.J., 「Pharmacokinetics of inhaled drugs.」 Br J Clin Pharmacol, 1996. 42(6): p. 697-705.
【非特許文献22】CROMPTON, G., 「A brief history of inhaled asthma therapy over the last fifty years.」 Prim Care Respir J, 2006. 15(6): p. 326-31.
【非特許文献23】RUGE, A. C.; KIRCH, J.; LEHR, C. M. 「Pulmonary drug delivery: from generating aerosols to overcoming biological barriers - therapeutic possibilities and technological challenges」, The Lancet Respiratory Medicine, v. 1, i. 5, p. 402-413, July 1, 2013
【非特許文献24】ALI, M. 「CHAPTER 9 - Pulmonary Drug Delivery.」 In: MALANGU, N. Handbook of Non-Invasive Drug Delivery Systems, 2010, p. 209-246
【非特許文献25】EIXARCH, H.; HALTNER-UKOMADU, H.; BEISSWENGER, C.; BOCK, U. 「Drug Delivery to the Lung: Permeability and Physicochemical Characteristics of Drugs as the Basis for a Pulmonary Biopharmaceutical Classification System (pBCS)」, J Epithel Biol Pharmacol, v. 3, p. 1-14, 2010.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
第一の態様において、本発明は、上気道疾患の治療剤の製造のための、式I:
【化1】
(I)
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、独立して、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体の使用に関する。
【0031】
第1の実施形態において、化合物は、式II:
【化2】
(II)
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択される。好ましい実施形態において、化合物はブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0032】
別の実施形態において、治療剤は吸入を介した投与に適した形態で製剤化される。
【0033】
別の実施形態において、治療剤は1mg~1000mgの式Iの化合物を含む。
【0034】
更に別の実施形態において、治療剤は粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態である。代替的な実施形態において、医薬はカプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤による投与に適した形態で製剤化される。
【0035】
第2の態様において、本発明は、式Iの化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な添加剤とを含む医薬製剤に関する。
【0036】
第1の実施形態において、医薬製剤は、式IIの化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体を含む。好ましい実施形態において、化合物はブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0037】
別の実施形態において、医薬製剤は吸入を介した投与に適した形態である。
【0038】
更に別の実施形態において、医薬製剤は喘息及び/又はCOPDの治療用である。
【0039】
別の実施形態において、本発明の医薬製剤は粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態である。
【0040】
更に別の実施形態において、医薬製剤はカプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤の形態である。
【0041】
更なる実施形態において、医薬製剤は1mg~1000mgの式Iの化合物を含む。
【0042】
第3の態様において、本発明は、治療的有効量の式Iの化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、喘息及び/又はCOPDを治療する方法に関する。
【0043】
第1の実施形態において、化合物は、式IIの化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択される。好ましい実施形態において、化合物はブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0044】
一実施形態において、化合物は1mg/kg~100mg/kgの用量で投与される。好ましい実施形態において、化合物は50mg/kgの用量で投与される。
【0045】
別の実施形態において、化合物は吸入を介して投与される。
【0046】
別の実施形態において、化合物は粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態で投与される。代替的な実施形態において、化合物はカプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤により投与される。
【0047】
別の態様において、本発明は、喘息及び/又はCOPDの治療において使用される式Iの化合物に関する。
【0048】
第1の実施形態において、化合物は、式IIの化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体を含む。好ましい実施形態において、化合物はブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】マウスでの気道過敏症モデルにおける様々な経路により投与されたブレイリンの効果を示す図である。X軸は、試験された群、すなわち、実験操作を行っていないマウス(ナイーブ)、ビヒクルで処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス(Ve、生理食塩水中10%のプロピレングリコール)、デキサメタゾン(30mg/kg/ip、ゴールドスタンダード)で腹腔内処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス、ブレイリン50mg/kgで腹腔内処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス(50 ip)、及びブレイリン50mg/kgで吸入により処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス(50 in)を表す。Y軸は、気管支肺胞洗浄液中で計数された総炎症細胞の量(×10
4)を示す。処置を、卵白アルブミンチャレンジの2時間前に5連続日にわたって行った。最後のチャレンジから24時間後に気管支肺胞洗浄液を採取して定量化を行った。気管支肺胞洗浄液中の細胞を光学顕微鏡下でノイバウエルチャンバを使用して定量化した。
*処置群とビヒクル群との間の統計的有意差(p<0.05)。
#ナイーブ群に対する統計的有意差(p<0.05)。データは1群当たりn=5匹の動物での平均±標準偏差として表される。一元配置ANOVA検定に続いてテューキーの多重比較事後検定。
【
図2】マウスでの気道過敏症モデルにおける吸入ブレイリンの用量応答曲線を示す図である。X軸は、試験された群、すなわち、実験操作を行っていないマウス(ナイーブ)、ビヒクルで処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス(Ve、生理食塩水中10%のプロピレングリコール)、及びブレイリン(12.5mg/kg~100mg/kg)で吸入により処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウスを表す。腹腔内のデキサメタゾン(30mg/kg)がゴールドスタンダードであった。Y軸は、気管支肺胞洗浄液中で計数された総炎症細胞の量(×10
4)を示す。処置を、卵白アルブミンでチャレンジする2時間前に5連続日にわたって行った。最後のチャレンジから24時間後に気管支肺胞洗浄液を採取して定量化を行った。光学顕微鏡下でノイバウエルチャンバを活用して気管支肺胞洗浄液中の細胞を定量化した。
*ビヒクル群に対する統計的有意差(p<0.05)。
#ナイーブ群に対する統計的有意差(p<0.05)。データは1群当たりn=5匹の動物での平均±標準偏差として表される。一元配置ANOVA検定に続いてテューキーの多重比較事後検定。
【
図3】マウスでの気道過敏症モデルにおける気管支肺胞洗浄物中の炎症細胞の分画数に対するブレイリンの効果を示す図である。パネルは、(A)ナイーブ動物、(B)気道過敏症モデルに誘導され、かつビヒクルで処置された動物、(C)誘導され、かつデキサメタゾン(30mg/kg/ip)で処置された動物、及び(D)モデルに誘導され、かつブレイリン(50mg/kg/in)で処置された動物からの気管支肺胞洗浄物の細胞の代表的な画像を示している。ヘマトキシリン及びエオシンで染色した材料、倍率(100倍)。気管支肺胞洗浄物中の単球(E)、好中球(F)、及び好酸球(G)の分画定量。データは総数に対するパーセンテージとして表される。
#ナイーブ群に対する統計的有意差(p<0.05)。
*処置群とビヒクル群との間の統計的有意差(p<0.05)。データは1群当たりn=5匹の動物での平均±標準偏差として表される。一元配置ANOVA検定に続いてテューキーの多重比較事後検定。
【
図4】気道過敏症を伴うマウスの気管支肺胞洗浄物中のサイトカインレベルに対するブレイリンの効果を示す図である。パネルは、ELISAによって決定されたマウスの気管支肺胞洗浄物中のサイトカイン(A)IL-4、(B)IL-5、及び(C)IL-13のレベルを示している。X軸は、試験された群、すなわち、実験操作を行っていないマウス(ナイーブ)、ビヒクルで処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス(Ve、生理食塩水中10%のプロピレングリコール)、デキサメタゾン(30mg/Kg/ip、ゴールドスタンダード)で処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウス、及びブレイリン(12.5mg/kg、50mg/kg、及び100mg/kg)で吸入を介して処置された気道過敏症モデルに誘導されたマウスを表す。処置を、卵白アルブミンチャレンジの2時間前に5連続日にわたって行った。最後のチャレンジから24時間後に気管支肺胞洗浄物を採取して定量化を行った。
*ビヒクル群に対する統計的有意差(p<0.05)。
#ナイーブ群に対する統計的有意差(p<0.05)。データは1群当たりn=6匹の動物での平均±標準偏差として表される。一元配置ANOVA検定に続いてテューキーの多重比較事後検定。
【
図5】肺組織及び細胞パラメータに対するブレイリンの効果を示す図である。パネルは、ビヒクル(C~D)、デキサメタゾン(E~F、30mg/kg/ip)、又はブレイリン(G~H、50mg/kg/in)で処置されたマウスの代表的な画像を示している。ナイーブ動物がナイーブ群(A~B)を構成する。HEで染色された肺(A、C、E、G)。過ヨウ素酸シッフ(PAS)で染色された肺(B、D、F、H)。矢印は炎症性浸潤の細胞を示している。矢印はPAS標識された杯細胞を示している。倍率40倍、バー50μm。パネルIは、様々な実験群の炎症性浸潤における細胞数を示し、一方で、パネルJは、PAS標識された粘液産生杯細胞の定量化を示している。
*ビヒクル群に対する統計的有意差(p<0.05)。
#ナイーブ群に対する統計的有意差(p<0.05)。データは1群当たりn=5匹の動物での平均±標準偏差として表される。一元配置ANOVA検定に続いてテューキーの多重比較事後検定。
【発明を実施するための形態】
【0050】
別途規定されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者により理解されるのと同じ意味を有する。分子生物学及び免疫学の慣例的な技術は当業者によく知られている。本明細書は、明細書及び特許請求の範囲に記載される内容の解釈を補助する用語の定義も提供している。特段の指示がない限り、量、パーセンテージ、及び割合を表す全ての数字、並びに明細書及び特許請求の範囲で使用されるその他の数値は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されているものと理解されるものとする。したがって、特段の指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に示される数値パラメータは、得られる特性に応じて変動する可能性のある近似値である。
【0051】
喘息及びCOPDの治療における副作用を減らす新薬を見つける試みにおいて、本研究者らは特性評価研究を開発して、クマリン群からの化合物の薬理学的可能性を検証した。
【0052】
本発明者らは、ブレイリンが喘息及びCOPDの治療において、デキサメタゾン(ゴールドスタンダード薬)に匹敵する高い治療効力を有することを確認した。治療効果は用量依存的であった。気道の感作及び慢性炎症のモデルにおいて、本発明の化合物は、吸入を介して、喘息及びCOPDの病態生理学に関与する重要な組織パラメータ、生化学的パラメータ、及び細胞パラメータを低下させた。すなわち、これらの化合物は、気管支肺胞洗浄物中の炎症細胞数を減少させ、気管支肺胞洗浄物中のサイトカインであるIL4、IL-5、及びIL-13のレベルを低下させ、肺組織における炎症性浸潤を減少させ、細気管支上皮の杯細胞による粘液産生を低減させた。
【0053】
本発明による式Iの化合物を、当業者に知られる利用可能なあらゆる方法及び化学経路によって合成又は単離することができる。
【0054】
代替的に、本発明の式Iの化合物は、コスタ(Costa)とその共同研究者によって記載された方法(COSTA, 2018)に従って、Z.チンゴアスイバ(Z.tingoassuiba)St.Hilの根から抽出及び単離される。
【0055】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩も含み得る。本発明の化合物によって形成され得る薬学的に許容可能な塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、二リン酸塩などのような無機酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのような有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのようなアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などのようなアンモニウム塩が挙げられる。
【0056】
さらに、本出願には、式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩の溶媒和物も含まれる。溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられる。
【0057】
したがって、第1の実施形態において、本発明は、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療剤の製造のための式Iの化合物の使用に関する。
【0058】
本発明の化合物、並びにそれらの塩、水和物、及び溶媒和物を本発明の医薬品の有効成分として使用することもできる。本発明の医薬品の投与経路は特に限定されず、この医薬品を経口投与、経肺投与、又は非経口投与することができる。好ましくは、本発明の医薬品の投与経路は吸入経路である。
【0059】
本明細書において使用される場合、「投与する」、「投与」という用語及び類似の用語は、適切な医療行為において、治療効果をもたらすように対象化合物を個体に送達するあらゆる方法を指す。本発明の特定の態様は、治療的有効量の本発明の化合物をそれを必要とする患者に吸入投与することを提供する。
【0060】
一実施形態において、本発明の化合物は吸入を介して投与される。「吸入投与」又は「吸入投与」とは、化合物を個体の呼吸路の任意の部分に放出又は送達することができる化合物の投与方式を意味する。呼吸路の任意の部分とは、例えば、とりわけ、口、気管、気管支、細気管支、肺を意味する。好ましくは、対象化合物は気管、気管支、細気管支、及び/又は肺に到達する。
【0061】
本発明の医薬品と全く同じように、本発明の化合物を患者に直接投与することができる。しかしながら、本発明の化合物は、好ましくは、有効成分と、少なくとも1種の薬学的及び薬理学的に許容可能な添加物とを含む医薬組成物の形態の調剤として投与されるべきである。
【0062】
したがって、第2の態様において、本発明は、少なくとも1種の本発明による化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な添加剤とを含む医薬製剤に関する。
【0063】
対象組成物は、所望の投与経路に適合可能であるように製剤化され得る。組成物は、錠剤、カプセル剤、溶液剤、粉剤、吸入剤、ローション剤、チンキ剤、トローチ剤、坐剤、又は経皮パッチ剤として製剤化され得る。好ましくは、組成物はカプセル剤、溶液剤、粉剤、吸入剤として製剤化される。
【0064】
本明細書において使用される場合、薬学的及び薬理学的に許容可能な添加剤は、例えば、賦形剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、結合剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、可溶化剤又は可溶化補助剤、等張化剤、pH調整剤、安定剤、噴射剤、接着剤などとして列挙され得る。非経口投与に適した調剤の例としては、粉末吸入剤、カプセル剤、粉剤、細粒剤、溶液剤、懸濁液剤、エアロゾル剤、噴霧剤、及びネブライザが挙げられる。しかしながら、調剤の形態はこれらに限定されるべきではない。
【0065】
吸入経路による投与の場合、化合物は、例えば加圧容器ディスペンサからのエアロゾルスプレーの形態で放出される場合も又はそうでない場合もあり、適切な噴射剤、例えばガスを含有する場合もあれば、又は他の既知の方法によって放出される場合もある。適切なデバイスの例としては、定量吸入器、加圧式定量吸入器、加圧式定量吸入器を挙げることができる。
【0066】
他の種類のデバイスが本出願による化合物を投与するのに適している場合もある。例えば、本発明の化合物を、超音波吸入器、乾燥粉末吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザ、カプセル吸入器、及び化合物の吸入投与に適したあらゆる他の方法によって投与することができる。
【0067】
固体製剤に適した調剤は、添加剤として、例えば、グルコース、ラクトース、ラクトース一水和物、D-マンニトール、デンプン、セルロース、結晶性セルロースなどのような賦形剤、カルボキシメチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、二酸化ケイ素などのような崩壊剤又は崩壊補助剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンなどのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような滑沢剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセロール、精製水、硬質脂肪などのような基剤を含んでいてよい。
【0068】
液体製剤に適した調剤は、水性製剤又は使用時に水、注射用蒸留水、生理食塩水溶液、プロピレングリコールなどに溶解される組成物を構成することができる可溶化剤又は可溶化補助剤、グルコース、塩化ナトリウム、D-マンニトール、グリセロールなどのような等張化剤、無機酸、有機酸、無機塩基、又は有機塩基などのようなpH調整剤などの添加剤を含んでいてよい。
【0069】
活性作用物質は、好ましくは有効量で投与される。本明細書において使用される場合、「有効量」という語句は、本明細書に記載される方式で使用される場合、合理的なベネフィット/リスク比に見合った過度の副作用(毒性、刺激、又はアレルギ反応など)なしに、所望の治療応答を生ずるのに十分な成分の量を指す。例えば、「治療的有効量」は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、及び/又はこれらの疾患に関連する症状の退縮を引き起こすか、それらをコントロールするか、又はそれらの進行を防止するのに十分な活性作用物質の量であり得る。
【0070】
実際に投与される量、並びに投与速度及び投与期間は、治療される病態の性質及び重症度に依存することになる。治療の処方、例えば投与量、タイミングなどの決定は一般的な当業者及び専門家の責任の範囲内であり、これには典型的に治療対象の障害、個々の患者の状態、放出部位、投与方法、及び当業者に知られるその他の要因が考慮される。技術及びプロトコルの例は、例えば、レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)に見出すことができる。
【0071】
本発明の医薬品の用量は、適用される疾患の種類、年齢、体重、症状などのような患者の状態に応じて変動すべきであるが、単位用量は一般に、1回の投与当たり約50mg~約1000mgの有効成分である。より具体的には、単位用量は、150mg~900mg、200mg~800mg、及び400mg~600mgであり得る。一般的に、上述の用量を1日当たり1回から数回に分けて投与するか、又は数日おきに投与することができる。特に、本発明の化合物の投与量は1mg/kg~100mg/kgの範囲である。好ましくは、投与量は50mg/kgである。
【0072】
本出願全体を通じて、様々な実施形態の説明で「含む」という用語が使用されているが、一部の特定の場合に、代わりに「本質的に~からなる」又は「~からなる」という言い回しを使用して実施形態を記載してよいことが当業者により理解されるであろう。
【0073】
特段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本主題が属する技術分野における当業者により通例理解されるのと同じ意味を有する。
【0074】
本開示をより良く理解するために、そして本開示の範囲を決して限定することを目的とするものではないが、特段の指示がない限り、量、パーセンテージ、又は割合を表す全ての数字、並びに明細書及び特許請求の範囲で使用されるその他の数値は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されているものと理解されるものとする。したがって、特段の指示がない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、取得しようとする所望の特性に応じて変動する可能性のある近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、報告された有効桁数を考慮し、一般的な丸め手法を適用することによって少なくとも解釈されねばならない。
【0075】
本発明を以下の非限定的な実施例によっても説明するが、これらは単なる例示に過ぎない。実施形態の様々な変更及び変形は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者には明らかである。
【0076】
本出願の保護範囲に影響を与える多数の変形形態が許容される。このようにして、本発明は、上記の特定の構成/実施形態に限定されないという事実が強調される。
【実施例】
【0077】
実施例1
材料及び方法
ブレイリンの抽出、単離、及び特定
Z.チンゴアスイバSt.Hilの標本は、2009年8月12日に、バイーア州フェイラデサンタナ自治体のジャイーバ地区(南緯12度12分52.560秒、西経38度52分46.205秒)で採取された。標本の特定はマリア・レニセ・ダ・シルバ・ゲデス(Maria Lenise da Silva Guedes)教授によって行われた。エキシカータより、アレシャンドレ・レアウ・コスタ(Alexandre Leal Costa)ハーバリウム(ALCB)に番号88005で寄託された。Z.チンゴアスイバSt.Hilの根からブレイリンを抽出し、精製し、特定する手順は、コスタ(Costa)とその共同研究者によって記載された(COSTA, 2018)。質量分析及び核磁気共鳴(NMR)分析によって式を確立したところ、99%を超える純度でその化学構造が確認された(YOO, 2002)。
動物
【0078】
ゴンサロ・モニス研究センタ(FIOCRUZ/BA)の飼育施設からの20gから25gの間の重さのBALB/c系譜の雄マウス。動物を、管理された温度条件(22±2℃)で12時間の明暗サイクルにおいて水及び食料を自由に摂取させて飼育した。全てのプロトコル及び操作は、FIOCRUZの動物実験倫理委員会によって承認された(CEUA/FIOCRUZ/L-IGM-015/2013)。
気道過敏症モデル及び処置
【0079】
本知見についての基礎として使用される卵白アルブミンで誘導された気道過敏症モデル(BOLANDI et al., 2021)は、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患を特徴付ける病態生理学的変化及び構造的変化を引き起こす。
【0080】
マウスを6匹の動物の群に分け、2mg/mlのミョウバン(AlumImject、ピアス(Pierce)社、イリノイ州ロックフォード)中で希釈された10μgの卵白アルブミン(シグマ(Sigma)社、ミズーリ州セントルイス)の皮下注射で免疫し、続いて14日後にブースタ注射を行った。28日目以降、マウスをアクリル製の箱に入れ、1日当たり15分間、5連続日にわたって卵白アルブミン(1%)への吸入曝露を受けさせた。卵白アルブミン溶液を、超音波吸入器(RespiraMax、ブラジル)を使用して噴霧した。気道過敏症を誘発するのに使用したプロトコルは、以前に記載されたように実施された(POSSA, 2013)。ナイーブ群には生理食塩水だけをチャレンジした。処置を行うために、吸入経由の各チャレンジの2時間前に、マウスをブレイリン(100mg/kg、50mg/kg、25.5mg/kg、及び12.5mg/kg、吸入経由)、デキサメタゾン(30mg/kg、腹腔内経由)、又はビヒクル(生理食塩水中10%のプロピレングリコール、吸入)で処置した。
気管支肺胞洗浄物の収集
【0081】
最後のチャレンジから24時間後に、動物を致死用量のケタミン及びキシラジン(300mg/Kg及び30mg/Kg、それぞれ腹腔内経由)で安楽死させ、気管支肺胞洗浄物(BAL)を収集した。氷冷した1mlのPBSの気管内注入を行い、続いてBALを収集し、この手順を繰り返した。1回目の洗浄物を遠心分離し、上清を-70℃で貯蔵し、その後、ELISAによりサイトカインを定量化した。2回目の洗浄物を遠心分離し、上清を捨て、ペレットを1mlの生理食塩水中に再懸濁し、ノイバウエルチャンバを使用して総白血球を計数した。分画細胞計数を行うために、前回の再懸濁物から10000個の細胞を収集し、Cytospin(登録商標)において遠心分離し、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した(VASCONCELOS, 2009)。
組織病理学的分析及び形態計測学的分析
【0082】
気管支肺胞洗浄物を収集した後、気管内により1mlのホルマリン(4%)で肺灌流を行い、その後、各動物の肺の右葉を取り出して同じ溶液中で固定し、組織学的分析及び形態計測学的分析を行った。切片をヘマトキシリン及びエオシンで染色して、光学顕微鏡法によって最大の細胞数を含む視野に存在するコアの数に応じて炎症細胞を定量化した。粘液産生を定量化するために、染色を過ヨウ素酸シッフ(PAS)で行い、マーキングされた領域を定量化した。PASで標識された肺組織の領域を、杯細胞によって産生された粘液について陽性であると見なした(SOUTHAM, 2008)。合計5匹の動物について、1匹の動物当たり10視野(400倍)を分析し、そのデータを使用して1mm2当たりの平均細胞数、又はPASで染色された面積を計算した。細胞計数及び面積決定を補助するのに使用されたプログラムは、Image-Pro PLUSバージョン4.5(メディア・サイバネティクス(Media Cybernetics)社、米国シルバースプリング)であった。
気管支肺胞洗浄物中のサイトカインの定量化
【0083】
-70℃で貯蔵された気管支肺胞洗浄物の上清を解凍し、これを使用して、特定のマウス用キット(R&Dシステム社(R&D System)、米国ミネソタ州)を使用し、製造業者の指示書に従って、ELISA法によりサイトカインであるIL-4、IL-5、及びIL-13を定量化した(VASCONCELOS, 2009)。
統計分析
【0084】
結果を平均±標準偏差として表した。統計的差異を、一元配置ANOVA検定とそれに続くトゥーキーの事後検定によって決定した。ここで、有意水準を事前にp<0.05で確立した。分析をGraphPad Prism 5.0プログラム(米国カリフォルニア州ロサンゼルス)を使用して実施した。
結果
【0085】
マウスでの気道過敏症モデルにおけるブレイリンの生物活性に対する投与経路の影響
ブレイリンが吸入を介して投与された場合に薬理学的活性を有するかどうかを確立することを目的として、このクマリンの吸入又は腹腔内投与が気管支肺胞洗浄物(BAL)中の炎症細胞数に対して及ぼす効果を比較した。
【0086】
卵白アルブミンによって気道過敏症モデルに誘導され、かつビヒクルで処置されたマウスでは、ナイーブ動物と比較して、BAL中の総炎症細胞数において増加が示された。ブレイリン(50mg/kg)で腹腔内処置された及び吸入処置された病気の動物の両方において、BAL中の炎症細胞数は有意により低かった(p<0.05)。このパラメータの有意な阻害は、ゴールドスタンダード薬であるデキサメタゾンで30mg/kgの用量にて腹腔内処置されたマウスにおいても観察された(
図1)。
マウスでの気道過敏症モデルにおける吸入ブレイリンの用量応答曲線
【0087】
次いで、12.5mg/kg~100mg/kgの用量範囲において吸入を介して投与されたブレイリンの効果の用量依存関係を評価した(
図2)。25mg/kg、50mg/kg、及び100mg/kgの用量の吸入ブレイリンにより、ビヒクルで処置されたマウスと比較して、気道過敏症を伴うマウスのBAL中の炎症細胞数が非用量依存的に減少した(p<0.05)。12.5mg/kgの用量では、ブレイリンは効果を有しなかった。吸入ブレイリンの効果は、この試験におけるゴールドスタンダードと見なされるデキサメタゾン(30mg/kg/ip)による全身処置と同様の効力を有した。
ブレイリンは気管支肺胞洗浄物中の好酸球及び好中球の存在を減少させる。
【0088】
気管支肺胞洗浄物中の炎症細胞の総数の定量化に加え、これらの試料中の好酸球と、好中球と、単核細胞との間の分画定量化も行った(
図3)。ブレイリン(50mg/Kg)による吸入処置により、ビヒクルで処置された動物由来の洗浄物と比較して、BAL中に存在する好酸球及び好中球の量が減少した(p<0.05)。ブレイリンで処置された動物における単核細胞の量は、気道過敏症を誘発していないナイーブ群のマウスにおいて見られた値に近づいた。デキサメタゾン(30mg/kg/ip)は、ブレイリンと同様のプロファイルで効果を引き起こし、BAL中の好酸球及び好中球の数を減少させた。
ブレイリンはサイトカインIL-4、IL-5、及びIL-13を調節する。
【0089】
Th2応答に関与するサイトカインのレベルを、様々な実験群からのマウスの気管支肺胞洗浄物において定量化した。気道過敏症モデルに誘導されたマウスでは、ナイーブマウスと比較して、BAL中のIL4、IL-5、及びIL-13のサイトカインレベルの上昇が示された(p<0.05)。25mg/kgの用量及び50mg/kgの用量の吸入ブレイリンは、BAL中のIL4、IL-5、及びIL-13のレベルを低下させた(p<0.05)。しかしながら、12.5mg/kgの用量のブレイリンは、マウスのBAL中のIL-5及びIL-13の有意な低下を引き起こしたが、IL-4の低下は引き起こさなかった。全身性デキサメタゾン(30mg/kg/ip)で処置された動物では、BAL中の定量化された全てのサイトカインのレベルの低下が示され(
図4)、これは、吸入ブレイリンで得られたものと同程度であった。
ブレイリンは肺の炎症性浸潤及び杯細胞化生の発生を減らす。
【0090】
気道過敏症モデルの誘導によって引き起こされる組織変化と、ブレイリンが炎症細胞の遊走に対して及ぼす可能性のある効果とを特徴付けるのに、HEで染色された肺の切片を検査した。このモデルに誘導され、かつビヒクルで処置された動物において、リンパ球、マクロファージ、及び好酸球を含む大規模な細胞浸潤が観察された。50mg/kgでの吸入ブレイリンにより処置されたマウスでは、ビヒクルで処置された動物と比較して、肺炎症の軽減とともに炎症細胞の存在の減少が示された(p<0.05、
図5I)。デキサメタゾン(30mg/kg/ip)による全身処置も肺の炎症性浸潤を減らすことができた。細気管支上皮における杯細胞化生の発生を、組織の過ヨウ素酸シッフ(PAS)での染色により判定したところ、粘液形成の増加が示される。ビヒクルで処置された気道過敏症を伴うマウスからの肺では、PASで染色されたより大きな面積が示された(p<0.05、
図5J)。ブレイリン処置により、気道過敏症が誘発された動物の細気管支上皮において杯細胞標識が減少したことから(p<0.05)、これは粘液産生を調節するその能力を示している。予想通り、全身性デキサメタゾンはPAS染色された杯細胞における粘液の存在も減少させた。
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【手続補正書】
【提出日】2025-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の活性化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体の使用であって、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療剤の製造のためであることを特徴とする、使用。
【請求項2】
前記活性化合物は、式II:
【化2】
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記活性化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記治療剤は、吸入を介した投与に適した形態で製剤化されることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の使用。
【請求項5】
前記治療剤は、1mg~1000mgの前記活性化合物を含むことを特徴とする、請求項1
又は2に記載の使用。
【請求項6】
前記治療剤は、粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態であることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の使用。
【請求項7】
前記治療剤は、カプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤による投与に適した形態で製剤化されることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
式I:
【化3】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の活性化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な添加剤とを含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項9】
前記活性化合物は、式II:
【化4】
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記活性化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
吸入を介した投与に適した形態であることを特徴とする、請求項8
又は9に記載の医薬製剤。
【請求項12】
喘息及び/又はCOPDの治療用であることを特徴とする、請求項8
又は9に記載の医薬製剤。
【請求項13】
粉剤、細粒剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態であることを特徴とする、請求項8
又は9に記載の医薬製剤。
【請求項14】
カプセル剤、噴霧剤、又はエアロゾル剤の形態であることを特徴とする、請求項8
又は9に記載の医薬製剤。
【請求項15】
1mg~1000mgの前記式Iの化合物を含むことを特徴とする、請求項8
又は9に記載の医薬製剤。
【請求項16】
喘息及び/又はCOPDの治療において使用される、式I:
【化5】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6のいずれか1つは、H、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルのいずれも、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてよく、かつC
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含み、及び/又は、
R
3及びR
4、R
4及びR
5、R
5及びR
6は独立して、一緒になって、環員としてO、N、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含んでいてよい任意に芳香族の3員~7員の環式基を形成し、ここで、前記環式基は、OH、O、S、N、C
1~C
5アルキル、C
2~C
5アルケニル、C
2~C
5アルキニル、任意に芳香族のC
3~C
7シクロアルキル、C
1~C
5ヘテロアルキル、及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、そのうち、C
1~C
5ヘテロアルキル及び任意に芳香族のC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、それらの鎖中に、F、O、N、Cl、Br、I、Sから選択される1個~3個のヘテロ原子を含む)の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体であることを特徴とする、化合物。
【請求項17】
式II:
【化6】
の化合物、又はその塩、プロドラッグ、立体異性体、水和物、二量体誘導体、等価体、生物学的等価体、及び多形体であることを特徴とする、請求項
16に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物は、ブレイリン又はその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項
16又は17に記載の化合物。
【国際調査報告】