(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】薬物伝達装置用プッシングデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20250220BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A61M5/142 524
A61M37/00 550
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539481
(86)(22)【出願日】2024-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2024000202
(87)【国際公開番号】W WO2024154987
(87)【国際公開日】2024-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0008948
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524243653
【氏名又は名称】トバイオス インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】509329800
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン ビン
(72)【発明者】
【氏名】ホ、ボム カン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ソン ア
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD06
4C066QQ32
4C066QQ71
4C066QQ78
4C066QQ82
4C267AA74
4C267BB26
4C267BB37
4C267BB40
4C267BB51
4C267BB61
4C267CC05
4C267HH08
(57)【要約】
体内に移植され、ハウジングの内部に貯蔵された薬物を外部に排出するための押しボタンを含む薬物伝達装置に結合されて前記押しボタンを選択的に加圧するものであって、皮膚組織を挟んで前記薬物伝達装置に着脱可能に結合されるボディ部と、前記ボディ部から長手方向に移動可能に支持され、前記押しボタンと対向して配置される加圧部と、を含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に移植され、ハウジングの内部に貯蔵された薬物を外部に排出するための押しボタンを含む薬物伝達装置に結合されて前記押しボタンを選択的に加圧する薬物伝達装置用プッシングデバイスにおいて、
皮膚組織を挟んで前記薬物伝達装置に着脱可能に結合されるボディ部と、
前記ボディ部から長手方向に移動可能に支持され、前記押しボタンと対向して配置される加圧部と、を含む、薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項2】
前記ボディ部は、前記薬物伝達装置が内部に挿入できるように一側が陥没した挿入溝部が形成され、上部には、前記加圧部が結合できるように長手方向に貫通口が形成される、請求項1に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項3】
前記加圧部は、側部の一部が陥没して周りには支持溝部が形成され、上部および下部には、それぞれ上部段差および下部段差が形成され、前記上部段差の一部は、前記貫通口内に配置される、請求項2に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項4】
前記ボディ部は、前記貫通口の下側内部に突出した突出部材を含み、前記加圧部の下部段差は、前記突出部材の下部に配置されて前記突出部材と干渉される、請求項3に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項5】
前記加圧部は、スプリング部材によって前記ボディ部に弾性支持され、
前記スプリング部材は、前記加圧部の上部段差と前記ボディ部の突出部材との間に配置される、請求項4に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項6】
前記加圧部の下部には、磁性体が備えられ、前記挿入溝部には、外部から印加される電流によって前記磁性体に対して選択的な引力を形成する電磁石が備えられる、請求項2に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項7】
前記加圧部の外周には、上下方向に長く形成されたガイド突起が少なくとも一つ備えられ、
前記貫通口が形成された前記ボディ部の内壁には、前記ガイド突起が挿入されて前記加圧部の移動を案内するガイド溝部が形成される、請求項2に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項8】
前記加圧部と前記押しボタンとの接触部位には、磁性体が設置されて前記加圧部の滑りを防止する、請求項1に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項9】
前記加圧部に外力が加えられて、前記加圧部が前記押しボタンを加圧するときの回数をカウントする測定部と、
前記測定部からカウントされた加圧回数を出力するディスプレイ部と、をさらに含む、請求項1に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項10】
前記測定部は、前記薬物伝達装置に備えられた押しボタンのクリック情報を測定して、前記押しボタンの加圧回数をカウントする、請求項9に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項11】
前記ボディ部に装着され、回転力を発生させる回転ギア部と、
前記支持溝部に取り付けられ、前記回転ギア部と噛合されて、前記回転ギア部が回転することによって前記加圧部が長手方向に動くようにする噛合部と、をさらに含む、請求項3に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【請求項12】
前記ボディ部に装着され、回転力を発生させるスクリュー部と、
前記支持溝部にねじ山状に形成され、前記スクリュー部と噛合されて、前記スクリュー部が回転することによって前記加圧部が長手方向に動くようにするスクリュー結合部と、をさらに含む、請求項3に記載の薬物伝達装置用プッシングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内に移植される薬物伝達装置に結合される薬物伝達装置用プッシングデバイスに関し、より詳細には、皮膚組織を挟んで薬物伝達装置に結合されて薬物伝達装置に備えられたボタンを選択的に加圧する薬物伝達装置用プッシングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、現在、世界的に約2億人程度が患っているほど一般的な疾患として知られており、糖尿病と関連した合併症は、人的、社会的、経済的損失を伴って重要な保健問題の一つとして台頭している。
【0003】
糖尿病は、我々の体がインスリンを十分に作ることができないか、インスリンを正しく活用できず、血液中のグルコース(血糖)をエネルギーに転換させることができない時に現れる疾患である。したがって、糖尿病患者は、持続的に血糖を測定し、必要に応じてインスリンを注射しなければならない。
【0004】
最近、患者自らインスリンを注射できる薬物伝達装置が開発され使用されている。このような薬物伝達装置は、ユーザによってインスリンが患者の血管や皮下脂肪を通して直接投与されるので、体内のインスリン濃度を一定に維持させるためには、決められた時間にインスリンを定量注入することが何よりも重要である。
【0005】
しかし、薬物伝達装置を使用するユーザのミスにより、インスリンが処方された定量で注入されない問題が頻繁に発生してきており、インスリンの注入をしたか否かを忘れて、決められた回数よりも多くの回数でインスリンを注入するか、最初から注入しないなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2021-0096382号(2001.08.05公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ハウジングの内部に貯蔵された薬物を外部に排出するための押しボタンを含む薬物伝達装置に結合されて押しボタンを選択的に加圧するためのものであって、押しボタンの加圧回数をカウントして、薬物伝達装置の重複使用や未使用を防止できる薬物伝達装置用プッシングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するための本発明に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスは、体内に移植され、ハウジングの内部に貯蔵された薬物を外部に排出するための押しボタンを含む薬物伝達装置に結合されて前記押しボタンを選択的に加圧するものであって、皮膚組織を挟んで前記薬物伝達装置に着脱可能に結合されるボディ部と、前記ボディ部から長手方向に移動可能に支持され、前記押しボタンと対向して配置される加圧部と、を含むことができる。
【0009】
また、前記ボディ部には、前記薬物伝達装置が内部に挿入できるように一側が陥没した挿入溝部が形成され、上部には、前記加圧部が結合できるように上下方向に貫通口が形成され得る。
【0010】
また、前記加圧部は、側部の一部が陥没して周りには支持溝部が形成され、上部および下部には、それぞれ上部段差および下部段差が形成され、前記上部段差の一部は、前記貫通口内に配置され得る。
【0011】
また、前記ボディ部は、前記貫通口の下側内部に突出した突出部材を含み、前記加圧部の下部段差は、前記突出部材の下部に配置されて前記突出部材と干渉され得る。
【0012】
また、前記加圧部は、スプリング部材によって前記ボディ部に弾性支持され、前記スプリング部材は、前記加圧部の上部段差と前記ボディ部の突出部材との間に配置され得る。
【0013】
また、前記加圧部の下部には、磁性体が備えられ、前記挿入溝部には、外部から印加される電流によって前記磁性体に対して選択的な引力を形成する電磁石が備えられ得る。
【0014】
また、前記加圧部の外周には、上下方向に長く形成されたガイド突起が少なくとも一つ備えられ、前記貫通口が形成された前記ボディ部の内壁には、前記ガイド突起が挿入されて前記加圧部の移動を案内するガイド溝部が形成され得る。
【0015】
また、加圧部と前記押しボタンとの接触部位には、磁性体が設置されて前記加圧部の滑りを防止することができる。
【0016】
また、前記加圧部に外力が加えられて、前記加圧部が前記押しボタンを加圧するときの回数をカウントする測定部と、前記測定部からカウントされた加圧回数を出力するディスプレイ部と、をさらに含むことができる。
【0017】
また、前記測定部は、前記薬物伝達装置に備えられた押しボタンのクリック情報を測定して、前記押しボタンの加圧回数をカウントすることができる。
【0018】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記ボディ部に装着され、回転力を発生させる回転ギア部と、前記支持溝部に取り付けられ、前記回転ギア部と噛合されて、前記回転ギア部が回転することによって前記加圧部が長手方向に動くようにする噛合部と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、薬物伝達装置用プッシングデバイスが押しボタンを含む薬物伝達装置と結合されて押しボタンの加圧回数をカウントすることにより、薬物伝達装置の重複使用や未使用を防止することができる。
【0020】
また、測定部を通じて押しボタンが正常にクリックされたか否かを判断できるように形成されるので、不完全投薬を防止して薬物の量をより正確に注入することができる。
【0021】
また、測定部が加圧部のクリック情報を測定するように形成されるので、クリック回数による薬物の注入量を算出することにより、薬物が処方された定量で注入されたか否かを確認することができる。
【0022】
さらに、加圧部と押しボタンとの接触部位にそれぞれ磁性体を設置することにより、加圧部が押しボタンを加圧する時に軸が傾いて滑ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの正面図である。
【
図2】
図1に示す薬物伝達装置用プッシングデバイスの側断面図である。
【
図3】
図2の薬物伝達装置用プッシングデバイスが薬物伝達装置に結合された状態を示す図である。
【
図4】
図3の薬物伝達装置用プッシングデバイスが薬物伝達装置の押しボタンを加圧する状態を示す図である。
【
図5】薬物伝達装置が皮膚組織に移植された状態で、
図2のプッシングデバイスが薬物伝達装置に結合された状態を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【
図7】本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【
図8】本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【
図9】本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【
図10】本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスについて詳細に説明すると、次の通りである。ここで、同一の構成については同一の符号を用い、繰り返しの説明、発明の要旨を不必要に曖昧にし得る公知の機能および構成に対する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有した者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状およびサイズなどは、より明確な説明のために誇張され得る。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの正面図であり、
図2は、
図1に示す薬物伝達装置用プッシングデバイスの側断面図であり、
図3は、
図2の薬物伝達装置用プッシングデバイスが薬物伝達装置に結合された状態を示す図であり、
図4は、
図3の薬物伝達装置用プッシングデバイスが薬物伝達装置の押しボタンを加圧する状態を示す図であり、
図5は、薬物伝達装置が皮膚組織に移植された状態で、
図2のプッシングデバイスが薬物伝達装置と結合された状態を示す図である。
【0026】
図1~
図5を参照すると、薬物伝達装置用プッシングデバイス100は、ボディ部110および加圧部120を含むことができる。
【0027】
本実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイス100は、体内に移植され、ハウジングの内部に貯蔵された薬物を外部に排出するための押しボタン11を含む薬物伝達装置10に結合されて押しボタン11を選択的に加圧するものであって、大韓民国公開特許公報第10-2021-0096382号に記載の薬物伝達装置と互換して使用され得る。しかし、互換可能な薬物伝達装置10は、これに限定されず、外部に押しボタン11が設けられた薬物伝達装置10であれば、全て互換可能に形成され得る。
【0028】
一方、薬物伝達装置10は、
図5に示すように皮膚Sの組織に移植され得、本発明に係るプッシングデバイス100は、使用時に皮膚Sの組織に移植された状態の薬物伝達装置10に皮膚を挟んで結合され得る。
【0029】
ボディ部110は、皮膚組織を挟んで薬物伝達装置10に着脱可能に結合され得る。例えば、ボディ部110には、薬物伝達装置10が内部に挿入できるように一側が陥没した挿入溝部111が形成され、上部には、後述する加圧部120が内部に挿入されて結合できるように長手方向に貫通口112が形成され得る。ここで、長手方向とは、押しボタン11の移動方向と同じ方向、すなわち薬物の注入方向を意味することができる。
【0030】
ボディ部110に形成された挿入溝部111は、薬物伝達装置10の外観と同一に形成されて、相互結合されたときに浮き上がらないように形成することができる。特に、挿入溝部111および薬物伝達装置10の外観を四角柱状に形成する場合、薬物伝達装置10が挿入溝部111に挿入されたとき、薬物伝達装置10が挿入溝部111から回転することを防止してより安定して薬物注入ができるようになる。
【0031】
加圧部120は、ボディ部110から長手方向に移動可能に支持され、押しボタン11と対向して配置され得る。例えば、薬物伝達装置10が挿入溝部111の内部に挿入されたときに押しボタン11が上側に位置した場合、加圧部120は、押しボタン11の上部に配置されて互いに対向して位置することができる。これにより、ユーザが加圧部120に下側方向に外力を加えた場合、薬物伝達装置10の押しボタン11が接触し、同時に下側方向に移動することができる。
【0032】
加圧部120は、側部の一部が陥没して、周りには、支持溝部121が形成され、上部および下部には、それぞれ上部顎部122および下部顎部123が形成され、上部段差122の一部は、貫通口112内に配置され得る。このような構造により、加圧部120は、ボディ部110の貫通口112内で上下方向、すなわちボディ部110の長手方向に移動することができる。
【0033】
具体的には、ボディ部110は、貫通口112の下側内部に突出した突出部材113を含み、加圧部120の下部段差123は、突出部材113の下部に配置されて突出部材113と干渉され得る。このように、加圧部120の下部段差123がボディ部110の突出部材113と干渉されるので、加圧部120が下部に移動して上部に復元されるとき、ボディ部110に引っ掛かることによってボディ部110の貫通口112の外部に離脱することを防止することができる。
【0034】
一方、加圧部120は、スプリング部材130の圧縮および復元力によってボディ部110から移動可能に支持され得る。例えば、加圧部120の上部段差122とボディ部110の突出部材113との間には、スプリング部材130が配置され得る。これにより、加圧部120は、スプリング部材130によってボディ部110に弾性支持され得、これにより、ユーザが外力を加えて加圧部120を下側方向に押したとき、スプリング部材130の圧縮により加圧部120は下側方向に移動するようになり、外力を解除したとき、スプリング部材130の復元力により加圧部120は上部に移動して元の位置に位置するようになる。
【0035】
本実施形態では、加圧部120がスプリング部材130によってボディ部110内で移動するものとして説明したが、加圧部120は、アクチュエータなどの動力源によっても復元可能であり得る。この他にも、加圧部120は、スプリング部材130なしに薬物伝達装置10自体の復元力によって移動することも可能である。
【0036】
本発明によれば、薬物伝達装置用プッシングデバイス100は、測定部140とディスプレイ部150とをさらに含むことができる。
【0037】
測定部140は、加圧部120に外力が加えられて、加圧部120が押しボタン11を加圧するときの回数をカウントすることができる。例えば、測定部140は、薬物伝達装置10に備えられた押しボタン11のクリック情報を測定して、押しボタン11の加圧回数をカウントすることができる。具体的には、薬物伝達装置10に備えられた押しボタン11の場合、一定の力が加えられて移動するとき、特定の位置でカチッとクリックが行われて力が減るが、測定部140は、このクリック回数をカウントして加圧回数を測定することができる。このようなクリック数のカウントを通じて薬物の注入量を確認することができる。
【0038】
このように、薬物伝達装置用プッシングデバイス100が薬物伝達装置10に結合されて押しボタン11の押えられた回数をカウントするように形成されるので、薬物伝達装置10の重複使用を防止することができる。すなわち、一日に1回薬物を注入しなければならない場合、ユーザが午前中に薬物を注入し、午後に忘れてしまって再注入するか、最初から薬物を注入せずに過ぎる場合があるが、薬物伝達装置用プッシングデバイス100を通じて押しボタン11の押えられた回数をカウントできるようになるので、薬物伝達装置10の重複使用や未使用を防止することができる。
【0039】
また、測定部140が押しボタン11の押えられた回数をカウントするように形成されるので、クリック回数による薬物の注入量を算出することにより、薬物が処方された定量で注入されたか否かを確認することができる。すなわち、1回のクリックで1Uが放出される場合、測定部140で3回クリックされたとカウントされると、薬物伝達装置10で3Uの量が放出されたと算出することができる。このような薬物の注入量は、後述するディスプレイ部150を通じて出力され得る。
【0040】
測定部140は、スピーカまたはLEDランプをさらに備えて、押しボタン11の加圧回数をカウントするときに音響または明かりを支援することにより、押しボタン11が正常に押されたか否かを視聴覚的に確認できるようにして、使用の利便性をさらに向上させることができる。このように、測定部140を通じて押しボタン11が正常に押されたか否かを判断できるように形成されるので、不完全な投薬を防止して薬物の量をより正確に注入することができる。
【0041】
ディスプレイ部150は、測定部140からカウントされた加圧回数を出力することができる。例えば、ディスプレイ部150は、ボディ部110の外観に設けられて、測定部140からカウントされた加圧回数を出力することができる。このとき、薬物伝達装置用プッシングデバイス100は、スマートフォンのアプリ(app)や他の外部デバイスと連動するように形成されることもあるが、この場合、ディスプレイ部150は、ボディ部110ではなく外部デバイスに設けられて、測定部140からカウントされた加圧回数を出力することができる。この他に、ディスプレイ部150は、ボディ部110と外部デバイスの両方に設けられることも可能である。
【0042】
図6は、本発明の他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【0043】
図6を参照すると、薬物伝達装置用プッシングデバイス200は、加圧部120の外周に形成されたガイド突起124と、ボディ部110の内壁に形成されたガイド溝部114とをさらに含むことができる。例えば、加圧部120の外周には、上下方向に長く形成されたガイド突起124が少なくとも一つ備えられ、貫通口112が形成されたボディ部110の内壁には、ガイド突起124が挿入されて加圧部120の移動を案内するガイド溝部114が少なくとも一つ備えられ得る。このとき、ガイド突起124は、半球形状に突出形成され得、ガイド溝部114もガイド突起124と対応する形状に形成され得る。そして、ガイド突起124とガイド溝部114とは、互いに対応する位置に同じ個数で設けられ得る。
【0044】
このように、ガイド突起124とガイド溝部114によって加圧部120がボディ部110内で移動が案内されるので、加圧部120が下部に移動するとき、ボディ部110内で空回りする形状を防止して使用の利便性を向上させることができる。
【0045】
図7は、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【0046】
図7を参照すると、薬物伝達装置用のプッシングデバイス300は、磁性体160をさらに含むことができる。例えば、加圧部120と押しボタン11との接触部位には、磁性体160が設置されて加圧部120の滑りを防止することができる。
【0047】
具体的には、加圧部120の底面に磁性体160を設置し、加圧部120と対向する押しボタン11の上面に磁性体160を設置して、磁力により互いに取り付けられた状態で移動が可能にすることにより、加圧部120が押しボタン11を加圧するときに軸が傾いて滑ることを防止することができる。
【0048】
本実施形態では、一対の磁性体160が加圧部120と押しボタン11にそれぞれ設置されたものとして示したが、押しボタン11自体を磁性体160や金属材質で形成し、加圧部120の底面に磁性体160を設置することにより、加圧部120の滑りを防止することもできる。この他にも、押しボタン11自体を磁性体160や金属材質で形成し、加圧部120自体を磁性体160で形成することにより、加圧部120の滑りを防止することも可能である。
【0049】
図8は、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【0050】
図8を参照すると、薬物伝達装置用プッシングデバイス400の加圧部120は、磁力によってボディ部110から移動可能に支持され得る。例えば、加圧部120の下部には、磁性体170が備えられ、挿入溝部111には、外部から印加される電流によって磁性体170に対して選択的な引力を形成する電磁石180が備えられ得る。このために、図には示さなかったが、薬物伝達装置用プッシングデバイス400は、電磁石180に電流を印加するためのバッテリーおよびバッテリーの電源をオン/オフするためのスイッチがさらに備えられ得る。
【0051】
これにより、ユーザがスイッチをオン(on)状態で駆動させると、電磁石180には、電流が印加されて磁性体170に対する引力が発生するので、加圧部120は下側方向に移動し、スイッチをオフ(off)状態で駆動させると、電磁石180に印加される電流の供給が中断されて、加圧部120はスプリング部材130の復元力によって上部に移動する。
【0052】
この他にも、図には示さなかったが、加圧部120は、リニアアクチュエータ、油圧シリンダ、空圧シリンダなどによって上下方向に移動することもできる。すなわち、加圧部120を上下方向に移動させる方法は、例示したものに限定されず、多様に具現可能である。
【0053】
前述したように、薬物伝達装置用プッシングデバイスは、押しボタン11を含む薬物伝達装置10と結合されて押しボタン11の加圧回数をカウントすることにより、薬物伝達装置10の重複使用や未使用を防止することができる。
【0054】
また、測定部140を通じて押しボタン11が正常にクリックされたか否かを判断できるように形成されるので、不完全投与を防止して薬物の量をより正確に注入することができる。
【0055】
また、測定部140が加圧部120のクリック情報を測定するように形成されるので、クリック回数による薬物の注入量を算出することにより、薬物が処方された定量で注入されたか否かを確認することができる。
【0056】
さらに、加圧部120と押しボタン11との接触部位にそれぞれ磁性体160を設置して、加圧部120が押しボタン11を加圧するときに軸が傾いて滑ることを防止することができる。
【0057】
図9は、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【0058】
図9を参照すると、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスは、前記ボディ部110に装着され、回転力を発生させる回転ギア部125と、前記支持溝部121に取り付けられ、前記回転ギア部125と噛合されて、前記回転ギア部125が回転することによって前記加圧部120が長手方向に動くようにする噛合部126と、をさらに含むことができる。
【0059】
具体的には、前記回転ギア部125は、電動モータに連結されて回転力を発生させることもでき、電動モータなしに回転ギア部125を手動で回すことができる外部に突出した回転ハンドル部をさらに含んで、手動によって回転させることもできる。電動モータを含む場合、電動モータに連結される小型電源部をさらに含むことができるのは勿論である。
【0060】
図10は、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスの断面図である。
【0061】
図10を参照すると、本発明のまた他の実施形態に係る薬物伝達装置用プッシングデバイスは、前記ボディ部110に装着され、回転力を発生させるスクリュー部127と、前記支持溝部121にねじ山状に形成され、前記スクリュー部127と噛合されて、前記スクリュー部127が回転することによって前記加圧部120が長手方向に動くようにするスクリュー結合部128と、をさらに含むことができる。
【0062】
具体的には、前記スクリュー部127は、電動モータに連結されて回転力を発生させることもでき、電動モータなしにスクリュー部127を手動で回すことができる外部に突出した回転ハンドル部をさらに含んで、手動によって回転させることもできる。電動モータを含む場合、電動モータに連結される小型電源部をさらに含むことができるのは勿論である。
【0063】
本発明は、添付の図面に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形および均等な他の実施形態が可能であることを理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるべきであろう。
【符号の説明】
【0064】
110 ボディ部
111 挿入溝部
112 貫通口
113 突出部材
114 ガイド溝部
120 加圧部
121 支持溝部
122 上部段差
123 下部段差
124 ガイド突起
125 回転ギア部
126 噛合部
127 スクリュー部
128 スクリュー結合部
130 スプリング部材
140 測定部
150 ディスプレイ部
160、170 磁性体
180 電磁石
【国際調査報告】