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特表2025-505506解錠システム、施錠/解錠ユニット、解錠システムの操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】解錠システム、施錠/解錠ユニット、解錠システムの操作方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 27/00 20060101AFI20250220BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20250220BHJP
   E05F 7/00 20060101ALI20250220BHJP
   H01H 27/06 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
H01H27/00 Z
E05B47/00 R
E05F7/00 F
H01H27/06 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540784
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 IT2023050015
(87)【国際公開番号】W WO2023152775
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102022000002546
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515332229
【氏名又は名称】ピザト エレットリカ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】PIZZATO ELETTRICA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピザト ジュゼッペ
(57)【要約】
本発明は、ドアまたはゲート(72)の開口部を解錠、保護等するための解錠システム(1)であって、電源ネットワーク(R)と電力が供給される負荷(M)との間に設けられる少なくとも1つの電力制御装置(5、6)と、アクチュエータ(22)と、操作ユニット(21)とを有する解錠ユニット(2)と、を備え、前記アクチュエータ(22)は、前記ドアまたはゲート(72)に固定するための本体(221)と、係合部材(222)と、を備え、前記操作ユニット(21)は、前記ドアまたはゲート(72)によって閉じられる開口部(74)に対応してフレーム(71)に固定可能であり、前記操作ユニット(21)は、遮断部材(215)と、論理制御ユニット(213)とを有する格納部(211)を備え、前記遮断部材(215)は、前記ドアまたはゲート(72)が閉じられたときに前記係合部材(222)と係合可能であり、前記論理制御ユニット(213)は、前記負荷(M)への電力供給を遮断させ、前記遮断部材(215)を作動させ、予め定義されたまたは予め定義可能な時間間隔の後に、前記前記係合部材(222)を解放するように、前記少なくとも1つの電力制御装置(5、6)の動作を制御するように構成されているまたは構成可能である、解錠システム(1)に関する。また、本発明は、解錠ユニット(2)および解錠方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアまたはゲート(72)の開口部を解錠、保護等するための解錠システム(1)であって、
電源ネットワーク(R)と電力が供給される負荷(M)との間に設けられる少なくとも1つの電力制御装置(5、6)と、
アクチュエータ(22)と、操作ユニット(21)とを有する解錠ユニット(2)と、を備え、
前記アクチュエータ(22)は、
前記ドアまたはゲート(72)に固定するための本体(221)と、
係合部材(222)と、を備え、
前記操作ユニット(21)は、前記ドアまたはゲート(72)によって閉じられる開口部(74)に対応してフレーム(71)に固定可能であり、
前記操作ユニット(21)は、遮断部材(215)と、論理制御ユニット(213)とを有する格納部(211)を備え、
前記遮断部材(215)は、前記ドアまたはゲート(72)が閉じられたときに前記係合部材(222)と係合可能であり、
前記論理制御ユニット(213)は、前記負荷(M)への電力供給を遮断させ、前記遮断部材(215)を作動させ、予め定義されたまたは予め定義可能な時間間隔の後に、前記前記係合部材(222)を解放するように、前記少なくとも1つの電力制御装置(5、6)の動作を制御するように構成されているまたは構成可能である、
解錠システム(1)。
【請求項2】
前記論理制御ユニット(213)は、前記遮断部材(215)に接続されて前記遮断部材(215)を制御し、
前記論理制御ユニット(213)は、前記遮断部材(215)の前記係合部材(222)との係合に応じて、前記負荷(M)への電力供給を可能にするように構成されているまたは構成可能である、
請求項1に記載の解錠システム(1)。
【請求項3】
前記操作ユニット(21)が、前記論理制御ユニット(213)に接続されて、前記遮断部材(215)を駆動することができる、アクチュエータ(214)を備える、
請求項1または請求項2に記載の解錠システム(1)。
【請求項4】
前記電力制御装置が、遠隔制御スイッチ(5、6)であり、
前記論理制御ユニット(213)に接続された巻線(51、61)と、
前記電源ネットワーク(R)に接続され、前記負荷(M)への電力供給を制御するスイッチ群(52、62)と、
前記論理制御ユニット(213)に接続される制御スイッチまたは切替部(53、63)であって、前記論理制御ユニット(213)は、前記制御スイッチまたは切替部(53、63)によって前記スイッチ群(52,62)のスイッチング状態を検出する、前記制御スイッチまたは切替部(53、63)と、を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項5】
直列に接続された第1遠隔制御スイッチ(5)および第2遠隔制御スイッチ(6)を備え、
前記第1遠隔制御スイッチ(5)の前記制御スイッチ(53)が制御電源(C)に接続され、
前記第2コンタクタ(6)の前記制御スイッチ(63)が前記論理制御ユニット(213)に接続され、
前記第1遠隔制御スイッチ(5)のスイッチ(52)のグループが前記電源ネットワーク(R)に接続され、
前記第2遠隔制御スイッチ(6)のスイッチ(62)のグループが前記負荷(M)に接続される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項6】
前記操作ユニット(21)が、前記論理制御ユニット(213)に操作可能に接続された通信読取装置(216)を備え、
前記アクチュエータ(22)が、前記本体(221)内に配置されたエミッタ装置(223)を備え、係合部材(222)が前記遮断部材(215)と係合すると、前記エミッタ装置(223)が前記通信読取装置(216)に対応することで、前記通信読取装置(216)が前記エミッタ装置(223)を読み取り可能となり、
前記エミッタ装置(223)が記録された識別コードを有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項7】
前記通信読取装置は、前記論理制御ユニット(213)に操作可能に接続されたRFIDリーダ(216)を備え、
前記エミッタ装置はタグ(223)を備える、
請求項6に記載の解錠システム(1)。
【請求項8】
前記通信読取装置(216)および前記エミッタ装置(223)は、無線周波数、磁気および/または光学技術などによって操作可能に接続される、
請求項6に記載の解錠システム(1)。
【請求項9】
前記論理制御ユニット(213)は、前記少なくとも1つの電力制御装置の動作を制御して、前記通信読取装置(216)によって読み取られた前記エミッタ装置(223)の識別コードに従って前記負荷(M)への電力供給を行うように構成されているまたは構成可能である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項10】
前記予め定義されたまたは予め定義可能な時間間隔は、前記エミッタ装置(223)に記憶され、前記通信読取装置(216)によって検出される、
請求項6~9のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項11】
前記論理制御ユニット(213)の前記時間間隔は、
・少なくとも1つのタイマー、
・静電容量式レギュレータ、
・無線を介した手段、および、
・プログラムを行うために前記論理制御ユニット(213)に接続されたバスを介した手段、
のうち1つ以上の手段によってプログラム可能および/または調整可能である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電力制御装置(5、6)が、前記解錠ユニット(2)の前記本体(21)の内部で一体化されている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の解錠システム(1)。
【請求項13】
アクチュエータ(22)と、操作ユニット(21)、とを備えた解錠システム(2)であって、
前記アクチュエータ(22)は、
ドアまたはゲートに固定するための本体(221)と、
係合部材(222)と、を備え、
前記操作ユニット(21)は、前記ドアまたはゲートによって閉じられる開口部に対応してフレームに固定可能であり、
前記操作ユニット(21)は、遮断部材(215)と、論理制御ユニット(213)とを備え、
前記遮断部材(215)は、前記ドアまたはゲートが閉じられたときに前記係合部材(222)と係合可能であり、
前記論理制御ユニット(213)は、電力制御装置(5、6)に接続可能であり、前記負荷(M)への電力供給を遮断させ、前記遮断部材(215)を作動させ、予め定義されたまたは予め定義可能な時間間隔の後に、前記前記係合部材(222)を解放するように、前記少なくとも1つの電力制御装置(5、6)の動作を制御するように構成されているまたは構成可能である、
解錠システム(2)。
【請求項14】
前記操作ユニット(21)が、前記論理制御ユニット(213)に接続され、前記遮断部材(215)を駆動することができるアクチュエータ(214)を備える、
請求項13に記載の解錠システム(2)。
【請求項15】
前記操作ユニット(21)が、前記論理制御ユニット(213)に機能的に接続されたRFIDリーダなどの通信読取装置(216)を備え、
前記アクチュエータ(22)が、前記本体(221)内に配置されたタグなどのエミッタ装置(223)を備え、前記係合部材(222)が前記遮断部材(215)と係合すると、前記エミッタ装置(223)が前記RFIDリーダ(216)に対応して配置されることで、前記RFIDリーダ(216)が前記エミッタ装置(223)を読み取り可能となり、
前記エミッタ装置(223)が記憶された識別コードを有する、
請求項13または14に記載の解錠システム(2)。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載の解錠システム(1)を制御するための解錠方法であって、
ストップスイッチ(4)による解錠または停止の指示を受信することと、
少なくとも1つの電力制御装置(5、6)を介して負荷(M)への電力供給を中断するための信号を送信することと、
前記負荷(M)への電力供給が遮断されたことを示すフィードバック信号を受信することと、
予め定義されたタイミングを開始することと、
遮断部材(215)を作動させてドアを解錠し、施錠するドアに固定可能な、アクチュエータ(22)の係合部材(222)の係合を解除することと、を含む、
解錠方法。
【請求項17】
スタートスイッチ(3)による起動指示を受信することと、
遮断部材(215)を作動させてドアを施錠し、施錠するドアに固定可能な、アクチュエータ(22)の係合部材(222)を係合させることと、
前記少なくとも1つの電力制御装置(5、6)によって負荷(M)への電力供給を可能にする信号を送信することと、をさらに含む、
請求項16に記載の解錠方法。
【請求項18】
前記遮断部材(215)の操作によりドアを施錠するステップが、RFIDリーダ(216)によって前記アクチュエータ(22)に配置されたタグ(223)に記憶された識別コードを認識するステップに続いて行われる、
請求項17に記載の解錠方法。
【請求項19】
前記タイミングは、前記タグ(223)に記憶された前記識別コードの関数である、
請求項18に記載の解錠方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行されると、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法のステップを前記コンピュータに実行させる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項21】
コンピュータによって実行されると、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法のステップを前記コンピュータに実行させる命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解錠システム、施錠/解錠ユニットおよび解錠システムの操作方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、特にオペレータによる産業プラントへのアクセスを制御するために設計・製造された解錠システムに関するものであるが、放射線発生源や化学反応エリアなどの危険区域に近づく危険からオペレータを保護する必要がある様々な用途に使用することができる。
【0003】
以下では、工業プラントや機械のアクセス保護を目的として説明するが、当然ながらこのような特定の用途に限定するものではない。
【背景技術】
【0004】
産業用機械では、オペレータに対する危険がなくなった場合にのみ機械の停止が必要となるものが知られている。そのため、これらの機械は、一般的に機械が完全に停止できるように選択された、所定の時間の経過後にのみ、オペレータがアクセスすることが可能となる。これらは、例えば、機械的慣性(フライホイール、遠心分離機など)や物理的変数(温度、圧力低下、放射源のスイッチオフなど)のために必要とされる。
【0005】
機械の安全停止時間は可変でも固定でもよい。固定停止時間用いる機械またはシステム全般において、従来の制御回路またはシステムは、停止信号(ボタンによって生成される)が、機械の危険な部分に電力を供給し続ける装置(例えば、コンタクタまたはモジュールとコンタクタまたはリレー)を解除し、一定の時間間隔が経過した後にのみ、安全タイマー(時限モジュール)がドア(すなわち、ロック付きスイッチ)を解錠する信号を生成するように構成される。
【0006】
上述した課題の解決手段として、ロック付きスイッチ内で停止信号とタイミングを検出するためのシステムの導入が必要となる。
【0007】
しかしながら、電気機械ロックアウトスイッチは、通常は一体型で高価であり、安全フィードバックがないことが多い。
【0008】
コストに関しては、前述したように、一般的に電気機械式ロックのスイッチ内に安全タイマーを挿入する必要がある。この場合、全体の寸法を考慮して回路全体を再設計する必要があるため、経済的なメリットが得られないことが多い。
【0009】
通常、フィードバックがない場合、一般的な要件として、機械またはプラントが実際にシャットダウンプロセスを開始したことを確認した後にのみ、制御システムがタイミングプロセスを起動できるようにする必要がある。そのため、停止ステップを開始するのと同じボタンでタイマーを作動させるだけでは不十分で、電源が切断されたことを示すコンタクタからのフィードバック信号が必要となる。さもなければ、機械が停止ステップを開始する前にタイミングが開始される危険性がある。
【0010】
このため、安全なタイミングシステムが必要とされるだけでなく、機械停止ステップが開始されたことを検出するためのシステムも必要とされる。電気機械システムを用いてこれらの目的を達成しようとすると、システムが非常に複雑となってしまう。
【0011】
さらに、先行技術による安全システムでは、特定の形状の係合部材を有するボルトが鍵として利用されており、この係合部材を交換すると、新しい係合部材では機械ゲートまたは保護ドアと係合し、閉じることができないようになっている。
【0012】
しかし、このようなシステムは、主に機械的なものであるため、容易に改造や適合が可能であることが多い。これは、過去の事例にあるように、場合によっては安全システム、特に閉鎖係合部材が改造され、安全でない方法で保護ドアまたはゲートの開閉が可能になり、通常通り制御されてしまうことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、先行技術における制約を回避することができる解除システムを提案することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、特に小型の機械やプラントに設置する必要がある場合にも適した、オンボード電子機器を備えたブロッキング機能付きユニットを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、スイッチ内部に遅延システムを導入することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、改造できないユニット、および/または、改造が試みられると、ゲートまたはドアを閉じることができないようにしつつ、機械またはシステムの作動および起動を禁止して、アクセスを制限するユニットを提案することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は、上記の解錠ユニットの操作方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
すなわち、本発明は、請求項1に記載の解錠システムを提供することを目的とする。
【0019】
好適な実施形態が、従属請求項により定義される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明を、一例であり限定的なものではない好適な実施形態に基づいて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1図1は、装置に採用される解錠ユニットのブロック図である。
図2図2は、本発明に係る解錠システムが採用された、ドアが閉じた状態の作業プラントの保護キャビンを示す。
図3図3は、本発明に係る解錠システムが採用された、ドアが開いた状態の作業プラントの保護キャビンを示す。
図4図4は、本発明に係る解錠システムが採用された、安全キャビンのドアの一例を示す。
図5図5は、図4を詳細に示す。
図6図6は、本発明に係る解錠システムの解除ユニットの正面図である。
図7図7は、本発明に係る解錠システムの解除ユニットの側面図である。
図8図8は、アクチュエータが操作ユニットから分離された状態の、本発明に係る解錠システムの解錠ユニットの側面図である。
図9図9は、操作ユニットの正面図である。
図10図10は、図9の操作ユニットの線A-Aに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各図において、同様の部分は、同じ符号で示される。
【0022】
添付の図1は、本発明に係る解錠システム1を示す。
【0023】
解錠システム1は、主に解錠ユニット2と、スタートスイッチ3と、ストップスイッチ4と、電源ネットワークRに接続された少なくとも第1コンタクタ5(または一般に電力制御装置)と、機械またはプラントMに接続された第2コンタクタ6(または一般に電力制御装置)とを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1コンタクタ5および/または第2コンタクタ6は、操作ユニット21、すなわち、制御システムに接続して電気スイッチングを行うことができる非接触保護装置の内部に配置することができるという利点を有する、OSSD装置(OutputSignalSwitchingDevice)などの他の電子スイッチング装置に置き換えてもよい。
【0025】
解錠ユニット2は、操作ユニット21と、操作ユニット21と着脱自在に係合可能なアクチュエータまたはボルト22とを備える。
【0026】
操作ユニット21は、筐体または格納体211を有し、これは、機械またはシステムMへユーザがアクセスするために、必要に応じて制御または解錠される開口部、ゲート、またはドアの閉鎖部においてフレーム(図1には図示せず)に固定することができる。格納ケース211は、以下にその機能を具体的に説明する開口部212を有し、これに対応して電気機械ボルトまたは一般に遮断部材215が配置される。
【0027】
また、操作ユニット21は、統合されプログラム可能なソリッドステートタイマーを備えた論理制御ユニット213をさらに備える。
【0028】
制御論理ユニット213は、電子式であり、上述のように適宜プログラム可能である。特に、論理制御ユニット213は、マイクロプロセッサ、PLC(ProgrammableLogicControl)、マイクロコントローラまたはASIC(特定用途向け集積回路)等とすることができる。
【0029】
制御論理ユニット213は、格納ケース211の内部に格納することができる。
【0030】
詳細には、操作ユニット21は、遮断部材215および論理制御ユニット213が格納される格納ケース211を備える。
【0031】
さらに、駆動ユニット21は、アクチュエータ214、好ましくは電磁石、および、遮断装置215を制御するためのMOSFET(Metal-Oxide-SemiconductorField-EffectTransistor)やIGBT(Insulated-GateBipolarTransistor)などの固体装置を備える。アクチュエータ214は、制御論理ユニット213によって接続、制御される。
【0032】
最後に、RFID(RadioFrequencyIdentificationDevice)リーダ216が、以下にその機能を具体的に説明する開口部212に配置される。
【0033】
スタートスイッチ3およびストップスイッチ4は、操作ユニット21の対応する入力に電気的に接続されている。すなわち、スタートスイッチ3およびストップスイッチ4は、論理制御ユニット213に機能的に接続される。スタートスイッチ3およびストップスイッチ4はそれぞれ、それぞれ符号31および41で示されるスイッチまたはスイッチ用コンタクトユニットと、スイッチ31および41をそれぞれ制御するための、符号32および42で示されるボタンとを備える。
【0034】
アクチュエータ22は、本体221と、本体221に固定された係合部材222とを備える。RFIDタグ223は、本体221内に配置される。タグ223は、プログラム可能であり、一意、すなわちボルト22と一意に関連付けることができる。これは、ボルトを変えるかまたは交換すると、RFリーダ216と機能的に通信することができなくなり、これにより遮断部材215によってゲートを施錠することができなくなり、プラントを起動することができなくなることを意味する。
【0035】
いくつかの実施形態では、タグ223およびそれに関連するアンテナの位置は、互いに逆であってもよい。さらに、他の実施形態においては、タグ223の代わりに、磁気式または電磁式、光学式、ホール効果型のセンサーなどの、一般的な電子通信または送受信機および認識装置を設けることも可能である。
【0036】
アクチュエータ22、特に本体221は、一般にフレーム上で閉じられる、開口部のゲートまたはドアに固定することができる。アクチュエータ22は、閉位置と開位置とをとることができる。閉位置では、係合部材222が開口部212に挿入され、操作時に遮断部材215と係合し、タグ223がRFIDリーダに配置されることで、読み取りが可能となる。開位置では、開口部212からの引き出しが行われるか、または開口部212への挿入は行われない。
【0037】
少なくとも1つの第1コンタクタ5は、ネットワークRと、交流または直流の制御電源Cとをその入力とする。一方、第2コンタクタ6は、第1コンタクタ5の出力を入力とし、給電する機械またはシステムMをその出力とする。
【0038】
電源は、本実施形態で示したような三相に限定されるものではなく、例えば、異なるタイプの電源とすることができる。いずれにしても、本発明を適用できる他のタイプの電源も考えられる。
【0039】
当然ながら、各コンタクタ5、6は、それぞれ符号51、61で示される巻線と、それぞれ符号52、62で示される電源を切り替えるためのエネルギースイッチ群と、それぞれ符号53、63で示される第1コンタクタ5および第2コンタクタ6用の制御電源Cを切り替えるための2つの制御スイッチとを備える。
【0040】
第1コンタクタ5および第2コンタクタ6の巻線51、61は、操作ユニット21の論理制御ユニット213の出力端子217に接続される。
【0041】
また、スイッチ63は、フィードバック端子218を介して、駆動ユニット21の制御論理ユニット213にフィードバック信号として接続される。
【0042】
上記解錠システム1は、以下のように動作する。
【0043】
機械またはシステムMを起動する必要がある場合、ユーザは、ボタン32を押して、スタートスイッチ3のスイッチ31を閉じることができる。この場合、係合部材222が開口部212に挿入された場合、すなわち、ゲートまたはドアが閉位置にある場合にのみ、RFIDリーダ216は、タグ223が正しいものであることを確認し、タグ223が認識された場合、起動信号が論理ユニット制御213に供給され、これにより遮断部材215をアクチュエータ214により操作して、係合部材222を遮断することができる。
【0044】
この場合にのみ、装置またはプラントM(すなわち、負荷)を作動させることができ、この目的のために、制御論理ユニット213は、出力端子217を介して、第1コンタクタ5および第2コンタクタ6の巻線51、61に起動信号を送信する。そして、電源を切り替えるためのエネルギースイッチの第1グループ52および第2グループ62と、2つの制御スイッチ53,63とが、閉じられる。このように生成されたフィードバック信号が、フィードバック端子218を介して制御論理回路装置213に受け取られ、機械またはシステムMが実際に給電されているという情報が取得される。
【0045】
機械またはシステムMを停止させ、アクチュエータ22が設置されているドアまたはゲートを開けてユーザがアクセスできるようにする必要がある場合、ユーザは、スイッチ41のストップスイッチ4のボタン42を押す。
【0046】
制御論理ユニット213は、端子217を介して安全出力を直ちにスイッチオフし、第1、第2遠隔スイッチ5、6それぞれの巻線51、61への電力を遮断する。これにより、第1、第2エネルギースイッチ群52、62が開き、装置およびプラントMへの電力供給が遮断され、また2つの制御スイッチ53、63が開くことで、制御論理ユニットによるフィードバック端子218上の関連信号の検出が可能となる。
【0047】
したがって、論理制御ユニット213は、装置またはプラントMの停止を可能にするように特別にプログラムされたタイマーを開始させる。
【0048】
いくつかの実施形態では、制御論理ユニット213内の内部および統合タイミングは、制御論理ユニット213自体で、直接ソフトウェアレベルでプログラム可能である。あるいは、他の実施形態として、タイミングは、駆動ユニット21に存在するタイマー(図示せず)またはディップスイッチ(図示せず)によって調節されてもよい。
【0049】
他の実施形態として、タイミングは、特に、論理制御ユニット213に接続され、操作ユニット21と一体化された無線周波数受信手段(Bluetooth(登録商標))を設けることによって、外部から調整することもできる。このように、例えばスマートフォン等の外部端子によって、アクチュエータ22の解錠タイマーを調整することができるようにしてもよい。
【0050】
さらに他の実施形態として、タイミングは、使用されるアクチュエータ22に一意に関連付けられた各タグ223(すなわち、任意の汎用通信装置システム)に固有のものであってもよい。換言すれば、タグ223は、使用するアクチュエータ(またはボルト)22によって異なり、特定のタイミングが関連付けられ、RFIDリーダ216、ひいては制御論理回路ユニット213によって読み取られる。
【0051】
特定の時間間隔が経過した後にのみ、論理制御ユニット213は、遮断部材215をアクチュエータ214によって操作して、係合部材222を解放し、ユーザがドアのゲートを開いて装置またはプラントMにアクセスできるようにする。
【0052】
ここで図2~5には、本発明に係る解錠システム1の実施形態と、その具体的な用途における組み込みが示される。
【0053】
すなわち、図2および図3には、隙間または出入口73を開閉するための、フレーム71およびフレーム71に蝶着されたドア72からなる保護キャビン7が示される。保護キャビン7の内側には、全体としてロボットとして図示された、電力が供給されるプラントMが配置される。
【0054】
ユーザが保護キャビンに入り、ロボット(電力供給されるシステムM)にアクセスするためには、ドア72を開ける必要がある。
【0055】
施錠ユニット2は、ドア72とフレーム71との間に設置される。すなわち、駆動ユニット21はフレーム71上に配置され、アクチュエータ22はドア72上に配置される。
【0056】
図4および図5には、操作ユニット21およびアクチュエータ22の配置が詳細に示される。詳細には、フレーム71のジャム上に配置されている操作ユニット21が示される。また、詳細には、操作ユニットは、ねじによってフレーム71に固定されている。
【0057】
代替構成として、アクチュエータ22は、操作ユニット21に対応して、ドアに設置されたハンドル74に一体化され、ドアが閉じられたときに、係合部材222が開口部212に嵌まり込むようになっている。
【0058】
上述のような本発明に係る解錠システム1の動作により、アクチュエータ22が解除され、必要に応じて、ドア72を開けて、使用者または保守技術者が保護キャビン7に入り、システムMに物理的にアクセスすることが全面的に安全な状態で可能となる。
【0059】
次に、図6図10には、解錠ユニット2がより詳細に示されており、解錠ユニットは、前述のように、操作ユニット21およびアクチュエータ22を備える。
【0060】
図10には操作ユニット21の断面が示されており、検査中において電磁石219の電源によって動かされるピンである遮断部材215が識別可能に示されている。
【0061】
さらに、制御論理ユニット213が実装される電子基板8は、格納ケース211の側面に配置される。
【0062】
発明の効果
本発明の作用効果は、ボルトの改ざんを回避することである。
【0063】
本発明のその他の作用効果は、非常にコンパクトで、したがって低コストであることである。
【0064】
本発明のその他の作用効果は、安全なタイミングをプログラム可能とすることである。
【0065】
本発明は、その好ましい実施形態に従って、限定ではなく例示の目的で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義される関連する範囲から逸脱することなく、当業者によって修正および/または変更が導入され得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10
【国際調査報告】