(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】平板、曲面板、角度付き板、および波形板を用いた三次元螺旋熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28D 7/04 20060101AFI20250220BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20250220BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20250220BHJP
【FI】
F28D7/04
B33Y80/00
B33Y10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545755
(86)(22)【出願日】2022-02-05
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 IB2022051014
(87)【国際公開番号】W WO2022229711
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524285066
【氏名又は名称】キアニ サルミ,ハミド
【氏名又は名称原語表記】KIANI SALMI, Hamid
【住所又は居所原語表記】NO. 214 ERFAN, ST. JANBAZAN ST. SIMIN FORKED ROAD, ISFAHAN, IRAN (ISLAMIC REPUBLIC OF)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キアニ サルミ,ハミド
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA50
3L103DD14
(57)【要約】
平板、曲面板、角度付き板、および波形板を用いた三次元螺旋熱交換器は以下を含む:点に対して平面形状を拡大縮小および回転させることで作成された三次元螺旋の一組であり、少なくとも2つの流路を形成し、各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を有し、その一方は熱交換器の中心に、もう一方は熱交換器の外殻に位置する;第一の流路に接続された一対のチューブ;第二の流路に接続された一対のチューブ;および熱交換器の中心にある複数の分離板。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板、曲面板、角度付き板、および波形板を用いた三次元螺旋熱交換器であって、以下を含む、三次元螺旋熱交換器:
入れ子状のシェルの集合であり、参照形状の拡大縮小と基本螺旋の軸の周りの回転を同時に行うことで三次元螺旋が形成され、少なくとも2つの三次元流路を形成し、各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を有し、そのうちの1つは熱交換器の中心に位置し、もう1つは熱交換器のシェル上に位置する、第一の流路に接続された少なくとも2つのチューブ(4および6)、
第二の流路に接続された少なくとも2つのチューブ5および7、および熱交換器の中心にある複数の分離板(1、2および3)。
【請求項2】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、2つの流路の一方に入ることにより、高温流体がシェルの壁と接触し、その壁が他方の側から低温流体と接触している、三次元螺旋熱交換器。
【請求項3】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、さらに開口部(8)を含む、三次元螺旋熱交換器。
【請求項4】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、逆方向の2つの流れが使用され、第一の経路における一方の流体の入口は球の中心からであり、他方の流体の入口は他のチャネルの球の殻からである、三次元螺旋熱交換器。
【請求項5】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、各流路において、流体が球の中心から外殻に向かって移動するにつれて、流れが通過する経路の断面積が増加する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項6】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、基本形状が半円であり、三次元球状螺旋熱交換器を形成する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項7】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、その参照形状が放物線であり、三次元放物線状螺旋熱交換器を形成する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項8】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、その参照形状が六角形である、三次元螺旋熱交換器。
【請求項9】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、その参照形状が三角形である、三次元螺旋熱交換器。
【請求項10】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、参照形状が直線と曲線の組み合わせである、三次元螺旋熱交換器。
【請求項11】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、参照形状が軸の周りの回転と同時に変形する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項12】
請求項1および11に記載の三次元螺旋熱交換器であって、参照形状の直線と曲線が、外殻に鋭角が生じないように配置されている、三次元螺旋熱交換器。
【請求項13】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、入れ子状のシェルが異なる体積を持つ2つの不等な流路を作成するように配置される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項14】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、シェルに接続する流路の端が開放されたままで、周囲の流体と直接接触できる、三次元螺旋熱交換器。
【請求項15】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、より大きな流路が環境と直接流体を交換する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項16】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、両方の流路が異なる環境と直接流体を交換する、三次元螺旋熱交換器、三次元螺旋熱交換器。
【請求項17】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、平面螺旋熱交換器と三次元熱交換器の両方を組み合わせたものである、三次元螺旋熱交換器。
【請求項18】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、流体の凝縮に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項19】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、蒸留に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項20】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、蒸発に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項21】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、流体が気体形態でチューブ6(底部チューブ)から第一の流路に入り、壁との接触で冷却される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項22】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、各シェルがより高い熱効率を得るためのブレードを有する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項23】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、熱交換器の流路の1つでワイヤーネットワークが使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項24】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、螺旋がアルキメデス螺旋の形をしている、三次元螺旋熱交換器。
【請求項25】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、螺旋がフィボナッチ螺旋の形をしている、三次元螺旋熱交換器。
【請求項26】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、内層の螺旋の曲線ステップのサイズが外層よりも大きい、三次元螺旋熱交換器。
【請求項27】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、3Dプリント技術を使用して製造される、三次元螺旋熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明:
本発明は熱交換器に関し、特に、少なくとも2つの三次元シェルを含む三次元熱交換器または多重シェル熱交換器に関し、一方のシェルが他方を交差することなく包囲している。
【背景技術】
【0002】
既存の螺旋熱交換器は、螺旋形状に曲がった2枚の平板で構成されており、熱交換器の中心には熱交換器の2つの流路を分離するもう1枚の板がある。この種の熱交換器では、2つの流体は混合しない。主螺旋の形状は平面的であり、実際、熱交換器の螺旋曲線は押し出されている。本文書では、この種の熱交換器を平面熱交換器と呼ぶ。
【0003】
平板螺旋熱交換器では、平板の代わりに角度付き板、曲面板、または凸面板を使用することができる(
図2および3)。角度付き板を使用して平板螺旋熱交換器を設計することができる(
図4および5)。波形板を使用して螺旋熱交換器を構築することができる。
【0004】
螺旋熱交換器は、2つの流路の体積が等しくないように設計することができる。同様に、曲面板、折れ曲がり板、溝付き板、および波形板を用いた平面螺旋熱交換器も、2つの流路の体積が等しくないように作ることができる(
図10~18)。
【0005】
図1~18は、先行技術または既存の熱交換器の小さな修正に関連している。
【発明の概要】
【0006】
ここに開示される発明の概要は、発明の主題の概観を提供することを意図しており、主題の本質的要素または重要要素を特定したり、主張される実施形態の範囲を決定したりすることを意図したものではない。
【0007】
平板、曲面板、角度付き板、および波形板を用いた三次元螺旋熱交換器は以下を含む:
【0008】
三次元螺旋を形成するために、二次元形状が点に対して拡大縮小され、同時に螺旋軸の周りを回転する、入れ子状のシェル表面の集合。少なくとも2つの流路があり、各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を有し、その一方は熱交換器の中心に位置し、他方はシェル上に位置する。第一の流路に接続された一対のチューブ、第二の流路に接続された一対のチューブ、および熱交換器の中心にある複数の分離板。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本文書の図は説明を目的としたものであり、限定的なものではない。
【0010】
【
図1】先行技術として既に存在していた螺旋熱交換器を示す。
【0011】
【
図2】平面螺旋熱交換器を形成するための曲面板の使用を示す。
【0012】
【
図3】曲げ板を用いた平面螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0013】
【0014】
【
図5】角度付き板を用いた螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0015】
【0016】
【
図7】波形板を用いた螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0017】
【
図8】2つの不等な流路を持つ螺旋熱交換器を示す。
【0018】
【
図9】2つの不等な流路を持つ平面螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0019】
【
図10】曲面板と2つの不等な流路の異なる体積を持つ螺旋熱交換器を示す。
【0020】
【
図11】曲面板と2つの不等な流路を持つ螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0021】
【
図12】曲面板と2つの不等な流路の体積を持つ平面螺旋熱交換器を示す。
【0022】
【
図13】角度付き板と2つの不等な流路を持つ螺旋熱交換器を示す。
【0023】
【
図14】切断状態での角度付き板と2つの不等な流路の体積を持つ平面螺旋熱交換器を示す。
【0024】
【
図15】角度付き板と2つの不等な流路の体積を持つ平面螺旋熱交換器を示す。
【0025】
【
図16】波形板と2つの不等な流路を持つ平面螺旋熱交換器を示す。
【0026】
【
図17】波形板と2つの不等な流路の体積を持つ螺旋熱交換器を示す。
【0027】
【
図18】波形板と2つの不等な流路の体積を持つ平面螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0028】
【
図19】三次元螺旋シェルを作成するための参照形状として三角形と六角形を示す。
【0029】
【
図20】三次元螺旋シェルを形成するための半円形の参照形状を示す。
【0030】
【
図21】三角形の参照形状を持つ三次元螺旋シェルとそれに入れ子になった三次元螺旋シェルを示す。
【0031】
【
図22】六角形の参照形状を持つ三次元螺旋シェルとそれに入れ子になった三次元螺旋シェルを示す。
【0032】
【
図23】
図24に示される特殊な参照形状を持つ三次元螺旋シェルとそれに入れ子になった三次元螺旋シェルを示す。
【0033】
【
図24】
図23の特殊な三次元螺旋シェルの作成につながった参照形状を示す。
【0034】
【
図25】平面螺旋と、螺旋中心の周りを回転して拡大縮小される半円の半分を示す。
【0035】
【
図26】軸方向チューブのない球状螺旋シェルと軸方向チューブのある球状螺旋シェル(右図)を示す。
【0036】
【
図27】球状螺旋熱交換器の壁を形成する二重に入れ子になった球状螺旋壁の断面図を示す。
【0037】
【0038】
【
図29】2つの別々の経路を作成するための熱交換器の中心における分離シートの使用を示す。
【0039】
【
図30】第一の入力経路が球の中心へ、もう一つの流体の入力が球の他のチャネルへ向かう三次元螺旋熱交換器を示す。
【0040】
【
図31】基本螺旋と、基本螺旋の中心の周りの楕円の回転およびスケールを示す。
【0041】
【0042】
【
図33】レンズの楕円形シェルの断面図と完全な状態を示す。
【0043】
【0044】
【
図35】レンチキュラースパイラル熱交換器壁の断面図を示す。
【0045】
【
図36】レンズ状螺旋熱交換器の壁の断面図を示す。
【0046】
【0047】
【0048】
【
図39】螺旋中心を中心とし、螺旋平面に接する半楕円と螺旋板を示す。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【
図44】参照形状が折れ線を持つ三次元螺旋熱交換器を示す。
【0054】
【
図45】参照形状が折れ線を持つ三次元螺旋熱交換器の断面を示す。
【0055】
【
図46】参照形状が折れ線を持つ三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0056】
【
図47】参照形状が長方形である螺旋三次元熱交換器を示す。
【0057】
【
図48】参照形状が長方形である三次元螺旋熱交換器の切断図を示す。
【0058】
【
図49】直線と曲線を組み合わせた参照形状を持つ三次元螺旋熱交換器の例を示す。
【0059】
【
図50】直線と曲線を組み合わせた参照形状を持つ三次元螺旋熱交換器の例を示す。
【0060】
【
図51】軸の周りの回転に伴う空間螺旋の参照形状の変化を示す。
【0061】
【
図52】鋭角での線の接続の代わりに曲げが使用される位置にある三次元螺旋熱交換器を示す。
【0062】
【
図53】鋭角での線の接続の代わりに曲げが使用される位置にある三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0063】
【0064】
【
図55】歪んだシェルを持つ三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0065】
【0066】
【
図57】90°の位相差を持つ2つの入れ子になった球状シェルの断面図を示す。
【0067】
【
図58】2つの流路の体積が不等な球状螺旋熱交換器を示す。
【0068】
【
図59】2つの流路の体積が異なる放物線状螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0069】
【
図60】90°のシェル位相差を持つ熱交換器の断面図を示す。
【0070】
【
図61】2つの流路の体積が不等な螺旋熱交換器を示す。
【0071】
【
図62】2つの不等な流路体積を持つレンズ状螺旋熱交換器における軸方向チューブと2つの流路の接続を示す。
【0072】
【
図63】2つの流路の体積が不等な卵形螺旋熱交換器を示す。
【0073】
【0074】
【
図65】楕円形熱交換器における軸方向パイプの接続方法を示す。
【0075】
【
図66】2つの不等な流路と破線の参照形状を持つ三次元螺旋熱交換器を示す。
【0076】
【
図67】2つの不等な流路の体積と破線の参照形状を示す三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0077】
【
図68】2つの不等な流路と熱交換器の外殻に接続された複数のチューブを持つ三次元螺旋熱交換器を示す。
【0078】
【
図69】2つの軸方向チューブの直径が不等な三次元螺旋熱交換器を示す。
【0079】
【
図70】流路の一つが環境と直接(チューブなしで)流体を交換する三次元熱交換器を示す。
【0080】
【
図71】流路の一つが外殻の端で環境と直接(チューブなしで)流体を交換する三次元螺旋熱交換器の図を示す。
【0081】
【
図72】各流路の中心に複数のパイプを接続する様子を示す。
【0082】
【
図73】三次元螺旋と平面螺旋熱交換器を組み合わせた統合螺旋熱交換器を示す。
【0083】
【
図74】熱交換器の中心が切断されたチューブと分離板で形成される統合螺旋熱交換器(三次元螺旋と平面螺旋の組み合わせ)を示す。
【0084】
【
図75】異なる体積を持つ2つの流路の組み合わせ(三次元螺旋と平面螺旋熱交換器の組み合わせ)である螺旋熱交換器を示す。
【0085】
【
図76】異なる体積を持つ2つの流路を有する統合螺旋熱交換器(三次元螺旋と平面螺旋熱交換器の組み合わせ)の断面図を示す。
【0086】
【
図77】内部流路から蒸留された流体を除去するために熱交換器に接続されたダクトを示す。
【0087】
【0088】
【
図79】蒸留された流体を除去するためのダクト接続を持つ統合熱交換器を示す。
【0089】
【
図80】蒸留用の組み合わせ螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0090】
【
図81】蒸発した流体を除去するために熱交換器に接続されたチューブを示す。
【0091】
【
図82】球状螺旋熱交換器におけるさまざまな種類のブレードの使用を示す。
【0092】
【
図83】2つの反応性流体を熱交換器の中心に注入するために、熱交換器の上部から2つの入れ子になったパイプを接続する様子を示す。
【0093】
【
図84】一つの流路のために外殻に2つの入口パイプを使用し、もう一つの流路のために軸方向に入れ子になった2つのパイプを使用する様子を示す。
【0094】
【
図85】軸方向チューブの側面でデザイン修正を施した三次元螺旋熱交換器を示す。
【0095】
【
図86】伸長された螺旋を持つ螺旋平面熱交換器を示す。
【0096】
【
図88】伸長された螺旋を持つ三次元螺旋熱交換器の正面図を示す。
【0097】
【
図89】分離板のない三次元螺旋熱交換器と分離板のある三次元螺旋熱交換器の透視図を示す。
【0098】
【
図90】螺旋が4つの不等な螺旋部分に分割され、これらの部分が直線で接続されている様子を示す。
【0099】
【
図91】2方向に伸長された螺旋を持つ三次元螺旋熱交換器を示す。
【0100】
【
図92】2方向に伸長された螺旋を持つ三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0101】
【
図93】2方向に伸長された螺旋を持つ三次元螺旋熱交換器の断面図を示す。
【0102】
【
図94】2方向に伸長された曲線を持つ三次元螺旋熱交換器と半楕円の参照形状の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0103】
発明の実施形態の説明
三次元螺旋シェルは、三次元で螺旋形状を持つ入れ子状のシェル表面の集合からなる。
【0104】
三次元螺旋を形成するために、二次元形状(三角形、長方形、正方形、六角形の半分、半円、半楕円、半放物線、およびその他の参照形状)が点に対して拡大縮小され、それによって大きくなるか小さくなり、同時に基本螺旋の軸の周りを回転する。
【0105】
三次元螺旋シェルにおける参照形状:
【0106】
回転軸に平行な側面が回転軸から最短距離にあるか、回転軸上にある形状において、その側面を完全に取り除くと、三次元螺旋シェルの形成のための参照形状が得られる(
図19、20)。
【0107】
三次元螺旋シェルは以下のように定義される:
【0108】
参照形状の同時回転と拡大縮小によって形成される空間内の点の幾何学的位置。この場合、回転は回転軸(螺旋軸)の周りで行われ、拡大縮小(参照形状の縮小または拡大)は参照点に対して行われる。
【0109】
参照点周りの二次元形状の拡大縮小:
【0110】
参照形状上のすべての点の参照点からの距離が一定値で乗算され、同じ方向に新しい点が形成される。
【0111】
図19では、三次元螺旋シェルを形成するための参照形状は三角形の2つの辺からなる。回転軸上の下側の辺は示されていない。水平の破線は回転軸を示す。
【0112】
破線(10)は参照(基本)形状を表す。
【0113】
点線は、360度回転し、参照点の周りで拡大縮小された後の参照形状を示す。図中の参照点は(+)で示されている。
【0114】
二次元形状は各回転で参照点に対して拡大縮小されるため、360度と720度の角度にある破線20と30は、基本形状と参照点に対して同時に拡大縮小されている。
【0115】
破線40と50は参照形状と似ており、それぞれ180度と540度回転し、参照点に対して拡大縮小されている。
【0116】
これらの線は回転角度と同じ角度での螺旋半径に比例して拡大縮小されているため、元の破線(線1)よりも小さくなっている。
【0117】
これらの線は元の点線に対して180度と540度回転しているため、その方向は参照形状に対して逆になっている。
図19では、半分の六角形の参照形状が示されている。上記の手順が六角形の参照形状に対して繰り返される。
【0118】
この六角形の下側の辺は、螺旋軸上にあるため除去されている。
【0119】
上記の手順が六角形の参照形状に対して繰り返される。
【0120】
各回転角度に適用される拡大縮小は、以下の方法を用いて得られる:
【0121】
任意の角度での螺旋半径と初期螺旋半径(角度0での螺旋半径)の比
【0122】
(角度0、360、720での螺旋半径は同じ方向にあるが等しくない)これらの画像では、二次元形状と三次元螺旋シェルのワイヤーフレーム、およびそれぞれの形状に関連する2つの入れ子になった三次元螺旋シェルが
図20~23に示されている。この熱交換器では、流体は接触せず、2つの流体間の熱交換は壁を通じて行われる。
【0123】
図24は、
図23の特殊な三次元螺旋シェルの作成につながった参照形状を示している。
【0124】
三次元螺旋シェルを形成するための参照形状が放物線の場合、以下の順序で三次元放物線状螺旋熱交換器を形成するために使用できる:
【0125】
三次元放物線状螺旋熱交換器は実際、以下の部分からなる三次元螺旋熱交換器の一種である:
【0126】
a)熱交換器の壁として入れ子になった一対の三次元螺旋シェル、
【0127】
b)2つの流路を完全に分離する熱交換器の中央分離器、
【0128】
c)熱交換器の中心に接続されたパイプ、
【0129】
d)熱交換器のシェルに接続されたパイプ、他の実施形態では流体がその経路の終端で直接媒体と接触する。
【0130】
他の形状の三次元熱交換器(正方形、六角形、三角形など)は、参照形状が放物線でない(三角形、六角形、正方形、その他の非放物線形状)一対の三次元螺旋シェルを使用し、これらのシェルを熱交換器の壁として入れ子状に配置し、他の手順を同様に実行することで形成できる。
【0131】
三次元螺旋シェルの参照形状が半円または半楕円の場合、球状および楕円状の螺旋シェルにつながる可能性がある。
これらは以下のように説明される:
【0132】
球状螺旋熱交換器;
【0133】
楕円状螺旋熱交換器。
【0134】
球状螺旋熱交換器の壁:
【0135】
二次元螺旋構造(
図25)において、螺旋上の各点に対して、平面に垂直な半円(半円の中心は螺旋の中心と同じ点)が螺旋曲線に接するように配置され、半円がその90度の角度で螺旋曲線と交わるようにすると(
図25)、球状螺旋シェルと呼ばれるシェルの形成につながる(
図26)。このようにして、2つの入れ子になった球状壁が球状螺旋熱交換器を形成し、球の半径が徐々に大きくなり、三次元螺旋を作り出す。
【0136】
これらの熱交換器は、両方の熱交換器流路の体積が等しくなるように、あるいはその逆に設計することができる。
【0137】
球状螺旋熱交換器の中心は、曲面板または角度付き板、あるいは互いに接続された複数の板を使用して、2つの完全に分離した経路を作成するように2つの部分に分割することができる。
図27では、軸方向チューブが切断され、その下部が第一の流路の中心に接続され、上部が第二の流路に接続されている。さらに、板1、2、3が2つの流路を完全に分離し、流体の混合が起こらないようにしている。(
図27と28の部品1、2、3)
【0138】
各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を持ち、そのうちの1つは熱交換器の中心に位置し、もう1つはシェル上に位置する。
【0139】
各流路の中心に接続されたチューブは、球の外側に直接接続されている。(
図28)
【0140】
チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。
チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。
【0141】
チューブ4は第一の流路の外殻に接続され、チューブ6はこの流路の中心に接続されている。チューブ5は第二の流路の外殻に接続され、チューブ7はこの流路の中心に接続されている。
【0142】
分離板は、熱交換器中心の部品1、2、3からなる。
この部分は曲線としても設計できる。
【0143】
熱交換器において、板1、2、3は実際に分離板であり、2つの流体が混ざり合うのを防いでいる。
【0144】
上記の熱交換器では、2つの主要な流路それぞれに対して、球の中心に1つの入口または出口があり、外殻に1つの入口または出口がある。2つの経路のうちの1つに高温流体が入ると、壁に接触し、その壁は反対側で低温流体と接触している。したがって、流体の混合なしに、高温流体の熱を壁を通して低温流体に伝達することができる。
【0145】
それぞれの経路において、流体が外殻から球の中心に向かって移動するにつれて、流れが通過する流路の断面積は減少する。
図30は熱交換器内の2つの流体の経路を示している。
【0146】
より高い効率を得るために、逆方向の2つの流れを使用することもできる。そうすることで、第一の経路における一方の流体の入口は球の中心からとなり、他方の流体の入口は他のチャネルの球の殻からとなる。
【0147】
それぞれの経路において、流体が球の中心から外殻に向かって移動するにつれて、流れが通過する流路の断面積は増加する。したがって、流体が球の中心から殻上の出口に向かって移動するにつれて、速度は減少する。熱交換器の球状構造により、高圧に耐えることができ、加圧ガスの冷却やガスの液化に適している。
【0148】
三次元楕円状螺旋熱交換器は、以下の2つのカテゴリーに分類される:
【0149】
レンズ状螺旋熱交換器;
【0150】
卵形螺旋熱交換器。
【0151】
物理的特性に加えて、熱サイクルにおける熱交換器のための組み込みスペースも、様々な形状の熱交換器の構築を正当化する。
【0152】
レンズ状螺旋熱交換器:
【0153】
螺旋の接点が大きな楕円径上にある場合、結果として生じるシェルは
図31と32に示すようなレンズ状のシェルとなる。
【0154】
図31は螺旋熱交換器の左側を示し、
図32は螺旋と螺旋に接する半楕円を示している。
【0155】
この種の熱交換器では、球の中心を同様に切断されたシートまたは切断されたパイプを使用して2つの部分に分割することができる。
【0156】
卵形螺旋熱交換器:
【0157】
螺旋に接する点(
図32と33)が楕円の小さい直径上にある場合、卵形螺旋が結果として生じる。(
図34と35)
【0158】
卵形螺旋熱交換器は、少なくとも2つの入れ子になった卵形螺旋シェルからなり、各流路の始点と終点に接続されたパイプ、および熱交換器の中心に位置する分離器がある。
【0159】
同様に、参照形状が半円や半楕円ではなく放物線である放物線状螺旋シェルも同じ方法で形成され、同様に放物線状螺旋熱交換器の壁を形成するために使用できる。
【0160】
図36、37、38に示すように、チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。
【0161】
螺旋に接する点(
図39)が小さい直径の楕円(切断された楕円の半分)上にある場合、卵形螺旋が結果として生じる。(
図39と40)
【0162】
卵形螺旋熱交換は、2つの入れ子になった螺旋シェル、各流路の始点と終点に接続されたチューブ、および熱交換器の中心に位置する分離器からなる(
図41、42、43)。チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5は第二の流路に接続されており、軸方向チューブが上部からこの流路の中心に接続されている。この種の熱交換器では、熱交換器の中心を同様に切断されたパイプとシート(板1、2、3)を使用して2つの部分に分割することができる。
【0163】
折れ線、曲線、および歪んだ線を使用して、組み合わせ螺旋熱交換器を設計することもできる。
【0164】
軸方向パイプは、2つの軸方向パイプの直径が等しくないように、異なる直径で使用することもできる(
図44、45、46)。チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。この種の熱交換器では、熱交換器の中心を切断されたパイプと分離板を使用して2つの部分に分割することができる。
図46では、板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の上半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の下半分が切断されている。両方のパイプの切断された側面は、板2と3とともにシェルの内壁まで続いている。
【0165】
図47は、参照形状が長方形である螺旋三次元熱交換器を示している。
図48は、参照形状が長方形である三次元螺旋熱交換器の断面図を示している。
【0166】
チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。
チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。
【0167】
図47と48では、板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の上半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の下半分が切断されている。両方のチューブの切断された側面は、板2と3を通ってシェルの内壁まで延びている。
【0168】
螺旋熱交換器は、直線と曲線を組み合わせて使用した参照形状から設計することができる。(
図49と50)チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。
図50では、板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の上半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の下半分が切断されている。両方のチューブの切断された側面は、板2と3とともにシェルの内壁まで続いている。
【0169】
図51に示すように、参照形状が軸の周りの回転と同時に変形するように螺旋熱交換器を構築することができる。チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の上半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の下半分が切断されている。両方のチューブの切断された側面は、板2と3とともにシェルの内壁まで続いている。
【0170】
図53に示すように、外殻に鋭角が生じないように直線と曲線を使用することができる。チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。図では、板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の上半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の下半分が切断されている。両方のチューブの切断された側面は、板2と3とともにシェルの内壁まで続いている。
【0171】
図54に見られるように、三次元螺旋シェルは波形で設計することができる。この場合、参照形状には輪郭線がなければならない。
【0172】
すべての三次元螺旋熱交換器において、入れ子状のシェルを、異なる体積を持つ2つの不等な流路を作成するように配置することができる。
【0173】
流路の体積が等しい熱交換器を作成するために、第二のシェルは、コイル板に垂直でコイルの中心を通る軸に対して180度の位相差で配置する必要がある。
【0174】
体積が等しくない(不等で不均等な)流路を持つ熱交換器を作成するために、第一のシェルと類似した第二の螺旋シェルを、第一のシェルに対して180度以外の位相差で配置する必要がある。その後、必要に応じて内層または外層を切断または追加することができる(
図57)。
【0175】
チューブ4と6は第一の流路に接続されており、チューブ4はこの流路の外殻に接続され、チューブ6は流路の中心に接続されている。チューブ5と7は第二の流路に接続されており、チューブ5は外殻に接続され、チューブ7は同じ流路の中心に接続されている。図では、板1、2、3は2つの流体が混ざり合うのを防ぐ分離板である。第一の流路の中央シェルでは、チューブ6の前半分が切断され、第二の流路の中央シェルでは、チューブ7の後半分が切断されている。両方のチューブの切断された側面は、板2と3とともにシェルの内壁まで続いている。
【0176】
同様に、他の熱交換器、放物線状三次元螺旋(レンズ楕円、卵形楕円)、および折れ線や波形線を持つ三次元螺旋でも、180度以外の位相差方法を使用して、異なる体積を持つ2つの流路を作成することができる。2つの不等な流路体積を持つ三次元レンズ状(凹面)熱交換器を
図61と62に示す。
【0177】
同様に、参照形状が半円や半楕円ではなく放物線である放物線状螺旋シェルも同じ方法で形成され、不等な体積の放物線状螺旋熱交換器壁を形成するために使用できる。
【0178】
参照形状が放物線でない(三角形、六角形、正方形、その他の非放物線形状)三次元螺旋シェルを使用し、これらのシェルを熱交換器の壁として入れ子状に配置し、他の手順を同様に実行することで、以前の方法と同様に、三次元熱交換器(正方形、六角形、三角形など)も形成することができる。
【0179】
螺旋熱交換器では、両方の軸方向パイプが同じ直径を持つ必要はない。また、各流路に対して熱交換器のシェル上に複数のチューブを使用することも可能である。
【0180】
図70と71に示すように、シェルに接続するチューブの代わりに、シェルに接続する流路の端を開放したままにして、周囲の流体と直接接触させることができる(空気中や水中、または流体チャンバー内)。
【0181】
熱交換器は、より大きな流路が環境と直接流体を交換するように設計することもできる。あるいは、両方の流路が異なる環境と直接流体を交換するように設計することもできる(開放された流路が室内の空気と接触し、もう一方の開放された流路が外気と接触して、換気の前に熱エネルギーの一部をリサイクルする)。
【0182】
他の中央パイプも熱交換器の中心に接続することができ、その方向は中央パイプと平行である必要はない。(
図72)
【0183】
目的は、チューブを使用して熱交換器の中心から熱交換器の外部へ、または熱交換器の外部から中心へ流体を移動させることである。
【0184】
螺旋熱交換器は、平面型と螺旋型の両方を組み合わせたものとして設計することができる。この種の熱交換器の設計は、同じ螺旋を持つ平面熱交換器と三次元螺旋熱交換器を切断して互いに接続できるようにするようなものである(
図73)。
【0185】
この種の熱交換器は、他の種類の熱交換器と同様に、不等な流路で設計することができる。(
図75と76)
【0186】
図75は、異なる体積を持つ2つの流路の組み合わせ(三次元螺旋と平面螺旋熱交換器の組み合わせ)である螺旋熱交換器を示している。熱交換器の中心は、切断されたチューブと分離板の方法で形成されている。
【0187】
図76は、異なる体積を持つ2つの流路を有する統合螺旋熱交換器(三次元螺旋と平面螺旋熱交換器の組み合わせ)の断面図を示している。熱交換器の中心は、切断されたパイプと分離板の方法で形成されている。
【0188】
螺旋熱交換器は、流体の凝縮、蒸留、沸騰、蒸発にも使用できる。三次元螺旋熱交換器を蒸留に使用したい場合、一方の流路の外殻の下部にチューブを接続し、このチューブを使用して蒸留された流体を除去することができる。(
図77と78)この種の設計により、熱交換器を多相流体の蒸留と分離に使用することができる。
【0189】
流体(多相でもよい)は気体形態でチューブ6(下部チューブ)から第一の流路に入り、壁との接触で冷却される。蒸留された部分の流体は開口部8から出て、他の気体部分はチューブ4から出る。(パイプ4は同じシェルにもう少し高い位置で接続できる)下部のチューブが他の導管流路の外殻に接続されている場合、流体(多相でもよい)を外殻から流路に導くことができ、その結果、蒸留された流体の一部は下部流路に接続されたチューブから出て、一部は上部軸方向チューブから気体形態で出る。蒸留チューブは、不等な体積を持つ三次元螺旋熱交換器にも接続できる。
【0190】
気体流体(多相でもよい)は入口ダクト6から第一の流路に入り、壁との接触で冷却される。蒸留された流体の一部は出口8から出て、他の部分は開口部4から出る。空間螺旋熱交換器での蒸留方法は、蒸留トレイとして使用できる。熱交換器を蒸発器として使用する場合、一方の流路の外殻の上部にチューブを接続し、このチューブを使用して蒸発した流体を除去することができる。
【0191】
放物線状螺旋熱交換器は、一部の流れ体制でのより大きな熱効率、より高い圧力耐性、またはその一方または両方の流路でのより大きな圧力降下のために、ブレードを持つことができる。
【0192】
ブレードは、丘や谷の形をしていたり、2つの壁を柱のように接続したり、流体の流れを熱交換器の一部に導いたりすることができる。また、一方の流路にワイヤーネットワークを使用することも可能である(例えば、一方の流路で表面蒸発を考慮する場合や、蒸留器内でより良い蒸留と発泡防止のためにワイヤーネットワークを持ちたい場合)一方の流路で反応させたい場合(ボイラーでの燃焼など)、各流路に2つ以上の流体を注入する必要がある。このために、各入口または出口流路に複数のパイプを追加することができる。(
図83)
【0193】
三次元螺旋熱交換器の設計では、各流路の軸方向チューブの一部が同じ流路と接触している。この問題を解決することで熱交換器の熱性能が向上するため、これらの部分を絶縁するか、隣接する三次元螺旋の設計を修正することができる。これを達成するために、三次元螺旋シェルの側面を上向きに曲げ、他の三次元螺旋シェルの側面を下向きに曲げる。(
図85)
【0194】
アルキメデス、対数、フィボナッチなどの他の種類の螺旋も、熱交換器の設計に使用できる。螺旋の主要な形状は、内側の層での曲線の歩幅が外側の層よりも大きくなるようにも設計できる。多くの場合、熱交換器の形状は、熱伝達のために望ましい空間で可能な限り最大の体積を使用するために、設置される空間と互換性がなければならない。したがって、直線を持つ入れ子状のシェルを使用して螺旋熱交換器を形成することもできる。(
図81)
【0195】
この実施形態の関連図では、パイプ4と6が第一の流路に接続され、パイプ5と7が第二の流路に接続されている。分離板1も2つの流体が混ざり合うのを防いでいる。螺旋熱交換器を囲むために、主要な螺旋を両方向に描くことができる。
【0196】
この種の設計に関連する図では、パイプ4と6が第一の流路に接続され、パイプ5と7が第二の流路に接続されている。曲線、折れ線、歪んだ線などの異なる参照形状を使用して、この種の熱交換器を設計することができる。
【0197】
曲面板や角度付き板を使用した螺旋熱交換器を作るために、最初の段階で板を角度付けたり、曲げたり、歪ませたりしてから、螺旋方向に曲げることができる。
【0198】
三次元螺旋熱交換器を作るために、シェルを異なる部分に分割することができる。例えば、螺旋シェルが螺旋上で720度回転した結果である場合、シェルをそれぞれ180度の形状を持つ部分に分割することができる。例えば、螺旋形状の第一部分は0度から180度まで、第二部分は180度から360度まで、第三部分は360度から540度まで、第四部分は540度から720度までとなる。
【0199】
シェルの異なる部分を設計することで、3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング、鋳造、ミリングなどの異なる製造方法で生産することができる。
【0200】
ディープドローイングを含む様々なプレス方法も、一体型部品の製造に使用できる。また、各部分を2つ以上の部分に分割し、側面部分が各新しい部分のディープダイとして機能するようにすることも可能である。プレスを使用して、体積膨張方法を作るためにシートを切断し曲げることもできる。
【0201】
最後に、すべての部品とコンポーネントを生産した後、それらを組み立てることで熱交換器全体が作られる。まず、球の中心と分離板を作り、次に両方のシェルの小さな部分を球の中心に配置して溶接を行い、同様に小さい部分から大きい部分へと溶接していく。最後の段階で、シェルに接続されたパイプを取り付け、必要に応じて遠心分離機を熱交換器に接続し、最後に熱交換器の周りに防音壁を追加し、空気の入口と出口の壁を設置する。
【0202】
熱交換器の応用の一つは、周囲の流体との熱交換に使用することである。空間螺旋熱交換器の一方の流路を完全に開放したままにするか、外殻に流れを誘導するための開口部を設置することで、この目的のために使用できる。この場合、輸送機関でラジエーターの代替として使用でき、車両の移動によって空気の流れが熱交換器に誘導される。
【0203】
入口流路により多くの流体を熱交換器に導入するために、より多くの流れを熱交換器に誘導するための開口部を設置することができる。目的が室内や建物内の空気との流体交換である場合、熱交換器の隣に遠心分離機を設置して軸方向チューブの出口で吸引を作り出し、熱交換器内に流れを発生させることができる。(この種の熱交換器内での圧力降下のため、この目的には遠心分離機の使用が適している)。この種のラジエーターを建物で使用する場合、チャンバーで覆うことができる。この場合、中央暖房・冷房システムから熱交換器へ流体を移送するパイプの通路はチャンバー壁に設置される。
【0204】
この場合、熱交換器の壁も音波を吸収する特性を持つことができる。また、流体の入口と出口に音を吸収する壁を設置することもできる。
【0205】
熱交換器への高温水の入口が特別な装置から熱を放散する目的である場合(様々な種類のヒートシンク、電子機器、モーター、産業機器の冷却)、この設計を熱サイクルでも使用できる。
【0206】
この種の熱交換器は、熱サイクルにおける熱の生成、熱伝達、エネルギー回収に使用できる。例えば、精製、石油化学、発電所、金属生産および操作、乾燥機、凝縮器、蒸留器では、熱交換器、凝縮器、蒸留器、反応器、蒸発器、ボイラーとして使用できる。
【0207】
熱交換器をより高い圧力に耐えられるように設計し、同時にその質量をできるだけ低くするために、パイプやチューブの異なる部分の壁の厚さを不均等に定義したり、この目的のための複合構造を利用したりできる。例えば、熱交換器の外殻をより厚くし、複合材料で作ることができる。
【0208】
製造方法
【0209】
これらの種類の熱交換器を作るために3Dプリント技術を使用できる。
熱交換器を鋳造するために成形方法も使用できる。一つの実施形態では、方法は最初に熱交換器の中心を構築することである(一方向に2本のチューブと別の分離シート)。次に、分離シートの両側(上下)にそれぞれ接続された2枚のシートを管の周りに巻き付け、同時に金属シートを管上でねじり、これにより放物線状螺旋が形成され、シートの余分な部分を切断し、その後側面を管に溶接する。最後に、熱交換器の用途に応じて、シェル上にある流路のもう一方の開口部に1本以上のパイプを接続するか、場合によっては開口部をパイプを追加せずに環境と直接接触させることができる。
【0210】
シェルに接続するチューブの代わりに、シェルに接続する流路の端を開放したままにして、他の流体と直接接触させることができる。(空気中や水中、または流体チャンバー内)。熱交換器は、シェル上にチューブを持つ代わりに、外部媒体と直接流体を交換する。
【0211】
チューブ4は第二の流路の中心に接続されており、この流路の外殻は同じ熱交換器の他の流路のように他の流体と直接交換するか、チューブを使用して外部媒体と流体を交換することができる。
【0212】
各流路に対して熱交換器のシェル上に複数のチューブを使用することが可能である。環境との直接的な流体交換は、いずれかの流路に使用できる。他の中央チューブも熱交換器の中心に接続でき、その方向は軸方向チューブと平行である必要はない。目的は、チューブを使用して熱交換器の中心から熱交換器の外部へ、または熱交換器の外部から熱交換器の中心へ流体を移動させることである。
発明の有利な効果
独特の設計により、流体速度、圧力降下、熱伝達率の最適化のためのより大きな柔軟性が提供される。
熱交換器の入れ子構造により、高圧に耐えることができ、加圧ガスの冷却やガスの液化に適している。
熱交換器の応用の一つは、周囲の流体との熱交換に使用することである。空間螺旋熱交換器の一方の流路を完全に開放したままにするか、外殻に流れを誘導するための開口部を設置することで、この目的のために使用できる。
この種の熱交換器は、熱サイクルにおける熱の生成、熱伝達、エネルギー回収に使用できる。
【手続補正書】
【提出日】2025-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元螺旋熱交換器であって、
入れ子状のシェルの集合であって、参照形状
を基本螺旋の軸の周りの回転
と同時に
拡大縮小することで三次元螺旋が形成され、少なくとも2つの三次元流路を形成し、各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を有し、そのうちの1つは熱交換器の中心に位置し、もう1つは熱交換器のシェル上に位置する
、入れ子状のシェルの集合と、
第一の流路に接続された少なくとも2つのチュー
ブと、
第二の流路に接続された少なくとも2つのチュー
ブと、
熱交換器の中心にあ
る分離
板と、
を備える、三次元螺旋熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、さらに開口
部を含む、三次元螺旋熱交換器。
【請求項3】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、基本形状が半円であり、三次元球状螺旋熱交換器を形成する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項4】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって
、参照形状が放物線であり、三次元放物線状螺旋熱交換器を形成する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項5】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、参照形状が軸の周りの回転と同時に変形する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項6】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、入れ子状のシェルが異なる体積を持つ2つの不等な流路を作成するように配置される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項7】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、シェルに接続する流路の端が開放されたままで、周囲の流体と直接接触できる、三次元螺旋熱交換器。
【請求項8】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、平面螺旋熱交換器と三次元熱交換器の両方を組み合わせたものである、三次元螺旋熱交換器。
【請求項9】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、流体の凝縮に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項10】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、蒸留に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項11】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、蒸発に使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項12】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、流体が気体形態で
底部チューブから第一の流路に入り、壁との接触で冷却される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項13】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、各シェル
が熱効率を
高めるためのブレードを有する、三次元螺旋熱交換器。
【請求項14】
請求項1に記載の三次元螺旋熱交換器であって、熱交換器の流路の1つでワイヤーネットワークが使用される、三次元螺旋熱交換器。
【請求項15】
螺旋パターンを形成する入れ子状の板の集合であって、各板は曲面板または角度付き板、あるいは曲面板と角度付き板の組み合わせであり、一連の螺旋流路を作成するように配置され、
各流路は少なくとも1つの入口と1つの出口を有し、一方の端は熱交換器の中心に位置し、もう一方の端は熱交換器の外縁に位置する、入れ子状の板の集合と、
第一の流路に接続された少なくとも2つのチューブと、
第二の流路に接続された少なくとも2つのチューブと、
螺旋流路の構造的完全性と分離を維持するための熱交換器の中心にある分離板と、
を備える、螺旋板熱交換器。
【国際調査報告】