(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】カメラ、光学的識別タグの検出システム、および識別方法
(51)【国際特許分類】
G03B 11/00 20210101AFI20250220BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20250220BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20250220BHJP
G03H 1/02 20060101ALI20250220BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
G03B11/00
G02B5/30
G02B5/18
G03H1/02
G06K19/06 065
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546200
(86)(22)【出願日】2023-02-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 FI2023050071
(87)【国際公開番号】W WO2023148432
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524289765
【氏名又は名称】セキュア イメージ フィード オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤルヴィネン,ユッカ
【テーマコード(参考)】
2H083
2H149
2H249
2K008
【Fターム(参考)】
2H083AA06
2H083AA10
2H083AA26
2H083AA32
2H149AA00
2H149AA28
2H149BA02
2H249AA12
2H249AA55
2K008AA13
(57)【要約】
カメラ(10)、識別のためのシステム、および方法は、カメラの内部、イメージセンサー(14)用のカバーガラス(15)に配置された識別マーカーを利用する。システムは、カメラと、カメラ(10)の外部に配置された光学的識別タグ(31)とを備える。光学的識別タグ(31)は、第1の所定の光パターン(71)で光線を反射するように構成されたセキュリティホログラムを備え、カバーガラス(15)は、光路に識別マーカー(1)を備え、識別マーカー(1)は、イメージセンサー(14)の一部に到達する光線を遮断するように構成され、識別マーカー(1)は、第1の所定の光パターン(71)が光学式識別タグ(31)から識別マーカー(1)に反射されるときに、第1の所定の光パターン(71)を第2の所定の光パターン(72)に変更するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(11)と、
前記レンズ(11)からの光を受光するイメージセンサー(14)と、
前記レンズ(11)と前記イメージセンサー(14)との間の光路上の、前記イメージセンサー(14)用のカバーガラス(15)と、を備え、
前記カバーガラス(15)が、光路に識別マーカー(1)を備え、前記識別マーカー(1)は、光線が前記イメージセンサー(14)の一部に到達するのを遮断するように構成される
ことを特徴とする、カメラ。
【請求項2】
前記識別マーカー(1)が、前記識別マーカー(1)の影像を前記イメージセンサー(14)に投影するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ(10)。
【請求項3】
前記識別マーカー(1)が、偏光フィルターを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラ(10)。
【請求項4】
前記識別マーカー(1)が、前記イメージセンサー(14)へ、回折によってスペクトルを生成するように構成された回折格子を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカメラ(10)。
【請求項5】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)に貼り付けられたステッカーを備えるか、または前記識別マーカー(1)が前記カバーガラス(15)上に印刷されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカメラ(10)。
【請求項6】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)の一部上にコーティングを備え、前記コーティングの一部が前記識別マーカー(1)の画像を提供するために除去されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカメラ(10)。
【請求項7】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)のエッチングを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカメラ(10)。
【請求項8】
レンズ(11)と、前記レンズ(11)からの光を受光するイメージセンサー(14)と、前記レンズ(11)と前記イメージセンサー(14)との間の光路上の、前記イメージセンサー(14)用のカバーガラス(15)と、を有するカメラと、
前記カメラ(10)の外側に配置され、前記カメラに(10)よって撮影されるように構成された光学的識別タグ(31)と、を備え、
前記光学的識別タグ(31)が、第1の所定の光パターン(71)で光線を反射するように構成されたセキュリティホログラムを備え、
前記カバーガラス(15)が、前記光路に識別マーカー(1)を備え、前記識別マーカー(1)が、光線が前記イメージセンサー(14)の一部に到達するのを遮断するように構成され、
前記識別マーカー(1)が、前記第1の所定の光パターン(71)が前記光学的識別タグ(31)から前記識別マーカー(1)に反射されるとき、前記第1の所定の光パターン(71)を第2の所定の光パターン(72)に変更するように構成されることを特徴とする光学的識別タグを検出するシステム。
【請求項9】
前記識別マーカー(1)が、偏光フィルターを備えることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記識別マーカー(1)が、前記イメージセンサー(14)へ、回折によってスペクトルを生成するように構成された回折格子を含むことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)に貼付されたステッカーを備えるか、または前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)上に印刷されていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)の一部上にコーティングが施されており、前記識別マーカー(1)の画像を提供するために前記コーティングの一部が除去されていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記識別マーカー(1)が、前記カバーガラス(15)のエッチングを備えることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
識別方法であって、
レンズ(11)と、前記レンズ(11)からの光を受光するイメージセンサー(14)と、前記レンズ(11)と前記イメージセンサー(14)の間の光路上の、前記イメージセンサー(14)用のカバーガラス(15)と、を有するカメラ(10)と、を含み、
前記カバーガラス(15)は、前記光路に、光線が前記イメージセンサー(14)の一部に到達するのを阻止する識別マーカー(1)を備える
ことを特徴とし、
前記方法は、
光が前記光路に沿って進行するようにするステップと、
前記カメラ(10)により撮影された画像を、前記識別マーカー(1)によって生じたパターンによって前記イメージセンサー(14)にマーキングするステップと、を含む、識別方法
【請求項15】
第1の所定の光パターン(71)で光線を反射するセキュリティホログラムを備える光学的識別タグ(31)が前記カメラ(10)の外側に配置され、
前記第1の所定の光パターン(71)の光線を前記光路に沿って進行させることと、
前記識別マーカー(1)によって、前記第1の所定の光パターン(71)を第2の所定の光パターン(72)に変更することと、
前記イメージセンサー(14)によって前記第2の所定の光パターン(72)を撮影することと、を特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
デジタルイメージングは、編集やフィルタリング、あるいは偽造が起こりやすい。デジタル画像やビデオの受信者は、コンテンツやその信憑性を十分に信頼していない可能性がある。ビデオ会議のために背景を変えたり、参加者の顔を向上させたり、あるいは変えたりさえすることもあるる。一例では、ディープフェイクは、既存の画像や映像を他の人に似たものに置き換えた合成動画や画像である。ディープフェイク技術が進歩するにつれ、本物のコンテンツと偽のコンテンツを見分けるのはますます難しくなっている。カメラが撮影したものは何でも、後で変更される可能性がある。
【0002】
ビデオ会議の参加者は現在、非常に簡単な方法で信頼されている。一例として、欧州特許庁のビデオ会議の開会手続きでは、参加者はIDカードやパスポートをカメラに見せることで認識される。偽造された文書も同様な外観を持つため、このような文書が検証されない可能性があることは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
写真に写っている現実世界の物体を確認するのは難しい。この問題を軽減するために、さまざまな技術が導入されてきた。物体には、デジタル画像の一部として認証されるRFIDタグ、NFCタグ、またはQRコード(登録商標)が埋め込まれている場合がある。カメラは物体のメタデータを画像データに追加することができる。デジタル画像は、透かしを入れたり、画像データにデジタル署名を埋め込んだりして信憑性を確保することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
この要約は、詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化した形で紹介するものである。この要約は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図したものでもなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。更に、特許請求される主題は、本開示のいずれかの部分に述べられた欠点のいずれかまたは全てを解決する実施形態に限定されるものではない。
【0005】
カメラ、光学的識別の検出システム、および識別方法を以下に開示する。カメラには、カメラで撮影された各画像やビデオにマークを付ける追加の識別マーカーがある。カメラは一例では、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータに適した完全なモジュールである。カメラには、光線をイメージセンサーに集光するように構成されたレンズがある。イメージセンサーの上部には、少し離れたところに、赤外線フィルターを含むカバーガラスがある。
【0006】
カバーガラスは、光線がイメージセンサーの一部に進行しないように遮断する物理的な識別マーカーを含む。一例では、識別マーカーは、レンズから進行する光の影をイメージセンサー上に投影する。イメージセンサーが画像を取り込むと、識別マーカーまたはその視覚パターンが画像に表示される。
【0007】
人間の目は、眼科的検査で同様の内視現象を検出することがある。プルキンエ樹と呼ばれるこの現象は、自分の目の網膜血管の像である。被験者の視界の周辺から瞳孔を通して小さな明るい光を照射すると、光の位置が人間にとって正常ではないため、異常な光の位置が網膜の未適応部分に血管の影を落とす。通常、人間の脳は視覚から血管を打ち消すように適応されている。このような稀な状況では、影が見えるようになる。そのため、人間の目は網膜細胞に近い影に反応する。
【0008】
識別マーカーは、イメージセンサーに複数の光学的効果をもたらし得る。識別マーカーは、例えば表面からの反射をフィルタリングする偏光フィルターを少なくとも部分的に含んでもよい。識別マーカーは、イメージセンサーに回折効果をもたらす回折格子を含んでもよい。識別マーカーは、ホログラフィー、光学的可変装置(OVD)または回折光学的可変画像装置(DOVID)のような技術を適用し得る。
【0009】
光学的識別タグを検出するシステムは、識別マーカーと外部の光学的識別タグの相互効果に基づいている。光学的識別タグの例としては、ラベル、高品質製品、またはパスポート、クレジットカード、紙幣などのセキュリティ製品に添付または埋め込まれるセキュリティホログラムがある。ホログラムは、高価で、専門的で、技術的に高度な装置を必要とするマスターホログラムから複製されるため、偽造は非常に難しい。
【0010】
光学的識別タグの光学的効果は、カメラ内に配置された識別マーカーと相互作用し、別の画像をもたらす。光学的識別タグは、第1の所定の光パターンを反射し、第1の所定の光パターンは識別マーカーによってさらにフィルタリングまたは変更されて第2の所定の光パターンを生成する。
【0011】
この方法は、カメラで撮影された画像を、識別マーカーにより生じたパターンによってイメージセンサーにマーキングするステップを含む。識別マーカーによって生じるパターンは、画像と、画像を形成するために使用された物理的なカメラを確認するために使用され得る。例えば、ビデオ会議セッションの開始時に、いずれかの当事者が、画像またはビデオフィードから、画像に識別マーカーにより生じるパターンが含まれていることを確認してもよい。パターンは、例えば、識別マーカーを含むラップトップカメラにスマートフォンのフラッシュライトを一時的に向けるなど、カメラに直接外光を当てることで強化してもよい。カメラ自体が確認されれば、ビデオフィードの内容を確認する次のステップが容易になる。カバーガラスとイメージセンサーの距離が短いために、パターンの影響を受ける画素にわずかなばらつきが生じることがあり得る。例えば、フラッシュライトを動かすことが、画像に変動を生じさせてビデオストリームをさらに検証するために要求され得る。イメージセンサーは通常、数百万の画素を持つため、小さな領域での変動を検出することが可能である。この変動を検出することで、イメージセンサーおよびカメラを確認することができる。
【0012】
この方法はまた、識別マーカーによって、第1の所定の光パターンを第2の所定の光パターンに変更することを含む。モバイルカメラを、現実世界の物体を検出し、デジタル領域でそれらを確認するために使用し得る。画像認識は、光学的識別タグを検証するために、第1の所定の光パターンと第2の所定の光パターンの両方を利用し得る。
【0013】
識別マーカーによってイメージセンサーの近くに適用される物理的な画像改変により、従来の検証および/または認証方法と組み合わせて使用され得る様々なセキュリティソリューションおよび検証方法が可能になる。一例として、認証の信頼性をさらに高めるために、顔認証システムを適用することができる。ビデオ会議で使用されるハードウェアは、他の方法の有効性を高めるために検証され得る。ビデオ会議は、両当事者が本人確認を行うことができるため、ますます信頼性が高まる可能性がある。
【0014】
識別マーカーは、各画像またはビデオストリームに視覚的マーカーを提供する。カメラフォレンジックが、各画像が本物であることを確認し、画像やビデオを撮影した装置を特定するために使用され得る。識別マーカーは、カメラフォレンジックのさらなるツールとして使用され得る。視覚マーカーは、さまざまな照明条件や照明方向によって変化する可能性があるため、偽造をより困難にする。
【0015】
付随する特徴の多くは、添付図面と関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することにより、より良く理解され、より容易に認識されるであろう。以下に説明する実施形態は、識別システムまたは方法、あるいは画像マーキングの解決策のいずれかまたはすべての欠点を解決する実施形態に限定されるものではない。
【0016】
本明細書は、添付図面に照らして以下の詳細な説明を読むことで、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】カメラの例示的な一実施形態を概略的に示す図である。
【
図2】第1のイメージセンサーアセンブリの詳細を概略的に示す図である。
【
図3】第2のイメージセンサーアセンブリの詳細を概略的に示す図である。
【
図4】識別マーカーを有するカメラによって撮影されたビデオストリームの一例を概略的に示す図である。
【
図5】カメラによって撮影された画像に識別マーカーを適用する1つの例示的なシナリオを概略的に示す図である。
【
図6】光学的識別の検出システムの1つの例示的なシナリオを概略的に示す図である。
【
図7】識別マーカーによって光学的識別を変更する1つの例示的概念を概略的に示す図である。
【
図8a】識別方法の一態様のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面では、同様の参照数字は同様の部品を指定するために使用されている。
【0019】
添付図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本明細書の例の説明として意図されたものであり、本明細書の例が構成または利用され得る唯一の形態を表すことを意図したものではない。しかしながら、同じ、または同等の機能およびシーケンスが、異なる例によって達成され得る。
【0020】
本明細書の例は、セッション、人、または製品を識別するために実施されるものとして本明細書で説明および図示されているが、これらは例として提供されるものであり、限定するものではない。当業者であれば理解できるように、本明細書の例は、種々の装置、システム、または方法による種々の認証、検証、または識別における用途に好適である。
【0021】
図1は、カメラ10の例示的な一実施形態を概略的に示している。カメラ10は、レンズ11、例えば可動レンズ群またはレンズモジュールを備える。レンズ11は、レンズモジュール自体の内部および/または、レンズ11、またはレンズ群モジュールを吊り下げるように構成されたフレーム12によって移動可能である。フレーム12は、光学式手ぶれ補正に使用され得る。イメージセンサー14がレンズ11からの光を受光するように構成されている。光路とは、光線がカメラ10内を伝播する際にたどる軌跡として定義される。カメラ10は、光学系および/またはカメラ10全体を保護する透明な保護ガラス13含んでもよい。
【0022】
イメージセンサー14のカバーガラス15が、レンズ11とイメージセンサー14の間の光路上に存在する。カバーガラス15は、イメージセンサー14を覆うものであり、埃、汚れ、または液体が傷つきやすいイメージセンサー14を損傷し得るためである。いくつかの実施形態では、カバーガラス15は、イメージセンサー14によって取り込まれる知覚色を改善する赤外フィルターを含む。イメージセンサー14とカバーガラス15との間の距離は、数分の1ミリメートルまたは数ミリメートルであってもよい。カバーガラス15の厚さは、カメラシステム、イメージセンサー14のサイズ、および所望の光学特性に合わせて、数マイクロメートルから数ミリメートルの範囲で選択され得る。
【0023】
カメラ10の例は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または専用のコンパクトカメラやビデオ会議用カメラなどの装置に実装され得る。装置は、装置の一方の側または異なる側に複数のカメラ10を備えてもよく、識別マーカー1は、1台のカメラ10、複数のカメラ10、またはすべてのカメラ10に実装されてもよい。
【0024】
カバーガラス15は、光路に、レンズ11とイメージセンサー14との間に識別マーカー1を備える。識別マーカー1は、光線がイメージセンサー14の一部に到達するのを遮断するように構成されている。一実施形態では、識別マーカーは光線を偏向するように構成されている。識別マーカー1は、イメージセンサー14への光線の進行に影響を与えるように構成されている。一実施形態では、識別マーカー1は、識別マーカー1の影像をイメージセンサー14に投影するように構成されている。
図2は、カバーガラス15の上にある識別マーカー1の例示的な一実施形態の詳細図を概略的に示している。
【0025】
識別マーカー1は、十分な光でカメラ10によって撮影された各画像にパターン、すなわち視覚的マーキングを形成する。視覚的マーキングは、イメージセンサー14によって取り込まれた元の画像データに埋め込まれる。視覚的マーキングは、生の画像ファイルデータから検出でき得る。識別マーカー1は、デジタル画像またはビデオストリームに、視覚的マーキングという形で物理的な透かしを形成する。視覚的マーキングは、カメラの使用目的に応じて選択され得る。
【0026】
画像内の視覚的マーキングは、カメラフォレンジックにおいて、画像の信憑性や画像の出所を調べる際の証拠の一部として使用され得る。カメラフォレンジックのための他の例示的な手段は、ドット抜けやレンズの欠陥を調べることである。画像の信憑性を定義する一例として、画像や動画を撮影したカメラを確認することである。
【0027】
識別マーカー1は、一実施形態ではカメラ10の内部に埋め込まれており、これは、識別マーカー1を改変しようとするあらゆる試みを示すために密封され、改ざん防止がされている場合がある。
図3の例では、識別マーカー1は、イメージセンサー14に面するカバーガラス15の側に配置されている。カバーガラス15は脆く、薄く、そのまま取り外すことが困難であり得る。識別マーカー1は、カメラ10にセキュリティ装置を提供し、各画像に視覚的マーキングが施される。識別マーカー1は、データベースに保存される固有の識別子を含んでもよい。データベースは、カバーガラス15の製造やカメラ10への取り付けに関する情報を含んでもよい。識別マーカー1、カバーガラス15およびカメラ10の製造工程および/または異なる製造場所間の物流は、適切なセキュリティ基準に準拠し得る。
【0028】
一実施形態では、識別マーカー1は回折格子を備える。回折格子は細長い平行な要素を含み、その間にスロットがあり、光線が通過できるようになっている。回折格子は、セキュリティホログラム技術を備えてもよい。一実施形態では、回折格子は、イメージセンサー14へ、回折によってスペクトルを生成するように構成されている。一実施形態では、回折格子は、イメージセンサー14に到達する光線に回折を生じさせるために使用される。一実施形態では、回折格子は照明条件に応じて変化する様々な視覚画像をもたらす。一実施形態では、回折格子はイメージセンサー14に干渉パターンをもたらす。一実施形態では、識別マーカー1は点回折格子を備え、イメージセンサー14上に正弦波状のゾーンプレート像を生じさせる。
【0029】
一実施形態では、識別マーカー1をカバーガラス15に設けるためにセキュリティホログラム技術が適用される。一実施形態では、識別マーカー1はカバーガラス15に貼られたステッカーを備える。ステッカーは、光線がステッカーを通過してイメージセンサー14まで進行できるように、部分的に透明であり得る。一実施形態では、ステッカーは、光線がステッカーを通過してイメージセンサー14まで進行できるように、格子、スロット、穴、または他の物理的な開口部を備えてもよい。
【0030】
一実施形態では、識別マーカー1がインクによってカバーガラス15上に直接印刷される。一実施形態では、インクは不透明である。一実施形態では、インクは部分的に透明である。一実施形態では、インクは、光線がインクを通過して屈折し、イメージセンサー14に光学的効果を与えるように構成された屈折率などの光学特性を備えている。例示的な一実施形態では、インクの線幅は50nmであり、カバーガラス15上のインクの高さは70~200nmである。インクのスケールが小さいため、ホログラフィック効果、回折や屈折を生み出すことができる。
【0031】
一実施形態では、識別マーカー1はカバーガラス15のエッチングを備える。エッチングはレーザーで行ってもよい。一実施形態では、レーザーは10μmの線幅を形成する。エッチングは、ホログラフィック効果、回折および/または屈折を生成するために使用され得る。一実施形態では、エッチングは、線幅をさらに小さくすることができる電子ビーム技術によって提供され得る。
【0032】
一実施形態では、識別マーカー1は、カバーガラス15の一部にコーティングを備え、識別マーカー1の画像を形成するためにコーティングの一部が除去されている場合がある。一実施形態では、コーティングは、ガラスに対して良好な接着性を有することが知られている電子ビームレジストである。一実施形態では、コーティングは、通常のカメラの露光に適用可能な光強度に対して不透明である。
【0033】
一実施形態では、コーティングは、十分な不透明度を達成するためにさらに操作される。一例では、電子ビームレジストは、カバーガラス15、またはより大きなガラスシートへの接着を確実にするために加熱される電子感応性ポリマーである。コーティングは、ガラスに固有のマーキングを与えるために、少なくとも部分的に除去される。コーティングは、一実施形態では、電子ビームリソグラフィ装置および/または電子ビームパターン発生装置によって除去される。一実施形態では、コーティングはレーザーによって除去される。
【0034】
マークされたコーティングは液体化合物で現像され、十分な不透明度を得るために気化銅が施される。カバーガラス15またはより大きな板ガラスはリフトオフ工程にかけられ、アセトンまたは他の適当な溶剤に浸して銅コーティングがされていない部分を除去し、カバーガラス15またはより大きな板ガラスに正確な銅コーティングされたマーキングを残す。使用される基板ガラスがより大きな板ガラスの場合、それを複数の個別のカバーガラス15に切断してもよい。
【0035】
カバーガラスの製造工程は、リールツーリール、リールツーウェーハ、テープアンドリール、またはその他の工程であってもよく、カバーガラスのテンプレートは、個々のマーキングを受ける操作段階に供給される。カバーガラスのテンプレートは、識別マーカー1を受け取るために選択された方法で操作される。操作段階はファイバーレーザーを含み得、コーティングまたはガラスそのものが加工される。例示的な一実施形態では、ファイバーレーザーは、1つのレーザー光源から分割された6つの別個のレーザーを備え、各レーザーは、カバーガラス15、またはコーティングに指向性カットを適用するように構成される。6つのレーザーはそれぞれ1つの方向のみを提供し、最終的な識別マーカー1は6方向からの適用を必要とし得る。レーザーは、ガラスの表面に斜面または直線を切ることができる。あるいは、それに加えて、レーザーは、後に不透明な材料を受け得る切り欠きまたは粗い表面を生成してもよい。
【0036】
カバーガラス15にフィルターを設けるために、様々な製造技術が利用され得る。一実施形態では、識別マーカー1は偏光フィルターを備える。偏光フィルターは、カメラや物体を回転させたときに反射の偏光がどのように変化するかを示すことによって、カメラビューまたはビデオストリームの信憑性を検証するために使用すれ得る。適用可能なフィルタータイプの例としては、吸収フィルター、ダイクロイックフィルター、単色フィルター、赤外線フィルター、紫外線フィルター、ニュートラルデンシティフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター、ショートパスフィルター、ガイドモード共振フィルター、金属メッシュフィルター、偏光フィルター、ウェッジフィルターが含まれる。
【0037】
例示的な一実施形態では、識別マーカー1は光学可変装置(OVD)である。OVDは虹色または非虹色のセキュリティ機能で、表示条件および/または照明条件によって、動きや色の変化などの異なる情報を表示する。回転時、および傾斜時の特別な外観の変化は、可逆的で、予測可能で、再現性がある。
【0038】
例示的な一実施形態では、識別マーカー1は、回折光学可変画像装置(DOVID)である。DOVIDは光学可変装置の一種で、回折によって生じる視覚効果に基づくセキュリティ機能である。DOVIDは回折格子の形態でマイクロまたはナノ構造を含む。これらの構造により、動的色彩効果、ホログラフィック効果、キネマティック効果、二次元または三次元画像、色変化効果のような光学的に変化する効果が現れ、理想的には容易に認識できるが、再現は難しい。DOVIDはまた、マイクロプリント、キネティック・マイクロテキスト、あるいは白色光の下で拡大すると見えなくなる可変レーザー可読マイクロ画像など、肉眼では見えない要素を含み得る。DOVID構造は箔に組み込むことができ、それをカバーガラス15にホットスタンプしてもよい。
【0039】
図4は、識別マーカー1を有するカメラ10によって撮影されたビデオストリームの一例を、ビデオストリームの受信者から見た状態を概略的に示した図である。受信者の画面には、ビデオストリームと相手方が画面40に表示される。この例では、視覚的マーキング41は、画面の左上隅に配置されたQRコード(登録商標)である。受信者は、インターネットセキュリティフレームワークにリンクされた追加のセキュリティ要素として使用され得るため、画面40からQRコード(登録商標)41を検証できる。例えば、QRコード(登録商標)は、信頼できる第三者を介して、ビデオストリームが信頼できるコンピュータにインストールされていることがわかっている信頼できるカメラから発信されたものであることを示すことができる。QRコード(登録商標)は、相手が使用しているハードウェアを確認でき得る。
【0040】
図5は、カメラ10によって撮影された画像に識別マーカー1を適用する1つの例示的なシナリオを概略的に示している。この例では、カメラ10はラップトップコンピュータ20に取り付けられている。識別マーカー1は、すべての照明条件下でイメージセンサー14によって取り込まれた画像に視認されるものではない場合がある。一実施形態では、ユーザーはフラッシュライト21または他の明るい光を照射し、識別マーカー1による視覚的マーキングを強化する。一実施形態では、スマートフォンのフラッシュライトがカメラ10を照明するために使用される。フラッシュライト21は、視覚的マーキングに異なる視覚効果をもたらすために、異なる色を提供し得る。フラッシュライト21は、様々な方向から向け、イメージセンサー14上の視覚的マーキングをわずかに移動させ得る。イメージセンサー14は、光を検出するために数百万の画素を備える。照明のわずかな動きによって、異なる画素が識別マーカー1に対して反応するようになる。このような変動はソフトウェアで再現することが困難であり得るため、フラッシュライト21、または他の光の動きを使用して識別マーカー1が検証され得る。エッジ、スロット、または開口部によって回折が生じ、視覚的マーキングの小さな部分にわずかな虹色効果が生じることがあるが、これは隣接する少数の画素にのみ見えるものである。
【0041】
識別マーカー1によって引き起こされる視覚画像または効果を検出することは、一実施形態では、少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える装置によって実行され、命令が実行されると、装置に、視覚画像を所定の規則、比較画像、または他のデータと比較させて、信憑性を検証させる。
【0042】
図6は、光学的識別を検出するシステムの1つの例示的なシナリオを概略的に示している。本システムは、前述のカメラ10を備える。光学的識別タグ31がカメラ10の外部に配置され、カメラ10によって撮影されるように構成される。この例では、光学的識別タグ31は物体31上に配置される。物体は、個人IDカード、パスポート、または検証を必要とする任意の装置であってもよい。物体は、高品質の製品、スペアパーツ、高級品であってもよい。光学的識別タグ31は、第1の所定の光パターン71で光線を反射するように構成されたセキュリティホログラムを備える。
図7は、第1の所定の光パターン71の一例を模式的に示している。第1の所定の光パターン71は、周囲光、バックライトにより光学的識別タグ31から反射され得、またはフラッシュライト21によって照明され得る。第1の所定の光パターンからの光線は、カメラ10と識別マーカー1に向かう。この例では、識別マーカー1は、第1の所定の光パターン71から部分73を遮断する偏光フィルターを含む。識別マーカー1を通過した残りの光線は、第2の所定の光パターン72を生成する。識別マーカー1は、第1の所定の光パターン71を第2の所定の光パターン72に変更させるように構成されている。この例では、第2の所定の光パターンは、さらなるセキュリティ機能に使用され得るQRコード(登録商標)である。
【0043】
偏光フィルターが正しく機能するのはわずかな向きだけであるため、システムから検証を受けるには、ユーザーは光学的識別タグ31を回転させる必要がある場合がある。光学的識別タグ31は、一連の配向を必要とする多方向の偏光効果を備え得る。ユーザーは、正しい配置および向きを補助する画面から光学的識別タグ31の配置を視覚化してもよい。
【0044】
識別マーカー1は、カメラ10を複数のセキュリティソリューションのセキュリティデバイスリーダとして使用することを可能にする。カメラ10は、パスポート、IDカード、または製品の確認に使用され得る。カメラ10は、タグに埋め込まれた他の視覚的および電子的セキュリティ要素に、さらなるセキュリティ要素を提供してもよい。セキュリティ要素は、製品や機器に埋め込んでもよいし、セキュリティステッカーによって取り付けてもよい。セキュリティステッカーの一例として、セキュリティホログラムがある。
【0045】
図8aは、識別方法の一態様のフローチャートを示す。方法は、本明細書で前述したカメラを含む。カバーガラス15は、光路に、光線がイメージセンサー14の一部に到達するのを阻止する識別マーカー1を備える。この方法は、光線が光路に沿って進行するのを許可するステップ(ブロック800)を含む。本方法のステップ810は、カメラ10によって撮影された画像を、識別マーカー1により生じたパターンによってイメージセンサー14にマーキングすることを含む。
【0046】
図8bは、識別方法の一態様のフローチャートを示しており、識別マーカーは光学的識別タグ31を検出するために使用される。このステップは、
図8aのステップから続いていると考えてよい。光線を第1の所定の光パターン71で反射するセキュリティホログラムを備える光学的識別タグ31が、カメラ10の外部に配置される(ステップ820)。
【0047】
ステップ830は、第1の所定の光パターン71の光線を光路に沿って進行させることを含む。換言すれば、ユーザーは光学的識別タグ31を、カメラが画像またはビデオを撮影するための適切な位置に配置してもよい。ステップ840は、識別マーカー1によって、第1の所定の光パターン71を第2の所定の光パターン72に変更することを含む。ステップ850は、イメージセンサー14によって第2の所定の光パターン72を捕捉することを含む。
【0048】
一態様として、レンズ、レンズからの光を受光するイメージセンサーと、レンズとイメージセンサーとの間の光路上にあるイメージセンサーのカバーガラスとを備えるカメラが本明細書に開示される。本開示の一態様は、新規なカバーガラスを提示し、カバーガラスは、光路に識別マーカーを備え、識別マーカーは、光線がイメージセンサーの一部に到達するのを遮断するように構成される。一実施形態では、識別マーカーは、識別マーカーの影像をイメージセンサーに投影するように構成される。一実施形態では、識別マーカーは偏光フィルターを備える。一実施形態では、識別マーカーは、イメージセンサーへ、回折によってスペクトルを生成するように構成された回折格子を備える。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラスに貼られたステッカーを備える。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラスの一部上に施されたコーティングを備え、コーティングの一部は識別マーカーの画像を提供するために除去されている。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラス上に印刷されている。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラス上にエッチングを備える。
【0049】
代わりに、またはそれに加えて、光学的識別タグを検出するシステムが開示される。本システムは、レンズと、レンズからの光を受光するイメージセンサーと、レンズとイメージセンサーの間の光路上にあるイメージセンサーのカバーガラスを有するカメラを備える。光学的識別タグがカメラの外部に配置され、カメラによって撮影されるように構成されている。光学的識別タグは、光線を第1の所定の光パターンで反射するように構成されたセキュリ ティホログラムを備え、カバーガラスは、光路に識別マーカーを備え、識別マーカーは、光線がイメー ジセンサの一部に到達するのを遮断するように構成され、識別マーカーは、第1の所定の光パ ターンが光学的識別タグから識別マーカーに反射されると、第1の所定の光パターンを第2の所定の光パ ターンに変更するように構成される。一実施形態では、識別マーカーは偏光フィルターを備える。一実施形態では、識別マーカーは、イメージセンサーへ、回折によってスペクトルを生成するように構成された回折格子を備える。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラスに貼られたステッカーを備える。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラスの一部上に施されたコーティングを含み、コーティングの一部は識別マーカーの画像を提供するために除去されている。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラス上に印刷されている。一実施形態では、識別マーカーはカバーガラス上にエッチングを備える。
【0050】
代わりに、またはそれに加えて、カメラベースのシステム用の識別方法が開示される。本システムは、レンズと、レンズからの光を受光するイメージセンサーと、レンズとイメージセンサーの間の光路上にあるイメージセンサーのカバーガラスを有するカメラを備える。カバーガラスは、光路に、光線がイメージセンサーの一部に到達するのを遮断する識別マーカーを備える。この方法は、光を光路に沿って進行させることと、カメラによって撮影された画像を、識別マーカーにより生じたパターンによってイメージセンサーにマーキングすることとを含む。一実施形態では、本方法は、第1の所定の光パターンで光線を反射するセキュリティホログラムを備える光学的識別タグをカメラの外部に配置すること、および第1の所定の光パターンの光線を光路に沿って進行させるステップと、識別マーカーによって、第1の所定の光パターンを第2の所定の光パターンに変更するステップと、イメージセンサーによって第2の所定の光パターンを捕捉するステップとを含む。
【0051】
代わりに、またはそれに加えて、本明細書に記載される機能は、1つまたは複数のハードウェアコンポーネントまたはハードウェアロジックコンポーネントによって少なくとも部分的に実行され得る。本明細書で前述した装置の一例は、1つまたは複数のセンサーを制御し、センサーデータを受信し、センサーデータを使用するために、装置の動作を制御するコンピュータ実行可能命令を処理するための、マイクロプロセッサ、コントローラ、または任意の他の適切なタイプのプロセッサであり得る、1つまたは複数のプロセッサを含むコンピューティングベースの装置である。コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングベースの装置によってアクセス可能な任意のコンピュータ読み取り可能媒体を使用して提供され得る。コンピューティングベースのデバイスの一例は、クラウドコンピューティング環境に配置される。コンピュータ読み取り可能な媒体には、例えば、メモリなどのコンピュータ記憶媒体や通信媒体が含まれる。メモリなどのコンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、その他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光学記憶装置、SSDドライブ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置、またはコンピューティングデバイスによるアクセスのために情報を記憶するのに使用できるその他の非伝送媒体が含まれるが、これらに限定されない。対照的に、通信媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波などの変調データ信号、または他の伝送機構に組み込み得る。本明細書で定義されるように、コンピュータ記憶媒体には通信媒体は含まれない。したがって、コンピュータ記憶媒体をそれ自体が伝搬信号であると解釈すべきではない。伝搬信号がコンピュータ記憶媒体に存在してもよいが、伝搬信号自体はコンピュータ記憶媒体の例ではない。コンピュータ記憶媒体は、コンピューティングベースの装置内に示されているが、記憶媒体は、遠隔で分散または配置され、例えば、通信インターフェースを使用することにより、ネットワークまたは他の通信リンクを介してアクセスされ得ることが理解されよう。
【0052】
装置またはデバイスは、装置またはデバイスと別体であり得るか一体化され得る表示装置に表示情報を出力するように配置された入出力コントローラを含んでもよい。入出力コントローラはまた、ユーザー入力デバイス(マウス、キーボード、カメラ、マイク、その他のセンサー)などの1つまたは複数のデバイスからの入力を受信して処理するように配置される。装置やデバイスの例としては、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット型コンピュータなどがある。
【0053】
本明細書に記載される方法は、コンピュータ上で実行されたときに本明細書に記載される方法のいずれかのすべてのステップを実行するように適合されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムの形態で、有形記憶媒体上の機械可読形態のソフトウェアによって実行されてもよく、コンピュータプログラムはコンピュータ可読媒体上に具現化され得る。有形記憶媒体の例としては、ディスク、サムドライブ、メモリなどのコンピュータ読み取り可能な媒体を備えるコンピュータ記憶装置が含まれ、伝搬信号だけを含まれるわけではない。伝搬信号は有形記憶媒体に存在してもよいが、伝搬信号自体は有形記憶媒体の例ではない。ソフトウェアは、並列プロセッサまたは直列プロセッサでの実行に適しており、方法ステップを任意の適切な順序で、または同時に実行することができる。
【0054】
ここに示した範囲や装置の値は、求める効果を失うことなく、拡張または変更することができる。
【0055】
主題の少なくとも一部が、構造的特徴および/または作用に特有の表現で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、必ずしも上述の特定の特徴または作用に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例として開示されたものであり、他の同等の特徴および行為も特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0056】
上述した利益および利点は1つの実施形態に関するものであってもよいし、複数の実施形態に関するものであってもよいことが理解されよう。実施形態は、記載された問題のいずれかまたはすべてを解決するもの、あるいは記載された利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されない。さらに、「ある(an)」項目への言及は、それらの項目の1つ以上を指すことが理解されよう。
【0057】
本明細書に記載された方法のステップは、任意の適切な順序で、または適切な場合には同時に実施することができる。さらに、個々のブロックが、本明細書に記載された主題の主旨と範囲から逸脱することなく、いずれの方法からも削除され得る。上述した例のいずれの態様も、求める効果を失うことなく、上述した他の例のいずれかの態様と組み合わせてさらなる例を形成され得る。
【0058】
本明細書において、「備える/含む(comprising)」という用語は、特定された方法ブロックまたは要素を含むが、そのようなブロックまたは要素は排他的なリストを含むものではなく、方法または装置は追加のブロックまたは要素を含むことができることを意味するために使用される。
【0059】
以上の説明は例としてのみ与えられており、当業者には様々な変更がされ得ることが理解されよう。上述の明細書、例およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用に関する詳細な説明を提供する。以上、様々な実施形態について、ある程度の特殊性をもって、または1または複数の個別の実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、本明細書の主旨または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることが可能である。
【国際調査報告】