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2025-505630無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法及び金型
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法及び金型
(51)【国際特許分類】
   A24F 23/00 20060101AFI20250220BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A24F23/00
B65D43/08 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546289
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 SE2023050105
(87)【国際公開番号】W WO2023153987
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】2250138-1
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523437787
【氏名又は名称】セーブヨ プラスティック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トミ アスターヘド
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC05
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
(57)【要約】
本開示は、第1の係止部材(122)と第2の係止部材(112)とを有するロック装置(112、122)を備えた無煙たばこ容器(1)に関し、第1の蓋(12)は、第1の係止部材(122)及び第2の係止部材(112)が一緒に係止されて第1の蓋(12)を本体(11)に軸方向に固定する第1の閉位置(P1)と、第1の蓋(12)が第1の閉位置(P1)に対して軸方向に変位したロック解除位置(P2)との間で、回転軸(R)を中心に本体(11)に対して回転可能であるように適合され、ロック装置(112、122)は、第1の蓋(12)が第2の係止部材(112)から軸方向に外れるように強制される位置へ第1の蓋(122)が回転するまで、第1の閉位置(P1)からロック解除位置(P2)に向かう第1の蓋(12)の回転に対抗するように適合され、これにより、第1の蓋(12)がロック解除位置(P2)まで自由に回転し、本体(11)から解放可能になる。また、無煙たばこ容器の本体から第1の蓋を解放するための方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無煙たばこ容器(1)であって、
第1の区画室(110)を規定する本体(11)と、
前記第1の区画室(110)を閉じるために前記本体(11)に取り外し可能に取り付けられるように適合された第1の蓋(12)と、を備え、
前記無煙たばこ容器(1)は、第1の係止部材(122)と第2の係止部材(112)とを有するロック装置(112、122)を更に備え、前記第1の係止部材(122)は前記第1の蓋(12)の蓋側部(121)に配置され、前記第2の係止部材(112)は前記本体(11)の本体側部(111)に配置され、
前記第1の蓋(12)は、前記第1の係止部材(122)及び前記第2の係止部材(112)が一緒に係止されて前記第1の蓋(12)を前記本体(11)に軸方向に固定する第1の閉位置(P1)と、前記第1の蓋(12)が前記第1の閉位置(P1)に対して軸方向に変位したロック解除位置(P2)との間で、回転軸(R)を中心に前記本体(11)に対して回転可能であるように適合され、
前記ロック装置(112、122)は、前記第1の蓋(12)が第2の係止部材(112)から軸方向に外れるように強制される位置へ、前記第1の蓋(12)が回転するまで、前記第1の閉位置(P1)から前記ロック解除位置(P2)に向かう前記第1の蓋(12)の回転に対抗するように適合され、それによって、前記第1の蓋(12)が、前記ロック解除位置(P2)まで自由に回転し、前記本体(11)から解放可能となり、
前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の一方は、把持空間縁部(123)と、前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の他方の表面との間に把持空間(113)を形成するための形状及び寸法に適合した把持空間縁部(123)を含み、
前記把持空間縁部(123)は、前記第1の蓋(12)が前記第1の閉位置(P1)にあるときに前記把持空間(113)へのアクセスを防ぐ位置にあり、前記第1の蓋(12)が前記ロック解除位置(P2)にあるときに前記把持空間(113)へのアクセスを可能にする位置にある、無煙たばこ容器(1)。
【請求項2】
前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の一方が、前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の他方によって提供される少なくとも1つの傾斜縁部(1110a、1110b)と係合するように適合された係合要素(124)を備え、その結果、前記第1の蓋(12)が前記第1の閉位置(P1)から前記ロック解除位置(P2)まで前記本体(11)に対して回転するとき、前記係合要素(124)が前記少なくとも1つの傾斜縁部(1110a、1110b)に沿って摺動し、それによって、前記第1の蓋(12)を前記第1の閉位置(P1)に対して強制的に変位させ、その結果、前記第1の係止部材(122)は前記第2の係止部材(112)から軸方向に外れる、請求項1に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項3】
それぞれの隆起部(1110)を形成するために、互いに近接して配置された少なくとも一対の傾斜縁部(1110a、1110b)を備え、好ましくは、一つの隆起部(1110)は、該隆起部(1110)の前記少なくとも一対の傾斜縁部(1110a、1110b)の間に配置された平坦部(1110c)を含む、請求項2に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項4】
前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の一方は第1の材料から作製され、前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)の他方は前記第1の材料とは異なる第2の材料から作製される、請求項1~3の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項5】
前記第1の係止部材(122)及び前記第2の係止部材(112)のうちの一方は突出部であり、前記第1の係止部材(122)及び前記第2の係止部材(112)のうちの他方は前記突出部を受容するように形状や寸法に適合された凹部である、請求項1~4の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項6】
前記ロック装置(112、122)は、前記無煙たばこ容器(1)の回転平面に対して鋭角を成す前記第1の係止要素(122)と前記第2の係止要素(112)との間に第1の接触部を提供するように適合される、請求項5に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項7】
前記第1の蓋(12)は第2の区画室(120)を規定し、
前記無煙たばこ容器(1)は、前記第2の区画室(120)を閉じるために前記第1の蓋(12)に取り外し可能に取り付けられるように適合された第2の蓋(13)を更に備える、請求項1~6の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の無煙たばこ容器(1)の少なくとも前記本体(11)及び前記第1の蓋(12)に対応する複数のキャビティ(1021、1022、1023)を規定する形状や寸法に適合する、金型(100)。
【請求項9】
無煙たばこ容器(1)の本体(11)から第1の蓋(12)を解放するための方法(M0)であって、
前記第1の蓋(12)を第1の閉位置(P1)から前記本体(11)に対して回転させるステップ(M1)と、
係合要素(124)を傾斜縁部(1110a、1110b)に係合させるステップ(M2)と、
第1の係止部材(122)を第2の係止部材(112)から係合解除するステップ(M3)であって、ここで、前記本体(11)は前記第1の係止部材(112)を有し、前記第1の蓋(12)は前記第2の係止部材(122)を有する、ステップ(M3)と、
前記第1の蓋(12)を前記本体(11)に対して回転させて、ロック解除位置(P2)にするステップ(M4)と、
を備える方法(M0)。
【請求項10】
前記本体(11)は前記傾斜縁部(1110a、1110b)を備え、前記第1の蓋(12)は前記係合要素(124)を備える、請求項9に記載の方法(M0)。
【請求項11】
前記係合要素(124)を前記傾斜縁部(1110a、1110b)に係合させるステップ(M2)は、前記係合要素(124)を前記傾斜縁部(1110a、1110b)上に摺動させることを含む、請求項9~10の何れか一項に記載の方法(M0)。
【請求項12】
前記傾斜縁部(1110a、1110b)は隆起部(1110)の一部である、請求項9~11の何れか一項に記載の方法(M0)。
【請求項13】
前記第1の係止部材(122)及び前記第2の係止部材(112)を係合解除するステップ(M3)は、前記第1の係止部材(122)と前記第2の係止部材(112)とが互いに軸方向に外れることを含む、請求項9~12の何れか一項に記載の方法(M0)。
【請求項14】
前記第1の蓋(12)を前記本体(11)に対して回転させて、前記ロック解除位置(P2)にするステップ(M4)は、前記係合要素(124)を前記隆起部(1110)の平坦部(1110c)上を摺動させるステップを含む、請求項9~13の何れか一項に記載の方法(M0)。
【請求項15】
ステップ(M1a)が前記回転させるステップ(M1)の前にあり、
前記ステップ(M1a)は、
前記第1の蓋(12)を第2の閉位置(P0)から前記第1の閉位置(P1)へ前記本体(11)に対して回転し、前記第1の蓋(12)を前記本体(11)に軸方向に固定されたままにするステップ(M1a)を有する、請求項9~14の何れか一項に記載の方法(M0)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無煙たばこ容器、無煙たばこ容器の製造方法及び金型に関し、特に、ロック機能を有する無煙たばこ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無煙たばこは、再密閉可能な蓋付きの容器に収納された包装された無煙たばこ部分として消費者に販売される。これらの容器は従来、形状が円筒形であり、プラスチック又はポリマー材料から作製される。
【0003】
製造費用を低く抑えるために、容器は、典型的には無煙たばこ部分を収納する機能を損なうことなく、可能な限り薄肉の壁を有するように設計される。これは、典型的には無煙たばこ容器が比較的柔軟な設計になっているという結果をもたらし、ポケット又はバッグ内にあるときに、偶発的に開くという無煙たばこ容器の故障の危険性及びリスクがある。また、これらの無煙たばこ容器は、子供によって容易に開封され得るという危険性もある。
【0004】
特許文献1はロック装置を備えたチャイルドレジスタント無煙たばこ容器を開示し、ロック装置は、無煙たばこ容器の本体に対して蓋を回転させることができる前のロックされた構成から、蓋を取り外すことができる前のロック解除位置まで、内側に偏向させるための弾力性のある可撓性の舌部を必要とする。
【0005】
この設計の問題点は、無煙たばこ容器の複雑さを増加させ、製造費用の増加及び故障の危険性につながることである。
【0006】
したがって、より費用効率の高い設計のロック装置を備えた無煙たばこ容器を提供することが興味深い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3405050(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、本発明の解決策によって、言及した問題点を軽減する改善された解決策を提供することである。特に、本発明の第1の目的は、より費用効率の高い設計のロック装置を備える無煙たばこ容器を提供することである。この目的は、請求項1で規定される発明によって解決される。本発明の第2の目的は、より費用効率の高い設計のロック装置を備えた2つの区画室を有する無煙たばこ容器を提供することである。この目的は、請求項8で規定される発明によって解決される。第3の目的は、簡単で費用効率の高い設計の無煙たばこ容器を製造する方法を提供することである。この目的は、請求項9で規定される発明によって解決される。第4の目的は、前記方法に使用するための金型を提供することである。この目的は、請求項10で規定される発明によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、無煙たばこ容器が提供される。無煙たばこ容器は、第1の区画室を規定する本体と、第1の区画室を閉じるために本体に解放可能に取り付けられるようにされた第1の蓋と、第1の係止部材と第2の係止部材とを備えるロック装置をさらに備え、第1の係止部材は第1の蓋の蓋側部に配置され、第2の係止部材は本体の本体側部に配置され、第1の蓋は、第1の係止部材と第2の係止部材とが一体に係止されて第1の蓋を本体に軸方向に固定する第1の閉位置と、第1の蓋がその第1の閉位置に対して軸方向に変位したロック解除位置との間で、本体に対して回転軸を中心に回転可能に適合され、ロック装置は、第1の係止部材が第2の係止部材から軸方向に外れるように強制される位置へ回転するまで、第1の閉位置からロック解除位置に向かう第1の蓋の回転に対抗するように適合され、それによって、第1の蓋が、ロック解除位置まで自由に回転することを可能にし、本体から解放可能にする。
【0010】
この無煙たばこ容器の利点は、一つの操作によって、すなわち、第1の蓋を第1の閉位置からロック解除位置まで回転させることによって、ロック解除及び解放されるようにすることである。したがって、ロック装置のロック解除は、本体に対する第1の蓋の回転に結果的に依存し得る。これは、より複雑なロック装置を組み込む必要性を排除する。したがって、この無煙たばこ容器は設計がより単純であり、その結果、故障の危険性が低減されるという利点がある。さらに、その単純な設計による無煙たばこ容器はより費用効率よく製造することができ、それによって、本発明の第1の目的を解決する。
【0011】
無煙たばこ容器は第1の蓋によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋に解放可能に取り付けられるように適合された第2の蓋を備えてもよい。
【0012】
使用済み及び未使用の無煙たばこ部分は、第1の区画室及び/又は第2の区画室の何れかに収納されてもよい。第1の区画室及び第2の区画室の一方は、他方よりも小さい容積の区画室を提供するように、形状や寸法が適合され得る。より小さい区画室は使用済み無煙たばこ部分を収納するために使用されてもよく、一方、より大きい区画室は未使用無煙たばこ部分を収納するために使用されてもよく、逆もまた同様である。
【0013】
以下では、上述の語句又は用語のいくつかをさらに説明する。
ロック装置が第1の蓋の回転に対抗するように適合されているとは、ロック装置が、第1の閉位置からロック解除位置へ首尾よく回転するために、第1の蓋が克服しなければならない前記回転に対して柔軟に作用するか、又は対抗し得ることを意味し得る。回転に対抗する前記手段は、主として、第1の係止部材と第2の係止部材との間の係止力によって提供され得る。言い換えれば、第1の係止部材と第2の係止部材との間の係止力が克服されるように、十分な大きさのトルクが第1の蓋に加えられる必要がある。
【0014】
ある事象または運動が軸方向に行われること、例えば軸方向に外れることを指す場合、当該事象または運動が主軸に実質的に平行な方向に沿って行われることを意味する場合がある。前記主軸は回転軸であってもよい。回転軸の方向は、第1の蓋が本体に対してどのように回転するかによって定められ得る。前記主軸は、無煙たばこ容器が実質的に円筒形状を備えている場合には円筒軸であってもよい。
【0015】
軸方向に固定されるとは、第1の蓋及び本体が、第1の係止部材及び第2の係止部材が軸方向に外されるように強制されるまで、ロック装置が軸方向変位を妨げる位置にあることを意味し得る。さらに、軸方向に固定されたとき、第1の蓋は、回転軸を中心として本体に対して少なくとも部分的に回転することができる。
【0016】
以下では、無煙たばこ容器の更なる任意の特徴を説明する。
無煙たばこ容器は従来の無煙たばこ容器と同様の形状因子を有するように、寸法及び形状が適合され得る。無煙たばこ容器は、実質的に円筒形状を有してもよい。第1の区画室はまた、実質的に円筒状の形状を有してもよい。
【0017】
第1の蓋は、第1の区画室に少なくとも部分的に挿入されるように適合された円筒形構造を有してもよい。第1の蓋の円筒形構造は、第2の区画室を定めてもよい。無煙たばこ容器は、第2の区画室を閉じるために第1の蓋に解放可能に取り付けられるように適合された第2の蓋を備えてもよい。無煙たばこ容器は、ポリマー材料から作製されてもよい。無煙たばこ容器は、プラスチック材料から作製されてもよい。又は、無煙たばこ容器がアルミニウム、チタンなどの金属を含む材料から作製されてもよい。無煙たばこ容器の1つ以上の部品は、同じ材料から作製されてもよい。本体は、ポリマー材料、プラスチック材料、又は金属から作製されてもよい。第1の蓋は、ポリマー材料、プラスチック材料、又は金属から作製されてもよい。存在する場合、第2の蓋は、ポリマー材料、プラスチック材料、又は金属から作製されてもよい。
【0018】
無煙たばこ容器は、チャイルドレジスタント無煙たばこ容器である場合がある。チャイルドレジスタント無煙たばこ容器とは、無煙たばこ容器が特定の期間内のある年齢未満の子供が典型的には手で無煙たばこ容器を開くことができないように適合されていることを意味し得る。典型的には、それは大多数の子供を意味することができ、又は子供のグループが平均して無煙たばこ容器を開くことができないことを意味することができる。ある年齢とは、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1歳未満の子供を意味し得る。期間とは、1分未満、2分未満、5分未満、10分未満、30分未満、1時間未満、又は永続的であることを意味し得る。子供は、無煙たばこ容器を回転可能に開くのに十分な強力に把持することができない、及び/又は無煙たばこ容器を回転可能に開くのに必要な調整がないため、無煙たばこ容器を開くことができなくてもよい。子供は、それらの寸法のために、第1の蓋及び本体をそれに応じて把持することができず、それによって、無煙たばこ容器を開くことができず、それによって、それらを互いに対して回転させることができなくてもよい。
【0019】
第1の係止部材及び第2の係止部材のうちの一方は、第1の蓋及び本体のうちの一方に一体的に形成されてもよく、他方、第1の係止部材及び第2の係止部材のうちの他方は第1の蓋及び本体のうちの他方に配置される別の要素として設けられてもよい。好ましくは、第1の係止部材及び第2の係止部材の両方は第1の蓋及び本体にそれぞれ一体的に形成される。これにより、無煙たばこ容器をより効率的に製造することができ、製造費用を低減することができる。
【0020】
無煙たばこ容器は、第1の蓋が第1の区画室を閉じるために本体に取り付けられるとき、本体側部及び蓋側部が軸方向に平行に延在するように適合され、その結果として第1の係止部材及び第2の係止部材が第1の蓋を本体に軸方向に固定するように一緒に係止し得るようにしてもよい。
【0021】
一実施形態によれば、本体及び第1の蓋の一方は、把持空間縁部と、本体及び第1の蓋の他方の表面との間に把持空間を形成する形状や寸法に適合された把持空間縁部を備え、把持空間縁部は、第1の蓋が第1の閉位置にあるときに把持空間へのアクセスを防止する位置にあり、第1の蓋がロック解除位置にあるときに把持空間へのアクセスを可能にする位置にある。したがって、第1の蓋を第1の閉位置からロック解除位置に回転させることによって第1の蓋を本体から軸方向に変位させながら、把持空間が露出することがあり、それによって、第1の蓋をユーザが把持することが可能になり、それによって、第1の蓋を本体から解放することが容易になる。同様に、第1の蓋が第1の閉位置にあるとき、把持空間は把持縁部が設けられないように、アクセス可能でないようにされてもよい。結果として、第1の蓋及び本体は、任意の縁部が把持縁部として機能することを防止する、実質的に接続された外側を呈し得る。これは、第1の蓋が閉位置にある間、無煙たばこ容器を強制的に開くことをより困難にする。把持空間縁部は本体に配置されてもよく、前記表面は第1の蓋上に配置される。把持空間縁部は第1の蓋に配置されてもよく、前記表面は本体上に配置される。把持空間は、把持空間縁部の表面と本体又は第1の蓋の前記表面とによって少なくとも部分的に境界付けられてもよい。本体又は第1の蓋は、第1の蓋が閉位置にあるときに把持空間縁部が当接するように適合される当接面を提供してもよい。あるいは、当接面が本体と第1の蓋との間に配置されるように適合された別の部材によって提供される。把持空間はまた、当接面によって少なくとも部分的に境界付けられてもよい。本体又は第1の蓋の前記表面及び把持空間縁部の前記表面は、15°~25°、25°~35°、35°~45°、45°~55°、55°~65°、又は65°~75°の範囲の何れかにおいて、互いに対して鋭角にされてもよい。一実施形態では前記表面が本体に配置され、把持空間縁部は第1の蓋に配置される。そのような場合、本体の前記表面は、本体側部によって提供されてもよい。一実施形態では前記表面が第1の蓋に配置され、把持空間縁部は本体に配置される。そのような場合、第1の蓋の前記表面は、蓋側部によって提供されてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、本体及び第1の蓋のうちの1つは、本体及び第1の蓋のうちの他方によって提供される少なくとも1つの傾斜縁部と係合するように適合された係合要素を備え、それによって、第1の蓋が第1の閉位置からロック解除位置まで本体に対して回転するとき、係合要素は少なくとも1つの傾斜縁部に沿って摺動し、それによって、第1の蓋をその第1の閉位置に対して変位させ、それによって、第1の係止部材が第2の係止部材から軸方向に外れる。第1の蓋は係合要素を備えることができ、本体は少なくとも1つの傾斜縁部を備えることができる。少なくとも1つの傾斜縁部は、本体側部によって提供されてもよい。第1の蓋は少なくとも1つの傾斜部を備えることができ、本体は、係合要素を備えることができる。少なくとも1つの傾斜縁部は、回転軸が直角に交差する回転平面に対して傾斜していてもよい。少なくとも1つの傾斜縁部は、湾曲した滑らかな態様で前記回転平面に対して傾斜していてもよい。傾斜縁部は、1°~5°、5°~10°、10°~15°、15°~20°、又は20°~25°の何れかの範囲内で鋭角によって前記回転平面に対して角度を付けられた最大傾斜部を備えてもよい。そのような傾斜によって、傾斜縁部の傾斜は係合要素がその表面に沿って摺動するときに、傾斜によって引き起こされる回転摩擦を最小限に抑えるように、ほとんど又は無視できる抵抗を提供することができる。これにより、前記回転に対する反作用力の大部分は、ロック装置によって提供される。
【0023】
一実施形態によれば、無煙たばこ容器は、それぞれの隆起部を形成するように互いに近接して配置された少なくとも1対の傾斜縁部を備える。これにより、第1の蓋は、いずれの回転方向においても、閉位置からロック解除位置へと回転することができる。1つの隆起部は、好ましくは前記隆起部の傾斜縁部の間に配置された平坦部を備えてもよい。これにより、係合要素はロック解除位置にあるとき、実質的に水平な領域に位置付けられてもよく、これは、第1の蓋を本体から取り外すときに好適であり得る。無煙たばこ容器は、1つ以上の隆起部を備えてもよい。無煙たばこ容器は、1つ以上の係合要素を備えてもよい。前記1つ又は複数の隆起部は、本体又は第1の蓋に配置されてもよい。前記1つ又は複数の係合要素は、本体又は第1の蓋に配置されてもよい。
【0024】
一実施形態によれば、無煙たばこ容器はそれぞれの隆起部と係合するように適合された複数の係合要素を備え、それぞれの隆起部は好ましくは無煙たばこ容器内に対称的に配置される。第1の蓋は、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の係合要素を備えてもよい。無煙たばこ容器は、同様の又は異なる数の隆起部を備えてもよい。隆起部は第1の蓋が第1の区画室を閉じるために本体に解放可能に取り付けられるときに、第1の蓋又は本体にそれぞれ配置される係合要素の位置に対応するパターンで、本体又は第1の蓋に配置され得る。上述した係合要素のうちの1つ又は複数は、矩形形状を有し得、及び/又は第1の蓋内に一体的に形成され得る。上述した隆起部のうちの1つ又は複数は、第1の蓋内に一体的に形成され得る。
【0025】
一実施形態によれば、本体及び第1の蓋のうちの一方は第1の材料で作られ、本体及び第1の蓋のうちの他方は第1の材料とは異なる第2の材料で作られる。本体と第1の蓋とを異なる材料で設けることにより、本体と第1の蓋との間の摩擦を低減することができる。第1の材料及び/又は第2の材料は、ポリプロピレンホモポリマー、PPH、ポリプロピレンコポリマー、PPC、又はポリプロピレンランダムコポリマー、PPR-Cなどのポリマー材料、又は例えば磁器、木材、カバノキ樹皮、金、銀、アルミニウム、銅、プレス紙、又はプラスチック製を含む材料の中から選択され得る。第2の蓋は、第1の材料、第2の材料、又は第1の材料及び第2の材料とは異なる第3の材料から作製され得る。第3の材料は、上に列挙した材料のリストから選択することができる。
【0026】
一実施形態によれば、第1の蓋は、複数の支持バーを備える。支持バーは、蓋側部に近接して配置されてもよい。支持バーは、第1の蓋位置から径方向外向きに第2の蓋位置まで半径方向に延在してもよい。半径方向とは、第1の蓋の中心から半径方向を意味することができる。第1の蓋の中心は、回転軸が第1の蓋と交差する点と一致してもよい。支持バーは、第1の蓋が第1の蓋の柔軟性を低減することを可能にすることができる。したがって、これにより、第1の蓋が閉位置にあるときに第1の蓋が本体から強制的に解放されることを防止するために、第1の蓋を本体により確実に取り付けることができる。支持バーは、第1の蓋の底面に少なくとも部分的に又は全体的に沿って延在してもよい。支持バーは、中間側部を通って延びることができる。支持バーは、第1の蓋に一体的に形成されてもよい。複数の支持バーは、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上の支持バーを含んでもよい。支持バーは、第1の蓋の周りに対称的に配置されてもよい。
【0027】
一実施形態によれば、本体は、複数の支持構造を備えてもよい。支持構造は、無煙たばこ容器の回転軸に少なくとも部分的に又は実質的に平行な方向に本体の側壁に沿って延在してもよい。支持構造は、複数の支持構造をまとめて支持構造グループとすることができる。無煙たばこ容器は、複数の支持構造グループを備えてもよい。各支持構造グループは、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の支持構造を含むことができる。少なくとも1つの支持構造グループは、無煙たばこ容器の隆起部に近接して配置されてもよい。その支持構造グループは、本体の周りに対称的に配置されてもよい。支持構造は棒形状を有してもよい。
【0028】
一実施形態によれば、本体及び第1の蓋はそれぞれ、方向指示部を備えてもよく、それによって、一対の方向指示部を形成する。一対の方向指示部は、無煙たばこ容器の外側に配置され、第1の蓋が閉位置にあるときに軸方向に整列することができる。前記閉位置は、前記第1の閉位置とは異なる第2の閉位置であってもよい。前記閉位置は、第1の閉位置であってもよい。この一対の方向指示部によって、利用者は、第1の蓋が本体に対して回転方向にどのように配向されるかについての情報を提供され得る。無煙たばこ容器は、本体及び第1の蓋に応じて配置され、上述のように整列するように適合された複数対の方向指示部を備えてもよい。方向マーカは、構造的に規定されてもよく、又は本体及び第1の蓋のそれぞれの表面上に設けられたマーキングであってもよい。
【0029】
一実施形態によれば、第1の係止部材及び第2の係止部材のうちの一方は突出部であり、第1の係止部材及び第2の係止部材のうちの他方は、前記突出部を受容するように形状や寸法が適合された凹部である。第1の係止部材は突出部であってもよく、第2の係止部材は凹部であってもよい。第1の係止部材は凹部であってもよく、第2の係止部材は突出部であってもよい。何れかの第1の係止部材及び第2の係止部材が突出部又は凹部として設けられているかにかかわらず、凹部は、係止方式で突出部を受容するように形状や寸法が適合されている。一例として、突出部は実質的に半円筒形状を有し、無煙たばこ容器の円周方向に長手方向に延びることができる。凹部は対応する形状に適合されてもよく、その結果、凹部は係止方式で突出部を受容することが可能になる。突出部及び凹部は、無煙たばこ容器の円周に全体的に沿って、又は複数の別の部分内の何れかで、対応する方法で円周方向に延在するように適合され得る。
【0030】
一実施形態によれば、ロック装置は、無煙たばこ容器の回転平面に対して鋭角をなす第1の係止部材と第2の係止部材との間の第1の接触部を提供するように適合される。第1の接触部は第1の係止部材の第1の接触面と、第2の係止部材の第1の接触面とによって規定されてもよく、第1の係止部材及び第2の係止部材が一緒に係止するとき、第1の係止部材の第1の接触面に面し、及び/又は当接する。第1の接触部は、第1/第2の係止部材に対して、本体の下面により近い側に配置されてもよい。あるいは、第1の接触部が第1の蓋の上面により近い側で第1/第2の係止部材に対して配置される。ロック装置は、無煙たばこ容器の回転平面に対して鋭角をなす第1の係止部材と第2の係止部材との間の第2の接触部を提供するように適合されてもよい。第2の接触部は第1の係止部材の第2の接触面と、第2の係止部材の第2の接触面とによって規定され得、第1の係止部材と第2の係止部材とが一緒に係止するとき、第1の係止部材の第2の接触面に面し、及び/又は当接する。第2の接触部は、第1の接触部として、第1/第2の係止部材の実質的に反対側に配置され得る。第1及び/又は第2の接触部について参照される鋭角は、5°~10°、10°~15°、15°~20°、20°~25°、25°~30°、30°~35°、35°~40°、45°~50°、50°~55°、55°~60°、60°~65°、65°~70°、70°~75°、75°~80°、又は80°~85°の範囲の何れかであり得る。
【0031】
一実施形態によれば、第1の蓋は第2の区画室を規定し、無煙たばこ容器は、第2の区画室を閉じるために第1の蓋に解放可能に取り付けられるように適合された第2の蓋をさらに備える。これにより、無煙たばこ容器は、使用済み及び未使用の無煙たばこ部分を別々の区画室に収納することができる。
【0032】
第1の蓋及び第2の蓋は第1の蓋の一部が第1の蓋から第2の蓋の外側縁部に沿って少なくとも部分的に上方に延びるように、第2の蓋が第1の蓋内に凹状に受容されるように適合されてもよい。これにより、第2の蓋の外側縁部が把持されることを防止することができる。無煙たばこ容器は、使用者が第2の蓋の縁部へのアクセスを提供される、第1の蓋の陥凹領域として提供される把持領域を備えてもよい。したがって、利用者は縁部を把持し、第2の蓋を引っ張り、第2の区画室へのアクセスを可能にすることができる。
【0033】
何れかの実施形態の第1の態様による無煙たばこ容器を製造する方法が提供される。本方法は無煙たばこ容器の少なくとも本体及び第1の蓋の部品に対応する複数の金型キャビティを規定する金型を提供するステップと、材料を複数の金型キャビティの各々に注入するステップと、一旦固化すると、無煙たばこ容器を金型から射出するステップとを含み、好ましくは、本体及び第1の蓋の一方は第1の材料で作製され、本体及び第1の蓋の他方は第1の材料とは異なる第2の材料で作製される。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、金型が提供される。金型は、第1の態様又はその任意の実施形態による無煙たばこ容器の少なくとも本体及び第1の蓋に対応する複数のキャビティを規定するように形状や寸法が適合される。金型はまた、第1の態様又はその任意の実施形態による無煙たばこ容器の第2の蓋に対応するキャビティを規定してもよい。金型は、それぞれが前記キャビティの少なくとも1つを規定する別の部材を備えてもよい。個々の別の金型部材は、PPH、PPC、PPR-Cなどの異なる射出材料を受容するように適合され得る。別の金型部材は、それぞれ、本体、第1の蓋、及び任意選択的に第2の蓋のためのキャビティを規定してもよい。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、無煙たばこ容器の本体から第1の蓋を解放する方法が提供される。この方法は、第1の閉位置から本体に対して第1の蓋を回転させるステップと、係合要素を傾斜縁部と係合させるステップと、第2の係止部材から第1の係止部材を外すステップであって、ここで本体は第1の係止部材を含み、第1の蓋は第2の係止部材を含むステップと、第1の蓋は本体をロック解除位置に相対的に回転させるステップと、を含む。
【0036】
本体は傾斜縁部を備えることができ、第1の蓋は係合要素を備えることができる。代替実施形態では、第1の蓋は傾斜縁部を備えてもよく、本体は係合要素を備えてもよい。
【0037】
さらに、係合要素を傾斜縁部に係合させるステップは、係合要素を傾斜縁部に摺動させるステップを含むことができる。
【0038】
傾斜縁部は隆起部の一部であってもよい。
第1の係止部材及び第2の係止部材を係止解除するステップは、第1の係止部材及び第2の係止部材が互いに軸方向に外されることを含むことができる。
【0039】
第1の蓋を本体に対してロック解除位置に回転させるステップは、係合要素を隆起部の平坦部上に摺動させるステップを含むことができる。
【0040】
本方法は回転する第1のステップに先立って回転するさらなるステップをさらに含むことができ、ステップは第1の蓋を本体に対して第2の閉位置から第1の閉位置に回転させるステップを含むことができ、第1の蓋は本体に軸方向に固定されたままである。
【0041】
本発明は添付の独立請求項によって規定され、実施形態は添付の従属請求項、以下の説明及び図面に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。
図1図1は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の斜視図を示す。
図2図2は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の分解図を示す。
図3図3は本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の斜視断面図を示す。
図4A-4C】図4A-4Cは、第1の蓋がそれぞれ第1及び第2の閉位置及びロック解除位置にあるときの、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の断面図を示す。
図5A-5B】図5A-5Bは本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の斜視図を示し、第1の蓋の一部は第1の蓋が第2の閉位置からロック解除位置に移動されたときの無煙たばこ容器をより明確に示すために、図から省略されている。
図6A-6B】図6A-6Bは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の第1の蓋の斜視図及び底面図を示す。
図7図7は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の本体の斜視図を示す。
図8A図8Aは本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の第1の蓋の斜視図を示す。
図8B図8Bは本発明の一実施形態による無煙たばこ容器の本体の斜視図を示す。
図9A-9B】図9A-9Bは、本発明の一実施形態による、無煙たばこ容器の本体から第1の蓋を解放するための方法及び無煙たばこ容器を製造する方法のそれぞれの流れ図を示す。
図10】発明の一実施形態による無煙たばこ容器を製造する方法で使用される金型の断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、同一番号は同一要素を指す。
【0044】
次に、無煙たばこ容器の一般的な実施形態について説明する。一般的な実施形態は図1図7を参照して説明されるが、特徴は図に示される好ましい実施形態に含まれるように示されるものの、任意であってもよい。一般的な実施形態では、無煙たばこ容器1が第1の区画室110を規定する本体11を備えてもよい。無煙たばこ容器1は、第1の区画室110を閉じるために本体11に解放可能に取り付けられるように適合された第1の蓋12を備えてもよい。無煙たばこ容器1は、第1の蓋12を本体11にロックするためのロック装置112、122を備えてもよい。ロック装置112、122は、第1の係止部材122及び第2の係止部材112であってもよい。第1の係止部材122は、第1の蓋12に配置されてもよい。第1の係止部材122は、第1の蓋12の蓋側部121に配置されてもよい。第2の係止部材112は、本体11に配置されてもよい。第2の係止部材112は、本体11の本体側部に配置されてもよい。第1の蓋12は、第1の係止部材122及び第2の係止部材112が一緒に係止される第1の閉位置P1と、第1の蓋12が本体11から解放可能であるロック解除位置P2との間で、回転軸Rを中心に本体11に対して回転可能であるように適合され得る。第1の係止部材122と第2の係止部材112とが係止されると、第1の蓋12が本体11に軸方向に固定される。第1の蓋12がロック解除位置P2にあるとき、第1の係止部材122及び第2の係止部材112は、互いに係止解除又は軸方向に外され得る。第1の蓋12がロック解除位置P2にあるとき、第1の蓋12は、その第1の閉位置P1に対して軸方向に変位され得る。第1の蓋12は第1の係止部材122及び第2の係止部材112が互いに係止解除されるか、又は軸方向に外れたとき、ロック解除位置P2まで自由に回転可能であってもよい。ロック装置112、122は第1の係止部材122が第2の係止部材112から強制的に外れるか又は軸方向に外れる位置に第1の係止部材12が回転されるまで、第1の閉位置P1からロック解除位置P2に向かって第1の蓋12の回転を打ち消すように構成され、それによって、第1の蓋12を自由に回転させて、ロック解除位置P2にし、本体11から離脱させることができる。
【0045】
したがって、無煙たばこ容器1は、単純で費用効率の高い設計を提供することができる。より具体的には、ロック装置112、122をロック解除するプロセスを、本体11に対する第1の蓋12の回転動作に結合することによって、別々に操作され複雑なロック装置112、122に依存しない、より直観的な解決策が提供される。むしろ、第1の蓋12は本体11に軸方向に固定されてもよく、構造的により単純なロック装置112、122の手段であり、2つの係止部材112、122を備え、これらは、開くことができるように無煙たばこ容器1をロック解除するためにユーザが克服しなければならない所望の係止作用を提供するように、形状及び寸法に適合され得る。この単純な設計により、無煙たばこ容器1は、チャイルドレジスタントな無煙たばこ容器を提供するなど、所望の設計目的を達成するためにどのように適合され得るかにおいて、多種多様なものを可能にする。
【0046】
第1の係止部材122及び第2の係止部材112の一方は第1の蓋12及び本体11の一方に一体的に形成されてもよく、一方、第1の係止部材122及び第2の係止部材112の他方は第1の蓋12及び本体11の他方に配置される別の要素として提供される。好ましくは、第1の係止部材122及び第2の係止部材112の両方が第1の蓋12及び本体11にそれぞれ一体に形成される。これにより、無煙たばこ容器1をより効率的に製造することができ、製造費用を低減することができる。あるいは、第1の係止部材122及び第2の係止部材112の両方がそれぞれ第1の蓋12及び本体11に配置された別の要素として提供されてもよい。
【0047】
本体11及び第1の蓋12の一方はポリプロピレンホモポリマー、PPHから作製され得、本体11及び第1の蓋12の他方はポリプロピレンコポリマー、PPCから作製され得る。これにより、本体11と第1の蓋12との間の摩擦を特に低減することができる。本体11は、PPH又はPPCから形成されてもよい。第1の蓋12は、PPH又はPPCで形成されてもよい。また、本体11や第1の蓋12にPPHやPPCの代わりにポリプロピレンランダム共重合体、PPR-Cを用いてもよい。無煙たばこ容器は第1の蓋12によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋12に解放可能に取り付けられるように適合された第2の蓋13を備えてもよい。第2の蓋13は、PPH、PPC、又はPPR-Cで形成されてもよい。本体11は第1の材料から形成されてもよく、第1の蓋12は第1の材料とは異なる第2の材料から形成されてもよい。第2の蓋13は、第1の材料、第2の材料、又は第1の材料及び第2の材料とは異なる第3の材料から作製され得る。
【0048】
ここで、図面に示された好ましい実施形態をより詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示し、無煙たばこ容器1は、従来の無煙たばこ容器とほぼ同様の略円筒形状を含む。無煙たばこ容器1は、本体11と、第1の蓋12と、第2の蓋13とを備える。第1の蓋12は、本体11によって規定される第1の区画室を閉じるために、本体11に取り外し可能に取り付けられる。第2の蓋13は、第1の蓋12によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられる。無煙たばこ容器1は、使用者が第2の蓋13の縁部131へのアクセスを提供される、第1の蓋12の陥凹領域として提供される把持領域14を備える。したがって、利用者は縁部131を把持して、第2の蓋13を引っ張って、第2の区画室へのアクセスを可能にすることができる。第1の区画室にアクセスするために、第1の蓋12は第1の閉位置からロック解除位置まで回転され、この回転は無煙たばこ容器1のロック装置を強制的にロック解除させる。前記ロック解除は、第1の係止部材を第2の係止部材から軸方向に外す第2の係止部材と共に係止された第1の係止部材によって提供される係止力に打ち勝つことを含み得る。これは、第1の蓋12が第1の区画室へのアクセスを可能にするために本体11から取り外され得るロック解除位置まで自由に回転可能であることを可能にし得る。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の分解図を示す。無煙たばこ容器1は、本体11によって規定される第1の区画室110と、第1の蓋12によって規定される第2の区画室120とを備える。使用済み及び未使用の無煙たばこ部分は、第1の区画室110及び/又は第2の区画室120の何れかに収納されてもよい。第1の区画室110及び第2の区画室120の一方は他方よりも小さい容積の区画室を提供するように、形状や寸法が適合されてもよい。より小さい区画室は使用済み無煙たばこ部分を収納するために使用されてもよく、一方、より大きい区画室は未使用無煙たばこ部分を収納するために使用されてもよく、逆もまた同様である。第1の区画室110は、第2の区画室120より大きくてもよく、又はその逆であってもよい。第1の区画室110は図2に示されるような実質的に円筒状の形状を有し、円筒軸に沿って延びてもよい。第2の区画室120は、図2に示されるような実質的に円筒状の形状を有し、円筒軸に沿って延びることができる。第1の蓋12及び本体11は、それぞれの区画室の円筒軸が整列するように適合されてもよい。第1の蓋12は、第1の閉位置とロック解除位置との間で、本体11に対して回転軸Rを中心に回転可能であってもよい。無煙たばこ容器1は、回転軸Rがそれぞれの第1の区画室110及び第2の区画室120の円筒軸と位置合わせされるように適合されてもよい。
【0050】
図2に示す無煙たばこ容器1は、第2の蓋13をさらに備える。第1の蓋12及び第2の蓋13は、第2の蓋13が第1の蓋12の一部が第1の蓋12から第2の蓋13の外側縁部131に沿って少なくとも部分的に上方に延びるように、第1の蓋12内に凹状に受容されるように適合されてもよい。これにより、第2の蓋13の外側縁部131が把持されることを防止することができる。第1の蓋12は第2の蓋13の前記外側縁部131の一部へのアクセスを可能にし、それが把持されることを可能にする把持凹部14を備えてもよい。これにより、第1の蓋12から第2の蓋13を取り外すことができる。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の斜視断面図を示す。無煙たばこ容器1は、第1の区画室110を規定する本体11と、第1の区画室110を閉じるために本体11に解放可能に取り付けられるように適合された第1の蓋12とを備える。無煙たばこ容器1は第1の蓋12によって規定される第2の区画室120を閉じるために、第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられるように適合された第2の蓋13を備える。無煙たばこ容器1は実質的に円筒状に適合され、断面は回転軸Rと交差し、回転軸Rに沿って延在する平面である。無煙たばこ容器1はロック装置112、122を更に備える。ロック装置112、122は、第1の蓋12の蓋側部121に配置された第1の係止部材122と、本体11の本体側部111に配置された第2の係止部材112とを備える。第1の係止部材122は、第1の蓋12に一体的に形成されてもよい。第2の係止部材112は、本体11に一体的に形成されてもよい。無煙たばこ容器1は、第1の蓋12が第1の区画室110を閉じるために本体11に取り付けられたとき、本体側部111及び蓋側部121が、第1の係止部材122と第2の係止部材112とが係止して第1の蓋12を本体11に軸方向に固定するように、軸方向に平行に延びるように適合されてもよい。図3に示す実施形態では第1の係止部材122が第1の蓋12に凹部122として設けられ、第2の係止部材112は本体11に突出部として設けられ、それによって、第1の係止部材122及び第2の係止部材112は図3に示すように、それに応じて緊密に係止することができる。代替の実施形態として、第1の係止部材122は突出部として提供されてもよく、第2の係止部材112は凹部として提供される。第1の係止部材122及び第2の係止部材112の何れかが突出部又は凹部として提供されるかにかかわらず、凹部は、ラッチ方式で突出部を受容するように形状や寸法が適合される。一例として、突出部は実質的に半円筒形状を有し、無煙たばこ容器1の円周方向に長手方向に延びることができる。凹部は対応する形状に適合されてもよく、その結果、凹部は係止方式で突出部を受容することが可能になる。突出部及び凹部は、無煙たばこ容器の円周に全体的に沿って、又は複数の別の部分の何れかで、対応する方法で円周方向に延在するように適合され得る。
【0052】
第1の蓋12及び本体11は、図3に示すように、それぞれの外側面が互いに実質的に整列するように、形状や寸法が適合されてもよい。これにより、無煙たばこ容器1は、第1の蓋12が閉位置にある間に無煙たばこ容器1を強制的に開く目的で、ユーザが相互作用することができる利用可能な把持領域の数を減らすことができる。
【0053】
第2の蓋13は、係止機構によって第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられるように適合されてもよい。係止機構は、第2の蓋13に配置されるか、又はそれによって提供される第1の係止要素と、第1の蓋12に配置されるか、又はそれによって提供される第2の係止要素とを備え得る。係止機構の第1の係止要素及び第2の係止要素は、突出部及び前記突出部を受容するように適合された凹部であってもよく、又はその逆であってもよい。図3に示す実施形態では、第1の係止要素は突出部であり、第2の係止要素は凹部であり、第2の蓋13を第1の蓋12に閉位置で保持するように適合された係止機構を共に形成する。第2の蓋13は、それが第1の蓋12から柔軟に挿入又は除去されることを可能にする、少なくとも部分的に可撓性の材料によって形成され得る。
【0054】
図4A~4Cは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の断面図を示す。無煙たばこ容器1は、第1の区画室を規定する本体11と、第2の区画室を閉じるために本体11に解放可能に取り付けられるように適合された第1の蓋12とを備える。無煙たばこ容器1は第1の蓋12によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋12に解放可能に取り付けられるように適合された第2の蓋13を備える。第1の蓋12は、第1の閉位置P1とロック解除位置P2との間で、回転軸Rに沿って本体11に対して回転可能であるように適合される。これらの位置をそれぞれ図4B及び図4Cに示す。第1の閉位置P1において、第1の蓋12は、第1の係止部材122及び第2の係止部材112を備えるロック装置112、122によって、本体11に軸方向に固定される。ロック解除位置P2において、第1の蓋12は第1の係止部材122及び第2の係止部材112が軸方向に外れるように、第1の閉位置P1に対して軸方向に変位される。無煙たばこ容器1は第1の蓋12が第1の閉位置P1と第2の閉位置P0との間で本体11に対して回転可能であるようにさらに適合され得、その間、第1の蓋12はロック装置112、122によって本体11に軸方向に固定されたままである。第1の蓋12を本体11に対して軸方向に固定しながら回転可能にすることによって、本体11に対する第1の蓋12の回転方向にかかわらず、第1の蓋12を本体11に解放可能に取り付けることができる。したがって、無煙たばこ容器1の第1の区画室を閉じることを容易にすることができる。
【0055】
無煙たばこ容器1は、第1の蓋12が把持空間縁部123と本体側部111との間に把持空間113を形成するように形状や寸法が適合された把持空間縁部123を備えるようにさらに適合されてもよく、把持空間縁部123は第1の蓋12が第1の閉位置P1にあるときに把持空間113へのアクセスを防止する位置にあり、第1の蓋12がロック解除位置P2にあるときに把持空間113へのアクセスを可能にする位置にある。したがって、第1の蓋12を第1の閉位置P1からロック解除位置P2に回転させることによって第1の蓋12を本体11から軸方向に変位させながら、把持空間が露出し、第1の蓋12を使用者が把持することが可能になり(図4C参照)、それによって、第1の蓋12を本体11から解放することが容易になる。同様に、第1の蓋12が第1の閉位置P1にあるとき、把持空間113は把持縁部が設けられないように、アクセス可能でないようにされてもよい。結果として、第1の蓋12及び本体11は、任意の縁部が把持縁部として機能することを防止する実質的に接続された外側を呈し得る(図4A、4B参照)。第1の蓋12が第1の閉位置P1又は第2の閉位置P0にあるとき、第1の蓋12及び本体11は把持空間113の使用可能性を回避するために均等な表面を提示するように、半径方向に面一であり得る。これにより、第1の蓋12が閉位置P0、P1にある間、無煙たばこ容器1を強制的に開くことがより困難になる。把持空間113は、把持空間縁部123の表面及び本体側部111の表面によって少なくとも部分的に境界付けられてもよい。本体11は、第1の蓋12が閉位置にあるときに把持空間縁部123が当接するように適合される当接面125を提供することができる。あるいは、当接面125が本体11と把持空間縁部123との間に配置されるように適合された別の部材によって提供される。把持空間113はまた、当接面125によって少なくとも部分的に境界付けられてもよい。本体側部111の前記表面及び把持空間縁部123の前記表面は、互いに対して鋭角に角度付けられてもよい。本体側部111の前記表面と把持空間縁部123の前記表面との間の鋭角は、15°~75°の範囲であってもよい。図4A~4Cでは、無煙たばこ容器1が本体側部111の前記表面が把持空間縁部123の前記表面に対して約30°の鋭角で角度付けられて示されている。
【0056】
本体側部111は、少なくとも1つの傾斜縁部を備える隆起部1110を備えてもよい。第1の蓋12は、少なくとも1つの傾斜縁部と係合するように適合された係合要素124を備えてもよく、その結果、第1の蓋12が第1の閉位置P1からロック解除位置P2まで本体11に対して回転するとき、係合要素124が少なくとも1つの傾斜縁部に沿って摺動し、それによって第1の蓋12をその第1の閉位置P1に対して変位させ、第1の係止部材122が第2の係止部材112から軸方向に外れるようにする。少なくとも1つの傾斜縁部は、回転軸Rが曲がった滑らかな様式で直角に交差する平面に対して傾斜していてもよい。傾斜縁部は、1°~25°の範囲内で鋭角に前記平面に対して角度を付けられた最大傾斜部分を備えてもよい。このような傾斜によって、傾斜縁部の傾斜は係合要素124がその表面に沿って摺動するときに抵抗をほとんど与えなくてもよく、その結果、反作用力の大部分は、ロック装置112、122によって与えられる。
【0057】
第2の蓋13は、係止機構126、132によって第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられるように適合され得る。係止機構126、132は、第2の蓋13に配置されるか、又はそれによって提供される第1の係止要素132と、第1の蓋12に配置されるか、又はそれによって提供される第2の係止要素126とを備えてもよい。係止機構126、132の第1の係止要素132及び第2の係止要素126は、突出部及びこの突出部を受容するように適合された凹部であってもよく、又はその逆であってもよい。図3に示す実施形態では、第1の係止要素132は突出部であり、第2の係止要素126は凹部であり、第2の蓋13を第1の蓋12に対して閉位置に保持するように適合された係止機構126、132を共に形成する。図4A-4Cに示す実施形態では、第2の係止要素126は円周方向に部分的にのみ延在し、そのため、図4B及び4Cには示されていない。第2の係止要素126は、第2の区画室の両側に配置された2つの部分を備えてもよい。第1の係止要素132は第2の蓋13が第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられて第2の区画室を閉じるとき、第2の係止要素126の位置に一致するように、完全に円周方向に、又は部分的に延在してもよい。第2の蓋13は、それが第1の蓋12から柔軟に挿入又は除去されることを可能にする、少なくとも部分的に可撓性の材料によって形成されてもよい。
【0058】
図5A及び5Bは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1の斜視図を示す。無煙たばこ容器1は、第1の区画室を規定する本体11と、第1の区画室を閉じるために本体11に解放可能に取り付けられるように適合された第1の蓋12とを備える。第1の蓋12は、第1の閉位置P1と、第1の区画室がアクセス可能であるように第1の蓋12が本体11から自由に解放可能であるロック解除位置P2との間の回転軸を中心として本体11に対して回転可能であるように適合される。第1の蓋12がロック解除位置P2にあるとき、第1の閉位置P1に対して軸方向に変位している。図5Aは第1の蓋12が第1の閉位置P1にあるときの無煙たばこ容器1を示し、図5Bは、第1の蓋12がロック解除位置P2にあるときの無煙たばこ容器1を示す。さらに、図5A及び5Bの両方において、第1の蓋12の一部は一実施形態による無煙たばこ容器1が第1の閉位置P1からロック解除位置P2に回転されたときに、第1の蓋12が本体11に対してそれ自体を変位させることをどのように可能にするかの機能性を示すために、図から省略されている。
【0059】
第1の蓋12は本体側部111によって提供される少なくとも1つの傾斜縁部1110a、1110bと係合するように適合された係合要素124を備え、それにより、第1の蓋12が第1の閉位置P1からロック解除位置P2まで本体11に対して回転するとき、係合要素124は前記少なくとも1つの傾斜縁部1110a、1110bに沿って摺動し、それにより、第1の蓋12をその第1の閉位置P1に対して軸方向に変位させ、その結果、第1の係止部材122が第2の係止部材112から軸方向に変位する。図5A-5Bに示す実施形態では、本体11は、それぞれの隆起部1110を形成するように互いに近接して配置された一対の傾斜縁部1110a、1110bを備える。これにより、第1の蓋12はこの第1の蓋12をロック解除位置P2に移動させるために、本体11に対して任意の方向に回転可能であってもよい。隆起部1110は、この隆起部1110の傾斜縁部1110a、1110bの間に配置された平坦部1110cをさらに備える。これにより、係合要素124はロック解除位置P2にあるときに、実質的に水平な領域に位置決めされ得、これは、第1の蓋12を本体11から取り外すときに好適であり得る。隆起部又は隆起部1110は代替的に、第1の蓋12に配置されるか、又はそれによって提供されてもよく、一方、係合要素又は係合要素124は、本体11に配置されるか、又はそれによって提供される。
【0060】
無煙たばこ容器1はロック装置122、112をさらに備え、ロック装置122、112は、第1の蓋12に配置された第1の係止部材122と、本体11に配置された第2の係止部材112である。第1の蓋12が閉位置P0、P1にあるとき、第1の係止部材122及び第2の係止部材112は、第1の蓋12を本体11に軸方向に固定するために一緒に係止される。第1の蓋12が閉位置からロック解除位置まで回転すると、ロック装置112、122は、互いに係止されたときに第1の係止部材122及び第2の係止部材112によって提供される係止力によって前記回転を打ち消す。しかしながら、第1の蓋12が第1の閉位置P1とロック解除位置P2との間の経路の一部分をこの係止力に抗して回転させられるとき、係合要素124は傾斜縁部分のうちの1つに沿って摺動し、それによって、第1の蓋12をその閉位置P1に対して変位させ、それによって、第1の係止部材122は、第2の係止部材112から軸方向に移動させられ、それによって、第1の蓋12がロック解除位置P2まで自由に回転することを可能にする。
【0061】
一実施形態によれば、ロック装置は、無煙たばこ容器1の回転平面に対して鋭角をなす第1の係止部材122と第2の係止部材112との間の接触部を提供するように適合される。回転平面とは、回転軸が直角に交差する平面を意味してもよい。この鋭角の接触部によって、第1の蓋12が第1の閉位置P1とロック解除位置P2との間の位置まで回転するときに、第1の係止部材122が第2の係止部材112から外れるのを容易にすることができる。
【0062】
一実施形態では、無煙たばこ容器1が本体11のそれぞれの隆起部1110と係合するように適合された複数の係合要素124を備える。それぞれの隆起部1110は、好ましくは本体側部111に沿って対称的に配置され得る。図6A及び図6Bは、一実施形態による第1の蓋120の斜視図及び底面図をそれぞれ示し、第1の蓋12は、円周方向において蓋側部に沿って対称に配置された3つの係合要素124を備える。好ましくは、本体側部111が、この本体側部111の周りに対称的に配置される、同一数の隆起部1110、この場合は3つの隆起部を提供する(図7参照)。第1の蓋12は3つの係合要素124を備えることに限定されず、代替的に、1つ、2つ、4つ、5つ、又はそれ以上の係合要素124を備えてもよい。本体11は、同様の又は異なる数の隆起部1110を含んでもよい。より少ない数の係合要素124を備える第1の蓋12を備える無煙たばこ容器1はより安価に製造することができ、一方、より多くの係合要素124を備える第1の蓋12を備える無煙たばこ容器1はより均等に力を分配することができ、それによって、無煙たばこ容器1の寿命を延ばす。
【0063】
一実施形態によれば、第1の蓋12は、第1の蓋12の把持空間縁部121に近接して配置された複数の支持バー127を備える。支持バー127は、第1の蓋位置128から第1の蓋位置から半径方向外向きに第2の蓋位置129まで半径方向に延びることができる。半径方向とは、第1の蓋12の中心から半径方向の方向を意味することができる。第1の蓋の中心は、回転軸が第1の蓋12と交差する点と一致してもよい。支持バー127は、第1の蓋12が第1の蓋12の柔軟性を低減することを可能にし得る。したがって、これによって、第1の蓋12は第1の蓋12が閉位置にあるときに、第1の蓋12が本体11から強制的に解放されることを防止するために、本体によりしっかりと取り付けられ得る。支持バー127は、第1の蓋の底面に少なくとも部分的に又は全体的に沿って延在してもよい。支持バーは、中間側部130を通って延びることができる。支持バー127は、第1の蓋12に一体的に形成されてもよい。複数の支持バー127は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上の支持バーを含んでもよい。支持バー127は、第1の蓋12の周りに対称に配置されてもよい。
【0064】
図8Aは一実施形態による第1の蓋12を示し、図8Bは一実施形態による本体11を示す。本体11及び第1の蓋12はそれぞれ、第1の蓋12が閉位置にあるときはいつでも、ユーザに示すために、一致する対で軸方向に整列するように適合された方向指示部15a、15bを備えてもよい。前記閉位置は、前記第2の閉位置P0又は前記第1の閉位置P1であってもよい。方向指示部は構造的に規定されてもよく、例えば、図8A-8Bを参照されたい。
【0065】
一実施形態によれば、本体11は、複数の支持構造114を備えてもよい。支持構造114は無煙たばこ容器1の回転軸Rに少なくとも部分的に又は実質的に平行な方向に、本体11の側壁に沿って延びてもよい。支持構造114は、複数の支持構造114として一緒にグループ化されて、支持構造114のグループを形成することができる。無煙たばこ容器1は、支持構造114の複数のグループを含むことができる。支持構造114の各グループは、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の支持構造114を備えてもよい。支持構造114の少なくとも1つのグループは、無煙たばこ容器1の隆起部1110に近接して配置されてもよい。支持構造114のグループは、本体11の周りに対称的に配置されてもよく、好ましくはそれぞれの隆起部1110に近接して配置される。支持構造は、棒形状を有してもよい。これらの支持構造によって、第1の蓋12が閉位置にあるときに第1の蓋12が本体11から取り外されることを可能にするように、本体11の剛性を増加させて、本体が過度に撓むことを防止することができる。
【0066】
図9Aは、本発明の一実施形態による、無煙たばこ容器1の本体11から第1の蓋12を解放するための方法M0の流れ図を示す。この方法は、以下のステップ、すなわち、第1の閉位置P1から本体11に対して第1の蓋12を回転させるステップM1と、係合要素124と傾斜縁部1110a、1110bとを係合させるステップM2と、第1の係止部材122を第2の係止部材112から係合解除するステップM3であって、ここで、本体11は第1の係止部材112を含み、第1の蓋12は第2の係止部材122を含む、
ステップM3と、第1の蓋12を本体11に対してロック解除位置P2に回転させるステップM4と、を備える。
【0067】
本体11は傾斜縁部1110a、1110bを備えてもよく、第1の蓋12は係合要素124を含んでもよい。
【0068】
係合要素124を傾斜縁部1110a、1110bと係合させるステップM2は、係合要素124を傾斜縁部1110a、1110b上に摺動させるステップを含んでもよい。傾斜縁部1110a、1110bは隆起部1110の一部であってもよい。
【0069】
第1の係止部材122と第2の係止部材112との係合を解除するステップM3は、第1の係止部材122と第2の係止部材112とが軸方向に互いに外れることを、含んでもよい。
【0070】
本体11に対して第1の蓋12をロック解除位置P2に回転させるステップM4は、係合要素124を隆起部1110の平坦部1110c上に摺動させるステップを含んでもよい。
【0071】
この方法は、回転させるステップM1に先行するステップM1aを含んでもよく、このステップM1aは、第1の蓋12を本体11に対して第2の閉位置P0から第1の閉位置P1に回転させるステップであって、第1の蓋12を本体11に軸方向に固定されたままにする、ステップM1aである。
【0072】
図9Bは、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1を製造する方法S0の流れ図を示す。方法S0は、以下のステップ、すなわち、無煙たばこ容器1の少なくとも本体11及び第1の蓋12の部品に対応する複数の金型キャビティ1021、1022、1023を規定する金型100を提供するステップS1と、複数の金型キャビティ1021、1022、1023の各々に材料を注入するステップS2と、一旦材料を凝固させた後、金型100から無煙たばこ容器1を排出するステップS3を含み、ここで、好ましくは、本体11及び第1の蓋12の一方は第一材料から成り、本体11の他方は第1の蓋12の他方は第一材料から成る。方法S0は、また、第1の蓋12によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋12に取り外し可能に取り付けられるように適合された第2の蓋13を製造することを含んでもよい。本体11、第1の蓋12、及び任意の第2の蓋13は、前述の実施形態又は企図される変形形態の何れかに従って提供されてもよい。第1の材料又は第2の材料として、PPH、PPC、又はPPR-C、又は本明細書で言及する任意の他の材料を使用してもよい。
【0073】
図10は、本発明の一実施形態による無煙たばこ容器1を製造する方法S0の間に使用される金型100の断面図を示す。金型100は、上金型101及び下金型102を備える。下金型102は、上金型101と下金型102とが一緒に加圧されるとき、上金型101のそれぞれの突出部1011、1012、1013を受容するように適合された複数の金型キャビティ021、1022、1023を規定する形状及び寸法に適合される。凹部及び突出部は、一緒になって、無煙たばこ容器の本体11、第1の蓋12、及び任意選択的に第2の蓋13に対応する金型キャビティを規定する。ノズル1014は、材料を金型キャビティ内に案内する。無煙たばこ容器1が固化すると、無煙たばこ容器1は排出ピン1024によって排出される。好ましくは、使用される材料がプラスチック又はポリマー材料である。ここで、無煙たばこ容器1の一部は、第1の区画室を規定する本体11と、第1の区画室を閉じるために本体11に解放可能に取り付けられるように適合された第1の蓋12とを含む。部品はまた、第1の蓋12によって規定される第2の区画室を閉じるために、第1の蓋12に解放可能に取り付けられるように適合される、第2の蓋13を含んでもよい。本体11、第1の蓋12、及び任意の第2の蓋13は、前述の実施形態又は企図される変形形態の何れかに従って提供されてもよい。
【0074】
図面及び明細書において、本発明の好ましい実施形態及び実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、制限を目的とするものではなく、本発明の範囲が以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9a
図9b
図10
【国際調査報告】