(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】放射誘導素子を有する半導体レーザ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0225 20210101AFI20250220BHJP
H01S 5/02257 20210101ALI20250220BHJP
【FI】
H01S5/0225
H01S5/02257
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546479
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2022083179
(87)【国際公開番号】W WO2023151842
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102022201340.9
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイドラー マルクス
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AL02
5F173AL06
5F173AL10
5F173AL19
5F173AL21
5F173AQ05
5F173MC05
5F173MC15
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME33
5F173ME85
5F173MF03
(57)【要約】
レーザダイオード(2)上に配置された放射誘導素子(3)が、レーザダイオード(2)上へレーザ放射(5)によって設けることができる物質を備える、または当該物質で構成される、半導体レーザ(1)が特定される。また、対応する物質を備える1つ以上の光学素子(31)が基部素子(80)上に配置される、放射透過素子(8)、より詳細には半導体レーザ(1)用の放射出口窓(8a)が特定される。さらに、上記放射出口窓(8a)を有するレーザハウジング(9)、および対応する製造方法が特定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ放射(5)を生成するための活性領域(20)と、放射出口領域(22)とを有する半導体レーザダイオード(2)であって、レーザ放射は、前記放射出口領域(22)を通って前記半導体レーザダイオード(2)から出射可能である、半導体レーザダイオード(2)と、
前記レーザダイオード(2)上の前記放射出口領域(22)内に配置され、前記レーザダイオード(2)にモノリシックに接続される放射誘導素子(3)であって、前記放射誘導素子(3)は、前記レーザダイオード(2)上への前記レーザ放射(5)によって設けることができる物質を備える、または前記物質で構成されており、前記放射誘導素子(3)は、さらに放射結合素子(6)を備え、前記放射結合素子(6)は、前記放射誘導素子(3)にモノリシックに接続される、前記放射誘導素子(3)と、を備える、
半導体レーザ(1)。
【請求項2】
前記レーザダイオード(2)は、端面発光レーザダイオードであり、前記放射出口領域(22)は、レーザファセット(21)の領域であり、前記放射出口領域(22)内の前記放射誘導素子(3)は、前記レーザファセット(21)上に直接配置され、前記レーザファセット(21)にモノリシックに接続される、
請求項1に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項3】
前記放射誘導素子(3)は、通常の大気中での前記半導体レーザ(1)の動作を可能にするように構成される、
請求項1または2に記載の半導体レーザ。
【請求項4】
前記放射結合素子(6)は、前記半導体レーザで生成され得る前記レーザ放射(5)のビーム経路に沿って、前記放射誘導素子(3)の後に位置する、
請求項1~3のいずれかに記載の半導体レーザ。
【請求項5】
前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項1~4のいずれかに記載の半導体レーザ。
【請求項6】
レーザ放射(5)を生成するための活性領域(20)と、放射出口領域(22)とを有する半導体レーザダイオード(2)であって、レーザ放射が、前記放射出口領域(22)を通って前記半導体レーザダイオード(2)から出射可能である前記半導体レーザダイオード(2)を設けるステップ(S
1)と、
放射結合素子(6)を設けるステップ(S
1a)と、
前記レーザダイオード(2)の動作中において、前記レーザ放射(5)が前記放射結合素子(6)を透過するように、前記放射結合素子(6)を前記レーザダイオード(2)に対して配置するステップ(S
1b)と、
前記放射出口領域(22)内の前記レーザダイオード(2)に放射誘導素子(3)を設けるステップ(S
2)と、を備え、前記ステップ(S
2)は、
前記レーザダイオード(2)および前記放射結合素子(6)の両方を、前記レーザ放射(5)によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝すステップ(S
2a)と、
化学反応を誘発し、前記前駆体を前記放射出口領域(22)に前記放射誘導素子(3)をモノリシックに形成する物質に変換して、前記レーザダイオード(2)を前記放射結合素子(6)にモノリシックに接続するように、前記レーザダイオード(2)を操作するステップ(S
2b)と、を備える、
半導体レーザ(1)の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体および前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の半導体レーザ(1)が製造される、
請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
レーザ放射を生成するための活性領域(20)をそれぞれ有する1つ以上の半導体レーザダイオード(2)と、
放射出口窓(8a)を有し、前記半導体レーザダイオード(2)が配置される、密閉レーザハウジング(9)と、を備え、
前記放射出口窓は、
放射出口窓基部素子(80a)と、
前記放射出口窓基部素子(80a)上に配置され、前記放射出口窓基部素子(80a)にモノリシックに接続された1つ以上の光学素子(31)と、を備え、
前記光学素子(31)は、前記放射出口窓基部素子(80a)上にレーザ放射によって設けることができる物質を備える、または前記物質で構成されており、
各レーザダイオード(2)が、動作状態において各レーザダイオード(2)のレーザ放射を通して出射できる前記光学素子(31)のうちの1つ以上に対応するように、前記レーザダイオード(2)が放射透過素子(8)に対して配置される、
光電子デバイス(10)。
【請求項10】
前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項9に記載の光電子デバイス。
【請求項11】
レーザ放射を生成するための活性領域(20)を有する1つ以上の半導体レーザダイオード(2)を設けるステップ(S
31)と、
放射出口窓基部素子(80a)を有する密閉レーザハウジング(9)を設けるステップ(S32)と、
動作状態において、前記レーザダイオード(2)のレーザ放射(5)が前記放射出口窓基部素子(80a)を介して出射できるように、前記レーザダイオード(2)をレーザハウジング(9)内に配置するステップ(S
33)と、
1つ以上の光学素子(31)を前記放射出口窓基部素子(80a)に設けるステップ(S
34)と、を備え、前記ステップ(S
34)は、
前記放射出口窓基部素子(80)を、レーザ放射(5)によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝すステップ(S
34a)と、
化学反応を誘発し、前記前駆体を、前記放射出口窓基部素子(80a)上にモノリシックに前記光学素子(31)を形成する物質に変換するように、前記レーザダイオード(2)を操作するステップ(S
34b)と、を備える、
光電子デバイス(10)の製造方法。
【請求項12】
前記前駆体および前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射誘導素子を有する半導体レーザに関し、より詳細には、光学素子または光ガイド、および対応する製造方法に関する。また、本発明は、放射透過素子、より具体的には、少なくとも1つの光学素子を有するレーザハウジング用の放射出口窓、および対応する製造方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
効率的に封入、製造することができる半導体レーザを特定することを目的とする。さらに、自己調整型放射誘導素子、より詳細には光学素子または光ガイドを有する半導体レーザを特定することを目的とする。さらに、対応する放射透過素子、より具体的にはレーザハウジングのための放射出口窓を特定することを目的とする。これらの目的は、独立請求項の特徴を備えた装置および製造方法によって達成される。他の好適な形態は、従属請求項に対応する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、半導体レーザは、レーザダイオードを備える。レーザダイオードは、レーザ放射を発生するための活性領域と、レーザ放射をレーザダイオードから出射可能な放射出口領域とを有する。また、半導体レーザは、放射誘導素子を有する。放射誘導素子は、レーザダイオード上の放射出口領域に配置され、レーザダイオードにモノリシックに接続される。放射誘導素子は、レーザダイオード上におけるレーザ放射によって設けることができる物質を含むか、またはそのような物質で構成される。より好ましくは、放射誘導素子は、放射出口領域において、直接(中間層なしで)レーザダイオード上に、または直接誘電体ミラー上に配置される。
【0004】
したがって、放射誘導素子を設けるためのレーザダイオードを操作することによって、ビーム出射領域上に正確に自己整合的に放射誘導素子を設けることができる。
【0005】
放射誘導素子は、好ましくはレーザ放射に対して安定(「放射安定」)であり、動作状態において、半導体レーザの一般的な総動作時間内に劣化しないか、あるいは実質的に劣化しない。
【0006】
レーザダイオードは、原理的にはどのような半導体レーザダイオードであってよい。
【0007】
特に高出力密度であるため、端面発光半導体レーザダイオードでは、光ピンセット効果として知られる効果が特に顕著である。この場合、高い出力密度の結果、有機および無機の汚れや化合物が周囲の空気から拾われてレーザファセットに堆積する。レーザファセットの領域ではエネルギー密度が高いため、ファセットで粒子や分解生成物の分解や堆積や蓄積が起こる。この場合、出射された放射線との相互作用が生じ、ファセットのさらなる加熱につながる。上記の関係の結果、自己強化効果が生じ、最終的にレーザの破壊(COD、壊滅的な光学的損傷)につながる可能性がある。
【0008】
一実施形態によれば、放射誘導素子は、上述のような効果を低減する保護素子として構成される。すなわち、当該素子は、通常の大気中での半導体レーザの動作を可能にするように構成されてもよい。このため、当該素子は一定の最小厚さを有してもよい。ただし、後で詳しく説明するように、結合素子として、レーザと放射結合素子との間の距離をつなぐようにしてもよい。
【0009】
従って、レーザダイオードは、好ましくは端面発光レーザダイオードである。この場合、放射出口領域は、レーザファセットの領域であり、これは、放射誘導素子が、レーザファセット上の放射出口領域に、好ましくはレーザファセット上に直接配置され、レーザファセットにモノリシックに接続されることを意味する。
【0010】
しかし、上述のように、ダイオードは、原則として、任意の所望の半導体レーザダイオード、より具体的には、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)またはフォトニック結晶面発光レーザ(PCSEL)であってもよい。VCSELの場合、放射誘導素子は、動作時にレーザ放射が通って出射する分散ブラッグ反射器上に、好ましくは直接設けられてもよく、または動作時にレーザ放射が通って出射する基板上に、好ましくは直接設けられてもよい。PCSELの場合、放射誘導素子は、PCSELのフォトニック結晶上に、好ましくは直接設けられてもよい。
【0011】
上記物質は、特に無機物質であってもよい。上記物質は、ケイ素、アルミニウム、タンタル、チタン、またはハフニウムを含んでもよく、またはそれらから構成されてもよい。
【0012】
上記物質は、例えば、二酸化ケイ素SiO2,酸化アルミニウムAl2O3、酸化タンタルTaO、二酸化タンタルTaO2、二酸化チタンTa2O5,二酸化チタンTiO2,ハフニウムHfO2などの誘電体であってもよい。実験では、二酸化ケイ素SiO2で特に良好な結果が得られた。
【0013】
放射誘導素子は、放射結合素子として構成することができる。すなわち、放射誘導素子が、他の光学素子に接続されていない放射結合面を有し、この面を介して放射線を大気中に供給することができる。
【0014】
放射結合素子は、レーザ放射を形成するように構成されていてもよく(以下「光学素子」と称する)、詳細には、屈折レンズとして構成されていてもよい。
【0015】
レンズは、通常の大気中で半導体レーザを動作させることができるように、レンズ効果によって放射を広げるように構成されていてもよい。あるいは、放射結合素子は、ビームプロファイルの最適化を実現するために、レーザビームの自己調整集束を可能にしてもよい。
【0016】
あるいは、放射誘導素子に加えて、放射誘導素子にモノリシックに接続された放射結合素子を設けてもよい。この場合、放射誘導素子は、レーザ放射をレーザダイオードから放射結合素子に誘導する結合素子(すなわち光ガイド)を構成してもよい。この実施形態の場合も同様に、ビーム結合素子を、レーザ放射を形成するように構成してもよい。ビーム結合素子は、任意の所望のレンズ、より具体的には屈折レンズ、またはレーザ放射の伝播方向を変化させるプリズムであってもよい。
【0017】
この場合、放射結合素子は、半導体レーザで発生させることができるレーザ放射のビーム経路に沿って放射誘導素子の後に位置してもよい。これは、レーザダイオードがアクティブであるときに生成されるレーザ放射が、まず放射誘導素子を透過した後、放射結合素子を透過することを意味する。半導体レーザは、半導体レーザおよび任意選択で放射結合素子が配置される支持体をさらに備えてもよい。すなわち、レーザ、および任意選択で放射結合素子を、その上に取り付けられてもよい。
【0018】
一実施形態に従って、半導体レーザは、複数のレーザダイオードを有する。同様に、個々のレーザダイオードが複数の出射点を有していてもよい。例えば、半導体レーザは、複数のレーザリッジ(レーザバー)を有するエッジエミッタまたはVCSELアレイを備えていてもよい。
【0019】
複数の出射点を有する複数のレーザダイオードおよび/またはレーザダイオードが設けられる場合、上述の放射誘導素子も複数設けられることが好ましく、また、レーザダイオードが出射点と全く同じ数の放射誘導素子を有することが好ましい。
【0020】
レーザダイオードは、可視スペクトル領域、より詳細には青色スペクトル領域の光を出射するように構成されてもよい。上述の半導体レーザは、好ましくは、自動車のヘッドアップディスプレイにおいて、またはレーザプロジェクタにおけるビーム源として、使用される。
【0021】
上記半導体レーザの製造方法において、ステップS1で、レーザ放射を発生させるための活性領域と、放射出口領域とを有するレーザダイオードを設け、ステップS2で、放射出口領域内のレーザダイオードに放射誘導素子を設ける。ステップS2は、レーザ放射によって化学反応を誘発され得る前駆体、例えば、金属オルガニル、並びに任意選択で、窒素および/または酸素供与体と、レーザダイオードを大気に曝すサブステップ(S2a)を含む。また、ステップS2は、化学反応を誘発し、前駆体を、レーザダイオード上の放射出口領域内に放射誘導素子をモノリシックに形成する物質に変換するように、レーザダイオードをする操作するステップS2bを含む。酸素を任意で添加することにより、ファセットへのカーボンの析出を防ぐことができる。
【0022】
先に述べたように、レーザダイオードは、端面発光レーザダイオードであってもよい。その場合、放射出口領域はレーザファセットであり、放射誘導素子は好ましくは直接レーザファセット上に配置される。さらに、レーザダイオードは、VCSELまたはPCSELであってもよい。放射誘導素子は、放射安定であることが好ましく、保護素子であることがより好ましく、また、通常の大気中での半導体レーザの動作を可能にすることが好ましい。
【0023】
前駆体は、特に無機前駆体であってもよい。これに対応して、物質は無機物質であってもよい。前駆体は、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウム、またはチタンを含んでもよく、またはそれらから構成されてもよい。これに対応して、物質は、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含んでもよく、またはそれらから構成されてもよい。
【0024】
実験では、SiO2により特に良好な結果が得られた。ここでは、揮発性シリコン(SixHyCz)、例えばシラン(SixH2x)が前駆体として用いられる。大気中の酸素O2との反応により、二酸化ケイ素SiO2が生成される。
SixHyCz + O2 -> SiO2 + H2O (+ stable Six-oHy-mCz-n)
ここでのSiは、形成される酸化物の屈折率が適切となる他の金属で置き換えられてもよい。
【0025】
先に述べたように、放射誘導素子は、放射結合素子として構成してもよく、この場合、レーザ放射を形成するのに適したものとなる。あるいは、先に述べたように、放射誘導素子に加えて、放射誘導素子にモノリシックに接続された放射結合素子を設けてもよい。
【0026】
対応する製造方法は、さらに、放射結合素子を設けるステップS1aと、レーザダイオードの動作時にレーザ放射が放射結合素子を透過するように、レーザダイオードに対して放射結合素子を配置するステップS1bとを含む。したがって、後続のステップS2aにおいて、レーザダイオードおよび放射結合素子の両方が、前駆体と大気に曝され、またステップS2bにおいて、レーザダイオードの動作中、放射誘導素子は、レーザダイオードを放射誘導素子にモノリシックに接続するように、レーザダイオード上の放射出口領域内に形成される。
【0027】
先に述べたように、半導体レーザは、半導体レーザおよび任意選択で放射結合素子が配置される支持体をさらに備えてもよい。先に述べたように、半導体レーザは、複数のレーザダイオードを有していてもよく、その場合、複数の放射誘導素子が発生する可能性がある。レーザダイオードは、可視スペクトル領域、より詳細には青色スペクトル領域の光を出射するように構成されてもよい。上述の半導体レーザは、好ましくは、自動車のヘッドアップディスプレイにおいて、またはレーザプロジェクタにおけるビーム源として、使用される。
【0028】
一実施形態によれば、放射透過素子、より詳細にはレーザハウジング用の放射出口窓は、基部素子、より詳細には放射出口窓基部素子、および基部素子上に配置されかつ基部素子にモノリシックに接続された1つまたは複数の光学素子を含む。この場合も、光学素子は、基部素子上にレーザ放射によって設けることができる物質を含むか、またはそのような物質で構成される。
【0029】
基部素子は、特に、放射出口窓基部素子であってもよく、その場合には、好ましくは、レーザ放射に対して透明な平面または略平面のシートであってもよい。
【0030】
前述の放射誘導素子を有する半導体レーザと同様に、1つまたは複数の光学素子を設けるためのレーザダイオードを操作することによって、光学素子を基部素子上に自己整合的に生成してもよい。
【0031】
光学素子は、レーザ放射を形成するように構成される。この素子は、屈折レンズであってもよい。レンズ効果によってレーザ放射が広がるように、レンズを構成してもよい。上記物質は、先に述べた物質、より具体的には二酸化ケイ素であってもよい。
【0032】
一実施形態によれば、光電子デバイスは、1つまたは複数の半導体レーザダイオードを含み、これらの半導体レーザダイオードはそれぞれ、レーザ放射を発生するための活性領域と、半導体レーザダイオードが配置された密閉レーザハウジングとを有する。上述の放射出口窓は、密閉レーザハウジングの一部である。レーザダイオードは、各レーザダイオードが光学素子のうちの1つに対応するように放射出口窓に対して配置され、この光学素子を介して、それぞれのレーザダイオードのレーザ放射を動作状態において出射することができる。
【0033】
レーザダイオードは、先に述べたタイプのうちの1つのレーザダイオード、例えば、端面発光レーザダイオードまたはVCSELアレイであってもよいが、ヘッドアップディスプレイまたはレーザプロジェクタにおけるビーム源としての使用が好ましい。
【0034】
対応する放射透過素子、より具体的には放射出口窓の製造方法において、まず、放射透過素子がステップS21において設けられる。続いて、ステップS22において、光学素子または複数の光学素子が放射透過素子に設けられる。この場合、放射透過素子は、まず、レーザ放射によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝される(ステップS22a)。次いで、レーザ放射が生成され、化学反応がレーザ放射によって誘発されることで、前駆体が、放射透過素子上にモノリシックに光学素子を形成する物質に変換される(ステップS22b)。
【0035】
光電子デバイスの製造方法では、まず、レーザ放射を発生させるための活性領域を有する少なくとも1つの半導体レーザダイオードが設けられる(ステップS31)。また、放射出口窓基部素子(ステップS32)を有する密閉レーザハウジングも設けられる。次いで、動作状態において、レーザダイオードのレーザ放射が放射出口窓基部素子を介して出射することができるように、レーザダイオードがレーザハウジング内に配置される(ステップS33)。ステップS34における放射出口窓基部素子への光学素子の設置は、ステップS34aにおいて、放射出口窓基部素子を、レーザ放射によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝らし、次いで、ステップS34bにおいて、化学反応が誘発され、前駆体が、放射出口窓基部素子上にモノリシックに少なくとも1つの光学素子を形成する物質に変換されるように、レーザダイオードを操作することによって行われる。
【0036】
ステップS34aにおいて、レーザハウジングの内部は、好ましくは、前駆体フリーに保たれる。
【0037】
詳細には、少なくとも1つのレーザダイオードは、上述したタイプのうちの1つのレーザダイオードであってもよい。上記物質は、先に述べた物質、より具体的には二酸化ケイ素であってもよく、その場合、前駆体は揮発性シリコーンであってもよい。
【0038】
以下、添付の概略図を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体レーザを示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体レーザの製造方法を示す図である。
【
図3】第2の実施形態に係る半導体レーザを示す図である。
【
図4】第3の実施形態に係る半導体レーザを示す図である。
【
図5】第2および第3の実施形態に係る半導体レーザの製造方法を示す図である。
【
図7】
図6に示す実施形態に係る放射出口窓の製造方法を示す図である。
【
図8】実施形態に係る密閉レーザハウジングを示す図である。
【
図9】
図8の実施形態に係る密閉レーザハウジングの製造方法を示す図である。
【0040】
図1は、第1の実施形態に係る半導体レーザ1を示す。半導体レーザ1は、支持体4上に配置された半導体レーザダイオード2を備える。本実施形態における支持体4と半導体レーザダイオード2との間には、はんだ40、41(ここでははんだ層)によってレーザダイオード2および支持体4に接続されるサブマウント(組立素子)42が設けられる。レーザダイオード2は、適切な電圧が印加されるとレーザ放射5を生成する活性領域20を有する。レーザ放射5は、放射出口領域22を介してレーザダイオード2から出射する。ここでは、レーザダイオード2は、端面発光型レーザダイオードである。したがって、放射出口領域22は、レーザファセット21の領域である。放射出口領域22内において、レーザファセット21上には放射誘導素子3が配置されている。あるいは、レーザダイオード2は、VCSELまたはPCSELであってもよい。
【0041】
放射誘導素子3は、レーザダイオード2にレーザ放射5によって設けることができる物質を備える、またはそのような物質で構成される。放射誘導素子3は、通常の大気中での半導体レーザ1の動作を可能にする素子、すなわち保護素子である。
【0042】
なお、ここでは、放射誘導素子3は、屈折レンズとして形成されている。したがって、放射誘導素子3は、レーザ放射5を大気に送ることができる放射結合面を有する放射結合素子30である。
【0043】
上述のように、放射誘導素子3は、レーザダイオード2にレーザ放射5によって設けることができる物質を備える。以下、対応する方法を、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0044】
この方法は、ステップS0の「スタート」で開始する。ステップS1において、レーザダイオード2が設けられる。その後、ステップS2において、放射誘導素子3がレーザダイオード2上に設けられる。ステップS2には、サブステップS2aおよびS2bが含まれる。ステップS2aでは、レーザダイオード2は、レーザ放射5によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝される。ステップS2bでは、レーザダイオードを操作して化学反応を誘発し、前駆体を、レーザダイオード2上の放射出口領域22に放射誘導素子3をモノリシックに形成する物質に変換する。詳細には、前駆体は、水素化シリコーンまたは揮発性シリコーンであってもよく、物質は二酸化ケイ素であってもよい。当該方法はステップSEの「エンド」で終了する。炭化水素が存在する場合、酸素との反応によってCO2に酸化され、プロセスの反応物質としては利用できなくなる。
【0045】
図3は、第2の実施形態に係る半導体レーザ1を示す。構成は、
図1に示す第1の実施形態と実質的に同じである。第2の実施形態に係る半導体レーザ1では、放射誘導素子3は、放射結合素子30ではない。すなわち、電磁放射が放射誘導素子3を介して直接大気中に出射されない。その代わりに、放射誘導素子3は、放射出口素子6に接続される。光ガイドとして、レーザダイオード2で発生したレーザ放射5を、放射出口素子6へと透過させる。放射出口素子6は、ここでは、レーザ放射5を(本例では直角に、すなわち約90°)偏向させるプリズム60である。半導体レーザダイオード2と同様に、このプリズムは、はんだ41を用いて支持体4上に配置される。
【0046】
レーザ放射5は、プリズム60の頂部側で90°偏向されて出射する。この種の配置は、特に、トップルッカーレーザハウジングと呼ばれるもの、すなわち、レーザ放射5がハウジングの基底面に垂直な上面から出射する半導体レーザハウジングとして使用することができる。基底面により、ハウジングを、例えば、プリント回路基板などの支持体上に接触して配置することができる。この場合、半導体レーザ1は、基底面に平行に延在するアセンブリ上に配置され、基底面に平行に(基底面の表面法線に垂直に)レーザ放射5を放出する。
【0047】
さらに、本実施形態では、プリズム60と半導体レーザダイオード2またはサブマウント42との間の空間に充填材7を充填して、当該空間を汚染物質から保護し、遮蔽し、および機械的に安定させる。
【0048】
図4は、第3の実施形態に係る半導体レーザ1を示す。第2の実施形態と同様の構成、すなわち、放射誘導素子3が、半導体レーザダイオード2および放射結合素子6にモノリシックに接続され、これらの素子間の光ガイドとして機能する構成を有する。ただし、放射結合素子6は、プリズム60ではなく、レンズ61(ここでは屈折レンズ)である。
【0049】
上述の実施形態の全てに共通しているのは、放射結合素子30、6のうちの1つを介して大気中に結合されたレーザ放射5が、通常の大気(例えば、300ケルビンの地上大気)中で光電子デバイスが動作可能になるように広げられることである。
【0050】
第2および第3の実施形態に係る半導体レーザ1の製造方法を
図5に示す。この方法は、ステップS
0の「スタート」で開始する。まず、ステップS
1において、半導体レーザダイオード2が設けられる。次に、ステップS
1aにおいて、レーザダイオード2の動作中、レーザ放射5が放射出口素子6を透過するように、放射結合素子6がレーザダイオード2に対して配置される。ここでは、レーザダイオード2および放射出口素子6の両方が、はんだ40、41、および任意でサブマウント42によって支持体4上に配置される。
【0051】
続いて、ステップS2において、レーザダイオード2を放射結合素子6にモノリシックに接続するように、放射誘導素子3がレーザダイオード2に設けられる。ステップS2には、サブステップS2aおよびS2bが含まれる。ステップS2aにおいて、レーザダイオード2および放射出口素子6の両方が、前駆体と大気に曝される。放射出口素子6とレーザダイオード2との間の間隔は、ステップS1bにおいて小さい値が選択され、これによりレーザダイオード2の動作のステップS2bにおいて、放射誘導素子3がレーザダイオード2上の放射出口領域22内に形成され、レーザダイオード2が放射誘導素子3にモノリシックに接続される。当該方法はステップSEの「エンド」で終了する。
【0052】
図6は、一実施形態に係る、放射出口窓8aとして構成された放射透過素子8を示す。放射出口窓8aは、放射出口窓基部素子80aとして構成された基部素子80を備える。放射出口窓基部素子80aは、レーザ放射5に対して透明な、平坦状またはシート状の素子、例えば、ガラス板であってもよい。放射出口窓基部素子80a上には、放射出口窓基部素子80aにモノリシックに接続された複数の光学素子31が配置される。これらの素子は屈折レンズである。これらは、レーザ放射5によって放射出口窓基部素子80aに設けることができる物質で構成される。
【0053】
この結果、
図6の放射出口窓8aは、
図7に示される製造方法によって特に簡単に生成することができる。ここで、最初のステップであるS
21は、放射出口窓基部素子80aを設けるものである。その後、ステップS
22で、光学素子が設けられる。ステップS
22aにおいて放射出口窓基部素子80aを、レーザ放射によって化学反応を誘発され得る前駆体5と大気に曝した後、ステップS
22bにおいてレーザ放射5を生成し、前駆体が放射出口窓基部素子80a上に光学素子31を形成する物質に変換することにより、光学素子が設けられる。当該方法はステップS
Eの「エンド」で終了する。
【0054】
この場合、好ましくは、放射出口窓基部素子80aの片側のみが前駆体に曝されることで、光学素子31が、放射出口窓基部素子80aの片側のみに形成される。素子は、例えば、保護ガスで充填されてもよい。
【0055】
図8は、上述の放射出口窓8aを有する密閉レーザハウジング9を有する光電子デバイス10を示す。密閉レーザハウジング9では、半導体レーザダイオード2が支持体4上に配置されている。また、レーザハウジング内に配置されたプリズム90が設けられる。この結果、半導体レーザダイオード2により出射された電磁放射5が、90度偏向されて放射出口窓8aを介して出射される。レーザダイオード2は、各レーザダイオード2に光学素子31の1つが対応するように、放射出口窓8aに対して相対的に配置され、動作状態のレーザダイオード2によって出射されるレーザ放射が、対応する光学素子31を通って出射するようになっている。
【0056】
代替の実施形態によれば、
図6に係る放射出口窓8a、および
図8に係る光電子デバイス10の場合、1つの光学素子31のみ、および1つの半導体レーザダイオード2のみが設けられるようにしてもよい。同様に、対応する半導体レーザダイオード2のレーザ放射5は、ビームスプリッターによって複数のレーザビームに分割されてもよく、および/またはレーザダイオードは複数の出射点を有してもよい。その場合、レーザダイオード2を、レーザ放射5が通って出射する2つ以上の光学素子31に割り当ててもよい。
【0057】
光電子デバイス10の製造時、原則として、対応する放射出口窓8aに光学素子31を設け、レーザダイオード2、サブマウント4およびプリズム90を収容したレーザハウジング9上に配置し、レーザ放射5が光学素子31を通って出射するように位置合わせしてもよい。
【0058】
しかし、光電子デバイス10は、
図9に示される方法に従って製造されることが好ましい。この方法は、ステップS
0の「スタート」で開始する。次に、ステップS
31において、レーザダイオードが設けられる。次に、ステップS
32において、密閉レーザハウジング9に放射出口窓基部素子80aを設ける。続くステップS
33において、動作状態において、レーザダイオード2のレーザ放射5が放射出口窓基部素子を介して出射することができるように、レーザダイオードがレーザハウジング9に配置される。
【0059】
続くステップS34では、光学素子31が、放射出口窓基部素子80aに設けられる。ステップS34には、サブステップS34aおよびS34bが含まれる。サブステップS34aでは、放射出口窓基部素子80aがレーザ放射5によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝され、サブステップS34bでは、最終的に、レーザダイオード2が動作され、化学反応が誘発されることで、前駆体が、放射出口窓基部素子80a上にモノリシックに光学素子31を形成する物質に変換される。当該方法はステップSEの「エンド」で終了する。
【0060】
上述した方法は、複数のレーザダイオード2に関連して説明したが、単一のレーザダイオード2を使用することも可能であり、その場合、出射点の数によっては、1つの光学素子31のみが生成される可能性もある。
【0061】
上述した方法は、原則として、すべての放射誘導素子3、より詳細には光学素子31を生成するために使用することができ、これは、開始するレーザ放射5のビーム形状によって実現することができる。
【0062】
密閉レーザハウジング9の内部91は、好ましくは、光学素子がそこに形成されないように、前駆体フリーに保たれる。
【0063】
上述したすべての方法により、放射出口窓基部素子80aまたはレーザダイオード2は、反応室によって前駆体に曝されてもよい。全ての実施形態において、前駆体は、特に、先述した前駆体の1つであってもよく、物質は先述した物質の1つであってもよい。
【0064】
本出願は、DE102022201340.9の優先権を主張する。優先権書類は、参照によりその全体が本開示に組み込まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 半導体レーザ
10 光電子デバイス
2 半導体レーザダイオード
20 活性領域
21 レーザファセット
22 放射出口領域
3 放射誘導素子
30 放射結合素子
31 光学素子
4 支持体
40 はんだ
41 はんだ
42 サブマウント
5 レーザ放射
6 放射結合素子
60 プリズム
61 レンズ
8 放射透過素子
8a 放射出口窓
80 基部素子
80a 放射出口窓基部素子
9 密閉レーザハウジング
90 プリズム
91 内部
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ放射(5)を生成するための活性領域(20)と、放射出口領域(22)とを有する半導体レーザダイオード(2)であって、レーザ放射は、前記放射出口領域(22)を通って前記半導体レーザダイオード(2)から出射可能である、半導体レーザダイオード(2)と、
前記レーザダイオード(2)上の前記放射出口領域(22)内に配置され、前記レーザダイオード(2)にモノリシックに接続される放射誘導素子(3)であって、前記放射誘導素子(3)は、前記レーザダイオード(2)上への前記レーザ放射(5)によって設けることができる物質を備える、または前記物質で構成されており、前記放射誘導素子(3)は、さらに放射結合素子(6)を備え、前記放射結合素子(6)は、前記放射誘導素子(3)にモノリシックに接続される、前記放射誘導素子(3)と、を備える、
前記放射誘導素子(3)の材料は、前記レーザ放射(5)によって前記レーザダイオード(2)に適用される、
半導体レーザ(1)。
【請求項2】
前記レーザダイオード(2)は、端面発光レーザダイオードであり、前記放射出口領域(22)は、レーザファセット(21)の領域であり、前記放射出口領域(22)内の前記放射誘導素子(3)は、前記レーザファセット(21)上に直接配置され、前記レーザファセット(21)にモノリシックに接続される、
請求項1に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項3】
前記放射誘導素子(3)は、通常の大気中での前記半導体レーザ(1)の動作を可能にするように構成される、
請求項
1に記載の半導体レーザ。
【請求項4】
前記放射結合素子(6)は、前記半導体レーザで生成され得る前記レーザ放射(5)のビーム経路に沿って、前記放射誘導素子(3)の後に位置する、
請求項
1に記載の半導体レーザ。
【請求項5】
前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項
1に記載の半導体レーザ。
【請求項6】
レーザ放射(5)を生成するための活性領域(20)と、放射出口領域(22)とを有する半導体レーザダイオード(2)であって、レーザ放射が、前記放射出口領域(22)を通って前記半導体レーザダイオード(2)から出射可能である前記半導体レーザダイオード(2)を設けるステップ(S
1)と、
放射結合素子(6)を設けるステップ(S
1a)と、
前記レーザダイオード(2)の動作中において、前記レーザ放射(5)が前記放射結合素子(6)を透過するように、前記放射結合素子(6)を前記レーザダイオード(2)に対して配置するステップ(S
1b)と、
前記放射出口領域(22)内の前記レーザダイオード(2)に放射誘導素子(3)を設けるステップ(S
2)と、を備え、前記ステップ(S
2)は、
前記レーザダイオード(2)および前記放射結合素子(6)の両方を、前記レーザ放射(5)によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝すステップ(S
2a)と、
化学反応を誘発し、前記前駆体を前記放射出口領域(22)に前記放射誘導素子(3)をモノリシックに形成する物質に変換して、前記レーザダイオード(2)を前記放射結合素子(6)にモノリシックに接続するように、前記レーザダイオード(2)を操作するステップ(S
2b)と、を備える、
半導体レーザ(1)の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体および前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の半導体レーザ(1)が製造される、
請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
レーザ放射を生成するための活性領域(20)をそれぞれ有する1つ以上の半導体レーザダイオード(2)と、
放射出口窓(8a)を有し、前記半導体レーザダイオード(2)が配置される、密閉レーザハウジング(9)と、を備え、
前記放射出口窓は、
放射出口窓基部素子(80a)と、
前記放射出口窓基部素子(80a)上に配置され、前記放射出口窓基部素子(80a)にモノリシックに接続された1つ以上の光学素子(31)と、を備え、
前記光学素子(31)は、前記放射出口窓基部素子(80a)上にレーザ放射によって設けることができる物質を備える、または前記物質で構成されており、
各レーザダイオード(2)が、動作状態において各レーザダイオード(2)のレーザ放射を通して出射できる前記光学素子(31)のうちの1つ以上に対応するように、前記レーザダイオード(2)が放射透過素子(8)に対して配置さ
れ、
前記光学素子(31)の材料は、前記レーザ放射によって前記放射出口窓基部素子(80a)に適用される、
光電子デバイス(10)。
【請求項10】
前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項9に記載の光電子デバイス。
【請求項11】
レーザ放射を生成するための活性領域(20)を有する1つ以上の半導体レーザダイオード(2)を設けるステップ(S
31)と、
放射出口窓基部素子(80a)を有する密閉レーザハウジング(9)を設けるステップ(S32)と、
動作状態において、前記レーザダイオード(2)のレーザ放射(5)が前記放射出口窓基部素子(80a)を介して出射できるように、前記レーザダイオード(2)をレーザハウジング(9)内に配置するステップ(S
33)と、
1つ以上の光学素子(31)を前記放射出口窓基部素子(80a)に設けるステップ(S
34)と、を備え、前記ステップ(S
34)は、
前記放射出口窓基部素子(80)を、レーザ放射(5)によって化学反応を誘発され得る前駆体と大気に曝すステップ(S
34a)と、
化学反応を誘発し、前記前駆体を、前記放射出口窓基部素子(80a)上にモノリシックに前記光学素子(31)を形成する物質に変換するように、前記レーザダイオード(2)を操作するステップ(S
34b)と、を備える、
光電子デバイス(10)の製造方法。
【請求項12】
前記前駆体および前記物質が、ケイ素、アルミニウム、タンタル、ハフニウムまたはチタンを含む、
請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】