IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ”プロテイン リソーシズ” スポルカ ゼット オグラニツォナ オドポヴィエジアルノシアの特許一覧

特表2025-505672死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置
<>
  • 特表-死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置 図1
  • 特表-死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置 図2
  • 特表-死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置 図3
  • 特表-死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】死んだ昆虫を検出する方法及びこの方法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20250220BHJP
   A01K 67/34 20250101ALI20250220BHJP
   G06V 10/143 20220101ALI20250220BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20250220BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250220BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
A01K67/033 502
G06V10/143
G06T7/90 Z
G06T7/00 350B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547084
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2024-09-10
(86)【国際出願番号】 PL2022050005
(87)【国際公開番号】W WO2023149808
(87)【国際公開日】2023-08-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524295548
【氏名又は名称】”プロテイン リソーシズ” スポルカ ゼット オグラニツォナ オドポヴィエジアルノシア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴウォダルチク、コンラッド
【テーマコード(参考)】
2G043
5L096
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA16
2G043CA05
2G043EA01
2G043FA01
2G043FA06
2G043KA02
2G043KA03
2G043KA05
2G043LA03
2G043NA01
2G043NA05
2G043NA06
5L096AA13
5L096CA17
5L096GA41
5L096KA04
(57)【要約】
死んだ昆虫をその断片も含めて検出する方法において、昆虫を紫外線源1の範囲内の、コンピュータ3に接続された画像記録デバイス2の視野内に配置し、紫外線を受けた昆虫の画像を画像記録デバイス2によって記録し、その後、そうして取得された画像を分析して、著しく明るい物体を識別することを特徴とする方法。本出願は、この方法によって死んだ昆虫を検出するための装置にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
死んだ昆虫をその断片も含めて検出する方法において、前記昆虫を紫外線源(1)の範囲内の、コンピュータ(3)に接続された画像記録デバイス(2)の視野内に配置し、紫外線を受けた前記昆虫の画像を前記画像記録デバイス(2)によって記録し、その後、そうして取得された前記画像を分析して、著しく明るい物体を識別することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記紫外線の波長は、365nmから395nmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記昆虫は、Coleoptera目の昆虫であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記昆虫は、Tenebrio molitor種、Alphitobius diaperinus種、又はZophobas morio種の昆虫であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記昆虫は様々な成長段階にあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像記録デバイス(2)は、デジタル・カムコーダー又はデジタル・カメラであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記画像の前記分析は、機械学習アルゴリズムを備えたコンピュータ・ソフトウェアを備えた前記コンピュータ(3)によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の死んだ昆虫の検出のための装置において、前記紫外線源(1)と、スクリーン(4)を備えた前記コンピュータ(3)に接続された前記画像記録デバイス(2)と、前記昆虫が入った容器(6)を搬送するための搬送ライン(5)とを備え、前記紫外線源(1)、前記カムコーダー(2)、及び前記搬送ライン(5)の動作は、前記コンピュータ(3)によって電子的に同期及び制御されることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記画像記録デバイス(2)は、デジタル・カムコーダー又はデジタル・カメラであることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピュータ(3)は、機械学習アルゴリズムを備えたコンピュータ・ソフトウェアを備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記紫外線源及び(1)前記画像記録デバイス(2)は、単一のデバイスに統合されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、特に昆虫の繁殖、飼育、又は処理に使用するための、死んだ昆虫をその断片も含めて検出する方法、及びこの方法を実施するための装置である。
【背景技術】
【0002】
工業規模での昆虫の繁殖及び飼育は、代替動物タンパク質を得るための最もダイナミックに発展している方法の1つである。しかし、その発展には、繁殖を手作業で行うことによる高いコストを下げること、特に死んだ被検体を識別可能にすることが必要である。昆虫の繁殖、飼育、及び処理の工程の自動化並びにロボット化は、利益を得るための鍵であり、食品及び飼料用のタンパク質を手に入れる従来の方法と競合し得るが、地球の生態系には有害である。昆虫の繁殖、飼育、及び処理における生産工程を制御及び最適化するために、機械学習アルゴリズムを使用し、人工知能を適用するには、手作業中の管理者の官能評価に代わる、視覚システムからの十分な量と質のデータの提供が必要である。この目的のために、紫外線の影響下で生成された昆虫の画像を使用することが可能である。
【0003】
生物の発光現象は、数百年にわたって人類に知られている。既に古代において、アリストテレスやガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、ある種の死んだ魚及び腐った木で観察される光の源について疑問を抱いていた(Biron K.:Fireflies、dead fish and a glowing bunny:a primer on bioluminescence. BioTeach J.、2003;1:19-26)。
【0004】
生きている昆虫では生物発光という現象が知られており、これはPhotinus pyralispyralis種の甲虫に存在するルシフェラーゼによって引き起こされる(Luker K.E.、Luker G.D.:Applications of bioluminescence imaging to antiviral research and therapy:multiple luciferase enzymes and quantitation. Antiviral Res.、2008;78:179187)。その存在は、Lampiridae科、Elateridae科、Phengodidae科のいくつかの種でも明らかになっている(Stevani C.V.、Oliveira A.G.、Mendes L.F.、Ventura F.F.、Waldenmaier H.E.、Carvalho R.P.、Pereira T.A.:Current status of research on fungal bioluminescence:biochemistry and prospects for ecotoxicological application. Photochem. Photobiol.、2013;89:1318-1326)。
【0005】
ある特定の生物の蛍光発光現象も知られており、これはトリガーとなる刺激によって光を放出するものである。一例は、紫外線の影響下におけるサソリの蛍光発光である。この場合、緑青色に近い光が放出される。この蛍光発光は、キチンの外層に存在するβ-カルボリン及び7-ヒドロキシ-4-メチルクマリンによって引き起こされる。
【0006】
工業生産において、昆虫は通常、成長段階及び大きさに従って分離され、高密度の単独の各群で飼育される。好ましくない環境条件が発生した場合、又は病原体が出現した場合、死亡は個々の被検体から始まって波及し、その後ますます多数に広がり、最終的には群全体、すなわち、1つの繁殖容器のすべての被検体が死滅する。死んだ被検体が十分に高率であると、致死要因を取り除いても繁殖群全体が死ぬ。つまり、最初に死んだ被検体を適切に早期に検出することが極めて重要であり、それにより、死亡を引き起こす好ましくない要因を特定し修正する十分に早い応答が可能になる。多くの場合、概して工程の停止によって生産品全体の死滅を免れる。
【0007】
極めて複雑ではあるが、死んだ幼生形の昆虫を、動きを検知する視覚システムによって識別することが可能である。しかしながら、動きが極めて小さい種又は発生段階(例えば、蛹)の場合、この方法による死んだ被検体の検出は不可能であるか、又は連続的な生産工程で効率的に使用するには時間がかかりすぎる。そのような場合、残された唯一の方法は、死んだ被検体の外観の変化、例えば、分解/乾燥の過程による色及び/又は形の変化を視覚的に評価することである。しかし、種や環境条件によっては、こうした過程の最初の徴候が現れるまでに最大で死後7日かかり、その間に、通常は群全体が感染し、改善処置を行うには既に手遅れとなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Biron K.:Fireflies、dead fish and a glowing bunny:a primer on bioluminescence. BioTeach J.、2003;1:19-26
【非特許文献2】Luker K.E.、Luker G.D.:Applications of bioluminescence imaging to antiviral research and therapy:multiple luciferase enzymes and quantitation. Antiviral Res.、2008;78:179187
【非特許文献3】Stevani C.V.、Oliveira A.G.、Mendes L.F.、Ventura F.F.、Waldenmaier H.E.、Carvalho R.P.、Pereira T.A.:Current status of research on fungal bioluminescence:biochemistry and prospects for ecotoxicological application. Photochem. Photobiol.、2013;89:1318-1326
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、白色光で目に見える変化が現れる前に、死んだ被検体をできるだけ早く検出することを可能にする、死んだ昆虫を検出する方法を開発することである。それは、様々な波長の紫外線の使用により、他の方法でこの現象を検出可能な徴候が現れる数日前に、死んだ昆虫を正確に検出できることが意外にも判明したためであるが、これまでは、死んだ昆虫の蛍光発光現象も死んだ被検体による光の反射現象も知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、死んだ昆虫をその断片も含めて検出する方法であり、この方法は、昆虫を紫外線源の範囲内の、コンピュータに接続された画像記録デバイスの視野内に配置し、紫外線を受けた昆虫の画像を画像記録デバイスによって記録し、その後、そうして取得された画像を分析して、死んだ被検体を構成する著しく明るい物体を識別することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、紫外線の波長は365nmから395nmの範囲である。
【0012】
好ましくは、昆虫はColeoptera目の昆虫である。
【0013】
好ましくは、昆虫は、Tenebrio molitor種、Alphitobius diaperinus種、又はZophobas morio種の昆虫である。
【0014】
好ましくは、昆虫は様々な成長段階にある。
【0015】
好ましくは、画像記録デバイスは、デジタル・カムコーダー又はデジタル・カメラである。
【0016】
好ましくは、画像の分析は、機械学習アルゴリズムを備えたコンピュータ・ソフトウェアを備えたコンピュータによって行われる。
【0017】
本発明の目的はまた、死んだ昆虫を検出するための装置であり、装置は、紫外線源と、スクリーンを備えたコンピュータに接続された画像記録デバイスと、昆虫が入った容器を搬送するための搬送ラインとを備え、紫外線源、カムコーダー、及び搬送ラインの動作は、コンピュータによって電子的に同期及び制御される。
【0018】
好ましくは、画像記録デバイスは、デジタル・カムコーダー又はデジタル・カメラである。
【0019】
好ましくは、コンピュータは、機械学習アルゴリズムを備えたコンピュータ・ソフトウェアを備える。
【0020】
好ましくは、紫外線源及び画像記録デバイスは、単一のデバイスに統合される。
【0021】
本発明による方法は、手作業における簡単な手動デバイスと、ロボット化された技術的なラインにおける高度な照明装置との両方を用いて実施することができる。死んだ被検体の検出に紫外線を使用することにより、官能的方法又は他の視覚システムを用いるよりも早い識別がいつでも可能になる。
【0022】
本発明の目的の実施例が図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】死んだ被検体を区別することができない白色光での昆虫の写真である。
図2】死んだ被検体を構成する著しく明るい物体が見える紫外光での写真である。
図3】死んだ昆虫を検出するための装置の概略図である。
図4】画像記録デバイスを紫外光源と一体化して示す、死んだ昆虫を検出するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
「実例1」
成虫形へ変態中のA.diaperinus種の蛹が入った繁殖容器6を繁殖ラックに配置し、容器6を写真用カメラの形の画像記録デバイス2の視野内の紫外線源1の範囲内に置いた。次の6日間、容器6に入れられた昆虫は紫外線を受け、同時に写真が撮影された。この容器6の写真は、白色光でも撮影した。初日に、1つの物体による紫外線の反射が観察され、これが1つの死んだ蛹であることが分かった。その後、紫外線を反射する物体の数が増加し、これらの物体がさらなる死んだ被検体であることが確認された。死んだ被検体が光を反射する能力は、最初は増大し、その後5日目から低下することが観察された。6日目には、紫外光を反射する物体を示さない画像が取得された。同時に、同じ日には既に、進行した分解過程が起きている結果が白色光で認められた。
【0025】
意外にも、紫外線の影響下における死んだ被検体の明るい画像の生成は、異なる波長の様々な強度で起こることが分かったが、その結果は、一般的に使用される365nm及び395nmの紫外線で既に得られている。観察された現象は、死後数時間で生じ(昆虫の場合、生命作用終了の瞬間を正確に決めることは難しい)、分解過程に起因する外観の変化が起こるまで続いた。高湿度の条件下では、分解過程によって、形状のわずかな変化とともに、白色光において死んだ被検体の色の変化が引き起こされることを考慮した。低湿度の環境では、乾燥する死んだ被検体の色の変化は小さいが、形状はかなりの修正を受ける。紫外線の影響下で引き起こされる現象は、環境の湿度及び温度のレベルに関係なく、死亡の瞬間から死んだ被検体の分解又は乾燥の徴候が現れるまで見出されることが観察された。
【0026】
「実例2」
様々な成長段階のTenebrio molitor種の昆虫が入った繁殖容器6を、スクリーニングの工程にかけた。未消化の餌及び糞から昆虫を機械的に分離した後、白色光、その後、波長395nmの紫外光を、幼生期の被検体が入った容器6の中央部分の選択された領域に当てた。画像記録デバイス2のディスプレイには、紫外光を顕著に反射する物体を識別できる画像が取得され、その後、それらの物体を分析した。この分析により、紫外線を顕著に反射する3つの物体は、白色光で認識可能な分解過程の兆候がまだ示されていない死んだ被検体であることが示された。1つの被検体は、分離工程で機械的に損傷を受けていた。
【0027】
「実例3」
小麦ふすまの形の繁殖基体を、ランダムに選択された変態期のTenebrio molitor種の被検体と共にペトリ皿に入れた。皿は、白色光、その後、波長365nm及び395nmの紫外線の影響を受けた。デジタル・カメラの形の画像記録デバイス2によって、画像を取得した。コンピュータ4のディスプレイには、被検体の一部が波長365及び395nmの紫外線を顕著に反射し、一部は反射していないことが明確に認められた。すべての被検体の詳細な分析の後、紫外光を反射する物体は死んだ蛹であり、反射しない物体は、分解が進行した段階にある幼生形、抜け殻、及び生きた蛹の単一の被検体であると結論づけられた。
【0028】
「実例4」
Coleoptera目の昆虫が入った繁殖容器6を搬送ライン5に配置し、その後、試験される繁殖容器6を、コンピュータ3に接続されたカムコーダー2の視野内の紫外線源1の範囲内に固定した。その後、紫外線源1を作動させ、波長365nmの放射を繁殖容器6に当てた。その後、カムコーダー2からの画像を、コンピュータ3のディスプレイ4で観察し、各領域の明るさを判断するコンピュータ・ソフトウェアを用いた処理にかけた。カムコーダー2からの画像に、著しく明るい領域が観察されたため、この容器6を搬送ライン5から取り外し、明るい領域を構成する被検体を容器6から手で取り除いた。その後、これらの被検体が死んでいると結論づけられた。
【0029】
「実例5」
Zophobas morio種が入った繁殖容器6を搬送ライン5に配置し、その後、試験される繁殖容器6を、コンピュータ3に接続されたカムコーダー2の視野内の紫外線源1の範囲内に固定した。その後、紫外線源1を作動させ、波長395nmの放射を繁殖容器6に当てた。その後、カムコーダー2からの画像を、コンピュータ3のディスプレイ4で観察し、各領域の明るさを判断するコンピュータ・ソフトウェアを用いた処理にかけた。カムコーダー2からの画像に、著しく明るい領域が観察されたため、この容器6を搬送ライン5から取り外し、明るい領域を構成する被検体を容器6から手で取り除いた。その後、これらの被検体が死んでいると結論づけられた。
【0030】
添付の図3に示されるように、死んだ昆虫を検出するための装置は、紫外線源1と、スクリーン4を備え、好ましくは機械学習アルゴリズムに基づいて各領域の明るさを判断するコンピュータ・ソフトウェアを備えたコンピュータ3に接続されたカムコーダー2とを含む。紫外線源1及びカムコーダー2は、図4に示されるように単一のデバイスに統合することができる。死んだ被検体を検出するための装置は、昆虫が入った容器6がそれに沿って搬送される搬送ライン5に接続することができる。紫外線源1、カムコーダー2、及び搬送ライン5の動作は、コンピュータ3によって電子的に同期及び制御されることが好ましい。
【0031】
機械学習アルゴリズム及び人工知能に情報を伝達する視覚システムに紫外線を使用することにより、視覚システムはこれまで得られなかったレベルまで向上し、すなわち、ヒューマン・ファクタによる分析の効率及び複雑さと同等になるだけではなく、それを超えることも可能になる。学習用のニューラル・ネットワークに基づいて生成されたものを含む、機械学習アルゴリズムに基づくコンピュータ・ソフトウェアを使用することにより、紫外線の反射強度に基づいて昆虫の死亡時期を正確に決定することが可能である。
【0032】
本発明による方法は、特に昆虫の繁殖、飼育、及び処理に有用であることを理解することができる。死んだ被検体を早期に検出し、死んだ被検体をその後の処置から直ちに取り除くことは、生産バッチ全体の品質及び安全性にとって重要である。本発明による方法は、基本的にそうした被検体の早期検出のための唯一の方法である。また、極めて効率的且つ安価な方法であり、どんなの製品搬送速度の生産ラインにも適用可能である。
【0033】
本発明による方法は、糞の中の死んだ被検体及び/又はその断片の検出に使用することも可能である。適用される糞の分離技術によっては、この工程で昆虫が損傷を受け、その断片又は死んだ被検体全体が最終製品に混入する恐れがある。それらを直接的に糞の処理ラインで迅速に識別できることは、生産の効率及び安全性にとって重要である。
【0034】
さらに、本発明による方法は、幼虫と成虫の被検体の両方での共食いの初期の兆候の検出にも、昆虫のライフサイクルの最も重要な時期の1つである、栄養を集中的に求める幼虫が新鮮な蛹を傷つける変態期にも完全に機能する。共食い現象を適切に早期に検出することにより、その排除に役立つ適切な成分を含む餌を補給することが可能になる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】