(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】パーソナルケアポッド
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20250220BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20250220BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20250220BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/11
A61K8/73
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547145
(86)(22)【出願日】2023-02-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2023012753
(87)【国際公開番号】W WO2023158591
(87)【国際公開日】2023-08-24
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナド、サウガタ
(72)【発明者】
【氏名】クロイツ、セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】シモン、クリステル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC172
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC792
4C083AD202
4C083AD261
4C083AD262
4C083CC23
4C083CC38
4C083CC39
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD47
4C083EE09
4C083EE28
4C083FF04
(57)【要約】
自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。パーソナルケアポッドを使用する方法もまた、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアポッドであって、
自立型フィルムであって、前記自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、前記架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、
パーソナルケア製剤と、
を含み、
前記自立型フィルムが、空洞を形成し、前記パーソナルケア製剤が、前記空洞内に配置されており、前記パーソナルケア製剤が、前記自立型フィルムと接触しており、前記自立型フィルムが前記パーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッド。
【請求項2】
前記パーソナルケア製剤が、シャンプー、コンディショニングシャンプー、ヘアコンディショナー、ハンドクレンザー、洗顔料、ボディウォッシュ、皮膚保湿製剤(手/顔/体)、シェービングクリーム、及び局所用医薬からなる群から選択される、請求項1に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項3】
前記自立型フィルムが、5~200μmの平均厚さを有する、請求項1に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項4】
前記架橋セルロースエーテルが、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルであり、前記不可逆的に架橋されたセルロースエーテル中の前記ポリエーテル基が、2~100個のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基である、請求項3に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項5】
前記不可逆的に架橋されたセルロースエーテルが、ベースセルロースエーテル及び架橋結合を含み、前記架橋結合が、前記ポリエーテル基を含有し、前記ベースセルロースエーテルが、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を含有する、請求項4に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項6】
(a)前記自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、
(b)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の架橋剤、
(c)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の、20,000~2,000,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)、
(d)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%の、400超~5,300ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(アルキレングリコール)、
(e)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の可塑剤、
(f)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーであって、少なくとも部分的に中和されているポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマー、及び
(g)前記自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項7】
前記自立型フィルムが、
前記自立型フィルムの重量に基づいて20~95重量%の前記架橋セルロースエーテルであって、前記架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、
前記自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%の前記部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)と、
を含む、請求項1に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項8】
前記自立型フィルムが、任意選択の添加剤を更に含み、前記任意選択の添加剤が、防腐剤、酸化防止剤、粘度調整剤、溶解度調整剤、抗菌剤、結合剤、キレート化剤、充填剤、増量剤、消泡剤、潤滑剤、離型剤、ブロッキング防止剤、粘着付与剤、癒合剤、脱粘着剤、及びナノ粒子からなる群から選択される、請求項7に記載のパーソナルケアポッド。
【請求項9】
請求項1に記載のパーソナルケアポッドを使用する方法であって、前記パーソナルケアポッドが、単回使用パーソナルケアポッドであり、
前記単回使用パーソナルケアポッドに水を適用して前記自立型フィルムを溶解又は分散させ、前記パーソナルケア製剤を放出させることと、
前記パーソナルケア製剤を皮膚又は毛髪に塗布することと、
を含む、方法。
【請求項10】
パーソナルケア製剤を形成する方法であって、
請求項1に記載のパーソナルケアポッドであって、前記パーソナルケアポッドがパーソナルケア濃縮物ポッドであり、前記パーソナルケア濃縮物ポッドに収容される前記パーソナルケア製剤がパーソナルケア製剤濃縮物である、パーソナルケアポッドを提供することと、
容器を提供することと、
前記容器に水を添加することと、
前記容器に前記パーソナルケア濃縮物ポッドを添加することと、
前記容器の内容物を撹拌することと、
前記水に前記パーソナルケア濃縮物ポッドの前記自立型フィルムを溶解又は分散させることと、
前記水を前記パーソナルケア濃縮物ポッドからの前記パーソナルケア製剤濃縮物と混合して、前記容器内で使用濃度パーソナルケア製剤を形成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルケアポッドに関する。具体的には、本発明は、パーソナルケアポッドであって、自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドに関する。
【0002】
パーソナルケア製品(例えば、シャンプー、ボディウォッシュ、ヘアコンディショナー、シェービングクリーム)は、典型的には、液体又はゲルの形態で消費者に販売される。これらのパーソナルケア製品は、一般に、かなりの量の水と組み合わせて活性成分(例えば、界面活性剤、コンディショナー)を含有する。これらのパーソナルケア製品はまた、典型的には、複数の用途のために十分な製品が入った容器で消費者に商業的に提供される。このようなパーソナルケア製品形態は、多くの消費者用途に適しているが、(例えば、旅行及びホスピタリティ業界で使用のための)単回使用形態及び消費者が水の添加を通して使用濃度パーソナルケア製剤を形成することを可能にする複数回使用濃縮形態、特にパーソナルケア製剤を作製するために使用される水の大部分とは別にパーソナルケア活性成分を包装及び輸送することを可能にする形態が依然として必要とされている。
【0003】
ホスピタリティ/旅行業界で使用する場合、パーソナルケア製品は小さなプラスチックボトルで提供されてきた。しかしながら、これらの形態では、包装対製品比が望ましくないほど高くなり、より高いコスト及び廃棄物の増加の原因となる。
【0004】
米国特許第11,045,397号において、Sternらは、衛生製品ポッド及びその使用方法を開示している。具体的には、Sternらは、水溶性エンベロープと、エンベロープ内に密封された乳化液体衛生製品と、を含む衛生製品ポッドであって、衛生製品が、衛生製品の総重量に基づいて、約10重量%~約40重量%の範囲の量(around)の界面活性剤と、約10重量%~約30重量%の範囲の量の第1のポリオールであって、衛生製品の総重量に基づいて約10重量%~約20重量%の範囲の量のプロピレングリコールを含む第1のポリオールと、約1重量%~約10重量%の範囲の量のグリセリンと、任意選択で、6重量%未満の量のジプロピレングリコールと、5重量%未満の量のヘキシレングリコールと、約10重量%~約50重量%の範囲の量の第2のポリオールであって、カプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-3、ラウリン酸ポリグリセリル-3、及びポリグリセリル-6エステルからなる群から選択される少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル(PGE)である第2のポリオールと、約5重量%~約40重量%の範囲の量の液体アミドと、を含み、約9重量%以下の自由水含有量を有する、衛生製品ポッドを開示している。
【0005】
従来通り包装された濃縮物に関する1つの問題は、パッケージに組み込まれた濃縮製剤中に従来のレオロジー調整剤を安定に配合することが困難であることを考慮すると、その濃縮物を用いて形成されたパーソナルケア製剤が不適切な粘度を有することである。ポッドから形成される組成物における粘度の欠如は、消費者によって否定的にみられる可能性があり、レオロジーが必要とされ得る場合、例えば、シャンプー及びボディウォッシュ製剤の性能を不利に妨げる可能性がある。
【0006】
したがって、形成されるパーソナルケア製品が向上した粘度を有する、パーソナルケア製品を調製するための包装されたパーソナルケアポッドが引き続き必要とされている。具体的には、自立型フィルム組成物が依然として必要とされており、このような自立型フィルム組成物を用いて作製されたパーソナルケアポッドによって形成されるパーソナルケア製剤に増粘効果を付与することができる。
【0007】
本発明は、自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0008】
本発明は、自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、5~200μmの平均厚さを有し、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0009】
本発明は、自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、架橋セルロースエーテルが、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルであり、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0010】
本発明は、自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、パーソナルケア製剤と、を含み、架橋セルロースエーテルが、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルであり、不可逆的に架橋されたセルロースエーテル中のポリエーテル基が、2~100個のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であり、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0011】
本発明は、(i)自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、(a)自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、(b)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の架橋剤、(c)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の、20,000~2,000,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)、(d)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%の、400超~5,300ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(アルキレングリコール)、(e)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%の可塑剤、(f)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーであって、少なくとも部分的に中和されているポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマー、及び(g)自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)のうちの少なくとも1つと、を含む自立型フィルムと、(ii)パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0012】
本発明は、(i)自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~95重量%の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)と、を含む自立型フィルムと、(ii)パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムが、空洞を形成し、パーソナルケア製剤が、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤が、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムがパーソナルケア製剤を封入している、パーソナルケアポッドを提供する。
【0013】
本発明は、本発明のパーソナルケアポッドを使用する方法であって、パーソナルケアポッドが単回使用パーソナルケアポッドであり、単回使用パーソナルケアポッドに水を適用して自立型フィルムを溶解又は分散させ、パーソナルケア製剤を放出させることと、パーソナルケア製剤を皮膚又は毛髪に塗布することと、を含む方法を提供する。
【0014】
本発明は、パーソナルケア製剤を形成する方法であって、本発明のパーソナルケアポッドであって、パーソナルケアポッドがパーソナルケア濃縮物ポッドであり、パーソナルケア濃縮物ポッドに収容されるパーソナルケア製剤がパーソナルケア製剤濃縮物である、パーソナルケアポッドを提供することと、容器を提供することと、容器に水を添加することと、容器にパーソナルケア濃縮物ポッドを添加することと、容器の内容物を撹拌することと、水にパーソナルケア濃縮物ポッドの自立型フィルムを溶解又は分散させることと、水をパーソナルケア濃縮物ポッドからのパーソナルケア製剤濃縮物と混合して、容器内で使用濃度パーソナルケア製剤を形成することと、を含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、パーソナルケア製剤を含むパーソナルケアポッドを使用して形成される最終使用パーソナルケア製剤の著しい増粘を促進する独自の自立型フィルムを見出した。
【0016】
別段示されない限り、比、百分率、部などは、重量によるものである。
【0017】
本明細書で使用される場合、別段示されない限り、「分子量」又はMwという語句は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)及びポリアクリル酸標準を用いる従来の方式で測定された重量平均分子量を指す。GPCの技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-lnterscience,1979、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳述されている。分子量は、本明細書ではダルトンの単位で報告される。
【0018】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「DS」という用語は、Zeisel法によって求められる、セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのアルキル置換OH基の数を意味する。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「DS(メチル)」又は「DS(M)」という用語は、Zeisel法によって求められる、セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのメチル置換OH基の数を意味する。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「MS」という用語は、Zeisel法によって求められる、セルロースエーテル中のヒドロキシアルキル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「MS(ヒドロキシエチル)」又は「MS(HE)」という用語は、Zeisel法によって求められる、セルロースエーテル中のヒドロキシエチル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「MS(ヒドロキシプロピル)」又は「MS(HP)」という用語は、Zeisel法によって求められる、セルロースエーテル中のヒドロキシプロピル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0023】
「Zeisel法」という用語は、MS及びDSを求めるためのZeisel切断手順を指す。G.Bartelmus and R.Ketterer,Zeitschrift fuer Analytische Chemie,Vol.286(1977,Springer,Berline,DE),pages 161-190を参照されたい。
【0024】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドは、(i)自立型フィルムであって、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む自立型フィルムと、(ii)パーソナルケア製剤と、を含み、自立型フィルムは、空洞を形成し、パーソナルケア製剤は、空洞内に配置されており、パーソナルケア製剤は、自立型フィルムと接触しており、自立型フィルムは、パーソナルケア製剤を封入している。
【0025】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含む(好ましくは、架橋セルロースエーテルは、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである)。
【0026】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、5~200μm(好ましくは、20~100μm、より好ましくは、35~100μm、最も好ましくは、40~85μm)の平均厚さを有する。
【0027】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、MSTM 205に従って蒸留水を使用して40℃で測定したときに90秒未満の崩壊時間を有する。
【0028】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、水溶性である。「水溶性」という用語は、本発明の自立型フィルムに関して本明細書で使用される場合、自立型フィルムの試料(0.5インチ×1.5インチ×76μm)を試料バイアル内の5~25℃の温度を有する水道水20mLに入れ、2分間静置し、次いで、60秒間振盪し、次いで、0.025mmメッシュスクリーンを通して濾過したとき、実施例において本明細書に記載される手順に従って、わずかな曇りしか認められず、残留物もグリットも観察されないことを意味する。
【0029】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、25℃の蒸留水中でMSTM(MonoSol標準試験方法)205に従って実施されるフィルム溶解性試験に基づいて水溶性である。
【0030】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル基とアルキルエーテル基と、を含有する混合セルロースエーテルである。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースである。
【0031】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースはいずれも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を含有する混合セルロースエーテルであり、架橋セルロースはいずれも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。更により好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、架橋セルロースはいずれも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~100重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、98重量%以下、より好ましくは、95重量%以下、最も好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、ベースセルロースエーテルと架橋結合と、を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースであり、架橋セルロースはいずれも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。
【0032】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有する。より好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有し、ポリエーテル基は、1つの架橋当たり2~100個(好ましくは2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基である。最も好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有し、ポリエーテル基は、1つの架橋当たり2~100個(好ましくは、2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシプロピレン基を有するポリオキシプロピレン基である。
【0033】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋結合を有する、ベースセルロースエーテルを含む。好ましくは、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、アルキルセルロースエーテル、及びそれらの組み合わせから選択される。ベースセルロースエーテルの例としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、疎水変性エチルヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、及びスルホエチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。好ましくは、ベースセルロースエーテルは、アルキルヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシアルキルメチルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、及びエチルヒドロキシエチルセルロース)などの、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基の両方を含有する混合セルロースエーテルである。
【0034】
好ましくは、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換を含有する。より好ましくは、ベースセルロースエーテルは、1.5~4.5(好ましくは、2.0~3.0)のヒドロキシエチルエーテル置換度MS(HE)、又はヒドロキシプロピルエーテル置換度MS(HP)を有する。
【0035】
好ましくは、ベースセルロースエーテルは、メチルエーテル置換を含有する。より好ましくは、ベースセルロースエーテルは、1.2~2.1(好ましくは、1.3~1.7、より好ましくは、1.35~1.60)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する。
【0036】
好ましくは、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換及びアルキルエーテル置換を含有する混合セルロースエーテルである。より好ましくは、ベースセルロースエーテルは、0.05~0.75(好ましくは、0.15~0.45、より好ましくは、0.20~0.40)のヒドロキシエチルエーテル置換度MS(HE)、及び1.2~2.1(好ましくは、1.3~1.7、より好ましくは、1.35~1.60)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する混合セルロースエーテルである。
【0037】
好ましくは、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換及びアルキルエーテル置換を含有する混合セルロースエーテルである。より好ましくは、ベースセルロースエーテルは、0.1~1.5(好ましくは、0.2~1.2)のヒドロキシプロピルエーテル置換度MS(HP)及び1.2~2.1(好ましくは、1.3~2.0)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する混合セルロースエーテルである。
【0038】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋結合を有する、ベースセルロースエーテルを含み、ベースセルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースであり、架橋結合は、ポリオキシプロピレンジオキシエチレンエーテル架橋結合であり、例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロースとポリプロピレングリコール(PPG)グリシジルエーテルとの反応生成物として生成されたものである。
【0039】
ベースセルロースエーテルを架橋して架橋セルロースエーテルを形成するために使用される架橋剤としては、ポリオキシアルキレン又はポリ(アルキレン)グリコール基と、2つ以上(好ましくは、2つ)の架橋基、例えば、ベースセルロースエーテルとエーテル結合を形成して架橋セルロースエーテルを形成するハロゲン基、グリシジル又はエポキシ基、及びエチレン性不飽和基(例えば、ビニル基)と、を有する化合物が挙げられる。好ましくは、架橋剤は、1,2-ジクロロ(ポリ)アルコキシエーテル、ジクロロポリオキシエチレン、ジグリシジルポリアルコキシエーテル、ジグリシジルホスホネート、スルホン基を含有するジビニルポリオキシアルキレンからなる群から選択される。2つの異なるタイプの官能基を有する架橋剤を使用してもよい。例としては、ジグリシジルポリオキシプロピレン及びグリシジル(ポリ)オキシアルキルメタクリレートが挙げられる。好ましくは、架橋剤は、1分子当たり2~100個(好ましくは、2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシアルキレン基を含有する。
【0040】
好ましくは、架橋セルロースエーテル中に含まれる架橋剤の量は、0.0001~0.05当量(好ましくは、0.0005~0.01当量、より好ましくは、0.001~0.005当量)の範囲であり、1「当量」は、架橋剤の、ベースセルロースエーテル中の無水グルコース単位(AGU)のモル数に対するモル比を表す。
【0041】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。すなわち、架橋セルロースエーテル中の架橋結合は、通常条件下での架橋セルロースエーテルの意図された使用中には切断されない。対照的に、可逆的架橋結合は、通常条件下での架橋セルロースエーテルの意図された使用中に切断される。洗濯洗剤製剤での使用が意図されるセルロースエーテルにおける可逆的架橋結合の例は、アルデヒド系架橋剤(例えば、グリオキサール)を使用して生成されるものであり、この架橋結合は、水中で架橋材料が溶解する際に分解する。
【0042】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、(a)自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%(好ましくは、5~75重量%、より好ましくは、7.5~60重量%、最も好ましくは、10~40重量%)の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)(好ましくは、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)は、75~99%加水分解されている(より好ましくは、80~99%加水分解されており、最も好ましくは、90~99%が加水分解されている))、(b)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%、(好ましくは、10~40重量%、より好ましくは、15~40重量%、最も好ましくは、20~35重量%)の架橋剤、(c)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは1~40重量%、より好ましくは、5~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)の、20,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~1,000,000ダルトン、より好ましくは、250,000~750,000ダルトン、最も好ましくは、350,000~650,000ダルトン)の重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)、(d)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%(好ましくは、1~25重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、4~7.5重量%)の、400超~5,300ダルトン(好ましくは、500~1,500ダルトン、より好ましくは、750~1,200ダルトン、最も好ましくは、800~1,000ダルトン)の重量平均分子量を有するポリ(アルキレングリコール)、(e)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは1~40重量%、より好ましくは、2~35重量%、最も好ましくは、5~25重量%)の可塑剤、(f)自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーであって、少なくとも部分的に中和された(好ましくは、中和度が50~100%、より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%である)、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマー、及び(g)自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)(好ましくは、ポリ(ビニルピロリドン)は、5,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、10,000~1,500,000ダルトン、より好ましくは、20,000~100,000ダルトン、最も好ましくは、20,000~50,000ダルトン)の重量平均分子量を有する)(好ましくは、自立型フィルム中の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)対ポリ(ビニルピロリドン)の重量比は、10超:1(好ましくは、少なくとも100:1、より好ましくは、少なくとも150:1、最も好ましくは、150:1~600:1)である)のうちの少なくとも1つを含む。
【0043】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて20~95重量%(好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも40重量%、最も好ましくは、少なくとも60重量%)(好ましくは、90重量%以下)の架橋セルロースエーテルであって、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%(好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは、少なくとも10重量%)(好ましくは、75重量%以下、より好ましくは、60重量%以下、最も好ましくは、40重量%以下)の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)(好ましくは、75~99%加水分解されており、より好ましくは、80~99%加水分解されており、最も好ましくは、90~99%加水分解されている)と、を含む。
【0044】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%(好ましくは、5~75重量%、より好ましくは、7.5~60重量%、最も好ましくは10~40重量%)(好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは、少なくとも10重量%)(好ましくは、75重量%以下、より好ましくは、60重量%以下、最も好ましくは、40重量%以下)の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)(好ましくは、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)は、75~99%加水分解されている(より好ましくは、80~99%加水分解されており、最も好ましくは、90~99%加水分解されている)を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは自立型フィルムの重量に基づいて5~80重量%(好ましくは、5~75重量%、より好ましくは、7.5~60重量%、最も好ましくは10~40重量%)(好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは、少なくとも10重量%)(好ましくは、75重量%以下、より好ましくは、60重量%以下、最も好ましくは、40重量%以下)の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)であって、10,000~250,000ダルトン(好ましくは、20,000~175,000ダルトン、より好ましくは、30,000~100,000ダルトン、最も好ましくは、55,000~80,000ダルトン)の重量平均分子量を有する部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)(好ましくは、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)は、75~99%加水分解されている(より好ましくは、80~99%加水分解されており、最も好ましくは、90~99%加水分解されている)、を更に含む。
【0045】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、10~40重量%、より好ましくは、15~40重量%、最も好ましくは、20~35重量%)の架橋剤を更に含む。より好ましくは、本発明の自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、10~40重量%、より好ましくは、15~40重量%、最も好ましくは、20~35重量%)の架橋剤であって、イオン性架橋剤(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ金属塩、及びそれらの混合物)である架橋剤を更に含む。好ましくは、架橋剤は、Ca2+、Mg2+、Al2+、Al3+、Zn2+、及びそれらの混合物を含むイオン性架橋剤から選択される。より好ましくは、架橋剤は、Ca2+、Zn2+、及びそれらの混合物を含むイオン性架橋剤から選択される。好ましくは、カチオンは、水溶性無機塩又は錯体、例えば、CaCl2、ZnO、重炭酸亜鉛アンモニウムとして提供される。
【0046】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、5~25重量%、最も好ましくは、10~15重量%)のポリ(エチレンオキシド)を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、5~25重量%、最も好ましくは、10~15重量%)のポリ(エチレンオキシド)を含み、ポリ(エチレンオキシド)は、20,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~1,000,000ダルトン、より好ましくは、250,000~750,000ダルトン、最も好ましくは、350,000~650,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0047】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%(好ましくは、1~25重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、4~7.5重量%)のポリ(アルキレングリコール)を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%(好ましくは、1~25重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、4~7.5重量%)のポリ(アルキレングリコール)を更に含み、ポリ(アルキレングリコール)は、400超~5,300ダルトン(好ましくは、500~1,500ダルトン、より好ましくは、750~1,200ダルトン、最も好ましくは、800~1,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~35重量%(好ましくは、1~25重量%、より好ましくは、2~15重量%、最も好ましくは、4~7.5重量%)のポリ(アルキレングリコール)を更に含み、ポリ(アルキレングリコール)は、400超~5,300ダルトン(好ましくは、500~1,500ダルトン、より好ましくは、750~1,200ダルトン、最も好ましくは、800~1,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、ポリ(アルキレングリコール)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマーである。
【0048】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、2~35重量%、最も好ましくは、5~25重量%)の可塑剤を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、2~35重量%、最も好ましくは、5~25重量%)の可塑剤を更に含み、可塑剤は、ジプロピレングリコール、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、アドニトール、ズルシトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、最大400ダルトンの重量平均分子量を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、最大400ダルトンの重量平均分子量を有するポリエーテルポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、2~35重量%、最も好ましくは、5~25重量%)の可塑剤を更に含み、可塑剤は、ジプロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~45重量%(好ましくは、1~40重量%、より好ましくは、2~35重量%、最も好ましくは、5~25重量%)の可塑剤を更に含み、可塑剤は、ジプロピレングリコール、ソルビトール、及びグリセリンの混合物を含む。
【0049】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含み、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、少なくとも部分的に中和されている(好ましくは、中和度は50~100%、より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%である)。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含み、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、少なくとも部分的に中和されており(好ましくは、中和度は50~100%、より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%である)、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、50,000~500,000ダルトン(好ましくは、75,000~250,000ダルトン、より好ましくは、100,000~200,000ダルトン、最も好ましくは、140,000~180,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0050】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含み、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びアイオノマーのうちの少なくとも1つを用いて少なくとも部分的に中和されており、中和度は、50~100%(より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%)である。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含み、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、アルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物のうちの少なくとも1つを用いて少なくとも部分的に中和されており、中和度は、50~100%(より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%)である。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは、0.5~7.5重量%、より好ましくは、1~6重量%、最も好ましくは、2~5.5重量%)のポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーを更に含み、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)コポリマーは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウムのうちの少なくとも1つを用いて少なくとも部分的に中和されており、中和度は、50~100%(より好ましくは、75~100%、最も好ましくは、95~100%)である。
【0051】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)を更に含み、ポリ(ビニルピロリドン)は、5,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、10,000~1,500,000ダルトン、より好ましくは、20,000~100,000ダルトン、最も好ましくは、20,000~50,000ダルトン))の重量平均分子量を有する。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、自立型フィルムの重量に基づいて0.01~1.8重量%のポリ(ビニルピロリドン)を更に含み、ポリ(ビニルピロリドン)は、5,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、10,000~1,500,000ダルトン、より好ましくは、20,000~100,000ダルトン、最も好ましくは、20,000~50,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、自立型フィルム中の部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)対ポリ(ビニルピロリドン)の重量比は、10超:1(好ましくは、少なくとも100:1、より好ましくは、少なくとも150:1、最も好ましくは、150:1~600:1)である。
【0052】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、0~10重量%の任意選択の添加剤を更に含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、0~10重量%の任意選択の添加剤を更に含み、任意選択の添加剤は、防腐剤、酸化防止剤、粘度調整剤、溶解度調整剤、抗菌剤、結合剤、キレート化、充填剤、増量剤、消泡剤、潤滑剤、離型剤、ブロッキング防止剤、粘着付与剤、癒合剤、脱粘着剤、及びナノ粒子(例えば、ケイ酸塩型ナノクレイ)からなる群から選択される。
【0053】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、0~10重量%の任意選択の添加剤を更に含み、任意選択の添加剤は、ナノ粒子(好ましくは、ケイ酸塩型ナノクレイ)を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、0.05~1重量%(より好ましくは、0.1~0.5重量%、最も好ましくは、0.1~0.3重量%)のナノ粒子(好ましくは、ケイ酸塩型ナノクレイ)を更に含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、更に、0.1~0.3重量%のナノ粒子(好ましくは、ケイ酸塩型ナノクレイ)を含む。
【0054】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、0~10重量%の任意選択の添加剤を更に含み、任意選択の添加剤は、消泡剤を含む。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、1~10重量%(より好ましくは、2~7.5重量%、最も好ましくは、3~6重量%)の消泡剤を更に含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、3~6重量%の消泡剤を更に含む。
【0055】
本発明のパーソナルケアポッドで使用される自立型フィルムは、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は金属などの基材上への溶液流延を含む、当業者に公知の技術によって調製することができる。典型的には、溶液流延用の溶媒として水が使用されるが、他の溶媒を使用してもよい。流延後、高温、例えば、65~80℃で加熱することによってフィルムを乾燥してよい。
【0056】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、シャンプー、コンディショニングシャンプー、ヘアコンディショナー、ハンドクレンザー、洗顔料、ボディウォッシュ、皮膚保湿製剤(手/顔/体)、シェービングクリーム、及び局所用医薬からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、ハンドクレンザー、洗顔料、皮膚保湿製剤(手/顔/体)、及びシェービングクリームからなる群から選択される。更により好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、ハンドクレンザー、洗顔料、及びシェービングクリームからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、ハンドクレンザーである。
【0057】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドは、単回使用パーソナルケアポッドであり、パーソナルケアポッドは、ユーザによって水に曝露され、次いで(例えば、ユーザの手、顔、又は毛髪を洗浄するために)使用されるように処方される。
【0058】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤はパーソナルケア濃縮物であり、すなわち、パーソナルケアポッドに組み込まれるパーソナルケア製剤は、エンドユーザ(例えば、消費者)が使用するための大量のパーソナルケア製剤の形成を容易にするのに十分な体積の水で希釈するように処方される。好ましくは、大量とは、パーソナルケア製剤を少なくとも2回適用、好ましくは、少なくとも5回適用、より好ましくは、少なくとも10回適用する(例えば、シャンプーについては少なくとも2回別々に毛髪を洗浄する、ハンドクレンザーについては少なくとも2回手を洗浄する)ことを可能にするのに十分な量である。
【0059】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤及びコンディショニング剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、パーソナルケア製剤の重量に基づいて、0~20重量%(好ましくは、0~15重量%、より好ましくは、0~10重量%、最も好ましくは、0~7.5重量%)の水を含む。
【0061】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤を含み、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(例えば、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、デシルグルコシド)、グリシネート(例えば、ココイルグリシン酸ナトリウム)、ベタイン(例えば、セチルベタインなどのアルキルベタイン及びコカミドプロピルベタインなどのアミドベタイン)、タウレート(例えば、メチルココイルタウリン酸ナトリウム)、グルタメート(例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム)、サルコシネート(例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、イセチオネート(例えば、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、スルホアセテート(例えば、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム)、アラニネート(例えば、ココイルアラニン酸ナトリウム)、アンホアセテート(例えば、ココアンホ酢酸ナトリウム)、サルフェート(例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES))、スルホネート(例えば、C14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム)、スクシネート(例えば、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム)、脂肪アルカノールアミド(例えば、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ソイアミドジエタノールアミン、ラウラミドジエタノールアミン、オレアミドモノイソプロパノールアミン、ステアラミドモノエタノールアミン、ミリスタミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、カプラミドジエタノールアミン、リシノレアミドジエタノールアミン、ミリスタミドジエタノールアミン、ステアラミドジエタノールアミン、オレイルアミドジエタノールアミン、タローアミドジエタノールアミン、ラウラミドモノイソプロパノールアミン、タローアミドモノエタノールアミン、イソステアラミドジエタノールアミン、イソステアラミドモノエタノールアミン)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤を含み、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む。最も好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤を含み、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムと、コカミドモノエタノールアミンと、コカミドプロピルベタインとのブレンドを含む。
【0062】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤を含む。
【0063】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、パーソナルケア製剤の重量に基づいて、5~85重量%(好ましくは、10~75重量%、より好ましくは、20~60重量%、最も好ましくは、25~40重量%)の皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤を含む。
【0064】
好ましくは、皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤は、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤中で等方相である。皮膚科学的に許容可能な洗浄界面活性剤に関して本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「等方相」という用語は、界面活性剤の個々の分子が会合しているが、ミセル状態のままであることを意味する。ミセルは、球状の形状を有している場合もあり、又はより高い濃度では細長くなる場合もあるが、移動性及び動的交換を維持し、容易に溶解する。これは、細長いミセルがアレイ、例えば、長い円筒状構造に充填され始め、その移動性及び動的交換能力が失われるので、希釈時に容易には溶解も分散もしないゲル相とは対照的である。
【0065】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、皮膚科学的に許容可能なシリコーンを含み、皮膚科学的に許容可能なシリコーンは、アモジメチコン、シクロメチコン、ジメチコン、ジメチコノール、ヘキサデシルメチコン、ヘキサメチルジシロキサン、ジイソプロパノールアミノ-PG-プロピルジシロキサン、メチコン、フェニルジメチコン、ビス-ビニルジメチコン、ステアロキシジメチコンポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム(すなわち、200,000~1,000,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリジオルガノシロキサン)、ポリアミノ官能性シリコーン(例えば、DOWSIL(商標)969エマルション、DOWSIL(商標)CE-7081 Smart Style、DOWSIL(商標)5-7113 Silicone Quat MicroEmulsion)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0066】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、パーソナルケア製剤の重量に基づいて、1~20重量%(好ましくは、2~15重量%、より好ましくは、2.5~10重量%、最も好ましくは、4~8重量%)の皮膚科学的に許容可能なシリコーンを含む。
【0067】
より好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドに含まれるパーソナルケア製剤は、任意選択で、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルグリセリン);レオロジー調整剤(例えば、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリスリチル);石鹸;着色剤;pH調整剤;酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン);保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、脂肪酸、多糖類、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)、ジオール(例えば、プロピレングリコール)、ジオール類似体、トリオール、トリオール類似体、カチオン性ポリマー性ポリオール);ワックス;発泡剤;乳化剤;香料;キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム);防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン);漂白剤;潤滑剤;感覚調節剤;日焼け止め添加剤;ビタミン;タンパク質/アミノ酸;植物抽出物;天然成分;生物活性剤;劣化防止添加剤;顔料;酸;浸透剤;帯電防止剤;縮れ防止剤;抗ふけ剤;毛髪ウェービング/縮毛矯正剤;毛髪スタイリング剤;ヘアオイル;天然油又はエステル皮膚軟化剤(例えば、モノ-、ジ-、トリ-グリセリド、例えば、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、綿実油、ボラージ油、ボラージ種子油、月見草油、ヒマシ及び水添ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、シアバター、ホホバ油、並びにそれらの組み合わせ);吸収剤;硬質粒子;軟質粒子;コンディショニング剤(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、PQ-10、PQ-7);滑り剤;乳白剤;真珠光沢剤、及び塩からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。
【0068】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドを使用する方法は、パーソナルケアポッドが単回使用パーソナルケアポッドであり、単回使用パーソナルケアポッドに水を適用して自立型フィルムを溶解又は分散させ、パーソナルケア製剤を放出させることと、パーソナルケア製剤を皮膚又は毛髪(好ましくは、哺乳類の皮膚又は毛髪、より好ましくは、ヒトの皮膚又は毛髪)に塗布することを含む。好ましくは、パーソナルケア製剤は、自立性フィルムの溶解又は分散と同時に(concomitantly)皮膚又は毛髪に塗布される。より好ましくは、パーソナルケア製剤は、自立型フィルムの溶解又は分散と同時に(simultaneously)皮膚又は毛髪に塗布される。
【0069】
好ましくは、本発明のパーソナルケアポッドを使用する方法は、パーソナルケアポッドがパーソナルケア濃縮物ポッドであり、パーソナルケア濃縮物ポッドに収容されるパーソナルケア製剤がパーソナルケア製剤濃縮物であり、容器(好ましくは、容器は、正確な投入を容易にするために水位マーキングを有する)を提供することと、容器に水を添加することと、容器にパーソナルケア濃縮物ポッドを添加することと、容器の内容物を撹拌することと、水にパーソナルケア濃縮物ポッドの自立型フィルムを溶解又は分散させることと、水をパーソナルケア濃縮物ポッドからのパーソナルケア製剤濃縮物と混合して、容器内で使用濃度パーソナルケア製剤を形成することと、を含む。パーソナルケア製剤に関して本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「使用濃度」という用語は、製剤を皮膚又は毛髪に塗布するときに使用される濃度を意味する。
【0070】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0071】
合成S1:架橋セルロースエーテル
合成S1で使用した架橋剤は、約400ダルトンの分子量を有し、次の式を有するポリプロピレングリコール(PPG)から作製された直鎖状ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルであった
【0072】
【化1】
[式中、nは、5.7~6.7である(EPILOX(商標)M985ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル架橋剤としてLeuna-Harze GmbH(Leuna,DE)から入手可能)]。
【0073】
粉砕したセルロースのフロック(1.5mol)を5Lのオートクレーブに加えた。オートクレーブを窒素ガスで3回(trice)パージした後、オートクレーブの内容物を40℃に加熱した。次いで、ジメチルエーテル(DME、4.7mol/molの無水グルコース単位(AGU))及び塩化メチル(MCl、3.2mol/molのAGU)をオートクレーブに注入した。カセイソーダ(NaOH、強度50重量%水性、1.9molのNaOH/mol AGU)を、40℃の温度で2分間、3回に分けてオートクレーブに添加した。反応混合物を、40℃で30分間保持した。次いで、エチレンオキシド(0.45mol/mol AGU)を加え、反応混合物を40℃で10分間保持した。架橋剤(EPILOX(商標)M985架橋剤、0.0025mol/mol AGU)を20mLのイソプロパノールに溶解し、オートクレーブの内容物に30秒間隔で6回に分けて加えた。次いで、オートクレーブの内容物を、40分で80℃に加熱した。80℃で、水溶性一価銅配位子(monovalent copper ligand、MCL 2、1.3mol/mol AGU)をオートクレーブに迅速に注入した。その後、NaOH(0.67mol/mol AGU)を30分かけて7回に分けて加え、続いて80℃で70分のクックオフ時間を置いた。これに続いて、生成物の架橋セルロースエーテルを熱水(95℃超)中で洗浄し、ギ酸で中和し、顆粒状にして、乾燥させ、ミリングした。
【0074】
比較例C1~C18及び実施例1~15:フィルム/添加剤ブレンド
表1に記載の濃度の成分を一緒に混合することによって、比較例C1~C18及び実施例1~15に従って水溶性フィルム/添加剤ブレンドを調製した。
【0075】
【0076】
添加剤とブレンドされたフィルムの粘度測定
比較例C1~C18及び実施例1~15に従って調製した水溶性フィルム/添加剤ブレンドの粘度を、CP-52スピンドルを備えたBrookfield DV-IIプログラム可能粘度計を用いて25℃で測定した。各ブレンドについて5rpm、10rpm、20rpm、及び50rpmで測定を行い、表2に報告する。
【0077】
【0078】
実施例16~25:水溶性フィルム
表3に記載の通り、実施例1~10のうちの1つに従って調製した水溶性フィルム/添加剤ブレンドを60℃の通気式オーブンに入れ、乾燥させてフィルムを形成することによって、実施例16~25のそれぞれにおいて水溶性フィルムを形成した。形成されたら、次にフィルムを水中に再分散させて、1重量%水溶液を形成した。次いで、これらの1重量%溶液の粘度を、CP-52スピンドルを備えたBrookfield DV-IIプログラム可能粘度計を用いて25℃で測定した。各ブレンドについて5rpm、10rpm、20rpm及び50rpmで測定を行い、表3に報告する。
【0079】
【0080】
予言的製剤F1:濃縮シャンプー製剤
表4に記載の重量比率で成分を一緒に混合することによって、予言的製剤F1のシャンプー製剤を調製する。
【0081】
【0082】
濃縮シャンプー製剤に対する予言的フィルムの抵抗性
予言的製剤F2による予言的濃縮シャンプー製剤の液滴を、実施例16~25のそれぞれに従って形成した水溶性フィルムの表面に塗布する。各フィルムは、濃縮硬質表面洗浄組成物の浸透に抵抗することが観察される。
【0083】
合成S2:自立型フィルム
合成S1に従って調製した架橋セルロースエーテル(1g)、塩化カルシウム二水和物(0.4g)、及び脱イオン水(98.6g)を一緒に混合した。次いで、混合物を基材上に堆積させ、60℃の通気式オーブン内で乾燥させて、フィルムを形成した。
【0084】
濃縮シャンプー製剤に対する自立型フィルムの抵抗性
予言的製剤F1による予言的濃縮シャンプー製剤をエッペンドルフチューブに添加する。合成S2に従って調製した自立型フィルムを使用して、エッペンドルフチューブの開口部に蓋をする。次いで、チューブ内の濃縮シャンプー製剤が自立型フィルムによって支持されるように、エッペンドルフチューブをひっくり返して開口部を下に向ける。自立型フィルムは、濃縮シャンプー製剤の浸透に抵抗することが観察される。
【国際調査報告】