(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】ターゲット変圧器配電エリアの識別方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547862
(86)(22)【出願日】2023-08-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2023112970
(87)【国際公開番号】W WO2024109183
(87)【国際公開日】2024-05-30
(31)【優先権主張番号】202211491580.X
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524302215
【氏名又は名称】北京智芯微電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SMARTCHIP MICROELECTRONICS TECHNOLOGY COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】A-3 Building, Northern Territory, Dongsheng Hi-tech Park, No. 66, Xixiaokou Rd Haidian District, Beijing 100192 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐鯤鵬
(72)【発明者】
【氏名】張春磊
(72)【発明者】
【氏名】李錚
(72)【発明者】
【氏名】代洪光
(72)【発明者】
【氏名】曹波
(72)【発明者】
【氏名】羅丹
(72)【発明者】
【氏名】王賢輝
(72)【発明者】
【氏名】肖徳勇
(72)【発明者】
【氏名】張謙
(72)【発明者】
【氏名】武占侠
(72)【発明者】
【氏名】陳金雷
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA10
2G036AA28
2G036BA03
(57)【要約】
本発明は、ターゲット変圧器配電エリアの識別方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体を開示する。近接ノードの第1信号対雑音比データ、近接ノードのネットワーク階層、及び近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得し、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成し、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得て、さらに、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別することができ、通信モジュール自体に基づく信号受信及び測定過程におけるSNR計算機能と通信モジュール自体のネットワーク階層のトポロジ階層の統計機能とを実現し、さらに、Z-scoreアルゴリズムを利用して信号対雑音比振幅値を計算することで、現在の通信モジュールの変圧器配電エリア所属関係を明確に判断することができ、変圧器配電エリア識別率を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット変圧器配電エリアの識別方法であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記方法は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得するステップと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成するステップであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、ステップと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得るステップと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別するステップと、を含む、ことを特徴とするターゲット変圧器配電エリアの識別方法。
【請求項2】
前記第1信号対雑音比データを生成する手段は、
前記近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第1信号対雑音比データとすることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する前記ステップは、
前記近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内の要素と前記現在のノードのネットワーク階層とを比較するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、前記いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層以上である場合、前記いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定するステップと、
前記第1予め設定された値及び前記第2予め設定された値を利用して前記ネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る前記ステップは、
前記信号対雑音比特徴行列及び前記ネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、前記ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データとするステップを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2信号対雑音比データを生成する手段は、
前記近隣ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、近隣信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第2信号対雑音比データとすることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する前記ステップは、
前記第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得るステップと、
前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得るステップと、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値以上である場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値よりも小さい場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲット信号対雑音比データとしてはターゲット信号対雑音比特徴行列を採用し、前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得る前記ステップは、
前記近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得するステップと、
前記ターゲット信号対雑音比データ、前記振幅値平均値、及び前記振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得るステップと、
予め設定されたスコア閾値に従って前記Zスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、前記第2判断行列を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット変圧器配電エリアは、第1セントラル・コーディネータをさらに含み、前記近隣変圧器配電エリアは、第2セントラル・コーディネータをさらに含み、前記方法は、
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、
前記第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第2ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、
前記第1ゼロクロス標準偏差と前記第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、前記現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1変圧器配電エリア所属関係と前記第2変圧器配電エリア所属関係が一致する場合、前記第1変圧器配電エリア所属関係又は前記第2変圧器配電エリア所属関係に基づいて、前記現在のノードの所属変圧器配電エリアを決定するステップと、
前記第1変圧器配電エリア所属関係と前記第2変圧器配電エリア所属関係が一致しない場合、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージを発信するステップであって、前記変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージは、ユーザに現在のノードの所属関係を確認するよう促すためのものである、ステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1ゼロクロス標準偏差と前記第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、前記現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別する前記ステップは、
前記第1ゼロクロス標準偏差が前記第2ゼロクロス標準偏差よりも小さい場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると判定するステップと、
前記第1ゼロクロス標準偏差が前記第2ゼロクロス標準偏差以上である場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると判定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータの収集時間と前記現在のノードのゼロクロスデータの収集時間は同じであり、前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定する前記ステップは、
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間のゼロクロス差分を取得するステップと、
前記ゼロクロス差分に対応する全体平均値を決定するステップと、
前記ゼロクロス差分及び前記ゼロクロス差分に対応する全体平均値に基づいて前記第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ターゲット変圧器配電エリアの識別装置であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記装置は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得する取得モジュールと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する比較モジュールであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、比較モジュールと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る修正モジュールと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する識別モジュールと、を含む、ことを特徴とするターゲット変圧器配電エリアの識別装置。
【請求項13】
前記近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第1信号対雑音比データとする信号対雑音比特徴行列モジュールをさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記比較モジュールは、さらに、
前記近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成し、
前記ネットワーク階層特徴行列内の要素と前記現在のノードのネットワーク階層とを比較し、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、前記いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定し、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層以上である場合、前記いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定し、
前記第1予め設定された値及び前記第2予め設定された値を利用して前記ネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得る、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記修正モジュールは、さらに、
前記信号対雑音比特徴行列及び前記ネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、前記ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データとする、ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記識別モジュールは、さらに、
前記第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得て、
前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得て、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値以上である場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別し、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値よりも小さい場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると識別する、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記ターゲット信号対雑音比データとしてはターゲット信号対雑音比特徴行列を採用し、前記識別モジュールは、さらに、
前記近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得し、
前記ターゲット信号対雑音比データ、前記振幅値平均値、及び前記振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得て、
予め設定されたスコア閾値に従って前記Zスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、前記第2判断行列を得る、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、プロセッサと、を含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力線搬送通信分野の技術分野に関し、特に、ターゲット変圧器配電エリア(transformer area)の識別方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムにおいて、変圧器配電エリアとは、1つの変圧器の給電範囲又は給電領域である。関連技術では、電力変圧器配電エリア識別技術は、主に、変圧器配電エリアのゼロクロスネットワーク基準特徴情報(Network Time Base、NTB)に基づく識別、又は信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio、SNR)に基づく識別である。
【0003】
しかし、電力変圧器配電エリアでは、負荷が軽く、ネットワーキング状況が複雑などの事情が存在するため、関連技術における変圧器配電エリア識別手段による識別結果の正確性を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の実施形態では、関連技術における変圧器配電エリア識別手段による識別結果の正確性を向上させるために、ターゲット変圧器配電エリアの識別方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の実施形態は、
ターゲット変圧器配電エリアの識別方法であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記方法は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得するステップと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成するステップであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、ステップと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得るステップと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別するステップと、を含む、ターゲット変圧器配電エリアの識別方法を提供する。
【0006】
本明細書の実施形態は、
ターゲット変圧器配電エリアの識別装置であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記装置は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得する取得モジュールと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する比較モジュールであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、比較モジュールと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る修正モジュールと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する識別モジュールと、を含む、ターゲット変圧器配電エリアの識別装置を提供する。
【0007】
本明細書の実施形態は、
メモリと、プロセッサと、を含むコンピュータ機器であって、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、上記の実施形態のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ機器を提供する。
【0008】
本明細書の実施形態は、
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記の実施形態のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記の明細書の実施形態では、近接ノードの第1信号対雑音比データ、近接ノードのネットワーク階層、及び近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得し、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成し、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得て、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別することができ、通信モジュール自体に基づく信号受信及び測定過程におけるSNR計算機能と通信モジュール自体のネットワーク階層のトポロジ階層の統計機能とを実現し、かつ、Z-scoreアルゴリズムを利用して信号対雑音比振幅値を計算することで、現在の通信モジュールの変圧器配電エリア所属関係を明確に判断することができ、変圧器配電エリア識別率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1a】本明細書の実施形態によるNTB閾値の差の模式図である。
【
図1b】本明細書の実施形態による変圧器配電エリアのトポロジ関係の模式図である。
【
図2】本明細書の実施形態によるターゲット変圧器配電エリアの識別方法の模式図である。
【
図3】本明細書の実施形態によるターゲット変圧器配電エリアの識別方法の模式図である。
【
図4】本明細書の実施形態によるターゲット変圧器配電エリアの識別方法の模式図である。
【
図5a】本明細書の実施形態によるターゲット変圧器配電エリアの識別方法の模式図である。
【
図5b】本明細書の実施形態によるターゲット変圧器配電エリアの識別装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施例について詳細に説明する。前記実施例は、図面に例示されており、図面を通じて同一又は類似した符号で同一又は類似した要素や同一又は類似した機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は本発明を説明するための例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解することはできない。
【0012】
電力システムにおいて、低圧変圧器配電エリアとは、1つの変圧器の給電範囲又は領域を指す。電力使用管理部門は、変圧器配電エリアに対する緻密な管理及び損失削減という目標を達成するために、ユーザの変圧器配電エリアや相線属性を把握し、各変圧器配電エリアのユーザ情報を正確かつ迅速に把握する必要がある。特に、線路が複雑で、隣接した変圧器配電エリアがオーバーラップし、干渉源が多く、干渉が酷く、データが不完全である変圧器配電エリアでは、HPLCに基づく変圧器配電エリア識別技術を使用してユーザデータの正確度を大幅に向上させると同時に、現場作業員の作業量と労働強度を大幅に軽減させることが急務となっている。
【0013】
関連する変圧器配電エリア識別技術の解決手段としては、次の2つのタイプが挙げられる。
【0014】
1)変圧器配電エリアのゼロクロスネットワーク基準特徴情報(Network Time Base、NTB)に基づく識別:電力線における負荷が非常に大きい場合、線路インピーダンスが1オーム以下に達する可能性があり、搬送波信号が大きく減衰し、電力線によるデータ伝送の安定性が低下する。電力線における負荷が非常に小さい場合、
図1aに示すように、異なる変圧器配電エリア間のゼロクロスNTBの差分が小さく、変圧器配電エリアを効率的に識別して判断することができない。
【0015】
2)信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio、SNR)に基づく識別:従来、SNRに基づく変圧器配電エリア識別のための統一基準はない。変圧器配電エリア識別の段階では、ノードが複数のネットワーク環境にあり、ネットワークの末端に位置することを確保する必要があり、一定期間にわたってSNRを統計して比較することにより、所属変圧器配電エリアを正確に識別できるようになる。ただし、現場では正しい所属変圧器配電エリアのSNR値が近隣変圧器配電エリアのSNR値に近い場合があり、その結果、ノードの所属変圧器配電エリアが誤って識別されてしまう。また、現場のネットワーキングのタイプは、通常、ツリー型ネットワークであり、
図1bに示すように、現在のノードがプロキシノード(PCO)で、かつ、ネットワークの末端に位置するものではなく、現在のノードとこの変圧器配電エリアの子ノードのSNR値が大きい場合、これをSNR判断条件として変圧器配電エリアを識別すると、変圧器配電エリアの識別が正常に行えなくなる。
【0016】
本明細書の実施形態は、ターゲット変圧器配電エリアの識別方法のフローチャートを提供する。ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、ターゲット変圧器配電エリアにおいて現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、近隣変圧器配電エリアにおいて現在のノードに対応する近隣ノードがある。
図2に示すように、該ターゲット変圧器配電エリアの識別方法は、以下のステップS110~ステップS140を含んでもよい。
【0017】
ステップS110では、近接ノードの第1信号対雑音比データ、近接ノードのネットワーク階層、及び近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得する。
【0018】
ここで、ターゲット変圧器配電エリアには、現在のノードが含まれ、また、現在のノードに対応するいくつかの隣接するノードがあり、これらの隣接するノードは、ターゲット変圧器配電エリアにおけるいくつかの近接ノードであってもよく、近隣変圧器配電エリアにおけるいくつかの近隣ノードであってもよい。現在のノード及び隣接するノードのそれぞれに対応する端末機器があり、これらの端末機器は、電力網領域内でノードデータをブロードキャストすることができ、現在のノードの端末機器は、近接ノードのノードデータを収集して、近接ノードの変圧器配電エリア特徴である近接ノードの第1信号対雑音比データや近接ノードのネットワーク階層を決定することができる。一例として、現在のノードの端末機器は、近接ノードのn個のメッセージのSNR振幅値及び近接ノードのネットワーク階層を連続的に受信することができる。現在のノードの端末機器は、近隣ノードのノードデータを収集して、近隣ノードの第2信号対雑音比データを決定することもできる。一例として、現在のノードの端末機器は、近隣ノードのn個のメッセージのSNR振幅値及び近接ノードのネットワーク階層を連続的に受信することができる。
【0019】
さらに、ビッグデータ前処理技術により隣接するノードのノード信号に対してデータ処理を行うことで、すべての隣接するノードに対応する変圧器配電エリア識別周期内の元のSNRデータを抽出して収集する。ビッグデータ前処理技術は、データクリーニング、データ次元削減、及びデータ変更を含む。いくつかの実施形態では、変圧器配電エリア識別周期を設定してもよい。第1信号対雑音比データ、ネットワーク階層及び第2信号対雑音比データは変圧器配電エリア識別周期に対応しており、変圧器配電エリア識別周期内で若干の時刻に収集されたデータを含んでもよい。
【0020】
ステップS120では、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する。
【0021】
ここで、ネットワーク階層係数セットにおける要素は、近接ノードと現在のノードとの間の接続関係を表す。具体的には、近接ノードと現在のノードとの間のネットワーク階層関係を決定する必要がある。近接ノードのネットワーク階層や現在のノードのネットワーク階層が既知なものであってもよく、また、近接ノードのネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層よりも小さくなければならないことも明らかである。したがって、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層とを比較し、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する。
【0022】
一例として、近接ノードのネットワーク階層は、近接ノードのネットワーク階層セットとして構築されてもよく、ネットワーク階層セットにおける要素は、予め設定された係数に対応するものとして見なされてもよい。さらに、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、近接ノードのネットワーク階層セットにおける要素の予め設定された係数を調整し、調整後の予め設定された係数と近接ノードのネットワーク階層セットにおける要素との積の演算に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する。
【0023】
ステップS130では、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る。
【0024】
いくつかの場合、現在のノードの端末機器により取得される第1信号対雑音比データは、いくつかの騒音データを含み、かつ、本実施形態では、ターゲット変圧器配電エリアにおける予め設定されたネットワーク階層関係を組み合わせてネットワーク階層係数セットが生成されるため、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る。一例として、ネットワーク階層係数セットと第1信号対雑音比データとの乗算を行い、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを決定する。
【0025】
ステップS140では、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する。
【0026】
ここで、Zスコア(Z-Score)正規化は、データ処理方法の1つである。Zスコア(Z-Score)正規化により、異なる尺度のデータを均一なスケールを持つZスコア(Z-Score)に変換して比較する。これにより、データの比較可能性は向上し、データの解釈性は低下する。具体的には、第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2信号対雑音比データに対応するZスコア行列を得る。ターゲット信号対雑音比データに対応するZスコア行列は、第1所属アフィニティ最大値に対応する。ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、ターゲット信号対雑音比データに対応するZスコア行列を得る。第2信号対雑音比データに対応するZスコア行列は、第2所属アフィニティ最大値に対応する。第1所属アフィニティ最大値と第2所属アフィニティ最大値を比較し、比較結果に基づいて、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属するか、又は、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアの近隣変圧器配電エリアに所属するかなど、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する。
【0027】
上記のターゲット変圧器配電エリアの識別方法では、近接ノードの第1信号対雑音比データ、近接ノードのネットワーク階層、及び近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得し、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成し、そして、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得て、さらに、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別し、それにより、通信モジュール自体に基づく信号受信及び測定過程におけるSNR計算機能と通信モジュール自体のネットワーク階層のトポロジ階層の統計機能とを実現し、かつ、Z-scoreアルゴリズムを利用して信号対雑音比振幅値を計算することで、現在の通信モジュールと現在の電力線変圧器配電エリア(すなわち、ターゲット変圧器配電エリア)及び近接電力線変圧器配電エリア(すなわち、近隣変圧器配電エリア)との変圧器配電エリア所属関係を正確に判断することができ、付近のすべてのステーションに対してチャネル測定及び総合的な評価を行い、変圧器配電エリア識別率を向上させることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1信号対雑音比データを生成する手段は、近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、第1信号対雑音比データとすることを含んでもよい。
【0029】
具体的には、現在のノードの近接ノードデータを取得し、現在のノードの近接ノードの数はm個であってもよい。m個のターゲット変圧器配電エリアの近接ノードは、それぞれ、n個のメッセージの初期信号対雑音比振幅値(SNR振幅値)及び近接ノードのネットワーク階層を連続的に受信する。近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列(すなわち、SNR振幅値特徴行列)を構築する。ここで、信号対雑音比特徴行列はm行n列の行列である。SNR振幅値特徴行列内の要素はsnr
i,jと記し、i番目のターゲット変圧器配電エリアの近接ノードに対応する周波数で収集されるj番目のsnr特徴振幅値を表し、その式は以下の通りである。
【0030】
いくつかの実施形態では、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成するステップは、近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成するステップと、ネットワーク階層特徴行列内の要素と現在のノードのネットワーク階層とを比較するステップと、ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定するステップと、ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層以上である場合、いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定するステップと、第1予め設定された値及び第2予め設定された値を利用してネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得るステップと、を含んでもよい。
【0031】
具体的には、ターゲット変圧器配電エリアにおける近接ノードのネットワーク階層データについて、ネットワーク階層特徴行列LAYER
m×nを決定する。ターゲット変圧器配電エリアのネットワーク階層特徴行列はm行n列の行列であり、ネットワーク階層特徴行列の要素layer
i,jは、i番目のターゲット変圧器配電エリアの近接ノードに対応する収集周波数でのj番目のネットワーク階層を表し、その式は以下の通りである。
【0032】
ネットワーク階層特徴行列内の要素に対応するネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層とを比較する。ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定する。ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層以上である場合、いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定する。一例として、layer
i,jが現在のノードのネットワーク階層layerよりも小さい場合、layer
i,jの階層係数は1に設定され、それ以外の場合、layer
i,jの階層係数は0に設定され、その式は以下の通りである。
【0033】
さらに、第1予め設定された値及び第2予め設定された値を利用してネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得る。ターゲット変圧器配電エリアのネットワーク階層係数行列はm行n列の行列であり、ネットワーク階層係数行列内の要素は、i番目のターゲット変圧器配電エリアの近接ノードに対応する周波数で収集されるj番目のネットワーク階層に対応する階層係数を表し、そのため、式
により、ネットワーク階層重み係数特徴行列
が得られる。
【0034】
上記の実施形態では、ネットワーク階層パラメータを変圧器配電エリア識別判断基準の1つとすることが提案されており、当該変圧器配電エリアノードについてネットワーク階層判断が行われることにより、現在のノードの子ノード又は同階層ノードによるSNR統計への干渉が回避される。本実施形態では、当該変圧器配電エリアの所属判断基準は、現在のノードのプロキシノード又はプロキシノードと同階層のノードのSNR値に依存する。
【0035】
いくつかの実施形態では、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得るステップは、信号対雑音比特徴行列及びネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、ターゲット信号対雑音比データとするステップを含む。
【0036】
具体的には、信号対雑音比特徴行列及びネットワーク階層係数行列に基づいて、近接ノードに対応する収集周波数でのターゲット信号対雑音比特徴行列、すなわち、
を決定する。以下の式によりターゲット変圧器配電エリアの近接ノードSNRを構築する。
【0037】
ここで、SNRXi,j=snri,j×Ci,jである。
【0038】
上記の実施形態では、ネットワーク階層パラメータを変圧器配電エリアの識別判断基準の1つとすることが提案されており、当該変圧器配電エリアノードについてネットワーク階層判断が行われることにより、現在のノードの子ノード又は同階層ノードによるSNR統計への干渉が回避される。本実施形態では、当該変圧器配電エリア所属判断基準は、現在のノードのプロキシノード又はプロキシノードと同階層のノードのSNR値に依存する。
【0039】
いくつかの実施形態では、第2信号対雑音比データを生成する手段は、近隣ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、近隣信号対雑音比特徴行列を構築して、第2信号対雑音比データとすることを含む。
【0040】
具体的には、近隣ノードの近接ノードデータを取得し、近隣ノードの近接ノードの数はm個であってもよい。m個の近隣変圧器配電エリアの近隣ノードは、それぞれn個のメッセージの初期信号対雑音比振幅値(SNR振幅値)を連続的に受信する。近隣ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、近隣信号対雑音比特徴行列(すなわち、SNRY振幅値特徴行列)を構築する。ここで、近隣信号対雑音比特徴行列はm行n列の行列である。SNRY振幅値特徴行列内の要素はsnry
i,jと記し、i番目のターゲット変圧器配電エリアの近接ノードに対応する周波数で収集されるj番目のsnr特徴振幅値を表し、その式は以下の通りである。
【0041】
さらに、ターゲット信号対雑音比特徴行列SNRXm,n及び近隣信号対雑音比特徴行列SNRYm,nに基づいて、現在のノードとターゲット変圧器配電エリア及び近隣変圧器配電エリアの電力線パラメータに基づくネットワーク所属関係を決定する。
【0042】
いくつかの実施形態では、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別するステップは、第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得るステップと、ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得るステップと、第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値以上である場合、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値よりも小さい場合、現在のノードが近隣変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、を含む。
【0043】
具体的には、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データは、行列の形で表されてもよい。第2信号対雑音比データに対応する行列内の要素に対してZ-score正規化処理を行い、第1判断行列を得る。ターゲット信号対雑音比データに対応する行列内の要素に対してZ-score正規化処理を行い、第2判断行列を得る。第1判断行列は最大値を有し、第2判断行列は最大値を有し、第1判断行列内の最大値と第2判断行列内の最大値とを比較する。第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値以上である場合、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別し、第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値よりも小さい場合、現在のノードが近隣変圧器配電エリアに所属すると識別する。
【0044】
一例として、Z-score正規化処理は式z=(x-μ)/δに従って行われ、式において、zは正規化数値、xは第2信号対雑音比データに対応する行列内の要素、μは変圧器配電エリア識別周期内の近隣ノードのsnr特徴振幅値の平均値、δは近隣ノードのsnr特徴振幅値の標準偏差を表す。
【0045】
Z-score正規化処理は式z=(x-μ)/δに従って行われ、式において、zは正規化数値、xはターゲット信号対雑音比データに対応する行列内の要素、μは変圧器配電エリア識別周期内の近接ノードのsnr特徴振幅値の平均値、δは近接ノードのsnr特徴振幅値の標準偏差を表す。
【0046】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、ターゲット信号対雑音比データとしては、ターゲット信号対雑音比特徴行列を採用する。ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得るステップは、以下のステップS210~S230を含んでもよい。
【0047】
S210では、近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得する。
【0048】
S220では、ターゲット信号対雑音比データ、振幅値平均値、及び振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得る。
【0049】
S230では、予め設定されたスコア閾値に従ってZスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、第2判断行列を得る。
【0050】
具体的には、ターゲット信号対雑音比データとしては、ターゲット信号対雑音比特徴行列(すなわち、SNR振幅値特徴行列)を採用する。Z-score正規化処理は、ターゲット変圧器配電エリアのSNR振幅値特徴行列の中の特徴データに基づいて式
に従って行われ、式において、zは正規化数値、xはターゲット変圧器配電エリアにおける近接ノードのある時刻でのsnr振幅値、μは変圧器配電エリア識別周期内のターゲット変圧器配電エリアにおける近接ノードのすべてのsnr振幅値の振幅値平均値、δはターゲット変圧器配電エリアにおける近接ノードのすべてのsnr振幅値の振幅値標準偏差を表す。
【0051】
以下のように、SNR特徴振幅値行列に対して、Z-score正規化処理を行い、Zスコア行列を得る。
【0052】
Zスコア行列に従って、SNR特徴振幅値行列内の各要素に対して、対応するZスコアが閾値δ未満の要素を、現在の近接ノードの変圧器配電エリア識別収集周期内での有効なSNR振幅値として選択し、Zスコアが0.2を超える要素をSNR特徴振幅値行列に対応する現在のSNRデータセットから削除し、各近接ノードに対して、変圧器配電エリア識別収集周期内で、SNR値をZ-score処理に供してフィルタリングしたデータセットを統計し、ターゲット変圧器配電エリアの識別収集周期内のSNR特徴振幅値のアルゴリズム平均数を得る。その式は以下の通りである。
【0053】
ターゲット変圧器配電エリアのターゲット信号対雑音比特徴行列に対して、Z-score計算、データスクリーニング、算術平均の計算を行い、1行m列の行列
であるターゲット変圧器配電エリアの識別SNR判断行列を得る。現在の行列は、変圧器配電エリア識別周期を経た近接ノードから得られたm個の近接ノードと現在のノードの変圧器配電エリア所属結果を表す。
【0054】
同様に、近隣変圧器配電エリアの識別SNR判断行列は1行m列の行列であり、近隣変圧器配電エリアのノードの変圧器配電エリア所属結果データセットは
であり、ターゲット変圧器配電エリアの所属アフィニティ最大値がmax(Z)であり、近隣変圧器配電エリアの変圧器配電エリア所属最大値がmax(Y)である。ターゲット変圧器配電エリアの変圧器配電エリア所属結果最大値max(Z)がmax(Y)以上である場合、現在のノードは、今回の変圧器配電エリア識別周期において、ターゲット変圧器配電エリアに所属する。また、ターゲット変圧器配電エリアの変圧器配電エリア所属結果最大値max(Z)がmax(Y)未満である場合、現在のノードは、今回の変圧器配電エリア識別周期において、近隣変圧器配電エリアに所属する。
【0055】
上記の実施形態では、変圧器配電エリア識別について近隣ステーションのSNR値を長時間統計し、SNR値には変動が存在する。本実施形態では、Z-scoreスコアスクリーニングアルゴリズムに基づいて、所定の閾値を超えるノードを削除した後、現在受信したSNR情報について算術平均を取得し、最後の算術平均に基づいて現在の近隣ノードと当該ノードとの変圧器配電エリア関係を評価する。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、ターゲット変圧器配電エリアは第1セントラル・コーディネータ(Central Coordinator)をさらに含み、近隣変圧器配電エリアは第2セントラル・コーディネータをさらに含む。該方法は、以下のステップS310~S330をさらに含んでもよい。
【0057】
S310では、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0058】
具体的には、現在のノードとは、ターゲット変圧器配電エリアにおいて識別対象となるノードを意味する。現在のノードは、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータを受信してもよく、第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータを受信してもよく、ゼロクロスデータを収集してもよい。第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードにより収集されたゼロクロスデータとに基づいて、両方の間の第1ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0059】
一例として、第1セントラル・コーディネータCCO及び現在のノード(変圧器配電エリアステーションSTAという)は同時にゼロクロス情報を収集し、データ規模はmである。
【0060】
ターゲット変圧器配電エリアのゼロクロス情報差分は以下の通りである。
【0061】
ターゲット変圧器配電エリアのゼロクロス差分NTBDIFF
1に基づいて、ターゲット変圧器配電エリアのゼロクロス情報のサンプル分散を計算する。μ
1はターゲット変圧器配電エリアのゼロクロス差分NTBDIFF
1の全体平均値であり、σ
1は当該変圧器配電エリアのゼロクロス差分NTBDIFF
1の標準偏差である。
【0062】
S320では、第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間の第2ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0063】
具体的には、現在のノードは、第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータを受信してもよく、ゼロクロスデータをさらに収集してもよい。第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードにより収集されたゼロクロスデータとに基づいて、両方の間の第2ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0064】
一例として、第2セントラル・コーディネータCCO及び現在のノード(変圧器配電エリアステーションSTAという)は同時にゼロクロス情報を収集し、データ規模はmである。
【0065】
近隣変圧器配電エリアのゼロクロス情報差分は以下の通りである。
【0066】
μ
2は近隣変圧器配電エリアのゼロクロス差分NTBDIFF
2の全体平均値であり、σ
2は近隣変圧器配電エリアのゼロクロス差分NTBDIFF
2の標準偏差である。
【0067】
S330では、第1ゼロクロス標準偏差と第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別する。
【0068】
具体的には、第1ゼロクロス標準偏差と第2ゼロクロス標準偏差とを比較し、第1ゼロクロス標準偏差と第2ゼロクロス標準偏差との比較結果から、現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別する。一例として、ターゲット変圧器配電エリアのゼロクロス情報標準偏差σ1と近隣変圧器配電エリアのゼロクロス情報標準偏差σ2とを比較し、ゼロクロス情報をN回収集し、σ1<σ2の場合、現在のノードは当該変圧器配電エリアに所属し、σ1>σ2の場合、現在のノードは近隣変圧器配電エリアに所属する。
【0069】
上記の実施形態では、ゼロクロス情報の比較、信号対雑音比及びネットワークトポロジ関係に基づく変圧器配電エリア識別方法により、変圧器配電エリア識別の正確性を向上させる。
【0070】
いくつかの実施形態では、該方法は、第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致する場合、第1変圧器配電エリア所属関係又は第2変圧器配電エリア所属関係に基づいて、現在のノードの所属変圧器配電エリアを決定し、第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致しない場合、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージを発信するステップであって、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージは、ユーザに現在のノードの所属関係を確認するよう促すためのものであるステップをさらに含んでもよい。
【0071】
具体的には、本実施形態では、まず、第1変圧器配電エリア所属関係及び第2変圧器配電エリア所属関係を2つの角度から決定し、次に、第1変圧器配電エリア所属関係及び第2変圧器配電エリア所属関係を利用して相互検証を行い、よって、第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係を比較する。第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致する場合、決定された変圧器配電エリア所属関係が信頼できることを示し、第1変圧器配電エリア所属関係又は第2変圧器配電エリア所属関係に基づいて、現在のノードの所属変圧器配電エリアを決定する。第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致しない場合、決定された変圧器配電エリア所属関係が信頼できないことを示し、ユーザに現在のノードの所属関係を確認するよう促すために、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージを発信する。
【0072】
上記の実施形態では、ゼロクロス情報の比較、信号対雑音比及びネットワークトポロジ関係に基づく変圧器配電エリア識別方法により、変圧器配電エリア識別の正確性を向上させる。
【0073】
いくつかの実施形態では、該方法は、第1ゼロクロス標準偏差が第2ゼロクロス標準偏差未満である場合、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属すると判定するステップと、第1ゼロクロス標準偏差が第2ゼロクロス標準偏差以上である場合、現在のノードが近隣変圧器配電エリアに所属すると判定するステップをさらに含んでもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータの収集時間と現在のノードのゼロクロスデータの収集時間は同じであり、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップは、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間のゼロクロス差分を取得するステップと、ゼロクロス差分に対応する全体平均値を決定するステップと、ゼロクロス差分及びゼロクロス差分に対応する全体平均値に基づいて第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップとを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、現場の変圧器配電エリアでは、負荷が軽く、ネットワーキング状況が複雑で、NTB及びSNRのいずれかを単独して変圧器配電エリア識別判断根拠として使用すると、現場にいる保守者がノードの所属する変圧器配電エリアを効率的かつ正確に特定できないという欠陥がある。本明細書の実施形態では、搬送波メッセージを受信してその数を統計し、ZスコアによりSNRを統計し、搬送波メッセージを送信するノードの現在のネットワークにおけるネットワーク階層を重み結果として変圧器配電エリア識別を行うことにより、変圧器配電エリア識別の実行効率及び正確性を向上させる。具体的には、ターゲット変圧器配電エリアの識別方法が提供される。ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、ターゲット変圧器配電エリアにおける現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、ターゲット変圧器配電エリアは近隣変圧器配電エリアに対応し、近隣変圧器配電エリアにおいて現在のノードに対応する近隣ノードがあり、ターゲット変圧器配電エリアは第1セントラル・コーディネータをさらに含み、近隣変圧器配電エリアは第2セントラル・コーディネータをさらに含み、該方法は、以下のステップS402~S418を含む。
【0076】
S402では、近接ノードの第1信号対雑音比データ、近接ノードのネットワーク階層、及び近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得する。
【0077】
具体的には、近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、第1信号対雑音比データとする。近隣ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、近隣信号対雑音比特徴行列を構築して、第2信号対雑音比データとする。
【0078】
S404では、近接ノードのネットワーク階層と現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する。
【0079】
ここで、ネットワーク階層係数セットにおける要素は、近接ノードと現在のノードとの間の接続関係を表す。具体的には、近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成し、ネットワーク階層特徴行列内の要素と現在のノードのネットワーク階層とを比較し、ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定し、ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が現在のノードのネットワーク階層以上である場合、いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定し、第1予め設定された値及び第2予め設定された値を利用してネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得る。
【0080】
S406では、ネットワーク階層係数セットを利用して第1信号対雑音比データを修正し、近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る。
【0081】
具体的には、信号対雑音比特徴行列及びネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、ターゲット信号対雑音比データとする。
【0082】
S408では、第2信号対雑音比データ及びターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する。
【0083】
具体的には、第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得て、ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得て、第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値以上である場合、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別し、第1判断行列内の最大値が第2判断行列の最大値よりも小さい場合、現在のノードが近隣変圧器配電エリアに所属すると識別する。
【0084】
さらに、近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得し、ターゲット信号対雑音比データ、振幅値平均値、及び振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得て、予め設定されたスコア閾値に従ってZスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、第2判断行列を得る。
【0085】
S410では、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0086】
具体的には、第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間のゼロクロス差分を取得し、ゼロクロス差分に対応する全体平均値を決定し、ゼロクロス差分及びゼロクロス差分に対応する全体平均値に基づいて第1ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0087】
S412では、第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間の第2ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0088】
具体的には、第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと現在のノードのゼロクロスデータとの間のゼロクロス差分を取得し、該ゼロクロス差分に対応する全体平均値を決定し、該ゼロクロス差分及び該ゼロクロス差分に対応する全体平均値に基づいて第2ゼロクロス標準偏差を決定する。
【0089】
S414では、第1ゼロクロス標準偏差と第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別する。
【0090】
具体的には、第1ゼロクロス標準偏差が第2ゼロクロス標準偏差未満である場合、現在のノードがターゲット変圧器配電エリアに所属すると判定し、第1ゼロクロス標準偏差が第2ゼロクロス標準偏差以上である場合、現在のノードが近隣変圧器配電エリアに所属すると判定する。
【0091】
S416では、第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致する場合、第1変圧器配電エリア所属関係又は第2変圧器配電エリア所属関係に基づいて、現在のノードの所属変圧器配電エリアを決定する。
【0092】
S418では、第1変圧器配電エリア所属関係と第2変圧器配電エリア所属関係が一致しない場合、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージを発信する。
【0093】
ここで、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージは、ユーザに現在のノードの所属関係を確認するよう促すために使用される。
【0094】
いくつかの実施形態では、
図5aに示すように、以下のステップ1~ステップ7を含む変圧器配電エリア識別方法が提供される。
【0095】
ステップ1では、コンセントレータ通信端末は、ゼロクロス情報を周期的に収集してブロードキャストし、ビーコンフレームをブロードキャストする。
【0096】
コンセントレータ通信端末は、識別対象変圧器配電エリアステーションに変圧器配電エリア特徴収集開始メッセージを送信する。
【0097】
コンセントレータ通信端末は、識別対象変圧器配電エリアステーションに変圧器配電エリア特徴通知メッセージを送信する。
【0098】
コンセントレータ通信端末の識別ラウンド数が1増加する。
【0099】
ステップ2では、識別対象変圧器配電エリアステーションは、それぞれ、現在の領域内のすべてのコンセントレータ通信端末の変圧器配電エリア所属情報を取得する。
【0100】
識別対象ステーションは、変圧器配電エリア特徴を収集し、変圧器配電エリアNTB情報を取得する。
【0101】
識別対象ステーションは、ビーコンフレームに対応するSNR情報を収集して受信する。
【0102】
ステップ3では、変圧器配電エリアステーションは、単一のコンセントレータ通信端末からのゼロクロス情報及びビーコンフレームに対応するSNR情報のみを受信した場合、変圧器配電エリアステーションの変圧器配電エリア所属を直接確認する。
【0103】
ステップ4では、変圧器配電エリアステーションは、2つ以上の変圧器配電エリアのゼロクロス情報及びビーコンフレームに対応するSNR情報を受信した場合、ステーションは、定期タイマーを起動させ、ゼロクロス誤差、信号対雑音比、及びネットワーク階層情報を収集する。
【0104】
ステップ5では、ゼロクロス差分標準偏差を計算し、信号対雑音比及びネットワーク階層情報に対してZスコア正規化処理を行う。
【0105】
ステップ6では、変圧器配電エリアステーションは、ステップ5で収集された変圧器配電エリア識別関連情報に基づいて変圧器配電エリア識別所属結果を確認し、所属結果を現在のネットワーキングコンセントレータ通信端末機器に報告する。
【0106】
ステップ7では、設定された反復回数限界値、又は識別成功率に基づいて、反復を継続するか否かを判断し、継続すると、ステップ2に進み、継続しないと、変圧器配電エリア識別を終了する。
【0107】
本明細書の実施形態では、ターゲット変圧器配電エリアの識別装置が提供され、前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがある。
図5bに示すように、ターゲット変圧器配電エリアの識別装置は、取得モジュール、比較モジュール、修正モジュール、及び識別モジュールを含む。
【0108】
取得モジュールは、前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得するために用いられる。
【0109】
比較モジュールは、前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成するために用いられ、ここで、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表すためのものである。
【0110】
修正モジュールは、前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得るために用いられる。
【0111】
識別モジュールは、前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別するために用いられる。
【0112】
いくつかの実施形態では、前記装置は、前記近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第1信号対雑音比データとする信号対雑音比特徴行列モジュールをさらに含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、前記比較モジュールは、さらに、前記近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成し、前記ネットワーク階層特徴行列内の要素と前記現在のノードのネットワーク階層とを比較し、前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、前記いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定し、前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層以上である場合、前記いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定し、前記第1予め設定された値及び前記第2予め設定された値を利用して前記ネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得ることに用いられる。
【0114】
いくつかの実施形態では、前記修正モジュールは、さらに、前記信号対雑音比特徴行列及び前記ネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、前記ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データとするために用いられる。
【0115】
いくつかの実施形態では、前記識別モジュールは、さらに、前記第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得て、前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値以上である場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別し、前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値よりも小さい場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると識別することに用いられる。
【0116】
いくつかの実施形態では、前記ターゲット信号対雑音比データとしてはターゲット信号対雑音比特徴行列を採用し、前記識別モジュールは、さらに、前記近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得し、前記ターゲット信号対雑音比データ、前記振幅値平均値、及び前記振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得て、予め設定されたスコア閾値に従って前記Zスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、前記第2判断行列を得るために用いられる。
【0117】
別の実施例では、上記のターゲット変圧器配電エリアの識別装置は、プロセッサを含み、ここで、前記プロセッサは、取得モジュール、比較モジュール、修正モジュール、識別モジュール、及び信号対雑音比特徴行列モジュールを含む、メモリに記憶された上記のプログラムモジュールを実行するために用いられる。
【0118】
ターゲット変圧器配電エリアの識別装置に関する具体的な限定については、上記のターゲット変圧器配電エリアの識別方法に対する限定を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0119】
本明細書の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、上記のいずれか一つの実施形態に記載の方法のステップを実現するように前記コンピュータプログラムを実行するプロセッサとを含む、コンピュータ機器を提供する。
【0120】
本明細書の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか一つの実施形態に記載の方法のステップを実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0121】
なお、フローチャートで表されるか、又は本明細書で他の方法で説明される論理及び/又はステップ、例えば、論理機能を実装するための実行可能命令のシーケンス表と考えられるものは、命令実行システム、装置、又は機器(例えば、プロセッサのシステム、又は命令実行システム、装置、又は機器から命令をフェッチして実行することができる他のシステムを含むコンピュータベースのシステム)のために、又はこれらの命令実行システム、装置、又は機器と組み合わせて使用するために、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体に具体的に実装されてもよい。本明細書では、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置、又は機器により使用されるために、又はこれらの命令実行システム、装置、又は機器と組み合わせて使用するために、プログラムを含む、記憶する、通信する、伝播する、又は送信することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例(全てを網羅していないリスト)には、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子デバイス)、ポータブルコンピュータカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CDROM)が含まれる。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、紙又は他の媒体を光学的に走査し、次いでプログラミング、解読、又は必要に応じて他の適切な方法で処理することによって、プログラムを電子的に取得し、コンピュータメモリに格納することができるので、プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよい。
【0122】
本発明の様々な部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実装されてもよいことが理解されるべきである。上記の実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに格納され、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアで実装されてもよい。例えば、ハードウェアで実装される場合、他の実施形態と同様に、データ信号の論理機能を実現するための論理ゲート回路を有する離散論理回路、論理ゲート回路の適切な組み合わせを有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、当技術分野で周知の技術のいずれか、又はそれらの組み合わせによって実装されてもよい。
【0123】
本明細書の説明において、参照用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの説明は、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に、その実施例又は例を参照して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な記述は、必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み合わされてもよい。
【0124】
さらに、「第1」、「第2」という用語は、説明のためにのみ使用され、相対的重要性を指示又は暗示するか、又は示された技術的特徴の数を暗示するものとは理解されない。したがって、「第1」、「第2」に限定される特徴は、少なくとも1つの特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」の意味は、特に明示的かつ具体的な限定がない限り、2つ、3つなど、少なくとも2つである。
【0125】
本発明において、特に明確な規定及びび限定がない限り、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語は、例えば、広義に理解すべきであり、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、又は一体であってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接連結であっても、中間媒体を介した間接的接続であっても、2つの構成要素の内部連通又は2つの構成要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0126】
本発明の実施例が以上で示され、説明されたが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとは理解されず、当業者であれば、本発明の範囲内で、上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット変圧器配電エリアの識別方法であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記方法は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得するステップと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成するステップであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、ステップと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得るステップと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別するステップと、を含む、ことを特徴とするターゲット変圧器配電エリアの識別方法。
【請求項2】
前記第1信号対雑音比データを生成する手段は、
前記近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第1信号対雑音比データとすることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する前記ステップは、
前記近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内の要素と前記現在のノードのネットワーク階層とを比較するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、前記いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定するステップと、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層以上である場合、前記いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定するステップと、
前記第1予め設定された値及び前記第2予め設定された値を利用して前記ネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る前記ステップは、
前記信号対雑音比特徴行列及び前記ネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、前記ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データとするステップを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2信号対雑音比データを生成する手段は、
前記近隣ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、近隣信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第2信号対雑音比データとすることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する前記ステップは、
前記第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得るステップと、
前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得るステップと、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値以上である場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値よりも小さい場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると識別するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲット信号対雑音比データとしてはターゲット信号対雑音比特徴行列を採用し、前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得る前記ステップは、
前記近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得するステップと、
前記ターゲット信号対雑音比データ、前記振幅値平均値、及び前記振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得るステップと、
予め設定されたスコア閾値に従って前記Zスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、前記第2判断行列を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット変圧器配電エリアは、第1セントラル・コーディネータをさらに含み、前記近隣変圧器配電エリアは、第2セントラル・コーディネータをさらに含み、前記方法は、
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、
前記第2セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第2ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、
前記第1ゼロクロス標準偏差と前記第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、前記現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1変圧器配電エリア所属関係と前記第2変圧器配電エリア所属関係が一致する場合、前記第1変圧器配電エリア所属関係又は前記第2変圧器配電エリア所属関係に基づいて、前記現在のノードの所属変圧器配電エリアを決定するステップと、
前記第1変圧器配電エリア所属関係と前記第2変圧器配電エリア所属関係が一致しない場合、変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージを発信するステップであって、前記変圧器配電エリア所属リマインダーメッセージは、ユーザに現在のノードの所属関係を確認するよう促すためのものである、ステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1ゼロクロス標準偏差と前記第2ゼロクロス標準偏差との比較結果に基づいて、前記現在のノードの第2変圧器配電エリア所属関係を識別する前記ステップは、
前記第1ゼロクロス標準偏差が前記第2ゼロクロス標準偏差よりも小さい場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると判定するステップと、
前記第1ゼロクロス標準偏差が前記第2ゼロクロス標準偏差以上である場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると判定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータの収集時間と前記現在のノードのゼロクロスデータの収集時間は同じであり、前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間の第1ゼロクロス標準偏差を決定する前記ステップは、
前記第1セントラル・コーディネータのゼロクロスデータと前記現在のノードのゼロクロスデータとの間のゼロクロス差分を取得するステップと、
前記ゼロクロス差分に対応する全体平均値を決定するステップと、
前記ゼロクロス差分及び前記ゼロクロス差分に対応する全体平均値に基づいて前記第1ゼロクロス標準偏差を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ターゲット変圧器配電エリアの識別装置であって、
前記ターゲット変圧器配電エリアは、現在のノードと、前記ターゲット変圧器配電エリアにおける前記現在のノードに対応する近接ノードと、を含み、前記ターゲット変圧器配電エリアに対応する近隣変圧器配電エリアがあり、前記近隣変圧器配電エリアにおいて前記現在のノードに対応する近隣ノードがあり、前記装置は、
前記近接ノードの第1信号対雑音比データ、前記近接ノードのネットワーク階層、及び前記近隣ノードの第2信号対雑音比データを取得する取得モジュールと、
前記近接ノードのネットワーク階層と前記現在のノードのネットワーク階層との比較結果に基づいて、ネットワーク階層係数セットを生成する比較モジュールであって、前記ネットワーク階層係数セットにおける要素は、前記近接ノードと前記現在のノードとの間の接続関係を表す、比較モジュールと、
前記ネットワーク階層係数セットを利用して前記第1信号対雑音比データを修正し、前記近接ノードのターゲット信号対雑音比データを得る修正モジュールと、
前記第2信号対雑音比データ及び前記ターゲット信号対雑音比データのそれぞれに対応するZスコア計算結果に基づいて、前記現在のノードの第1変圧器配電エリア所属関係を識別する識別モジュールと、を含む、ことを特徴とするターゲット変圧器配電エリアの識別装置。
【請求項13】
前記近接ノードのメッセージの初期信号対雑音比振幅値に基づいて、信号対雑音比特徴行列を構築して、前記第1信号対雑音比データとする信号対雑音比特徴行列モジュールをさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記比較モジュールは、さらに、
前記近接ノードのネットワーク階層に基づいてネットワーク階層特徴行列を生成し、
前記ネットワーク階層特徴行列内の要素と前記現在のノードのネットワーク階層とを比較し、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層よりも小さい場合、前記いずれかの要素の階層係数を第1予め設定された値として設定し、
前記ネットワーク階層特徴行列内のいずれかの要素に対応するネットワーク階層が前記現在のノードのネットワーク階層以上である場合、前記いずれかの要素の階層係数を第2予め設定された値として設定し、
前記第1予め設定された値及び前記第2予め設定された値を利用して前記ネットワーク階層特徴行列内の対応する要素を更新し、ネットワーク階層係数行列を得る、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記修正モジュールは、さらに、
前記信号対雑音比特徴行列及び前記ネットワーク階層係数行列を利用してアダマール積の演算を行い、前記ターゲット信号対雑音比特徴行列を得て、前記ターゲット信号対雑音比データとする、ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記識別モジュールは、さらに、
前記第2信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第1判断行列を得て、
前記ターゲット信号対雑音比データに対してZスコア正規化処理を行い、第2判断行列を得て、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値以上である場合、前記現在のノードが前記ターゲット変圧器配電エリアに所属すると識別し、
前記第1判断行列内の最大値が前記第2判断行列の最大値よりも小さい場合、前記現在のノードが前記近隣変圧器配電エリアに所属すると識別する、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記ターゲット信号対雑音比データとしてはターゲット信号対雑音比特徴行列を採用し、前記識別モジュールは、さらに、
前記近接ノードの信号対雑音比振幅値の変圧器配電エリア識別周期内の振幅値平均値及び振幅値標準偏差を取得し、
前記ターゲット信号対雑音比データ、前記振幅値平均値、及び前記振幅値標準偏差に基づいて正規化処理を行い、Zスコア行列を得て、
予め設定されたスコア閾値に従って前記Zスコア行列内の要素に対してフィルタリング処理及び平均計算を行い、前記第2判断行列を得る、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、プロセッサと、を含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】