IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィト テック,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-505789テキーラのためのアガベ培養物を製造する方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】テキーラのためのアガベ培養物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/04 20060101AFI20250220BHJP
   C12N 1/16 20060101ALI20250220BHJP
   A01H 4/00 20060101ALN20250220BHJP
   A01H 6/12 20180101ALN20250220BHJP
   C12H 6/02 20190101ALN20250220BHJP
【FI】
C12N5/04
C12N1/16 D
A01H4/00
A01H6/12
C12H6/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548499
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022038195
(87)【国際公開番号】W WO2023163747
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】63/312,789
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/853,163
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524304839
【氏名又は名称】フィト テック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホイットン,ピーター アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ムノス,ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4B065
4B115
【Fターム(参考)】
4B065AA72X
4B065AA88X
4B065AA89X
4B065AC14
4B065BB08
4B065BB16
4B065BB20
4B065BB35
4B065BC34
4B065BC48
4B065BD08
4B065CA06
4B065CA41
4B115NB02
4B115NG17
4B115NP01
4B115NP02
4B115NP07
(57)【要約】
実験室で細胞培養物から植物組織を増殖させることにより、アガベ植物の成長を促進する方法は、アガベ植物の葉から採取され、及び新たな細胞の産生と、その新たな細胞の成熟とに必要な全ての栄養素を含有する培地で増殖される培養細胞を利用する。細胞は、その後、光合成有効放射に曝露され、及び追加の二酸化炭素を供給され、細胞を光合成させ、及び天然に成長するアガベ植物中に見られる糖分を形成させる。これらの培養細胞は、最適な量の光及び二酸化炭素を与えられて、これまでに達成されたものより予想外に及びかなり高い増殖速度を促進する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキーラの製品のためのアガベ細胞を培養する方法であって、
(a)ショ糖、ナフタレン酢酸及び水を含むカルス導入培地を調製すること、
(b)アガベ細胞を前記導入培地に配置して、カルス形成物を培養すること、
(c)ビタミンストック溶液が添加されている、ショ糖、ナフタレン酢酸及び水を含む促進培地に前記カルス形成物を配置することによって混合物を確立し、及び5.5~6のpHとなるように前記混合物を調整すること、
(d)前記混合物を加熱すること、
(e)前記混合物から得られた培養物を使用して、促進培地から継代培養物を培養し、及びクエン酸を添加して3.5~4.5のpHにすると共に、前記継代培養物に光を導入すること、
(f)二酸化炭素及び酵母を添加し、及び発酵させること
を含み、テキーラを製造するためにエタノール濃度が調節される、方法。
【請求項2】
前記カルス導入培地がムラシゲ・スクーグ培地を含む、請求項1に記載のテキーラの製品のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項3】
前記カルス導入培地が3:1のショ糖対ナフタレン酢酸の比を有する、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項4】
前記カルス導入培地がフィタゲルで固化される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項5】
前記カルス導入培地に前記細胞を導入する前に、アガベを滅菌することを更に含む、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項6】
前記アガベ細胞及び前記カルス導入培地が容器内に密閉され、及び暗所に配置される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項7】
前記ビタミンストック溶液がピリドキサール塩酸塩、二塩化チアミン及び硝酸を含む、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項8】
ステップ(e)における培養物対促進培地の比が5グラム対50mLである、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項9】
培養液1リットルあたり1ワットの光が使用される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項10】
乾燥重量によって測定されるときの総糖分が6パーセント(6%)以上である、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/312,789号に対する優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
背景
本発明は、テキーラの製造に関し、より直接的には、アガベ植物の成熟に通常必要な12年間という期間に代わる期間を提供するテキーラ製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
テキーラは、ウェーバーブルーアガベという植物から一般的に製造される蒸留酒である。ウェーバーブルーアガベ植物、すなわちアガベ・テキラーナ(agave tequilana)は、アロエ・ベラ(aloe vera)植物に似たトゲのある長い葉を有する大型の多肉植物である。ブルーアガベ植物の中心部には、ピーニャと呼ばれる球茎がある。テキーラを蒸留するために、この球茎を焼いて搾汁し、この汁を酵母と一緒に樽で発酵させると、テキーラが生成する。テキーラは、人気のある蒸留酒であり、マルガリータ、パロマ、テキーラサンライズなどの様々なカクテルに使用されている。
【0004】
伝統的なテキーラの製造は、以下のように行われる。
【0005】
1.アガベの収穫。現代のテキーラ製造は、ブルーアガベ植物を収穫する伝統的な方法から始まる。コアと呼ばれる専用の刃物を使用して、地下球茎であるピーニャからアガベ植物の葉を切り落とす。
【0006】
2.アガベの中心部、すなわちピーニャの焼き上げ。球茎であるピーニャの発酵可能な糖分を抽出するために、ピーニャを焼く必要がある。ピーニャは、伝統的に石を敷き詰めた穴内で焼かれていたが、今日ではホルノと呼ばれる粘土及び煉瓦でできた窯又は大型のステンレス製オーブンのいずれかで焼かれている。
【0007】
3.ピーニャの細断及びアガベジュースの抽出。焼き上がったピーニャを粉砕及び細断して、その中に含まれるモストと呼ばれる甘味のあるジュースを抽出する。モストの抽出方法には2通りあり、工業用の機械的なシュレッダーを用いる(最も一般的な最近の手法)か、又はピーニャを粉砕して搾汁する、タオナという大きい石臼を使用する伝統的な方法の1つを用いて行われる。
【0008】
4.アガベジュース、すなわちモストの発酵。次に、モストを蒸留酒にするために、モストを発酵させてエチルアルコール化させる必要がある。モストを大型の発酵槽内で酵母及び水と混ぜ合わせる。この処理には、大型のステンレス製タンク又は大型の木製樽のいずれかが使用される。
【0009】
5.発酵したモストの蒸留。次に、アガベジュースを蒸留することにより、液体を精製し、混合物中のアルコールを濃縮する。テキーラは、通常、2回蒸留される。1回目の蒸留では、オルディナリオと呼ばれる濁った液体が生成する。2回目の蒸留で透明なシルバーテキーラが生成し、これで熟成及び瓶詰めの準備が整う。
【0010】
6.テキーラの熟成。全てのテキーラは、少なくとも14~21日間熟成される。シルバー又はブランコテキーラは、熟成期間が最も短い。熟成されたテキーラは、3つのタイプ:レポサド(「仮眠」、2ヵ月間~1年間熟成)、アネホ(「熟成」、1~3年間熟成)及びエクストラアネホ(3年を超えて熟成)になる。より熟成されたテキーラを製造するために、蒸留したブランコを中古のオーク樽に詰め、そうするとテキーラが黄金色になる。ホーベン(「若い」)又はオロ(「金」)と呼ばれる第5の種類のテキーラもあり、これは、シルバーテキーラとレポサドテキーラとを混ぜ合わせたものである。
【0011】
メキシコ政府は、アガベ植物の生産に関して厳しい規制を設けており、法律により、その生産は、メキシコ国内のハリスコ、ナヤリット、グアナフアト、ミチョアカン及びタマウリパスを含む特定の州に限定されている。その上、栽培されたアガベ植物がテキーラ製造に十分な大きさに成長するまでに12年間を要する。これらの2つの制限に加えて、テキーラ販売量の急増及び新規テキーラ製造業者の参入が重なったことにより、アガベ植物の深刻な不足が生じている。現在、アガベの生産量は、需要量をはるかに下回っており、近い将来に状況が更に悪化すると予想されている。これらの問題点の中でも、アガベ植物の不足に最も大きく影響しているのは、その植物の12年間という生育期間である。これまで、植物が成熟するまで12年間待つこと以外、必要とされる糖分及び成分を得るための手段がなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は、実験室で細胞培養物から植物組織を成長させることにより、アガベ植物の成長を促進する方法である。細胞を、終始植物の一部とすることなく、短期間で成長させることを可能にする新規な方法が開発された。培養細胞は、アガベ植物の葉から採取され、及び新たな細胞の産生及びその新たな細胞の成熟に必要な全ての栄養素を含有する培地で増殖される。細胞は、その後、光合成有効放射に曝露され、及び追加の二酸化炭素を供給され、細胞を光合成させ、及び天然に成長するアガベ植物中に見られる糖分を形成させる。これらの培養細胞は、最適な量の光及び二酸化炭素を与えられて、これまでに達成されたものより予想外に及びかなり高い増殖速度を促進する。
【0013】
培養物が成熟して糖分を産生し、液体培地の糖分が例えば8%前後になったら酵母を添加し、糖分が完全にエタノールに変換されるまで細胞培地懸濁液全体を発酵させる。好ましい一実施形態では、液体培地のpHを3.5~4.5の範囲に低下させるためにクエン酸を添加する。こうしてpHを低下させることにより、光合成過程が以下のように促進される。光合成の光反応に必要なエネルギーは、NADPをNADPHに変換するための水素を水分子から引き抜くために使用され、pHを、細胞が依然として生存し得る程度まで低下させることにより、葉緑体が利用できる水素イオンが増加し、それにより水分子を分解するために必要な光エネルギーの量が減る。
【0014】
次いで、テキーラを製造するために蒸留を行い、このエタノールを、生成した他の芳香族化合物と一緒に取り出す。このプロセスにより、12年間の待機時間が約24週間に短縮され、生産量及びプロセス効率が劇的に向上する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明に従ってテキーラを得るプロセスは、以下に説明するように4段階に分けられる。以下の説明は、本発明を実施するための本発明者の最良の形態と見なされるべきであるが、最終生成物が依然として得られる成分及び条件に変動があり、当業者が認識するであろう上述の変動を排除しないことが理解されるであろう。
【0016】
アガベ由来カルスの培養開始:カルス誘導培地の調製
ショ糖(3%)、ナフタレン酢酸の0.004%ストック液(NAA、1%)及び粉末ムラシゲ・スクーグ基礎培地(0.44%)を全体が100%になるように蒸留水に添加して、溶液を調製する。
【0017】
Sigmaから入手したムラシゲ・スクーグ(MS)培地を使用し、ショ糖3%及びナフタレン酢酸1%(0.004%w/vの濃縮ストック液から)を合わせてカルス誘導培地を調製する。調製された培地を好ましくはpH約5.75に調整し、0.2%のフィタゲルを用いて固化させる。次いで、培地を約121℃で20分間オートクレーブ処理し、滅菌されたプラスチック製植物組織培養皿に注ぐ。
【0018】
アガベ由来カルスの培養開始:植物組織の滅菌
アガベの葉の組織を70%エタノール溶液に2分間浸漬し、次いで10%漂白剤溶液に10分間浸漬することにより滅菌する。アガベを、滅菌された(オートクレーブ処理された)蒸留水で複数回洗浄し、無菌クリーンベンチ内で無菌的に円盤状に切断する。カルス誘導培地を含む準備済みのプレートにアガベ切片を載せ、次いでプレートをネスコフィルムなどのフィルムでシールする。次いで、シールされたプレートを気温約27℃の暗箱内に置く。この条件下で約30日後にカルス形成物が見え始めるであろう。
【0019】
確立された培養物のための培地調製
本発明の第3段階では、カルス形成物を増殖促進培地に導入する。第1工程からの先に示した培地(蒸留水、ショ糖、ムラシゲ・スクーグ基礎粉末及びNAA)を、ピリドキサール塩酸塩0.05%、二塩化チアミン0.10%及びニコチン酸0.05%gを含むビタミンストック溶液0.01%を添加して繰り返す。ショ糖3%、粉末MS0.44%、NAAストック1%及びビタミンストック0.01%を、全体が100%となる蒸留水と混合することにより基礎培地を得る。マグネチックスターラーを使用して、乾燥成分が全て溶解するまで成分を混合した後、まずNaOHの1M溶液を使用し、次いでNaOHの0.1M溶液を使用して、培地のpHが5.75になるように調整する。250mlの三角フラスコを使用して、培地50mlを導入してからフラスコの口を金属箔で密閉する。密閉した各フラスコを121℃、103kPaのオートクレーブで約25分間滅菌する。その後、フラスコをクリーンベンチに入れ、周囲温度まで放冷する。
【0020】
接種及び確立された培養物の継代培養
このプロセスの最終段階は、接種及び確立された培養物からの継代培養を進めることである。まず、クリーンベンチ及び器具を70%エタノール溶液で滅菌し、器具(ピンセット、スパチュラなど)の場合には赤熱するまで加熱した後、滅菌されたクリーンベンチ内で放冷する。クリーンベンチ内において、調製済み培地のフラスコからそれぞれ金属箔を取り除き、滅菌されたピンセットを使用して、植物組織から脆いカルスの親指の爪大の小片を取り出す。この脆いカルスをばらばらにして、微細分散した細胞としてフラスコに加える。好ましい実施形態では、組織約5グラムを培地50mlに加える(10%w/v)。カルスをフラスコに加えた後、フラスコの口を炎であぶってから、滅菌された金属箔のシートで覆う。密閉したフラスコを周囲温度27℃の暗室内で120rpmの振盪機にかける。濃厚な分散細胞懸濁培養液が観察されるまでフラスコを放置する(約2週間)。
【0021】
継代培養
この培養期間後、滅菌されたクリーンベンチ内で調製済み培地のフラスコから金属箔を取り除き、分散細胞懸濁培養液(初回接種により生成)を入れたフラスコの金属箔も取り除く。滅菌された幅の広い穴あきスパチュラを使用して細胞をすくい、新鮮な培地に加える。好ましい実施形態では、組織約5グラムを培地50mlに加える。培地にクエン酸を加えて、pHを3.5~4.5の範囲、より好ましくはpH4.0に低下させ得る。フラスコの口を滅菌された金属箔のシートで覆う。次いで、フラスコを周囲温度27℃の明室内で120rpmの振盪機にかける。14日後、この細胞懸濁培養液を更なる継代培養に使用するか、又は細胞を収集して凍結乾燥させることができる。
【0022】
中間培養物の確立
このプロセスの最終段階は、20リットルの培養バッグの調製である。これは、全体が100%となる蒸留水中のショ糖3%、粉末MS0.44%、NAAストック1%及びビタミンストック0.01%を使用して培地を作製することから開始される。マグネチックスターラーを使用して、乾燥成分が全て溶解するまで混合した後、1M及び0.1MのNaOH溶液を使用してpHを調整し、pHを5.75にする。20L(公称)の滅菌容器3個を使用し、蠕動ポンプ、チューブ及び0.2ミクロンの無菌フィルターを使用して、培地をそれぞれの袋に無菌的に加える。この移し替えは、滅菌されたクリーンベンチ内で行う必要がある。滅菌された50mlのシリンジを使用し、250mlのフラスコから細胞200mlを、容器の添加ポートを使用してバッグ内の培地に移し替える。混合物を実験室で4週間培養した後、培養容器をPAR光下に置き、培養液1リットルあたり1Wの光が出力されるようにする。散気装置を介して空気を液体中に空気の流量が200ml/分となるように加える。散気装置を介して二酸化炭素を液体中にCOの流量が50ml/分となるように加える。この混合物を、乾燥重量で測定した場合の総糖分が6パーセント(6%)以上になるまで約6週間培養する。そうなった時点で光及び気体の流れを全て停止し、醸造所の酵母を液体に加える。次いで、約5~10日間の期間発酵させる。発酵後、生成したエタノールを蒸留により取り出すことができる。留出液に対して、テキーラに想定される含有量までエタノール含有量を低下させるために水を加え得る。
【0023】
上述のプロセスは、本発明を実施するための本発明者の最良の形態を表すが、当業者であれば、アガベ植物の通常の成長発達よりもはるかに短い期間で依然としてテキーラが得られる本プロセスの修正形態及び置換形態を認識するであろう。本発明は、当業者に明らかであろうこのようなあらゆる修正形態及び置換形態を包含することを意図し、本明細書におけるいかなる記載も、明示的にそのように述べられていない限り、本方法の何らかの変形形態を排除すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明は、上の記載に限定されないが、それらと矛盾しない、通常の慣用的意味を使用する、特許請求の範囲に包含されるあらゆる変形形態及び置換形態と見なすべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキーラの製品のためのアガベ細胞を培養する方法であって、
(a)ショ糖、ナフタレン酢酸及び水を含むカルス導入培地を調製すること、
(b)アガベ細胞を前記導入培地に配置して、カルス形成物を培養すること、
(c)ビタミンストック溶液が添加されている、ショ糖、ナフタレン酢酸及び水を含む促進培地に前記カルス形成物を配置することによって混合物を確立し、及び5.5~6のpHとなるように前記混合物を調整すること、
(d)(c)の前記混合物を加熱すること、
(e)(d)の前記混合物から得られた培養物を使用して、促進培地から継代培養物を培養し、及びクエン酸を添加して3.5~4.5のpHにすると共に、前記継代培養物に光を導入すること、
(f)二酸化炭素及び酵母を添加し、及び発酵させること
を含み、テキーラを製造するためにエタノール濃度が調節される、方法。
【請求項2】
前記カルス導入培地がムラシゲ・スクーグ培地を含む、請求項1に記載のテキーラの製品のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項3】
前記カルス導入培地が3:1のショ糖対ナフタレン酢酸の比を有する、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項4】
前記カルス導入培地がフィタゲルで固化される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項5】
前記カルス導入培地に前記細胞を導入する前に、アガベを滅菌することを更に含む、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項6】
前記アガベ細胞及び前記カルス導入培地が容器内に密閉され、及び暗所に配置される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項7】
前記ビタミンストック溶液がピリドキサール塩酸塩、二塩化チアミン及び硝酸を含む、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項8】
ステップ(e)における培養物対促進培地の比が5グラム対50mLである、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項9】
培養液1リットルあたり1ワットの光が使用される、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【請求項10】
乾燥重量によって測定されるときの総糖分が6パーセント(6%)以上である、請求項1に記載のテキーラの製造のためのアガベ細胞を培養する方法。
【国際調査報告】