(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング下で治療を行う際に有用な医療システム、デバイス、及びキット、並びに関連方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20250220BHJP
A61M 25/01 20060101ALN20250220BHJP
【FI】
A61B5/055 390
A61M25/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569193
(86)(22)【出願日】2023-02-07
(85)【翻訳文提出日】2024-10-04
(86)【国際出願番号】 US2023062104
(87)【国際公開番号】W WO2023150781
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524297276
【氏名又は名称】アンティラ, エリック, ディー.
【氏名又は名称原語表記】ANTTILA, Eric, D.
(71)【出願人】
【識別番号】524297287
【氏名又は名称】ベーカー, グラント, エム.
【氏名又は名称原語表記】BAKER, Grant, M.
(71)【出願人】
【識別番号】524297298
【氏名又は名称】ブランドナー, エリック
【氏名又は名称原語表記】BRANDNER, Eric
(71)【出願人】
【識別番号】524297302
【氏名又は名称】チェンバース, ショーン, ディー.
【氏名又は名称原語表記】CHAMBERS, Sean, D.
(71)【出願人】
【識別番号】524297313
【氏名又は名称】フィアノット, ニール
【氏名又は名称原語表記】FEARNOT, Neal
(71)【出願人】
【識別番号】524297324
【氏名又は名称】グロウス, デイヴィッド, シー.
【氏名又は名称原語表記】GROSS, David, C.
(71)【出願人】
【識別番号】524297335
【氏名又は名称】クリーガー, ジョシュア, エフ.
【氏名又は名称原語表記】KRIEGER, Joshua, F.
(71)【出願人】
【識別番号】524297346
【氏名又は名称】ポール, ラム, エイチ., ジュニア.
【氏名又は名称原語表記】PAUL, Ram, H., Jr.
(71)【出願人】
【識別番号】524297357
【氏名又は名称】ロビソン, アンドリュー, ジェイ.
【氏名又は名称原語表記】ROBISON, Andrew, J.
(71)【出願人】
【識別番号】524297368
【氏名又は名称】ロール, ジェシー
【氏名又は名称原語表記】ROLL, Jesse
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(72)【発明者】
【氏名】アンティラ, エリック, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, グラント, エム.
(72)【発明者】
【氏名】ブランドナー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】チェンバース, ショーン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フィアノット, ニール
(72)【発明者】
【氏名】グロウス, デイヴィッド, シー.
(72)【発明者】
【氏名】クリーガー, ジョシュア, エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ポール, ラム, エイチ., ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ロビソン, アンドリュー, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロール, ジェシー
【テーマコード(参考)】
4C096
4C267
【Fターム(参考)】
4C096AA18
4C096AB41
4C096AD19
4C096FC20
4C267AA05
4C267BB03
4C267BB11
4C267BB26
4C267BB40
4C267BB63
4C267EE01
4C267GG23
4C267GG34
4C267HH06
4C267HH19
(57)【要約】
磁気共鳴イメージング下で治療を行うための例示的な医療システム、並びに関連デバイス、キット、及び方法が説明される。例示的な医療システムが、第1の医療デバイスと、第2の医療デバイスと、マーカとを備える。第1の医療デバイスは、第1の材料で形成される。第1の材料は、第1の磁化率を有する。第2の医療デバイスは、第2の材料で形成される。第2の材料は、第2の磁化率を有する。マーカは、第2の医療デバイス上に配置され、第3の材料で形成される。第3の材料は、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる第3の磁化率を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料で形成された第1の医療デバイスであって、前記第1の材料が第1の磁化率を有する、第1の医療デバイスと、
第2の材料で形成された第2の医療デバイスであって、前記第2の材料が第2の磁化率を有する、第2の医療デバイスと、
前記第2の医療デバイス上に配置され、第3の材料で形成されたマーカであって、前記第3の材料が、前記第1の磁化率及び前記第2の磁化率とは異なる第3の磁化率を有する、マーカと
を備える、磁気共鳴イメージング下で治療を行う際に有用な医療システム。
【請求項2】
前記第3の磁化率が、前記第1の磁化率及び前記第2の磁化率よりも大きい、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記第1の材料と前記第2の材料とが同じである、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記第3の材料が、1重量%未満の鉄を含む合金である、請求項3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記第2の医療デバイスが、前記第1の医療デバイスと同軸で使用され得る、請求項1に記載の医療システム。
【請求項6】
前記マーカが複数のマーカを含む、請求項1に記載の医療システム。
【請求項7】
前記複数のマーカが、マーカの第1のサブセットと、マーカの第2のサブセットと、マーカの第3のサブセットとを含み、マーカの前記第1のサブセットにおける各マーカが前記第3の材料で形成され、マーカの前記第2のサブセットにおける各マーカが第4の材料で形成され、マーカの前記第3のサブセットにおける各マーカが第5の材料で形成され、前記第4の材料が、前記第1の磁化率及び前記第2の磁化率とは異なる第4の磁化率を有し、前記第5の材料が、前記第1の磁化率及び前記第2の磁化率とは異なる第5の磁化率を有する、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれが、インコネル625である、請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
マーカの前記第1のサブセットにおける各マーカが、ニッケルで形成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項10】
マーカの前記第2のサブセットにおける各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第1の合金で形成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項11】
マーカの前記第3のサブセットにおける各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第2の合金で形成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項12】
前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれが、チタンであり、
マーカの前記第1のサブセットにおける各マーカが、ステンレス鋼で形成され、
マーカの前記第2のサブセットにおける各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第1の合金で形成され、
マーカの前記第3のサブセットにおける各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第2の合金で形成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項13】
前記第1の材料及び前記第2の材料のそれぞれが、チタンであり、
マーカの前記第1のサブセットにおける各マーカが、ステンレス鋼で形成され、
マーカの前記第2のサブセットにおける各マーカが、第1のコバルトクロム合金で形成され、
マーカの前記第3のサブセットにおける各マーカが、前記第1のコバルトクロム合金とは異なる第2のコバルトクロム合金で形成される、請求項7に記載の医療システム。
【請求項14】
近位端部と、遠位端部と、第1の磁化率を有する第1の材料で形成された本体とを有する長尺部材と、
前記長尺部材上に配置されたプラグであって、前記プラグが、第3の材料内に配置された第2の材料を含み、前記第2の材料が第2の磁化率を有し、前記第3の材料が第3の磁化率を有し、前記第2の磁化率が、前記第1の磁化率及び前記第3の磁化率とは異なる、プラグと
を備える、磁気共鳴イメージング下で治療を行う際に有用な医療デバイス。
【請求項15】
前記第1の材料が、前記第2の材料及び前記第3の材料とは異なる、請求項14に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記第2の材料が、磁気の影響を受けやすい粒子を含み、
前記第3の材料が、エポキシ樹脂を含む、請求項14に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記磁気の影響を受けやすい粒子が、磁気の影響を受けやすい金属粒子を含む、請求項16に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記磁気の影響を受けやすい金属粒子が、ステンレス鋼合金を含む、請求項17に記載の医療デバイス。
【請求項19】
磁気共鳴スキャナ内に患者を配置することと、
前記磁気共鳴スキャナを使用して前記患者の第1の部分を走査することと、
前記患者の前記第1の部分の磁気共鳴画像を取得することと、
前記磁気共鳴画像を用いて事前定義された特性を有する組織を識別することと、
前記事前定義された特性に基づいて、前記組織を治療する手順を選択することと、
前記選択された手順を実行するためのMRシーケンス及び/又はパラメータを選択することと、
前記選択された手順の実行を遂行する医療デバイスを選択することと、
前記患者の前記第1の部分を走査するために使用される前記磁気共鳴スキャナ内に前記患者を配置したままで、前記磁気共鳴スキャナを使用して前記医療デバイスを含む前記患者の第2の部分を走査しながら、前記医療デバイスを身体の通路内に、及び前記組織まで挿入することと、
前記医療デバイスを含む前記患者の前記第2の部分の磁気共鳴画像を取得することと、
前記身体の通路内で前記医療デバイスの位置を確認することと、
治療を行うことと
を含む、磁気共鳴イメージング下で治療を行う方法。
【請求項20】
前記医療デバイスが、
近位端部と、遠位端部と、第1の磁化率を有する第1の材料で形成された本体とを有する長尺部材と、
前記長尺部材上に配置されたプラグであって、前記プラグが、第3の材料内に配置された第2の材料を含み、前記第2の材料が第2の磁化率を有し、前記第3の材料が第3の磁化率を有し、前記第2の磁化率が、前記第1の磁化率及び前記第3の磁化率とは異なる、プラグと
を備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療システム及びデバイスの分野に関する。より詳細には、本開示は、磁気共鳴イメージング(MRI)下で治療を行う際に有用な医療システム、MRI下で治療を行う際に有用な医療デバイス、MRI下で治療を行う際に有用なキット、及びMRI下でインターベンショナル治療を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターベンショナルMRIの分野は、広く受け入れられてきており、行うことのできる手順の数に増加が見られている。MRI下で実施されるインターベンショナル手順には、X線ガイド下インターベンションと比較していくつかの利点がある。例えば、患者は、電離放射線に曝されることがない。また、MRIは、インターベンショナル手順の際に組織及び機能的血流の特性を明らかにする能力を提供する。
【0003】
MRI下で実施されるインターベンショナル手順の開発は、これらの手順を行うのに必要なツールが入手できないために限界があった。したがって、患者は、様々な症状の可視化、診断、及び治療のために、治療施設を何度も訪れる必要がある。加えて、複数のイメージングモダリティが必要とされることが多く、このことは、インターベンションを指示する際に磁気共鳴(MR)画像を利用する精度に影響する。例えば、前立腺がんに対処する場合、現在、可視化、生検、及び治療の完了までには、患者は3回訪問することになる。最初の訪問時には、MRスキャナを使用した走査を済ませて、前立腺及び異常があればそれを示す画像を生成する。その後、患者は、施設を後にし、画像の検討結果を待つ。異常がある場合、異常組織の生検サンプル採取を済ませることができるように、2回目の患者の訪問が行われる。現在、手技による超音波とMR画像を融合して、生検を実施する際のガイダンスを提供するソフトウェアが使用されている。この融合は、診断MR画像の有用性を損なう。その後、患者は再び施設を後にし、更なる治療が必要か否か(例えば、検討の結果、前立腺がんに関して陽性であると診断されるか否か)を判定するための生検サンプルの検討結果を待つ。更なる治療が必要とされる場合、治療を行うことができるように、患者は3回目の施設の訪問を行う。これらの3回の患者の訪問の完了には数ヶ月かかることがあり、患者が迅速な治療を受けることを妨げ、治療に関連する全体的なコストを増やす。更に、MR画像を他の画像(例えば、超音波を介して取得された画像)と融合するために使用されるソフトウェアには、画像オーバーレイにおける潜在的な問題、及び組織(例えば、前立腺)の圧迫によるずれの可能性などの欠点がある。
【0004】
したがって、新しい、改善された、MRI下で治療を行う際に有用な医療システム、MRI下で治療を行う際に有用な医療デバイス、MRI下で治療を行う際に有用なキット、及びMRI下でインターベンショナル治療を行う方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書では、様々な例示的な、MRI下で治療を行う際に有用な医療システム、MRI下で治療を行う際に有用な医療デバイス、MRI下で治療を行う際に有用なキット、及びMRI下でインターベンショナル治療を行う方法が説明される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
MRI下で治療を行う際に有用な例示的な医療システムが、第1の医療デバイスと、第2の医療デバイスと、マーカとを備える。第1の医療デバイスは、第1の材料で形成される。第1の材料は、第1の磁化率を有する。第2の医療デバイスは、第2の材料で形成される。第2の材料は、第2の磁化率を有する。マーカは、第2の医療デバイス上に配置され、第3の材料で形成される。第3の材料は、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる第3の磁化率を有する。
【0007】
MRI下で治療を行う際に有用な例示的な医療デバイスは、長尺部材とプラグとを備える。長尺部材は、近位端部と、遠位端部と、第1の磁化率を有する第1の材料で形成された本体とを有する。プラグは、長尺部材上に配置され、第3の材料内に配置された第2の材料を含む。第2の材料は、第2の磁化率を有する。第3の材料は、第3の磁化率を有する。第2の磁化率は、第1の磁化率及び第3の磁化率とは異なる。
【0008】
磁気共鳴下で治療を行う際に有用な例示的なキットが、第1の医療デバイスと、第2の医療デバイスと、第3の医療デバイスとを備える。第1の医療デバイスは、第1のMR磁場強度下で第1の画像アーチファクトを生じる第1のマーカを備える。第2の医療デバイスは、第2のMR磁場強度下で第2の画像アーチファクトを生じる第2のマーカを備える。第3の医療デバイスは、第3のMR磁場強度下で第3の画像アーチファクトを生じる第3のマーカを備える。第1のMR磁場強度は、第2のMR磁場強度及び第3のMR磁場強度とは異なる。第2のMR磁場強度は、第3のMR磁場強度とは異なる。第1の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性(例えば、サイズ、形状、パターン、及び/又は強度)の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第1の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第1の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第2の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第3の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。
【0009】
MRI下でインターベンショナル治療を行う例示的な方法が、MRスキャナ内に患者を配置することと、MRスキャナを使用して患者の第1の部分を走査することと、患者の第1の部分のMR画像を取得することと、MR画像を用いて事前定義された特性を有する組織を識別することと、事前定義された特性に基づいて、組織を治療する手順を選択することと、選択された手順の実行の際に使用するMRシーケンス及び/又はパラメータを選択することと、選択された手順の実行の際に使用されるように意図される選択されたMRシーケンス及び/又はパラメータに基づいて、医療手順の実行を遂行する医療デバイスを選択することと、患者の一部分を走査するために使用されるMRスキャナ内に患者を配置したままで、MRスキャナを使用して医療デバイスを含む患者の第2の部分を走査しながら、医療デバイスを身体の通路内に、及び組織まで挿入することと、医療デバイスを含む患者の第2の部分のMR画像を取得することと、身体の通路内で医療デバイスの位置を確認することと、医療デバイスを使用して治療を行うこととを含む。
【0010】
これらの例示的な医療システム、医療デバイス、キット、及び方法は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、更に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の例示的な医療デバイスと第2の例示的な医療デバイスとを備える第1の例示的な医療システムの部分立面図である。
【
図2】
図1に示す医療システムに含まれる第1の例示的な医療デバイスの立面図である。
【
図3】
図1に示す医療システムに含まれる第2の例示的な医療デバイスの立面図である。
【
図6】
図3に示す第2の医療デバイスの線6-6断面図である。
【
図7】いくつかの反磁性及び常磁性の金属及び金属合金のシミュレートされた磁化率を示すグラフである。
【
図8】いくつかの強磁性の金属及び金属合金のシミュレートされた磁化飽和を示すグラフである。
【
図9】304V冷間加工ステンレス鋼を含む様々な金属合金マーカを有する医療デバイスのシミュレートされた磁場摂動及び画像アーチファクトである。
【
図10】304V焼鈍ステンレス鋼を含む様々な金属合金マーカを有する医療デバイスのシミュレートされた磁場摂動及び画像アーチファクトである。
【
図11】医療システムに含まれ得る例示的な代替的な医療デバイスの部分斜視図である。
【
図12】
図11に示す医療デバイスの線12-12断面図である。
【
図13】医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイスの断面図である。
【
図14】医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイスの断面図である。
【
図15】医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイスの部分斜視図である。
【
図16】医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイスの部分斜視図である。
【
図19】304Lプラスチック配合微粉末の拡大図である。
【
図20】表面積の小さい430Lプラスチック配合粗粉末の拡大図である。
【
図21】表面積の大きい430Lプラスチック配合粗粉末の拡大図である。
【
図22】中実箔AD-MU-80プラグ、エポキシプラグ、バルク材料(例えば、エポキシ)に分散させたSS316を含むプラグ、及びバルク材料(例えば、エポキシ)に分散させたSS430Lを含むプラグを示す。各プラグは、エポキシを使用して適所に保持される。
【
図23】3.0テスラ(T)のグラジエントリフォーカシングエコー(GRE)MRイメージング下にある
図22に示すプラグを示す。
【
図24】3.0Tのスピンエコー(SE)MRイメージング下にある
図22に示すプラグを示す。
【
図25】医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイスの部分斜視図である。
【
図26】医療システムに含まれ得る例示的な代替的な医療デバイスのセットの立面図である。
【
図27】0.55T下で硫酸銅ファントム溶液中にある対照医療デバイスと
図26に示す医療デバイスとを示す。
【
図28】1.5T下で硫酸銅ファントム溶液中にある対照医療デバイスと
図26に示す医療デバイスとを示す。
【
図29】0.55T下でブタ組織中にある対照医療デバイスと
図26に示す医療デバイスとを示す。
【
図30】1.5T下でブタ組織中にある
図26に示す医療デバイスを示す。
【
図31】MRI下で治療を行う際に有用な例示的なキットを示す。
【
図32】MRI下で治療を行う例示的な方法の概略図である。
【
図33】MRI下で治療を行う例示的な方法の別の概略図である。
【
図34】MRI下で治療を行う例示的な方法の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明及び添付の図面は、様々な例示的な、MRI下で治療を行う際に有用な医療システム、MRI下で治療を行う際に有用な医療デバイス、MRI下で治療を行う際に有用なキット、及びMRI下でインターベンショナル治療を行う方法を説明及び図示する。これらの例の説明及び図示は、当業者が医療システム、医療デバイス、キットを作成及び使用し、またMRI下でインターベンショナル治療を行う方法を実践することができるように提供されている。これらの説明及び図示は、本発明の範囲又は要求する保護をいかなる仕方でも限定することを意図されていない。本発明は、様々な仕方で実践又は実行可能であり、本明細書で説明及び図示される例は、本発明を実践又は実行する様々な仕方の単なる選択された例であり、網羅的なものとは見なされない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「取り付けられた(attached)」という用語は、取り付けられた形態の部材を含む項目の意図された使用にしたがって行われる使用の際に、部材が互いに完全に分離しないように、ある部材が別の部材に固定されることを指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「プラグ(plug)」という用語は、別の部材にある孔、通路、凹部、又は空隙内に配置するのに適したサイズ及び構成を有する部材を指す。本用語は、いかなる特定のサイズ又は構成をも必須とするものではなく、特定のプラグのサイズ及び構成は、プラグを配置することが意図される孔、通路、凹部、又は空隙のサイズ及び構成に依存する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「周囲(circumference)」という用語は、本体、要素、又は形体の外部又は内部を囲む境界を指し、本体、要素、又は形体に対していかなる構造的構成をも付与するものではない。
【0016】
本明細書で使用される場合、「マーカ(marker)」という用語は、第1の材料がMRI下で視認可能であり、且つMRI下で第2の材料と区別可能であるように第2の材料上に離散的に被着した第1の材料、第1の材料が第1の材料と第2の材料との組み合わせがMRI下で視認可能であるように第2の材料に組み込まれ、且つMRI下で第2の材料と区別可能であるインターベンショナルデバイスの一部分、及び/又はインターベンショナルデバイスの一部分を形成する材料が、その部分がMRI下で視認可能であり、且つMRI下でインターベンショナルデバイスの残りの部分と区別可能であるように操作されているインターベンショナルデバイスの一部分を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、マーカに関連して「パッシブ(passive)」という用語は、パワーが供給されない、又はMRスキャナの電磁場によってのみパワーが供給されるマーカを指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「治療(treatment)」という用語は、患者の身体の一部分に対して、又はその一部分において行われる医療手順を指す。治療の例としては、身体血管内の部位への薬剤の送達、加熱又は冷却などによる身体血管内の局所的環境の改変、患者の身体内にある部位からの組織又は組織の一部分の除去(すなわち、生検)が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「磁化率(magnetic susceptibility)」という用語は、印加された磁場において材料がどれだけ磁化されるかに関係する材料の固有の特性を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「磁気(magnetic)」を含まない「サセプタビリティ(susceptibility)」という用語は、ある要素が外部磁場に影響を与える能力を指す。サセプタビリティは、要素のサイズ、密度、体積、幾何学的構成、及び他の物理的特性、並びに要素を形成する材料の磁化率を含む、要素の様々な特性に依存する。
【0021】
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図6は、第1の例示的な医療システム8を示している。本例では、第1の例示的な医療システム8は、第1の医療デバイス10と第2の医療デバイス50とを備える。
【0022】
図示の実施形態では、第1の医療デバイス10はカニューレ12であり、第2の医療デバイス50は第1の医療デバイス10と同軸で使用され得るスタイレット52である。カニューレ12は、ハブ部材14と長尺部材16とを有する。ハブ部材14は、近位端部18と、遠位端部20と、管腔24及び突起26を画定する本体22とを有する。ハブ部材14は、他のデバイス(例えば、第2の医療デバイス50)をカニューレ12に取り付けるための機構を提供する。管腔24は、1つ以上のデバイスをハブ部材14内に渡し、通すことができるように、近位端部18から遠位端部20まで延びる。長尺部材16は、近位端部30と、遠位端部32と、長さ31と、内径33と、外面34と、内面36と、管腔40及び刃先44を有するテーパを付けられた遠位先端42を画定する本体38とを有する。管腔40は、1つ以上のデバイスをカニューレ12の長尺部材16内に渡し、通すことができるように、近位端部30から遠位端部32まで延びる。図示の実施形態では、カニューレ12の長尺部材16は、第1の磁化率を有する第1の材料で形成される。
【0023】
スタイレット52は、ハブ部材54と長尺部材56とを有する。ハブ部材54は、近位端部58と、遠位端部60と、凹部64を画定する本体62とを有する。ハブ部材54は、他のデバイス(例えば、第1の医療デバイス10)をスタイレット52に取り付けるための機構を提供する。凹部64は、近位端部58と遠位端部60との間の場所から、近位端部58に向けて本体62内に延びる。凹部64は、カニューレ12とスタイレット52との間の解除可能な取り付けが遂行され得るように、カニューレ12のハブ部材14によって画定される突起26を受け入れるようにサイズを定められる。長尺部材56は、近位端部66と、遠位端部68と、長さ67と、外径69と、外面70と、刃先76を有するテーパを付けられた遠位先端74を有する中実部材を画定する本体72とを有する。スタイレット52の長尺部材56の長さ67は、カニューレ12の長尺部材16の長さ31よりも大きい。スタイレット52の長尺部材56の外径69は、カニューレ12の長尺部材16の内径33よりも小さい。この構造的構成により、
図1に示すように、スタイレット52の長尺部材56を、カニューレ12のハブ部材14の管腔24及び長尺部材16の管腔40内に渡し、通すことができる。スタイレット52の長尺部材56は、第2の磁化率を有する第2の材料で形成される。図示の実施形態では、カニューレ12の長尺部材16を形成する第1の材料と、スタイレット52の長尺部材56を形成する第2の材料とは同じである。
【0024】
スタイレット52の長尺部材56は、複数のマーカ78を備える。複数のマーカの各マーカは、スタイレット52の長尺部材56の本体72の全周囲の周りに配置される。複数のマーカ78の各マーカは、スタイレット52に取り付けられた材料のバンドであり、第1の材料及び第2の材料とは異なる材料であり、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)磁化率を有する材料で形成される。図示の実施形態では、第1の材料及び第2の材料は、磁気の影響を受けにくい材料である、又は医療デバイスに含まれるマーカを形成する材料の磁化率に対して低い磁化率を有する材料(例えば、非常磁性材料、非強磁性材料、非反磁性材料)で形成され、複数のマーカ78のマーカを形成するために使用される材料は、磁気の影響を受けやすい材料、すなわち、医療デバイスの別の部分(例えば、長尺部材)を形成する材料の磁化率の大きさに対して高い磁化率の大きさを有する材料(例えば、反磁性材料、常磁性材料、強磁性材料)を有する材料である。したがって、マーカを形成する材料は、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)磁化率を有する。
【0025】
複数のマーカ78は、マーカの第1のサブセット80と、マーカの第2のサブセット82と、マーカの第3のサブセット84とを含む。マーカの第1のサブセット80における各マーカは、第2の医療デバイス50の長尺部材56の近位端部66と遠位端部68との間に配置され、第1の材料及び第2の材料とは異なる材料であり、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第3の磁化率を有する第3の材料で形成される。マーカの第2のサブセット82における各マーカは、マーカの第1のサブセット80とマーカの第3のサブセット84との間に配置され、第1の材料、第2の材料、及び第3の材料とは異なる材料であり、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第3の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第4の磁化率を有する第4の材料で形成される。しかしながら、代替的な実施形態は、マーカの第2のサブセットにおける各マーカが、第1の材料及び第2の材料とは異なり、第3の材料と同じである、並びに/又は第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第4の磁化率を有し、且つ第3の磁化率と同じ磁化率、同じサセプタビリティ若しくは異なるサセプタビリティを有する第4の材料で形成されるようなマーカを含み得る。マーカの第3のサブセット84における各マーカは、マーカの第2のサブセット82とスタイレット52の長尺部材56の遠位端部68との間に配置され、第1の材料、第2の材料、第3の材料、及び第4の材料とは異なる材料であり、第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第3の磁化率及び第4の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第5の磁化率を有する第5の材料で形成される。しかしながら、代替的な実施形態は、マーカの第3のサブセットにおける各マーカが、第1の材料及び第2の材料とは異なり、第3の材料及び/若しくは第4の材料と同じである、並びに/又は第1の磁化率及び第2の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第5の磁化率を有し、且つ第3の磁化率及び/若しくは第4の磁化率と同じ磁化率、同じサセプタビリティ、又は異なるサセプタビリティを有する第5の材料で形成されるようなマーカを含み得る。図示の実施形態では、マーカの第1のサブセット80は3つのマーカを含み、マーカの第2のサブセット82は1つのマーカを含み、マーカの第3のサブセット84は1つのマーカを含む。しかしながら、代替的な実施形態は、複数のマーカのサブセットにおいて任意の適切な数のマーカを含み得る。或いは、医療デバイスが、第1のマーカと、第2のマーカと、第3のマーカとを含む複数のマーカを備え得る。第1のマーカは、第1の磁場強度及び/又は第1のMRシーケンス下で第1の画像アーチファクトを生じ得、第2のマーカは、第2の磁場強度及び/又は第2のMRシーケンス下で第2の画像アーチファクトを生じ得、第3のマーカは、第3の磁場強度及び/又は第3のMRシーケンス下で第3の画像アーチファクトを生じ得る。第1の画像アーチファクトは、第2の画像アーチファクト及び第3の画像アーチファクトとは異なる。第2の画像アーチファクトは、第3の画像アーチファクトとは異なる。第1のMR磁場強度は、第2のMR磁場強度及び第3のMR磁場強度とは異なる。第2のMR磁場強度は、第3のMR磁場強度とは異なる。第1の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性(例えば、サイズ、形状、パターン、及び/又は強度)の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第1の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第1の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第2の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第3の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。
【0026】
或いは、医療システムが、第1の医療デバイスと第2の医療デバイスとを備え得る。第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスのそれぞれが、第1のマーカと、第2のマーカと、第3のマーカとを含む複数のマーカを備える。第1のマーカは、第1の磁場強度及び/又は第1のMRシーケンス下で第1の画像アーチファクトを生じ得、第2のマーカは、第2の磁場強度及び/又は第2のMRシーケンス下で第2の画像アーチファクトを生じ得、第3のマーカは、第3の磁場強度及び/又は第3のMRシーケンス下で第3の画像アーチファクトを生じ得る。第1の画像アーチファクトは、第2の画像アーチファクト及び第3の画像アーチファクトとは異なる。第2の画像アーチファクトは、第3の画像アーチファクトとは異なる。或いは、マーカ(例えば、第1のマーカ、第2のマーカ、第3のマーカ)が重なることにより、第1の磁場強度、第2の磁場強度、及び/又は第3の磁場強度下で画像アーチファクトが生じ得る。
【0027】
第1の医療デバイス10の長尺部材16を形成する第1の材料、第2の医療デバイス50の長尺部材56を形成する第2の材料、及び医療デバイスに含まれる任意のマーカを形成する材料は、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料を含み得る。例えば、第1の材料、第2の材料、第3の材料、第4の材料、及び/又は第5の材料は、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切なMRI対応材料を含み得る。加えて、又は代替的な実施形態において、第1の材料、第2の材料、第3の材料、第4の材料、第5の材料、及び/又は本明細書で説明される任意の他の材料は、磁化率又は相対磁化率と同様に、本明細書で説明される材料の形成するシステム又はデバイスの部分に対するサセプタビリティ又は相対サセプタビリティを有する任意の適切なMRI対応材料を含み得る。図示の実施形態では、第1の材料及び第2の材料のそれぞれがチタンを含み、複数のマーカ78の第1のサブセット80における各マーカが、ステンレス鋼(例えば、304V SS)で形成され、複数のマーカ78の第2のサブセット82における各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第1の合金で形成され、複数のマーカ78の第3のサブセット84における各マーカが、1重量%未満の鉄を含む第2の合金で形成され、第2の合金が、第1の合金と同じであっても異なっていてもよい(例えば、第2の合金は、第1の合金と同じ又は異なる磁化率を有し、第2の合金は、第1の合金と同じ又は異なるサセプタビリティを有する)。より具体的な実施形態では、第1の材料及び第2の材料のそれぞれがチタンを含み、複数のマーカ78の第1のサブセット80における各マーカが、ステンレス鋼(例えば、304V SS)で形成され、複数のマーカ78の第2のサブセット82における各マーカが、第1のコバルトクロム合金(例えば、FWM1537(Co-Cr))で形成され、複数のマーカ78の第3のサブセット84における各マーカが、第1のコバルトクロム合金とは異なる第2のコバルトクロム合金(例えば、L605(Co-Cr))で形成される。これらの材料を使用することにより、複数のマーカ78の各マーカは、MRIを使用してMR画像を作る際にパッシブマーカとして作用する。
【0028】
カニューレ12の長尺部材16、スタイレット52の長尺部材56、及び複数のマーカ78における各マーカを形成するものとして特定の材料を説明してきたが、医療デバイス、又はその一部分(例えば、長尺部材)、及びマーカは、本明細書の説明による磁化率を有する任意の適切な材料で形成することができる。例えば、第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び医療デバイスに含まれるマーカは、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切なMRI対応材料で形成され得る。適切な材料の選択は、第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び/又はマーカの意図される使用を含む様々な考慮事項に基づき得る。第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び/若しくはマーカ、又はその一部分を形成するのに適すると考えられる材料の例としては、生体適合性材料、生体適合性材料に作ることができる材料、MRI対応材料、金属、電気絶縁材料、非導電性材料、磁気の影響を受けにくい材料などの非強磁性材料、非反磁性材料、パッシブ材料、反磁性材料(例えば、熱分解炭素)、常磁性材料、又は強磁性材料を含む、磁気の影響を受けやすい材料、強磁性パッシブ材料、フェライト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼430L粉末、ニチノールなどのニッケル-チタン系合金を含む、形状記憶合金、インコネル(例えば、インコネル625)などのオーステナイト系ニッケル-クロム系合金、Special Metals Corporationのオーステナイト系ニッケル-クロム系超合金のファミリーのブランド、オーステナイト系ステンレス鋼を含む、ステンレス鋼304V SS、鉄を含有するステンレス鋼、インコネルを含むステンレス鋼、鉄、コバルト、コバルトクロム、コバルトクロム合金、チタン、約192KSIの硬度を有する材料(例えば、ステンレス鋼)、ニッケル、ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、ニッケルストライクめっき、1重量%未満の鉄を含む合金、例えばMagnetic Shield Corporationの非常に高い透磁率を有するニッケル鉄強磁性合金のブランドであるMuMetalなどのムリナイトを含む金属、プラスチック、ポリマー、PEEK、カーボン充填PEEK、高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、シリコーン、デルリン、セラミック、透明材料、不透明材料、本明細書で説明される材料、本明細書で説明される材料の組み合わせ、特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の材料が挙げられる。医療デバイスに含まれるマーカは、マーカが配置された医療デバイスの部分(例えば、長尺部材、先端)において、マーカが顕著性を与える個別の指標となるように、MRI下で医療デバイスを使用するための機構を提供する。本明細書で説明されるように医療デバイスに2つ以上のマーカが含まれる場合、第1のマーカは、MRI下で第1の顕著性を有し(例えば、MRI下で第1の画像アーチファクトを生じ)得、第2のマーカは、MRI下で第2の顕著性を有し(例えば、MRI下で第2の画像アーチファクトを生じ)得、第2の顕著性は、第1のマーカ及び第2のマーカを形成する材料に応じて第1の顕著性と同じであるか異なる。このことは、同じ又は異なる材料のマーカを形成すること、及び/又はある材料を別の材料に対してより大きな体積とすることによって実現され得る。
【0029】
図7は、第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び/又はマーカを形成するために使用され得る、いくつかの反磁性及び常磁性の金属及び金属合金のシミュレートされた磁化率を示すグラフである。
図8は、第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び/又はマーカを形成するために使用され得る、いくつかの強磁性の金属及び金属合金のシミュレートされた磁化飽和を示すグラフである。本明細書で説明するように、マーカは、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料で形成され得る。
図9は、304V冷間加工ステンレス鋼を含む様々な金属合金マーカを有する医療デバイスのシミュレートされた磁場摂動及び画像アーチファクトである。
図10は、304V焼鈍ステンレス鋼を含む様々な金属合金マーカを有する医療デバイスのシミュレートされた磁場摂動及び画像アーチファクトである。
【0030】
本明細書で説明されるものなどの医療システムは、任意の適切な数及びタイプの医療デバイスを備え得る。例えば、第1の医療デバイスは、任意の適切な長さ及びゲージを有する任意の適切なタイプのカニューレを備え得、第2の医療デバイスは、任意の適切な長さ及びゲージを有する任意の適切なタイプのスタイレットを備え得る。例えば、第1の医療デバイスは、インコネル製チバニードル、インコネル製微小穿刺ニードル、若しくは特定の実施形態に適すると考えられる任意の他のニードルを含み得、7センチメートル、15センチメートル、若しくは特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の長さに等しいか、それよりも大きいか、それよりも小さい長さを有し得、及び/又は20、21、22、又は特定の実施形態に適すると考えられる任意の他のゲージに等しいか、それよりも大きいか、それよりも小さいゲージを有し得る。本明細書で説明される医療システム及び/又は医療デバイスのいずれかが、個別に、又は別の医療システム及び/又は医療デバイスと組み合わせて利用され得る。
【0031】
一実施形態によれば、任意の適切な数のマーカが、医療デバイスに配置され得る。第2の医療デバイス50は5つのマーカ78を備えるが、一実施形態による医療デバイスは、特定の医療デバイスの意図された使用に適すると考えられる任意の数のマーカを備えることができ、各マーカは、医療デバイスの任意の適切な構成要素上の任意の適切な場所に配置され得ることを認識されたい。一実施形態による医療デバイスに含めるための適切な数のマーカの例としては、1つのマーカ、2つのマーカ、3つ以上のマーカ、3つのマーカ、複数のマーカ、4つのマーカ、5つのマーカ、6つのマーカ、7つのマーカ、8つのマーカ、9つのマーカ、10のマーカ、及び11以上のマーカが挙げられる。更に、2つ以上のマーカを含む実施形態では、マーカは、任意の所望の距離だけ互いに間隔を空けて配置され得る。但し、マーカは視覚的アーチファクトを生じ、医療デバイスにおけるその有用性は、MR手順においてこの視覚的アーチファクトが生じることに基づくものであるため、医療デバイス上で、視覚的アーチファクトが重なったり重なりそうになったりしない距離だけ互いに間隔を空けてマーカを配置することが望ましいことに留意されたい。しかしながら、代替的な実施形態は、重なった視覚的なアーチファクトを生じるような距離だけ互いに間隔を空けて配置されたマーカを含み得る。例えば、視覚的アーチファクトの重なりは、あるタイプのMR画像シーケンス(例えば、グラジエントリフォーカシングエコー)下で起こってもよく、別のタイプのMR画像シーケンス(例えば、スピンエコー)下では起こらなくてもよい。
【0032】
複数のマーカ78の各マーカを、スタイレット52の長尺部材56の外面70上に配置されたマーカバンド(例えば、周方向のマーカ)として示してきたが、マーカは、医療デバイス(例えば、スタイレット、カニューレ)に取り付けられた任意の適切な構造、又は医療デバイスに付与された任意の適切な処理を含むことができる。例えば、マーカは、任意の適切な形状を有することができ、材料のバンド、磁気インク、スパッタされたマグネタイト、医療デバイス(例えば、焼鈍304ステンレス鋼)の一部分を形成する材料をディンプリング、スエージング、若しくはピーニングすること、及び/又はMRI下で視認可能な区別できるマーカを形成するために、医療デバイス(例えば、医療デバイスの長尺部材)の外面及び/又は内面に沿って被着させた1種以上の材料(例えば、金属、金属合金)の単一の層若しくは複数の層を含むことができる。本明細書で説明されるものなど、任意の適切なマーカを医療デバイスに含めることができる。また、医療デバイスに含めるのに適すると考えられるマーカの例は、2019年6月27日に出願された米国特許出願第16/454,905号明細書にも記載されており、同米国特許出願は、医療デバイスに含めるのに適すると考えられるマーカを説明する目的で、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。複数のマーカ78の各マーカは、任意の適切な構成を有し得る。
図6に示すように、周方向のマーカは、スタイレット52の長尺部材56の本体72の全周囲の周りに配置され得る。或いは、一実施形態によれば、周囲の一部を画定するマーカが、マーカが本体の周囲の一部分のみの周りに延びるように、医療デバイスの一部分(例えば、スタイレットの長尺部材、カニューレの長尺部材)の本体の周りに配置され得る。或いは、マーカは、長尺部材の長さの一部分に沿った湾曲を画定する構造、長尺部材の一部分において任意の適切な幾何学的形状(例えば、円形、多角形、矩形)を画定する構造、長尺部材の長さの一部分に沿った螺旋を画定する構造、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。本明細書で説明されるマーカの構成は、MRI下で撮像される別の医療デバイス、若しくは医療デバイスの組み合わせ、周囲の流体、及び/又は組織と区別可能な画像アーチファクトをMRI下で生じるマーカを作成する機構を提供する。
【0033】
カニューレ12の長尺部材16を、刃先44を有するテーパを付けられた遠位先端42を含むものとして示し、スタイレット52の長尺部材56を、刃先76を有するテーパを付けられた遠位先端74を含むものとして示してきたが、医療デバイスに含まれる長尺部材は、尖っていない、又はテーパを付けられていない遠位先端を有するものなど、任意の適切な構造的構成を含むことができる。更に、代替的な実施形態では、ハブ部材は、別のデバイスへの取り付けを遂行するための任意の適切な構造を含むことができ、及び/若しくは医療デバイスから省略することができ、並びに/又はスタイレットは、スタイレットの全長若しくは又はスタイレットの長さの一部分にわたって延びる管腔を画定するように中空とすることができる。
【0034】
本明細書で説明される医療システム及び/又は医療デバイスは、治療を遂行するために任意の適切な数の外側シースと共に使用され得る。連続拡張を完了する際などに利用する適切な数の外側シースの選択は、連続拡張を完了する身体の通路に基づき得る。連続拡張を完了する際に利用するのに適すると考えられる外側シースの数の例としては、1つ、2つ、複数、3つ、4つ、5つ以上、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の数が挙げられる。
【0035】
図11及び
図12は、医療システムに含まれ得る例示的な代替的な医療デバイス100を示している。本例では、医療デバイス100は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るスタイレット102である。スタイレット102は、以下に詳述する以外は、
図1、
図3、
図5、及び
図6に図示し、上述したスタイレット50と同様のものである。図示の実施形態では、スタイレット102は、ハブ部材104と長尺部材106とを有する。長尺部材106は、近位端部108と、遠位端部110と、外面112と、刃先118を有するテーパを付けられた遠位先端116を有する中実部材を画定する本体114とを有する。
【0036】
長尺部材106は、長尺部材106の全長に沿って延びる単一のマーカ120を備える。図示の実施形態では、マーカ120は、MRI下で視認可能な区別できるマーカを形成するために、長尺部材106の外面112に沿って被着させた材料(例えば、金属、金属合金)の単一の層として形成される。長尺部材106は第3の材料で形成され、マーカ120は第4の材料で形成される。第3の材料は第3の磁化率を有し、第4の材料は第3の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第4の磁化率を有する。マーカ120を、長尺部材106の全長に沿って延びるものとして示してきたが、長尺部材に含まれるマーカは、代替的に、長尺部材の長さの一部分に沿って延びることができる。
【0037】
図13は、医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイス130を示している。本例では、医療デバイス130は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るスタイレット132である。スタイレット132は、以下に詳述する以外は、
図11及び
図12に図示し、上述したスタイレット100と同様のものである。図示の実施形態では、スタイレット132は、外面136と本体138とを有する長尺部材134を有する。
【0038】
長尺部材134は、第1のマーカ140と、第2のマーカ142と、第3のマーカ144とを備える。マーカ140、142、144のそれぞれが、長尺部材134の全長に沿って延びる。第1のマーカ140は、長尺部材134の外面136上に配置された材料の第1の層として形成され、第2のマーカ142は、第1のマーカ140上に配置された材料の第2の層として形成され、第3のマーカ144は、第2のマーカ142上に配置された材料の第3の層として形成される。本実施形態では、マーカ140、142、144は、MRI下で(例えば、軸方向の長さの一部分に沿って、及び/又は離散した点において)視認可能な区別できるマーカを形成するために、材料の被着層として長尺部材134の外面136の一部分に沿って軸方向に配置される。マーカ140、142、144のそれぞれを、長尺部材134の全長に沿って延びるものとして示してきたが、長尺部材に含まれるマーカは、代替的に、長尺部材の長さの一部分に沿って延びることができる。
【0039】
第1のマーカ140、第2のマーカ142、及び第3のマーカ144を形成する材料は、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料を含み得る。第1のマーカ140を形成する材料は、第2のマーカ142を形成する材料及び第3のマーカ144を形成する材料と同じであってもよい。或いは、第1のマーカ140を形成する材料は、第2のマーカ142を形成する材料及び第3のマーカ144を形成する材料とは異なってもよい。或いは、第1のマーカ140を形成する材料は、第2のマーカ142を形成する材料と同じであってもよく、且つ第3のマーカ144を形成する材料とは異なってもよい。或いは、第1のマーカ140を形成する材料は、第2のマーカ142を形成する材料とは異なってもよく、且つ第3のマーカ144を形成する材料と同じであってもよい。本明細書で説明される磁化率を有する材料の任意の適切な構成が、MRI下で視認可能な区別できるマーカを形成するために利用され得る。
【0040】
図示の実施形態では、長尺部材134が第3の材料で形成され、第1のマーカ140が第4の材料で形成され、第2のマーカ142が第5の材料で形成され、第6のマーカ144が第6の材料で形成される。第3の材料は第3の磁化率を有し、第4の材料は第4の磁化率を有し、第5の材料は第5の磁化率を有し、第6の材料は第6の磁化率を有する。第4の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第5の磁化率及び/又は第6の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。第5の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第4の磁化率及び/又は第6の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。第6の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第4の磁化率及び/又は第5の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。
【0041】
図14は、医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイス150を示している。本例では、医療デバイス150は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るスタイレット152である。スタイレット152は、以下に詳述する以外は、
図11及び
図12に図示し、上述したスタイレット100と同様のものである。図示の実施形態では、スタイレット152は、外径155と、外面156と、内面158と、長尺部材154の全長又は長尺部材154の長さの一部分を通って延び得る管腔162を画定する本体160とを有する長尺部材154を有する。
図11に示すものと同様のスタイレットに含まれるハブ部材が、スタイレット152に含まれ得、ハブ部材の全長を通って延び、長尺部材154によって画定された管腔162へのアクセスを提供する管腔を画定し得る。
【0042】
長尺部材154は、第1のマーカ164と、第2のマーカ166と、第3のマーカ168とを備える。第1のマーカ164は、長尺部材154の内面158の全周囲に沿って延び、第2のマーカ166は、第1のマーカ164の全周囲に沿って延び、第3のマーカ168は、第2のマーカ166の全周囲に沿って延び、マーカ164、166、168のそれぞれが、長尺部材154の長さの一部又は全部に沿って延びる。図示の実施形態では、第1のマーカ164は、長尺部材154の内面158上に配置された材料の第1の層として形成され、第2のマーカ166は、第1のマーカ164上に配置された材料の第2の層として形成され、第3のマーカ168は、第2のマーカ166上に配置された材料の層として形成される。マーカ164、166、168のそれぞれが、MRI下で視認可能な区別できるマーカを形成する材料の被着層を含む。
【0043】
第1のマーカ164、第2のマーカ166、及び第3のマーカ168を形成する材料は、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料を含み得る。第1のマーカ164を形成する材料は、第2のマーカ166を形成する材料及び第3のマーカ168を形成する材料と同じであってもよい。或いは、第1のマーカ164を形成する材料は、第2のマーカ166を形成する材料及び第3のマーカ168を形成する材料とは異なってもよい。或いは、第1のマーカ164を形成する材料は、第2のマーカ166を形成する材料と同じであってもよく、且つ第3のマーカ168を形成する材料とは異なってもよい。或いは、第1のマーカ164を形成する材料は、第2のマーカ166を形成する材料とは異なってもよく、且つ第3のマーカ168を形成する材料と同じであってもよい。本明細書で説明される磁化率を有する材料の任意の適切な構成が、MRI下で視認可能な区別できるマーカを形成するために利用され得る。
【0044】
図示の実施形態では、長尺部材154が第3の材料で形成され、第1のマーカ164が第4の材料で形成され、第2のマーカ166が第5の材料で形成され、第6のマーカ168が第6の材料で形成される。第3の材料は第3の磁化率を有し、第4の材料は第4の磁化率を有し、第5の材料は第5の磁化率を有し、第6の材料は第6の磁化率を有する。第4の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第5の磁化率及び/又は第6の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。第5の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第4の磁化率及び/又は第6の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。第6の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第4の磁化率及び/又は第5の磁化率とは異なるか、それよりも大きいか、それよりも小さいか、それに等しい。
【0045】
マーカ164、166、及び168は複数の層として示されているが、単一のマーカを利用し、医療デバイスの内面上、且つ医療デバイスの周囲及び/又は長さの全部又はその一部分に沿って配置することもできる。材料が層状に配置され、各層に異なる材料が使用される実施形態では、これらの構造的構成は、材料の配置された医療デバイスがMRI下で可視化されているときに、外部磁場を歪ませる(例えば、画像アーチファクトを生じる)上で各材料が集合的に有する効果を利用するために使用されて、デバイス上の任意の場所にある画像アーチファクトを調節可能にし得る。
【0046】
図15は、医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイス170を示している。本例では、第6の医療デバイス170は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るスタイレット172である。スタイレット172は、以下に詳述する以外は、
図1、
図3、
図5、及び
図6に図示し、上述したスタイレット10と同様のものである。図示の実施形態では、スタイレット172は、ハブ部材174と長尺部材176とを有する。長尺部材176は、近位端部178と、遠位端部180と、外面182と、刃先188を有するテーパを付けられた遠位先端186を有する中実部材を画定する本体184とを有する。
【0047】
長尺部材176は、第1の部分190と、第2の部分192と、第3の部分194と、第4の部分196と、第5の部分198とを備える。第1の部分190は、長尺部材176の近位端部178から第2の部分192まで延びる。第2の部分192は、第1の部分190から第3の部分194まで延びる。第3の部分194は、第2の部分192から第4の部分196まで延びる。第4の部分196は、第3の部分194から第5の部分198まで延びる。第5の部分198は、第4の部分196から長尺部材176の遠位端部180まで延びる。
【0048】
第1の部分190は第1の材料で形成され、第2の部分192は第2の材料で形成され、第3の部分194は第3の材料で形成され、第4の部分196は第4の材料で形成され、第5の部分198は第5の材料で形成される。本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料を、長尺部材176の各部分を形成するために使用することができる(例えば、金属、ポリマー)。例えば、部分190、192、194、196、198を形成する材料は、同じであってもよいし、互いに異なってもよい(例えば、材料特性が異なってもよい)。部分190、192、194、196、198が1種以上の別個の材料で形成される実施形態では、各部分は、任意の適切な方法又は技法(例えば、溶接、融着、接着剤の使用)を用いて隣接する部分に接合され得る。或いは、長尺部材176の部分190、192、194、196、198の第1のセットが同じ材料で形成され得、長尺部材176の部分190、192、194、196、198の第2のセットが異なる材料で形成され得る。部分190、192、194、196、198が同じ材料で形成される実施形態では、長尺部材176の1つ以上の部分、又は各部分を形成する材料は、その磁気特性を変えるために局所的に変化させられ得る(例えば、加工硬化、焼戻し)。部分190、192、194、196、198が2種以上の材料から形成される(例えば、異なる材料で形成される)場合、又は同じ材料で形成されるが、異なる磁化率又は相対サセプタビリティを有する場合、少なくとも1つの部分が、外部磁界を歪ませて、画像アーチファクトを生じる磁化率を有し得る。これらの実施形態では、部分190、192、194、196、198を形成する材料は、MRI下で、それらの影響が外部磁場に対して独立して又は集合的に作用して、画像アーチファクトを生じるように選択され得る。このことは、部分190、192、194、196、198の1つ以上を、本明細書で説明される磁化率を有するマーカとして形成することによって実現され得る。
【0049】
図16、
図17、及び
図18は、医療システムに含まれ得る別の例示的な代替的な医療デバイス200を示している。本例では、医療デバイス200は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るスタイレット202である。スタイレット202は、以下に詳述する以外は、
図1、
図3、
図5、及び
図6に図示し、上述したスタイレット50と同様のものである。図示の実施形態では、スタイレット202は、外面206と、内面208と、長尺部材204の全長又は長尺部材204の長さの一部分を通って延び得る管腔212を画定する本体210とを有する長尺部材204を有する。
【0050】
スタイレット202の本体210は、外面206と内面208とを有する壁214を画定する。壁厚が、外面206と内面208との間に延びる。スタイレット202の本体210は、壁214の厚さをすべて通り抜けて、内面208から外面206まで延びる通路216を画定する。或いは、凹部が、内面から外面に向かって、又は外面から内面に向かって、壁の厚さの一部分だけを部分的に通って延び得る。医療デバイスに含まれる通路及び/又は凹部は、任意の適切な寸法を有し得、医療デバイス上の任意の適切な場所に配置され得る。通路及び/又は凹部に適すると考えられる直径の例としては、約0.010インチ、0.018インチ、0.025インチに等しいか、それよりも大きいか、それよりも小さい直径、約0.010インチ~約0.025インチの直径、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の直径が挙げられる。
【0051】
図示の実施形態では、スタイレット202の長尺部材204は、通路216内に配置されたプラグ220である単一のマーカ218を備える。プラグ220は、スタイレット202によって画定された管腔212へのアクセスを阻止する中実部材である本体222を有する。しかしながら、代替的な実施形態は、プラグを通って延びる通路を画定する2つ以上のマーカ及び/又はプラグを含み得る。マーカ218は、内面208及び外面206と同一平面にあり、図示の実施形態では、通路216に圧入されている。所望に応じて、追加の固定策が使用され得る。例えば、マーカを通路に固定するために、マーカをスタイレットの壁にレーザ溶接することができる。プラグ220は、任意の適切な直径及び形状を有することができ、これは、プラグを配置することが意図されている通路の直径に基づき得る。医療デバイスに含まれるのに適すると考えられるプラグの直径の例としては、約0.010インチ、0.018インチ、0.025インチに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きい直径、約0.010インチ~約0.025インチの直径、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の直径が挙げられる。
【0052】
通路及び/又は凹部は、レーザドリル加工、放電加工(EDM)、研削、スタンピング、マイクロドリル加工など、任意の適切な技法又は方法を用いて医療デバイスに形成することができる。医療デバイスに含まれるマーカは、任意の適切な技法又は方法を用いて医療デバイスに取り付けることができる。医療デバイスにマーカを取り付けるのに適すると考えられる技法及び方法の例としては、プレス、溶接、接着剤の使用、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の技法及び方法が挙げられる。例えば、医療デバイスを形成する材料が基礎形態にある(例えば、長尺部材はリボンの形態にある)状態で、マーカは、医療デバイス、又は医療デバイスの一部分(例えば、医療デバイスの長尺部材)を形成することが意図される材料に挿入され、取り付けられ得る。その後、マーカを含む基礎材料(例えば、リボン)は、任意の適切な方法又は技法(例えば、材料の溶接又は絞り加工)を用いて、医療デバイス、又は医療デバイスの一部分(例えば、長尺部材)に形成され得る。
【0053】
図示の実施形態では、
図16、
図17、及び
図18に示すように、マーカ218(例えば、プラグ220)は、バルク材料226(例えば、エポキシ樹脂)内に分散された磁気の影響を受けやすい粒子224(例えば、磁気の影響を受けやすい金属粒子)を含む。長尺部材204は第3の磁化率を有する第3の材料で形成され、磁気の影響を受けやすい粒子224は第4の磁化率を有する第4の材料で形成され、バルク材料226は第5の磁化率を有する第5の材料で形成される。第4の磁化率は、第3の磁化率とは異なるか、それに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きい。第5の磁化率は、第3の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第4の磁化率とは異なるか、それに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きい。
【0054】
磁気の影響を受けやすい粒子224は、結果として得られる画像において調節可能な画像アーチファクトを生じるために、MRIの際に使用される磁場を歪ませるために使用され得る。しかしながら、代替的な実施形態は、磁気の影響を受けやすい金属で形成されたプラグを含むことができる。磁気の影響を受けやすい粒子224のマーカ218を形成することにより、MRIを用いてMR画像を作成する際に視認され得るパッシブマーカを備える医療デバイス200が得られる。マーカ218は、医療デバイス200が撮像されるMRI手順の際に、視覚的画像アーチファクトを生じる特性を有する。これらの視覚的画像アーチファクトは、医療デバイス200が挿入された身体の通路の部分及び/又は別の医療デバイスなど、MRI下で作成された画像の他の部分に対する医療デバイス200の配置を決定するために使用され得る。
【0055】
プラグに含まれる磁気の影響を受けやすい粒子224は、本明細書で説明される磁化率を有する、任意の適切なタイプ及びサイズの磁気の影響を受けやすい金属粒子を含み得る。プラグに含まれるのに適すると考えられる磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、磁気の影響を受けやすい金属粒子)の例としては、MRI適合材料、ステンレス鋼、硬化形態ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼(例えば、430Lなどの400シリーズ)、ステンレス鋼マルテンサイト系合金(例えば、316L、304、304L)、磁気シールドに使用されるものなどのニッケル合金(例えば、AD-MU-80、ミューメタル)、本明細書で説明される材料、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の材料が挙げられる。
図19、
図20、及び
図21は、本明細書で説明される医療デバイスに含めるためのプラグを作成するために使用され得る様々な材料を示している。
【0056】
磁気の影響を受けやすい粒子224を、バルク材料226に分散させるものとして示してきたが、マーカの磁気の影響を受けやすい粒子は、本明細書で説明されるものなどの任意の適切なMRI対応材料に分散させることができる。加えて、磁気の影響を受けやすい粒子を分散させるため、又は磁気の影響を受けやすい粒子を分散体に含めるために使用され得る他の影響を受けにくい材料としては、ポリマー、熱可塑性ポリマー(ナイロン、Pebax、ポリオレフィン、PEEL、FEP、又はTFEなど)、フォトポリマー、ガラス、セラミックマイクロスフェア、セラミックナノスフェア、接着バインダ、MR不活性材料、本明細書で説明される材料、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の材料が挙げられる。これらの材料は、結果として得られる画像アーチファクトに直接影響することなく、所定の体積内の影響を受けやすい粒子の均一な分布を改善するため、及び/又はマーカの加工性及び製造性を助けるために添加され得る。
【0057】
磁気の影響を受けにくい材料(例えば、エポキシ樹脂)に分散された磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)を含む、又は磁気の影響を受けやすい粒子の磁化率とは異なる(例えば、それらのよりも小さい)磁化率を有するプラグを使用することは、少なくとも、イメージングファントム及び組織サンプルでの試験が、複数のMR磁場強度、イメージングシーケンス、及び機械において優れたマーカ視認性を実証しており、MRイメージング下で調節可能なサセプタビリティベースの画像アーチファクトを生じるために使用され得るため、有利であると考えられる。例えば、これらのマーカは、調節可能であり、配置を変えることができ、製造が容易である。インターベンショナルデバイスのシャフトに沿ったサセプタビリティマーカの存在及び操作は、インターベンショナルMRI手順の安全性、有効性、及び効率を高めることができる。
【0058】
マーカ218を、医療デバイスの長尺部材によって画定された通路内に配置するものとして示してきたが、代替的な実施形態は、磁気の影響を受けにくい材料(例えば、エポキシ樹脂)、又は磁気の影響を受けやすい粒子の磁化率とは異なる(例えば、それよりも小さい)磁化率を有する材料に分散された磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)を、医療デバイスによって画定された凹部又は他の形体(例えば、医療デバイスの内面又は外面上にあるもの)内に配置することができる。医療デバイスの凹部又は他の形体は、EDM、マイクロマシニング、レーザ加工、研削、及び/又はスタンピングなど、任意の適切な技法又は方法を用いて医療デバイスに作成することができる。
【0059】
本明細書で説明されるものなどの医療デバイスに含まれるプラグは、2液型エポキシ樹脂(例えば、医療グレードのエポキシ樹脂、ロックタイトEA M-31CL)、又は任意の他の適切な技法若しくは方法を用いて、粒子をポッティングすることによって形成され得る。磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)の任意の適切な濃度が、磁気の影響を受けやすい粒子を分散させる材料に対して使用され得る。例えば、濃度は、約1重量部の磁気の影響を受けにくい材料(例えば、エポキシ樹脂)又は磁気の影響を受けやすい粒子の磁化率とは異なる(例えば、それよりも小さい)磁化率を有する材料に対して、約3重量部の磁気の影響を受けやすい粒子と、約4重量部の磁気の影響を受けにくい材料(例えば、エポキシ樹脂)又は磁気の影響を受けやすい粒子の磁化率とは異なる(例えば、それよりも小さい)磁化率を有する材料に対して、約1重量部の磁気の影響を受けやすい粒子との間の範囲にあり得る。或いは、マーカに含まれる磁気の影響を受けやすい粒子は、磁気の影響を受けにくい材料(例えば、エポキシ樹脂)又は磁気の影響を受けやすい粒子の磁化率とは異なる(例えば、それよりも小さい)磁化率を有する材料に対して、小数重量パーセント(例えば、約0.01%から~約0.99%)から数重量パーセンテージポイント(例えば、5%)の濃度を含み得る。
【0060】
代替的な実施形態では、磁気の影響を受けやすい粒子を形成するものとして説明される材料の中実片が、プラグとして切断されて使用され、本明細書で説明される医療デバイスの長尺部材に取り付けられ得る。或いは、材料の中実片(例えば、厚さ0.002インチのAD-MU-80)が、それを配置することが意図されている通路の直径よりもわずかに小さい直径にダイカットされ得る。その後、材料の中実片は、本明細書で説明される磁気の影響を受けやすい粒子のバルク材料組み合わせ又は他の材料を使用して、医療デバイスの長尺部材によって画定された通路内に接着され得る。
【0061】
本明細書で説明される場合、医療デバイスに対する複数のマーカの配置は変わり得る。しかしながら、MRI下で生じた各画像アーチファクトが他の画像アーチファクトと(例えば、生じたアーチファクトの境界間に約1.5センチメートルの間隙を用いて)明確に区別可能であるように各マーカを配置することが有利であると考えられる。任意選択で、複数のマーカは、特定のパターンに配置されて、使用の際の医療デバイスの識別及び向きの判定を助けることができる。
【0062】
図22、
図23、及び
図24は、医療デバイスとは別個に鋳造された様々な直径及び材料のマーカプラグを示している。
図23及び
図24は、これらのプラグを3.0Tの磁場強度下で撮像して示している。これらの図面は、磁気の影響を受けやすい金属粒子をエポキシ樹脂に分散させる効果を示しており、アーチファクトのサイズを測定している。図示のように、スピンエコー(SE)及びグラジエントリフォーカシングエコー(GRE)シーケンスを含む複数の画像モダリティ下で、区別できるマーカアーチファクトが実証されている。加えて、他の磁場強度(例えば、0.5T、1.5T)下、及び高フレームレート機能画像シーケンス、定常状態歳差運動による真の高速撮像(TrueFisp)、及び高速低フリップ角ショット(FLAS)スポイルドグラジエントエコーなどの撮像モダリティ下でも、区別できるマーカアーチファクトが実証されている。
【0063】
任意選択で、本明細書で説明されるものなどのマーカ(例えば、プラグ)は、生体適合性、安全性、及び/又は使いやすさを高めるために(例えば、配置された凹部又は通路内で)密閉され得る。例えば、磁気の影響を受けにくい金属材料(例えば、金、銀、又は他の合金)、不活性材料、及び/又は非金属材料(例えば、フッ素重合体、セラミックアルミナ)などの磁気の影響を受けにくい材料のオーバーコーティングが、マーカ(例えば、プラグ)を含む医療デバイスの一部分又は医療デバイスの全体にわたって被着、積層、又は配置され得る。このようなオーバーコーティングは、電気めっき、スパッタリング、又は蒸着など、任意の適切な技法又は方法を使用して遂行され得る。
【0064】
代替的な実施形態では、材料が、磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)と配合され得、医療デバイスによって画定された通路又は凹部に挿入又は射出成形され得る。例えば、本明細書で説明されるものなどの磁気の影響を受けやすい粒子及び/又はフィラーとして使用される影響を受けにくい粒子は、エポキシ樹脂ではない材料(例えば、磁気の影響を受けにくい材料、磁気の影響を受けやすい粒子を形成する材料の磁化率とは異なる(例えば、それよりも小さい)磁化率を有する材料、接着バインダ)に分散され得る。このことは、マーカを作成するために利用され得る磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)及び/又は影響を受けにくい粒子を基礎材料(例えば、ポリマー)に粒子焼結及び/又はドーピングすることによって遂行され得る。これらの材料を使用して作成されたマーカは、本明細書で説明されるものなどの任意の適切なタイプの構造及び/又はマーカ(例えば、バンド、曲線、ストライプ、カバーリング、プラグ、コーティング、押し出し中実体、長尺部材、管腔を画定する長尺部材、成形コンポーネント)を作成するために使用され得る。これらの材料を用いて構造及び/又はマーカを作成することは、少なくとも、インターベンショナルデバイスの少なくとも一部の視認性を選択的に高めることができ、及び/又は調節可能なサセプタビリティアーチファクトを発生させることにより、MRIガイド下で容易に識別可能な形体を導入することができるため、有利であると考えられる。
【0065】
例えば、1つの代替的な実施形態では、医療デバイス(例えば、中実ポリマースタイレット)の少なくとも一部が、磁気の影響を受けやすい粒子又は中実体でドープされて、医療デバイス(例えば、スタイレット)の先端又は医療デバイス(例えば、スタイレット)の長尺部材の他の部分を際立たせることができる。別の代替的な実施形態では、中実体又は多層ポリマー医療デバイス(例えば、カテーテル)の部分が、磁気の影響を受けやすい粒子又は中実体を装填されて、医療デバイスの先端、医療デバイスの長尺部材に沿った所定の屈曲部、及び/又は使用の際に屈曲部が形成されるべき場所にアーチファクトを発生させることができる。これらの代替的な実施形態の何れかでは、磁気の影響を受けやすい粒子又は中実体は、デバイスの主たる構造(例えば、ポリマー)に直接配合される必要はない。代わりに、磁気の影響を受けやすい粒子を充填又は配合したポリマーが、本明細書で説明されるように、別個のマーカ構造に別途鋳造又は成形され、製造の際にデバイスに組み込まれてもよい。或いは、磁気の影響を受けやすい材料が基礎材料(例えば、磁気の影響を受けやすい粒子を形成する材料の磁化率よりも小さい磁化率を有する材料)に配合される実施形態では、基礎材料は、医療デバイスを形成する任意の適切な製造プロセス(最新の3Dプリンティングプロセス、溶融堆積造形、ステレオリソグラフィアディティブプリンティング、及び/又は選択的レーザ焼結など)において利用され得る。したがって、磁気の影響を受けやすい粒子又は中実体は、ポリマーに配合され、押し出されてフィラメントにされたり、フォトポリマーに分散されたり、焼結のために粉砕した状態で基礎ポリマーと混合されたりし得る。次に、インターベンショナル医療デバイスの少なくとも1つの部分又は形体は、MRI下でデバイスの少なくとも1つの部分又は形体を視認可能とするために、これらの複合ポリマーのいずれかの付加層から構成され得る。例えば、磁気の影響を受けやすい分散体は、医療デバイス全体(例えば、中実シャフト又は中空シャフト)又は医療デバイスの少なくとも1つの選択された形体(例えば、カバーリング、コーティング、ジャケット、マーカバンド又はセグメント、成形コンポーネント)を構築するために使用され得る。或いは、構築体は、共押出し又は間欠押出しが使用されて、磁気の影響を受けやすい材料全体(例えば、磁気の影響を受けやすい金属ドープ基材)を封入し得る押出しチューブとすることもできる。
【0066】
図25は、医療システムに含まれ得る例示的な代替的な医療デバイス240を示している。本例では、医療デバイス240は、代替的な実施形態である、医療システムに含まれ得るカニューレ242である。医療デバイス240は、外側潤滑層として形成された第1の部分242と、中間層として形成された第2の部分244と、内側層として形成された第3の部分246とを備える。第1の部分242は第1の材料で形成され、第2の部分244は第2の材料で形成され、第3の部分246は第3の材料で形成される。第1の材料は、第2の材料及び第3の材料とは異なり、第1の磁化率を有する。第2の材料(例えば、本明細書で説明されるものなど(例えば、磁気の影響を受けやすい粒子を形成する材料とは異なる材料に分散された磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、金属粒子)の分散材料)は、第1の材料及び第3の材料とは異なり、第1の磁化率とは異なる(例えば、それよりも大きいか小さい)第2の磁化率を有する。第3の材料は、第1の材料及び第2の材料とは異なり、第2の磁化率とは異なり(例えば、それよりも大きいか小さい)、且つ第1の磁化率とは異なるか、それに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きい第3の磁化率を有する。例えば、第1の材料はポリマーとすることができ、第2の材料は磁気の影響を受けやすい粒子(例えば、ステンレス鋼粉末)を含むPFTEとすることができ、第3の材料はポリマーとすることができる。
【0067】
本明細書で説明されるように、手順(例えば、治療)の実行の際のデバイスの視覚化は、インターベンショナルMRIにおける基本的な課題である。従来のインターベンショナルデバイス及び材料は、非常に影響を受けやすく、その結果、撮像された組織/磁場の主要な特徴を消してしまうアーチファクトが生じるか、影響の受けやすさが最小限であり、画像内での識別又は追跡のために見えないデバイスが残るかのいずれかである。したがって、診断用画像モダリティ、特にMRを治療のガイドとして直接活用する必要がある。病変又は異常な解剖学的構造の識別及び正確なターゲティングは、臨床的に重要な課題である。本明細書で説明される医療デバイスは、少なくとも、臨床医が医療デバイスを正確に視覚化し、識別し、追跡し、及び体内の様々な場所にナビゲートする能力を実質的に向上させ、医療デバイスの長さ方向軸に沿ってマーカを極めて正確に位置決めすることにより、患者ケア(例えば、診断、治療送達)全体を向上させることができるため、有利であると考えられる。本明細書で説明されるマーカは、医療デバイスと共に使用されて、インターベンショナルMR画像に識別可能なパターンを生成することができ、これにより、インターベンショナルデバイスによって生じるサセプタビリティアーチファクトの位置、サイズ、及び強度を高度に制御することができる。
図26は、医療システムに別々に又は組み合わせて含まれ得る例示的な代替的な医療デバイス250、251のセットを示している。本例では、医療デバイス250、251のそれぞれが、代替的な実施形態である、本明細書で説明されるものなどの医療システムに含まれ得るスタイレット252である。スタイレット252は、以下に詳述する以外は、
図1、
図3、
図5、及び
図6に図示し、上述したスタイレット50と同様のものである。図示の実施形態では、各スタイレット252は、ハブ部材254と長尺部材256とを有する。長尺部材256は、近位端部258と、遠位端部260と、外面262と、遠位先端266を画定する本体264とを有する。
【0068】
長尺部材256は、長尺部材256の近位端部258と遠位端部260との間に配置された複数のマーカ270(例えば、4つのマーカ)を備える。図示の実施形態では、複数のマーカ270の各マーカは、MRI下で視認可能な区別できるマーカを形成するために、長尺部材256の外面262上に被着された材料(例えば、金属、金属合金)の単一の層として形成される。複数のマーカ270の各マーカは、長尺部材256の外面262の全周囲の周りに配置されるマーカバンドである。しかしながら、代替的な実施形態は、長尺部材の外面の周囲上に部分的にのみ延びるマーカ及び本明細書で説明されるものなど、任意の適切な構造的構成を有するマーカを含むことができる。
【0069】
マーカを形成するために医療デバイス上に被着された材料は、任意の適切なサイズを有する任意の適切な形状を形成するように被着され、本明細書で説明される磁化率を有する任意の適切な材料で形成され得る。例えば、マーカ(例えば、マーカバンド)が医療デバイスの一部分上に被着された材料を使用して形成される場合、マーカは、医療デバイスの長さ方向軸(例えば、医療デバイスの長尺部材)に沿った任意の適切な幅(約0.6ミリメートル、1.2ミリメートルに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きい幅、又は約0.6ミリメートル~約1.2ミリメートルの幅など)と、医療デバイス(例えば、医療デバイスの長尺部材)の断面に沿って測定される任意の適切な厚さ(例えば、約0.0006インチに等しいか、それよりも小さいか、それよりも大きいもの)とを有し得る。任意選択で、材料の複数の層(例えば、同じ材料又は異なる材料の2つ以上の層)が、マーカを作るために使用され得る。図示の実施形態では、第1の医療デバイス250は、約0.6ミリメートルに等しい幅を有するマーカを備え、第2の医療デバイス251は、約1.2ミリメートルに等しい幅を有するマーカを備える。
【0070】
図示の実施形態では、複数のマーカ270の各マーカはニッケルで形成され、ニッケルは、約0.0006インチに等しい厚さを有するニッケルストライク電気めっきプロセスを使用して、長尺部材256の部分の上にニッケルの薄層を被着させるように長尺部材256の一部分上にめっきされている。マーカを形成するために医療デバイス上に被着させるのに適すると考えられる材料の例としては、ニッケルめっき(例えば、光沢ニッケルめっき)、本明細書で説明され、本明細書で説明される磁化率を有する材料、及び一実施形態による任意の他の材料が挙げられる。
【0071】
医療デバイス上に材料を配置すること(例えば、めっき)は、電気めっき、スパッタリング、ストライキング、蒸着、化学蒸着、コーティング、化学浴、蒸発技法、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の技法又は方法など、任意の適切な技法又は方法を使用して遂行され得る。任意選択で、材料は、医療デバイスをマスキングした後に、マーカを望む領域が露出したままになるように、医療デバイス上に配置され得る。マスキングの適切なタイプの例としては、熱収縮チューブ、テーピング、スプレー若しくはディップコーティング、フォトレジスト、及び/又は基礎材料の表面への被着を抑制するモールド(例えば、シリコーンモールド)が挙げられる。例えば、熱収縮チューブ(例えば、フッ素重合体熱収縮チューブ)を使用して、医療デバイス(例えば、長尺部材)のセグメントを選択的にマスクオフし、医療デバイスの部分(例えば、0.06ミリメートル部分、1.2ミリメートル部分)をめっきのために露出させたままにすることができる。別の例では、再利用可能なシリコーンモールドを使用して、医療デバイス又は複数のデバイスの部分を同時に保持し、マスクオフすることができる。マスキングの後、医療デバイスの露出部分は、任意選択で、洗浄され、(例えば、連続する電気めっきニッケルの層の付着を促進するために使用され得るウッドのニッケルストライクプロセスを用いて)めっきされ得る。別の例としては、医療デバイス全体又は医療デバイスの一部分にマスキング材料(例えば、ポリマー)を塗布し、その後、医療デバイス上に区別できるマーカを作成する(例えば、レーザアブレーションを使用して区別できるマーカを作成する)ことが挙げられる。マーカを作成するために使用されたモールドは、臨床セッティングでデバイスを使用する前にすべて取り外され得る。
【0072】
医療デバイスの部分をマスキングする代わりに、磁気の影響を受けやすい材料の薄層を医療デバイスの部分又は全体に施し、余分な材料を除去して(例えば、後処理中に)区別できるマーカを形成することができる。このようにしてマーカを形成するのに適すると考えられるサブトラクティブプロセスとしては、サンディング、研削、エッチング、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の技法又は方法が挙げられる。
【0073】
これらの実施形態は、少なくとも、容易にに製造可能であり、拡張可能であり、医療デバイスの機械的特性(例えば、3点曲げ、引張強度、柱強度)を変化させることがなく、デバイスの表面プロファイルに最小限の影響しか与えないため、有利であると考えられる。加えて、これらの実施形態は、少なくとも、材料の被着された薄膜によって、マーカサイズ及び形状を高度に制御することができ、剥がれを防止し、生体適合性を向上させるために、オーバープレーティングを用いて隠蔽され得るため、有利であると考えられる。
【0074】
図27から
図30は、医療デバイス250及び医療デバイス251に関連する試験結果を示している。医療デバイス250、251はいずれも、0.55T、1.5T、及び3.0TのMRI磁場強度で、イメージングファントム材料(例えば、硫酸銅溶液)及びブタ組織において試験されている。グラジエントリフォーカシングエコー、スピンエコー、定常状態歳差運動による真の高速撮像、高速低フリップ角ショットスポイルドグラジエントエコー、及び任意の他の機能的イメージングシーケンスなど、MRI下でマーカを観察するための任意の適切なタイプのイメージングシーケンスを使用することができる。
【0075】
図示のように、
図27から
図30では、第1の医療デバイス250がマーカの第1のパターン273を有し、第2の医療デバイスがマーカの第2のパターン275を有する。第1及び第2の医療デバイス250、251に含まれるマーカは、インターベンショナルMR手順の際に医療デバイスを視覚化し、追跡し、ナビゲートするために使用され得る、反復可能で調節可能な画像アーチファクト271を生じる。これらの手順では、画像処理ソフトウェア又は機械学習が、任意選択で、これらのマーカの状態を概ねリアルタイムで判定するために使用され得、自動化されたシーケンス選択によるデバイス配置の推定を支援し、治療送達の際に重要又は繊細な解剖学的構造を回避して、標的の場所への経路計画を可能にする。
【0076】
本明細書で説明される医療デバイスはカニューレ及びスタイレットを含んでいるが、本明細書で説明されるマーカは、任意の適切な医療デバイスに含めることができ、マーカを含める適切な医療デバイスの選択は、マーカを配置する医療デバイスの意図される使用を含む様々な考慮事項に基づき得る。マーカを含めるのに適すると考えられる医療デバイスの例としては、カニューレ、ニードル、スタイレット、シース、カテーテル、バルーンカテーテル、ガイドワイヤ、イントロデューサ、移植可能なデバイス、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の医療デバイスが挙げられる。
【0077】
図31は、
図1及び
図2に示す第1の医療デバイス10など、一実施形態による第1の医療デバイス302と、
図1、
図3、
図5、及び
図6に示す第2の医療デバイス50など、一実施形態による第2の医療デバイス304と、
図11に示す医療デバイス100など、一実施形態による第3の医療デバイス306と、
図13に示す医療デバイス130など、一実施形態による第4の医療デバイス308と、
図14に示す医療デバイス150など、一実施形態による第5の医療デバイス310と、
図15に示す医療デバイス170など、一実施形態による第6の医療デバイス312と、
図16、
図17、及び
図18に示す医療デバイス200など、一実施形態による第7の医療デバイス314と、
図25に示す医療デバイス240など、一実施形態による第8の医療デバイス316と、
図26に示す医療デバイス250など、一実施形態による第9の医療デバイス318と、
図26に示す医療デバイス251など、一実施形態による第10の医療デバイス320と使用法322とを含む例示的なキット300を示している。
【0078】
10の医療デバイス302、304、306、308、310、312、314、316、318、及び320を含むものとしてキット300を示してきたが、任意の適切な数及びタイプの医療デバイスをキットに含めることができる。特定の実施形態による、キットに含めるのに適切な数の医療デバイスの選択は、行われることが意図される治療などの様々な考慮事項に基づき得る。キットに含めるのに適すると考えられる医療デバイスの数の例としては、少なくとも1つ、1つ、2つ、複数、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11以上、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の数が挙げられる。代替的な実施形態では、キットは、本明細書で説明されるものなどの1つ以上の医療システムを含むことができ、本明細書で説明されるものなどの任意の適切な数及びタイプの医療デバイスを含むことができる。
【0079】
更に、医療デバイス10、医療デバイス50、医療デバイス100、医療デバイス130、医療デバイス150、医療デバイス170、医療デバイス200、医療デバイス240、医療デバイス250、及び医療デバイス251を、キット300に含まれるものとして示してきたが、任意の適切な医療デバイスをキットに含めることができる。特定の実施形態による、キットに含める適切な医療デバイスの選択は、行われることが意図される治療などの様々な考慮事項に基づき得る。キットに含めるのに適すると考えられる医療デバイスの例としては、本明細書で説明されるもの、本明細書で説明されるものの変形形態、1つ以上の内側シース、1つ以上の外側シース、1つ以上のアクセスニードル、及び/又は特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の医療デバイスが挙げられる。
【0080】
本明細書で説明される、キットに医療デバイスを含めることは、少なくとも、いくつかの代替的なキットの実施形態では、単一のニードル(例えば、医療デバイス10)が複数の二次医療デバイス(例えば、スタイレット)と一緒に包装され得、ニードルが二次医療デバイスのそれぞれと独立して又は同時に使用され得るため、有利であると考えられる。二次医療デバイスのそれぞれは、複数のMR磁場強度を使用するMRI下で使用され得る、又は複数のMRガイドインターベンショナル手順(例えば、治療)に対応するように特に調節され得る。
【0081】
例えば、キットが複数の医療デバイス(例えば、ニードル及び複数のスタイレット)を含む実施形態では、第1の医療デバイス(例えば、スタイレット)が、第1のMR磁場強度(例えば、0.55T)に関して調節された(例えば、第1のMR磁場強度下で見える)材料(例えば、マーカ)を含み得、第2の医療デバイス(例えば、スタイレット)が、第2のMR磁場強度(例えば1.5T)に関して調節された(例えば、第2のMR磁場強度下で見える)材料(例えば、マーカ)を含み得、第3の医療デバイス(例えば、スタイレット)が、第3のMR磁場強度(例えば、3T)に関して調節された(例えば、第3のMR磁場強度下で見える)材料(例えば、マーカ)を含み得る。第1のMR磁場強度は、第2のMR磁場強度及び/又は第3のMR磁場強度とは異なっても同じであってもよい。第2のMR磁場強度は、第1のMR磁場強度及び/又は第3のMR磁場強度とは異なっても同じであってもよい。第3のMR磁場強度は、第1のMR磁場強度及び/又は第2のMR磁場強度とは異なっても同じであってもよい。本実施形態は、目標の磁化率、医療デバイスの一部分に沿って配置された幾何学的サイズ(例えば、医療デバイスの長尺部材の長さ)を有する材料(例えば、金属、金属合金、本明細書で説明される材料)を使用して遂行され得る。例えば、第1の医療デバイスは、マーカの第1のタイプ及び第1の磁化率を有し得、第2の医療デバイスは、マーカの第2のタイプ及び第2の磁化率を有し得、第3の医療デバイスは、マーカの第3のタイプ及び第3の磁化率を有し得る。マーカの第1のタイプは、マーカの第2のタイプ及び/又はマーカの第3のタイプと同じであっても異なってもよい。第1の磁化率又は第1のサセプタビリティは、第2の磁化率若しくは第2のサセプタビリティ、及び/又は第3の磁化率若しくは第3のサセプタビリティと同じであっても異なってもよい(例えば、それよりも大きくても小さくてもよい)。マーカの第2のタイプは、マーカの第1のタイプ及び/又はマーカの第3のタイプと同じであっても異なってもよい。第2の磁化率又は第2のサセプタビリティは、第1の磁化率若しくは第1のサセプタビリティ、及び/又は第3の磁化率若しくは第3のサセプタビリティと同じであっても異なってもよい(例えば、それよりも大きくても小さくてもよい)。マーカの第3のタイプは、マーカの第1のタイプ及び/又はマーカの第2のタイプと同じであっても異なってもよい。第3の磁化率又は第3のサセプタビリティは、第1の磁化率若しくは第1のサセプタビリティ、及び/又は第2の磁化率若しくは第2のサセプタビリティと同じであっても異なってもよい(例えば、それよりも大きくても小さくてもよい)。或いは、本明細書で説明されるものなどの医療デバイス(例えば、スタイレット)は、単一又は複数の磁場強度下で異なるインターベンショナルMRI手順の範囲をカバーするマーカを備え得、第2のMRI適合医療デバイス(例えば、ニードル)を有するキットに含まれ得る。具体的な実施形態では、単一のチタンニードルが、使用されることが意図されるMRI静磁場強度又は完了されることが意図される特定のインターベンショナル手順に応じて、それぞれが独立して、又は同時に使用され得る複数のスタイレットと一緒に包装され得る。或いは、医療デバイスに含まれるマーカを、特定のMRシーケンスに合わせて調節することもできる。
【0082】
一例では、磁気共鳴下で治療を行う際に有用なキットが、一実施形態の第1の医療デバイスと、一実施形態の第2の医療デバイスと、一実施形態の第3の医療デバイスとを備える。第1の医療デバイスは、第1のMR磁場強度下で第1の画像アーチファクトを生じる第1のマーカを備える。第2の医療デバイスは、第2のMR磁場強度下で第2の画像アーチファクトを生じる第2のマーカを備える。第3の医療デバイスは、第3のMR磁場強度下で第3の画像アーチファクトを生じる第3のマーカを備える。第1のMR磁場強度は、第2のMR磁場強度及び第3のMR磁場強度とは異なる。第2のMR磁場強度は、第3のMR磁場強度とは異なる。第1の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性(例えば、サイズ、形状、パターン、及び/又は強度)の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第1の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第1の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第1の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第2の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第2の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第2の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトは、第1のMR磁場強度下における特性の第1のセットと、第2のMR磁場強度下における特性の第2のセットと、第3のMR磁場強度下における特性の第3のセットとを有する。第3の画像アーチファクトの特性の第1のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第2のセット及び第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。第3の画像アーチファクトの特性の第2のセットは、第3の画像アーチファクトの特性の第3のセットとは異なる。
【0083】
本明細書で説明されるキットは、有利なことに、複数のセッティング下で使用され得る単一の製品(例えば、キット)を臨床医に提供する。低い磁化率を有するチタンニードルは、治療が行われる(例えば、生検が行われる)先端付近の位置決めの精密さを可能にし、一方、1つ以上の取り外し可能なスタイレット上のマーカは、あらゆる磁場強度における、又は複数のインターベンショナル手順にわたるリアルタイムの追跡可能性を可能にする。本例示的な実施形態は、ニードル及び複数のスタイレットの使用を説明するが、このような実施形態は、本明細書で説明されるもの(例えば、シース、取り外し可能な拡張器)などの医療デバイスの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、低い磁化率を有する(例えば、MRI下で小さな画像アーチファクトを生じる)シースは、様々なMRI静磁場強度下での使用を容易にするために、それぞれが1つ以上のマーカ(例えば、異なる磁化率、MRI下で大きな画像アーチファクトを生じる相対的に高い磁化率)を含む複数の取り外し可能な拡張器と共にパッケージ化され得る。
【0084】
MRI下でインターベンショナル治療を行う様々な方法が本明細書で説明される。本明細書で説明される方法は一連の行為として図示され、説明されているが、これらの方法によるいくつかの行為は、省略されたり、図示及び/若しくは説明された順序で行われたり、異なる順序で行われたり、並びに/又は本明細書で説明される他の行為に先行して、後続して、又は同時に行われたりし得るため、本方法は行為の順序によって限定されるものではないことを理解及び認識されたい。
【0085】
図32は、MRI下で治療を行う例示的な方法400の概略図を示している。
【0086】
最初のステップ402は、MRスキャナ内に患者を配置することを含む。別のステップ404は、MRスキャナを使用して患者の第1の部分を走査することを含む。別のステップ406は、患者の第1の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ408は、MR画像を使用して事前定義された特性を有する組織を識別することを含む。別のステップ410は、事前定義された特性に基づいて、組織を治療する手順を選択することを含む。別のステップ412は、選択された手順の実行の際に使用するMRシーケンス及び/又はパラメータを選択することを含む。別のステップ414は、選択された手順の実行の際に使用されるように意図される選択されたMRシーケンス及び/又はパラメータに基づいて、医療手順の実行を遂行する医療デバイスを選択することを含む。患者の一部分を走査するために使用されるMRスキャナ内に患者を配置したままで、別のステップ416は、MRスキャナを使用して医療デバイスを含む患者の第2の部分を走査しながら、医療デバイスを身体の通路内に、及び組織まで挿入することを含む。別のステップ418は、医療デバイスを含む患者の第2の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ420は、身体の通路内で医療デバイスの位置を確認することを含む。別のステップ422は、医療デバイスを使用して治療を行うことを含む。
【0087】
ステップ402は、任意の適切な磁場強度を有する任意の適切なMRスキャナ(従来のMRスキャナ、グラジエントリフォーカシングエコーイメージングを遂行し得るMRスキャナ、スピンエコーイメージングを遂行し得るMRスキャナ、定常状態歳差運動による真の高速イメージングを遂行し得るMRスキャナ、高速低フリップ角ショットスポイルドグラジエントエコーイメージングを遂行し得るMRスキャナ、0.55Tの磁場、1.5Tの磁場、3Tの磁場、約0.055T~1.5Tの磁場、1T未満の磁場を利用するMRスキャナ、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他のMRスキャナなど)内に患者を配置することによって遂行され得る。
【0088】
ステップ404は、患者の任意の適切な部分を走査することによって遂行され得、走査するべき患者の適切な部分の選択は、実行されることが意図される治療を含む様々な考慮事項に基づき得る。走査するのに適すると考えられる患者の部分の例としては、四肢(例えば、腕、脚)、胸部、乳房、脊椎、頸部、頭部、腹部、骨盤、前立腺、前立腺周囲構造、本明細書で説明される患者の部分を囲む組織、及び/又は特定の実施形態に適すると考えられる患者の任意の他の部分が挙げられる。
【0089】
ステップ406は、ステップ402で使用された磁気共鳴スキャナからMR画像を取得することによって遂行され得る。
【0090】
ステップ408は、ステップ406で取得されたMR画像を検討し、従来の技法及び/又は方法を利用して、組織が事前定義された特性を有する(例えば、組織が、がんを示す特性を有する、病変である、異常な腫瘤である)か否かを判定することによって遂行され得る。更に、任意の組織(例えば、異常な腫瘤)のマージンが、本明細書で説明されるような、組織を除去及び/又は治療するための更なるステップにおいて識別され、使用され得る。
【0091】
ステップ410は、ステップ408で識別された事前定義された特性を検討し、事前定義された特性に基づいて、組織を治療する手順を選択することによって遂行され得る。
【0092】
ステップ412は、ステップ410で選択された手順、利用可能なMRスキャナ、及び/又は任意の適切な数及び/又はタイプのシーケンス及び/又はパラメータの利用に基づいて遂行され得る。MRスキャナは、任意の適切な数及びタイプのMR画像パラメータ(グラジエントリフォーカシングエコーイメージング、スピンエコーイメージング、定常状態歳差運動による真の高速イメージング、高速低フリップ角ショットスポイルドグラジエントエコーイメージング、0.55T、1.5T、3T、約0.055T~1.5T、及び1T未満などの磁場強度、スライス厚、フリップ角、視野、分解能、勾配磁場、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の画像パラメータなど)を有し得る。MRスキャナは、任意の適切な数及びタイプのMRIシーケンスパラメータ(SE/GRE、TR、TE、フリップ角、視野、分解能、スライス厚、勾配磁場)を有し得る。任意選択で、MRシーケンス及び/又はパラメータは、医療システム及び/又は医療デバイスを適応させるために、手順の実行を通して修正され得る。
【0093】
ステップ414は、本明細書で説明される医療デバイス、本明細書で説明される医療システム、又は任意の他の適切な医療デバイス若しくは医療システムのうちの1つ以上を使用して遂行され得る。或いは、医療デバイス又は医療システムは、キット300などのキットから選択され得、医療デバイス又は医療システムの選択は、ステップ412で選択されたMR磁場に基づき得る。
【0094】
ステップ416は、ステップ414で選択された医療デバイスを使用して遂行され得る。或いは、ステップ416は、参照により本明細書に組み込まれる医療デバイスなど、任意の適切な医療デバイス又は医療システムを使用して遂行され得る。治療の方法を完成させるために使用するのに適すると考えられる医療デバイス、及び治療の方法に含めるのに適すると考えられる他のステップの例は、2022年1月11日に出願された米国特許出願第17/573,087号明細書に記載されており、同米国特許出願は、治療の方法を完成させるのに適すると考えられる医療デバイスを説明する目的で、及び治療の方法に含めるのに適すると考えられるステップを説明する目的で、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ステップ416は、医療デバイスの遠位端部が身体の通路内、及び事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して挿入されるように、医療デバイスに遠位側を向く力を印加することによって遂行され得る。或いは、医療システムがステップ416を遂行するために使用される実施形態では、ステップ416は、2つのステップで遂行され得、これは、同時に遂行されても別々に遂行されてもよい。第1のステップは、第1の医療デバイスの遠位端部が身体の通路内、及び事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して挿入されるように、医療システムの第1の医療デバイスに遠位側を向く力を印加することを含む。第2のステップは、第2の医療デバイスの遠位端部が第1の医療デバイスによって画定された管腔内に挿入されるように、及び事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して挿入されるように、医療システムの第2の医療デバイスに遠位側を向く力を印加することを含む。
【0095】
身体の通路は、既存の身体の通路、身体内腔、及び/又は本明細書で説明されるデバイスを使用して組織層及び/又は筋膜を通して作られた身体の通路を含む、身体の任意の適切な部分を含み得る。ステップ416は、患者の任意の適切な部分を走査することによって遂行され得、走査するべき患者の適切な部分の選択は、事前定義された特性を有する組織の場所を含む様々な考慮事項に基づき得る。走査に適すると考えられる患者の部分の例としては、事前定義された特性を有する組織を含む部分、医療デバイスを含む部分、事前定義された特性及び医療デバイスを有する組織を含む部分、特定の実施形態に適すると考えられる患者の任意の他の部分が挙げられる。例えば、患者の第2の部分は、患者の第1の部分と同じであっても異なってもよい。
【0096】
ステップ418は、ステップ402で使用されたMRスキャナからMR画像を取得することによって遂行され得る。
【0097】
ステップ420は、ステップ418で取得されたMR画像を検討し、医療デバイスが身体の通路内の所望の場所に(例えば、事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して)配置されていることを確認することによって遂行され得る。このことは、本明細書で説明される医療デバイス上に含まれる1つ以上のマーカ、又は1つ以上のマーカによって生じた1つ以上の画像アーチファクトを視覚化することによって遂行され得る。医療デバイスが所望の場所に配置されていない場合、任意選択のステップ424は、医療デバイスの位置を操作するために(例えば、リアルタイムで、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)、ステップ416、ステップ418、及びステップ420を繰り返すことを含む。ステップ416、ステップ418、及びステップ420を、別々のステップとして示してきたが、これらのステップは、任意選択で、リアルタイムで(例えば、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)同時に完了させることができる。任意選択のステップ424は、医療デバイスを正確に配置にするために適切な回数で遂行され得る。或いは、医療システムが利用される実施形態では、ステップ420は、ステップ418で取得されたMR画像を検討し、医療システム(例えば、第1の医療デバイス及び/又は第2の医療デバイス)が身体の通路内の所望の場所に(例えば、事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して)配置されていることを確認することによって遂行され得る。
【0098】
ステップ422は、医療デバイスを使用して治療を行うことによって遂行され得る。任意の適切な治療が行われ、ステップ408で識別された組織に基づき得る。行うのに適すると考えられる治療の例としては、医療デバイスを利用した治療、生検、及び特定の実施形態に適すると考えられる任意の他の治療が挙げられる。或いは、医療システムが利用される実施形態では、ステップ422は、第1の医療デバイス及び/又は第2の医療デバイスを使用して行われ得る。
【0099】
ステップ404、ステップ406、ステップ408、ステップ410、ステップ412、ステップ414、ステップ416、ステップ418、ステップ420、及び/又はステップ422のそれぞれが、ステップ402で内部に患者が配置されたMRスキャナから患者を去らせることなく遂行され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、患者は、所望に応じて、本明細書で説明される1つ以上のステップ間で(例えば、ステップ402で内部に患者が配置されたMRスキャナの外に、別の場所に)移動され得る。
【0100】
方法400は、少なくとも、方法400の各ステップが、単回(例えば、同日)の患者の訪問の際に、同じMRスキャナを使用して行われ、その結果、効率が向上し、患者の訪問及び行われる手順の数を減らすことができるため、有利であると考えられる。このことにより、患者の1回の訪問で、医師が患者を可視化、診断、及び治療することができる手順のセットが得られる。いくつかのステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明され、他のステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に実行されるものとして説明されていないが、本明細書で説明される任意のステップは、MRスキャナ及び/若しくは超音波デバイスを使用して患者の一部分を走査している間、又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査することなしに完了され得る。超音波画像が取得される実施形態では、取得されたMR画像は、リアルタイムの超音波画像(例えば、前立腺の経直腸的超音波画像)と電子的に融合され得る。いくつかのステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明されているが、このステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する後続のステップが遂行され得るように、2つの別々のステップに分割され得る。更に、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、単一の静止画像を取得することを含み得、動きを示すためにシネとしてグループ化され得る複数のMR画像を取得するために任意の所望の回数繰り返され得る、及び/又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、ライブリアルタイムMRI可視化下で完了するなど、ライブ画像を取得することを含み得る。
【0101】
図33は、MRI下で治療を行う別の例示的な方法500の概略図を示している。
【0102】
最初のステップ502は、MRスキャナ内に患者を配置することを含む。別のステップ504は、MRスキャナを使用して患者の第1の部分を走査することを含む。別のステップ506は、患者の第1の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ508は、MR画像を使用して事前定義された特性を有する組織を識別することを含む。別のステップ510は、事前定義された特性に基づいて、組織を治療する手順を選択することを含む。別のステップ512は、選択された手順の実行の際に使用するMRシーケンス及び/又はパラメータを選択することを含む。別のステップ514は、選択された手順の実行の際に使用されることが意図される選択されたMRシーケンス及び/又はパラメータに基づいて、医療手順の実行を遂行する医療デバイスを選択することを含む。患者の一部分を走査するために使用されるMRスキャナ内に患者を配置したままで、別のステップ516は、MRスキャナを使用して医療デバイスを含む患者の第2の部分を走査しながら、医療デバイスを身体の通路内に、及び組織まで挿入することを含む。別のステップ518は、医療デバイスを含む患者の第2の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ520は、身体の通路内で医療デバイスの位置を確認することを含む。別のステップ522は、MRスキャナを使用して生検デバイスを含む患者の第3の部分を走査しながら、医療デバイスを通して組織まで生検デバイスを挿入することを含む。別のステップ524は、生検デバイスを含む患者の第3の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ526は、生検デバイスの位置を確認することを含む。別のステップ528は、MRスキャナを使用して生検デバイス及び組織を含む患者の第4の部分を走査しながら、生検デバイスを使用して組織から組織サンプルを採取することを含む。別のステップ530は、生検デバイスを含む患者の第4の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ532は、医療デバイスを通して生検デバイス及び組織サンプルを抜去することを含む。別のステップ534は、組織サンプルが事前定義された基準を満たすか否かを判定することを含む。別のステップ536は、医療デバイスを抜去することを含む。
【0103】
ステップ502は、ステップ402に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ504は、ステップ404に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ506は、ステップ406に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ508は、ステップ408に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ510は、ステップ410に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ512は、ステップ412に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ514は、ステップ414に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ516は、ステップ416に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ518は、ステップ418に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ520は、ステップ420に関連して本明細書で説明したように完了され得る。
【0104】
医療デバイスが所望の場所に配置されていない場合、任意選択のステップ538は、医療デバイスの位置を操作するために(例えば、リアルタイムで、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)、ステップ516、ステップ518、及びステップ520を繰り返すことを含む。ステップ516、ステップ518、及びステップ520を、別々のステップとして示してきたが、これらのステップは、任意選択で、リアルタイムで(例えば、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)同時に完了させることができる。任意選択のステップ538は、医療デバイスを正確に配置にするために適切な回数で遂行され得る。
【0105】
ステップ522は、生検デバイスの遠位端部が医療デバイスによって画定される管腔内に、そして医療デバイスによって画定される管腔を通って、事前定義された特性を有すると識別された組織まで挿入されるように、生検デバイスに遠位側を向く力を印加することによって遂行され得る。ステップ522は、患者の任意の適切な部分を走査することによって遂行され得、走査するべき患者の適切な部分の選択は、事前定義された特性を有する組織の場所を含む様々な考慮事項に基づき得る。走査に適すると考えられる患者の部分の例としては、事前定義された特性を有する組織を含む部分、生検デバイスを含む部分、事前定義された特性を有する組織及び生検デバイスを含む部分、特定の実施形態に適すると考えられる患者の任意の他の部分が挙げられる。例えば、患者の第3の部分は、患者の第1の部分及び/又は患者の第2の部分と同じであっても異なってもよい。
【0106】
ステップ522、ステップ524、ステップ526、ステップ528、ステップ530、及び/又はステップ532は、任意の適切な生検デバイス(MRI対応生検デバイス、Cook Medicalによって提供される商品名MReye(登録商標)のデバイス、Cook Medicalによって提供されるEchotip ProCore、Cook Medicalによって提供されるEchotip Ultra、及び特定の実施形態に適すると考えられる他の任意の生検デバイスなど)を使用して遂行され得る。或いは、ステップ522、ステップ524、ステップ526、ステップ528、ステップ530、及び/又はステップ532は、MRI対応ではない生検デバイスを使用して完了され得る。この1つ以上の代替的なステップは、磁気共鳴スキャナを使用して生検デバイスを含む患者の一部分を走査することなしに、医療デバイスを通して組織まで生検デバイスを挿入することを含み得る。ステップ528の代替形態は、磁気共鳴スキャナを使用して生検デバイス及び組織を含む患者の一部分を走査することなしに、生検デバイスを使用して組織サンプルを採取することを含み得る。
【0107】
ステップ524は、ステップ402で使用された磁気共鳴スキャナからMR画像を取得することによって遂行され得る。
【0108】
ステップ526は、ステップ524で取得されたMR画像を検討し、生検デバイスが身体の通路内の所望の場所に(例えば、事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して)配置されていることを確認することによって遂行され得る。このことは、例えば、生検デバイスの遠位部分に、本明細書で説明される1つ以上のマーカを含めることによって遂行され得る。生検デバイスが所望の場所に配置されていない場合、任意選択のステップ540は、生検デバイスの位置を操作するために(例えば、リアルタイムで、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)、ステップ522、ステップ524、及びステップ526を繰り返すことを含む。ステップ522、ステップ524、及びステップ526を、別々のステップとして示してきたが、これらのステップは、任意選択で、リアルタイムで(例えば、組織及び/又は医療デバイスを含む患者の一部分を走査しながら)同時に完了させることができる。任意選択のステップ540は、生検デバイスを正確に配置するために任意の適切な回数遂行され得、生検デバイス、医療システム、及び/若しくはデバイスが挿入され、MR画像が取得され、並びに/又は医療システム及び/若しくはデバイスの配置の確認が完了したときはいつでも、手順の実行の際に利用され得る。
【0109】
ステップ528は、生検デバイスと、生検デバイスを使用してサンプルを取得する従来の方法とを用いて遂行され得る。ステップ528は、患者の任意の適切な部分を走査することによって遂行され得、走査するべき患者の適切な部分の選択は、事前定義された特性を有する組織の場所を含む様々な考慮事項に基づき得る。走査に適すると考えられる患者の部分の例としては、事前定義された特性を有する組織を含む部分、生検デバイスを含む部分、事前定義された特性を有する組織及び生検デバイスを含む部分、特定の実施形態に適すると考えられる患者の任意の他の部分が挙げられる。例えば、患者の第4の部分は、患者の第1の部分、患者の第2の部分、及び/又は患者の第3の部分と同じであっても異なってもよい。
【0110】
ステップ516、ステップ522、及び/又はステップ528は、任意選択で、医療デバイス及び/又は生検デバイスを含む患者の部分に対して超音波検査を行うことと組み合わせて実施され得る。超音波画像が取得される実施形態では、取得されたMR画像は、リアルタイムの超音波画像(例えば、前立腺の経直腸的超音波画像)と電子的に融合され得る。
【0111】
ステップ530は、ステップ402で使用されたMRスキャナからMR画像を取得することによって遂行され得る。任意選択のステップは、組織サンプルが採取されたことを確認することを含む。この任意選択のステップは、ステップ530で取得されたMR画像を検討し、生検デバイスが組織サンプル(例えば、事前定義された特性を有すると識別された組織)を採取したことを確認することによって遂行され得る。生検デバイスが組織サンプルを採取していない場合、任意選択のステップは、ステップ522、ステップ524、ステップ526、ステップ528、ステップ530、及び/又はこの任意選択のステップを繰り返すことを含む。
【0112】
ステップ506、ステップ518、ステップ524、及び/又はステップ530は、単一の静止画像を取得することを含み得る。或いは、ステップ506、ステップ518、ステップ524、及び/又はステップ530が、動きを示すためにシネとしてグループ化され得る一部分の複数の磁気共鳴画像を取得することを含むように、ステップ504、ステップ516、ステップ522、及び/又はステップ528は、任意の所望の回数繰り返され得る。
【0113】
ステップ532は、医療デバイスによって画定された管腔から生検デバイスが抜去されるように、生検デバイスに対して近位側に向く力を加えることによって遂行され得る。代替的な実施形態では、ステップ522、ステップ524、ステップ526、ステップ528、ステップ530、及びステップ532は、方法500、及び本明細書で説明される他の方法から省略され得、ステップ516で挿入された医療デバイスは、生検を取得するために利用され得、生検デバイスに関連して説明したものと同様のステップが、医療デバイスを利用して完了され得る。
【0114】
ステップ534は、組織が事前定義された基準を満たすか否かを判定するのに適すると考えられる任意の技法又は方法を用いて遂行され得る。例えば、ステップ534は、凍結切片及び/又は他の細胞学的方法など、組織サンプルが悪性であるか否かを判定するための従来の技法及び方法を利用し得る。
【0115】
ステップ504、ステップ506、ステップ508、ステップ510、ステップ512、ステップ514、ステップ516、ステップ518、ステップ520、ステップ522、ステップ524、ステップ526、ステップ528、ステップ530、ステップ532、ステップ534、及び/又はステップ536のそれぞれが、ステップ502で内部に患者が配置された磁気共鳴スキャナから患者を去らせることなく遂行され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、患者は、所望に応じて、本明細書で説明される1つ以上のステップ間で(例えば、ステップ502で内部に患者が配置されたMRスキャナの外で、別の場所に)移動され得る。
【0116】
方法500は、少なくとも、方法500の各ステップが、単回(例えば、同日)の患者の訪問の際に、同じMRスキャナを使用して行われ、その結果、効率が向上し、患者の訪問及び行われる手順の数を減らすことができるため、有利であると考えられる。このことにより、患者の1回の訪問で、医師が患者を可視化、診断、及び治療することができる手順のセットが得られる。いくつかのステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明され、他のステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に実行されるものとして説明されていないが、本明細書で説明される任意のステップは、MRスキャナ、及び/若しくは超音波デバイスを使用して患者の一部分を走査している間、又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査することなしに完了され得る。超音波画像が取得される実施形態では、取得されたMR画像は、リアルタイムの超音波画像(例えば、前立腺の経直腸的超音波画像)と電子的に融合され得る。いくつかのステップは、磁気共鳴スキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明されているが、このステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する後続のステップが遂行され得るように、2つの別々のステップに分割され得る。更に、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、単一の静止画像を取得することを含み得、動きを示すためにシネとしてグループ化され得る複数のMR画像を取得するために任意の所望の回数繰り返され得る、及び/又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、ライブリアルタイムMRI可視化下で完了するなど、ライブ画像を取得することを含み得る。
【0117】
図34は、MRI下で治療を行う例示的な方法600の概略図を示している。
【0118】
最初のステップ602は、MRスキャナ内に患者を配置することを含む。別のステップ604は、MRスキャナを使用して患者の第1の部分を走査することを含む。別のステップ606は、患者の第1の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ608は、MR画像を使用して事前定義された特性を有する組織を識別することを含む。別のステップ610は、事前定義された特性に基づいて、組織を治療する手順を選択することを含む。別のステップ612は、手順の実行を遂行するために、マーカの第1のパターンを有する医療デバイスを選択することを含む。患者の一部分を走査するために使用されるMRスキャナ内に患者を配置したままで、別のステップ614は、MRスキャナを使用して医療デバイスを含む患者の第2の部分と、MRスキャナを使用してマーカの第1のパターンによって生じた画像アーチファクトの第1のパターンとを走査しながら、マーカの第1のパターンを有する医療デバイスを身体の通路内に、及び組織まで挿入することを含む。別のステップ616は、医療デバイスとマーカの第1のパターンによって生じた画像アーチファクトの第1のパターンとを含む患者の第2の部分のMR画像を取得することを含む。別のステップ618は、MR画像内の画像アーチファクトの第1のパターンを識別することを含む。別のステップ620は、画像アーチファクトの識別された第1のパターンに基づいて、MR画像パラメータ及び/又はシーケンスの第1のセットをMR画像パラメータ及び/又はシーケンスの第2のセットに変更することを含む。別のステップ622は、身体の通路内で医療デバイスの位置を確認することを含む。別のステップ624は、治療を行うことを含む。
【0119】
ステップ602は、ステップ402に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ604は、ステップ404に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ606は、ステップ406に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ608は、ステップ408に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ610は、ステップ410に関連して本明細書で説明したように完了され得る。
【0120】
ステップ612は、本明細書で説明される医療デバイスのうちの1つ以上、本明細書で説明される医療デバイスシステムに含まれる医療デバイスのうちの1つ以上、及び/又は本明細書で説明されるキットに含まれる医療デバイスのうちの1つ以上を使用して遂行され得る。本明細書で説明される医療デバイスのそれぞれが、マーカのパターンを備える。例えば、
図26は、マーカの第1のパターン273を有する第1の医療デバイス250、及びマーカの第2のパターン275を有する第2の医療デバイスを示している。マーカの第1のパターン273及びマーカの第2のパターン275に含まれる複数のマーカ270の各マーカは、
図27から
図30に示すように、画像アーチファクト271を生じる磁化率を有する。或いは、ステップ612は、マーカの第1のパターンを一緒に有する第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスを選択することを含み得る。
【0121】
ステップ614は、医療デバイスの遠位端部が身体の通路内、及び事前定義された特性を有すると識別された組織に、組織内に、又は組織に隣接して挿入されるように、医療デバイスに遠位側を向く力を印加することによって遂行され得る。ステップ614は、患者の任意の適切な部分を走査することによって遂行され得、走査するべき患者の適切な部分の選択は、事前定義された特性を有する組織の場所を含む様々な考慮事項に基づき得る。スキャンに適すると考えられる患者の部分の例としては、事前定義された特性を有する組織を含む部分、画像アーチファクトの第1のパターンを生じるマーカの第1のパターンを有する医療デバイスを含む部分、事前定義された特性を有する組織と、画像アーチファクトの第1のパターンを生じるマーカの第1のパターンを有する医療デバイスとを含む部分、画像アーチファクトの第1のパターンを生じるマーカの第1のパターンを一緒に有する第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスを含む部分、事前定義された特性を有する組織と、画像アーチファクトの第1のパターンを生じるマーカの第1のパターンを一緒に有する第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスを含む部分、並びに特定の実施形態に適すると考えられる患者の任意の他の部分が挙げられる。例えば、患者の第2の部分は、患者の第1の部分と同じであっても異なってもよい。
【0122】
ステップ616は、ステップ602及びステップ616で使用されたMRスキャナからMR画像を取得することによって遂行され得る。
図29及び
図30は、ブタ組織内に配置された例示的な医療デバイス250、251を示すMR画像を示している。第1の医療デバイス250は画像アーチファクトの第1のパターン277を生じ、第2の医療デバイス251は画像アーチファクトの第2のパターン279を生じる。医療デバイス、又は第1の医療デバイスと第2の医療デバイスとの組み合わせは、MRイメージング下で画像アーチファクトのパターンを生じるために、任意の適切なパターンのマーカを備え得る。例えば、本明細書で説明される、治療を行うために使用される各医療デバイス、又はそれらの組み合わせは、治療を行うために使用される他の医療デバイスに対してマーカの固有のパターンを含み得る。
【0123】
ステップ618は、ステップ616で取得されたMR画像を検討し、画像中の画像アーチファクトの第1のパターンを識別することによって遂行され得る。このことは、ステップ602で使用されるMRスキャナに含まれるソフトウェア(例えば、アーチファクト認識、位置特定、追跡、画像処理、及び/又は機械学習を有するソフトウェア)を使用して、及び/又は臨床医によって視覚的に遂行され得る。例えば、ステップ602、及び方法600に含まれる残りのステップで使用されるMRスキャナは、使用中に画像アーチファクトのパターンがMRスキャナによって識別されると、MRスキャナが、医療デバイス又は医療デバイスの組み合わせを識別及び/若しくは追跡し、本明細書で説明されるMR画像パラメータ及び/若しくはシーケンスの第1のセットをMR画像パラメータ及び/若しくはシーケンスの第2のセットに変更し、並びに/又は変更されたMR画像を作成するためにMRスキャナによって作成された画像を変更し得るように、治療を行うために使用される各医療デバイス又は医療デバイスの組み合わせに画像アーチファクトの固有のパターンを関連付けるデータベースを含む。データベースは、特定の医療デバイスを識別するためのサイズ、形状、パターン、及び/又は強度などの特徴など、医療デバイス又は医療デバイスの組み合わせによって生じた画像アーチファクトの各パターンの形体を含み得る。例えば、医療デバイス50、100、130、150、170、200、240、250、251のそれぞれが、他の医療デバイスに対して区別できるマーカのパターンを有する。その結果、医療デバイス50、100、130、150、170、200、240、250、251のそれぞれ、又は医療デバイスの組み合わせは、MRI下で、MRスキャナに含まれるデータベースを使用して識別され得る区別できる画像アーチファクト(例えば、コード)を生じる。画像処理ソフトウェア又は機械学習は、任意選択で、これらのマーカ又は画像アーチファクトの状態を概ねリアルタイムで判定するために使用され得、自動化されたシーケンス選択によるデバイス配置の推定を支援し、治療の際に重要又は繊細な解剖学的構造を回避するための標的の場所への経路計画を可能にする。
【0124】
ステップ620は、ステップ602において、及び/又は臨床医に使用されたMRスキャナに含まれるソフトウェアを用いて遂行され得る。このステップは、MR画像が取り込まれ、及び/又は画像アーチファクトが検出されるときはいつでも、MR画像パラメータ及び/又はシーケンスが、第1の医療デバイス、第2の医療デバイス、及び/又は第1の医療デバイスと第2の医療デバイスとの組み合わせに配置されたマーカ又は複数のマーカによって生じた画像アーチファクトに基づいて定期的に変更又は更新されるように遂行され得る。変更されたMR画像は、画像アーチファクトの第1のパターンを用いて識別された医療デバイス(例えば、医療デバイスの一部分、医療デバイスの全体)、若しくは医療デバイスの組み合わせの重畳グラフィックを含むことができ、識別された医療デバイス(例えば、遠位端部)、医療デバイスの組み合わせ、画像アーチファクト、若しくは画像内の他のオブジェクトの増幅、減衰、若しくは省略された部分を含むことができ、及び/又は特定の実施形態に適すると考えられる任意他の画像操作を含む。
【0125】
インターベンショナルMR手順は、一般に、所与の手順の様々な段階を通して、MRイメージングシーケンスパラメータに対して頻繁な調節又は変更を必要とする。例えば、血管手順は、デバイス追跡(例えば、高速フレームレート、低分解能、特定の組織特性の強化)の際にはあるシーケンスタイプで行い、インターベンショナルデバイスが標的部位まで挿入されたならば(例えば、より高い分解能、炎症、ADCなどの病変を検出するための異なる組織特性の強調)別のシーケンスタイプで行うことにより最適に行われ得る。或いは、1つ以上のインターベンショナルデバイスが複数のMRIベースの手順にわたって採用されて、特定のデバイス及び手順の構成に対して特定のイメージングシーケンスを必要とし得る。例えば、MRI対応ニードルは、それぞれが異なる全体的又は微細な追跡特性を必要とし、異なる解剖学的構造又は組織のタイプを強調する複数の軟組織生検手順にわたって使用され得る。現在、これらのイメージングプロトコルの多くは、MRスキャナを使用した臨床医による手作業での最適化を含み、これは術者間のばらつき及び非効率をもたらし得る。
【0126】
したがって、方法600は、治療を行う効率を少なくとも高める機構を提供する。例えば、本明細書で説明される方法を完了させるために利用されるものなどのMRスキャナに含まれるソフトウェアは、本明細書で説明される、医療デバイスに設けられたマーカのパターンによって生じた画像アーチファクトの識別されたパターンに基づいて、第2の医療デバイスに設けられたマーカのパターンによって生じた画像アーチファクトの識別されたパターンに基づいて、並びに/又は第1の医療デバイス及び第2の医療デバイスに設けられたマーカのパターンによって生じた画像アーチファクトの識別されたパターンに基づいて、手順を通して、又は複数の手順にわたってパラメータの調節の自動化を提供するために利用され得る。したがって、1つ以上の画像アーチファクトの存在が、MRIシーケンスパラメータの選定を自動化するために使用され得る。
【0127】
方法600は、同じ医療デバイス又は医療デバイスの組み合わせを使用して、手順内、又は複数の手順にわたるイメージングパラメータ及び/又はシーケンスを自動的に変更するために使用され得る。例えば、MRIシーケンスパラメータ(SE/GRE、TR、TE、フリップ角、視野角、分解能、スライス厚、勾配磁場)の変更は、MRスキャナによる画像アーチファクトの識別によってトリガされ得る。これらの画像アーチファクト駆動のトリガは、デバイス追跡の遷移を知らせて、MRシーケンスが複数のデバイスの磁場の中でどのようにデバイス又はコンポーネントを追跡するように適合されるかを導く、及び/又は手順の特定の部分の際に特定の組織の特性を強調するようにMRシーケンスを調節するために使用され得る。
【0128】
例えば、一連の連続MRIシーケンスパラメータが、識別された画像アーチファクトに基づいて連続的にトリガされ得る。次に、このプロセスは、手順全体を通してイメージングプロトコルを自動化するために使用され得る。或いは、第1の医療デバイスと、第1の医療デバイスとは異なるが、第1の医療デバイスと両立し得る1つ以上の第2の医療デバイス(例えば、様々なガイディングカテーテル又はバルーンカテーテル)とを、それぞれが1つ以上のマーカのパターンを有した状態で利用して、1つ以上の第2の医療デバイスと第1の医療デバイスとの使用に関連する特定の撮像手順は、第1の医療デバイスと1つ以上の第2の医療デバイスとの組み合わせによって生じた画像アーチファクトの識別に基づいて自動化され得る。このペアリングの検出を利用して、あらかじめプログラムされたMRIシーケンスのセットが、自動的にロードされ、結合された画像アーチファクトを識別することによってトリガされ得る。換言すれば、2つ以上の医療デバイス上のサセプタビリティマーカの組み合わせによって生じた画像アーチファクトの組み合わせが、MRスキャナがパラメータ、シーケンス、手順、又はシーケンス若しくは手順の次のステップを自動的に再構成するために使用する、特定の医療デバイスのペアリング又はデバイス構成を識別するための画像アーチファクトの固有のパターンとして機能する。
【0129】
ステップ620は、ステップ420に関連して本明細書で説明したように完了され得る。ステップ622は、ステップ422に関連して本明細書で説明したように完了され得る。
【0130】
ステップ604、ステップ606、ステップ608、ステップ610、ステップ612、ステップ614、ステップ616、ステップ618、ステップ620、及び/又はステップ622のそれぞれが、ステップ602で内部に患者が配置された磁気共鳴スキャナから患者を去らせることなく遂行され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、患者は、所望に応じて、本明細書で説明される1つ以上のステップ間で(例えば、ステップ602で内部に患者が配置されたMRスキャナの外に、別の場所に)移動され得る。
【0131】
方法600は、少なくとも、方法600の各ステップが、単回(例えば、同日)の患者の訪問の際に、同じMRスキャナを使用して行われ、その結果、効率が向上し、患者の訪問及び行われる手順の数を減らすことができるため、有利であると考えられる。このことにより、患者の1回の訪問で、医師が患者を可視化、診断、及び治療することができる手順のセットが得られる。いくつかのステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明され、他のステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に実行されるものとして説明されていないが、本明細書で説明される任意のステップは、MRスキャナ、及び/若しくは超音波デバイスを使用して患者の一部分を走査している間、又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査することなしに完了され得る。超音波画像が取得される実施形態では、取得されたMR画像は、リアルタイムの超音波画像(例えば、前立腺の経直腸的超音波画像)と電子的に融合され得る。いくつかのステップは、磁気共鳴スキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了するものとして説明されているが、このステップは、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する後続のステップが遂行され得るように、2つの別々のステップに分割され得る。更に、MRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、単一の静止画像を取得することを含み得、動きを示すためにシネとしてグループ化され得る複数のMR画像を取得するために任意の所望の回数繰り返され得る、及び/又はMRスキャナを使用して患者の一部分を走査する間に完了する任意のステップは、ライブリアルタイムMRI可視化下で完了するなど、ライブ画像を取得することを含み得る。
【0132】
いくつかの方法を本明細書で説明してきたが、本方法は、医療専門家による侵襲的インターベンションを必要としない非侵襲的方法であってもよいことが理解されよう。例えば、方法は、外耳道又は鼻腔などの身体内腔又は通路内にデバイスを配置するために、そのような身体内腔又は通路内で実施され得る。同様に、方法は、例えば訓練目的で、解剖用の死体又は人工的な身体部分に実施されてもよい。更に、当業者であれば、本明細書で説明される方法が、人体又は動物の身体に全く使用されず、例えば産業セッティングにおいて、MRI技法を用いて他のタイプのデバイスを見るために使用されてもよいことを認識されよう。
【0133】
当業者であれば、本開示の全体的な教示に照らして、説明及び図示された例の様々な修正形態及び代替形態を開発することができ、本明細書で説明及び図示された1つの例の様々な要素及び特徴を、本発明の範囲から逸脱することなく、別の例の様々な要素及び特徴と組み合わせることができることを認識されよう。したがって、本明細書に開示された要素及びステップの特定の構成は、単に本発明の例を説明及び図示するために本発明者らによって選択されたものであり、本発明の範囲又はその保護範囲を限定することを意図されたものではなく、本発明の範囲又はその保護範囲は、添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる均等物の全範囲が与えられる。
【国際調査報告】