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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】沈埋トンネル最終継手の取付方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/07 20060101AFI20250220BHJP
   E02D 29/073 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
E02D29/07
E02D29/073
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024571111
(86)(22)【出願日】2023-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2023117659
(87)【国際公開番号】W WO2024152576
(87)【国際公開日】2024-07-25
(31)【優先権主張番号】202310921919.3
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519172513
【氏名又は名称】中交第一航▲務▼工程局有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524311745
【氏名又は名称】中交一航局第二工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李一勇
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼乃受
(72)【発明者】
【氏名】成益品
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼超
(72)【発明者】
【氏名】▲鎖▼旭宏
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼▲戦▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】陶振杰
(72)【発明者】
【氏名】朱永▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】于博
(72)【発明者】
【氏名】杜▲闖▼
(57)【要約】
本願は沈埋トンネル最終継手の取付方法に関し、最終継手の施工分野に属しており、該取付方法は、第1座標系を設定し、特徴点を配置し、N+2管継手を取り付け、N+1管継手を取り付け、ジャッキセグメントを押し出すといったステップを含み、そのうち、第1座標系はN+3管継手の末端に設定され、N+1管継手の先端末端にはそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、ジャッキセグメントには貫通点DS、DWを配置し、N+2管継手の先端末端にはそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置しており、かつ貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの第1座標系における座標をそれぞれ計算する。該取付方法は、最終継手の取付精度を高めることができ、しかも操作が容易である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈埋トンネル最終継手の取付方法において、
すでに取付が完了しているN+3管継手の末端に第1座標系を設定する第1座標系設定ステップと、
+1管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、ジャッキセグメントに貫通点DS、DWを配置し、N+2管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置し、かつ貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの前記第1座標系における座標をそれぞれ計算する特徴点配置ステップと、
前記貫通点N+2S、N+2Wの前記第1座標系における座標を利用して前記N+2管継手と前記N+3管継手の誤差を計算し、前記N+2管継手の取付位置を調節することで、前記N+2管継手の先端と前記N+3管継手の末端を精確にドッキングさせるN+2管継手取付ステップと、
前記N+1管継手の先端をすでに取付が完了しているN管継手の末端と精確にドッキングさせ、前記貫通点N+1S、N+1Wの前記第1座標系における座標を利用して前記N+1管継手と前記N+2管継手の誤差を計算し、前記N+1管継手の取付位置を調節して、前記N+1管継手の末端を前記N+2管継手の末端に近付けて設置するN+1管継手取付ステップと、
前記貫通点DS及び/または貫通点DWの前記第1座標系における座標を利用して、前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手、前記N+2管継手の誤差をそれぞれ計算し、前記N+1管継手内部に設置されている前記ジャッキセグメントを前記N+2管継手に向かって押し出す方向を調節することで、前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手の末端を精確にドッキングさせる、ジャッキセグメント押出ステップと、を含むことを特徴とする、
沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項2】
前記特徴点配置ステップにおいて、前記N+3管継手の末端に制御点N+3Dを配置し、前記制御点N+3Dを基準点として、前記貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wと前記制御点N+3Dの相対的な位置をそれぞれ測定し、かつ前記貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの前記第1座標系における座標に換算することをさらに含み、前記制御点N+3Dの前記第1座標系における座標は(x0,y0,z0)であり、前記貫通点DWの前記第1座標系における座標は(x1,y1,z1)であり、前記貫通点DSの前記第1座標系における座標は(x2,y2,z2)であり、前記貫通点N+1Sの前記第1座標系における座標は(x3,y3,z3)であり、前記貫通点N+1Wの前記第1座標系における座標は(x4,y4,z4)であり、前記貫通点N+2Sの前記第1座標系における座標は(x5,y5,z5)であり、前記貫通点N+2Wの前記第1座標系における座標は(x6,y6,z6)であることを特徴とする、請求項1に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項3】
前記N+2管継手取付ステップにおいて、前記N+2管継手と前記N+3管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数1】

Δxは前記N+2管継手と前記N+3管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは前記N+2管継手とN+3管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは前記N+2管継手と前記N+3管継手のz軸方向における誤差であることを特徴とする、
請求項2に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項4】
前記N+1管継手取付ステップにおいて、前記N+1管継手と前記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数2】

Δxは、前記N+1管継手と前記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、前記Δyは、N+1管継手とN+2管継手とのy軸方向における誤差であり、Δzは、前記N+1管継手と前記N+2管継手のz軸方向における誤差であることを特徴とする、
請求項2に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項5】
前記ジャッキセグメント押出ステップにおいて、前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数3】

Δxは前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは前記ジャッキセグメントとN+2管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数4】



Δxは前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは前記ジャッキセグメントとN+1管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手のz軸方向における誤差であることを特徴とする、
請求項2に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項6】
前記ジャッキセグメント押出ステップにおいて、前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数5】

Δx´は前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δy´は前記ジャッキセグメントとN+2管継手のy軸方向における誤差であり、Δz´は前記ジャッキセグメントと前記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数6】

Δx´は前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手のx軸方向における誤差であり、Δy´は前記ジャッキセグメントとN+1管継手のy軸方向における誤差であり、Δz´は前記ジャッキセグメントと前記N+1管継手のz軸方向における誤差であることを特徴とする、
請求項2に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項7】
前記N管継手の末端に制御点NDを配置するとともに、前記N管継手の末端に第2座標系を設定する第2座標系設定ステップをさらに含み、前記特徴点配置ステップがさらに、前記制御点NDを基準点として、前記貫通点N+1S、N+1Wの位置をそれぞれ測定し、前記貫通点N+1S、N+1Wの前記第2座標系における座標に換算することで、前記N+1管継手と前記N管継手の誤差を計算することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項8】
前記制御点NDの前記第2座標系における座標は(x7,y7,z7)であり、前記貫通点N+1S、N+1Wの前記第2座標系における座標はそれぞれ(x3´,y3´,z3´)、(x4´,y4´,z4´)であり、前記N+1管継手取付ステップにおいて、前記N+1管継手と前記N管継手の誤差の計算方法は以下の通りであり、
【数7】

Δxは前記N+1管継手と前記N管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは前記N+1管継手とN管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは前記N+1管継手と前記N管継手のz軸方向における誤差であることを特徴とする、
請求項7に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項9】
前記貫通点N+2S、N+2Wと前記制御点NDの相対的な位置をそれぞれ測定するとともに、前記貫通点N+2S、N+2Wの前記第2座標系における座標に換算し、前記第2座標系を利用して前記N+1管継手とN+2管継手の誤差を計算し、かつ前記N+1管継手と前記N+2管継手の、前記第1座標系を利用して得られた誤差を比較することで、前記第1座標系を利用して前記N+1管継手と前記N+2管継手の誤差を計算する際の精度を検証する第1座標系精度検証ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項10】
前記貫通点N+2S、N+2Wの前記第2座標系における座標はそれぞれ(x5´,y5´,z5´)、(x6´,y6´,z6´)であり、前記第1座標系精度検証ステップにおいて、前記第2座標系を利用して前記N+1管継手と前記N+2管継手の誤差を計算する方法は以下の通りであり
【数8】

Δxは前記第2座標系における前記N+1管継手と前記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは前記第2座標系における前記N+1管継手とN+2管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは前記第2座標系における前記N+1管継手と前記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
ΔxとΔxの差、ΔyとΔyの差、ΔzとΔzの差を比較することにより、前記第1座標系を利用して前記N+1管継手と前記N+2管継手の誤差を計算する際の精度を検証することを特徴とする、
請求項9に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項11】
前記第1座標系設定ステップにおいて、前記N+3管継手末端に位置する点oと前記N+3管継手先端に位置する点oを取り、前記点oを前記第1座標系の原点とし、前記点oと前記点oが所在する直線を前記第1座標系のx軸とし、前記点oを通って前記N+3管継手頂面に垂直な直線をz軸として三次元直角座標系を設定し、前記第1座標系とすることを特徴とする、請求項1に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項12】
前記第1座標系設定ステップにおいて、前記N+3管継手の先端から前記N+3管継手の末端に向かう方向が前記第1座標系のx軸正方向であり、前記第1座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が前記第1座標系のy軸であり、左手親指が指向する方向が前記第1座標系のy軸正方向であることを特徴とする、請求項11に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【請求項13】
前記第2座標系設定ステップが、前記N管継手末端に位置する点o2と前記N管継手先端に位置する点o2´を取り、前記点o2を前記第2座標系の原点とし、前記点o2と前記点o2´が所在する直線を前記第2座標系のx軸とし、前記点o2を通って前記N管継手頂面に垂直な直線をz軸として三次元直角座標系を設定し、前記第2座標系とすることを含むことを特徴とする、請求項7に記載の沈埋トンネル最終継手の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2023年7月26日に中国特許局に提出された、出願番号202310921919.3、発明の名称「沈埋トンネル最終継手の取付方法」の中国特許出願の優先権を請求するものであり、その内容のすべては引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本願は最終継手の技術分野に属し、特に沈埋トンネル最終継手の取付方法に関する。
【背景技術】
【0003】
施工周期を短縮するために、沈埋トンネルは通常、トンネルの長さ方向の両端から同時に施工し、最後に最終継手を用いて両端に取り付けられている管継手を接続することで、トンネルの最終的な接合を実現する。管継手の取付順序は図1に示す通りであり、沈埋トンネル接合口はN+1管継手とN+2管継手の間に設計されており、そのうち、N+1管継手の末端内にはジャッキセグメントが設置されている。施工時には、まずN+2管継手を取り付け、その後、N+1管継手及びジャッキセグメントを取り付け、N+1管継手及びジャッキセグメントが沈降した後、ジャッキセグメントをN+1管継手からN+2管継手の方向に押し出し、ジャッキセグメントとN+2管継手とのドッキングを完成させることにより、沈埋トンネルの接合工事を完成させる。
【0004】
+1管継手とN+2管継手は互いに独立して施工されるため、N+1管継手とN+2管継手の軸線に誤差が発生し、最終継手の接続の質に影響を及ぼし、深刻な結果をもたらすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連技術に存在する不備に対して、本願では沈埋トンネル最終継手の取付方法を提供することで、最終継手の取付精度を向上させている。
【0006】
本願では沈埋トンネル最終継手の取付方法を提供しており、以下のステップを含む。
第1座標系設定ステップ。すでに取付が完了しているN+3管継手の末端に第1座標系を設定する。
特徴点配置ステップ。N+1管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、ジャッキセグメントに貫通点DS、DWを配置し、N+2管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置し、かつ貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの上記第1座標系における座標をそれぞれ計算する。
+2管継手手取付ステップ。上記貫通点N+2S、N+2Wの上記第1座標系における座標を利用して上記N+2管継手と上記N+3管継手の誤差を計算し、上記N+2管継手の取付位置を調節することで、上記N+2管継手の先端と上記N+3管継手の末端を精確にドッキングさせる。
+1管継手手取付ステップ。上記N+1管継手の先端をすでに取付が完了しているN管継手の末端と精確にドッキングさせ、上記貫通点N+1S、N+1Wの上記第1座標系における座標を利用して、上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差を計算し、上記N+1管継手の取付位置を調節して、上記N+1管継手の末端を上記N+2管継手の末端に近付けて設置する。
ジャッキセグメント押出ステップ。上記貫通点DS及び/またはDWの上記第1座標系における座標を利用して、上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手、上記N+2管継手との誤差をそれぞれ計算し、上記N+1管継手内部に設置されている上記ジャッキセグメントの上記N+2管継手への押出方向を調節することで、上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手の末端を精確にドッキングさせる。
【0007】
本願のいくつかの実施例では、上記特徴点配置ステップはさらに、上記N+3管継手の末端に制御点N+3Dを配置し、上記制御点N+3Dを基準点として、上記貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wと上記制御点N+3Dとの相対的な位置を測定し、かつ上記貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの上記第1座標系における座標に換算することを含み、そのうち、上記制御点N+3Dの上記第1座標系における座標は(x0,y0,z0)であり、上記貫通点DWの上記第1座標系における座標は(x1,y1,z1)であり、上記貫通点DSの上記第1座標系における座標は(x2,y2,z2)であり、上記貫通点N+1Sの上記第1座標系における座標は(x3,y3,z3)であり、上記貫通点N+1Wの上記第1座標系における座標は(x4,y4,z4)であり、上記貫通点N+2Sの上記第1座標系における座標は(x5,y5,z5)であり、上記貫通点N+2Wの上記第1座標系における座標は(x6,y6,z6)である。
【0008】
本願のいくつかの実施例では、上記N+2管継手手取付ステップにおいて、上記N+2管継手と上記N+3管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数1】

ここで、Δxは上記N+2管継手と上記N+3管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記N+2管継手とN+3管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは上記N+2管継手と上記N+3管継手のz軸方向における誤差である。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、上記N+1管継手手取付ステップにおいて、上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数2】

ここで、Δxは上記N+1管継手と上記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記N+1管継手とN+2管継手とのy軸方向における誤差であり、Δzは上記N+1管継手と上記N+2管継手のz軸方向における誤差である。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、上記ジャッキセグメント押出ステップにおいて、上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数3】

ここで、Δxは上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記ジャッキセグメントとN+2管継手とのy軸方向における誤差であり、Δzは上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数4】

そのうち、Δxは上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記ジャッキセグメントとN+1管継手とのy軸方向における誤差であり、Δzは上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手のz軸方向における誤差である。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、ジャッキセグメント押出ステップにおいて、上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数5】

ここで、Δx´は上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δy´は上記ジャッキセグメントとN+2管継手とのy軸方向における誤差であり、Δz´は上記ジャッキセグメントと上記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数6】

ここで、Δx´は上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手のx軸方向における誤差であり、Δy´は上記ジャッキセグメントとN+1管継手とのy軸方向における誤差であり、Δz´は上記ジャッキセグメントと上記N+1管継手のz軸方向における誤差である。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、上記N管継手の末端に制御点NDを配置し、かつ上記N管継手の末端に第2座標系を設定する第2座標系設定ステップをさらに含み、上記特徴点配置ステップはさらに、上記制御点NDを基準点として、上記貫通点N+1S、N+1Wの位置をそれぞれ測定し、かつ上記貫通点N+1S、N+1Wの上記第2座標系における座標に換算することで、上記N+1管継手と上記N管継手の誤差を計算することを含む。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、上記制御点NDの上記第2座標系における座標は(x7,y7,z7)であり、上記貫通点N+1S、N+1Wの上記第2座標系における座標はそれぞれ(x3´,y3´,z3´)、(x4´,y4´,z4´)であり、上記N+1管継手手取付ステップにおいて、上記N+1管継手と上記N管継手の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数7】

ここで、Δxは上記N+1管継手と上記N管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記N+1管継手とN管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは上記N+1管継手と上記N管継手のz軸方向における誤差である。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、上記貫通点N+2S、N+2Wと上記制御点NDの相対的な位置をそれぞれ測定し、かつ上記貫通点N+2S、N+2Wの上記第2座標系における座標に換算し、上記第2座標系を利用して上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差を計算するとともに、上記N+1管継手と上記N+2管継手の、上記第1座標系を利用して得た誤差を比較することで、上記第1座標系を利用して上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差を計算する際の精度を検証する第1座標系精度検証ステップをさらに含む。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、上記貫通点N+2S、N+2Wの上記第2座標系における座標はそれぞれ(x5´,y5´,z5´)、(x6´,y6´,z6´)であり、上記第1座標系精度検証ステップでは、上記第2座標系を利用して上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差を計算する方法は以下の通りである。
【数8】

ここで、Δxは上記第2座標系における上記N+1管継手と上記N+2管継手のx軸方向における誤差であり、Δyは上記第2座標系における上記N+1管継手とN+2管継手のy軸方向における誤差であり、Δzは上記第2座標系における上記N+1管継手と上記N+2管継手のz軸方向における誤差であり、
ΔxとΔxの差、ΔyとΔyの差、ΔzとΔzの差を比較することにより、上記第1座標系を利用して上記N+1管継手と上記N+2管継手の誤差を計算する際の精度を検証する。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、上記第1座標系設定ステップにおいて、上記N+3管継手末端に位置する点oと上記N+3管継手先端に位置する点oを取り、上記点oを上記第1座標系の原点とし、上記点oと上記点oが所在する直線を上記第1座標系のx軸とし、上記点oを通って上記N+3管継手頂面に垂直な直線をz軸として三次元直角座標系を設定し、上記第1座標系としている。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、上記第1座標系設定ステップにおいて、上記N+3管継手先端から上記N+3管継手末端に向かう方向が上記第1座標系のx軸正方向であり、上記第1座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が上記第1座標系のy軸、左手親指が指向する方向が上記第1座標系のy軸正方向である。
【0018】
本願のいくつかの実施例では、上記 第2座標系設定ステップは、上記N管継手末端に位置する点o2と上記N管継手先端に位置する点o2´を取り、上記点o2を上記第2座標系の原点とし、上記点o2と上記点o2´が所在する直線を上記第2座標系のx軸とし、上記点o2を通って上記N管継手頂面に垂直な直線をz軸として三次元直角座標系を設定し、上記第2座標系とすることを含む。
【0019】
上記の技術手法によると、本願実施例中の沈埋トンネル最終継手の取付方法は、最終継手の精確な取付を実現することができ、かつ取付ステップが簡単で、操作がしやすい。N+3管継手に第1座標系を設定し、かつN+2管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置し、貫通点N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用し、N+2管継手とN+3管継手の誤差を計算することにより、N+2管継手の取付を誘導する。N+1管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、貫通点N+1S、N+1Wの第1座標系における座標を利用してN+1管継手とN+2管継手の誤差を計算することにより、N+1管継手の取付を誘導する。ジャッキセグメントに貫通点DS、DWを配置することによって、貫通点DS、DWの第1座標系における座標を利用して、ジャッキセグメントとN+1管継手の誤差、ジャッキセグメントとN+2管継手の誤差を計算することにより、ジャッキセグメントを精確にN+2管継手の末端とドッキングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで説明する図面は本願に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本願の一部を構成している。本願の概略的な実施例及びその説明は、本願を解釈するために用いられるものであり、本願に対する不当な限定を構成するものではない。図面において、
図1図1は、従来技術における沈埋トンネル最終継手取付時の構造概略図である。
図2図2は、本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法における1つの実施例のフローチャートである。
図3図3は、本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法における1つの実施例の特徴点配置位置及び座標の概略図である。
図4図4は、図3中のジャッキセグメント部位の部分拡大図である。
図5図5は、本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法における1つの実施例で、N+3管継手に第1座標系を設定した構造概略図である。
図6図6は、本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法における1つの実施例で、N管継手に第2座標系を設定した構造概略図である。
【0021】
図中、
1、N管継手;2、N+1管継手;3、N+2管継手;4、N+3管継手;5、ジャッキセグメント。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本願の実施例における図面と結びつけて、実施例中の技術手法について明確かつ完全な記述を行っている。もちろん、記述されている実施例は本願の一部の実施例であって、すべての実施例ではない。本願の実施例を基に、当業者が創造的な労働を行っていないことを前提に獲得したその他の実施例は、すべて本願の保護範囲に属する。
【0023】
本願の記述において理解しておかなければならないのは、用語の「中心」、「横方向」、「縦方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが示す方位または位置関係は、図に示す方位または位置関係に基づいており、本願を記述しやすくし、記述を簡略化するためのものにすぎず、指している装置や素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位により構成及び操作されることを示したり、暗示したりするものではなく、本願に対する限定と理解することはできないという点である。
【0024】
用語の「第1」、「第2」は目的を記述するためのものであり、相対的な重要性を示したり、暗示したり、または指している技術的特徴の数を暗に含んだりするものと理解することはできない。したがって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、明らかに、または暗に、1つまたはそれ以上の該特徴を含むことができる。
【0025】
本願の記述において説明しておかなければならないのは、別途明確な規定及び限定がない限り、用語の「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解しなければならないという点である。例えば、固定接続でもよいし、取り外し可能な接続でもよいし、一体式の接続でもよい。また、直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子内部の連通でもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記の用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0026】
図面が方法ステップの特定の順序を示すことができたとしても、ステップの順序は記載されている順序とは異なることがあるということを理解しておかなければならない。また、2つ以上のステップを、同時に、または部分的に同時に実行することもできる。このような変型は設計者の選択によって決まる。このような変型はすべて、本開示の範囲内にある。本願の記述において、「ジャッキセグメント」とは、即ち「最終継手」のことである。
【0027】
沈埋トンネルの施工過程では、両端から同時に向かい合って施工を行い、かつ最終ドッキング位置で最終継手の取付を行う。本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法では、主に最終継手及び最終継手の取付に関連する4つの管継手の取付方法に言及しており、その他の管継手の取付方法は本願の範囲ではないので、従来技術を参照すればよい。
【0028】
図1に示すように、両端はそれぞれN管継手1とN+3管継手4であり、2つの管継手の末端は対向しており、N管継手1の末端にN+1管継手2が取り付けられ、N+1管継手2の先端がN管継手1の末端に接続され、N+3管継手4の末端にN+2管継手3が取り付けられ、N+2管継手3の先端がN+3管継手4の末端に接続され、N+1管継手2の末端はN+2管継手3の末端と対向し、かつ両者の間には隙間が存在しており、N+1管継手2の末端内にジャッキセグメント5が設置され、ジャッキセグメント5をN+1管継手2からN+2管継手3の方向に押し出すことによって、ジャッキセグメント5とN+2管継手3とのドッキングを完成させ、それにより沈埋トンネルの施工を完成させる。
【0029】
図2図6に示すように、本願の沈埋トンネル最終継手の取付方法の1つの例示的な実施例において、該沈埋トンネル最終継手の取付方法は、第1座標系を設定するS1と、特徴点を配置するS2と、N+2管継手を取り付けるS3と、N+1管継手を取り付けるS4と、ジャッキセグメントを押し出すS5などを含む。
【0030】
第1座標系を設定するS1では、すでに取り付けが完了しているN+3管継手4の末端に第1座標系を設定する。
【0031】
ステップS1のいくつかの実施例では、第1座標系は以下の方法で設定される。図5に示すように、第1座標系をN+3管継手4の末端に設定し、N+3管4継手末端に位置する点oと、N+3管継手4の先端に位置する点oを取り、点oを第1座標系の原点とし、点oと点oが所在する直線を第1座標系のx軸とし、点oを通ってN+3管継手4頂面に垂直な直線をz軸とし、三次元直角座標系を設定して第1座標系とし、N+3管継手4先端からN+3管継手4末端に向かう方向を第1座標系のx軸正方向とし、第1座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が第1座標系のy軸、左手親指が指向する方向が第1座標系のy軸正方向である。ステップS1のいくつかの実施例では、N+3管継手4の末端に制御点N+3Dを配置し、制御点N+3Dを基準点としており、制御点N+3Dの第1座標系における座標は(x0,y0,z0)であり、目標点と制御点N+3Dの相対的な位置を測定することによって、目標点の第1座標系における座標位置を換算し、取得する。
【0032】
特徴点配置ステップS2では、図3及び図4に示すように、N+1管継手2の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、ジャッキセグメント5の先端末端にそれぞれ貫通点DS、DWを配置し、N+2管継手3の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置する。貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wは最終継手取付方法における目標点であり、貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの第1座標系における座標をそれぞれ計算する。
【0033】
ステップS2のいくつかの実施例では、貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wと制御点N+3Dとの相対的な位置をそれぞれ測定することによって、貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を計算することができ、そのうち、貫通点DWの第1座標系における座標は(x1,y1,z1)、貫通点DSの第1座標系における座標は(x2,y2,z2)、貫通点N+1Sの第1座標系における座標は(x3,y3,z3)、貫通点N+1Wの第1座標系における座標は(x4,y4,z4)、貫通点N+2Sの第1座標系における座標は(x5,y5,z5)、貫通点N+2Wの第1座標系における座標は(x6,y6,z6)である。
【0034】
+2管継手手取付ステップS3では、貫通点N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用してN+2管継手3とN+3管継手4の誤差を計算し、計算して得たN+2管継手3とN+3管継手4の誤差に基づいてN+2管継手3の取付位置を調節し、N+2管継手3の先端とN+3管継手4の末端を精確にドッキングさせることにより、N+2管継手3の取付精度を高める。
【0035】
ステップS3のいくつかの実施例では、N+2管継手3とN+3管継手4の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数9】

ここで、ΔxはN+2管継手3とN+3管継手4のx軸方向における誤差であり、ΔyはN+2管継手3とN+3管継手4のy軸方向における誤差であり、ΔzはN+2管継手3とN+3管継手4のz軸方向における誤差である。
【0036】
+1管継手手取付ステップS4では、N+1管継手2の先端をすでに取り付けが完了しているN管継手1の末端と精確にドッキングさせる。N+1管継手2は取り付けられているN+2管継手3とも接続する必要があるため、N+1管継手2とN+2管継手3の誤差が大きすぎると、N+1管継手2はN+2管継手3と精確にドッキングすることができない。そのため、貫通点N+1S、N+1Wの第1座標系における座標を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差を計算することによって、N+1管継手2の取付位置を調節し、それによりN+1管継手2とN+2管継手3の誤差が要求に適合することを確保する。説明しておかなければならないが、N+1管継手2の末端はN+2管継手3の末端近くに設置されており、両者の間には隙間が存在する。
【0037】
ステップS4のいくつかの実施例では、N+1管継手2とN+2管継手3の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数10】

ここで、Δxは第1座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のx軸方向における誤差であり、Δyは第1座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のy軸方向における誤差であり、Δzは第1座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のz軸方向における誤差である。
【0038】
上記の沈埋トンネル最終継手の取付方法では、ジャッキセグメント5はN+1管継手2内に設置され、かつN+1管継手2の取り付けが完成した後、N+1管継手2内から押し出されてN+2管継手3の末端とドッキングする。説明しておかなければならないが、ジャッキセグメント5が押し出される際に、N+1管継手2とかなり大きな誤差が生じたり、またはジャッキセグメントとN+2管継手3にかなり大きな誤差が生じることで、ジャッキセグメント5のN+1管継手2及びN+2管継手3に対する接続効果に影響を及ぼすおそれがある。そのため、ジャッキセグメント押出ステップS5では、貫通点DS及び/またはDWの第1座標系における座標を利用してジャッキセグメント5とN+1管継手2、N+2管継手3との誤差をそれぞれ計算し、N+1管継手2内部に設置されているジャッキセグメント5がN+2管継手3に向けて押し出されることを誘導することによって、ジャッキセグメントとN+2管継手3の末端を精確にドッキングさせるのである。さらに説明しておかなければならないが、ジャッキセグメント5が押し出されると、ジャッキセグメント5の末端とN+2管継手3の末端がドッキングするが、ジャッキセグメント5の先端は依然としてN+1管継2手内に位置している。
【0039】
ステップS5のいくつかの実施例では、貫通点DWの第1座標系における座標を利用してジャッキセグメント5とN+2管継手3の誤差を計算し、貫通点DSの第1座標系における座標を利用してジャッキセグメント5とN+1管継手2の誤差を計算する。具体的には、ジャッキセグメント5とN+2管継手3の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数11】

ここで、Δxはジャッキセグメント5とN+2管継手3のx軸方向における誤差であり、Δyはジャッキセグメント5とN+2管継手3のy軸方向における誤差であり、Δzはジャッキセグメント5とN+2管継手3のz軸方向における誤差である。
ジャッキセグメント5とN+1管継手2の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数12】

ここで、Δxはジャッキセグメント5とN+1管継手2のx軸方向における誤差であり、Δyはジャッキセグメント5とN+1管継手2のy軸方向における誤差であり、Δzはジャッキセグメント5とN+1管継手2のz軸方向における誤差である。
【0040】
ステップS5の別のいくつかの実施例では、貫通点DW及びDSの第1座標系における座標を利用して、ジャッキセグメント5とN+1管継手2、N+2管継手3とのそれぞれの誤差を計算する。具体的には、ジャッキセグメント5とN+2管継手3の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数13】

そのうち、Δx´はジャッキセグメント5とN+2管継手3のx軸方向における誤差であり、Δy´はジャッキセグメント5とN+2管継手3のy軸方向における誤差であり、Δz´はジャッキセグメント5とN+2管継手3のz軸方向における誤差である。
ジャッキセグメント5とN+1管継手2の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数14】

そのうち、Δx´はジャッキセグメント5とN+1管継手2のx軸方向における誤差であり、Δy´はジャッキセグメント5とN+1管継手2のy軸方向における誤差であり、Δz´はジャッキセグメント5とN+1管継手2のz軸方向における誤差である。
【0041】
実際の施工においては、まず、すでに取付が完了しているN管継手1を参考にしてN+1管継手2を取り付ける必要があり、N+1管継手2とN管継手1の取付精度を保証するために、沈埋トンネル最終継手の取付方法のいくつかの実施例ではさらに、N管継手1の末端に制御点NDを配置し、かつN管継手1の末端に第2座標系を設定する。特徴点配置ステップS2では、制御点NDを基準点として、貫通点N+1S、N+1Wとの相対的な位置をそれぞれ測定し、かつ貫通点N+1S、N+1Wの第2座標系における座標に換算して、N+1管継手2とN管継手1との誤差を計算する、第2座標を設定するS10を含む。計算で得られたN+1管継手2とN管継手1の誤差によって、N+1管継手2の取付位置を調節する。
【0042】
ステップS10のいくつかの実施例では、図6に示すように、第2座標系設定ステップは、N管継手1末端に位置する点oと、N管継手1の先端に位置する点o´を取り、点oを第2座標系の原点とし、点oと点´が所在する直線を第2座標系のx軸とし、点oを通ってN管継手の頂面に垂直な直線をz軸とし、三次元直角座標系を設定して第2座標系とし、N管継手1の先端からN管継手1の末端に向かう方向を第1座標系のx軸正方向とすることを含み、第2座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が第2座標系のy軸、左手親指が指向する方向が第2座標系のy軸正方向である。
【0043】
+1管継手手取付ステップS4のいくつかの実施例では、制御点NDの第2座標系における座標は(x7,y7,z7)であり、貫通点N+1S、N+1Wの第2座標系における座標はそれぞれ(x3´,y3´,z3´)、(x4´,y4´,z4´)であり、N+1管継手2とN管継手1の誤差の計算方法は以下の通りである。
【数15】

ここで、ΔxはN+1管継手2とN管継手1のx軸方向における誤差であり、ΔyはN+1管継手2とN管継手1のy軸方向における誤差であり、ΔzはN+1管継手2とN管継手1のz軸方向における誤差である。
【0044】
沈埋トンネル最終継手の取付方法のいくつかの実施例では、第1座標系精度検証ステップS40をさらに含み、貫通点N+2S、N+2Wと制御点NDの相対的な位置をそれぞれ測定し、かつ貫通点N+2S、N+2Wの第2座標系における座標に換算し、第2座標系を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差を計算するとともに、第2座標系を利用して計算して得たN+1管継手2とN+2管継手3の誤差を、第1座標系を利用して計算して得たN+1管継手2とN+2管継手3の誤差と比較することで、第1座標系を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差を計算する際の精度を検証する。
【0045】
ステップS40のいくつかの実施例では、貫通点N+2S、N+2Wの第2座標系における座標はそれぞれ(x5´,y5´,z5´)、(x6´,y6´,z6´)であり、第2座標系を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差を計算する方法は以下の通りである。
【数16】

ここで、Δxは第2座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のx軸方向における誤差であり、Δyは第2座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のy軸方向における誤差であり、Δzは第2座標系におけるN+1管継手2とN+2管継手3のz軸方向における誤差である。
ΔxとΔxの差、ΔyとΔyの差、ΔzとΔzの差を比較することにより、第1座標系を利用してN+1管継手2と上記N+2管継手3の誤差を計算する際の精度を検証する。
【0046】
上記の沈埋トンネル最終継手の取付方法では、N+3管継手に第1座標系を設定し、かつN+2管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置し、貫通点N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用してN+2管継手とN+3管継手の誤差を計算することにより、N+2管継手の取付を誘導する。N+1管継手の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、貫通点N+1S、N+1Wの第1座標系における座標を利用してN+1管継手とN+2管継手の誤差を計算することによって、N+1管継手の取付を誘導し、ジャッキセグメントに貫通点DS、DWを配置することによって、貫通点DS、DWの第1座標系における座標を利用して、ジャッキセグメントとN+1管継手の誤差、ジャッキセグメントとN+2管継手の誤差を計算し、ジャッキセグメントの押出方向を調節することで、ジャッキセグメントを精確にN+2管継手の末端とドッキングさせることができる。
実施例1
【0047】
以下では、制御点N+3Dの第1座標系における座標を(x0,y0,z0)、貫通点DWの第1座標系における座標を(x1,y1,z1)、貫通点DSの第1座標系における座標を(x2,y2,z2)、貫通点N+1Sの第1座標系における座標を(x3,y3,z3)、貫通点N+1Wの第1座標系における座標を(x4,y4,z4)、貫通点N+2Sの第1座標系における座標を(x5,y5,z5)、貫通点N+2Wの第1座標系における座標を(x6,y6,z6)、制御点NDの第2座標系における座標を(x7,y7,z7)、貫通点N+1S、N+1Wの第2座標系における座標をそれぞれ(x3´,y3´,z3´)、(x4´,y4´,z4´)とすることを例として、上記の沈埋トンネル最終継手の取付方法を詳細に紹介しており、上記の沈埋トンネル最終継手の取付方法は、以下のステップを含む。
第1座標系を設定するS1。N+3管継手4の末端に位置する点oと、N+3管継手4の先端に位置する点oを取り、点oを第1座標系の原点とし、点oと点oが所在する直線を第1座標系のx軸とし、点oを通ってN+3管継手4の頂面に垂直な直線をz軸とし、三次元直角座標系を設定して第1座標系とし、N+3管継手4先端からN+3管継手4末端に向かう方向を第1座標系のx軸正方向とし、第1座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が第1座標系のy軸、左手親指が指向する方向が第1座標系のy軸正方向である。
【0048】
第2座標系を設定するS10。N管継手1末端に位置する点oと、N管継手1の先端に位置する点o´を取り、点oを第2座標系の原点とし、点oと点´が所在する直線を第2座標系のx軸とし、点oを通ってN管継手1の頂面に垂直な直線をz軸とし、三次元直角座標系を設定して第2座標系とし、N管継手1の末端からN管継手1の先端に向かう方向を第1座標系のx軸正方向とし、第2座標系の原点o、x軸及びx軸正方向に基づき、左手の法則を使用すると、左手親指の所在する直線が第2座標系のy軸、左手親指が指向する方向が第2座標系のy軸正方向である。
【0049】
特徴点を配置するS2。N+1管継手2の先端末端にそれぞれ貫通点N+1S、N+1Wを配置し、ジャッキセグメント5の先端末端に貫通点DS、DWを配置し、N+2管継手3の先端末端にそれぞれ貫通点N+2S、N+2Wを配置し、N+3管継手4の末端に制御点N+3Dを配置し、N管継手1の末端に制御点NDを配置し、かつ、制御点N+3Dを基準点として、貫通点DWの第1座標系における座標(x1,y1,z1)、貫通点DSの第1座標系における座標(x2,y2,z2)、貫通点N+1Sの第1座標系における座標(x3,y3,z3)、貫通点N+1Wの第1座標系における座標(x4,y4,z4)、貫通点N+2Sの第1座標系における座標(x5,y5,z5)、貫通点N+2Wの第1座標系における座標(x6,y6,z6)を求める。そのうち、制御点N+3Dの第1座標系における座標は(x0,y0,z0)である。
【0050】
+2管継手を取り付けるS3。貫通点N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用して、N+2管継手3とN+3管継手4の誤差Δx、Δy及びΔzを計算するとともに、Δx、Δy及びΔzと実際の施工許容差を比較し、Δx、Δy及びΔzがいずれも施工許容誤差内であれば、N+2管継手3を所定の位置に取り付け、Δx及び/またはΔy及び/またはΔzが施工許容誤差を超えていれば、Δx、Δy及びΔzがすべて施工許容誤差内になるまでN+2管継手3の取付位置を調整して、N+2管継手3とN+3管継手4を精確にドッキングさせる。
【0051】
+1管継手を取り付けるS4。N+1管継手2を海底に沈め、N+1管継手2の先端をすでに取付の完了しているN管継手1の末端に精確にドッキングさせ、第2座標系を利用してN+1管継手2とN管継手1の誤差Δx、Δy及びΔzを計算し、第1座標系の座標を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差Δx、Δy及びΔzを計算し、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy及びΔzをそれぞれ実際の施工許容差と比較し、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy及びΔzがいずれも施工許容誤差内であれば、N+1管継手2を所定の位置に取り付け、Δx及び/またはΔy及び/またはΔz及び/またはΔx及び/またはΔy及び/またはΔzが施工許容誤差を超えていれば、N+1管継手2の取付位置を、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy及びΔzがすべて施工許容誤差内になるまで調整して、N+1管継手2を精確に取り付ける。
【0052】
第1座標系の精度を検証するS40。第2座標系を利用してN+1管継手2とN+2管継手3の誤差Δx、Δy及びΔzを計算し、かつΔx、Δy及びΔzとΔx、Δy及びΔzを比較し、Δx、Δy及びΔzとΔx、Δy及びΔzの差が許容誤差範囲内であれば、第1座標系の精度は高く、Δx及び/またはΔy及び/またはΔzとΔx及び/またはΔy及び/またはΔzの差が許容誤差範囲を超えていれば、第1座標系及び/または第2座標系の精度はかなり低いので、第1座標系及び/または第2座標系を設定し直して、第1座標系の精度を保証する必要がある。
【0053】
ジャッキセグメントを押し出すS5。貫通点DS、DWの第1座標系における座標を利用して、ジャッキセグメント5とN+1管継手2、N+2管継手3の誤差をそれぞれ計算する。ジャッキセグメント5とN+2管継手3の誤差はΔx、Δy、Δzであり、ジャッキセグメント5とN+1管継手2の誤差はΔx、Δy、Δzであり、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy、Δzをそれぞれ施工許容誤差と比較し、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy、Δzがいずれも誤差許容範囲内であれば、ジャッキセグメント5を押し出してN+2管継手3の末端とドッキングさせ、Δx及び/またはΔy及び/またはΔz及び/またはΔx及び/またはΔy及び/またはΔzが誤差許容範囲を超えていれば、Δx、Δy、Δz、Δx、Δy、Δzがすべて誤差許容範囲内になるまでジャッキセグメント5の位置を調節し、ジャッキセグメント5とN+2管継手3の末端を精確にドッキングさせる。
【0054】
説明しておかなければならないが、施工許容誤差の範囲はこの分野の公知の常識的な技術に属するので、ここでは繰り返し述べない。
【0055】
上記の沈埋トンネル最終継手の取付方法では、貫通点N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用して、N+2管継手とN+3管継手の誤差を計算して得ることによって、N+2管継手の取付位置を調節し、N+2管継手とN+3管継手の精確な取付を保証し、貫通点N+1S、N+1Wの第2座標系における座標を利用してN+1管継手とN管継手の誤差を計算して得ることによって、N+1管継手の取付位置を調節し、N+1管継手とN管継手の精確な取付を保証し、貫通点N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用して、N+1管継手とN+2管継手の誤差を計算して得ることによって、N+1管継手先端の取付位置を調節し、N+1管継手の末端とN+2管継手の末端が精確に対向し、互いに接近して設置できることを確保して、ジャッキセグメントが押し出される際に、N+2管継手と精確にドッキングさせ、貫通点DS、DW、N+1S、N+1W、N+2S、N+2Wの第1座標系における座標を利用して、ジャッキセグメントとN+1管継手、N+2管継手の誤差を計算して得、ジャッキセグメントの押出方向を調節することにより、ジャッキセグメントをN+2管継手と精確にドッキングさせることができる。
【0056】
最後に説明しておかなければならないが、本明細書中の各実施例は漸進的に記述されており、各実施例で重点を置いて説明しているのは、いずれも他の実施例とは異なる点であり、各実施例間の同一または類似する部分については、相互に参照することができる。
【0057】
上記の実施例は本願の技術手法を説明するものであって、それを限定するものではない。好適な実施例を参照して本願について詳しく説明しているが、当業者であれば、本願の具体的な実施形態について引き続き修正や技術特徴の一部に対する同等の置換を行うことはできるが、それは本願の技術手法の主旨を逸脱するものではなく、いずれも本願で保護を請求する技術手法の範囲に含まれるということを理解しておかなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】