IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジービーエイ・マリーン・アーエスの特許一覧

特表2025-505891蒸気を揮発性液体に再導入するための装置
<>
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図1A
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図1B
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図2
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図3
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図4
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図5
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図6A
  • 特表-蒸気を揮発性液体に再導入するための装置 図6B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-03
(54)【発明の名称】蒸気を揮発性液体に再導入するための装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20250221BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20250221BHJP
   B01F 25/30 20220101ALI20250221BHJP
   B01F 25/314 20220101ALI20250221BHJP
   B04C 3/00 20060101ALI20250221BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20250221BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20250221BHJP
   B01F 23/2326 20220101ALI20250221BHJP
【FI】
F17C13/00 302A
B01F23/231
B01F25/30
B01F25/314
B04C3/00 A
B01D5/00 Z
B63B25/16 D
B01F23/2326
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541187
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 NO2023050002
(87)【国際公開番号】W WO2023136731
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】20220042
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508225978
【氏名又は名称】ジービーエイ・マリーン・アーエス
【氏名又は名称原語表記】GBA MARINE AS
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ベー,ルネ
(72)【発明者】
【氏名】アーセン,ヘルゲ・コー
【テーマコード(参考)】
3E172
4D053
4D076
4G035
【Fターム(参考)】
3E172AA05
3E172AA06
3E172AB20
3E172BA06
3E172BD02
3E172HA04
4D053AA00
4D053AB04
4D053BA01
4D053BB08
4D053BC03
4D053BD01
4D053CB14
4D076BC14
4D076EA08Z
4D076EA14Z
4D076FA02
4D076FA24
4D076HA20
4G035AB06
4G035AB20
4G035AC22
4G035AE13
(57)【要約】
揮発性液体に蒸気を再導入するための装置は、揮発性液体のためのタンク(10)と、蒸気と液体とを混合するための混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)を介して、前記タンク(10)から液体を圧送するための循環ポンプ(14)及び接続導管(13、113、213)と、前記液体のレベルよりも上方の空間から前記混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)に蒸気を搬送するための導管(15、115、215)とを含み、前記混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)が、前記タンク(10)内の前記液体のレベルとは独立した圧力を確保するように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性液体に蒸気を再導入するための装置であって、
揮発性液体のためのタンク(10)と、
蒸気と液体とを混合するための混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)を介して、前記タンク(10)から液体を圧送するための循環ポンプ(14)及び接続導管(13、113、213)と、
前記液体のレベルよりも上方の空間から前記混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)に蒸気を搬送するための導管(15、115、215)と
を含み、
前記混合ゾーン又は混合装置(12、112、212)が、前記タンク(10)内の前記液体のレベルとは独立した圧力を確保するように配置されている、装置。
【請求項2】
前記混合装置(12)が、前記タンク(10)内の前記レベルとは独立したレベルまで液体で満たされた液密の垂直カラム(11)内に配置され、それにより所望の圧力を確保する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記混合装置(12)が前記垂直カラム(11)の底部から5メートル未満そして好ましくは2メートルを超えて配置され、前記カラムが前記タンク(10)内に配置され、前記カラムが前記タンク(10)の本体と流体連通(18)する上端部を有している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記混合装置(12)の出口の中心軸が前記カラムの中心軸と位置合わせされ、前記出口が前記垂直カラム(11)の底部に向けて垂直に下に向いている、請求項1~3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記混合装置(112、212)がタンク(10)の底部(101)に近接して配置され、前記混合装置(112、212)の出口が、前記タンク(10)の底部(101)に近接して配置された水平カラム(116)に接続されており、前記カラム(116)が、前記混合装置(112、212)の垂直高さよりも高い垂直高さまで上方に延びる導管(117)に接続され、その垂直高さが前記タンク(10)内の液体のレベルとは独立することにより前記所望の圧力を確保する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記混合装置(112、212)が前記水平カラム(116)とは別に配置されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記混合装置(112、212)が水平カラム(116)と組み合されて一体のユニットを形成している、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記水平カラム(116)が、当該水平カラム(116)に入る流れに渦を誘起するよう配置された1つ又は複数の静的なベーンブレード(41、42)を含むセクションを備える、請求項5~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ベーンブレード(41、42)が、前記水平カラム(116)の長手軸(z)に対して傾斜し、及び/又は、その長手方向において湾曲している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ガス分離ユニット(119)が、前記水平カラム(116)から前記導管(117)にかけて配置されている、請求項5~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記水平カラム(116)からの前記導管(117)がドロップライン(111)で終端している、請求項5~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記導管(15)が、前記垂直カラム(11)の底部に配置された孔付きの端部又はボックス(62)に蒸気を搬送するように配置され、前記導管(13)が、前記端部又はボックス(62)を囲むゾーン(63)に液体を圧送するように配置されている、請求項5~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
周囲の圧力と比較して少なくとも1バール、より好ましくは少なくとも1.5バール、最も好ましくは少なくとも5バールの過圧を維持するように構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性液体からの蒸気の再導入/吸収、特にタンク船のカーゴタンク内のオイルにオイル蒸気を再導入するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンク船の大型タンク内のオイルのような揮発性及び可燃性を有する流体の輸送に際しては、オイルから放出された蒸気がそのオイルに捕捉及び/又は再導入されないと、貨油(カーゴ)に損失が生じる場合がある。更にこのような蒸気は極めて可燃性があるので火災又は爆発のリスクをも含む。
【0003】
これらの蒸気は、タンク内で一定の過圧を形成する下で、液相中の対応する成分との平衡を確立する。しかし、そのような平衡に達するために必要とされる圧力は、オイルタンカーの現在のタンク設計圧力よりも高く、この圧力要件を満たすことができる船舶設計をなすことは、実際的ではなく、また経済的にも実現性がない。一般に、オイル貨物から放出される蒸気は「揮発性有機化合物(VOC)」と称される。
【0004】
上述の問題を克服するための、多くの異なる方法による試みがなされてきた。ノルウェー特許第316 045号、米国特許第6,786,063号、米国特許第3,003,325号は、貯蔵タンクの外側に配置された機器を使用するシステム及び装置を記載し、またノルウェー特許第315 293号及び第315 417号はタンクに組み込まれたシステムを記載する。より最近の解決策は、国際公開第2007086751号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーゴタンク内のオイルのレベル(液面)が低いか又は中程度である場合の効率の欠如は、タンクがほぼ満杯でないと最適に機能しない従来のシステムの共通の欠点である。オイルタンカーでのオイル輸送に関連して、更なる損失の低減と安全性の向上のために、この技術分野における改善が必要である。
【0006】
したがって、本発明は、効率的、安価、及び既存の解決策の固有の欠点を排除する、揮発性液体から蒸気を吸収するための装置を提供することを目的とする。この装置は、製造が容易、保守が簡単、操作が容易、そして安価であるべきである。
【0007】
特に、オイルタンカーのカーゴタンク内のオイルから蒸発したオイル蒸気をオイルに再導入するための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、請求項1に記載の本発明による装置によって達成された。
【0009】
好ましい実施形態は、従属請求項により開示される。
【0010】
本発明の主な利点は、本装置が接続される如何なるタンク内の液体のレベルとは独立して(無関係に)維持される、揮発性液体のカラムにより加えられる圧力で、揮発性液体への蒸気の再導入が行われるという事実において特有のものである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態に含まれる垂直カラム及び水平カラムは、それぞれ厳密な垂直及び厳密な水平から幾分ずれた向きで配置されてもよい。
【0012】
更なる説明において、用語「揮発性液体」、「液体」及び「オイル」は互換的に使用されており、それらは、特に明記されない限り、添付の特許請求の範囲に記載される揮発性液体の液体形態を意味する。
【0013】
以下、本発明を、添付の図面によって示される非限定的な実施形態の形でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aはカーゴタンク充填の初期段階における、本発明の第1の実施形態の図である。
図1B図1Bはカーゴタンク充填の後の段階における、図1と同様の図である。
図2図2は本発明の第2の実施形態の図である。
図3図3図2の1つの構成要素の側断面図である。
図4図4図2の2つの構成要素のアセンブリの側断面図である。
図5図5図3の1つの構成要素に対する代替的な構成要素の側断面図である。
図6A図6A図5に示す構成要素の変形例を含む本発明の実施形態を示す。
図6B図6B図5に示す構成要素の変形例を含む本発明の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は吸収媒体として使用される液体に揮発性蒸気を再導入するため、例えば国際公開第2007086751号による装置のようなシステムを必要とする。このような再導入システムの他の実施形態は、ガスの供給のためのファン、ポンプ、又はコンプレッサー、好ましくはマイクロバブル発生器を組み合わせて含み、及びカラムを通して吸収媒体液を循環させるためのポンプを含むことができる。簡略化するために、(国際公開第2007086751号のものと同様の)エジェクタ式の混合装置が、本明細書に記載される本発明の全ての実施形態の主要例として使用される。以下この装置を「混合装置」という。
【0016】
図1Aは底壁101及び上壁102を有するタンク10の一部を示している。このタンク内には、垂直液密チューブ又はカラム11が配置されている。混合装置12は、前記の垂直カラム11の底部に近接して配置されている。混合装置12は、タンク底部101に近接する位置からポンプ14によって供給されるオイルで充填されるように配置され、そのオイルの流れ13を利用して、液体の上方の空間から蒸気15を抽出する。蒸気15の流れは、任意のポンプ、ファン又はコンプレッサー16によって補助されてもよい。
【0017】
揮発性蒸気が抽出される液体の上方の空間は、一般的にはタンク内の空間であるが、気化後に蒸気が導かれる任意の空間又は導管からの空間であってもよい。
【0018】
液体及びそれに混入された蒸気泡の複合流れ17は、カラム11の底部に近接する混合装置12を離れ、そこでは、上方の液体の圧力が気泡を液体に凝縮させる。この混合ユニット(エジェクタ式の装置を想定)は、噴流を出口からカラム11の底部に向かって垂直に下方に導くように配置されるべきであり、その底部との最大距離は、噴流が、混入された気泡をその底部まで搬送できるように十分に小さい。
【0019】
混合ユニットの出口から底板までの推奨距離は、流速にも依存するが、典型的には2~5mの範囲である。他のタイプの混合ユニット、例えば、マイクロバブル発生器は、気泡の効率的な凝縮に利用可能な最大静水圧を確保するために、カラム11の底部又はそれに近接して配置されるべきである。
【0020】
垂直カラム11の機能は、タンクが満杯未満であっても、またほとんど空であっても、少なくとも満杯のカーゴタンクの圧力と同様の圧力を混合装置12において迅速に達成することである。導管18は、タンクがほとんど空であっても、オイルを飛散させることなくカラムの上部から周囲のカーゴタンクに導くように配置される。図1Aでは、カーゴタンクは10%よりも少ないレベルまでしか満たされていないが、混合装置内の圧力に関する所望の条件は依然として得られている。
【0021】
操作の目的のために、カラム11は、カラムの底部近傍に出口19を備える。出口19のアイソレーションバルブ20は、ポンプ14が作動し、システムが稼働しているときは閉じられるが、タンク10が空になっているときは、カラム11を重力ドレインするために開かれる場合がある。重力ドレイン中のカラム11内の圧力不足を回避するために、バルブ22が開くと、導管21はカラムの上部をタンク10の上部に接続する。するとタンク10からのガスがカラムに流入し、液体を置換することができる。バルブ22は、ポンプ14が作動し、システムが稼働しているときは閉じられる。
【0022】
図1Bはカーゴタンクがより高い約75%のレベルまで満たされた段階での同構成を示す。混合装置内の圧力に関する条件に変化はなく、カーゴタンク内のオイルのレベルは条件にならず、垂直カラム内のオイルのレベルのみが条件となる。
【0023】
垂直カラム11はタンク10内に物理的に配置されて示されているが、上記の説明によって一般的に教示される方法で、タンクの外側ではあるが、タンクに流体的に接続されたカラムを配置してもよい。
【0024】
概して言えば、タンク10内のレベルとは独立したレベルまで液体で満たされた液密垂直カラム11内に混合装置12を配置することにより、タンク10内の液体のレベルとは独立した所望の圧力が混合装置内に確保される。
【0025】
国際公開2007086751号のものと同様のエジェクタ式の混合ユニットを想定すると、混合装置12の出口は、典型的には、液密垂直カラム11の底部から2~5m上方に配置される。この場合、混合装置12の出口はまた、典型的にはカラム11の中心軸と一致した中心軸を有し、この出口は、カラム11の底部に向かって垂直に下方を向いている。吸収媒体として使用される液体に揮発性蒸気を再導入する他の方法について、有効な吸収圧力を最適化するために、混合/ガス導入ユニットを垂直カラム11の底部に近接して配置することがより有利であり得る。
【0026】
図2図1A及び1Bのものとはかなり異なる実施形態を示しているが、タンクの底壁101に近接して配置される混合装置112の出口における圧力の利点は略同じである。混合装置112は、タンク底部101に近接した位置からポンプ114によって供給されるオイル113で充填されるように配置され、そのオイルの流れ113を利用して、液体の上方の空間から蒸気115を抽出する。
【0027】
混合装置112からの液体と混入された蒸気泡とが結合された流れは、底壁101に沿って実質的に水平に延びる水平カラム116に入る。このカラム出口は、タンクの上壁102の近くか又は好ましくはその上の位置まで延びる導管117に取り付けられる。稼働中、導管117はオイルで満たされるので、水平カラム内の圧力は、導管117の垂直範囲によって決定される。何らかの理由で全ての気泡がオイルに吸収されない場合に、残りの気泡を除去するために、任意にガス分離ユニット119を導管117の上部又はその近くに配置することができ、その後導管117は、ここでは詳細には説明しない任意のドロップライン111を通してタンク10の低い位置に続く。
【0028】
この構成案は、第1の実施形態と比較して、蒸気泡が高い圧力で液体と長時間密接に混合することを可能にし、それによって、蒸気から液体への物質移動(凝縮)も強める。概して、本発明のこの第2の実施形態の効率化に関するパラメータは、導管117から生じる圧力、混合装置に後続する水平カラム116の直径及び長さ、断面積当たりの体積流量、及び、混合装置112の下流の高い圧力で生じる滞留時間である。
【0029】
図2を参照して上述した構成は、混合装置112内の所望の圧力、それはタンク10内の液体のレベルとは独立して無関係であり、典型的には、少なくともオイルで満杯にされたタンクの圧力に等しい圧力を確保する。
【0030】
混合装置112は、水平カラム116とは別に配置されてもよく、又はカラム116と組み合されて一体のユニットを形成してもよい。
【0031】
図1に記載された構成に関し、カラム116の底部に近い出口、及び、タンク10の上部からのガス供給導管の双方は、システムの重力ドレインのために、アイソレーションバルブを備えることが推奨される。
【0032】
図3は、本装置において有用なエジェクタの形態の混合装置112の側断面図である。この混合装置は国際公開2007086751号に記載のものと同様である。混合装置112は、左側に、それを通して液体オイル113が充填される貫通開口部31の形態の入口を有し、相当の速度で左から右に移動するときに、エジェクタに駆動力を提供する。蒸気は、流れ115として混合装置に横方向に入り、貫通開口部31を取り囲む環状空間32に入り、そして移動する液体によって生成される吸引力によって蒸気は液体流に吸引される。空間32とチューブセクション33との間の環状開口部は、螺旋流を形成するための静的ベーンブレードを任意で含むことができる。このような螺旋流の利点は、液体流中の蒸気泡の分散が改善されることにある。
【0033】
第2の実施形態に欠点があるとすれば、液体と蒸気との密度差により、水平吸収カラム116の最上部に蒸気泡が溜まりやすく、多くの微細な泡がより少ない大きな泡に融合して、蒸気と液体との接触面積が減少することである。
【0034】
この潜在的な負の効果は、図4に示すように、湾曲又は傾斜したベーンブレード41、42を含む1つ又は複数のセクションを導入することによって打ち消すことができる。複数のセクションが導入される場合、水平カラム116は、図4に示す複数のセグメント116、116に分割される。図4によるベーンブレードは、それぞれ各セグメント116、116の入口端部にのみに配置されているが、各セグメントのどこにでも配置することができ、全セクションに亘る延長部を有することもできる。
【0035】
図4による構成は、直線的な流れの動きを螺旋的な流れの動きに変換し、液体と蒸気との密度差によって引き起こされる気泡への上昇力の効果よりも大きな、カラムの軸の横方向の速度成分を提供する。このような回転流の付加的な特徴として外側への重力効果があり、水平カラム116内で、より重い液体を外側に、より軽い蒸気をカラム中心の内側にもたらす。符号116は、単一の水平カラム116、及びカラムセクション116、116のような複数の水平カラムセクションからなるカラムを共通に参照するものとして使用されることに留意されたい。図4に示される水平カラム116は長手軸zを有する。
【0036】
図5は、図3の混合装置112とは異なる原理を用いる混合装置212の側断面図である。液体流113は混合装置に左側から入り、蒸気流115は混合装置内の孔付き部52を有するパイプ51を通して混合装置に入り、蒸気を小さな気泡として液体流に混入させる。図5には示されていないが、水平カラムセクション116は、図4に示されているものと同様の方法で混合装置212の下流に配置される。図6Aは、図1及び2に示した種類の垂直カラム11において、その内部に配置される、図5に示した装置の変形例を示している。この場合、図5の212のようなハウジングは必要なく、タンクの上部から蒸気を搬送する導管15が、図5に示した孔付き部52と同じ目的を果たす孔付き端部又は孔付きボックス62を有して配置され、オイル中の蒸気泡を拡散し、それによりオイルに蒸気を混入して蒸気凝縮を生じさせる。ポンプ14は、孔付き部又はボックス62の方向にオイルを圧送し、オイルへの蒸気の混入及び凝縮の効果を高める。
【0037】
図6Bは、垂直カラム11の下部及び図5の周囲を拡大した図であり、円として混合ゾーン63を示しており、そこでは、孔付きボックス62からの蒸気泡が、その中に混入されるオイルと接触する。当然ではあるが、このゾーンには明確な境はない。
【0038】
本発明のすべての実施形態は、本発明の一部ではない他の装置、例えば、タンクへの充填中に揮発性液体からの蒸発を減少させるように構成されたドロップライン装置や、液体がカーゴタンクに再導入される前から液体に残っている気泡を除去するための気液分離器などを有利に組み合わせることができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
【国際調査報告】