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  • 特表-車両用ラゲージコンパートメント 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-03
(54)【発明の名称】車両用ラゲージコンパートメント
(51)【国際特許分類】
   B60R 5/00 20060101AFI20250221BHJP
   B62D 25/12 20060101ALI20250221BHJP
【FI】
B60R5/00
B62D25/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543921
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2023051698
(87)【国際公開番号】W WO2023144151
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】2200948.4
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522299632
【氏名又は名称】ゴードン・マレー・オートモーティブ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Gordon Murray Automotive Limited
【住所又は居所原語表記】Wharfside, Broadford Park, Shalford, Surrey GU4 8EP United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】マレー, イアン
【テーマコード(参考)】
3D004
3D022
【Fターム(参考)】
3D004AA13
3D004BA03
3D004CA15
3D004CA34
3D022BB02
3D022BC08
(57)【要約】
車両の各側面側に、フロントホイールアーチとリヤホイールアーチ、及び、少なくとも1つの乗員用又は運転手用ドアを含む外部ボディワーク面を有する自動車であって、前記車両の少なくとも1つの側面側にラゲージコンパートメントが設けられ、各ラゲージコンパートメントは、前記外面内で前記リヤホイールアーチ前方に配置され、前記ラゲージコンパートメントは、少なくとも部分的に前記ラゲージコンパートメントの上部にまで延びかつヒンジ式パネルによって閉鎖可能な開口部を有し、前記パネルは、自動車の前記外部ボディワーク面の一部を形成し、かつ前記ラゲージコンパートメントの後方に配置され車両の後方に向かうヒンジを有する、自動車。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の各側面側に、フロントホイールアーチとリヤホイールアーチ、及び、少なくとも1つの乗員用又は運転手用ドアを含む外部ボディワーク面を有する自動車であって、
前記車両の少なくとも1つの側面側にラゲージコンパートメントが設けられ、
各ラゲージコンパートメントは、前記外部ボディワーク面内で前記リヤホイールアーチ前方に配置され、
前記ラゲージコンパートメントは、少なくとも部分的に前記ラゲージコンパートメントの上部にまで延びかつヒンジ式パネルによって閉鎖可能な開口部を有し、
前記パネルは、自動車の前記外部ボディワーク面の一部を形成するボディワークパネルを備え、かつ前記ラゲージコンパートメントの後方に配置されたヒンジを有する、自動車。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記自動車のリヤに隣接して配置される、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記ヒンジは、前記パネルの開閉時に前記ヒンジがその周りを旋回する軸を有し、
前記軸は、鉛直方向と横方向との両方の成分を有するように配向されている、請求項1又は請求項2に記載の自動車。
【請求項4】
前記鉛直方向の成分は、前記横方向の成分よりも著しく大きい、請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
前記軸は、鉛直方向及び横方向に垂直な長手方向成分を有するように配向されている、請求項4に記載の自動車。
【請求項6】
前記パネルはその前端に前縁部を有し、前記パネルは、閉位置において、前記前縁部の少なくとも一部が、前記車両のその側面側の最後方ドアの最後部の前方に位置するように延在する、先行請求項のいずれかに記載の自動車。
【請求項7】
前記パネルは、その前縁部において、前記車両のその側面側の前記最後方ドアの前記最後部の形状及び構成と相補的であるように成形及び構成されている、請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
前記パネルが開くのを補助するため、及び/又は、前記パネルを開位置に保持するために、一端が前記車両に固定され、他端が前記パネルに固定された、伸縮式ストラットを更に備える、先行請求項のいずれかに記載の自動車。
【請求項9】
前記開口部は少なくとも部分的に、前記自動車の側部に向けて前記ラゲージコンパートメントの側部まで延びる、請求項1又は請求項2に記載の自動車。
【請求項10】
2つのラゲージコンパートメントと、2つの閉塞可能なパネルとを備え、前記車両の各側面側に、1つのラゲージコンパートメントと、1つのパネルとを備える、先行請求項のいずれかに記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用、特に乗用車用のラゲージコンパートメントに関し、特にリヤエンジン車に関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
乗用車には多種多様な設計があり、車両設計の一態様に、ラゲージスペースの提供がある。ほとんどの自動車では、リヤにラゲージコンパートメントがあり、他の自動車では、リヤのラゲージコンパートメントに加えて、又はその代わりに、フロントにラゲージコンパートメントがあり、両方のコンパートメントは通常、車両の外側からアクセス可能である。ラゲージスペースの提供が問題となるのは、車両のエンベロープ又はボディ全体にほとんど余裕がない場合であり、それはおそらく、車両が小型で車高が低く、及び/又は、車両のエンベロープ内部が主にパッセンジャーコンパートメントに与えられ、残りのスペースが、エンジン、トランスミッション、ホイール、サスペンション、燃料タンク、及び、車両を安全に駆動することを可能にする他のすべての物理的要素に必要とされることが理由である。このような密に詰め込まれた設計では、車両の美観、重量配分、及び/又は、車両の走行特性を損なうことなく、多くのラゲージスペースを確保することは困難であり得る。多くの従来の車両用ラゲージコンパートメントは、車両の外側に開口部を有する;これらの開口部は、要素に対してそれらを密封するためのドア、ドアを閉じた状態に保持するためのロック機構、及び、ヒンジ機構を必要とし、ヒンジ機構は通常、水平軸を中心にヒンジするように配置され、よって開口部を補助するためのリフト手段も有する。従来のラゲージコンパートメントドアのこれらの特徴の全ては、車両に望ましくない重量を加え、これは燃料消費に悪影響を及ぼす。
【0003】
従来の試みは、十分なラゲージスペースを提供するため、荷物を積載するためのルーフラックやブーツラックなどの設置、及び、車両のルーフ又は他の部分に積載することを目的とした施錠可能な外部コンテナの開発につながってきた;しかしながら、これらのアプローチのすべては、車両の美観、その空力性能(環境意識の高い現代社会では極めて望ましくない燃料消費の増加や、パフォーマンスカー市場では望ましくない最高速度、及び、加速度の低下につながる)、及び、その走行特性/ハンドリング特性に悪影響を及ぼす。車両のエンベロープ内のスペースを利用し、車両の全重量を著しく増加させることなく、又は、自動車設計の他の要素を損なうことなく、コンパートメントへの十分なアクセスを可能にするラゲージコンパートメントを提供する、自動車の設計が依然として必要とされている。
【0004】
以下では、読者が自動車設計の以下の一般的な態様に精通していることを前提とする:自動車にはフロントエンドとリヤエンドがあり、フロントエンドは通常走行時に先行する(あるいは「先行」している)端部であり、リヤエンドは逆行時に先行する(このときフロントエンドは後行する、あるいは後行している)端部である。本明細書で使用されるフロント、リヤ、リーディング、トレーリングなどの用語は、これらの周知の車両設計特徴に従って解釈されるべきであり、長手方向は、ステアリングが適用されない状態で駆動されたときに車両が移動する方向だとみなされるべきである。自動車は横方向に分かれた左側及び右側を有し、それらは車両の各側にある前後のホイールアーチ内に収まるホイールを有する;パッセンジャーコンパートメントの大部分又は全ては、通常、ホイールアーチ間に位置し、車両の各側には通常、運転者及び/又は乗員がパッセンジャーコンパートメントにアクセスするための少なくとも1つのドアがある。「最後方」という用語は、乗員用ドアに関して、車両の側部に1つ、2つ、又はそれ以上の乗員用ドアが存在する可能性を認めるために使用され、車両のリヤに最も近い位置にある乗員用ドアを示すために用いられる;他の要素に関して使用される場合、この用語は同様に解釈されるべきである。自動車は一般に、車両のフロント、中間部、又はリヤに搭載されたエンジンを有し、メインのラゲージコンパートメントは、多くの場合、車両のフロント及び/又はリヤに設けられる。鉛直方向(vertical)、長手方向及び、横方向という用語は、車両に対して解釈されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、多くの車両設計がシャーシ又はモノコック設計を有し、この設計では、外装ボディパネルのいくつかは、外部ボディワークのみであり、構造的機能をほとんど有さない(主に美観目的及び空力目的のために存在する)が、有用な機能が与えられる可能性があること、並びに、多くの車両設計では、ほとんど使用されていない空のスペースであり、かつラゲージコンパートメントとして有用に使用できる容量が存在する、という2つの認識に基づいて予測されたものである。
【0006】
したがって、本発明は、車両の各側に、フロントホイールアーチとリヤホイールアーチ、及び、少なくとも1つの乗員用又は運転手用ドアを含む外部ボディワーク面を有する自動車を提供し、車両の少なくとも1つの側部にラゲージコンパートメントが設けられ、各ラゲージコンパートメントは、外部ボディワーク面内でリヤホイールアーチ前方に配置され、ラゲージコンパートメントは、少なくとも部分的にラゲージコンパートメントの上部にまで延びる開口部を有し、かつそれはヒンジ式パネルで閉塞可能であり、パネルは自動車の外面の一部を形成するボディワークパネルと、ラゲージコンパートメントの後方かつリヤホイールアーチの後方に配置され、車両のリヤに向かうヒンジを有する。このような配置では、ラゲージコンパートメントは車両側部の内側に、好ましくは車両のリヤホイールアーチのすぐ前方に配置され、そのため、ラゲージコンパートメントの後壁は、リヤホイールアーチの前部を形成することができる。コンパートメントは、車両最後方サイドドアの後縁部近傍に位置し、乗員又は運転者がパッセンジャーコンパートメントに出入りする際に通過する領域内に位置する;したがって、側部から見て、コンパートメントは、車両内のシートの前方部分と上部、リヤホイールアーチ、及び、車両の外側と底部によって画定される領域内に位置し、よって、車両のパッセンジャーコンパートメントのアクセス性を損なわない。多くの車両では、この領域には、強度及び剛性を提供するための構造部材を備えるが、ラゲージコンパートメントを形成する壁は、この領域での構造強度や完全性を損なわないように、十分な強度で作られ、適切に成形され、かつ構成され得る。リヤエンジン車又はミッドエンジン車の設計では、リヤホイールと最後方の乗員用ドアの後縁との間の長手方向の距離は、エンジンを収容するのに必要なスペースのために、フロントホイールと最前部の乗員用ドアの前縁との間の長手方向の距離よりも大きくなることが多いので、ラゲージコンパートメントのこの位置は、このような車両設計での使用に特に適している。
【0007】
ラゲージコンパートメントはパネルによって閉じられ、これは車両外面の一部を形成し、ラゲージコンパートメントの開口部を密閉する。この配置は、コンパートメントへの開口部を提供するために既存のボディワークパネルを利用する;従来、このパネルは、主に美観目的及び空力目的のために提供されており、ラゲージコンパートメントへのアクセスにもそれを使用することは、構造的要件をほとんど付加せず、したがって、自動車にほとんど追加の重量を付加しない。
【0008】
パネルは、ラゲージコンパートメントの後方に配置され、かつ車両の後方に向かうヒンジを有する。これは、このリヤ側のボディパネルが、ラゲージコンパートメントへの「スーサイドドア」の形態として作用し、荷物を積み込み、又は、積み降ろすための開口部への最大限のアクセス性を提供することを意味する。車両がミッドエンジン又はリヤエンジンである場合、パネルはエンジンベイへのさらなるアクセスを与え、ヒンジが取り外し可能である場合、パネルはエンジンベイへのより明確なアクセスを付与するために完全に取り外され得る。ラゲージコンパートメントを使用する人(及びその中の荷物)は、開いたパネルによって後方から、及び、開いた最後方の乗員用ドアによって前方から、天候から守られる。好ましくは、ヒンジは車両のリヤにできるだけ近くに配置される;これは、(車両のリヤからリヤホイールアーチを越えて乗員用ドアに向けて延在する必要があるため)パネルの長さが車両のリヤの3/4の長さにほぼ等しいことを意味し、これにより、パネルがその前縁部で開いてラゲージコンパートメントへの十分なアクセスが可能となり、パネルが過度に大きな角度で旋回することなく閉じることが可能になる。
【0009】
ヒンジは、パネルの開閉時にヒンジが旋回する軸を有することができ、この軸は、鉛直方向と横方向の両方の成分を有するように配向される。パネルを開く際に、それが外方向だけでなく上方向にも揺動するように、少なくとも小さな横方向成分が存在すべきである;これは、パネルとラゲージコンパートメントの開口部又はアパーチャとの間の密閉の実現と解除とが、接触及び圧力を介して、密閉性を経年的に摩耗させ得るいかなる摺動成分もなしに、(パネルを開閉する際に)為され得るという点で有利である。小さな横方向成分はまた、パネルの最後端が車両のリヤバンパーと衝突することを回避させ、パネルの重量が閉鎖運動を補助するという点で「自己閉鎖」効果を提供するため、パネルを閉めるための労力をほとんど必要としない。追加的に又は代替的に、軸は、鉛直方向及び横方向に垂直な成分を有するように配向されてもよい。これは、ラゲージコンパートメントの開口部と開閉されるパネルとの間の密閉が摺動なし実現されるために、ラゲージコンパートメントや開口部と接するパネルに対する開口部の正確な幾何学的形状に応じて必要となり得る。鉛直方向成分は、パネルの開閉がパネルを大幅に鉛直方向に移動させないように、好ましくは他の直交方向成分よりも優位であることが好ましく、これはパネルの開閉に必要な労力がより少なく、ヒンジは単純でかつ軽量でありながら、堅牢な設計であり得ることを意味する。
【0010】
パネルは、好ましくはその前端に前縁部を有し、閉位置において前縁部の少なくとも一部が、車両のその側面側における最後方ドアの最後部の前方に位置するように延在することが好ましい。このように、閉じた最後方ドアのオーバーラップはパネルを閉位置に確実に保持し、車両走行時にパネルが開くのを防止するため、重要な安全機能となる。パネルは、その前縁部において、車両のその側面側の最後方ドアの最後部の形状及び構成と相補的であるように成形及び構成されてもよく、これは、パネルを開口部に対して密閉することを補助し、ドアがパネルをオーバーラップする点で、ボディワークの所望の空力的形状を維持するのを補助する。
【0011】
ラゲージコンパートメントに対する開口部は、少なくとも部分的にラゲージコンパートメントの上部にわたって延在し、及び/又は、少なくとも部分的にラゲージコンパートメントの外側の下方に(しかし好ましくは、車両フロアまで至らないように)延在してもよい。これにより、ラゲージコンパートメントの内部に、上方及び/又は側方からアクセスし、それが鉛直方向下向きに延在することが可能となるため、これは車両走行中にその中に荷物を保持するのに便利である-ラゲージコンパートメントの鉛直壁は上方に延在して、アパーチャ、又はコンパートメントへの開口部を画定するリップを形成し、その周囲に、パネルが閉じられた際に密閉を形成するためにゴムシールが適用され得る。リップは、コンパートメント壁の上端に形成され、コンパートメントの外側の車両フロアに向かってくぼんでいる。
【0012】
パネルは鉛直方向に大きく旋回されないが、パネルを開くことを補助するため、及び/又は、パネルを開位置に保持するために、一端が車両に固定され、他端がパネルに固定された、ガスストラット又は油圧ストラット又は機械バネなどの伸縮式ストラットがあってもよい。パネル自体は、所定の位置に固定されていた場合よりも著しく重い必要はなく、ヒンジ及びロックの構成は、従来の水平にヒンジ連結されたラゲージコンパートメントリッドと同様に堅牢である必要も、そのため重い必要もない。自動車は、車両の各側面側にそれぞれ1つずつの2つのラゲージコンパートメント、及び、2つの閉鎖可能なパネルを備え得る;これは、バランスのとれた積載装置を提供し、これは良好な車両ハンドリングを提供するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、例示的に説明する。
図1図1は、本発明による車両の概略平面図である。
図2図2は、図1の車両の概略後方斜視図である。
図3図3は、図1及び図2に示す車両の一部の前方及び側方の概略図である。
図4図4は、図1図3に示す車両の一部を構成するパネルの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2は、フロントエンドF及びリヤエンドRと、前後のホイールアーチ6a、6b内に位置する前後のホイール4a、4bと、乗員用ドア8とを有する自動車2を示す。エンジン(図示せず)は、車両2の内部のエンジンコンパートメントEC内に配置されている。車両のリヤには、2つの上部ボディワークパネル10(その縁部がリヤホイールアーチ6bの一部を画定する(図4参照))が開位置と閉位置との間で旋回可能であるようにヒンジ連結されている(図1~3において開位置が示されている)。閉鎖時におけるパネル10の後ろには、車両2の各側面側に1つずつラゲージコンパートメント12が存在する(図1及び図2では、左側のラゲージコンパートメント12はスーツケースによって占められており、右側のラゲージコンパートメントは空である)。閉鎖時において、パネル10は、ラゲージコンパートメント12への開口部18(図3参照)にその全周にわたって重なることで、完全な耐候性シールが形成され、ラゲージコンパートメント12の内容物を保護され得る。
【0015】
図3及び図4に示されるように、パネルは、ヒンジH上で旋回することによって開閉するように配置され、ヒンジHは、パネル10を車両2に接合し、かつヒンジ軸HLを有し、この軸HLは、各パネル10の前縁部14の水平、横方向の動作を最大にするように、車両2に対して配向されるが、鉛直方向のわずかな成分を有し、長手方向軸周りの若干の移動を伴う。後者の2つの動作は、パネル10の内面が、容易に、かつ、ラゲージコンパートメント12への開口部であるアパーチャ18の縁部の周りに設けられたゴムシール16に対する摩耗摺動なく着座することを可能にする。ヒンジHは、リヤホイールアーチの後方で、かつ、車両のリヤに隣接して配置されることで、リヤバンパー/パネルのすぐ前方において、車両の剛性の高い構造部分に取り付けることができる。
【0016】
アパーチャ18は、(荷物の積み込み、及び、積み降ろしが、主に鉛直方向動作によって達成されるように)コンパートメント12の上部にまで延びるように配置されるが、アパーチャはまた、同じ量だけ車両外側の下方にも延び、その結果、荷物の積み込みは、荷物を車両から離れる方向に傾けた状態でアパーチャへと移動し、その後に鉛直方向に荷物を降ろすように行われ得る(積み降ろしは反対である);これは、特に荷物が重い場合、積み込み、及び、積み降ろしを容易にするのを補助し、一方、格納された荷物がその鉛直方向高さのかなりの割合で、コンパートメント12の周りを完全に囲むように延びる格納コンパートメントの側壁によって保持されるために、横方向又は長手方向の力に対して固定されることも確実にする。コンパートメント12の外側のアパーチャ18の縁部は、ラゲージコンパートメントのフロアまで延在しない。
【0017】
各パネル10の前縁部14は、対応するドア8の後縁部20の下方に、横方向にぴったりと適合するように成形され、これにより、追加のゴムシール(図示されないが、パネル10上、及び/又は、ドア8上に設けられる)が、パネル10とドア8との間に、気密的、かつ、耐候的な密閉を提供し得る。両者が閉じている場合、ドア8はパネル10をオーバーラップするため、例えば走行時にドア8が閉じていればパネル10が開くのを積極的に防止する(この配置は、ドアが開いていない限り、パネル10が開くことを防ぐ)。
【0018】
我々の設計の1つでは、パネル10の横方向の開口動作を、図1に示す位置で(伸縮ストラットによって)停止させることで、最大幅Wを、典型的な駐車場の幅である2.7m以下とする。これは、図1及び図2に見られるように、ラゲージコンパートメント12の容易な積み込み、及び、積み降ろしを可能にし、また、エンジンコンパートメントECへのさらなるアクセスを可能にする。各ラゲージコンパートメントの容積は約71リットルであり、これは、標準的な航空会社の手荷物サイズのケースを収容するには十分以上である。
【0019】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対して多くの変形がなされ得ることが理解されるのであろう。例えば、車両は、車両の各側に1つずつ、2つのドアのみを有するように示されているが、本発明は2つ以上のサイドドアを有する車両に適用可能であり、この場合、最後方ドアの後方にラゲージコンパートメントが設けられる。パネルは、金属合金製、又は炭素繊維複合材料(CFC)などの複合材料製でもよく、それらは単純な形状のパネルであってもよく、又は、それらを強化するための追加のフレームワークを有してもよく、更に、ラゲージコンパートメントを画定する壁は、同じ材料製でもよく、及び/又は、それらは車両2のシャーシに構造的支持を提供するために付加的に強化されてもよい。閉じたパネル10が車両本体に対してぴったりとフィットすることを確実にするために、追加のゴムシールが設けられてもよい。パネルを開位置に保持するために使用される伸縮ストラットは、パネルを開放を補助するために、バネ式、油圧式、又は空気バネ式であってもよい。追加的に又は代替的に、パネルを開位置に保持し、パネルが所望の範囲までしか開かないことを確実にするための従来のステーがあってもよい。その側面側のドアが開いている場合でも、パネルを閉位置にロックするための追加的な手段、及び/又は、安全ラッチがあってもよい。
【0020】
異なる変形形態又は代替配置が上述されている場合、本発明の実施形態は、任意の適切な組合せで、そのような変形形態及び/又は代替形態を組み込み得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】