(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-05
(54)【発明の名称】アンテナ据え付け装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20250226BHJP
H01Q 3/06 20060101ALN20250226BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q3/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545244
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-04
(86)【国際出願番号】 KR2022014256
(87)【国際公開番号】W WO2023153575
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0016147
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524283475
【氏名又は名称】ジュン セジン
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュン セジン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AA07
5J021DA05
5J021DA06
5J021GA02
5J021HA05
5J021HA10
5J047AA09
5J047AB02
5J047BF02
(57)【要約】
【課題】アンテナの傾斜角度を手軽かつ自由に調整でき、設定された傾斜角度を維持できるアンテナ据え付け装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によるアンテナ据え付け装置は、アンテナが固定できるように支柱に結合される上部ボディクランプと、上部ボディクランプの下側で支柱に結合される下部ボディクランプと、アンテナの背面上部に結合される上部アンテナブラケットと、上部アンテナブラケットの下側に結合される下部アンテナブラケットと、一側が下部ボディクランプに連結され、他側が下部アンテナブラケットに連結され、少なくともいずれか一方がヒンジ結合される下部支持ブラケットと、一側が上部ボディクランプにヒンジ結合され、他側が上部アンテナブラケットにヒンジ結合される角度調節部材と、を含み、角度調節部材は、一対に構成された、一側が上部ボディクランプにヒンジ結合された第1固定リンクと、一側が上部アンテナブラケットにヒンジ結合された第2固定リンクと、一対に構成された、一側が第1固定リンクにヒンジ結合された第1調整リンクと、一側が第2固定リンクにヒンジ結合された第2調整リンクと、を含み、第1固定リンクと第2固定リンクは互いにヒンジ結合され、第1調整リンクと第2調整リンクは互いにヒンジ結合される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナが固定できるように支柱などに結合される上部ボディクランプと、
前記上部ボディクランプの下側で支柱などに結合される下部ボディクランプと、
アンテナの背面上部に結合される上部アンテナブラケットと、
前記上部アンテナブラケットの下側に結合される下部アンテナブラケットと、
一側、前記下部ボディクランプに連結され、他側が前記下部アンテナブラケットに連結され、少なくともいずれか一方がヒンジ結合される下部支持ブラケットと、
一側が前記上部ボディクランプにヒンジ結合され、他側が前記上部アンテナブラケットにヒンジ結合される角度調節部材と、を含み、
前記角度調節部材は、
一対に構成された、一側が前記上部ボディクランプにヒンジ結合された第1固定リンク、および、一側が前記上部アンテナブラケットにヒンジ結合された第2固定リンクと、
一対に構成された、一側が前記第1固定リンクにヒンジ結合された第1調整リンク、および、一側が前記第2固定リンクにヒンジ結合された第2調整リンクと、を含み、
前記第1固定リンクと前記第2固定リンクは、互いにヒンジ結合され、
前記第1調整リンクと前記第2調整リンクは、互いにヒンジ結合される、ことを特徴とするアンテナ据え付け装置。
【請求項2】
前記第1固定リンクと前記第2固定リンクのヒンジ結合部位、および、前記第1調整リンクと前記第2調整リンクのヒンジ結合部位を、貫通して結合される角度調節棒をさらに含み、前記角度調節棒の外周面にねじ山が形成され、前記角度調節棒の回転または逆回転によって前記角度調節部材の角度が調節されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ据え付け装置。
【請求項3】
前記角度調節棒の一端に、回転用ナットが設けられることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ据え付け装置。
【請求項4】
前記下部支持ブラケットの一側面に、角度計が設けられることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ据え付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ据え付け装置に関するものであって、より具体的には、基地局用アンテナの電波指向傾斜角度を調整しながら維持できるアンテナ据え付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アンテナは、電磁波を空間に伝達または受信するための変換装置を意味し、無線で情報を送受信するための必須の装置である。近年、移動通信に対する需要が爆発的に増加するにつれて、通信の目的を達成するために、基地局、中継器などに設置された様々な形態の移動通信用アンテナを簡単に探すことができる。このような移動通信用アンテナは、効率的に電波の送受信のために最適の送受信比率が得られる方向に向かうように設置され維持される必要性が大きい。
【0003】
これに関し、韓国登録特許第10-0862143号公報(2008.09.30)は、調整機能を提供する固定装置が提案されており、
図1に示すように、アンテナ16が支柱14に固定されるように支柱14と結合されるボディクランプ22と、周波数放射面と対応する前記アンテナ16の背面に幅方向に配置されながら垂直方向に沿って間隔を有するように備えられるスライドブラケット40と、前記スライドブラケット40に形成されて前記ボディクランプ22に連結される固定ブラケット32が移動可能に結合されるようにし、前記支柱14を中心にアンテナ16が水平移動して左右方向に調整されるようにガイドスロット44と、を含んで構成される固定装置26が提供される。
【0004】
前記提案された技術は、固定ブラケット32がヒンジ結合された複数のリンク部材で折り畳み可能に備えられるため、アンテナ16の設置方向を上下方向に調節でき、ガイドスロット44を用いてアンテナ16の設置方向を水平移動により左右方向に調節できるようになる。したがって、アンテナの設置方向を調整できるようになる。
【0005】
しかし、この場合、ガイドスロット44を用いたアンテナ16の設置方向の調節は、アンテナ16の幅を大きくずらせず、支柱14を中心とする回転方向への設置方向の調節は不可能であるため、変位範囲が小さい問題があり、設置方向が調節されたアンテナ16の設置状態を風などによる外力から維持させる力は、ガイドスロット44によって結合されたスライドブラケット40と固定ブラケット32との間の摩擦力と見ることができるが、通常、移動通信用基地局が主に設置される建物の屋上や山頂などでは、前記のような摩擦力で高い風速に勝つのには限界がある。また、ボディクランプ22と固定ブラケット32の結合およびスライドブラケット40を形成するリンク部材の間の結合がすべてボルトとナットを用いたヒンジ結合34からなるが、これも高い風速に勝つのには限界があるという問題点がある。
【0006】
一方、最近、第4世代移動通信(4G Network)から、最大速度が20Gbpsに達する第5世代移動通信(5G Network)に移っているが、GHz以下の周波数を使用する4Gとは異なり、5Gは、センチメートル波(3GHz~30GHz)、ミリ波(30GHz~300GHz)の高周波数帯域で数百MHz以上の広帯域幅を用いてデータを高速で伝送する。
【0007】
しかし、5Gは、24GHz以上のミリ波(mmWAVE)周波数帯域を活用すると、信号が光の性質に近くなり、山や建物などの障害物を避けられず、波長の長さも1~10mmに過ぎず、各基地局が周波数を送受信できる領域(カバレッジ)も狭くなり、周波数帯の高い信号は、一方向にまとめて送らなければ信号送受信に多くのエネルギーが消耗されるという問題がある。また、従来の第4世代(4G)移動通信用アンテナは、送受信装置と分離されたアンテナであって重量は9~16kgであり、第5世代(5G)移動通信用アンテナは、送受信装置と結合された一体型アンテナであって重量が20~25kgに達するため、第5世代(5G)移動通信用アンテナは、建物の屋上または手すりに既に設置された設置棒のうち、3メートルを超えるワンポール(One Pole)または2メートル以下のモノポール(Mono Pole)に設置するとき、重さにより安全上2メートル以下に設置されなければならない。したがって、第5世代(5G)移動通信用アンテナは、周波数信号の効率的な送受信および安全を考慮して従来の第4世代移動通信用アンテナに比べて設置方向の設定および維持がより重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0862143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述の問題点を解決するためのものであって、アンテナの傾斜角度を手軽かつ自由に調整できながらも、設定された傾斜角度をしっかりと維持できるアンテナ据え付け装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によるアンテナ据え付け装置は、アンテナが固定できるように支柱などに結合される上部ボディクランプと、前記上部ボディクランプの下側で支柱などに結合される下部ボディクランプと、アンテナの背面上部に結合される上部アンテナブラケットと、前記上部アンテナブラケットの下側に結合される下部アンテナブラケットと、一側が前記下部ボディクランプに連結され、他側が前記下部アンテナブラケットに連結され、少なくともいずれか一方がヒンジ結合される下部支持ブラケットと、一側が前記上部ボディクランプにヒンジ結合され、他側が前記上部アンテナブラケットにヒンジ結合される角度調節部材と、を含み、前記角度調節部材は、一対に構成された、一側が前記上部ボディクランプにヒンジ結合された第1固定リンク、および、一側が前記上部アンテナブラケットにヒンジ結合された第2固定リンクと、一対に構成された、一側が前記第1固定リンクにヒンジ結合された第1調整リンク、および、一側が前記第2固定リンクにヒンジ結合された第2調整リンクと、を含み、前記第1固定リンクと前記第2固定リンクは、互いにヒンジ結合され、前記第1調整リンクと前記第2調整リンクは、互いにヒンジ結合される。
【0011】
本発明の他の態様によると、前記第1固定リンクと前記第2固定リンクのヒンジ結合部位および前記第1調整リンクと第2調整リンクのヒンジ結合部位を貫通して結合される角度調節棒をさらに含み、前記角度調節棒の外周面にねじ山が形成され、前記角度調節棒の回転または逆回転によって前記角度調節部材の角度が調節できる。
【0012】
本発明の他の態様によると、角度調節棒の一端に、回転用ナットが設けられ得る。
【0013】
本発明の他の態様によると、前記下部支持ブラケットの一側面には、角度計が設けられ得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるアンテナ据え付け装置は、アンテナの指向角を容易に調節できるだけでなく、調節された傾斜角度をしっかりと安定的に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明の一実施形態によるアンテナ据え付け装置の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるアンテナ据え付け装置の動作の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述および追加の態様は、後述する実施形態によって明らかになるであろう。本明細書において、各図の対応する構成要素は、同じ番号で参照される。また、構成要素の形状や大きさなどは実際よりも誇張されることがある。そして、関連する公知技術の説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にし得ると考えられる場合、その公知技術の説明は省略する。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態によるアンテナ据え付け装置の斜視図であり、
図3は、
図2に示すA部分を拡大した図であり、
図4は、
図2に示すB分部を拡大した図である。一方、
図5は、本発明の一実施形態によるアンテナ据え付け装置の動作の様子を示す。
【0018】
図2~
図5を参照して本発明によるアンテナ据え付け装置の構成および動作について説明する。
【0019】
本発明によるアンテナ据え付け装置1は、上部ボディクランプ10、下部ボディクランプ20、上部アンテナブラケット30、下部アンテナブラケット40、下部支持ブラケット50、角度調節部材60を含む。
【0020】
上部ボディクランプ10と下部ボディクランプ20は、アンテナ3が固定できるように支柱などに結合される。上部ボディクランプ10と下部ボディクランプ20には、各ボディクランプ10、20を締めたり緩めたりできるボルト11、21が備えられて支柱2に対する上部ボディクランプ10と下部ボディクランプ20の上下の設置位置を自由に調節することができる。
【0021】
上部アンテナブラケット30はアンテナ3の背面上部に結合され、下部アンテナブラケット40はアンテナの背面下部に結合される。上部アンテナブラケット30は、SUSなどで製作できる。この場合、耐腐食性が強化される。
【0022】
下部支持ブラケット50は、一側が下部ボディクランプ20に連結され、他側が下部アンテナブラケット40に連結され、少なくともいずれか一方がヒンジ結合される。
図4においては、下部支持ブラケット50が下部アンテナブラケット40にヒンジ結合されたものが図示されている。下部支持ブラケット50は、コ字型のブラケットであり得る。
【0023】
角度調節部材60は、一対に構成された、一側が上部ボディクランプ10にヒンジ結合された第1固定リンク61、および、一側が上部アンテナブラケット30にヒンジ結合された第2固定リンク62と、一対に構成された、一側が第1固定リンク61にヒンジ結合された第1調整リンク63、および、一側が第2固定リンク62にヒンジ結合された第2調整リンク64と、を含む。第1固定リンク61と第2固定リンク62は、互いにヒンジ結合され、第1調整リンク63と第2調整リンク64は、互いにヒンジ結合される。
【0024】
前記のように形成された角度調節部材60は、一側が上部ボディクランプ10にヒンジ結合され、他側が上部アンテナブラケット30にヒンジ結合される。
【0025】
前記のように形成されたアンテナ据え付け装置1は、角度調節部材60をすぼめたり、広げたりしてアンテナ3の指向角度を簡単に調節し、調節された傾斜角度をしっかりと安定的に維持できる。一方、アンテナ3の角度は、正面を基準として時計回りに35°まで調節できる。
【0026】
一方、第1固定リンク61と第2固定リンク62のヒンジ結合部位および第1調整リンク63と第2調整リンク64のヒンジ結合部位を貫通して結合される角度調節棒65をさらに含み、角度調節棒65の外周面に、ねじ山(図示せず)が形成され、角度調節棒65の回転または逆回転によって角度調節部材60の角度を調節することもできる。すなわち、角度調節棒65を時計回りまたは反時計回りに回すことにより、アンテナが正面を向いたり床を向いたりすることになる。
【0027】
また、角度調節棒65の一端には、回転用ナット65aが設けられ得る。このように角度調節棒65の一端に回転用ナット65aが設けられる場合、この回転用ナット65aを用いて角度調節棒65を簡単に回転させることができる。また、角度調節棒65の他端には、緩み防止ボルトが設けられ得る。
【0028】
また、下部支持ブラケット50の一側面には、角度計51が設けられ得る。このように下部支持ブラケット50の一側面に角度計51が設けられる場合、回転角度が表示されることによって、回転角度を容易に識別することができる。
【0029】
なお、図示していないが、角度調節棒65の一端には、回転用ナット65aの代わりに貫通穴が形成され得る。この場合、当該貫通穴に棒を挿入してこの棒を回して角度調節棒65を回転させることによって、アンテナ3の角度を簡単に調節することができる。また、角度調節棒65は、一端にハンドルが形成された逆Lの字形状に形成され得る。この場合、ハンドルを握って角度調節棒65を回転させることができるため、アンテナの角度調節がより容易になる。
【0030】
本発明は、添付の図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形および均等な他の実施形態が可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるべきである。
【国際調査報告】