(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-05
(54)【発明の名称】プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 285/10 20060101AFI20250226BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250226BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250226BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250226BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250226BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20250226BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20250226BHJP
A61K 31/433 20060101ALI20250226BHJP
C07D 417/04 20060101ALI20250226BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20250226BHJP
C07D 493/08 20060101ALI20250226BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20250226BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20250226BHJP
【FI】
C07D285/10 CSP
A61P35/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/395 U
A61P3/10
A61P3/04
A61P43/00 111
A61K31/433
C07D417/04
A61K31/4709
C07D493/08
C07D471/04 104Z
A61K31/437
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546072
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 US2023012092
(87)【国際公開番号】W WO2023150150
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524287738
【氏名又は名称】ネリオ セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローランド,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】デュロン,セルジオ ジー.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA70
4C084ZB26
4C084ZC20
4C084ZC35
4C084ZC75
4C085AA14
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC85
4C086CA01
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA70
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC35
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書において、プロテインチロシンホスファターゼ、例えば、プロテインチロシンホスファターゼ非受容体タイプ2(PTPN2)および/またはプロテインチロシンホスファターゼ非受容体タイプ1(PTPN1)を阻害するのに有用であり、かつPTPN1またはPTPN2阻害剤の処置に好適に反応する関連疾患、障害、または疾病、例えば、癌または代謝性疾患の処置に有用である化合物、組成物、および方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、
式中、
環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、6~15員の二環式シクロアルキルまたは6~15員の二環式ヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは1~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
ZはCR
ZまたはNであり、
R
Zは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは独立して水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは独立して重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項2】
環Aが6~15員の縮合二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項3】
環Aが8~10員の縮合二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項4】
環Aが6~15員の架橋二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項5】
環Aが8~10員の架橋二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項6】
環Aが6~15員のスピロ環状二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項7】
環Aが8~10員のスピロ環状二環式シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項8】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員の縮合二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項9】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員の縮合二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項10】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員の架橋二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項11】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員の架橋二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項12】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員のスピロ環状二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項13】
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員のスピロ環状二環式ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項14】
環Aのヘテロシクロアルキルが、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む、請求項1または8~13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項15】
環Aのヘテロシクロアルキルが、OおよびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む、請求項1または8~14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項16】
環Aのヘテロシクロアルキルが、OおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を含む、請求項1または8~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項17】
環Aのヘテロシクロアルキルが、Oである1個のヘテロ原子を含む、請求項1または8~16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項18】
環Aのヘテロシクロアルキルが、Nである1個のヘテロ原子を含む、請求項1または8~16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項19】
【化2】
が、
【化3】
であり、式中、n’が1~5であり、およびR
2が、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項20】
XがNである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項21】
XがCR
Xである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項22】
前記R
Xがハロゲンである、請求項1~19または21のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項23】
YがNである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項24】
YがCR
Yである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項25】
R
Yが-OHである、請求項1~22または24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項26】
ZがNである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項27】
ZがCR
Zである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項28】
R
Zが水素である、請求項1~25または27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項29】
WがNである、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項30】
各R
1が、独立して、-OR
a、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルであり、各アルキルが、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成する、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項31】
各R
1が、独立して、1つまたは複数のR
1aで任意選択的に置換される-NR
cR
dまたはC
1-C
6アルキルであり、あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成する、請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項32】
各R
1が、独立して、-NR
cR
dであり、または同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成する、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項33】
nが1または2である、請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項34】
式(II)
【化4】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、
式中、
環Aが、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、3~15員のシクロアルキルまたは3~15員のヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは0~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体
【請求項35】
環Aが6~8員のシクロアルキルである、請求項34に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項36】
環Aが6員のシクロアルキルである、請求項34または35に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項37】
XがNである、請求項34~36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項38】
XがCR
Xである、請求項34~36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項39】
R
Xがハロゲンである、請求項34~36または38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項40】
YがNである、請求項34~39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項41】
YがCR
Yである、請求項34~39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項42】
R
Yが-OHである、請求項34~39または41のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項43】
WがNである、請求項34~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項44】
各R
1が、独立して、-OR
a、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1-C
6アルキル、またはC
1-C
6ハロアルキルであり、各アルキルが、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換される、請求項34~43のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項45】
各R
1が、独立して、1つまたは複数のR
1aで任意選択的に置換される-NR
cR
dまたはC
1-C
6アルキルであり、あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成する、請求項34~44のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項46】
各R
1が、独立して、1つまたは複数の前記R
1aで任意選択的に置換される-NR
cR
dまたはC
1-C
6アルキルである、請求項34~45のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項47】
各R
1が、独立して、-NR
cR
dであり、または同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成する、請求項34~46のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項48】
各R
1が、独立して、-NR
cR
dである、請求項34~47のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項49】
nが1または2である、請求項34~48のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項50】
前記化合物が表1または表2の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項51】
請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項52】
癌の処置を必要とする対象の癌を処置する方法であって、前記対象に請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を有効量で投与することを含む、方法。
【請求項53】
付加的な治療薬を投与することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記付加的な治療薬が免疫療法剤である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記免疫療法剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
2型糖尿病の処置を必要とする対象の2型糖尿病を処置する方法であって、前記対象に請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を有効量で投与することを含む、方法。
【請求項57】
肥満症の処置および/または制御を必要とする対象の肥満症を処置および/または制御する方法であって、前記対象に請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を有効量で投与することを含む、方法。
【請求項58】
代謝性疾患の処置を必要とする対象の代謝性疾患を処置する方法であって、前記対象に請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を有効量で投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2022年2月2日に出願された米国仮特許出願第63/305,783号、および2022年2月2日に出願された米国仮特許出願第63/305,788号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
チェックポイント遮断(例えば、PD-1/PD-L1およびCTLA-4阻害抗体)を含む、免疫回避機構を標的とする癌免疫療法レジメンは、種々の癌の処置に有効であり、従来の療法に抵抗性のいくつかの集団における転帰を劇的に改善することが示されている。しかし、不完全な臨床応答および内因性または獲得性の耐性の発達が、チェックポイント遮断から利益を得ることができる患者集団を制限し続ける。
【0003】
T細胞プロテインチロシンホスファターゼ(TC-PTP)としても知られるプロテインチロシンホスファターゼ非受容体2型(PTPN2)は、チロシン基質からリン酸基を除去することによって複数の細胞調節プロセスを制御するホスホチロシン特異的ホスファターゼのクラス1サブファミリーの細胞内メンバーである。PTPN2は遍在的に発現されるが、発現は造血細胞および胎盤細胞において最も高い。ヒトにおいて、PTPN2発現は、スプライス部位のC末端上流において核移行シグナルを包含する45kDaの形態と、C末端ER停留モチーフを有する48kDaの正準形態との2つのスプライスバリアントの存在によって転写後制御される。45kDaのアイソフォームは、一定の細胞のストレス条件下で、受動的に細胞質ゾルの中へと浸透することができる。両方のアイソフォームは、N末端ホスホ-チロシンホスファターゼ触媒ドメインを共有する。PTPN2は、非受容体チロシンキナーゼ(例えば、JAK1、JAK3)、受容体チロシンキナーゼ(例えば、INSR、EGFR、CSF1R、PDGFR)、転写因子(例えば、STAT1、STAT3、STAT5a/b)、およびSrcファミリーキナーゼ(例えば、Fyn、Lck)のシグナル伝達を負に調節する。JAK-STAT経路の重要な負の調節因子として、PTPN2は、IFNγを含むサイトカイン受容体を介したシグナル伝達を直接調節するように機能する。PTPN2触媒ドメインは、PTPN1(PTP1Bとも呼ばれる)と74%の配列相同性を共有し、同様の酵素動態を共有する。マウスB16F10移植可能な腫瘍モデルにおけるCRISPR/Cas9ゲノム編集を用いたインビボ遺伝子スクリーニングによる機能喪失からのデータは、腫瘍細胞におけるPtpn2遺伝子の欠失が、GM-CSF分泌ワクチン(GVAX)PD-1チェックポイント遮断の免疫療法レジメンに対する応答を改善したことを示す。PTPN2の喪失は、抗原提示および増殖抑制に対するIFNγ媒介効果を増強することによって、腫瘍を免疫療法に対して感作させた。同じスクリーニングにより、PD-L1およびCD47を含む免疫回避に関与することが知られている遺伝子も免疫療法選択圧下で枯渇したが、IFNGR、JAK1およびSTAT1を含むIFNγシグナル伝達経路に関与する遺伝子が濃縮されたことも明らかになった。これらの観察は、癌免疫療法レジメンの有効性の増強においてIFNγの感知およびシグナル伝達を増強する処置戦略の推定上の役割を指摘する。
【0004】
プロテインチロシンホスファターゼ-1B(PTP1B)としても知られるプロテインチロシンホスファターゼ非受容体1型(PTPN1)は、インスリンおよびレプチンシグナル伝達において重要な役割を果たすことが示されており、インスリンとレプチン受容体シグナル伝達経路の両方をダウンレギュレートするための主要な機構である。PTP1Bを欠損した動物は、改善されたグルコース調節および脂質プロファイルを有し、高脂肪食で処置された場合に体重増加に対して抵抗性である。したがって、PTP1B阻害剤は、2型糖尿病、肥満、およびメタボリックシンドロームの処置に有用であると予想される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、式(I)
【0006】
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示され、
式中、
環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、6~15員の二環式シクロアルキルまたは6~15員の二環式ヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは1~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
ZはCR
ZまたはNであり、
R
Zは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する。
【0007】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ia)
【0008】
【化2】
の化合物であって、式中、環Bは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0009】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ib)
【0010】
【化3】
の化合物であって、式中、環Cは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0011】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ic)
【0012】
【化4】
の化合物であって、式中、環Dは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0013】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Id)
【0014】
【化5】
の化合物であって、式中、環Eは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0015】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ie)
【0016】
【化6】
の化合物であって、式中、環Fは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0017】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、式(If)
【0018】
【化7】
の化合物であって、式中、環Gは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0019】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ig)
【0020】
【化8】
の化合物であって、式中、環Hは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0021】
本明細書には、式(II)
【0022】
【化9】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示され、
式中、
環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、3~15員のシクロアルキルまたは3~15員のヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは0~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する。
【0023】
また、本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が開示される。
【0024】
また、本明細書には、癌の処置を必要とする対象において癌を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体の有効量を対象に投与することを含む方法が開示される。
【0025】
また、本明細書には、癌の処置を必要とする対象において癌を処置する方法であって、対象に本明細書に開示される医薬組成物を投与することを含む方法が開示される。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、付加的な治療薬を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は免疫療法剤である。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
【0027】
また、本明細書には、2型糖尿病の処置を必要とする対象において2型糖尿病を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体の有効量を対象に投与することを含む、方法が開示される。
【0028】
また、本明細書には、2型糖尿病の処置を必要とする対象において2型糖尿病を処置する方法であって、対象に本明細書に開示される医薬組成物を投与することを含む、方法が開示される。
【0029】
また、本明細書には、肥満を処置および/または制御する必要のある対象において肥満を処置および/または制御する方法であって、有効量の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を対象に投与することを含む、方法が開示される。
【0030】
また、本明細書には、肥満症の処置および/または制御を必要とする対象において肥満症を処置および/または制御する方法であって、本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む、方法が開示される。
【0031】
また、本明細書には、代謝性疾患の処置を必要とする対象において代謝性疾患を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体の有効量を対象に投与することを含む、方法が開示される。
【0032】
また、本明細書には、代謝性疾患の処置を必要とする対象において代謝性疾患を処置する方法であって、本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む、方法が開示される。
【0033】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個別の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
定義
以下の説明では、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者は、本発明が、これらの詳細なしに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、周知の構造は、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に図示または説明されていない。文脈上別段の要求がない限り、以下の明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という用語ならびにその変形(「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」など)は、包括的な意味で、すなわち「含む(including)、しかしそれに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供される見出しは、単に便宜上のものであり、特許請求される発明の範囲または意味を解釈するものではない。
【0035】
本明細書を通して、「いくつかの実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所における「一実施形態では」または「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態中に、任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。同様に、本明細書および添付の請求項で用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容がそれ以外のものを明確に指示していない限り、複数の指示対象を含んでいる。また、「または」という用語は、内容が別段の明確な指示がない限り、「および/または」を含む意味で一般に使用されることにも留意されたい。
【0036】
以下の用語は、本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の意味を有する。
【0037】
「オキソ」は、=Oを指す。
【0038】
「カルボキシル」は-COOHを指す。
【0039】
「シアノ」は-CNを指す。
【0040】
「アルキル」は、1~約10個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素モノラジカルを指す。例として、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-アミルおよびヘキシル、ならびに、へプチル、オクチルなどのより長いアルキル基が挙げられる。本明細書に現れるときはいつでも、「C1-C6アルキル」または「C1-6アルキル」などの数値範囲は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義はまた、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現を包含する。いくつかの実施形態では、アルキルはC1-10アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルはC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルはC1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルはC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルはC1-3アルキルである。本明細書では、別段の記載がない限り、アルキル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルキルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキルはハロゲンで任意選択的に置換される。
【0041】
「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、2個~約10個の炭素原子、より好ましくは2個~約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素モノラジカルを指す。この基は、二重結合(複数可)の周りのシスまたはトランス立体配座のいずれかにあってもよく、両方の異性体を含むと理解されるべきである。例として、限定されないが、エテニル(-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH2CH=CH2)、イソプロペニル[-C(CH3)=CH2]、ブテニル、1,3-ブタジエニルなどが挙げられる。「C2-C6アルケニル」または「C2-6アルケニル」などの数値範囲は、本明細書に現れるときは常に、アルケニル基が2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義はまた、数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語の出現を包含する。本明細書において特に別段の記載がない限り、アルケニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルケニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0042】
「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有し、2個~約10個の炭素原子、より好ましくは2個~約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素モノラジカルを指す。例として、限定されないが、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジイニルなどが挙げられる。「C2-C6アルキニル」または「C2-6アルキニル」などの数値範囲は、本明細書に現れるときは常に、アルキニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義はまた、数値範囲が指定されていない「アルキニル」という用語の出現を包含する。本明細書において特に別段の記載がない限り、アルキニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0043】
「アルキレン」は、直鎖または分岐の二価炭化水素鎖を指す。本明細書では、別段の記載がない限り、アルキレン基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アルキレンは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0044】
「アルコキシ」は、化学式-ORaのラジカルを指し、ここでRaは定義されたとおりのアルキルラジカルである。本明細書では、別段の記載がない限り、アルコキシ基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲン、-CN、-COOH、COOMe、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0045】
「アリール」は、6~30個の炭素原子、および少なくとも1個の芳香族環を含む、炭化水素環系に由来するラジカルを指す。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってよく、それらは縮合環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環で縮合される場合、アリールは芳香族環原子によって結合する)または架橋環系を含み得る。いくつかの実施形態では、アリールは6~10員のアリールである。いくつかの実施形態では、アリールは6員のアリール(フェニル)である。アリールラジカルとしては、限定されないが、アントリレン、ナフチレン、フェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンの炭化水素環系に由来するアリールラジカルが挙げられる。本明細書では、別段の記載がない限り、アリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アリールはハロゲンで任意選択的に置換される。
【0046】
「シクロアルキル」は、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合する場合、シクロアルキルは、非芳香族環原子を介して結合する)または架橋環系を含み得る部分的にまたは完全に飽和した単環式または多環式炭素環式環を指す。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは完全に飽和している。代表的なシクロアルキルとしては、限定されないが、3~15個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C15シクロアルキルまたはC3-C15シクロアルケニル)、3~10個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C10シクロアルキルまたはC3-C10シクロアルケニル)、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C8シクロアルキルまたはC3-C8シクロアルケニル)、3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C6シクロアルキルまたはC3-C6シクロアルケニル)、3~5個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C5シクロアルキルまたはC3-C5シクロアルケニル)、または3~4個の炭素原子を有するシクロアルキル(C3-C4シクロアルキルまたはC3-C4シクロアルケニル)が挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3-10員のシクロアルキルまたは3~10員のシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~6員のシクロアルキルまたは3~6員のシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、5~6員のシクロアルキルまたは5~6員のシクロアルケニルである。単環式のシクロアルキルとして、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式のシクロアルキルとして、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、シス-デカリン、トランス-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、ならびに、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。部分飽和シクロアルキルとして、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。本明細書では、別段の記載がない限り、シクロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルはハロゲンで任意選択的に置換される。
【0047】
「ハロ」または「ハロゲン」はブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロである。
【0048】
「ハロアルキル」は上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、これは、上記に定義されるように、1つまたは複数のハロラジカルによって置換され、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどである。
【0049】
「ヒドロキシアルキル」は、上記に定義されるように、1つまたは複数のヒドロキシルによって置換される、アルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは1個のヒドロキシルで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは1、2、または3個のヒドロキシルである。ヒドロキシアルキルとして、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、またはヒドロキシペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキルはヒドロキシメチルである。
【0050】
「アミノアルキル」は、上記に定義されるように、1つまたは複数のアミンによって置換される、アルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1個のアミンで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1、2、または3個のアミンで置換される。アミノアルキルとして、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、またはアミノペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、アミノアルキルはアミノメチルである。
【0051】
「重水素化アルキル」は、上記に定義されるように、1つ以上の重水素によって置換されているアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、アルキルは1個の重水素で置換されている。いくつかの実施形態では、アルキルは、1個、2個、または3個の重水素で置換されている。いくつかの実施形態では、アルキルは、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の重水素で置換されている。重水素化アルキルとして、例えば、CD3、CH2D、CHD2、CH2CD3、CD2CD3、CHDCD3、CH2CH2D、またはCH2CHD2が挙げられる。いくつかの実施形態では、重水素化アルキルはCD3である。
【0052】
「ヘテロアルキル」は、アルキルの1つ以上の骨格原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、リン、またはそれらの組合せから選択されるアルキル基を指す。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りの部分に結合している。一態様では、ヘテロアルキルは、C1-C6ヘテロアルキルであり、該ヘテロアルキルは、1~6個の炭素原子および1つまたは複数の炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、リン、またはこれらの組合せから構成され、該ヘテロアルキルは、該ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りに結合している。このようなヘテロアルキルの例は、例えば、-CH2OCH3、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH(CH3)OCH3、-CH2NHCH3、-CH2N(CH3)2、-CH2CH2NHCH3、または-CH2CH2N(CH3)2である。本明細書では、別段の記載がない限り、ヘテロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0053】
「ヘテロシクロアルキル」は、2~23個の炭素原子と、窒素、酸素、リン、および硫黄からなる群から選択される1~8個のヘテロ原子とを含む3~24員の部分または完全飽和環ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは完全飽和である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素および酸素からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは1個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個の窒素および1個の酸素を含む。本明細書では、別段の記載がない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは単環式、二環式、三環式、または四環式環系であってよく、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合する場合、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族環原子を介して結合する)または架橋環系を含んでもよく、ヘテロシクロアルキルラジカル中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は、任意選択的に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意選択的に四級化されていてもよい。代表的なヘテロシクロアルキルとして、限定されないが、2~15個の炭素原子(C2-C15ヘテロシクロアルキルまたはC2-C15ヘテロシクロアルケニル)、2~10個の炭素原子(C2-C10ヘテロシクロアルキルまたはC2-C10ヘテロシクロアルケニル)、2~8個の炭素原子(C2-C8ヘテロシクロアルキルまたはC2-C8ヘテロシクロアルケニル)、2~7個の炭素原子(C2-C7ヘテロシクロアルキルまたはC2-C7ヘテロシクロアルケニル)、2~6個の炭素原子(C2-C6ヘテロシクロアルキルまたはC2-C6ヘテロシクロアルケニル)、2~5個の炭素原子(C2-C5ヘテロシクロアルキルまたはC2-C5ヘテロシクロアルケニル)、または2~4個の炭素原子(C2-C4ヘテロシクロアルキルまたはC2-C4ヘテロシクロアルケニル)を有するヘテロシクロアルキルが挙げられる。このようなヘテロシクロアルキル基の例として、限定されないが、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル、および2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルという用語はまた、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類を含むがこれらに限定されない、炭水化物の全ての環形態を含む。別段の記載がなければ、ヘテロシクロアルキルは環の中に2~10個の炭素を有している。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数に言及する際、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキル(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)を構成する原子(ヘテロ原子を含む)の総数と同じではないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは5~6員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員のヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、5~6員のヘテロシクロアルケニルである。本明細書では、別段の記載がない限り、ヘテロシクロアルキルは、下記のように、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0054】
「ヘテロアリール」は、1~13個の炭素原子、窒素、酸素、リン、および硫黄からなる群から選択される1~6個のヘテロ原子、ならびに少なくとも1個の芳香環を含む、5~14員の環系ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素および酸素からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは1~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは1個の窒素を含む。ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であってよく、それは縮合環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環で縮合される場合、ヘテロアリールは芳香族環原子によって結合する)または架橋環系を含んでもよく、および、ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、または硫黄原子は、任意選択的に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意選択的に四級化されていてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは5~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは5員のヘテロアリールである。例として、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラアゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられる。本明細書では、別段の記載がない限り、ヘテロアリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシラート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで任意選択的に置換され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-COOH、COOMe、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲンで任意選択的に置換される。
【0055】
「任意選択の」または「任意選択的に」という用語は、後述される事象または状況が起こる場合も起こらない場合もあること、およびその説明が、上記の事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「任意選択的に置換されたアルキル」は、上記で定義されるような「アルキル」または「置換されたアルキル」のいずれかを意味する。さらに、任意選択的に置換された基は、非置換(例えば、-CH2CH3)、完全置換(例えば、-CF2CF3)、モノ置換(例えば、-CH2CH2F)であってもよく、または完全置換とモノ置換との間の任意のレベルで置換されてもよい(例えば、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CF2CH3、-CFHCHF2など)。1またはそれ以上の置換基を包含する任意の基に関して、そのような基が、立体的に非実用的なおよび/または合成的に実行不可能な任意の置換または置換パターン(例えば、置換されたアルキルは、随意に置換されたシクロアルキル基を含み、該シクロアルキル基は随意に置換されたアルキル基を無限に含む可能性があるものとして順に定義される)を導入することを意図していないことは、当業者によって理解されるであろう。したがって、記載されるどの置換基も、概して、約1,000ダルトン、より典型的には、最大約500ダルトンの最大分子量を有するものとして理解されるべきである。
【0056】
用語「1つまたは複数の」は、任意選択の置換基に言及する場合、対象基が1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の置換基で任意選択的に置換されることを意味する。いくつかの実施形態では、対象基が1、2、3、または4個の置換基で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、対象基が1、2、または3個の置換基で任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、対象基が1または2個の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基が1個の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、対象基が2個の置換基で任意選択的に置換される。
【0057】
「有効量」または「処置有効量」は、所望の処置効果をもたらすのに有効な、単回用量または一連の用量の一部として哺乳動物対象に投与される化合物の量を指す。
【0058】
個体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)または細胞の「処置」は、個体または細胞の自然経過を変更する試みにおいて使用される任意のタイプの介入である。いくつかの実施形態では、処置は、病的事象の開始または病因物質との接触の後の医薬組成物の投与を含み、状態の安定化(例えば、状態が悪化しない)または状態の緩和を含む。
【0059】
「相乗作用」または「相乗作用する」は、同じ用量における各成分単独の効果の相加よりも大きな組合せの効果を指す。
【0060】
本明細書中で使用される場合、用語「PTPN2媒介性」障害または疾患、あるいは「PTPN2に関連する疾患または障害」は、PTPN2またはその変異が役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、PTPN2またはその変異がある役割を果たすことが知られている1つまたは複数の疾患を処置するかまたはその重症度を軽減することに関する。
【0061】
本明細書中で使用される場合、用語「PTPN1媒介性」障害または疾患、あるいは「PTPN1に関連する疾患または障害」は、PTPN1またはその変異が役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、PTPN1またはその変異がある役割を果たすことが知られている1つまたは複数の疾患を処置するかまたはその重症度を軽減することに関する。
【0062】
化合物
本明細書に記載されるのは、デュアルPTPN1/PTPN2阻害剤である式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体である。
【0063】
本明細書には、式(I)
【0064】
【化10】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が記載され、
式中、
環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、6~15員の二環式シクロアルキルまたは6~15員の二環式ヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは1~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
ZはCR
ZまたはNであり、
R
Zは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは6~15員の縮合二環式シクロアルキルである。
【0065】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは8~10員の縮合二環式シクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは6~15員の架橋二環式シクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは8~10員の架橋二環式シクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは6~15員のスピロ環状二環式シクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは8~10員のスピロ環状二環式シクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員の縮合二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員の縮合二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員の架橋二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員の架橋二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~15員のスピロ環状二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む8~10員のスピロ環状二環式ヘテロシクロアルキルである。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、OおよびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、OおよびNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、Oである1個のヘテロ原子を含む。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、Nである1個のヘテロ原子を含む。
【0066】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、
【0067】
【0068】
【化12】
であって、式中、n’は1~5であり、および、R
2は、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
【0069】
いくつかの実施形態では、n’は0または1である。いくつかの実施形態では、n’は1または2である。いくつかの実施形態では、n’は2または3である。いくつかの実施形態では、n’は0である。いくつかの実施形態では、n’は1である。いくつかの実施形態では、n’は2である。いくつかの実施形態では、n’は3である。
【0070】
いくつかの実施形態では、R2は、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2はC1-C6アルキルである。
【0071】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ia)
【0072】
【化13】
の化合物であって、式中、環Bは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0073】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は式(Ib)
【0074】
【化14】
の化合物であって、式中、環Cは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0075】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ic)
【0076】
【化15】
の化合物であって、式中、環Dは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0077】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Id)
【0078】
【化16】
の化合物であって、式中、環Eは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0079】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ie)
【0080】
【化17】
の化合物であって、式中、環Fは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0081】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(If)
【0082】
【化18】
の化合物であって、式中、環Gは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0083】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、化合物は、化学式(Ig)
【0084】
【化19】
の化合物であって、式中、環Hは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0085】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、XはNである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、XはCRXである。
【0086】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RXは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RXは、水素、重水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RXはハロゲンである。
【0087】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、YはNである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、YはCRYである、
【0088】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは、水素、重水素、ハロゲン、-OH、-ORa、または-NRcRdである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは-OHである。
【0089】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、ZはNである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、ZはCRZである。
【0090】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RZは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RZは水素である。
【0091】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、WはNである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、WはCRWである。
【0092】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RWは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、RWは水素である。
【0093】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、-NRbS(=O)2Ra、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、重水素、ハロゲン、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、またはC1-C6ヘテロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、1つまたは複数のR1aで任意選択的に置換される-NRcRdまたはC1-C6アルキルであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-NRcRdであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、1つまたは複数のR1aで任意選択的に置換されるC1-C6アルキルであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。
【0094】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。
【0095】
式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1~4である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1~3である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1または2である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは0である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは2である。式(I)または(Ia)~(Ig)の化合物のいくつかの実施形態では、nは3である。
【0096】
本明細書には、式(II)
【0097】
【化20】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が開示され、
式中、
環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む、3~15員のシクロアルキルまたは3~15員のヘテロシクロアルキルであり、
各R
1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR
1aで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1が一体となってオキソを形成し、
各R
1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
b、-OC(=O)NR
cR
d、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-NR
bC(=O)NR
cR
d、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、-NR
bS(=O)
2R
a、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいは同じ原子上の2つのR
1aが一体となってオキソを形成し、
nは0~6であり、
XはCR
XまたはNであり、
R
Xは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
YはCR
YまたはNであり、
R
Yは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
WはCR
WまたはNであり、
R
Wは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
cR
d、-NR
cR
d、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
cR
d、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各R
aは、独立して、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
bは、独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
各R
cおよびR
dは独立して、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、C
1-C
6ヘテロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1-C
6アルキル(シクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C
1-C
6アルキル(アリール)、またはC
1-C
6アルキル(ヘテロアリール)であり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換され、
あるいはR
cおよびR
dは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、ならびに
各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC
1-C
6アルキル、-S(=O)C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2C
1-C
6アルキル、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHC
1-C
6アルキル、-S(=O)
2N(C
1-C
6アルキル)
2、-NH
2、-NHC
1-C
6アルキル、-N(C
1-C
6アルキル)
2、-NHC(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)C
1-C
6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1-C
6アルキル、-C(=O)NH
2、-C(=O)N(C
1-C
6アルキル)
2、-C(=O)NHC
1-C
6アルキル、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
1-C
6重水素化アルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
1-C
6アミノアルキル、またはC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
あるいは同じ原子上の2つのRが一体となってオキソを形成する。
【0098】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは3~8員のシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは5~8員のシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは6~8員のシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは6員のシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む3~8員のヘテロシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5~8員のヘテロシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6~8員のヘテロシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aは、O、S、およびNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む6員のヘテロシクロアルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、OおよびNから選択される1~3個のヘテロ原子を含む。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、OおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を含む。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、Oである1個のヘテロ原子を含む。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、環Aのヘテロシクロアルキルは、Nである1個のヘテロ原子を含む。
【0099】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、XはNである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、XはCRXである。
【0100】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RXは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RXは、水素、重水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RXはハロゲンである。
【0101】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、YはNである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、YはCRYである。
【0102】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは、水素、重水素、ハロゲン、-OH、-ORa、または-NRcRdである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RYは-OHである。
【0103】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、WはNである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、WはCRWである。
【0104】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RWは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、RWは、水素、重水素、ハロゲン、-OH、-ORa、または-NRcRdである。
【0105】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、-NRbS(=O)2Ra、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、重水素、ハロゲン、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、またはC1-C6ヘテロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換され、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-ORa、-NRcRd、-NRbC(=O)NRcRd、-NRbC(=O)Ra、-NRbC(=O)ORb、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のR1aで置換される。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1が、独立して、1つまたは複数のR1aで任意選択的に置換される-NRcRdまたはC1-C6アルキルであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、1つまたは複数のR1aで任意選択的に置換される-NRcRdまたはC1-C6アルキルである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-NRcRdであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1は、独立して、-NRcRdである。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1が、独立して、1つまたは複数のR1aで任意選択的に置換されるC1-C6アルキルであり、または同じ原子上の2つのR1が一体となってオキソを形成する。
【0106】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRcRd、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRcRd、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、各R1aは、独立して、重水素、ハロゲン、またはC1-C6アルキルである。
【0107】
式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1~4である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1~3である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1または2である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは0である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは1である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは2である。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、nは3である。
【0108】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Raは、独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Raは、独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Raは、独立して、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Raは、独立して、C1-C6アルキルまたはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Raは、独立して、C1-C6アルキルまたはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。
【0109】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは、独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは、独立して水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは、独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは、独立して、水素、C1-C6アルキル、またはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは、独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rbは独立して水素またはC1-C6アルキルであり、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。
【0110】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcおよびRdは、独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、C1-C6アミノアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcおよびRdは、独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6重水素化アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、各アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcおよびRdは、独立して、水素、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcおよびRdは、独立して、水素、C1-C6アルキル、またはシクロアルキルであり、各アルキルおよびシクロアルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcおよびRdは、独立して、水素、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルであり、各アルキルは、独立して任意選択的に1つまたは複数のRで置換される。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各RcまたはRdは、独立して、水素または任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるC1-C6アルキルである。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、Rcはシクロアルキルであり、Rdは水素である。
【0111】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、RcおよびRdは、それらが結合している原子と一体となって、任意選択的に1つまたは複数のRで置換されるヘテロシクロアルキルを形成する。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、RcおよびRdは、それらが結合している原子と一体となってヘテロシクロアルキルを形成する。
【0112】
本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2、-C(=O)C1-C6アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC1-C6アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-C6アルキル)2、-C(=O)NHC1-C6アルキル、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルであり、あるいは、同じ原子上の2つのRがオキソを形成する。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC1-C6アルキル、-NH2、-NHC1-C6アルキル、-N(C1-C6アルキル)2、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルであり、あるいは、同じ原子上の2つのRがオキソを形成する。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OC1-C6アルキル、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、またはC1-C6重水素化アルキルであり、あるいは、同じ原子上の2つのRがオキソを形成する。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、またはC1-C6ハロアルキルである。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲンまたはC1-C6アルキルである。本明細書に開示される化合物のいくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲンである。
【0113】
様々な変数について上記の基の任意の組合せが本明細書において企図される。明細書全体にわたって、基とその置換基は安定した部分および化合物を提供するために当業者によって選択される。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、表1から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体である。
【0115】
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、表2から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体である。
【0117】
【0118】
本明細書で開示される化合物のさらなる形態
異性体/立体異性体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、幾何異性体として存在する。他の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数の二重結合を持つ。本発明で提示される化合物は、すべてのシス、トランス、シン、アンチ、エントゲーゲン(entgegen)(E)、および、ツザーメン(zusammen)(Z)の異性体と、それらの対応する混合物を含む。状況によっては、本明細書に記載される化合物は1つ以上のキラル中心を有し、それぞれの中心はR配置またはS配置で存在する。本明細書に記載される化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、および、エピマーのすべての形状と、それたの対応する混合物を含む。本明細書で提供される化合物および方法のさらなる実施形態において、単一の調製用の段階、組み合わせ、または、相互変換に由来するエナンチオマーおよび/またはジアステレオイソマーの混合物は、本明細書に記載される用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、一対のジアステレオイソマー化合物を形成するために化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて、ジアステレオマーを分離して、光学的に純粋なエナンチオマーを回復させることによって、個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、分離可能な複合体が好ましい。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、特徴的な物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を備えており、これらの相違点を利用することによって分けられる。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィによって、または、好ましくは、溶解度の相違に基づいて分離/分割技術によって分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーは、ラセミ化をもたらさない任意の実用的な手段によって、分割剤とともに回収される。
【0119】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される化合物は、それらのアイソトープで標識される形態において存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、そのような同位体で標識された化合物の投与によって疾患を処置する方法を含んでいる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、同位体で標識された化合物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、同位体で標識された化合物を含み、同位体で標識された化合物は、1つまたは複数の原子が天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられるという事実を除いて、本明細書に列挙されるものと同一である。本明細書で開示される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ、2H、3H、13C、14C、l5N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、硫黄、フッ素、およびクロリドの同位体が挙げられる。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本明細書に記載される化合物、およびその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体は、本発明の範囲内である。特定の同位体で標識された化合物、例えば、3Hや14Cなどの放射性同位体が取り込まれる同位体で標識された化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。トリチウム標識した、すなわち、3Hおよび炭素14、すなわち、14C同位体は、調製および検出しやすいことから特に選好される。さらに、重水素、すなわち、2Hのような重同位体による置換は、代謝の一層の安定に起因する特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の増加または必要投与量の減少をもたらす。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、発色団または蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識を含む他の手段によって標識化される。
【0121】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それらの薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法は、そのような薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法を含んでいる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、酸性基または塩基性基を有し、したがって、いくつかの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に許容可能な塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物、またはその溶媒和物もしくは立体異性体の最終的な単離および精製中にインサイチュで、またはその遊離形態の精製された化合物を適切な酸もしくは塩基と別々に反応させ、それにより形成された塩を単離することによって調製される。
【0123】
薬学的に許容可能な塩の例としては、本明細書に記載される化合物の、鉱物、有機酸、または無機塩基との反応によって調製される塩が挙げられ、その様な塩として、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭素、酪酸塩、ブチン-1、4-ジオアート(dioate)、樟脳酸塩(camphORate)、樟脳スルホン酸塩(camphorsulfonate)、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩(digluconate)、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、硫酸ドデシル、エタンスルホン酸塩(ethanesulfonate)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩(glucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩(hemisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオアート、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモアート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオレート(propiolate)、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルブチレート、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、スクシナート、スベリン酸塩、セバケート、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、トシラート、ウンデカノアート、およびキシレンスルホン酸塩が挙げられる。
【0124】
さらに、本明細書に記載される化合物は、化合物の遊離塩基形態を、薬学的に許容可能な無機酸または有機酸と反応させることにより形成される、薬学的に許容可能な塩として調製され得、無機酸としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などが挙げられ、および、有機酸としては、限定されないが、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコへプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプルピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸などが挙げられる。いくつかの実施形態では、シュウ酸のようなそれ自体が薬学的に許容可能ではない他の酸は、本開示の化合物、溶媒和物、またはその立体異性体、ならびに薬学的に許容可能なその酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製に用いられる。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物で遊離酸基を含むものは、薬学的に許容可能な金属カチオンのヒドロキシド、カーボネート、バイカーボネート、サルフェートなど、適切な塩基と、アンモニアと、または薬学的に許容可能な有機第1級、2級、3級、もしくは4級アミンと反応する。代表的な塩としては、アルカリまたはアルカリ土類塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム、ならびにアルミニウム塩などが挙げられる。塩基の具体的な例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン(choline hydroxide)、炭酸ナトリウム、N+(C1-4アルキル)4などを含んでいる。
【0126】
塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。本明細書に記載される化合物はまた、それらが含有する任意の塩基性窒素含有基の4級化物を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、水溶性または油溶性あるいは分散性の生成物が、そのような4級化によって得られる。
【0127】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、溶媒和物として存在する。本発明は、そのような溶媒和物を投与することによって疾患を処置する方法を提供する。本発明は、そのような溶媒和物を医薬組成物として投与することによって疾患を処置する方法をさらに提供する。
【0128】
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含み、実施形態によっては、例えば、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化工程中に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、アルコラートは溶媒がアルコールの際に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載される工程中に都合よく調製または形成される。ほんの一例ではあるが、本明細書に記載される化合物の水和物は、限定されないが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、または、メタノールなどを含む有機溶媒を用いて、水性/有機溶媒混合物からの再結晶によって都合よく調製される。加えて、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態でも存在し得る。一般的に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的のため、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0129】
互変異性体
いくつかの状況において、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される式中で可能なあらゆる互変異性体を含んでいる。互変異性体は、単結合、および隣接する二重結合のスイッチを伴う、水素原子の遊走によって相互転換できる化合物である。互変異性化が可能な結合構造において、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示された化合物のすべての互変異性型が企図される。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの因子に依存する。
【0130】
処置の方法
本明細書には、PTPN1/PTPN2の阻害が有益である疾患を処置する方法が開示され、該方法は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を投与する工程を含む。
【0131】
本明細書には、PTPN1の阻害が有益である疾患の処置の方法が開示され、該方法は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、PTPN1の阻害が有益である疾患は、癌または代謝性疾患である。
【0132】
本明細書には、PTPN2の阻害が有益である疾患の処置の方法が開示され、該方法は、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、PTPN2の阻害が有益である疾患は、癌である。
【0133】
癌
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、若しくは立体異性体は、癌を処置するために使用される。
【0134】
本明細書で使用される場合、「癌」は、ヒトの癌および癌腫、肉腫、腺癌(例えば、乳頭状腺癌)、リンパ腫、白血病、黒色腫などを指し、固形癌およびリンパ系癌を含む。
【0135】
「白血病」という用語は、広くは、血液形成器官の進行性の悪性疾患を指し、一般的に、血液および骨髄における白血球およびそれらの前駆体の異常な増殖および発達を特徴とする。白血病は通常、(1)急性または慢性疾患の持続時間および特徴、(2)関与する細胞のタイプ、即ち脊髄性(骨髄性)か、リンパ性(リンパ向性)か、単球性か、ならびに(3)白血病性または無白血性(亜白血病性)の血液における異常細胞の数の増加または非増加に基づいて、臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置され得る典型的な白血病として、例えば、慢性白血病、急性非リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病(aleukemic leukemia)、非白血球血症性白血病(a leukocythemic leukemia)好塩基球性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病(leukemia cutis)、胚性白血病、好酸球性白血病、赤白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞白血病、造血性白血病、造血性白血病、組織球性白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ液性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病(lymphocytic leukemia)、リンパ性白血病(lymphogenous leukemia)、リンパ系白血病(lymphoid leukemia)、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞白血病、骨髄巨核性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球白血病、骨髄球性白血病、脊髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、真性多血症、赤急性前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血症、または未分化細胞白血病が挙げられる。
【0136】
「肉腫」という用語は、一般的に胚性結合組織のような物質から構成され、かつ一般的に原線維性または均質な物質中に埋め込まれた密集した細胞から構成される腫瘍を指す。本明細書に提供される化合物、医薬組成物または方法により処置され得る肉腫として、軟骨肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、リンパ肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アバネシー肉腫(Abemethy’s sarcoma)、脂肪性肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部肉種、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルム腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、繊維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球肉腫、ホジキン肉腫、特発性の複数色素性出血性肉腫(idiopathic multiple pigmented hemorrhagic sarcoma)、B細胞の免疫芽球肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー星細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、骨原性肉腫、傍骨肉腫、細網肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または末梢血管拡張性肉腫が挙げられる。
【0137】
「癌腫」という用語は、周囲組織に浸潤し、転移を引き起こす傾向がある上皮細胞で構成される悪性の新増殖を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置され得る典型的な癌腫として、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、細葉細胞癌、小葉癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌腫、細気管支肺胞上皮癌、肺胞上皮細胞癌、基底細胞癌(basal cell carcinoma, carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底扁平細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、膀胱癌、乳癌、大脳様、胆管がん、膀胱癌、乳癌、ブレンナー細胞腫、気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、鰓弓癌(bronchiogenic carcinoma)、大脳様の細胞腫、子宮頚癌、胆管細胞癌、脊索腫、絨毛癌、明細胞癌、膠様癌、結腸癌(colon carcinoma)、コメド癌、子宮体部癌、篩状癌、装甲癌(carcinoma en cuirasse)、皮膚癌(carcinoma cutaneum)、円筒状の細胞腫、円柱細胞癌、嚢胞腺癌、腺管癌、腺管癌、硬膜癌(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌、類内膜癌、類上皮癌(epiermoid carcinoma)、上皮癌(epithelial carcinoma)、腺上皮癌(carcinoma epitheliale adenoides)、外向発育癌(exophytic carcinoma)、潰瘍癌、線維癌、gelatinifomi carcinoma、膠様癌、巨細胞癌、巨細胞癌、腺癌、顆粒膜細胞腫、毛母癌、血様癌、肝臓癌、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、硝子状癌、hypemephroid carcinoma、幼児の胎児性癌、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌腫、Krompecher’s carcinoma、Kulchitzky細胞癌腫、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫様癌、小葉癌、肺癌、リンパ上皮癌、髄様癌、髄様癌、黒色癌、軟性癌、粘液性癌腫、粘液分泌癌、粘液細胞癌、粘液性類表皮癌、粘液癌、粘液性癌、粘液腫状癌、上咽頭癌、非乳頭腎細胞癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、骨状癌腫、卵巣癌、膵臓腺管癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、軟性癌(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌腫、硬癌(scirrhous carcinoma)、陰嚢癌、脂腺癌、精上皮腫、漿液性癌(serous carcinoma)、印環細胞細胞癌、単純癌(carcinoma simplex)、小細胞癌、solanoid carcinoma、回転楕円面細胞癌腫、紡錘体細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、有棘細胞癌、ストリング癌腫(string carcinoma)、汗腺癌、血管拡張癌、毛細血管拡張症様癌(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節癌、管状腺癌、結節癌、未分化癌、いぼ状癌、または絨毛癌が挙げられる。
【0138】
いくつかの実施形態では、癌は、聴神経腫、副腎皮質癌、副腎癌、星状細胞腫、良性モノクローナルガンマ症、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、気管支癌、血液組織の癌、肝星細胞の癌、口腔または咽頭の癌、膵星細胞の癌、癌腫、中枢神経系癌、子宮頸癌、結腸癌(colon cancer)、大腸癌(colorectal cancer)、頭蓋咽頭腫、腺管癌、内分泌系癌、子宮内膜癌、上衣腫、上皮性卵巣癌、食道癌、胃癌、尿生殖路癌、多形性膠芽腫、神経膠腫、婦人科癌、頭頸部癌、血管芽細胞腫、ホジキン病、免疫細胞性アミロイドーシス、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌(肝癌を含む)、小葉癌、肺癌、リンパ腫、悪性カルチノイド、悪性高カルシウム血症、悪性膵臓インスラノーマ、髄質甲状腺癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄腫、内分泌または外分泌膵臓の新生物、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、乏突起神経膠腫、口腔癌、卵巣癌、乳頭のパジェット病、膵臓癌、乳頭状甲状腺癌、末梢神経系癌、フィロデス腫瘍。松果体腫、前悪性皮膚病変、原発性マクログロブリン血症、原発性血小板増加症、前立腺癌、腎臓癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、小腸または虫垂癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、膀胱癌、子宮癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症が挙げられる。
【0139】
代謝性疾患
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、代謝性疾患を処置するために使用される。
【0140】
本明細書で使用される場合、「代謝性疾患」という用語は、対象における代謝プロセスに影響を及ぼす疾患または状態を指す。例示的な代謝性疾患としては、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、肝線維症、肥満、心疾患、アテローム性動脈硬化症、関節炎、膀胱炎、糖尿病(例えば、I型糖尿病、II型糖尿病、または妊娠糖尿病)、メタボリックシンドローム、フェニルケトン尿症、増殖性網膜症、またはカーンズ・セイヤー(Kearns-Sayre)疾患が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、疾患の症状を減少または排除することによって代謝性疾患(例えば、本明細書に記載される代謝性疾患)を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、処置の方法は、血圧の上昇、血糖値の上昇、体重増加、疲労、視力のぼやけ、腹痛、鼓腸、便秘、下痢、黄疸などを含む症状を減少または排除することを含む。
【0141】
投薬
特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物を含有する組成物は、治療的処置のために投与される。特定の治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、疾患または疾病を既に患っている患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、並びに処置する医師の判断に依存する。治療上有効な量は、限定されないが、用量漸増および/または投与量決定の臨床試験を含む方法によって随意に決定される。
【0142】
患者の疾病が改善されない特定の実施形態において、患者の疾患または疾病の症状を改善、あるいは、そうでなければ、制御または制限するために、医師の裁量により化合物の投与は、慢性的に、つまり、患者の生存時間全体を含む長時間の間投与される。
【0143】
患者の状態が改善する特定の実施形態では、投与されている薬物の投与量は、一時的に減少されるか、または一定時間の間一時的に停止される(即ち休薬期間)。
【0144】
患者の状態が改善されると、必要ならば維持量が投与される。その後、特定の実施形態では、投与量もしくは投与頻度、またはその両方が、症状の関数として低減される。
【0145】
このような量に相当する与えられた薬剤の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、処置を必要とする被験体または宿主のアイデンティティ(例えば体重、性別)などの要因に依存して変動するが、それにもかかわらず、例えば投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、および処置されている被験体または宿主を含む、症例を取り囲む特定の環境に従って決定される。
【0146】
いくつかの実施形態では、成人の処置に利用される投与量は、典型的に1日当たり0.01mg~5000mgの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の適切な1日の用量は、体重当たり約0.01mg/kgから約50mg/kgである。様々な実施形態では、毎日の投与量および単位用量は、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の被験体の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断を含む、多くの変数に依存して変更される。
【0147】
投与経路
適切な投与経路には、経口、静脈内、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経粘膜、経皮、膣、耳、鼻、および局所投与が含まれるが、これらに限定されない。更に、ほんの一例ではあるが、非経口送達は、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、および、鼻腔内の注入だけでなく、筋肉内、皮下、静脈内、髄内の注入も含む。
【0148】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、しばしばデポ製剤または持続放出性製剤として、例えば、器官への直接的な化合物の注射を介して、全身よりもむしろ局所に投与される。具体的な実施形態において、長期間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内に)または筋肉内注射により投与される。更に、他の実施形態において、薬は標的とする薬送達系において、例えば、臓器特異的抗体(organ-specific antibody)に覆われたリポソームにおいて送達される。このような実施形態において、リポソームは、臓器を標的とし、臓器によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、急速放出製剤の形態、拡張放出製剤の形態、または、中間放出製剤の形態で提供される。
【0149】
医薬組成物/製剤
本明細書に記載される化合物とは、標準的な薬務に従って、医薬組成物中で、単独で、または薬学的に許容可能な担体、賦形剤、あるいは希釈剤と組み合わせてのいずれかで、必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、動物に投与される。
【0150】
他の態様では、本明細書において、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物が記載される。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用可能な製剤へと処理するのを促進する1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を用いて、従来の方式で処方される。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。 本明細書に記載される医薬組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)(Lippincott Williams & Wilkins1999)で見ることができ、これらの文献は、開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0151】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、担体、結合剤、充填剤、懸濁剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化剤、防腐剤、およびこれらの任意の組み合わせから選択される。
【0152】
本明細書に記載された医薬製剤は、限定されないが、水性液体分散剤、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、懸濁剤、自己乳化分散剤、固溶体、リポソーム分散剤、エアロゾル、固体の経口剤形、粉末、即時放免製剤、制御放出製剤、急速溶解製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、糖衣錠、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、徐放製剤、パルス性放出製剤、多重微粒子製剤、および、即時放出および制御放出の混合型製剤(mixed immediate and controlled release formulations)を含む。
【0153】
組合せ
本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を、付加的な治療薬との組合せにおいて使用して、癌を処置する方法が開示される。
【0154】
いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は抗癌薬である。
【0155】
いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は、本明細書に開示される化合物と同時に投与される。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬と本明細書に開示される化合物は、続けて投与される。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は、本明細書に開示される化合物よりも少ない頻度で投与される。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は、本明細書に開示される化合物よりも頻繁に投与される。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は、本明細書に開示される化合物の投与の前に投与される。いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は、本明細書に開示される化合物の投与後に投与される。
【0156】
いくつかの実施形態では、付加的な治療薬は免疫療法剤である。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
【実施例】
【0157】
実施例1: 5-(5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(イソペンチルアミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-6-イル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン 1,1-ジオキシドの合成
【0158】
【0159】
ステップ1:化合物1-3の一般的手順
石油エーテル(500mL)中のn-BuLi(2.5M、75.26mL、1.2当量)の溶液に、N2下、0℃で1-1(50g、156mmol、1当量)および1-2(31.09g、470mmol、3当量)を添加し2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(水溶液)(500mL)に注ぎ入れ、5分間撹拌した。次いで、水相を酢酸エチル(400mL×3)で抽出した。次いで、合わせた有機層をブライン(400mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~100/1)により精製して、1-2(30g、125mmol、収率80%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.42-7.37(m,2H),6.88-6.79(m,2H),3.96(s,1H),3.63(s,1H),2.27(d,J=7.6Hz,1H),2.19(d,J=7.2Hz,1H).
【0160】
ステップ2:化合物1-4の一般的手順
THF(300mL)中の1-3(30g、125mmol、1当量)の溶液に、N2下、0℃でBH3-THF(1M、188mL、1.5当量)を添加した。次いで、反応混合物を25℃まで温め、12時間撹拌した。次いで、反応混合物に3M NaOH(62.7mL、1.5当量)およびH2O2を添加した。次いで、混合物のpHを1M HClでpH=7に調整し、次いで飽和Na2SO3(水溶液)(200mL)でクエンチし、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)により精製して、1-4(28g、108mmol、収率86%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.30(s,1H),7.28(s,1H),3.75(d,J=6Hz,1H),3.27(d,J=2Hz,1H),2.84(s,1H),1.98-1.96(m,1H),1.77-1.74(m,1H),1.70-1.65(m,1H),1.57-4.47(m,1H).
【0161】
ステップ3:化合物1-5の一般的手順
CH2Cl2(100mL)中の1-4(9g、35mmol、1当量)の溶液に、25℃でデス-マーチンペルヨージナン(22.3g、52mmol、16.3mL、1.5当量)を添加し、2時間撹拌した。反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、CH2Cl2(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3(水溶液)(150mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)により精製して、1-5(10.7g、41mmol、収率39%)を黄色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.35(s,1H),7.12(d,J=8.4Hz,1H),3.74(s,2H),2.46-2.30(m,3H),1.91-1.89(m,1H).
【0162】
ステップ4:化合物1-7の一般的手順
トルエン(40mL)中の1-5(4g、15mmol、1当量)の溶液に、25℃で1-6(1.95g、31mmol、1.75mL、2当量)およびp-トルエンスルホン酸(540mg、3.1mmol、0.2当量)を添加した。次いで、反応混合物を110℃まで加熱し、0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)により精製して、1-7(4g、13mmol、収率42%)を黄色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.19(s,1H),7.02(dd,J=8Hz,1.6Hz,1H),4.01-3.97(m,2H),3.92-3.85(m,2H),3.45(s,1H),3.35(s,1H),2.19-2.15(m,1H),2.07(s,1H),2.00-1.98(m,1H),1.52-4.47(m,1H).
【0163】
ステップ5:化合物1-8の一般的手順
1,4-ジオキサン(5mL)中の1-7(500mg、1.6mmol、1当量)の溶液に、ベンジルアルコール(253mg、2.3mmol、243μL、1.4当量)、t-BuONa(193mg、2.0mmol、1.2当量)、CuI(16mg、83μmol、0.05当量)およびN,N’-ビス(2-フェニルエチル)オキサミド(25mg、83μmol、0.05当量)を添加し、次いで80℃まで加熱し、12時間撹拌した。次いで、反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)により精製して、1-8(1g、3.06mmol、収率45%)を黄色油状物として得た。
【0164】
LCMS(ESI+):m/z=327.1(M+H)+.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.43-7.30(m,5H),6.61(s,1H),6.44,(dd,J=6.8Hz,2Hz,1H),5.03,(s,2H),3.99-3.82(m,4H),3.38(s,1H),3.27(s,1H),2.15-2.10(m,1H),2.05-2.02(m,1H),1.93-1.92(m,1H),1.49-1.45(m,1H).
【0165】
ステップ6:化合物1-9の一般的手順
アセトニトリル(10mL)中の1-8(1g、3.0mmol、1当量)の溶液に、NBS(818mg、4.6mmol、1.5当量)を添加し、次いで60℃まで加熱し、0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物をH2O(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~0/1)により精製して、1-9(1.05g、2.6mmol、収率84%)を黄色油状物として得た。LCMS(ESI+):m/z=405.7/407.0(M+H)+.
【0166】
ステップ7:化合物1-11の一般的手順
1,4-ジオキサン(4mL)中の1-9(250mg、616mmol、1当量)の溶液に、1-10(121mg、925μmol、1.5当量)、BrettPhos(17mg、31μmol、0.05当量)、Cs2CO3(603mg、1.8mmol、3当量)およびBrettPhos Pd G3(28mg、30μmol、0.05当量)を添加し、次いで90℃まで加熱し、N2下で0.5時間撹拌した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を分取TLCにより精製して、1-11(500mg、1.1mmol、収率44%)を黄色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.39-7.29(m,5H),6.74(s,1H),5.09(s,2H),4.01-3.95(m,4H),3.85-3.90(m,2H),3.43(s,1H),3.21(s,1H),2.15-2.09(m,1H),1.96-1.93(m,1H),1.90-1.89(m,1H),1.48-1.47(m,1H),1.40(s,9H).
【0167】
ステップ8:化合物1-12の一般的手順
CH2Cl2(3mL)中のN-(オキソメチレン)スルファモイルクロリド(233mg、1.6mmol、143μL、1.5当量)の溶液に、0℃でプロパ-2-エン-1-オール(95mg、1.6mmol、112μL、1.5当量)を添加し、N2下で0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物に、CH2Cl2(3mL)中の1-11(500mg、1.1mmol、1当量)およびトリエチルアミン(222mg、2.2mmol、305μL、2当量)の溶液を添加し、さらに0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を25℃まで温め、次いでさらに1時間撹拌した。次いで、反応混合物をH2O(5mL)で希釈し、CH2Cl2(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-12(550mg、粗製)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=617.3(M-H)+.
【0168】
ステップ9:化合物1-13の一般的手順
MeOH(5mL)中の1-12(500mg、808mmol、1当量)の溶液に、NaOMe(727mg、4.04mmol、純度30%、5当量)およびPd(PPh3)4(18mg、16.1μmol、0.02当量)を添加し、次いで60℃まで加熱し、1時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮して、MeOHを除去した。粗製物をH2O(5mL)および1M HCl(5mL)で希釈し、次いでCH2Cl2(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-13(150mg、325μmol、収率40%)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=459.2(M-H)+.
【0169】
ステップ10:化合物1-14の一般的手順
15℃で、ギ酸(1mL)中に1-13(150mg、325μmol、1当量)を溶解し、0.5時間撹拌した。次いで、残渣をH2O(20mL)で希釈し、CH2Cl2(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-14(100mg、240μmol、収率73%)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=415.2(M-H)+.
【0170】
ステップ11:化合物1-16の一般的手順
アセトニトリル(1mL)およびMeOH(0.1mL)中の1-14(100mg、240μmol、1当量)の溶液に、0℃で1-15(25mg、288μmol、33μL、1.2当量)およびNaBH3CN(22mg、360μmol、1.5当量)を添加した。次いで、反応混合物を15℃加熱し、0.5時間撹拌した。粗製物をH2O(5mL)で希釈し、次いで酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-16(80mg、164μmol、収率68%)を黄色油状物として得た。LCMS(ESI+):m/z=486.1(M-H)+.
【0171】
ステップ12: 5-(5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(イソペンチルアミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-6-イル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン 1,1-ジオキシドの合成
MeOH(0.5mL)中の1-16(80mg、164μmol、1当量)の溶液に、N2下でPd/C(20mg、純度5%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。反応混合物をH2下、15℃で12時間撹拌した。次いで、これをセライトで濾過した。濾過液を単離し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を分取HPLCにより精製して、1-17(6.5mg、16μmol、収率9%)を白色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 6.77(s,1H),4.32(d,J=14Hz,1H),4.20(d,J=14Hz,1H),3.99-3.96(m,1H),3.90(s,1H),3.41(s,1H),3.15-3.08(m,1H),2.98-2.96(m,1H),2.58-2.45(m,1H),1.96(d,J=9.6Hz,1H),1.85(d,J=9.6Hz,1H),1.75-1.58(m,1H),1.51-1.42(m,2H),1.15-1.05(m,1H),0.97-0.94(m,6H).
【0172】
実施例2および3:5-((1S,3R,4S)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(イソペンチルアミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-6-イル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン 1,1-ジオキシド および5-((1R,3R,4R)-5-フルオロ-7-ヒドロキシ-3-(イソペンチルアミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-6-イル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン 1,1-ジオキシドの合成
【0173】
【0174】
MeOH(10mL)中の1-16(500mg、1.0mmol、1当量)の溶液に、N2下でPd/C(100mg、純度5%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。反応混合物をH2下、15℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトで濾過した。濾過液を単離し、次いで、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を分取HPLCにより精製して、ラセミ生成物を得た。ラセミ生成物をキラル分離により分離して、実施例2(10mg、24μmol、収率2%):1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 6.78(s,1H),4.32(d,J=14Hz,1H),4.20(d,J=14Hz,1H),3.99-3.96(m,1H),3.91(s,1H),3.43(s,1H),3.12-3.02(m,1H),2.98-2.96(m,1H),2.58-2.45(m,1H),1.96(d,J=9.6Hz,1H),1.86(d,J=9.6Hz,1H),1.75-1.58(m,1H),1.51-1.42(m,2H),1.15-1.05(m,1H),0.97-0.94(m,6H) および実施例3(11mg、27μmol、収率2%):1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 6.77(s,1H),4.31(d,J=14Hz,1H),4.20(d,J=14Hz,1H),3.99-3.96(m,1H),3.90(s,1H),3.40(s,1H),3.12-3.02(m,1H),2.98-2.96(m,1H),2.58-2.45(m,1H),1.94(d,J=9.6Hz,1H),1.84(d,J=9.6Hz,1H),1.75-1.58(m,1H),1.51-1.42(m,2H),1.15-1.05(m,1H),0.97-0.94(m,6H)を得た。
【0175】
実施例4: 5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-6-(イソペンチルアミノ)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン 1,1-ジオキシド
【0176】
【0177】
ステップ1:化合物1-3の一般的手順
イソプロピルアルコ-ル(900mL)中の1-1(100g、468mmol、100mL、1当量)、1-2(82.7g、984mmol、81mL、2.1当量)、およびNH3/MeOH(7M、1L、14.9当量)の溶液を、135℃まで加熱し、12時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をHPLCにより精製して、1-3(350g、1.3mol、収率70%)を黄色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.33(d,J=9.30Hz,1H)6.35(d,J=9.18Hz,1H)3.67-3.80(m,1H)2.59-2.88(m,2H)2.40(br dd,J=15.80,9.12Hz,1H)1.92-2.08(m,1H)1.63-1.78(m,1H)1.45(s,9H).
【0178】
ステップ2:化合物1-4の一般的手順
DMF(500mL)中の1-3(50g、189mmol、1当量)の溶液に、Ag2CO3(100g、362mmol、16.4mL、1.92当量)およびBnBr(64.7g、378mmol、44mL、2当量)を添加し、25℃で12時間撹拌した。得られた反応混合物にH2O(500mL)を添加し、次いで酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。有機相をブライン(250mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-4(190g、粗製)を黄色油状物として得た。LCMS(ESI+):m/z=355.2(M+H)+.
【0179】
ステップ3:化合物1-5の一般的手順
DMF(800mL)中の1-4(80g、225mmol、1当量)の溶液に、0℃でNaH(27g、677mmol、純度60%、3当量)およびBnBr(46.3g、270mmol、32.1mL、1.2当量)を添加した。次いで、これを15℃まで温め、12時間撹拌した。得られた反応混合物にH2O(50mL)を添加し、次いで酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1で溶出して精製し、1-5(30g、67mmol、収率29%)を無色油状物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.22-7.43(m,12H)6.58(d,J=8.38Hz,1H)5.23-5.31(m,2H)4.45-4.58(m,2H)2.80-2.92(m,3H)2.66-2.76(m,1H)1.98-2.07(m,3H)1.94(br dd,J=11.13,9.38Hz,1H)1.34-1.55(m,9H).
【0180】
ステップ4:化合物1-6の一般的手順
CH2Cl2(130mL)中の1-5(13g、29mmol、1当量)の溶液に、20℃でm-CPBA(12.6g、58mmol、純度80%、2当量)を添加し、12時間撹拌した。得られた反応混合物をH2O(600mL)に注ぎ入れ、CH2Cl2(600mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物をHPLCにより精製して、1-6(50g、108.56mmol、収率74%)を無色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ=7.15-7.56(m,12H)7.07(d,J=8.70Hz,1H)6.53(d,J=9.30Hz,1H)5.39(s,1H)4.44-4.52(m,2H)4.00-4.25(m,1H)3.35(s,1H)2.88-3.02(m,1H)2.67-2.85(m,2H)2.50-2.63(m,1H)1.93-2.09(m,2H)1.78-1.89(m,1H)1.44(br s,9H).
【0181】
ステップ5:化合物1-7の一般的手順
CH2Cl2(400mL)中の1-6(20g、43.43mmol、1当量)の溶液に、0℃で2Mトリメチルアミン(65.1mL、3当量)を添加し、5分間撹拌した。次いで、これに温度を0℃に維持しながらTf2O(34.3g、121mmol、20mL、2.8当量)を滴加した。次いで、反応混合物を20℃まで温め、0.5時間撹拌した。得られた反応混合物に飽和Na2CO3(水溶液)を添加して、pH=8に調整した。次いで、有機相を減圧下で濃縮して、1-7(29g、粗製)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=502.4(M+H)+.
【0182】
ステップ6:化合物1-8の一般的手順
DMF(300mL)中の1-7(29g、57mmol、1当量)の溶液に、1M TBAF(69mL、1.2当量)を添加し、次いで90℃まで加熱し、2時間撹拌した。得られた反応混合物にH2O(500mL)を添加し、次いで酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。有機相をブライン(500mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。次いで、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1で溶出して精製し、1-8(15g、32mmol、収率56%)を白色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=463.3(M+H)+.
【0183】
ステップ7:化合物1-9の一般的手順
アセトニトリル(100mL)中の1-8(10g、21mmol、1当量)の溶液に、NBS(4.62g、25mmol、1.2当量)を添加し、次いで60℃まで加熱し、12時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製物を得た。次いで、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1で溶出して精製し、1-9(5.5g、10mmol、収率47%)を無色油状物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.18-7.50(m,10H)5.34-5.43(m,2H)4.53(br s,2H)2.68-2.94(m,4H)1.86-2.15(m,2H)1.46(br s,9H).
【0184】
ステップ8:化合物1-11の一般的手順
DMF(30mL)中の1-10(835mg、6.6mmol、1.2当量)の溶液に、Cs2CO3(3.5g、10.8mmol、1.96当量)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-メチルスルホニルオキシ-パラジウム;ジシクロヘキシル-[3,6-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(502mg、554μmol、0.1当量)、1-9(3g、5.5mmol、1当量)およびジシクロヘキシル-[3,6-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(297mg、554μmol、0.1当量)を添加し、次いで100℃まで加熱し、N2下で3時間撹拌した。得られた反応混合物にH2O(5mL)を添加し、次いで酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を分離し、ブライン(5mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。次いで、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1で溶出して精製し、1-11(1.8g、3.2mmol、収率59%)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=550.4(M+H)+.
【0185】
ステップ9:化合物1-12の一般的手順
CH2Cl2(15mL)中のN-(オキソメチレン)スルファモイルクロリド(579mg、4.1mmol、355μL、1.5当量)の溶液に、0℃でプロパ-2-エン-1-オール(238mg、4.1mmol、278μL、1.5当量)を添加し、N2下で0.5時間撹拌した。次いで、これに0℃でCH2Cl2(5mL)中の1-11(1.5g、2.7mmol、1当量)およびDIPEA(705mg、5.4mmol、950μL、2当量)の溶液を添加し、N2下でさらに0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を25℃まで温め、さらに1時間撹拌した。次いで、反応混合物にH2O(15mL)を添加し、次いでCH2Cl2(5mL×3)で抽出した。有機相を分離し、ブライン(5mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-12(1.5g、粗製)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=713.4(M+H)+.
【0186】
ステップ10:化合物1-13の一般的手順
MeOH(1mL)中の1-12(1.5g、2.1mmol、1当量)の溶液に、NaOMe(1.9g、10.5mmol、純度30%、5当量)およびPd(PPh3)4(49mg、42μmol、0.02当量)を添加し、次いで60℃まで加熱し、1時間撹拌した。反応混合物に1M HClを添加し、pH=7に調整し、次いで減圧下で濃縮して、粗製生成物1-13(2.5g、粗製)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=597.3(M+H)+.
【0187】
ステップ11:化合物1-14の一般的手順
CH2Cl2(24mL)中の1-13(2.4g、4.0mmol、1当量)の溶液に、15℃でTFA(14.6g、128mmol、9.5mL、32当量)を添加し、次いで0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物にH2O(20mL)を添加し、次いでCH2Cl2(20mL×3)で抽出した。水相を分離し、減圧下で濃縮して、残渣1-14(1.5g、3.7mmol、収率92%)を黄色固形物として得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 7.45-7.52(m,5H)4.45(s,2H)4.36(s,2H)3.52-3.67(m,2H)3.11-3.26(m,2H)2.78-2.90(m,3H)2.61(br dd,J=15.71,9.84Hz,1H)2.35-2.47(m,2H).
【0188】
ステップ12:化合物1-16の一般的手順
CH2Cl2(8mL)中の1-15(145mg、1.7mmol、185μL、1.1当量)の溶液に、0℃で4A MS(1.5mmol、1当量)、1-14(0.8g、1.5mmol、1当量、TFA)およびAcOH(0.8mL)を添加し、12時間撹拌した。次いで、これに15℃でNaBH4(116mg、3.1mmol、2当量)を添加し、さらに0.5時間撹拌した。次いで、反応混合物にH2O(5mL)を添加し、次いでCH2Cl2(5mL×3)で抽出した。有機相を分離し、ブライン(5mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、1-16(0.6g、1.3mmol、収率82%)を黄色固形物として得た。LCMS(ESI+):m/z=477.3(M+H)+.
【0189】
ステップ13:実施例4の一般的手順
MeOH(10mL)中の1-16(0.5g、1.0mmol、1当量)の溶液に、15℃でPd/C(0.05g、純度5%)を添加し、H2でパージした。次いで、反応混合物を60℃まで加熱し、0.5時間撹拌した。得られた反応混合物を濾過し、濾過液を減圧下で濃縮して、粗製物を得た。次いで、粗製物をHPLCにより精製して、実施例4(17mg、43μmol、収率4%)を得た。LCMS(ESI-):m/z=385.2(M-H)-.1H NMR(400MHz,CD3OD) δ 4.34(s,2H)3.08-3.19(m,1H)2.95(br dd,J=15.91,4.95Hz,1H)2.87(t,J=7.99Hz,2H)2.74(br d,J=3.70Hz,2H)2.36(br dd,J=15.80,9.24Hz,1H)2.13-2.23(m,1H)1.62-1.81(m,2H)1.44-1.57(m,2H)0.97(d,J=6.56Hz,6H).
【0190】
実施例A:PTPN2阻害剤の効力を決定するために使用される酵素アッセイ
化合物の活性を、非タグ化完全長ヒトPTPN2(TC45)(1~387)タンパク質を使用するインビトロ酵素アッセイにおいて決定した。PTPN2を大腸菌においてGST-TEV融合物として産生し、GSTをTEV消化によって除去し、続いてさらに精製して完全長PTPN2(配列番号1)を得た。PTPN2酵素をアッセイ緩衝液(50mM HEPES pH7.5、0.2mM EDTA、1mM DTT、0.02% Brij-35、0.02%BSA)中で0.5nMの最終濃度まで希釈し、黒色384ウェル非結合プレート(Greiner、781900)に加えた。続いて、Tecan D300eディスペンサーを用いて化合物を添加した。室温で10分間インキュベートした後、DiFMUP基質(ThermoFisher、D22065)を100μMの最終濃度まで添加した。プレートをSpectraMaxプレートリーダー(モレキュラーデバイス)に移し、室温で30分間インキュベートした後、蛍光強度を測定した(ex358、em455)。各プレートは、100%阻害対照(酵素なし)および0%阻害対照(DMSO)を含み、そこから試験化合物の阻害%を計算した。4パラメータ曲線フィットを使用して、阻害%データからIC50値を決定した。
【0191】
実施例B:B16F10細胞増殖阻害アッセイ
Agilent xCELLigence Real-Time Cell Analysisプラットフォーム(RTCA)上で、マウスB16F10黒色腫細胞株のインターフェロンγ(IFNγ)誘導細胞増殖阻害アッセイを使用して、化合物活性を決定した。RTCA E-Plate View 96プレート(Agilent、300601010)を加湿インキュベーター中、37℃で50μLのアッセイ培地(DMEM+10%FBS、Gibco 10566-024、Gibco 10082-147)で予め平衡化した後、インピーダンスの初期測定を行った(スイープ)。アッセイ培地中で培養したB16F10細胞をTrypLE Express(Gibco 12605-010)により37℃で5分間解離し、3容量のアッセイ緩衝液で希釈し、室温で500xgで5分間遠心分離した後、細胞をアッセイ培地中で7,700細胞/mLに希釈し、130μL/ウェル(1,000細胞/ウェル)をアッセイプレートの内側の60ウェルに播種した。150μLのアッセイ培地をプレートの外側のウェルに加えた。細胞を室温で20分間インキュベートして細胞を沈降させた後、xCELLigenceリーダーに入れ、ウェルを15分毎にスイープしながら37℃で一晩インキュベートした。24時間後、ウェルの読み取りを休止し、プレートをインキュベーターから取り出し、Tecan D300eディスペンサーを用いて化合物を添加した。全てのウェルを0.5%DMSOの最終濃度に対して正規化した。37℃で30分間インキュベートした後、組換えマウスIFNγ(R&D Systems(商標)485MI100)をアッセイ培地中で10ng/mLに希釈し、20μLをアッセイウェルに添加した(最終濃度1ng/mL)。アッセイプレートをxCELLigenceリーダーに配置し、15分毎にスイープした。48時間後、ウェルの読み取り値を化合物添加直前の時点に対して正規化し、増殖曲線下面積(AUC)をRTCAソフトウェアによって計算し、エクスポートした。各化合物濃度について、ベースライン(0%阻害)としてIFNγ処理したDMSOビヒクル、および100%阻害として陽性対照のIFNγ処理したPTPN2阻害剤を使用して計算された%阻害を使用して、4パラメータ曲線フィットを使用して、化合物IC50値を決定した。
【0192】
実施例Aおよび実施例Bのデータを表3に示す。
【0193】
【国際調査報告】