IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニュー-テック インテグレーション (シアメン) カンパニー,リミテッドの特許一覧

特表2025-506054家具に用いる弾性モジュールと弾性パッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-05
(54)【発明の名称】家具に用いる弾性モジュールと弾性パッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/06 20060101AFI20250226BHJP
【FI】
A47C27/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547863
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022133193
(87)【国際公開番号】W WO2023155519
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202210138638.6
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358693
【氏名又は名称】ニュー-テック インテグレーション (シアメン) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ルハオ
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC01
3B096AD02
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】本発明は、家具に使用される弾性モジュールと弾性パッドを提供した。
【解決手段】前記弾性モジュールは、ベース(20)と、エンドキャップ(30)と、双方の間に設置されているスプリング(10)とを含み、エンドキャップ(30)は、柔性接続部(33)を備えるとともに、取外可能にベース(30)に固定できるように構成され、柔性接続部(33)は、スプリング(10)の径方向内方に位置する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具製品を製作するための弾性モジュールであって、
前記弾性モジュールは、スプリング(10)と、ベース(20、60)と、エンドキャップ(30、70)と、を含み、
前記ベースは、第一スプリング固定部(21)と、エンドキャップロック部(22、62)と、を備え、前記第一スプリング固定部(21)が、前記スプリングの第一端を取外可能に固定できるように構成され、
前記エンドキャップは、蓋本体部分(31)と、ロック部分(32、72)と、柔性接続部(33)と、を含み、
前記蓋本体部分の前記ベースに向く側には、第二スプリング固定部(311)が形成されており、前記第二スプリング固定部(311)が、前記スプリングの第二端を取外可能に固定できるように構成され、
前記ロック部分は、解放可能に前記エンドキャップロック部(22)にロックできるように構成され、
前記柔性接続部は、前記蓋本体部分(31)を前記ロック部分(32、72)に接続するとともに、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの内方に位置する、
弾性モジュール。
【請求項2】
前記スプリング(10)は、予め決めされた初期圧縮力で前記ベース(20、60)と前記エンドキャップ(30、70)との間に保持されている、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項3】
前記エンドキャップ(30、70)は、一体式の部材である、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項4】
前記柔性接続部(33)は、二つ以上の柔性ベルト(33a)を含む、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項5】
前記第一スプリング固定部(21)は、前記スプリング(10)の前記第一端を容納できるように構成されるスロットを含む、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項6】
前記第一スプリング固定部(21)は、前記スプリング(10)の前記第一端を容納できるように構成される陥没部を含む、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項7】
前記第一スプリング固定部(21)は、前記スプリング(10)の前記第一端を固定できるように構成される第一周方向壁(211)を含み、前記第一周方向壁(211)は、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの前記第一端の外方に位置する、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項8】
前記第一スプリング固定部(21)は、前記スプリング(10)の前記第一端を固定できるように構成される第二周方向壁(212)をさらに含み、前記第二周方向壁(212)は、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの前記第一端の内方に位置することによって、前記スプリングの前記第一端を前記第一周方向壁(211)と前記第二周方向壁(212)との間に取外可能に固定する、
請求項7に記載の弾性モジュール。
【請求項9】
前記第二スプリング固定部(311)は、前記スプリング(10)の前記第二端を取外可能に固定できるように構成される周方向フランジを含み、前記周方向フランジは、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリング(10)の前記第二端の外方に位置する、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項10】
前記スプリング(10)は、テーパースプリングである、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項11】
前記ロック部分(32)は、前記ベース(20)に向けて突出するスナップ(322)を含み、前記エンドキャップロック部(22)は、ロック孔(222)を含み、前記スナップ(322)は、弾性変形によって取外可能に前記ロック孔(222)内に固定できるように構成される、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項12】
前記スナップ(322)が前記ロック孔(222)内に固定されると、前記スナップ(322)の基端は、前記ベース(20)の底面と面一になり、又は前記ベースの底面に対して凹入する、
請求項11に記載の弾性モジュール。
【請求項13】
前記ベース(20)の前記エンドキャップ(30)から離れる底面には、前記スナップ(322)の基端を取り囲む凹口(23)が形成されており、前記ベースの径方向に沿う前記凹口(23)の寸法が、前記ベース(20)の径方向に沿う前記スナップ(322)の基端の寸法よりも大きいことによって、前記スナップ(322)を解放するために手の指又はツールが前記凹口(23)に挿し込みやすくする、
請求項12に記載の弾性モジュール。
【請求項14】
前記ロック部分(72)は、基部(721)と、前記基部から前記ベースに向けて延出しているネック部と、前記ネック部の基端に位置し前記基部とおおむね平行に延出しているラッチメンバ(722)とを含み、前記エンドキャップロック部(62)は、ロック孔(622)を含み、前記ラッチメンバ(722)と前記ロック孔(622)の形状は、前記ラッチメンバ(722)が前記ロック孔(622)を貫通できるとともに、回転することによって前記ロック孔にロックされること又は前記ロック孔から解放されることが可能であるように設計されている、
請求項1に記載の弾性モジュール。
【請求項15】
前記ラッチメンバ(722)は、前記ロック孔(622)に対する第一方向に関して前記ロック孔を貫通できる一方、前記ロック孔に対する異なる第二方向に関してロックできるように構成される、
請求項14に記載の弾性モジュール。
【請求項16】
前記第一方向に対する前記第二方向の回転角度は、約90度である、
請求項15に記載の弾性モジュール。
【請求項17】
前記ラッチメンバ(722)が前記ロック孔(622)にロックされると、前記ラッチメンバ(722)の基端は、前記ベース(60)の底面と面一になり、又は前記ベース(60)の底面に対して凹入する、
請求項16に記載の弾性モジュール。
【請求項18】
前記ベース(60)の前記底面において、前記ロック孔(622)付近には、一つ又は複数のストッパ部(63)が設置されており、前記一つ又は複数のストッパ部(63)は、前記ラッチメンバ(722)が前記第二方向から前記第一方向へ回転することを防止できるように構成される、
請求項17に記載の弾性モジュール。
【請求項19】
前記ロック部分(72)の前記基部(721)の周辺には、前記ロック部分を捩じりやすいための複数の凹溝及び/又は複数の凸起部が設置されている、
請求項14に記載の弾性モジュール。
【請求項20】
家具製品を製作するための弾性パッドであって、
前記弾性パッドは、ベース織物(80)と、複数の請求項1乃至19のうちいずれ一項に記載の弾性モジュールと、カバー織物(100)と、を含み、
前記ベース織物は、前記ベース織物の周辺に設置されているスライダーファスナーを含み、
前記弾性モジュールの前記ベース(20、60)は、予め前記ベース織物(80)上に固定されており、
前記カバー織物の周辺には、前記ベース織物(80)のスライダーファスナーに組合せ可能なスライダーファスナーが設置されており、これによって、前記カバー織物(100)が分離可能に前記ベース織物(80)に接続でき、前記複数の弾性モジュールを容納する閉鎖空間を形成する、
弾性パッド。
【請求項21】
スポンジ層(90)をさらに含み、前記スポンジ層の一方側には、複数の凹窪部(91)が設置されており、各々の凹窪部は、対応するエンドキャップ(30、70)の蓋本体部分(31)を容納できるように構成される、
請求項20に記載の弾性パッド。
【請求項22】
一つ又は複数のクッション層(110)をさらに含み、前記一つ又は複数のクッション層は、前記スポンジ層(90)と前記カバー織物(100)との間に設置されている、
請求項21に記載の弾性パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具の分野に係り、特に、家具に用いる弾性モジュールと弾性パッドに係る。
【背景技術】
【0002】
ベッド等の家具は、人々の生活中に不可欠な構成である。現在のほとんどの大型家具は、取り外すことが簡単ではなく、或いは、取り外してから復元することが簡単ではない。しかし、現代の生活の発展に伴い、人口の移転と屋外での余暇というニーズを対応するために、特に、ベッド等の家具は、取り外しと組付けをますます頻繁に行う必要がある。搬送と移動の間において、ベッドの取外しと組付が非常に困難であるため、搬送と移動の負担を減らすために、まだまだ使えるベッドを捨てることもある。
【0003】
ベッドは、通常、ベッドフレームと弾性パッドとカバーからなり、現在の弾性パッドは、一般的に、複数の積重層とスプリングで形成された一体式のものであり、一体式の取外不能なマットレスである。一体式のものは、寸法が大きく、分解と収納がし難い。
【0004】
現在の独立パッケージ式のスプリングマットレスとは、同時にベッド上に寝る二人又はそれ以上の人が互いに影響を与えることを回避するものである(例えば、個人間の体重差が比較的に大きい場合に、一方が体を裏返す又は動くと、他方に影響を与えることを回避できない)。このような種類のマットレスにおいて、各々のスプリングは、不織布又は他の材質で製作された袋又はスリープに独立的にパッケージされている。スプリングパッケージは、図面のように配置されてから、配置されたスプリングパッケージセットの外方には、粘附や粘合などによって、全体の発泡ゴムが被覆され、これによって、家具クッション又は家具クッション形態である必要なスプリングクッションを形成する。しかし、独立パッケージ式のスプリングマットレスは、依然として全体式の製品であり、取り外し不能であり、且つ、運送が簡単ではない。そして、独立パッケージ式のスプリングマットレスでは、パッケージ式のスプリングを被覆するための不織布間が互いに粘着され引っ張られるので、マットレスが押されると、複数のパッケージ式のスプリングとの間には、完全に独立であるように上下に動くことができず、マットレスの快適さに影響を与える。
【0005】
また、現在のマットレスは、クリニックし難い欠点をさらに具備する。通常のマットレスでは、一般的に、ベッドのカバーのみを取り外すことが可能であるが、スポンジ部分を取り外すことが不能であるため、クリニックが困難である。ラテックスゴムがある程度のダニ防止效果を具備しても、一つのマットレスが数年間に亘って使用されることがあるので、クリニックし難いスポンジ部分が衛生面に大きな影響を与える恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、弾性パッドは、より簡単な取り外しと、移動と、再度な組付けと、コンパクトな空間での収納とを実現するとともに、クリニックしやすく、もっとよい快適さを具備するために、弾性パッドに関する設計を改善する必要がある。
【0007】
上記の先行技術に存在している問題に対して、本発明は、家具に使用される弾性モジュールと弾性パッドを提供した。本発明の弾性モジュールは、少なくとも下記のような利点を備える。(1)構造が簡単であり、消費者が自ら組付けと取外しを行いやすく、且取り外された部材が圧縮されること又は積み重ね嵌められることが可能であり、収納と運送のスペースを大幅に節約でき、(2)弾性モジュールは、独立なスプリングよりも、ベースを備えるので、その受力面積がもっと大きくなり、且つもっと安定であり、弾性パッドが使用される時もっと安定であり、(3)ニーズに応じて予め弾性モジュールにおけるスプリングの初期圧力を特定できるので、弾性モジュールが必要な硬さを備え、ニーズに応じて弾性パッドの異なる箇所に硬さが異なる弾性モジュールを設置することもでき、(4)弾性パッドにおける弾性モジュールは、本当の意味で互い独立である圧縮と解放という動きを実現できることによって、本発明の弾性パッドが、現在のパッケージ式スプリングマットレスに対してもっとよい快適さを具備し、(5)弾性パッドにおけるスポンジ層及び他のクッション層は、取り外し可能なものであり、クリニックにしやすく、もっと清潔である。本発明の弾性パッドは、弾性パッドを備える家具に使用されてもよく、例えば、マットレスやソファークッションやベンチクッションとして使用されてもよいが、これらに限定されていない。また、本発明の弾性パッドは、単独で使用されてもよく、例えば、ピクニックマットなどとして使用される。
【0008】
一方では、本発明は、家具製品を製作するための弾性モジュールを提供し、前記弾性モジュールは、スプリングと、ベースと、エンドキャップと、を含み、前記ベースは、第一スプリング固定部と、エンドキャップロック部と、を備え、前記第一スプリング固定部が、前記スプリングの第一端を取外可能に固定できるように構成され、前記エンドキャップは、蓋本体部分と、ロック部分と、柔性接続部と、を含み、前記蓋本体部分の前記ベースに向く側には、第二スプリング固定部が形成されており、前記第二スプリング固定部が、前記スプリングの第二端を取外可能に固定できるように構成され、前記ロック部分は、解放可能に前記エンドキャップロック部にロックできるように構成され、前記柔性接続部は、前記蓋本体部分を前記ロック部分に接続するとともに、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの内方に位置する。
【0009】
本発明による一好適な実施形態において、前記スプリングは、予め決めされた初期圧縮力で前記ベースと前記エンドキャップとの間に保持されている。
【0010】
本発明による一好適な実施形態において、前記エンドキャップは、一体式の部材である。
【0011】
本発明による一好適な実施形態において、前記柔性接続部は、二つ以上の柔性ベルトを含む。
【0012】
本発明による一好適な実施形態において、前記第一スプリング固定部は、前記スプリングの前記第一端を容納できるように構成されるスロットを含む。
【0013】
本発明による一好適な実施形態において、前記第一スプリング固定部は、前記スプリングの前記第一端を容納できるように構成される陥没部を含む。
【0014】
本発明による一好適な実施形態において、前記第一スプリング固定部は、前記スプリングの前記第一端を固定できるように構成される第一周方向壁を含み、前記第一周方向壁は、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの前記第一端の外方に位置する。
【0015】
本発明による一好適な実施形態において、前記第一スプリング固定部は、前記スプリングの前記第一端を固定できるように構成される第二周方向壁をさらに含み、前記第二周方向壁は、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの前記第一端の内方に位置することによって、前記スプリングの前記第一端を前記第一周方向壁と前記第二周方向壁との間に取外可能に固定する。
【0016】
本発明による一好適な実施形態において、前記第二スプリング固定部は、前記スプリングの前記第二端を取外可能に固定できるように構成される周方向フランジを含み、前記周方向フランジは、前記スプリングの径方向に沿って前記スプリングの前記第二端の外方に位置する。
【0017】
本発明による一好適な実施形態において、前記スプリングは、テーパースプリングである。
【0018】
本発明による一好適な実施形態において、前記ロック部分は、前記ベースに向けて突出するスナップを含み、前記エンドキャップロック部は、ロック孔を含み、前記スナップは、弾性変形によって取外可能に前記ロック孔内に固定できるように構成される。
【0019】
本発明による一好適な実施形態において、前記スナップが前記ロック孔内に固定されると、前記スナップの基端は、前記ベースの底面と面一になり、又は前記ベースの底面に対して凹入する。
【0020】
本発明による一好適な実施形態において、前記ベースの前記エンドキャップから離れる底面には、前記スナップの基端を取り囲む凹口が形成されており、前記ベースの径方向に沿う前記凹口の寸法が、前記ベースの径方向に沿う前記スナップの基端の寸法よりも大きいことによって、前記スナップを解放するために手の指又はツールが前記凹口に挿し込みやすくする。
【0021】
本発明による一好適な実施形態において、前記ロック部分は、基部と、前記基部から前記ベースに向けて延出しているネック部と、前記ネック部の基端に位置し前記基部とおおむね平行に延出しているラッチメンバとを含み、前記エンドキャップロック部は、ロック孔を含み、前記ラッチメンバと前記ロック孔の形状は、前記ラッチメンバが前記ロック孔を貫通できるとともに、回転することによって前記ロック孔にロックされること又は前記ロック孔から解放されることが可能であるように設計されている。
【0022】
本発明による一好適な実施形態において、前記ラッチメンバは、前記ロック孔に対する第一方向に関して前記ロック孔を貫通できる一方、前記ロック孔に対する異なる第二方向に関してロックできるように構成される。
【0023】
本発明による一好適な実施形態において、前記第一方向に対する前記第二方向の回転角度は、約90度である。
【0024】
本発明による一好適な実施形態において、前記ラッチメンバが前記ロック孔にロックされると、前記ラッチメンバの基端は、前記ベースの底面と面一になり、又は前記ベースの底面に対して凹入する。
【0025】
本発明による一好適な実施形態において、前記ベースの前記底面において、前記ロック孔付近には、一つ又は複数のストッパ部が設置されており、前記一つ又は複数のストッパ部は、前記ラッチメンバが前記第二方向から前記第一方向へ回転することを防止できるように構成される。
【0026】
本発明による一好適な実施形態において、前記ロック部分の前記基部の周辺には、前記ロック部分を捩じりやすいための複数の凹溝及び/又は複数の凸起部が設置されている。
【0027】
他方では、本発明は、家具製品を製作するための弾性パッドを提供し、前記弾性パッドは、ベース織物と、複数の上記の実施形態に記載の弾性モジュールと、カバー織物と、を含み、前記ベース織物は、前記ベース織物の周辺に設置されているスライダーファスナーを含み、前記弾性モジュールの前記ベースは、予め前記ベース織物上に固定されており、前記カバー織物の周辺には、前記ベース織物のスライダーファスナーに組合せ可能なスライダーファスナーが設置されており、これによって、前記カバー織物が分離可能に前記ベース織物に接続でき、前記複数の弾性モジュールを容納する閉鎖空間を形成する。
【0028】
本発明による一好適な実施形態において、前記弾性パッドは、スポンジ層をさらに含み、前記スポンジ層の一方側には、複数の凹窪部が設置されており、各々の凹窪部は、対応するエンドキャップの蓋本体部分を容納できるように構成される。
【0029】
本発明による一好適な実施形態において、前記弾性パッドは、一つ又は複数のクッション層をさらに含み、前記一つ又は複数のクッション層は、前記スポンジ層と前記カバー織物との間に設置されている。
【0030】
もちろん、上記の一実施形態に記載された構成又は特徴は、他の実施形態において単一又は組み合わせて使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面において、寸法と比率は、製品の実際な寸法と比率を示していない。図面は、説明のみに使用され、そして、説明の便利のため、必要ではない幾つかの構成又は特徴が省略された。
図1A】本発明による一好適な実施形態の弾性モジュールを例示的に示している分解図である。
図1B図1Aにおけるエンドキャップのロック部分を例示的に示している一部拡大図である。
図1C図1Aにおけるベースを例示的に示している上面図である。
図2A図1Aにおける弾性モジュールの組付状態を例示的に示している。
図2B図2Aにおける弾性モジュールを例示的に示している側面図である。
図2C図2Aにおける弾性モジュールを例示的に示している下面図である。
図2D図2Aにおける弾性モジュールを例示的に示している断面図である。
図3A】本発明による他の実施形態のエンドキャップを例示的に示している。
図3B】本発明による他の実施形態のエンドキャップを例示的に示している。
図4A】本発明によるさらに一つの好適な実施形態の弾性モジュールを例示的に示している分解図である。
図4B図4Aにおけるエンドキャップのロック部分を例示的に示している一部拡大図である。
図4C図4Aにおけるベースを例示的に示している上面図である。
図5A図4Aにおける弾性モジュールの組付状態を例示的に示している。
図5B図5Aにおける弾性モジュールを例示的に示している側面図である。
図6A図5Aにおける弾性モジュールを例示的に示している下面図であり、そのうち、ラッチメンバが第一方向に位置する。
図6B図5Aにおける弾性モジュールを例示的に示している下面図であり、そのうち、ラッチメンバが第二方向に位置する。
図7A】本発明による一好適な実施形態の弾性パッドのベース織物を例示的に示している。
図7B】スプリングとエンドキャップが図7Aに示すベース織物に組み付けされたことを例示的に示している。
図7C】弾性パッドを組付けるためのスポンジ層を例示的に示している。
図7D図7Cにおけるスポンジ層の底側を例示的に示している。
図7E】弾性パッドを組付けるための他のクッション層を例示的に示している。
図7F】本発明による一好適な実施形態の弾性パッドを例示的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明の弾性モジュール及び弾性パッドを詳細に説明する。ここで説明されるのは、本発明による好適な実施形態のみであり、当業者が、前記好適な実施形態に基づき、本発明を実現可能な他の形態を想起でき、当該他の形態も同様に本発明の範囲に入る。
【0033】
図1Aに示すように、本発明による一好適な実施形態の弾性モジュールは、前記弾性モジュールを形成するように取外可能に一緒に組付可能であるベース20と、スプリング10と、エンドキャップ30と、を含み、そのうち、ベース20とエンドキャップ30は、いずれも一体式の部材であり、同一の材料(例えば、プラスチック)で一体成型されてもよく、或いは、複数の部分から超音波溶接などの形態によって一体式の部材に形成されてもよい。具体的には、ベース20には、スプリング10の一端を取外可能に保持するためのスプリング固定部21と、エンドキャップ30を取外可能に固定するためのエンドキャップロック部22とが設置されている。エンドキャップ30は、蓋本体部分31と、ロック部分32と、双方を一緒に接続する柔性接続部33とを含む。蓋本体部分31は、ベース20を向く側に、スプリング10の他端を取外可能に保持するためのスプリング固定部311が形成されている。ロック部分32は、エンドキャップロック部22と解放可能にロックできるように構成されている。例えば、図1B図1Cに示すように、ロック部分32は、基部321と、基部321の底面から下方へ延出しているスナップ322とを含んでもよい。エンドキャップロック部22は、凸台221と、凸台221に形成されるロック孔222とを含んでもよく、弾性モジュールを組み付けるときに、ロック部分32とロック孔222をアライメントさせてから、ロック孔222に向けてロック部分32の基部321を押圧することによって、スナップ322を弾性変形させてロック孔222を貫通すればよい。ロック孔222を貫通すると、スナップ322は、元形状に回復してロック孔222内に取外可能に固定されることによってスプリング10をベース20とエンドキャップ30との間に固定し、これによって、弾性モジュールを形成した。好適的には、弾性モジュールにおけるスプリング10は、希望された快適な硬さを形成するように予め決めされた初期圧縮力を具備する。図1Bと1Cに示すロック孔222は、矩形状であり、対応的に、スナップ322は、直線型構造であり、このような設置によって、エンドキャップ30がベース20に対して回転することをある程度で防止できる。本発明の他の実施形態において、ロック孔222は、他の形状、例えば、円形であってもよく、スナップ322は、対応的に円弧形であり、このような構造は、組付にもっと便利である。
【0034】
図2Aに示すように、組付状態である弾性モジュールにおいて、柔性接続部33は、スプリング10の径方向に沿ってスプリング10の内方に位置し、基部321の下面が凸台221の上面と接合されることによって、エンドキャップ30とベース20との間の接続がもっと堅牢となるとともに、ロック部分32及び柔性ベルト33aがさらにロック孔222を貫通することを防止できる。本発明の他の実施形態において、凸台221が省略されてもよい。弾性モジュールが圧力を受けることによってスプリング10が圧縮されるときに、柔性接続部33は、適応的に変形していく。好適的には、柔性接続部33は、柔性ベルト33aを含む。図面には、二本の柔性ベルト33aが示されているが、当業者は、柔性接続部33がそれ以上の柔性ベルト33aを含んでもよいと理解すべきであり、例えば、図3Aには、三本の柔性ベルト33aが示されており、図3Bには、四本の柔性ベルト33aが示されている。
【0035】
ベース20でのスプリング固定部21は、スロットであっても、陥没部であっても、他の形態であってもよい。例えば、図1C図2Aに示すように、スプリング固定部21は、周方向壁211のような形態であってもよく、当該周方向壁211の寸法は、スプリング10の下端外方に密着できることによって径方向外方を向く方向においてスプリング10の下端を制限するように設計されている。さらに、スプリング固定部21は、周方向壁212をさらに含んでもよく、当該周方向壁212の寸法は、スプリング10の下端に密着できることによって径方向内方を向く方向においてスプリング10の下端を制限するように設計されている。
【0036】
蓋本体部分31でのスプリング固定部311は、スロットであっても、陥没部であっても、他の形態であってもよい。例えば、図2Dに示すように、スプリング固定部311は、蓋本体部分31の周辺を取り囲む周方向フランジであってもよく、スプリング10の先端外方に密着している。類似的には、スプリング固定部311は、スプリング先端内方に位置する周方向壁を含んでもよい。
【0037】
図2B図2Dをさらに参照すると、スナップ322がロック孔222内に固定された時、スナップ322の下側基端が、ベース20の底面と揃え、又は上方に向けて凹入することによって、ベース20の安定な配置を保持できる。
【0038】
図2C図2Dに示すように、ベース20の底面には、スナップ322の基端を取り囲む凹口又は陥没部23が形成されており、凹口23の径方向寸法が、前記ベース20の径方向に沿うスナップ322の基端の寸法よりも大きくなり、これによって、スナップ322を取り囲む操作空間を形成し、手の指又は分解ツールが凹口23に挿し込んでスナップ322を解放することに便利である。
【0039】
図4A乃至図5Bには、本発明によるさらに一つの好適な実施形態の弾性モジュールが示されており、基本的に、上記の弾性モジュールに類似し、当該弾性モジュールは、前記弾性モジュールを形成するように取外可能に一緒に組付可能であるベース60と、スプリング10と、エンドキャップ70と、を含み、そのうち、ベース60とエンドキャップ70は、いずれも一体式の部材であり、同一の材料(例えば、プラスチック)で一体成型されてもよく、或いは、複数の部分から超音波溶接などの形態によって一体式の部材に形成されてもよい。当該実施形態において、同一又は類似の特徴的構成は、同一又は類似の符号が付けられ、上記の実施形態と同様な部分に関する説明が省略された。当該実施形態が上記の実施形態と異なる点とは、エンドキャップ70のロック部分72と、ベース60に設置されている、エンドキャップをロックするためのエンドキャップロック部62である。図面に示すように、ロック部分72は、基部721と、基部721の底面から下方へ延出しているラッチメンバ722を含んでもよい。エンドキャップロック部62は、凸台621と、凸台621に形成されるロック孔622を含んでもよく、ラッチメンバ722とロック孔622の形状は、ラッチメンバ722が、ロック孔622に対する回転することによってロック孔内にロックされ又はロック孔から解放されるように設計されている。例えば、図4B図4Cに示すように、ラッチメンバ722は、基部721とおおむね平行し延出している狭く細いメンバであってもよく、基部721との間には、寸法が小さいネック部が具備する。ロック孔622は、ラッチメンバ722に対応する形状を具備してもよいが、ラッチメンバ722を貫通させやすいために、寸法がラッチメンバ722の寸法よりも少々大きくなる。弾性モジュールを組み付ける時に、ロック孔622とアライメントするようにラッチメンバ722の方向を調節でき、ラッチメンバ722を、当該方向においてロック孔622を貫通させる。その後、ベース60の下側でロックされるようにラッチメンバ722を(例えば、90度)回転させ、これによって、スプリング10をベース60とエンドキャップ70との間に固定する。好適的には、弾性モジュールにおけるスプリング10は、希望された快適な硬さを形成するように予め決めされた初期圧縮力を具備する。
【0040】
図5A図5Bに示すように、組付状態である弾性モジュールにおいて、柔性接続部33は、スプリング10の径方向内方に位置し、基部721の下面が凸台621の上面に接合され、これによって、エンドキャップ70とベース60との間の接続がもっと堅牢となるとともに、ロック部分72及び柔性ベルト33aがさらにロック孔622を貫通することを防止できる。本発明の他の実施形態において、凸台621が省略されてもよい。
【0041】
図5A図5Bは、下面図であり、そのうち、図5Aには、ラッチメンバ722が第一方向でロック孔622を貫通することが示されており、図5Bには、図5Aにおけるラッチメンバ722が一定角度(例えば、約90度)回転してから第二方向でロック状態であることが示されている。ロック状態であるラッチメンバ722が回転してベース60から意外に解放することを防止するために、ベース60の下側ロック孔622付近には、ラッチメンバ722をロック方向(第二方向)で保持するように、一つ又は複数のストッパ突起部63が設置されてもよい。
【0042】
さらに図5Bを参照すると、ラッチメンバ722がロック孔622内に固定された時、ラッチメンバ722の下側基端が、ベース60の底面と揃え、又は上方に向けて凹入することによって、ベース60の安定な配置を保持できる。
【0043】
ロック部分72を捩じりやすいために、図4Bに示すように、基部721の周辺には、複数の凹溝及び/又は複数の凸起部が設置されてもよい。
【0044】
図7A乃至図7Fには、本発明による弾性パッドが示されており、当該弾性パッドのベース織物80には、粘接や超音波溶接やカシメなどの類似形態によって、予め複数の上記のようなベースが固定されている。図面に示されたのは、ベース20であるが、ベース60で代替してもよい。消費者は、製品を購入してから、そのまま複数のスプリング10及び複数のエンドキャップ30又は70を上記のような形態によってベース織物80における対応するベース20又は60に固定することができ、自らマットレスを組付ける。
【0045】
さらに図7C図7Dを参照すると、弾性パッドの快適さ及び弾性モジュールの安定さを向上するために、弾性モジュールの頂部にスポンジ層90を設置してもよく、当該スポンジ層90におけるの弾性モジュールを向く側には、複数の凹窪部91が設置されており、各々の凹窪部91は、弾性モジュールの蓋本体部分31又は71含む先端部分を容納できる。
【0046】
図7Fに示すように、弾性モジュールは、カバー織物100をさらに含み、カバー織物100及びベース織物80の周辺には、いずれも、スライダーファスナーが設置されており、これによって、カバー織物100が分離可能にベース織物80に接続されることによって、複数の弾性モジュールを容納する閉鎖空間を形成する。
【0047】
弾性パッドの快適さをさらに向上するために、必要に応じて、スポンジ層90とカバー織物100との間には、単一層又は複層の同一又は異なるクッション層が追加的に設置されてもよい。
【0048】
図面に示されたスプリング10は、テーパースプリングであるが、当業者は、ベース20とエンドキャップ30の径方向寸法或いはスプリング固定部の寸法を調整することによって、本発明による弾性モジュールが、他の形態のスプリング、例えば、柱形状スプリングなどを含んでもよいと理解すべきである。
【0049】
本発明の保護範囲は、特許請求の範囲のみによって限定されている。本発明の教示のもと、当業者は、本発明で開示された構造の代替案を実現可能な代替実施形態とするとともに、本発明で開示された実施形態を組み合わせて新たな実施形態を生み出し、同様にこれらも添付された特許請求の範囲に含まれること、を容易に想起できる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
【国際調査報告】