(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-05
(54)【発明の名称】可変幾何学的形状のシート積層体上に粒子径制御液体コーティングを塗布する方法および装置
(51)【国際特許分類】
B05D 1/32 20060101AFI20250226BHJP
B05C 19/04 20060101ALI20250226BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20250226BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20250226BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20250226BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20250226BHJP
H02K 15/0273 20250101ALI20250226BHJP
H02K 15/121 20250101ALI20250226BHJP
H01F 41/02 20060101ALN20250226BHJP
【FI】
B05D1/32 E
B05C19/04
B05C11/10
B05D1/02 Z
B05D3/00 D
B05D7/00 A
B05D1/32 B
H02K15/0273
H02K15/121
H01F41/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024565254
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 IB2023050572
(87)【国際公開番号】W WO2023139561
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】MX/A/2022/000979
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MX
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524277603
【氏名又は名称】ユーログループ ラミネーションズ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】フランチーニ,レオナルダントニオ
(72)【発明者】
【氏名】アラナ コラッソ,エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラロン,マリオ アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス ペレイラ,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】オチョア ラミレス,ヴィクター ヒューゴ
(72)【発明者】
【氏名】サラス ズニガ,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス ポロ,エイドリアン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F042
5H615
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA32
4D075AA51
4D075AA53
4D075AA83
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4D075DB03
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4D075EC37
4F042AA06
4F042AB03
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4F042BA06
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4F042DG09
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4F042EC04
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB05
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5H615PP06
5H615RR07
5H615SS05
5H615SS18
5H615SS34
5H615TT27
(57)【要約】
本発明は、積み重ねられて圧縮された様々な幾何学的形状のシート上に、粒子径制御液体コーティングを塗布する方法および装置からなる。このようなコーティングは、接着剤、促進剤、絶縁体またはサーマルバリアであり得る。この方法および装置は、使用される量を制御するために、塗布ごとにコーティングの浮遊状態の粒子の粒子径を測定することを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な幾何学的形状の積層シートに粒子径制御液体コーティングを塗布する方法であって、
連続的な積層ストリップ、および/または可変幾何学的形状の単一の積層シート、および/または可変幾何学的形状の積み重ねられた積層シートパックを供給材料として使用すること(1)と、
得られる部品の幾何学的形状、または供給材料の幾何学的形状に従って、被覆パターンを画定するために少なくとも1つのマスクを選択し、配置すること(2)と、
前記選択された被覆パターン画定マスクに関連付けられた動作パラメータを設定するこよ(3)と、
前記コーティングを受け取るために前記供給材料を所定位置に配置すること(4)と、
少なくとも1つの粒子生成チャンバを塗布位置に設置すること(5)と、
前記粒子生成チャンバを加圧すること(6)と、
前記浮遊液体コーティングの粒子径を生成すること(7)と、
前記浮遊液体コーティングの粒子径を測定すること(8)と、
浮遊状態の前記液体コーティングの粒子径が設定範囲内にあるかどうかを判定すること(9)と、
必要に応じて、前記浮遊液体コーティングの前記設定粒子径生成パラメータを修正すること(10)と、
前記粒子生成チャンバから圧力を解放して、接触または他の手段を介して前記供給材料の任意の表面上に浮遊状態のこの粒子径を堆積させること(11)と、
前記供給材料の変位を可能にする位置に前記粒子生成チャンバを設置すること(12)と、
前記被覆供給材料を移動させること(13)と
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの被覆パターン画定マスクの選択は、異なる幾何学的形状を有する複数のマスクから行われ得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被覆パターン画定マスクの幾何学的形状は、平面であり得る、または体積を有し得ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの被覆パターン画定マスクの選択は、手動で行われ得ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの被覆パターン画定マスクの選択は、自動で行われ得ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記液体コーティングの浮遊粒子の生成は、加圧チャンバ内で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記加圧チャンバは、任意の幾何学的形状を有し得ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記加圧チャンバからの圧力の解放時に、浮遊状態の前記液体コーティング粒子が生成されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記加圧チャンバ内で、さらに浮遊液体コーティング粒子の粒子径が測定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記測定は、前記浮遊粒子径を予め設定された範囲内に維持するために少なくとも1つの制御システムにフィードバックする信号を生成することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コーティングとして、接着剤、促進剤または開始剤、有機材料、金属材料、絶縁材料、サーマルバリアまたはレジンなどの液体物質を使用することができることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記液体物質は、100~3500センチポアズの任意の範囲の粘度を有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
同じタイプのコーティングまたは異なるタイプのコーティングを使用して、粒子の生成および塗布の2つ以上の段階を含み得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
様々な幾何学的形状の積層シートに粒子径制御液体コーティングを塗布する装置であって、
少なくとも1つの粒子生成チャンバ(6.1)と、
少なくとも1つの被覆パターン画定マスク(2.1)と、
少なくとも1つの粒子生成装置(6.2)と、
少なくとも1つの浮遊粒子径測定装置(8.1)と、
少なくとも1つの粒子生成チャンバ圧力調整弁(6.3)と、
少なくとも1つの塗布ハッチ(6.4)と、
少なくとも1つの制御装置(3.1)と
を備える装置。
【請求項15】
前記粒子生成チャンバは、閉じ込められた加圧空間を備えることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記加圧チャンバは、任意の幾何学的形状を有し得ることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記液体コーティングの浮遊粒子の前記生成は、前記粒子生成チャンバ内で行われることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記液体コーティングの浮遊粒子の前記生成は、前記粒子生成チャンバが加圧されたときに行われることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記加圧チャンバからの圧力の解放時に、前記液体コーティングの前記浮遊粒子が前記供給材料の任意の表面に堆積されることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記加圧チャンバ内で浮遊状態の前記液体コーティングの粒子径を測定することを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記測定は、少なくとも1つの制御システムにフィードバックする信号を生成することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
制御システムが、前記浮遊粒子径を予め設定された範囲内に維持するために前記動作パラメータを自動的に修正することを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
コーティングとして、接着剤、促進剤または開始剤、有機材料、金属材料、絶縁材料、サーマルバリアまたはレジンなどの液体物質を使用することができることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項24】
前記液体物質は、100~3500センチポアズの任意の範囲の粘度を有することを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
打抜きプレスと組み合わせて使用され得ることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項26】
手動、半手動または自動ワークステーションを形成するために使用され得ることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータ用の積層コアの製造の分野に関し、具体的には、積み重ねられて圧縮された様々な幾何学的形状の積層シート上に、接着剤、促進剤、絶縁体、またはサーマルバリアなどの粒子径制御液体コーティングを塗布するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の方法および装置は、積層磁性シートから形成され、円筒形またはリング形状に積み重ねられてロータおよびステータを形成する、電気モータ用の積層コアの製造に関する。上記積層シートは、例えば接着コーティングを使用して、接着されなければならず、その結果、材料の磁気特性が維持されると同時に、シート間の絶縁性およびコアの強度が向上する。
【0003】
上記接着剤コーティングは、積層シートの片面または両面に塗布され、積層シートのスタック内の空間を占める。
【0004】
従来技術では、占積率は、接着剤が有限空間を覆うことを考慮して、ロータまたはステータコアの有効断面積とコアの総物理的断面積との比であり、その結果、磁束が占める有効面積は、コアの総物理的面積よりも小さいことが知られている。
【0005】
占積率は、積層モータコアが電束を通す能力を示す。これは、コアの製造プロセス、例えば、積層体に加えられる圧力、積層体の厚さ、ならびに積層体を接合し、積層体が互いに接触するのを防止するために使用される方法に大きく依存する。占積率は、積層されたスタック材料の重量、体積および密度から計算され得る。
【0006】
占積率1は積層体が全く存在しないことを意味するので、積層コアは、常に1未満の占積率を有する。ステータコアは、通常、0.95に近い占積率を有するが、アモルファス金属で作られたコアは、約0.8の占積率を有し、ケイ素鋼の占積率は、通常、0.96であるが、他のコア構成要素にも依存する。電気コアの積層体を結合する接着剤コーティングが占める空間を低減することが可能であるが、これは、使用される接着剤コーティングの量が過度に低減された場合、積層体間の結合強度を弱める可能性がある。
【0007】
これと同様に、これらのプロセスで使用されるコーティングの量の測定は、使用される材料および加工される部品の数の知識に基づく。使用される材料の量は、通常、被覆される部品の数で割って、1部品当たりの使用量が得られる。しかし、この方法は不正確である。本発明の方法および装置は、これらの問題を解決する。
【0008】
積層コアパックを形成するための接着剤は、とりわけ、日本特許第3822020号、中国特許第101673986(B)号、および日本特許第4648765号に記載されているケースのように、打抜きプロセス中に塗布されることが多い。
【0009】
メキシコ特許第375091(B)号(米国特許第9531223(B2)号としても公開されている)は、積層シートの片面または両面に、小さいドット、液滴または噴霧の形態で接着剤およびプライマーを塗布することによって、制御された高さを有する積層体のスタックを製造する方法を記載しており、接着剤およびプライマーは、打抜きストロークに基づいて、ドライバによって、部分表面積または全表面積にわたって、塗布ヘッド、ダイ、ローラ、シリンダまたはパッドを使用して積層体上に直接塗布される。上記方法は、圧縮されているシートの数に基づいて、積層パッケージの全高を考慮に入れるが、占積率に影響を及ぼさず、また、塗布ごとに使用される接着剤の量を制御する手段もない。
【0010】
米国特許第10230291(B2)号、米国特許第10720802(B2)号、米国特許出願公開第2019322093(A1)号、米国特許第8474129(B2)号、欧州特許第3535836(B1)号、仏国特許第3042923(B1)号、米国特許第6301773(B1)号についても同様である。
【0011】
一方、米国特許出願公開第20160067728(A1)号は、ワークピース上に接着剤コーティングの層を形成する方法を記載しており、この方法は、ワークピース上の接着剤の重量を測定することによって、使用される接着剤の量に関するデータを取得し、リアルタイムで噴霧される接着剤の量を調整することを可能にする。上記測定はまた、接着剤層の厚さを推定することを可能にする。上記方法は、噴霧接着剤が塗布される部品に固着されると、噴霧接着剤を直接測定する。
【0012】
米国特許出願公開第20050001869(A1)号は、接着剤ドットを所与の速度で基板に塗布する前に、校正面を使用して接着剤ドットを計量する。
【0013】
米国特許第4361110(A)号は上記ワーク表面から反射された光を測定して、堆積されたコーティングの割合を決定する、ワーク表面に接着剤を塗布するための装置およびシステムを記載している。この装置およびシステムは、被覆表面上の光反射を測定し、使用されるコーティングの量を制御する。
【0014】
独国特許出願公開第10048749(A1)号は、ワーク表面に接着剤を塗布するためのロボット装置を記載しており、このロボット装置は、赤外線カメラとして構成された、被覆表面に向けられた複数のデジタルカメラを有する画像評価ユニットによって情報を取得する。上記ユニットは、ワークピースに直接噴霧される接着剤の量を調整するために、理論値に対して結果を比較するための情報を生成する。噴霧表面の画像を評価する。
【0015】
ワーク表面に噴霧される接着剤または粘性液体の量を測定する別の特許は、米国特許出願公開第20020151042(A1)号である。
【発明の概要】
【0016】
一部の接着剤コーティングは、それらの挙動を改変するために、または異なる硬化時間および結合強度を有する2つ以上の接着剤を組み合わせるために、促進剤または希釈剤と組み合わせて使用される。本発明は、使用される接着剤を測定する異なる方法を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】打抜きプレスと組み合わせた装置の使用を示す図である。
【
図5】ワークステーションにおける装置の使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、積み重ねられて圧縮された様々な幾何学的形状の積層シート上に、接着剤、促進剤、絶縁体、またはバリアなどの粒子径制御液体コーティングを塗布するための方法および装置からなる。この方法および装置は、使用量を制御し、効率を測定するために、塗布ごとにコーティングの浮遊状態の粒子の粒子径を測定することを可能にする。この方法および装置は、100~3500センチポアズの範囲の粘度を有する流体を用いて、使用されるコーティングの量を測定し、制御することができる。
【0019】
可変幾何学的形状の積層シート上に粒子径制御液体コーティングを塗布する方法は、次のステップを含む。供給材料(1.1)として、連続的な積層ストリップ、および/または可変幾何学的形状の単一の積層シート、および/または可変幾何学的形状の積み重ねられた積層シートパックを使用すること(1)と、得られる部品の幾何学的形状または供給材料の幾何学的形状に従って、少なくとも1つの被覆パターン画定マスク(2.1)を選択して配置すること(2)と、選択された被覆パターン画定マスク(2.1)に関連付けられた動作パラメータを設定すること(3)と、供給材料(1.1)を所定の位置に設置してコーティングを受け取ること(4)と、少なくとも1つの粒子生成チャンバ(6.1)を塗布位置に設置すること(5)と、粒子生成チャンバを加圧すること(6)と、浮遊液体コーティングの粒子径を生成すること(7)と、浮遊液体コーティングの粒径を測定すること(8)と、浮遊液体コーティングの粒径が設定範囲内にあるかどうかを判定すること(9)と、必要であれば、浮遊液体コーティングの設定された粒子径生成パラメータを変更すること(10)と、粒子生成チャンバの圧力を解放して、この体積の浮遊粒子を供給材料の任意の表面上に堆積させること(11)と、供給材料の変位を可能にするように粒子生成チャンバ(6.1)を位置決めすること(12)と、被覆供給材料を変位させること(13)とを含む。
【0020】
供給材料(1.1)は、少なくとも1つの連続的な積層ストリップの形態で、および/または様々な幾何学的形状の単一の積層シートとして、および/または積み重ねられた積層シートの束として提供され得る(1)。これは、手動または自動で行われ得る。被覆パターン画定マスク(2.1)は、浮遊状態の液体コーティングが供給材料(1.1)の表面上に堆積される領域を限定する平坦部分または容積部分からなる。
【0021】
上記被覆パターン画定マスク(2.1)は、それぞれが、得られる部品または供給材料の1つまたは複数の幾何学的形状に適した、いくつかの異なる形状のマスクから選択され得る(2)。
【0022】
上記被覆パターン画定マスク(2.1)は、浮遊粒子によって被覆される供給材料の表面と接触する粒子生成チャンバ(6.1)の端部に配置される。
【0023】
被覆パターン画定マスク(2.1)の選択および位置決めは、手動または自動で行われ得る。このような画定マスクの選択および位置決めは、得られる部品の幾何学的形状または供給材料の幾何学的形状が変化するたびに行われる。
【0024】
設定(3)され得る所定の動作パラメータは、(a)粒子生成チャンバの内部圧力、(b)液体コーティングが粒子生成装置(6.2)の内部にある状態の圧力、(c)周囲温度、(d)粒子生成装置(6.2)の開放時間、および(e)必要に応じて示される、浮遊状態の粒子径の最小値~最大値の範囲である。
【0025】
供給材料(1.1)の各々の幾何学的形状に適しており、少なくとも1つの被覆パターン画定マスクに関連付けられた動作パラメータは、製造前の性能試験に基づいて既知である。上記パラメータは、手動または自動で設定され、制御装置(3.1)に記憶される。
【0026】
少なくとも1つの連続的な積層ストリップの形態で、または単一の積層シートとして、または積層シートの束としての供給材料(1.1)は、任意の手段によって手動または自動でコーティングを受け取る(4)ために所定位置に配置され得る。
【0027】
粒子生成チャンバ(6.1)は、任意の幾何学的形状の密閉空間であり、塗布されるまで空気中に浮遊するコーティング粒子を収容するように加圧される。
【0028】
粒子生成チャンバを塗布位置に配置する(5)ために、被覆パターン画定マスク(2.1)が被覆される供給材料の表面と接触していることが必要である。塗布位置における粒子生成チャンバ(6.1)の設置は、任意の手段によって手動または自動で達成され得、被覆される供給材料(1.1)の表面とマスクが接触することを可能にする任意の設置に対応する。
【0029】
粒子生成チャンバ(6.1)の加圧は、加圧空気を粒子生成チャンバ(6.1)内に注入する1つまたは複数の加圧弁(6.3)によって達成される。粒子生成チャンバ(6.1)内で到達する圧力は、好ましくは3~12バールであり、粒子生成チャンバ(6.1)内部の空気中に浮遊する液体コーティングの粒子径を放出して、供給材料(1.1)の任意の表面上にそれらを移動させて堆積させる機能を有する。上記圧力は、少なくとも1つの塗布ダンパ(6.4)を通して解放される。
【0030】
浮遊液体コーティング(7)の粒子生成は、少なくとも1つの粒子生成チャンバ(6.1)の内部で、少なくとも1つの弁(6.2)によって、生成された液体コーティングの浮遊粒子の粒子径の測定(8)に基づいて、必要に応じて自動的に調整され得る設定動作パラメータを使用して実行される。
【0031】
生成された液体コーティングの浮遊微小粒子径の測定(8)は、粒子生成チャンバ(6.1)の内部で実行され、少なくとも1つの測定装置(8.1)によって行われる。上記測定装置は、浮遊液体コーティングの粒子によって反射されたレーザ光の散乱を測定するCCDセンサ(8.3)に向けられたレーザ光発光ランプ(8.2)によって浮遊粒子の相当平均粒子径を推定する。
【0032】
上記測定は、周期的に実行され、制御装置(8.1)に送信される。
【0033】
上記測定は、生成された粒子径が、許容可能であると示される最小浮遊粒子径~最大浮遊粒子径に対応する設定範囲内にあるかどうかを判定する(9)ための基礎としての役割を果たす。
【0034】
浮遊粒子径の測定値が設定された最小値~最大値の範囲内にある場合(9)、同じ動作パラメータが維持される。浮遊粒子径の測定値(8)が設定された最小値~最大値の範囲の外側にある場合(9)、制御装置(3.1)は設定動作パラメータ(3)を調整する。上記調整は、所定の動作および選択に従って自動的に行われる。
【0035】
浮遊粒子が測定されると、制御装置(3.1)は、塗布フラップ(6.4)を開く。
【0036】
生成された粒子の塗布(11)は、選択された被覆パターン画定マスク(2.1)によって制限された表面であり、供給材料の任意の表面に対応する表面上で実行される。
【0037】
少なくとも1つの塗布ハッチ(6.4)を開くことによって粒子生成チャンバ(6.1)から圧力が解放されると、浮遊液体コーティング粒子は、塗布ハッチ(6.4)を通過するとともに、被覆パターン画定マスク(2.1)を通過し、送出材料(1.1)の表面の残りの部分が被覆されないように、送出材料(1.1)の露出表面上に堆積される。
【0038】
浮遊状態の液体コーティングの所与の量の粒子の塗布(11)の後、粒子生成チャンバは、送出材料の変位(13)を可能にする位置に配置される(12)。
【0039】
浮遊粒子の生成および塗布は、間接的に行われ、粒子生成チャンバを加圧すること(6)と、粒子生成チャンバから圧力を解放する(11)ことによって浮遊液体コーティングから粒子を生成すること(7)と、浮遊液体コーティングの粒子径を測定すること(8)と、接触または他の手段によって供給材料(1.1)上に浮遊微小粒子群を移送し堆積させることとを含む。
【0040】
記載する方法は、例えば、より多くの粒子生成チャンバを追加することによって、同じタイプのコーティングまたは異なるタイプのコーティングを使用する、粒子生成および塗布の1つまたは複数の段階を含み得る。
【0041】
可変幾何学的形状の積層シート上に液体コーティングの粒子径制御塗布のための装置は、少なくとも1つの粒子生成チャンバ(6.1)と、少なくとも1つの被覆パターン画定マスク(2.1)と、少なくとも1つの粒子生成装置(6.2)と、少なくとも1つの粒子径測定装置(8.1)と、少なくとも1つの粒子生成チャンバ圧力調整弁(6.3)と、少なくとも1つの塗布ハッチ(6.4)と、少なくとも1つの制御装置(3.1)とを備える。
【0042】
粒子生成チャンバ(6.1)は、大気圧よりも高い圧力、好ましくは3~12バールの圧力にある任意の幾何学的形状の閉鎖空間を備え、その内部に液体コーティング粒子が空気中に浮遊した状態で保持される。上記圧力は、粒子生成チャンバの少なくとも1つの圧力調整弁(6.3)によって付与され、圧力調整弁(6.3)は、粒子生成の前に加圧空気を注入する。
【0043】
粒子生成チャンバ(6.1)の内部には、少なくとも1つの粒子生成装置(6.2)、粒子測定装置(8.1)、および少なくとも1つの塗布ハッチ(6.4)が設置される。
【0044】
粒子生成装置(6.2)は、開放時間を決定する制御弁(8.1)によって動作される。上記制御弁(8.1)はさらに、ポンプによって粒子生成装置(6.2)の内部の液体コーティングの圧力を調整する。
【0045】
上記粒子生成装置(6.2)は、空気圧式、超音波式、または100~3500センチポアズの任意の範囲の粘度を有する流体を取り扱うことができる任意の他のタイプの構成であり得る。
【0046】
粒子生成装置の開放時間と液体コーティングの圧力との組み合わせは、チャンバ(6.1)内部の液体コーティングの特定の粒子径(空気中に浮遊した状態であり続ける)の生成を可能にする。
【0047】
粒子生成チャンバ(6.1)の内部には、少なくとも1つの浮遊粒子径測定装置(8.1)も存在し、これは、浮遊液体コーティングの粒子径に応じて特定の角度で反射されるレーザ光の散乱を測定するCCDセンサ(8.3)に向けられたレーザ光放出ランプ(8.2)からなる。
【0048】
上記粒子径測定装置(8.1)は、受信測定値を設定動作パラメータと、具体的には、塗布に適しているとして示される浮遊状態の粒子径の最小値~最大値の範囲と比較するために制御装置(3.1)に送信される信号を生成する。
【0049】
浮遊粒子径測定値が設定範囲内にある場合、同じ動作パラメータが維持される。そうでない場合には、必要な調整が自動的に行われる。
【0050】
設定粒子径よりも大きい浮遊状態の粒子径は、液体コーティングの無駄を生じさせ、ロール状シートのスタック内で占める空間を増大させる。浮遊粒子の量が規定量より少ないと、接着剤コーティングの結合強度が低下する。
【0051】
浮遊粒子径が測定されると、少なくとも1つの塗布フラップ(6.4)が開き、圧力を解放し、浮遊液体コーティング粒子が通過し、被覆パターン画定マスク(2.1)に向かって移動することを可能にする。上記塗布ハッチ(6.4)は、常に閉じられた状態のままであり、粒子塗布(11)のためにのみ開かれる。
【0052】
浮遊粒子径の測定は、浮遊粒子の塗布を設定動作範囲内に維持し、制御装置(8.1)によって動作パラメータを直ちに調整することを可能にする。
【0053】
被覆パターン画定マスク(2.1)は、送出材料(1.1)の特定の幾何学的形状に従って、コーティング粒子が塗布される領域を露出させる。被覆パターン画定マスク(2.1)の覆われていない領域のサイズおよび形状は、動作パラメータに影響を及ぼす。
【0054】
被覆パターン画定マスク(2.1)は、チャンバ(6.1)内の浮遊状態の液体コーティングの粒子径を供給材料の表面(1.1)上に堆積させるために、被覆される供給材料の表面(1.1)と接触していなければならない。
【0055】
したがって、液体コーティングの生成および塗布は間接的に行われる。すなわち、液体コーティングは、粒子を瞬間的に空気中に浮遊させておく加圧粒子生成器チャンバ(6.1)の内部から始まり、塗布ハッチ(6.4)を通過し、供給材料(1.1)上の被覆パターン画定マスク(2.1)によって被覆パターンが画定される。
【0056】
コーティングが送出材料(1.1)の任意の表面に塗布されると、粒子生成チャンバ(6.1)は、送出材料の移動を可能にする位置に配置される。送出材料(1.1)を塗布位置以外の位置に移動させることができる位置における粒子生成チャンバ(6.1)の設置は、任意の手段によって手動または自動で達成され得、送出材料(1.1)を塗布位置以外の位置に移動させることができる任意の設置に対応する。
今後の最善の方法
【0057】
本発明の方法および装置は、
図4に示すように、打抜きプレス(5.4)と組み合わせて使用され得る。この方法では、積層磁性材料の連続ストリップが供給材料(1.1)として使用され、打抜きプレスに供給される。
【0058】
粒子生成チャンバ(6.1)は、塗布が上から下に行われる場合にはパンチ側(5.2)、または塗布が下から上に行われる場合にはダイ側(5.3)で、ダイの内側に収容される。
【0059】
少なくとも1つの被覆パターン画定マスク(2.1)が、打抜きされる部品の幾何学的形状に従って選択され、位置決めされる(2)。
【0060】
被覆パターン画定マスク(2.1)は、パンチ(5.2)またはダイ(5.3)の表面と同じ高さに位置決めされ、パンチ(5.2)またはダイ(5.3)と同時に供給材料(1.1)と接触する。
【0061】
選択された被覆パターン画定マスク(2.1)に関連付けられた動作パラメータが設定される(3)。
【0062】
この実施形態では、設定(3)される動作パラメータは、(a)粒子生成チャンバの内部圧力(好ましくは3~12バール)、(b)液体コーティングが粒子生成装置(6.2)の内部にある状態の圧力(好ましくは3~12バール)、(c)周囲温度、(d)粒子生成装置(6.2)の開放時間、および(e)浮遊粒子径の最小値~最大値の範囲である。後者の2つは、打抜きされる部品の幾何学的形状に依存する。制御システムは、極端な温度変化を補償する。
【0063】
供給材料(1.1)は、積層ストリップを打抜きプレス内で位置合わせし、積層ストリップを異なる位置に前進させるローラ(1.2)によって、自動的にコーティングを受け取る(4)ために所定位置に配置される。
【0064】
プレスは、積層体を成形する役割を果たし、少なくとも1つの粒子生成チャンバ(6.1)を塗布位置に、かつ供給材料の変位(12)を可能にする位置に設置する(5)。
【0065】
粒子生成チャンバ(6.1)がマトリックス(5.3)内に設置される場合、粒子生成チャンバを位置決めするための移動は小さく、
図4Aおよび
図4Bに示すようにマトリックス(5.3)自体の内部で行われ、塗布位置(5)にある場合には粒子生成チャンバ(6.1)の下の空間(5.5)であり、供給材料(1.1)の変位(12)を可能にする位置にある場合には粒子生成チャンバ(6.1)の上の空間(5.5)である。
【0066】
粒子生成チャンバ(6.1)がパンチ(5.2)の側にあるとき、粒子生成チャンバ(6.1)を位置決めするための移動は、パンチ(5.2)の上下移動の一部としてプレスによって行われ、パンチ(5.2)は、下降するときには塗布位置で供給材料(1.1)と接触し、上昇するときには供給材料(1.1)の移動(12)を可能にするように位置決めされる。
【0067】
プレスの速度は、粒子生成および塗布の速度に関連し、粒子生成および塗布は、粒子生成チャンバを加圧するステップ(6)と、浮遊液体コーティングの粒子径を生成するステップ(7)と、浮遊液体コーティングの粒子径を測定するステップ(8)と、粒子生成チャンバから圧力を解放することによって供給材料(1.1)上に浮遊微小粒子群を移送するステップ(11)とを含む。
【0068】
一般的なプレスでは、毎分120~200ストロークの範囲内で動作することが予想される。生成された液体コーティングの粒子径測定値が設定範囲外である場合(9)、制御システム(3.1)が、設定パラメータを自動的に修正する(10)。
【0069】
本発明の方法および装置は、
図5に示すような手動、半手動または自動ワークステーションを形成するためにも使用され得る。この形態では、可変幾何学的形状の単一の積層シートおよび/または可変幾何学的形状の積み重ねられた積層シートパックが供給材料(1.1)として使用される(1)。
【0070】
粒子生成チャンバ(6.1)は、支持体(5.1)およびそれを上昇または下降させることができるリニアアクチュエータによって、供給材料(1.1)の上方に位置決めされる。
【0071】
少なくとも1つの被覆パターン画定マスク(2.1)が、緩い積層シートおよび/または積み重ねられた積層シートパック(1.1)の幾何学的形状に従って選択され、位置決めされる(2)。この方法では、被覆パターン画定マスク(2.1)は、粒子生成チャンバ(6.1)の下部に配置される。選択された被覆パターン画定マスク(2.1)に関連付けられた動作パラメータが設定される(3)。
【0072】
この方法では、設定(3)される動作パラメータは、(a)粒子生成チャンバの内部圧力(好ましくは3~12バール)、(b)液体コーティングが粒子生成装置(6.2)の内部にある状態の圧力(好ましくは3~12バール)、(c)周囲温度、(d)粒子生成装置(6.2)の開放時間、および(e)打抜きされる部品の幾何学的形状に応じた、粒子径の最小値~最大値の範囲である。制御システムは、極端な温度変化を補償する。
【0073】
供給材料(1.1)は、単一の積層シートおよび/または積層シートの束が積み重ねられる位置合わせ装置(1.3)上に手動また自動で位置決めされる(4)。この位置合わせ装置(1.3)は、コーティングを受け取る(4)位置を決定する。
【0074】
粒子生成チャンバは、被覆パターン画定マスク(2.1)が粒子生成チャンバの反対側の供給材料(1.1)の表面と接触する塗布位置(5)まで下げられる。
【0075】
粒子生成および塗布は、粒子生成チャンバを加圧すること(6)と、浮遊液体コーティングの粒子径を生成すること(7)と、浮遊液体コーティングの粒子径を測定すること(8)と、粒子生成チャンバから圧力を解放することによって供給材料(1.1)上に浮遊微小粒子群を移送すること(11)と、塗布ハッチ(6.4)を開くこととを含む。
【0076】
生成された液体コーティングの粒子径測定値が設定範囲外である場合(9)、制御システム(3.1)が、設定パラメータを自動的に修正する(10)。
【0077】
粒子生成チャンバ(6.1)は、供給材料の変位を可能にする位置まで上昇し(12)、次いで、被覆供給材料(1.1)を移動させる(13)。この変位は、任意の手段によって、手動または自動で実行され得る。
【0078】
半自動ワークステーション上で、可変幾何学的形状の4つの緩く巻かれたシートが1分ごとに被覆される。
【国際調査報告】