(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-07
(54)【発明の名称】センサスタックを有する医療器具およびそのような医療器具の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/03 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
A61B5/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024550339
(86)(22)【出願日】2023-02-08
(85)【翻訳文提出日】2024-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2023053112
(87)【国際公開番号】W WO2023161027
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】102022201953.9
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl-Braun-Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラウス バーガー-ロシャー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル バースナー
(72)【発明者】
【氏名】アイケ コットカンプ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター ワース
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA16
4C017AA20
(57)【要約】
本発明は医療器具に関する。患者の体内に挿入するために設けられた遠位端と、前記遠位端に配置され、測定された物理的変数を捕捉し、前記物理的変数を電気的測定信号に変換するように構成されたセンサユニットと、を有する医療器具であって、前記センサユニットは、層状に構築されたセンサスタックの形態であり、第1部分と第2部分とを有しており、前記第1部分および前記第2部分はそれぞれ、一方が他方の上に配置された複数の機能層を備え、前記機能層は、少なくとも部分的に互いを覆うように層状に互いに適用され、特に印刷される。前記第1部分は少なくとも以下の前記機能層、すなわち、前記医療器具の前記遠位端を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する第1絶縁層と、少なくとも部分的に前記第1絶縁層に適用され、特に印刷された導電性の第1電極層と、少なくとも部分的に前記第1電極層に適用され、特に印刷された圧電活性を有するピエゾ層と、少なくとも部分的に前記ピエゾ層に適用され、特に印刷された導電性の第2電極層と、少なくとも部分的に前記第2電極層に適用され、特に印刷された電気絶縁性の第2絶縁層と、少なくとも部分的に前記第2絶縁層に適用され、特に印刷された遮蔽層と、を備える。前記第2部分は、少なくとも以下の前記機能層、すなわち、前記医療器具の前記遠位端を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する絶縁層と、少なくとも部分的に前記絶縁層に適用され、特に印刷された導電性の第1コンダクタトラックと、少なくとも部分的に前記絶縁層に適用され、特に印刷された導電性の第2コンダクタトラックと、を備える。本発明はまた、センサユニットと、医療器具の製造方法に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内に挿入するために設けられた遠位端と、前記遠位端に配置され、測定された物理的変数を捕捉し、前記物理的変数を電気的測定信号に変換するように構成されたセンサユニットと、を有する医療器具であって、
前記センサユニットは、層状に構築されたセンサスタックの形態であり、第1部分と第2部分とを有しており、
前記第1部分および前記第2部分はそれぞれ、一方が他方の上に配置された複数の機能層を備え、
前記機能層は、少なくとも部分的に互いを覆うように層状に互いに適用され、特に印刷され、
前記第1部分は少なくとも以下の前記機能層、すなわち、
前記医療器具の前記遠位端を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する第1絶縁層と、
少なくとも部分的に前記第1絶縁層に適用された導電性の第1電極層と、
少なくとも部分的に前記第1電極層に適用された圧電活性を有するピエゾ層と、
少なくとも部分的に前記ピエゾ層に適用された導電性の第2電極層と、
少なくとも部分的に前記第2電極層に適用された電気絶縁性の第2絶縁層と、
少なくとも部分的に前記第2絶縁層に適用された遮蔽層と、を備え、
前記第2部分は、少なくとも以下の前記機能層、すなわち、
前記医療器具の前記遠位端を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する絶縁層と、
少なくとも部分的に前記絶縁層に適用された導電性の第1コンダクタトラックと、
少なくとも部分的に前記絶縁層に適用された導電性の第2コンダクタトラックと、を備える、医療器具。
【請求項2】
前記第1電極層と前記第2電極層が異なる形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記第1電極層と前記第2電極層が、互いに独立して、ポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケール銀、および前述の導電性材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される導電性材料を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記第1電極層が導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属、または炭素を備え、前記第2電極層が導電性ポリマーを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項5】
前記導電性金属が銀であり、前記導電性ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする、請求項4に記載の医療器具。
【請求項6】
前記ピエゾ層が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロトリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CTFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CFE))、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸マグネシウム鉛(PMN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、および、前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項7】
前記第1コンダクタトラックおよび前記第2コンダクタトラックはそれぞれ、導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項8】
前記センサスタックは、前記第1部分の前記第1絶縁層と前記医療器具の表面との間、および/または前記第2部分の前記絶縁層と前記医療器具の表面との間に配置された接着層をさらに備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項9】
前記接着層が導電性金属、特に導電性でマイクロスケールの金属を備えることを特徴とする、請求項8に記載の医療器具。
【請求項10】
前記金属が銀であることを特徴とする、請求項7または9に記載の医療器具。
【請求項11】
前記第2部分は、前記センサスタックの層厚方向Dに関して、導電性の前記第1コンダクタトラックおよび導電性の前記第2コンダクタトラックの上方に適用された防食層をさらに備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項12】
前記防食層は、炭素、貴金属、特に金および/または白金、ならびに前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えることを特徴とする、請求項11に記載の医療器具。
【請求項13】
前記センサスタック、特に前記センサスタックの前記第1部分が、前記センサスタックの層厚方向Dに関して外側に配置された生体適合性キャッピング層を備えることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項14】
前記第1部分の電気絶縁性の前記第1絶縁層および電気絶縁性の前記第2絶縁層と、前記第2部分の電気絶縁性の前記絶縁層とが、互いに独立して、紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂、熱硬化性材料、プラスチック、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはポリエーテルイミド(PEI)、および前述の電気絶縁材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される電気絶縁材料を備えることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項15】
前記遮蔽層が、炭素、導電性ポリマー、特にポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリンまたはポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、導電性金属、特に金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケールの銀、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料、特に導電性材料を備えることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の医療器具を製造するための方法であって、
前記機能層が、前記医療器具の前記遠位端に適用され、特に印刷され、その過程において前記センサスタックを形成するか、または、
前記機能層が、キャリア層および/または補強層を用いて別個のセンサスタックとして製造され、別個に製造された前記センサスタックが、その後、前記医療器具の前記遠位端に適用され、前記キャリア層および/または前記補強層が、その過程において除去される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサスタックを有する医療器具およびそのような医療器具を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
測定された物理的変数を捕捉して変換するためのセンサユニットを備えたカテーテルの形態の医療器具は、例えばWO 2017/013224 A1から知られている。センサユニットは超音波トランスデューサの形態で具現化され、超音波に基づいて患者の体内でカテーテルの先端を位置決めする役割を果たし、これはトラッキングとも呼ばれる。センサユニットは、互いに積層された複数のフィルム状機能層から具現化されるため、センサスタックとも呼ばれる。この文脈では、センサスタックは、個々の機能層を層ごとに互いに接着接合することによって製造され、これは積層(laminating)とも呼ばれる。適用目的のために、積層されたセンサスタックは接着層を備え、カテーテル先端に巻かれ、接着層によってカテーテル先端に接着される。
【0003】
さらに、DE 10 2018 220 606 A1は、例えばカニューレとして設計可能な医療器具を開示しており、この医療器具は、遠位端において、測定された物理的変数を捕捉し、物理的変数を電気測定信号に変換するように構成されたセンサユニットを備える。
【0004】
センサユニットを備えた最新の医療器具のよくある欠点は、測定された変数の捕捉が不十分で、その結果、信号強度が低いことにあり、これにより、例えば、患者の体内で医療器具を目標領域までナビゲートすることがより困難になることである。さらに、原則として、対応するように設計された医療器具の製造には非常に時間とコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、医療器具および医療器具を製造するための方法を提供することにあり、特に、冒頭で述べた欠点を部分的または全面的に回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項1に記載の特徴を有する医療器具および請求項16に記載の方法によって達成される。本発明の好ましい構成は、従属請求項の主題である。すべての請求項の文言は、明示的な参照により本明細書の内容に組み込まれる。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、患者の体内に挿入するために提供される遠位端を有する医療器具に関する。特に、医療器具は、カテーテル、カニューレ、または患者の体内に少なくとも部分的に挿入するために提供される他の医療器具であり得る。従って、遠位端は、特に、カテーテル先端またはカニューレ先端とすることができる。
【0008】
医療器具は、遠位端に配置されるセンサユニットを備える。センサユニットは、測定された物理的変数を捕捉し、物理的変数を電気的測定信号に変換するように構成され、前記センサユニットは、層状に構成されたセンサスタックの形態である。例えば、センサスタックは、温度、静水圧、または治療的および/もしくは診断的に関心のある他の測定された物理的変数を捕捉するように構成され得る。好ましくは、センサスタック、特に第1部分のピエゾ層は、超音波パルスを捕捉して変換するように構成され、したがって、好ましくは超音波トランスデューサを形成する。
【0009】
センサスタックは、第1部分と第2部分を備える。第1部分は、本発明の意味においてセンサ部とも称することができる。第2部分は、本発明の意味において接触部とも呼ぶことができ、そこでは、センサスタックの第1部分に生じる電気信号は、送られ(タップされ)、または伝導させることができる。
【0010】
好適には、第1部分はセンサスタックの遠位部であり、第2部分はセンサスタックの近位部である。言い換えれば、センサスタックは、第1部分が医療器具の遠位端に遠位方向に配置され、第2部分が医療器具の遠位端に近位方向に配置されるように、医療器具上に配置され得る。
【0011】
さらに、第1部分および第2部分は、好ましくは連続して、特に直接連続して配置される。第1部分と第2部分とは、特に好ましくは、一体に連続して具現化される。あるいは、第1部分と第2部分とは、互いに別個に具現化することができ、互いに接続、特に一体に接着することができる。
【0012】
特に、センサスタックは、第1部分と第2部分とからなり得る。
【0013】
好ましくは、センサスタックは、印刷法、特にオフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、エアロゾルジェット印刷、吹き付け塗布またはディップ塗布によって製造される。
【0014】
センサスタックの第1部分および第2部分はそれぞれ、一方が他方の上に配置された複数の機能層、特に他方の上に直接または直接ではない方法で配置された複数の機能層から構成される。機能層は、少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に互いを覆うように、層状に互いに適用され、特に印刷される。
【0015】
第1部分は、少なくとも以下の機能層、すなわち、
医療器具の遠位端を少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的または連続的に覆い、電気的に絶縁する第1絶縁層と、
導電性の第1電極層であって、第1絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された第1電極層と、
圧電活性を有するピエゾ層であって、第1電極層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷されたピエゾ層と、
導電性の第2電極層であって、ピエゾ層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された第2電極層と、
電気絶縁性の第2絶縁層であって、第2電極層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された第2絶縁層と、
遮蔽層であって、第2絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された遮蔽層と、を備える。
【0016】
この場合、第1絶縁層は、医療器具の遠位端を直接覆うことも、直接覆わないこともできる。
【0017】
さらに、第1電極層は、第1絶縁層に直接的または直接的でなく適用できるか、特に印刷でき、および/または、ピエゾ層は、第1電極層に直接的にまたは直接的でなく適用できるか、特に印刷でき、および/または、第2電極層は、ピエゾ層に直接的にまたは直接的でなく適用できるか、特に印刷でき、および/または、第2絶縁層は、第2電極層に直接的または直接的でなく適用できるか、特に印刷でき、および/または、遮蔽層は、第2絶縁層に直接的または直接的でなく適用できるか、特に印刷できる。
【0018】
第2部分は、少なくとも以下の機能層、すなわち、
絶縁層であって、医療器具の遠位端を少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的または連続的に覆い、電気的に絶縁する絶縁層と、
導電性の第1コンダクタトラック(conductor track)であって、絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された第1コンダクタトラックと、
導電性の第2コンダクタトラックであって、絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された第2コンダクタトラックと、を備える。
【0019】
この場合、絶縁層は医療器具の遠位端を直接的にまたは直接的でなく覆うこともできる。
【0020】
さらに、第1コンダクタトラックは、絶縁層に直接的にまたは直接的でなく、適用され、特に印刷されることができ、および/または、第2コンダクタトラックは、電気的に絶縁する絶縁層に直接的または直接的でなく、適用され、特に印刷されることができる。好ましくは、第1コンダクタトラックと第2コンダクタトラックは絶縁層の異なる部分に適用、特に印刷される。
【0021】
本発明の意味において、「遠位」という用語は、医療器具を意図通りに使用している人、特に医師の身体中心からより離れた位置にあることを意味すると理解されるべきである。
【0022】
本発明の意味において、「近位」という用語は、医療器具を意図通りに使用している人、特に医師の身体中心に近い位置にあることを意味すると理解されるべきである。
【0023】
本発明の意味において、「センサスタック」という用語は、複数の機能層の層毎に構成され、特にフィルムまたは箔として具現化されたセンサユニットを意味すると理解されるべきである。
【0024】
本発明の意味において、「圧電活性(を有する)ピエゾ層」という用語は、機械的圧力の作用下で電圧が生じる(圧電効果)層を意味すると理解されるべきである。
【0025】
遮蔽層は、好ましくは、センサスタックの残りの機能層、特に第1部分、好ましくはピエゾ層を電界および/または磁界から遮蔽する役割を果たす。このような電界や磁界は、測定された変数を捕捉するとき、および/または、測定された変数を変換するとき、および/または、測定された変数を伝導するときに、誤差につながる可能性がある。遮蔽層は、可能な限り誤差のないセンサスタックの機能を可能にする。
【0026】
第2部分の第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックは、第1部分、特に第1部分のピエゾ層からの電気測定信号を医療器具の近位端の方向に伝導させる役割を果たす。この近位端から進んで、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックは、第1部分、特に第1部分のピエゾ層からの電気的測定信号を評価する目的で、評価ユニットと電気的に導通可能または接触可能である。
【0027】
さらに好ましくは、第1部分の第1絶縁層と第2部分の絶縁層は同じ実施形態を有する。特に、第1部分の第1絶縁層と第2部分の絶縁層とは、連続して一体に具現化される。あるいは、第1部分の第1絶縁層と第2部分の絶縁層は、互いに別個に具現化することができ、互いに接続、特に一体に接着することができる。
【0028】
センサスタックの第2部分は、好ましくは、更なる絶縁層、特に第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックに適用された、特に印刷された更なる絶縁層がなく、電気的に遮蔽する遮蔽層がない。言い換えれば、第2部分の第1コンダクタトラックと第2コンダクタトラックは、それぞれ好ましくは、露出したコンダクタトラックである。有利には、これにより、例えば、センサスタックからの測定信号を増幅するように構成された増幅ユニット、および/または、特に増幅ユニットの下流に配置され、電気測定信号を評価するように構成された評価ユニットとの接触をもたらすことができる。
【0029】
さらに好ましくは、第1部分の第1電極層および第2部分の第1コンダクタトラックは、連続して一体に具現化される。第1電極層と第1コンダクタトラックの一体型実施形態は、原理的に、センサスタックの第1部分で生じる電気信号をより迅速にタップできる点で有利である。
【0030】
あるいは、第1電極層は、第1コンダクタトラックとは別に適用、特に印刷することができ、後者(第1コンダクタトラック)と電気的に接触させることができる。
【0031】
さらに、第1部分の第2電極層および第2部分の第2コンダクタトラックは、好ましくは、一体に連続して具現化される。第2電極層と第2コンダクタトラックの一体的な実施形態は、原理的に、センサスタックの第1部分で生じる電気信号をより迅速にタップできるという点で(同様に)有利である。
【0032】
あるいは、第2の電極層は、第2コンダクタトラックとは別に適用、特に印刷し、後者(第2コンダクタトラック)と電気的に接触させることができる。
【0033】
第1部分および/または第2部分の互いに独立している機能層は、1μm~30μm、特に0.5μm~20μm、好ましくは1μm~10μmの層厚を有することができる。
【0034】
本発明の構成において、第1電極層および第2電極層は、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、異なるように具現化される。
【0035】
あるいは、第1電極層および第2電極層は、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、同じように具現化することができる。
【0036】
さらに、第1電極層、特に第1電極層のみを、一体に連続して具現化することも、または互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。さらに、第2の電極層、特に第2の電極層のみを、一体に連続して具現化することも、または、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0037】
さらに、第1電極層は、一体に連続して具現化することができ、第2電極層は、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することができる。あるいは、第1電極層は、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することができ、第2電極層は、一体に連続して具現化することができる。あるいは、第1電極層および第2電極層はそれぞれ、一体に連続して具現化することもでき、またはそれぞれ、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0038】
さらに、第1電極層は、0.1μm~30μm、特に0.5μm~10μm、好ましくは1μm~2μmの層厚を有することができる。第2の電極層はさらに、0.1μm~30μm、特に0.5μm~10μm、好ましくは1μm~2μmの層厚を有することができる。
【0039】
原則として、導電性材料であれば、第1電極層および第2電極層に適している。
【0040】
好ましくは、第1電極層および第2電極層はそれぞれ、印刷可能な導電性材料を備えるか、または好ましくはそれぞれそのような材料からなる。特に、2つの電極層の少なくとも一方は、非常に微細に構造化できる、特にマイクロメートルの範囲で構造化でき、例えば100μmの線幅で構造化できる材料を備えるか、またはそのような材料からなる。
【0041】
さらに好ましくは、第1電極層および第2電極層は、互いに独立して、導電性材料を備えるか、または導電性材料からなり、導電性材料は、導電性ポリマー、導電性金属、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。適切な導電性ポリマーおよび導電性金属に関しては、以下の説明を参照されたい。第1電極層および/または第2電極層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、第1電極層および/または第2電極層のそれぞれの層部分は、互いに独立して、導電性材料を備え得るか、前述の群から選択される導電性材料からなり得る。
【0042】
本発明のさらなる構成において、第1電極層および第2電極層は、互いに独立して、ポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケール銀および/またはマイクロスケール銀、ならびに前述の導電性材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される導電性材料を備えるか、からなる。
【0043】
本発明のさらなる構成において、第1電極層は導電性金属、特に導電性かつナノスケールの金属および/または導電性かつマイクロスケールの金属、または炭素を備え、第2電極層は導電性ポリマーを備え、またはその逆である。あるいは、第1電極層と第2電極層は、それぞれの前述の導電性材料からなることもできる。特に、導電性金属は、銀、好ましくはナノスケールの銀および/またはマイクロスケールの銀、金、白金、インジウム、スズ、銅、および前述の導電性金属の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択することができる。特に、導電性ポリマーは、ポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリン、および前述の導電性ポリマーの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0044】
本発明の意味において、「ナノスケール金属」という用語は、粒子直径、特に平均粒子直径が1nm~1000nm、特に10nm~500nm、特に好ましくは50nm~250nmの金属を意味すると理解されるべきである。
【0045】
本発明の意味において、「マイクロスケール金属」という用語は、粒子直径、特に平均粒子直径が1μm~100μm、特に3μm~50μm、特に5μm~30μmの金属を意味すると理解されるべきである。
【0046】
特に、第1電極層および/または第2電極層は、ナノスケール金属および/またはマイクロスケール金属を含むペーストから製造することができる。
【0047】
本発明のさらなる構成において、導電性金属、特に導電性かつナノスケールの金属および/または導電性かつマイクロスケールの金属は銀であり、導電性ポリマーはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である。
【0048】
すなわち、本発明のさらなる構成において、第1電極層は銀、特にナノスケールの銀および/またはマイクロスケールの銀を備え、第2電極層はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を備えるか、またはその逆である。特に、電極層はそれぞれの前述の材料からなり得る。銀、特にナノスケールの銀の使用は、例えばスクリーン印刷によって、特に微細な構造で適用、特に印刷することができるという点で有利である。例えば、銀は0.5μm~30μm、特に1μm~20μm、特に5μm~15μmの直径、特に平均直径を有することができる。ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を使用することにより、特に、第1電極層と第2電極層との間に位置するピエゾ層における高電圧分極中に破裂が生じることを有利に回避することが可能となる。
【0049】
さらに、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を有するかまたはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)製の電極層は、有利には、電気的破裂の場合に、生じる熱の発生を理由に、層が影響を受けた位置でそれ自体を再密封することによる自己回復効果を有する。さらに、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)の滑らかな表面は、電気的故障の防止に関してもプラスの効果をもたらす。全体として、これは結果的に電極層間の永久的な短絡のリスクを排除することができる。
【0050】
ピエゾ層は、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0051】
さらに、ピエゾ層は0.5μm~30μm、特に1μm~20μm、好ましくは1μm~10μmの層厚を有することができる。
【0052】
さらに、原則として、すべてのピエゾ抵抗性材料、特にピエゾ抵抗性ポリマー、ピエゾ抵抗性セラミックおよびそれらの組み合わせが、ピエゾ層のために考慮される。ピエゾ抵抗性ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマー、特にバイポリマーおよび/またはターポリマーとすることができ、特に以下に説明するようなものとすることができる。
【0053】
発明のさらなる構成においては、ピエゾ層が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロトリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CTFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CFE))、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸マグネシウム鉛(PMN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、又は、当該材料からなる。ピエゾ層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、層部分は、互いに独立して、前述の群から選択される材料を備え得るか、または当該材料からなり得る。
【0054】
好ましくは、ピエゾ層はポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))を備えるか、またはポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))からなる。
【0055】
さらに、ピエゾ層は、医療器具の遠位端の円周方向に連続的に適用、特に印刷することができる。対照的に、残りの機能層は、医療器具の遠位端に部分的にのみ適用、特に印刷することができる。有利なことに、これにより、円周方向における測定変数の均一な捕捉が可能になる。その結果、測定変数の捕捉は、例えば超音波源に対する医療器具の遠位端の角度アライメント(位置が合うこと)に依存しない。その結果、さらに改善された測定変数の捕捉を得ることができ、特に、医療器具の改善された位置特定、例えば超音波ベースの位置特定を得ることができる。
【0056】
さらに、第1コンダクタトラック、特に第1コンダクタトラックのみを、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することもできる。さらに、第2コンダクタトラック、特に第2コンダクタトラックのみを、一体に連続して、または互いに別個に具現化された層部分の形態で具現化することができる。
【0057】
さらに、第1コンダクタトラックは、一体に連続して具現化することができ、第2コンダクタトラックは、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができる。あるいは、第1コンダクタトラックは、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができ、第2コンダクタトラックは、一体に連続して具現化することができる。あるいは、第1コンダクタトラックと第2コンダクタトラックはそれぞれ、一体に連続して具現化することができ、あるいはそれぞれ、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができる。
【0058】
さらに、第1コンダクタトラックは、0.1μm~30μm、特に0.5μm~10μm、好ましくは1μm~2μmの層厚を有することができる。第2コンダクタトラックはさらに、0.1μm~30μm、特に0.5μm~10μm、好ましくは1μm~2μmの層厚を有することができる。
【0059】
さらに、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックは、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、異なるように具現化することができる。
【0060】
あるいは、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックは、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、同じように具現化することができる。
【0061】
原則として、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックには、どのような導電性材料も適している。しかし、電気抵抗率ができるだけ低く、ある程度の可撓性を有し、特に第2部分の絶縁層に良好な接着性を有する導電材料が好ましい。
【0062】
本発明のさらなる構成では、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックはそれぞれ、導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属および/または導電性でマイクロスケールの金属を備える。特に、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックはそれぞれ、そのような金属からなり得る。
【0063】
好ましくは、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックは、互いに独立して、導電性金属、特に銀、好ましくはナノスケールの銀および/またはマイクロスケールの銀、金、白金、インジウム、スズ、銅、または前述の金属の少なくとも2つの組み合わせを備える。第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックが、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックの互いに独立したそれぞれの層部分は、前述の群から選択される材料を備え得るか、または材料からなり得る。
【0064】
好ましくは、第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックは、銀、特にナノスケールの銀を備える。特に、第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックは、銀、特にナノスケールの銀からなり得る。好ましくは、銀は、1nm~1000nm、特に10nm~500nm、より好ましくは50nm~250nmの直径、特に平均直径を有する。これに対応して具現化されたコンダクタトラックは、有利なことに、脆さが減少し、柔軟性または可撓性が増大する。さらなる利点は、銀の場合、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックが、センサスタックの層厚方向Dに関してコンダクタトラックの下方に位置する機能層、特に絶縁層によりよく接着するという事実にある。
【0065】
本発明のさらなる構成において、センサスタック、特にセンサスタックの第1部分および/または第2部分は、接着層をさらに備える。接着層は、好ましくは、センサスタックを医療器具に、特に接着剤による接着によって一体に接着する役割を果たす。好ましくは、接着層は、特に直接または直接でなく、第1部分の第1絶縁層と医療器具の表面との間、および/または、特に直接または直接でなく、第2部分の絶縁層と医療器具の表面との間に配置される。
【0066】
特に、センサスタックの第1部分は、第1絶縁層と医療器具の表面との間に、特に直接または直接でなく配置される接着層を備えることができる。
【0067】
好ましくは、接着層は、特に、センサスタックの層厚方向Dに関して、第1部分の第1絶縁層の下に直接または直接でなく配置される。
【0068】
さらに好ましくは、第1部分の接着層は、医療器具に直接適用され、特に印刷される。
【0069】
さらに、特にセンサスタックの第2部分が(もまた)、特に絶縁層と医療器具の表面との間に直接または直接でなく配置される接着層を備えることができる。
【0070】
好ましくは、接着層は、センサスタックの層厚方向Dに関して第2部分の絶縁層の下に、特に直接または直接でなく配置される。
【0071】
さらに好ましくは、第2部分の接着層は(もまた)、医療器具に直接適用され、特に印刷される。
【0072】
さらに、前の段落に記載された接着層は、一体に連続して具現化され得るか、または互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化され得る。
【0073】
さらに、第1部分の接着層、特に第1部分のみの接着層は、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することもできる。さらに、接着層、特に第2部分のみの接着層は、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0074】
さらに、第1部分の接着層は、一体に連続して具現化することができ、第2部分の接着層は、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができる。あるいは、第1部分の接着層は、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができ、第2部分の接着層は、一体に連続して具現化することができる。あるいは、第1部分の接着層および第2部分の接着層はそれぞれ、一体に連続して具現化され得るか、またはそれぞれ、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化され得る。
【0075】
さらに、第1部分の接着層および第2部分の接着層は、一体に連続して具現化することができる。
【0076】
あるいは、第1部分の接着層は、第2部分の接着層とは別に適用、特に印刷することができ、第2部分の接着層に一体に接着することができる。
【0077】
さらに、特に第1部分および/または第2部分の接着層は、1μm~50μm、特に2μm~30μm、特に好ましくは5μm~15μmの層厚を有することができる。
【0078】
本発明のさらなる構成において、接着層、特にセンサスタックの第1部分および/または第2部分の接着層は、導電性金属、特に導電性かつマイクロスケールの金属を備える。好ましくは、金属は、銀、金、白金、インジウム、スズ、銅、および前述の金属の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される。接着層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、互いに独立した層部分は、金属を備え得るか、または前述の群から選択される金属からなり得る。
【0079】
本発明のさらなる構成において、接着層、特に第1部分および/または第2部分の金属は銀、特にマイクロスケールの銀である。好ましくは、銀は0.5μm~30μm、特に1μm~20μm、より好ましくは5μm~15μmの直径、特に平均直径を有する。相応に構成された接着層は、有利なことに、脆さが減少し、柔軟性または可撓性が増加することによって区別される。
【0080】
本発明のさらなる構成において、センサスタック、特にセンサスタックの第1部分および/または第2部分、好ましくは第2部分は、防食層をさらに備える。これにより、信号伝達の間、特に他の材料との接触領域において、コンダクタトラックの腐食からの保護を有利に確保することができ、長期的に一定の電気伝達抵抗および低い接触抵抗を保護することができる。
【0081】
好ましくは、防食層は、センサスタックの層厚方向Dに関して、第1コンダクタトラックおよび第2コンダクタトラックの上方に、特に直接的に、または直接的でなく適用され、特に印刷される。
【0082】
防食層は、一体に連続して具現化することができる。あるいは、防食層は、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することができる。
【0083】
さらに、防食層は、0.5μm~30μm、特に1μm~20μm、好ましくは2μm~10μmの層厚を有することができる。
【0084】
原則的に、非腐食性で導電性の材料はすべて防食層に適している。
【0085】
本発明のさらなる実施形態では、防食層は、炭素、貴金属、特に金および/または白金、ならびに前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、またはこれらの材料からなる。防食層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、層部分は、互いに独立して、前述の群から選択される材料を備え得るか、または材料からなり得る。
【0086】
好ましくは、防食層は導電性炭素を備える。特に、防食層は導電性炭素からなり得る。炭素は、腐食を回避し、したがって経時的に一定である電気伝達抵抗を確保する点で、特に有利であることが見出された。さらに、炭素は、例えば、前述の貴金属よりも柔らかく、従って、接点によりよく密着することができる。
【0087】
本発明のさらなる構成では、センサスタック、特にセンサスタックの第1部分および/または第2部分、特に第1部分のみが、生体適合性のキャッピング層を備える。好適には、キャッピング層は、センサスタックの層厚方向Dに関して外側に配置される。好適には、キャッピング層は、センサスタックの層厚方向Dに関して、遮蔽層の上に、特に直接または直接でなくとも、適用され、特に印刷される。従って、生体適合性キャッピング層は、好ましくは、センサスタックの(終端)外層、特にセンサスタックの第1部分の(終端)外層を形成することができる。
【0088】
残りの機能層と患者の身体との直接接触は、生体適合性キャッピング層によって有利に防止される。これにより、起こり得る望ましくない化学的および/または生物学的相互作用が抑制され、したがって患者の健康に悪影響を及ぼす可能性が抑制される。
【0089】
生体適合性キャッピング層は、一体に連続して具現化することができる。あるいは、生体適合性キャッピング層は、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化され得る。
【0090】
さらに、生体適合性キャッピング層は、1μm~30μm、特に2μm~20μm、特に好ましくは5μm~15μmの層厚を有することができる。
【0091】
原則として、すべての生体適合性材料、特に電気絶縁性材料が生体適合性キャッピング層に適している。好ましくは、生体適合性キャッピング層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テフロン(登録商標)(PTFE)ポリエステル、パリレン、ポリエステル、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、またはこれらの材料からなる。キャッピング層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、層部分は、互いに独立して、前述の群から選択される材料を備え得るか、または材料からなり得る。
【0092】
センサスタックの第1部分の第1絶縁層は、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0093】
さらに、センサスタックの第1部分の第1絶縁層および/または第2部分の絶縁層は、1μm~50μm、特に2μm~30μm、特に好ましくは4μm~20μmの層厚を有することができる。
【0094】
さらに、センサスタックの第1部分の第2絶縁層は、一体に連続して具現化され得るか、または互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化され得る。
【0095】
さらに、第1部分の第2絶縁層は、1μm~50μm、特に5μm~40μm、特に好ましくは10μm~30μmの層厚を有することができる。
【0096】
さらに、センサスタックの第2部分の絶縁層は、一体に連続して具現化することも、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0097】
さらに、第2部分の絶縁層は、1μm~50μm、特に5μm~40μm、特に好ましくは10μm~30μmの層厚を有することができる。
【0098】
さらに、第1部分の第1絶縁層および第2絶縁層と、第2部分の絶縁層とは、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、異なるように具現化することができる。
【0099】
あるいは、第1部分の第1絶縁層および第2絶縁層と、第2部分の絶縁層とは、特に少なくとも部分的に、例えば部分的にのみまたは全体的に、同一に具現化することができる。
【0100】
原則として、第1部分の第1絶縁層および第2絶縁層と、第2部分の絶縁層には、すべての非導電性材料が適している。特に、この場合の非導電性材料は紫外線硬化材料および/または熱硬化材料があり得る。
【0101】
これらの材料は迅速に硬化するため、センサスタック、特に医療器具の製造に必要な時間を短縮できるという利点がある。
【0102】
本発明のさらなる構成においては、第1部分の第1絶縁層および第2絶縁層および第2部分の絶縁層が、互いに独立して、紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂、熱硬化性材料、特に前述したもの、すなわち、樹脂またはポリエステル、プラスチック、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはポリエーテルイミド(PEI)、および前述の電気絶縁材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される電気絶縁性材料を備える。第1部分の第1絶縁層および/または第2絶縁層および/または第2部分の絶縁層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、第1部分の第1絶縁層および/または第2絶縁層、および/または第2部分の絶縁層のそれぞれの層部分は、互いに独立して、前述の群から選択される材料を備え得るか、または材料からなり得る。
【0103】
好ましくは、第1部分の第1絶縁層および第2部分の絶縁層は、少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、同じ材料を備えるかまたは同じ材料からなる。好ましくは、材料はポリエチレンナフタレート(PEN)である。その結果、印刷工程において、高い耐熱性と、特に良好な密着性が有利に得られる。代替と考えられる材料に関しては、絶縁層に関して上記した説明を参照されたい。
【0104】
さらに、第1部分の第2絶縁層および/または第2部分の絶縁層は、好ましくは、紫外線硬化材料、好ましくはポリエステル樹脂を備えるか、またはそのような材料からなる。
【0105】
第1部分の第2絶縁層および/または第2部分の絶縁層の実施形態に紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂を使用することは、容量効果を低減し、機能層、特に電極層およびコンダクタトラックを破損から保護することに関して特に有利であることが判明した。このことは、特に医療器具の曲面への適用中に、機能層、特に電極層および/またはコンダクタトラックの完全性を失うことなく、センサユニットを曲げることを有利に可能にする。さらなる利点は、直接隣接する機能層、特に第1部分の遮蔽層に対する接着効果の向上である。さらに、紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂は、適用、特に印刷後に直接、下層の機能層との相互作用を引き起こさないため、センサの特性に悪影響を及ぼさない。
【0106】
さらに、第1部分の第2絶縁層は、遮蔽層と第1部分の電極層、特に第2電極層との間の電気絶縁層として機能する。特に有利には、遮蔽層と電極層との間の距離、可能な静電容量およびセンサユニットのサイズは、第1部分の第2絶縁層の厚さによって意図的に影響を受けることができる。
【0107】
例えば、第1部分の第2絶縁層は、1μm~50μm、特に5μm~40μm、好ましくは10μm~30μmの層厚を有することができる。
【0108】
さらに、第2絶縁層は、一体に連続する層として、または複数の部分層、例えば、互いに別個に具現化される2つまたは3つの部分層の形態で具現化することができる。
【0109】
遮蔽層は、一体に連続して具現化することもできるし、互いに別個に具現化された複数の層部分の形態で具現化することもできる。
【0110】
原理的には、全ての導電性材料が電気的に遮蔽する遮蔽層に適している。しかし、電気抵抗率ができるだけ低く、密着性の良い導電性材料が好ましい。
【0111】
本発明のさらなる構成において、遮蔽層は、炭素、導電性ポリマー、特にポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリンまたはポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、導電性金属、特に金、白金、インジウム、スズ、銅、または銀、好ましくはナノスケールの銀、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせ、特に導電性材料の少なくとも2つの組み合わせ、からなる群から選択される材料、特に導電性材料を備えるか、またはその材料からなる。遮蔽層が、互いに別個に具現化される複数の層部分の形態で具現化される場合、層部分は、前述の群から選択される材料を備え得るか、または材料からなり得る。
【0112】
好ましくは、遮蔽層は導電性金属、特に銀を備える。
【0113】
さらに、少なくとも1つの第2の適用された、特に印刷されたセンサスタックが、医療器具の遠位端に設けられてもよく、第2のセンサスタックは、遠位端の長手方向において前記センサスタックから距離を置いて配置される。好ましくは、第2のセンサスタックは前記センサスタックと同一の構造を有する。
【0114】
第2のセンサスタックが長手方向に間隔をあけて配置された結果、遠位端の位置だけでなく、特に既存の超音波場との関連において、その角度アライメントも確定することが可能になる。その結果、有利なことに、遠位端の位置を特定するだけでなく、アライメントを特定することも可能であり、アライメントの特定は特に、患者の体内における医療器具の遠位端の送り方向について結論を導き出すことを可能にする。第2のセンサスタックは、別個に形成することができ、特に印刷することができ、その後、医療器具の遠位端に適用することができ、特に印刷することができる。あるいは、第2のセンサスタックは、遠位端に直接、特に直接印刷することができる。第2のセンサスタックの機能層(それらの配置を含む)を考慮して、(第1の)センサスタックの関連開示が参照されるが、繰り返しを避けるため、これは第2のセンサスタックに対応して適用される。
【0115】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による医療器具を製造するための方法に関し、機能層は、センサスタックを形成する間、その過程において、医療器具の遠位端に適用され、特に印刷される。
【0116】
医療器具の遠位端に機能層を適用、特に印刷することにより、特に、遠位端における別途製造されたセンサスタックの複雑な位置決めや、遠位端とセンサスタックとの間の接合部の別途製造を省略することが可能になる。その代わりに、センサスタックの機能層は、医療器具の遠位端の壁部に直接適用される、特に直接印刷される。さらに、その結果、センサスタックと壁部との間の空気の混入を防止することができる。これは、医療器具の遠位端に対するセンサスタックの確実な接続の観点からも、センサスタックの測定感度の観点からも有利である。
【0117】
医療器具への機能層の適用、特に医療器具への機能層の印刷に関して、キャリア層および/または補強層の使用が不要であることも有利である。その代わりに、センサスタックの層厚方向Dに関して第1機能層、特に第1および/または第2部分の接着層、あるいは第1部分の第1絶縁層および/または第2部分の絶縁層が医療器具に適用され、特に印刷され、その後、すべてのさらなる機能層がこの第1機能層に適用され、特に印刷される。
【0118】
好ましくは、センサスタックは印刷法、特にスクリーン印刷によって具現化される。スクリーン印刷は、低コストで良好な長期プロセス安定性を提供するという利点がある。スクリーン印刷法の代替として、センサスタックは他の印刷法、例えばオフセット印刷、インクジェット印刷、エアロゾルジェット印刷、吹き付け塗布またはディップ塗布によって具現化することもできる。
【0119】
さらに、センサスタックの第1電極層および/または第2電極層は、金属含有ペースト、特にナノスケール金属、好ましくはナノスケール銀、および/またはマイクロスケール金属、好ましくはマイクロスケール銀を含むペーストから製造することができる。あるいは、第1電極層および/または第2電極層を具現化する目的で、導電性金属、例えば金、白金、インジウム、スズまたは銅をフィルムに適用することもできる。
【0120】
さらに、センサスタックの第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックは、金属含有ペースト、特にナノスケール金属、好ましくはナノスケール銀、および/またはマイクロスケール金属、好ましくはマイクロスケール銀を含むペーストから製造することができる。
【0121】
あるいは、導電性金属、例えば金、白金、インジウム、スズまたは銅をフィルムに適用し、第1電極層および/または第2電極層および/または第1コンダクタトラックおよび/または第2コンダクタトラックを具現化する目的で、構造化および/またはエッチングすることで適切な線幅に成形することができる。続いて、さらなる機能層を適用することができ、特に印刷することができ、または薄膜技術(蒸着またはスパッタリング)によって適用することができる。
【0122】
本方法のさらなる特徴および利点、特に医療器具、センサスタックおよび機能層に関する特徴および利点に関しては、本発明の第1の態様の範囲内で与えられた説明を全面的に参照されたい。特に医療器具、センサスタックおよび機能層に関連して、そこで説明された特徴および利点は、本発明の第2の態様による方法にも同様に適用される。
【0123】
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による医療器具を製造するための方法に関し、機能層は、キャリア層および/または補強層を使用して別個のセンサスタックとして製造され、別個に製造されたセンサスタックは、その後、医療器具の遠位端に適用され、特に印刷され、キャリア層および/または補強層は、その過程において除去される。
【0124】
本発明の意味において、「キャリア層」という用語は、好ましくはキャリア層の機能層側とは反対側に適用される接着層を除いて、さらなる全ての機能層が適用される層を意味すると理解されるべきである。キャリア層は、本発明の意味において、基材層とも呼ばれ得る。キャリア層は、好ましくはフィルムのように設計される。好ましくは、キャリア層は、その上に印刷を可能にし、特に、有意な量の収縮なしに乾燥工程における温度に耐えるように具現化される。特に、キャリア層は、10μm~500μm、特に20μm~250μm、好ましくは50μm~150μmの層厚を有することができる。
【0125】
補強層は、本発明の意味においてライナー層とも呼ばれ得る。補強層は好ましくはフィルムのように設計される。さらに好ましくは、補強層は基材層よりも厚い層厚を有する。特に、補強層は、キャリア層の層厚よりも少なくとも2倍大きい層厚を有することができる。例えば、補強層は、10μm~500μm、特に20μm~250μm、好ましくは50μm~150μmの層厚を有することができる。その結果、構造体全体に、例えばスクリーン印刷プロセスの範囲内で加工可能であるために必要な剛性が有利に提供される。さらに、補強層は、特に、キャリア層の裏面に適用された接着層を覆うことができ、それによって、基材層の不要な接着結合を防止することができる。
【0126】
補強層は、例えばシリコーンでコーティングしてもよい。これにより、補強層とキャリア層との間の永久的な接着結合を有利に防止することができる。
【0127】
原則として、キャリア層と補強層は、異なる材料を備えてもよいし、異なる材料からなってもよい。
【0128】
しかし、好ましくは、キャリア層と補強層は同じ材料を備えるか、同じ材料からなる。特に、キャリア層の材料は、補強層の材料と同じ熱膨張係数を有する。
【0129】
特に、キャリア層の材料は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、および前述のポリマーの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0130】
特に、補強層の材料は、紙、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、および前述のポリマーの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0131】
ポリエチレンナフタレート(PEN)は、キャリア層および補強層の材料として特に好ましい。あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)がキャリア層および補強層の材料として好ましい。
【0132】
好適には、本発明の第1の態様の範囲内で詳細に説明した接着層は、キャリア層および/または補強層の除去によって露出される。
【0133】
特に医療器具、センサスタックおよび機能層に関連する、本方法のさらなる特徴および利点に関しては、本発明の第1および第2の態様の範囲内で与えられた説明を全面的に参照する。特に医療器具、センサスタックおよび機能層に関連して、そこで説明された特徴および利点は、本発明の第3の態様による方法にも同様に適用される。
【0134】
第4の態様よれば、本発明はセンサユニットに関する。
【0135】
センサユニットは、測定された物理的変数を捕捉し、測定された物理的変数を電気測定信号に変換するように構成され、前記センサユニットは、第1部分と第2部分とを有し、層状に構成されたセンサスタックの形態である。
【0136】
第1部分および第2部分は、それぞれ、1つが他の上に、特に直接的にまたは直接的でなく互いの上に配置される複数の機能層を備える。
【0137】
機能層は、少なくとも部分的に互いを覆うように、層状に互いに適用され、特に印刷される。
【0138】
第1部分は、少なくとも以下の機能層、すなわち、
医療器具の遠位端を少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に覆って電気的に絶縁する第1絶縁層と、
第1絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された導電性の第1電極層と、
第1電極層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された圧電活性のピエゾ層と、
ピエゾ層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された導電性の第2電極層と、
第2電極層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された電気絶縁性の第2絶縁層と、
第2絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された電気遮蔽性の遮蔽層と、を備える。
【0139】
第2部分は、少なくとも以下の機能層、すなわち、
医療器具の遠位端を少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的または連続的に覆って電気的に絶縁する絶縁層と、
絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された導電性の第1コンダクタトラックと、
絶縁層に少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは全体的に、すなわち全体的にまたは連続的に適用され、特に印刷された導電性の第2コンダクタトラックと、を備える。
【0140】
センサユニットの更なる特徴および利点に関しては、特に本発明の第1の態様に関して、上記の説明の範囲内で与えられた説明を全面的に参照する。センサユニットに関連してそこで説明された特徴および利点は、本発明の第4の態様によるセンサユニットにも同様に適用される。
【0141】
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲および図面を用いて模式的に示される本発明の好ましい例示的な実施形態の以下の説明から現れる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【
図1】本発明による医療器具の実施形態の、遠位端の領域における模式的な部分切断斜視図。
【
図2】
図1による切断線II-IIに沿った、
図1による医療器具の模式的に簡略化した断面図。
【
図3】
図1および
図2による医療器具を部分的に切断して模式的に簡略化した、遠位端の領域における縦断面図。
【
図4】
図1から
図3による医療器具のセンサスタックの第1部分の模式図。
【
図5】
図1から
図3による医療器具のセンサスタックの第2部分の模式図。
【
図6】基本構造を明らかにする目的で、個々の構成要素が概略的にかなり簡略化されて描かれている、本発明による医療器具のさらなる実施形態の一部を切断した模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0143】
図1は、例えばカニューレの形態の医療器具1を模式的に示している。医療器具のうち、患者の体内に挿入するために設けられた遠位端の領域のみが見える。例えば、遠位端2は、端面において、原理的に公知の方法で具現化され、斜めに削られた穿刺部3を備えるカニューレ先端部とすることができる。ここでは見えない近位端は、原理的に公知の構造を有する。医療器具1は、測定された物理的変量を捕捉し、これを電気的測定信号に変換するように構成されたセンサユニット4を備える。センサユニット4は遠位端2に配置され、特に
図1から
図3に基づいて、模式的にかなり簡略化して描かれている。
【0144】
好ましくは、センサユニット4は、まだ詳細に説明されていないように、超音波トランスデューサの形態で具現化され、患者の体内における医療器具1の先端部2の超音波ベースの位置特定を可能にする。これにより、医療スタッフは、治療および/または診断方法中に患者の体内で先端部2をナビゲートすることができ、この目的に適した超音波ベースの方法は、原則的に知られており、トラッキングとも呼ばれる。従って、このようなトラッキングについては、ここでさらに詳細に説明する必要はない。
【0145】
センサユニットは、1層ずつ構築されたセンサスタック4の形態で具現化される。センサスタック4は、第1部分4aと第2部分4bとを備える。センサ部分とも呼ばれ得る部分4aは、好ましくは、センサスタック4の遠位部を形成する。接触部分とも呼ばれ得る部分4bは、好ましくは、センサスタック4の近位部を形成する。
【0146】
さらに、第1部分4aおよび第2部分4bは、好ましくは連続して、特に直接連続して配置される。特に好ましくは、第1部分4aおよび第2部分4bは、連続して一体に具現化される。あるいは、第1部分4aおよび第2部分4bは、互いに別個に具現化することができ、互いに接続、特に一体に接着することができる。
【0147】
部分4aおよび部分4bはそれぞれ、一方が他方の上に配置された複数の機能層を備える(
図4および
図5参照)。この場合、機能層は、少なくとも部分的に互いに覆い合うように、層状に互いに適用、特に印刷される。この場合、センサスタック4は、好ましくは印刷法によって製造される。例えば、スクリーン印刷技術、インクジェット印刷技術、ディスペンサー印刷(dispensing printing)技術および/またはブロック印刷技術が、センサスタック4を製造するための印刷方法として考えられる。まだ詳細に説明されていないセンサスタック4の個々の機能層を具現化するために、適切な電気的および/または電子的機能特性を有する材料が、最初は液体および/またはペースト状であるが、印刷法によって印刷される。機能層は縮尺通りに描かれていない。適切な層厚に関しては、一般的な説明を参照されたい。適切な層厚を実現するために、機能層の1つを形成するために、個々の材料を互いに複数回印刷することができる。
【0148】
この場合、センサスタック4は、
図1から
図5による実施形態では、遠位端2の壁部5に直接適用され、特に直接印刷され、その結果、遠位端2に確実に接続される。その結果、特に、前の段階で別個に製造されたセンサスタックを別個に適用することなく管理することが可能になり、医療器具1の製造が著しく容易になる。さらに、壁部5とセンサスタック4との間に、例えば従来接着剤でセンサスタックを接着する場合に起こり得る空気の混入が防止される。
【0149】
センサスタック4、またはその部分4a、4bの層ごとの構造については、
図4および
図5に基づいて以下でさらに詳しく説明される。
【0150】
このように、センサスタック4の第1部分4aは、電気絶縁材料を備えるか、または電気絶縁材料から形成される第1絶縁層6を備える。好ましくは、第1絶縁層6は壁部5に直接印刷される。したがって、第1絶縁層6は、好ましくは、第1部分4aの最下層を形成する。
【0151】
さらに、第1部分4aは、絶縁層6上に印刷、特に直接印刷された第1電極層7を備える。第1電極層7は導電性材料を備えるか、導電性材料から形成される。
【0152】
さらに、第1部分4aは、第1電極層7上に印刷された、特に直接印刷された、圧電活性ピエゾ層9を備える。ピエゾ層9は、原理的に公知の方法で、好ましくは捕捉されるべき超音波パルスを適切な電気測定信号に変換する。従って、ピエゾ層9は、好ましくは、センサスタック4の実際の超音波トランスデューサを形成し、対照的に、残りの機能層は、例えば、電気絶縁または信号の伝導の役割を果たす。特に、ピエゾ層9は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロトリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CTFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CFE))、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸マグネシウム鉛(PMN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、この材料からなり得る。
【0153】
さらに、第1部分4aは、導電性の第2電極層10を備え、この電極層は、ピエゾ層9上に印刷され、特に直接印刷され、(同様に)導電性材料を備えるか、または導電性材料から製造される。
【0154】
第2電極層10および第1電極層7は、好ましくは互いに独立して、ポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケール銀、および前述の導電性材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される導電性材料を備えるか、導電性材料からなる。
【0155】
好ましくは、第1電極層7と第2電極層10は異なる実施形態を有する。好適には、第1電極層7は導電性金属、特に導電性かつナノスケールの金属および/または導電性かつマイクロスケールの金属、または炭素を備え、第2電極層10は導電性ポリマーを備える。特に好ましくは、金属は銀であり、ポリマーはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である。
【0156】
図4からさらに明らかなように、第1部分4aはさらに、電気絶縁材料を備えるか、または電気絶縁材料から形成される第2絶縁層13を備える。第2絶縁層13は、第2電極層10およびその下の機能層上に印刷される。この場合、第2絶縁層13は、好ましくは、第2電極層10上に直接印刷される。さらに、特に電極層7、10およびピエゾ層9の領域では、第2絶縁層13を端面側でこれらの周囲に案内することができる。
【0157】
第1絶縁層6の電気絶縁材料および第2絶縁層13の電気絶縁材料は、紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂、熱硬化材料、プラスチック、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはポリエーテルイミド(PEI)、および前述の電気絶縁材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から互いに独立して選択することができる。
【0158】
さらに、第1部分4aは、第2絶縁層13上に印刷され、特に直接印刷され、第2絶縁層13およびその下のさらなる機能層を層厚方向Dに電気的および/または磁気的に遮蔽する遮蔽層14を備える。特に、遮蔽層14は、ピエゾ層9を、信号の捕捉、変換および/または導出に悪影響を及ぼし得る電界および/または磁界から遮蔽する役割を果たすことができる。特に、遮蔽層14は、炭素、導電性ポリマー、特にポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリンまたはポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、導電性金属、特に金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケールの銀、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、またはこれらの材料からなり得る。
【0159】
さらに、第1部分4aは、層厚方向Dに関して外側に配置される生体適合性キャッピング層15を備えることができる。従って、生体適合性キャッピング層15はセンサスタック4の外側スリーブを形成する。キャッピング層15は、生体適合性材料を備えるか、または生体適合性材料から形成される。例えば、材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択することができる。生体適合性キャッピング層15は、有害な化学的および/または生物学的相互作用を伴う可能性があるような、センサスタック4の残りの機能層と患者の身体との接触を防止する。
【0160】
センサスタック4の第2部分4bは絶縁層16を備える。
【0161】
好ましくは、絶縁層16は医療器具1の壁部5に直接印刷される。従って、絶縁層16は第2部分4bの最下層を形成する。絶縁層16および第1部分4aの第1絶縁層6は、好ましくは同じ実施形態を有する。特に、第1部分4aの第1絶縁層6と第2部分4bの絶縁層16とは、連続して一体に具現化される。しかしながら、代替的に、第1部分4aの第1絶縁層6と第2部分4bの絶縁層16とは、互いに別個に具現化することもでき、互いに接続、特に一体に接着することもできる。
【0162】
さらに、絶縁層16上に部分的に印刷、特に直接印刷された導電性の第1コンダクタトラック17が設けられる。第1コンダクタトラック17は、第1電極層7と一体に連続して具現化することができる。あるいは、第1コンダクタトラック17を第1電極層7とは別に印刷し、第1電極層7と電気的に接触させることもできる。
【0163】
さらに、第2部分4bは、第2コンダクタトラック18を備え、この第2コンダクタトラック18は、絶縁層16上に部分的に印刷、特に直接印刷されるとともに、第2コンダクタトラック18は、絶縁層16の別の部分に印刷、特に直接印刷される。
【0164】
好ましくは、第1コンダクタトラック17および第2コンダクタトラック18はそれぞれ、導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属を備えるか、またはそのような金属から形成される。好ましくは、金属は銀である。特に、第1コンダクタトラック17と第2コンダクタトラック18は同じ実施形態を有することができる。
【0165】
第1コンダクタトラック17および第2コンダクタトラック18は、ピエゾ層9からの電気測定信号を医療器具1の近位端(ここでは詳細に描かれていない)の方向に導出する役割を果たす。この場合、コンダクタトラック17、18は、好ましくは、互いに間隔をあけて配置され、近位端の方向に絶縁層16上に案内される。この近位端から出発して、コンダクタトラック17、18は、ピエゾ層9からの電気測定信号を評価するための評価ユニットと電気的に導通可能に接触することができる。
【0166】
第2部分4bはまた、防食層19を備えることができる。
【0167】
防食層19は、図示のように、互いに別個に具現化された層部分19a、19bおよび19cの形態で具現化することができる。あるいは、防食層19は、連続的に一体に具現化することもできる。センサスタック4の層厚方向に関して、防食層19は、第1コンダクタトラック17および第2コンダクタトラック18の上に印刷される。例えば、防食層19は、炭素、貴金属、特に金および/または白金、ならびに前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えるか、または材料からなり得る。
【0168】
図2から明らかなように、医療器具1は、本実施例ではほぼ環状の中空断面を有する。好ましくは、少なくとも圧電活性ピエゾ層9は遠位端2の周方向に隙間なく連続的に印刷される。従って、ピエゾ層9は、好ましくは、
図2に見える環状壁部5を隙間なく全周にわたって取り囲む。超音波に基づく先端部2のトラッキングに関して、隙間由来の信号の低下が回避される点で、これは特に有利である。従来技術では、このような信号の低下は、特に、従来のセンサスタックが主にカニューレ先端に巻かれ、端面側に隙間を形成してカニューレ先端に接着接合されるたびに、確定される。このような隙間が超音波の入射方向と平行に配置されている場合、信号の低下、ひいてはトラッキングへの悪影響が容易に回避できない。これは、現在、遠位端2の円周方向に隙間なく連続的に印刷されたピエゾ層によって打ち消される。特に、センサスタック4の残りの機能層は、特にコンダクタトラック17、18を除いて、円周方向に全周にわたって印刷することができ、その結果、センサスタック4は環状断面を有する。
【0169】
図6は、
図1から
図5に基づいて上述した実施形態に実質的に対応する医療器具1のさらなる実施形態を示す。したがって、繰り返しを避ける目的で、この実施形態の文脈で本開示を参照する。
図6による実施形態と先の実施形態との本質的な相違点のみを以下に説明する。
【0170】
図6から明らかな医療器具1は、部分的に切断され、多分に簡略化された側面図で描かれている。この医療器具は、好ましくは、カニューレ1の形態で具現化される。上述の実施形態とは対照的に、医療器具1は2つのセンサスタックを備える。これらのセンサスタック4は、医療器具1の遠位端2に直接印刷されるか、または別個に印刷され、その後に遠位端2に適用されるかのいずれかである。そうでなければ、センサスタック4の機能層の構造は、上述し、
図1から5に描かれたセンサスタック4の構造に対応する。2つのセンサスタック4は、遠位端2の長手方向Lに互いに間隔をあけて配置される。例えば、この種の配置の結果として、遠位端2のアライメントの超音波ベースの判定を実施することができる。この目的のために、簡略化して表現すると、2つのセンサスタック4のそれぞれは、例えば、原理的に知られている方法に基づいて、超音波ベースで「トラック(tracked)」することができる。その結果、両方のセンサスタック4のそれぞれの位置が分かれば、遠位端2のアライメントを直ちに推定することができる。
【0171】
さらに、遠位端2に配置された増幅ユニット20が設けられている。
【0172】
本実施例では、増幅ユニット20は、2つのセンサスタック4からの測定信号を増幅する役割を果たす。図面に詳細に描かれていない実施形態の場合、センサスタックは1つだけであり、センサスタックは信号増幅の目的で増幅ユニットに電気的に導電接続され得る。本実施例では、増幅ユニット20は、詳細にはラベル付けされていない信号線によって両方のセンサスタック4に電気的に導電接続されており、プリント回路の形態で具現化されている。プリント回路20は、さらなる信号線21によって、増幅された測定信号を評価するための評価ユニットに接続可能である。本実施例では、プリント回路20は遠位端2の壁部5に直接印刷されている。図面に詳細に描かれていない実施形態の場合、プリント回路20は、最初に別個に印刷され、その後、壁部5に適用され得る。
【0173】
図6に2つの破線で示すように、2つのセンサスタック4、プリント回路20、およびこれらの構成要素間に延びる信号線は、現在のところ、金属遮蔽層14および/または生体適合性キャッピング層15によって覆われている。図面に詳細に描かれていない医療器具1の穿刺部を除いて、この場合、遮蔽層14および/またはキャッピング層15は遠位端2全体を覆っている。
【0174】
図1から
図6に描かれているような本発明による医療器具の実施形態に関するさらなる特徴および利点に関しては、一般的な説明を参照されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内に挿入するために設けられた遠位端
(2)と、前記遠位端
(2)に配置され、測定された物理的変数を捕捉し、前記物理的変数を電気的測定信号に変換するように構成されたセンサユニットと、を有する医療器具
(1)であって、
前記センサユニットは、層状に構築されたセンサスタック
(4)の形態であり、第1部分
(4a)と第2部分
(4b)とを有しており、
前記第1部分
(4a)および前記第2部分
(4b)はそれぞれ、一方が他方の上に配置された複数の機能層を備え、
前記機能層は、少なくとも部分的に互いを覆うように層状に互いに適用され、特に印刷され、
前記第1部分
(4a)は少なくとも以下の前記機能層、すなわち、
前記医療器具
(1)の前記遠位端
(2)を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する第1絶縁層
(6)と、
少なくとも部分的に前記第1絶縁層
(6)に適用された導電性の第1電極層
(7)と、
少なくとも部分的に前記第1電極層
(7)に適用された圧電活性を有するピエゾ層
(9)と、
少なくとも部分的に前記ピエゾ層
(9)に適用された導電性の第2電極層
(10)と、
少なくとも部分的に前記第2電極層
(10)に適用された電気絶縁性の第2絶縁層
(13)と、
少なくとも部分的に前記第2絶縁層
(13)に適用された遮蔽層
(14)と、を備え、
前記第2部分
(4b)は、少なくとも以下の前記機能層、すなわち、
前記医療器具
(1)の前記遠位端
(2)を少なくとも部分的に覆い、電気的に絶縁する絶縁層
(16)と、
少なくとも部分的に前記絶縁層
(16)に適用された導電性の第1コンダクタトラック
(17)と、
少なくとも部分的に前記絶縁層
(16)に
直接的に適用された導電性の第2コンダクタトラック
(18)と、を備える、医療器具
(1)。
【請求項2】
前記第1電極層
(7)と前記第2電極層
(10)が異なる形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の医療器具
(1)。
【請求項3】
前記第1電極層
(7)と前記第2電極層
(10)が、互いに独立して、ポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケール銀、および前述の導電性材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される導電性材料を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項4】
前記第1電極層
(7)が導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属、または炭素を備え、前記第2電極層
(10)が導電性ポリマーを備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項5】
前記導電性金属が銀であり、前記導電性ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする、請求項4に記載の医療器具
(1)。
【請求項6】
前記ピエゾ層
(9)が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロトリフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CTFE))、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン-クロロフルオロエチレン)(P(VDF-TrFE-CFE))、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸マグネシウム鉛(PMN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、および、前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項7】
前記第1コンダクタトラック
(17)および前記第2コンダクタトラック
(18)はそれぞれ、導電性金属、特に導電性でナノスケールの金属を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項8】
前記センサスタック
(4)は、前記第1部分
(4a)の前記第1絶縁層
(6)と前記医療器具
(1)の表面との間、および/または前記第2部分
(4b)の前記絶縁層
(16)と前記医療器具
(1)の表面との間に配置された接着層をさらに備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項9】
前記接着層が導電性金属、特に導電性でマイクロスケールの金属を備えることを特徴とする、請求項8に記載の医療器具
(1)。
【請求項10】
前記金属が銀であることを特徴とする、請求項
7に記載の医療器具
(1)。
【請求項11】
前記第2部分
(4b)は、前記センサスタック
(4)の層厚方向Dに関して、導電性の前記第1コンダクタトラック
(17)および導電性の前記第2コンダクタトラック
(18)の上方に適用された防食層
(19)をさらに備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項12】
前記防食層
(19)は、炭素、貴金属、特に金および/または白金、ならびに前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料を備えることを特徴とする、請求項11に記載の医療器具
(1)。
【請求項13】
前記センサスタック
(4)、特に前記センサスタック
(4)の前記第1部分
(4a)が、前記センサスタック
(4)の層厚方向Dに関して外側に配置された生体適合性キャッピング層
(15)を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項14】
前記第1部分
(4a)の電気絶縁性の前記第1絶縁層
(6)および電気絶縁性の前記第2絶縁層
(13)と、前記第2部分
(4b)の電気絶縁性の前記絶縁層
(16)とが、互いに独立して、紫外線硬化材料、特にポリエステル樹脂、熱硬化性材料、プラスチック、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはポリエーテルイミド(PEI)、および前述の電気絶縁材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される電気絶縁材料を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項15】
前記遮蔽層
(14)が、炭素、導電性ポリマー、特にポリピロール、ドープポリエチレン、ポリアニリンまたはポリチオフェン、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、導電性金属、特に金、白金、インジウム、スズ、銅、銀、好ましくはナノスケールの銀、および前述の材料の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される材料、特に導電性材料を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の医療器具
(1)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の医療器具
(1)を製造するための方法であって、
前記機能層が、前記医療器具
(1)の前記遠位端
(2)に適用され、特に印刷され、その過程において前記センサスタック
(4)を形成するか、または、
前記機能層が、キャリア層および/または補強層を用いて別個のセンサスタック
(4)として製造され、別個に製造された前記センサスタック
(4)が、その後、前記医療器具
(1)の前記遠位端
(2)に適用され、前記キャリア層および/または前記補強層が、その過程において除去される、方法。
【国際調査報告】