(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-07
(54)【発明の名称】電気ソケット、電気接続システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/62 20060101AFI20250228BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20250228BHJP
H01R 43/26 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01R13/62
H01R13/66
H01R43/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569667
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2023051672
(87)【国際公開番号】W WO2023151940
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524394058
【氏名又は名称】サンソー インヴェストメント ソリューションズ
【氏名又は名称原語表記】SANSO INVESTMENT SOLUTIONS
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ルフォシュー アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】トラウフラード ローナン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
【Fターム(参考)】
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC31
5E021MA08
5E063KA01
5E063XA05
(57)【要約】
本発明は、径方向に接続されたソケット(1)であって、本体(10)と、前記本体内に収容され、それぞれ異なる径方向に、接続面と呼ばれる同一平面内で平行移動可能な第1の電気接触部材(100)と、磁気効果を介して電気プラグ(2)の結合を確実にすることができる第1の磁気構造(11)と、前記第1の磁気構造(11)を、前記接続面に垂直な主軸(A)と呼ばれる軸を中心として回転駆動し、前記主軸(A)を中心として複数の異なる角度位置であって、異なる各角度位置は、前記第1の電気接触部材(100)の各接触部材と異なる径方向に整列している複数の異なる角度位置をとるように構成された回転駆動手段と、前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材をその径方向に移動させるように配置された第1の作動手段と、を備える、ソケットに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向に接続された電気ソケット(1)であって、
-本体(10)と、
-作動手段と、
-前記作動手段を制御するように構成された制御部(UC)と、
-前記本体内に収容され、電気供給システム(4)に接続されるように意図され、接続面と呼ばれる同一平面内でそれぞれ異なる径方向に平行移動可能な第1の電気接触部材(100)と、
-前記電気ソケット(1)に相補的な電気プラグ(2)の磁気効果による結合を確実にすることができる第1の磁気構造(11)と、
-前記第1の磁気構造(11)を、前記接続面に垂直な主軸(A)と呼ばれる軸を中心として回転駆動し、前記主軸(A)を中心として複数の異なる角度位置であって、異なる各角度位置は、前記第1の電気接触部材(100)の各接触部材と異なる径方向に整列しているような複数の異なる角度位置をとるように構成された回転駆動手段と、
を備え、
-前記作動手段は、前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材を径方向に移動させるように構成されている、ことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項2】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-前記第1の電気接触部材(100)を保護するための保護部(13)であって、少なくとも、前記第1の電気接触部材(100)の前記電気接触部材のそれぞれへのアクセスを閉塞する第1の角度位置と、前記アクセスのそれぞれを解放する第2の角度位置との間で、主軸(A)を中心として回転するように作動されることができる保護部と、を備え、
-前記作動手段は、前記保護部(13)を回転させるように構成されている、ことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項3】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-前記第1の電気接触部材(100)を保護するための保護部(13)であって、前記第1の電気接触部材(100)の一つの別個の電気接触部材にそれぞれ対向して配置された複数の径方向開口部を備えた固定環状体(13a)と、少なくとも、関連付けられた径方向開口部を解放する第1の位置と、関連付けられた前記径方向開口部を閉塞する第2の位置との間を移動するようにそれぞれ作動可能な複数の閉塞シャッタ(13b)と、を備える、保護部(13)を備え、
-前記作動手段は、前記閉塞シャッタの運動を駆動するように構成されていることを特徴とする、電気ソケット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-回転するように作動可能であり、少なくとも1つのカム及びカムフォロワー機構を介して、低い位置と高い位置との間で前記主軸に沿って前記第1の磁気構造(11)の平行移動を駆動するように配置された回転リング(12)を備え、
-前記作動手段は、前記回転リング(12)の回転を駆動するように構成されていることを特徴とする、電気ソケット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
前記駆動手段は、前記主軸(A)と同軸であり、前記第1の磁気構造(11)が一体となって回転する回転駆動部(14)を含むことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項6】
ソケット(1)と、前記ソケットに接続可能なプラグ(2)とを備える電気接続システムであって、
-前記ソケット(1)は、請求項1~4のいずれか1項に記載の径方向に接続された電気ソケットであり、
-前記プラグ(2)は、前記ソケット(1)に属する前記第1の磁気構造と相補的な第2の磁気構造(21)と、前記主軸(A)を中心に複数の異なる径方向に配置された複数の第2の電気接触部材(200)と、を含み、
-前記第1の磁気構造(11)及び前記第2の磁気構造は、前記プラグ(2)が磁気効果を介して前記ソケット(1)に結合されるときに、前記プラグ(2)が前記主軸(A)を中心に所定の向きをとるように構成されており、
-前記ソケット(1)の前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材は、径方向への平行移動を介して、前記プラグの前記第2の電気接触部材(200)の1つの異なる電気接触部材に接続されるように配置されており、
-前記システムは、前記プラグ(2)が前記ソケット(1)に磁気的に結合される際の前記プラグ(2)の向きを検出する手段と、複数の異なる角度位置のうち、前記決定された向きに応じて前記第1の磁気構造(11)に付与される角度位置を決定する手段と、を備え、
-前記制御部(UC)は、
前記決定された角度位置に前記第1の磁気構造(11)を位置決めし、
前記第1の磁気構造(11)を前記決定された角度位置に位置決めする際に、前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材を径方向に移動させる
ことを目的として前記作動手段を制御するように構成されている、ことを特徴とする、電気接続システム。
【請求項7】
請求項6に記載される電気接続システムで実施される接続する方法であって、
-前記プラグ(2)を前記ソケット(1)に磁気効果を介して機械的に結合する工程と、
-前記ソケットに対する、前記主軸(A)を中心とした前記プラグ(2)の向きを検出する工程と、
-前記複数の異なる角度位置のうち、前記決定された向きに応じて前記第1の磁気構造(11)に付与される角度位置を決定する工程と、
-必要であれば、前記第1の磁気構造(11)を決定された角度位置に位置決めするように前記第1の磁気構造の回転駆動手段を作動させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材を径方向に移動させ、前記プラグ(2)に属する前記第2の電気接触部材(200)の対応する電気接触部材に接続するようにように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグ(2)を前記ソケット(1)に接続する段階を含むこと、を特徴とする、接続方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記プラグ(2)を前記ソケット(1)に機械的に結合する工程の前に、前記第1の磁気構造(11)を低い位置から高い位置に通過させるように前記回転リング(12)の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の方法であって、前記保護部(13)の回転を第2の角度位置に作動させ、前記第1の電気接触部材(100)の各電気接触部材へのアクセスを解放するように作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の電気接続システムにおいて実施される切断する方法であって、
-前記回転リング(12)の回転を作動させ、前記第1の磁気構造(11)を高い位置から低い位置に通過させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の磁気構造(11)を所定の第1の角度だけ回転させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材(100)の各々を作動させ、それらを前記第2の電気接触部材(200)から機械的及び電気的に切り離すように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグ(2)を前記ソケット(1)から切断する段階を含むことを特徴とする、切断する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の電気接触部材(100)への前記アクセスを閉塞するために、前記保護部(13)の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の方法であって、前記第1の角度と反対の角度だけ、前記第1の磁気構造(11)を駆動する手段の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、径方向に接続された電気ソケット、電気接続システム、及びそのようなシステムで実施される接続/切断方法に関する。
【0002】
特許文献1(国際公開第2017/216458号)には、磁気吸引型の電気ソケットを組み込んだ台座の形態をとる電気接続装置が開示されている。電気ソケットは中央に配置され、台座は電気ソケットの接続の前面を取り囲む表面を有する。電気ソケットは、磁気効果によって、対応する磁気手段を備えた電気プラグを引き付けることを可能にする磁気手段を備えている。2つの要素が磁気効果によって結合されると、ソケットとプラグとの間で電気接続が行われる。プラグは、例えば電気自動車の電源システムなどの電気機器に接続される。ある特定の実施形態では、装置は、台座に一体化され、電気ソケットの周りに同心状に配置された複数の環状コイルを含む。動作中、電気ソケットを組み込んだ台座は、例えば、地面に置かれ、電気ケーブルによって電源に接続されている。プラグは、台座に近接の機器から解放される。コイルは、プラグを台座の中心に向かって、したがって電気ソケットに向かって案内するように構成された制御シーケンスを使用して制御される。接続は、ソケットとプラグのそれぞれの磁気手段の間に存在する磁気引力を介して完了する。
【0003】
ソケットは、以下のいくつかの目的を達成するように設計されなければならない。
-プラグとソケットの間の電気的導通を可能にし、それによってホットスポットを制限する;
-プラグが存在しないとき、及びソケットが使用されていないときに、ソケットの電気接点をマスクする;
-ソケットが使用されていないときに、液体だけでなくほこりに対しても一定レベルの密閉性を確保する;
-プラグがソケットに接続されているとき、電気接点へのアクセスを防止する;
-プラグをソケットから外すために加えなければならない力を制限することによって、プラグを容易に外すことができるようにする;
-プラグがソケットから引きちぎられた場合でも、ソケットの電気接点をマスクすることによって個人の保護を確保する。
【0004】
これらの目的のいくつかを満たす多くの解決策が、先行技術において既に開示されている。
【0005】
特許文献2(国際公開第2012/032230号)において、ソケットは、プラグが接続されていないときの電気接点をマスクする旋回フラップを使用する。各フラップは、独立して軸上に旋回可能に取り付けられ、ばねによって付勢される。電気接点がソケットの外側に移動されると、それぞれが1つのフラップをそのばねに押し付ける。
【0006】
別の解決策が特許文献3(国際公開第2017/046469号)に記載されており、ソケットはまた旋回フラップを使用する。これらのフラップは、カム/カムフォロワー機構によって電気接点を支持するステージによって移動される。
【0007】
従来技術の解決策では、電気接点は、多くの場合、平坦な接点を支持するピンの形態をとるか、空洞に収容されるピンの形態をとる。第1のケースでは、電気接点によりホットスポットの存在を生じさせる場合がある。第2のケースでは、空洞は水と埃に晒される。さらに、接続は(外部の介入なしに)自動的に達成されることが意図されているから、各ピンを1つの別個の空洞に挿入しなければならないので、正しい割出し(indexation)も重要である。
【0008】
また、電気接点をマスクするのに使用される旋回フラップ構造は複雑で脆弱であり、長期にわたるサービスの継続を保証することができない。さらに、特許文献1(国際公開第2017/216458号)に記載されているような装置へのかかるソケットの統合は、プラグがソケットに接続されるときに電気接点へのアクセスを制限することを必ずしも可能にすることができず、装置の密閉性も保証されない。
特許文献5(独国特許出願公開第102020116623号明細書)には、電気自動車を充電するための解決策に使用される電気接続システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2017/216458号
【特許文献2】国際公開第2012/032230号
【特許文献3】国際公開第2017/046469号
【特許文献4】独国特許出願公開第102020116623号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の第1の目的は、上述した多くの目的を達成することを可能にする構造を有するソケットを備える電気接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、
径方向に接続された電気ソケットであって、
-本体と、
-作動手段と、
-前記作動手段を制御するように構成された制御部と、
-前記本体内に収容され、電気供給システムに接続されるように意図され、接続面と呼ばれる同一平面内でそれぞれ異なる径方向に平行移動可能な第1の電気接触部材と、
-前記電気ソケットに相補的な電気プラグの磁気効果による結合を確実にすることができる第1の磁気構造と、
-前記第1の磁気構造を、前記接続面に垂直な主軸と呼ばれる軸を中心として回転駆動し、前記主軸を中心として複数の異なる角度位置であって、、異なる各角度位置は、前記第1の電気接触部材の各接触部材と異なる径方向に整列している複数の異なる角度位置をとるように構成された回転駆動手段と、
を備え、
-前記作動手段は、前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させるように構成されている、電気ソケットにより、達成される。
【0012】
第1の実施形態によれば、ソケットは、
-前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、少なくとも、前記第1の電気接触部材の前記電気接触部材のそれぞれへのアクセスを閉塞する第1の角度位置と、前記アクセスのそれぞれを解放する第2の角度位置との間で、主軸を中心として回転するように作動されることができる保護部と、を備え、
-前記作動手段は、前記保護部を回転させするように構成されている。
【0013】
第2の実施形態によれば、ソケットは、
-前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、前記第1の電気接触部材の一つの別個の電気接触部材にそれぞれ対向して配置された複数の径方向開口部を備えた固定環状体と、少なくとも、関連付けられた径方向開口部を解放する第1の位置と、関連付けられた前記径方向開口部を閉塞する第2の位置との間を移動するようにそれぞれ作動可能な複数の閉塞シャッタと、を備える、保護部を備え、
-前記作動手段は、前記閉塞シャッタの運動を駆動するように構成されている。
【0014】
1つの特徴によれば、ソケットは、
-回転するように作動可能であり、少なくとも1つのカム及びカムフォロワー機構を介して、低い位置と高い位置との間で前記主軸に沿って前記第1の磁気構造の平行移動を駆動するように配置された回転リングを備え、
-前記作動手段は、前記回転リングの回転を駆動するように構成されている。
【0015】
別の特徴によれば、前記駆動手段は、前記主軸と同軸であり、前記第1の磁気構造が一体となって回転する回転駆動部を含む。
【0016】
本発明はまた、
ソケットと、前記ソケットに接続可能なプラグとを備える電気接続システムであって、
-前記ソケットは、上記の径方向に接続された電気ソケットであり、
-前記プラグは、前記ソケットに属する前記第1の磁気構造と相補的な第2の磁気構造と、前記主軸を中心に複数の異なる径方向に配置された複数の第2の電気接触部材と、を含み、
-前記第1の磁気構造及び前記第2の磁気構造は、前記プラグが磁気効果を介して前記ソケットに結合されるときに、前記プラグが前記主軸を中心に所定の向きをとるように構成されており、
-前記ソケットの前記第1の電気接触部材の各電気接触部材は、径方向への平行移動を介して、前記プラグの前記第2の電気接触部材の1つの異なる電気接触部材に接続されるように配置されており、
-前記システムは、前記プラグが前記ソケットに磁気的に結合される際の前記プラグの向きを検出する手段と、複数の異なる角度位置のうち、前記決定された向きに応じて前記第1の磁気構造に付与される角度位置を決定する手段と、を備え、
-前記制御部は、
前記決定された角度位置に前記第1の磁気構造を位置決めし、
前記第1の磁気構造を前記決定された角度位置に位置決めする際に、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させる
ことを目的として前記作動手段を制御するように構成されている、電気接続システムにも関する。
【0017】
本発明はまた、
上記される電気接続システムで実施される接続方法であって、
-前記プラグを前記ソケットに磁気効果を介して機械的に結合する工程と、
-前記ソケットに対する、前記主軸を中心とした前記プラグの向きを検出する工程と、
-前記複数の異なる角度位置のうち、前記決定された向きに応じて前記第1の磁気構造に付与される角度位置を決定する工程と、
-必要であれば、第1の磁気構造を決定された角度位置に位置決めするように前記第1の磁気構造の回転駆動手段を作動させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させ、前記プラグに属する前記第2の電気接触部材の対応する電気接触部材に接続するように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグ(2)を前記ソケット(1)に接続する段階を含む、接続方法にも関する。
【0018】
一つの特徴によれば、前記接続方法は、前記プラグを前記ソケットに機械的に結合する工程の前に、前記第1の磁気構造を低い位置から高い位置に通過させるように前記回転リングの回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含む。
【0019】
別の特徴によれば、前記接続方法は、前記保護部の回転を第2の角度位置に作動させ、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材へのアクセスを解放するように作動手段を制御する工程を含む。
【0020】
本発明はまた、上記の電気接続システムにおいて実施される切断する方法であって、
-前記回転リングの回転を作動させ、前記第1の磁気構造を高い位置から低い位置に通過させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の磁気構造を所定の第1の角度だけ回転させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材の各々を作動させ、それらを前記第2の電気接触部材から機械的及び電気的に切り離すように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグを前記ソケットから切断する段階を含む、切断する方法に関する。
【0021】
1つの特徴によれば、前記切断方法は、前記第1の電気接触部材への前記アクセスを閉塞するために、前記保護部の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含む。
【0022】
別の特徴によれば、前記切断方法は、前記第1の角度と反対の角度だけ、前記第1の磁気構造を駆動する手段の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含む。
他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して与えられる以下の詳細な説明において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の電気接続システムを概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明の電気接続システムに使用される電気ソケット及びプラグの第1の分解組立図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の電気接続システムに使用される電気ソケット及びプラグの第2の分解組立図を示す。
【
図4】
図4は、プラグが接続されるソケットの斜視図を示す。
【
図5】
図5は、本発明のソケットに使用される回転リングを示す。
【
図6A】
図6Aは、低い位置における磁気構造ソケット側を示す。
【
図6B】
図6Bは、高い位置における磁気構造ソケット側を示す。
【
図7】
図7は、本発明の電気ソケットに使用される保護部の実施形態の一変形例を示す。
【
図8】
図8は、一方のソケット側及び他方のプラグ側に使用される2つの磁気構造の実施形態の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、一般に、電気接続システムに適用可能であり、電気接続システムは、特に、例えば電気自動車などの電気機器を再充電することを意図した電気設備に使用することができる。もちろん、他の用途も想定することができる。
【0025】
図1を参照すると、本システムは、2つの部分から構成されており、2つの部分のうちの1つは、電気供給回路、例えば電源(mains)4に接続されることを意図しており、他の部分は、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車の電力供給システムなど、電力が供給される電気機器5に接続されることを意図している。
【0026】
電気機器又は電気供給回路への電気接続を可能にする任意の解決策、例えばケーブル、導電性ロッド、又は他の同等の解決策などが想定される。
【0027】
本システムの第1の部分は、電気ソケット(以下、ソケット1と示す)を含み、第2の部分は、ソケット1に機械的及び電気的に接続されることを意図した電気プラグ(以下、プラグ2と示す)を含む。
【0028】
本システムは、有利にも、プラグ2が、オペレータ又はロボットの介入なしに、磁気手段及び重力手段のみを使用して、自動的にソケット1に機械的に接続されることを可能にする。
【0029】
プラグ2がソケット1に対して機械的に支持される主軸(A)に対応する組み付け方向は、本明細書で定義され、説明の残りの部分で参照される。
【0030】
説明の残りの部分では、「前方(front)」及び「後方(rear)」、「高い(high)」及び「低い(low)」、「より高い(higher)」及び「より低い(lower)」という用語は、主軸(A)に沿った長手方向位置を参照して考慮される。
【0031】
説明の残りの部分では、「内側(inside)」及び「外側(outside)」という用語は、主軸(A)に対する同軸位置に関して考慮される。
【0032】
プラグ2がソケット1に接続されると、プラグ2の前方部分は、ソケット1の前部に対して機械的に支持される。
【0033】
ソケット1を組み込んだ電気接続装置を定義する。本装置は、有利には、ホルダ上に配置される台座3(例えば、接地S-主軸(A)は、接地に直交する)を含む。台座3は、電源4及び通信システムに接続されることを可能にする1つ又は複数のコネクタ30を含むことができる。台座3に一体化された電気接続により、電気ソケット1をコネクタ30に接続することができる。
【0034】
図1を参照すると、台座3は、閉じられたジャケット31を含み、その中央部分は、ソケット1が占めている。
【0035】
電気ソケット1は、プラグ2と機械的に接続される前方領域10を含む。この前方領域10は、平坦又は湾曲、凹状又は凸状の任意の適切な形状とすることができる。
【0036】
ジャケット31は、ソケット1を取り囲み、該ソケット1の前方領域10を取り囲む前面310を形成する。この前面310は、ソケット1の前方領域10を越えて存在し、接続専用ではない。この面の下で、装置のジャケット31は、プラグ2が接近すると、プラグ2をソケット1の方へ案内するように構成された磁気的及び/又は機械的案内手段を組み込んでいる。限定するものではないが、特許文献1(国際公開第2017/216458号)には、ジャケットに組み込まれたコイルの制御シーケンスを実行することによってプラグ2をソケット1に接続する動作原理が記載されている。
【0037】
ソケット1の前方領域10は、主軸(A)に対して横方向に向けられている。ソケット1の周りの台座3の前面310は、ソケット1の前方領域10によって形成される平面と同じ平面上の平面であってもよく、又は(添付図のように)凹状もしくは凸状の湾曲形状であってもよい。
【0038】
ソケット1は、主軸(A)に対して横方向に配置された第1の磁気構造11を備えており、それは、その部分について、対応する第2の磁気構造21を備えるプラグ2を引き付けることができる。プラグ2が磁気効果を介してソケット1に結合されると、ソケット1の第1の電気接触部材とプラグ2の第2の電気接触部材との間にも電気接続が形成される。
【0039】
使用される2つの磁気構造は、磁気効果を介してプラグ2をソケット1に確実に結合することを可能にする。プラグ2をソケット1に結合することを可能にする様々な磁気構造は、欧州特許第3317926号明細書及び国際公開第2020/229321号に特に記載されている。これらは、本発明に適用可能であるが、限定するものではないとみなすべきである。2つの磁気構造は、有利には、複数の永久磁石を含む。1つの特徴によれば、プラグがソケットに対して適切な角度位置にある場合、2つの磁気構造は、接続を行うために引力的に作用し、切断中にプラグをソケットから引き抜かなければならない場合には反発的に作用する。
【0040】
一例として、
図8は、ソケット1の側に存在する第1の磁気構造11と、プラグ2の側に存在する第2の磁気構造21を示す。図示された2つの磁気構造は、強磁性ヨーク111,211と、前記ヨークに固定された1つ以上の永久磁石セグメントとを含む。
【0041】
第1の磁気構造では、第1の組の3つの永久磁石111_1,111_2,111_3は、それぞれ、例えば、それらの環状セグメント上で55°の角度範囲AP1にわたって延びており、第2の組の3つの永久磁石112_1,112_2,112_3は、例えば、55°の角度範囲AP2にわたって延びている。
【0042】
第2の組の3つの新しい永久磁石のそれぞれは、第1の組の2つの永久磁石の間に介在され、第1の組のこれら2つの磁石との間にゼロでない規則的な角度間隔を残す。2つの隣接する磁石の間の規則的な角度間隔I1は、約5°である。
【0043】
第1の組の永久磁石と第2の組の永久磁石は、主軸(A)に沿って反対方向に磁気的に配向される。
【0044】
第2の磁気構造21は、第1の磁気構造の永久磁石と同一の3つの永久磁石211_1,211_2,211_3の第1の組のみを有する。
【0045】
2つの磁気構造11、21は、吸引磁気効果によるプラグ2のソケット1に対する結合を、主軸の周りの所定の向きで確実にするように構成されることに留意されたい。2つの磁気構造11、21は、プラグ2が磁気効果を介してソケット1に結合されるときに、複数の異なる角度位置をとることができるように構成される。
【0046】
例えば、
図8に示す磁気構造では、プラグ2は、互いに120°ずれた3つの異なる角度位置をとることができる。プラグ2は、0°位置と呼ばれる第1の角度位置、-120°位置と呼ばれる第2の角度位置、又は+120°位置と呼ばれる第3の角度位置にあることができる。
【0047】
もちろん、磁気構造の磁気配置(磁石の角度範囲及び磁石間の角度間隔)を調整することができる。
【0048】
任意に、例えば、プラグ2は、0°角度位置にあるとき、ソケット1に対して正確に向いていると考えられる。この位置では、ソケット1に関連する第1の電気接触部材及びプラグ2に関連する第2の電気接触部材は、電気的に互換性があり、電気的接続が正しい。例えば、第1のソケット側「電力」接点は、第1のプラグ側「電力」接点に接続され、第2のソケット側「電力」接点は、第2のプラグ側「電力」接点に接続され、ソケット側「データ」接点は、プラグ側「データ」接点に接続される。もちろん、電線網(mains grid)の種類に応じて、他の構成も可能である。
【0049】
本発明によれば、ソケット1とプラグ2との間の電気接続は、複数の径方向に形成される。したがって、ソケット1の第1の電気接触部材は、径方向移動を介してプラグ2の第2の電気接触部材に接続される。
【0050】
本発明によれば、
図2、
図3及び
図4を参照すると、ソケット1は、有利には台座3のジャケット31に一体化されて固定される本体10と、本体10に収容されるコアとを含む。
【0051】
ソケットのコアは、
-主軸(A)に沿って平行移動し、主軸(A)を中心に回転するように作動可能な第1の磁気構造11と、
-第1の磁気構造11を平行移動させるための回転リング12であって、主軸(A)を中心に回転可能である回転リング12と、
-主軸(A)を中心に回転可能な保護部13と、
-主軸(A)を中心に回転駆動可能であり、第1の磁気構造が固定されている駆動部14と、を備える。
【0052】
保護部13及び駆動部14は、主軸(A)と同軸に配置される環状部である。
【0053】
図5、
図6A及び
図6Bを参照すると、回転リング12は、その周囲に複数のカム120を備えており、これらのカムは、磁気構造上に存在するラグ110と相互作用し、ラグ110は、それぞれカムフォロワーの役割を果たす。カム/カムフォロワー機構により、リング12の回転は、第1の磁気構造を主軸(A)に沿って平行移動させる。
【0054】
第1の磁気構造は、駆動部14(
図2)に形成されたスリット140により、主軸(A)に沿って平行移動され、各スリットは、磁気構造11上に存在する1つの別個のラグ110と相互作用する。
【0055】
低い位置(
図6A)は、プラグ2の存在が検出されない場合に想定される。
【0056】
高い位置(
図6B)は、プラグ2の存在が検出された場合に想定され、ソケット1をプラグ2との接続を可能にする状態に置く。
【0057】
回転リング12は、第1の磁気構造11を高い位置及び低い位置にロックする手段を有する。低い位置では、それぞれが第1の磁気構造11によって支持される別個のラグ110と相互作用するように配置された1つ以上のノッチ121の問題であり得る。
【0058】
ソケット1は、回転リング12の回転を作動させるための第1の手段を含む。これらの第1の作動手段は、電気モータ(図示せず)と、リング12の外周に形成された歯122を含むラック機構又は同等物とを含むことができる。
【0059】
第1の電気接触部材100は、ソケット1の本体内に収容されている。第1の電気接触部材100は、それぞれ、主軸(A)に垂直な平面内で、主軸(A)に垂直な別個の径方向に平行移動可能である。第1の電気接触部材100は、例えば、3つの数であり、各部材は、1つ以上の電気接点を含む。3つの第1の電気接触部材は、例えば、主軸(A)の周りで互いに120°角度的にオフセットされている。本体10は、第1の接触部材の各々の径方向への平行移動を可能にする複数のスライド通路101を含む。
図2及び
図3は、3つの第1の電気接触部材100のうちの1つのみを示す。スライド通路は、ソケットの本体10の径方向開口部102に形成され、この開口部を通して各電気接触部材100を平行移動させることができる。
【0060】
保護部13は、駆動部14と同軸に配置される。これらの2つの可動部は、それぞれ環状の形状であり、主軸(A)を中心に、それぞれ独立して回転することができる。
【0061】
保護部13の役割は、第1の電気接触部材100をマスクし、それにより、プラグ2がソケット1に機械的に接続されるまで、そのアクセスをブロックすることである。主軸(A)を中心とした保護部13自体の回転を制御して、非ゼロ角度、例えば55°に設定された角度だけ角度的に移動することが可能になる。例えば0°の第1の角度位置では、保護部は第1の電気接触部材100へのアクセスを閉塞し、例えば55°の第2の位置では、第1の電気接触部材100へのアクセスを解放する。したがって、保護部13は、保護部13が第2の位置にあるときに第1の電気接触部材100によって通過されるように意図された、3つの径方向開口部130を含む。
【0062】
したがって、ソケット1は、保護部13の回転を作動するための第2の手段を含む。
【0063】
これらの第2の作動手段は、電気モータと、保護部の外周に形成された歯131を含むラック機構又は同等物とを含むことができる。
【0064】
駆動部14は、ソケット1に属する第1の磁気構造11の回転を駆動するために使用される。また、駆動部は、主軸(A)の周りに回転するように作動されることもできる。第1の磁気構造11の回転を駆動することにより、プラグ2がソケット1に磁気的に結合されるときにプラグ2を回転させる。駆動部14の役割は、必要に応じて、ソケット1に対するプラグ2の向き、したがって、ソケット1の本体に収容された第1の電気接触部材100に対する第2の電気接触部材200の向きを適合させることである。換言すれば、プラグ2が磁気効果によってソケット1に機械的に結合されるとき、その向きは120°以内で確定しない。したがって、その第2電気接触部材200の各々が対応するソケット1の電気接触部材に対向するように再配置することが必要となる場合がある。
【0065】
したがって、駆動部14は、例えば0°、-120°及び+120°で定義される3つの異なる角度位置をとるように、それ自体で回転するように作動させることができる。
【0066】
ソケット1は、駆動部14の回転を作動させるための第3の手段を備える。これらの第3の作動手段は、電気モータ及び、駆動部14の外周に形成された歯141を含むラック機構又は同等物を備えることができる。
【0067】
ソケット1の第1の電気接触部材及びプラグ2の第2の電気接触部材200は、互いに120°だけ角度的にオフセットされた径方向に電気的に接続される。したがって、プラグ2に存在する第2の電気接触部材は、プラグ2の本体を貫通して形成された径方向開口部201を介してアクセス可能となる。接続中、第1の電気接触部材の各電気接触部材は、プラグ2の本体に存在する1つの別個の径方向開口部201を貫通し、第2の電気接触部材200の1つの別個の電気接触部材に接続される。
【0068】
ソケット1は、第1の電気接触部材100の各電気接触部材の平行移動を作動させる第4の手段を備える。これらの第4の作動手段は、電気モータによって駆動され、各電気接触部材に存在するギアと相互作用するベルト(図示せず)を備えることができる。電気モータによるベルトの駆動は、すべての電気接触部材の径方向の平行移動を同時に作動させる。
【0069】
システムは、接続シーケンスの進行又は切断シーケンスの進行を考慮して、ソケットの作動手段、すなわち、第1の作動手段、第2の作動手段、第3の作動手段及び第4の作動手段を制御するように構成された制御部UC(
図1)を含む。この制御部UCは、ジャケット31内に収容され、ソケット1を組み込む接続装置の一部を形成することができる。また、この制御部は、ソケット1の本体10に統合されてもよい。この制御部は、モータを制御することによって、ソケット1の動作、特にその部品及び接触部材の移動を管理するように構成される。
【0070】
第1の作動手段、第2の作動手段、第3の作動手段及び第4の作動手段は、一般に、作動手段として定義することができる。これらは、例えば、ソケットの本体10又は装置のジャケット31に収容される。
【0071】
ソケット1は、ソケット1に対する主軸周りのプラグ2の向きを検出する手段を備える。制御部UCは、検出手段によって与えられ、この向きを表すデータに応じて、プラグ2を回転させる必要があるか否かを決定し、またプラグ2に加える回転方向を決定する。プラグ2は、プラグ2がソケット1に磁気的に結合されるときに、駆動部14をその様々な角度位置間で回転させることによって回転される。
【0072】
なお、ソケット1とプラグ2は共に軸方向中央開口部を有し、プラグ2がソケットに接続されている場合でも、軸方向中央通路300を形成し、この通路300は、例えば、様々な物体を収集したり、雨水を排水したりするための除去ゾーンを形成する。
【0073】
もちろん、制御部UC及び様々な作動手段は、例えば、電源又は他の手段によって、電気的に給電される。
【0074】
上述の構造では、接続シーケンスは以下の通りである。
-近くにプラグ2があることを検出する。
-プラグ2があることが検出されると、制御部UCは、第1の作動手段を制御し、回転リング12の回転を作動させ、リング12の回転により、第1の磁気構造11を低い位置から高い位置へ平行移動させる(
図6B)。回転リングは、磁気構造が高い位置にロックされるまで駆動される。
-プラグ2は、2つの磁気構造間の磁気吸引力を介してソケットに対して機械的に結合される。プラグ2は、ソケット1に対して120°以内の角度位置で結合される。
-制御部UCは、第2の駆動手段を制御して保護部13を回転駆動し、それにより、本体10に収容された第1の電気接触部材100へのアクセスを解放する。
-保護部13は、例えば55°回転する。
-制御部UCは、検出手段から送られたデータを用いて、ソケット1に対するプラグ2の向きを決定する。
-プラグ2がソケット1に対して正しい向きになっていない場合(上記0°の角度位置にない場合)、制御部UCは、第3の駆動手段を制御して駆動部14を回転駆動する。回転により、駆動部は、第1の磁気構造11を回転駆動する。プラグ2は磁気効果によって結合されているため、電気接触部材200のそれぞれがソケット1の対応する電気接触部材100に対向する位置になるまで回転駆動される。
-制御部UCは、第4の作動手段を制御して、第1の電気接触部材100の各電気接触部材を平行移動させて、それにより、第1の電気接触部材100とプラグ2内に存在する第2の電気接触部材200との接続を確実にする。
-電源システム5は充電可能である。
【0075】
上記の構造では、切断シーケンスは以下のとおりである。
-制御部UCは、第1の作動手段を制御してリング12を回転駆動し、第1の磁気構造11のロックを解除して、低い位置に戻し、それにより、プラグ2に属する第2の磁気構造から磁気的に剥離する。
-制御部UCは、第3の作動手段を制御して駆動部14を回転駆動し、それにより、第1の磁気構造11を回転させる。この回転は、第1の磁気構造11に存在する永久磁石と第2の磁気構造に存在する永久磁石が反発し始めるのに十分な角度によって行われる。回転角度は、例えば、+60°である。
-制御部UCは、第1の作動手段を制御して、回転リング12の回転を作動させ、第1の磁気構造11をその低い位置にロックする(
図6A)。
-制御部UCは、第4の作動手段を制御して、第1の電気接触部材100を後退させ、それらを第2の電気接触部材200から機械的及び電気的に切り離す。
-制御部UCは、第2の作動手段を制御して、保護部13を回転駆動し、第1の電気接触部材100へのアクセスを閉鎖する。
-その後、プラグ2を機械的に切り離すことができる。
-制御部UCは、第3の駆動手段を制御して、駆動部14を回転させて第1の磁気構造を初期位置0°に戻す。
【0076】
動作に関しては、前述の作動手段に使用される電気モータをプールすることができる。具体的には、ソケットの様々な部分を駆動するために単一又は2つのモータを使用することができる。例えば、様々な部分(12、13、14)の回転を駆動するために第1の電気モータを使用し、第1の電気接触部材100の平行移動を駆動するために第2の電気モータを使用することが考えられる。
【0077】
図7は、保護部13の実施形態の一変形例を示す。この変形例では、保護部13は、
図1から
図6Bを参照して上述したものと同一の形状の環状本体13aと、閉塞シャッタ13b、とを含む。保護部の本体13aは、電気ソケット内に固定的に配置されるので、その径方向開口部130の各々が第1の電気接触部材100の一つの別個の電気接触部材に対向している。シャッタ13bは、保護部の本体13aの外側に配置され、それぞれが本体内に存在する一つの別個の径方向開口部130に関連付けられている。各シャッタ13bは、2つの位置、すなわち、径方向開口部130を閉鎖し、対応する電気接触部材へのアクセスを遮断する第1の位置と、径方向開口部130、及び、対応する接触部材へのアクセスを解放する第2の位置との間で制御可能である。環状本体13aは、シャッタを支持しかつ案内するための横断領域を形成する襟部132を有し得る。
【0078】
さらに、システムは、様々な誤動作のケース、特にソケットの作動手段の誤動作を管理するように構成された様々な手段を含むことができる。リング12の回転を作動させる手段が誤動作した場合に、リング12を作動させるために、例えば第1の磁気構造11をその低い位置に戻して、それによりシステムの切断を容易にするために、手動手段を使用する可能性について特に言及することができる。これらの手段は、ソケットの本体に挿入されるキーを含むことができ、このキーは、リング12と噛み合うように構成される。また、システムに電力を供給するため、特にその電気モータを作動させるために、バックアップ電源ユニットを提供することもできる。このユニットは、システムの内部にあってもよいし、外部から接続可能であってもよい。
【0079】
したがって、本発明の解決策は、以下のような多くの利点を有する。
-ソケットの電気接触部材が使用されていないときに、ソケットの電気接触部材へのアクセスを防止する。
-すべてのアクセスを閉塞しうるため、解決策のソケット側は特に密閉される。
-機械的ストレスなしに、プラグを120°以内に配置することができる。
-ラック、電気モータ、駆動輪などの従来の作動手段を使用する。
-特に径方向に接続されているため、その設計は独創的である。
-システムの動作を中断せずに、水、破片、ほこり、及びその他の物体を確実に除去するために、軸方向の中央通路を解放することができる。
【手続補正書】
【提出日】2025-02-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向に接続された電気ソケットであって、
-本体と、
-作動手段と、
-前記作動手段を制御するように構成された制御部と、
-前記本体内に収容され、電気供給システムに接続されるように意図され、接続面と呼ばれる同一平面内でそれぞれ異なる径方向に平行移動可能な第1の電気接触部材と、
-前記電気ソケットに相補的な電気プラグの磁気効果による結合を確実にすることができる第1の磁気構造と、
-前記第1の磁気構造を、前記接続面に垂直な主軸と呼ばれる軸を中心として回転駆動し、前記主軸を中心として複数の異なる角度位置であって、異なる各角度位置は、前記第1の電気接触部材の各接触部材と異なる径方向に整列しているような複数の異なる角度位置をとるように構成された回転駆動手段と、
を備え、
-前記作動手段は、前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させるように構成されている、ことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項2】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、少なくとも、前記第1の電気接触部材の前記電気接触部材のそれぞれへのアクセスを閉塞する第1の角度位置と、前記アクセスのそれぞれを解放する第2の角度位置との間で、主軸を中心として回転するように作動されることができる保護部と、を備え、
-前記作動手段は、前記保護部を回転させるように構成されている、ことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項3】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、前記第1の電気接触部材の一つの別個の電気接触部材にそれぞれ対向して配置された複数の径方向開口部を備えた固定環状体と、少なくとも、関連付けられた径方向開口部を解放する第1の位置と、関連付けられた前記径方向開口部を閉塞する第2の位置との間を移動するようにそれぞれ作動可能な複数の閉塞シャッタと、を備える、保護部を備え、
-前記作動手段は、前記閉塞シャッタの運動を駆動するように構成されていることを特徴とする、電気ソケット。
【請求項4】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
-回転するように作動可能であり、少なくとも1つのカム及びカムフォロワー機構を介して、低い位置と高い位置との間で前記主軸に沿って前記第1の磁気構造の平行移動を駆動するように配置された回転リングを備え、
-前記作動手段は、前記回転リングの回転を駆動するように構成されていることを特徴とする、電気ソケット。
【請求項5】
請求項1に記載の径方向に接続された電気ソケットであって、
前記駆動手段は、前記主軸と同軸であり、前記第1の磁気構造が一体となって回転する回転駆動部を含むことを特徴とする、電気ソケット。
【請求項6】
ソケットと、前記ソケットに接続可能なプラグとを備える電気接続システムであって、
-前記ソケットは、請求項1~4のいずれか1項に記載の径方向に接続された電気ソケットであり、
-前記プラグは、前記ソケットに属する前記第1の磁気構造と相補的な第2の磁気構造と、前記主軸を中心に複数の異なる径方向に配置された複数の第2の電気接触部材と、を含み、
-前記第1の磁気構造及び前記第2の磁気構造は、前記プラグが磁気効果を介して前記ソケットに結合されるときに、前記プラグが前記主軸を中心に所定の向きをとるように構成されており、
-前記ソケットの前記第1の電気接触部材の各電気接触部材は、径方向への平行移動を介して、前記プラグの前記第2の電気接触部材の1つの異なる電気接触部材に接続されるように配置されており、
-前記
電気接続システムは、前記プラグが前記ソケットに磁気的に結合される際の前記プラグの向きを検出する手段と、複数の異なる角度位置のうち、決定された
前記向きに応じて前記第1の磁気構造に付与される角度位置を決定する手段と、を備え、
-前記制御部は、
決定された
前記角度位置に前記第1の磁気構造を位置決めし、
前記第1の磁気構造を決定された
前記角度位置に位置決めする際に、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させる
ことを目的として前記作動手段を制御するように構成されている、ことを特徴とする、電気接続システム。
【請求項7】
請求項6に記載される電気接続システムで実施される接続する方法であって、
-前記プラグを前記ソケットに磁気効果を介して機械的に結合する工程と、
-前記ソケットに対する、前記主軸を中心とした前記プラグの向きを検出する工程と、
-前記複数の異なる角度位置のうち、決定された
前記向きに応じて前記第1の磁気構造に付与される角度位置を決定する工程と、
-必要であれば、前記第1の磁気構造を決定された角度位置に位置決めするように前記第1の磁気構造の回転駆動手段を作動させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材の各電気接触部材を径方向に移動させ、前記プラグに属する前記第2の電気接触部材の対応する電気接触部材に接続するように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグを前記ソケットに接続する段階を含むこと、を特徴とする、接続方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記プラグを前記ソケットに機械的に結合する工程の前に、前記第1の磁気構造を低い位置から高い位置に通過させるように回転リングの回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
前記ソケットは、前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、少なくとも、前記第1の電気接触部材の前記電気接触部材のそれぞれへのアクセスを閉塞する第1の角度位置と、前記アクセスのそれぞれを解放する第2の角度位置との間で、主軸を中心として回転するように作動されることができる保護部、を備え、
前記保護部の回転を第2の角度位置に作動させ、前記第1の電気接触部材の各電気接触部材へのアクセスを解放するように作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の電気接続システムにおいて実施される切断する方法であって、
-前記回転リングの回転を作動させ、前記第1の磁気構造を高い位置から低い位置に通過させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記回転駆動手段を作動させ、前記第1の磁気構造を所定の第1の角度だけ回転させるように前記作動手段を制御する工程と、
-前記第1の電気接触部材の各々を作動させ、それらを前記第2の電気接触部材から機械的及び電気的に切り離すように前記作動手段を制御する工程と、を含む、前記プラグを前記ソケットから切断する段階を含むことを特徴とする、切断する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記ソケットは、前記第1の電気接触部材を保護するための保護部であって、少なくとも、前記第1の電気接触部材の前記電気接触部材のそれぞれへのアクセスを閉塞する第1の角度位置と、前記アクセスのそれぞれを解放する第2の角度位置との間で、主軸を中心として回転するように作動されることができる保護部、を備え、
前記方法は、
前記第1の電気接触部材への前記アクセスを閉塞するために、前記保護部の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記第1の角度と反対の角度だけ、前記第1の磁気構造を駆動する手段の回転を作動させるように前記作動手段を制御する工程を含むことを特徴とする、方法。
【国際調査報告】