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特表2025-506311AIベースのユーザーゲームプレイ予測システム
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  • 特表-AIベースのユーザーゲームプレイ予測システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-07
(54)【発明の名称】AIベースのユーザーゲームプレイ予測システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250228BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20250228BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/79
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024571818
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 KR2022002476
(87)【国際公開番号】W WO2023157994
(87)【国際公開日】2023-08-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524312029
【氏名又は名称】ジーエヌエー・カンパニー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジウン・チェ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC18
(57)【要約】
ユーザーのゲームプレイ予測システムは、ユーザーのゲームに対するプレイに関連した情報であるプレイ情報をユーザー端末機から提供されて収集する収集モジュール、収集されたプレイ情報を分析に必要なデータの形態に加工する加工モジュール、及び加工された前記プレイ情報を、人工知能アルゴリズムを用いたマシンラーニングによって分析し、ユーザーに対して今後予想されるゲームに関連した行動の予測値を導出するAI分析モジュールを備える。ユーザーのゲームに対するプレイ情報に対して人工知能アルゴリズムを適用し、ユーザーの今後のプレイに対する予測値を導出することができる。このような予測値はターゲットマーケティングなどに活用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーのゲームプレイ予測システムであって、
ユーザーのゲームに対するプレイに関連した情報であるプレイ情報を、前記ユーザーの使用するユーザー端末機から提供されて収集する収集モジュールと、
前記収集モジュールによって収集された前記プレイ情報を、分析に必要なデータの形態に加工する加工モジュールと、
前記加工モジュールによって加工された前記プレイ情報を、人工知能アルゴリズムを用いたマシンラーニングによって分析し、前記ユーザーに対して今後予想されるゲームに関連した行動の予測値を導出するAI分析モジュールと、
を含んで構成され、
前記プレイ情報は、ゲームがプレイされる前記ユーザー端末機にゲームのプレイのために入力される入力信号、ゲームがプレイされる前記ユーザー端末機によって出力される出力信号、前記ユーザーのゲームに対するログ記録、ゲームのプレイのためのプログラムが前記ユーザー端末機に設置及び削除された履歴、ゲームに対する前記ユーザーのプレイ等級、及び前記ユーザーのゲームに関連した決済内訳のうち一つ以上を含み、
前記予測値は、前記ユーザーがゲームをプレイする時刻、特定時刻に前記ユーザーがゲームをプレイするか否か、前記ユーザーがプレイするゲーム、前記ユーザーのゲームに対する決済の有無及び/又は決済金額、特定ゲームに対するユーザー数の変化、及び特定ゲームに対する前記ユーザーの離脱の有無のうち一つ以上を含む
ことを特徴とする、ユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項2】
前記AI分析モジュールは、前記予測値と共に、前記ゲームのプレイに関連した所定の判別値を導出し、
前記判別値は、前記ユーザーのゲームプレイ操作方式、前記ユーザーがロボットか否か、前記ユーザーが好むゲームのグラフィック及び/又は音響、前記ユーザーが好むゲームのジャンル、及び前記ユーザーのプレイに対する不正行為の有無のうち一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項3】
前記加工モジュールは、前記プレイ情報に対して各イベント別特徴を抽出し、抽出されたそれぞれの特徴に対して単語埋め込み(Word Imbedding)によってベクトル化することを特徴とする、請求項2に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項4】
前記AI分析モジュールは、ベクトル化された前記プレイ情報に対してCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムを適用して前記予測値を導出するCNNモジュールを含むことを特徴とする、請求項3に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項5】
前記AI分析モジュールは、ベクトル化された前記プレイ情報に対してLSTM(Long-Short Term Memory)アルゴリズムを適用して前記予測値を導出するLSTMモジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項6】
前記AI分析モジュールは、ベクトル化された前記プレイ情報に対してランダムフォレスト(Random Forest)及び/又は意思決定ツリー(Decision Tree)を含む静的分類アルゴリズムを適用して前記予測値を導出する静的分類モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項7】
前記AI分析モジュールは、前記CNNモジュール、前記LSTMモジュール及び前記静的分類モジュールのうち少なくとも2つをニューラルネットワークアルゴリズムを用いて組み合わせた結果に基づいて前記予測値を導出するニューラルネットワークモジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項8】
前記AI分析モジュールによって導出された前記予測値を、ゲーム提供社が運営するゲーム提供サーバーに送信する送信モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【請求項9】
前記ゲーム提供社が前記ユーザーに提供しようとするプロモーション関連情報であるプロモーション情報を前記ゲーム提供サーバーから提供され、前記プロモーション情報を前記ユーザー端末機に提供するプロモーション管理モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のユーザーのゲームプレイ予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AIベースのユーザーゲームプレイ予測システムに関し、より詳細には、ユーザーのログ記録などのようなプレイ情報に基づいて、ユーザーの今後のゲームプレイに関連した行動を予測するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発達により、様々なコンピュータゲームが活性化され、多くのユーザーがオンラインゲームを楽しんでいる。多くのゲーム開発社が競争的に種々のゲームを発売しており、コンピュータゲームを楽しむユーザーにゲームに対してマーケティングをする必要がある。マーケティングをしようとするゲーム開発社は、不特定多数のユーザーに対するプレイ指向が分かり難いため、特定ゲームに適する主な需要層をターゲットとするマーケティングが行い難い。これにより、マーケティングにかかる努力と費用に比べて十分なマーケティング効果が期待できない状況である。その上、ネットワーク上の広告市場では人為的に広告照会トラフィックを増加させるなど、詐欺性操作が盛んであり、これはゲーム開発社の費用増加の弊害を招き、結果としてユーザーに課金されるゲーム利用料の増加につながる。
【0003】
ターゲットマーケティングをするために基本的に必要なのは、ユーザーの指向分析である。すなわち、どのようなユーザーがどれくらいの頻繁でそして長時間ゲームをするかなどのような情報が把握できれば、そのユーザーに集中的に広告をすることによって広告の効果を高めることができる。しかし、このような指向分析だけでは、依然としてターゲット広告の効果に限界がある。仮に、あるユーザーに対して過去プレイパターンに基づいて今後のプレイ行動が予測できれば、当該ユーザーに対する予測値に基づいて、より一層そのユーザーに符合し且つ効果の高いターゲット広告を行うことができるだろう。例えば、特定ユーザーが今夜9時から2時間ゲームをすることが予想され、このユーザーに楽しんでもらえると予想される新しいゲームがあると、このような予想値に基づいて、ユーザーが実際にゲームを始める直前に、新しいゲームを無料で体験できるクーポンを発送することができる。このように予測値に基づいてターゲット広告をする場合、広告の効果は、単純な指向分析に基づくそれとは比べものにならないほど大きいと予想される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、ユーザーのゲームに対するプレイ情報に対して人工知能アルゴリズムを適用し、ユーザーの今後のプレイに対する予測値を導出する方案を提供することである。
【0005】
また、本発明の目的は、このような予測値を例えばターゲットマーケティングなどに活用することによって、ゲーム開発社が、新しく発売されたゲームを、同ゲームに関心度が高いと予測されるユーザーにターゲッティング広告できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、ユーザーのゲームに対するプレイに関連した情報であるプレイ情報を、前記ユーザーの使用するユーザー端末機から提供されて収集する収集モジュールと、前記収集モジュールによって収集された前記プレイ情報を、分析に必要なデータの形態に加工する加工モジュールと、前記加工モジュールによって加工された前記プレイ情報を、人工知能アルゴリズムを用いたマシンラーニングによって分析し、前記ユーザーに対して今後予想されるゲームに関連した行動の予測値を導出するAI分析モジュールと、を含んで構成される、ユーザーのゲームプレイ予測システムを提示する。
【0007】
ここで、前記プレイ情報は、ゲームがプレイされる前記ユーザー端末機にゲームのプレイのために入力される入力信号、ゲームがプレイされる前記ユーザー端末機によって出力される出力信号、前記ユーザーのゲームに対するログ記録、ゲームのプレイのためのプログラムが前記ユーザー端末機に設置及び削除された履歴、ゲームに対する前記ユーザーのプレイ等級、及び前記ユーザーのゲームに関連した決済内訳のうち一つ以上を含む。そして、前記予測値は、前記ユーザーがゲームをプレイする時刻、特定時刻に前記ユーザーがゲームをプレイするか否か、前記ユーザーがプレイするゲーム、前記ユーザーのゲームに対する決済の有無及び/又は決済金額、特定ゲームに対する前記ユーザー数の変化、及び特定ゲームに対する前記ユーザーの離脱の有無のうち一つ以上を含む。
【0008】
前記AI分析モジュールは、前記予測値と共に、前記ゲームのプレイに関連した所定の判別値を導出する。前記判別値は、前記ユーザーのゲームプレイ操作方式、前記ユーザーがロボットか否か、前記ユーザーが好むゲームのグラフィック及び/又は音響、前記ユーザーが好むゲームのジャンル、及び前記ユーザーのプレイに対する不正行為の有無のうち一つ以上を含む。
【0009】
前記加工モジュールは、前記プレイ情報に対して各イベント別特徴を抽出し、抽出されたそれぞれの特徴に対して単語埋め込み(Word Imbedding)によってベクトル化する。
【0010】
前記AI分析モジュールは、ベクトル化された前記プレイ情報に対してCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムを適用して前記予測値を導出するCNNモジュール、ベクトル化された前記プレイ情報に対してLSTM(Long-Short Term Memory)アルゴリズムを適用して前記予測値を導出するLSTMモジュール、及びベクトル化された前記プレイ情報に対してランダムフォレスト(Random Forest)及び/又は意思決定ツリー(Decision Tree)を含む静的分類アルゴリズムを適用して前記予測値を導出する静的分類モジュールを含んで構成されてよい。
【0011】
また、前記AI分析モジュールは、前記CNNモジュール、前記LSTMモジュール及び前記静的分類モジュールのうち少なくとも2つをニューラルネットワークアルゴリズムを用いて組み合わせた結果に基づいて前記予測値を導出するニューラルネットワークモジュールをさらに含んで構成されてよい。
【0012】
本発明に係るユーザーのゲームプレイ予測システムは、前記AI分析モジュールによって導出された前記予測値を、ゲーム提供社が運営するゲーム提供サーバーに送信する送信モジュールをさらに含んで構成されてよい。
【0013】
また、本発明に係るユーザーのゲームプレイ予測システムは、前記ゲーム提供社が前記ユーザーに提供しようとするプロモーション関連情報であるプロモーション情報を前記ゲーム提供サーバーから提供され、前記プロモーション情報を前記ユーザー端末機に提供するプロモーション管理モジュールをさらに含んで構成されてよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザーのゲームに対するプレイ情報に対して人工知能アルゴリズムを適用し、ユーザーの今後のプレイに対する予測値を導出することができる。このような予測値は、例えばターゲットマーケティングなどに活用されることにより、新しく発売されたゲームを、同ゲームに関心度が高いと予測されるユーザーにターゲッティング広告することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るユーザーゲームプレイ予測システムを含む全体構成を示す図である。
図2図1のAI分析モジュールの細部構成を示す図である。
図3図2のCNNモジュールに入力されるデータの形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
【0017】
以下の説明において、「~システム」、「~モジュール」などと記載される構成は、それぞれが一つのコンピュータやサーバーとして具現されてもよく、一つのコンピュータやサーバー内に機能モジュールとしてそれぞれ区分して備えられるように構成されてもよい。本発明の説明において、本発明の要旨と直接関連していないか、通常明らかに備えられる一般構成については、本発明の特徴的な構成と直接関連していない限り、その詳細な構成の図示及び説明が省略される。
【0018】
図1は、本発明に係るユーザーゲームプレイ予測システムを含む全体構成を示す図である。
【0019】
本発明のシステム100は、ゲームをプレイするユーザーからプレイ情報を提供され、このプレイ情報に基づいてユーザー行動の予測値を導出する。そのために、ユーザーの使用するユーザー端末機70は、インターネットを介して本発明のシステム100に連結され、相互に通信可能である。
【0020】
また、本発明のシステム100は、このような予測値をゲーム開発社に提供し、ゲームに対するプロモーションに必要なプロモーション情報を生成又は送信できるようにするか、又はゲーム開発社からプロモーション要請がある場合に、それを受信し、予測値に基づいて当該ゲームに符合する行動が予測されるユーザーにプロモーション情報を提供する。そのために、ゲーム開発社の運営するゲーム提供サーバー50は、インターネットを介して本発明のシステム100に連結され、相互に通信可能である。
【0021】
本発明のシステム100がユーザー端末機70に対して通信可能に連結され、後述するプレイ情報をユーザー端末機70から受信できるようにすることは、様々な方法によって具現されてよい。ただし、ユーザー端末機70が自発的にシステム100に接続するようにすることは、様々なプレイ情報の集合に不適であるといえ、したがって、ユーザー端末機70に別個のアプリケーションを設置し、ユーザーがゲームをプレイする度に、アプリケーションの動作によってプレイ情報がユーザー端末機70からシステム100に送信されるようにすることが好ましい。そのために、例えば、ユーザーが一般に設置する保安プログラムを設置する時に、ユーザー同意の下でプレイ情報を送信するアプリケーションが設置されるようにする方案が用いられてよい。
【0022】
図1に示すように、本発明のシステム100は、収集モジュール110、加工モジュール120、AI分析モジュール130、送信モジュール140、及びプロモーション管理モジュール150を含んで構成される。
【0023】
収集モジュール110は、ユーザーのゲームに対するプレイに関連した情報であるプレイ情報をユーザー端末機70から提供されて収集する。ここで、プレイ情報は、ユーザーの今後のゲームに関連した行動の予測値を導出するための基礎となる情報であり、主にユーザーのプレイパターンに関連した情報である。プレイ情報は、ゲームがプレイされるユーザー端末機70にゲームのプレイのために入力される入力信号、及びゲームがプレイされる前記ユーザー端末機によって出力される出力信号を含んでよい。このような入力信号と出力信号は、例えば、入力の個数、頻度、速度などを分析するか、プレイ中にゲームから出力される音響を分析することにより、ユーザーのプレイ指向を導出するか、又はユーザーが好むゲームの種類などを導出する資料となり得る。プレイ情報は、前記ユーザーのゲームに対するログ記録を含んでよい。ログ記録は、例えば、あるゲームに対して接続開始及び終了した時刻に対するデータを用いて、プレイの頻度、一度プレイする時の持続時間、プレイする時間帯などを各ゲーム別に導出する資料となり得る。プレイ情報は、ゲームのプレイのためのプログラムがユーザー端末機70に設置及び削除された履歴を含んでよい。このような履歴は、ユーザーが特定ゲームを楽しむ持続程度、楽しむゲームの種類、及び楽しむゲームの変化などについて導出する資料となり得る。プレイ情報は、ゲームに対するユーザーのプレイ等級を含んでよい。プレイ等級は、当該ユーザーのゲーム熟練度によってマニア層であるか否かなどを導出する資料となり得る。プレイ情報は、ユーザーのゲームに関連した決済内訳を含んでよい。決済内訳は、ユーザーがゲームを楽しむために支払う意向がある費用などを導出する資料となり得る。
【0024】
加工モジュール120は、収集モジュール110によって収集されたプレイ情報を、AI分析モジュール130が分析動作するのに必要なデータの形態に加工する。このとき、加工モジュール120は、プレイ情報に対して各イベント別特徴を抽出し、抽出されたそれぞれの特徴に対して単語埋め込み(Word Imbedding)によってベクトル化する方式で加工することができる。具体的には、ユーザーのプレイ情報を各イベント別に分類し、それにマッチングする単語に分類する。例えば、Ligin、SignUp、LevelUpなどのようなイベントに区分して分類されてよい。このように分類された各イベントを単語埋め込みによってベクトルに変更する。各イベントのベクトルは、各イベント間の相関関係が高いほど類似の値を有するベクトルとなり、相関関係が低いほど非類似の値を有するベクトルとなる。このように、ベクトルに変更されたデータ値に基づいてフィーチャー(feature)を分類する。このように分類されたフィーチャーがAI分析モジュール130での学習アルゴリズムに入力される入力データとして使用される。
【0025】
AI分析モジュール130は、加工モジュール120によって加工されたプレイ情報を、人工知能アルゴリズムを用いたマシンラーニングによって分析し、それぞれのユーザーに対して今後予想されるゲームに関連した行動の予測値を導出する。ここで、予測値は、本発明のシステム100が究極として求めようとする結果であり、様々な種類を含んでよい。すなわち、予測値は、ユーザーがゲームをプレイする時刻、特定時刻にユーザーがゲームをプレイするか否か、ユーザーがプレイするゲーム、ユーザーのゲームに対する決済の有無及び/又は決済金額、特定ゲームに対するユーザー数の変化、及び特定ゲームに対するユーザーの離脱の有無、のうち一つ以上の項目を含んでよい。このようなそれぞれの予測値項目は、本発明のシステム100が常時導出することもでき、ゲーム提供サーバー50から特定項目の予測値が要求される場合にシステム100が当該項目の予測値を導出することもできる。
【0026】
例えば、ゲーム提供サーバー50が今夜9時~10時の時間にゲームをプレイすると予測されるユーザーに特定広告コンテンツを送信しようとする場合、ゲーム提供サーバー50はそのような要請を本発明のシステム100に送信する。システム100のAI分析モジュール130は、分析アルゴリズムを実行してその項目の予測値を導出する。導出された結果によって、システム100は、ゲーム提供サーバー50から受信した広告コンテンツを、予測されたユーザーのユーザー端末機70に送信する。好ましくは、AI分析モジュール130は、各予測値の項目を各ユーザー別に1又は0に区分した結果として導出する。すなわち、前記事例において、各ユーザー別に「User1=0,User2=0,User3=1、・・・」のように全てのユーザーに対して予測値が決定される。
【0027】
一方、本発明のAI分析モジュール130は、上記のような予測値と共に、ゲームのプレイに関連した所定の判別値を導出するように構成される。判別値の導出にも人工知能アルゴリズムが適用される。
【0028】
判別値は、特定ユーザーに対する今後の行動の予測値とは区分される概念であり、ユーザーに対するゲームに関連した各種統計と関連しているか、ユーザーのプレイ全般に関連した異常動作などに対して判断した値を意味する。一例として、判別値は、ユーザーのゲームプレイ操作方式、ユーザーがロボットか否か(すなわち、人であるユーザーを装ってゲームプレイのために開発されたマシンによってゲームが行われるか否か)、ユーザーが好むゲームのグラフィック及び/又は音響、ユーザーが好むゲームのジャンル、及びユーザーのプレイに対する不正行為の有無などを含んでよい。プレイに対する統計に関連した判別又は異常動作などのような現象の有無に対する判別などは、単純に特定イベントの発生に基づいて判断すると、その判断の正確度が低下する。したがって、本発明の人工知能アルゴリズムを適用することにより、その判別の正確度がマシンラーニングによって適応的に改善されるようにしてよい。
【0029】
送信モジュール140は、AI分析モジュール130によって導出された予測値及び/又は判別値を、ゲーム提供サーバー50に送信する。送信モジュール140から予測値及び/又は判別値を提供されることにより、ゲーム提供サーバー50は、広告のためにユーザーに対する行動予測をするか、ゲーム開発のための方向設定のために判別値を参考することができる。送信モジュール140の送信は、ゲーム提供サーバー50からの別の要請がある場合にのみなされるようにすることが好ましい。
【0030】
プロモーション管理モジュール150は、ゲーム提供社がユーザーに提供しようとするプロモーション関連情報であるプロモーション情報をゲーム提供サーバー50から提供され、このプロモーション情報をユーザー端末機に提供する機能を担う。プロモーション情報は、例えば、ゲーム提供サーバー50が提供するゲームに対する広告、同ゲームに対するリウォード(reward)、同ゲームを無料で体験できるクーポンなどを含んでよく、その他に全体ユーザーのうち、ゲーム提供サーバー50が提供するゲームの特性に符合すると予測されたユーザーにのみ符合する個別のコンテンツとして作成されてよい。
【0031】
以下では、本発明のシステム100におけるAI分析モジュール130の構成及び動作についてより具体的に述べる。
【0032】
図2は、図1のAI分析モジュール130の細部構成を示す図である。本発明のAI分析モジュール130は、CNNモジュール131、LSTMモジュール132、静的分類モジュール133、及びニューラルネットワークモジュール135を含んで構成される。
【0033】
CNNモジュール131は、加工モジュール120によってベクトル化されたプレイ情報に対してCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムを適用して予測値を導出する。CNNアルゴリズムは、イメージ分類処理に最適化された人工知能アルゴリズムであり、視覚化されたデータから、フィルターが動作して特異性を見出すのに主に用いられる。図3は、図2のCNNモジュール131に入力されるデータの形態を例示する図であり、前述したように、加工モジュール120によってベクトル化されて特徴別に抽出された各ユーザーのデータを、イメージデータのような形態で構成したものである。図3で、各ユーザー(User1,User2,.....)に対するプレイ情報が各日付別(Day1,Day2,.....)に区分されて行をなすように配置されており、また、各日付に対するプレイ情報がベクトル化された各特徴別(Feature1,Feature2,......)に列をなすように配置され、一ユーザー(User1)に対するプレイ情報がイメージデータのような形態で配置されている。このように、各ユーザー別にプレイ情報がユーザーの数だけ形成されることにより、CNNモジュール131に入力されるプレイ情報が生成される。CNNモジュール131は、このように分類されたプレイ情報にCNNアルゴリズムを適用し、特定項目の予測値を導出する。CNNアルゴリズムは、このようにイメージ化された形態のプレイ情報に対してマシンラーニングを適用するので、最適化されたアルゴリズムを提供する。
【0034】
LSTMモジュール132は、ベクトル化されたプレイ情報に対してLSTM(Long-Short Term Memory)アルゴリズムを適用し、予測値を導出する。LSTMアルゴリズムは、以前の入力データを記憶して分析するRNNアルゴリズムの短い期間持続性を改善したアルゴリズムであり、長い期間のデータに対して持続して予測するのに最適化されたアルゴリズムである。例えば、ユーザーのプレイ情報に対してゲームに接続したログ記録に対して分析する場合に、ある一日の日付におけるログ記録に対するデータと、複数の日付にわたるログ記録に対するデータに関する分析が全て必要であり、これらのログ記録に対するデータが入力される間に他のデータ、例えば入力信号と出力信号の購買記録などのようなデータも混入する。このように入力される種々のプレイ情報のうちログ記録に対する分析のみが要求される場合に、LSTMアルゴリズムは、誤りの少ない効果的な分析ツールを提供する。
【0035】
静的分類モジュール133は、ベクトル化されたプレイ情報に対してランダムフォレスト(Random Forest)及び/又は意思決定ツリー(Decision Tree)を含む静的分類アルゴリズムを適用して予測値を導出する。静的分類手法は、ディープラーニング方式の研究が活発になる以前から計算式を用いて分類していた伝統的な手法であり、迷惑メールの分類、悪性コードの探知、イメージ分類、化合物分類などの様々な分野で長い間に幅広く使用されてきた手法である。静的分類アルゴリズムを適用する場合、非常に安定的で均衡的な結果を導出するのに適している。したがって、上記のようなCNNアルゴリズムとLSTMアルゴリズムに対して静的分類アルゴリズムを組み合わせると、CNNアルゴリズムとLSTMアルゴリズムに特化された結果値に安定した結果値が組み合わせられ、予測の正確度が高くなり得る。
【0036】
ニューラルネットワークモジュール135は、CNNモジュール131、LSTMモジュール132及び静的分類モジュール133の出力結果に対してニューラルネットワークアルゴリズムを用いて組み合わせた結果に基づいて予測値を導出する。一般に、マシンラーニングモデルは、特定領域における解を探すために特化されている。マシンラーニングを活用する際に、各モデルの個別特徴を結合させてより強力なモデルを構成でき、例えば、Aモデルの結果をBモデルの入力として結合させるか、それぞれ異なるモデルの結果を結合させるアンサンブル手法を適用することができる。アンサンブル手法は、各モデル別結果値に対して加重値を付与して組み合わせる方法などを適用し、最終結果値をより効果的に導出することができる。これは、個別モデル間において多様性が存在する時に、より正確な結果が得られるようにする。本発明では、上述した各モジュール131,132,133に対してニューラルネットワークアルゴリズムを用いて組み合わせることにより、より正確な予測値が得られるようにする。一方、ニューラルネットワークモジュール135は、CNNモジュール131、LSTMモジュール132及び静的分類モジュール133の全てではなく、これらのうちいずれか2個のモジュールに対してのみ組み合わせた結果を導出するように構成されてもよい。
【0037】
以上述べたような本発明によれば、ユーザーのゲームに対するプレイ情報に対して人工知能アルゴリズムを適用し、ユーザーの今後のプレイに対する予測値を導出することができる。このような予測値に基づいて、例えばターゲットマーケティングなどに活用することにより、ゲーム開発社は、新しく発売されたゲームを、同ゲームに関心度が高いと予測されるユーザーにターゲッティング広告することができる。
【0038】
その他、本発明によれば、様々な予測値と判別値が得られ、これに基づいて、新しいゲームに対する種類や特性などに関連したユーザーのニーズが把握できる。したがって、多くのユーザーに人気を得てもらえるゲーム開発の方向設定などにも本発明を活用することができる。
【0039】
以上、図示している一実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、本技術の分野における通常の知識を有する者であれば、それらから様々な変形及び均等な他の実施例が可能である点が理解できよう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付する特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきであろう。
【符号の説明】
【0040】
50 ゲーム提供サーバー
70 ユーザー端末機
100 システム
110 収集モジュール
120 加工モジュール
130 AI分析モジュール
131 CNNモジュール
132 LSTMモジュール
133 静的分類モジュール
135 ニューラルネットワークモジュール
140 送信モジュール
150 プロモーション管理モジュール
図1
図2
図3
【国際調査報告】