(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-11
(54)【発明の名称】配電システムの中で複数のコンポーネントを接続するスプライスブロックシステム
(51)【国際特許分類】
H01R 31/08 20060101AFI20250304BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20250304BHJP
H01R 13/187 20060101ALI20250304BHJP
H02G 15/08 20060101ALI20250304BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
H01R31/08 Q
H01R13/52 B
H01R13/187 Z
H02G15/08
H02G3/06 016
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547221
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2023025059
(87)【国際公開番号】W WO2023151870
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】デーゲン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ジェームズ
【テーマコード(参考)】
5E087
5G375
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF08
5E087LL17
5E087MM08
5E087QQ04
5E087RR04
5E087RR12
5E087RR13
5E087RR15
5E087RR34
5G375AA02
5G375BA26
5G375BB24
5G375BB28
5G375CA02
5G375CA19
5G375DB16
5G375DB22
(57)【要約】
【要約】
スプライスブロックシステムは、配電システムの中の複数のコンポーネントを接続するように構成されている。スプライスブロックは、(i)取り外し可能なカバーを有する外部ハウジングと、(ii)取り外し可能なカバーに結合され、第1雌端子アセンブリと、第2雌端子アセンブリと、第3雌端子アセンブリとを含む相手側アセンブリと、(iii)第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと、(iv)第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリと、(v)第3雄端子アセンブリを有する第3雄コネクタアセンブリとを含む。位置決め力FPが、第1、第2及び第3雄端子アセンブリのそれぞれに加えられ、第1、第2及び第3雄端子アセンブリの範囲が、それぞれの第1、第2及び第3雌端子アセンブリの中に位置決めされるために、位置決め力FPに実質的に垂直な向きの結合力Fcが、取り外し可能なカバーに加えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電システムの中で使用するスプライスブロックシステムであって、
取り外し可能なカバーを有する外部ハウジングと、
前記取り外し可能なカバーに結合され、第1雌端子アセンブリと、第2雌端子アセンブリと、第3雌端子アセンブリとを含む相手側アセンブリと、
第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと、
第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリと、
第3雄端子アセンブリを有する第3雄コネクタアセンブリとを備え、
スプライスブロックシステムを分解状態S
DAから完全に組み立てられた状態S
FAへ移動させるために、位置決め力F
Pが、前記第1雄端子アセンブリと、前記第2雄端子アセンブリと、前記第3雄端子アセンブリとのそれぞれに加えられ、
スプライスブロックシステムを接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動させるために、前記位置決め力F
Pに実質的に垂直な向きの結合力Fcの作用が前記取り外し可能なカバーに加えられ、
前記接続状態S
CONで、(i)前記第1雄端子アセンブリの範囲が前記第1雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(ii)前記第2雄端子アセンブリの範囲が前記第2雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(iii)前記第3雄端子アセンブリの範囲が前記第3雌端子アセンブリの中に位置決めされている、
スプライスブロックシステム。
【請求項2】
前記第1雌端子アセンブリは、前記取り外し可能なカバーに実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項3】
前記第1雄端子アセンブリは、前記接続状態S
CONで前記取り外し可能なカバーに実質的に平行に配置されている前壁を含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項4】
前記第1雄端子アセンブリは、前記接続状態S
CONで前記取り外し可能なカバーに実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項5】
前記接続状態S
CONで、前記第1雌端子アセンブリは、前記第1雄端子アセンブリの側壁に実質的に平行に配置される側壁を含み、
前記第1雌端子アセンブリと前記第1雄端子アセンブリとの前記側壁は、前記取り外し可能なカバーに垂直に配置されている、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項6】
前記相手側アセンブリは、前記取り外し可能なカバーに結合されている内部雌型ハウジングアセンブリを含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項7】
前記内部雌型ハウジングアセンブリは、
(i)立方体状の構成を有し、前記第1雌端子アセンブリを受容するように構成されている第1レシーバと、
(ii)立方体状の構成を有し、前記第2雌端子アセンブリを受容するように構成されている第2レシーバと、
(iii)立方体状の構成を有し、前記第3雌端子アセンブリを受容するように構成されている第3レシーバとを含む、請求項6記載のスプライスブロックシステム。
【請求項8】
前記内部雌型ハウジングアセンブリは、雄型圧縮手段を含む、請求項6記載のスプライスブロックシステム。
【請求項9】
スプライスブロックシステムが前記接続解除状態S
DCONから前記接続状態S
CONへ移動した場合に、前記雄型圧縮手段は、前記第1雄端子アセンブリと、前記第2雄端子アセンブリと、前記第3雄端子アセンブリとの範囲を圧縮する、請求項8記載のスプライスブロックシステム。
【請求項10】
前記雄型圧縮手段は、圧縮面を含み、角度が、前記圧縮面と前記内部雌型ハウジングアセンブリの外面との間に形成されている、請求項8記載のスプライスブロックシステム。
【請求項11】
前記角度は1°及び10°の間である、請求項10記載のスプライスブロックシステム。
【請求項12】
前記相手側アセンブリは、ブリッジを含み、前記ブリッジは、実質的に平面状の構成を有し、第1、第2及び第3端子アセンブリを互いに電気的に相互接続するように構成されている、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項13】
前記相手側アセンブリはさらに、前記ブリッジと前記取り外し可能なカバーとの間に位置決めされているブリッジハウジングを含む、請求項12記載のスプライスブロックシステム。
【請求項14】
前記接続解除状態S
DCONから前記接続状態S
CONへ移動するために必要とされる前記結合力Fcは、45ニュートン未満である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項15】
前記結合力Fcは、USCARクラス2コネクタ仕様を満たす、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項16】
前記接続解除状態S
DCONから前記接続状態S
CONへ移動するために必要とされる前記結合力Fcは、75ニュートン未満である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項17】
前記結合力Fcは、USCARクラス3コネクタ仕様を満たす、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項18】
前記結合力Fcは、(i)第1力成分と、(ii)前記第1力成分とは異なる第2力成分とを有する、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項19】
前記結合力Fcの前記第1力成分に関連する力は、前記結合力Fcの前記第2力成分に関連する力よりも大きい、請求項18記載のスプライスブロックシステム。
【請求項20】
前記第1力成分と前記第2力成分との間の差は、触覚フィードバックをユーザに提供し、前記触覚フィードバックは、前記第1、第2及び第3雄端子アセンブリのそれぞれが、それぞれの前記第1、第2及び第3雌端子アセンブリの中に配置されていることを前記ユーザに通知する、請求項18記載のスプライスブロックシステム。
【請求項21】
前記第1雄端子アセンブリは、バネ部材を受容するように構成されたレシーバを有する雄端子本体を含む、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項22】
前記第1雄端子アセンブリは、前壁を含み、前記前壁は、(i)前記バネ部材を前記レシーバの中に受容するように構成された開位置から、(ii)前記バネ部材を前記レシーバの中に固定するように構成された閉位置へ可動である、請求項21記載のスプライスブロックシステム。
【請求項23】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)後壁を有する雄端子本体と、(ii)後壁を有するバネ部材とを含み、
前記第1雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、前記バネ部材の前記後壁は、前記雄端子本体の前記後壁に隣接して配置される、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項24】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)自由端を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
前記第1雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、前記接触アームの前記自由端は、前記バネアームの平面状の表面に突き当たる、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項25】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)内面を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)外面を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
前記第1雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、ギャップが、前記バネアームの前記外面の範囲と、前記接触アームの前記内面との間に形成される、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項26】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
前記接続状態S
CONで、前記バネ部材の前記バネアームは、第1の前記雄端子本体の前記接触アームに外向きのバネ付勢力を及ぼすように構成されている、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項27】
前記バネ付勢力は、前記位置決め力F
Pに実質的に平行に方向付けられる、請求項26記載のスプライスブロックシステム。
【請求項28】
前記バネ付勢力は、前記位置決め力F
Pに実質的に垂直に方向付けられる、請求項26記載のスプライスブロックシステム。
【請求項29】
前記バネ付勢力は、前記結合力Fcに実質的に垂直に方向付けられる、請求項26記載のスプライスブロックシステム。
【請求項30】
前記バネ付勢力は、前記取り外し可能なカバーに実質的に平行に方向付けられる、請求項26記載のスプライスブロックシステム。
【請求項31】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)回転防止突起を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
前記接続状態S
CONで、前記バネアームの前記回転防止突起は、第1の前記雄端子本体の範囲に隣接して配置されている、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項32】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)側壁に形成された接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
電流は、前記接触アームに到達するために前記側壁を流れる必要はない、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項33】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
前記接続状態S
CONで、前記第1雄端子アセンブリの前記接触アームは、前記バネ部材の前記バネアームと前記第1雌端子アセンブリの内面との間に挟まれる、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項34】
配電システムの中で使用するスプライスブロックシステムであって、
(i)側壁構造と、(ii)側壁構造に結合されている底壁とを有する外部ハウジングと、
前壁を伴う第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと、
前壁を伴う第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリとを備え、
完全に組み立てられた状態S
FAで、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとは、外部ハウジングの中に位置決めされ、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとの前壁は、(i)実質的に同一平面上にあり、(ii)底壁の範囲に実質的に平行に位置決めされている、
スプライスブロックシステム。
【請求項35】
第1雄端子アセンブリは、完全に組み立てられた状態S
FAで底壁に実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項36】
側壁構造は、底壁に垂直に配置されている側壁を含み、
第1雄端子アセンブリの前壁は、完全に組み立てられた状態S
FAで、外部ハウジングの側壁に実質的に垂直に配置されている、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項37】
側壁構造は、底壁に垂直に配置されている側壁を含み、
第1雄端子アセンブリは、完全に組み立てられた状態S
FAで、外部ハウジングの側壁と平行に配置されている側壁を含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項38】
第1雄端子アセンブリは第1側壁を含み、第2雄端子アセンブリは第1側壁を含み、
第1雄端子アセンブリの第1側壁は、第2雄端子アセンブリの第1側壁と同一平面上にある、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項39】
第1雄端子アセンブリは、外部ハウジングの底壁に実質的に平行に配置されている後壁を含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項40】
第1雄端子アセンブリは、外部ハウジングの底壁に実質的に平行に配置されているコネクタプレートを含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項41】
第1雄端子アセンブリは、(i)コネクタプレートと、(ii)コネクタプレートの範囲と同一平面上にあり、外部ハウジングの底壁に実質的に平行に配置されている後壁とを含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項42】
第1雄端子アセンブリは、外部ハウジングの前壁と底壁とに実質的に平行な後壁を含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項43】
第1雄端子アセンブリは、バネ部材を受容するように構成されたレシーバを有する雄端子本体を含む、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項44】
第1雄端子アセンブリは、前壁を含み、前壁は、(i)バネ部材をレシーバの中に受容するように構成された開位置から、(ii)バネ部材をレシーバの中に固定するように構成された閉位置へ可動である、請求項43記載のスプライスブロックシステム。
【請求項45】
第1雄端子アセンブリは、(i)後壁を有する雄端子本体と、(ii)後壁を有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に組み立てられた状態S
FAにある場合に、バネ部材の後壁は、雄端子本体の後壁に隣接して配置される、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項46】
第1雄端子アセンブリは、(i)自由端を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に組み立てられた状態S
FAにある場合に、接触アームの自由端は、バネアームの平面状の表面に突き当たる、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項47】
第1雄端子アセンブリは、(i)内面を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)外面を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に組み立てられた状態S
FAにある場合に、ギャップが、バネアームの外面の範囲と、接触アームの内面との間に形成される、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項48】
第1雄端子アセンブリは、(i)側壁に形成された接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
電流は、接触アームに到達するために側壁を流れる必要はない、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項49】
さらに、取り外し可能なカバーに結合され、第1雌端子アセンブリと第2雌端子アセンブリとを含む相手側アセンブリを備えている、請求項34ないし48のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項50】
第1雌端子アセンブリは、取り外し可能なカバーに実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項49記載のスプライスブロックシステム。
【請求項51】
相手側アセンブリは、取り外し可能なカバーに結合されている内部雌型ハウジングアセンブリを含む、請求項49記載のスプライスブロックシステム。
【請求項52】
内部雌型ハウジングアセンブリは、
(i)立方体状の構成を有し、第1雌端子アセンブリを受容するように構成されている第1レシーバと、
(ii)立方体状の構成を有し、第2雌端子アセンブリを受容するように構成されている第2レシーバと、
(iii)立方体状の構成を有し、第3雌端子アセンブリを受容するように構成されている第3レシーバとを含む、請求項51記載のスプライスブロックシステム。
【請求項53】
相手側アセンブリは、ブリッジを含み、ブリッジは、実質的に平面状の構成を有し、第1及び第2端子アセンブリを互いに電気的に相互接続するように構成されている、請求項49記載のスプライスブロックシステム。
【請求項54】
相手側アセンブリはさらに、ブリッジと取り外し可能なカバーとの間に位置決めされている非導電性ブリッジハウジングを含む、請求項53記載のスプライスブロックシステム。
【請求項55】
スプライスブロックシステムを接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動させるために、結合力Fcの作用が取り外し可能なカバーに加えられ、
接続状態S
CONで、(i)第1雄端子アセンブリの範囲が第1雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(ii)第2雄端子アセンブリの範囲が第2雌端子アセンブリの中に位置決めされている、請求項49記載のスプライスブロックシステム。
【請求項56】
相手側アセンブリは、雄型圧縮手段を含む、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項57】
スプライスブロックシステムが接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動した場合に、雄型圧縮手段は、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとの範囲を圧縮する、請求項56記載のスプライスブロックシステム。
【請求項58】
雄型圧縮手段は、圧縮面を含み、角度が、圧縮面と相手側アセンブリの外面との間に形成されている、請求項56記載のスプライスブロックシステム。
【請求項59】
角度は1°及び10°の間である、請求項58記載のスプライスブロックシステム。
【請求項60】
接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動するために必要とされる結合力Fcは、45ニュートン未満である、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項61】
結合力Fcは、USCARクラス2コネクタ仕様を満たす、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項62】
接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動するために必要とされる結合力Fcは、75ニュートン未満である、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項63】
結合力Fcは、USCARクラス3コネクタ仕様を満たす、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項64】
結合力Fcは、(i)第1力成分と、(ii)第1力成分とは異なる第2力成分とを有する、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項65】
結合力Fcの第1力成分に関連する力は、結合力Fcの第2力成分に関連する力よりも大きい、請求項64記載のスプライスブロックシステム。
【請求項66】
第1力成分と第2力成分との間の差は、触覚フィードバックをユーザに提供し、触覚フィードバックは、第1及び第2雄端子アセンブリのそれぞれが、それぞれの第1及び第2雌端子アセンブリの中に配置されていることをユーザに通知する、請求項64記載のスプライスブロックシステム。
【請求項67】
接続状態S
CONで、第1雌端子アセンブリは、第1雄端子アセンブリの側壁に実質的に平行に配置される側壁を含み、
第1雌端子アセンブリと第1雄端子アセンブリとの側壁は、取り外し可能なカバーに垂直に配置されている、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項68】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、バネ部材のバネアームは、第1の雄端子本体の接触アームに外向きのバネ付勢力を及ぼすように構成されている、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項69】
バネ付勢力は、結合力Fcに実質的に垂直に方向付けられる、請求項68記載のスプライスブロックシステム。
【請求項70】
バネ付勢力は、取り外し可能なカバーに実質的に平行に方向付けられる、請求項68記載のスプライスブロックシステム。
【請求項71】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)回転防止突起を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、バネアームの回転防止突起は、第1の雄端子本体の範囲に隣接して配置されている、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項72】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、第1雄端子アセンブリの接触アームは、バネ部材のバネアームと雌端子アセンブリの内面との間に挟まれる、請求項55記載のスプライスブロックシステム。
【請求項73】
スプライスブロックシステムを分解状態S
DAから完全に組み立てられた状態S
FAへ移動させるために、位置決め力F
Pが、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとのそれぞれに加えられる、請求項34記載のスプライスブロックシステム。
【請求項74】
位置決め力F
Pは、外部ハウジングの底壁に実質的に平行である、請求項73記載のスプライスブロックシステム。
【請求項75】
側壁構造は、底壁に垂直に配置されている側壁を含み、
位置決め力F
Pは、外部ハウジングの側壁に実質的に垂直である、請求項73記載のスプライスブロックシステム。
【請求項76】
スプライスブロックシステムを接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動させるために、位置決め力F
Pに実質的に垂直な向きの結合力Fcの作用が取り外し可能なカバーに加えられ、
接続状態S
CONで、(i)第1雄端子アセンブリの範囲が第1雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(ii)第2雄端子アセンブリの範囲が第2雌端子アセンブリの中に位置決めされている、請求項73記載のスプライスブロックシステム。
【請求項77】
バネ付勢力は、位置決め力F
Pに実質的に平行に方向付けられる、請求項76記載のスプライスブロックシステム。
【請求項78】
バネ付勢力は、位置決め力F
Pに実質的に垂直に方向付けられる、請求項76記載のスプライスブロックシステム。
【請求項79】
配電システムの中で使用するスプライスブロックシステムであって、
導電性カバーを有する外部ハウジングと、
カバーに結合されている相手側アセンブリとを備え、
相手側アセンブリは、
(i)第1雌端子アセンブリと、
(ii)第2雌端子アセンブリと、
(iii)第3雌端子アセンブリと、
(iv)第1、第2及び第3雌端子アセンブリに結合され、第1、第2及び第3雌端子アセンブリを互いに電気的に結合するように構成されているブリッジと、
(v)ブリッジとカバーとの間に位置決めされ、ブリッジをカバーから実質的に電気的に分離するように構成されている非導電性ブリッジハウジングとを含む、
スプライスブロックシステム。
【請求項80】
第1雌端子アセンブリは、導電性カバーに実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項79記載のスプライスブロックシステム。
【請求項81】
外部ハウジングは側壁を含み、
第1雌端子アセンブリは、導電性カバーが外部ハウジングに結合された場合に、導電性カバーに実質的に平行に配置されている側壁を含む、請求項79記載のスプライスブロックシステム。
【請求項82】
ブリッジは、実質的に平面状の構成を有する、請求項79記載のスプライスブロックシステム。
【請求項83】
相手側アセンブリは、ブリッジハウジングに結合されている内部雌型ハウジングアセンブリを含む、請求項79記載のスプライスブロックシステム。
【請求項84】
内部雌型ハウジングアセンブリは、
(i)立方体状の構成を有し、第1雌端子アセンブリを受容するように構成されている第1レシーバと、
(ii)立方体状の構成を有し、第2雌端子アセンブリを受容するように構成されている第2レシーバと、
(iii)立方体状の構成を有し、第3雌端子アセンブリを受容するように構成されている第3レシーバとを含む、請求項83記載のスプライスブロックシステム。
【請求項85】
内部雌型ハウジングアセンブリは、雄型圧縮手段を含む、請求項83記載のスプライスブロックシステム。
【請求項86】
雄型圧縮手段は、圧縮面を含み、角度が、圧縮面と内部雌型ハウジングアセンブリの外面との間に形成されている、請求項85記載のスプライスブロックシステム。
【請求項87】
角度は1°及び10°の間である、請求項86記載のスプライスブロックシステム。
【請求項88】
さらに、
第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと、
第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリと、
第3雄端子アセンブリを有する第3雄コネクタアセンブリとを備えている、請求項79ないし87のいずれか1項に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項89】
第1雄端子アセンブリは、導電性カバーに実質的に平行に配置されている前壁を含む、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項90】
第1雄端子アセンブリは、導電性カバーに実質的に垂直に配置されている側壁を含む、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項91】
第1雌端子アセンブリは、第1雄端子アセンブリの側壁に実質的に平行に配置されている側壁を含み、
第1雌端子アセンブリと第1雄端子アセンブリとの側壁は、導電性カバーに垂直に配置されている、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項92】
スプライスブロックシステムを分解状態S
DAから完全に組み立てられた状態S
FAへ移動させるために、位置決め力F
Pが、第1雄端子アセンブリと、第2雄端子アセンブリと、第3雄端子アセンブリとのそれぞれに加えられ、
スプライスブロックシステムを接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動させるために、位置決め力F
Pに実質的に垂直な向きの結合力Fcの作用が導電性カバーに加えられる、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項93】
接続状態S
CONで、(i)第1雄端子アセンブリの範囲が第1雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(ii)第2雄端子アセンブリの範囲が第2雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(iii)第3雄端子アセンブリの範囲が第3雌端子アセンブリの中に位置決めされている、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項94】
接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動するために必要とされる結合力Fcは、45ニュートン未満である、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項95】
結合力Fcは、USCARクラス2コネクタ仕様を満たす、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項96】
接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動するために必要とされる結合力Fcは、75ニュートン未満である、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項97】
結合力Fcは、USCARクラス3コネクタ仕様を満たす、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項98】
結合力Fcは、(i)第1力成分と、(ii)第1力成分とは異なる第2力成分とを有する、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項99】
結合力Fcの第1力成分に関連する力は、結合力Fcの第2力成分に関連する力よりも大きい、請求項98記載のスプライスブロックシステム。
【請求項100】
第1力成分と第2力成分との間の差は、触覚フィードバックをユーザに提供し、触覚フィードバックは、第1、第2及び第3雄端子アセンブリのそれぞれが、それぞれの第1、第2及び第3雌端子アセンブリの中に配置されていることをユーザに通知する、請求項98記載のスプライスブロックシステム。
【請求項101】
第1雄端子アセンブリは、バネ部材を受容するように構成されたレシーバを有する雄端子本体を含む、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項102】
第1雄端子アセンブリは、前壁を含み、前壁は、(i)バネ部材をレシーバの中に受容するように構成された開位置から、(ii)バネ部材をレシーバの中に固定するように構成された閉位置へ可動である、請求項101記載のスプライスブロックシステム。
【請求項103】
第1雄端子アセンブリは、(i)後壁を有する雄端子本体と、(ii)後壁を有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、バネ部材の後壁は、雄端子本体の後壁に隣接して配置される、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項104】
第1雄端子アセンブリは、(i)自由端を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、接触アームの自由端は、バネアームの平面状の表面に突き当たる、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項105】
第1雄端子アセンブリは、(i)内面を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)外面を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、ギャップが、バネアームの外面の範囲と、接触アームの内面との間に形成される、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項106】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、バネ部材のバネアームは、第1の雄端子本体の接触アームに外向きのバネ付勢力を及ぼすように構成されている、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項107】
バネ付勢力は、位置決め力F
Pに実質的に平行に方向付けられる、請求項106記載のスプライスブロックシステム。
【請求項108】
バネ付勢力は、位置決め力F
Pに実質的に垂直に方向付けられる、請求項106記載のスプライスブロックシステム。
【請求項109】
バネ付勢力は、結合力Fcに実質的に垂直に方向付けられる、請求項106記載のスプライスブロックシステム。
【請求項110】
バネ付勢力は、取り外し可能なカバーに実質的に平行に方向付けられる、請求項106記載のスプライスブロックシステム。
【請求項111】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)回転防止突起を伴うバネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、バネアームの回転防止突起は、第1の雄端子本体の範囲に隣接して配置されている、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項112】
第1雄端子アセンブリは、(i)側壁に形成された接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
電流は、接触アームに到達するために側壁を流れる必要はない、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【請求項113】
第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
接続状態S
CONで、第1雄端子アセンブリの接触アームは、バネ部材のバネアームと雌端子アセンブリの内面との間に挟まれる、請求項88記載のスプライスブロックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車に見られるように、配電システムの中で複数のコンポーネントを電気的に接続するために使用するスプライスブロックシステムに関する。さらに具体的には、スプライスブロックシステムは、配電システム又は環境の中で、1つの装置又はコンポーネントを少なくとも2つの他の装置又はコンポーネントに電気的に結合するための複数の電気コネクタアセンブリを備えている。
【0002】
本出願は、米国仮特許出願第63/308,488号の利益を主張するものであり、この仮特許出願は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
過去数十年にわたり、自動車、また、ピックアップトラック、商用バン及びトラック、セミトラック、オートバイ、全地形対応車、及びスポーツ用多目的車などの他のオンロード及びオフロード車両(総称して「自動車」)の中で、使用される電気コンポーネントの数は、劇的に増加している。電気コンポーネントは、限定されないが、自動車の性能、排出ガス、安全性の監視、向上、及び/又は制御を含む、様々な理由で自動車に使用され、自動車に乗る人の快適性を作り出す。自動車市場の多様なニーズと複雑さを満たす配電コンポーネントを開発するために、相当程度の時間、資源、エネルギーが費やされてきたが、従来の配電コンポーネントにはさまざまな欠点がある。
【0004】
限定されないが、初期取り付けを困難にするスペース制約、過酷な動作条件、大きな周囲温度範囲、長時間の振動、熱負荷、長寿命を含む、多くの条件により、自動車は、電気コンポーネントとコネクタアセンブリとの両方にとって困難な電気環境であり、これら全てがコンポーネント及び/又はコネクタの故障につながる可能性がある。例えば、一般的に組立工場で発生するコネクタの誤った取り付けと、一般的に現場で発生するコネクタの外れとは、電気コンポーネントと自動車との2つの重大な故障モードである。これらの故障モードはそれぞれ、多額の修理費と保証費を生じてしまう。例えば、全ての自動車メーカーとその直接の販売業者とによる保証のための年間発生額を合わせると、世界中で500億ドルないし1500億ドルに上ると推定される。このような厳しい電気環境を踏まえ、市場のニーズを満たす配電コンポーネントを見出すために、多大な時間、費用、エネルギーが費やされてきた。本開示は、従来の配電コンポーネントの欠点に対処する。本開示の特徴及び利点の完全な記述は、添付図面を参照しながら展開する以下の詳細な説明に譲る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、取り外し可能なカバーを伴う外部ハウジングを有する電気コネクタシステムに関する。第1雄コネクタアセンブリと、第2雄コネクタアセンブリと、第3雄コネクタアセンブリとが、位置決め力FPを使用して外部ハウジングの中に位置決めされる。第1、第2及び第3雄コネクタアセンブリは、それぞれ第1、第2及び第3雄端子アセンブリを有する。第1、第2及び第3雄端子アセンブリは、(i)前壁とバネレシーバとを有する雄端子本体と、(ii)内部バネ部材とを含む。また、相手側アセンブリは、外部ハウジングの中に位置決めされ、取り外し可能なカバーに結合され、(i)第1雌端子アセンブリと、(ii)第2雌端子アセンブリと、(iii)第3雌端子アセンブリとを含む。結合力Fcの作用がカバーに加えられ、これにより、第1、第2及び第3雄端子アセンブリの範囲が、相手側アセンブリの第1、第2及び第3雌端子アセンブリの中に位置決めされ、位置決め力FPが、結合力Fcに実質的に垂直に方向付けられる。
【0006】
さらに、電気コネクタシステムは、(i)側壁構造と、(ii)側壁構造に結合されている底壁とを有する外部ハウジングと;前壁を伴う第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと;前壁を伴う第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリとを備え、完全に組み立てられた状態SFAで、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとは、外部ハウジングの中に位置決めされ、第1雄端子アセンブリと第2雄端子アセンブリとの前壁は、(i)実質的に同一平面上にあり、(ii)底壁の範囲に実質的に平行に位置決めされているものであってよい。
【0007】
またさらに、電気コネクタシステムは、導電性カバーを有する外部ハウジングと;カバーに結合されている相手側アセンブリとを備え、相手側アセンブリは、(i)第1雌端子アセンブリと;(ii)第2雌端子アセンブリと;(iii)第3雌端子アセンブリと;(iv)第1、第2及び第3雌端子アセンブリに結合され、第1、第2及び第3雌端子アセンブリを互いに電気的に結合するように構成されているブリッジと;(v)ブリッジとカバーとの間に位置決めされ、ブリッジをカバーから実質的に電気的に分離するように構成されている非導電性ブリッジハウジングとを含むものであってよい。
【0008】
本開示の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮することにより明らかになる。図面では、明細書を通じて、同様の数字は同様の構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面は、一層の理解を提供するために含められ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。添付の図面は、開示された実施形態を示し、本明細書とともに、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。図面は以下の通りである。
【0010】
【
図1】複数の電気コネクタアセンブリを備えたスプライスブロックシステムの斜視図であり、スプライスブロックシステムは接続状態S
CONで示されている。
【
図2】接続解除状態S
DCONにある
図1のスプライスブロックシステムの斜視図であり、外部ハウジングの上部範囲が外部ハウジングから接続解除され、相手側アセンブリと複数の雄コネクタアセンブリとを露出させる。
【
図3】雄端子アセンブリとストレインリリーフアセンブリとを有する1つの雄コネクタアセンブリの斜視図である。
【
図4】非結合状態S
DCでの
図3の雄端子アセンブリの斜視図である。
【
図5】部分結合状態S
PCでの
図3の雄端子アセンブリの斜視図である。
【
図6】完全に結合された状態S
FCでの
図3の雄端子アセンブリの左側面図である。
【
図7】
図6の線7-7に沿って得られた雄端子アセンブリの断面図である。
【
図8】外部ハウジングと相手側アセンブリとの上部範囲の底面斜視図である。
【
図9】内部雌型ハウジングアセンブリと、複数の雌端子アセンブリと、ブリッジとを有する相手側アセンブリの正面図である。
【
図11】ブリッジに接続された複数の雌端子アセンブリの正面図である。
【
図12】ブリッジに接続された雌端子アセンブリの斜視図である。
【
図13】ブリッジに接続された雌端子アセンブリの側面図である。
【
図14】分解状態S
DAでのスプライスブロックシステムの斜視図である。
【
図15】部分的に組み立てられた状態S
PAでのスプライスブロックシステムの斜視図である。
【
図16】完全に組み立てられた状態S
FAでのスプライスブロックシステムの上面図である。
【
図17】
図16のスプライスブロックシステムの斜視図である。
【
図18】接続解除状態S
DCONでのスプライスブロックシステムの斜視図である。
【
図19】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの側面図である。
【
図20】
図19の線20-20に沿って得られたスプライスブロックシステムの断面図である。
【
図21】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの側面図である。
【
図22】
図21の線22-22に沿って得られたスプライスブロックシステムの断面図である。
【
図23】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの側面図である。
【
図24】
図23の線24-24に沿って得られたスプライスブロックシステムの断面図である。
【
図25】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの側面図である。
【
図26】
図25の線26-26に沿って得られたスプライスブロックシステムの断面図である。
【
図27】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの側面図である。
【
図28】
図27の線28-28に沿って得られたスプライスブロックシステムの断面図である。
【
図29】接続状態S
CONでのスプライスブロックシステムの部分断面図である。
【
図30】接続状態S
CONでの雄端子アセンブリと相手側アセンブリの範囲との側面図である。
【
図31】
図30の線31-31に沿って得られた雄端子アセンブリと雌端子アセンブリとの断面図である。
【
図32】スプライスブロックシステムを含む自動車Vに取り付けられた車両用スケートボード(スケートボードシャーシ)Sの斜視図である。
【
図33】スプライスブロックシステムを含む自動車Vの斜視図である。
【
図34】スプライスブロックシステムを含むバスの斜視図である。
【
図35】スプライスブロックシステムを含む船舶の斜視図である。
【
図36】スプライスブロックシステムを含むボートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、関連する教示を十分に理解するために、多数の具体的な詳細を例として述べる。しかしながら、本教示は、そのような詳細なしで実施することが可能であることは、当業者には明らかになる。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、及び/又は回路は、本教示の態様を不必要にあいまいにすることを避けるために、詳細な説明なしで、比較的高いレベルで述べられる。
【0012】
本開示は、多くの異なる形態の実施形態を含む。一方、本開示は、開示された方法及びシステムの原理の例示として考慮されるべきであり、開示された概念の広範な態様を、図示された実施形態に限定することを意図しないことを理解した上で、特定の実施形態が、図面に示され、本明細書の中で詳細に説明される。理解されるように、開示された方法及びシステムは、他の異なる構成が可能であり、いくつかの細部は、開示された方法及びシステムの範囲から逸脱しなければ、全て変更可能である。例えば、以下の1つ以上の実施形態の一部又は全部を、一貫性をもって、開示された方法及びシステムと組み合わせてよい。従って、図面と詳細な説明とは、本質的に例示的であるとみなされるものとし、制限的又は限定的ではない。
【0013】
[I.序論]
図面では、配電システム又は環境の中で、1つの装置又はコンポーネントを少なくとも2つの他の装置又はコンポーネントに、機械的かつ電気的に結合するように設計されているスプライスブロックシステム10を示す。例えば、第1装置又はコンポーネントは、電流供給コンポーネント(例えば、オルタネータ又はバッテリなどの電源)であってよく、第2及び第3装置又はコンポーネントは、2つの電流を引き込むコンポーネント(例えば、ラジエータファン、ヒーター付き座席、配電コンポーネント、又は別の電流を引き込むコンポーネント)であってよい。スプライスブロックシステム10を含む上述の配電システム又は環境は、航空機、自動車(
図32,33参照)、軍用車両(例えば、戦車、人員輸送車、大型トラック、部隊輸送車)、バス(
図34参照)、機関車、トラクター、ボート(小型船、
図36参照)、船舶(
図35参照)、潜水艦、バッテリパック、24-48ボルトシステム、高電力の用途、高電流の用途、高電圧の用途の中に設置されてよい。配電システムと自動車との産業規格、生産仕様、性能要件を満たすために、配電コンポーネントが必要である。複数のスプライスブロックシステム10が、自動車の配電システムでの複数のスプライスブロックシステム10のように、単一の用途に使用されてよいことを理解するものとする。
【0014】
スプライスブロックシステム10の様々な態様が、本明細書に開示され、図面に示されている。具体的には、スプライスブロックシステム10は、(i)外部ハウジング100と、(ii)複数の雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000と、(iii)相手側アセンブリ4000とから構成されている。後述するように、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000は、主に、(i)雄端子アセンブリ1430と、(ii)ストレインリリーフアセンブリ1800,2800,3800とから構成されている。相手側アセンブリ4000は、主に、(i)内部雌型ハウジングアセンブリ4010と、(ii)複数の雌端子アセンブリ4430,4530,4630と、(iii)ブリッジ又はバス4800などの内部電流分配コンポーネントとから構成されている。図面には、相手側アセンブリ4000を介して接続された3つの雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000が示されているが、一層少ない(即ち、2つの)雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000がスプライスブロックシステム10に含まれてよく、又は、追加の(例えば、20の)雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000がスプライスブロックシステム10に含まれてよいことが理解されるものとする。
【0015】
(i)複数の雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の第1部分は、「供給」雄コネクタアセンブリ1000として構成され、この供給雄コネクタアセンブリ1000は、外部装置からシステム10に電流を供給するのであり、(ii)複数の雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の第2部分は、「受信」雄コネクタアセンブリ2000,3000として構成され、この受信雄コネクタアセンブリ2000,3000は、システム10から電流を受信し、外部装置に供給することが理解されるものとする。従って、本出願によって、供給及び受信雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000と相手側アセンブリ4000との多様な構成が想定される。例えば、システム10は、1つの供給雄コネクタアセンブリと、3つの受信雄コネクタアセンブリとを含んでよい。別の例で、システム10は、4つの供給雄コネクタアセンブリと、1つの受信雄コネクタアセンブリとを含んでよい。追加的な例で、システム10は、2つの供給雄コネクタアセンブリと、5つの受信雄コネクタアセンブリとを含んでよい。最後の例で、システム10は、6つの供給雄コネクタアセンブリと、2つの受信雄コネクタアセンブリとを含んでよい。さらに、システム10が、供給雄コネクタアセンブリを受信雄コネクタアセンブリよりも多く含む場合に、又は、一層高い電流が流れる供給雄コネクタアセンブリと、一層低い電流が流れる受信雄コネクタアセンブリとを利用する場合に、配電システムは、供給雄コネクタアセンブリが受信雄コネクタアセンブリに、過剰に給電しないことを確実にするように構成される必要があることが理解されるものとする。上記の例では、供給及び受信雄コネクタアセンブリは、多数(例えば、1ないし20個)の相手側アセンブリを使用して、電気的に接続されてよい。このように、上記の開示は、供給雄コネクタアセンブリと、受信雄コネクタアセンブリと、相手側アセンブリとの組み合わせを限定しないものとする。
【0016】
[II.外部ハウジング]
外部ハウジング100は、主に、(i)カバー又は蓋105aのような上部範囲105と、(ii)底部のような下部範囲110と、(iii)側壁構造115とから構成されている。外部ハウジング100は、コネクタアセンブリ1000,2000,3000と相手側アセンブリ4000とを、外部の力と要素とから保護及び分離する。この保護と分離とを与えるために、ハウジング100は導電性材料と非導電性材料との両方から形成される。側壁構造115は、下部範囲又は底部110と一体的に形成され、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の範囲を受容するように設計された複数の開口122,124,126を含む。開口122,124,126のそれぞれは、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000がシステム10の中に取り付けられた場合に、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の範囲によってシールされる。このように、システム10が完全に組み立てられた状態S
FA(
図16及び
図17を参照)にある場合に、IP67規格に適合し、これは、システム10が、(i)15cmないし1mの深さの液体に、一時的に30分まで浸漬されることができ、(ii)気流に基づく8時間の気流試験中に、接触粉塵が外部ハウジング100に進入することを許容しないことを意味する。
【0017】
外部ハウジング100はまた、底壁110の範囲と、雄端子本体1472,2472,3472の後壁との間に配置された下部絶縁体部材、例えば板150を含む。下部絶縁板150は、非導電性材料から作られ、底壁110とハウジング100の下側の範囲とから、雄端子アセンブリ1430,2430,3430を電気的に分離するように構成されている。端子アセンブリ1430,2430,3430を分離することに加えて、下部絶縁板150は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430をハウジング100の中、また底壁110の上のどこに配置するかを、設置者/オペレータ/組立者に正確に知らせるロケータ機能を提供する。下部絶縁板150のロケータ機能は、以下のもの、即ち、(i)板150に形成された凹部、チャンネル又はキャビティ、(ii)板150の上の指標、又は(iii)板150の縁を利用することによって提供される。
【0018】
図16、
図28及び
図29に最もよく示されるように、外部ハウジング100はさらに、複数の内部支持壁180aないし180eを含み、複数の内部支持壁180aないし180eは、相手側アセンブリ4000に隣接して配置され、相手側アセンブリ4000の範囲に係合するように設計されている。相手側アセンブリ4000の外面と内部支持壁180aないし180eとの間の位置関係は、システム10の故障モードを減少させることを助け、システム10の寿命を向上させ、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000がハウジング100の中で不注意に動かないことを確実にすることを助ける。
図16を参照すると、下部絶縁板150は、これら2つのコンポーネントが構造的に相互作用するように、内部支持壁180aないし180eの下部範囲を受容する少なくとも1つの凹部又はギャップを含む。
図16及び多数の断面図で、内部支持壁180aないし180eは、底ハウジング壁110から測定されるように、相当程度の高さを有する。好ましくは、内部支持壁180aないし180eの高さは、ハウジング100の側壁115の高さよりも小さい。
【0019】
図2、
図8及び
図18に示すように、以下を介して、即ち、(i)実質的に垂直な(例えば下向き又は上向き)結合力Fc(
図18参照)、(ii)カバー105aと側壁構造115とに形成された開口の中に機械的締結具120を挿入すること、また(iii)機械的締結具120を締め付けて、上述のカバー105aを側壁構造115から固定/取り外すことを介して、カバー105aは、側壁構造115に取り外し可能に結合される。外部ハウジング100に対してカバー105aを固定/除去する能力は、広い面積で外部ハウジング100の中に雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000を機械的に固定する(例えば、フェルール圧縮クリップ130,131,132を使用して)ことを設置者に可能にするので、有益である。特に、ワイヤ1495,2495,3495は、外部ハウジング100の底壁110に直接固定され、一方、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000は、ワイヤ1495,2495,3495の直接固定を介して、外部ハウジング100の中に間接的に固定される。この配置により、ストレインリリーフアセンブリ1800,2800,3800又は側壁115の外側に配置される追加の構造のみに頼ることなく、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000を外部ハウジング100に固定することを可能にする。
【0020】
外部ハウジング100の構成は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430が、実質的に横方向、又は実質的に水平方向の位置決め力F
Pを使用して外部ハウジング100に挿入されることを可能にするように設計されている。位置決め力F
Pは、ハウジング100が載る水平な支持面に平行に方向付けられる。位置決め力F
Pは、カバー105aが存在する平面と、底ハウジング壁110が存在する平面とに、平行に方向付けられる。具体的には、第1又は供給雄端子アセンブリ1430は、第1の実質的に横方向の位置決め力F
P1を使用して、挿入される。第2又は第1受信雄端子アセンブリ2430は、第2の実質的に横方向の位置決め力F
P2を使用して、挿入される。第3又は第2受信雄端子アセンブリ3430は、第3の実質的に横方向の位置決め力F
P3を使用して、挿入される。第1の実質的に横方向の位置決め力F
P1は、第2及び第3の実質的に横方向の位置決め力F
P2及びF
P3と反対方向に、位置される。しかし、第1、第2及び第3の実質的に横方向の位置決め力F
P1ないしF
P3は互いに同一平面上にある。実質的に横方向の位置決め力F
P1ないしF
P3は、実質的に垂直な結合力Fcに実質的に垂直な方向に方向付けられる。この垂直な配置により、位置決め力F
P1ないしF
P3と結合力Fcとは、位置揃え、共線、共平面(同一平面上)、又は平行になっているものではない。位置決め力F
P1ないしF
P3と結合力Fcとの配置は、極めて高い「引き抜き力」F
POを必要とする。これについて、低い引き抜き力とは、システム10の潜在的な故障モードである。具体的には、引き抜き力F
POは、位置決め力F
P1ないしF
P3と反対の方向にワイヤ1495,2495,3495に加えられる力である。引き抜き力の故障モードは、効果的に排除される。なぜならば、(i)雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の機械的固定(例えば、フェルール圧縮クリップ130,131,132)と、(ii)ワイヤ1495,2495,3495と雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000との間の接続との両方に打ち勝つほど、引き抜き力は大きい必要があるためである。これとは対照的に、引き抜き力がさらに小さい場合に、位置決め力と結合力とが位置揃えされるか、実質的に共線(同一直線上)である従来のスプライスブロック装置に、不具合が生じる可能性がある。ここで、ワイヤが雄端子アセンブリから接続解除されずに、雄端子アセンブリは、雌端子アセンブリから係合解除される。本発明のシステム10では、雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000が外部ハウジング100の中に挿入され固定された場合に、システム10は、部分的に組み立てられた状態S
PA(
図15に示す)から完全に組み立てられた状態S
FA(
図16,17に示す)へ移動する。
【0021】
上記の開示に基づいて、結合力Fcは、以下に対して、即ち、(a)側壁構造115の垂直範囲、及び/又は(b)側壁部分1492b,1492dに対して、実質的に平行に方向付けられることが理解されるものとする。また、結合力Fcは、以下に対して、即ち、(a)カバー105aの水平範囲又は表面105b、(b)底壁110の水平範囲、及び/又は(c)前部雄端子壁1480,2480,3480の外面に、実質的に垂直に方向付けられる。位置決め力FP1ないしFP3は、以下に対して、即ち、(a)側壁構造115の垂直範囲、(b)結果として生じるバネ付勢力SFの第1範囲、及び/又は(c)側壁部分1492b,1492dに対して、実質的に垂直に方向付けられることが理解されるものとする。また、位置決め力FP1ないしFP3は、以下に対して、即ち、(a)カバー105aの水平範囲又は表面105b、(b)底壁110の水平範囲又は表面110a、(c)結果として生じるバネ付勢力SFの第2範囲、及び/又は(d)前部雄端子壁1480,2480,3480の外面に、実質的に平行に方向付けられる。他の実施形態では、外部ハウジング100は省略されてよく、異なる形状を有してよく、カバー105aは側壁構造115の一部又は範囲を含んでよいことが理解されるものとする。また、外部ハウジング100は、IP67規格を満たさなくてよく、それがある場合であっても、わずかな電磁干渉シールドしか提供しなくてよい。さらに、外部ハウジング100は、導電性プラスチック製であってよく、プレス成形、射出成形、3D印刷、又は任意の同様の方法で任意の同様の材料から形成されてよい。
【0022】
[III.供給雄コネクタアセンブリ]
システム10に電流を供給する第1又は供給雄コネクタアセンブリ1000は、主に、(i)供給雄端子アセンブリ1430と、(ii)ワイヤ1495と、(iii)ストレインリリーフアセンブリ1800とで構成されている。
【0023】
[A.供給雄端子アセンブリ]
図2ないし7,14ないし18,20,22,及び28ないし31は、供給雄端子アセンブリ1430の様々な図を示す。雄端子アセンブリ1430は、バネ部材1440cと雄端子1470とを含む。雄端子1470は、雄端子本体1472と、雄端子接続部材又は板1474とを含む。上述の雄端子本体1472は、(i)第1又は前部雄端子壁1480と、(ii)雄端子側壁1482aないし1482dの構成と、(iii)第2又は後部雄端子壁1484とを含む。これらの壁1480及び1482aないし1482dの組み合わせは、内部バネ部材、雄型バネ部材、又は第2バネ部材1440cを受容するように設計されたバネレシーバ1486を形成する。
【0024】
[1.内部バネ部材]
図4を参照すると、内部バネ部材1440cは、バネ部材側壁1442aないし1442dと、後部バネ壁1444との構成を含む。バネ部材側壁1442aないし1442dのそれぞれは、(i)第1バネ区間又はアーチ状バネ区間1448aないし1448dと、(ii)第2バネ区間、ベースバネ区間、又は中間バネ区間1450aないし1450dと、(iii)第3バネ区間又はバネアーム1452aないし1452hと、(iv)第4バネ区間又はセンタリング手段1453とによって構成されている。アーチ状バネ区間1448aないし1448dは、後部バネ壁1444とベースバネ区間1450aないし1450dとの間に延び、ベースバネ区間1450aないし1450dを後部バネ壁1444に、実質的に垂直に配置する。換言すれば、ベースバネ区間1450aないし1450dの外面は、後部バネ壁1444の外面に、実質的に垂直である。
【0025】
ベースバネ区間1450aないし1450dは、アーチ状区間1448aないし1448dとバネアーム1452aないし1452hとの間に配置されている。
図4に示すように、ベースバネ区間1450aないし1450dは接続されず、従って、ギャップが、バネ部材1440cのベースバネ区間1450aないし1450dの間に形成されている。このギャップは、バネアーム1452aないし1452hの全方向への拡張を助け、雄端子1470と雌端子アセンブリ4430との間の機械的結合を容易にする。バネアーム1452aないし1452hは、バネ部材1440cのベースバネ区間1450aないし1450dから延び、後部バネ壁1444から離れて延び、自由端1446で終端する。バネアーム1452aないし1452hは、概括的に平面状であり、バネアーム1452aないし1452hの外面が、ベースバネ区間1450aないし1450dの外面と同一平面上にあるように配置されている。PCT/US2018/019787の
図4ないし8の中に開示されているバネアーム31とは異なり、バネアーム1452aないし1452hの自由端1446は、曲線成分を有さない。その代わりに、バネアーム1452aないし1452hは、実質的に平面状の外面を有する。この構成は、バネ1440cに関連する力が、雄端子本体1472の自由端1488に実質的に垂直に加えられることを確実にするので、有益である。対照的に、バネアーム31の曲線成分は、PCT/US2018/019787の
図4ないし8の中に開示されているが、この方式では力を加えない。
【0026】
ベースバネ区間1450aないし1450dと同様に、バネアーム1452aないし1452hは互いに接続されない。換言すれば、バネアーム1452aないし1452hの間に延びるバネアーム開口が、存在する。この構成により、バネアーム1452aないし1452hの全方向への移動を可能にし、雄端子1470と雌端子アセンブリ4430との間の機械的結合が容易になる。他の実施形態では、バネアーム1452aないし1452hは、その全方向への拡張を制限するために他の構造に結合されてよい。個々のバネアーム1452aないし1452hと開口との数と幅とは、変化してよい。さらに、個々のバネアーム1452aないし1452hの幅は、典型的には等しいが、他の実施形態では、バネアーム1452aないし1452hのうちの1つは、他のバネアームよりも広くてよい。
【0027】
PCT/US2019/36127の
図5,6を参照すると、バネ部材1440pdの以前の設計は、製造公差と不完全な組立方法とに起因して、雄端子アセンブリ1430pdの雄端子本体1472pdの中で完全に位置揃えされないことがある。そのため、バネ部材1440pdは、雄端子アセンブリ1430pdの組立中に雄端子本体1472pdの中で位置ずれしたり、傾いたりする可能性がある。この位置ずれを回避するのを助けるために、本明細書で開示されるバネ部材1440cは、回転防止突起1454aないし1454dとして示されるセンタリング手段1453を含む。突起1454aないし1454dの外面と雄端子本体1472の側壁部分1492aないし1492dの内面との間の相互作用により、回転防止突起1454aないし1454dは、バネ部材1440cが雄端子本体1472の中で回転できる量を制限することによって、バネ部材1440cのセンタリングを助ける。
【0028】
雄端子本体1472の中でバネ部材1440cを適切にセンタリングすることは、雄端子アセンブリ1430の中で、適切にセンタリング又は位置揃えされない端子と比較して多くの利点を提供する。この利点は以下を含む。
(i)雄端子アセンブリ1430と雌端子アセンブリ4430との間に適切な接続を提供するために、バネ部材1440cが雄端子本体1472に適切な力を加えることを確実にする。
(ii)端子アセンブリ1430,4430の耐久性と使用可能な寿命とを、向上させることを助ける。
(iii)本明細書で開示されるか、又は本開示から当業者によって使用されることが可能である他の有益な特徴がある。
【0029】
他の実施形態では、センタリング手段又は位置揃え手段1453は、例えば、他の形態を取ってよいことを理解するものとする。即ち、
(i)単一の側壁の中に位置決めされる第1及び第2バネアーム1452a,1452bから外向きに延びる突起、
(ii)第1及び第5バネアーム1452a,1452eから外向きに延びる突起であり、突起が対角線上で互いに反対側に位置する突起、
(iii)全てのバネアーム1452aないし1452hから外向きに延びる突起であり、(アーム)1452c,1452d,1452g,1452hに関連する突起が(アーム)1452a,1452b,1452e,1452fに関連する突起と比較してオフセット位置関係にある突起、
(iv)雄端子本体1472の内壁から内向きに延びる突起、
(v)接触アーム1494aないし1494hからコネクタの中心に向かって内向きに延びる突起、
(vi)協働するように寸法決めされているバネ保持部、
(vii)バネ部材1440cが雄端子本体1472の中の中心にあり、バネレシーバ1486の中で回転できないことを確実にすることを助けるように設計されている、他の構造の突起、タブ、溝、凹部又は延長部である。
例えば、突起が、雄端子本体1472の前壁又は後壁から延びてよく、それらはバネ部材1440cの中に形成された開口によって受けられてよい。
【0030】
さらに、機械的なセンタリング手段又は位置揃え手段1453を利用する代わりに、センタリング手段1453は、力に基づくものであってよいことが理解されるものとする。そのような利用可能な力は、磁力又は化学的な力であるこの例では、バネ部材1440cの後壁は、雄端子本体1472の後壁に溶接されてよい。機械式又は力に基づくセンタリング手段1453とは対照的に、センタリング手段1453は、雄端子アセンブリ1430を形成する方法又はプロセスであってよい。例えば、センタリング手段1453は構造体でなくてよく、その代わりに、組立を必要としない方式で、雄端子本体1472の中に、バネ部材1440cを同時印刷したものであってよい。言い換えれば、雄端子本体1472の中でバネ部材1440cをセンタリングするという目的を達成するために、センタリング手段1453は、多くの形態(例えば、機械式に基づく、力に基づく、又はプロセスに基づく)を取ってよい。
【0031】
内部バネ部材1440cは、典型的には、1つのピースの材料(例えば、金属)から形成され、従って、バネ部材1440cは、一体バネ部材1440cであるか、又は、一体的に形成されたいくつかの特徴を有する。特に、以下の特徴、即ち、(i)アーチ状バネ区間1448aないし1448dと、(ii)ベースバネ区間1450aないし1450dと、(iii)バネアーム1452aないし1452hと、(iv)センタリング手段1453とが一体的に形成されている。これらの特徴を一体的に形成するために、バネ部材1440cは、典型的には、ダイ成形プロセスを使用して形成される。ダイ成形プロセスは、力を加えてバネ部材1440cを機械的に成形する。以下に、またPCT/US2019/036010でさらに詳細に説明されるように、バネ部材1440cが平坦な金属シートから形成され、雄端子1472の中に取り付けられ、雌レセプタクル4472に接続され、高温にさらされた場合に、バネ部材1440cが平坦なシートに復帰しようとすることに部分的に起因して、バネ部材1440cは、接触アーム1494aないし1494hに外向きの熱バネ力STFを加える。しかしながら、バネ部材1440cを形成する他の形成タイプ、例えば、鋳造、又は付加製造プロセス(例えば、3D印刷)を使用するなどのことが、利用されてよいことが理解されるものとする。他の実施形態では、バネ部材1440cの特徴は、1つのピースから形成されなくてよく、又は一体的に形成されなくてよく、代わりに、一緒に溶接される別個のピースから形成されてよい。
【0032】
図示されていない代替実施形態では、バネ部材1440cは、凹部と、関連する強化リブとを含んでよい。PCT/US2019/036010で記述されているように、バネ部材1440cの構成のこれらの変更は、バネ1440cに伴う力を変化させる。特に、バネ付勢力SBFは、雄端子アセンブリ1430が雌端子アセンブリ4430の中に挿入された場合に、バネ部材1440cの自由端1446の内向きの撓みに抵抗するためにバネ部材1440cによって加えられる力の大きさである。具体的には、雄端子アセンブリ1430の挿入中に、雄端子本体1472の外面の範囲が雌レセプタクル4472の内部よりもわずかに大きいため、この内向きの撓みが生じる。従って、雄端子アセンブリ1430が雌端子アセンブリ4430に挿入された場合に、外面の範囲は雄端子1470の中心1490に向かって力が加えられる。外面に対するこの内向きの力は、バネ部材1440cの自由端1446を内向きに(即ち、中心1490に向かって)変位させる。バネ部材1440cは、バネ付勢力SBFを提供することによって、この内向きの変位に抵抗する。
【0033】
[2.雄端子]
図2ないし7,14ないし18,20,22,及び28ないし31は、雄端子本体1472と雄端子接続板1474とを含む供給雄端子1470を示す。具体的には、雄端子接続板1474は、雄端子本体1472に結合され、雄端子アセンブリ1430をコネクタシステム100(スプライスブロックシステム10)の外部の装置(例えば、オルタネータ)に接続する構造(例えば、リード線又はワイヤ)の範囲を受容するように構成されている。ワイヤ1495は、典型的には、接続板1474に溶接されるが、本開示によって、ワイヤ1495を接続板1474に接続する他の方法(例えば、ワイヤ1495を接続板1474の一部として形成する)が想定されている。
【0034】
図2ないし7,14ないし18,20,22,及び28ないし31に示すように、雄端子側壁1482aないし1482dの構成は互いに結合され、概括的に直方体の角柱を形成する。雄端子側壁1482aないし1482dの構成は、(i)概括的に「U字形」の構成を有する側壁部分1492aないし1492dと、(ii)接触アーム1494aないし1494hと、(iii)複数の接触アーム開口1496aないし1496l(1496c)とを含む。
図4ないし7に最もよく示すように、側壁部分1492aないし1492dは実質的に平面状であり、U字形構成を有する。U字形構成は、3つの実質的に直線状のセグメントから形成され、第2又は中間セグメント1500aないし1500dは、一端が第1又は端部セグメント1498aないし1498dに結合され、他端が第3又は反対側の端部セグメント1502aないし1502dに結合されている。接触アーム1494aないし1494hは、(i)側壁部分1492aないし1492dの中間セグメント1500aないし1500dの範囲から延び、(ii)後部雄端子壁1484から離れて延び、(iii)接触アーム開口1496aないし1496lの範囲を横切り、(iv)前部雄端子壁1480の直前で終端する。この構成は、PCT/US2018/019787の中の
図9ないし15,18,21ないし31,32,41,42,45,46,48及び50に示される端子の構成よりも有益である。なぜならば、以下のことが可能になるからである。
(i)全長を短くすることができ、即ち、形成に必要な金属材料が少なくて済み、雄端子1470を狭く制限されたスペースに設置することができる。
(ii)通電容量が大きい。
(iii)組み立てが容易である。
(iv)接触アーム1494aないし1494hが第1雄端子側壁部分1492aないし1492dの内側に配置されるため、構造剛性が向上される。
(iv)PCT/US2019/036010に関連して開示される利点を有する。
(v)本明細書に開示されるか、又は本開示から当業者が推測できる他の有益な特徴を有する。
【0035】
図16及び
図28に示すように、側壁部分1492aないし1492d,2492aないし2492d,3492aないし3492dの外面は、(i)側壁構造115の内面の範囲に、実質的に平行に配置され、(ii)底壁110の内面110bと内側カバー表面105cとに、実質的に垂直に配置されている。さらに、側壁部分2492a,3492aの外面と、側壁部分2492c,3492cの外面とは、実質的に同一平面上にある。さらに、前部雄端子壁1480,2480,3480の外面は、(i)側壁構造115の内面の範囲に、実質的に垂直に配置され、(ii)底壁110の内面とカバー105aの内面105cとに、実質的に平行に配置されている。さらに、前部雄端子壁1480,2480,3480の外面は、実質的に同一平面上にあることが理解されるものとする。
【0036】
接触アーム開口1496aないし1496lは、雄端子側壁1482aないし1482dの中間部分1500aないし1500dに一体的に形成されている。接触アーム開口1496aないし1496lは、接触アーム1494aないし1494hの横方向の長さに沿って延びる。これは、接触アーム1494aないし1494hが、以下のものと横方向に接続されないことを可能にする構成を形成するためである。即ち、(i)別の接触アーム1494aないし1494h、又は(ii)接触アーム1494aないし1494hが結合される相手である雄端子側壁部分1492aないし1492dの範囲以外の構造と接続されないことを可能にする。さらに、接触アーム開口1496aないし1496lは、バネアーム開口と位置揃えされる。開口のこの構成は、接触アーム1494aないし1494hの数と同じ数のバネアーム1452aないし1452hを形成する。言い換えれば、
図4ないし7は、8つのバネアーム1452aないし1452hと、8つの接触アーム1494aないし1494hとを示す。他の実施形態では、バネアーム1452aないし1452hの数が、接触アーム1494aないし1494hの数と一致しなくてよいことが理解されるものとする。例えば、バネアーム1452aないし1452hの数は、一層少なくてよい。
【0037】
接触アーム1494aないし1494hは、外向き角度で後部雄端子壁1484から離れるように延びる。特に、外向き角度は、雄端子側壁1492aないし1492dの範囲の外面と接触アーム1494aないし1494hの第1範囲の外面との間で、0.1°及び16°の間であってよく、好ましくは5°及び12°の間、最も好ましくは7°及び8°の間であってよい。この外向き角度は複数の図に示されているが、
図7及び
図10に関連して最もよく可視化が可能である。この構成により、雄端子アセンブリ1430が雌端子アセンブリ4430に挿入された場合に、接触アーム1494aないし1494hは、雌レセプタクル4472によって、雄端子1470の中心1490に向かって、内側に撓み、又は変位することができる。この内向きの撓みは、
図31に最もよく示され、ギャップ1550によって明らかにされている。この内向きの撓みは、接触アーム1494aないし1494hが雌レセプタクル4472と接触して配置されることを確実にすることによって、適切な機械的及び電気的接続が確実に形成されるのを助ける。
【0038】
図4ないし7に示すように、バネ部材1440cがバネレシーバ1486に挿入された場合に、接触アーム1494aないし1494hの端子端は、(i)U字形側壁部分1492aないし1492dによって形成された開口の中に配置され、(ii)雄端子側壁部分1492aないし1492dに、実質的に平行に配置され、また(iii)バネアーム1452aないし1452hの平面状の外面に接触/隣接して配置されている。この構成は、PCT/US2018/019787の
図3ないし8に示される構成よりも有益である。なぜならば、バネ部材1440cを受け入れるように接触アーム1494aないし1494hの大部分を外側に変形させるために、雄端子アセンブリ1430の組立者が大きな力を加える必要がないからである。接触アーム11の傾斜に起因し、またバネアーム31の外面と接触アーム11の内面とが、その間に形成されるギャップなしに互いに隣接することにより、この必要な変形は、PCT/US2018/019787の
図6に最もよく示すことができる。PCT/US2018/019787の
図3ないし8とは対照的に、本出願の
図7は、バネ部材1440cの外面と、接触アーム1494aないし1494hの内面との間に形成された微小なギャップを示す。従って、バネ1440cを挿入する間に、大きく変形させるために接触アーム1494aないし1494hに組立者が力を加える必要がないことに起因して、バネ部材1440cをバネレシーバ1486に挿入するために必要な力は、非常に小さい。
【0039】
雄端子1470は、典型的には、1つのピースの材料(例えば、金属)から形成され、従って、雄端子1470は、一体の雄端子1470であり、一体的に形成されたいくつかの特徴を有する。これらの特徴を一体的に形成するために、雄端子1470は、典型的には、型抜きプロセスを使用して形成される。しかしながら、雄端子1470を形成する他の形成タイプ、例えば、鋳造、又は付加製造プロセス(例えば、3D印刷)を使用するなどのことが、利用されてよいことが理解されるものとする。他の実施形態では、雄端子1470の特徴は、1つのピースから形成されなくてよく、又は一体的に形成されなくてよく、代わりに、一緒に溶接される別個のピースから形成されてよい。雄端子1470を形成する際、雄端子1470の中に、任意の数(例えば、1ないし100)の接触アーム1494aないし1494hが形成されてよいことを理解するものとする。
【0040】
[3.雄端子本体の中のバネ部材の位置決め]
雄端子アセンブリ1430の中の内部バネ部材1440cの位置決めは、複数のステップ又は段階にわたって行われる。
図4は、非結合状態S
DCの雄端子アセンブリ1430の第1実施形態を示し、
図5は、部分結合状態S
PCの雄端子アセンブリ1430の第1実施形態を示し、
図6は、完全に結合された状態S
FCの雄端子アセンブリ1430の第1実施形態を示す。雄端子アセンブリ1430を組み立てる第1段階は
図4に示され、前部雄端子壁1480は開放位置又は平坦位置Poにあり、バネ部材1440cは雄端子1470から分離されている。この開放位置Poでは、前部雄端子壁1480は雄端子側壁1482cと実質的に同一平面上にある。雄端子1470のこの構成は、バネレシーバ1486を露出させ、雄端子1470がバネ部材1440cを受容する準備ができた状態にする。雄端子アセンブリ1430を組み立てる第2段階は
図5に示され、前部雄端子壁1480は開放位置又は水平位置Poのままであり、バネ部材1440cはバネレシーバ1486の中に位置決めされるか、又は挿入される。挿入状態に到達するために、バネ部材1440cをバネレシーバ1486の中に挿入するための挿入力F
Iがバネ部材1440cに加えられている。第2又は後部雄端子壁1484が後方のバネ壁1444に隣接して配置されるまで、挿入力F
Iはバネ部材1440cに加えられる。雄端子1470の自由端1488は、バネ部材1440cの自由端1446と実質的に位置揃えされ、雄端子側壁1482aないし1482dの一部は、バネ部材側壁1442aないし1442dの一部に隣接して配置される。
【0041】
雄端子アセンブリ1430を組み立てる第3段階を、
図6に示す。(i)前部雄端子壁1480は、閉じられるか又は垂直P
CLにされ、(ii)バネ部材1440cは、バネレシーバ1486の中に配置されている。前部雄端子壁1480を閉じるために、上向きの力Fuが雄端子壁1480に加えられ、雄端子壁1480をその継ぎ目で曲げて、側壁1482aないし1482dに隣接して配置する。前部雄端子壁1480が適切な位置になった後、上縁は、雄端子本体1472の側壁1480に結合(例えば、溶接)される。ここで、前部雄端子壁1480が閉じられるか又は垂直P
CLにされることは、バネ部材1440cが雄端子1470の中に保持されることを確実にする。他の実施形態では、前部雄端子壁1480は、省略されてよく、そこを貫通するタッチプルーフ(触れても安全な)ポスト開口を有さなくてよく、側壁1482aないし1482dから全体的に延びなくてよく(例えば、側壁1482aないし1482dのうち任意のものから部分的に延びてよく)、又は、両方の側壁1482aないし1482dに結合される別個のピースであってよいことが理解されるものとする。
【0042】
[4.ストレインリリーフアセンブリ]
ストレインリリーフアセンブリ1800は、ストレインリリーフキャップ1810などの複数のコンポーネントを含み、これらは、雄端子アセンブリ1430とワイヤ1495との間の接続から生じる歪み(strain)を緩和するように設計されている。このストレインリリーフアセンブリに関する追加の詳細は、PCT/US2019/36070に開示され、これは参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。
【0043】
[IV.受信雄コネクタアセンブリ]
第2又は受信雄コネクタアセンブリ2000と、第3又は受信雄コネクタアセンブリ3000とは、電流を受信し、主に、(i)受信雄端子アセンブリ2430,3430と、(ii)ストレインリリーフアセンブリ2800,3800とを含む。
図2,14ないし18,22,28及び29に示すように、受信雄端子アセンブリ2430,3430は、供給雄端子アセンブリ1430と同じ構成を有する。このように、同様の構造は同様の番号を有するので、図面に示される参照番号は、簡素化のために明細書から省略可能であることを理解するものとする。例えば、バネ部材1440cに関する開示は、本明細書では繰り返さないが、あたかも本明細書で繰り返されるかのようにバネ部材2440c,3440cに適用される。換言すれば、明細書から参照番号を省略し、又は、その構造の機能性の具体的な開示を省略しても、本出願の開示を限定しないものとする。その代わりに、本出願の別のセクションの中、又は参照により本明細書に組み込まれる他の出願の中で、記述することが可能である類似の構造の開示を参照するものとする。
【0044】
雄端子アセンブリ1430,2430,3430は同じ構成を有するように示されているが、他の実施形態では、雄端子アセンブリ1430,2430,3430は異なる構成を有してよいことが理解されるものとする。雄端子アセンブリは、例えば、PCT出願PCT/US18/019787,PCT/US19/036010,PCT/US21/43788,PCT/US21/47180,PCT/US21/43686,PCT/US22/37508,PCT/US20/49870,PCT/IB22/61786,PCT/EP22/25551の中に開示された任意の端子アセンブリであってよい。上述し、本明細書に示すように、単一の供給雄端子アセンブリ1430に結合されている複数の受信雄端子アセンブリ2430,3430が存在してよい。これに代えて、単一の受信雄端子アセンブリが、複数の供給雄端子アセンブリ1430に結合されてよい。受信雄端子アセンブリ2430,3430は、バスバー又は任意の他のタイプの電気伝送部材に結合されてよい。
【0045】
[V.相手側アセンブリ]
システム10の相手側アセンブリ4000は、接続状態Scで雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000を電気的に結合するように設計されている。概括的に
図8ないし13を参照すると、相手側アセンブリ4000は、主として、(i)内部雌型ハウジングアセンブリ4010と、(ii)複数の雌端子アセンブリ4430,4530,4630と、(iii)雌端子アセンブリ4430,4530,4630を互いに電気的に結合するように構成された、ブリッジ4800などの内部電流分配コンポーネントとを含む。雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000の電気的結合を容易にするために、相手側アセンブリ4000、即ち内部雌型ハウジングアセンブリ4010は、外部ハウジング100の上部範囲105、即ち蓋105aに直接結合される。上述の相手側アセンブリ4000は、接続状態Scで外部ハウジング100の中に配置されるように設計されている。他の実施形態では、相手側アセンブリ4000は、外部ハウジング100の上部範囲105又は蓋105aに固着されなくてよい(即ち、別個のピース)ことが理解されるものとする。
【0046】
内部雌型ハウジングアセンブリ4010は、ブリッジハウジング4116を含み、以下のように設計されている。即ち、(i)雌端子アセンブリ4430,4530,4630を受容して固定し、(ii)雄端子アセンブリ1430を雌端子アセンブリ4430,4530,4630と結合することを容易にし、(iii)異物が雌端子アセンブリ4430,4530,4630に誤って接触する機会を最小にし、(iv)USCAR仕様などの産業規格を満足する。図面では、内部雌型ハウジングアセンブリ4010は、一体的に形成された12個の側壁4112aないし4112lを有する3部分の壁構造2110(即ち、レシーバ4121,4122,4123)を含む。側壁4112aないし4112lは、ブリッジハウジング4116の上面4116aから上方に延び、雌端子アセンブリ4430,4530,4630のそれぞれの構成に実質的に一致する構成を有するレシーバを形成する。図面に示す実施形態では、雌端子アセンブリ4430,4530,4630は立方体状の構成を有し、従って、側壁4112aないし4112lは直線状の構成を有し、立方体のレシーバ4121,4122,4123を形成する。しかしながら、雌端子アセンブリ4430,4530,4630の形状の変更(例えば、円筒形端子の使用)には、側壁4112aないし4112lの形状及び構成を、端子の形状(例えば、中空円筒)を忠実に反映するように変更することが必要となる可能性があることを理解するものとする。
【0047】
少なくとも
図8ないし20に示すように、側壁4112aないし4112lは、雌端子アセンブリ4430,4530,4630の高さよりも大きい高さを有する。これらの高さの間のデルタは、側壁4112aないし4112lが少なくとも1つの雄型圧縮手段4140を含むことを可能にする。
図9及び
図10を参照すると、雄型圧縮手段4140は、スロープ又は傾斜圧縮面4144であり、側壁4112aないし4112lの最外縁4120aないし4120lから雌端子アセンブリ4430,4530,4630の最上縁4437aないし4437d,4438aないし4438d,4439aないし4439dまで延びる。開示された実施形態では、スロープ又は傾斜面4144は、最外縁4120aないし4120lのそれぞれから延び、実質的に直線状の構成を有する。しかしながら、スロープ又は傾斜面4144は、単に、最外縁4120aないし4120lのうちの1つ又は2つから延びてよいことが理解されるものとする。雄端子アセンブリ1430,2430,3430が、接続解除状態S
DCONで雌端子アセンブリ4430,4530,4630から分離された状態から、十分な結合力Fc(
図1及び
図19ないし31参照)を加えることにより、接続状態Scで雌端子アセンブリ4430,4530,4630の範囲の中に位置する状態へ移動する際に、図面に示す雄型圧縮手段4140とスロープ又は傾斜面4144とは、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494hを圧縮するように設計されている。このように、対向する最外縁4120aないし4120l間の距離は、スロープ又は傾斜面4144の対向する最後縁4124aないし4124l間に延びる最後縁距離よりも大きい側壁距離と等しい。最後縁距離は、雌端子アセンブリ4430,4530,4630のレセプタクル4472,4473,4474の対向する内面間に延びるレシーバ距離以上である。特に、側壁距離はレシーバ距離よりも0.1%ないし15%大きく、レシーバ距離は最後縁距離と等しいか、又は最後縁距離よりも0.1%ないし3%大きい。言い換えれば、スロープ又は傾斜面4144は、側壁4112aないし4112lの外面、及び/又は雌端子アセンブリ4430,4530,4630のレセプタクル4472,4473,4474の内面に対して角度が付けられている。特に、スロープ又は傾斜面4144の内面と、側壁4112aないし4112lの外面との間に延びる内角は、0.1°及び10°の間である。
【0048】
このスロープ又は傾斜面4144は、ポリマー又はプラスチック材料から作られ、そのため、金属表面に伴う摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する。換言すれば、雄端子アセンブリ1430,2430,3430の範囲(例えば、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494h)が、非金属材料(例えば、プラスチック)から形成された雄端子圧縮手段4140と係合した場合に、第1摩擦値が形成される。代替実施形態では、雄端子アセンブリ1430,2430,3430の範囲(例えば、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494h)が、金属材料(例えば、銅)から形成された雄端子圧縮手段と係合しようとした場合に、第2摩擦値が形成される。摩擦値を比較することにより、第1摩擦値は、第2摩擦値よりも小さいことが理解されるものとする。
【0049】
摩擦係数が低いほど、雄端子アセンブリ1430,2430,3430を雌端子アセンブリ4430,4530,4630に挿入するために必要な力を減少させる。これはシステム10の性能にとって有益である。なぜならば、(i)USCAR25を含む業界仕様では、クラス2コネクタの場合は45ニュートン、クラス3コネクタの場合は75ニュートンよりも、挿入力を大きくすることができないという要件があるからであり、(ii)雄端子アセンブリの接触アームが、雌端子アセンブリ4430,4530,4630のレセプタクル4472,4473,4474の内面と確実に接触し続けることを確実にすることを助けるには、挿入力を増加させる一層大きなバネ付勢力を使用することが望ましいからである。さらに、この一層低い摩擦係数は、ハンドル又はレバーアシストを必要とせずに、システム10が、USCAR仕様のクラス2/クラス3を満たしながら、接続解除状態SDCONから接続状態Scへ移動することができるので、有益である。ハンドル又はレバーアシストを除去することにより、システム10のサイズ、重量、及び製造コストを減少させる。摩擦係数をさらに減少させるために、スロープ又は傾斜面4144は、摩擦係数をさらに減少させる物質でコーティングされてよく、又はスロープ又は傾斜面4144は、摩擦係数が一層低い材料から作られてよいことが理解されるものとする。
【0050】
雄コネクタアセンブリ1000,2000,3000と相手側アセンブリ4000との構成により、システム10が接続解除状態SDCONから接続状態Scへ移動する際に、結合力Fcは、主に異なるスライド係合に起因する複数の成分を含む。例えば、雄端子アセンブリ1430,2430,3430の範囲、即ち、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494hが、雄端子圧縮手段4140とスライド係合している場合に、結合力Fcの第1力成分は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430を移動させるために必要とされる。雄端子アセンブリ1430,2430,3430の範囲、即ち、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494hが、雌端子レセプタクル4472,4473,4474に位置決めされた場合に、結合力Fcの第2力成分は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430を移動させるために必要とされる。システム10の構造的及び位置的構成により、結合力Fcの第2力成分の大きさは、結合力Fcの第1力成分の大きさよりも小さい。結合力Fcの第1力成分と第2力成分との大きさの差は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430のそれぞれがそれぞれの雌端子アセンブリ4430,4530,4630の中に正しく装着されていることをユーザ/オペレータ/設置者に通知する触覚フィードバックを、ユーザに与えるので有益である。実際に、この触覚フィードバックは、雄端子アセンブリ1430,2430,3430がハウジング110の中にさらに引き込まれる、又は雌端子アセンブリ4430,4530,4630の方に引き寄せられるという印象を、ユーザ/オペレータ/設置者に与える。このことは、適切な接続を容易にする。結合力Fcのコンポーネントに関する追加情報は、PCT/US19/036010の中に開示され、これも参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。
【0051】
相手側アセンブリ4000の雌端子アセンブリ4430,4530,4630は、雌端子本体を含み、雌端子本体は、後壁4434,4435,4436と一体的に形成された複数の側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dを含む。側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dと、後壁4434,4435,4436とのそれぞれは内面を有し、それらの組み合わせは立方体状の端子レセプタクル4472,4473,4474を形成する。これらの立方体状の端子レセプタクル4472,4473,4474は、対向する側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dの内面間に延びるレシーバ距離を有する。上述したように、レシーバ距離は、(i)側壁距離よりも小さく、(ii)最後縁距離と等しいか、又は最後縁距離よりも大きい。さらに、レシーバ距離は、対向する接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494hの最も外側の範囲の間に延びる雄端子アセンブリ距離よりも、0.1%ないし15%小さい。端子レセプタクル4472,4473,4474を雄端子アセンブリ距離よりも小さいレシーバ距離で形成することにより、雄端子アセンブリ1430,2430,3430が雌端子アセンブリ4430,4530,4630に挿入された場合に、接触アーム1494aないし1494h,2494aないし2494h,3494aないし3494hが圧縮されることを確実にする。さらに、雄端子アセンブリ1430,2430,3430のこの圧縮は、内部バネ部材1440c,2440c,3440cの圧縮につながる。このように、雄端子アセンブリ1430,2430,3430と雌端子アセンブリ4430,4530,4630との電気的及び機械的結合を容易にするために、バネ部材1440c,2440c,3440cは、接触アーム1494aないし1494hが端子レセプタクル4472,4473,4474の内面と確実に接触し続けることを確実にすることを助けるように、接触アーム1494aないし1494hに外向きの付勢力を及ぼす。
【0052】
図16及び
図28に示すように、側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dの外面は、(i)側壁構造115の内面の範囲に、実質的に平行に配置され、(ii)底壁110の内面110bとカバー105aとに、実質的に垂直に配置されている。さらに、側壁4432a,4433aの外面と側壁4432c,4433cの外面とは、実質的に同一平面上にある。さらに、後壁4434,4435,4436の外面は、(i)側壁構造115の内面に、実質的に垂直に配置され、(ii)底壁110の内面110bとカバー105aの内面105cとに、実質的に平行に配置されている。さらに、後壁4434,4435,4436の外面は、実質的に同一平面上にあることを理解するものとする。
【0053】
雌端子アセンブリ4430,4530,4630は、典型的には金属から形成され、好ましくは銅などの高導電性金属から形成される。雌端子アセンブリ4430,4530,4630は、Ni-Agでメッキ又はクラッドされてよい。図面に示すように、側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dは互いに一体的に形成されず、代わりに後壁4434,4435,4436とのみ一体的に形成される。他の実施形態では、雌端子アセンブリ4430,4530,4630は、一体的に形成された側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dを有してよく、側壁4431aないし4431d,4432aないし4432d,4433aないし4433dは、異なる材料から形成されてよく、及び/又は、雌端子アセンブリ4430,4530,4630は、Ni-Agでメッキ又はクラッドされなくてよい。
【0054】
ブリッジ又はバス4800は、実質的に同一平面上にある構成を有し、電気的に雌端子アセンブリ4430,4530,4630を互いに相互接続するように設計されている。ブリッジ4800は、雌端子アセンブリ4430,4530,4630の後壁4434,4435,4436に結合され、カバー105aの内面105cに間接的に取り付けられている。ブリッジ4800は、導電性材料(例えば銅)から作られている。ブリッジ4800は、ブリッジハウジング4116の中に配置され、このブリッジハウジング4116は、ブリッジ4800を外部ハウジング100から分離するように構成されている。
【0055】
[VI.端子の特性と機能]
図31は、接続状態Scで相手側アセンブリ4000の範囲に結合された雄コネクタアセンブリ1000の断面を示す。接触アーム1494aないし1494dを含む雄端子本体1472は、第1材料、例えば、銅、高導電性銅合金(例えば、C151又はC110)、アルミニウム及び/又は他の適切な導電性材料などから形成されてよい。第1材料は、IACS(International Annealed Copper Standard、即ち市販の銅の電気伝導度について経験的に導き出された標準値)の80%以上の電気伝導度を有することが好ましい。例えば、C151は通常、IACSに準拠した標準的な純銅の95%の導電率を有している。同様にC110の導電率は、IACSの101%である。特定の動作環境又は技術的用途では、システム10が設置されて使用される、高応力及び/又は過酷な天候の用途に望ましい耐腐食特性を有するため、C151を選択することが好ましいことがあってよい。雄端子本体1472のための第1材料は、C151であり、ASTM B747規格によれば、室温で約115ないし125GPa(ギガパスカル)の弾性率(ヤング率)と、17.6ppm/°C(20ないし300°Cから)、また17.0ppm/°C(20ないし200°Cから)の端子膨張係数(coefficient of terminal expansion,CTE)とを有することが報告されている。
【0056】
バネ部材1440cは、第2材料、例えば、バネ鋼、ステンレス鋼(例えば、301SS、1/4硬質)、及び/又は雄端子本体1472の第1材料よりも大きな剛性(例えば、ヤング率によって測定される)と弾力性とを有する他の適切な材料などから、形成されてよい。第2材料は好ましくは、第1材料の導電率よりも小さい導電率を有する。さらに第2材料は、室温で約193GPaであってよいヤング率と、17.8ppm/°C(0ないし315°Cから)、また16.9ppm/°C(0ないし100°Cから)の端子膨張係数(CTE)とを有する。想定される高電圧用途では、第1コネクタを形成する銅合金の断面積は、選択された銅合金の導電率と均衡する。例えば、一層低い導電率を有する銅合金が選択される場合に、そこから形成される接触アーム1494aないし1494dは、十分に電気を伝導するように、一層大きな断面積を有する。同様に、一層高い導電率を有する第1材料を選択した場合に、導電率の仕様を満たしつつ、接触アーム1494aないし1494dが比較的小さな断面積を有することを可能にしてよい。
【0057】
例示的な実施形態では、第2材料のCTEは、第1材料のCTEよりも大きくてよく、即ち、バネ部材1440cのCTEは、雄端子本体1472のCTEよりも大きい。従って、雄端子本体1472とバネ部材1440cとのアセンブリが、本開示に記載の電気コネクタの使用に典型的な高電圧と高温との環境にさらされた場合に、バネ部材1440cは、雄端子本体1472よりも相対的に大きく膨張(拡張)する。従って、雄端子本体1472の接触アーム1494aないし1494dに対してバネ部材1440cによって生成された外向きの付勢力SBFは、上昇した温度に応じて上昇し、以下、熱バネ力STFと称する。
【0058】
システム10の例示的な設置方法は、乗用車及び商用車に見られるようなクラス5の自動車環境での車両オルタネータである。クラス5の環境は、しばしば、車のボンネットの下にあることがあり、周囲温度として150°Cを呈し、日常的には200°Cに達する。銅、及び/又は導電性の高い銅合金が150°C以上の温度にさらされた場合に、これらの合金は可鍛性になり、機械的な弾力性を失う。即ち、銅材料は軟化する。しかしながら、バネ部材1440cを形成する鋼は、同様の条件にさらされた場合に、硬度と機械的特性とを保持する。従って、雄端子本体1472とバネ部材1440cとがともに高温にさらされた場合に、雄端子本体1472の第1材料が軟化し、第2材料から形成されたバネ部材1440cの構造的完全性が保持される。これにより、バネ部材1440cによって軟化した接触アーム1494aないし1494dに加えられた力は、接続状態Scで、雄端子本体1472の内部に対して、軟化した接触アーム1494aないし1494dを一層効果的に外向きに変位させる。
【0059】
接続状態Scでは、バネアーム1452aないし1452dの1つ以上の外面は、それぞれの接触アーム1494aないし1494dの自由端1488に接触する。上述したように、接触アーム1494aないし1494dの最も外側の範囲は、雌端子本体の内側の範囲よりもわずかに大きい。そのため、これらのコンポーネントが互いに嵌合された場合に、バネ部材1440cは圧縮される。バネ部材1440cのこの圧縮は、接触アーム1494aないし1494dに対して、バネ部材1440cの内部から離れる外向きの付勢力SBFを生じさせる。この構成は、コネクタアセンブリがさらされる高電力、高電圧の用途から生じる高温と熱サイクルとに耐えながら、導電性係合と機械的係合とを維持するように設計されている。さらに、雄端子本体1472と雌端子本体とは、高電圧、高温の用途に起因する高温と熱サイクルとの結果として熱膨張を受ける可能性があり、これにより、雄端子本体1472によって雌端子本体に加えられる外向きの力が増加する。雄端子本体1472と、バネ部材1440cと、雌端子本体との構成は、その間の外向きの接続力を増加させる。
【0060】
上記の例示的な実施形態に基づいて、バネ部材1440cのヤング率とCTEとは、両方とも、雄端子本体1472のヤング率とCTEとよりも大きい。従って、雄端子本体1472が、システム10を高温(例えば、約150°C)で繰り返される熱サイクルにさらす高出力用途で使用されるならば、
(i)雄端子本体1472は、可鍛性になり、いくらかの機械的弾力性を失い、即ち、雄端子本体1472での銅材料が軟化する。
(ii)バネ部材1440cは、雄端子本体1472と比較して、可鍛性にならず、機械的剛性もそれほど失わない。
【0061】
このように、機械的に冷間成形された(例えば、ダイ成形プロセスを利用した)バネ部材1440cを利用し、かつバネ部材1440cが高温にさらされる場合に、バネ部材1440cは、少なくとも、雌端子アセンブリ4430の中に雄端子アセンブリ1430,2430,3430が挿入される前に生じるその圧縮されていない状態に復帰しようとし、好ましくは、バネ部材1440cの形成前に生じるその元の平坦な状態に復帰しようとする。そうすることで、バネ部材1440cは、接触アーム1494aないし1494dの自由端1488に、概括的に外向きの熱バネ力S
TF(
図31で「S
TF」と示された矢印によって描かれている)を加える。この熱バネ力S
TFは、システム10が設置される環境での高温及び/又は低温を含む局所的な温度条件に依存する。従って、バネ付勢力S
BFと熱バネ力S
TFとの組み合わせは、結果的な付勢力S
Fを与える。雄端子アセンブリ1430,2430,3430が雌端子4430に挿入された場合に、及びシステム10の動作中に、接触アーム1494aないし1494dの外面が駆動され、又は雌端子本体2434の内面に強制的に接触することを、結果的な付勢力S
Fは確実にするので、電気的及び機械的接続を確実にする。さらに、熱サイクル事象が繰り返された場合に、雄端子アセンブリ1430,2430,3430は、システム10の繰り返し動作中に雌端子アセンブリ4430,4530,4630に加えられる外向きのバネ付勢力S
Fを増加させる。
【0062】
図31にさらに示されるように、接続状態Scで、雄端子アセンブリ1430,2430,3430は、雌端子アセンブリ4430に360°対応であること(compliance)を提供し、4つの主な方向の全てへの電気的及び機械的接続のために、外向きの十分な大きさの力Fが、雄端子アセンブリ1430,2430,3430によって雌端子アセンブリ4430に加えられることを確実にする。この属性により、接続中にコンポーネントの所望の姿勢を確実にするように設計された、キーイング機能及び/又は別の構造的機能を省略することができる。さらに、システム10の360°対応という属性は、振動などの激しい機械的条件下で機械的及び電気的接続を維持するのに役立つ。180°対応である構成を有する従来のブレード型又はフォーク型コネクタ、即ち、反対側の2つの側面のみで接続するコネクタでは、振動により高調波共振が発生し、180°対応コネクタが、特定の周波数で一層大きな振幅で発振する可能性がある。例えば、フォーク型コネクタに高調波共振を与えると、フォーク型コネクタが開くことがある。電気伝導中にフォーク型コネクタが開くことは、フォーク型コネクタを関連端子から瞬間的に機械的に分離すると、電気的なアーク放電が発生する可能性があるため、望ましくない。アーク放電は、180°対応端子だけでなく、180°対応端子がコンポーネントである電気システム全体に、重大な悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、本開示の360°対応という機能は、強い振動と電気的アーク放電とによって引き起こされる、システム10の問題のある故障を防止する。
【0063】
[VII.その他の関連情報]
システム10は、T4/V4/S3/D2/M2準拠である。ここでシステム10は、以下の条件、即ち、(i)T4は、システム10を150°Cにさらすことであり、(ii)V4は、厳しい振動であり、(iii)S3は、シールされた高圧スプレーであり、(iv)D2は、200000マイルの耐久性であり、(v)M2は、雄端子アセンブリ1430,2430,3430を雌端子アセンブリ4430,4530,4630に接続するために、45ニュートン未満の力を必要とする、これらの条件を満足し、それを上回る。T4/V4/S3/D2/M2準拠に加えて、システム10はプッシュ、クリック、タグ(PCT)準拠であり、この規格に関する追加情報はPCT/US2020/049870の中に開示されている。
【0064】
本出願の中に開示された雄端子アセンブリ1430,2430,3430と雌端子アセンブリ4430,4530,4630とは、PCT/US18/019787,PCT/US19/036010,PCT/US21/43788,PCT/US21/47180,PCT/US21/43686,PCT/US22/37508,PCT/US20/49870,PCT/IB22/61786,PCT/EP22/25551,又は、技術的に既知の任意の他の端子(例えば、RADSOK、ブレードなど)に開示された雄端子アセンブリと雌端子アセンブリとで、置き換えてよいことが理解されるものとする。さらに、本明細書に開示されたシステム10の他の性能仕様が、当業者に明らかになる。
【0065】
さらに、雄端子アセンブリは、任意の数の接触アーム1494,2494,3494(個数として、例えば、2及び100の間、好ましくは2及び50の間、最も好ましくは2及び8の間)と、任意の数のバネアーム1452,2452,3452(個数として、例えば、2及び100の間、好ましくは2及び50の間、最も好ましくは2及び8の間)とを有してよいことが理解されるものとする。上述したように、接触アーム1494,2494,3494の数は、バネアームの数と等しくなくてよい。例えば、接触アーム1494,2494,3494の数は、バネアーム1452,2452,3452の数よりも多くてよい。又は、接触アーム1494,2494,3494の数は、バネアーム1452,2452,3452の数よりも少なくてよい。
【0066】
[参照により組み込まれる資料及び開示]
PCT出願PCT/EP2022/025574,PCT/IB2022/061786,PCT/EP2022/025551,PCT/US2022/037508,PCT/IB2022/057772,PCT/US2021/057959,PCT/US2021/047180,PCT/US2021/043788,PCT/US2021/043686,PCT/US2021/033446,PCT/US2020/050018,PCT/US2020/049870,PCT/US2020/014484,PCT/US2020/013757,PCT/US2019/036127,PCT/US2019/036070,PCT/US2019/036010,及びPCT/US2018/019787,米国特許出願第16/194,891号,及び米国仮出願第63/308,488号。これは、それぞれ参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0067】
SAE仕様:J1742 201003であり、「高電圧車載電気ハーネス用の接続-試験方法及び一般性能要件」(2010年3月最終改訂)と題するもの。これは、参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0068】
ASTM仕様、即ち、
(i) D4935-18であり、「平面材料の電磁シールド効果を測定する標準試験方法」と題するものと、
(ii) ASTM D257であり、「絶縁材料の直流抵抗又はコンダクタンスの標準試験方法」と題するもの
とを含むものは、それぞれ参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0069】
米国規格協会(American National Standards Institute)及び/又はEOS/ESD Association, Inc.の仕様、即ち、ANSI/ESD STM11.11、静的散逸性平面材料の表面抵抗測定を含むものは、それぞれ参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0070】
DIN仕様(電子機器用コネクタ-試験及び測定-第5-2部:通電容量試験;試験5b:電流-温度ディレーティング(IEC60512-5-2:2002)。これは、参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0071】
USCAR仕様、即ち、
(i)SAE/USCAR-2,改訂6,2013年2月に最終改訂,ISBN:978-0-7680-7998-2,
(ii)SAE/USCAR-12,改訂5,2017年8月に最終改訂,ISBN:978-0-7680-8446-7,
(iii)SAE/USCAR-21,改訂3,2014年12月に最終改訂,
(iv)SAE/USCAR-25,改訂3,2016年3月に改訂,ISBN:978-0-7680-8319-4,
(v)SAE/USCAR-37,2008年8月に改訂,ISBN:978-0-7680-2098-4,
(vi)SAE/USCAR-38,改訂1,2016年5月に改訂,ISBN:978-0-7680-8350-7,
これらを含むものは、それぞれ参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0072】
IEC60529:1989+A1:1999+A2:2013であり、定格電圧が72,5kVを超えない電気機器用の容器(enclosure)が提供する保護等級の分類に適用する。2019年1月に改訂。これは、参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0073】
連邦試験規格(Federal Test Standard)101C及び4046を含むその他の規格は、それぞれ参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0074】
[工業的適用性]
いくつかの実施を例示して説明したが、本開示の精神から大きく逸脱することなく、多数の変更が想定される。保護の範囲は、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。例えば、上述したコンポーネントの全体形状は、三角柱、五角柱、六角柱、八角柱、球、円錐、四面体、立方体、十二面体、二十面体、八面体、楕円体、又は任意の他の類似の形状に変更されてよい。
【0075】
本明細書で使用される以下の用語は、概括的に以下を意味するものと理解するものとする。
a.「高電力」とは、(i)電流に関係なく20ボルトないし600ボルトの電圧、又は(ii)電圧に関係なく80アンペア以上の電流を意味するものとする。
b.「高電流」とは、電圧に関係なく80アンペア以上の電流を意味する。
c.「高電圧」とは、電流に関係なく20ボルトないし600ボルトの電圧を意味する。
【0076】
見出しや小見出しがある場合は、単に便宜上使用され、限定的ではない。例示的という語は、例又は説明として役立つことを意味するために使用される。含む、有するなどの用語が使用される程度に、このような用語は、請求項の中で移行の単語として使用された場合に、「備えている」が解釈されるように、「備えている」の用語と同様の方式で包括的であることが意図される。第1及び第2などの関係用語は、ある実体又は行為を別の実体又は行為から区別するために使用されてよいが、このような実体又は行為間の任意の実際の関係又は順序を、必ずしも要求又は示唆しない。
【0077】
態様、該当する態様、別の態様、いくつかの態様、1つ以上の態様、実施、該当する実施、別の実施、いくつかの実施、1つ以上の実施、実施形態、該当する実施形態、別の実施形態、いくつかの実施形態、1つ以上の実施形態、構成、該当する構成、別の構成、いくつかの構成、1つ以上の構成、主題技術、開示、本開示、それらの他の変形、及び同様の表現などの語句は、便宜上のものであり、そのような語句(複数可)に関連する開示が主題技術に必須であることを意味せず、又はそのような開示が主題技術の全ての構成に適用されることを意味しない。そのような語句(複数可)に関連する開示は、全ての構成、又は、1つ以上の構成に適用されてよい。そのような語句(複数可)に関連する開示は、1つ以上の例を提供してよい。態様やいくつかの態様といった表現は、1つ以上の態様を指してよく、その逆もまた同様である。これは、前述の他の語句にも同様に適用される。
【0078】
本開示に対する多数の変更は、前述の説明を考慮すれば当業者に明らかになる。本開示を実施するためのこの発明者に公知の最良の態様を含めて、本開示の好ましい実施形態が本明細書に述べられる。図示された実施形態は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものとして捉えるものでないことが、理解されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電システムの中で使用するスプライスブロックシステムであって、
取り外し可能なカバーを有する外部ハウジングと、
前記取り外し可能なカバーに結合され、第1雌端子アセンブリと、第2雌端子アセンブリと、第3雌端子アセンブリとを含む相手側アセンブリと、
第1雄端子アセンブリを有する第1雄コネクタアセンブリと、
第2雄端子アセンブリを有する第2雄コネクタアセンブリと、
第3雄端子アセンブリを有する第3雄コネクタアセンブリとを備え、
スプライスブロックシステムを分解状態S
DAから完全に組み立てられた状態S
FAへ移動させるために、位置決め力F
Pが、前記第1雄端子アセンブリと、前記第2雄端子アセンブリと、前記第3雄端子アセンブリとのそれぞれに加えられ、
スプライスブロックシステムを接続解除状態S
DCONから接続状態S
CONへ移動させるために、前記位置決め力F
Pに実質的に垂直な向きの結合力Fcの作用が前記取り外し可能なカバーに加えられ、
前記接続状態S
CONで、(i)前記第1雄端子アセンブリの範囲が前記第1雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(ii)前記第2雄端子アセンブリの範囲が前記第2雌端子アセンブリの中に位置決めされ、(iii)前記第3雄端子アセンブリの範囲が前記第3雌端子アセンブリの中に位置決めされている、
スプライスブロックシステム。
【請求項2】
前記第1雄端子アセンブリは、前記接続状態S
CONで前記取り外し可能なカバーに実質的に平行に配置されている前壁を含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項3】
前記接続状態S
CONで、前記第1雌端子アセンブリは、前記第1雄端子アセンブリの側壁に実質的に平行に配置される側壁を含み、
前記第1雌端子アセンブリと前記第1雄端子アセンブリとの前記側壁は、前記取り外し可能なカバーに垂直に配置されている、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項4】
前記相手側アセンブリは、前記取り外し可能なカバーに結合されている内部雌型ハウジングアセンブリを含
み、
前記内部雌型ハウジングアセンブリは、
(i)立方体状の構成を有し、前記第1雌端子アセンブリを受容するように構成されている第1レシーバと、
(ii)立方体状の構成を有し、前記第2雌端子アセンブリを受容するように構成されている第2レシーバと、
(iii)立方体状の構成を有し、前記第3雌端子アセンブリを受容するように構成されている第3レシーバとを含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項5】
前記相手側アセンブリは、前記取り外し可能なカバーに結合されている内部雌型ハウジングアセンブリを含み、
前記内部雌型ハウジングアセンブリは、雄型圧縮手段を含
み、
スプライスブロックシステムが前記接続解除状態S
DCON
から前記接続状態S
CON
へ移動した場合に、前記雄型圧縮手段は、前記第1雄端子アセンブリと、前記第2雄端子アセンブリと、前記第3雄端子アセンブリとの範囲を圧縮する、請求項
1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項6】
前記雄型圧縮手段は、圧縮面を含み、
1°及び10°の間である角度が、前記圧縮面と前記内部雌型ハウジングアセンブリの外面との間に形成されている、請求項
5記載のスプライスブロックシステム。
【請求項7】
前記相手側アセンブリは、ブリッジを含み、前記ブリッジは、実質的に平面状の構成を有し、
前記第1、第2及び第3
雌端子アセンブリを互いに電気的に相互接続するように構成され
、
前記相手側アセンブリはさらに、前記ブリッジと前記取り外し可能なカバーとの間に位置決めされているブリッジハウジングを含む、請求項1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項8】
前記接続解除状態S
DCONから前記接続状態S
CONへ移動するために必要とされる前記結合力Fcは、45ニュートン未満である、請求項
1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項9】
前記結合力Fcは、(i)第1力成分と、(ii)前記第1力成分とは異なる第2力成分とを有
し、
前記第1力成分と前記第2力成分との間の差は、触覚フィードバックをユーザに提供し、前記触覚フィードバックは、前記第1、第2及び第3雄端子アセンブリのそれぞれが、それぞれの前記第1、第2及び第3雌端子アセンブリの中に配置されていることを前記ユーザに通知する、請求項
1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項10】
前記第1雄端子アセンブリは、バネ部材を受容するように構成されたレシーバを有する雄端子本体を含む、請求項
1記載に記載のスプライスブロックシステム。
【請求項11】
前記第1雄端子アセンブリは、前壁を含み、前記前壁は、(i)前記バネ部材を前記レシーバの中に受容するように構成された開位置から、(ii)前記バネ部材を前記レシーバの中に固定するように構成された閉位置へ可動である、請求項
10記載のスプライスブロックシステム。
【請求項12】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)自由端を伴う接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
前記第1雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FCにある場合に、前記接触アームの前記自由端は、前記バネアームの平面状の表面に突き当たる、請求項
1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項13】
前記第1雄端子アセンブリは、(i)接触アームを有する雄端子本体と、(ii)バネアームを有するバネ部材とを含み、
(i)前記接続状態S
CONで、前記バネ部材の前記バネアームは、第1の前記雄端子本体の前記接触アームに外向きのバネ付勢力を及ぼすように構成され
、又は、
(ii)前記第1雄端子アセンブリが完全に結合された状態S
FC
にある場合に、ギャップが、前記バネアームの外面の範囲と、前記接触アームの内面との間に形成され、又は、
(iii)前記接続状態S
CON
で、前記バネアームの回転防止突起は、第1の前記雄端子本体の範囲に隣接して配置され、又は、
(iv)前記接続状態S
CON
で、前記第1雄端子アセンブリの前記接触アームは、前記バネ部材の前記バネアームと前記第1雌端子アセンブリの内面との間に挟まれる、請求項
1記載のスプライスブロックシステム。
【請求項14】
前記バネ付勢力は、前記位置決め力F
Pに実質的に平行
、又は実質的に垂直に方向付けられる、請求項
13記載のスプライスブロックシステム。
【請求項15】
前記バネ付勢力は、前記結合力Fcに実質的に垂直
、又は実質的に平行に方向付けられる、請求項
13記載のスプライスブロックシステム。
【国際調査報告】